苗移植機
【課題】従来から公知の装置は、フロートの前側に軸架された整地ローターが、強制回転駆動されて整地作用を行う構成になっているが、それ以外の作用は期待されていない。本件出願は、前記整地ローターに本来の整地機能に加えて、土壌の硬軟度を検出する検出手段として利用するものである。
【解決手段】走行車体の後部に、制御手段(4)を装備した苗植付装置を連結して、接地センサ(5)の検出値に基づいて植付深さを設定位置に保持するために昇降制御作用を行う構成としている。前記苗植付装置の下側に設けたセンターフロート(6)の前側に、独立して上下動する中央整地作業装置(7)を設け、前記制御手段(4)は、前記中央整地作業装置(7)が上下動により検出した土壌の硬軟度に基づいて昇降制御の感度を補正する構成とした苗移植機としている。
【解決手段】走行車体の後部に、制御手段(4)を装備した苗植付装置を連結して、接地センサ(5)の検出値に基づいて植付深さを設定位置に保持するために昇降制御作用を行う構成としている。前記苗植付装置の下側に設けたセンターフロート(6)の前側に、独立して上下動する中央整地作業装置(7)を設け、前記制御手段(4)は、前記中央整地作業装置(7)が上下動により検出した土壌の硬軟度に基づいて昇降制御の感度を補正する構成とした苗移植機としている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車輪によって荒らされた圃場面を整地する整地作業装置を、フロートの前側に装備した苗移植機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、この種の代掻装置を装備した苗移植機は、既に公知の作業機として知られている。一例を示すと、耕起した圃場の表層土壌の未代掻部分を、凹凸のない状態で、かつ作物の成育条件の良い状態に代掻することができると共に、この代掻と同時に植付けを行うことができ、しかも、中間のフロートにより接地圧感知を良好に行いながら既に植付けた苗を押し倒すことがない代掻同時植付機における代掻装置が公開されている。
【0003】
上記した公開技術は、本件出願前に公開されている特開平6−125617号公開特許公報(特許文献1参照)に、図面と共につぎのとおり記載されている。すなわち、走行輪の後部に、複数の植付体と圃場面を滑走するフロート等を有する植付装置を配設し、該植付装置の前部に強制回転駆動される3個の代掻ローターを横方向に配列し、中間の代掻ローターを両側のものより前方位置に設けた代掻同時植付機における代掻装置が開示されている。
【特許文献1】特開平6−125617号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のこの種装置は、上記した特許文献1に見られるように、各植付装置の前側に配置されているフロートの前方位置に整地ローターとなる代掻ローターが軸架されて強制回転駆動する構成となっているが、この整地ローターは、圃場の表層土を代掻する機能のみで他に活用する工夫がされてない点に課題がある。
【0005】
本件出願の発明は、苗植付装置による苗の植付深さを、常に最適に保つために昇降制御装置を装備しているが、前記整地ローターに本来の整地機能に加えて、土壌の硬軟度を検出する検出手段として利用し、昇降制御手段に検出信号を入力できる構成として、前記苗植付装置の昇降制御作用を、土壌の硬軟度に合わせてできるように制御を補正する構成とすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、上記課題を解決するために、請求項1に記載した発明は、走行車体(1)の後部の昇降リンク装置(2)によって昇降する苗植付装置(3)を設け、接地センサ(5)の検出値に基づいて植付深さを設定位置に保持するために苗植付装置(3)を昇降制御する制御手段(4)を設けた苗移植機において、前記苗植付装置(3)は、その下側に設けたセンターフロート(6)の前側に中央整地作業装置(7)を、左右両側のサイドフロート(8)の前側に左右整地作業装置(9)をそれぞれ配置した構成とし、前記中央整地作業装置(7)及び左右整地作業装置(9)へ伝動する伝動機構(10)を設け、中央整地作業装置(7)及び左右整地作業装置(9)を苗植付装置(3)に対して上下調節可能に支持して設け、中央整地作業装置(7)を左右整地作業装置(9)に対して独立的に上下動可能に支持して設け、前記制御手段(4)は、前記中央整地作業装置(7)の上下動により検出した土壌の硬軟度に基づいて苗植付装置(3)の昇降制御の感度を補正する構成とした苗移植機であって、圃場の土壌の硬軟度に応じた昇降制御を行うものとしている。
【0007】
すなわち、昇降制御装置(制御手段(4))は、接地センサ(5)の検出に基づいて制御する構成を採用しているが、接地センサ(5)の検出時の反応が硬い土壌の場合と、軟い土壌の場合とでは、同程度の表土の深さであっても、検出値に差異が生じ、硬い土壌では接地センサ(5)が表土面から強い接地圧を受け、逆に、軟らかい土壌による弱い接地圧との差が発生する。したがって、請求項1の発明は、中央整地作業装置(7)の上下動を、予め検出して制御手段(4)に入力し、制御手段(4)では、入力された上下動を表土面の硬軟度に置き換えて昇降制御の補正をし、各圃場の土壌に合わせて昇降制御を行い、苗植付装置(3)による苗の植付深さを、常に、適する高さに保持せんとするものである。
【0008】
つぎに、請求項2に記載した発明は、前側に中央整地作業装置(7)を配置したセンターフロート(6)を、前記接地センサ(5)とした請求項1記載の苗移植機であって、表土の硬軟度を検出する中央整地作業装置(7)のすぐ後ろに配置したセンターフロート(6)を接地センサ(5)にすることによって昇降制御の精度を高めることができる。
【発明の効果】
【0009】
まず、請求項1に記載した発明は、制御手段(4)による昇降制御作用を接地センサ(5)の検出に基づいて制御する構成を採用しているが、接地センサ(5)の検出時の反応が、硬い土壌の場合と、軟い土壌の場合とでは、同程度の表土の深さであっても、硬い土壌では接地センサ(5)が表土面から強い接地圧を受け、逆に、軟らかい土壌による弱い接地圧との差が生じて検出値に差異が発生する。
【0010】
したがって、請求項1の発明は、中央整地作業装置(7)の上下動を、予め、検出して制御手段(4)に入力して、制御手段(4)では、その検出情報を表土面の硬軟度に置き換えて演算して昇降制御の補正を行って、圃場における土壌の硬軟度に応じた適確な昇降制御を行う効果がある。
【0011】
このように、この発明の苗植付装置(3)は、圃場ごとに、或いは同一圃場内でも場所ごとに差異のある土壌の硬軟度に左右されず、苗の植付深さを、常に、設定高さに保持できる。
【0012】
そして、請求項2に記載した発明は、請求項1に記載した発明の効果に加えて、表土の硬軟度を検出する中央整地作業装置(7)のすぐ後ろに配置したセンターフロート(6)を接地センサ(5)にすることによって、硬軟度を検出した土壌面のすぐ後で接地圧を検出できるから、昇降制御の補正と接地圧とが適確に関連して昇降制御作用の精度を大幅に高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、この発明の実施例を図面に基づいて具体的に説明する。
