説明

舵角検出装置

【課題】ステアリング軸の回転角度の検出値の積算による舵角の検出を、積算のための始点が不明となる状況下においても遅滞なく行わせることができるようにする。
【解決手段】ステアリング軸3に周設された主動歯車61に、外周縁から突出するように押圧片66を設け、主動歯車61に並設した従動円板63に、複数の押圧ピン65,65…と、夫々の押圧ピン65,65…の両側の部分歯部64,64…とを設け、主動歯車61が1回転する毎に押圧片66が押圧ピン65を押して従動円板63を回転させ、部分歯部64が主動歯車61に噛合して従動円板63が定量回転するように構成し、この従動円板63の回転位置から得られる絶対舵角をステアリング軸3の回転角度の積算のための始点として用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の舵角を検出する舵角検出装置に関し、特に、操舵部材の回転を舵取機構に伝えるステアリング軸の回転角度に基づいて、操舵可能な全範囲に亘って舵角を検出可能に構成された舵角検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の操舵は、操舵部材としてのステアリングホイールの回転操作をステアリング軸を介して舵取機構に伝え、該舵取機構の動作により操舵用の車輪(一般的には左右の前輪)の向きを変えて実施される。このような操舵の実施により得られる車両の舵角(操舵用の車輪の向き)は、パワーステアリング装置における操舵補助力の増減制御、ABS(Antilock Brake System )装置における制動力の配分制御等、車両の各種の制御に必要な情報であり、多くの車両に舵角を検出するための舵角検出装置が装備されている。
【0003】
この舵角検出装置の多くは、操舵部材の回転操作を舵取機構に伝えるステアリング軸の回転角度を一回転内の角度検出が可能な回転角センサにより検出し、左右夫々の舵角限界位置の間にて複数回転するステアリング軸の回転を、前記回転角センサにより検出される回転角度を逐次積算して舵角を求める構成としてある。
【0004】
また特許文献1には、検出対象となるステアリング軸の中途に、これと平行をなす補助軸を並設し、この補助軸に固設された小歯車をステアリング軸に固設された大歯車に噛合させてなり、前記小歯車の回転を、該小歯車の一面に対向配置した回転角センサにより検出する舵角検出装置が開示されている。この舵角検出装置は、補助軸、小歯車及び回転角センサを、給電及び信号処理のための基板を含めてユニット化し、ステアリング軸を支持するハウジングの中途に組み込んで用いるように構成されている。
【特許文献1】特開2004−45087号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
さて、ステアリング軸の回転角度を積算して舵角を求める構成とした舵角検出装置においては、積算の始点となすべき絶対舵角が必要である。車両の走行中においては、直進走行状態にあるときを絶対舵角がゼロの始点とし、この始点を基準として積算を実施することにより正確な舵角の検出を行わせることができる。
【0006】
ところが、例えば、キースイッチのオフにより電源を遮断した停車状態から走行を開始した直後等、始点となすべき絶対舵角が不明であるため、次に直進走行状態となるまでの間に舵角の検出をなし得ないという問題がある。この問題は、停車前に検出された舵角を始点として積算を実施することにより解消可能であると考えられるが、停車中に操舵部材が操作され、走行開始時における実際の舵角が停車前に検出された舵角と異なっている場合、走行開始直後に誤った舵角の検出値が得られることとなり、この舵角を用いた各種の制御に悪い影響を及ぼす虞れがある。
【0007】
特許文献1に開示された舵角検出装置においては、ステアリング軸に固設された大歯車に歯数の異なる2つの小歯車を噛合させ、これらの小歯車の回転角度を各別に検出した結果を組合わせることによりステアリング軸の回転角度を複数回転に亘って求め、絶対舵角を検出可能としている。
【0008】
しかしながら、この舵角検出装置においては、検出対象となる小歯車がステアリング軸の一回転当たり複数回転することから、このステアリング軸の複数回転に亘って生じる全舵角範囲を検出対象とする場合、高い検出精度を得ることが難しいという問題がある。
