説明

薄膜の製造方法および薄膜の製造装置

【課題】成膜速度を向上させることが可能な薄膜の製造方法および薄膜の製造装置を提供する。
【解決手段】薄膜の製造方法は、基材上に原料粉末を供給する工程(S10)と、原料粉末に対してパルスレーザを照射して原料粉末を昇華させる工程(S30)と、昇華した原料粉末を構成する材料を、基材に対向して配置された基板上に堆積させる工程(S40)とを備えている。このとき、基材において原料粉末を載置する表面は、原料粉末と同一材料からなっていることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は薄膜の製造方法および薄膜の製造装置に関し、より特定的には、成膜速度の向上を達成することが可能な薄膜の製造方法および薄膜の製造装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
超電導薄膜などの薄膜材料を製造する方法として、チャンバー内に配置されたターゲットに対してパルスレーザを照射し、昇華した材料を基板上に堆積させるパルスレーザ蒸着法(Pulsed Laser Deposition;PLD法)が知られている。このPLD法は、ターゲットの組成に近い組成の薄膜を堆積させることができる等の利点を有している。そして、このPLD法のターゲットとしては、焼結体からなるものが採用される(たとえば、非特許文献1および2参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】Okada, et al.、Observation of scattering of particles produced by laser ablation on a substrate by laser induced fluorescence、Appl. Phys. Lett. 61(19)、November 9, 1992、p2368−2370
【非特許文献2】永石竜起、糸崎秀夫、「エキシマレーザー蒸着法による高温超電導薄膜」、レーザー研究、社団法人レーザー学会、平成4年5月、第20巻、第5号、p43−50
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の焼結体からなるターゲットを使用した場合、PLD法による薄膜の成膜速度は十分速いとはいえない。特に、近年要求されている大面積の薄膜を製造する場合、より高い成膜速度が要求される。
【0005】
そこで、本発明の目的は、成膜速度を向上させた薄膜の製造方法および薄膜の製造装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に従った薄膜の製造方法は、基材上に粉末を供給する工程と、粉末に対してパルスレーザを照射して粉末を昇華させる工程と、昇華した粉末を構成する材料を、基材に対向して配置された基板上に堆積させる工程とを備えている。
【0007】
本発明者は、薄膜の製造において成膜速度を向上させる方策について詳細な検討を行なった。その結果、従来の焼結体をターゲットに採用したPLD法では、レーザが照射される領域におけるターゲットの表面積が不十分であること、およびレーザの照射を継続するとターゲットの表面が荒れ、プルームが所望の方向に形成されなくなることに起因して、成膜速度が向上しないことが明らかとなった。そして、ターゲットとして粉末を採用することにより、ターゲットの表面積を大きくするとともに、レーザの照射を継続してもプルームの形成方向を所望の方向に維持できることを見出した。
【0008】
本発明の薄膜の製造方法においては、基材上に供給された粉末に対してパルスレーザが照射され、昇華した粉末を構成する材料が基板上に堆積する。すなわち、ターゲットとして粉末が採用される。その結果、本発明の薄膜の製造方法によれば、成膜速度を向上させることができる。なお、プルームの形成方向をより確実に所望の方向に維持するためには、基材上に供給される粉末の量は、パルスレーザにより昇華する粉末の量よりも多い量、たとえば昇華する粉末の量に対して50%〜100%程度多い量になるように調整されることが望ましい。
【0009】
上記薄膜の製造方法において好ましくは、基材において粉末を載置する表面は、粉末と同一材料からなっている。これにより、パルスレーザが基材に直接照射された場合でも、昇華する物質は粉末が昇華したものと同じであるため、製造される薄膜に不純物が侵入することを抑制することができる。ここで、基材は粉末と同一組成であればよく、焼結体、溶融体、単結晶など種々の形態を採用することができる。また、基材全体が粉末と同一材料であってもよいし、基材の表面を含む領域に、粉末と同一材料からなる層が形成された基材を採用してもよい。
