説明

自転車用ブレーキ装置

【課題】制動操作時及び制動解除時における第1ブレーキアームと第2ブレーキアームの揺動動作のずれを防止する。
【解決手段】フロントブレーキ装置10は、第1及び第2ブレーキアーム11,12と、付勢部材14と、リンク部16と、を備える。第1及び第2ブレーキアーム11,12は、第1及び第2取付部11a,12aと、第1及び第2ブレーキシュー取付部11a,11bと、第1及び第2ケーブル取付部11c,12cと、を有する。付勢部材14は、一端が第1ブレーキアーム11に取り付けられ、他端が第2ブレーキアーム12に取り付けられ、第1ブレーキシュー取付部11bと第2ブレーキシュー取付部12bとが離反する方向に第1及び第2ブレーキアーム11,12を付勢する。リンク部16は、第1及び第21ブレーキアーム11,12を同期して移動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブレーキ装置、特に、自転車に装着可能なサイドプル式の自転車ブレーキ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自転車用のブレーキ装置には、いわゆるサイドプル式のキャリパブレーキが知られている。キャリパブレーキは、例えば、自転車のフレームに取り付け可能な第1ブレーキアームと第2ブレーキアームと、を備える。第1ブレーキアームは、フレームに揺動可能に取付可能な第1取付部、第1ブレーキシュー取付部、及び第1ケーブル取付部、を有する。第2ブレーキアームは、第1取付部と同じ位置でフレームに揺動可能に取付可能な第2取付部、第2ブレーキシュー取付部、及び第1ケーブル取付部を有する。第1ブレーキシュー取付部と第2ブレーキシュー取付部は対向して配置される。
【0003】
また、サイドプル式のキャリパ式のブレーキ装置において、第1ブレーキアームと第2ブレーキアームとが異なる軸回りに揺動する、いわゆるデュアルピボット式のブレーキ装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
このような従来のブレーキ装置では、第1ブレーキアームと第2ブレーキアームには、ブレーキ操作ケーブルのアウターケーブルとインナーケーブルがそれぞれ取り付けられ、ブレーキレバーが握られ、制動操作がされた際、対向する第1ブレーキシュー、第2ブレーキシューの間隔を狭め、車輪のリム部分を挟むこととでブレーキ操作がなされている。
また、ブレーキ非操作時の第1ブレーキシュー、第2ブレーキシューの間隔を調整するために、第1ブレーキアーム及び/又は第2ブレーキアームに調整機構が設けられているものもある。これにより、車輪のリム幅に応じて第1ブレーキアームの第1ブレーキシューと、第2ブレーキアームの第2ブレーキシューとの間隔を調整可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−267787号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来のブレーキ装置では、第1ブレーキアームと第2ブレーキアームに、ブレーキ操作ケーブルのアウターケーブルとインナーケーブルがそれぞれ取り付けられ、ブレーキレバーが握られ、ブレーキ操作された際、第1ブレーキアームと第2ブレーキアームがそれぞれ揺動することから、第1ブレーキアームと第2ブレーキアームの揺動動作にずれが生じることがある。
【0007】
また、デュアルピボット式のブレーキでは、それぞれの回転軸(ピボット)の回転抵抗の違いによって、ずれが生じることがある。
【0008】
これらの現象は、特に、制動操作を行った後、いわゆる制動解除操作にも見られる。制動解除動作は、通常、バネ等の付勢手段によって行われるもので、それぞれのブレーキアームへの付勢力のずれによっても生じ、ブレーキレバーから手を離しても、制動解除操作の際にも、一方のブレーキアームの揺動と他方のブレーキアームの揺動とにずれが生じる可能性がある。すなわち、制動操作および制動解除操作による動作を含むブレーキ装置の動作に遅れが生じる可能性がある。
【0009】
本発明の課題は、制動操作時及び制動解除時における第1ブレーキアームと第2ブレーキアームの揺動動作のずれを防止することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
発明1に係る自転車用ブレーキ装置は、第1ブレーキアームと、第2ブレーキアームと、付勢部材と、リンク部と、を備える。第1ブレーキアームは、第1取付部と、第1ブレーキシュー取付部と、第1ケーブル取付部と、を有する。第1取付部は、自転車のフレームに対して揺動可能に取り付け可能である。第1ブレーキシュー取付部は、第1ブレーキシューが取り付けられるものである。第1ケーブル取付部は、ブレーキ操作ケーブルが取り付けられるものである。第2ブレーキアームは、第2取付部と、第1ブレーキシュー取付部と、を有する。第2取付部は、自転車のフレームに対して揺動可能に取り付け可能である。第2ブレーキシュー取付部は、第2ブレーキシューが取り付けられるものである。付勢部材は、一端が第1ブレーキアームに取り付けられ、他端が第2ブレーキアームに取り付けられ、第1ブレーキシュー取付部と第2ブレーキシュー取付部とが離反する方向に第1ブレーキアーム及び第2ブレーキアームを付勢する。リンク部は、ブレーキ操作されるとき、第1ブレーキアーム及び第2ブレーキアームを同期して揺動させる。
