説明

自立型実演ロボット

【課題】装置の説明を行う自立型ロボットの中でも、特に、キーを有する電子装置を実際に操作する実演を実行可能であって、装置の機能や操作方法などの理解を促進でき、その結果、店頭などに設置することで顧客の購買意欲を充分に喚起可能な自立型ロボットを提供する。
【解決手段】実演ロボット1は、設置部5に配設されたタッチセンサ36により、ラベルプリンタ100の設置を検知し、CCDカメラ37によりラベルプリンタ100の機種を判定し、ラベルプリンタ100の位置補正をする。ラベルプリンタ100の機種の判定結果に基づいて、実演内容データを決定し、実演内容データに基づいて、左腕3又は右腕4により、ラベルプリンタ100のキーボードを操作するとともに、キーボードの操作に関する音声データを再生する実演を実行する。又、当該実演の観者が至近距離まで近づいたことを検知すると、実演を一時中止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
キーを有する電子装置を実際に操作する実演を実行可能な自立型ロボットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、店舗等においては、販売スタッフや放送等により、製品の説明、入店の勧誘やキャンペーンの勧誘など多様な宣伝広告活動が行われている。現在、これらの宣伝広告活動に係る人件費等のコストが再検討され、これらをロボット等により行う技術が提案されている。
例えば、このような店舗等において使用されるロボット等に関する技術として、特許文献1に記載されたロボットや、特許文献2に記載された自立型広告装置がある。
【0003】
特許文献1には、来客探知センサにより来客を探知すると、音声による挨拶及び購入指示や、挨拶動作を行う切符販売ロボットが記載されている。この切符販売ロボットは、当該切符を販売する切符販売装置を、ロボット本体に備えており、ロボットが行う動作は、お辞儀動作と、音声の発生である。従って、この切符販売ロボットは、切符の販売に係る人件費等のコストを削減可能とするとともに、これらの動作により人間性を付加し、単なる切符販売機での切符の自動販売に比べ、切符購入者への好感度を増大させることができる。
【0004】
又、特許文献2には、店頭等に設置され、来客があった場合や、来客により衝撃が加えられた場合に、所定の音声を発生する自立型広告装置が記載されている。この自立型広告装置は、来客に反応して応答する音声を発生したり、当該装置に対して衝撃が加えられた場合に音声を発したりする。これにより、単純に、製品説明の音声を繰り返し再生するような従来の広告装置に比べ、顧客に対するアピール力を増強するとともに、購買意欲を高めることができる。
【特許文献1】特開昭62−84393号公報
【特許文献2】実用新案登録第3065782号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載された切符販売ロボットは、ロボット本体に配設された切符販売キーボードの操作説明音声の再生と、お辞儀動作の実行を行うのみである。つまり、切符の販売に対する宣伝広告動作はなされていないので、製品である切符に対する購買意欲を喚起することはできない。
又、特許文献2に記載された自立型広告装置においては、来客に応じて広告音声を発するので、顧客に対して、ある程度、当該広告内容を印象付けることができるが、このような宣伝広告方法は、既に広く行われており、顧客に慣れも生じている。即ち、顧客に対する訴求力が低下し、顧客の購買意欲を大きく増大させることができなくなってしまっている。
【0006】
更に、特許文献1及び特許文献2に記載されたロボット等においては、宣伝広告に係る動作としては、音声の発生のみである。つまり、これらの特許文献1、2に記載された発明により宣伝広告を行った場合には、製品を音声のみで宣伝広告することになる。
このような製品を音声のみで宣伝広告する方法は、従来からテープカセット等で音声を再生する方法により広く行われており、現在、当該宣伝広告方法は、既に新鮮味を喪失している。従って、上記特許文献に係る宣伝広告は、顧客の注意を引き、購買意欲を喚起できるものではなかった。
また、顧客の購買意欲は、当該製品に係る情報を理解することにより増大する。特に、操作を要する製品(例えば、電化製品)の場合には、その製品の機能や操作方法などの理解により、購買意欲が喚起される。
つまり、上記のような音声のみによる宣伝広告では、当該製品に対する具体的な態様を理解することは困難であり、結果的に、顧客の当該製品に対する購買意欲を喚起するまでに至らないという問題点があった。
【0007】
本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたものであり、装置の説明を行う自立型ロボットの中でも、特に、キーを有する電子装置を実際に操作する実演を実行可能であって、装置の機能や操作方法などの理解を促進でき、その結果、店頭などに設置することにより顧客の購買意欲を充分に喚起可能な自立型ロボットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この課題を解決するために成された請求項1に係る発明は、複数のキーを有する電子装置が設置される設置部と、前記電子機器と前記設置部の位置関係を特定する位置特定手段と、前記位置特定手段によって特定された位置関係を所定の位置関係に補正する位置関係補正手段と、前記設置部に設置された電子装置のキーの操作に関する動作データと、前記電子装置の動作に関する音声データとを含む実演データを記憶する記憶手段と、前記動作データに基づき前記キーを操作するキー操作手段と、前記音声データに基づき音声を出力する発音手段と、前記実演データに基づいて、前記キー操作手段と発音手段とを制御して電子装置の実演を実行する実演制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0009】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載の自立型実演ロボットにおいて、前記位置関係補正手段は、前記電子装置が所定の位置に配置されるように前記設置部を移動する移動手段を備えたことを特徴とする。
【0010】
また、請求項3に係る発明は、請求項1に記載の自立型実演ロボットにおいて、前記位置関係補正手段は、前記電子装置が前記設置部に設置された位置に合わせて電子装置のキーの操作に関する動作データを補正するキー操作補正手段を備えたことを特徴とする。
【0011】
また、請求項4に係る発明は、請求項1乃至請求項3に記載の自立型実演ロボットにおいて、前記実演データを入力可能な外部機器と、前記外部機器より入力された実演データに基づいて、前記記憶手段に格納された前記実演データを変更する実演データ変更手段と、を有することを特徴とする。
【0012】
また、請求項5に係る発明は、請求項4に記載の自立型実演ロボットにおいて、前記外部機器は、前記実演データが記録された記憶媒体であることを特徴とする。
【0013】
また、請求項6に係る発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の自立型実演ロボットにおいて、前記実演データが配信される情報提供装置と通信媒体を介して接続される接続手段を有し、前記情報提供装置より配信された実演データに基づいて、前記記憶手段に格納された実演データを変更する実演データ変更手段を有することを特徴とする。
【0014】
また、請求項7に係る発明は、請求項1乃至6に記載の自立型実演ロボットにおいて、前記設置部に設置された電子装置の種類を判定する種類判定手段を有するとともに、前記記憶手段には、電子装置の種類に応じた実演データが格納され、前記実演制御手段は、前記種類判定手段により判定された電子装置の種類に基づき前記記憶手段に格納された実演データを選択し、その選択された実演データに基づいて、その実演データに対応した電子装置の実演を実行することを特徴とする。
【0015】
そして、請求項8に係る発明は、請求項1乃至7のいずれかに記載の自立型実演ロボットにおいて、日時を計時する計時手段を備え、前記計時手段により計時された日時データを、前記発音手段を介して発声するようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に記載の発明に係る自立型実演ロボットでは、複数のキーを有する電子装置が設置される設置部と、電子機器と設置部の位置関係を特定する位置特定手段と、位置特定手段によって特定された位置関係を所定の位置関係に補正する位置関係補正手段を備えている。これにより、自立型実演ロボットは、観者が設置部に無作為に設置した電子機器と自立型実演ロボット自身との位置関係を、設置部を介して自動的に所定の位置関係に補正し、自立型実演ロボットの実演を実行可能な状態にする。この状態で記憶手段に記憶された実演データに基づいて実演データを変更することなしに、設置部に設置された電子装置の実演を実行することができる。また、この位置補正の一連の動作は、観者に対して「これからどうなるのか」と興味を喚起し、観者を自立型実演ロボットに惹き付けることができる。
そして、実演データは、電子装置のキーの操作に関する動作データと、電子装置の動作に関する音声データとを含んでおり、前記音声データに基づき音声を出力する発音手段を備えているので、電子装置の操作を実際に行う実演の実行とともに、当該電子装置の動作に関する音声による説明をすることができる。
当該自立型実演ロボットにより、電子装置の操作が実際に行われるので、当該電子装置を強く印象付けることができる。
更に、実演データに基づいて実演を実行することにより、電子装置の機能や操作方法などの情報を観者に具体的且つわかりやすく伝達することができる。即ち、電子装置がどのような機能を持ち、どのような操作により、当該機能を実行するのかを、観者に明確に把握させることができるので、単純な音声や画像のみによる説明に比べ、電子装置の機能や操作方法などの理解を促進でき、更に店頭になどに設置すれば、購買意欲をより喚起させることができる。
【0017】
また、請求項2に記載の発明に係る自立型実演ロボットでは、位置関係補正手段として、電子装置が所定の位置に配置されるように設置部を移動する移動手段を備えている。これにより、自立型実演ロボットは、観者が無作為に電子装置を設置部に設置したことを検知すると設置部を移動させて自立型実演ロボット自身と電子機器の位置関係を所定の位置に自動的に補正して実演を開始する。そのため、記憶手段に記憶された実演データに基づいて実演データを変更することなしに、設置部に設置された電子装置の実演を実行することができる。また、観者自身が電子装置を設置し、実演の観者となりうる人間が存在する状況となった時点で、電子装置の実演を開始するので、観者は、自らに反応して、自立型実演ロボットの実演が行われているように感じる。つまり、観者に対して、自立型実演ロボットの実演をより印象付けることができる。
【0018】
また、請求項3に記載の発明に係る自立型実演ロボットでは、位置関係補正手段として、電子装置が設置部に設置された位置に合わせて電子装置のキーの操作に関する動作データを補正するキー操作補正手段を備えている。これにより、自立型実演ロボットは、観者が設置部に無作為に設置した電子装置と自立型実演ロボット自身との位置関係を自動的に演算し、その演算結果によって自立型実演ロボットの腕部によるキーの操作に関する動作データを補正することによって、電子装置自身の位置補正をすることなしに自立型実演ロボットの実演を実行可能な状態にする。このため、電子装置の位置補正をする必要が無いので自立型実演ロボットの構造を簡単にすることができ、信頼性を向上させることができる。また、構造が簡単になるので、自立型実演ロボットの製造コストを下げることができる。更に、電子装置が設置部に無作為に設置されるとその設置された位置によって、自立型実演ロボットが実行する電子装置のキー操作の実演内容が変化するので、実演の内容に多様性が生まれる。
【0019】
そして、請求項4に記載の発明に係る自立型実演ロボットでは、実演データを入力可能な外部機器に接続され、外部機器より入力された実演データに基づいて、記憶手段に格納された実演データを変更する実演データ変更手段を有する。この結果、自立型実演ロボットは、外部機器から入力された実演データに基づいて変更された実演を実行することとなるので、電子装置の実演に多様性が生じ、観者が電子装置の操作に係る実演に飽きが生じることがなくなる。つまり、観者に新鮮味のある操作実演を見せることができるので、電子装置の操作の実演について、観者に退屈な印象を与えてしまうことを防止することができる。
【0020】
また、請求項5に記載の発明に係る自立型実演ロボットでは、外部機器は、実演データが記録された記憶媒体である。この実演データが記録された外部の記憶媒体を使用することにより、自立型実演ロボット側の実演データを記憶する記憶手段の負荷を軽減でき、自立型実演ロボットのコストを低減できる。また、複数の記憶媒体を差し替えることにより、記憶媒体から入力された実演データに基づいて変更された実演を実行することとなるので、電子装置の実演に多様性が生じ、観者が電子装置の操作に係る実演に飽きが生じることがなくなる。つまり、観者に新鮮味のある操作実演を見せることができるので、電子装置の操作の実演について、観者に退屈な印象を与えてしまうことを防止することができる。また、外部の記憶媒体にフラッシュメモリを使用することにより、フラッシュメモリは小型軽量で搬送に便利であり操作が簡単であるので、自立型実演ロボットの街頭やショー会場において、実演する実演データの内容を変更する必要性が発生した時に迅速に変更することができる。
【0021】
そして、請求項6に記載の発明に係る自立型実演ロボットでは、接続手段には、実演データが配信される情報提供装置と通信媒体を介して接続され、情報提供装置より配信された実演データに基づいて、電子装置の記憶手段に格納された実演データを変更して実演を実行する。これにより通信媒体が利用できる環境であれば、どこでも、例えば外国でも、最新の電子装置における操作の実演データや自立型実演ロボットの動作に対する最新のデータを入手して変更することができる。そのため、自立型実演ロボットによる迅速な広告宣伝活動ができる。
【0022】
また、請求項7に記載の発明に係る自立型実演ロボットでは、記憶手段には、電子装置の種類に応じた実演データが格納され、設置部に設置された電子装置の種類を判定する種類判定手段を有する。そして、実演制御手段は、種類判定手段の判定結果に応じた実演データに基づいて、当該電子装置に対する操作の実演を実行する。
従って、設置部に設置された電子装置の種類に応じて、異なる操作の実演を実行することができるので、電子装置の操作の実演に多様性が生じ、観者が電子装置の操作に係る実演に飽きが生じることがなくなる。つまり、観者に新鮮味のある操作実演を見せることができるので、電子装置の操作の実演について、観者に退屈な印象を与えてしまうことを防止することができる。
【0023】
そして、請求項8に記載の発明に係る自立型実演ロボットでは、日時を計時する計時手段を備え、計時手段により計時された日時データを、発音手段を介して発声するようにしたので、観者である人間が自立型実演ロボットから既定の距離以内にいないときや自立型実演ロボットを実演ロボットとして使用しないときにも時報発声装置として使用することによって、自立型実演ロボットを有効利用できるとともに、自立型実演ロボットに対して通行する観者に対して興味を喚起することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明に係る自立型実演ロボットについて具体化した第1実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。本第1実施形態においては、電子装置として、任意の文字、記号が印刷可能なラベルプリンタ100を用い、ラベルプリンタ100の操作が可能な実演ロボット1を例として説明する。
【0025】
先ず、本第1実施形態に係る実演ロボット1の概略構成について図1及び図2に基づき説明する。図1は、本第1実施形態に係る実演ロボット正面側の外観斜視図である。図2は、本第1実施形態に係る実演ロボット背面側の外観斜視図である。
図1、図2に示すように、本第1実施形態に係る実演ロボット1は、本体部2と、左腕3、右腕4、設置部5とから構成され、ペンギンを模した形状に形成されている。
本第1実施形態に係る実演ロボット1は、左腕3、右腕4により、本体部2の前部に形成された設置部5に設置されたラベルプリンタ100の操作を実演し、製品であるラベルプリンタ100の装置の説明及び操作実演を行う自立型ロボットである。
【0026】
ここで、実演ロボット1の本体部2は、略卵型の立体形状を成し、本体部2の前部には、後述するラベルプリンタ100が設置される設置部5が形成されている。この設置部5は、ラベルプリンタ100を載置して回転するターンテーブル20と、ターンテーブル20を支持し、ターンテーブル20を回転させるターンテーブルモータ44が付設されたターンテーブル受台21と、ターンテーブル受台21を支持し、ターンテーブル受台21をX軸方向にX軸移動溝24で移動させるX軸モータ45が付設されたX軸テーブル22と、X軸テーブル22を支持し、X軸テーブル22をY軸方向にY軸移動溝25で移動させるY軸モータ46が付設されたY軸テーブル23とで構成され、Y軸テーブル23の後方には実演ロボット1の本体部2が固定されている。また、ターンテーブル20の上面には、後述するタッチセンサ36が配設されている。
