説明

薄膜の形成方法、薄膜パターンの形成方法および薄膜のパターニング方法

【課題】 従来、事実上不可能であった、または極めて実現困難であった単体としての薄膜の形成を、簡便に実施することのできる薄膜の形成方法を提供する。
【解決手段】 本発明の薄膜の形成方法では、基板1上に基準温度以上において粘着力を喪失する接着層2と薄膜3とを順に積層したのち、自らの基準温度以上となるように接着層2を加熱することにより、この接着層2から薄膜3を分離するようにする。このため、各種溶剤を用いて接着層2を溶解除去する場合のように接着層2の厚みや表面積に依存することもなく、容易かつ短時間で単体としての薄膜3を形成することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種材料により構成された単体としての薄膜の形成方法、所定形状を有する単体としての薄膜パターンの形成方法および基体上に形成された薄膜を所定形状に加工するための薄膜のパターニング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、薄膜形成プロセスを利用して形成される薄膜磁気ヘッドや半導体デバイス等の電子・磁気デバイスにおいては、各種の薄膜パターンが多用されている。例えば、薄膜磁気ヘッドでは磁性薄膜等を積層した磁気抵抗効果(MR;Magnetoresistive)素子が用いられ、半導体デバイスにおいては、導電性薄膜からなる配線パターンが用いられる。このような薄膜パターンとしては、島状あるいは帯状の薄膜パターンのほか、スルーホール(開口)を有する薄膜パターンが用いられる場合もある。
【0003】
これらの薄膜パターンを形成する方法としては、レジストパターンをマスクとして利用したドライエッチング法が知られている。この方法は、まず、基板上に全面に亘って薄膜を形成したのち、この薄膜の上にフォトリソグラフィ等により所望のパターン形状を有するレジストパターンを形成する。次いで、このレジストパターンにアンダーカット部分を形成したのち、これをマスクとしてイオンミリング等のドライエッチング処理を薄膜に対して施すことにより、所望の形状を有する薄膜パターンを形成するというものである。このドライエッチング法については、例えば、特許文献1に開示されている。
【特許文献1】特表2002−116532号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のようなレジストパターンをマスクとして用いたドライエッチング法によって薄膜パターンを形成する場合には、ドライエッチング後のレジストパターンを所定の溶剤により溶解させ、洗浄することにより除去するというリフトオフ操作が必要となる。このため、形成対象とする薄膜パターンとレジストパターンとを瞬時に分離することが難しく、一定の操作時間を要していた。さらに、極めて薄い厚みの薄膜パターンを得ようとした場合、このリフトオフ操作の際に型くずれなどを起こしやすく、所望の形状を維持することが困難であった。
【0005】
また、基板などの支持体上に形成された状態ではなく、単体としての薄膜パターンを得ようとした場合には以下のような方法が考えられる。すなわち、所定の溶剤によって溶解される可溶層を支持体上に予め形成しておき、その可溶層上に薄膜を形成したのちドライエッチング処理およびリフトオフ操作を順に行い、最後に溶剤を用いて可溶層を溶かすことにより、支持体から所望の薄膜パターンを分離するようにする方法である。しかしながら、この場合には、支持体と薄膜パターンとの間に挟まれた状態の可溶層を周辺部分(端部)から徐々に溶解させる必要があるので、結果的に長時間を要することとなってしまい、その実現は極めて困難である。特に、厚みに対して表面積の大きな薄膜パターンの場合には、可溶層を十分に溶解させること自体が事実上不可能と考えられる。
【0006】
さらに、マスクパターンを構成するレジスト材料とパターニングされる薄膜との組み合わせによっては、パターニングの精度に支障のない程度に均一な厚みとなるように、そのレジスト材料を薄膜上に直接塗布する操作が困難なケースがあった。
【0007】
本発明はかかる問題に鑑みてなされたもので、その第1の目的は、従来、事実上形成不可能であった、または極めて形成困難であった単体としての薄膜または薄膜パターンを簡便に形成することの可能な薄膜の形成方法または薄膜パターンの形成方法を提供することにある。
【0008】
本発明の第2の目的は、基板上に設けられた薄膜を、より簡便にパターニングすることのできる薄膜のパターニング方法を提供することにある。
【0009】
本発明の第3の目的は、所望の薄膜上に直接形成することの困難であったマスクパターンを用いて、その所望の薄膜のパターニングを実現する薄膜のパターニング方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の薄膜の形成方法は、以下の(A1)〜(A3)の各工程を含み、単体としての薄膜を得るものである。
(A1)基準温度以上において粘着力を喪失する接着層が設けられた基体を用意する工程。
(A2)薄膜を、接着層上に直接形成する工程。
(A3)基準温度以上となるように接着層を加熱することにより、接着層から薄膜を分離する工程。
【0011】
本発明の薄膜の形成方法では、上記の各工程を含むようにしたので、薄膜が、自らの表面積に依存することなく、比較的容易に、かつ、より短時間で基体上の接着層から分離される。
【0012】
本発明の薄膜の形成方法では、シート状基材と、基準温度以上において粘着力を喪失する粘着剤とを用意し、シート状基材の一方の面に粘着剤を塗布することにより基体を用意するようにしてもよい。または、基板と、基準温度以上において粘着力を喪失する粘着剤が第1の面に塗布されたシート状基材とを用意し、基板の一方の面と、シート状基材の第1の面と反対側の第2の面とを貼り付けることにより基体を用意するようにしてもよい。また、本発明の薄膜の形成方法では、基体を加熱し、その熱を伝導させることにより接着層の加熱を行うようにすることが好ましい。
【0013】
本発明の第1の観点における薄膜パターンの形成方法は、以下の(B1)〜(B5)の各工程を含み、単体としての薄膜パターンを得るものである。
(B1)基準温度以上において粘着力を喪失する接着層が設けられた基体を用意する工程。
(B2)第1の薄膜を、接着層上に直接形成する工程。
(B3)第1の薄膜上に所定形状のマスクパターンを形成したのち、そのマスクパターンを利用したエッチング操作により第1の薄膜を選択的に除去し、第1の薄膜パターンを形成する工程。
(B4)第1の薄膜パターンを形成したのち、マスクパターンを除去する工程。
(B5)基準温度以上となるように接着層を加熱することにより、接着層から第1の薄膜パターンを分離する工程。
【0014】
本発明の第1の観点における薄膜パターンの形成方法では、上記の各工程を含むようにしたので、第2の薄膜パターンが、自らの表面積に依存することなく、比較的容易に、かつ、より短時間で基体上の接着層から分離される。
【0015】
本発明の第1の観点における薄膜パターンの形成方法では、第1の薄膜パターンを形成したのち、マスクパターンを除去する前に、第1の薄膜パターンと同一階層において、この第1の薄膜パターンの周囲を埋め込むように第2の薄膜パターンを形成する工程をさらに含み、第2の薄膜パターンを、第1の薄膜パターンと共に一括して接着層から分離するようにしてもよい。
