薬剤を鼻腔に供給する装置及び方法
【課題】薬物を液滴状又は噴霧状で投与するポンプタイプディスペンサの提供。
【解決手段】ディスペンサは、剛性バイアル、バイアル内の伸長可能なポーチ、鼻用スクリーン、一方向作動機構、ノズル領域内の一方向バルブ機構及びスプリング部材を有し、バルブ機構とスプリング部材はポンプ本体に組付けられる。スクリーンはノズルを鼻腔に整合させ、鼻の辺りを公衆の目から覆う。バルブ機構は薬液をディスペンサから一方向に移動させ、それにより周囲環境に関わらず、保存薬を使用せずに薬液の無菌状態が保たれる。使用者は、作動トリガ機構に僅かな力を加えた作動機構の1つの連続動作により、均一量の薬物を均一作動力で充填して均一速度で投与できる。ポンプ機構の長期の充填状態を防止することでスプリング部材が疲労し難くなる。バイアルとポーチの組合せは、ポンプの方向に依存しない均一な投与を容易にし、長期の使用を可能にする。
【解決手段】ディスペンサは、剛性バイアル、バイアル内の伸長可能なポーチ、鼻用スクリーン、一方向作動機構、ノズル領域内の一方向バルブ機構及びスプリング部材を有し、バルブ機構とスプリング部材はポンプ本体に組付けられる。スクリーンはノズルを鼻腔に整合させ、鼻の辺りを公衆の目から覆う。バルブ機構は薬液をディスペンサから一方向に移動させ、それにより周囲環境に関わらず、保存薬を使用せずに薬液の無菌状態が保たれる。使用者は、作動トリガ機構に僅かな力を加えた作動機構の1つの連続動作により、均一量の薬物を均一作動力で充填して均一速度で投与できる。ポンプ機構の長期の充填状態を防止することでスプリング部材が疲労し難くなる。バイアルとポーチの組合せは、ポンプの方向に依存しない均一な投与を容易にし、長期の使用を可能にする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は広くは、液滴又はスプレー状流出体を小分けするための装置及び方法に関し、特には、医療用液体の液滴又はスプレー状流出体を鼻腔内に小分けするための装置及び方法に関する。これら装置及び方法によれば、医療用液体の適用が極めて容易になりかつユーザのプライバシーを守るというだけでなく、医学的効果が高められ、蓄えられている医療用液体に不純物が混入するのを更に阻止することができる。
【背景技術】
【0002】
薬剤を適用するための様々なディスペンサのうち、典型的な薬剤容器には、可撓性のあるバイアル貯蔵部分と、バイアルをその側壁同士間で押し潰すことにより薬剤を小分けするためのノズルとが含まれている。別の形式の薬剤ディスペンサにはアコーディオン状又はピストン状ポンプ式ディスペンサがあり、このディスペンサはバイアルを底壁とノズル間で押してバイアルを横からではなくその長手方向に圧縮することにより作動される。薬剤を予め調節された量だけ噴出するピストン状ディスペンサの一例が米国特許第5613957号明細書に詳細に開示されている。なお、この米国特許第5613957号明細書は明らかに本願と一体のものとして参照される。
【0003】
少量の薬剤を例えば鼻に正確に投与するために、近年、ポンプ式ディスペンサが注目されている。薬剤を小分けするためのポンプ式ディスペンサについての難解な問題点の一つは不純物の混入を阻止することにあり、これは大気に晒された薬剤が戻るかもしくは例えばノズル内の出口通路内に残留すると、又は大気に晒された薬剤が戻って例えばノズル内の出口通路内に残留すると生じうる。この問題点の解決策の一つは、単に、小分けされる薬剤中に保存剤を添加し、それにより細菌増殖を阻止することにある。しかしながら、例えば保存剤によりコストが上がり毒性が増すという点でこの解決策には明らかに欠点がある。薬剤を複数回小分けできるようにしつつ保存剤を含むことなく薬剤中での細菌増殖を阻止するためには、いったん大気に晒された薬剤がノズルの出口通路内に再び導かれ又は「逆向きに吸い込まれる」のをノズルが一切阻止しなければならず、即ちノズルに「デッドボリューム」が一切あってはならない。本明細書において「デッドボリューム」は薬剤が外部空気と接触して残存し続けうるポンプの出口通路内の空間の容積として定義される。薬剤がデッドボリューム内に残存し続けるとこの残留薬剤は細菌増殖の宿主環境として作用し得ることになる。
【0004】