そして、本体部2の前面上部には、LCD6と、赤外線センサ7が配設されている。LCD6は、実演ロボット1の現在実行中の動作説明やメッセージを表示する表示手段である。赤外線センサ7は、公知の赤外線センサに対して、特定波長(6〜14μm)を透過するフィルムを取り付けたセンサであり、これにより、赤外線センサ7が検知可能な一定範囲内に人間が存在するか否かを検知することができる。また、赤外線センサ7により、その一定範囲内にいる人間と実演ロボット1との距離を測定することができる。これらのデータは、後述する実演ロボット1の制御に用いられる。
本体部2の側面には、それぞれ、左腕3、右腕4が回動可能に取り付けられている。左腕3の先端には、CCDカメラ37が取り付けられ、このCCDカメラ37が所定の位置からラベルプリンタ100を撮影することによってラベルプリンタ100の機種判別や位置補正をするためのセンサとなる。そこで、本第1実施形態に係る実演ロボット1では、これら左腕3、右腕4、CCDカメラ37を用いて、ターンテーブル20に設置されたラベルプリンタ100の機種判別、位置補正を行ってラベルプリンタ100の操作を実行することになる。ここで、左腕3、右腕4については、後に図面を参照して詳細に説明するので、ここでの説明は省略する。
【0027】
そして、図2に示すように、本体部2の背面側には、外部機器との接続に用いるUSBコネクタ8と、実演ロボット1の動作モードの設定に用いる動作モード切換スイッチ9が配設されている。
USBコネクタ8は、各種の外部機器との接続端子であり、外部機器からデータを受信することができる。本第1実施形態においては、実演ロボット1と、パーソナルコンピュータ200をケーブル11により接続し、パーソナルコンピュータ200で入力されたデータに基づいて、ラベルプリンタ100の操作を実行することができる(図3参照)。
尚、本第1実施形態においては、パーソナルコンピュータ200を外部機器として使用したがこれに限定するものではなく、携帯電話等の様々な外部機器との接続が可能である。
そして、動作モード切換スイッチ9は、実演ロボット1の動作モードを設定可能な設定モードに係る操作に使用されるスイッチである。本第1実施形態においては、設定モードにおいて設定可能な動作モードは、通常デモモード、通信デモモード及び記念シール作成モードが存在する。従って、動作モード切換スイッチ9を操作することにより、設定モードに移行し、これら3つの動作モードから、任意の動作モードを選択することができる。
【0028】
ここで、各動作モードについて、簡単に説明する。先ず、通常デモモードは、実演ロボット1において、初期設定されている動作モードである。この通常デモモードでは、実演ロボット1のROM51に格納されている規定の実演内容データに基づいて、実演動作を実行するモードである。この通常デモモードに関しては、後に、図面を参照しつつ詳細に説明する。
次に、通信デモモードは、図3に示すように、ラベルプリンタ100が設置された実演ロボット1と、パーソナルコンピュータ200を、USBコネクタ8を介して接続し、パーソナルコンピュータ200から入力されたデータに基づいて、実演ロボット1が、適宜動作を変更して、ラベルプリンタ100の操作を実行するモードである。この通信デモモードについても、後に図面を参照しつつ詳細に説明する。
そして、記念シール作成モードは、図3に示すように、ラベルプリンタ100が設置された実演ロボット1と、パーソナルコンピュータ200を、USBコネクタ8を介して接続するとともに、実演ロボット1に配設されている時計チップ41からの日時データを取得することにより、パーソナルコンピュータ200から入力されたデータ及び日時データに基づいて、実演ロボット1が適宜動作を変更して、ラベルプリンタ100の操作を実行するモードである。この記念シール作成モードについても、後に図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0029】
そして、本体部2の内部には、実演ロボット1の制御を行うCPU50等の各種制御装置が配設されている。これらの制御装置については、後に図面を参照しつつ詳細に説明することとし、ここでの説明は省略する。
又、本体部2内部には、左腕3、右腕4の動作を行う上で駆動源となるサーボモータ30が、左腕3の駆動用に4台、右腕4の駆動用に4台の計8台配設されている。左腕3の駆動に用いられるサーボモータ30は、左腕3の振り上げ、振り下ろし動作の駆動源である左腕回動モータ31L、左腕3の折り曲げ動作の駆動源である左腕第1モータ32L、左腕第2モータ33L、左腕第3モータ34Lの4台のサーボモータ30である。
一方、右腕4の駆動用に用いられるサーボモータ30は、左腕3と同様に、右腕4の振り上げ、振り下ろし動作の駆動源である右腕回動モータ31R、右腕4の折り曲げ動作の駆動源である右腕第1モータ32R、右腕第2モータ33R、右腕第3モータ34Rの4台のサーボモータ30である。
これら8台のサーボモータ30は、後述するサーボコントローラ35に接続されており、各サーボモータ30の駆動制御を行うことで、左腕3、右腕4を任意の位置に移動させることができる。
【0030】
ここで、実演ロボット1に配設されている左腕3、右腕4の構成について、図4乃至図6を参照しつつ詳細に説明する。図4は、左腕3の外観斜視図である。
図4に示すように、実演ロボット1の左腕3は、左腕キー操作部3a、第1左腕部材3b、第2左腕部材3c、第3左腕部材3d、第4左腕部材3e、左腕上腕部3fとから構成されている。
左腕キー操作部3a、第1左腕部材3b、第2左腕部材3c、第3左腕部材3d、第4左腕部材3e、左腕上腕部3fは、それぞれ、接続回動軸12により接続され、接続回動軸12を軸として、一定方向に回動可能に構成されている。そして、図6に示すように、接続回動軸12の外側(図6中上方)には、夫々バネ部材14が取り付けられており、バネ部材14の弾性力が加えられている。これにより、サーボモータ30により、左腕3は、折り曲げられた状態から、腕を伸ばした状態に戻すことができる。
【0031】
そして、左腕上腕部3fには、本体部2と接続される腕取付部13が形成されている。左腕3は、腕取付部13を介して、左腕回動モータ31Lに接続されており、左腕回動モータ31Lが駆動することにより、腕取付部13を軸として、左腕3の回動が可能となっている。従って、左腕回動モータ31Lが駆動することにより、左腕3の振り上げ、振り下ろし動作を行うことができる。
そして、図6に示すように、左腕キー操作部3a、第2左腕部材3c、第4左腕部材3eには、夫々ワイヤ15が取り付けられている。左腕キー操作部3aに取り付けられているワイヤ15は、左腕第1モータ32Lに接続されている。そして、第2左腕部材3cに取り付けられているワイヤ15は左腕第2モータ33L、第4左腕部材3eに取り付けられているワイヤ15は左腕第3モータ34Lに、夫々接続されている。
従って、左腕第1モータ32L、左腕第2モータ33L、左腕第3モータ34Lの駆動量を制御することにより、各ワイヤ15を介して、左腕キー操作部3a、第2左腕部材3c、第4左腕部材3eの移動量が制御される。この結果、左腕3の折り曲げ角度が制御されることとなる(図5参照)。
即ち、上述した左腕回動モータ31Lによる左腕3の回動量制御と、左腕第1モータ32L、左腕第2モータ33L、左腕第3モータ34Lによる左腕3の折り曲げ制御を行うことにより、左腕3を任意の位置に移動させることができる。
また、左腕3の左腕キー操作部3aの側面にはCCDカメラ37が取り付けられている。そして、上述したように左腕回動モータ31Lによる左腕3の回動量制御と、左腕第1モータ32L、左腕第2モータ33L、左腕第3モータ34Lによる左腕3の折り曲げ制御を行うことにより、左腕3の左腕キー操作部3aに取り付けられているCCDカメラ37を所定の位置に移動してラベルプリンタ100の機種判別や位置補正をするための撮影を行うことができる。
【0032】
尚、ここでは、左腕3を例として説明したが、右腕4も、同様の構成(図示せず)である。即ち、右腕4は、右腕キー操作部、第1右腕部材、第2右腕部材、第3右腕部材、第4右腕部材、右腕上腕部とから構成され、接続回動軸、バネ部材が配設されている。
そして、右腕上腕部の腕取付部には、右腕回動モータ31Rが接続され、右腕4の回動量が制御される。右腕キー操作部、第2右腕部材、第4右腕部材にはワイヤを介して、右腕第1モータ32R、右腕第2モータ33R、右腕第3モータ34Rと接続され、右腕4の折り曲げ制御を行う。即ち、左腕3と同様に、右腕回動モータ31R、右腕第1モータ32R、右腕第2モータ33R、右腕第3モータ34Rを駆動制御することで、右腕4を任意の位置に移動させることができる。
【0033】
ここで、本第1実施形態に係る実演ロボット1において、設置部5のターンテーブル20に設置され、左腕3又は右腕4により操作実演が成されるラベルプリンタ100について、図面を参照しつつ説明する。図7は、ラベルプリンタ100の外観斜視図である。
図7に示すように、本第1実施形態に係るラベルプリンタ100は、複数のキーを有するキーボード101と、キーボード101により入力されたデータを表示するラベルプリンタ表示部102を有している。ラベルプリンタ100の本体内部には、感熱式の印字テープが格納されたテープカセット(図示せず)が収納されている。そして、ラベルプリンタ100の内部には、キーボード101により入力されたデータを印字テープに印刷するサーマルヘッド103と、印字テープを搬送する駆動モータ104が、配設されている。
【0034】
尚、本第1実施形態においては、ラベルプリンタ100には、同形状であって、機種の異なるラペルプリンタが3種類あるものとする。この3種類のラベルプリンタを、夫々、ラベルプリンタ(A)、ラベルプリンタ(B)、ラベルプリンタ(C)と呼ぶ。又、これらのラベルプリンタ(A)、ラベルプリンタ(B)、ラベルプリンタ(C)の本体カラーは、相互に異なるものとする。
【0035】
ここで、キーボード101について説明する。キーボード101には、電源キー121、印刷キー122、文字入力キー123、漢字変換キー124、カタカナキー125、大小切替キー126、カーソルキー127、決定キー128、文字種切換キー129、スタイルキー130、イラストキー131等のキーが、軟質ゴム等で形成されている。配設されている。
先ず、キーボード101に配設されている各キーについて簡単に説明する。電源キー121は、ラベルプリンタ100の電源をオン・オフするキーである。そして、印刷キー122は、文字入力キー123等により作成された文書データの印刷を指令するキーである。
文字入力キー123は、文書データを作成するためのキーであり、選択されている文字種に応じて、文字種をキー入力できるように構成されている。
例えば、文字入力キー123の上面部に「あ、1、A、B、C」の文字が印刷されている場合には、ひらがな入力時には、この文字入力キー123を押下する毎に、ラベルプリンタ表示部102上のカーソル位置に「あ]、「い」、「う]、「え」、「お」の文字が順次表示される。
また、英字入力時には、当該文字入力キー123を押下する毎に、ラベルプリンタ表示部102上のカーソル位置に「A」、「B」、「C」の文字が順次表示される。そして、数字入力時には、当該文字入力キー123を押下することにより、ラベルプリンタ表示部102上のカーソル位置に「1」が表示される。
そして、この時に、決定キー128を入力することにより、表示された文字が確定する。
【0036】
漢字変換キー124は、文字入力キー123等で作成された文書データの漢字変換を行なうキーである。又、カタカナキー125は、漢字変換キー124と同様に、文書データのカタカナ変換を行うキーである。
そして、大小切替キー126は、英字入力時において、英字の大文字と小文字とを押下する毎に切り替えるキーである。
カーソルキー127は、ラベルプリンタ表示部102上に表示されるカーソルを左右に移動させるキーであり、決定キー128は、文字選択や入力文字の確定等を指令するキーである。
文字種切換キー129は、押下する毎に、文字入力時に入力される文字種を「ひらがな」、「数字」、「英字」に切り換えるキーである。
スタイルキー130は、作成された文書データのスタイル変更を行うキーであり、イラストキー131は、文書データに対して、ドットで描かれたイラストを入力するキーである。
【0037】
次に、ラベルプリンタ100の制御系について、図面を参照しつつ説明する。図8は、本第1実施形態に係るラベルプリンタの制御系を示すブロック図である。
ラベルプリンタ100は、プリンタCPU110により、ラベルプリンタの文書データの入力編集、及び印刷等の各種機能に係る制御が行われる。
ここで、プリンタCPU110は、プリンタROM111、プリンタRAM112と接続されており、プリンタROM111、プリンタRAM112の記憶内容に基づいて、ラベルプリンタ100の各種制御を行う。
【0038】
プリンタROM111には、ラベルプリンタ100の制御上必要な各種の制御プログラムが格納されたプログラムメモリや、キーボード101から入力されたテキストの仮名・漢字変換を行う際に使用される辞書データが格納された辞書メモリが形成されている。
また、プリンタROM111には、印刷対象となる多数の文字やイラスト等のドットパターンデータがコードデータと対応付けて記憶されている。更に、プリンタROM111には、印刷対象となる多数の文字やイラスト等の表示用ドットパターンデータがコードデータと対応付けて記憶されている。
そして、プリンタRAM112には、キーボード101を介して入力された入力データを記憶する入力バッファ、印刷用データを記憶する印刷バッファ、シフトレジスタ等、種々のカウンタやレジスタが設けられている。
【0039】
ここで、プリンタCPU110は、キーボード101と接続されており、各キーの入力信号と、プリンタROM111、プリンタRAM112の記憶内容に基づいて、文書データを作成し、プリンタRAM112内の入力バッファ、印刷バッファに格納する。
【0040】
そして、プリンタCPU110は、ヘッド駆動回路113、モータ駆動回路114、表示部駆動回路115に接続されている。
ヘッド駆動回路113は、印字テープに対して印刷を行う駆動モータ104を駆動する為の回路であり、プリンタCPU110からの指令に基づいて、サーマルヘッド103を駆動する。
モータ駆動回路114は、印字テープの搬送を行う駆動モータ104の駆動を司る回路であり、プリンタCPU110からの指令に基づいて、サーマルヘッド103を駆動する。
そして、表示部駆動回路115は、ラベルプリンタ表示部102の表示を行うための回路であり、プリンタCPU110からの指令に基づいて、ラベルプリンタ表示部102を駆動する。
【0041】
本第1実施形態に係るラベルプリンタ100においては、上記構成を有するものとする。ここで、ラベルプリンタ100は、プリンタCPU110により、制御プログラムを実行することにより、文字の入力編集処理や印刷処理等の各種処理が行われるが、これらの制御プログラムについては、既に公知の技術であるので、ここでの説明は省略する。
このように、上記構成を有するラベルプリンタ100では、キーボード101の操作を行うことにより、任意の印刷データを作成し、作成した印刷データを印字テープに印刷することができる。
【0042】
ここで、上述した実演ロボット1の制御系について、図面を参照しつつ詳細に説明する。図9は、本第1実施形態に係る実演ロボット1の制御系を示すブロック図である。
本第1実施形態に係る実演ロボット1は、制御回路CUにより、各種アクチュエータの制御が行われている。
制御回路CUには、CPU50、ROM51、RAM52が配設されている。CPU50は、実演ロボット1の各種制御の中枢を担うものであり、制御プログラムを実行する中央演算処理装置である。
ROM51には、後述するラベルプリンタ100を実演操作する際の制御プログラムなどの各種制御プログラムや、設置部5のターンテーブル20に設置されたラベルプリンタ100の機種を判定する際に用いられる機種別データテーブル、左腕3、右腕4、ターンテーブル20、ターンテーブル受台21、X軸テーブル22を駆動する際のサーボモータ30の駆動量を規定したモータ駆動テーブル等の実演ロボット1の制御に使用される各種データテーブルが格納されている。
ここで、モータ駆動テーブルについて簡単に説明する。本第1実施形態においては、ラベルプリンタ100を設置部5のターンテーブル20に設置した際に、CCDカメラ37がラベルプリンタ100の機種判定や位置補正をするための位置設定やキーボード101の各キーを操作するためにサーボモータ30の駆動量が規定されている。
例えば、左腕3により印刷キー122を入力する場合には、モータ駆動テーブルから、印刷キー122に対応する左腕回動モータ31L、左腕第1モータ32L、左腕第2モータ33L、左腕第3モータ34Lの駆動量に係るデータを読出し、読み出したデータに基づいて、各サーボモータを駆動する。これにより、設置されたラベルプリンタ100に対応して、左腕3又は右腕4による操作を行うことができる。
