説明

舗装道路路面標識、反射素子およびミクロスフェアを作製する方法

目下記載されたのは、(例えばポリマーの)バインダ内に部分的に埋め込まれる透明なミクロスフェアを含む舗装道路路面マーカー等の再帰反射物品である。また、記載されたのは、(例えば、ガラス−セラミック)ミクロスフェア、ミクロスフェアを作製する方法、並びにガラス材料の組成物およびガラス−セラミック材料の組成物である。一般に、ミクロスフェアは、ランタニド系列酸化物(類)、酸化チタン(TiO)および所望により酸化ジルコニウム(ZrO)を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明は、再帰反射舗装道路路面マーカーおよびその他の再帰反射物品のみならずミクロスフェアを含む再帰反射素子等の物品に関し、またミクロスフェアを作製する方法に関し、並びにガラスのみならずガラス−セラミック材料の組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
透明なガラスおよびガラス−セラミックミクロスフェア(すなわち、ビーズ)は、再帰反射マーカー、衣服および舗装道路路面マーカー向けの光学要素として使用される。前記ミクロスフェアは、例えば融解法により製造できる。前記融解法は、原材料混合物を微粒子物質の形態に融解することを含んでよい。融解した粒子は、例えば空気または水中で冷却され、固体ビーズを生成できる。所望により、冷却された粒子は、破砕され、最終ビーズ向けのより小さい所望の寸法の粒子を形成できる。破砕された粒子は、それらを融解し球状化するのに十分な温度を有する火炎を通過できる。多くの原材料組成物にとって、これは、約1500℃〜約3000℃の温度である。或いは、融解した原材料組成物は、高速空気の噴流内に連続的に注入できる。溶融液滴は、噴流が液体流に突き当たるときに形成される。空気速度および融解物の粘度を調節し、液滴の寸法を制御する。溶融液滴は、例えば空気または水中で急速に冷却され、固体ビーズを生成する。前記融解法で形成されたビーズは、本質的に完全に非晶質(すなわち、非結晶質)であるガラス質材料から通常構成される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、ビーズは、しばしば「ガラス質」、「非晶質」または単に「ガラス」と呼ばれる。
【0004】
酸化ランタンおよび酸化チタンを含む組成物から調製されるミクロスフェアを含む舗装道路路面マーカーが、例えば米国特許番号第3,946,130号(ツング(Tung))およびPCT国際公開特許WO96/33139に記載されている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
1つの実施形態において、舗装道路表面にマーキングする方法は、舗装道路表面を提供する工程と舗装道路路面マーカーを舗装道路表面に適用する工程とを含んで記載されている。舗装道路路面マーカーは、バインダ内に少なくとも部分的に埋め込まれる透明なミクロスフェアを備え、ミクロスフェアは、少なくとも40重量%のTiOおよび少なくとも10重量%のLaを含み、並びにミクロスフェアは、少なくとも2.10の屈折率を有する。
【0006】
他の実施形態において、舗装道路路面マーカーは、バインダ内に少なくとも部分的に埋め込まれる透明なミクロスフェアを備え、ミクロスフェアは、少なくとも50モル%のTiOおよび少なくとも5モル%のランタニド系列元素の酸化物類から選択される1つ以上の金属酸化物を含み、並びにミクロスフェアは、少なくとも2.10の屈折率を有する。
【0007】
他の実施形態において、舗装道路路面マーカーは、バインダ内に少なくとも部分的に埋め込まれる透明なミクロスフェアを含む。ミクロスフェアの少なくとも一部は、少なくとも50モル%のTiO、少なくとも5モル%のYおよび所望により少なくとも5モル%のジルコニア、ハフニア、トリアおよびこれらの混合物を含む。
【0008】
他の実施形態において、再帰反射素子が記載されている。再帰反射素子は、有機または無機コアに部分的に埋め込まれる本明細書に記載のミクロスフェアを含む。
【0009】
その他の実施形態において、ミクロスフェアを製造する方法が、記載されている。前記方法は、本明細書に記載した出発組成物の材料を提供する工程と、出発原料を2700℃未満の火炎温度で火炎により融解し溶融液滴を形成する工程と、溶融液滴を冷却し冷却され溶融されたミクロスフェアを形成する工程と、所望により冷却され溶融されたミクロスフェアを加熱する工程とを含む。
【0010】
その他の実施形態において、再帰反射物品(例えば、ガラス−セラミック)、ミクロスフェア、並びにガラス組成物およびガラス−セラミック組成物が記載されている。
【0011】
ミクロスフェアを含む各実施形態に対して、ミクロスフェアは、少なくとも2.20、少なくとも2.30または少なくとも2.40の屈折率を有してよい。ミクロスフェアはガラス−セラミック構造物を含んでいてもよい。組成物は、45重量%〜70重量%のTiO、20重量%〜55重量%のLa、ランタニド系列元素の酸化物類から選択される1つ以上の金属酸化物、並びに5重量%〜25重量%のZrO、HfO、ThOおよびこれらの混合物を含んでよい。組成物は、少なくとも25重量%のLaまたはランタニド系列元素の酸化物類から選択される1つ以上の金属酸化物を含んでよい。組成物は、少なくとも50重量%または少なくとも60重量%のTiOを含んでよい。組成物は、5重量%〜10重量%のZrO、HfO、ThOおよびこれらの混合物を含んでよい。
【0012】
1つの代表的な組成物は、60重量%〜65重量%のTiO、25重量%〜35重量%のLaまたはランタニド系列元素の酸化物類から選択される1つ以上の金属酸化物、並びに5重量%〜10重量%のZrO、HfO、ThOおよびこれらの混合物を含んでよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
目下記載されているのは、(例えばポリマーの)バインダ内に部分的に埋め込まれる透明なミクロスフェアを含む舗装道路路面マーカー等の再帰反射物品である。ミクロスフェアは、一般にランタニド系列酸化物(類)(例えば、La)、酸化チタン(TiO)および所望により酸化ジルコニウム(ZrO)を含む。この塩基組成物は、本明細書において「LTZ」と呼ばれることになる。LTZ塩基組成物を含むビーズは、「LTZビーズ」または「LTZミクロスフェア」と呼ばれることになる。
【0014】
用語「ビーズ」および「ミクロスフェア」は、交換可能に使用され、実質的に球形状である粒子を指す。
【0015】
用語「固体」は、中空でない、すなわち実質的なキャビティまたは空隙がないビーズを指す。レンズ要素としての用途の場合、ビーズは、好ましくは球形状および好ましくは固体である(すなわち、多孔性でない)。固体ビーズは、典型的に中空ビーズより耐久性がある。また、固体ビーズは、中空ビーズよりもより効果的に光を集束でき、より高い再帰反射率につながる。
【0016】
本明細書に記載したミクロスフェアは、好ましくは透明である。用語「透明な」とは、光学顕微鏡(例えば、100xで)で見たとき、ビーズが、可視光線を伝送する特性を有することを意味し、そのため、両者がビーズとおおよそ同じ屈折率の油に浸漬されるとき、ビーズと同じ性質の物体などのビーズの下の物体を、ビーズを通してはっきりみることができる。油は、ビーズのそれと近似した屈折率を有すべきであるが、(それが完全な屈折率整合の場合のように)ビーズが消失して見えるほど近づけるべきではない。ビーズの下の物体の輪郭、周辺、または縁部がはっきり認識できる。
【0017】
終端点による数字上の範囲の詳細説明としては、範囲内に包含される全ての数を含むことが挙げられる(例えば、1〜10の範囲は、例えば1、1.5、3.33および10を含む)。
【0018】
本発明のビーズは、再帰反射物品のレンズ要素として特に有用である。本発明による透明ビーズは、典型的に少なくとも2.10の屈折率を有する。水またはぬれた状態の環境における再帰反射適用の場合、ビーズは、好ましくは少なくとも2.20、少なくとも2.25、少なくとも2.30、少なくとも2.35、好ましくは少なくとも約2.40の高屈折率を有する。
【0019】