ポンプ式薬剤ディスペンサを構成するに際し更に検討すべきことは、ディスペンサが作動される毎に、ディスペンサの向き又はユーザがディスペンサの作動機構に加えた力に関わらず、薬剤を予め定められた量だけ正確に例えば5マイクロリットル(5x10−3cm3)からより多い量の範囲で、小分けすることを確実に行うということにある。多くのポンプ式ディスペンサには、ディスペンサが作動される毎に小分けされる薬剤の量の上限が与えられているけれども、これらのポンプが小分けする薬剤の量はしばしば、ディスペンサの作動機構の作動速度と作動力とのうちいずれか一方又は両方に応じて変動する。エアロゾル又はスプレー式流出体を生成するポンプ式ディスペンサの場合、小分けされる薬剤の量だけでなく、小分けされた薬剤のスプレー形状又は流体柱も、作動機構の作動速度と作動力とのうちいずれか一方又は両方に応じて変動しうる。
【0005】
また、慢性的に喘息又はアレルギ状態にある人は緊急時のために薬剤ディスペンサを携帯する必要があり、しかしながら現在ある薬剤加圧式ディスペンサにも非加圧式ディスペンサにも大きな欠点があるということにも注意すべきである。加圧式ディスペンサは真空を保つ重いガラス容器が組み込まれていなければ、常時使用できる状態にない。非加圧式装置は一般に、薬剤を小分けするのに特定の方向に指向させる必要があり、しかもノズル領域に無視し得ないほどのデッドボリュームが存在する。
【0006】
ポンプ式薬剤ディスペンサを構成する際の更に別の問題は薬剤を簡単に適用するのを確保するということにある。例えば図2に示されるような、鼻に適用するための従来のポンプ式ディスペンサは一般に、ディスペンサの長さ方向に圧縮することによって作動される。図2に示されるように、従来の鼻用ポンプ200は底部202を親指で支持しながらシリンジアーム203を押し下げることにより作動される。これら作動動作が組み合わされるので、鼻用ポンプを静止位置に保持するのが困難になり、通常はノズル先端204が鼻腔領域からはずれることになる。例えば喘息を患っているお年寄りの患者又は幼い子供のように、作動動作が平均以上に困難になる恐れのある人では、鼻用薬剤が不慮にも顔にかかったり目に入ったりする恐れがある。
【0007】
ポンプ式薬剤ディスペンサについての更に別の問題は製造が複雑であるということにある。ポンプ式薬剤ディスペンサは現在、多くの部品から形成され、組み立てには極めて気が配られている。要素の数が増すにつれて大量生産の困難性及びコストが増す。例えば、多くのポンプ式ディスペンサには複数のばねが組み込まれており、このため、これらばねが絡み合いがちであるので製造プロセスに問題が生ずることになる。更に、ガスケット及び他の構成要素の寸法が非常に小さいので、部品間の相対移動が困難になる。更に、構成要素の数が多くなると、薬剤に対する構成要素材料の安定性及び適合性を得るのが更に困難になる。
【0008】
ディスペンサから薬剤を適用するのに伴う上述の問題を解決するための一つの試みが本願出願人による米国特許第5267986号明細書に記載されており、この米国特許明細書には、薬剤を目に適用すべくピストン状又はアコーディオン状バイアルディスペンサを作動させるためのカートリッジを含む装置が開示されている。米国特許第5267986号明細書に開示されているカートリッジは、バイアルディスペンサを保持するためのハウジングと、バイアルに薬剤を充填するためにバイアルディスペンサを長手方向に圧縮するための入れ子式シリンダと、バイアルディスペンサのばね機構の付勢作用に抗して入れ子式シリンダ及びバイアルディスペンサを充填位置に固定するための固定機構と、入れ子式シリンダ及びバイアルディスペンサを固定位置から解放して充填された薬剤をばね機構の力により排出するトリガ機構とを含んでいる。バイアルディスペンサのポンプ機構内でばね要素を離散させる必要をなくすために、バイアルディスペンサの本体の一部が圧縮可能弾性材料から形成され、ばね力を提供する。米国特許第5267986号明細書に開示されているカートリッジがバイアルディスペンサから薬剤を取り込み、次いで薬剤をバイアルディスペンサから排出するようになっている二段階プロセスにより、「逆流ポンプ」の基本作用が定義される。この「逆流ポンプ」の一例が米国特許第5613957号明細書に記載されている。
【0009】
米国特許第5267986号明細書に開示されている小分け装置は、ユーザが小分け装置に与える物理的な力又は速度とは無関係に、ユーザが薬剤を予め定められた量だけ適用できるようにすることによって、上述した問題の幾つかを解決しようとするものである。小分けされた薬剤を流出させる力又は速度は小分け装置の一体化されたばね要素に依存する。従来のポンプ式ディスペンサがしばしば、薬剤を流出させるために長手軸線に沿って圧縮されるのに対し、米国特許第5267986号明細書に記載されている流出機構の作動動作は好ましくは、バイアルディスペンサの長手軸線に対し垂直をなす方向に行われ、それによりユーザのためのてこ作用が確実に高められるようにしている。
【0010】