まず、苗植付装置3は、図3、乃至図5に示すように、走行車体1の後部に昇降リンク装置2によって上下昇降自由に装着され、乗用型田植機が構成されている。
【0014】
そして、走行車体1は、駆動輪である左右一対の前輪15,15、及び左右一対の後輪16,16を備えた四輪駆動車両であって、機体の前部にミッションケース17が配置され、そのミッションケース17の左右両側に前輪ファイナルケース18,18が設けられ、該左右ファイナルケース18,18の操向方向を変更可能な各々の前輪支持部から外向きに突出する左右前輪車軸に前記した左右の前輪15,15が軸架されている。そして、前記ミッションケース17の背面部にメインフレーム19の前端部が固着されており、そのメインフレーム19の後端左右中央部に前後水平に設けた後輪ローリング軸を支点にして後輪ギヤケース20,20から外向きに突出する後輪車軸に前記した後輪16,16が軸架されている。
【0015】
なお、図7に示す16a,16aは、左右後輪16,16の内側に装着された補助輪である。
つぎに、エンジン21は、図3に示すように、前記メインフレーム19の上に搭載されており、該エンジン21の回転動力がベルト伝動装置22、及びHST23を介して前記したミッションケース17に伝達される構成としている。そして、ミッションケース17に入力された回転動力は、該ケース内のトランスミッションにより変速された後、走行動力と外部取出動力とに分岐されて取出す構成としている。そして、走行動力は、一部が前輪ファイナルケース18,18に伝達されて前輪15,15を駆動する構成とし、残りが後輪ギヤケース20,20に伝達されて後輪16,16を駆動するように分配伝動する構成をとっている。
【0016】
更に、外部取出動力は、走行車体1の後部に設けた植付クラッチケース24に伝達され、それから植付伝動軸25によって苗植付装置3へ伝動される構成としている。
そして、操縦座席26は、前記エンジン21の上方を覆ったエンジンカバー27の上側に装置し、前方側には各種操作機構を有するフロントカバー28を配置し、その上方位置にステアリングハンドル30を設けて構成している。31はフロアステップ、32は後輪フェンダを示している。
【0017】
そして、走行車体1の前部左右両側には、補給用の予備苗を載置する予備苗載台33,33を機体より側方に張り出す位置と内側に収納した位置とに回動可能に構成している。
そして、既に述べた昇降リンク装置2は、図3、及び図5に示すように、上下リンク34,35による平行リンク機構に構成し、基部側をメインフレーム19の後端部に立設した背面視門型のリンクベースフレーム36に上下回動自由に取り付け、先端部を縦リンク37に連結して構成している。そして、苗植付装置3は、前記縦リンク37の下端部分に回転自由に挿入して連結された連結軸38を中心にしてローリング作動自在に連結した構成としている。
【0018】
そして、苗植付装置3は、図3に示すように、走行車体1の後部に装備した昇降油圧シリンダ40のピストン側を前記昇降リンク装置2に接続して設け、詳細な図示は省略したが、これの伸縮作動に伴って略一定の姿勢のまま上下に昇降する構成としている。
【0019】
つぎに、苗植付装置3は、図3、及び図4に示すように、6条植の構成で、フレームを兼ねた伝動ケース41、マット苗を載せて左右往復移動して苗を一株分づつ各条の苗取出口42に供給すると共に、横一列分の苗を全ての苗取出口42に供給する苗送りベルト43により苗を下方に移送する苗載せ台44、苗取出口42に供給された苗を圃場に植付ける植付杆45等を装備している。
【0020】
そして、苗植付装置3は、図5、及び図7に示すように、下側の中央位置にセンターフロート6、その左右両側にサイドフロート8,8をそれぞれ配置して設け、走行車体1の前進に伴って滑走しながら植付け直前の圃場面を均平に均す構成としている。そして、各フロート6,8,8は、圃場表土面の凹凸に応じて前端側が上下動できるように後部が枢着して支持されているが、特に、センターフロート6は、図1のブロック図に示すように、接地センサ5を兼ねており、前部の上下動する迎角を検出して検出情報として制御手段4(実施例では「コントローラ4」と云う)に入力できる構成としている。
【0021】
そして、コントローラ4は、接地センサ5(上記センターフロート6)から入力された検出情報に基づいて、予め記憶している基準値と比較演算して前記昇降油圧シリンダ40側のアクチュエータ(図示は省略したが、油路の切換バルブ)に制御信号を出力し、苗植付装置3を昇降制御しながら苗の植付深さを常に一定に維持する構成としている。
【0022】
そして、苗植付装置3は、荒れた圃場の表土を整地して均す3つの整地作業装置7,9,9を設けるが、図7に示すように、前記センターフロート6の前側に中央整地作業装置7を軸架して位置させ、左右両側のサイドフロート8,8の前側には、左右整地作業装置9,9を軸架して位置した構成としている。なお、上記各整地作業装置7,9,9は、広く知られている代掻ローター類似の構造となっており、駆動回転されて表土を整地する構成としている。
【0023】
つぎに、上記3つの整地作業装置7,9,9の支持構造について述べる。
まず、図6に示すように、苗載せ台44の支持枠体46(左右の支柱29,29に架渡された横向きの支持杆)に基部を固着した左右アーム47,47の先端に回動自在に支持された梁部材48と両端に固着した左右支持アーム49,49と該支持アーム49,49に各々回動自在に取り付けられた左右整地作業装置支持フレーム50,50が設けられている。そして、該左右整地作業装置支持フレーム50,50の下端部近くは、図5で解るように、伝動ケース41に基部が回動自在に取り付けられた左右連結部材51,51が連結されている。
【0024】
そして、左右整地作業装置支持フレーム50,50の下端が左右整地作業装置9,9を回転自在に支持する部位(軸受け部)は、各左右後輪16,16の左右中心線よりも機体中央位置にずれた位置(図6参照)になっており、左右後輪16,16により掻乱された泥土面を左右整地作業装置9,9により良好に整地され、適切な苗の移植作用が行われる構成としている。
【0025】
そして、左右整地作業装置9,9は、図7に示すように、駆動軸52,52の内側から機体前方に向けて伝動機構10に相当する左右チエンケース53,53を配置し、該左右チエンケース53,53の間に中央整地作業装置7の駆動軸55を軸支して構成している。
【0026】
そして、伝動機構10は、図7に示すように、後輪16,16のギヤケース20,20内のギヤから伝動自在継手56を介して左整地作業装置9の駆動軸52に動力を伝達し、該左駆動軸52から左チエンケース53内のチエンにて中央整地作業装置7の駆動軸55に伝達し、更に、駆動軸55の右端部から右チエンケース53内のチエンにて右整地作業装置9の駆動軸52に動力を伝達する構成としている。
【0027】
そして、中央整地作業装置7は、図6に示すように、上記梁部材48の略中間部位に基部を固着したリンク部材58の先端に上下方向の支持部材59を回動自在に連結し、図5に示すように、該支持部材59に設けた複数の係合孔(調節孔)60,60,60に上部を係合させたスプリング61の下端部を中央整地作業装置7の前部に接続して左右の中心部位で吊下げられた構成としている。