多量のチタニアを含む組成物、加えて(米国特許第3,493,403号)の場合、過去に高屈折率ガラスビーズを実証しているが、前記ビーズは、5,000°F(2760℃)を越える報告融解温度を有するプラズマトーチで調製されたものであった。また、前記ビーズは、寸法が90マイクロメートル未満の粒子から調製されていた。最後に、前記の透明な溶融ビーズは、水中で急速に冷却することにより形成された。粒径の減少による熱移動の増加のため、寸法が90マイクロメートル未満の粒子は、プラズマトーチ内で急速に加熱され、且つより大きい粒子よりもより早い速度で冷却される。従って、プラズマトーチおよび水冷却を使用し、直径が90マイクロメートル未満の透明なビーズに加熱および冷却できる組成物は、低温溶融装置および空気冷却を使用するより大きい寸法の透明なビーズの調整には、多くの場合適していない。多くの用途において、90マイクロメートルよりも大きい寸法を有する冷却され溶融されたビーズを調製することが望ましい。実用的かつ低コスト製造の場合、2760℃未満(例えば、2700℃未満、2600℃未満、2500℃未満、2400℃未満、2300℃未満、2200℃未満、2100℃未満、2,000℃未満)の融解温度を提供する装置を利用する組成物を使用することが望ましい。例えば、固体透明ビーズが、おおよそ1980℃の断熱火炎温度を特徴とする空気と共に天然ガスを燃焼することにより製造される火炎を使用して形成される場合、特に有利である。また、空気冷却だけを施す装置を使用することが望ましい。従って、本発明は、例外的な融解およびガラス形成特性を有する組成物を提供し、それを燃焼火炎融解法および空気冷却を使用し90マイクロメートルを超える(例えば、100マイクロメートル、150マイクロメートル、200マイクロメートル)範囲の寸法を有するビーズを形成するのに有用とする。
【0020】
好都合に融解および冷却され透明ビーズを形成し、高屈折率を有する利点に加え、現発明のビーズは、色を発現するため意図的にドーピングされない場合、より高い白さも示し、それを特に白い再帰反射被覆および白い再帰反射舗装道路路面マーカーに有用とする。より高い白さとは、ビーズが、前記高屈折率の過去のビーズ、例えば主にアルカリ土類酸化物類、チタニアおよびジルコニアを含むビーズよりも少ない着色を現わすことを意味する。
【0021】
本発明の物品は、本明細書に記載したLTZビーズを含む通常の特徴および/またはコアに少なくとも部分的に埋め込まれる前記ビーズを含む反射素子を共有する。少なくともLTZビーズおよび/または反射素子の部分は、物品(例えば、舗装道路路面マーカー)の可視表面に現れる。ミクロスフェアおよび/または反射素子は、好ましくはその直径の約30%〜約60%の範囲の深さでコア内に埋め込まれる。
【0022】
本発明の舗装道路路面マーカーは、バインダを含む。いくつかの態様において、バインダは、ミクロスフェアまたはミクロスフェアを含む要素を舗装道路表面に付着する。舗装道路表面は、典型的には実質的に固体であり、無機材料の主要部分を含む。典型的に舗装道路表面は、アスファルト、コンクリートおよびその類を含む。バインダは、典型的に塗料、熱可塑性材料、熱硬化性材料または他の硬化性材料を含む。通常のバインダ材料としては、ポリアクリレート類、メタクリレート類、ポリオレフィン類、ポリウレタン類、ポリエポキシ樹脂類、フェノール樹脂類およびポリエステル類が挙げられる。反射舗装道路路面マーカー塗料の場合、バインダは、反射顔料を含んでよい。
【0023】
反射マーカー、衣服、またはその他の用途に好適な反射シート材料の場合、ビーズを付着するバインダは、典型的に透明である。透明なバインダが反射基部に適用され、または剥離コーティングされた支持体に適用されてもよく、バインダを固化後、そこからビーズ化被膜が剥取られ、続いて反射基部に適用されてもよく、または反射コーティング若しくはめっきが施されてもよい。
【0024】
ミクロスフェアおよび/または発明のミクロスフェアを含む反射素子は、典型的に舗装道路路面マーカーバインダの湿潤特性を変えおよび/またはミクロスフェアもしくはバインダ内のミクロスフェアを含む反射素子の接着を改善する1つ以上の表面処理でコーティングされる。反射素子は、反射素子が適切に暴露されるように好ましくはその直径の約20〜40%、より好ましくは約30%が舗装道路路面マーカーバインダ内に埋め込まれる。湿潤を制御する表面処理としては、デラウェア州ウィルミントン(Wilmington)のデュポン(Du Pont)から商品名「クライトックス(Krytox)157FS」として市販等の種々のフッ素性化学物質誘導体類が挙げられる。コネティカット州ダンブリ(Danbury)のOSIスペシャルティーズ(OSI Specialties)から商品名「シルクエスト(Silquest)A−1100」として市販等の種々のシラン類が接着促進剤として好適である。
【0025】
図1について説明すると、再帰反射素子200は、単独でまたはコア202の表面内に部分的に埋め込まれた低屈折率ビーズ116と組合せたLTZミクロスフェア117を含む。例えば、平均コア直径は、約0.2〜約10ミリメートルの範囲であってよい。
【0026】
コアは、無機材料を含んでよい。ガラス−セラミックスもコア材料として有用である。結晶性相は、光を散乱させるよう作用し、半透明または不透明な外観を生じる。或いは、コアは、熱可塑性または固着した樹脂コア、すなわちエポキシ、ポリウレタン、アルキド、アクリル、ポリエステル、フェノールおよびその類等の架橋硬化樹脂等の有機材料を含んでよい。種々のエポキシ、ポリウレタンおよびポリエステルが、全般的に米国特許第3,254,563号、同第3,418,896号および同第3,272,827号に記載されている。コアは、有機材料がコーティングされる無機粒子を含む複合物であってよい。後者の場合、有機材料は、バインダとして機能し、ビーズをコアの外側表面に付着する。
【0027】
再帰反射素子は、鏡面反射ミクロスフェア(例えば、アルミニウムでミクロスフェアの蒸気コーティング)と組合せた非拡散反射固着樹脂コアから調製されてもよいが、この方法は、化学分解に影響されやすいおそれがある金属の使用によりあまり耐久力のない再帰反射素子を生じる。あまり耐久力のない再帰反射素子は、金属(例えば、アルミニウム)をコアに組み込むことによってももたらされる。好ましい実施形態において、再帰反射素子は、コア内に分散された少なくとも1つの非金属光散乱材料を含む。入口角−4°および0.2°の観察(obervation)角度の場合、反射素子の再帰反射率Rは、水中に沈めたとき、典型的に少なくとも約3(Cd/m)/ルクスであり、好ましくは少なくとも約7(Cd/m)/ルクスである。
【0028】
反射素子は、米国特許番号第5,917,652号、同5,774,265号および同2005/0158461−A1号に記載されたような公知の方法で作製されてもよい。
【0029】
いくつかの態様において、ビーズおよび/または反射素子は、液体塗布路面マーカー(例えば、舗装道路)分野に使用される。図2について説明すると、ビーズ117および/または反射素子200は、順次若しくは同時に液体バインダ10上に滴下され、または舗装道路表面20に施される液体バインダ内に配合される。
【0030】
その他の態様において、ビーズおよび/または反射素子は、曝露レンズ、被包レンズ、埋め込みレンズまたは閉鎖レンズ被覆を含む再帰反射被覆に使用される。代表的な舗装道路路面マーカーシート材料(テープ)が、米国特許番号第4,248,932号(タング(Tung)ら)、同第4.988,555号(ヘッドブロム(Hedblom))、同第5,227,221号(ヘッドブロム(Hedblom))、同第5,777,791号(ヘッドブロム(Hedblom))および同第6,365,262号ヘッドブロム(Hedblom))に記載されている。
【0031】
舗装道路路面マーカーシート材料は一般に、裏材、バインダ材料の層、およびバインダ材料の層に部分的に埋め込まれるビーズの層を含む。典型的に約3ミリメートル未満の厚さである裏材は、種々の材料、例えばポリマー被膜、金属フォイルおよび繊維系シートから作製できる。好適な高分子材料としては、アクリロニトリル−ブタジエンポリマー、製粉可能なポリウレタンおよびネオプレンゴムが挙げられる。裏材は、粒子状充填材または耐滑り粒子も含むことができる。バインダ材料としては、所望により鏡面顔料を含む無機顔料等の着色剤を有する種々の材料、例えばビニルポリマー類、ポリウレタン類、エポキシド類およびポリエステル類を挙げることができる。舗装道路路面マーカー被覆としては、裏張りシート上の接着剤、例えば感圧性接着剤、接触接着剤またはホットメルト接着剤を挙げることができる。