米国特許第5267986号明細書に開示されている小分け装置は上述した問題のうち幾つかを解決しようとするものであるが、少なくとも一つの重要な問題が残っている。弾性材料、特にエラストマ系材料及びばねがヒステリシス特性を呈する傾向にあるので、ばね機構が圧縮位置、即ち加重された固定位置に維持されているとばね力が小さくなる。ばねが付勢されていない状態に戻されて或る期間だけ維持されるのであればばねの変形には一般に可逆性があるけれども、ばねがばねの材料に応じて変動する或るしきい時間を越えて圧縮状態に維持されると、変形の一部が不可逆になり又は「クリープ」が生ずる。ばね力の損失量は特定のばね材料での「クリープ」の生じ易さに依存し、金属製ばねはプラスチック製ばねよりもクリープがかなり生じにくいことが知られている。米国特許第5613957号明細書に記載されているポンプのばね機構を形成するのに用いられている弾性材料にヒステリシスがあるのは、ばね要素が長時間、時として予期しない時間に亘って圧縮状態にあり続けたときに或るばね特性がなくなるからである。
【0011】
2つの例は米国特許第5,267,986号に開示された分配装置と関連した上記のヒステリシス問題の実際上の密接な関係を示している。第1の例として、使用者はこの分配装置を充填状態に置くが解放機構は中断により数時間にわたり作動されない。解放機構が最後に作動されると、ばね機構のヒステリシスは解放された薬物の投薬量を正常な状態のもとに解放されるよう計量された投薬量から変えるようにする。第2の例として、使用者は分配装置をその充填状態に置くがその後は充填された装置を忘れ、使用者は解放機構を数週間又は数か月の間作動させない。この状態では、最初に解放された投薬量が低い作動速度又は力のため計量された投薬量から変わるだけでなく、またその後に分配された投薬量が恒久的な変形の型又は生じた“クリープ”のため計量された投薬量から変わってしまう。ばねの変形の上記の問題点に鑑み、使用者が単一の作動により薬びんに薬物を充填し続いてこの薬物をロック工程を介在しないで分配することのできるポンプ型の薬物分配装置を得ることが望まれる。
【0012】
鼻の薬物を付与するポンプ型の分配装置は使用者にある程度の慎重さを必要とするというさらに他の問題点に直面しており、すなわち鼻孔の内部に配置された通常のポンプ型の鼻分配装置の外観は見苦しく使用者を当惑させることが多い。したがって、鼻孔の内部に置かれた分配装置が見苦しい外観を呈することなく鼻の薬物の分配を達成することが望まれる。
【0013】
ポンプ型の分配装置が直面するさらに他の問題は液体が充填された後の分配装置の緊密なシールを達成することである。標準的な方法は袋又は容器の充填開口に機械的に係合するよう形成された栓又は蓋を利用することである。この方法に関する主なる困難性は栓又は蓋と袋又は容器との相互に作用する部分の許容される機械的な公差が、緊密な実質的には密閉したシールを達成するためには極めて小さくなければならないことである。さらに、相互に作用する部分が最初は緊密なシールを形成したとしても、圧力下にある相互に作用する部分の一部が“クリープ”すなわち材料の変形が時間が経つにつれて生じるようになる。したがって、この“クリープ”現象はシールの緊密性を減少することになる。したがって、袋又は容器の密閉シールを容器の寿命にわたって達成し保持する機械的な閉鎖装置が必要となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
したがって、本発明の目的は、薬物を小滴又は噴霧の形式で分配するポンプ型の分配装置であって、薬物の付与を容易にしまた作動中の分配装置の位置的安定性を保証するポンプ型の分配装置を提供することである。
【0015】
本発明の他の目的は使用者に慎重のための鼻のスクリーンを与えることのできる薬物を鼻の通路の中に付与するポンプ型の分配装置を提供することである。
【0016】
本発明のさらに他の目的は、分配ノズルを鼻の通路と整列させるための案内を設けた、薬物を鼻の通路の中に付与するためのポンプ型分配装置を提供することである。
【0017】
本発明のまた他の目的は、薬物を分配装置のノズルを通って一方向に動かすことを保証する薬物を鼻の通路の中に付与するためのポンプ型の分配装置を提供することである。
【0018】
本発明のさらに他の目的は、ノズル部分に実質的に“死空間”が存在せずそれにより周囲の空気にさらされた薬物がなくなり、すなわち薬物が出口ノズルを通過したとき完全に解放されるようにし、又は薬物の表面張力と周囲の出口ノズルの結合作用が残りの薬物を出口部分から外に押し出すようにするポンプ型の分配装置を提供することである。
【0019】
本発明のまた他の目的は、製造のための部品の数を最小にする鼻の薬物を分配するためのポンプ型の分配装置を提供することである。