【0011】
このブレーキ装置では、ブレーキ操作ケーブルをブレーキレバーで操作すると、第1ブレーキアーム及び第2ブレーキアームが接近する方向に移動する。このとき、リンク部により第1ブレーキアームの揺動動作に第2ブレーキアームが同期して揺動する。すなわち、制動操作および制動解除操作のブレーキ操作を行っても、第1ブレーキアームと第2ブレーキアームの揺動のずれを防止することができる。
【0012】
発明2に係る自転車用ブレーキ装置は、発明1に記載の自転車用ブレーキ装置において、第2ブレーキアームは、第2ケーブル取付部をさらに備える。この場合には、第1ケーブル取付部にケーブルのインナーケーブルを取り付け、第2ケーブル取付部にアウターケーシングを取り付けることにより、リンク部の揺動同期作用に加え、ブレーキケーブルの戻し力が作用することにより、より一層、第1ブレーキアームと第2ブレーキアームの揺動のずれを防止することができる。
【0013】
発明3に係る自転車用ブレーキ装置は、発明2に記載の自転車用ブレーキ装置において、第1ケーブル取付部と第2ケーブル取付部のいずれもが、第1ブレーキシュー取付部及び第2ブレーキシュー取付部のいずれか一方と同じ側、いわゆるサイドプル式のブレーキ装置に配置される。この場合には、サイドプル式の自転車用ブレーキ装置においても、第1ブレーキアームと第2ブレーキアームの揺動のずれを防止することができる。
【0014】
発明4に係る自転車用ブレーキ装置は、発明1から3のいずれかに記載の自転車用ブレーキ装置において、付勢部材の一端及び他端の少なくともいずれか一方に設けられ、付勢部材の付勢力を調整する付勢力調整機構をさらに備える。この場合には、付勢力調整機構により第1ブレーキアーム及び第2ブレーキアームの制動解除方向の付勢部材の付勢力を調整できる。このため、付勢力を強くすれば制動解除状態に迅速に切り換わり、付勢力を弱くすれば、情勢等の握力が弱いライダーでも制動操作を容易にできる。
【0015】
発明5に係る自転車用ブレーキ装置は、発明4に記載の自転車用ブレーキ装置において、付勢部材は、コイルバネであり、付勢力調整機構は、第1ブレーキアーム及び第2ブレーキアームの少なくともいずれか一方に回転自在に支持され、螺旋状のバネ保持溝を有し、コイルバネをバネ保持溝に沿って保持する付勢力調整部材を有する。この場合には、付勢力調整部材を回すだけで、容易に付勢力を調整できる。
【0016】
発明5に係る自転車用ブレーキ装置は、発明5に記載の装置において、付勢力調整機構は、付勢力調整部材を回転させることで、コイルバネをバネ保持溝に沿って、バネ力調整部材に対して移動させることによって、バネ力を調整する。
【0017】
発明7に係る自転車用ブレーキ装置は、第1ブレーキアームと、第2ブレーキアームと、付勢部材と、リンク部と、を備える。第1ブレーキアームは、第1取付部と、第1ブレーキシュー取付部と、第1ケーブル取付部と、を有する。第1取付部は、自転車のフレームの一側に対して揺動可能に取り付け可能である。第1ブレーキシュー取付部は、第1ブレーキシューが取り付けられるものである。第1ケーブル取付部は、第1取付部からフレームの他側に延び、ブレーキ操作ケーブルが取り付けられるものである。第2ブレーキアームは、第2取付部と、第2ブレーキシュー取付部と、第2ケーブル取付部と、を有する。第2取付部は、フレームの他側に対して揺動可能に取り付け可能であり、第1取付部に対向する位置に配置可能である。第2ブレーキシュー取付部は、第2ブレーキシューが取り付けられるものであり、第1ブレーキシュー取付部に対向している。第2ケーブル取付部は、第1ケーブル取付部と同じ側でブレーキ操作ケーブルが取り付けられる。付勢部材は、第1ブレーキシュー取付部と第2ブレーキシュー取付部とが離反する方向に第1ブレーキアーム及び第2ブレーキアームを付勢する。リンク部は、ブレーキ操作されるとき、第1ブレーキアーム及び第2ブレーキアームを同期して揺動させる。
【0018】
このブレーキ装置では、ブレーキ操作ケーブルをブレーキレバーで操作すると、第1ブレーキアーム及び第2ブレーキアームが接近する方向に移動する。このとき、リンク部により第1ブレーキアームの揺動動作に第2ブレーキアームが同期して揺動する。すなわち、制動操作および制動解除操作のブレーキ操作を行っても、第1ブレーキアームと第2ブレーキアームの揺動のずれを防止することができる。
【0019】
発明8に係る自転車用ブレーキ装置は、発明1から7のいずれかに記載の自転車用ブレーキ装置において、リンク部は、第1ブレーキアームに設けられた第1リンク部と、第2ブレーキアームに設けられ、第1リンク部と接触可能な第2リンク部と、を有する。