【0032】
舗装道路路面マーカーは、典型的にASTM E1710−97による少なくとも300ミリカンデラ/m/ルクス、好ましくは少なくとも500ミリカンデラ/m/ルクス、より好ましくは少なくとも800ミリカンデラ/m/ルクスおよび更により好ましくは少なくとも1,000ミリカンデラ/m/ルクスの初期Rを示す。
【0033】
構造再帰反射(例えば、舗装道路)路面マーカーは、例えばミクロスフェアが部分的に埋め込まれる突出部により画定される垂直の表面を、有利に提供する。光源は通常高い入口角で舗装道路路面マーカーに達するため、埋め込まれたミクロスフェアを包含する垂直の表面は、より有効な再帰反射を提供する。また、垂直の表面は、雨の期間ミクロスフェアを水の外に保持する傾向があり、それにより再帰反射性能を改善する。
【0034】
例えば、図3は、(例えば、弾性)ポリマー基部シート102および複数個の突出部104を包含する構造舗装道路路面マーカー100を示す。説明の目的のため、1つの突出部104だけがミクロスフェアおよび滑り止め粒子でカバーされている。基部シート102は、そこから突出部が延在する前側表面103と裏側表面105を有する。基部シート102は、典型的に約1ミリメートル(0.04インチ)の厚さであるが、所望の場合、他の寸法であってもよい。所望により路面マーカー100は、裏側表面105にスクリム113および/または接着層114を更に含んでもよい。突出部104は、上面106、側面108を有し、説明のための実施形態において約2ミリメートル(0.08インチ)の高さである。所望の場合、他の寸法を有する突出部が、使用されてもよい。示したように、側面108は、丸くなった上部110で上面106と接触する。側面108は、好ましくは前側面103の交点で側面108の下部112と約70°の角度θを形成する。突出部104には、顔料含有バインダ層115がコーティングされる。複数個のLTZミクロスフェア117および複数個の第2ミクロスフェア116(例えば、LTZミクロスフェアより低い屈折率を有する)が、バインダ層115に埋め込まれる。所望により、滑り止め粒子118は、バインダ層115に埋め込まれてもよい。
【0035】
舗装道路路面マーカー被覆は、様々な公知の方法で作製できる。前記方法の代表的な例は、樹脂、顔料および溶媒の混合物を裏張りシートにコーティングする工程と、本発明によるビーズを裏材のぬれた状態の表面に滴下する工程と、作成物を硬化する工程とを含む。その後、接着剤の層を裏張りシートの底部にコーティングできる。構造舗装道路路面マーカーを作製する好ましい方法が、米国特許番号4,988,541号(ヘッドブロム(Hedblom))に開示されている。所望により、スクリム(例えば、織布または不織布)および/または接着層を、所望の場合、ポリマー基部シ−トの裏側に取り付けることができる。
【0036】
本発明の実施形態によっては、例えば約1.5〜約2.0の範囲の屈折率を有する二種類のミクロスフェアが使用される、ここで1つの種類は、本明細書に記載したLTZビーズであり、第2の種類は、「低屈折率ミクロスフェア」である。態様によっては、二種類のミクロスフェアの一方がより大きくなる。例えば、選択が自由な低屈折率ミクロスフェアは、直径が175〜250マイクロメートルの直径範囲であってよく、一方LTZミクロスフェアは、直径が約50〜100マイクロメートルである。そのような場合、より小さいLTZミクロスフェアは、より大きい屈折率のミクロスフェアの間に配置されてもよい。その結果、LTZミクロスフェアは、繰返し交通磨耗に起因する磨耗から保護される。或いは、しかし、LTZミクロスフェアは、選択が自由な低屈折率ミクロスフェアより大きくなるよう選択できる。典型的に、より大きいミクロスフェアは、舗装道路路面マーカー表面積の再帰反射部分の約50%を超えてカバーすることになる。
【0037】
選択が自由な低屈折率ミクロスフェアは、典型的に使用されるミクロスフェア合計量の少なくとも25重量%、好ましくは約35〜約85重量%の量で存在する。LTZミクロスフェアは、典型的に15〜約75重量%存在する。これらの範囲が好ましい、というのは、それらは、乾燥した状態とぬれた状態の間の良好な均衡および良好な磨耗耐性を提供する。
【0038】
ミクロスフェアは、好ましくは突出部の側面および上面に選択的に定置され、それと同時に、使用されるミクロスフェアの量を最小化するように実質的に透明な突出部の間に谷部分を置く、それにより製造コストを最小にする。ミクロスフェアは、効率的な再帰反射を達成するため突出部の側面並びに上面のいずれに定置されてもよい。
【0039】
図2および3のバインダ層並びに図1に記載した再帰反射素子のコアは、光透過性材料を含む、そのため再帰反射物品に入った光は、吸収されず、そのかわりに光透過性材料内で散乱または顔料粒子からの反射として再帰反射される。ビニル類、アクリル類、エポキシ類およびウレタン類が、好適な媒質の例である。米国特許番号第4,988,555号(ヘッドブロム(Hedblom))に開示されているようなウレタン類が、少なくとも舗装道路路面マーカー向けの好ましいバインダ媒質である。バインダ層は、好ましくは突出部の選択された部分をカバーする、そのため、基部シートは、実質的にバインダがない。コーティングを容易にするため、媒質は、好ましくはコーティング温度で10Pa−s(10,000センチポアズ)未満の粘度を有する液体となる。
【0040】
図2および3のバインダ層並びに図1のコアは、典型的に拡散反射または鏡面反射顔料等の少なくとも1つの顔料を含む。
【0041】
鏡面顔料粒子は、一般に薄く、プレート状であり、バインダ層、要素の有機コア(本質的に有機バインダ材料のみを含むコア)または要素の複合物コアと一緒に作製する無機粒子上の有機バインダ被膜の一部である。顔料粒子に達した光は、それが入射した角度に等しいがそれとは反対の角度で反射される。本発明に使用される鏡面顔料の好適な例としては、真珠箔顔料、雲母および真珠顔料が挙げられる。典型的に、バインダ層内に存在する鏡面顔料の量は、50重量%未満である。好ましくは、鏡面顔料は、バインダ層の約15重量%〜40重量%を含み、この範囲は、効率的再帰反射に必要な鏡面顔料の最適な量である。真珠箔顔料が、多くの場合、色の正確さ(trueness)のため好ましい。
【0042】
透明ビーズを反射バインダ(例えば、顔料含有)および/または素子コアと組合わせるかわりに、または加えて、ビーズは、反射被膜(例えば、金属の)を備えてもよい。好ましくは、金属皮膜は、再帰反射される光を受容するよう配向されたビーズの外側表面の部分が存在せず、再帰反射される光が入射する方向と反対に配向されたビーズの外側表面の部分が存在する。例えば、図1において、金属コーティングは、ビーズ117とコア202の間の境界面に有利に定置できる。図3において、反射層は、米国特許番号第6,365,262号に示すようにビーズ117とバインダ115の間の境界面に有利に定置できる。金属コーティングは、蒸発またはスパッタリング等の物理気相成膜法によりビーズ上に定置できる。ビーズ上に定置される完全被覆金属コーティングは、化学的エッチングにより部分的に除去できる。
【0043】
ビーズの構成成分は、酸化物、すなわち構成成分が、完全に処理されたガラスおよびガラス−セラミックビーズ並びに再帰反射物品中に存在すると仮定される形態、およびビーズ内の化学要素およびその割合を正確に説明する形態として記載されている。ビーズを作製するために使用される出発原料は、炭酸塩等の酸化物以外のいくつかの化学化合物を含んでもよい。その他の出発原料は、成分の融解時に酸化物形態に変性される。従って、本発明のビーズの組成物は、理論上の酸化物基準に換算して議論される。本明細書に記載された組成物は、使用された出発原料の量に基づき理論上の酸化物基準で報告される。これらの値は、融解および球状化処理中に揮発する逃散物質(例えば逃散中間体)を説明する必要はない。
【0044】
