説明

色弱者向け駐車支援装置、色弱者向け駐車支援方法、及びプログラム

【課題】色弱者であっても運転が可能な色弱者向け駐車支援装置、色弱者向け駐車支援方法、及びプログラムを提供する。
【解決手段】車載カメラによる画像を用いて運転者への駐車支援を行う駐車支援装置において、一般色覚者用の画像と色弱者用の画像とを切り替え自在に表示する画面表示手段と、色弱者が識別可能に設定された補正色を組み合わせて提示する色の組み合わせ手段と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、色弱者向け駐車支援装置、色弱者向け駐車支援方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、画像処理技術の進展に伴い、車両にカーナビゲーション装置やデジタルテレビジョン装置を搭載することが行われるようになった。この種の装置には駐車場に駐車する際に車両後方の撮影画像を表示するものがある(例えば、特許文献1〜4参照。)。
【0003】
特許文献1に記載の発明は、車両の後方に搭載されたカメラにて車両後方を撮影した画像を表示する装置において、車両後方画像を鉛直方向から見下ろし鳥瞰画像に変換し、モニタに表示させるものである。
【0004】
特許文献2に記載の発明は、車載カメラの視野から離れる車両に近い領域を過去の画像から抽出し、視野外の画像と領域内の画像を鳥瞰画像にマッチングし、合体した画像をモニタに表示させるものである。
【0005】
特許文献3に記載の発明は、認識した駐車枠線を用いて、駐車枠線と車両の前後方向とのなす角度を算出し、この角度から車両を駐車枠内に駐車させるための駐車支援情報としてハンドル操作の回転すべき方向を決定し、この方向を画面に表示させるものである。
【0006】
特許文献4に記載の発明は、信号灯認識機が車両に搭載され、信号灯の色を正しく認識するようにしたものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した画像表示装置では、色弱の運転者に視覚に応じた表示設定を行わないことがあり、また、一般色覚者と色弱者の双方ユーザーが環境の変化により画面の表示内容を見にくい問題点があった。
【0008】
そこで本発明の目的は、色弱者であっても運転が可能な色弱者向け駐車支援装置、色弱者向け駐車支援方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、車載カメラによる画像を用いて運転者への駐車支援を行う駐車支援装置において、一般色覚者用の画像と色弱者用の画像とを切り替え自在に表示する画面表示手段と、色弱者が識別可能に設定された補正色を組み合わせて提示する色の組み合わせ手段と、を有することを特徴とする。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記色の組み合わせ手段は、前記車載カメラにて撮影された画像のうちの前記色弱者が見やすい色の組み合わせが選択可能な選択手段を有することを特徴とする。
【0011】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明において、信号灯の輪郭と色度情報を用いて信号灯を検出する信号灯検出手段と、前記信号灯検出手段により検出された信号灯の色情報を前記色弱者に提示する信号灯提示手段を有することを特徴とする。
【0012】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記車載カメラからの画面上における駐車場の駐車枠と車両とがなす角によるハンドルを切る方向を決定するハンドル方向決定手段と、前記ハンドルの操作ミスを判断する操作ミス判断手段と、前記操作ミスを前記運転者にフィードバックするためのフィードバッグ表示手段と、を有することを特徴とする。
【0013】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明において、前記フィードバッグ表示手段は、矢印と点滅の矢印とで前記画面上に表示する操作ヒントガイド表示手段を有することを特徴とする。
【0014】
請求項6記載の発明は、車載カメラによる画像を用いて運転者への駐車支援を行う駐車支援方法において、一般色覚者用の画像と色弱者用の画像とを切り替え自在に表示し、色弱者が識別可能に設定された補正色を組み合わせて提示することを特徴とする。
【0015】