【0028】
つぎに、整地作業装置7,9,9を上下位置調節、及び収納位置に操作する構成を、図6に基づいて説明する。
まず、苗載せ台51の前記支持枠体46の左右方向中央部に基部を固着して下方に向けて設けたコ字状支持体62に、機体前方に向けた枢支ピン63を固着し、該枢支ピン63に整地作業装置7,9,9の上下位置調節レバー65を機体左右方向に回動操作自在に枢支している。そして、該上下位置調節レバー65の下端部には、折曲片66が固着されており、レバー65を機体の左右方向に操作すると、該折曲片66が、回動自在に支持されている梁部材48に固着された突出部67に下方から接当して上下方向に回動する構成となっている。
【0029】
そして、折曲片66は、前記突出部67の下側に接当しているので、該突出部67が、上下位置調節レバー65の機体右方(図6の矢印S方向)の回動で、上向きに梁部材48を中心として回動する構成としている。
【0030】
そして、前記梁部材48の上向き回動により左右支持アーム49,49と左右整地作業装置支持フレーム50,50とが上向きの回動により左右整地作業装置9,9は、上方に移動し、且つ、梁部材48に基部が固着されているリンク部材58と支持部材59も上方に移動し、スプリング61を介して中央整地作業装置7の前部も上方に吊り上げられる構成となっている。
【0031】
逆に、前記上下位置調節レバー65を、前記矢印Sの反対方向に回動操作すると、折曲片66は、突出部67の下側から右側に離れので整地作業装置7,9,9の重みで梁部材48を中心に下向きに回動するから、3つの整地作業装置7,9,9は、全て、下方に移動する構成になっている。
【0032】
そして、前記上下位置調節レバー65は、苗植付装置3の中央位置で操縦座席26と苗載せ台44との間に配置された構成となっている。
又、整地作業装置7,9,9は、整地しない収納位置まで上動させるときには、前記レバー65を、大きく右方向(収納位置まで)に操作すると、既に説明した上動操作と同じ要領で,苗載せ台44の裏側の収納位置まで上昇させることができる構成としている。なお、上下位置調節レバー65は、案内位置に設けたレバーガイドに沿って移動操作し、途中の適宜位置で係止できる構成としている。
【0033】
以上、説明した実施例は、上下位置調節レバー65の標準位置で圃場面より40mmの高さにある左右整地作業装置9,9を、図6の矢印S方向への回動操作で標準位置より最大15mm高くなり、矢印Sの逆方向への回動操作で最大15mm低くなる設定としている。この整地作業装置7,9,9の上下調節は、フロート6,8,8の後部回動支点を上下動させて苗の植付深さの変更を行う際に、同時に行って、適正な整地作用ができるように操作するものとしている。
【0034】
特に、苗移植作業時に苗の植付深さを常に一定に維持するために、苗植付装置4を昇降制御するための接地センサ5として機能するセンターフロート6は、前後長さを長くして接地面積を前後方向に長くしないと適切に苗植付装置3の昇降制御が行えない。そこで、センターフロート6の前側に配置した中央整地作業装置7は、サイドフロート8,8の前側に配置した左右整地作業装置9,9よりも前方位置にある構成としているが、これら3つの整地作業装置7,9,9は、伝動機構となる左右チエンケース53,53により一体構成とし、上下位置調節レバー65で上下できるものとしている。このように、苗植付装置3は、構成を比較的簡潔にまとめて軽量な整地作業装置7,9,9付きの構成とし、軽量であることにより水田内での走行性能が優れ、苗の移植作業を良好に行うことができる。
【0035】
以上のように構成した3つの整地作業装置7,9,9は、既に説明したように、整地作業中に、左右整地作業装置9,9とは別に、単独で上下できる中央整地作業装置7を表土の硬軟度を検出する検出器(表土硬軟センサ)として利用し、図1に示すように、上下動を検出してコントローラ4に入力できる構成としている。
【0036】
そして、コントローラ4は、上記検出情報が入力されると、中央整地作業装置7の上下動を土壌面の硬軟度に置き換えて演算して、昇降制御の感度の補正を行う構成としている。
【0037】
実施例の場合、コントローラ4は、中央整地作業装置7の上下動から判定するとき、上がると硬い表土と判定して昇降制御の基準値を感度の鈍い側に補正する構成としている。なお、制御の感度の補正調節は、センターフロート6(接地センサ5)の迎い角の基準値を補正するのに止まらず、フロート6の押圧力の調節、又は制御の不感帯の調節、或いは、昇降制御の出力速度の補正調節等の手段が考えられる。
【0038】
このようにして、上述した実施例は、走行車体1を圃場内で前進させながら苗の移植作業を行う場合、駆動回転している3つの整地作業装置7,9,9の内、表土からの接地圧を受けて単独に上下できる中央整地作業装置7を、土壌の硬軟センサとして上下動を検出してコントローラ4に検出情報を入力するものとしている。
【0039】
つぎに、作用の概略を、図2に示すフローチャートに基づいて説明すると、コントローラ4は、上記検出情報に基づいて、中央整地作業装置7が基準高さの位置にある場合(通常の上下範囲内)、基準高さに比較して下側で前進する場合(表土が軟らかい)、上側で前進する場合(表土が硬い)の3つの態様に分類してそれぞれ適した補正を行うことになる。
【0040】
そして、コントローラ4は、センターフロート6から入力される迎い角度の検出情報に基づいて演算を行って昇降制御の制御信号を出力することになるが、その場合、コントローラ4は、既に表土の硬軟に基づく補正を行なっているから、圃場の土壌の硬軟の度合いに応じて制御信号が出力され、実状に合った昇降制御が行われ、苗移植機の植付深さを適する高さに保持できることになる。
【0041】
そして、実施例の昇降制御作動は、表土硬軟センサとなる中央整地作業装置7のすぐ後ろ側で滑走するセンターフロート6を接地センサ5として、その迎い角を検出するから、両方の検出位置が接近しており、精度の高い昇降制御が行われる。
【0042】
そして、中央整地作業装置7は、一つの実施例として、上側に押し上げられるほど回転速度が高速に変速されるようにチエンケース内に、変速装置を設けて増速する構成にしておくと、中央整地作業装置7が上側に持ち上げられるほど整地性能が向上して小石があれば排除できる利点がある。
【0043】
そして、前記中央整地作業装置7は、既に説明した吊下げ用の支持部材59をピッチング用のシリンダに置き換えて構成すれば、ピッチングセンサとして利用することもできる。通常、ピッチング制御装置は、前後方向の傾斜をレベルセンサで検出して行うが、実施例の場合、苗植付装置3は、作業中に、中央整地作業装置7が下から押し上げられて上下動する作動に基づいて上記シリンダが伸縮して上下ピッチング作動を行うことができる。
【0044】
つぎに、整地作業装置7,9,9の伝動機構について別の実施例を説明する。
従来の構成では、各整地作業装置7,9の間に設けるチエンケース53と上側の入力軸56(図5、及び図7に示す実施例では自在継手56)とが干渉する障害(整地作業装置7,9,9を上昇移動操作するときに多く発生していた。)があり、更に、中央整地作業装置7と左右整地作業装置9,9との間(無整地区間)、整地作業のできない幅が広くなる課題があった。