【0016】
このようにした場合には、第1の薄膜パターンと、これを同一階層において囲むように連続的して構成された第2の薄膜パターンとが、自らの表面積に依存することなく、比較的容易に、かつ、より短時間で基体上の接着層から分離される。
【0017】
本発明の第2の観点における薄膜パターンの形成方法は、以下の(C1)〜(C4)の各工程を含み、単体としての薄膜パターンを得るものである。
(C1)基準温度以上において粘着力を喪失する接着層が設けられた基体を用意する工程。
(C2)接着層上に、開口を有する開口型マスクパターンを形成する工程。
(C3)開口型マスクパターンの開口に対応する領域の接着層を覆うように薄膜を形成する工程。
(C4)基準温度以上となるように接着層を加熱して、開口型マスクパターンおよび薄膜を接着層から分離することにより、開口と同形の薄膜パターンを形成する工程。
【0018】
本発明の第2の観点における薄膜パターンの形成方法では、上記の各工程を含むようにしたので、薄膜パターンが、開口と同形の平面形状を正確に保持しつつ、比較的容易に、かつ、より短時間で基体上の接着層から分離される。
【0019】
本発明の第3の観点における薄膜パターンの形成方法は、以下の(D1)〜(D6)の各工程を含み、単体としての薄膜パターンを得るものである。
(D1)基準温度以上において粘着力を喪失する接着層が設けられた基体を用意する工程。
(D2)金属膜を、接着層上に直接形成する工程。
(D3)金属膜上に、開口を有する開口型マスクパターンを形成する工程。
(D4)開口に対応する領域の金属膜を下地層として利用しためっき処理により、開口と同形のめっき膜パターンを形成する工程。
(D5)開口型マスクパターンを除去したのち、めっき膜パターンをマスクとして利用したエッチング操作により金属膜を選択的に除去し、下地膜パターンを形成する工程。
(D6)基準温度以上となるように接着層を加熱することにより、下地膜パターンおよびめっき膜パターンからなる薄膜パターンを、接着層から分離する工程。
【0020】
本発明の第3の観点における薄膜パターンの形成方法では、上記の各工程を含むようにしたので、薄膜パターンが、開口と同形の平面形状を正確に保持しつつ、比較的容易に、かつ、より短時間で基体上の接着層から分離される。
【0021】
本発明の第1の観点における薄膜のパターニング方法は、以下の(E1)〜(E8)の各工程を含み、基体上に形成された薄膜パターンを得るものである。
(E1)基準温度以上において粘着力を喪失する接着層が設けられた第1の基体を用意する工程。
(E2)第1の基体における接着層上に、レジスト層を形成することにより第1の積層基板を形成する工程。
(E3)第1の基体と異なる第2の基体上に薄膜を形成することにより、第2の積層基板を形成する工程。
(E4)レジスト層と薄膜とが対向するように第1の積層基板と第2の積層基板とを貼り合わせる工程。
(E5)基準温度以上となるように接着層を加熱することにより、第1の基体をレジスト層から分離させて第2の基体、薄膜およびレジスト層が順に積層された構造を有する第3の積層基板を形成する工程。
(E6)レジスト層を所定形状にパターニングすることによりマスクパターンを形成する工程。
(E7)マスクパターンを利用したエッチング操作により、薄膜を選択的に除去し、薄膜パターンを形成する工程。
(E8)マスクパターンを、薄膜パターン上から除去する工程。
【0022】
本発明の第1の観点における薄膜のパターニング方法では、上記の各工程を含むようにしたので、レジスト層が比較的容易に、かつ、より短時間で第1の基体上の接着層から分離され、第2の積層基板における薄膜上に転写される。
【0023】
本発明の薄膜パターンの形成方法または第1の観点における薄膜のパターニング方法では、シート状基材と、基準温度以上において粘着力を喪失する粘着剤とを用意し、シート状基材の一方の面に粘着剤を塗布することにより基体を用意するようにしてもよい。または、基板と、基準温度以上において粘着力を喪失する粘着剤が第1の面に塗布されたシート状基材とを用意し、基板の一方の面と、シート状基材の第1の面と反対側の第2の面とを貼り付けることにより基体を用意するようにしてもよい。また、基体を加熱し、その熱を伝導させることにより接着層の加熱を行うようにすることが好ましい。
【0024】
本発明の第2の観点における薄膜のパターニング方法は、以下の(F1)〜(F4)の各工程を含み、基体上に形成された薄膜パターンを得るものである。
(F1)基体上に薄膜を形成する工程。
(F2)基準温度以上において粘着力を喪失する接着層を、薄膜上に直接形成する工程。
(F3)接着層上に所定形状のマスクパターンを形成したのち、そのマスクパターンを利用したエッチング操作により接着層および薄膜を選択的に除去し、接着層パターンおよび薄膜パターンを形成する工程。
(F4)基準温度以上となるように接着層パターンを加熱することにより、マスクパターンおよび接着層パターンを薄膜パターンから分離する工程。
【0025】
本発明の第2の観点における薄膜のパターニング方法では、上記の各工程を含むようにしたので、薄膜のエッチング処理に用いたマスクパターンが、例えば溶剤等に浸漬することにより溶解除去されるようにした方法に比べ、容易かつ短時間で除去されるうえ、薄膜パターンの平面形状が良好に保持される。
【0026】
本発明の第2の観点における薄膜のパターニング方法では、基体を加熱し、その熱を伝導させることにより接着層の加熱を行うようにすることが好ましい。
【発明の効果】
【0027】
本発明の薄膜の形成方法によれば、基準温度以上において粘着力を喪失する接着層が設けられた基体を用意し、薄膜を接着層上に直接形成したのち、基準温度以上となるように接着層を加熱することにより接着層から薄膜を分離するようにしたので、従来、事実上不可能であった、または極めて実現困難であった単体としての薄膜の形成を簡便に実現することができる。ここで、接着層の加熱を行う際には基体を加熱し、その熱を伝導させるようにすると、形成対象とする薄膜に加えられる熱的な負荷を軽減することができる。
【0028】
本発明の第1の観点における薄膜パターンの形成方法によれば、基準温度以上において粘着力を喪失する接着層が設けられた基体を用意し、その接着層上に、第1の薄膜とマスクパターンとを順に形成したのち、そのマスクパターンを利用したエッチング操作により第1の薄膜パターンを形成し、基準温度以上となるように接着層を加熱することによって、この接着層から第1の薄膜パターンを分離するようにしたので、従来、事実上不可能であった、または極めて実現困難であった単体としての第1の薄膜パターンの形成を簡便に実現することができる。
【0029】
本発明の第1の観点における薄膜パターンの形成方法によれば、特に、第1の薄膜パターンを形成したのち、マスクパターンを除去する前に、第1の薄膜パターンと同一階層において、この第1の薄膜パターンの周囲を埋め込むように第2の薄膜パターンを形成する工程をさらに含み、第2の薄膜パターンを、第1の薄膜パターンと共に一括して接着層から分離するようにすると、従来、事実上不可能であった、または極めて実現困難であった、2種類の薄膜パターンが連結してなる単体としての薄膜パターンの形成を簡便に実現することができる。
【0030】