【0010】
上記薄膜の製造方法において好ましくは、粉末を昇華させる工程では、基材上に供給された粉末が、パルスレーザが照射される領域に順次進入するように基材が運動する。
【0011】
これにより、パルスレーザが照射される領域に順次新たな粉末が供給されるため、安定して薄膜の製造を継続することができる。
【0012】
上記薄膜の製造方法において好ましくは、パルスレーザが照射された後、基材上に残存する粉末が基材から除去される工程をさらに備えている。
【0013】
これにより、パルスレーザの照射による影響を受けた粉末が基材から除去されるため、当該粉末に再度パルスレーザが照射されることがなくなり、安定して薄膜の製造を継続することができる。
【0014】
上記薄膜の製造方法において好ましくは、粉末を昇華させる工程よりも前に、基材上に供給された粉末を平坦化する工程をさらに備えている。
【0015】
これにより、表面が平坦化された粉末にパルスレーザが照射されるため、形成されるプルームの状態が安定し、安定した薄膜の製造を達成することができる。
【0016】
上記薄膜の製造方法において好ましくは、粉末を昇華させる工程では、0.5mm以下の厚みで堆積した粉末に対してパルスレーザが照射される。
【0017】
本発明者による検討の結果、0.5mmを超える厚みで堆積した粉末に対してパルスレーザを照射すると、粉末の昇華方向(プルームの延びる方向)の安定性が低下することが分かった。しがたって、0.5mm以下の厚みで堆積した粉末に対してパルスレーザを照射することにより、粉末の昇華方向が安定し、安定した薄膜の製造を実現することができる。
【0018】
本発明に従った薄膜の製造装置は、パルスレーザを照射する光源と、光源に対向するように基材を保持する基材保持部と、基材上に粉末を供給する粉末供給部と、基材に対向するように基板を保持する基板保持部とを備えている。
【0019】
本発明の薄膜の製造装置においては、基材上に供給された粉末に対してパルスレーザを照射し、昇華した粉末を構成する材料を基板上に堆積させることができる。すなわち、ターゲットとして粉末を採用することができる。その結果、本発明の薄膜の製造装置によれば、成膜速度を向上させることができる。
【0020】
上記薄膜の製造装置において好ましくは、基材保持部は、基材上に供給された粉末が、パルスレーザが照射される領域に順次進入するように基材を運動させる。
【0021】
これにより、パルスレーザが照射される領域に順次新たな粉末が供給されるため、安定して薄膜の製造を継続することができる。
【0022】
上記薄膜の製造装置において好ましくは、パルスレーザの照射後に基材上に残存する粉末を、基材から除去する粉末除去部材をさらに備えている。
【0023】
これにより、パルスレーザの照射による影響を受けた粉末が基材から除去されるため、当該粉末に再度パルスレーザが照射されることがなくなり、安定して薄膜の製造を継続することができる。
【0024】
上記薄膜の製造装置において好ましくは、パルスレーザが粉末に照射される前に、基材上に供給された粉末を平坦化する粉末平坦化部材をさらに備えている。
【0025】
これにより、表面が平坦化された粉末にパルスレーザが照射されるため、形成されるプルームの状態が安定し、安定した薄膜の製造を達成することができる。
【発明の効果】
【0026】
以上の説明から明らかなように、本発明の薄膜の製造方法および薄膜の製造装置によれば、成膜速度を向上させた薄膜の製造方法および薄膜の製造装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の一実施の形態における薄膜の製造装置の構成を示す概略図である。
【図2】本発明の一実施の形態における薄膜の製造方法の概略を示すフローチャートである。
【図3】ターゲットとして粉末を採用した場合におけるプルームの写真である。
【図4】ターゲットとして焼結体を採用した場合におけるプルームの写真である。
【図5】本発明の製造方法により作製された薄膜の表面のSEM写真である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰返さない。
【0029】