【0045】
まず、チエンケース53は、図8、及び図9に示すように、先端側の出力軸70を中央整地作業装置7の駆動軸55に伝動可能に接続し、基部側に軸架した入力軸71を入力伝動ケース72と左整地作業装置9の駆動軸52に伝動可能に連結した構成としている。そして、上記入力伝動ケース72は、図面に示すように、チエンケース53に接近させて接合状態に設けて上側に延長して上下に重ねた構成にして上部に入力軸56(既に説明した伝動自在継手軸)を連結して軸受支持した構成としている。
【0046】
このように構成すると、実施例は、図9に示すように、平面視で横幅が狭くなって、中央整地作業装置7と左整地作業装置との間隔(前記した無整地区間)が狭くなって左右の整地区間が接近し広く整地できる利点がある。更に、チエンケース53は、整地作業装置7,9,9を上部作業位置に上動したり、更に高い収納位置まで上昇移動操作をしても、入力軸56に干渉する障害が解消された特徴がある。
【0047】
つぎに、走行車体1の後部に苗植付装置3を連結して構成した乗用型田植機において、後輪16,16の車輪跡を消すためのレーキ装置75に関する実施例を説明する。
まず、車輪跡を消すためのレーキ装置75は、図10、及び図11に示すように、後車軸支持機枠部76(後輪ギヤケース20,20の内側に設けた)に基部を枢着した上下回動自由のレーキ取付アーム77の先端部にレーキを装着して設け、表土を整地できる位置まで下降した時、左右の後輪16,16の通過後に位置して、左右後輪16,16の通過跡を整地して消すことができる構成としている。なお、図10に示す実施例は、前記レーキ取付アーム77の中間部に左右両車輪16,16の間を整地する中央レーキ78を設けている。
【0048】
上記した実施例のレーキ装置75は、後車軸支持機枠部76を回動支点にしてレーキ取付アーム77が上下するから上下の高さに影響されることなく円弧軌跡で回動して、常に、後輪16,16の外周から一定の間隔が保持でき、更に、周囲の部材に干渉することもない特徴がある。
【0049】
このように構成したレーキ装置75は、走行車体1の旋回操作に関連して表土面近くまで下降して後輪16,16の通過跡を整地して消すことができる構成としている。図10に示す実施例は、ピットマンアーム79に一端部を連結した連動ワイヤー80の他端部をレーキ取付アーム77に接続して設け、旋回時にステアリングハンドル30の操舵操作(旋回可能に一定角度以上に大きくハンドルを切ったとき)に連動してレーキ取付アーム77が下方に回動してレーキ装置75が整地位置に達する構成としている。
【0050】
そして、図11に示した実施例は、ステアリングハンドル30(ピットマンアーム79)に代えて、左右のブレーキペダル81,81にロッド82を介して接続してブレーキ旋回をする場合にレーキ装置75が車輪跡を消す位置に下降できる構成としている。
【0051】
この場合、ブレーキペダル81,81は、左、又は右のいずれか一方を踏み込んだときにのみレーキ装置75が、図11の仮想線で示すように、後輪16,16の後に下降し整地することになる。この構成において、ペダル81,81は、サイドクラッチペダルに置き換えて構成しても同様の効果が期待できる。
【0052】
このように、実施例は、旋回操作装置(ステアリングハンドル30、左右ブレーキペダル81,81、又はサイドクラッチペダル)の旋回操作時のみにレーキ装置が後輪16,16の後に下降して車輪跡を整地して消すことができ、事後の苗移植が適確にできるものとなっている。
【0053】
なお、レーキ装置75は、図10、及び図11に示す場合、連動機構を利用した機械的手段で上下させる構成としたが、これを制御手段に置き換えて電気的に検出スイッチ(センサ)、及び制御モータ等によってレーキ取付アーム77を上下昇降する構成にするのは自由であり、同様の効果が期待できる。そして、レーキ装置75は、旋回走行が完了すると、元の収納位置まで上昇して待機できる構成としている。
【0054】
つぎに、前記レーキ装置75は、下降する必要がないとき、或いは下降すると危険なときには下降できないように規制手段を設けている。例えば、規制手段は、左右の両方のブレーキペダル81,81を連結具で一体に連結したとき(通常の路上走行時)、及び前後進切替えレバーがバック走行の位置にあるとき、或いは、変速レバーが路上走行速の位置(例えば、副変速が高速位置にあるとき)にあるとき、又は変速レバーが超低速の位置にあるとき等にはレーキ装置75が上下作動できない構成として安全を保持するものとしている。
【0055】
前記の各実施例は、レーキ装置75が旋回操作に関連して下降する構成であるが、これを、旋回前の予備操作、例えば、苗植付装置3を上昇させると、これに関連してレーキ装置75が所定の位置に下降する構成にすることもできる。乗用田植機は、旋回前に苗植付装置3を上昇させ、安全に旋回する作業慣行がある。
【0056】
そして、レーキ装置75は、下降して停止する位置を昇降リンク装置2の回動角度をセンサ(ポテンショメータ)で検出して表土面に合わせた整地に適する高さ位置を設定できる構成にすることができる。
【0057】
このように構成すれば、レーキ装置75は、下降して整地する位置が自動的に決定されるから、従来のように、下降不足で浅過ぎ整地不充分であったり、又は下降が過ぎて深くなり負荷が大きくなって不具合が発生する等の障害をなくして、常に適確な整地が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】制御機構を示すブロック図
【図2】制御作用のフローチャート図
【図3】乗用型田植機の側面図
【図4】図3の乗用型田植機の平面図
【図5】図3の苗植付装置の側面図
【図6】図3の苗載台の支持構造の正面図
【図7】図3の苗植付装置の平面図
【図8】整地作業装置の入力伝動機構の側面図
【図9】入力伝動機構の切断平面図
【図10】別実施例のレーキ装置を設けた乗用田植機の側面図
【図11】別実施例のレーキ装置を設けた乗用田植機の側面図(a:全体図、b:旋回時の部分図)
【図12】別実施例の乗用田植機の平面図
【符号の説明】
【0059】
1 走行車体 2 昇降リンク装置
3 苗植付装置 4 制御手段
5 接地センサ 6 センターフロート
7 中央整地作業装置 8 サイドフロート
9 左右の整地作業装置 10 伝動機構。
【技術分野】
【0001】
この発明は、車輪によって荒らされた圃場面を整地する整地作業装置を、フロートの前側に装備した苗移植機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、この種の代掻装置を装備した苗移植機は、既に公知の作業機として知られている。一例を示すと、耕起した圃場の表層土壌の未代掻部分を、凹凸のない状態で、かつ作物の成育条件の良い状態に代掻することができると共に、この代掻と同時に植付けを行うことができ、しかも、中間のフロートにより接地圧感知を良好に行いながら既に植付けた苗を押し倒すことがない代掻同時植付機における代掻装置が公開されている。
【0003】