【0020】
本発明のさらに他の目的は、一本のばねと弾性弁として同時に作用ししかもノズルの長手方向軸線の方向に物理的な外形を実質的に保持するノズルの周囲に沿う弾力性の半径方向の変形によって、噴霧型式の放出を発生させるようになっているノズルを組込んだ鼻の薬物のためのポンプ型の分配装置を提供することである。
【0021】
本発明のまた他の目的は、その解放がオゾン層に対して有害であり、又はその解放圧力が温度依存でありそのため分配された投薬量に変化を生じるCFCsのような推進燃料を必要としない、鼻の薬物のためのポンプ型の分配装置を提供することである。
【0022】
本発明のさらに他の目的は、分配装置の位置と使用者によって作動機構に加えられた力とに関係なく、分配装置の各作動時に所定投薬量の薬物を放出する鼻の薬物のためのポンプ型の分配装置を提供することである。
【0023】
本発明のまた他の目的は、使用者によって分配装置の作動機構に加えられた力に関係なく、分配装置の各作動時に所定投薬量の薬物を放出する鼻の薬物のためのポンプ型分配装置を提供することである。
【0024】
本発明のさらに他の目的は、薬物の小量の計量された量を、分配装置に薬物を充填し続いてその直後に充填された薬物をロック工程を介在しないで分配する単一の作動により、正確に分配することのできる鼻の薬物分配装置を提供することである。
【0025】
本発明のさらに他の目的は、薬物を充填し分配するための単一の作動運動を有し、分配装置の本体の一体の部分としてエラストマの弾性要素を組込んでいる鼻の薬物の分配装置を提供することである。
【0026】
本発明のまた他の目的は、ばね構造、例えばアコーディオン状又はピストン状のバイアル分配装置(小びん−分配装置)を有する型のバイアル分配装置を作動するための作動機構を含み、作動には最小の力を必要とする鼻の薬物の分配装置を提供することである。
【0027】
本発明のさらに他の目的は、分配装置の弾性要素が弾性特性のヒステリシスを呈する可能性を実質的になくする鼻の薬物の分配装置を提供することである。
【0028】
本発明のまた他の目的は、充填された薬物を分配するための作動機構の作動運動がバイアル分配装置の長手方向軸線に直角の方向でありそれにより使用者にとって増強されたてこ作用を保証しまた作動運動が弾性要素の圧縮軸線と平行になるのを回避する鼻の薬物装置を提供することである。
【0029】
本発明のさらに他の目的は、小量の計量された量の薬物を、薬物分配装置に薬物を充填しその直後に充填された薬物をロック工程を介在しないで分配する薬物分配装置の単一の作動運動により、正確に分配する方法を提供することである。
【0030】
本発明のまた他の目的は、小量の計量された薬物を、その作動運動が作動のために最小の力を必要とするアコーディオン状又はピストン状のバイアル分配装置を作動する作動機構によって、分配する方法を提供することである。
【0031】
本発明の他の目的は開口を有する袋又は容器の緊密な実質的に密閉するシールを達成するための機械的な閉鎖装置を提供することである。
【0032】
本発明のこれとは別の目的は、密着していて実質的に密閉されたシールを形成するための開口を有するポーチ又は容器を機械的にシールし、その一方で同時にゲル(gel)又は懸濁液を出口ノズルを経由して吐出可能にする方法を提供することである。
【0033】
本発明のやはりこれとは別の目的は、機械的な閉鎖装置が機械的な閉鎖装置及びポーチ又は容器の相互作用部分の変形を補正する、開口を有するポーチ又は容器のための機械的な閉鎖装置を提供することである。
【0034】
本発明の更にこれとは別の目的は、装置が相互作用部分のための極度に小さな公差を必要としない開口を有する、ポーチ又は容器に密着して実質的に密閉されたシールを形成するための機械的な閉鎖装置を提供することである。
【0035】
本発明のまたこれとは別の目的は、開口を介して容器内に液体を導入した後で、ポーチ又は容器の前記開口を機械的にシールする方法を提供することであり、その方法は、前記容器を充填するための真空状態を形成する必要を排除し、それにより前記容器の充填用の機械的装置のコストを実質的に低減する。
【0036】
本発明のやはりこれとは別の目的は、ポーチ又は容器の前記開口を機械的にシールする方法を提供することであり、その方法は、第1の形態においてポーチ又は容器の開口を取り外し可能にシールすること、及び第2の形態においてポーチ又は容器の開口を永久的にシ−ルすることを含む。
【0037】