【0020】
この場合には、第1リンク部と第2リンク部とが接触するので、第1ブレーキアームと第2ブレーキアームとを同期して揺動させやすくなる。
【0021】
発明9に係る自転車用ブレーキ装置は、発明8に記載の自転車用ブレーキ装置において、リンク部は、第1リンク部及び前記第2リンク部のいずれか一方に設けられ、他方に接触するローラを有する。この場合には、ローラにより第1ブレーキアームと第2ブレーキアームとが接触するので、摺動抵抗ではなく転がり抵抗になり、第1ブレーキアームと第2ブレーキアームとを接触させても、ブレーキ操作力があまり重くならない。
【0022】
発明10に係る自転車用ブレーキ装置は、発明9に記載の自転車用ブレーキ装置において、リンク部は、第1リンク部及び第2リンク部の他方に設けられ、ローラに接触可能な接触部を有する。この場合には、接触部での摩擦を低減できる。
【0023】
発明11に係る自転車用ブレーキ装置は、発明1から10のいずれかに記載の自転車用ブレーキ装置において、第2ブレーキアームは、第2ブレーキアーム本体と、第1リンク部を有する第1リンク部材とを有し、第2ブレーキアーム本体と第2リンク部材との相対位置を調整する調整部をさらに備える。この場合には、第2ブレーキアームの第1ブレーキアームとの接触部分が別部材となり、その相対位置を調整できるため、第1ブレーキアームと第2ブレーキアームを車輪のリムに対して適切に配置できる。
【0024】
発明12に係る自転車用ブレーキ装置は、発明1から11のいずれかに記載の自転車用ブレーキ装置において、第1ブレーキアーム及び第2ブレーキアームは、自転車のチェーンステイに取り付け可能である。この場合には、自転車の下方に位置するチェーンステイにブレーキ装置が配置されるので、ブレーキ装置が自転車走行時の空気抵抗にならない。
【0025】
発明13に係る自転車用ブレーキ装置は、発明1から12のいずれかに記載の自転車用ブレーキ装置において、アダプタをさらに備える。アダプタは、第1取付部を固定可能な第1固定部と、第2取付部を固定可能な第2固定部と自転車のフレームに固定可能な第3固定部と、を有する。第3固定部は、第1固定部と第2固定部の間に配置される。
【0026】
このアダプタを用いれば、従来の例えばブレーキ装置取付用一つの孔しかないフレームに対してもアダプタを介してブレーキ装置を固定できる。また、このブレーキ装置取付用の二つの孔を有するフレームには、第1取付部と第2取付部とをフレームに直接固定でき
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、リンク部により第1ブレーキアームと第2ブレーキアームとが同期して揺動する。すなわち、これにより、制動動作、制動解除操作のいずれのブレーキ操作をおこなっても、第1ブレーキアームと第2ブレーキアームの揺動のずれを防止することができる。特に、付勢力(バネ力)のみで、揺動される制動操作時の第1ブレーキアームと第2ブレーキアームとの揺動のずれを防止することができる。
る。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の第1実施形態による自転車用フロントブレーキ装置の正面図。
【図2】フロントブレーキ装置の背面図。
【図3】フロントブレーキ装置の正面斜視図。
【図4】フロントブレーキ装置の背面斜視図。
【図5】リンク部を説明する正面一部断面部分図。
【図6】本発明の第2実施形態によるリアブレーキ装置の装着状態を示す図。
【図7】本発明の第2実施形態によるリアブレーキ装置の正面図。
【図8】リアブレーキ装置の背面図。
【図9】リアブレーキ装置の正面斜視図。
【図10】リアブレーキ装置の背面斜視図。
【図11】リンク部を説明する正面一部断面部分図。
【図12】フロントブレーキ装置を、アダプタを使用して装着する場合の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0029】
<第1実施形態>
図1から図4において、本発明の第1実施形態による自転車用フロントブレーキ装置10は、揺動中心が二つのサイドプル式のキャリパブレーキである。なお、以降の説明において、上下左右は、自転車を後方から見た状態での上下左右である。
【0030】
フロントブレーキ装置10は、自転車のフロントフォーク100の二股に分かれた一対のフォークブレード100a,100bに装着される。したがって一対のフォークブレード100a,100bのそれぞれには、装着孔が設けられる。フロントブレーキ装置10は、第1ブレーキアーム11と、第2ブレーキアーム12と、付勢部材14と、リンク部16と、調整部18を備える。
【0031】
<第1ブレーキアーム>
