説明

船舶推進ユニット及び船舶推進方法

本発明は、船舶推進ユニットに関する。かかる船舶推進ユニットは、船体内の駆動部と、船体の外に配置され、フロントプロペラ及びリアプロペラを有している水中ポッドと、駆動部とプロペラとの間にトルク伝達部と、を有している。当該トルク伝達部は、両プロペラにより共有され、駆動部から水中ポッドへトルクを伝達するのに役立つトルク伝達シャフトと、水中ポッドに置かれ、両プロペラの共有トルク伝達シャフトとフロントプロペラの間に配置されているフロントトランスミッション部と、両プロペラの共有トルク伝達シャフトとリアプロペラとの間に配置されているリアトランスミッション部と、を包含している。また、本発明は船舶推進方法に関する。かかる船舶推進方法により、船体の外に配置された水中ポッドに割り当てられたフロントプロペラ及びリアプロペラが、トルク伝達部を介して、船体内の駆動部により駆動される。両プロペラは、トルク伝達部に包含され、両プロペラにより共有され、駆動部から水中ポッドへトルクを伝達するのに役立つトルク伝達シャフトと、水中ポッドに配置され、両プロペラの共有トルク伝達シャフトとフロントプロペラとの間に配置されているフロント伝達シャフトと、両プロペラの共有トルク伝達シャフトとリアプロペラとの間に配置されているトランスミッション部とを介して駆動される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、船舶用のダブルプロペラ駆動装置、ダブルプロペラ駆動方法、及び高温超伝導モータを有する船舶推進ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
本出願人によるこのようなダブルプロペラ駆動装置すなわちツインプロペラ駆動装置が、2000kwの出力までの公知の構造で、順に、市販されている。大きな装置については、プロペラのトルクをプロペラの回転速度に変換しなければならない構造によれば、要求されるリングギヤの大きな直径の故に、水中ポッドの直径は非常に大きくなるので、より良い効率がかなり失われてしまう。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、ダブルプロペラ駆動装置及びダブルプロペラ駆動方法を改良する目的を有しかつ実現する。さらに、本発明は、船舶用のダブルプロペラ駆動装置、ダブルプロペラ駆動方法、及び高温超伝導モータを有する船舶推進ユニットを改良する目的を有しかつ実現する。具体的には、本発明は、高温超伝導モータを伴うダブルプロペラ駆動装置を改良する目的を有しかつ実現し、より良い効率性は高出力において残ったままである。特に、本発明は、高温超伝導モータを有する船舶推進ユニットを改良する目的をさらに有しかつ実現し、1つ若しくは複数のプロペラに対する高出力が、より良い効率性を保持したまま簡単な方法により達成される。
【0004】
これら目的は、請求項1に記載の船舶推進ユニットと、請求項24に記載の船舶推進方法により達成される。
【0005】
よって、本発明は、船体(hull)に配置される駆動部と、船体の外に配置されかつフロントプロペラとリアプロペラとを有する水中ポッドとを有する船舶推進ユニットを形成する。該水中ポッドは、駆動部とプロペラとの間にトルク伝達部を有している。このトルク伝達部は、駆動部から水中ポッド、フロントトランスミッション部、及びリアトランスミッション部へトルクを伝達し、両プロペラにより共有されているトルク伝達シャフトを有しており、該フロントトランスミッション部は水中ポッドに配置され且つ両プロペラの共有トルク伝達シャフトとフロントプロペラとの間に配置され、該リアトランスミッション部は両プロペラの共有トルク伝達シャフトとリアプロペラとの間に配置されている。
【0006】
好ましくは、トルクの一部だけが、トルク伝達シャフトを介して、対応する回転速度で2つのプロペラに伝達され、トルク伝達シャフトを介して、トルクの約15%乃至約40%、特には約20%乃至約35%、好ましくは約25%乃至30%が対応する回転速度で2つのプロペラに伝達されることがさらに提供される。
【0007】
さらに、少なくとも1つのリングギヤ・ベベルギヤ対が、トルク伝達シャフトに割り当てられ、回転の向きを反対にし、トルクの一部だけが、対応する回転速度において、1つ若しくは複数のリングギヤ・ベベルギヤ対を介して、2つのプロペラに伝達される。有利なようには、1つ若しくは複数のリングギヤ・ベベルギヤ対を介して、トルクの約15%乃至40%、特には約20%乃至35%、好ましくは25%乃至30%だけが、対応する回転速度において、両プロペラに伝達され得る。
【0008】
該フロントトランスミッション部は好ましくは、フロント遊星ギヤを有し、あるいはリアトランスミッション部はリア遊星ギヤを有している。これは、フロント遊星ギヤ及び/若しくはリア遊星ギヤが、対応するプロペラにおいて少なくとも略全トルクを伝達するギヤ減速を含んでいる場合に好ましい。代替的に若しくは付加的に、フロント遊星ギヤ及び/若しくはリア遊星ギヤを設けることができ、これらは約2乃至約5、特には約2.5乃至約4.5、好ましくは約3乃至約4のギヤ減速を有する。
【0009】