上記した公開技術は、本件出願前に公開されている特開平6−125617号公開特許公報(特許文献1参照)に、図面と共につぎのとおり記載されている。すなわち、走行輪の後部に、複数の植付体と圃場面を滑走するフロート等を有する植付装置を配設し、該植付装置の前部に強制回転駆動される3個の代掻ローターを横方向に配列し、中間の代掻ローターを両側のものより前方位置に設けた代掻同時植付機における代掻装置が開示されている。
【特許文献1】特開平6−125617号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のこの種装置は、上記した特許文献1に見られるように、各植付装置の前側に配置されているフロートの前方位置に整地ローターとなる代掻ローターが軸架されて強制回転駆動する構成となっているが、この整地ローターは、圃場の表層土を代掻する機能のみで他に活用する工夫がされてない点に課題がある。
【0005】
本件出願の発明は、苗植付装置による苗の植付深さを、常に最適に保つために昇降制御装置を装備しているが、前記整地ローターに本来の整地機能に加えて、土壌の硬軟度を検出する検出手段として利用し、昇降制御手段に検出信号を入力できる構成として、前記苗植付装置の昇降制御作用を、土壌の硬軟度に合わせてできるように制御を補正する構成とすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、上記課題を解決するために、請求項1に記載した発明は、走行車体(1)の後部の昇降リンク装置(2)によって昇降する苗植付装置(3)を設け、接地センサ(5)の検出値に基づいて植付深さを設定位置に保持するために苗植付装置(3)を昇降制御する制御手段(4)を設けた苗移植機において、前記苗植付装置(3)は、その下側に設けたセンターフロート(6)の前側に中央整地作業装置(7)を、左右両側のサイドフロート(8)の前側に左右整地作業装置(9)をそれぞれ配置した構成とし、前記中央整地作業装置(7)及び左右整地作業装置(9)へ伝動する伝動機構(10)を設け、中央整地作業装置(7)及び左右整地作業装置(9)を苗植付装置(3)に対して上下調節可能に支持して設け、中央整地作業装置(7)を左右整地作業装置(9)に対して独立的に上下動可能に支持して設け、前記制御手段(4)は、前記中央整地作業装置(7)の上下動により検出した土壌の硬軟度に基づいて苗植付装置(3)の昇降制御の感度を補正する構成とした苗移植機であって、圃場の土壌の硬軟度に応じた昇降制御を行うものとしている。
【0007】
すなわち、昇降制御装置(制御手段(4))は、接地センサ(5)の検出に基づいて制御する構成を採用しているが、接地センサ(5)の検出時の反応が硬い土壌の場合と、軟い土壌の場合とでは、同程度の表土の深さであっても、検出値に差異が生じ、硬い土壌では接地センサ(5)が表土面から強い接地圧を受け、逆に、軟らかい土壌による弱い接地圧との差が発生する。したがって、請求項1の発明は、中央整地作業装置(7)の上下動を、予め検出して制御手段(4)に入力し、制御手段(4)では、入力された上下動を表土面の硬軟度に置き換えて昇降制御の補正をし、各圃場の土壌に合わせて昇降制御を行い、苗植付装置(3)による苗の植付深さを、常に、適する高さに保持せんとするものである。
【0008】
つぎに、請求項2に記載した発明は、前側に中央整地作業装置(7)を配置したセンターフロート(6)を、前記接地センサ(5)とした請求項1記載の苗移植機であって、表土の硬軟度を検出する中央整地作業装置(7)のすぐ後ろに配置したセンターフロート(6)を接地センサ(5)にすることによって昇降制御の精度を高めることができる。
【発明の効果】
【0009】
まず、請求項1に記載した発明は、制御手段(4)による昇降制御作用を接地センサ(5)の検出に基づいて制御する構成を採用しているが、接地センサ(5)の検出時の反応が、硬い土壌の場合と、軟い土壌の場合とでは、同程度の表土の深さであっても、硬い土壌では接地センサ(5)が表土面から強い接地圧を受け、逆に、軟らかい土壌による弱い接地圧との差が生じて検出値に差異が発生する。
【0010】
したがって、請求項1の発明は、中央整地作業装置(7)の上下動を、予め、検出して制御手段(4)に入力して、制御手段(4)では、その検出情報を表土面の硬軟度に置き換えて演算して昇降制御の補正を行って、圃場における土壌の硬軟度に応じた適確な昇降制御を行う効果がある。
【0011】
このように、この発明の苗植付装置(3)は、圃場ごとに、或いは同一圃場内でも場所ごとに差異のある土壌の硬軟度に左右されず、苗の植付深さを、常に、設定高さに保持できる。
【0012】
そして、請求項2に記載した発明は、請求項1に記載した発明の効果に加えて、表土の硬軟度を検出する中央整地作業装置(7)のすぐ後ろに配置したセンターフロート(6)を接地センサ(5)にすることによって、硬軟度を検出した土壌面のすぐ後で接地圧を検出できるから、昇降制御の補正と接地圧とが適確に関連して昇降制御作用の精度を大幅に高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、この発明の実施例を図面に基づいて具体的に説明する。
まず、苗植付装置3は、図3、乃至図5に示すように、走行車体1の後部に昇降リンク装置2によって上下昇降自由に装着され、乗用型田植機が構成されている。
【0014】
そして、走行車体1は、駆動輪である左右一対の前輪15,15、及び左右一対の後輪16,16を備えた四輪駆動車両であって、機体の前部にミッションケース17が配置され、そのミッションケース17の左右両側に前輪ファイナルケース18,18が設けられ、該左右ファイナルケース18,18の操向方向を変更可能な各々の前輪支持部から外向きに突出する左右前輪車軸に前記した左右の前輪15,15が軸架されている。そして、前記ミッションケース17の背面部にメインフレーム19の前端部が固着されており、そのメインフレーム19の後端左右中央部に前後水平に設けた後輪ローリング軸を支点にして後輪ギヤケース20,20から外向きに突出する後輪車軸に前記した後輪16,16が軸架されている。
【0015】
なお、図7に示す16a,16aは、左右後輪16,16の内側に装着された補助輪である。
つぎに、エンジン21は、図3に示すように、前記メインフレーム19の上に搭載されており、該エンジン21の回転動力がベルト伝動装置22、及びHST23を介して前記したミッションケース17に伝達される構成としている。そして、ミッションケース17に入力された回転動力は、該ケース内のトランスミッションにより変速された後、走行動力と外部取出動力とに分岐されて取出す構成としている。そして、走行動力は、一部が前輪ファイナルケース18,18に伝達されて前輪15,15を駆動する構成とし、残りが後輪ギヤケース20,20に伝達されて後輪16,16を駆動するように分配伝動する構成をとっている。
【0016】
更に、外部取出動力は、走行車体1の後部に設けた植付クラッチケース24に伝達され、それから植付伝動軸25によって苗植付装置3へ伝動される構成としている。
そして、操縦座席26は、前記エンジン21の上方を覆ったエンジンカバー27の上側に装置し、前方側には各種操作機構を有するフロントカバー28を配置し、その上方位置にステアリングハンドル30を設けて構成している。31はフロアステップ、32は後輪フェンダを示している。
【0017】