第1ブレーキアーム11は、概ねC字状に湾曲したアルミニウム合金等の金属製の部材である。第1ブレーキアーム11は、左側のフォークブレード100aに揺動可能に取り付け可能な第1取付部11aと、左用の第1ブレーキシュー90aが取り付けられる第1ブレーキシュー取付部11bと、ブレーキ操作ケーブル80のインナーケーブル80aが取り付けられる第1ケーブル取付部11cと、を有する。第1取付部11aは、フォークブレード100aへの取り付け用の取付ボルト20を支持するブッシュ26が装着されるブッシュ孔11dを有する。第1ブレーキシュー取付部11bは、第1取付部11aから下方に略直線的に延びる。第1ブレーキシュー取付部11bは、第1ブレーキシュー90aを固定するためのシュー固定ボルト21が貫通可能な長孔11eを有する。
【0032】
第1ケーブル取付部11cは、第1取付部11aからわずかに湾曲しつつ右方(図1左方、図2右方)に延びる。第1ケーブル取付部11cの先端には、第1ブレーキアーム11及び第2ブレーキアーム12をワンタッチで開くためのクイックレリーズ機構22が設けられる。クイックレリーズ機構22は、レバー部材22aを有し、レバー部材22aを図1に示す位置から図1時計回りに回すと、インナーケーブル80aが緩んで第1ブレーキアーム11及び第2ブレーキアーム12が開く。これにより、車輪の交換が容易となる。
【0033】
第1ブレーキアーム11の背面(図2)には、付勢部材14の一端を掛けるための第1バネ掛け部11fが設けられる。第1バネ掛け部11fは、先端に大径の頭部を有するピン部材である。第1バネ掛け部11fは、第1ブレーキアーム11の背面に基端が固定される。また、第1ブレーキアーム11の背面には、リンク部16を装着するためのローラブラケット11gが一体で形成される。
【0034】
<第2ブレーキアーム>
第2ブレーキアーム12は、左側のフォークブレード100bに揺動可能に取り付け可能な第2取付部12aと、右用の第2ブレーキシュー90bが取り付けられる第2ブレーキシュー取付部12bと、ブレーキ操作ケーブル80のアウターケーシング80bが取り付けられる第2ケーブル取付部12cと、を有する。第2取付部12aは、フォークブレード100bへの取り付け用の取付ボルト20を支持するブッシュ26が装着されるブッシュ孔12dを有する。第2ブレーキシュー取付部11bは、第1ブレーキシュー取付部11bと対向して配置され、第2取付部12aから下方に略直線的に延びる。第2ブレーキシュー取付部12bは、第2ブレーキシュー90bを固定するためのシュー固定ボルト21が貫通可能な長孔12eを有する。第2ケーブル取付部12cは、アウターケーシング80bとインナーケーブル80aとの軸方向位置を調整可能なアウター係止部27が設けられる。
【0035】
第2ブレーキアーム12は、第2ブレーキアーム本体23と、リンク部16が設けられる第2リンク部材24と、を有する。第2ブレーキアーム本体23は、アルミニウム合金等の金属製の部材である。第2ブレーキアーム本体23の背面には、付勢部材14の他端を掛けるための第2バネ掛け部12fが設けられる。第2バネ掛け部12fは、先端に大径の頭部を有するピン部材である。第2バネ掛け部12fは、第2ブレーキアーム本体23の背面に基端が固定される。第2ブレーキアーム本体23に、第2取付部12aと第2ブレーキシュー取付部12bと第2ケーブル取付部12cとが設けられる。
【0036】
第2リンク部材24は、図5に示すように、第2ブレーキアーム本体23に形成される縦長のスロット23aに装着される揺動軸25に揺動自在に支持される。第2リンク部材24は、アルミニウム合金等の金属製板状の部材である。第2リンク部材24は、スロット23a内に配置され、揺動軸25に支持される薄肉の揺動連結部24aと、揺動連結部24aと一体形成される接触部24bとを有する。接触部24bは、リンク部16の第2リンク部32を構成する。接触部24bの下面24cは、円弧状に湾曲している。
【0037】
<付勢部材>
付勢部材14は、第1ブレーキアーム11及び第2ブレーキアーム12を制動解除方向、すなわち第1ブレーキシュー取付部11b及び第2ブレーキシュー取付部12bが離反する方向に付勢する。付勢部材14は、図2及び図4に示すように、コイルバネ14aである。
【0038】
<リンク部>
リンク部16は、フロントブレーキ装置10が操作されるとき、第1ブレーキアーム11及び第2ブレーキアーム12を同期して移動させるために設けられる。リンク部16は、図5に示すように、第1ブレーキアーム11に設けられる第1リンク部30と、第2ブレーキアーム12に設けられる第2リンク部32と、を有する。第1リンク部30は、ローラブラケット11gに回転自在に支持されるローラ34を有する。第2リンク部32は、第2ブレーキアーム12の第2リンク部材24に設けられる接触部24bを有する。接触部24bの下面24cがローラ34に接触する。このため、第1ブレーキアーム11が揺動すると、ローラ34が第2リンク部材24の接触部24bを押圧し、第2リンク部材24を介して第2ブレーキアーム12が第1ブレーキアーム11に同期して揺動する。これにより、リンク部16は、第1ブレーキアーム11が揺動すると、第2ブレーキアーム12を同期して揺動させる。