理論上の酸化物基準に換算して議論されるビーズの組成物は、組成物にビーズ内のそれらの重量パーセント(重量%)濃度またはそれらのモルパーセント(モル%)濃度を一緒にリストアップすることにより説明できる。構成成分のモル%濃度を挙げる場合には、当該モル%数が適用されている化学式について明確にするように注意を必要とする。例えば、ある情況において、酸化ランタンを化学式Laにより記載するのが便利である。しかし他の情況においては、酸化ランタンを化学式LaO3/2により記載するのがより便利である。後者の表記法は、単一金属を含む金属酸化物の化学式が調節され式単位当たり単一金属原子を生じるおよび酸素原子の量(例え分数であっても)が金属酸化物の全体的な化学量論を正確に反映するのに必要な方法の例である。本明細書において金属酸化物のモル%の単位で与えられる濃度換算で表わされる組成物の場合、モル%数は、単一、一体型金属原子を含むそのような式単位に関係がある。本発明によるミクロスフェアは、少なくとも40重量%のチタニア(例えば、41重量%、42重量%、43重量%、44重量%)、好ましくは少なくとも45重量%のチタニア(例えば、46重量%、47重量%、48重量%、49重量%)およびより好ましくは少なくとも50重量%のチタニア(例えば、51重量%、52重量%、53重量%、54重量%、55重量%、56重量%、57重量%、58重量%、59重量%)を含む。ミクロスフェアのチタニアの量は、典型的に80重量%未満(例えば79重量%、78重量%、77重量%、76重量%、75重量%、74重量%、73重量%、72重量%、71重量%)でありおよび好ましくは70重量%(例えば69重量%、68重量%、67重量%、66重量%)以下である。少なくともいくつかの実施形態においてチタニアの量は、60重量%〜65重量%(例えば61重量%、62重量%、63重量%、64重量%)の範囲である。
【0045】
チタニアは、融点1840℃を有する高屈折率金属酸化物であり、典型的にその光学的および電気的特性により使用されるが、一般に硬度または強度のためではない。ジルコニアと同じように、チタニアは、公知の強成核剤でありガラス材料を結晶化する。その高い個々の融点にもかかわらず、特定酸化物の混合物の構成成分として、チタニアは、液相線温度を下げることができ、それと同時に、前記酸化物の混合物を含むミクロスフェアの屈折率を大幅に上げる。チタニアおよび所望によりジルコニアを含む本発明の組成物は、比較的低い液相線温度、非常に高い屈折率値、適切に熱処理された場合、高い結晶化度、有用な機械的特性および高い透明性を提供する。
【0046】
実施形態によっては、本明細書に記載のミクロスフェアは、少なくとも10重量%(例えば、11重量%、12重量%、13重量%、14重量%)の酸化ランタンを含む。いくつかの実施形態については、酸化ランタンの量は、少なくとも15重量%(例えば、16重量%、17重量%、18重量%、19重量%)、少なくとも20重量%(例えば、21重量%、22重量%、23重量%、24重量%)または少なくとも25重量%(例えば、26重量%、27重量%、28重量%、29重量%、30重量%、31重量%、32重量%、33重量%、34重量%)である。酸化ランタンの量は、60重量%までの範囲であってよい。いくつかの実施形態については、酸化ランタンの量は、55重量%までの範囲である。いくつかの好ましい実施形態の酸化ランタンの量は、25重量%〜35重量%の範囲である。
【0047】
ランタンは、周期表のIIIB族(ランタン系列)の15の化学的に関連する元素のグループの1つである。ランタン系列の名称および原子番号は、以下の通りである。
【0048】
【表1】

【0049】
プロメチウムは、希土類元素であるが、前記元素は、地球上に自然に発生しないと思われる。製造費用のため、酸化プロメチウムは、好ましくない。同様に、ランタンとガドリニウムは、それらのより大きい有用性のため好ましい傾向がある。酸化ランタン、酸化ガドリニウムおよびこれらの組み合わせは、本明細書に記載の材料の75重量%を超えるランタニド系列酸化物を表す。実施形態によっては、酸化ランタン、酸化ガドリニウムおよびこれらの組み合わせは、少なくとも80重量%、少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%および少なくとも100重量%のランタニド系列酸化物を表す。
【0050】
実施形態によっては、ミクロスフェアは、酸化ランタンの代わりに、または組み合わせて他のランタニド系列元素の酸化物類を含んでもよい。それ故に、発明のミクロスフェアは、元素のランタニド系列の酸化物類から選択される1つ以上の酸化物を含んでもよい。酸化ランタン含有量に関して提供された前述の範囲のいずれも同じモル比を提供するためランタニド系列酸化物の選択された組合せの分子量に基づき調節できる。1つの好ましい組成物は、元素のランタニド系列の酸化物類、4〜8モル%のジルコニアおよび70〜82モル%のチタニアから選択される1つ以上の酸化物の15〜25モル%を含む。
【0051】
本明細書に記載のミクロスフェアは、所望により、けれども典型的に、少なくとも2重量%のジルコニアを含む。ジルコニアの量は、40重量%までの範囲である。ジルコニアの量は、典型的に30重量%未満である。1つの実施形態において、ジルコニアの量は、約5重量%〜約25重量%である。ジルコニアの量は、好ましくは10重量%以下である。一般に、ジルコニアは、化学的および機械的耐久力をもたらすとともに高屈折率の好ましいビーズを提供する。一般に知られているように、ジルコニアニは、多くの場合あるレベルのハフニア(HfO)が混入している。また、ハフニア並びにトリア(ThO)は、ジルコニアのものと類似の物理的および化学的性状を示すことができる。それ故に、本発明のビーズは、それらのジルコニア含有量に換算して記載されているが、ハフニアおよびトリアを部分的にまたは全体としてジルコニアに置換できることは当業者にはいうまでもない。
【0052】
1つの実施形態において、ミクロスフェア(micropheres)は、45重量%〜70重量%のTiO、20重量%〜55重量%のLa並びに5重量%〜25重量%のZrO、HfO、ThOおよびこれらの混合物を含む。
【0053】
他の実施形態において、ミクロスフェアは、60重量%〜65重量%のTiO、25重量%〜35重量%のLa並びに5重量%〜10重量%のZrO、HfO、ThOおよびこれらの混合物を含む。
【0054】
ミクロスフェアは、少なくとも75重量%、80重量%、85重量%および更に少なくとも90重量%のTiO、ランタニド系列酸化物並びにZrO、HfO、ThOおよびこれらの混合物を含んでよい。
【0055】
他の実施形態において、舗装道路路面マーカーは、所望により1つ以上のランタニド系列酸化物を組合せた少なくとも5モル%のY、少なくとも50モル%TiO、並びに所望により少なくとも5モル%ジルコニア、ハフニア、トリアおよびこれらの混合物を含む透明ミクロスフェア(micropheres)を備える。
【0056】
本明細書に記載のミクロスフェアは、25重量%まで(例えば1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、11重量%、12重量%、13重量%、14重量%)の他の金属酸化物類を含んでよい。前記他の金属酸化物類は、ミクロスフェア(microsphers)のより高い屈折率特性を減じないように選択される。他の金属酸化物類は、材料の融点を低下させる目的を付加するために選択されてよく、より容易な加工につながる。好適な他の金属酸化物類としては、例えばLiO、NaO、KO、BaO、SrO、MgOおよびCaO等のアルカリ土類酸化物類、Al、ZnO,SiO並びにBが挙げられる。他の金属酸化物類は、材料の機械的特性を改良する目的を付加するために選択されてもよい。しかし、一般に前記他の金属酸化物類の量は、典型的に15重量%未満、10重量%未満または5重量%未満である。いくつかの好ましい実施形態において、組成物は、実質的にいかなるその他の金属酸化物も有しない(1重量%未満)。
【0057】
発明のガラス−セラミックミクロスフェアは、典型的に合計で少なくとも5容量%の1つ以上の結晶性相を含む。発明によるおよび溶融液滴を冷却することにより形成されるいくつかのガラス−セラミックビーズが、二次熱処理なしに結晶を含有する場合もあるが、結晶化度は、典型的に非晶質ビーズの熱処理により発現される。前記結晶性相は、チタニア(例えば、アナターゼ、ルチル)および/またはジルコニア(例えば、バデレイ石)の比較的純粋な単一構成成分の金属酸化物相を含んもでよいまた、前記結晶性相は相は、比較的純粋な多構成成分の金属酸化物相(例えば、ZrTiO)を含んでよい。前記結晶性相または相は、比較的純粋な単一構成成分または多構成成分金属酸化物相と同形である結晶性固溶体を含んでもよい。最後に、前記結晶性相または相は、結晶構造および/または組成物の観点からこれまで未報告の少なくとも1つの結晶性相を含んでもよい。組成物は、それらが熱処理後も透明であるような制御された結晶化特性を示す。