他の好ましい構造では、該フロントトランスミッション部は、フロントリングギヤ及びフロントピニオンギヤを有しており、該ピニオンギヤは、かかるフロントリングギヤと係合し、トルク伝達シャフトと結合している。あるいはリアトランスミッション部は、リアリングギヤ及びリアピニオンギヤを有しており、該ピニオンギヤは、かかるリアリングギヤと係合し、トルク伝達シャフトと結合している。特に、フロントピニオンギヤ及び/若しくはリアピニオンギヤは、トルク伝達シャフト上に位置し、好ましくは、フロントピニオンギヤ及び/若しくはリアピニオンギヤは、トルク伝達シャフトによる回転に対して固定されている。代替的な若しくは付加的な改良は、フロントリングギヤ・ベベルギヤ対及び/若しくはリアリングギヤ・ベベルギヤ対が、対応するプロペラに対する少なくとも略全トルクを伝達するギヤ減速を有するように達成され、有利なようには、フロントリングギヤ・ピニオンギヤ対及び/若しくはリアリングギヤ・ピニオンギヤ対が、約2乃至約5、特には、約2.5乃至約4.5、好ましくは約3乃至約4のギヤ減速を有している。
【0010】
本発明による船舶推進ユニットにおいては、フロントトランスミッション部及びリアトランスミッション部は、2つのプロペラが同じ向きに回転するような形態にされるか、フロントトランスミッション部及びリアフロントトランスミッション部が、2つのプロペラが反対向きに回転するか、2つのプロペラの少なくとも1つに作用する回転の向きを反転する装置が提供されるような形態にされ、2つのプロペラが、同じ向き若しくは反対の向きに回転させられるように調整され得る。
【0011】
他の好ましい改良は、フロントトランスミッション部及びリアトランスミッション部が、2つのプロペラが異なる速度で回転するような形態にされることを含んでいる。特に、フロントトランスミッション部及びリアトランスミッション部は、リアプロペラがフロントプロペラより速く回転するような形態にされる。
【0012】
2つのプロペラの少なくとも1つに作用する回転速度制御装置を設けることが好ましく、かかる回転速度制御装置により、2つのプロペラの間の回転速度率が調整され得る。他の類似の好ましい構造は、異なるトランスミッションが、トルク伝達シャフトと2つのプロペラとの間に配置されることを含んでいる。
【0013】
本発明による船舶推進ユニットは、2つのプロペラが平行な回転軸若しくは同軸の回転軸を有するようにさらに有利に改良され得る。かかる回転軸は、フロントプロペラがリアプロペラより下にあるように、垂直軸に対して90°ではない。かかる構造物の改良では、垂直軸に対する2つのプロペラの回転軸のより小さな角度が、約80°乃至約89°、特には約82°乃至87°、好ましくは少なくも約85°に等しいことが好ましい。
【0014】
特に有利な構造は、任意の上述の構造の組み合わせである。これによれば、駆動部は高温超伝導モータを有している。
【0015】
本発明により、船舶推進方法がさらに提供され、船体の外に配置された水中ポッドに割り当てられるフロントプロペラ及びリアプロペラが、トルク伝達部を介して、船体内の駆動部により駆動され、2つのプロペラは、トルク伝達部に包含され且つ両プロペラにより共有されるトルク伝達シャフト、フロントトランスミッション部、及びリアトランスミッション部を介して駆動され、駆動部から水中ポッドへトルクを伝達する。該フロントトランスミッション部は、水中ポッド内に位置し且つ2つのプロペラの共有トルク伝達シャフトとフロントプロペラとの間に配置され、該リアトランスミッション部は、2つのプロペラの共有伝達シャフトとリアプロペラとの間に配置されている。
【0016】
これは、トルクの一部だけがトルクトランスミッションシャフトを介して、対応する回転速度で、2つのプロペラに伝達されるように有利に改良される。さらに、特には、トルクトランスミッションシャフトを介して、トルクの約15%乃至約40%、特には約20%乃至約35%、好ましくは約25%乃至約30%のみが、対応する回転速度で伝達される。
【0017】
さらに、もし、少なくとも1つのリングギヤ・ベベルギヤ対が、トルク伝達シャフトに割り当てられ、回転の向きを反対にし、且つトルクの一部だけが、1つ若しくは複数のリングギヤ・ベベルギヤ対を介して、対応する回転速度で2つのプロペラに伝達されるならば、さらに、好ましくは、1つ若しくは複数のリングギヤ・ベベルギヤ対を介するならば、トルクの約15%乃至約40%、特には約20%乃至約35%、好ましくは約25%乃至約30%が、対応する回転速度で2つのプロペラに伝達される。
【0018】
フロントトランスミッション部はフロント遊星ギヤを有しており、あるいはリアトランスミッション部はリア遊星ギヤを有しており、該フロント遊星ギヤ及び/若しくは該リア遊星ギヤを経て、ギヤ減速が、少なくとも略全トルクをプロペラに伝達するように行われ、あるいはフロント遊星ギヤ及び/若しくはリア遊星ギヤを経て、約2乃至約5、特には約2.5乃至約4.5、好ましくは約3乃至約4のギヤ減速が行われることが好ましい。
【0019】