本発明の更にこれとは別の目的は、ポーチ又は容器の開口を機械的にシールする装置を提供することであり、その装置は、前記ポーチ又は容器の開口を取り外し可能にシールするためのフランジを経由してクリンプ要素に取り外し可能に接続される機械的プラグからなる一式のシール要素を提供しており、更に該装置は、前記クリンプ要素が前記ポーチ又は容器の開口を永久的にシールするために機械的プラグから取り外されても良いように更に形成にする。
【0038】
本発明の更にこれとは別の目的は、スプレーパターンを生成するためにノズルの領域において渦巻(swirling)室を有するスプレータイプの供給(dispensing)装置を提供することであり、その装置は、渦巻室内及び前記渦巻室を囲む流出流路内のヘッドロスを実質的に最小にする。
【0039】
本発明の更にこれとは別の目的は、スプレーパターンを生成するためにノズルの領域において渦巻室を有する薬剤供給(dispensing)装置からのスプレータイプの流出を生成する方法を提供することであり、その方法は、渦巻室内及び前記渦巻室を囲む流出流路内のヘッドロスを実質的に最小にする。
【課題を解決するための手段】
【0040】
上記目的に従って本発明は、鼻の部分に液滴又はスプレーの形で、前もって決められた量の薬剤を供給するためのポンプタイプのディスペンサを提供しており、そのポンプタイプのディスペンサは、鼻スクリーンと、ポンプ機構と、ノズル区域の一方向(逆止/one−way)弁機構と、一方向作動機構と、一体式ばね要素とを組み込む。ノズル区域は、一方向弁機構を具備しており、ノズル区域の液体により形成されるヘッドロスを最小にするように適用されており、それによってより以上に効率的な流体機構を形成する。鼻スクリーンは、ディスペンサノズルを鼻の通路に導き更に正しく整列するだけではなく、該スクリーンはまた、使用者が公共に鼻の部分を曝すことなく、ディスペンサから鼻の薬剤を控え目に適用することを可能にする重要な機能を発揮する。更にノズル区域の一方向弁機構は、ディスペンサからの薬剤の一方向の動きを確保して、それにより防腐剤の使用を必要とせずに、ディスペンサ周囲の環境に係わらず、ディスペンサ内の薬剤の実質的に完全な無菌性を維持する。
【0041】
使用者が、作動トリガ機構へ非常に小さな力を適用して、前記作動機構の単一で連続的な動きにより、薬剤を順次的に供給し分配することを、一方向作動機構は可能にする。一方向作動機構の使用はまた、分散装置の一体部分として形成されていて弁材料と同じ弾性材料から製作される、ばね要素を有する従来の金属製ばね要素の交換を可能にすることにより、設計の簡素化を可能にする。作動機構は、ディスペンサの長手に対して横に作動し、それにより使用者が使用中に鼻からディスペンサノズルを間違えて取り外すリスクを最小にする。加えて、ポンプ本体の一部分として形成された一体式ばね要素は、ディスペンサのための構成要素部品の数を最小にし、それにより製造上の複雑さ及び使用中における機械的な不具合の可能性を最小にする。更に一方向作動機構及び一体式ばね要素は、使用者により作動トリガに適用される実際の力に係わらず、同じ作動力及び速度で同じ精密な量の薬剤を吐出する特異な特性を有する本発明によるディスペンサを提供する。
【0042】
上記から分かるように、本発明によるポンプタイプディスペンサは、薬剤を鼻区域に適用するための安全で安定していて容易に操作可能な機構を提供する。これとは別の利点として、鼻の薬剤を供給するための本発明によるポンプタイプディスペンサは、例えば溶液、懸濁液、ゲル等の実質的に全てのタイプの液体形態で使用されても良い。本発明によるディスペンサに組み込まれる例示のポンプ機構は、ポンプ本体と可動なピストンとを有しており、ポンプ本体は、流体出口側の前端部又は先端を有しており、該前端部は、弾性膜によりシールされた出口オリフィスを具備しており、流体入口オリフィスを有するポンプダクトを介して後方向へ続く。可動なピストンは、ポンプ本体内部に適合されており、従って入口オリフィスと出口オリフィスに向かって設置された停止位置との間のポンプに関係するピストンの端部の相対的な変位は、変位において排出される流体の量を決定しており、ピストンの端部はダクトに対して少しの摩擦により密閉するように適合しており、入口オリフィスは、出口オリフィスを介してのそれの排出のためにポンプダクトの端部に貯められるべき事前設定された量の流体又はゲルだけのために適切な寸法で形成されており、ポンプ本体及びピストンは、ポンプ本体の前端部を除いて、弾性的な薬瓶(phial)により全体的に包まれる。
【0043】