【0058】
また、着色剤も本発明のビーズに包含できる。前記着色剤としては、例えばCeO、Fe、CoO、Cr、NiO、CuO、MnO、Vおよびその類が挙げられる。典型的に、本発明のビーズは、ビーズ合計重量(理論酸化物基準)の約5重量%以下(例えば1重量%、2重量%、3重量%、4重量%)の着色剤を含む。また、プラセオジム、ネオジム、ユーロピウム、エルビウム、ツリウム、イッテリビウム等の希土類元素を、所望により色または蛍光用に包含してもよい。好ましくは、ミクロスフェアは、実質的に酸化鉛(PbO)および酸化カドミウム(CdO)を有しない。
【0059】
本明細書に記載のミクロスフェアは、融解法から調製できる。融解法から調製されるミクロスフェアは、本明細書において「溶融された」として記載される。製造を容易にするため、ミクロスフェア組成物は、約1700℃未満、好ましくは約1600℃未満等の比較的低い液相線温度を示すことが好ましい。典型的に、液相線温度は、約1500℃未満である。一般に、共融組成物(類)(例えば、2つの組または3つ組の共融組成物)の、または近くのものを含む処方が、系内で最も低い融点を有し、従って、特に有用となる。
【0060】
溶解物からの初期形成時に、実質的に非晶質であるが、いくらかの結晶化度を含有できるビーズが形成される。組成物は、冷却されたとき清澄で透明なガラスミクロスフェアを形成することが好ましい。更なる熱処理時に、ビーズは、ガラス−セラミック構造、すなわち結晶が初期非晶質構造内から成長し、それによりガラス−セラミックビーズになるミクロ構造形態の結晶化度を発現できる。冷却されたビーズの熱処理時に、ビーズは、ナノスケールのガラス−セラミック構造、すなわち寸法が約100ナノメートル未満の結晶が初期非晶質構造内から成長し、それによりガラス−セラミックビーズになるミクロ構造形態の結晶化度を発現できる。ナノスケールのガラス−セラミックミクロ構造は、ナノスケールの結晶を含む微晶性ガラス−セラミック構造である。冷却、従って熱処理工程をバイパスした直後、ほとんどが結晶性である(すなわち、50容量%の結晶性を超える)透明なミクロビーズを提供することも本発明の範囲内である。前記の場合、使用した冷却速度は、非晶質構造を保持するほど十分に高くないが、ナノ結晶性ミクロ構造を形成するには十分高いと思われる。
【0061】
本発明の目的のために、結晶性相の存在と一致するX線回折を示すミクロスフェアは、ガラス−セラミックミクロスフェアと考えられる。その分野におけるおおよその指針は、約1容量%未満の結晶を含む材料は、典型的な粉末X線回折測定において検出可能な結晶化度を示さないおそれがあることである。前記材料は、しばしばセラミックまたはガラス−セラミック材料ではなく「X線非晶質」またはガラス材料と考えられる。X線回折測定により検出可能であり、典型的に検出性に関して1容量%以上の量で存在する必要がある結晶を含むミクロスフェアは、本発明の目的のためにガラス−セラミックミクロスフェアと考えられる。X線回折データは、型150 100 00広範囲角度計(Wide Range Goniometer)、密封された銅ターゲットX線源、比例検出器、変数受容スリト、0.2°入口スリット、グラファイト回析ビームモノクロメータ(ニュージャージ州マホウ(Mahwah)のフィリップス・エレクトロニクス・インスツルメンツ社(Philips Electronics Instruments Company))を使用し、45kV電源電圧、35mA電源電流、0.04°ステップサイズおよび4秒の継続時間の測定設定によりフィリップス自動垂直回折計(Philips Automated Vertical Diffractometer)を使用し収集できる。同様に本明細書で使用するときと、「ガラスミクロスフェア」は、1容量%未満の結晶を有するミクロスフェアを指す。好ましくは、ガラス−セラミックミクロスフェアは、10容量%を超える結晶を含む。より好ましくは、ガラス−セラミックミクロスフェアは、25容量%を超える結晶を含む。最も好ましくは、ガラス−セラミックミクロスフェアは、50容量%を超える結晶を含む。
【0062】
好ましい実施形態において、ミクロスフェアは、熱処理により微晶性ガラス−セラミック構造を形成し、しかも透明である。良好な透明性のため、ミクロスフェアは、寸法が約100ナノメートルを超える結晶の体積分率をほとんどまたは全く含まない。ミクロスフェアは、好ましくは寸法が約100ナノメートルを超える結晶の20容量%未満、より好ましくは10容量%未満、最も好ましくは5容量%未満を含む。結晶性相内の結晶の寸法は、その最も大きい直線寸法で約20ナノメートル(0.02マイクロメートル)未満であることが好ましい。この寸法の結晶は、典型的に可視光線を有効に散乱せず、従って、透明性を大幅には減少させない。
【0063】
本発明のビーズは、種々の寸法に作製され、使用されてよい。直径が2マイクロメートルまたは3マイクロメートルまでのビーズの分留が、しばしばより大きいビーズ製造の副生成物として形成されるにもかかわらず、意図的に直径が10マイクロメートル未満のビーズを形成するのはまれである。それ故に、ビーズは、好ましくは少なくとも20マイクロメートル(例えば、少なくとも50マイクロメートル、少なくとも100マイクロメートル、少なくとも150マイクロメートル)である。一般に、高屈折率ビーズの用途は、直径が約2ミリメートル未満、最も多くの場合直径が約1ミリメートル未満(例えば、750マイクロメートル未満、500マイクロメートル未満、300マイクロメートル未満)であることを要求する。
【0064】
発明によるガラスミクロスフェアは、例えば米国特許番号第3,493,403号(ツング(Tung)ら)に開示されたような融解法により調製できる。1つの有用な方法において、出発原料は粒子状形態で計り分けられ、各出発原料は好ましくは寸法が約0.01マイクロメートル〜約50マイクロメートルであり、緊密に一緒に混合される。出発原材料は、融解または熱処理時に酸化物を形成する化合物を包含する。これらには、酸化物類(例えばチタニア、ジルコニアおよびアルカリ土類金属酸化物(類))、水酸化物類、酸塩化物類、塩化物類、硝酸塩類、カルボン酸塩類、硫酸塩類、アルコキシド類、その類およびその種々の組合せを含むことができる。更に、チタン酸ランタン(LaTiO)およびチタン酸バリウム(BaTiO)等の多構成成分金属酸化物も使用できる。
【0065】
或いは、発明によるガラスミクロスフェアは、例えば米国特許番号第2,924,533号(マクムレン(McMullen)ら)および同第3,499,745号に開示されたような他の従来の方法により調製できる。酸化物混合物は、全ての出発原料が液体形態になるまでガス焚きまたは電気炉内で融解されてもよい。液体バッチが、高速度空気の噴流内に注入されてもよい。所望寸法のビーズを生成した流れの中で直接形成する。この方法において、空気速度を調節し、形成されたビーズの大きさが所望の寸法を有するようにする。典型的に、前記組成物は、十分に低い粘度と高い表面張力を有する。この方法で調製されるビーズの典型的な寸法は、数十ミリメートルから3〜4ミリメートルの範囲である。
【0066】
出発原料の融解は、典型的に約1500℃〜約1900℃の範囲内の温度、多くの場合、例えば約1700℃の温度に加熱することにより達成される。水素−酸素バーナー若しくはアセチレン−酸素バーナーを使用した直接加熱法またはアークイメージオーブン、ソーラーオーブン、グラファイトオーブン若しくはジルコニアオーブンを使用したオーブン加熱法を使用し、出発原料を融解できる。
【0067】
或いは、融解した出発原料を水中で冷却し、乾燥および破砕して最終ビーズに所望の寸法の粒子を形成する。破砕された粒子を選別し、それらが適切な範囲の寸法であることを確実にできる。次に、破砕された粒子を再融解および球状化するのに十分な温度を有する火炎を通過させる。
【0068】