まず、本発明の一実施の形態における薄膜の製造装置について説明する。本実施の形態における薄膜製造装置1は、パルスレーザを照射する光源10と、光源10に対向するように基材21を保持する基材保持部20と、基材21上に原料粉末31を供給する粉末供給部30と、基材21に対向するように基板41を保持する基板保持部40とを備えている。
【0030】
基材保持部20は、円盤状の形状を有し、矢印αに沿って中心軸周りに回転可能に構成されている。一方、基材21も円盤状の形状を有しており、その中心軸が基材保持部20の中心軸に一致するように基材保持部20の主面上に保持されている。そのため、基材21は、基材保持部20の回転に伴い、矢印αに沿って回転する。一方、光源10は、矢印βの方向に沿って基材21上の原料粉末31に向けてパルスレーザを照射することができる。これにより、粉末供給部30から基材21上に供給された原料粉末31は、パルスレーザの照射方向に交差する方向に移動する。その結果、基材21上に供給された原料粉末31は、パルスレーザが照射される領域に順次進入する。
【0031】
また、粉末供給部30は、原料粉末31を保持するともに、供給口30Aから原料粉末31を基材21上に供給する機能を有している。
【0032】
さらに、薄膜製造装置1は、パルスレーザが原料粉末31に照射される前に、基材21上に供給された原料粉末31を平坦化する粉末平坦化部材70と、パルスレーザの照射後に基材21上に残存する原料粉末31を、基材21から除去する粉末除去部材50とを備えている。粉末平坦化部材70は、原料粉末31に接触することにより原料粉末を平坦化する平面である接触平面71を有している。また、粉末除去部材50は、基材21に接触して配置され、パルスレーザの照射後に基材21上に残存する原料粉末31を基材21から除去する粉末除去部51と、粉末除去部51に接続され、基材21から除去された原料粉末31を通過させて搬送する粉末搬送部52とを有している。そして、粉末搬送部52は、搬送された原料粉末31を貯留する貯留部材60に接続されている。
【0033】
なお、上記粉末除去部材50、貯留部材60および粉末平坦化部材70は、本発明の薄膜の製造装置において必須の構成ではないが、本実施の形態のようにこれらを備えることにより、以下に説明するように、安定して薄膜の製造を継続するとともに余剰の原料粉末31を再利用することができる。また、基材保持部20が中心軸周りに回転可能であることは、本発明の薄膜の製造装置において必須の構成ではないが、本実施の形態のように回転可能であることにより、以下に説明するように、安定して薄膜の製造を継続することができる。
【0034】
次に、図1および図2を参照して、上記薄膜製造装置1を用いて実施される本発明に従った薄膜の製造方法の一例を説明する。ここでは、酸化物高温超電導体であるGdBaCu7−xからなる薄膜の製造方法について説明する。本実施の形態における薄膜の製造方法では、まず工程(S10)として粉末供給工程が実施される。この工程(S10)では、図1を参照して、GdBaCu7−xからなる原料粉末31Aが、粉末供給部30の供給口30Aから、矢印γに沿って基材21の一方の主面21A上に供給される。このとき、基材保持部20を矢印αに沿って回転させる。これにより、基材21も矢印αに沿って回転する。そのため、基材21の一方の主面21A上に供給された原料粉末31Aは、基材21の周方向に沿った円弧状の軌道上を移動する。
【0035】
次に、工程(S20)として粉末平坦化工程が実施される。この工程(S20)では、基材21の回転により移動する原料粉末31Aに対して、粉末平坦化部材70の接触平面71を接触させることにより、原料粉末31Aを平坦化させる。ここで、平坦化とは、原料粉末31の表面の凹凸を減少させることを意味する。また、このとき、基材21上に堆積する原料粉末31の厚みが均一化されることが好ましい。
【0036】
次に、工程(S30)としてレーザ照射工程が実施される。この工程(S30)では、工程(S20)において表面が平坦化された原料粉末31Bに対して光源10からパルスレーザが照射される。これにより、原料粉末31Bが昇華してプルーム32が形成される。なお、パルスレーザは、原料粉末31Bに対して走査するように照射されることが好ましい。これにより、供給された原料粉末31Bを効率よく昇華させることができる。
【0037】
次に、工程(S40)として堆積工程が実施される。この工程(S40)では、工程(S30)において昇華した原料粉末31Bを構成するGdBaCu7−xが、基板41において基材21に対向する主面41A上に堆積する。その結果、基板41上にGdBaCu7−xからなる薄膜が形成される。