本発明の第2の観点における薄膜パターンの形成方法によれば、基準温度以上において粘着力を喪失する接着層が設けられた基体を用意し、この接着層上に、開口を有する開口型マスクパターンと、開口型マスクパターンの開口に対応する領域の接着層を覆う薄膜とを形成したのち、基準温度以上となるように接着層を加熱して、開口型マスクパターンおよび薄膜を接着層から分離することにより、開口と同形の薄膜パターンを形成するようにしたので、従来、事実上不可能であった、または極めて実現困難であった単体としての、開口と同形の平面形状を正確に保持した薄膜パターンの形成を簡便に実現することができる。
【0031】
本発明の第3の観点における薄膜パターンの形成方法によれば、基準温度以上において粘着力を喪失する接着層が設けられた基体を用意する工程と、金属膜を接着層上に直接形成する工程と、金属膜上に、開口を有する開口型マスクパターンを形成する工程と、開口に対応する領域の金属膜を下地層として利用しためっき処理により、開口に対応した形状のめっき膜パターンを形成する工程と、開口型マスクパターンを除去したのちめっき膜パターンをマスクとして利用したエッチング操作により金属膜を選択的に除去し、下地膜パターンを形成する工程と、基準温度以上となるように接着層を加熱することにより、下地膜パターンおよびめっき膜パターンからなる薄膜パターンを、接着層から分離する工程とを含むようにしたので、従来、事実上不可能であった、または極めて実現困難であった単体としての、開口と同形の平面形状を正確に保持しためっき膜パターンを含む薄膜パターンの形成を、簡便に実現することができる。
【0032】
本発明の第1の観点における薄膜のパターニング方法によれば、基準温度以上において粘着力を喪失する接着層が設けられた第1の基体を用意する工程と、第1の基体における接着層上に、レジスト層を形成することにより第1の積層基板を形成する工程と、第2の基体上に薄膜を形成することにより第2の積層基板を形成する工程と、レジスト層と薄膜とが対向するように第1の積層基板と第2の積層基板とを貼り合わせたのち、基準温度以上となるように接着層を加熱することにより第1の基体をレジスト層から分離させ、第2の基体、薄膜およびレジスト層が順に積層された第3の積層基板を形成する工程とを含むようにしたので、レジスト層を比較的容易に、かつ、より短時間で第1の基体上の接着層から分離させ、第2の積層基板における薄膜上に転写することができる。このため、レジスト層の構成材料として、薄膜上に直接形成することが困難なレジスト材料を用いた場合であっても、上記のように間接的に薄膜上に形成することができる。さらに、第3の積層基板におけるレジスト層を所定形状にパターニングすることによりマスクパターンを形成する工程と、このマスクパターンを利用したエッチング操作により薄膜パターンを形成したのち、マスクパターンを薄膜パターン上から除去する工程とを含むようにしたので、薄膜上に直接形成することの困難であったレジスト材料からなるマスクパターンを用いて、所望の形状となるように薄膜のパターニングを行うことができる。
【0033】
本発明の第2の観点における薄膜のパターニング方法によれば、基体上に、薄膜と、基準温度以上において粘着力を喪失する接着層と、所定形状のマスクパターンとを順に形成したのち、そのマスクパターンを利用したエッチング操作により接着層パターンおよび薄膜パターンを形成し、さらに、基準温度以上となるように接着層パターンを加熱することによりマスクパターンおよび接着層パターンを薄膜パターンから分離するようにしたので、基体上に設けられた薄膜を、所望の形状となるように、より簡便にパターニングすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0035】
[第1の実施の形態]
最初に、図1〜図4を参照して、本発明の第1の実施の形態としての薄膜の形成方法について説明する。図1〜図4は、本実施の形態の薄膜の形成方法における各工程を説明するための積層断面図である。
【0036】
まず、図1に示したように、例えばシリコン(Si)からなる基板1上に、基準温度以上において粘着力を喪失する接着層2を形成する。具体的には、感圧接着剤(ゴム系、アクリル系、スチレン・共役ジエンプロック共重合体系、シリコーン系など)と、発泡剤(無機系、有機系または熱膨張性微粒子(例えば、日本フェライト社製マイクロスフェアF−301D)と、架橋剤などの添加剤とが混合された(基準温度が例えば120℃の)粘着剤21,23がシート状の基材22の両面に塗布された加熱剥離性シート(例えば、日東電工製No.3195M♯100)を、基板1の表面に貼り付ける。この接着層2は、その基準温度未満の温度環境下においては他の部材との粘着性を有する一方で、一旦、基準温度以上の温度環境下に置かれると粘着性を喪失してしまう性質を示すものである。基材22は、例えば、1μm〜500μmの厚みを有する。なお、基材22の片面のみに上記の粘着剤23が塗布された加熱剥離性シートを接着層2として用いるようにしてもよい。その場合、基板1とは反対側(上側)に粘着剤23が塗布された面を向けるようにし、基材と基板1との接着は、粘着剤21の代わりに、粘着剤23の基準温度以上においても粘着性を示す他の接着剤により接合するようにする。あるいは、上記のような加熱剥離シートを用いずに、基準温度以上において粘着力を喪失する加熱剥離性の粘着剤を基板1上に直接塗布するようにしてもよい。
【0037】
次に、図2に示したように、薄膜3を、接着層2上に直接形成する。薄膜3については、例えばニッケル鉄合金(NiFe)を構成材料として用い、スパッタリング法により全面に亘って例えば0.2μmの厚みを有するように形成する。この際、基板1が加熱されるので、接着層2が、自身の基準温度未満の温度(例えば100℃)を維持するように冷却水等で基板1を冷却する。ここで薄膜3を形成する前に、各種可溶性樹脂(水溶性樹脂または有機溶剤溶性樹脂など)を基板1の上に予め塗布して乾燥させておくようにしてもよい。これは、薄膜3の平坦性向上のためである。
【0038】
なお、薄膜3の構成材料は、NiFe以外の金属などの導電性材料であってもよいし金属酸化物や金属窒化物などの絶縁性材料であってもよい。薄膜3を形成する手法としては、上記の構成材料に応じて、スパッタリング法のほか、化学的蒸着法(CVD法)、蒸着法、無電解めっき法などから適宜選択して行うことができる。また、薄膜3の構造は、図2のように単層構造であってもよいし、あるいは複数の層が積層された積層構造であってもよい。
【0039】
最後に、基準温度以上(120℃以上)となるように接着層2を加熱して粘着力を喪失させることにより、図3に示したように薄膜3を基板1上の接着層2から瞬時に分離させる。この結果、所定の厚み(ここでは0.2μm)を有するNiFeからなる薄膜3を単体として得ることができる。この際、基板1を加熱して、その熱を伝導させることにより接着層2の加熱を行うことが望ましい。雰囲気を加熱し、全体(基板1、接着層2および薄膜3)を基準温度以上となるように加熱する場合と比べ、薄膜3に対する温度負荷の影響を低減し易いからである。
【0040】
以上のように、本実施の形態の薄膜の形成方法によれば、基板1上に、基準温度以上において粘着力を喪失する接着層2と薄膜3とを順に形成したのち、自らの基準温度以上となるように接着層2を加熱することにより、この接着層2から薄膜3を分離するようにしたので、各種溶剤を用いて接着層2を溶解除去する場合のように接着層2の厚みや表面積に依存することもなく、極めて容易かつ短時間で単体としての薄膜3を形成することができる。