RAM52は、実演ロボット1の制御プログラムを実行する際の、ROM51による演算結果等を一時的に格納する記憶装置である。
【0043】
制御回路CUには、前述した左腕3、右腕4、ターンテーブル20、ターンテーブル受台21、X軸テーブル22の駆動に係るサーボモータ30の駆動制御を行うサーボコントローラ35が接続されている。サーボコントローラ35は、左腕回動モータ31L、左腕第1モータ32L、左腕第2モータ33L、左腕第3モータ34L、右腕回動モータ31R、右腕第1モータ32R、右腕第2モータ33R、右腕第3モータ34R、ターンテーブルモータ44、X軸モータ45、Y軸モータ46と接続されている。
従って、上述したモータ駆動テーブルに基づいて、CPU50からサーボコントローラ35へ指令されることにより、サーボコントローラ35は、左腕回動モータ31L、左腕第1モータ32L、左腕第2モータ33L、左腕第3モータ34L、右腕回動モータ31R、右腕第1モータ32R、右腕第2モータ33R、右腕第3モータ34R、ターンテーブルモータ44、X軸モータ45、Y軸モータ46の夫々に対して、駆動量制御を行いつつ、各サーボモータ30を駆動する。
【0044】
そして、制御回路CUには、赤外線センサ7、タッチセンサ36及びCCDカメラ37が接続されている。
赤外線センサ7は、上述したように、特定波長のみ透過するフィルタが配設された赤外線センサであり、一定範囲内における人間の存在、当該人間との距離を検知、測定するセンサである。この赤外線センサ7により検知測定されたデータは、RAM52に格納され、後述するプログラムを実行する際に用いられる。尚、本第1実施形態においては、赤外線センサ7が人間を検知することができる検知可能範囲は、実演ロボット1から半径3mの扇状の範囲とする。
タッチセンサ36は、接触式のセンサであり、設置部5のターンテーブル20にラベルプリンタ100が設置された場合に、接触するようにターンテーブル20の上面に配設されている。従って、このタッチセンサ36は、設置部5のターンテーブル20の上面にラベルプリンタ100が設置されたか否かを判断する際に用いられる。
そして、CCDカメラ37は、撮像素子として実演ロボット1の左腕キー操作部3aに取り付けられ、実演ロボット1の左腕キー操作部3aと共にCCDカメラ37を所定の高さと位置にしてラベルプリンタ100を撮影することによってラベルプリンタ100の機種判別や位置補正をするためのセンサとなる。即ち、CCDカメラ37によってラベルプリンタ100の機種を判定し位置を補正するための情報を取得している。
【0045】
更に、制御回路CUには、音声モジュール38を介して、音声を発音するスピーカ39が接続されている。音声モジュール38には、実演する際に使用される音声データが複数格納された音声ROM38aと、音声データをスピーカ39により発音する際に、当該音声データを一時的に格納する音声RAM38bが形成されている。
音声ROM38aには、通常デモモード、通信デモモード、記念シール作成モードの各モードに対応する音声データが複数格納されている。これにより、各動作モードにおいて、対応する音声データが選択され、スピーカ39により、適した音声が発音される。
【0046】
そして、制御回路CUには、EEPROM40が接続されている。EEPROM40は、記憶内容を書き込み、消去可能な記憶装置である。このEEPROM40には、実演ロボット1の実演に係る実演内容データが複数記憶されている。そして、実演ロボット1が実演を行う際には、EEPROM40から読み出された実演内容データに応じた音声データが音声ROM38aより読み出され、実演の動作、音声が同期して実行される。
また、EEPROM40には、実演ロボット1の動作モードに係る情報等の設定情報が格納されている。従って、動作モード切換スイッチ9による動作モードの変更が行われた場合には、EEPROM40おいて、現在の動作モードに係る情報が消去され、新たに選択された動作モードに係る情報が書き込まれる。
【0047】
また、制御回路CUには、USBコネクタ8、動作モード切換スイッチ9、時計チップ41が接続されている。
USBコネクタ8は、上述したように、実演ロボット1と、外部機器であるパーソナルコンピュータ200とをケーブル11により接続する際に使用される接続端子である。従って、通信デモモード、記念シール作成モードにより、実演ロボット1の実演が実行される場合には、実演ロボット1は、USBコネクタ8を介して、接続されているパーソナルコンピュータ200からのデータを受信することができる。
動作モード切換スイッチ9は、上述した通常デモモード、通信デモモード、記念シール作成モードの各モードを選択可能な設定モードへの移行及び設定モードでの操作に使用されるスイッチである。動作モード切換スイッチ9を操作することにより、動作モードの変更が可能となり、選択された動作モードに係るデータは、EEPROM40に格納される。
そして、時計チップ41は、現在の日時を計時する計時手段であり、記念シール作成モードにより、実演ロボット1の実演が実行される際に用いられる。
尚、当該時計チップ41は、自動的に時刻誤差を修正する機能を有する電波時計のように、常に正確な時刻に調整されるものが望ましい。
【0048】
次に、本第1実施形態に係る実演ロボット1のメイン制御プログラムについて、図面を参照しつつ詳細に説明する。図10は、本第1実施形態に係る実演ロボット1のメイン制御プログラムのフローチャートである。
実演ロボット1のメイン制御プログラムの実行が開始されると、先ず、CPU50は、初期化処理を行う(S1)。初期化処理においては、RAM52及び音声RAM38bのクリア等が行われ、S2に移行する。
【0049】
S2においては、CPU50は、現在設定されている動作モードを示す設定モード情報を、EEPROM40から読み出す。設定モード情報を読み出した後、S3に移行する。
そして、S3では、CPU50は、設定モードに移行するか否かについての判断を行う。本第1実施形態においては、動作モードの選択変更が可能な設定モードには、動作モード切換スイッチ9を所定時間(例えば、10秒)入力し続けることにより、移行することとする。
従って、S3においては、CPU50は、動作モード切換スイッチ9からの入力信号を所定時間の間、継続して受信したか否かに基づいて、設定モードへ移行するか否かの判断を行う。設定モードへの移行操作が行われた場合には(S3:YES)、動作設定処理(S4)に移行する。
一方、設定モードへの移行操作が行われなかった場合には(S3:NO)、現在設定されている動作モードに基づいて、実演ロボット1の制御が開始され、S5に移行する。
そして、動作設定処理(S4)では、実演ロボット1の実演の動作モードを、通常デモモード、通信デモモード、記念シール作成モードの各モードから任意の動作モードに変更する処理が行われる。この動作設定処理(S4)については、後に図面を参照しつつ詳細に説明する。S4終了後は、再び、S2に戻り、動作設定処理(S4)で設定された設定モード情報が読み出される。
【0050】
S5では、CPU50は、赤外線センサ7から出力される検知信号の有無に基づいて、赤外線反応の有無についての判断を行う。即ち、S5においては、実演ロボット1が実演を実行した場合に、観者となりうる人間が所定範囲内に居るか否かについての判断を行う。赤外線センサ7により赤外線反応があった場合には(S5:YES)、S6に移行する。一方、赤外線反応がない場合には(S5:NO)、S16に移行して時報を発声しながら赤外線反応があるまで繰り返す。
そして、S6においては、CPU50は、設置部5にラベルプリンタ100が設置されているか否かを判断する。ここで、S6の判断は、タッチセンサ36からの検出信号に基づいて行われる。設置部5のターンテーブル20にラベルプリンタ100が設置されている場合には(S6:YES)、設置されているラベルプリンタ100の機種(ラベルプリンタ(A)、ラベルプリンタ(B)、ラベルプリンタ(C)の何れか)を判定する機種判定処理(S7)に移行する。
一方、設置部5のターンテーブル20にラベルプリンタ100が設置されていない場合には(S6:NO)、実演の観者となる人間に対して、ラベルプリンタ100についての製品説明を行いつつ、ラベルプリンタ100の設置を呼びかける呼び込み処理(S8)に移行する。
【0051】
設置部5のターンテーブル20にラベルプリンタ100が設置されていない場合(S6:NO)に移行する呼び込み処理(S8)においては、実演ロボット1による実演の観者となる人間に対して、ラベルプリンタ100についての製品説明を行いつつ、ラベルプリンタ100の設置を呼びかける動作が行われる。呼び込み処理(S8)終了後は、再びS5に移行し、処理を繰り返す。
尚、この呼び込み処理(S8)については、後に図面を参照しつつ詳細に説明することとし、ここでの説明は省略する。
【0052】
一方、設置部5のターンテーブル20にラベルプリンタ100が設置されている場合(S6:YES)に移行する機種判定・位置補正処理(S7)においては、設置されているラベルプリンタ100をCCDカメラ37で撮影し、ROM51に格納されている機種別データテーブルと比較して設置されているラベルプリンタ100が、ラベルプリンタ(A)、ラベルプリンタ(B)、ラベルプリンタ(C)の何れに該当するのかを判定する処理が行われる。そして、次にラベルプリンタ100が実演ロボット1の本体部2に対してターンテーブル20を介して所定の位置に設置されるように位置補正処理が行われる。機種判定・位置補正処理(S7)終了後、動作実行処理(S9)に移行する。
尚、機種判定処理(S7)についても、後に図面を参照しつつ詳細に説明するので、ここでの説明は省略する。
【0053】
動作実行処理(S9)では、S2において読み出された設定モード情報と、機種判定処理(S7)において判定されたラベルプリンタ100の機種を示す機種データとに基づいて、実演ロボット1の実演動作の内容が規定された実演内容データが読み出され、この実演内容データに基づいて、ラベルプリンタ100の実演が実行される。実演内容データに基づき、実演ロボット1の実演動作が終了すると、終了処理(S10)に移行する。
この動作実行処理(S9)では、通常デモモード、通信デモモード、記念シール作成モードの各動作モードにより、実行される動作が異なる。従って、動作実行処理(S9)については、後に、動作モード毎に図面を参照しつつ詳細に説明するので、ここでの説明は省略する。
【0054】
そして、終了処理(S10)では、CPU50は、実演ロボット1の実演の実行を終了する終了処理が行う。つまり、S5〜S9の処理により、RAM52に格納された各種演算結果等の記憶内容をRAM52から消去する処理等の実演の終了に係る処理が行われる。終了処理(S10)終了後、S5に移行し、処理を繰り返す。
【0055】
次に、上述したメイン制御プログラムにおける各処理について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
先ず、動作設定処理(S4)について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。図11(a)は、動作設定処理プログラムのフローチャートである。図11(b)は、動作設定処理に関する説明図である。
ここで、本第1実施形態においては、設定モードにおいて、動作モード切換スイッチ9を所定時間以上入力することにより、現在選択されている動作モードを確定する。そして、動作モード切換スイッチ9の入力が所定時間未満の場合には、現在の動作モードを、異なる動作モードの選択状態に変更する。即ち、図11(b)に示すように、動作モード切換スイッチ9を短時間入力する毎に、「通常デモモード」、「通信デモモード」、「記念シール作成モード」、「通常デモモード」…というように、選択している動作モードが変更される。
尚、この動作選択処理(S4)を実行している間は、LCD6には、現在選択状態にある動作モードの名称が表示される。従って、LCD6の表示を視認することにより、実演ロボット1を使用する管理者は、所望の動作モードを選択することができる。
【0056】
動作モード切換スイッチ9の入力が所定時間以上継続され(S3:YES)、動作設定処理(S4)に移行すると、先ず、CPU50は、動作モード切換スイッチ9が入力されたか否かについての判断を行う。動作モード切換スイッチ9が入力されない場合には(S11:NO)、動作モード切換スイッチ9の入力があるまで処理を待機する。
一方、動作モード切換スイッチ9が入力された場合には(S11:YES)、S12に移行し、S11における動作モード切換スイッチ9の入力が所定時間以上継続しているか否かについての判断を行う(S12)。
動作モード切換スイッチ9の入力が所定時間以上継続されている場合には(S12:YES)、現在選択されている動作モードを確定し、この動作モードを示す設定モード情報をEEPROM40に格納する(S13)。新たに設定された設定モード情報をEEPROM40に格納した後、動作設定処理(S4)を終了し、S2に移行する。
一方、動作モード切換スイッチ9の入力が短時間であった場合には(S12:NO)、現在の動作モードの選択状態を解除し、次の動作モードを選択状態とする(S14)。この時、LCD6の表示も、次の動作モードを示す表示に変更される。
【0057】
例えば、設定モードにおいて、現在、通常デモモードが選択されている状態の場合、LCD6には、「通常デモモード」と表示される。ここで、管理者が動作モード切換スイッチ9を短時間入力する毎に、「通常デモモード」、「通信デモモード」、「記念シール作成モード」…のように、図11(b)に示す番号順に選択状態にある動作モードが変更される。ここで、「3:記念シール作成モード」が選択されている場合に、動作モード切換スイッチ9を短時間入力すると、「1:通常デモモード」の選択状態となる。
そして、任意の動作モードを選択した状態で、動作モード切換スイッチ9を所定時間入力し続けることにより、所望の動作モードに設定変更することができる。
【0058】
次に、赤外線センサ7により観者を検知し(S5:YES)、設置部5にラベルプリンタ100が設置されていない場合(S6:NO)に移行する呼び込み処理(S8)について、図面を参照しつつ詳細に説明する。図12は、呼び込み処理プログラムのフローチャートである。
呼び込み処理(S8)に移行すると、まず、CPU50は、赤外線センサ7の検知信号に基づき、観者となる人間が中距離にいるか否かについての判断を行う(S21)。ここで、本第1実施形態における中距離とは、赤外線センサ7の検知可能範囲内において、実演ロボット1から1.5m以下の距離である。従って、観者が1.5m以内にいる場合には(S21:YES)、S25に移行する。一方、観者が1.5m以内の距離にいない場合には(S21:NO)、S22に移行する。
【0059】
S22において、CPU50は、赤外線センサ7の検知信号に基づき、観者となる人間が遠距離にいるか否かについての判断を行う(S22)。ここで、本第1実施形態における遠距離とは、赤外線センサ7の検知可能範囲内において、実演ロボット1から1.5m〜3mの距離である。従って、観者が1.5m〜3mの範囲内にいる場合には(S22:YES)、呼びかけ音声再生処理(S23)に移行する。一方、観者が1.5m〜3mの範囲内にいない場合には(S22:NO)、S24に移行する。
【0060】
呼びかけ音声再生処理(S23)においては、CPU50は、音声ROM38aから、呼びかけ用音声データを読出し、スピーカ39により発音する。ここで、呼びかけ用音声データとは、「もっと近くによってきてみてよ」等の観者の注意を向けさせ、実演ロボット1に対する接近を促すメッセージの音声データである。呼びかけ用音声データの再生が終了するとともに、呼びかけ音声再生処理(S23)を終了し、S21に戻る。
【0061】
一方、赤外線センサ7の検知可能範囲内に、観者たる人間がいない場合(S21:NO、S22:NO)に移行するS24では、CPU50は、初期化処理を行う。この初期化処理については、前述したS1と同様の処理であるので、再度の説明は省略する。初期化処理(S24)終了後、呼び込み処理(S8)を終了し、メイン制御プログラムに戻る。
【0062】
そして、中距離の範囲内に観者が存在する場合(S21:YES)に移行するS25においては、CPU50は、ラベルプリンタ100について紹介する態様を選択する紹介パターン選択処理を実行する。
この紹介パターン選択処理においては、EEPROM40に格納されている複数の紹介パターンデータから、1の紹介パターンデータをランダムに選択する処理である。
紹介パターンを選択した後、CPU50は、選択された紹介パターンデータに基づいて、ラベルプリンタ100の製品紹介を開始する(S26)。
【0063】
ここで、本第1実施形態で使用される紹介パターンの内、1の紹介パターンを具体例として挙げ、紹介パターンについて、図面を参照しつつ詳細に説明する。図13は、通常デモモードにおいて使用される紹介パターン(A)を示す説明図である。
紹介パターンデータは、音声ROM38aに格納されている紹介用音声データと、EEPROM40に格納されている紹介用実演内容データにより構成されている。
紹介パターン選択処理(S25)においては、EEPROM40に格納されている複数の紹介用実演内容データから、1の紹介用実演内容データをランダムに選択し、選択された紹介用実演内容データに対応する音声データが音声ROM38aから読み出される。