【0009】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、ステアリング軸の回転角度の検出値の積算による舵角の検出を、停車後の走行開始時等、積算のための始点が不明となる状況下においても遅滞なく行わせることができる舵角検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る舵角検出装置は、操舵部材の操作に応じたステアリング軸の回転を舵取機構に伝え、該舵取機構の動作により操舵される車両の舵角を、前記ステアリング軸の1回転内の回転角度を検出する回転角センサの検出角度を複数回転に亘って積算することにより検出する舵角検出装置において、前記ステアリング軸に周設された主動歯車と、該主動歯車に並設され前記ステアリング軸と平行をなす軸周りに回転する従動円板と、前記主動歯車に突設され、前記従動円板を周上の複数か所にて押圧して回転させる押圧片と、該押圧片による押圧か所の両側の前記従動円板の外周に設けてあり、前記押圧片による押圧回転中に前記主動ギヤに噛み合う部分歯部と、前記従動円板の回転位置を検出する回転位置センサと、該回転位置センサの検出結果を始点として用い、前記検出角度を積算して前記舵角を算出する手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る舵角検出装置においては、ステアリング軸の回転に伴って主動歯車が回転するとき、主動歯車に設けた押圧片により押圧されて従動円板が回転するから、回転位置センサによる従動円板の回転位置の検出結果によりステアリング軸の複数回転に亘って生じる舵角を知ることができ、この舵角を始点としてステアリング軸の回転角度を積算することにより、例えば、停車後の走行開始時に遅滞なく舵角の検出を行わせることができる上、押圧片により押圧される従動円板は、外周に設けた部分歯部を主動歯車に噛合させて定量回転するから、従動円板の回転角度を始点として用いた舵角の検出を確実に行わせることができる等、本発明は優れた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。図1は、本発明に係る舵角検出装置を備える電動パワーステアリング装置の構成を示す模式図である。図示の電動パワーステアリング装置は、車体の左右方向に延設されたラックハウジング10の内部に軸長方向への移動自在に支持されたラック軸1と、ラックハウジング10の中途に交叉するピニオンハウジング20の内部に回転自在に支持されたピニオン軸2とを備えるラックピニオン式の舵取機構Sを備えている。
【0013】
ラックハウジング10の両側から外部に突出するラック軸1の両端は、操舵輪としての左右の前輪11,11のナックルアーム12,12に、各別のタイロッド13,13を介して連結されている。ピニオンハウジング20の上部に突出するピニオン軸2の上端は、上位置に対向するステアリング軸3の下端に連結されている。またピニオンハウジング20の内部に延びるピニオン軸2の下部には、図示しないピニオンが形成されており、該ピニオンは、ラックハウジング10との交叉部において、ラック軸1の外面に適長に亘って形成されたラック歯に噛合させてある。
【0014】
ステアリング軸3は、筒形をなすコラムハウジング31の内部に回転自在に保持され、該コラムハウジング31を介して、図示しない車室の内部に前方を下とした傾斜姿勢を保って取付けてある。ステアリング軸3の両端は、コラムハウジング31の上下両側から外部に突出させてあり、下方への突出端は、前述の如くピニオン軸2に連結されており、上方への突出端には、操舵部材としてのステアリングホイール30が固設されている。
【0015】
以上の構成により、ステアリングホイール30が左右に回転操作された場合、この回転がステアリング軸3を介してピニオン軸2に伝わり、該ピニオン軸2の回転が、ピニオンとラック歯との噛合部においてラック軸1の軸長方向の移動に変換される。このように生じるラック軸1の移動は、両端のタイロッド13,13を介して左右の前輪11,11のナックルアーム12,12に伝わり、これらのナックルアーム12,12が押し引きされて左右の前輪11,11が操舵される。
【0016】
図示の電動パワーステアリング装置は、以上の如くなされる操舵に際し、ステアリングホイール30の回転操作によりステアリング軸3に加えられる操舵トルクを検出するトルク検出装置4と、該トルク検出装置4の検出トルクに基づいて駆動される操舵補助用のモータ5とを備えており、更に、左右の前輪11,11の舵角を全舵角範囲に亘って検出する舵角検出装置6を備えている。