ポンプ本体の前端部、即ち先端又は「鼻」は、例えば円筒形の流路、ポンプダクト内への開口等の形で出口オリフィスを組み込むことが好ましく、後者は、例えば円筒形のチューブ、出口オリフィス又は流路等であり、ポンプダクトは、同じ一般的な方向に設置されることが好ましい。出口オリフィスは、ポンプの長さに沿って基本的に軸方向に好適に配置される流路であることが好ましい。しかし、当業者には明らかであるように、流路は、例えばエルボ形状等の任意の形状であって良く、ポンプの軸に垂直な突起を保持しても良い。
【0044】
弾性膜は、例えばゴム、エラストマ等の任意の既知の最高水準の技術の弾性材料により製作されても良く、例えばポリウレタン、Adrian(登録商標)又はAESからの名称VISKAFLEX(登録商標)、DUPONTからの名称ALCRYN(登録商標)又はHYTREL(登録商標)、DSMからの名称SARLINK(登録商標)、SHELLからの名称KRATON(登録商標)、Monsantoからの名称Santoprene(登録商標)等の入手可能な熱弾性材料であることが好ましい。弾性膜は、出口オリフィスにおいて、出口に向かう一方向弁を形成するために十分な厚みを有する。言い換えれば、出口オリフィスに向かうピストンの作動により、ピストンに作用する力は、該バルブが開くことを可能にし、従って流体が排出されることを可能にする。対照的に、流体排出後に、もしピストンがその後再度引き込まれる場合に、弁は密閉してシールされて、ポンプダクトにおいて減圧又は真空が生成される。
【0045】
ポンプダクトは、流体入口オリフィスを介して流体を充填可能な流体入口オリフィスを有する。この入口オリフィスは、丸い、細長い等の任意の形状であっても良く、更にチャネル、スリット、溝等の形状であっても良い。
【0046】
注入器と同様に、本発明によるポンプ機構は、ポンプ本体内に適合される可動なピストンを組み込んでおり、該ピストンは、装置の長さに沿って適合されることが好ましい。要素、即ちピストン又は本体等を傷つけること無しで、ピストンが収納される本体に関して動くことが可能であることを、用語「可動な」は単に示す。このピストンは、流体出口オリフィスに向かって設置された停止位置と流体入口オリフィスを超えた位置との間で可動である。停止部は、従来の注入器のように、出口側においてポンプダクトの端部であっても良い。しかしこれとは別の停止部が、必要であれば、この端部の前に形成されても良い。第1のケースにおいて、流体がピストンとポンプ本体との相対的作用により排出された後で、出口弁とピストン端部との間に保持される流体の体積は、排出(evacuation)流路の体積に対して単に減少される。第2のケースにおいて、出口弁とピストン端部との間に保持される流体の体積は、排出流路に加えてポンプダクトの特定部分を含む。
【0047】
従来の注入器において、本発明によるポンプのピストン端部はポンプシリンダに対して僅かな摩擦で気密的に取りつけられている。ピストンが出口オリフィスに対向する方向へ引き下げられる場合、ポンプダクト内で圧力が低下し、その低下した圧力は、ピストン端部が流体入口オリフィスのレベルに達するとブレークされることは理解されるであろう。この時点において、流体はポンプダクトの中へ吸い込まれ流体が充満する。ピストンが出口オリフィスへ向けて相対変位する際、ピストンが入口オリフィスを通過すると、流体の一定量がポンプダクト内に止められる。この位置と可動ピストンの停止位置である最端との間の体積がポンプにより排出される流体量に一致している。ピストン又はピストンへの親指の作用による圧力による流体の圧縮は、バルブを形成している弾性膜を開とし流体を排出することを可能にしており、その圧縮は例えば好ましくは弾性の作用で達成されている。
【0048】
本発明において組み込まれた例示のファィアルポンプにより吐出される製薬量は少ないもので、例えば5マイクロリットル(μl)のオーダである。
【0049】
前述に見られるように、本発明によるポンプの停止位置は、ピストンが停止する位置である。このことは、本発明によるポンプがピストンを停止位置へ引きもどす弾性手段を有している理由である。これらの弾性手段は、ばねのような当業者には公知なものであって、そのばねは、ポンプの変位軸に沿ってポンプの内側又は外側に取りつけられている。ばねは、金属又はプラスチック材料で作られていてもよくて、ばねの特性は、ばねが流体に接触してファイアルの内側に取りつけられた場合、びんに入った流体に適したものである。
【0050】