【0064】
ここで、図13は、通常デモモードで動作している実演ロボット1において、EEPROM40に格納されている紹介用実演内容データの内、紹介パターン(A)の紹介用実演内容データが選択された場合を示している。
図13に示すように、紹介用実演内容データに基づき、ラベルプリンタ100の紹介動作が実行されると、先ず、観者に対し、挨拶と、実演ロボット1の自己紹介を行う。尚、本第1実施形態に係る実演ロボット1の名前は、「ぴい君」とする。
その後、ラベルプリンタ100のセールスポイント等における種々の利点について紹介し、「ラベルプリンタ100の実演をするので、ラベルプリンタ100の設置部5への設置を依頼する旨」のメッセージ音声を再生する。
尚、図13に示すように、紹介パターン(A)においては、ラベルプリンタ100のセールスポイントとして、「ラベル作成操作が簡単な点」を述べているが、各紹介パターンにより、実演ロボット1がアピールするセールスポイントが異なる。
例えば、紹介パターン(B)の場合には、「ラベルプリンタ100の機種がラベルプリンタ(A)、ラベルプリンタ(B)、ラベルプリンタ(C)の3種類ある点」をアピールするというように、紹介用実演内容データ毎に、異なるラベルプリンタ100のセールスポイントが観者にアピールされる。
【0065】
上述したように、S25、S26の処理により、紹介用実演内容データに基づいて、ラベルプリンタ100の製品紹介が開始されると、CPU50は、設置部5のターンテーブル20にラベルプリンタ100が設置されたか否かを、タッチセンサ36の検知信号に基づいて判断する。ラベルプリンタ100が設置部5のターンテーブル20に設置されていない場合には(S27:NO)、S28に移行する。一方、製品紹介動作の実行中に、ラベルプリンタ100が設置部5のターンテーブル20に設置された場合(S27:YES)には、紹介用実演内容データに基づく製品紹介の実行を停止し(S29)、呼び込み処理(S8)を終了する。
そして、S26においては、CPU50は、紹介用実演内容データに規定されている全ての音声、動作が完了しているか否かを判断する。紹介用実演内容データに規定されている全ての音声、動作が完了している場合(S28:YES)には、S21に戻り、処理を繰り返す。
一方、紹介用実演内容データに規定されている全ての音声、動作が完了していない場合(S28:NO)には、S27に戻り、ラベルプリンタ100の設置部5のターンテーブル20への設置(S27:YES)か、紹介用実演内容データに規定されている全ての音声、動作の完了(S28:YES)の一方の条件が満たされるまで、ラベルプリンタ100の製品紹介動作の実行を継続する。
【0066】
このように、呼びこみ処理(S8)を実行することにより、実演ロボット1と観者との距離に応じて、実演ロボット1が実行する動作を変更することができる。従って、実演ロボット1と、観者との状況に応じて、適切な動作を行うことができる。
【0067】
次に、ラベルプリンタ100が設置部5のターンテーブル20に設置されている場合に移行する機種判定・位置補正処理(S7)について、図面を参照しつつ詳細に説明する。図14は、機種判定・位置補正処理プログラムのフローチャートである。
設置部5のターンテーブル20にラベルプリンタ100が設置され、機種判定・位置補正処理(S7)に移行すると、CPU50は、先ず、左腕3を動作させて左腕キー操作部3aに付設されているCCDカメラ37を所定の高さと位置にセットする(S31)。そして、CCDカメラ37をONにして(S32)、対象物であるラベルプリンタ100の映像を取得する(S33)。次に、取得した映像をROM51に格納されている機種別データテーブルと比較して設置されているラベルプリンタ100が、ラベルプリンタ(A)、ラベルプリンタ(B)、ラベルプリンタ(C)の何れに該当するのかを判別する。先ず、ラベルプリンタ100がラベルプリンタ(A)であるか判別する(S34)。そして、ラベルプリンタ100がラベルプリンタ(A)であれば(S34:YES)、S35に移行してラベルプリンタ(A)のデータをRAM52に格納してS131に移行する。一方、ラベルプリンタ100がラベルプリンタ(A)でなければ(S34:NO)、S36に移行してラベルプリンタ100がラベルプリンタ(B)であるか判別する。そして、ラベルプリンタ100がラベルプリンタ(B)であれば(S36:YES)、S37に移行してラベルプリンタ(B)のデータをRAM52に格納してS131に移行する。一方、ラベルプリンタ100がラベルプリンタ(B)でなければ(S36:NO)、S38に移行してラベルプリンタ(C)のデータをRAM52に格納してS131に移行する。
【0068】
S131からは、ラベルプリンタ100が実演ロボット1の本体部2に対してターンテーブル20を介して所定の位置に設置されるように位置補正処理が行われる。先ず、CCDカメラ37で撮影したラベルプリンタ100の映像をROM51に格納されている機種別データテーブルと比較し、機種別データテーブル内の計測用基準Y軸に対してラベルプリンタ100の所定のY軸基準線がどの程度傾いているかを計測する(S131)。その計測結果に基づいて、ラベルプリンタ100の所定のY軸基準線が計測用基準Y軸と平行になるようにターンテーブルモータ44を駆動してラベルプリンタ100が設置されているターンテーブル20を回転させながら補正する(S132)。
次に、ラベルプリンタ100の所定のY軸基準線が計測用基準Y軸からどの程度ずれているかを計測する(S133)。その計測結果に基づいて、ラベルプリンタ100の所定のY軸基準線が計測用基準Y軸と重なるようにX軸モータ45を駆動してターンテーブル20を支持するターンテーブル受台21をX軸方向にX軸移動溝24で移動させながら補正する(S134)。
更に、ラベルプリンタ100の所定のY軸基準線と直行する所定のX軸基準線が計測用基準X軸からどの程度ずれているかを計測する(S135)。その計測結果に基づいて、ラベルプリンタ100の所定のX軸基準線が計測用基準X軸と重なるようにY軸モータ46を駆動してターンテーブル受台21を支持するX軸テーブル22をY軸方向にY軸移動溝25で移動させながら補正する(S136)。
【0069】
このように、本第1実施形態に係る実演ロボット1では、機種判定・位置補正処理(S7)を実行することにより、設置部5のターンテーブル20に設置されたラベルプリンタ100の特定と観者が無作為に設置したラベルプリンタ100の本体部2に対する位置関係を設置部5のターンテーブル20を介して所定の位置にすることができる。
尚、本第1実施形態においては、CCDカメラ37により、ラベルプリンタ100を撮影してその画像データから機種を特定するように構成していたが、この態様に限定するものではない。例えば、CCDカメラ37に代え、複数のマイクロスイッチを配設し、機種毎に各マイクロスイッチのオン・オフパターンを異なるように設定することにより、複数のマイクロスイッチでも機種判定を行うことができる。
【0070】
次に、動作実行処理(S9)について、図面を参照しつつ詳細に説明する。上述したように、本第1実施形態に係る実演ロボット1では、通常デモモード、通信デモモード、記念シール作成モードの3種類の動作モードがあるので、動作モード毎の動作実行処理を、夫々図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0071】
先ず、通常デモモードにおける動作実行処理(S9)について、図面を参照しつつ詳細に説明する。図15は、通常モード時の動作実行処理プログラムのフローチャートである。
機種判定処理(S7)終了後、動作実行処理(S9)に移行すると、CPU50は、赤外線センサ7を有効とする(S41)。この時、後述する動作停止処理プログラムの実行を開始する。これにより、この動作停止処理プログラムは、以後、所定の時間間隔で割り込み処理を行いつつ実行されることとなる。
【0072】
そして、赤外線センサ7を有効化した(S41)後、CPU50は、RAM52に格納されている機種データを取得し(S42)、S43に移行する。
S43においては、CPU50は、ラベルプリンタ100を操作する実演動作が規定されて実演内容データを選択する実演内容データ選択処理を実行する。
図18(a)に示すように、本第1実施形態では、実演内容データは、設置部5のターンテーブル20に設置されているラベルプリンタ100の種類、即ち、機種データに基づいて選択される。例えば、ラベルプリンタ(A)が設置部5のターンテーブル20に設置されている場合には、ラベルプリンタ(A)に対応する実演パターン(A)である実演内容データが選択される。
従って、実演ロボット1は、設置部5のターンテーブル20に設置されたラベルプリンタ100の機種に応じて、異なる実演動作を実行することになる。
【0073】
ここで、動作実行処理(S9)において使用される実演内容データについて、図面を参照しつつ説明する。図18(b)、図19(a)に示すように、本第1実施形態において、動作実行処理(S9)で使用される実演内容データは、実演動作データや音声データに対して、動作の実行及び音声の発音を実行する順番を示す番号が関連付けられている。
従って、実演ロボット1は、この各動作実行及び音声再生を番号順に実行していくことになる。
【0074】
実演内容データ選択処理(S43)により、動作実行処理(S9)で実行される実演内容データが選択されると、CPU50は、選択された実演内容データが、EEPROM40から読み出す(S44)。そして、CPU50は、RAM52に格納されるステップ番号を示す変数nに1を代入する(S45)。
【0075】
S46では、CPU50は、RAM52に格納されている変数nの値に基づいて、実演内容データの変数nに該当するステップ番号に規定されている実演動作及び音声再生を開始する。
実演動作及び音声再生が開始されると、S47に移行し、CPU50は、会話が完了しているか否かについての判断を行う。即ち、変数nに該当するステップ番号に規定され、S46で再生開始された音声データの再生が終了しているか否かについての判断を行う。音声データの再生が完了するまで処理を待機し(S47:NO)、音声データの再生完了に基づいて(S47:YES)、S48に移行する。
S48では、変数nに該当するステップ番号に規定され、S46で再生開始された動作データに規定されている動作が終了しているか否かについての判断を行う。動作データに基づく動作が完了していない場合には(S48:NO)、S47に戻り、音声データの再生、動作データに基づく動作の完了により(S48:YES)、S49に移行する。
【0076】
S49においては、CPU50は、実演内容データに規定されている全ステップ番号に係る実演を終了しているか否かを判断する。つまり、CPU50は、RAM52に格納されている変数nと、実演内容データのステップ番号とを比較することにより、全ステップに係る動作を終了し、実演動作が完了しているか否かを判断する。
例えば、図20(b)、図21(a)に示す場合には、RAM52に格納されている変数nが「7」となっている場合には、全ステップの動作実行が完了していることになる。
全ステップの実演動作が完了している場合には(S49:YES)、赤外線センサ7を無効化し、後述する動作停止処理プログラムの実行を停止する(S51)。
一方、全ステップの実演動作が完了していない場合には(S49:NO)、RAM52に格納されている変数nに対して、1を加算し(S50)、S46に戻る。
これにより、次のステップ番号の実演動作及び音声再生を実行することができる。
【0077】
ここで、動作実行処理(S9)において、割り込み処理を所定時間毎に行いつつ実行される動作停止処理プログラムについて、図面を参照しつつ詳細に説明する。図16は、動作停止処理プログラムのフローチャートである。
S41により、赤外線センサ7が有効化され、動作停止処理プログラムが実行されると、先ず、CPU50は、赤外線センサ7からの検知信号に基づいて、観者である人間と、実演ロボット1との距離が近距離であるか否かについての判断を行う(S100)。
ここで、本第1実施形態における近距離とは、赤外線センサ7の検知可能範囲内において、実演ロボット1から0.3m以下の距離である。従って、観者が実演ロボット1から0.3m以内の範囲にいる場合には(S100:YES)、S101に移行する。一方、観者が実演ロボット1から0.3m以内の範囲にいない場合には(S100:NO)、動作停止処理プログラムを終了する。
【0078】
そして、S101においては、CPU50は、動作実行処理(S9)において現在実行されている実演動作が完了したか否かについての判断を行う。近距離に観者がいると判断した時点(S100:YES)で、動作実行処理において実行されている動作が現在完了していない場合(S101:NO)には、現在実行中の実演動作が完了するまで処理を待機する。ここで、現在実行中の実演動作の完了とは、S50の処理が終了した時点である。
一方、動作実行処理において実行されている動作が現在完了している場合には(S101:YES)、S102に移行し、8台のサーボモータ30を夫々停止する(S102)。
【0079】
サーボモータ30を停止した後に移行するS103では、CPU50は、観者に対して、実演ロボット1から少し離れるように注意する旨の注意喚起音声データを音声ROM38aから読み出し、当該注意喚起音声データを再生する。これにより、例えば、幼児等が実演ロボット1の近くに寄りすぎた場合には、「危ないから離れてね」等の音声により、注意を喚起することができる。注意喚起音声データの再生終了後、S104に移行する。
【0080】
S104では、CPU50は、赤外線センサ7からの検知信号に基づいて、再び観者である人間と、実演ロボット1との距離が近距離であるか否かについての判断を行う(S104)。観者が実演ロボット1から0.3m以内の範囲にいる場合には(S104:YES)、再度、動作実行を停止した状態で、注意喚起音声データを再生する(S103)。つまり、観者が実演ロボット1から0.3m以上の距離をとるまで、実演動作を停止したまま、注意喚起音声データの再生を継続する。
一方、観者が実演ロボット1から0.3m以内の範囲にいない場合、つまり、観者が実演ロボット1から0.3m以上の距離を取った場合には(S104:NO)、サーボモータ30の駆動を開始し(S105)、動作停止処理プログラムを終了する。
【0081】
このように、動作実行処理(S9)中において、動作停止処理プログラムを所定の時間間隔で割り込み処理を行いつつ実行することにより、実演ロボット1に接近しすぎた観者に対して、実演ロボット1が接触することがなくなり、幼児等が接近しすぎることによる事故の発生を防止することができる。
【0082】
ここで、動作実行処理(S9)で使用される実演内容データについて図面を参照しつつ、詳細に説明する。
本第1実施形態においては、キー操作時における左腕3、右腕4の移動量は、各キーに対応付けられ、データテーブルとして、ROM51に格納されている。
そして、各キーを操作する際の移動量は、左腕3でキーを操作する場合には、左腕回動モータ31L、左腕第1モータ32L、左腕第2モータ33L、左腕第3モータ34Lの夫々の駆動量により決定され、右腕4でキーを操作する場合には、右腕回動モータ31R、右腕第1モータ32R、右腕第2モータ33R、右腕第3モータ34Rの夫々の駆動量により決定される。
即ち、キーを指定することにより、左腕3、右腕4のどちらが、そのキーを操作するのかが決定されるともに、指定されたキーを操作する為に、必要な各サーボモータ30の駆動量が決定される。
【0083】
本第1実施形態においては、実演内容データにおける動作内容を規定する動作指令内容データは、各キーに対応付けられているキーコードと、そのキーコードの示すキーの入力回数からなる動作指令データにより行われる。図17(b)は、ラベルプリンタ100で入力可能な全てのひらがなについての動作指令データテーブルの説明図である。
【0084】
ここで、キーコードについて、図17(a)を参照しつつ詳細に説明する。上述したように、ラベルプリンタ100には、電源キー121、印刷キー122、文字入力キー123、漢字変換キー124、カタカナキー125、大小切替キー126、カーソルキー127、決定キー128、文字種切換キー129、スタイルキー130、イラストキー131等のキーが配設されている。
そして、図17(a)に示すように、ラベルプリンタ100のキーボード101に形成されている各キーには、キーコードが関連付けられている。例えば、印刷キー122には、キーコード「FE」が関連付けられており、文字種切換キー129には、キーコード「FK」が関連付けられている。
また、文字入力キー123に対しても、夫々キーコードが関連付けられている。図17(a)に示すように、例えば、文字入力キー123の表面に「あ、1、A、B、C」の表示がされているキー(以後、「あ行」キーと称す。尚その他のキーについても同様に称す)には、キーコード「BA」が関連付けられており、文字入力キー123の表面に「な、5、M、N、O」が表示されているキー(「な行キー」)には、キーコード「BN」が関連付けられている。
【0085】