請求項7記載の発明は、車載カメラによる画像を用いて運転者への駐車支援を行う駐車支援装置の制御用のプログラムにおいて、コンピュータに、画面表示手段が、一般色覚者用の画像と色弱者用の画像とを切り替え自在に表示する手順、色の組み合わせ手段が、色弱者が識別可能に設定された補正色を組み合わせて提示する手順、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、一般色覚者用の画像と色弱者用の画像とを切り替え自在に表示し、色弱者が識別可能に設定された補正色を組み合わせて提示することにより、色弱者が状況を識別することが可能となるので、色弱者であっても運転が可能な色弱者向け駐車支援装置、色弱者向け駐車支援方法、及びプログラムの提供を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】(a)は、本発明に係る色弱者向け駐車支援装置を適用した乗用車の概念図の一例であり、(b)は、(a)に示した駐車支援装置のブロック図の一例である。
【図2】図1(a)、(b)に示した駐車支援装置の動作を説明するためのフローチャートの一例である。
【図3】図1(a)、(b)に示した駐車支援装置の動作を説明するためのフローチャートの一例である。
【図4】図1に示した駐車支援装置の切替動作を示すフローチャートの一例である。
【図5】車庫入れの際に図1(a)、(b)に示したディスプレー2に表示される画像の一例である。
【図6】(a)は、図1(a)に示したディスプレー2の画面であり、(b)は(a)に示した画面の色組合せガイドの領域L1の拡大図の一例であり、(c)は、(b)の他の一例である。
【図7】図1(a)、(b)に示したディスプレー2に表示される背景の色、矢印とハンドルの色との組合せの一例である。
【図8】信号灯を認識する際のフローチャートの一例である。
【図9】信号灯の一例である。
【図10】(a)は、図1(a)に示したディスプレー2に表示される画面であり、(b)は、(a)の領域L1の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<実施の形態1>
(構 成)
図1(a)は、本発明に係る色弱者向け駐車支援装置を適用した乗用車の概念図の一例であり、図1(b)は、図1(a)に示した駐車支援装置のブロック図の一例である。
図1(a)において、乗用車の後方(図の右側)に、斜め下方を俯瞰して撮影するように配置された撮影手段としての車載カメラ(例えば、CCD(charge-coupled device)カメラ)1が搭載され、車載カメラ1で撮影された画像は乗用車に内蔵された画像処理装置3で画像処理され運転席側前面に設置されたディスプレー2に表示されるようになっている。これら、車載カメラ1、ディスプレー2、及び画像処理装置3で色弱者向け駐車支援装置が構成されている。
【0019】
図1(b)において、画像処理装置3は、CPU(central processing unit)4、ROM(read only memory)5、RAM(random access memory)6、I/F(inter face)7、及びバスライン9を有する。
画面表示手段としてのディスプレー2は、車載カメラ1で撮影した画像や必要な情報を表示する機能を有し、例えば液晶パネル(またはプラズマパネル、もしくは有機EL(electro luminescence)パネル)が挙げられる。
CPU4は、色弱者向け駐車支援装置を統括制御する機能を有し、例えばマイクロプロセッサが挙げられる。
ROM5は、動作プログラムが格納された記憶媒体であり、例えばマスクROMが挙げられる。
RAM6は、車載カメラ1で撮影した画像を一時的に記憶するための記憶媒体であり、例えば、フラッシュメモリが挙げられる。
I/F7は、車載カメラ1と画像処理装置3との間のデータの仲介を行う機能を有する。
操作部8は、リモコンスイッチが挙げられるが、ここでは、ディスプレー2に設けられたタッチパネルの場合で説明する。
バスライン9は、車載カメラ1、ディスプレー2、CPU4、ROM5、RAM6、及び操作部8間のデータや制御信号を授受する機能を有する。
【0020】
(動 作)
図3は、図1に示した駐車支援装置の動作を説明するためのフローチャートの一例である。
乗用車の駐車時に撮影が開始されると、CPU4は、車載カメラ1にて乗用車の後方を撮影した画像の各画素の輝度によって画像輝度平均値を求める(ステップS300)。
CPU4は、平均輝度値が閾値の範囲内か否かを判断し(ステップS310)、平均輝度値が閾値の範囲内であると判断すると(ステップS310/YES)、モニタにディスプレー2に表示し(ステップS320)、平均輝度値が閾値の範囲内でないと判断すると(ステップS310/NO)、平均輝度値を調整し(ステップS330)、ステップS310に戻る。すなわち、平均輝度値は、事前に設定された最適な閾値の範囲と比較し、表示された画像のコントラストを閾値の範囲内に調整するようになっている。
【0021】
図4は、図1に示した駐車支援装置の切替動作を示すフローチャートの一例である。
CPU4は、ディスプレー2のカラーの画面上に必要なメッセージ(例えば、「色支援モードに切り替えますか? はい いいえ」もしくは「カラーモードに切替ますか? はい いいえ」)を表示し(ステップS400)、色弱者用の認識しやすい画面へ切り替えるボタンを表示する(ステップS410)。