前述の弾性手段は弾性フアィアルポンプエンベロップの一部として形成されていてもよくて、その一部は例えばジャバラ形状又は復元手段を形成するのに十分な厚さに環状凸面体である。エンベロップは例えばこのレベルにおいてリングにより、一方の側部がポンプ本体に他方の側部がピストンに一体化されていて、これらのリングにはこれらの要素が取りつけられていてもよい。これらのリングは、この場合エンベロップに作られた対応するスロットに協働することができる。所望するなら、復元手段を強化するために、例えばピストンに一体化した保持リングいずれかの側部に配置されたベローズのような二つの復元要素を使用することが可能であって、以下に説明する。弾性膜は弾性フアィアルから別に分離したピースでもよい。しかしながら前述したポンプ機構の好適な実施の形態において、弾性膜及び弾性ファイアルは単一のピースを形成している。本発明によるポンプ機構のピースの数は著しく低減されてもよい。実際本発明によると、三つのピース:弾性材料で作られたファイアルとポンプ本体とピストンとを組込んだポンプ機構であることが可能である。
【0051】
本発明による例示のポンプ機構が、流体出口に近接して取りつけられた、前方リングを備えたポンプ本体を有している。そのような前方リングは弾性ファイアルをポンプ本体へ気密的に取りつけることを可能にしている。そのようなリングはピストンを停止位置へ引きもどすための弾性手段の実施の形態をも可能にしている。ポンプ本体が多少の機能を実行する後方リングも含んでいてもよい。後方リングは好ましくは不完全なリングすなわちリングの一部が切り欠かれたものである。
【0052】
前述のピストンが従来のピストンに対応する一般的な細長い要素構造を有していて、細長い要素は複数の好ましくは三つの船のアンカーの形状をした要素を有していて、各要素は、端部が弧状の要素である放射状要素を形成している。複数の弧が前述の不完全なリングを形成している。その場合、例えばポンプ本体が円筒状要素を備えていて、その円筒状要素は、前述の弧の直径より大きな直径の、前方端部におけるリングと後方端部におけるもう一つの円筒状リングを備えており、後方の円筒状リングのベースが切り欠かれていて、前述のアンカーはシリンダのベースを通過することがでる。さらに前述の放射状要素に一致し、かつポンプ本体を構成するシリンダ内に作られたスロットにより、ピストンの長手方向移動が可能となっている。
【0053】
ポンプ本体に作られたスロットは二つの機能を果している。
a)スロットは、スロットの軸に沿って摺動する放射状要素により、ピストンの移動を可能にしている。
b)前方側におけるスロット端部が流体入口オリフィスを構成していて、その流体入口オリフィスは、排出されるべき流体の現体積に一致している最終ポンプダクトへ流体を送りこむことが可能である。
【0054】
前述したピストン装置における形状は以下のことを容易にする。
a)ノズノ部分をポンプ本体の後方部分と一体化すること。
b)ピストンが後方へ移動する場合、ノズル部分をハウジング内へ収納する必要性を排除すること。
c)同一ハウジング内における、ポンプ機構の互換性を可能とすること。
ピストンの形状は、ピストンがポンプ機構の後方バイアル部分のどのような運動をも発生あるいは招くことなく、ばね要素として作用するベローズ部分を介して作動することを可能にしている。後方バイアル部分におよぶ運動がないことによりもたらされる利点は次の通りである。ポンプ機構はバイアルにおける流体充填レベルの関数としてのどのようなモーメント変化も受けない。すなわち、ポンプ機構は、後方バイアル部分が一杯であろうが、空であろうが同一のモーメント特性を示していて、そのことにより実質的に一定の投薬を保証している。
【0055】
前述の利点に加えて、本発明によるポンプ機構は二つのO字形リングを組込んでいてもよく、そのO字形リングはポンプピストンの外周を周囲に取りつけられ、O字形リングはピストンとポンプ本体のスリーブ部分との間における流体気密シールを提供している。O字形リングは、シリコン、ポリイソプレン、Kraton(登録商標)、Adrian(登録商標)、ブチール又はいずれのゴム同様の材料で作られていてもよくて、ポンプピストンとポンプ本体のスリーブ部分との間に流体気密シールを提供することにより、ベローズチャンバ流体のない状態に維持する。さらにベローズチャンバ内に水がないことは、実質的に流体が後方ベローズ部分の弾性変形をさえぎる可能性を排除している。
【0056】
本発明によるポンプの動きは以下のように要約される。平衡位置はピストンが停止している位置と想定する。当業者において明らかなように、現在適用されている移動は一般に相対移動である。実際好ましくは、ピストンが停止していてポンプ本体が以下に示すように移動してもよいし、又はポンプ本体が停止していてピストンが流体の出口に達するよう移動してもよい。ピストンが引きもどされる場合、圧力が部分的に真空状態になるキャビティを作り出し、従って出口オリフィスが弾性膜により遮断され、ポンプの中への空気の流入を防止している。さらに引きもどされると、ピストンは流体入口オリフィスのレベルに到達することにより終点となる。この点におけるポンプダクトは“投下キャビティ(drop cavity)”あるいは“投与チャンバ(dose chamber)”とも呼ばれ、迅速に流体で充填される。ピストンは、停止位置へ移動するために引きもどされるか放置される。ピストンが再度流体入口オリフィスレベルに達すると、流体の現体積を止める。ピストンにおける最端位置と停止位置との間の体積が排出される量を決定する。この時点で流体噴出が発生する。現状ピストンリップが圧縮チャンバに接触すると即座にバルブが開となる。