好ましい方法において、出発原料は、先ずより大きい供給粒子に形成される。供給粒子を水素−酸素バーナー、アセチレン−酸素バーナーまたはメタン−空気バーナー等のバーナーに直接供給し、その後水中で(例えば、水のカーテンまたは水浴の形態で)冷却する。供給粒子は、出発原料を融解および粉砕、凝集または焼結することにより形成されてよい。約500マイクロメートルまでの粒子が好ましいが、寸法(最も大きい寸法長さ)が約2,000マイクロメートルまでの疑集粒子が使用できる。疑集粒子は、水と混合する、スプレー乾燥する、ペレット化するおよびその類等の様々な周知の方法により作製できる。特に疑集体の形態の場合、出発原料は、得られたビーズ粒径のよりよい制御のため選別されてよい。疑集されていようがいまいが、出発原料はバーナー火炎を有するバーナー内に水平向きに供給されてよい。典型的に、供給粒子は、その基部において火炎内に供給される。この水平向きは、それが所望の透明性レベルの球形状粒子を非常に高い収率(例えば、100%)で製造できるため望ましい。
【0069】
溶融液滴を冷却する手順は、空気冷却または急速冷却を必要とする。例えば、急速冷却は、出発原料の溶融液滴を水または冷却油等の冷却媒質中に滴下することにより達成される。更に、溶融液滴を空気またはアルゴン等のガス中にスプレーする方法を使用できる。再帰反射物品のレンズ素子として使用される得られた冷却溶融されたビーズは、典型的には十分透明である。ある実施形態の場合、再帰反射物品に直接使用される該ビーズは、また十分に硬質、強靱および丈夫である。次の熱処理工程は、該ビーズの機械的特性を改善できる。また、熱処理および結晶化は、屈折率を増加させる。
【0070】
好ましい実施形態において、ビーズ前駆体が形成され、その後加熱される。本明細書で使用する時、「ビーズ前駆体」は、ビーズ出発組成物を融解および冷却することによりビーズの形状に形成される材料を指す。このビーズ前駆体は、本明細書において冷却溶融ビーズとも呼ばれ、機械的特性、屈折率および透明性が望ましいレベルであれば、更に加工することなく使用されて好適である。ビーズ前駆体は、所定量の原材料(例えば、チタン原材料、任意の原材料)を含有する出発組成物を融解し、所定の粒径の溶融液滴を形成し、およびこれらの溶融液滴を冷却することにより形成される。出発組成物は、生成したビーズ前駆体が所定の大きさの所望の金属酸化物を含有するように調製される。溶融液滴の粒径は、通常約10マイクロメートル〜約2,000マイクロメートルの範囲内にある。ビーズ前駆体の粒径並びに最終の透明な溶融ビーズの粒径は、溶融液滴の粒径で制御できる。
【0071】
ある好ましい実施形態において、ビーズ前駆体(すなわち冷却溶融ビーズ)は、その後加熱される。好ましくは、この加熱工程は、ビーズ前駆体の融点未満の温度で行われる。典型的に、この温度は、少なくとも約750℃である。それがビーズ前駆体の融点を超えないという前提で、好ましくは、それは、約850℃〜約1,000℃である。ビーズ前駆体の加熱温度が余りにも低い場合、生成したビーズの屈折率または機械的特性を増加させる効果は不十分となる。逆に、加熱温度が余りにも高い場合、ビーズの透明性は、大きい結晶からの光散乱により減少するおそれがある。屈折率を増加させ、結晶化度を発現しおよび/または機械的特性を改善するこの加熱工程の時間の限定は特にないが、少なくとも約1分間の加熱で通常十分であり、加熱は、好ましくは、約5分〜約100分の間行われるべきである。更に、加熱前の約600℃〜約800℃の範囲内の温度での予備加熱(例えば、約1時間)は有利である場合がある、というのは、それが更にビーズの透明性と機械的特性を増加させることができる。典型的におよび好ましくは、熱処理工程は、空気または酸素中で行われる。これらの雰囲気は、一般にビーズの色特性の改善、それらをより白くするのに有利である。空気または酸素以外の雰囲気で熱処理を行うことも、本発明の範囲内である。
【0072】
また、予備加熱する後者の方法は、均一に分散された状態で非晶質内の微細結晶相を成長させるのに好適である。また、ジルコニウム、チタン等の酸化物を含有する結晶相は、溶解物からビーズを形成時に高レベルのジルコニアまたはチタニアを含有する組成物に(すなわち後続する加熱なしで)形成できる。有意に、結晶相は、チタニアとジルコニアの高い組合せ濃度(例えば、70%を超える組合せ濃度)を含有することによって(直接溶解物からまたはその後の熱処理時に)より容易に形成される。
【0073】
融解法から作製されるミクロスフェアは、「溶融した」として特徴付けられる。完全にガラス質の溶融ミクロスフェアは、ナノ結晶がその後の熱処理時に核化および成長できる高密度固体霧化均質ガラス網状組織を含む。
【0074】
発明のビーズの破砕強度値は、米国特許番号4,772,511号(ウッド(Wood))に記載の試験手順により測定できる。この手順だと、ビーズは、好ましくは、少なくとも約350MPa、より好ましくは少なくとも約700MPaの破砕強度を示す。
【0075】
発明のビーズの耐久力は、米国特許第4,758,469号(ラング((Lange))に記載された試験手順によりそれらを砂の圧縮空気駆動流に曝すことにより実証できる。この手順だと、ビーズは、それらの本来の再帰反射白色度の約30%から約60%の保持で証明されるような、破壊、剥離および磨耗に対して耐性がある。
【実施例】
【0076】
以下にその実施例および比較例を参照にして本発明を説明する。更に、本発明は、これらの実施例に限定されないことを理解すべきである。特に指示がないかぎり、全ての百分率は、組成物の合計重量の重量百分率である。
【0077】
試験方法
1.ぬれた状態の貼付剤白色度値は、レトロルミノメータ(retroluminometer)を使用して測定した。装置は、白色裏材上に配置されたミクロスフェアの平面単層に、単層に垂直の既定の入口角度で白色光をあてる。再帰反射白色度、貼付剤白色度は、光電検出器により入口角度(観測角度)に対して既定の発散角で(Cd/m)/ルクスの単位で測定される。本明細書に報告されたデータは、−4°の入口角度および0.2°の観測角度で測定した。再帰反射白色度の測定は、異なる組成物のビーズ間の白色度の比較を目的として行われた。値は、最も高い測定値を超える一定の係数で除すことにより標準化した。全ての測定は、ビーズの上部およびビーズと接触した約1ミリメートルの厚さの層を有する試料上で行われた。
【0078】
2.ある実施例のミクロスフェアの結晶化度を測定するためX線回折を使用した。X線回折データは、型150 100 00広範囲角度計(Wide Range Goniometer)、密封された銅ターゲットX線源、比例検出器、変数受容スリット、0.2°入口スリット、グラファイト回析ビームモノクロメータ(ニュージャージ州マホウ(Mahwah)のフィリップス・エレクトロニクス・インスツルメンツ社(Philips Electronics Instruments Company))を使用し、45kV電源電圧、35mA電源電流、0.04°ステップサイズおよび4秒の継続時間の測定設定によりフィリップス自動垂直回折計(Philips Automated Vertical Diffractometer)を使用し収集できる。
【0079】
3.ミクロスフェアの屈折率は、「高屈折率ビーズの屈折率の測定(Refractive Index Measurement of High Refractive Index Beads)」T.ヤマグチ(Yamaguchi)、アプライド・オプティックス(Applied Optics)第14巻、5号、1111〜1115頁(1975年)により測定された。
【0080】
(実施例1〜24)
出発原料
実施例において以下の出発原料を使用した。
【0081】
酸化ジルコニウム−ニューハンプシャー州バウ(Bow)のカーペンター・エンジニアリング・プロダクツ(Carpenter Engineering Products)のZ−TECH部門から商品名「CF−PLUS−HM」として市販
酸化チタン−ニュージャージー州クランブリ(Cranbury)のクロノス社(KRONOS Incorporated)から商品名「クロノス(KRONOS)1000」として市販
炭酸バリウム−ジョージア州カータースビル(Cartersville)のケミカルプロダクツ社(Chemical Products Corporation)から商品名「タイプ(Type)S」として市販
酸化ランタン−カナダ、オンタリオ州トロント(Toronto)のトレイバチャー・インダストリー社(Treibacher, Industrie Inc.)から商品名「酸化ランタンLa、99.9%」として市販
酸化アルミニウム−ペンシルバニア州ピッツバーグ(Pittsburgh)のアルコア・インダストリアル・ケミカルズ(ALCOA Industrial Chemicals)から商品名「16SG」として市販