CPU4は、タッチパネルの切替ボタンが押されたか否かを判断し(ステップS410)、切替ボタン(「色支援モードに切り替えますか」の場合の「はい」)が押されたと判断すると(ステップS410/YES)、色弱者用の色支援モードで表示し(ステップS420)、切替ボタン(「色支援モードに切り替えますか」の場合の「いいえ」)が押されたと判断すると(ステップS410/NO)、一般色覚者用のカラーモードで表示する(ステップS430)。
【0022】
ここで、本システムは、一般色覚者用のカラー色画面と、色弱者が識別しやすいカラー画面との二つの画面に切り替えて表示できるようになっている。
運転者が一般色覚者の場合、そのままの画面背景と既定色のハンドルで案内する。
運転者が色弱者の場合、車載カメラ1から撮影された画像の色によって、色弱者が認識しやすいガイドの色組みあわせを選ぶことができる。
【0023】
ここで、色弱等について説明する。
色弱とは、色覚異常のうち程度の軽いものであり、特定の色について識別が困難とされている。
色弱者は、我が国内に推計約300万人いるとされ、そのうち男性の20人に1人、女性の500人に1人いるとされている。全世界では2億人を超すとされている。遺伝子変異のタイプにより、色の見え方が異なり(完全な白黒はほとんどおらず、特定の色の識別が困難な人が多い。)、治療法が見つかっていない。また、白内障等の疾患により色覚が変わる人もいる。
色弱者は、赤い文字と黒い文字との見分けがつかない場合が多く、特に紫色と青色、赤色と緑色等も混同しやすく、濃い赤色は黒色と混同しやすく、桃色と水色も混同しやすいとされている。
【0024】
このため、色弱者が識別しやすい色の例として明度を対比すると共に暖色寒色の対比をしたり(例えば、青色と黄色)、はっきりした色とパステル調を対比したり(薄オレンジ色と緑色と桃色)することが挙げられる。また、色弱者が区別しやすい色の例として例えば、黄色と黒色、黄色と青色、白色と黒色、白色と青色、白色と緑色、白色と赤色、赤色と青色の組合せが挙げられる。
【0025】
図6(a)は、図1(a)に示したディスプレー2の画面であり、図6(b)は図6(a)に示した画面の色組合せガイドの領域L1の拡大図の一例であり、図6(c)は、図6(b)の他の一例である。
図6(b)にはハンドル(ステアリング)10a、ハンドル10aを切る方向を示す矢印11a、ガイド領域L2〜L6が示されている。運転者は、操作部8を操作することによりガイド領域L2〜L6の何れかを選択することができる。
矢印11aとハンドル11aとは同色であり、領域L1における背景の色とは異なるようになっている。
【0026】
図7は、図1(a)、(b)に示したディスプレー2に表示される背景の色、矢印とハンドルの色との組合せの一例である。
例えば、運転者が操作部8を操作してディスプレー2の領域L1内のガイド領域L2を選択すると、領域L1の色(背景色)は黄色となり、矢印11aとハンドル10aの色は黒色となる(図6(a))。運転者が操作部8を操作してディスプレー2の領域L1内のガイド領域L3を選択すると、領域L1の色は黒色となり、矢印11bとハンドル10bの色は黄色となる(図6(b))。
このように背景の色と、矢印とハンドルの色とが色弱者にとって識別しやすい色で表示されるので、運転手が色弱者であってもハンドルを切る方向を瞬時に把握することができ、駐車場への車庫入れが容易になる。領域L1内の表示は操作ヒントガイド表示手段である。また、ガイド領域L2〜L6が色の組み合わせ手段である。
【0027】
ここで、車載カメラ1の視野内の領域の鳥瞰画像は特許文献1に開示された装置と同様の座標変換処理によって得られる。また、車載カメラ1の視野外の領域の合成画像は特許文献2に開示された処理と同様の処理によって得られる。さらに、特許文献3に開示された処理によって、駐車枠線を検出できる。
【0028】
次に本発明に係る色弱者向け駐車支援装置の動作について、図2、図3、及び図5を参照して説明する。
図2、及び図3は、図1(a)、(b)に示した駐車支援装置の動作を説明するためのフローチャートの一例であり、図5は、車庫入れの際に図1(a)、(b)に示したディスプレー2に表示される画像の一例である。
画像処理装置3は、車載カメラ1で撮影された画像のデータをRAM6へ格納し、画像の描写に応じてRAM6から画像データが車載ディスプレー2に出力される。
CPU4は、シフト位置がバックか否かを判断し(ステップS110)、シフト位置がバックでないと判断した場合(ステップS110/NO)、待機し、シフト位置がバックであると判断した場合(ステップS110/YES)、背景画像のコントラストの最適地を決定し、調整する(ステップS120)。
CPU4は、切替ボタンの選択を行い(ステップS130)、鳥瞰図画像を作成し(ステップS140)、カメラ視野外領域を合成し(ステップS150)、駐車枠線の検出処理を行う(ステップS160)。