そして、走行車体1の前部左右両側には、補給用の予備苗を載置する予備苗載台33,33を機体より側方に張り出す位置と内側に収納した位置とに回動可能に構成している。
そして、既に述べた昇降リンク装置2は、図3、及び図5に示すように、上下リンク34,35による平行リンク機構に構成し、基部側をメインフレーム19の後端部に立設した背面視門型のリンクベースフレーム36に上下回動自由に取り付け、先端部を縦リンク37に連結して構成している。そして、苗植付装置3は、前記縦リンク37の下端部分に回転自由に挿入して連結された連結軸38を中心にしてローリング作動自在に連結した構成としている。
【0018】
そして、苗植付装置3は、図3に示すように、走行車体1の後部に装備した昇降油圧シリンダ40のピストン側を前記昇降リンク装置2に接続して設け、詳細な図示は省略したが、これの伸縮作動に伴って略一定の姿勢のまま上下に昇降する構成としている。
【0019】
つぎに、苗植付装置3は、図3、及び図4に示すように、6条植の構成で、フレームを兼ねた伝動ケース41、マット苗を載せて左右往復移動して苗を一株分づつ各条の苗取出口42に供給すると共に、横一列分の苗を全ての苗取出口42に供給する苗送りベルト43により苗を下方に移送する苗載せ台44、苗取出口42に供給された苗を圃場に植付ける植付杆45等を装備している。
【0020】
そして、苗植付装置3は、図5、及び図7に示すように、下側の中央位置にセンターフロート6、その左右両側にサイドフロート8,8をそれぞれ配置して設け、走行車体1の前進に伴って滑走しながら植付け直前の圃場面を均平に均す構成としている。そして、各フロート6,8,8は、圃場表土面の凹凸に応じて前端側が上下動できるように後部が枢着して支持されているが、特に、センターフロート6は、図1のブロック図に示すように、接地センサ5を兼ねており、前部の上下動する迎角を検出して検出情報として制御手段4(実施例では「コントローラ4」と云う)に入力できる構成としている。
【0021】
そして、コントローラ4は、接地センサ5(上記センターフロート6)から入力された検出情報に基づいて、予め記憶している基準値と比較演算して前記昇降油圧シリンダ40側のアクチュエータ(図示は省略したが、油路の切換バルブ)に制御信号を出力し、苗植付装置3を昇降制御しながら苗の植付深さを常に一定に維持する構成としている。
【0022】
そして、苗植付装置3は、荒れた圃場の表土を整地して均す3つの整地作業装置7,9,9を設けるが、図7に示すように、前記センターフロート6の前側に中央整地作業装置7を軸架して位置させ、左右両側のサイドフロート8,8の前側には、左右整地作業装置9,9を軸架して位置した構成としている。なお、上記各整地作業装置7,9,9は、広く知られている代掻ローター類似の構造となっており、駆動回転されて表土を整地する構成としている。
【0023】
つぎに、上記3つの整地作業装置7,9,9の支持構造について述べる。
まず、図6に示すように、苗載せ台44の支持枠体46(左右の支柱29,29に架渡された横向きの支持杆)に基部を固着した左右アーム47,47の先端に回動自在に支持された梁部材48と両端に固着した左右支持アーム49,49と該支持アーム49,49に各々回動自在に取り付けられた左右整地作業装置支持フレーム50,50が設けられている。そして、該左右整地作業装置支持フレーム50,50の下端部近くは、図5で解るように、伝動ケース41に基部が回動自在に取り付けられた左右連結部材51,51が連結されている。
【0024】
そして、左右整地作業装置支持フレーム50,50の下端が左右整地作業装置9,9を回転自在に支持する部位(軸受け部)は、各左右後輪16,16の左右中心線よりも機体中央位置にずれた位置(図6参照)になっており、左右後輪16,16により掻乱された泥土面を左右整地作業装置9,9により良好に整地され、適切な苗の移植作用が行われる構成としている。
【0025】
そして、左右整地作業装置9,9は、図7に示すように、駆動軸52,52の内側から機体前方に向けて伝動機構10に相当する左右チエンケース53,53を配置し、該左右チエンケース53,53の間に中央整地作業装置7の駆動軸55を軸支して構成している。
【0026】
そして、伝動機構10は、図7に示すように、後輪16,16のギヤケース20,20内のギヤから伝動自在継手56を介して左整地作業装置9の駆動軸52に動力を伝達し、該左駆動軸52から左チエンケース53内のチエンにて中央整地作業装置7の駆動軸55に伝達し、更に、駆動軸55の右端部から右チエンケース53内のチエンにて右整地作業装置9の駆動軸52に動力を伝達する構成としている。
【0027】
そして、中央整地作業装置7は、図6に示すように、上記梁部材48の略中間部位に基部を固着したリンク部材58の先端に上下方向の支持部材59を回動自在に連結し、図5に示すように、該支持部材59に設けた複数の係合孔(調節孔)60,60,60に上部を係合させたスプリング61の下端部を中央整地作業装置7の前部に接続して左右の中心部位で吊下げられた構成としている。
【0028】
つぎに、整地作業装置7,9,9を上下位置調節、及び収納位置に操作する構成を、図6に基づいて説明する。
まず、苗載せ台51の前記支持枠体46の左右方向中央部に基部を固着して下方に向けて設けたコ字状支持体62に、機体前方に向けた枢支ピン63を固着し、該枢支ピン63に整地作業装置7,9,9の上下位置調節レバー65を機体左右方向に回動操作自在に枢支している。そして、該上下位置調節レバー65の下端部には、折曲片66が固着されており、レバー65を機体の左右方向に操作すると、該折曲片66が、回動自在に支持されている梁部材48に固着された突出部67に下方から接当して上下方向に回動する構成となっている。
【0029】
そして、折曲片66は、前記突出部67の下側に接当しているので、該突出部67が、上下位置調節レバー65の機体右方(図6の矢印S方向)の回動で、上向きに梁部材48を中心として回動する構成としている。
【0030】
そして、前記梁部材48の上向き回動により左右支持アーム49,49と左右整地作業装置支持フレーム50,50とが上向きの回動により左右整地作業装置9,9は、上方に移動し、且つ、梁部材48に基部が固着されているリンク部材58と支持部材59も上方に移動し、スプリング61を介して中央整地作業装置7の前部も上方に吊り上げられる構成となっている。
【0031】
逆に、前記上下位置調節レバー65を、前記矢印Sの反対方向に回動操作すると、折曲片66は、突出部67の下側から右側に離れので整地作業装置7,9,9の重みで梁部材48を中心に下向きに回動するから、3つの整地作業装置7,9,9は、全て、下方に移動する構成になっている。
【0032】
そして、前記上下位置調節レバー65は、苗植付装置3の中央位置で操縦座席26と苗載せ台44との間に配置された構成となっている。
又、整地作業装置7,9,9は、整地しない収納位置まで上動させるときには、前記レバー65を、大きく右方向(収納位置まで)に操作すると、既に説明した上動操作と同じ要領で,苗載せ台44の裏側の収納位置まで上昇させることができる構成としている。なお、上下位置調節レバー65は、案内位置に設けたレバーガイドに沿って移動操作し、途中の適宜位置で係止できる構成としている。