【0039】
<調整部>
調整部18は、第2ブレーキアーム本体23と第2リンク部材24との相対位置を調整するために設けられる。この調整部18により、第2ブレーキアーム本体23と第2リンク部材24との相対位置を調整すると、第1ブレーキシュー90aと第2ブレーキシュー90bの間隔を調整できる。これにより異なる幅のリムであっても、リムと第1ブレーキシュー90a及び第2ブレーキシュー90bとの間隔を同程度に揃えることができる。調整部18は、図5に示すように、第2ブレーキアーム本体23のスロット23aの上方に配置される調整ネジ36を有する。調整ネジ36は、第2ブレーキアーム本体23に螺合する。調整ネジ36は、第2リンク部材24の揺動連結部24aと接触部24bとの段差部分24dに接触可能に斜めに配置される。第2リンク部材24は、第2ブレーキアーム本体23が付勢部材14により制動解除方向(図5反時計回り)に付勢されているため、ローラ34により押圧されて常に調整ネジ36に接触する。したがって、調整ネジ36をゆるめると、第1ブレーキアーム11及び第2ブレーキアーム12が同期して制動解除方向に揺動する。調整ネジ36を締め込むと、第1ブレーキアーム11及び第2ブレーキアーム12が同期して制動方向に揺動する。
【0040】
<制動動作>
ブレーキレバーにより制動操作が行われると、第1ブレーキアーム11がインナーケーブル80aにより引っ張られて、制動方向に揺動する。第1ブレーキアーム11が制動方向に揺動すると、ローラ34が接触部24bを押圧する。この押圧により、第2リンク部材24が調整ネジ36を介して第2ブレーキアーム本体23を制動方向に揺動させ、車輪のリムを制動する。
【0041】
また、ブレーキレバーを緩めて制動解除操作を行うと、付勢部材14の付勢力により、第1ブレーキアーム11及び第2ブレーキアーム12が制動解除方向に揺動する。この場合もリンク部16の作用により、第1ブレーキアーム11及び第2ブレーキアーム12は同期して制動解除方向に揺動する。
【0042】
ここでは、リンク部16により第1ブレーキアーム11と第2ブレーキアーム12とが同期して移動する。すなわち、これにより、制動操作を行っても制動解除操作を行っても、第1ブレーキアーム11と第2ブレーキアーム12の移動を揃えることができる。
<第2実施形態>
図6において、本発明の第2実施形態による自転車用リアブレーキ装置110は、揺動中心が二つのサイドプル式のキャリパブレーキである。
【0043】
リアブレーキ装置110は、自転車の二股に分かれた一対のチェーンステイ102の下面に装着される。したがって、一対のチェーンステイ102のそれぞれには、装着孔が設けられる。図7から図10に示すように、リアブレーキ装置110は、第1ブレーキアーム111と、第2ブレーキアーム112と、付勢部材114と、リンク部116と、調整部118と、付勢力調整機構119と、を備える。なお、リアブレーキ装置110は、フロントブレーキ装置10と、第1ブレーキアーム111及び第2ブレーキアーム112の左右の配置が逆である。
【0044】
<第1ブレーキアーム>
第1ブレーキアーム111は、概ねC字状に湾曲したアルミニウム合金等の金属製の部材である。第1ブレーキアーム111は、一対のチェーンステイ102の一方に揺動可能に取り付け可能な第1取付部111aと、右用の第1ブレーキシュー190aが取り付けられる第1ブレーキシュー取付部111bと、ブレーキ操作ケーブル180のインナーケーブル180aが取り付けられる第1ケーブル取付部111cと、を有する。第1取付部111aは、チェーンステイ102への取り付け用の取付ボルト120が支持されるブッシュ126が装着されるブッシュ孔111dを有する。第1ブレーキシュー取付部111bは、第1取付部111aから下方に直線的に延びる。第1ブレーキシュー取付部111bは、第1ブレーキシュー190aを固定するためのシュー固定ボルト121が貫通可能なボルト孔111eを有する。
【0045】
第1ケーブル取付部111cは、第1取付部111aから大きく湾曲しつつ左方(図7右方、図8左方)に延びる。第1ケーブル取付部111cはネジによりインナーケーブル180aを固定する。なお、第1ケーブル取付部111cにクイックレリーズ機構は設けられていないが、クイックレリーズ機構が設けられてもよい。
【0046】
第1ブレーキアーム111の背面(図8)には、付勢部材114の一端を掛けるための第1バネ掛け部111fが設けられる。第1バネ掛け部111fは、背面に回転自在に装着される。第1バネ掛け部111fは、コイルバネ14aで構成される付勢部材114の係止する複数の係止孔111iを有する。係止孔111iは、コイルバネ14aの自由長においてコイルバネ14aのピッチに応じて複数形成される。
【0047】
<第2ブレーキアーム>