【0017】
トルク検出装置4は、ステアリング軸3の中途をトーションバーを介して同軸上に連結された2軸に分割し、これらの2軸間に前記トーションバーの捩れを伴って生じる相対角変位を検出してステアリング軸3に加わる操舵トルクを求める公知の構成を有しており、図1中に破線により示す如く、コラムハウジング31の下半部の内側に設けてある。
【0018】
操舵補助用のモータ5は、トルク検出装置4の配設部よりも下位置のコラムハウジング31の外側に、軸心を略直交させて取り付けてあり、コラムハウジング31の内部に延びる出力軸の回転を、例えば、ウォーム及びウォームホイールを備えるウォームギヤ減速機により減速してステアリング軸3に伝え、該ステアリング軸3に回転力を付与するように構成されている。この構成により、ステアリング軸3に減速伝動される操舵補助用のモータ5の回転力は、該ステアリング軸3の下端に連結されたピニオン軸2に伝わり、該ピニオン軸2の回転に応じたラック軸1の移動により前述の如くなされる操舵が補助される。
【0019】
なお操舵補助用のモータ5は、ラックハウジング10又はピニオンハウジング20の外側に取付け、ラック軸1又はピニオン軸2に伝動構成することもできる。ラック軸1への伝動は、モータ5の回転をボールねじ機構等の運動変換機構を介してラック軸1に伝え、該ラック軸1に軸長方向の移動力を加える構成により実現することができ、ピニオン軸2への伝動は、ステアリング軸3の場合と同様に実現することができる。
【0020】
本発明の特徴である舵角検出装置6は、ステアリング軸3を支持するコラムハウジング31の内部にトルク検出装置4の上位置に並べて設けてあり、ステアリング軸3の回転角度を複数回転に亘って検出して舵角を求めるべく以下の構成を有している。図2は、舵角検出装置6の構成を略示する縦断面図であり、図3は、図2の III−III 線による横断面図である。
【0021】
舵角検出装置6は、コラムハウジング31の中途部に嵌め込み固定された樹脂製のハウジング60を備えている。一方、検出対象となるステアリング軸3の中途部には、ハウジング60の固定部と整合するように主動歯車61が外嵌固定されている。ハウジング60は、短寸の円筒形をなし、図3に示すように、周壁の一か所を外向きに張り出して設けた円板室62を備えており、この円板室62には、主動歯車61の外側に対向するように従動円板63が配してある。
【0022】
従動円板63は、ステアリング軸3と平行をなす軸周りに回転自在に支持してあり、図3に示すように、周方向に等配をなす4か所に、夫々が略等しい周方向長さを有して部分歯部64,64…を備えており、これらの部分歯部64,64…の外周には、主動歯車61と噛合可能な歯が形成されている。また夫々の部分歯部64,64…の間は、主動歯車61の外周の歯との干渉を避けるように小径としてあり、これらの小径部の一面には、周方向の略中央に押圧ピン65,65…が立設されている。
【0023】
また主動歯車61には、周方向の1か所に押圧片66が固設してある。この押圧片66は、従動円板63における押圧ピン65,65…の立設面と同側の面に、主動歯車61の外周縁から径方向外向きに突出し、主動歯車61の回転周上において従動円板63に近接したとき、該従動円板63に立設された押圧ピン65,65…に当接し得るように設けてある。
【0024】
図4は、主動歯車61及び従動円板63の動作説明図である。主動歯車61に固設された押圧片66は、ステアリング軸3の回転に応じて主動歯車61の回転周上にて位置変化する。例えば、図4(a)中に矢符により示す向きに主動歯車61が回転した場合、押圧片66は、同図中の図中に実線にて示す位置から2点鎖線により示す位置に移動し、従動円板63に立設された複数の押圧ピン65,65…のうち、主動歯車61との対向側に位置する押圧ピン65に一側から当接し、該押圧ピン65を押圧する。
【0025】
この状態でステアリング軸3が回転した場合、従動円板63は、押圧片66から押圧ピン65を介して加えられる押圧力の作用により自身の軸周りに回転する。ここで、押圧ピン65の立設位置の両側には外周に歯が形成された部分歯部64,64が設けてあり、押圧ピン65により押圧されて従動円板63が回転した場合、図4(b)に示す如く、同側の部分歯部64が主動歯車61に噛合した状態となり、この噛合状態下でのステアリング軸3の回転は、主動歯車61と部分歯部64との噛合により従動円板63に伝達される。