【0041】
ここで、接着層2が、基準温度以上の温度環境下に置かれると粘着性を喪失する性質であることに加え、その後、基準温度未満となっても粘着性が再現しない性質である場合には、接着層2を介して基板1と薄膜3とが再度接着することがないので、薄膜3の取扱いが非常に容易となる。
【0042】
本実施の形態の薄膜の形成方法は、基板1と薄膜3との分離に要する時間が、基本的に、その表面積の大小に依存することがないので、各種溶剤を用いて接着層2を溶解除去する場合と比較すると、薄膜3の表面積が大きな場合により効果的である。
【0043】
[第2の実施の形態]
次に、図4〜図9を参照して、本発明の第2の実施の形態としての薄膜パターンの形成方法について説明する。図4〜図9は、本実施の形態の薄膜パターンの形成方法における各工程を説明するための積層断面図である。なお、以下の説明では、上記第1の実施の形態と実質的に同一の構成要素については同じ符号を付し、適宜説明を省略する。
【0044】
上記第1の実施の形態は、図3に示したように、最終的に単体としての薄膜(薄膜3)を形成するようにしたものである。これに対し、本実施の形態では、薄膜が所定形状にパターニングされた単体としての薄膜パターンを形成する方法について説明する。
【0045】
まず、図4に示したように、例えばシリコン(Si)からなる基板1上に、基材22の両面に、例えば基準温度が120℃である粘着剤21,23が塗布された接着層2を形成する。
【0046】
次に、図5に示したように、薄膜4を、接着層2上に直接形成する。薄膜4については、例えばニッケル鉄合金(NiFe)を構成材料として用い、スパッタリング法により全面に亘って例えば0.2μmの厚みを有するように形成する。この際、やはり冷却水等で基板1を冷却する。ここで薄膜4を形成する前に、各種可溶性樹脂(水溶性樹脂または有機溶剤溶性樹脂など)を基板1の上に予め塗布して乾燥させておくようにしてもよい。
【0047】
なお、薄膜4の構成材料は、NiFe以外の金属などの導電性材料であってもよいし金属酸化物や金属窒化物などの絶縁性材料であってもよい。薄膜4を形成する手法としては、上記の構成材料に応じて、スパッタリング法のほか、化学的蒸着法(CVD法)、蒸着法、無電解めっき法などから適宜選択して行うことができる。また、薄膜4の構造は、図5のように単層構造であってもよいし、あるいは複数の層が積層された積層構造であってもよい。
【0048】
さらに、感光性のレジスト層5を薄膜4の上に形成する。ここでは、ノボラック系NQDレジストまたはポリヒドロキシスチレン系化学増幅型レジスト(PHS−CAR)などの感光性レジスト材料を、例えばスピンコート法などにより0.2μmから0.8μm(特に0.3μmが好ましい)の厚みとなるように塗布し、必要に応じて加熱する。
【0049】
レジスト層5を形成したのち、図6に示したように、これを所定形状(例えば幅1.0μm×長さ5.0μm)にパターニングすることによりマスクパターン5Aとする。ここでは、まず、投影露光装置(例えば光源波長λ=248nmのステッパ)により、所定のレチクルを用いて選択的にレジスト層5を露光して潜像を形成する。次いで、必要に応じて加熱処理を行い、さらに現像機を用いて所定の現像液により選択的に溶解除去したのち、水洗および乾燥を行うようにする。
【0050】
続いて、図7に示したように、上記のように形成したマスクパターン5Aを利用したエッチング処理により、薄膜4を選択的に除去し、薄膜パターン4Aを形成する。エッチング処理としては、例えばミリング法を適用することが好ましい。
【0051】
薄膜パターン4Aを形成したのち、酸素アッシング処理などによりマスクパターン5Aを除去する。この結果、図8に示したように、接着層2上に形成された薄膜パターン4Aが露出することとなる。
【0052】
最後に、基準温度以上(120℃以上)となるように接着層2を加熱して粘着力を喪失させることにより、図9に示したように薄膜パターン4Aを基板1上の接着層2から瞬時に分離させる。この結果、所定の形状(厚み;0.2μm,平面形状;1.0μm×5.0μm)にパターニングされたNiFeからなる薄膜パターン4Aを単体として得ることができる。この際、基板1を加熱して、その熱を伝導させることにより接着層2の加熱を行うことが望ましい。雰囲気を加熱し、全体(基板1、接着層2および薄膜パターン4A)を基準温度以上となるように加熱する場合と比べ、薄膜パターン4Aに対する温度負荷の影響を低減し易いからである。
【0053】
以上のように、本実施の形態の薄膜パターンの形成方法によれば、基板1上に、基準温度以上において粘着力を喪失する接着層2と薄膜4と所定形状のマスクパターン5Aとを順に形成したのち、そのマスクパターン5Aを利用したエッチング処理により薄膜パターン4Aを形成し、さらにマスクパターンを除去する工程を経て基準温度以上となるように接着層2を加熱することにより、この接着層2から薄膜パターン4Aを分離するようにしたので、各種溶剤を用いて接着層2を溶解除去する場合のように接着層2の厚みや表面積に依存することもなく、従来、事実上不可能であった、または極めて実現困難であった単体としての薄膜パターン4Aの形成を極めて容易かつ短時間で実現することができる。
【0054】
ここで、接着層2が、基準温度以上の温度環境下に置かれると粘着性を喪失する性質であることに加え、その後、基準温度未満となっても粘着性が再現しない性質である場合には、再度接着することがないので、薄膜3の取扱いが非常に容易となる。
【0055】
なお、薄膜パターン4Aの平面形状は、矩形に限らず、単なる円形または細長い帯状であってもよく、その場合にも上記の効果が得られる。本実施の形態の薄膜パターンの形成方法は、基板1と薄膜パターン4Aとの分離に要する時間が、基本的には表面積の大小に依存することがないので、各種溶剤を用いて接着層2を溶解除去する場合と比較すると、薄膜パターン4Aの表面積が大きな場合により効果的である。
【0056】
<変形例>
次に、図10〜図12を参照して、本発明における第2の実施の形態の変形例としての薄膜パターンの形成方法について説明する。図10〜図12は、変形例としての薄膜パターンの形成方法における各工程を表す積層断面図である。なお、以下の説明では、上記第2の実施の形態と実質的に同一の構成要素については同じ符号を付し、適宜説明を省略する。
【0057】
上記第2の実施の形態では、薄膜パターン4Aを形成したのち、直ちにマスクパターン5Aを除去し、接着層2の加熱により単体としての薄膜パターン4Aを形成するようにしたが、以下のようにすることもできる。
【0058】
まず、図7に示したように薄膜パターン4Aを形成したのち、マスクパターン5Aを除去する前に、図10に示したように、全面に亘って薄膜6を形成する。具体的には、マスクパターン5Aを覆うと共に薄膜パターン4Aと同一階層において、この薄膜パターン4Aの周囲を埋め込むように薄膜6を形成する。薄膜6については、例えばタンタル(Ta)を構成材料として用い、スパッタリング法により例えば0.2μmの厚みを有するように形成する。
【0059】