【0033】
以上、説明した実施例は、上下位置調節レバー65の標準位置で圃場面より40mmの高さにある左右整地作業装置9,9を、図6の矢印S方向への回動操作で標準位置より最大15mm高くなり、矢印Sの逆方向への回動操作で最大15mm低くなる設定としている。この整地作業装置7,9,9の上下調節は、フロート6,8,8の後部回動支点を上下動させて苗の植付深さの変更を行う際に、同時に行って、適正な整地作用ができるように操作するものとしている。
【0034】
特に、苗移植作業時に苗の植付深さを常に一定に維持するために、苗植付装置4を昇降制御するための接地センサ5として機能するセンターフロート6は、前後長さを長くして接地面積を前後方向に長くしないと適切に苗植付装置3の昇降制御が行えない。そこで、センターフロート6の前側に配置した中央整地作業装置7は、サイドフロート8,8の前側に配置した左右整地作業装置9,9よりも前方位置にある構成としているが、これら3つの整地作業装置7,9,9は、伝動機構となる左右チエンケース53,53により一体構成とし、上下位置調節レバー65で上下できるものとしている。このように、苗植付装置3は、構成を比較的簡潔にまとめて軽量な整地作業装置7,9,9付きの構成とし、軽量であることにより水田内での走行性能が優れ、苗の移植作業を良好に行うことができる。
【0035】
以上のように構成した3つの整地作業装置7,9,9は、既に説明したように、整地作業中に、左右整地作業装置9,9とは別に、単独で上下できる中央整地作業装置7を表土の硬軟度を検出する検出器(表土硬軟センサ)として利用し、図1に示すように、上下動を検出してコントローラ4に入力できる構成としている。
【0036】
そして、コントローラ4は、上記検出情報が入力されると、中央整地作業装置7の上下動を土壌面の硬軟度に置き換えて演算して、昇降制御の感度の補正を行う構成としている。
【0037】
実施例の場合、コントローラ4は、中央整地作業装置7の上下動から判定するとき、上がると硬い表土と判定して昇降制御の基準値を感度の鈍い側に補正する構成としている。なお、制御の感度の補正調節は、センターフロート6(接地センサ5)の迎い角の基準値を補正するのに止まらず、フロート6の押圧力の調節、又は制御の不感帯の調節、或いは、昇降制御の出力速度の補正調節等の手段が考えられる。
【0038】
このようにして、上述した実施例は、走行車体1を圃場内で前進させながら苗の移植作業を行う場合、駆動回転している3つの整地作業装置7,9,9の内、表土からの接地圧を受けて単独に上下できる中央整地作業装置7を、土壌の硬軟センサとして上下動を検出してコントローラ4に検出情報を入力するものとしている。
【0039】
つぎに、作用の概略を、図2に示すフローチャートに基づいて説明すると、コントローラ4は、上記検出情報に基づいて、中央整地作業装置7が基準高さの位置にある場合(通常の上下範囲内)、基準高さに比較して下側で前進する場合(表土が軟らかい)、上側で前進する場合(表土が硬い)の3つの態様に分類してそれぞれ適した補正を行うことになる。
【0040】
そして、コントローラ4は、センターフロート6から入力される迎い角度の検出情報に基づいて演算を行って昇降制御の制御信号を出力することになるが、その場合、コントローラ4は、既に表土の硬軟に基づく補正を行なっているから、圃場の土壌の硬軟の度合いに応じて制御信号が出力され、実状に合った昇降制御が行われ、苗移植機の植付深さを適する高さに保持できることになる。
【0041】
そして、実施例の昇降制御作動は、表土硬軟センサとなる中央整地作業装置7のすぐ後ろ側で滑走するセンターフロート6を接地センサ5として、その迎い角を検出するから、両方の検出位置が接近しており、精度の高い昇降制御が行われる。
【0042】
そして、中央整地作業装置7は、一つの実施例として、上側に押し上げられるほど回転速度が高速に変速されるようにチエンケース内に、変速装置を設けて増速する構成にしておくと、中央整地作業装置7が上側に持ち上げられるほど整地性能が向上して小石があれば排除できる利点がある。
【0043】
そして、前記中央整地作業装置7は、既に説明した吊下げ用の支持部材59をピッチング用のシリンダに置き換えて構成すれば、ピッチングセンサとして利用することもできる。通常、ピッチング制御装置は、前後方向の傾斜をレベルセンサで検出して行うが、実施例の場合、苗植付装置3は、作業中に、中央整地作業装置7が下から押し上げられて上下動する作動に基づいて上記シリンダが伸縮して上下ピッチング作動を行うことができる。
【0044】
つぎに、整地作業装置7,9,9の伝動機構について別の実施例を説明する。
従来の構成では、各整地作業装置7,9の間に設けるチエンケース53と上側の入力軸56(図5、及び図7に示す実施例では自在継手56)とが干渉する障害(整地作業装置7,9,9を上昇移動操作するときに多く発生していた。)があり、更に、中央整地作業装置7と左右整地作業装置9,9との間(無整地区間)、整地作業のできない幅が広くなる課題があった。
【0045】
まず、チエンケース53は、図8、及び図9に示すように、先端側の出力軸70を中央整地作業装置7の駆動軸55に伝動可能に接続し、基部側に軸架した入力軸71を入力伝動ケース72と左整地作業装置9の駆動軸52に伝動可能に連結した構成としている。そして、上記入力伝動ケース72は、図面に示すように、チエンケース53に接近させて接合状態に設けて上側に延長して上下に重ねた構成にして上部に入力軸56(既に説明した伝動自在継手軸)を連結して軸受支持した構成としている。
【0046】
このように構成すると、実施例は、図9に示すように、平面視で横幅が狭くなって、中央整地作業装置7と左整地作業装置との間隔(前記した無整地区間)が狭くなって左右の整地区間が接近し広く整地できる利点がある。更に、チエンケース53は、整地作業装置7,9,9を上部作業位置に上動したり、更に高い収納位置まで上昇移動操作をしても、入力軸56に干渉する障害が解消された特徴がある。
【0047】
つぎに、走行車体1の後部に苗植付装置3を連結して構成した乗用型田植機において、後輪16,16の車輪跡を消すためのレーキ装置75に関する実施例を説明する。
まず、車輪跡を消すためのレーキ装置75は、図10、及び図11に示すように、後車軸支持機枠部76(後輪ギヤケース20,20の内側に設けた)に基部を枢着した上下回動自由のレーキ取付アーム77の先端部にレーキを装着して設け、表土を整地できる位置まで下降した時、左右の後輪16,16の通過後に位置して、左右後輪16,16の通過跡を整地して消すことができる構成としている。なお、図10に示す実施例は、前記レーキ取付アーム77の中間部に左右両車輪16,16の間を整地する中央レーキ78を設けている。
【0048】
上記した実施例のレーキ装置75は、後車軸支持機枠部76を回動支点にしてレーキ取付アーム77が上下するから上下の高さに影響されることなく円弧軌跡で回動して、常に、後輪16,16の外周から一定の間隔が保持でき、更に、周囲の部材に干渉することもない特徴がある。
【0049】