【0026】
このようにして従動円板63は、部分歯部64の形成長さの範囲内にて回転せしめられ、図4(c)に示す如く、次の押圧ピン65が主動歯車61と対向する回転位置に達した状態となる。図示の如く、主動歯車61に1つの押圧片66が設けてあり、従動円板63に各4つの部分歯部64,64…及び押圧ピン65,65…が設けてある場合、従動円板63は、ステアリング軸3及び主動歯車61の1回転毎に、90°(= 360°/4)回転することとなり、従動円板63の回転位置を検出することにより、主動歯車61及びステアリング軸3が、中立位置を基準として左右に夫々何回転しているかを知ることができ、ステアリング軸3の回転に応じて実現される舵角の絶対値を大まかに知ることができる。
【0027】
主動歯車61にn個の押圧片66,66…を設け、従動円板63に各m個の部分歯部64,64…及び押圧ピン65,65…を設けてもよい。この場合従動円板63は、ステアリング軸3及び主動歯車61の1/n回転毎に、 360°/m回転することとなり、従動円板63の回転位置を検出することにより、舵角の絶対値をより詳細に知ることが可能となる。
【0028】
このように回転する従動円板63の一面には、図2及び図3中に破線により示すように、周方向に2分割して着磁された2極着磁の磁石 63aが埋設してある。また図2に示すように歯車室62には、従動円板63に埋設された磁石 63aと対向するように磁気センサ67が固設されている。
【0029】
主動歯車61は、前述の如くステアリング軸3に嵌着固定されており、該ステアリング軸3の回転に伴って回転する。この回転は、前述の如く従動円板63に伝達され、該従動円板63の回転位置が変化し、従動円板63に固設された磁石 63aと対向配置された磁気センサ67の出力が変化する。従って、磁気センサ67の出力から従動円板63の回転位置を知ることができ、複数回転に亘るステアリング軸3の回転角度を特定し、絶対舵角を大まかに検出することができる。
【0030】
磁気センサ67の出力を用いた絶対舵角の検出は、例えば、キースイッチのオン操作時に実施される。従って、キースイッチがオフされた停車中にステアリングホイール30が回転操作された場合であっても、次の走行開始に際してキースイッチがオンされたときに得られる磁気センサ67の出力から現状の絶対舵角を特定することができる。
【0031】
舵角検出装置6は、走行中における舵角の検出のためにステアリング軸3の回転角度を1回転内にて検出可能な回転角センサを有している。図2に示す回転角センサは、ステアリング軸3に嵌着された主動歯車61を磁性体とし、主動歯車61の外周に形成された複数の歯の通過に感応して周期的な出力を発するMRセンサ68をハウジング60の内周面に固設して構成されている。この場合の舵角の検出は、MRセンサ68の出力を所定のサンプリング周期にて取り込み、この出力の変化を逐次積算することにより実現される。
【0032】
このような舵角の検出は、主動歯車61の外周の歯数に対応する分解能を有して高精度に実現することができる。一方、MRセンサ68の出力変化の積算により舵角を求めるためには、始点として用いる絶対舵角が必要となるが、前述したように、主動歯車61に並設された従動円板63の回転位置により絶対舵角を大まかに知ることができ、この絶対舵角を始点とすることにより、走行開始直後から舵角の検出が可能となる。
【0033】
なお走行開始後には、従来から行われているように、直進走行状態にあるときを絶対舵角がゼロの始点とし、この始点を基準として積算を実施することにより正確な舵角の検出を行わせることができる。従動円板63の回転位置により検出される絶対舵角は、走行開始後、絶対舵角がゼロの直進走行状態となるまでの過渡期において使用される。
【0034】
ステアリング軸3の回転角度を1回転内にて検出可能な回転角センサは、図2に示す構成に限らず、公知の種々の構成にて実現することができる。図2においては、ステアリング軸3に固設された主動歯車61を検出体として兼用しているが、主動歯車61と別体に専用の検出体を設けてもよく、広く知られているレゾルバを回転角センサとして採用することもできる。
【0035】