本発明による船舶推進方法の他の好ましい例は、フロントトランスミッション部がフロントリングギヤとフロントピニオンギヤとを有し、かかるフロントピニオンギヤが、かかるフロントリングギヤと係合し且つトルク伝達シャフトと結合し、あるいはリアトランスミッション部がリアリングギヤとリアピニオンギヤとを有し、かかるリアピニオンギヤが、かかるリアリングギヤと係合し且つトルク伝達シャフトと結合し、フロントピニオンギヤ及び/若しくはリアピニオンギヤはトルク伝達シャフトに位置することを含んでいる。追加の好ましい例は、フロントピニオンギヤ及び/若しくはリアピニオンギヤがトルク伝達シャフトと同様に回転させられ、あるいはフロントリングギヤ・フロントピニオンギヤ対及び/若しくはリアリングギヤ・リアピニオンギヤ対を経て、ギヤ減速が、少なくとも略全トルクをプロペラに伝えることにより実現され、特には、フロントリングギヤ・フロントピニオンギヤ対及び/若しくはリアリングギヤ・リアピニオンギヤ対により、約2乃至約5、特には約2.5乃至約4.5、好ましくは約3乃至約4のギヤ減速が実現される。
【0020】
フロントトランスミッション部及びリアトランスミッション部は、2つのプロペラが同一の向きに回転するような形態にされるか、フロントトランスミッション部及びリアトランスミッション部は、2つのプロペラが反対向きに回転するか、2つのプロペラの少なくとも1つに作用する回転の向きを反対にする装置があるような形態にされ得る。これにより、2つのプロペラが、同じ向き若しくは反対向きに回転するように調整される。
【0021】
フロントトランスミッション部及びリアトランスミッション部は、2つのプロペラが異なる速度で回転するような形態にされ、特には、フロントトランスミッション部及びリアトランスミッション部は、リアプロペラがフロントプロペラより速く回転するような形態にされることが好ましい。
【0022】
他の好ましい例においては、2つのプロペラの少なくとも1つに作用する回転速度制御装置を有しており、かかる回転速度制御装置により、2つのプロペラの間の回転速度比が調整される。代替的に若しくは付加的に、異なるトランスミッションが、トルク伝達シャフトと2つのプロペラとの間に配置されるように設けられ得る。かかる異なるトランスミッションを経て、フロントプロペラとリアプロペラとの間の異なる回転速度が設定される。
【0023】
本発明による船舶推進方法では、有利なように、2つのプロペラが平行な回転軸若しくは同軸の回転軸を有し、かかる回転軸は、フロントプロペラがリアプロペラより下に存在するように、垂直軸に対して90°ではない。特には、これは、垂直軸に対する2つのプロペラの回転軸のより小さな角度が、約80°乃至89°、特には約82°乃至87°、有利なようには少なくとも約85°に等しいように改良され得る。
【0024】
さらに、駆動部が高温超伝導モータを有することが、本発明による船舶推進ユニットにおいて特に有利であり、かかる高温超伝導モータにより、トルク伝達シャフトが駆動される。
【0025】
従って、本発明は、ダブルプロペラ駆動装置として形成される船舶推進ユニットを形成し、かかるダブルプロペラ駆動装置は、船体における駆動部と、水中ポッドに割り当てられた少なくとも同軸である2つのプロペラと、該駆動部とプロペラとの間のトルク伝達部と、水中ポッド内において各プロペラに割り当てられた遊星ギヤとを有しており、かかるトルク伝達部は、水中ポッドにおいてリングギヤ・ベベルギヤ対を有し、トルクの一部だけを伝達し、かかる水中ポッドは、ギヤ減速を伴い、少なくとも略全トルクをプロペラに伝達する。
【0026】
好ましくは、2つのプロペラ、特には、少なくとも同軸のプロペラが、かかるプロペラが水中ポッドにおいて回転し得るようにマウントされる。
【0027】
さらに、本発明は、ダブルプロペラ駆動方法の形式の船舶推進方法を提供し、トルクは、船体の駆動部から水中ポッドの2つの少なくとも同軸のプロペラに伝達され、さらに、駆動部から、トルクの一部だけが、水中ポッドのリングギヤ・ベベルギヤ対を介して、水中ポッド内の各プロペラに割り当てられた少なくとも1つの遊星ギヤに伝達され、少なくとも略全トルクをプロペラに伝達するギヤ減速が実現される。
【0028】
さらに、好ましくは、本発明は、駆動部を有するダブルプロペラ駆動装置を有する船舶推進ユニットを提供し、船体に高温超伝導モータと、水中ポッドに2つの少なくとも同軸のプロペラと、駆動部とプロペラとの間にトルク伝達部とを有している。トルク伝達部は、水中ポッドにトルクの一部だけを伝達するリングギヤ・ベベルギヤ対と、少なくとも略全トルクをプロペラに伝達するギヤ減速を有する水中ポッド内において各プロペラに割り当てられた遊星ギヤとを含んでいる。
【0029】
本発明の追加の好ましい及び/若しくは有利な構造は、請求項、請求項の組み合わせ、及び本出願書の文章の全てにより明らかである。
【0030】
本発明は、単なる例示である図面を参照しつつ実施例を用いて、以下においてより詳しく説明される。
【発明の詳細な説明】
【0031】
本発明は、単に例として、以下において説明され且つ図面に示した構造物及び実施例を用いてより詳しく説明される。すなわち、本発明は、これら構造物及び実施例若しくはこれら構造物及び実施例内の特徴の組み合わせに限定されない。方法及び装置の特徴は、方法及び装置の記載から明らかになる。
【0032】
実際の実施例に関して説明及び/若しくは図示された個々の特徴は、この実施例若しくはこの実施例の他の特徴の組み合わせに限定されずに、これらが本明細書において別々に説明されていない場合、技術的に可能な範囲内で他の変形物を組み合わせられ得る。
【0033】
図面内の同一の参照符号は、同一若しくは類似の機能を伴う同一若しくは類似の要素を示している。図面を参照すると、参照符号を付されていない特徴は、かかる特徴が以下において独立して説明されているかどうかに関わらず明らかになる。他方では、発明の詳細な説明に含まれているが、図面に見られないすなわち図示していない特徴は、当業者には容易に理解され得る。