第2ブレーキアーム112は、一対のチェーンステイ102の他方に揺動可能に取り付け可能な第2取付部112aと、左用の第2ブレーキシュー190bが取り付けられる第2ブレーキシュー取付部112bと、ブレーキ操作ケーブル180のアウターケーシング180bが取り付けられる第2ケーブル取付部112cと、を有する。第2取付部112aは、チェーンステイ102への取り付け用の取付ボルト120が支持されるブッシュ126が装着されるブッシュ孔112dを有する。第2ブレーキシュー取付部112bは、第1ブレーキシュー取付部111bと対向して配置され、第2取付部112aから下方に略直線的に延びる。第2ブレーキシュー取付部112bは、第2ブレーキシュー190bを固定するためのシュー固定ボルト121が貫通可能な長孔112eを有する。第2ケーブル取付部112cは、アウターケーシング180bを係止する。第2ケーブル取付部112cは、図10に示すように、後述する第2ブレーキアーム本体123と、支持部材128に回転自在に支持された軸部材112jを有し、軸部材112jにアウターケーシング180bを係止する凹部112kが形成される。
【0048】
第2ブレーキアーム112は、図9及び図10に示すように、第2ブレーキアーム本体123と、リンク部116が設けられる第2リンク部材124と、第2ブレーキアーム本体123にねじ止めされる支持部材128と、を有する。第2ブレーキアーム本体123は、アルミニウム合金等の金属製の部材である。第2ブレーキアーム本体123の背面には、付勢力調整機構119が設けられる。付勢力調整機構119については後述する。第2ブレーキアーム本体123に、第2取付部112aと第2ブレーキシュー取付部112bと第2ケーブル取付部112cとが設けられる。
【0049】
第2リンク部材124は、図11に示すように、第2ブレーキアーム本体123に形成される縦長の凹部123aに装着される揺動軸125に揺動自在に支持される。第2リンク部材124は、アルミニウム合金等の金属製板状の部材である。第2リンク部材124は、スロット23a内に配置され、揺動軸125に支持される揺動連結部124aと、揺動連結部24aと一体形成される断面C字状のローラブラケット124bとを有する。ローラブラケット124bには、リンク部116を構成するローラ134が回転自在に支持される。ローラブラケット124bの基端部は、90度折れ曲がっており、その部分に調整部118が接触する部分に凹み部124cが形成される。
【0050】
支持部材128は、例えばアルミニウム合金等の金属製の板状部材である。支持部材128は、第2ブレーキアーム本体123に複数のネジによりねじ止めされる。支持部材128は、第2リンク部材124を支持する揺動軸125を支持している。
【0051】
<付勢部材>
付勢部材114は、第1ブレーキアーム111及び第2ブレーキアーム112を制動解除方向、すなわち第1ブレーキシュー取付部111b及び第2ブレーキシュー取付部112bが離反する方向に付勢する。付勢部材114は、図8及び図10に示すように、コイルバネ114aである。付勢部材114の他端には、付勢力調整機構119が設けられる。
【0052】
<リンク部>
リンク部114は、リアブレーキ装置110が操作されるとき、第1ブレーキアーム111及び第2ブレーキアーム112を同期して移動させるために設けられる。リンク部114は、図11に示すように、第1ブレーキアーム111に設けられる第1リンク部130と、第2ブレーキアーム112に設けられる対2リンク部132と、を有する。第1リンク部130は、第2ブレーキアーム本体23の湾曲する外周面に構成される接触部111hを有する。第2リンク部132は、ローラブラケット124bに回転自在に支持されるローラ134を有する。接触部111hがローラ134に接触する。このため、リンク部116は、第1ブレーキアーム111が揺動すると、第2ブレーキアーム112を同期して揺動させる。
【0053】
<調整部>
調整部118は、第2ブレーキアーム本体123と第2リンク部材124との相対位置を調整するために設けられる。この調整部118により、第2ブレーキアーム本体123と第2リンク部材214との相対位置を調整すると、第1ブレーキシュー190aと第2ブレーキシュー190bの間隔を調整できる。これにより異なる幅のリムであっても、リムと第1ブレーキシュー190a及び第2ブレーキシュー190bとの間隔を同程度に揃えることができる。調整部18は、図11に示すように、第2ブレーキアーム本体123の凹部123aの上部に配置される調整ネジ136を有する。調整ネジ136は、第2ブレーキアーム本体123に螺合する。調整ネジ136は、第2リンク部材124の凹み部124cに接触可能に斜めに配置される。第2リンク部材124は、第2ブレーキアーム本体123が付勢部材114により制動解除方向(図11時計回り)に付勢されているため、ローラ134により押圧されて常に調整ネジ136に接触する。したがって、調整ネジ136をゆるめると、第1ブレーキアーム111及び第2ブレーキアーム112が同期して制動解除方向に揺動する。調整ネジ136を締め込むと、第1ブレーキアーム111及び第2ブレーキアーム112が同期して制動方向に揺動する。