なお、薄膜6の構成材料は、タンタル以外の金属などの導電性材料であってもよいし金属酸化物や金属窒化物などの絶縁性材料であってもよい。薄膜6を形成する手法としては、上記の構成材料に応じて、スパッタリング法のほか、化学的蒸着法(CVD法)、蒸着法、無電解めっき法などから適宜選択して行うことができる。また、薄膜6の構造は、図10のように単層構造であってもよいし、あるいは複数の層が積層された積層構造であってもよい。
【0060】
続いて、薄膜6によって覆われたマスクパターン5Aを、酸素アッシング処理などにより除去する。この結果、図11に示したように、接着層2上に形成された薄膜パターン4Aと、その周囲を同一階層において囲む薄膜パターン6Aとが露出することとなる。
【0061】
最後に、基準温度以上となるように接着層2を加熱して粘着力を喪失させることにより、図12に示したように薄膜パターン4Aおよび薄膜パターン6AからなるシートS1を基板1上の接着層2から瞬時に分離させる。この結果、所定の形状(厚み;0.2μm,平面形状;1.0μm×5.0μm)にパターニングされたNiFeからなる薄膜パターン4Aと、それを同一階層において囲む薄膜パターン6Aとが連続的に接合されたシートS1を単体として得ることができる。
【0062】
以上説明したような本変形例においても、上記第2の実施の形態と同様の効果を得ることができる。すなわち、従来は、その形成が事実上不可能であった、または極めて困難であったとされる2種類の薄膜パターンが連結してなる単体としての薄膜パターン(シートS1)の形成を簡便に実現することができる。
【0063】
[第3の実施の形態]
次に、図13〜図15を参照して、本発明の第3の実施の形態としての薄膜パターンの形成方法について説明する。図13〜図15は、本実施の形態の薄膜パターンの形成方法における各工程を説明するための積層断面図である。なお、以下の説明では、上記第2の実施の形態と実質的に同一の構成要素については同じ符号を付し、適宜説明を省略する。
【0064】
本実施の形態では、まず、図13に示したように、基板1上に接着層2を形成する。次に、接着層2上に、開口7Kを有する開口型のマスクパターン7を形成する。ここでは感光性のレジスト材料(例えばノボラック系NQDレジストまたはポリヒドロキシスチレン系化学増幅型レジスト(PHS−CAR))を、例えばスピンコート法などにより0.2μmから0.8μm(特に0.3μmが好ましい)の厚みとなるように塗布し、必要に応じて加熱したのち、これを所定形状(例えば幅1.0μm×長さ5.0μm)の開口7Kを有するようにパターニングしてマスクパターン7を得る。
【0065】
続いて、図14に示したように、マスクパターン7と、開口7Kに対応する領域の接着層2とを覆うように薄膜8を形成する。薄膜8については、例えばNiFeを構成材料として用い、スパッタリング法により例えば0.2μmの厚みを有するように形成する。この場合も基板1の冷却を行う。
【0066】
なお、薄膜8の構成材料は、NiFe以外の金属などの導電性材料であってもよいし金属酸化物や金属窒化物などの絶縁性材料であってもよい。薄膜8を形成する手法としては、上記の構成材料に応じて、スパッタリング法のほか、化学的蒸着法(CVD法)、蒸着法、無電解めっき法などから適宜選択して行うことができる。また、薄膜8の構造は、図14のように単層構造であってもよいし、あるいは複数の層が積層された積層構造であってもよい。
【0067】
最後に、自らの基準温度以上となるように接着層2を加熱して粘着力を喪失させることにより、図15に示したように、薄膜8に覆われたマスクパターン7および開口7Kに対応する領域の接着層2を覆う薄膜8を基板1上の接着層2から瞬時に分離させる。この結果、開口7Kと同形の平面形状;1.0μm×5.0μm)を有し、かつ、0.2μmの厚みをなす薄膜パターン8Aを単体として得ることができる。
【0068】
以上のように、本実施の形態の薄膜パターンの形成方法においても、極めて容易かつ短時間で、単体としての薄膜パターン8Aを形成することができる。
【0069】
[第4の実施の形態]
次に、図16〜図20を参照して、本発明の第4の実施の形態としての薄膜パターンの形成方法について説明する。図16〜図20は、本実施の形態の薄膜パターンの形成方法における各工程を説明するための積層断面図である。なお、以下の説明では、上記第2〜第3の実施の形態と実質的に同一の構成要素については同じ符号を付し、適宜説明を省略する。
【0070】
本実施の形態では、まず、図16に示したように、基板1上に接着層2を形成する。次に、金属膜9Sを、接着層2上に全面に亘って直接形成する。金属膜9Sについては、例えばNiFeを構成材料として用い、スパッタリング法により例えば0.2μmの厚みを有するように形成する。この場合も基板1の冷却を行う。なお、金属膜9Sの構成材料は、NiFe以外の金属であってもよい。
【0071】
金属膜9Sを形成したのち、その上に開口10Kを有する開口型のマスクパターン10を形成する。ここでは感光性のレジスト材料(例えばノボラック系NQDレジストまたはポリヒドロキシスチレン系化学増幅型レジスト(PHS−CAR))を、例えばスピンコート法などにより0.2μmから10μm(特に1.2μmが好ましい)の厚みとなるように塗布し、必要に応じて加熱したのち、これを所定形状(例えば幅1.0μm×長さ5.0μm)の開口10Kを有するようにパターニングしてマスクパターン10を得る。
【0072】
続いて、図17に示したように、開口10Kに対応する領域の金属膜9Sを下地層として利用しためっき処理により、開口10Kに対応した形状を有すると共に1.0μmの厚みを有するめっき膜パターン9Aを形成する。ここで、めっき浴としては、ワット浴に鉄イオンを添加したものを用いる。めっき膜パターン9Aは、金属膜9Sと同一物質である。
【0073】
めっき処理後、図18に示したように、酸素アッシング処理などによりマスクパターン10を除去する。この結果、金属膜9S上に形成されためっき膜パターン9Aが露出することとなる。
【0074】
マスクパターン10を除去したのち、めっき膜パターン9Aをマスクとして利用したエッチング処理を行って金属膜9Sを選択的に除去することにより、図19に示したように下地膜パターン9Bを形成する。エッチング処理としては、ミリングや反応性イオンエッチング(RIE)などのドライエッチング法のほか、ウェットエッチング法を適用することが可能である。ここでは、アルゴンガスを用いたミリング処理が好ましい。
【0075】
最後に、自らの基準温度以上となるように接着層パターン3Aを加熱して粘着力を喪失させることにより、図20に示したように、めっき膜パターン9Aおよび下地膜パターン9Bを基板1上の接着層3から瞬時に分離させる。この結果、めっき膜パターン9Aおよび下地膜パターン9Bからなり、開口10Kと同形の平面形状;1.0μm×5.0μm)を有すると共に約1.0μmの厚みをなす薄膜パターン9を単体として得ることができる。
【0076】
以上のように、本実施の形態の薄膜パターンの形成方法においても、めっき法により形成され、従来、その形成が事実上不可能であった、または極めて困難であったとされる単体としての薄膜パターン9の形成を、極めて容易かつ短時間で実現することができる。
【0077】
[第5の実施の形態]