【0034】
図1は、ダブルプロペラ駆動装置1の形状の船舶推進ユニットSの第1実施例の長手軸全体断面図であり、かかるダブルプロペラ駆動装置1は、ツインプロペラ駆動装置として示されている。
【0035】
ダブルプロペラ駆動装置1は、洋梨(pear)形の水中ポッド2を含みこのポッドには水中ギヤ3が収容されており、2つのプロペラ4及び5も有している。船舶(図示せず)の船尾の方の向きを示すリアプロペラ4がリアプロペラ4として考えられるべきであり、従って、船舶の船首の方の向きを示すフロントプロペラ5がフロントプロペラ5として考えられるべきである。
【0036】
水中ギヤ3は、船体R内に配置された駆動部Aからトルクを伝達するために、各プロペラ6及び7に通ずる軸8にリングギヤ6とベベルギヤ7とを有しており、水中ポッド2は、船体から下方へ、水中ギヤ3を介して2つのプロペラ4及び5へ伸びている。
【0037】
本発明によれば、水中ギヤ3におけるリングギヤ・ベベルギヤ対6、7を介して、例えば、特に、トルクの25%乃至30%だけが、対応する回転速度で、プロペラ4及び5に伝達される。3から4へのギヤ減速を伴う遊星ギヤ9及び10の配置により、対応する回転速度において必要なプロペラのトルクがプロペラ4及び5の前にまず達成される。遊星ギヤ9及び10の異なるギヤ減速が、適切なプロペラのデザインを可能にする。
【0038】
図1による実施例では、2つの遊星ホイールステージは、典型的な態様で、太陽ホイール、遊星ホイール、リングギヤ、及び遊星キャリア11を有しており、これらは、プロペラ4及び5がそれぞれ配置される各駆動シャフト12及び13に接続される。かかる遊星ギヤ9及び10の構造、効果、及び機能は、当業者には、原理的に公知であるので、詳細な説明は、ここでは必要ない。さらに、遊星ギヤの技術分野では公知の任意の構造が、当業者の判断において、本発明の船舶推進ユニットSすなわちダブルプロペラ駆動装置1に関連して使用され得る。
【0039】
本発明による構造により、従来の構造と比較して、洋梨形の水中ギヤ3のより小さな直径が実現され、かかるシステムのためのより良い効率性が提供される。また、プロペラ4及び5の異なる回転速度が可能であり、これにより、より有利なプロペラの形態が可能となる。プロペラ4及び5においてより遅い回転速度及びより大きなトルクが、大きなリングギヤ直径の欠点を有することなく可能である。
【0040】
既に説明した図1による実施例については、反対に回転するプロペラ4及び5を伴う変形が可能であり、遊星ギヤ10は固定された遊星キャリア11’を伴い、リングギヤ14からプロペラシャフト13への接続は図2の全体断面図に示したように形成される。図1に示した部分と同一若しくは類似する要素は同一の参照番号を付しており、重複を避ける目的のために、ここでは再度説明しない。代わりに、読者が、図1に関する説明を参照されたい。
【0041】
洋梨状の小さな直径に関係する回転速度及び回転の向きの変化を伴うこの形態については、従来の構造と比較して5%以上にツインプロペラシステムの効率性を増大する条件が可能となる。
【0042】
完全を期すために、本明細書において説明される全ての実施例を参照すると、太陽ホイール、遊星ホイール、及びリングギヤを伴う典型的な構造を有している2つの遊星ギヤステージ15及び16が言及されているので、ここでは更に説明を必要としない。
【0043】
図3を参照しつつ、船舶推進ユニットSすなわちダブルプロペラ駆動装置1の他の実施例が以下において説明される。図3に示した第3実施例によるダブルプロペラ駆動装置1に関する限り、このダブルプロペラ駆動装置1は、図1に示され、図1を参照しつつ上記において説明した第1実施例と同一の部品及び機能を有している。単純な重複を避けるために、これら部品及び機能は、以下において再度説明されないが、図1による第1実施例と異なる部品及び機能は説明される。第1及び第3実施例において一致する部品及び機能に関しては、読者は図1による第1実施例に関する説明を参照されたい。
【0044】
長手軸方向断面の全体図として図3に示した船舶推進ユニットSすなわちダブルプロペラ駆動装置1の第3実施例では、平衡ギヤ(equalizing gear)として示された差動ギヤ17が、プロペラ4とプロペラ5との間に設けられている。差動ギヤの配置により、荷重が、プロペラ4とプロペラ5との間において釣り合わされ、これは、全ての操作状況において、2つのプロペラ4及び5の荷重を同一のレベルにするか、若しくは支持する。図3に示した第3実施例によるダブルプロペラ駆動装置1に設けられた差動ギヤ17は、遊星ギヤ9及び10により同じ向きに回転するプロペラ4及び5に関して使用されるような構造にされるか形態にされる。しかしながら、これだけに限定せず、差動ギヤ17が、反対向きに回転するプロペラ4及び5を伴う配置に使用され得るような差動ギヤ17の構造及び形態を実現することも可能である。
【0045】
このような差動ギヤすなわち平衡ギヤの構造、効果及び機能は、当業者には原理的に公知であるので、詳細な説明は、ここでは必要としない。さらに、差動ギヤすなわち平衡ギヤの技術分野で公知の任意の構造が、当業者の判断において、本発明のダブルプロペラ駆動装置1に関して使用され得る。
