説明

芯体、管状体の製造方法

【課題】芯体に塗布された樹脂溶液を加熱することで発生する収縮によるしわと、当該溶液を加熱することで発生するガスによる膨れと、を抑制する。
【解決手段】外周面に塗布された樹脂溶液が加熱により硬化されて管状体が製造される円筒状又は円柱状の芯体本体と、前記芯体本体の軸方向中央部を含む前記外周面に形成された離型層と、前記芯体本体の軸方向一端部及び他端部のそれぞれにおいて前記外周面の周方向に沿って断続的に複数形成され、当該一端部及び他端部のそれぞれにおける前記芯体本体の周方向の全周において当該芯体本体の軸方向のいずれかの箇所に存在し、前記離型層よりも離型性が低下した低下部分と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、芯体、管状体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ポリイミド前駆体溶液を円筒状芯体表面に塗布し、ポリイミド前駆体塗膜を形成するポリイミド前駆体塗膜形成工程と、該ポリイミド前駆体塗膜を乾燥し、加熱反応させてポリイミド樹脂皮膜を形成するポリイミド樹脂皮膜形成工程と、加熱反応後のポリイミド樹脂皮膜を100℃以上にて円筒状芯体から剥離するポリイミド樹脂皮膜剥離工程と、を含むポリイミド樹脂製無端ベルトの製造方法において、前記円筒状芯体の表面に離型剤層が形成されており、該円筒状芯体の両端部に、前記離型剤層が部分的に存在しない箇所が設けられているポリイミド樹脂製無端ベルトの製造方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−255708号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、芯体に塗布された樹脂溶液を加熱して管状体とする際のしわの発生を抑制することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明は、外周面に塗布された樹脂溶液が加熱により硬化されて管状体が製造される円筒状又は円柱状の芯体本体と、前記芯体本体の軸方向中央部を含む前記外周面に形成された離型層と、前記芯体本体の軸方向一端部及び他端部のそれぞれにおいて前記外周面の周方向に沿って断続的に複数形成され、当該一端部及び他端部のそれぞれにおける前記芯体本体の周方向の全周において当該芯体本体の軸方向のいずれかの箇所に存在し、前記離型層よりも離型性が低下した低下部分と、を備える芯体である。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1に記載の芯体をその軸方向を水平にして回転させながら、その回転する芯体の外周面に樹脂溶液を塗布して塗膜を形成する塗布工程と、前記塗膜を加熱により硬化する硬化工程と、前記硬化工程で硬化された塗膜を前記芯体から脱型する脱型工程と、を備える管状体の製造方法である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の請求項1の構成によれば、本構成に係る低下部分を備えない場合に比べ、芯体に塗布された樹脂溶液を加熱して管状体とする際のしわの発生を抑制できる。
【0008】
本発明の請求項2の製造方法によれば、本製造方法に係る芯体を用いない場合に比べ、しわの少ない管状体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】らせん塗布方法の一例を説明するための説明図である。
【図2】らせん塗布方法の一例を説明するための説明図である。
【図3】芯体の構成の一例を示す概略図である。
【図4】加熱工程の一例を説明するための説明図である。
【図5】脱型工程の一例を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明に係る実施形態の一例を図面に基づき説明する。なお、図面では、理解を容易にするために、説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。また、同様の機能を有する部材には、全図面を通じて同じ符合を付与し、その説明を省略することがある。本実施形態では、管状体の一例としての中間転写ベルトの製造方法を例に説明するが、本実施形態に係る製造方法を定着ベルト・用紙搬送ベルト等のその他の管状体の製造に適用してもよい。
【0011】
<塗布工程>
本実施形態の中間転写ベルトの製造方法は、芯体をその軸方向を水平にして回転させながら、その回転する芯体の外周面に、樹脂溶液を塗布して塗膜を形成する塗布工程を備えている。
【0012】
中間転写ベルトを構成する樹脂は、強度や寸法安定性、耐熱性等の面から、例えば、ポリイミド樹脂(以下、PIという場合がある)やポリアミドイミド樹脂(以下、PAIという場合がある)が使用されるが、これらに限定されるものではない。PIまたはPAIとしては、種々の公知のものを用いることができ、PIの場合はその前駆体を塗布することもある。
【0013】