次に、図21〜図28を参照して、本発明の第5の実施の形態としての薄膜のパターニング方法について説明する。図21〜図28は、本実施の形態としての薄膜のパターニングを方法における各工程を表す積層断面図である。なお、以下の説明では、上記第2〜第4の実施の形態と実質的に同一の構成要素については同じ符号を付し、適宜説明を省略する。
【0078】
本実施の形態では、まず、図21に示したように、第1の基体としての基板1上に、接着層2と可溶層11とレジスト層12とを順に積層することにより第1の積層基板B1(以下、単に積層基板B1という。)を形成する。可溶層11は、水溶性樹脂または有機溶剤溶性樹脂などを接着層2の上に100μmの厚みを有するように塗布したのち十分に乾燥させることにより形成する。可溶層11としては、ポリビニルアルコールが好適である。この可溶層11は、後述する工程においてレジスト層12を薄膜14(後出)上へ転写した際、その転写後におけるレジスト層12の表面粗さを改善するために用いるものである。なお、転写後におけるレジスト層12の表面粗さが問題とならない場合には、可溶層11を塗布せずに、基板1上にレジスト層12を直接形成するようにしてもよい。また、レジスト層12は、水溶性樹脂または有機溶剤溶性樹脂などを可溶層11の上に1μmの厚みを有するように塗布することにより形成する。レジスト層12としては、ポジ型レジストが好適である。
【0079】
積層基板B1の形成と並行して、図22に示したように、第2の基体としての基板13上に薄膜14を形成することにより、第2の積層基板B2(以下、単に積層基板B2という。)を形成する。薄膜14については、例えばニッケルを構成材料として用い、フレームめっき法などにより全面に亘って例えば0.1μmの厚みを有するように形成する。
【0080】
なお、薄膜14の構成材料は、ニッケル以外の金属などの導電性材料であってもよいし金属酸化物や金属窒化物、あるいは有機ポリマーなどの絶縁性材料であってもよい。薄膜14を形成する手法としては、上記の構成材料に応じて、フレームめっき法のほか、スパッタリング法や化学的蒸着法(CVD法)、蒸着法などから適宜選択して行うことができる。また、薄膜14の構造は、図22のように単層構造であってもよいし、あるいは複数の層が積層された積層構造であってもよい。
【0081】
続いて、これら積層基板B1と積層基板B2とを貼り合わせる(図23)。ここでは、積層基板B1におけるレジスト層12が完全に乾燥してしまう前に、レジスト層12と薄膜14とが対向するように圧着する。
【0082】
こののち、自らの基準温度以上となるように接着層2を加熱して粘着力を喪失させることにより、基板1を可溶層11から瞬時に分離させる。この結果、基板13、薄膜14、レジスト層12および可溶層11が順に積層された第3の積層基板B3(以下、単に積層基板B3という。)を得ることができる(図24)。
【0083】
さらに、図25に示したように、可溶層11を溶解可能な溶剤(例えば可溶層11がポリビニルアルコールの場合には純水)により可溶層11を溶解除去したのち、レジスト層12を平面形状;1.0μm×5.0μm)にパターニングすることによりマスクパターン12Aを形成する(図26)。ここでは、まず、投影露光装置(例えば光源波長λ=248nmのステッパ)により、所定のレチクルを用いて選択的にレジスト層12を露光して潜像を形成する。次いで、必要に応じて加熱処理を行い、さらに現像機を用いて所定の現像液により選択的に溶解除去したのち、水洗および乾燥を行うようにする。
【0084】
マスクパターン12Aを形成したのち、これを利用したエッチング処理により、薄膜14を選択的に除去し、薄膜パターン14Aを形成する(図27)。エッチング処理としては、ミリングや反応性イオンエッチング(RIE)などのドライエッチング法のほか、ウェットエッチング法を適用することが可能である。ここでは、ミリング法が好適である。
【0085】
最後に、マスクパターン12Aを、酸素アッシング処理などにより薄膜パターン14A上から除去する。この結果、図28に示したように、基板13上に形成された所定の形状(厚み;0.1μm,平面形状;1.0μm×5.0μm)にパターニングされたニッケルからなる薄膜パターン14Aを得ることができる。
【0086】
以上のように、本実施の形態の薄膜パターンの形成方法によれば、均一な厚みの薄膜となるように薄膜14上に直接形成することが困難な高解像度のポジ型レジスト材料を用いた場合であっても、極めて厚みの薄いレジスト層12として被パターニング膜である薄膜14の上に容易かつ短時間で転写することができる。したがって、より高精度なマスクパターン12Aを形成することができ、結果として、より高精度な薄膜パターン14Aを得ることができる。
【0087】
[第6の実施の形態]
次に、図29〜図32を参照して、本発明の第6の実施の形態としての薄膜のパターニング方法について、以下に説明する。図29〜図32は、本実施の形態の薄膜のパターニング方法における各工程を表す積層断面図である。なお、以下の説明では、上記第1〜第5の実施の形態と実質的に同一の構成要素については同じ符号を付し、適宜説明を省略する。
【0088】
まず、図29に示したように、例えばシリコン(Si)からなる基板1の上に、薄膜15を形成する。薄膜15については、例えばニッケル(Ni)を構成材料として用い、スパッタリング法などにより全面に亘って例えば0.1μmの厚みを有するように形成する。ここで薄膜15を形成する前に、各種可溶性樹脂(水溶性樹脂または有機溶剤溶性樹脂など)を基板1の上に予め塗布して乾燥させておくようにしてもよい。これは、薄膜15の平坦性向上のためである。
【0089】
なお、薄膜15の構成材料は、ニッケル以外の金属などの導電性材料であってもよいし金属酸化物や金属窒化物などの絶縁性材料であってもよい。薄膜15を形成する手法としては、上記の構成材料に応じて、スパッタリング法のほか、化学的蒸着法(CVD法)、蒸着法、無電解めっき法などから適宜選択して行うことができる。また、薄膜15の構造は、図29のように単層構造であってもよいし、あるいは複数の層が積層された積層構造であってもよい。
【0090】
次に、薄膜15上に、接着層2を形成する。具体的には、感圧接着剤(ゴム系、アクリル系、スチレン・共役ジエンプロック共重合体系、シリコーン系など)と、発泡剤(無機系、有機系または熱膨張性微粒子(例えば、日本フェライト社製マイクロスフェアF−301D)と、架橋剤などの添加剤とが混合された(基準温度が例えば150℃の)粘着剤を第7の薄膜15上に塗布する。さらに、感光性のレジスト層5を接着層2の上に形成する。レジスト層5を形成したのち、図30に示したように、これを所定形状(例えば幅1.0μm×長さ5.0μm)にパターニングすることによりマスクパターン5Aとする。ここでレジスト層5を形成する前に、各種可溶性樹脂(水溶性樹脂または有機溶剤溶性樹脂など)を接着層2の上に予め塗布して乾燥させておくようにしてもよい。これは、レジスト層5の平坦性向上のためである。
【0091】
続いて、図31に示したように、上記のように形成したマスクパターン5Aを利用したエッチング処理により、接着層2および薄膜15を一括して選択的に除去し、接着層パターン2Aおよび薄膜パターン15Aを形成する。エッチング処理としては、ミリングや反応性イオンエッチング(RIE)などのドライエッチング法のほか、ウェットエッチング法を適用することが可能である。ただし、薄膜15を形成する前に、各種可溶性樹脂を基板1の上に塗布するようにした場合にミリング法を適用するには、その可溶性樹脂を酸素アッシング処理などにより選択的に除去する必要がある。