【0046】
差動ギヤつまり平衡ギヤ17を有する船舶推進ユニットSすなわちダブルプロペラ駆動装置1の変形物は、リングギヤ・ベベルギヤ対6と2つのプロペラ4及び5との間に水中ギヤ3のベベルギヤステージを1つだけ伴うダブルすなわちツインプロペラ駆動装置1によっても実現され得る。これは、例えば、2つのプロペラシャフト12及び13の軸接続部である軸8を分割することにより実施され得る。
【0047】
本発明の他のこのような独立した態様及び上述した他の変形例は、駆動装置が、船体に収容される少なくとも1つの高温超伝導モータHTSLMを有するように形成される。このような高温超伝導モータHTSLMは、電力、例えば、ディーゼル電気システムにより駆動される。
【0048】
原理上は、高温超伝導モータHTSLMは、より良い効率性を有しているが、1つ若しくは複数のプロペラに要求される高出力を達成するために、大きな、従って非常に高価なシステムを要求する。本発明により、説明されるべき独立した形態及び本発明の他の形態の構造及び/若しくは変更例として考えられる関連する実施例の範囲において、高温超伝導モータHTLSMは、1つ若しくは複数のプロペラへの直線(direct line)のトランスミッションのために、従来の技術に必要である構造より小さな構造を有することが可能である。ここでは、必須の従来技術の教えが図面に関して説明される実施例により使用されているので、一般的な説明並びにこの点における図面及び実施例に関する必須の説明は、単なる反復を避けるために、本発明の説明の全ての範囲に組み込まれている。さらに、図面の実例は、ここで説明される追加の技術を理解する要求をしないので、実例は提供されない。
【0049】
本発明の請求の範囲に記載された他の独立した態様及び上記において説明した実施例の他の変形例は、上述したように、駆動装置が、船体に収容される少なくとも1つの高温超伝導モータHTSLMを有するように形成される。重要な特徴は、駆動装置と1つ若しくは複数のプロペラとを接続するトルクトランスミッション部によるギヤ増速(gear increase)である。駆動装置の他の実施例において記述したように、かかるトルクトランスミッション部は、かかるトルクトランスミッション部の一部が収容される水中ポッドに設けられ、例えば、周知の他の構造により実現されるが、このように実現されなくともよい。
【0050】
好ましくは、1つの実施例によるトルクトランスミッション部は、水中ポッドにおいてトルクの一部だけを伝達するリングギヤ・ベベルギヤ対と、水中ポッド内において少なくとも略全トルクをプロペラに伝達するギヤ減速を伴う各プロペラに割り当てられた遊星ギヤとを有している。このようにして、非常に小さな高温超伝導モータHTSLMが、ギヤ増速を伴わない変形例と対比して使用され得る。高温超伝導モータHTSLMの特定の要求の故に、まず、高温超伝導モータHTSLMの利点を活用するのに、次にそして主に、船舶推進の分野における高温超伝導モータHTSLMの基本的な利用、すなわちスペース及びパワーに関して制限された可動式の装置にとって、これは非常に重要な利点である。
【0051】
より小さな高温超伝導モータHTSLMは、冷却条件がより低いという利点を有する。このように、まず、船舶における高温超伝導モータの装置が、原理的には、初めて可能であるか、若しくは少なくとも非常に簡単である。次に、「より小さな」高温超伝導モータHTSLMにとっての課題は、高温超伝導モータHTSLMの大きな、すなわち、特に、高いパワーの変形例の負担より非常に低い。このように、特に有利なように、船舶における高温超伝導モータHTSLMの装置の非常に好ましい実現が達成される。本発明によれば、小さなトルクを有する高温超伝導モータHTSLMが使用され得る。なぜなら、トルク伝達部におけるギヤ増速に関連して、小さな高温超伝導モータHTSLMにより比較的低い費用で達成され得る高トルクが、例えば水中ギヤにおけるトルクを補償するからである。例えば、上述した遊星ギヤによる構造により、高トルクが1つ若しくは複数のプロペラに使用可能である。従って、小さな高温超伝導モータHTSLMにおける高いパワーモータと比較すると、同一のパワーが、本発明によるギヤにより、高い回転速度であるが、より小さなトルクで提供され得、必要な高トルクが1つ若しくは複数のプロペラにおけるトルク伝達部に提供され得る。
【0052】
図4に全体及び部分断面を示した推進ユニットPを有する船舶推進ユニットSすなわちダブルプロペラ駆動装置21の第4実施例では、駆動装置は、好ましくは垂直な駆動シャフトAWを介して実現される。その後、力の伝達は、水中ポッド3のポッドハウジングHにおいて、上方ピニオンギヤRoと下方ピニオンギヤRuとに分けられる。これら2つのピニオンギヤRo及びRuは、2つのリングギヤ23及び24の1つだけと係合しており、ピニオンギヤRo及びRuを伴う2つのベベルギヤステージK1若しくはK2の1つをそれぞれ形成している。
【0053】
これら2つの別々のベベルギヤ伝達ステージK1及びK2は、例えば、90°より小さな軸角度、2つのピニオンギヤRo及びRuの間の角度若しくは半径方向の軸のオフセットを補正する平衡シャフト(equalizing shaft)22の使用、又は異なるギヤ半径により実現され得る。90°より小さな角度の使用は、ポッドGが矢印27により示される流れの向きに傾斜するという好適な効果を生ずる。85°の有利であり且つ特に好ましい角度αは、船舶における船尾の推進ユニット用の流れの典型的な角度に対応する。