CPU4は、図5に示したように検出された駐車枠L10と乗用車の前後方向とのなす角θを算出する(ステップS170)。
【0029】
次にCPU4は、ステップS170で算出したなす角θが0に近づくようにハンドルを回すべき方向を決定する(ステップS180)。
CPU4は、ハンドルを回すべき方向を矢印で画面上に案内する(ステップS190)。この時のなす角θがRAM6に格納される。乗用車の移動に従ってなす角θがRAM6に格納されたなす角θと比較し、更新する(ステップS200)。
ただし、なす角θが増大する場合、操作ミスとなっている。その時、ディスプレー2の画面の領域L1上に表示された矢印(図6(a)の矢印11a、もしくは図6(b)の矢印11b)が点滅の状態に変更される(ステップS210)。
次に、CPU4は、なす角θが±1°以内になるか否かを判断し(ステップS220)、なす角θが±1°以内でないと判断した場合(ステップS220/NO)、ステップS110に戻り、±1°以内であると判断した場合(ステップS220/YES)、駐車決定となり(ステップS230)、ステップS110に戻る。
【0030】
矢印と点滅の矢印の色表示について、前述の手順(ステップS400〜ステップS430)に従って行う。切り替えボタンを選択したら、モニタ画面上に図6(b)、もしくは図6(c)に示すガイドが表示される。
【0031】
以上の説明したように本発明によれば、駐車枠と車両前後方向とのなす角θの変化に従って、操作ヒントガイド表示手段からハンドルの操作動作を色弱者と一般色覚者の双方のユーザーに報知でき、車両を駐車枠内に駐車することできる。
【0032】
また、画像の背景の色よる色弱者のユーザーが見やすいガイドの色組み合わせを選択できるので車載カメラの撮像画像と操作ヒントガイドの両方をモニタ画面上で見やすく表示することができる。
【0033】
<実施の形態2>
図8は、信号灯を認識する際のフローチャートの一例である。
時間ごとに撮影された画像を用いて処理を行ってもよい(特許文献4参照。)。信号灯探索の流れは図8のフローチャートに示すように、気候や太陽や街灯の位置などの影響を受けて、色飽和を生じてしまうことがある。
具体的には、CPU4は、画像を入力すると(ステップ800)、無関係色を排除し(ステップS810)、飽和色閾値以上の画素を除去し(ステップS820)、画像を微分化し(ステップS830)、ハフ変換により輪郭を検出し(ステップS840)、信号灯を認識し(ステップS850)、信号灯色を認識し(ステップS860)、信号灯画像を決定するものである(ステップS870)。
【0034】
ここで、色を正しく認識するため、画像に対して、RGB(Red Green Blue)のうち二つの値が250以上かつ残りの一つの値が180以上である画素を色飽和画素として除去する。また処理を軽くするため、撮影された画像の色を赤系、青系、黄系以外に除去する。画像微分とハフ処理などの画像処理によって、信号灯(横型交通信号機)の輪郭を認識できる。信号灯のサンプルの輪郭は図9のように示した。
図9は、信号灯の一例である。
【0035】
気候と環境の変化による誤差を避けるために、あらかじめ様々な環境下で撮影した信号灯の画像を用いて、黄系、青系、赤系のヒストグラムテーブルを作成し、記憶する。記憶された各色のヒストグラムを比較対照し、抽出された信号灯の色を決定することができる。
【0036】
図10(a)は、図1(a)に示したディスプレー2に表示される画面であり、図10(b)は、図10(a)の領域L1の拡大図である。
操作部8の切り替えボタンを操作することにより、図10(b)に示すように、ハンドルを切る方向を示す画面から信号灯検出画面に切り替えることができる。
但し、信号灯を画面に表示させる構成の場合は、車載カメラ1は後部だけでなく、運転席の前か車両の前端に搭載されているものとする。
図10(b)において、領域L2〜L6は、図6(b)、(c)に示した領域と同様に色弱者にとって識別しやすい色の組合せを表示するようになっている。
信号灯の色の配置は、左側通行の日本では、右から赤、黄、青と決められている。
例えば、図10(b)では右側が点灯しているので、「赤」を意味する。この場合、色組合せガイド信号灯の点灯部20〜22の輪郭、支持部23の輪郭、及び点灯部22の内側は黒色で表示され、支持部23の内側、及び点灯していない点灯部20、21は黄色で表示される。
【0037】
以上において、本実施の形態によれば、色弱者であっても信号灯の点灯状態を容易に把握することができる。
【0038】
<プログラム及び記憶媒体>
以上で説明した本発明にかかる色弱者向け駐車支援装置は、コンピュータで処理を実行させるプログラムによって実現されている。コンピュータとしては、例えばマイクロプロセッサなどの汎用的なものが挙げられるが、本発明はこれに限定されるものではない。よって、一例として、プログラムにより本発明を実現する場合の説明を以下で行う。