【0092】
最後に、基準温度以上(150℃以上)となるように接着層パターン2Aを加熱して粘着力を喪失させることにより、マスクパターン5Aおよび接着層パターン2Aを薄膜パターン15Aから瞬時に分離させる。この結果、図32に示したように、基板1上に形成された所定の形状(厚み;0.1μm,平面形状;1.0μm×5.0μm)にパターニングされたニッケルからなる薄膜パターン15Aを得ることができる。この際、基板1を加熱して、その熱を伝導させることにより接着層パターン2Aの加熱を行うことが望ましい。雰囲気を加熱し、全体(基板1、薄膜パターン15A、接着層パターン2Aおよびマスクパターン5A)を基準温度以上となるように加熱する場合と比べ、薄膜パターン15Aに対する温度負荷の影響を低減し易いからである。
【0093】
以上のように、本実施の形態の薄膜のパターニング方法によれば、基板1上に、薄膜15と基準温度以上において粘着力を喪失する接着層2と所定形状のマスクパターン5Aとを順に形成したのち、そのマスクパターン5Aを利用したエッチング処理により接着層パターン2Aおよび薄膜パターン15Aを形成し、さらに、基準温度以上となるように接着層パターン2Aを加熱することによりマスクパターン5Aおよび接着層パターン2Aを薄膜パターン15Aから分離するようにしたので、各種溶剤を用いて接着層パターン2Aを溶解除去する場合のように接着層パターン2Aの厚みや表面積に依存することもなく、薄膜15のエッチング処理に用いたマスクパターン5Aを比較的簡便かつ短時間で除去することができる。よって、基板1上に設けられた薄膜パターン15Aを、より簡便に、かつ、より短時間で形成することができる。
【0094】
なお、薄膜パターン15Aの平面形状は、長方形に限らず、単なる円形または細長い帯状であってもよく、その場合にも上記の効果が得られる。本実施の形態の薄膜のパターニング方法は、薄膜パターン15Aとマスクパターン5Aとの分離に要する時間が、基本的には表面積の大小に依存することがないので、各種溶剤を用いて接着層2を溶解除去する場合と比較すると、薄膜パターン15Aの表面積が大きな場合により効果的である。
【0095】
以上、いくつかの実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、上記実施の形態では、基体としての基板1の構成材料としてシリコンを挙げるようにしたが、これに限定されるものではない。アルティック(Al23・TiC)などのセラミック材料のほか、各種金属材料、プラスティク材料を用いることが可能である。また、基体として、シート状基材の一方の面に基準温度以上において粘着力を喪失する粘着剤を塗布したものを用いるようにしてもよい。また、接着層の基準温度を120℃または150℃としたが、これに限定されるものではない。但し、室温より十分に高く、かつ、形成対象となる薄膜パターンの結晶構造や物性に悪影響を与えない程度の温度であることが望ましい。
【産業上の利用可能性】
【0096】
本発明の薄膜の形成方法、薄膜パターンの形成方法および薄膜のパターニング方法は、薄膜磁気ヘッドや半導体デバイス等の電子・磁気デバイスに含まれる各種の薄膜パターンの形成に好適に用いることができる。例えば、マイクロマシンにおける配線パターンの形成あるいは歯車の形成、または不揮発性磁気抵抗メモリ(MRAM;Magnetoresistive Random Access Memory)における薄膜磁気メモリ素子などのパターニングなどに応用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】第1の実施の形態としての薄膜の形成方法における一工程を表す断面図である。
【図2】図1に続く一工程を表す断面図である。
【図3】図2に続く一工程を表す断面図である。
【図4】第2の実施の形態としての薄膜パターンの形成方法における一工程を表す断面図である。
【図5】図4に続く一工程を表す断面図である。
【図6】図5に続く一工程を表す断面図である。
【図7】図6に続く一工程を表す断面図である。
【図8】図7に続く一工程を表す断面図である。
【図9】図8に続く一工程を表す断面図である。
【図10】第2の実施の形態の変形例としての薄膜パターンの形成方法における一工程を表す断面図である。
【図11】図10に続く一工程を表す断面図である。
【図12】図11に続く一工程を表す断面図である。
【図13】第3の実施の形態としての薄膜パターンの形成方法における一工程を表す断面図である。
【図14】図13に続く一工程を表す断面図である。
【図15】図14に続く一工程を表す断面図である。
【図16】第4の実施の形態としての薄膜パターンの形成方法における一工程を表す断面図である。
【図17】図16に続く一工程を表す断面図である。
【図18】図17に続く一工程を表す断面図である。
【図19】図18に続く一工程を表す断面図である。
【図20】図19に続く一工程を表す断面図である。
【図21】第5の実施の形態としての薄膜のパターニング方法における一工程を表す断面図である。
【図22】図21に続く一工程を表す断面図である。
【図23】図22に続く一工程を表す断面図である。
【図24】図23に続く一工程を表す断面図である。
【図25】図24に続く一工程を表す断面図である。
【図26】図25に続く一工程を表す断面図である。
【図27】図26に続く一工程を表す断面図である。
【図28】図27に続く一工程を表す断面図である。
【図29】第6の実施の形態としての薄膜のパターニング方法における一工程を表す断面図である。
【図30】図29に続く一工程を表す断面図である。
【図31】図30に続く一工程を表す断面図である。
【図32】図31に続く一工程を表す断面図である。
【符号の説明】
【0098】
1…基板、2…接着層、21,23…粘着剤、22…基材、3…薄膜、4…薄膜、4A…薄膜パターン、5…レジスト層、5A…マスクパターン、6…薄膜、6A…薄膜パターン、7…マスクパターン,7K…開口、8…薄膜、8A…薄膜パターン、9…薄膜パターン、9A…めっき膜パターン、9B…下地膜パターン、9S…金属膜、10…マスクパターン,10K…開口、11…可溶層、12…レジスト層、13…基板、14…薄膜、14A…薄膜パターン、15…薄膜、15A…薄膜パターン、B1〜B3…第1〜第3の積層基板。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
基準温度以上において粘着力を喪失する接着層が設けられた基体を用意する工程と、
薄膜を、前記接着層上に直接形成する工程と、
前記基準温度以上となるように前記接着層を加熱することにより、前記接着層から前記薄膜を分離する工程と
を含むことを特徴とする薄膜の形成方法。
【請求項2】
前記基体を用意する工程では、
シート状基材と、基準温度以上において粘着力を喪失する粘着剤とを用意し、前記シート状基材の一方の面に前記粘着剤を塗布するようにする
ことを特徴とする請求項1に記載の薄膜の形成方法。
【請求項3】
前記基体を用意する工程では、
基板と、基準温度以上において粘着力を喪失する粘着剤が第1の面に塗布されたシート状基材とを用意し、
前記基板の一方の面と、前記シート状基材の第1の面とは反対側の第2の面とを貼り付けるようにする