【0054】
伝達されるべきパワーは、2つのギヤに分けられ、そして、これらギヤステージK1及びK2は異なるギヤ比を有し得るので、ダブルプロペラ駆動装置21のシステムは、ポッド直径に関して非常に小さな構造を有し、流れを大量に(freely)受けるフロントプロペラ25を低回転速度に最適化させ得、高回転速度は、加速流を操作するリアプロペラ26に提供され得る。
【0055】
さらに、かかる形態は、典型的であり達成可能なギヤセットの寸法を用いて、機械的舵取りプロペラが大きな出力を実現することを可能にする。
【0056】
方法及び装置の特徴は、同じように、すでに上記において説明したように、装置及び方法の記載から明らかになる。
【0057】
本発明は、説明及び図面において、単なる例である実施例を用いて説明されたが、これら実施例に限定されない。代わりに、本発明は、当業者が、本発明の記載、特には、特許請求の範囲、発明の開示、及び発明の詳細な説明から考え得、そして、当該技術分野及び先端技術からの技術的知識を組み合わされ得る変形物、変更物、代替物及び組み合わせの全てを含んでいる。特に、本発明及び本発明の実施例の個々の特徴及び可能な構造の全てが組み合わされ得る。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】図1は長手軸断面におけるダブルプロペラ駆動装置の第1実施例の全体図である。
【図2】図2は長手軸断面におけるダブルプロペラ駆動装置の第2実施例の全体図である。
【図3】図3は長手軸断面におけるダブルプロペラ駆動装置の第3実施例の全体図である。
【図4】図4は長手軸断面におけるダブルプロペラ駆動装置の第4実施例の全体図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
船体内の駆動部と、フロントプロペラ及びリアプロペラを伴う船体の外に配置される水中ポッドと、前記駆動部と前記プロペラとの間のトルク伝達部と、を含む船舶推進ユニットであって、
前記トルク伝達部は、両プロペラにより共有されるトルク伝達シャフトを含んでおり、
前記トルク伝達シャフトは、前記駆動部から前記水中ポッド、フロントトランスミッション部、及びリアトランスミッション部へトルクを伝達し、
前記フロントトランスミッション部は前記水中ポッドに配置され且つ前記2つのプロペラの前記共有トルク伝達シャフトと前記フロントプロペラとの間に配置されており、
前記リアトランスミッション部は前記2つのプロペラの前記共有トルク伝達シャフトとリアプロペラとの間に配置されていることを特徴とする船舶推進ユニット。
【請求項2】
トルクの一部だけが、対応する回転速度において、前記トルク伝達シャフトを介して、前記2つのプロペラに伝達されることを特徴とする請求項1に記載の船舶推進ユニット。
【請求項3】
前記トルク伝達シャフトを介して、トルクの約15%乃至約40%、特には20%乃至約35%、好ましくは約25%乃至30%だけが、対応する回転速度において前記2つのプロペラに伝達されることを特徴とする請求項2に記載の船舶推進ユニット。
【請求項4】
少なくとも1つのリングギヤ・ベベルギヤ対が前記トルク伝達シャフトに割り当てられ、回転の向きを反対にし、トルクの一部が、1つ若しくはリングギヤ・ベベルギヤ対を介して、対応する回転速度において、前記2つのプロペラに伝達されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載の船舶推進ユニット。
【請求項5】
1つ若しくは複数の前記リングギヤ・ベベルギヤ対を介して、トルクの約15%乃至約40%、特には約20%乃至約35%、好ましくは約25%乃至約30%だけが、対応する回転速度において、前記2つのプロペラに伝達されることを特徴とする請求項4に記載の船舶推進ユニット。
【請求項6】
前記フロントトランスミッション部はフロント遊星ギヤを含み、かつ/または前記リアトランスミッション部はリア遊星ギヤを含んでいることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1つに記載の方法。
【請求項7】
前記フロント遊星ギヤ及び/若しくは前記リア遊星ギヤは、対応する前記プロペラにおいて少なくとも略全トルクを伝達するギヤ減速をなすことを特徴とする請求項6に記載の船舶推進ユニット。
【請求項8】
前記フロント遊星ギヤ及び/若しくは前記リア遊星ギヤは、約2乃至約5、特には約2.5乃至約4.5、好ましくは約3乃至約4のギヤ減速をなすことを特徴とする請求項6若しくは7に記載の船舶推進ユニット。
【請求項9】
前記フロントトランスミッション部は、フロントリングギヤとフロントピニオンギヤとを含んでおり、当該フロントピニオンギヤはかかるフロントリングギヤと係合しており、前記トルク伝達シャフトと結合しており、かつ/または前記リアトランスミッション部は、リアリングギヤとリアピニオンギヤとを含んでおり、当該リアピニオンギヤはかかるリアリングギヤと係合しており、前記トルク伝達シャフトと結合していることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1つに記載の船舶推ユニット。
【請求項10】