上述したように、本第1実施形態において、使用されるラベルプリンタ100は、入力する文字種と、文字入力キー123の入力回数に応じて、印刷される文字が変更される。従って、動作指令データには、前述したキーコードに対応するキーの入力回数が含まれている。
図17(b)に示すように、各ひらがな1文字について、その1文字を入力するために必要な操作を示す動作指令データが関連付けられている。
例えば、ひらがな入力時において、さ行の文字を入力する場合には、「す」を入力する際には、「さ行」キーを3回入力する必要がある。従って、「す」を入力する場合の動作指令データは、「さ行」キーを示すキーコード「BS」と、「さ行」キーの入力回数を示す「3」により構成される「BS3」というデータとなる。
これにより、実演ロボット1は、「BS3」という動作指令データに基づいて、キーコード「BS」に該当する「さ行」キーの位置に左腕3の左腕キー操作部3aを移動し、入力回数を示す「3」により、「さ行」キーを3回入力するという動作を実行する。
【0086】
尚、ここでは、ひらがな入力時について詳細に説明したが、「英字」、「数字」を入力する場合も同様な動作指令テーブルにより、実演ロボット1の動作が制御される。
【0087】
このように、キーボード101に配設されている各キーについて、キーコード、入力回数からなる動作指令データを関連付けることにより、実演ロボット1は、ラベルプリンタ100に係る多様な操作を実演することができる。
【0088】
ここで、通常デモモードにおける実演内容データについて、図18、図19に基づいて詳細に説明する。図18(b)は、設置部5のターンテーブル20にラベルプリンタ(A)が設置された場合の実演内容データの説明図である。図19は、設置部5のターンテーブル20にラベルプリンタ(B)が設置された場合の実演内容データの説明図である。
図18(b)に示すように、設置部5のターンテーブル20にラベルプリンタ(A)が設置された場合の実演内容データ(実演パターン(A))は、EEPROM40から読み出されて再生される音声データと、音声データと同期して実行される動作指令データが、ステップ毎に記憶されて構成されている。そして、各ステップには、ステップを実行する順を示す番号が関連付けられている。
従って、通常デモモードにおいて、ラベルプリンタ(A)が設置部5のターンテーブル20に設置された状態で、動作実行処理(S9)に移行すると、先ず、ステップ番号「1」に基づいて、「ラベルプリンタ(A)が設置されたことを確認する旨」の音声データが再生される。次に、この音声データの再生終了とともに、次のステップに移行し、ラベルプリンタ100の電源ボタンを操作する動作と、当該操作の説明を行う音声データの再生が開始される。
そして、ラベルプリンタ100に電源投入した後、ラベルの作成操作の動作及び当該操作の説明音声データが再生される。
ここで、通常デモモードでは、実演ロボット1の名称である「ぴい君」の文字が記載されたラベルを作成する。従って、ラベルプリンタ100の電源投入後、実演ロボット1は、「実演ロボット1の名前が印刷されたラベルを作成する旨」の音声データの再生とともに、「ぴい」の文字を入力する動作が実行される。この時、「ひ」に該当する「BH2」、半濁音記号に該当する「FJ2」(図示せず)、「い」に該当する「BA2」の動作指令データに基づいて、実演ロボット1は、実演動作を実行する。
次に、実演ロボット1は、「君」の漢字入力を行う旨の音声データの再生と、当該入力操作に係る動作を実行する。この時には、実演ロボット1は、先ず、「く」に該当する「BK3」、「ん」に該当する「BW3」の動作指令データに基づいて、ひらがなで「くん」を入力する。そして、漢字変換キー124に該当する「FH1」に基づいて、「くん」を「君」に変換する動作を行い、「FH1」の動作指令データにより、決定キー128の入力を行う。
こうして、実演ロボット1の実演操作により、ラベルプリンタ100には、「ぴい君」の文字列が入力される。
【0089】
そして、実演ロボット1は、「ぴい君」の文字列の後に、イラストを挿入する旨の音声データを再生する。音声データの再生と同期して、実演ロボット1は、イラストキー131に該当する「FM1」、決定キー128に該当する「FC1」の動作指令データに基づき、イラスト挿入動作を実行する。
その後、音声データの再生とともに、印刷キー122の入力による印刷操作を実行し、「作成したラベルをプレゼントする旨」の音声データの再生と、ラベルプリンタ100の電源を切る操作を行う。
このように、実演ロボット1は、実演パターン(A)に係る実演を実行することにより、印字テープに「ぴい君」の文字列と、イラストが挿入されたラベルを作成することができる(図18(c)参照)。
【0090】
ここで、上述したラベルプリンタ(A)ではなく、ラベルプリンタ(B)が設置部5に設置された場合の実演内容データ(実演パターン(B))について、図面を参照しつつ説明する。
図19(a)に示すように、実演パターン(B)による実演では、設置部5のターンテーブル20に設置されたラベルプリンタ100がラベルプリンタ(B)である旨を報知する音声データを再生する。そして、「ぴい君」の文字列を入力するまでの実演動作及び音声再生については、上述した実演パターン(A)と同様であるので、再度の説明は省略する。
ここで、上述の実演パターン(A)においては、「ぴい君」の文字列の入力後に、イラストを挿入していたが、この実演パターン(B)では、「ぴい君」の文字列に対して、枠線(フレーム)による文字修飾を行う。
従って、番号「5」のステップにおいては、「フレームによる修飾を行う旨」の音声データの再生と、フレーム修飾に係る動作指令データに基づく動作が行われる。
このときは、スタイルキー130を入力することにより、文字列に対してフレーム修飾がなされるので、スタイルキー130に該当する「FL1」と、当該修飾の決定操作「FC1」の動作指令データに基づく動作が行われる。
そして、「ぴい君」の文字列に対して、フレーム修飾がなされたデータの入力が完了したので、当該データの印刷と、電源オフに係る実演動作を実行し、実演パターン(B)に基づく実演を終了する。
このように、実演ロボット1は、実演パターン(B)に係る実演を実行することにより、印字テープに「ぴい君」の文字列に対してフレーム修飾がされたラベルを作成することができる(図19(b)参照)。
【0091】
このように、設置部5のターンテーブル20に設置されたラベルプリンタ100の機種毎に異なる実演を実行可能とすることにより、実演ロボット1の実演に多様性を持たせることができる。これにより、実演内容の単調化を防止することができるので、ラベルプリンタ100の実演をする実演ロボット1、即ち、ラベルプリンタ100に対して、観者の注意を強く惹き付けることができる。
そして、実演ロボット1の実演により、観者は、ラベルプリンタ100の製品概要や操作方法を明確に把握することができる。この結果、観者のラベルプリンタ100に対する購買意欲を強く刺激することができ、強い宣伝広告効果を発揮することができる。
【0092】
次に、前述した通常デモモードとは異なる通信デモモードにおける動作実行処理(S9)について、図面を参照しつつ詳細に説明する。図20は、通信デモモードにおける動作実行処理プログラムのフローチャートである。
本第1実施形態における通信デモモードは、図3に示すように、実演ロボット1と外部機器であるパーソナルコンピュータ200をケーブル11により接続することにより、実行可能となる動作モードである。
具体的に説明すると、パーソナルコンピュータ200により、観者により入力された任意の文字列に基づいて、当該文字列を印刷したラベルを作成する動作を実行する動作モードである。
図20に示すように、S61〜S64の処理については、通常デモモードにおけるS41〜S44と同様の処理であるので、ここでの説明は省略する。尚、この通信デモモードにおいても、動作停止処理プログラム(図16参照)が割込み処理を行いつつ実行されている。
【0093】
通信デモモードにおいて、動作実行処理(S9)が実行され、実演内容データ選択処理(S63)、実演内容データの読出処理(S64)が行われると、S65に移行する。
S65では、通信デモモードでの実演の導入部である実演導入動作が実行される(図24(a)参照)。具体的には、上述したようなラベルプリンタ100の機種名を報知する音声データの再生に始まり、ラベルプリンタ100への電源投入動作と、当該動作の説明音声の再生、次いで、観者に対し、「文字列の入力を促す旨」の音声データが再生される。これらの実演導入動作の実行終了後(S65)、S66に移行する。
【0094】
そして、S66では、パーソナルコンピュータ200により、観者が任意の文字列を入力したか否かについての判断がなされる。つまり、CPU50は、パーソナルコンピュータ200により入力された文字列を示す文字列データを受信したか否かに基づいて判断する。文字列データを受信した場合には(S66:YES)、当該文字列データをRAM52に格納し、S67に移行する。一方、文字列データを受信していない場合、つまり、パーソナルコンピュータ200において、観者による文字列の入力がなされていない場合(66:NO)には、文字列が入力されるまで、処理を待機する。
【0095】
観者により入力された文字列データを受信した後(S66:YES)に移行するS67においては、受信した文字列データを動作指令データに変換するデータ変換処理が行われる。データ変換処理(S67)については、後に図面を参照しつつ詳細に説明するので、ここでの説明は省略する。データ変換処理(S67)を終了した後は、動作手順実行処理(S68)に移行する。
【0096】
S68においては、データ変換処理(S67)により、文字列データから変換された動作指令データに基づいて、観者により入力された文字列をラベルプリンタ100に入力する動作を実行する動作手順実行処理が行われる。
この動作手順実行処理(S68)についても、後に図面を参照しつつ詳細に説明するので、ここでの説明は省略する。
動作手順実行処理(S68)により、動作指令データに規定されている全ての実演動作の実行が終了した後、S69では、実演終了動作が実行される(図24(a)参照)。ここで、実演終了動作は、ラベルプリンタ100による印刷する印刷動作と、ラベルプリンタ100の電源を切る動作、そして、これら各動作に対応する音声データの再生から構成される。実演終了動作を実行した後(S69)、動作実行処理(S9)を終了し、メイン制御プログラムに戻る。
【0097】
ここで、データ変換処理(S67)について、図面を参照しつつ詳細に説明する。図21は、データ変換処理プログラムのフローチャートである。
パーソナルコンピュータ200から文字列データを受信した後(S66:YES)、データ変換処理(S67)に移行すると、CPU50は、RAM52に格納されている文字列データから、一文字分のデータを読み出す(S70)。
そして、RAM52より取得した1文字分のデータを動作指令データに変換する動作指令変換処理(S71)が行われる。この動作指令変換処理(S71)では、図17(b)に示す動作指令テーブルに基づいて、入力された文字をラベルプリンタ100に入力する為に要する動作指令データを選択する。例えば、S70における文字データが「め」の文字を示している場合には、図17(b)を参照し、「BM4」の動作指令データが選択される。
【0098】
次に、動作指令変換処理(S71)により、1文字のデータを動作指令データに変換した後、S72において、前の文字のキーコードと、同一キーコードであるか否かについての判断がなされる。本第1実施形態に係るラベルプリンタ100においては、同一キーの操作であっても、当該の入力回数に応じて、文字態様が変更される。
例えば、「かき」と入力したい場合には、本来、「BK1」、「BK2」の動作指令データに基づいて、「か行」キーを1回入力し、後に、「か行」キーを2回入力することになるが、同一キーの入力であるので、「か行」キーの3回入力と同一の操作となってしまう。この場合、「かき」の文字列を入力しようとしているにも関わらず、「く」が入力されてしまう。
従って、「か」に係る動作と、「く」に係る動作との境界を設定する必要が生じる。本第1実施形態においては、このような場合には、決定キー128を入力し、前の文字の入力を確定することにより、前の文字の操作と、後の文字の操作を区別することができる。
直前の文字入力に使用した文字キーと、これと同じ文字キーである場合(S72:YES)には、当該直前の文字の決定キー128を示す動作指令データ「FC1」をキューに付加する(S73)。前述の例では、「か」の入力に係る動作指令データ「BK1」、「FC1」がキューに格納される。その後、S74に移行し、「き」の入力に係る動作指令データ「BK2」がキューに格納される。
一方、直前の文字入力に使用する文字キーと、今回使用する文字キーが異なるキーの場合(S72:NO)、直前の文字に係る動作指令データに続き、今回の文字に係る動作指令データをキューに格納する(S74)。
【0099】
一文字のデータに係る動作指令データをキューに格納した後(S74)、S75では、CPU50は、文字列データを構成する全ての文字に係る動作指令データがキューに格納されているか否かについて判断する。文字列データを構成する文字の全てに係る動作指令データがキューに格納されていない場合には(S75:NO)、S70に戻り、文字列データから、次の1文字分のデータを取得し、動作指令データへの変更、キューへの格納の処理を繰り返す。一方、文字列データを構成する文字の全てに係る動作指令データがキューに格納されている場合には(S75:YES)、文字列データが終了であることを示す終了信号をキューに対して付加する(S76)。終了信号を付加した後、データ変換処理(S67)を終了する。
【0100】
次に、動作手順実行処理(S68)について、図面を参照しつつ詳細に説明する。図22は、動作手順実行処理プログラムのフローチャートである。
データ変換処理(S67)の後、動作手順実行処理に移行すると、CPU50は、先ず、キューより、文字列データの1文字目に該当する文字の動作指令データを読み出す(S81)。そして、1文字分の動作指令データを読み出した後は(S81)、キー入力処理(S82)に移行する。
【0101】
ここで、キー入力処理(S82)について、図面を参照しつつ詳細に説明する。図23は、キー入力処理プログラムのフローチャートである。
キー入力処理(S82)に移行すると、CPU50は、先ず、ROM51に格納されているホームポジションデータに基づいて、左腕3の左腕キー操作部3a、右腕4の右腕キー操作部(図示せず)が夫々初期位置(ホームポジション)にあるか否かを判断する。左腕キー操作部3a及び右腕キー操作部が初期位置に存在しない場合には(S86:NO)、左腕キー操作部3a、右腕キー操作部を初期位置に移動し(S87)、S88に移行する。
一方、左腕キー操作部3a、右腕キー操作部が初期位置にある場合には(S87:YES)、動作指令データの示すキーコードと、キー毎に各サーボモータ30の駆動量が規定されているモータ駆動テーブルを参照する。そして、モータ駆動テーブルに基づいて、各サーボモータ30を駆動し、該当するキーの正面位置に左腕キー操作部3a又は右腕キー操作部を移動する(S88)。
【0102】
キーコードで指定されたキーの正面に、左腕キー操作部3a又は右腕キー操作部を移動させた後(S88)、サーボモータ30を駆動し、左腕3又は右腕4によるキー入力を1回行う(S89)。
当該キーの入力を1回実行した後(S89)、S90では、CPU50は、動作指令データに示される入力回数分、キー入力を行ったか否かについて判断を行う。キー入力が、入力回数データに規定されている回数に満たない場合(S90:NO)は、S89に戻る。入力回数データに規定されている回数分のキー入力がなされるまで、キー入力操作を繰り返す。
一方、入力回数データに規定されている回数、キー入力を実行した場合(S90:YES)には、キー入力処理(S82)を終了し、動作手順実行処理(S68)におけるS83に移行する。
【0103】
ここで、再び、図22に戻り、キー入力処理(S82)により、1文字分の入力が終了した後の処理について、詳細に説明する。
S83では、CPU50は、キューに格納されている動作指令データから、次のデータを読み出す(S83)。そして、S84では、読み出された次のデータが終了信号であるか否かについての判断がなされる。即ち、全ての動作指令データに基づいて、ラベルプリンタ100に対するキー入力操作が実行されたか否かについての判断がなされる。
次のデータが終了信号ではない場合(S84:NO)、即ち、読み出されたデータが、次の文字に係る動作指令データである場合には、当該次の文字に係る動作指令データに基づいて、キー入力を実行すべく、キー入力処理(S82)に移行する。そして、全ての動作指令データに基づく、キー入力動作が終了するまで処理を繰り返す。
一方、次のデータが終了信号の場合(S84:YES)には、動作指令データが格納されているキューの記憶内容をクリアし(S85)、動作手順実行処理(S68)を終了する。
【0104】
ここで、通信デモモードにおける動作実行処理(S9)について、具体例を挙げるとともに、図面を参照して詳細に説明する。図24は、通信デモモードにおける実演動作の一例を示す説明図である。