樹脂溶液であるPI前駆体溶液は、例えば、テトラカルボン酸二無水物とジアミン成分を、溶剤中で反応させることによって得られる。各成分の種類は特に制限されないが、芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミン成分とを反応させて得られるものが、皮膜強度の点から好ましい。
【0014】
上記芳香族テトラカルボン酸の代表例としては、例えば、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、あるいはこれらのテトラカルボン酸エステル、又は上記各テトラカルボン酸類の混合物等が挙げられる。
【0015】
一方、上記芳香族ジアミン成分としては、パラフェニレンジアミン、メタフェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノフェニルメタン、ベンジジン、3,3’−ジメトキシベンジジン、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン等が挙げられる。
【0016】
一方、PAIは、酸無水物、例えばトリメリット酸無水物、エチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート、プロピレングリコールビスアンヒドロトリメリテート、ピロメリット酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸無水物等と、上記ジアミンを組み合わせて、当モル量で重縮合反応することで得られる。PAIはアミド基を有するため、イミド化反応が進んでも溶剤に溶解し易いので、100%イミド化したものが好ましい。
【0017】
樹脂溶液に含まれる溶剤としては、例えば、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、アセトアミド等の非プロトン系極性溶剤が用いられる。溶液の濃度・粘度等に限定はないが、本実施形態において望ましい溶液の固形分濃度は10質量%以上40質量%以下、粘度は1Pa・s以上100Pa・s以下である。
【0018】
樹脂溶液には必要に応じて導電性粒子を添加してもよい。樹脂溶液に分散する導電性粒子としては、例えば、カーボンブラック、カーボンファイバー、カーボンナノチューブ、グラファイト等の炭素系物質、銅、銀、アルミニウム等の金属又は合金、酸化錫、酸化インジウム、酸化アンチモン等の導電性金属酸化物、チタン酸カリウム等のウィスカー、等が挙げられる。中でも、液中の分散安定性、半導電性の発現性、価格等の観点で、カーボンブラックは特に好ましい。
【0019】
導電性粒子の分散方法としては、ボールミル、サンドミル(ビーズミル)、ジェットミル(対抗衝突型分散機)等、公知の方法をとることができる。分散助剤として、界面活性剤やレベリング剤等を添加してもよい。導電性粒子の分散濃度は、樹脂成分100部(質量部、以下同様)に対して、10部以上40部以下、特には15部以上35部以下が好ましい。
【0020】
本実施形態において、樹脂溶液の塗布方法は特に限定されるものではないが、例えば、らせん塗布方法が用いられる。図1及び図2は、らせん塗布方法の説明図である。
【0021】
当該らせん塗布方法では、図1及び図2に示すように、円筒状又は円柱状の芯体30をその軸方向を水平にして、回転装置40により軸周り(矢印B方向)に回転させながら、樹脂溶液50を流下装置52から流下して芯体30の外周面30Aに付着させる。樹脂溶液50は、樹脂溶液50を貯留するタンク54からポンプ56により供給管58を通じて流下装置52に供給される。芯体30の外周面30Aに付着した樹脂溶液50は、へら60によって平滑化される。なお、芯体30の具体的な構成については、後述する。
【0022】
流下装置52とへら60とは、芯体30の軸方向(矢印C方向)に移動可能に支持されており、芯体30を予め設定された回転速度で回転させた状態で、流下装置52とへら60とが芯体30の軸方向(矢印C方向)に移動しつつ樹脂溶液50を吐出することで、芯体30の表面に螺旋状に樹脂溶液50が塗布され、へら60で平滑化されて螺旋状の筋が消滅され、継ぎ目のない塗膜62が形成される。膜厚は、できあがり後の状態で、例えば、50μm乃至150μmの範囲で、必要に応じて設定される。
【0023】
(芯体の構成)
本実施形態に係る芯体30は、図2及び図3に示すように、外周面32A(外周面30A)に塗布された樹脂溶液が加熱により硬化されて管状体が製造される円筒状又は円柱状の芯体本体32と、芯体本体32の軸方向中央部を含む外周面32Aに形成された離型層34と、芯体本体32の軸方向一端部及び他端部のそれぞれにおいて外周面32Aの周方向に沿って断続的に複数形成され離型層34よりも離型性が低下した低下部分36と、を備えている。なお、図2及び図3において、芯体本体32(芯体30)の周方向が矢印Yにて示され、図3において、芯体本体32(芯体30)の軸方向が矢印Xにて示されている。
【0024】