前記フロントピニオンギヤ及び/若しくは前記リアピニオンギヤは、前記トルク伝達シャフト上に位置していることを特徴とする請求項9に記載の船舶推進ユニット。
【請求項11】
前記フロントピニオンギヤ及び/若しくは前記リアピニオンギヤは、前記トルク伝達シャフトによる回転に対して固定されていることを特徴とする請求項10に記載の船舶推進ユニット。
【請求項12】
前記フロントリングギヤ・フロントピニオンギヤ対及び/若しくは前記リアリングギヤ・リアピニオンギヤ対は、対応する前記プロペラにおいて少なくとも略全トルクを伝達するギヤ減速をなすことを特徴とする請求項9乃至11のいずれか1つに記載の船舶推進ユニット。
【請求項13】
前記フロントリングギヤ・フロントピニオンギヤ対及び/若しくは前記リアリングギヤ・リアピニオンギヤ対は、約2乃至約5、特には約2.5乃至約4.5、好ましくは約3乃至約4のギヤ減速をなすことを特徴とする請求項12に記載の船舶推進ユニット。
【請求項14】
前記フロントトランスミッション部及び前記リアトランスミッション部は、前記2つのプロペラが同じ向きに回転するように形成されていることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1つに記載の船舶推進ユニット。
【請求項15】
前記フロントトランスミッション部及び前記リアトランスミッション部は、前記2つのプロペラが反対向きに回転するように形成されていることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1つに記載の船舶推進ユニット。
【請求項16】
回転の向きを反対にする装置があり、かかる装置により、前記2つのプロペラが同じ向き若しくは反対の向きに回転するように調整され得ることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1つに記載の船舶推進ユニット。
【請求項17】
前記フロントトランスミッション部及び前記リアトランスミッション部は、前記2つのプロペラが異なる速度で回転するように形成されていることを特徴とする請求項1乃至16のいずれか1つに記載の船舶推進ユニット。
【請求項18】
前記フロントトランスミッション部及び前記リアトランスミッション部は、前記リアプロペラが前記フロントプロペラより速く回転するように形成されていることを特徴とする請求項17に記載の船舶推進ユニット。
【請求項19】
前記2つのプロペラの少なくとも1つに作用する回転速度制御装置があり、当該回転速度制御装置により、前記2つのプロペラの間の回転速度比が調整可能であることを特徴とする請求項1乃至18のいずれか1つに記載の船舶推進ユニット。
【請求項20】
差動ギヤが前記トルク伝達シャフトと前記2つのプロペラとの間に配置されていることを特徴とする請求項1乃至19のいずれか1つに記載の船舶推進ユニット。
【請求項21】
前記2つのプロペラは、垂直軸に対して90°でない平行若しくは同軸の回転軸を有しており、前記フロントプロペラは前記リアプロペラより下方に位置していることを特徴とする請求項1乃至20のいずれか1つに記載の船舶推進ユニット。
【請求項22】
垂直軸に対する前記2つのプロペラの前記回転軸の小さな角度は、約80°乃至約89°、特には約82°乃至87°、好ましくは少なくとも約85°に等しいことを特徴とする請求項21に記載の船舶推進ユニット。
【請求項23】
前記駆動部は高温超伝導モータを有していることを特徴とする請求項1乃至22のいずれか1つに記載の船舶推進ユニット。
【請求項24】
船舶推進方法であって、船体の外側に配置された水中ポッドに割り当てられたフロントプロペラ及びリアプロペラがトルク伝達部を介して前記船体における駆動部により駆動され、前記2つのプロペラはトルク伝達シャフトを介して駆動され、前記トルク伝達シャフトは前記トルク伝達部に包含され且つ両プロペラにより共有されており、フロントトランスミッション部及びリアトランスミッション部により、前記駆動部から前記水中ポッドへトルクを伝達し、前記フロントトランスミッション部は、前記水中ポッドに配置され且つ前記2つのプロペラの前記共有トルク伝達シャフトと前記フロントプロペラとの間に配置されており、前記リアトランスミッション部は、前記2つのプロペラの前記共有伝達シャフトと前記リアプロペラとの間に配置されていることを特徴とする船舶推進方法。
【請求項25】
前記トルク伝達シャフトを介して、トルクの一部だけが、対応する回転速度において前記2つのプロペラに伝達されることを特徴とする請求項24に記載の船舶推進方法。
【請求項26】
前記トルク伝達シャフトを介して、トルクの約15%乃至約40%、特には約20%乃至約35%、好ましくは約25%乃至約30%だけが、対応する回転速度で前記2つのプロペラに伝達されることを特徴とする請求項25に記載の船舶推進方法。
【請求項27】
少なくとも1つのリングギヤ・ベベルギヤ対が、前記トルク伝達シャフトに付与され、回転の向きを反対にし、トルクの一部だけが1つ若しくは複数の前記リングギヤ・ベベルギヤ対を介して対応する回転速度で前記2つのプロペラに伝達されることを特徴とする請求項24乃至26のいずれか1つに記載の船舶推進方法。
【請求項28】
1つ若しくは複数の前記リングギヤ・ベベルギヤ対を介して、トルクの約15%乃至約40%、特には約20%乃至約35%、好ましくは約25%乃至約30%だけが、対応する回転速度において、前記2つのプロペラに伝達されることを特徴とする請求項27に記載の船舶推進方法。