酸化ガドリニウム−カナダ、オンタリオ州トロント(Toronto)のトレイバチャー・インダストリー社(Treibacher, Industrie Inc.)から商品名「酸化ガドリニウムGd、99.99%」として市販
ミクロスフェアの調製
各実施例毎に、表1に以下のように規定されたグラム量の各金属酸化物を、0.95リットル(1クォート)磁器ジャーミル内で3gのカルボキシメチルセルロースナトリウム(バージニア州ホープウェル(Hopewell)のハーキュレス社(Hercules Incorporated)のアクアロン(Aqualon)部門から商品名「CMC7L2C」として市販)、約350gの水および約1600gの1cm直径の酸化ジルコニウム粉砕媒体と組合せた。
【0082】
生成したスラリーを約24時間粉砕し、次に100℃で終夜乾燥して、均質に分散した構成成分を有する混合粉末ケーキを生じた。乳鉢および乳棒ですり砕いた後、乾燥および寸法をあわせた粒子(<212μ直径)を水素/酸素トーチ(ペンシルバニア州ヘラータウン(Hellertown)、ベスレヘムアパラタス社(Bethlehem Apparatus Company)から商品名「ベスレヘム・ベンチ・バーナー(Bethlehem Bench Burner)PM2Dモデル−B」として市販、以後「ベスレヘムバーナー(Bethlehem burner)」と呼ぶ、の火炎に供給した。ベスレヘムバーナー(Bethlehem burner)は、水素および酸素を以下の速度、1分当たりの標準リットル(SLPM)、で供給した。
【0083】
【表2】

【0084】
粒子を火炎で融解し、水冷却容器に移送し、溶融ミクロスフェアを生じた。冷却した粒子を乾燥し、次にベスレヘムバーナー(Bethlehem burner)の火炎を通過させた、2回目、そこでそれらを再度融解し、水冷却容器に移送した。冷却したミクロスフェアの部分を10℃/分で850℃に加熱することにより熱処理し、850℃で1時間保持し、炉を冷却した。
【0085】
表2には、実施例毎の理論ビーズ組成物を記載し、原材料バッチ内に存在した全ての炭酸塩の分解比率を示した。表2には、i)火炎形成後およびii)炉熱処理後の冷却したミクロスフェアの屈折率値も報告する。最後に、表2には、106マイクロメートル未満の直径にふるわれた熱処理ミクロスフェアの相対的なぬれた状態の貼付剤白色度値も報告する。ふるわれたミクロスフェアの相対的なぬれた状態の貼付剤白色度値は、試料毎に存在する透明なミクロスフェアの観察された分留とおおむね比例しており、約1%〜約90%の範囲であった(すなわち、透明なミクロスフェアの分留が大きくなればなるほど相対的なぬれた状態の貼付剤白色度値は高くなる)。
【0086】
【表3】

【0087】
【表4】

【0088】
図4には、直径106マイクロメートル未満にふるわれた実施例18のミクロスフェアに関する測定されたX線回折データをプロットする。熱処理前、ミクロスフェアは、全ての結晶化度が10容量%未満のレベルで存在した状態の大部分がX線非晶質であると判定されている。熱処理後、透明なミクロスフェアは、X線回折プロットにおいて結晶性特徴の出現により証明されるように約40容量%の結晶化度を含有すると思われる。
【0089】
実施例25−舗装道路路面マーカー
厚さが約4cm、面積が約8cm×約15cmおよび質量が約850gという測定値である平らな一片のアスファルト固着凝集体凝集体セメントをその上に存在する約7.6g片の黄色アルキド熱可塑性舗装道路路面マーカーバインダ(エニスペイント社(Ennis Paint, Inc)(ジョージア州アトランタ(Atlanta))から商品名ペブーマーク(Pave-Mark)Y5E−5として市販)と一緒に200℃の対流式オーブン内に定置した。200℃で45分間加熱後、バインダは軟くなり、セメント上に比較的平らなコーティング層を流し込んだ。直径106マイクロメートル未満にふるわれた実施例17の熱処理ミクロスフェアを高温のバインダがコーティングされたセメントの上部に降りかけた。光学顕微鏡でミクロスフェアが、それらの直径の約半分がバインダ内に埋め込まれているのが観察された。マーキングされた舗装道路セメントを冷却後、再帰反射率のせん光を有することが数メートルの距離から観察された。乾燥時、それは、限定された再帰反射率を示した。水中に浸したとき、それは、実質的により大きい、容易に観察できる再帰反射率を示した。
【0090】
実施例26−舗装道路路面マーカー
厚さが約2cm、面積が約8cm×約9cmおよび質量が約270gという測定値である平らな一片のポルトランドセメント型舗装道路材料をその上に存在する約15.6g片の黄色アルキド熱可塑性舗装道路路面マーカーバインダと一緒に200℃の対流式オーブン内に定置した。200℃で45分間加熱後、バインダは軟くなり、セメント上に比較的平らなコーティング層を流し込んだ。直径106マイクロメートル未満にふるわれた実施例17の熱処理ミクロスフェアを高温のバインダがコーティングされたセメントの上部に降りかけた。光学顕微鏡でミクロスフェアが、それらの直径の約半分がバインダ内に埋め込まれているのが観察された。図5は、部分的に埋め込まれたビーズの光学顕微鏡写真である。マーキングされた舗装道路セメントを冷却後、再帰反射率のせん光を有することが数メートルの距離から観察された。乾燥時、それは、限定された再帰反射率を示した。水中に浸したとき、それは、実質的により大きい、容易に観察できる再帰反射率を示した。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】発明による再帰反射素子を説明するための断面図。
【図2】舗装道路路面マーカーを説明するための斜視図。
【図3】発明の舗装道路路面マーカーテープを説明するための断面図。
【図4】発明の代表的なガラスビーズおよび代表的なガラス−セラミックビーズについてのX線回折のプロット。
【図5】バインダ内に部分的に埋め込まれたビーズを示す再帰反射物品の表面の光学顕微鏡写真。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
舗装道路表面を提供する工程と、
前記舗装道路表面に舗装道路路面マーカーを適用する工程とを含む舗装道路表面にマーキングする方法であって、前記舗装道路路面マーカーがバインダ内に少なくとも部分的に埋め込まれる透明なミクロスフェアを備え、前記ミクロスフェアの少なくとも一部が、
少なくとも2.10の屈折率を有し、
並びに少なくとも40重量%のTiO
および少なくとも10重量%のLaを含む、方法。
【請求項2】
前記一部の前記ミクロスフェアが、少なくとも2.30の屈折率を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記一部の前記ミクロスフェアが、ガラス−セラミック構造を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記一部の前記ミクロスフェアが、少なくとも25重量%のLaを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記一部の前記ミクロスフェアが、5重量%〜15重量%のZrO、HfO、ThOおよびこれらの混合物を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記一部の前記ミクロスフェアが、
45重量%〜70重量%のTiOと、
20重量%〜55重量%のLaと、
5重量%〜25重量%のZrO、HfO、ThOおよびこれらの混合物とを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記一部の前記ミクロスフェアが、少なくとも90重量%のTiO、La、ZrO、HfOおよびThOからなる、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記一部の前記ミクロスフェアが、
60重量%〜65重量%のTiOと、
25重量%〜35重量%のLaと、