通信デモモードにおいて、動作実行処理(S9)に移行すると、先ず、実演導入動作が実行される(S65)。ここで、実演導入動作とは、図26(a)において示すように、ラベルプリンタ100の電源投入動作、観者の名前を問い、パーソナルコンピュータ200による入力を促す動作である。
そして、実演導入動作の実行を終了した後は、パーソナルコンピュータ200から文字列データを受信するまで処理を待機する。
【0105】
ここで、観者がパーソナルコンピュータ200を用い、文字列データ「たかし」を入力したものとする。この時、データ変換処理(S67)により、文字列データを構成する各文字は、「た」に関する動作指令データ「BT1」、「か」に関する動作指令データ「BK1」、「し」に関する動作指令データ「BS2」に変換され(図17(b)、図24(b)参照)、キューに格納される。そして、「たかし」の文字列データを構成する3文字に相当する動作指令データをキューに格納した後、キューに終了信号を追加する。
次に、キューに格納された動作指令データに基づいて、動作手順実行処理(S68)が行われ、「た行」キーの1回入力、「か行」キーの1回入力、「さ行」キーの2回入力が行われ、終了信号に基づいて、動作手順実行処理(S68)を終了する。
これにより、ラベルプリンタ100には、実演ロボット1の動作によって、「たかし」の文字データが入力された状態となる。
【0106】
パーソナルコンピュータ200により観者から入力された文字列データを、全てラベルプリンタ100に入力する動作が終了した時点で、実演終了動作を実行する(S69)。ここで、実演終了動作は、図24(a)に示すように、ラベルプリンタ100に入力した文字列データが印刷されたラベルの印刷操作、ラベルプリンタ100の電源を切断する操作に係る動作である。これらの実演終了動作を実行することにより、図24(b)下図に示す「たかし」の文字が印刷されたラベルを作成することができる。
尚、ここでは、具体例として、ひらがな3文字の「たかし」のデータを挙げたが、英字、漢字、数字、カタカナのみで構成される文字列データでも、入力された文字列に基づいて実演を実行し、ラベルを作成することができる。そして、ひらがな、英字、漢字、数字、カタカナが混在する文字列データであっても、ラベルを作成することができる。
このように、本第1実施形態に係る実演ロボット1は、外部機器から入力された任意の文字列データに対しても、ラベルプリンタ100によるラベル作成が可能であるので、より観者の興味を喚起することができる。特に、観者からの指令に基づいて、観者の所望するラベルを実際に作成することにより、ラベルプリンタ100の操作方法や機能についての理解を促進することができ、より観者にアピールすることができる。
【0107】
次に、前述した通常デモモード、通信デモモードとは異なる記念シール作成モードにおける動作実行処理(S9)について、図面を参照しつつ詳細に説明する。図25は、記念シール作成モードにおける動作実行処理プログラムのフローチャートである。
本第1実施形態における記念シール作成モードは、通信デモモードと同様に、実演ロボット1と外部機器であるパーソナルコンピュータ200をケーブル11で接続することにより、実行可能となる動作モードである。
具体的に説明すると、パーソナルコンピュータ200により、観者により入力された任意の文字列データと、実演ロボット1に配設された時計チップ41の日時データに基づき、任意の文字列と、現在日時の文字列とを、印刷したラベルを作成する動作を実行する動作モードである。
図25に示すように、S110〜S113の処理については、通常デモモードにおけるS41〜S44と同様の処理であるので、ここでの説明は省略する。尚、この記念シール作成モードにおいても、動作停止処理プログラム(図16参照)が割込み処理を行いつつ実行されている。
さらに、記念シール作成モードにおけるS114、S115は、通信デモモードにおけるS65、S66の処理と同様の処理であるので、ここでの説明は省略する。
【0108】
実演導入動作の実行(S114)及び、観者により入力された文字列データの受信後(S115:YES)に移行するS116において、CPU50は、時計チップ41から日時データを取得し、時計チップ41の示す現在日時をRAM52に格納する。そして、RAM52に格納した日時データを、現在日時を示す文字列データに変換し、観者により入力された文字列データの後端に付加する(S117)。
【0109】
次に、S118においては、S117で作成された日付入りの文字列データを動作指令データに変換するデータ変換処理が行われる。データ変換処理(S118)については、通信デモモードにおいて、図21を参照し、既に詳細に説明しているので、ここでの説明は省略する。データ変換処理(S118)を終了した後は、動作手順実行処理(S119)に移行する。
【0110】
S119においては、データ変換処理(S118)により、文字列データから変換された動作指令データに基づいて、動作手順実行処理が行われる。
この動作手順実行処理(S119)についても、図20により既に説明済みであり、動作手順実行処理(S119)におけるキー入力処理は、図21により既に説明済みであるので、ここでの再度の説明は省略する。
動作手順実行処理(S119)により、動作指令データに規定されている全ての実演動作の実行が終了した後、S120では、実演終了動作が実行される(図26(a)参照)。ここで、実演終了動作は、ラベルプリンタ100による印刷する印刷動作と、ラベルプリンタ100の電源を切る動作、そして、これら各動作に対応する音声データの再生から構成される。実演終了動作を実行した後(S120)、動作実行処理(S9)を終了し、メイン制御プログラムに戻る。
【0111】
ここで、記念シール作成モードにおける動作実行処理(S9)について、具体例を挙げるとともに、図面を参照して詳細に説明する。図26は、記念シール作成モードにおける実演動作の一例を示す説明図である。
記念シール作成モードにおいて、動作実行処理(S9)に移行すると、先ず、実演導入動作が実行される(S114)。ここで、実演導入動作とは、図26(a)において示すように、ラベルプリンタ100の電源投入動作、観者の名前を問い、パーソナルコンピュータ200による入力を促す動作である。
そして、実演導入動作の実行を終了した後は、パーソナルコンピュータ200から文字列データを受信するまで処理を待機する。
【0112】
ここで、3月9日において、観者がパーソナルコンピュータ200を用い、文字列データ「たかし」を入力したものとする。
パーソナルコンピュータ200から、「たかし」の文字列データを受信すると、CPU50は、時計チップ41から現在日時である「3月9日」を示す日時データを取得し、RAM52に格納する(S116)。そして、文字列データ「たかし」に日時データを文字列データに変換した「3月9日」を追加し、「たかし 3月9日」という文字列データとなる。
日時データに係る文字列を付加した文字列データ「たかし 3月9日」は、データ変換処理(S67)により、図26(b)に示すように、ラベルプリンタ100に文字列データ「たかし 3月9日」を入力する各操作を規定した動作指令データに変換される。
つまり、上述した「たかし」のひらがな入力、スペースの挿入、数字「3」の入力、漢字「月」の入力、数字「11」の入力、漢字「日」の入力の各操作に係る動作指令データに変換される。
そして、図24(b)に示す各動作指令データは、キューに格納され、「たかし 3月11日」の文字列データを構成する「日」への漢字変換確定の動作指令データの後、終了信号をキューに追加する。
次に、キューに格納された動作指令データに基づいて、動作手順実行処理(S119)が行われ、全文字の入力が完了した後、終了信号に基づいて、動作手順実行処理(S119)を終了する。
これにより、ラベルプリンタ100には、実演ロボット1の動作によって、「たかし 3月11日」の文字データが入力された状態となる。
【0113】
パーソナルコンピュータ200により観者から入力された文字列データを、全てラベルプリンタ100に入力する動作が終了した時点で、実演終了動作を実行する(S120)。ここで、実演終了動作は、上述したように、文字列データが印刷されたラベルの印刷操作、ラベルプリンタ100の電源を切断する操作に係る動作である。これらの実演終了動作を実行することにより、図26(b)下図に示す「たかし 3月11日」の文字が印刷されたラベルを作成することができる。
尚、ここでは、具体例として、ひらがな3文字の「たかし」のデータを挙げたが、英字、漢字、数字、カタカナのみで構成される文字列データでも、入力された文字列に基づいて実演を実行し、ラベルを作成することができる。そして、ひらがな、英字、漢字、数字、カタカナが混在する文字列データであっても、ラベルを作成することができる。
このように、本第1実施形態に係る実演ロボット1は、外部機器から入力された任意の文字列データに対しても、ラベルプリンタ100によるラベル作成が可能であるので、より観者の興味を喚起することができる。特に、観者からの指令に基づいて、観者の所望するラベルを作成することにより、ラベルプリンタ100の操作方法や機能についての理解を促進することができ、より観者にアピールすることができる。
また、通信デモモードと異なり、現在日時を示す日時データもラベルに印刷されるので、観者により印象付けられることになる。これにより、ラベルプリンタ100に対する購買意欲を喚起することができる。
【0114】
以上、説明したように、本第1実施形態に係る実演ロボット1では、複数のキーを有するラベルプリンタ100が設置される設置部5のターンテーブル20と、ラベルプリンタ100と設置部5のターンテーブル20の位置関係を特定するCCDカメラ37とその制御回路CUと、CCDカメラ37とその制御回路CUとによって特定された位置関係を所定の位置関係に補正するサーボモータ30とそのサーボコントローラ35及び制御回路CUを備えている。また、CCDカメラ37には、設置部5のターンテーブル20に設置されたラベルプリンタ100の機種判定の機能も備えている。これにより、実演ロボット1は、観者が設置部5のターンテーブル20に無作為に設置したラベルプリンタ100の機種判定を行い、ラベルプリンタ100と実演ロボット1自身との位置関係を、設置部5を介して自動的に所定の位置関係に補正し、実演ロボット1の実演を実行可能な状態にする。この状態でEEPROM40、ROM51、RAM52、音声ROM38a、音声RAM38b等に記憶された実演データに基づいて実演データを変更することなしに、設置部5のターンテーブル20に設置されたラベルプリンタ100の実演を実行することができる。また、この位置補正の一連の動作は、観者に対して「これからどうなるのか」と興味を喚起し、観者を実演ロボット1に惹き付けることができる。
そして、このように設置されたラベルプリンタ100の操作を実際に行う実演の実行とともに、ラベルプリンタ100の操作に関し、音声による説明をすることができる。つまり、実演ロボット1により、ラベルプリンタ100の操作が実際に行われるので、当該ラベルプリンタ100を強く印象付けることができる。
更に、実演を実行することにより、ラベルプリンタ100の機能や操作方法などの情報を観者に具体的且つわかりやすく伝達することができる。即ち、ラベルプリンタ100がどのような機能を持ち、どのような操作により当該機能を実行するのかを、観者に明確に把握させることができるので、単純な音声や画像のみによる説明に比べ、印刷装置の機能や操作方法などの理解を促進できる。更に、店頭などに設置すれば、観者の購買意欲をより喚起させることができる。
【0115】
更に、ラベルプリンタ100には、赤外線センサ7により、観者となりうる人間の存在と、当該人間との距離を判定する。赤外線センサ7で一定範囲内における人間の存在の有無を検知した場合に実演を開始するので、観者は、自らに反応して、実演ロボット1の実演が開始されたように感じる。つまり、観者に対して、実演ロボット1の実演をより印象付けることができる。
更に、赤外線センサ7で判定された距離に応じて、実演の内容を変更するので、実演内容に多様性が生じる。即ち、本第1実施形態においては、人間が実演ロボット1から遠距離にいる場合には、より近くに来るように呼びかける実演を行い、中距離の場合にラベルプリンタ100の説明をする実演を行う。これにより、実演に興味のなかった者の興味を惹くことができ、より多くの人間に対して、ラベルプリンタ100の実演を印象付けることができるので、多くの人間の電子装置に対する購買意欲を向上させることができる。
更に、ラベルプリンタ100の操作実演(動作実行処理)中において、実演ロボット1と、人間との距離が近距離の場合には、ラベルプリンタ100の操作を行う実演を停止する。これにより、自立型実演ロボットに近寄りすぎた場合に、実演を実行することによる観者との接触事故等を防止することができる。
特に、幼児等の低年齢者は興味を持ったものに近づくことが多いため、自立型実演ロボットが実演を実行することによる接触事故が発生する危険性が高いが、実演の実行を停止することにより、これらの接触事故が発生する可能性をなくすことができる。
【0116】
そして、本第1実施形態に係る実演ロボット1は、タッチセンサ36により、設置部5のターンテーブル20にラベルプリンタ100が設置されたことを検知してラベルプリンタ100の機種判定と位置補正処理を行った後に、ラベルプリンタ100のキー操作に係る実演動作を実行する。
これにより、ラベルプリンタ100のキー操作方法を、視覚的に一連の動作として、把握することができるので、ラベルプリンタ100に対する観者の購買意欲を向上させることができる。また、ラベルプリンタ100が設置されるまで、ラベルプリンタ100のキー操作に係る実演動作を待機するので、無駄な動作を実行することもない。
【0117】
更に、本第1実施形態においては、ラベルプリンタ100は、機種毎に本体の形状が異なるので、CCDカメラ37を用い、機種判定処理を行うことで、ラベルプリンタ100の機種を判定することができる。
そして、機種判定・位置補正処理で判定されたラベルプリンタ100の機種に応じて、動作実行処理で実行される実演内容が変更される。
この結果、設置部5のターンテーブル20に設置されたラベルプリンタ100の種類に応じて、異なる操作の実演を実行することができるので、ラベルプリンタ100の操作の実演に多様性が生じ、る。つまり、観者に新鮮味のある操作実演を見せることができるので、ラベルプリンタ100のキー操作の実演について、観者に退屈な印象を与えてしまうことを防止することができる。
【0118】
そして、本第1実施形態に係る実演ロボット1では、動作設定処理により、通信デモモードで実演を実行することができる。これにより、USBコネクタ8、ケーブル11を介して、接続されたパーソナルコンピュータ200から入力された任意の文字列データに基づいて、当該文字列が印刷されたラベルを実演により作成することができる。
これにより、多様な実演パターンでキー操作実演を実行することができるので、ラベルプリンタ100の実演に多様性が生じ、観者がラベルプリンタ100の操作に係る実演に飽きが生じることがなくなる。つまり、観者に新鮮味のある操作実演を見せることができるので、ラベルプリンタ100の操作の実演について、観者に退屈な印象を与えてしまうことを防止することができる。
更に、任意に観者が文字列データを入力することができるので、観者の名前等の、より観者に特化したキー操作実演を実行することができる。より自分が使用する態様でのキー操作実演を見ることができ、キー操作方法を具体的に把握することができる。
【0119】
また、実演ロボット1は、記念シール作成モードで実演動作を実行することができる。これにより、キー操作実演により、現在日時と、任意の文字が印刷されたラベルを作成し、これを観者に提供することができる。即ち、記念シール作成モードによる動作実行処理の実行毎に、異なるキー操作が実行され、異なるラベルが作成されるので、観者がラベルプリンタ100の操作に係る実演に飽きが生じることがなくなる。つまり、観者に新鮮味のある操作実演を見せることができるので、ラベルプリンタ100の操作の実演について、観者に退屈な印象を与えてしまうことを防止することができる。
【0120】
更に、本第1実施形態に係る実演ロボット1では、日時を計時する計時チップ41を備え、計時チップ41により計時された日時データを、音声モジュール38を介してスピーカ39で発声するようにしたので、観者である人間が実演ロボット1から既定の距離以内にいないときや実演ロボット1を実演ロボットとして使用しないときにも時報発声装置として使用することによって、実演ロボット1を有効利用できるとともに、実演ロボット1に対して通行する観者に対して興味を喚起することができる。
【0121】
次に、本発明に係る自立型実演ロボットについて具体化した第2実施形態について図27乃至図29を参照しつつ説明する。本第2実施形態に係る実演ロボット1は、第1実施形態に係る実演ロボット1と基本的な構成は同様であるが、ラベルプリンタ100に対する位置補正において、第1実施形態の実演ロボット1では、設置部5の機構を使用して設置されるラベルプリンタ100の位置を補正しているのに対して、本第2実施形態の実演ロボット1では、ラベルプリンタ100の位置はそのままにしてラベルプリンタ100のキーボードを操作する実演ロボット1の腕部である左腕3、右腕4のキー操作位置を補正している。本第2実施形態に係る実演ロボット1では、上述のような第1実施形態に係る実演ロボット1と異なるポイントを説明し、使用する符号は同一機能のものは同一の符号を使用する。