低下部分36は、芯体本体32の軸方向一端部及び他端部のそれぞれにおける芯体本体32の周方向の全周において、芯体本体32の軸方向のいずれかの箇所に存在している。
【0025】
具体的には、以下のように低下部分36が構成されている。すなわち、各低下部分36は、芯体本体32の周方向に長さを有する矩形状に形成されている。低下部分36は、芯体本体32の周方向に沿って断続的に配置されて列37を構成している。詳細には、当該列37において、低下部分36は、芯体本体32の周方向に一定間隔で複数配置されている。
【0026】
本実施形態では、低下部分36の列37が、芯体本体32の軸方向一端部及び他端部のそれぞれにおいて、2つ設けられている。各列37において、芯体本体32の周方向に隣り合う低下部分36の間には、隙間Sが形成されている。複数の隙間S同士の周方向長さは、同じとされており、隙間Sの周方向長さは、低下部分36の周方向長さよりも小さくされている。当該2つの列37のうちの一方における隙間Sの軸方向に、当該2つの列37のうちの他方における低下部分36が存在するようになっている。
【0027】
なお、低下部分36が、芯体本体32の軸方向一端部及び他端部のそれぞれにおける芯体本体32の周方向の全周において、芯体本体32の軸方向のいずれかの箇所に存在していれば、他の構成を採用してもよい。例えば、低下部分36の形状は、矩形状に限られず、その他の四角形状等であってもよい。また、低下部分36は、芯体本体32の周方向に一定間隔で配置される構成に限られず、芯体本体32の周方向に異なる間隔で配置されていてもよい。また、列37は、芯体本体32の軸方向一端部及び他端部のそれぞれにおいて、3列以上あってもよい。
【0028】
本実施形態で用いられる芯体本体32の材料としては、例えば、アルミニウムやステンレス等の金属が用いられる。芯体本体32(芯体30)の幅(軸方向の長さ)は、目的とする管状体以上の幅(軸方向長さ)が必要であるが、端部に生じる無効領域に対する余裕領域を確保するため、目的とする中間転写ベルトの幅より、10%乃至40%程度長いことが望ましい。芯体本体32(芯体30)の周長(周方向長さ)は、例えば、目的とする中間転写ベルトの長さと同等か、わずかに大きくされる。なお、低下部分36は、当該無効領域に設けられている。
【0029】
円筒状の芯体本体32(芯体30)の厚さは、0.5mm乃至10mm程度が好適である。これよりも薄い場合は溶接が困難であり、厚い場合は円筒形に丸めるのが難しくなる。芯体本体32(芯体30)は、例えば、四角形の金属製板材を予め定められた幅と長さに切断した後、丸めて当該板材の両端部同士を溶接接合することで得られる。
【0030】
離型層34は、例えば、無機化合物、シリコン系樹脂、フッ素系樹脂から選ばれる材料を芯体本体32の外周面32Aに被覆することで構成されている。上記材料の芯体本体32の外周面32Aへの被覆は、例えば、上記材料による離型剤を芯体本体32の外周面32Aに塗布した後、芯体本体32を加熱して焼き付けることでなされる。また、離型層34としては、例えば、芯体本体32の外周面32Aに対するクロムやニッケル等のメッキ処理によって構成してもよい。
【0031】
低下部分36は、例えば、UV処理等の改質により、離型層34よりも離型性が低下されて構成される。また、低下部分36としては、研磨処理等により、離型層34を部分的に除去することにより形成してもよい。また、芯体本体32を予め部分的にマスキングしてから芯体本体32に上記材料による離型剤を塗布して離型層34を形成することで、マスキングした部分を低下部分36として構成してもよい。
【0032】
<乾燥工程>
本実施形態の中間転写ベルトの製造方法は、塗膜を乾燥させる乾燥工程を備えている。なお、「乾燥」とは、塗膜62を構成する熱硬化性溶液に含まれる溶剤を、定められた量以上まで蒸発させるために加熱することをいう。
【0033】
具体的には、芯体30を上述の回転装置40により回転させたまま、加熱して乾燥させることが好ましい。加熱条件は、80℃以上200℃以下の温度で、10分以上60分以下が好ましく、温度が高いほど加熱時間、乾燥時間は短くてよい。加熱の際、熱風を当てることも有効である。加熱は段階的に温度を上昇させてもよいし、一定速度で上昇させてもよい。加熱中は、塗膜の垂れを抑制すべく、芯体30を5rpm乃至60rpm程度でゆっくり回転させてもよい。
【0034】
<加熱工程>
本実施形態の中間転写ベルトの製造方法は、乾燥した塗膜を加熱により硬化する硬化工程の一例として加熱工程を備えている。
【0035】
加熱工程は、樹脂溶液にPI前駆体溶液等の加熱により硬化反応を生ずる材料を用いた際に必要となる。加熱工程では、図4に示すように、加熱炉80に芯体を入れて加熱する。加熱温度は、好ましくは250℃以上450℃以下、より好ましくは300℃以上350℃以下程度であり、20分乃至60分間、PI前駆体液の塗膜を加熱させることでイミド化反応が起こり、PI樹脂皮膜が形成される。加熱反応の際、加熱の最終温度に達する前に、温度を段階的、又は一定速度で徐々に上昇させて加熱することが好ましい。