5重量%〜15重量%のZrO、HfO、ThOおよびこれらの混合物とを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記バインダが、少なくとも1つの拡散反射顔料、少なくとも1つの鏡面反射顔料およびこれらの組み合わせから選択される顔料を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記ミクロスフェアが、反射被膜を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記舗装道路路面マーカーが、1.5〜2.0の範囲内の屈折率を有する透明なミクロスフェアを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記ミクロスフェアが、溶融される、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記ミクロスフェアが、再帰反射素子に埋め込まれる、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記舗装道路路面マーカーが、接着剤および所望により裏材を更に含むテープであり、前記接着剤が、前記舗装道路表面と接触する、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
舗装道路表面を提供する工程と、
前記舗装道路表面に再帰反射舗装道路路面マーカーを適用する工程とを含む舗装道路表面にマーキングする方法であって、前記舗装道路路面マーカーが、バインダ内に少なくとも部分的に埋め込まれる透明なミクロスフェアを備え、前記ミクロスフェアの少なくとも一部が、少なくとも2.10の屈折率を有し、並びに少なくとも50モル%のTiOおよび少なくとも5モル%のYを含む、方法。
【請求項16】
前記一部の前記ミクロスフェアが、少なくとも5モル%のZrO、HfO、ThOおよびこれらの混合物を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記部分の前記ミクロスフェアが、少なくとも5モル%のLa、Gdおよびこれらの混合物を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
舗装道路表面を提供する工程と、
前記舗装道路表面に再帰反射舗装道路路面マーカーを適用する工程とを含む舗装道路表面にマーキングする方法であって、前記舗装道路路面マーカーが、バインダ内に少なくとも部分的に埋め込まれる透明なミクロスフェアを備え、前記ミクロスフェアの少なくとも一部が、少なくとも2.10の屈折率を有し、並びに少なくとも50モル%のTiO及び少なくとも5モル%のランタニド系列元素の酸化物類から選択される1つ以上の金属酸化物を含む、方法。
【請求項19】
前記部分の前記ミクロスフェアが、
70モル%〜82モル%のTiOと、
15モル%〜22モル%の前記ランタニド系列元素の酸化物類から選択される1つ以上の金属酸化物と、
4モル%〜8モル%のZrO、HfO、ThOおよびこれらの混合物とを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
a)出発原料を提供する工程と、
b)2700℃未満の火炎温度の火炎で前記出発原料を融解し溶融液滴を形成する工程と、
c)前記溶融液滴を冷却し、
少なくとも50モル%のTiO
並びに少なくとも5モル%のランタニド系列元素の酸化物類、酸化イットリウムおよびこれらの混合物から選択される1つ以上の金属酸化物を含むミクロスフェアを形成する工程と、
d)所望により前記ミクロスフェアを加熱する工程とを備える、ミクロスフェアを製造する方法。
【請求項21】
第1透明ミクロスフェアと1.5〜2.0の範囲内の屈折率を有する第2透明ミクロスフェアとを含み、前記第1および第2透明ミクロスフェアが、少なくとも部分的にバインダに埋め込まれ、前記第1ミクロスフェアが、少なくも2.10の屈折率を有し、および少なくとも50モル%のTiOと少なくとも5モル%のランタニド系列元素およびイットリウムの酸化物類から選択される1つ以上の金属酸化物を含む、再帰反射物品。
【請求項22】
前記第1ミクロスフェアが、少なくとも2.30の屈折率を有する、請求項21に記載の物品。
【請求項23】
前記第1ミクロスフェアが、ガラス−セラミック構造を含む、請求項21に記載の物品。
【請求項24】
前記第1ミクロスフェアが、少なくとも25重量%の1つ以上のランタニド系列元素およびイットリウムの酸化物類から選択される金属酸化物を含む、請求項21に記載の物品。
【請求項25】
前記第1ミクロスフェアが、5重量%〜15重量%のZrO、HfO、ThOおよびこれらの混合物を含む、請求項21に記載の物品。
【請求項26】
前記第1ミクロスフェアが、
45重量%〜70重量%のTiOと、
20重量%〜55重量%の前記ランタニド系列元素及びイットリウムの酸化物類から選択される1つ以上の金属酸化物と、
5〜25重量%のZrO、HfO、ThOおよびこれらの混合物とを含む、請求項21に記載の物品。
【請求項27】
前記第1ミクロスフェアが、少なくとも90重量%のTiO、La、ZrO、HfOおよびThOからなる、請求項26に記載の物品。
【請求項28】
前記第1ミクロスフェアが、
60重量%〜65重量%のTiOと、
25重量%〜35重量%の1つ以上の前記ランタニド系列元素及びイットリウムの酸化物類から選択される金属酸化物と、
5重量%〜15重量%のZrO、HfO、ThOおよびこれらの混合物と含む、請求項21に記載の物品。
【請求項29】
前記バインダが、少なくとも1つの拡散反射顔料、少なくとも1つの鏡面反射顔料およびこれらの組み合わせから選択される顔料を含む、請求項21に記載の物品。
【請求項30】
前記ミクロスフェアが溶融物である、請求項21に記載の物品。
【請求項31】
前記ミクロスフェアが、反射被膜を含む、請求項21に記載の物品。
【請求項32】
前記ミクロスフェアが、透明なバインダを有する反射層から間隔を置いて配置される、請求項21に記載の物品。
【請求項33】
前記ミクロスフェアが、少なくとも10重量%のLa、Gdおよびこれらの混合物を含む、請求項21に記載の物品。
【請求項34】
50重量%〜70重量%のTiOと、
20重量%〜45重量%のランタニド系列元素の酸化物類から選択される1つ以上の金属酸化物と、
5重量%〜25重量%のZrO、HfO、ThOおよびこれらの混合物とを含む、透明ミクロスフェア。
【請求項35】
前記ミクロスフェアが、
60重量%〜65重量%のTiOと、
25重量%〜35重量%の前記ランタニド系列元素の酸化物類から選択される1つ以上の金属酸化物と、
5重量%〜15重量%のZrO、HfO、ThOおよびこれらの混合物とを含む、請求項34に記載の透明ミクロスフェア。
【請求項36】
前記ミクロスフェアが、Laを含む、請求項34に記載の透明ミクロスフェア。
【請求項37】
ナノ寸法のガラス−セラミック構造を更に含む、請求項34に記載の透明ミクロスフェア。
【請求項38】
50重量%〜70重量%のTiOと、
20重量%〜45重量%のランタニド系列元素の酸化物類から選択される1つ以上の金属酸化物と、
5重量%〜25重量%のZrO、HfO、ThOおよびこれらの混合物とを含む組成物を有する固体ガラス材料。
【請求項39】
50重量%〜70重量%のTiOと、
20重量%〜45重量%のランタニド系列元素の酸化物類から選択される1つ以上の金属酸化物と、
5重量%〜25重量%のZrO、HfO、ThOおよびこれらの混合物とを含む組成物を有するガラス−セラミック材料。
【請求項40】
コアと前記コア内に部分的に埋め込まれる透明ミクロスフェアとを含み、前記ミクロスフェアの少なくとも一部が、少なくとも
40重量%のTiO
少なくとも10重量%のもう1つのランタニド系列元素とを含み、
前記ミクロスフェアが、少なくとも2.10の屈折率を有する、再帰反射素子。
【請求項41】
前記コアが、有機材料、無機材料またはその混合物を含む、請求項40に記載の再帰反射素子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2009−516102(P2009−516102A)
【公表日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−540286(P2008−540286)
【出願日】平成18年11月14日(2006.11.14)
【国際出願番号】PCT/US2006/044270
【国際公開番号】WO2007/059175
【国際公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【出願人】(599056437)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (1,802)
【Fターム(参考)】