【0122】
先ず、本第2実施形態に係る実演ロボット1の概略構成について図27乃至図29に基づき説明する。図27は、本第2実施形態に係る実演ロボット正面側の外観斜視図、図28は、本第2実施形態に係る実演ロボット背面側の外観斜視図、図29は、本第2実施形態に係る実演ロボットの機種判定・位置補正処理プログラムのフローチャートである。
図27に示すように、本第2実施形態に係る実演ロボット1は、本体部2と、左腕3、右腕4とから構成され、ペンギンを模した形状に形成されており、本体部2は台座26の上面に固定されている。台座26に固定された本体部2の前部にはラベルプリンタ100が設置される設置部5が設けられ、設置部5にはラベルプリンタ100が設置されたことを検知するタッチセンサ36が設けられている。
本第2実施形態に係る実演ロボット1は、左腕3、右腕4により、台座26に形成された設置部5に設置されたラベルプリンタ100の操作を実演し、製品であるラベルプリンタ100の装置の説明及び操作実演を行う自立型ロボットである。
そして、本体部2の前面上部には、LCD6と、赤外線センサ7が配設されている。LCD6は、実演ロボット1の現在実行中の動作説明やメッセージを表示する表示手段である。赤外線センサ7は、公知の赤外線センサに対して、特定波長(6〜14μm)を透過するフィルムを取り付けたセンサであり、これにより、赤外線センサ7が検知可能な一定範囲内に人間が存在するか否かを検知することができる。また、赤外線センサ7により、その一定範囲内にいる人間と実演ロボット1との距離を測定することができる。これらの測定データは、実演ロボット1の制御に用いられるが、その制御の方法は第1実施形態で詳細に説明してあるのでここでは説明を省略する。
本体部2の側面には、それぞれ、左腕3、右腕4が回動可能に取り付けられている。左腕3の先端には、CCDカメラ37が取り付けられ、このCCDカメラ37が所定の位置からラベルプリンタ100を撮影することによってラベルプリンタ100の機種判別や位置補正をするためのセンサとなる。そこで、本第2実施形態に係る実演ロボット1では、これら左腕3、右腕4、CCDカメラ37を用いて、設置部5に設置されたラベルプリンタ100の機種判別、キー操作位置に対する左腕3、右腕4の移動距離の補正を行ってラベルプリンタ100の操作を実行することになる。
これら左腕3、右腕4を用いて、設置部5に設置されたラベルプリンタ100の操作を実行する方法は、第1実施形態で詳細に説明しているのでここでは説明を省略する。
【0123】
そして、図28に示すように、本体部2の背面側には、外部機器との接続に用いるUSBコネクタ8と、実演ロボット1の動作モードの設定に用いる動作モード切換スイッチ9が配設されている。
USBコネクタ8は、各種の外部機器との接続端子であり、外部機器からデータを受信することができる。
また、動作モード切換スイッチ9は、実演ロボット1の動作モードを設定可能な設定モードに係る操作に使用されるスイッチである。設定モードにおいて、設定可能な動作モードは、第1実施形態と同様である。
【0124】
そして、本体部2の内部には、実演ロボット1の制御を行うCPU50等の各種制御装置が配設されている。これらの制御装置については、第1実施形態の図9の実演ロボット1の制御系ブロック図と同一であり、第1実施形態で詳細に説明しているので、ここでの説明は省略する。ただし、本第2実施形態では、ターンテーブルモータ44、X軸モータ45、Y軸モータ46は使用していない。
【0125】
次に、本第2実施形態に係る実演ロボット1のメイン制御プログラムは、図10の第1実施形態に係る実演ロボット1のメイン制御プログラムのフローチャートと同一あるが、S7の機種判定・位置補正処理が部分的に異なるのでその説明をする。
【0126】
図29は、機種判定・位置補正処理プログラムのフローチャートである。
設置部5にラベルプリンタ100が設置され、機種判定・位置補正処理(S7)に移行すると、CPU50は、先ず、左腕3を動作させて左腕キー操作部3aに付設されているCCDカメラ37を所定の高さと位置にセットする(S141)。そして、CCDカメラ37をONにして(S142)、対象物であるラベルプリンタ100の映像を取得する(S143)。次に、取得した映像をROM51に格納されている機種別データテーブルと比較して設置されているラベルプリンタ100が、ラベルプリンタ(A)、ラベルプリンタ(B)、ラベルプリンタ(C)の何れに該当するのかを判別する。先ず、ラベルプリンタ100がラベルプリンタ(A)であるか判別する(S144)。そして、ラベルプリンタ100がラベルプリンタ(A)であれば(S144:YES)、S145に移行してラベルプリンタ(A)のデータをRAM52に格納してS149に移行する。一方、ラベルプリンタ100がラベルプリンタ(A)でなければ(S144:NO)、S146に移行してラベルプリンタ100がラベルプリンタ(B)であるか判別する。そして、ラベルプリンタ100がラベルプリンタ(B)であれば(S146:YES)、S147に移行してラベルプリンタ(B)のデータをRAM52に格納してS149に移行する。一方、ラベルプリンタ100がラベルプリンタ(B)でなければ(S146:NO)、S148に移行してラベルプリンタ(C)のデータをRAM52に格納してS149に移行する。
【0127】
S149からは、設置部5に設置されたラベルプリンタ100のキー操作位置に対する左腕3、右腕4の移動距離の補正が行われる。先ず、CCDカメラ37で撮影したラベルプリンタ100の映像をROM51に格納されている機種別データテーブルと比較し、機種別データテーブル内の計測用テンプレートから各キーのずれがどの程度あるか計測する(S149)。その計測結果に基づいて、実演データの腕部(左腕3、右腕4)の各キーに対する操作位置データを補正する(S150)。
【0128】
このように、本第2実施形態に係る実演ロボット1では、機種判定・位置補正処理(S7)を実行することにより、設置部5に設置されたラベルプリンタ100の特定と観者が無作為に設置したラベルプリンタ100に対して、実演データのキー操作位置に対する左腕3、右腕4の移動距離の補正を行ってラベルプリンタ100の操作を実行可能状態にすることができる。
【0129】
以上、説明したように、本第2実施形態に係る実演ロボット1では、ラベルプリンタ100が設置部5に設置された位置に合わせて実演ロボット1によるラベルプリンタ100のキーの操作に関する動作データを補正するために、CCDカメラ37で撮影したラベルプリンタ100の映像をROM51に格納されている機種別データテーブルと比較し、機種別データテーブル内の計測用テンプレートから各キーのずれがどの程度あるか計測するし、その計測結果に基づいて、実演データの腕部(左腕3、右腕4)の各キーに対する操作位置データを補正する位置関係補正手段を備えている。これにより、実演ロボット1は、観者が設置部5に無作為に設置したラベルプリンタ100をそのままにして、実演ロボット1の腕部(左腕3、右腕4)によるキーの操作に関する動作データを補正して実演ロボット1の実演を実行可能な状態にする。このため、ラベルプリンタ100の位置補正をする必要が無いので実演ロボット1の構造を簡単にすることができ、実演ロボット1の信頼性を向上させることができる。また、構造が簡単であるので実演ロボットの製造コストを下げることができる。また、ラベルプリンタ100が設置部5に無作為に設置されるとその設置された位置によって、実演ロボット1が実行する電子装置のキー操作の実演内容が変化するので、実演の内容に多様性が生まれる。
【0130】
次に、本発明に係る自立型実演ロボットについて具体化した本第3実施形態について図30を参照しつつ説明する。図30は、本第3実施形態に係る実演ロボット1の制御系ブロック図である。使用する符号は同一機能のものは同一の符号を使用する。本第3実施形態に係る実演ロボット1は、第1実施形態、第2実施形態に係る実演ロボット1と基本的な構成は同様であるが、外部機器が接続されるUSBコネクタ8において、第1実施形態、第2実施形態に係る実演ロボット1では、実演ロボット1のUSBコネクタ8にパーソナルコンピュータ200をケーブル11により接続し、パーソナルコンピュータ200で入力されたデータに基づいて、ラベルプリンタ100の操作を実行するのに対して、第3実施形態に係る実演ロボット1では図30に示すように実演ロボット1のUSBコネクタ8に外部記憶媒体としてフラッシュメモリ42を接続し、フラッシュメモリ42に格納されている規定の実演内容データに基づいて、実演動作を実行可能としている。これによって、新しいラベルプリンタ100が開発されてもフラッシュメモリ42に格納される何種類かの新規実演内容データを作成するのみで新たに実演ロボット1を作成する必要はなくなる。
【0131】
以上、説明したように、本第3実施形態に係る実演ロボット1では、USBコネクタ8に接続される外部機器は、実演データが記録された記憶媒体であるところのフラッシュメモリ42である。この実演データが記録された外部の記憶媒体であるフラッシュメモリ42を使用することにより、実演ロボット1側の実演データを記憶するROM52、EEPROM40の負荷を軽減でき、実演ロボット1のコストを低減できる。また、複数のフラッシュメモリ42を差し替えることにより、フラッシュメモリ42から入力された実演データに基づいて変更された実演を実行することとなるので、ラベルプリンタ100の実演に多様性が生じ、観者がラベルプリンタ100の操作に係る実演に飽きが生じることがなくなる。つまり、観者に新鮮味のある操作実演を見せることができるので、ラベルプリンタ100の操作の実演について、観者に退屈な印象を与えてしまうことを防止することができる。また、外部の記憶媒体であるところのフラッシュメモリ42を使用することにより、フラッシュメモリ42は小型軽量で搬送に便利であり操作が簡単であるので、実演ロボット1の街頭やショー会場において、実演する実演データの内容を変更する必要性が発生した時に迅速に変更することができる。
【0132】
次に、本発明に係る自立型実演ロボットについて具体化した本第4実施形態について図31乃至図33を参照しつつ説明する。図31は、本第4実施形態に係る実演ロボット1の制御系ブロック図、図32は、呼び込み処理で使用される紹介パターンの一例を示す説明図、図33は、実演ロボット1の背面図である。ここで、使用する符号は同一機能のものは同一の符号を使用する。本第4実施形態に係る実演ロボット1は、第1実施形態乃至第3実施形態に係る実演ロボット1と基本的な構成は同様であるが、外部機器が接続されるコネクタにおいて、第1実施形態乃至第3実施形態に係る実演ロボット1では、USBコネクタ8が備えられているのに対して、第4実施形態に係る実演ロボット1では、図31、図33に示すようにUSBコネクタ8に加えてインターネット201を介して情報提供装置202に接続されるインターフェイスコネクタ16を備えている。
ここで、インターフェイスコネクタ16にインターネット201を介して接続された情報提供装置202からの情報(例えば、最新のラベルプリンタ100における操作の実演データや実演ロボット1の動作に対する最新のデータ又はその日の天気や時事・話題等)は、制御回路CUを経由してUSBコネクタ8に接続されたパーソナルコンピュータ200に取り込まれる。そして、パーソナルコンピュータ200によって、実演ロボット1は、最新のラベルプリンタ100における操作の実演データや実演ロボット1の動作に対する最新のデータに変更することができる。また、パーソナルコンピュータ200によって、そこで実演されるラベルプリンタ100の種類に対応した実演データとその日の天気や時事・話題等とが結合処理され、実演ロボット1によって、例えば、図32に示す紹介パターンが取り込まれて実演が実行される。
【0133】
以上、説明したように、本第4実施形態に係る実演ロボット1では、インターフェイスコネクタ16には、実演データが配信される情報提供装置202と通信媒体であるインターネット201を介して接続される。これによりインターネット201が利用できる環境であれば、どこでも、例えば外国でも、最新のラベルプリンタ100における操作の実演データや実演ロボット1の動作に対する最新のデータを入手して変更することができる。そのため、実演ロボット1による迅速な広告宣伝活動ができる。
また、実演ロボット1では、情報提供装置202から配信された情報とラベルプリンタ100の種類に対応した実演データとを結合して実演を実行する。これにより、その日の天気や時事・話題等に応じた実演をすることができるので、ラベルプリンタ100の実演に多様性が生じ、観者がラベルプリンタ100の操作に係る実演に飽きが生じることがなくなる。つまり、観者に新鮮味のある操作実演を見せることができるので、ラベルプリンタ100の操作の実演について、観者に退屈な印象を与えてしまうことを防止することができる。
【0134】
次に、本発明に係る自立型実演ロボットについて具体化した本第5実施形態について図34乃至図37を参照しつつ説明する。図34は、第5実施形態に係る実演ロボットの正面図、図35は、実演ロボットの背面図、図36は、実演ロボットの制御系ブロック図、図37は、実演ロボットの機種判定・位置補正処理プログラムのフローチャートである。ここで、使用する符号は同一機能のものは同一の符号を使用する。本第5実施形態に係る実演ロボット1は、第1実施形態乃至第4実施形態に係る実演ロボット1と基本的な構成は同様であるが、ラベルプリンタ100と実演ロボット1との相対的な位置補正において、第1実施形態乃至第4実施形態の実演ロボット1では、実演ロボット1自身が相対的な位置補正を行っているのに対して、本第5実施形態の実演ロボット1では、観者である人間が実演ロボット1の指示に従って、ラベルプリンタ100と実演ロボット1との相対的な位置補正を行っている。本第5実施形態に係る実演ロボット1では、上述のような第1実施形態乃至第4実施形態に係る実演ロボット1と異なるポイントを中心に説明する。
【0135】
先ず、本第5実施形態に係る実演ロボット1の概略構成について図34乃至図36に基づき説明する。
図34に示すように、本第5実施形態に係る実演ロボット1は、本体部2と、左腕3、右腕4とから構成され、ペンギンを模した形状に形成されており、本体部2は台座26の上面に固定されている。台座26に固定された本体部2の前部にはラベルプリンタ100が設置される設置部5が設けられ、設置部5の上面にはラベルプリンタ100が設置されたことを検知するタッチセンサ36が設けられている。さらに、設置部5には、ラベルプリンタ100に付設されたRFタグ47からの機種情報等を受信するためのRFタグ用アンテナ48が付設されている。
本第5実施形態に係る実演ロボット1は、左腕3、右腕4により、台座26に形成された設置部5に設置されたラベルプリンタ100の機種判定をラベルプリンタ100に付設されたRFタグ47からの機種情報で行い、その情報に基づいて、ラベルプリンタ100の操作を実演し、製品であるラベルプリンタ100の装置の説明及び操作実演を行う自立型ロボットである。
尚、ラベルプリンタ100の機種判定は、ラベルプリンタ100に付設されたバーコード(図示せず)を図36に示すバーコードリーダ49で行ってもよい。
そして、本体部2の前面上部には、LCD6と、赤外線センサ7が配設されている。LCD6は、実演ロボット1の現在実行中の動作説明やメッセージを表示する表示手段である。赤外線センサ7は、公知の赤外線センサに対して、特定波長(6〜14μm)を透過するフィルムを取り付けたセンサであり、これにより、赤外線センサ7が検知可能な一定範囲内に人間が存在するか否かを検知することができる。また、赤外線センサ7により、その一定範囲内にいる人間と実演ロボット1との距離を測定することができる。これらの測定データは、実演ロボット1の制御に用いられるが、その制御の方法は第1実施形態で詳細に説明してあるのでここでは説明を省略する。
本体部2の側面には、それぞれ、左腕3、右腕4が回動可能に取り付けられている。本第1実施形態に係る実演ロボット1では、これら左腕3、右腕4を用いて、設置部5に設置されたラベルプリンタ100の操作を実行する。
これら左腕3、右腕4を用いて、設置部5に設置されたラベルプリンタ100の操作を実行する方法は、第1実施形態で詳細に説明しているのでここでは説明を省略する。
【0136】
そして、図35に示すように、本体部2の背面側には、外部機器との接続に用いるUSBコネクタ8及びインターフェイスコネクタ16と、実演ロボット1の動作モードの設定に用いる動作モード切換スイッチ9が配設されている。
USBコネクタ8は、各種の外部機器との接続端子であり、外部機器からデータを受信することができる。
また、インターフェイスコネクタ16は、インターネット201を介して情報提供装置202に接続され、情報提供装置202から最新のラベルプリンタ100等の情報を受信することができる。
更に、動作モード切換スイッチ9は、実演ロボット1の動作モードを設定可能な設定モードに係る操作に使用されるスイッチである。設定モードにおいて、設定可能な動作モードは、第1実施形態と同様である。
【0137】