【0038】
次に、工程(S50)として粉末除去工程が実施される。この工程(S50)では、パルスレーザが照射された後、基材21上に残存する原料粉末31Cが基材21から除去される。具体的には、パルスレーザが照射された原料粉末31Cは、基材21の回転に伴って移動し、粉末除去部材50の粉末除去部51によって基材21から除去される。そして、この原料粉末31Cは、粉末搬送部52を通って貯留部材60に到達し、貯留される。貯留部材60に貯留された原料粉末31Cは、必要に応じて再生処理などを経て、再度原料粉末31Aとして使用することができる。
【0039】
上記本実施の形態における薄膜(超電導薄膜)の製造方法においては、原料粉末31Bに対してパルスレーザが照射され、昇華した原料粉末31Bを構成する材料(GdBaCu7−x)が基板41上に堆積する。すなわち、ターゲットとしてGdBaCu7−xの粉末が採用されている。その結果、本実施の形態における超電導薄膜の製造方法においては、成膜速度が向上している。
【0040】
なお、上記実施の形態においては、基材21において原料粉末31を載置する一方の主面21Aは、原料粉末31と同一材料からなっていることが好ましい。より具体的には、基材21は、たとえばGdBaCu7−xの焼結体からなっていることが好ましい。これにより、パルスレーザが基材21に直接照射され、基材21が昇華した場合でも、製造される薄膜に不純物が侵入することを抑制することができる。
【0041】
また、上記実施の形態においては、工程(S30)において、基材21が回転することにより、原料粉末31Bがパルスレーザの照射方向に交差する方向に移動している。このような手順は、本発明の薄膜の製造方法において必須ではないが、このような手順を採用することにより、パルスレーザが照射される領域に順次新たな原料粉末31Bが供給されるため、安定して薄膜の製造を継続することが可能となっている。
【0042】
さらに、上記実施の形態においては、パルスレーザが照射された後、基材21上に残存する原料粉末31Cが基材21から除去される工程(S50)が実施されている。この工程(S50)は、本発明の薄膜の製造方法において必須ではないが、この工程(S50)を実施することにより、パルスレーザの照射により表面の凹凸が大きくなった原料粉末31Cが基材21から除去されるため、当該原料粉末31Cに再度パルスレーザが照射されることがなくなり、安定して超電導薄膜の製造を継続することができる。
【0043】
また、工程(S20)も本発明の薄膜の製造方法において必須ではないが、この工程(S20)を実施することにより、表面が平坦化された原料粉末31Bにパルスレーザが照射されるため、形成されるプルームの状態が安定し、安定した超電導薄膜の製造を達成することができる。
【0044】
さらに、本実施の形態においては、工程(S30)では、0.5mm以下の厚みで堆積した原料粉末31Bに対してパルスレーザが照射されることが好ましい。これにより、原料粉末31Bの昇華方向が安定し、安定した超電導薄膜の製造を実現することができる。
【0045】
なお、本発明において、パルスレーザとしては種々の波長のものを採用することができるが、原料粉末を効率よく昇華させる観点から、波長400nm以下のパルスレーザが採用されることが好ましい。また、本願明細書、特許請求の範囲および要約書において粉末とは、粒径100μm以下の粒子の集合を意味している。
【0046】
また、上記実施の形態においては、超電導薄膜を製造する場合について説明したが、本発明の薄膜の製造方法および薄膜の製造装置はこれに限られず、種々の材料からなる薄膜の製造方法および製造装置に適用することができる。
【実施例1】
【0047】
以下、本発明の実施例1について説明する。本発明の薄膜の製造方法を用いて超電導薄膜を実際に製造し、その表面状態を確認する実験を行なった。実験の手順は以下のとおりである。
【0048】
まず、原料粉末としてGdBaCu7−xの粉末を準備し、これにレーザを照射することにより、縦20mm、横20mm、厚み1mmのSrTiOからなる基板の主面((100)面)に薄膜を形成した。ここで、基板温度は700℃、レーザのエネルギー密度は2J/cm、レーザの照射面積は短辺が2mm、長辺が4mmの長方形形状、成膜時間は4分21秒、膜厚は139nm、基板と原料粉末(ターゲット)との距離は90mmとした(実施例)。
【0049】