【0036】
なお、樹脂溶液がPAI溶液の場合には、溶剤を乾燥させる乾燥工程により硬化して皮膜が形成される。従って、製造方法としては、加熱工程を備えなくてもよい。
【0037】
なお、このような高い温度では、回転装置に備えられるロールは耐熱性がないため、上記加熱工程では、芯体を回転装置からおろして加熱炉80に入れるのがよい。通常は、芯体の軸方向を重力方向に沿った状態、すなわち、垂直に立てて加熱炉80に入れる。加熱炉80としては、内部の温度ムラをなるべくなくすために、垂直に立てられた芯体の上方から熱風を吹き出す構成を有するものが好ましい。また、芯体上部に熱風が直に吹き当たるのを防止するため、図4に示すように、芯体上部に風を遮断する遮蔽部材82を設置してもよい。遮蔽部材82としては、芯体の一端を覆うことのできるものであればその形状に特に限定はない。
【0038】
<脱型工程>
本実施形態の中間転写ベルトの製造方法は、加熱工程によって形成された皮膜(硬化された塗膜)を芯体から脱型する脱型工程を備えている。
【0039】
脱型工程では、例えば、加熱工程終了後、芯体30を加熱炉80から取り出し、室温に冷やされた後、図5に示すように、空気注入部84によって、皮膜62と芯体30の外周面30Aの軸方向端部との隙間に空気が注入されることによって、皮膜62を芯体から抜き取る。これにより、中間転写ベルトが得られる。得られた皮膜の端部には、しわや、膜厚の不均一等の欠陥があるため、不要部分が切断され、中間転写ベルトとなる。中間転写ベルトには、必要に応じて、穴あけ加工やリブ付け加工、等が施されることがある。
【0040】
本実施形態により得られる中間転写ベルトは、感光体などから画像が転写され、その画像を記録媒体に転写する転写体であり、電子写真複写機やレーザープリンタ等の画像形成装置に使用される。
【0041】
(本実施形態の作用)
本実施形態では、芯体本体32に離型層34が形成されているため、皮膜(硬化された塗膜)62と芯体30とが分離しやすく、当該塗膜62を芯体30から抜き取りやすい。
【0042】
また、本実施形態では、上記乾燥工程及び上記加熱工程により、樹脂溶液50の溶剤が蒸発することで塗膜62の収縮が発生する。円筒状の塗膜62の収縮のうち、半径方向内側への収縮(図5の矢印S1参照)は、芯体30によって規制される。軸方向内側への収縮(図5の矢印S2参照)は、低下部分36に塗膜62が付着すること、又は、低下部分36によって軸方向内側への移動抵抗を受けることで抑制される。
【0043】
本実施形態では、芯体本体32の軸方向一端部及び他端部のそれぞれにおける芯体本体32の周方向の全周において、芯体本体32の軸方向のいずれかの箇所に存在しているため、軸方向内側への収縮が、芯体本体32の周方向の全周において抑制される。
【0044】
また、本実施形態では、上記乾燥工程及び上記加熱工程において、樹脂溶液50の溶剤の蒸気と、樹脂溶液50の加熱反応による水の蒸気とが、塗膜62から芯体30との間に放出されるが、当該気体及び蒸気は、低下部分36の間に形成された隙間Sを通って、芯体30の軸方向両端から排出される。このため、塗膜62が提灯状に膨れることが抑制される。
【0045】
本発明は、上記の実施形態に限るものではなく、種々の変形、変更、改良が可能である。例えば、上記に示した変形例は、適宜、複数を組み合わせて構成しても良い。
【符号の説明】
【0046】
30 芯体
32 芯体本体
34 離型層
36 低下部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周面に塗布された樹脂溶液が加熱により硬化されて管状体が製造される円筒状又は円柱状の芯体本体と、
前記芯体本体の軸方向中央部を含む前記外周面に形成された離型層と、
前記芯体本体の軸方向一端部及び他端部のそれぞれにおいて前記外周面の周方向に沿って断続的に複数形成され、当該一端部及び他端部のそれぞれにおける前記芯体本体の周方向の全周において当該芯体本体の軸方向のいずれかの箇所に存在し、前記離型層よりも離型性が低下した低下部分と、
を備える芯体。
【請求項2】
請求項1に記載の芯体をその軸方向を水平にして回転させながら、その回転する芯体の外周面に樹脂溶液を塗布して塗膜を形成する塗布工程と、
前記塗膜を加熱により硬化する硬化工程と、
前記硬化工程で硬化された塗膜を前記芯体から脱型する脱型工程と、
を備える管状体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−39785(P2013−39785A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−179433(P2011−179433)
【出願日】平成23年8月19日(2011.8.19)
【特許番号】特許第4998641号(P4998641)
【特許公報発行日】平成24年8月15日(2012.8.15)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】