このように構成したレーキ装置75は、走行車体1の旋回操作に関連して表土面近くまで下降して後輪16,16の通過跡を整地して消すことができる構成としている。図10に示す実施例は、ピットマンアーム79に一端部を連結した連動ワイヤー80の他端部をレーキ取付アーム77に接続して設け、旋回時にステアリングハンドル30の操舵操作(旋回可能に一定角度以上に大きくハンドルを切ったとき)に連動してレーキ取付アーム77が下方に回動してレーキ装置75が整地位置に達する構成としている。
【0050】
そして、図11に示した実施例は、ステアリングハンドル30(ピットマンアーム79)に代えて、左右のブレーキペダル81,81にロッド82を介して接続してブレーキ旋回をする場合にレーキ装置75が車輪跡を消す位置に下降できる構成としている。
【0051】
この場合、ブレーキペダル81,81は、左、又は右のいずれか一方を踏み込んだときにのみレーキ装置75が、図11の仮想線で示すように、後輪16,16の後に下降し整地することになる。この構成において、ペダル81,81は、サイドクラッチペダルに置き換えて構成しても同様の効果が期待できる。
【0052】
このように、実施例は、旋回操作装置(ステアリングハンドル30、左右ブレーキペダル81,81、又はサイドクラッチペダル)の旋回操作時のみにレーキ装置が後輪16,16の後に下降して車輪跡を整地して消すことができ、事後の苗移植が適確にできるものとなっている。
【0053】
なお、レーキ装置75は、図10、及び図11に示す場合、連動機構を利用した機械的手段で上下させる構成としたが、これを制御手段に置き換えて電気的に検出スイッチ(センサ)、及び制御モータ等によってレーキ取付アーム77を上下昇降する構成にするのは自由であり、同様の効果が期待できる。そして、レーキ装置75は、旋回走行が完了すると、元の収納位置まで上昇して待機できる構成としている。
【0054】
つぎに、前記レーキ装置75は、下降する必要がないとき、或いは下降すると危険なときには下降できないように規制手段を設けている。例えば、規制手段は、左右の両方のブレーキペダル81,81を連結具で一体に連結したとき(通常の路上走行時)、及び前後進切替えレバーがバック走行の位置にあるとき、或いは、変速レバーが路上走行速の位置(例えば、副変速が高速位置にあるとき)にあるとき、又は変速レバーが超低速の位置にあるとき等にはレーキ装置75が上下作動できない構成として安全を保持するものとしている。
【0055】
前記の各実施例は、レーキ装置75が旋回操作に関連して下降する構成であるが、これを、旋回前の予備操作、例えば、苗植付装置3を上昇させると、これに関連してレーキ装置75が所定の位置に下降する構成にすることもできる。乗用田植機は、旋回前に苗植付装置3を上昇させ、安全に旋回する作業慣行がある。
【0056】
そして、レーキ装置75は、下降して停止する位置を昇降リンク装置2の回動角度をセンサ(ポテンショメータ)で検出して表土面に合わせた整地に適する高さ位置を設定できる構成にすることができる。
【0057】
このように構成すれば、レーキ装置75は、下降して整地する位置が自動的に決定されるから、従来のように、下降不足で浅過ぎ整地不充分であったり、又は下降が過ぎて深くなり負荷が大きくなって不具合が発生する等の障害をなくして、常に適確な整地が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】制御機構を示すブロック図
【図2】制御作用のフローチャート図
【図3】乗用型田植機の側面図
【図4】図3の乗用型田植機の平面図
【図5】図3の苗植付装置の側面図
【図6】図3の苗載台の支持構造の正面図
【図7】図3の苗植付装置の平面図
【図8】整地作業装置の入力伝動機構の側面図
【図9】入力伝動機構の切断平面図
【図10】別実施例のレーキ装置を設けた乗用田植機の側面図
【図11】別実施例のレーキ装置を設けた乗用田植機の側面図(a:全体図、b:旋回時の部分図)
【図12】別実施例の乗用田植機の平面図
【符号の説明】
【0059】
1 走行車体 2 昇降リンク装置
3 苗植付装置 4 制御手段
5 接地センサ 6 センターフロート
7 中央整地作業装置 8 サイドフロート
9 左右の整地作業装置 10 伝動機構。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行車体(1)の後部の昇降リンク装置(2)によって昇降する苗植付装置(3)を設け、接地センサ(5)の検出値に基づいて植付深さを設定位置に保持するために苗植付装置(3)を昇降制御する制御手段(4)を設けた苗移植機において、前記苗植付装置(3)は、その下側に設けたセンターフロート(6)の前側に中央整地作業装置(7)を、左右両側のサイドフロート(8)の前側に左右整地作業装置(9)をそれぞれ配置した構成とし、前記中央整地作業装置(7)及び左右整地作業装置(9)へ伝動する伝動機構(10)を設け、中央整地作業装置(7)及び左右整地作業装置(9)を苗植付装置(3)に対して上下調節可能に支持して設け、中央整地作業装置(7)を左右整地作業装置(9)に対して独立的に上下動可能に支持して設け、前記制御手段(4)は、前記中央整地作業装置(7)の上下動により検出した土壌の硬軟度に基づいて苗植付装置(3)の昇降制御の感度を補正する構成とした苗移植機。
【請求項2】
前側に中央整地作業装置(7)を配置したセンターフロート(6)を、前記接地センサ(5)とした請求項1記載の苗移植機。
【請求項1】
走行車体(1)の後部の昇降リンク装置(2)によって昇降する苗植付装置(3)を設け、接地センサ(5)の検出値に基づいて植付深さを設定位置に保持するために苗植付装置(3)を昇降制御する制御手段(4)を設けた苗移植機において、前記苗植付装置(3)は、その下側に設けたセンターフロート(6)の前側に中央整地作業装置(7)を、左右両側のサイドフロート(8)の前側に左右整地作業装置(9)をそれぞれ配置した構成とし、前記中央整地作業装置(7)及び左右整地作業装置(9)へ伝動する伝動機構(10)を設け、中央整地作業装置(7)及び左右整地作業装置(9)を苗植付装置(3)に対して上下調節可能に支持して設け、中央整地作業装置(7)を左右整地作業装置(9)に対して独立的に上下動可能に支持して設け、前記制御手段(4)は、前記中央整地作業装置(7)の上下動により検出した土壌の硬軟度に基づいて苗植付装置(3)の昇降制御の感度を補正する構成とした苗移植機。
【請求項2】
前側に中央整地作業装置(7)を配置したセンターフロート(6)を、前記接地センサ(5)とした請求項1記載の苗移植機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2008−99586(P2008−99586A)
【公開日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−283963(P2006−283963)
【出願日】平成18年10月18日(2006.10.18)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年10月18日(2006.10.18)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
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