ことを特徴とする請求項1に記載の薄膜の形成方法。
【請求項4】
前記基体を加熱し、その熱を伝導させることにより前記接着層の加熱を行う
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の薄膜の形成方法。
【請求項5】
基準温度以上において粘着力を喪失する接着層が設けられた基体を用意する工程と、
第1の薄膜を、前記接着層上に直接形成する工程と、
前記第1の薄膜上に所定形状のマスクパターンを形成したのち、そのマスクパターンを利用したエッチング操作により前記第1の薄膜を選択的に除去し、第1の薄膜パターンを形成する工程と、
前記第1の薄膜パターンを形成したのち、前記マスクパターンを除去する工程と、
前記基準温度以上となるように前記接着層を加熱することにより、前記接着層から前記第1の薄膜パターンを分離する工程と
を含むことを特徴とする薄膜パターンの形成方法。
【請求項6】
前記第1の薄膜パターンを形成したのち、前記マスクパターンを除去する前に、前記第1の薄膜パターンと同一階層において、この第1の薄膜パターンの周囲を埋め込むように第2の薄膜パターンを形成する工程をさらに含み、
前記第2の薄膜パターンを、前記第1の薄膜パターンと共に一括して前記接着層から分離するようにする
ことを特徴とする請求項5に記載の薄膜パターンの形成方法。
【請求項7】
基準温度以上において粘着力を喪失する接着層が設けられた基体を用意する工程と、
前記接着層上に、開口を有する開口型マスクパターンを形成する工程と、
前記開口型マスクパターンの開口に対応する領域の前記接着層を覆うように薄膜を形成する工程と、
前記基準温度以上となるように前記接着層を加熱して、前記開口型マスクパターンおよび前記薄膜を前記接着層から分離することにより、前記開口と同形の薄膜パターンを形成する工程と
を含むことを特徴とする薄膜パターンの形成方法。
【請求項8】
基準温度以上において粘着力を喪失する接着層が設けられた基体を用意する工程と、
金属膜を、前記接着層上に直接形成する工程と、
前記金属膜上に、開口を有する開口型マスクパターンを形成する工程と、
前記開口に対応する領域の金属膜を下地層として利用しためっき処理により、前記開口と同形のめっき膜パターンを形成する工程と、
前記開口型マスクパターンを除去したのち、前記めっき膜パターンをマスクとして利用したエッチング操作により前記金属膜を選択的に除去し、下地膜パターンを形成する工程と、
前記基準温度以上となるように前記接着層を加熱することにより、前記下地膜パターンおよびめっき膜パターンからなる薄膜パターンを、前記接着層から分離する工程と
を含むことを特徴とする薄膜パターンの形成方法。
【請求項9】
前記基体を用意する工程では、
シート状基材と、基準温度以上において粘着力を喪失する粘着剤とを用意し、前記シート状基材の一方の面に前記粘着剤を塗布するようにする
ことを特徴とする請求項5から請求項8のいずれか1項に記載の薄膜パターンの形成方法。
【請求項10】
前記基体を用意する工程では、
基板と、基準温度以上において粘着力を喪失する粘着剤が第1の面に塗布されたシート状基材とを用意し、
前記基板の一方の面と、前記シート状基材の第1の面と反対側の第2の面とを互いに対向させて貼り付けるようにする
ことを特徴とする請求項5から請求項8のいずれか1項に記載の薄膜パターンの形成方法。
【請求項11】
前記基体を加熱し、その熱を伝導させることにより前記接着層の加熱を行う
ことを特徴とする請求項5から請求項10のいずれか1項に記載の薄膜パターンの形成方法。
【請求項12】
基準温度以上において粘着力を喪失する接着層が設けられた第1の基体を用意する工程と、
前記第1の基体における接着層上にレジスト層を形成することにより第1の積層基板を形成する工程と、
前記第1の基体と異なる第2の基体上に薄膜を形成することにより第2の積層基板を形成する工程と、
前記レジスト層と前記薄膜とが対向するように前記第1の積層基板と前記第2の積層基板とを貼り合わせる工程と、
前記基準温度以上となるように前記接着層を加熱することにより、前記第1の基体を前記レジスト層から分離させて前記第2の基体、薄膜およびレジスト層が順に積層された構造を有する第3の積層基板を形成する工程と、
前記レジスト層を所定形状にパターニングすることによりマスクパターンを形成する工程と、
前記マスクパターンを利用したエッチング操作により、前記薄膜を選択的に除去し、薄膜パターンを形成する工程と、
前記マスクパターンを、前記薄膜パターン上から除去する工程と
を含むことを特徴とする薄膜のパターニング方法。
【請求項13】
前記第1の積層基板を形成する工程において、前記接着層上に可溶層を形成したのち、この可溶層上に前記レジスト層を形成し、
前記基準温度以上となるように前記接着層を加熱することにより、前記第1の基体を前記可溶層から分離させて前記第2の基体、薄膜、レジスト層および可溶層が順に積層された前記第3の積層基板を形成したのち、前記マスクパターンを形成する前に前記可溶層を溶解可能な溶剤を用いて前記第3の積層基板における可溶層を溶解除去する
ことを特徴とする請求項12に記載の薄膜のパターニング方法。
【請求項14】
前記第1の基体を用意する工程では、
シート状基材と、基準温度以上において粘着力を喪失する粘着剤とを用意し、前記シート状基材の一方の面に前記粘着剤を塗布するようにする
ことを特徴とする請求項12または請求項13に記載の薄膜のパターニング方法。
【請求項15】
前記第1の基体を用意する工程では、
基板と、基準温度以上において粘着力を喪失する粘着剤が第1の面に塗布されたシート状基材とを用意し、
前記基板の一方の面と、前記シート状基材の第1の面と反対側の第2の面とを互いに対向させて貼り付けるようにする
ことを特徴とする請求項12または請求項13に記載の薄膜のパターニング方法。
【請求項16】
前記第1の基体を加熱し、その熱を伝導させることにより前記接着層の加熱を行う
ことを特徴とする請求項12から請求項15のいずれか1項に記載の薄膜のパターニング方法。
【請求項17】
基体上に薄膜を形成する工程と、
基準温度以上において粘着力を喪失する接着層を、前記薄膜上に直接形成する工程と、
前記接着層上に所定形状のマスクパターンを形成したのち、そのマスクパターンを利用したエッチング操作により前記接着層および薄膜を選択的に除去し、接着層パターンおよび薄膜パターンを形成する工程と、
前記基準温度以上となるように前記接着層パターンを加熱することにより、前記マスクパターンおよび前記接着層パターンを前記薄膜パターンから分離する工程と
を含むことを特徴とする薄膜のパターニング方法。
【請求項18】
前記基体を加熱し、その熱を伝導させることにより前記接着層の加熱を行う
ことを特徴とする請求項17に記載の薄膜のパターニング方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【公開番号】特開2006−207008(P2006−207008A)
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−24435(P2005−24435)
【出願日】平成17年1月31日(2005.1.31)
【出願人】(000003067)TDK株式会社 (7,238)
【Fターム(参考)】