【0039】
車載カメラによる画像を用いて運転者への駐車支援を行う駐車支援装置の制御用のプログラムにおいて、
コンピュータに、
(1)画面表示手段が、一般色覚者用の画像と色弱者用の画像とを切り替え自在に表示する手順、
(2)色の組み合わせ手段が、色弱者が識別可能に設定された補正色を組み合わせて提示する手順、を実行させるプログラムが挙げられる。
【0040】
これにより、プログラムが実行可能なコンピュータ環境さえあれば、どこにおいても本発明にかかる色弱者向け駐車支援装置を実現することができる。
このようなプログラムは、コンピュータに読み取り可能な記憶媒体に記憶されていてもよい。
【0041】
ここで、記憶媒体としては、例えば、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、フレキシブルディスク(FD)、CD−R(CD Recordable)、DVD(Digital Versatile Disk)などのコンピュータで読み取り可能な記憶媒体、フラッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、FeRAM(強誘電体メモリ)等の半導体メモリやHDD(Hard Disc Drive)が挙げられる。
【0042】
なお、上述した実施の形態は、本発明の好適な実施の形態の一例を示すものであり、本発明はそれに限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲内において、種々変形実施が可能である。
【符号の説明】
【0043】
1 車載カメラ
2 ディスプレー
3 画像処理部
4 CPU
5 ROM
6 RAM
7 I/F
8 操作部
9 バスライン
10a、10b ハンドル(ステアリング)
11a、11b 矢印
12 支持部
20〜22 点灯部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0044】
【特許文献1】特許第3663801号公報
【特許文献2】特許第3677458号公報
【特許文献3】特開2007−161193号公報
【特許文献4】特開2009−15759号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車載カメラによる画像を用いて運転者への駐車支援を行う駐車支援装置において、
一般色覚者用の画像と色弱者用の画像とを切り替え自在に表示する画面表示手段と、
色弱者が識別可能に設定された補正色を組み合わせて提示する色の組み合わせ手段と、を有することを特徴とする色弱者向け駐車支援装置。
【請求項2】
前記色の組み合わせ手段は、前記車載カメラにて撮影された画像のうちの前記色弱者が見やすい色の組み合わせが選択可能な選択手段を有することを特徴とする請求項1記載の色弱者向け駐車支援装置。
【請求項3】
信号灯の輪郭と色度情報を用いて信号灯を検出する信号灯検出手段と、
前記信号灯検出手段により検出された信号灯の色情報を前記色弱者に提示する信号灯提示手段を有することを特徴とする請求項1記載の色弱者向け駐車支援装置。
【請求項4】
前記車載カメラからの画面上における駐車場の駐車枠と車両とがなす角によるハンドルを切る方向を決定するハンドル方向決定手段と、
前記ハンドルの操作ミスを判断する操作ミス判断手段と、
前記操作ミスを前記運転者にフィードバックするためのフィードバッグ表示手段と、を有することを特徴とする請求項1記載の色弱者向け駐車支援装置。
【請求項5】
前記フィードバッグ表示手段は、矢印と点滅の矢印とで前記画面上に表示する操作ヒントガイド表示手段を有することを特徴とする請求項4記載の色弱者向け駐車支援装置。
【請求項6】
車載カメラによる画像を用いて運転者への駐車支援を行う駐車支援方法において、
一般色覚者用の画像と色弱者用の画像とを切り替え自在に表示し、
色弱者が識別可能に設定された補正色を組み合わせて提示することを特徴とする色弱者向け駐車支援方法。
【請求項7】
車載カメラによる画像を用いて運転者への駐車支援を行う駐車支援装置の制御用のプログラムにおいて、
コンピュータに、
画面表示手段が、一般色覚者用の画像と色弱者用の画像とを切り替え自在に表示する手順、
色の組み合わせ手段が、色弱者が識別可能に設定された補正色を組み合わせて提示する手順、を実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2010−264777(P2010−264777A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−115345(P2009−115345)
【出願日】平成21年5月12日(2009.5.12)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】