そして、本体部2の内部には、実演ロボット1の制御を行うCPU50等の各種制御装置が配設されている。これらの制御装置については、第1実施形態の図9の実演ロボット1の制御系ブロック図で詳細に説明しているのでそれを参照することとし、ここでの説明は、図36に基づいて図9と異なる点を説明する。
先ず、図36では機種判別をするためのCCDカメラ37の代わりに、ラベルプリンタ100に付設されたRFタグ47からの機種判別データを受信するためにRFタグ用アンテナ48が設けられている。
次に、本第5実施形態の実演ロボット1では、観者である人間が実演ロボット1の指示に従って、ラベルプリンタ100と実演ロボット1との相対的な位置補正を行っているので、図9におけるラベルプリンタ100と実演ロボット1との相対的な位置補正を行うためのターンテーブルモータ44、X軸モータ45、Y軸モータ46は使用していない。
そして、本第5実施形態の実演ロボット1では、インターネット201を介して情報提供装置202に接続され、情報提供装置202から最新のラベルプリンタ100等の情報を受信するためのインターフェイスコネクタ16が設けられている。
【0138】
次に、本第2実施形態に係る実演ロボット1のメイン制御プログラムは、図10の第1実施形態に係る実演ロボット1のメイン制御プログラムのフローチャートと同一あるが、S7の機種判定・位置補正処理が部分的に異なるのでその説明をする。
【0139】
図37に示すように、設置部5にラベルプリンタ100が設置され、機種判定・位置補正処理(S7)に移行すると、CPU50は、先ず、RFタグ用アンテナ48をオンにして(S151)、設置部5に設置されたラベルプリンタ100に付設されたRFタグ47からの機種情報信号を受信するための準備をしてS152に移行する。S152では設置部5に設置されたラベルプリンタ100に付設されたRFタグ47からの機種情報信号を受信して内容を読み取る。次に、読み取った内容をROM51に格納されている機種別データテーブルと比較して設置されているラベルプリンタ100が、ラベルプリンタ(A)、ラベルプリンタ(B)、ラベルプリンタ(C)の何れに該当するのかを判別する。先ず、ラベルプリンタ100がラベルプリンタ(A)であるか判別する(S153)。そして、ラベルプリンタ100がラベルプリンタ(A)であれば(S153:YES)、S154に移行してラベルプリンタ(A)のデータをRAM52に格納してS160に移行する。一方、ラベルプリンタ100がラベルプリンタ(A)でなければ(S153:NO)、S155に移行してラベルプリンタ100がラベルプリンタ(B)であるか判別する。そして、ラベルプリンタ100がラベルプリンタ(B)であれば(S155:YES)、S156に移行してラベルプリンタ(B)のデータをRAM52に格納してS160に移行する。一方、ラベルプリンタ100がラベルプリンタ(B)でなければ(S155:NO)、S157に移行してラベルプリンタ100がラベルプリンタ(C)であるか判別する。そして、ラベルプリンタ100がラベルプリンタ(C)であれば(S157:YES)、S158に移行してラベルプリンタ(C)のデータをRAM52に格納してS160に移行する。一方、ラベルプリンタ100がラベルプリンタ(C)でなければ(S157:NO)、S159に移行してRFタグの内容のラベルプリンタ100に対する情報をインターネット201経由で情報提供装置202から入手し、入手したデータを実演ロボット1が実演できる実演データに加工してRAMに格納しS160に移行する。
【0140】
S160では、ラベルプリンタ100が設置部5のどの位置に載置されているかを計測する。位置の計測は、設置部5の上面に設けられたタッチセンサ36のXYマトリックスラインをCPU50が信号をスキャンさせて、XYマトリックスラインから帰還してくる信号の位置をCPU50が解析して位置の計測が行われる。
次に、CPU50は、この位置の計測データに基づいてラベルプリンタ100が設置部5におけるタッチセンサ36の所定の位置に設置されているか否かを判断する(S161)。ラベルプリンタ100が設置部5におけるタッチセンサ36の所定の位置に設置されている場合には(S161:YES)、S9に移行する。
一方、ラベルプリンタ100が設置部5におけるタッチセンサ36の所定の位置に設置されていない場合には(S161:NO)、所定の位置からの外れ量を計測して計測データをRAM52に格納してからS162に移行する。そして、S162では観者に所定の位置からの外れ量をRAM52から読み出して、例えば、「正しい位置は、右に10mm、上に5mmです。」と位置の補正量を音声で知らせ、S160に戻る。設置部5の所定の位置にラベルプリンタ100が設置されるまでこれを繰り返す。
尚、ラベルプリンタ100の位置精度は、タッチパネル22のXYマトリックスラインを多くすることによって上げることができる。
【0141】
このように、本第5実施形態に係る実演ロボット1では、機種判定・位置補正処理(S7)を実行することにより、設置部5に設置されたラベルプリンタ100の特定と観者が実演ロボット1の指示に従って設置部5におけるタッチセンサ36の所定の位置に設置したラベルプリンタ100対して、実演データのキー操作位置に対する左腕3、右腕4の操作を実行可能状態にすることができる。
【0142】
以上、説明したように、本第5実施形態に係る実演ロボット1では、観者にラベルプリンタ100を実演ロボット1の指示に従って設置部5の所定の位置に設置するようにしたので、実演ロボット1と観者との見かけ上の対話形式が発生し、観者に対して「これからどうなるのか」と興味を喚起し、観者を実演ロボット1に惹き付けることができる。さらに、観者に対して、実演ロボット1の実演をより印象付けることができるとともに、当該ラベルプリンタ100を強く印象付けることができ、購買意欲を喚起することができる。
また、観者にラベルプリンタ100を実演ロボット1の指示に従って設置部5の所定の位置に設置するようにしたので、ラベルプリンタ100を機械的に位置補正する必要が無いので実演ロボット1の構造を簡単にすることができ、実演ロボット1の信頼性を向上させることができる。また、構造が簡単であるので実演ロボットの製造コストを下げることができる。
更に、RFタグを使用しているのでRFタグに実演データを記載することもできる。
そして、観者の要望で実演データのないラベルプリンタ100の実演を急遽行わなければならなくなったときに、インターネット201を介して情報提供装置202に接続され、情報提供装置202から最新のラベルプリンタ100の情報を受信するインターフェイスコネクタ16を備えているので、RFタグの内容のラベルプリンタ100に対する情報をインターネット201経由で情報提供装置202から入手し、入手したデータを実演ロボット1が実演できる実演データに加工してRAMに格納して実演に対応することができるので、このように、急な要望に迅速に対応することができる。
【0143】
尚、本発明は、上記第1実施形態乃至第5実施形態の記載に限定されるものでなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、本第1実施形態乃至第5実施形態においては、電子装置として、ラベルプリンタ100を用い説明したが、これに限らず、例えば、携帯電話やPDA(Personal Digital Assistant)などの複数のキーを有する電子装置を使用することが可能である。
また、本第1実施形態乃至第3実施形態においては、外部機器として、パーソナルコンピュータ200を使用した場合を説明したが、外部機器として、USBコネクタ8、ケーブル11で接続されるものは、パーソナルコンピュータ200に限らず、携帯電話、PDAを使用することも可能である。そして、外部機器に対するデータの入力方法は、キーボードやマウス等の操作によるものであっても良いし、外部機器に、音声認識回路、マイクを配設することで、音声入力する態様であっても良い。また、外部機器に、コード読取手段と、コード解読手段を配設し、例えば、バーコード、2次元コード等のコードデータにより外部機器に入力する態様であっても良い。
【0144】
また、本第1実施形態乃至第4実施形態において、ラベルプリンタ100の機種を判定する際には、CCDカメラ37により、ラベルプリンタ100の機種毎に異なる本体の映像データを取得し、取得した映像データに基づいて機種判定を行っていたが、これに限定するものではなく、例えば、実演ロボット1には、複数のマイクロスイッチを配設し、ラベルプリンタ100には、機種毎に異なる態様で形成されたスイッチ接触部を形成することにより、機種判定可能とすることもできる。
【0145】
そして、本第4実施形態において、インターフェイスコネクタ16にインターネット201を介して接続された情報提供装置202からの情報は、制御回路CUを経由してUSBコネクタ8に接続されたパーソナルコンピュータ200に取り込まれるが、パーソナルコンピュータ200に直接取り込んで処理し、USBコネクタ8を介して制御回路CUに転送しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0146】
【図1】第1実施形態に係る実演ロボットの正面図である。
【図2】実演ロボットの背面図である。
【図3】実演ロボットと、パーソナルコンピュータを接続した状況を示す説明図である。
【図4】実演ロボットの左腕を伸ばした状態における外観斜視図である。
【図5】実演ロボットの左腕を折り曲げた状態における外観斜視図である。
【図6】実演ロボットの左腕の内部状況を示す説明図である。
【図7】ラベルプリンタの外観斜視図である。
【図8】ラベルプリンタの制御系ブロック図である。
【図9】実演ロボットの制御系ブロック図である。
【図10】実演ロボットのメイン制御プログラムのフローチャートである。
【図11】実演ロボットの動作設定処理に係る説明図である。(a)は、動作設定処理プログラムのフローチャートを示し、(b)は、動作設定処理において設定される動作モードを示す説明図である。
【図12】実演ロボットの呼び込み処理プログラムのフローチャートである。
【図13】呼び込み処理で使用される紹介パターンの一例を示す説明図である。
【図14】実演ロボットの機種判定・位置補正処理プログラムのフローチャートである。
【図15】実演ロボットの通常デモモードにおける動作実行処理プログラムのフローチャートである。
【図16】実演ロボットの動作停止処理プログラムのフローチャートである。
【図17】実演ロボットの動作指令データに関する説明図である。(a)は、ラベルプリンタの各キーに関連付けられたキーコードを示す説明図であり、(b)は、入力されたひらがなに対応する動作指令データを示す説明図である。
【図18】動作実行処理に関する説明図である。(a)は、機種データと、実演内容データとの関係を示す説明図であり、(b)は、通常デモモードにおける実演パターン(A)の実演内容データを示す説明図である。(c)は、実演パターン(A)による実演が実行された場合に作成されるラベルである。
【図19】動作実行処理に関する説明図である。(a)は、通常デモモードにおける実演パターン(B)の実演内容データを示す説明図である。(b)は、実演パターン(B)による実演が実行された場合に作成されるラベルである。
【図20】実演ロボットの通信デモモードにおける動作実行処理プログラムのフローチャートである。
【図21】データ変換処理プログラムのフローチャートである。
【図22】動作手順実行処理プログラムのフローチャートである。
【図23】キー入力処理プログラムのフローチャートである。
【図24】通信デモモードにおける動作実行処理に関する説明図である。(a)は、通信デモモードにおける実演パターン(A)の実演内容データを示す説明図である。(b)は、入力された文字列データと、動作指令データとの説明図と、実演パターン(A)による実演が実行された場合に作成されるラベルである。
【図25】実演ロボットの記念シール作成モードにおける動作実行処理プログラムのフローチャートである。
【図26】記念シール作成モードにおける動作実行処理に関する説明図である。(a)は、記念シール作成モードにおける実演パターン(B)の実演内容データを示す説明図である。(b)は、入力された文字列データと、動作指令データとの説明図と、実演パターン(B)による実演が実行された場合に作成されるラベルである。
【図27】第2実施形態に係る実演ロボットの正面図である。
【図28】実演ロボットの背面図である。
【図29】実演ロボットの機種判定・位置補正処理プログラムのフローチャートである。
【図30】第3実施形態に係る実演ロボットの制御系ブロック図である。
【図31】第4実施形態に係る実演ロボットの制御系ブロック図である。
【図32】呼び込み処理で使用される紹介パターンの一例を示す説明図である。
【図33】実演ロボットの背面図である。
【図34】第5実施形態に係る実演ロボットの正面図である。
【図35】実演ロボットの背面図である。
【図36】実演ロボットの制御系ブロック図である。
【図37】実演ロボットの機種判定・位置補正処理プログラムのフローチャートである。
【符号の説明】
【0147】
1 実演ロボット
3 左腕
4 右腕
5 設置部
7 赤外線センサ
8 USBコネクタ
16 インターフェイスコネクタ
20 ターンテーブル
21 X軸テーブル
23 Y軸テーブル
26 台座
36 タッチセンサ
37 CCDカメラ
38 音声モジュール
39 スピーカ
40 EEPROM
41 時計チップ
42 フラッシュメモリ
50 CPU
51 ROM
100 ラベルプリンタ
101 キーボード
103 サーマルヘッド
200 パーソナルコンピュータ
201 インターネット
202 情報提供装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のキーを有する電子装置が設置される設置部と、
前記電子機器と前記設置部の位置関係を特定する位置特定手段と、
前記位置特定手段によって特定された位置関係を所定の位置関係に補正する位置関係補正手段と、
前記設置部に設置された電子装置のキーの操作に関する動作データと、前記電子装置の動作に関する音声データとを含む実演データを記憶する記憶手段と、
前記動作データに基づき前記キーを操作するキー操作手段と、
前記音声データに基づき音声を出力する発音手段と、
前記実演データに基づいて、前記キー操作手段と発音手段とを制御して電子装置の実演を実行する実演制御手段と、を備えることを特徴とする自立型実演ロボット。
【請求項2】
前記位置関係補正手段は、前記電子装置が所定の位置に配置されるように前記設置部を移動する移動手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の自立型実演ロボット。
【請求項3】
前記位置関係補正手段は、前記電子装置が前記設置部に設置された位置に合わせて電子装置のキーの操作に関する動作データを補正するキー操作補正手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の自立型実演ロボット。
【請求項4】
前記実演データを入力可能な外部機器と、
前記外部機器より入力された実演データに基づいて、前記記憶手段に格納された前記実演データを変更する実演データ変更手段と、を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の自立型実演ロボット。
【請求項5】
前記外部機器は、前記実演データが記録された記憶媒体であることを特徴とする請求項4に記載の自立型実演ロボット。
【請求項6】
前記実演データが配信される情報提供装置と通信媒体を介して接続される接続手段を有し、前記情報提供装置より配信された実演データに基づいて、前記記憶手段に格納された実演データを変更する実演データ変更手段を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の自立型実演ロボット。
【請求項7】
前記設置部に設置された電子装置の種類を判定する種類判定手段を有するとともに、
前記記憶手段には、電子装置の種類に応じた実演データが格納され、
前記実演制御手段は、前記種類判定手段により判定された電子装置の種類に基づき前記記憶手段に格納された実演データを選択し、その選択された実演データに基づいて、その実演データに対応した電子装置の実演を実行することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の自立型実演ロボット。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の自立型実演ロボットにおいて、
日時を計時する計時手段を備え、
前記計時手段により計時された日時データを、前記発音手段を介して発声するようにしたことを特徴とする自立型実演ロボット。







【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【公開番号】特開2007−41204(P2007−41204A)
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−224086(P2005−224086)
【出願日】平成17年8月2日(2005.8.2)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】