【0054】
<付勢力調整機構>
付勢力調整機構119は、付勢部材114の付勢力を調整可能とするために設けられる。付勢力調整部材119は、図8に示すように、第2ブレーキアーム112に設けられる回転支持部材129に回転自在に支持される。付勢力調整機構119は、付勢力調整部材137を有する。付勢力調整部材137は、螺旋状のバネ保持溝137aを有し、コイルバネ114aをバネ保持溝137aに沿って保持する。付勢力調整部材137には、六角棒レンチが係合する工具係合部137bが形成され、六角棒レンチで付勢力調整部材137を回動させることができる。これにより、コイルバネ114aが伸長し、コイル114aのバネ力を調整できる。
【0055】
このような構成の自転車用リアブレーキ装置110でも、第1実施形態と同様な作用効果を得ることができる。
【0056】
また、付勢力調整機構119を有しているので、付勢部材114の付勢力を適宜に調整できる。このため、付勢力を強くすれば制動解除状態に迅速に切り換わり、付勢力を弱くすれば、情勢等の握力が弱いライダーでも制動操作を容易にできる。
<第3実施形態>
前記2つの実施形態では、自転車のフレーム(フロントフォーク100又はチェーンステイ102)にブレーキ装置を直接取り付けた。しかし、第3実施形態では、既存のフレーム又は新規のフレームにおいて、従来と同様に一つの装着孔しかなくても装着可能な自転車用ブレーキ装置のアダプタ50をさらに備える。ここでは、フロントブレーキ装置10を例に説明するが、リアブレーキ装置110にも適用できる。
【0057】
フロントブレーキ装置10は、図12に示すように、第1実施形態の構成に対してさらにアダプタ50をさらに備える。アダプタ50は、アダプタ本体52と、アダプタ本体52をフレームに固定するための固定ボルト54とを有する。アダプタ本体52は、例えば山形に屈曲して形成される。アダプタ本体52は、第1取付部11a及び第2取付部12aに対向して配置可能な、第1固定部52a及び第2固定部52bを両端に有する。第1固定部52a及び第2固定部52bは、取付ボルト20が通過可能な大きさを有する孔で構成される。アダプタ本体52は、中央部にフレームに取付可能な第3固定部52cを有する。第3固定部52cには、固定ボルト54の頭部54aに係合する非円形の凹部52dが形成される。これにより、固定ボルト54が回り止めされる。また、第3固定部52cには、固定ボルト54が貫通可能な貫通孔54eが形成される。
【0058】
このようなアダプタ50を用いれば、装着孔が一つのフレームにも本発明のブレーキ装置を取り付けできる。なお、アダプタをアダプタ本体だけで構成してもよい。この場合、固定ボルトは市販のボルトを用いればよい。
<他の実施形態>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0059】
(a)前記実施形態では、リンク部を第1ブレーキアーム11及び第2ブレーキアーム本体23と別体で設けたが、一体で設けてもよい。この場合、シュー幅の調整を別の機構で行えばよい。
【0060】
(b)前記実施形態では、アウターケーシングを取り付ける第2ケーブル取り付け部12cを第2ブレーキアーム12に設けたが、第2ケーブル取り付け部を自転車側に設けてもよい。
【0061】
(c)前記実施形態ではサイドプル式のキャリパーケーブルを例に本発明を説明したが、本発明はこれ限定されない。たとえば、センタープル式のキャリパブレーキにも本発明を適用できる。
【0062】
(d)第2実施形態では、付勢力調整機構をリアブレーキ装置110の第2ブレーキアーム112に設けたが、第1ブレーキアームに設けてもよい。また第1ブレーキアームと第2ブレーキアームの両方に設けてもよい。さらにフロントブレーキ装置10にも設けてもよい。
【0063】
(e)前記実施形態では、付勢力調整部材137を、六角棒レンチを用いて回すようにしたが、手で回せるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0064】
10 フロントブレーキ装置
11,111 第1ブレーキアーム
11a,111a 第1取付部
11b,111b 第1ブレーキシュー取付部
11c,111c 第2ブレーキシュー取付部
12,112 第1ブレーキアーム
12a,112a 第2取付部
12b,112b 第2ブレーキシュー取付部
12c,112c 第2ブレーキシュー取付部
14,114 付勢部材
14a,114a コイルバネ
16,116 リンク部
18,118 調整部
24,124 第2リンク部材
24b 接触部
30,130 第1リンク部
32,132 第2リンク部
34,134 ローラ
50 アダプタ
52a 第1固定部
52b 第2固定部
52c 第2固定部
100 フロントフォーク
102 チェーンステイ
111h 接触部
119 付勢力調整機構
137 付勢力調整部材