一方、比較のため、HoBaCu7−xの焼結体からなるターゲットを準備し、上記GdBaCu7−xの粉末の場合と同様の条件で薄膜を形成した。なお、膜厚は111nmとした(比較例)。
【0050】
次に、実験の結果について説明する。図3および図4は、それぞれ実施例および比較例の成膜におけるプルームの写真である。これらの写真から、粉末のターゲットを採用した場合でも、従来の焼結体からなるターゲットを採用した場合と遜色ないプルームが得られていることが確認された。
【0051】
また、図5のSEM(Scanning Electron Microscope;走査型電子顕微鏡)写真に示すように、実施例の薄膜の表面にはドメインが明瞭に観察され、c軸配向が達成されていることが分かる。このような薄膜の状態を考慮すると、実施例の薄膜は、臨界温度Tが90K程度の良好な特性を有しているものと推定される。
【0052】
以上の実験結果から、ターゲットに粉末を採用する本発明の薄膜の製造方法を用いて成膜速度を向上させた場合でも、良好な特性を有する薄膜を製造可能であることが確認された。
【0053】
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明の薄膜の製造方法および薄膜の製造装置は、成膜速度の向上が求められる薄膜の製造方法および薄膜の製造装置に、特に有利に適用され得る。
【符号の説明】
【0055】
1 薄膜製造装置、10 光源、20 基材保持部、21 基材、21A 一方の主面、30 粉末供給部、30A 供給口、31,31A,31B,31C 原料粉末、32 プルーム、40 基板保持部、41 基板、41A 主面、50 粉末除去部材、51 粉末除去部、52 粉末搬送部、60 貯留部材、70 粉末平坦化部材、71 接触平面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材上に粉末を供給する工程と、
前記粉末に対してパルスレーザを照射して前記粉末を昇華させる工程と、
昇華した前記粉末を構成する材料を、前記基材に対向して配置された基板上に堆積させる工程とを備えた、薄膜の製造方法。
【請求項2】
前記基材において前記粉末を載置する表面は、前記粉末と同一材料からなっている、請求項1に記載の薄膜の製造方法。
【請求項3】
前記粉末を昇華させる工程では、前記基材上に供給された前記粉末が、前記パルスレーザが照射される領域に順次進入するように前記基材が運動する、請求項1または2に記載の薄膜の製造方法。
【請求項4】
前記パルスレーザが照射された後、前記基材上に残存する前記粉末が前記基材から除去される工程をさらに備えた、請求項1〜3のいずれか1項に記載の薄膜の製造方法。
【請求項5】
前記粉末を昇華させる工程よりも前に、前記基材上に供給された前記粉末を平坦化する工程をさらに備えた、請求項1〜4のいずれか1項に記載の薄膜の製造方法。
【請求項6】
前記粉末を昇華させる工程では、0.5mm以下の厚みで堆積した前記粉末に対して前記パルスレーザが照射される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の薄膜の製造方法。
【請求項7】
パルスレーザを照射する光源と、
前記光源に対向するように基材を保持する基材保持部と、
前記基材上に粉末を供給する粉末供給部と、
前記基材に対向するように基板を保持する基板保持部とを備えた、薄膜の製造装置。
【請求項8】
前記基材保持部は、前記基材上に供給された前記粉末が、前記パルスレーザが照射される領域に順次進入するように前記基材を運動させる、請求項7に記載の薄膜の製造装置。
【請求項9】
前記パルスレーザの照射後に前記基材上に残存する前記粉末を、前記基材から除去する粉末除去部材をさらに備えた、請求項7または8に記載の薄膜の製造装置。
【請求項10】
前記パルスレーザが前記粉末に照射される前に、前記基材上に供給された前記粉末を平坦化する粉末平坦化部材をさらに備えた、請求項7〜9のいずれか1項に記載の薄膜の製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−189696(P2010−189696A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−34276(P2009−34276)
【出願日】平成21年2月17日(2009.2.17)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】