【請求項29】
前記フロントトランスミッション部はフロント遊星ギヤを有し、かつ/または前記リアトランスミッション部はリア遊星ギヤを有し、前記フロント遊星ギヤ及び/若しくは前記リア遊星ギヤにより、ギヤ減速が、対応する前記プロペラにおける少なくとも略全トルクを伝達するように実現され、かつ/または前記フロント遊星ギヤ及び/若しくは前記リア遊星ギヤにより約2乃至約5、特には約2.5乃至約4.5、好ましくは約3乃至約4のギヤ減速が達成されることを特徴とする請求項24乃至28のいずれか1つに記載の船舶推進方法。
【請求項30】
前記フロントトランスミッション部はフロントリングギヤとフロントピニオンギヤとを有しており、前記フロントピニオンギヤは、かかるフロントリングギヤと係合しており、前記トルク伝達シャフトと結合しており、かつ/または前記リアトランスミッション部はリアリングギヤとリアピニオンギヤとを有しており、前記リアピニオンギヤは、かかるリアリングギヤと係合しており、前記トルク伝達シャフトと結合しており、前記フロントピニオンギヤ及び/若しくは前記リアピニオンギヤは前記トルク伝達シャフトに位置していることを特徴とする請求項24乃至29のいずれか1つに記載の船舶推進方法。
【請求項31】
前記フロントピニオンギヤ及び/若しくは前記リアピニオンギヤは前記トルク伝達シャフトと同様に回転させられることを特徴とする請求項30に記載の船舶推進方法。
【請求項32】
少なくとも略全トルクを前記プロペラに伝えるギヤ減速は、前記フロントリングギヤ・フロントピニオンギヤ対及び/若しくは前記リアリングギヤ・リアピニオンギヤ対により実現されていることを特徴とする請求項30若しくは31の1つに記載の船舶推進方法。
【請求項33】
約2乃至約5、特には約2.5乃至約4.5、好ましくは約3乃至約4のギヤ減速が、前記フロントリングギヤ・フロントピニオンギヤ対及び/若しくは前記リアリングギヤ・リアピニオンギヤ対により実現されていることを特徴とする請求項32に記載の船舶推進方法。
【請求項34】
前記トランスミッション部及び前記リアトランスミッション部は、前記2つのプロペラが同じ向きに回転するように形成されていることを特徴とする請求項24乃至33に記載の船舶推進方法。
【請求項35】
前記トランスミッション部及び前記リアトランスミッション部は、前記2つのプロペラが反対向きに回転するように形成されていることを特徴とする請求項24乃至33のいずれか1つに記載の船舶推進方法。
【請求項36】
前記2つのプロペラの少なくとも1つに作用し、回転の向きを反対にする装置があり、当該装置により、前記2つのプロペラは同じ向き若しくは反対の向きに回転するように調整され得ることを特徴とする請求項24乃至33のいずれか1つに記載の船舶推進方法。
【請求項37】
前記フロントトランスミッション部及び前記リアトランスミッション部は。前記2つのプロペラが異なる速度で回転するように形成されていることを特徴とする請求項24乃至36のいずれか1つに記載の船舶推進方法。
【請求項38】
前記フロントトランスミッション部及び前記リアトランスミッション部は、前記リアプロペラが前記フロントプロペラより速く回転するように形成されていることを特徴とする請求項37に記載の船舶推進方法。
【請求項39】
前記2つのプロペラの少なくとも1つに作用し且つ前記2つのプロペラ間の回転速度比が設定される回転速度制御装置があることを特徴とする請求項24乃至38のいずれか1つに記載の船舶推進方法。
【請求項40】
前記フロントプロペラと前記リアプロペラとの間の異なる回転速度が設定される差動ギヤが、前記トルク伝達シャフトと前記2つのプロペラとの間に配置されていることを特徴とする請求項24乃至39のいずれか1つに記載の船舶推進方法。
【請求項41】
前記2つのプロペラは、垂直軸に対して90°でない水平若しくは同軸な回転軸を有しており、前記フロントプロペラは前記リアプロペラより下に位置していることを特徴とする請求項24乃至40のいずれか1つに記載の船舶推進方法。
【請求項42】
垂直軸に対する前記2つのプロペラの前記回転軸のより小さな角度は、約80°乃至約89°、特には約82°乃至87°、好ましくは少なくとも約85°に等しいことを特徴とする請求項41に記載の船舶推進方法。
【請求項43】
前記駆動部は、前記トルク伝達シャフトが駆動される高温超伝導モータを有していることを特徴とする請求項1乃至42のいずれか1つに記載の船舶推進方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2008−545583(P2008−545583A)
【公表日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−515042(P2008−515042)
【出願日】平成18年6月9日(2006.6.9)
【国際出願番号】PCT/DE2006/000993
【国際公開番号】WO2006/131107
【国際公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【出願人】(507402897)ショッテル ゲゼルシャフトミットベシュレンクターハフトゥング (5)
【Fターム(参考)】