137a バネ保持溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自転車のフレームに対して揺動可能に取り付け可能な第1取付部、第1ブレーキシューが取り付けられる第1ブレーキシュー取付部、及びブレーキ操作ケーブルが取り付けられる第1ケーブル取付部、を有する第1ブレーキアームと、
前記フレームに対して揺動可能に取り付け可能な第2取付部、及び第2ブレーキシューが取り付けられる第2ブレーキシュー取付部、を有する第2ブレーキアームと、
前記第1ブレーキアーム取り付けられる第1端部、及び前記第2ブレーキアームに取り付けられる第2端部、を有し、前記第1ブレーキシュー取付部と前記第2ブレーキシュー取付部とが離反する方向に前記第1ブレーキアーム及び前記第2ブレーキアームを付勢する付勢部材と、
前記第1ブレーキアーム及び前記第2ブレーキアームを同期して揺動させるリンク部と、
を備える自転車用ブレーキ装置。
【請求項2】
前記第2ブレーキアームは、第2ケーブル取付部をさらに備える、請求項1に記載の自転車用ブレーキ装置。
【請求項3】
前記第1ケーブル取付部と前記第2ケーブル取付部のいずれもが、前記第1ブレーキシュー取付部及び前記第2ブレーキシュー取付部のいずれか一方と同じ側に配置される、請求項2に記載の自転車用ブレーキ装置。
【請求項4】
前記付勢部材の前記一端及び前記他端の少なくともいずれか一方に設けられ、前記付勢部材の付勢力を調整する付勢力調整機構をさらに備える、請求項1から3のいずれか1項に記載の自転車用ブレーキ装置。
【請求項5】
前記付勢部材は、コイルバネであり、
前記付勢力調整機構は、
前記第1ブレーキアーム及び前記第2ブレーキアームの少なくともいずれか一方に回転自在に支持され、螺旋状のバネ保持溝を有し、前記コイルバネを前記バネ保持溝に沿って保持する付勢力調整部材を有する、請求項4記載の自転車用ブレーキ装置。
【請求項6】
前記付勢力調整機構は、前記付勢力調整部材を回転させることで、前記コイルバネを前記バネ保持溝に沿って、前記付勢力調整部材に対して移動させることによって、付勢力を調整する、請求項5記載の自転車用ブレーキ装置。
【請求項7】
自転車のフレームの一側に対して揺動可能に取り付け可能な第1取付部、第1ブレーキシューが取り付けられる第1ブレーキシュー取付部、及び前記第1取付部から前記フレームの他側に延び、ブレーキ操作ケーブルが取り付けられる第1ケーブル取付部、を有する第1ブレーキアームと、
前記フレームの他側に対して揺動可能に取り付け可能であり、前記第1取付部に対向する位置に配置可能な第2取付部、第2ブレーキシューが取り付けられ、前記第1ブレーキシュー取付部に対向する第2ブレーキシュー取付部、及び前記第1ケーブル取付部と同じ側でブレーキ操作ケーブルが取り付けられる第2ケーブル取付部、を有する第2ブレーキアームと、
前記第1ブレーキシュー取付部と前記第2ブレーキシュー取付部とが離反する方向に前記第1ブレーキアーム及び前記第2ブレーキアームを付勢する付勢部材と、
前記第1ブレーキアーム及び前記第2ブレーキアームを同期して移動させるリンク部と、
を備える自転車用ブレーキ装置。
【請求項8】
前記リンク部は、
前記第1ブレーキアームに設けられた第1リンク部と、
前記第2ブレーキアームに設けられ前記第1リンク部に接触可能な第2リンク部と、
を有する、請求項1から7のいずれか1項に記載された自転車用ブレーキ装置。
【請求項9】
前記リンク部は、前記第1リンク部及び前記第2リンク部のいずれか一方に設けられ、他方に接触するローラを有する、請求項8に記載の自転車用ブレーキ装置。
【請求項10】
前記リンク部は、前記第1リンク部及び前記第2リンク部の他方に設けられ、前記ローラに接触可能な接触部を有する、請求項9に記載の自転車用ブレーキ装置。
【請求項11】
前記第2ブレーキアームは、第2ブレーキアーム本体と、第2リンク部を有する第2リンク部材とを有し、
前記第2ブレーキアーム本体と第2リンク部材との相対位置を調整する調整部をさらに備える、請求項1から10のいずれか1項に記載の自転車用ブレーキ装置。
【請求項12】
前記第1ブレーキアーム及び第2ブレーキアームは、自転車のチェーンステイに取り付け可能である、請求項1から11のいずれか1項に記載の自転車用ブレーキ装置。
【請求項13】
前記第1取付部を固定可能な第1固定部と、
前記第2取付部を固定可能な第2固定部と、
前記第1固定部と前記第2固定部の間に配置され、前記自転車のフレームに固定可能な第3固定部と、
を有するアダプタをさらに備える、請求項1から12のいずれか1項に記載の自転車用ブレーキ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−86637(P2013−86637A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−228355(P2011−228355)
【出願日】平成23年10月17日(2011.10.17)
【出願人】(000002439)株式会社シマノ (1,038)
【Fターム(参考)】