このように構成された舵角検出装置6による舵角の検出値は、図1に示すように、トルク検出装置4による操舵トルクの検出値と共にアシスト制御部8に与えられている。またアシスト制御部8には、操舵補助用のモータ5に付設されたモータ電流センサ50から、該モータ5の駆動電流の検出値が与えられている。
【0036】
アシスト制御部8は、CPU、ROM及びRAMを備え、ROMに記憶された制御プログラムに従うCPUの動作によりアシスト制御を実行するECUとして構成されている。このアシスト制御動作は、トルク検出装置4による操舵トルクの検出値を用いて目標補助力を求め、この目標補助力を発生すべく操舵補助用のモータ5の駆動電流を増減制御し、前述の如くなされる操舵を補助する公知の制御動作である。この制御動作の間、モータ電流センサ50によるモータ電流の検出値は、駆動電流の増減のためのフィードバック情報として用いられる。
【0037】
一方、舵角検出装置6による舵角の検出値は、操舵トルクに基づいて決定された目標補助力の補正に用いられる。この補正は、例えば、舵角検出値が小さいときには目標補助力を減じ、舵角検出値が大きいときには目標補助力を増すようになされる。これにより、直進走行時にはモータ5が発生する操舵補助力を小さく抑え、ステアリングホイール30に剛性を付与して直進安定性を高めることができ、ステアリングホイール30が大きく操作される大転舵時にはモータ5が発生する操舵補助力を大として、軽快な操舵感を体感させることが可能となる。
【0038】
前述の如く構成された舵角検出装置6においては、キースイッチがオフされた状態での停車中にステアリングホイール30が回転操作された場合であっても、次のキースイッチのオン時における従動円板63の回転位置から現状の絶対舵角を知ることができ、その後の走行開始直後から舵角検出が可能であるから、アシスト制御部8による前述した補正を遅滞なく実行することができる。
【0039】
舵角検出装置6による舵角の検出値は、ABS制御部、トラクション制御部等、車両に装備された他の制御部にも与え、夫々の制御部での制御動作に用いることができる。この場合においても、停車中のステアリングホイール30の操作の如何に拘らず走行開始直後からの舵角検出が可能であり、夫々の制御に有効に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明に係る舵角検出装置を備える電動パワーステアリング装置の構成を示す模式図である。
【図2】舵角検出装置の構成を略示する縦断面図である。
【図3】図2の III−III 線による横断面図である。
【図4】主動歯車及び従動円板の動作説明図である。
【符号の説明】
【0041】
3 ステアリング軸、30 ステアリングホイール(操舵部材)、61 主動歯車、63 従動円板、64 部分歯部、66 押圧片、67 磁気センサ(回転位置センサ)、68 MRセンサ(回転角センサ)、S 舵取機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操舵部材の操作に応じたステアリング軸の回転を舵取機構に伝え、該舵取機構の動作により操舵される車両の舵角を、前記ステアリング軸の1回転内の回転角度を検出する回転角センサの検出角度を複数回転に亘って積算することにより検出する舵角検出装置において、
前記ステアリング軸に周設された主動歯車と、
該主動歯車に並設され前記ステアリング軸と平行をなす軸周りに回転する従動円板と、 前記主動歯車に突設され、前記従動円板を周上の複数か所にて押圧して回転させる押圧片と、
該押圧片による押圧か所の両側の前記従動円板の外周に設けてあり、前記押圧片による押圧回転中に前記主動ギヤに噛み合う部分歯部と、
前記従動円板の回転位置を検出する回転位置センサと、
該回転位置センサの検出結果を始点として用い、前記検出角度を積算して前記舵角を算出する手段とを備えることを特徴とする舵角検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−51652(P2008−51652A)
【公開日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−228237(P2006−228237)
【出願日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【出願人】(000001247)株式会社ジェイテクト (7,053)
【Fターム(参考)】