【0057】
本発明によるポンプ機構はそのようなポンプに取りつけた弾性ファイアルの有している多くの利点も備えている。ポンプに要求される現体積は、キャビティ又はポンプダクトの断面積と、入口オリフィスの深さを変更することによるキャビティの長さとの両方を変更することにより調節してもよい。分配量は一定であって、重力あるいはポンプの作動速度に左右されない。分配量は、ポンプ本体/ピストンの相対運動を生ずるばね作用と、粘性及びオリフィス径のみに依存する。
【0058】
エンベロープに対する弾性壁の使用により、一体になって以下の機能を達成することが可能になる。第1に、逆止弁機能が促進され、空気を吸い込むこともしくは実体物質が送達されることなく運転を可能とし、ポンプは、小ビン(phial)の内部の汚染のリスク無く繰り返して使用され得る保存剤無しの調合物を供給することを可能とする。第2に、小ビン機能が向上される。実際、壁部の弾性により、ポンプによって液体が排出されるにつれて徐々に壁部が陥没し得る。第三には、一体的ばね要素としての弾性壁機能である。
【0059】
上述のポンプ機構の注入または充填は、充填後の小ビン内の残余ガスを除去するように、充填前の、及び/または、充填に伴う、及び/または、充填後の吸込みと関連する。ポンプ機構の各作動で送達される投与量は、雰囲気圧によらず、変化しない。なぜならば、装置内には実質的にガスは存在しないからであり、液体へ加えられる排除力は、ユーザによって加えられる人力によらない。
【0060】
本発明によるポンプ式ディスペンサ機構は更に、例えばKraton(登録商標)等の弾性材料製であり且つバイアル部分内に配置された内部ポーチを組込み得る。この場合、バイアル部分は剛性材料で製造されることができ、該剛性材料はバイアル部分内への空気の侵入を実質的に除去する。内部ポーチの内部は、バイアル部分内に含まれる空気の量によって、様々な体積の空気を含む。弾性内部ポーチは、その底部外側表面がバイアル部分内の液体レベルへ適合されるように潰され得る。したがって、バイアル部分が流体で完全に満たされた時、内部ポーチは実質的に完全に潰れ、内部の体積は実質的にゼロとなる。バイアル部分の液体はポンプの運転の結果として徐々に除去されるので、内部ポーチはそれに応じて膨張し、バイアル部分内の吸込み圧によって吸込まれ、それによって実質的にバイアル部分内で残余空気が除去されるが、この残余空気はポンプの運転に不都合に作用し得る。内部ポーチ内の空気の体積は空気孔を介して順に調整される。
【0061】
本発明によるポンプ式ディスペンサ機構の一実施形態はまた、エアロゾル型の液体吐出を生成するノズル機構を組込むことができ、このノズル機構は液体の一方向の動きを保証し、またノズルの先端に「デッドボリューム(dead volume)」を実質的に有していない。本発明にしたがったノズル機構は、鼻の薬を投与するのに適しているだけではなく、種々のタイプの液体ディスペンス装置における使用にも適し得る。例えば、ポンプ機構を介した圧力の付加によって液体リザーバからノズル機構を通して液体を導く薬ディスペンサである。
【0062】
ノズル機構の一実施形態は、吐出口と流体チャネルを備えた可撓性ノズル部分と、上記可撓性ノズル部分内に受容される剛性シャフトと、上記可撓性ノズル部分を包囲し且つ上記吐出口を露出する剛性ハウジングとを含む。上記剛性シャフトは上記吐出口と連結し、第2の通常時閉の周囲弁を構成すると共に、吐出口を介して吐出されるのに先立ち、液体リザーバから導かれた液体を一時的に収集する収集チャンバまたは「渦巻チャンバ(swirling chamber)」を画定する。上記吐出口は弾性外側壁を有し、その厚さは上記吐出口の底部部分から上記吐出口の先端へ向かう上記吐出口の延長された対称軸に沿って減少し、これによって液体の上記吐出口を介した、もしくは上記吐出口から出る一方向の動きが容易にされる。
【0063】
ノズル機構の上述した実施形態においては、液体リザーバと収集チャンバとの間の流体連通経路の一部を画定する流体チャネルが、可撓性ノズル部分内の多方面の半径方向縁部または周囲点に位置せしめられる。半径方向に位置せしめられた流体チャネルは最小の「ヘッド損失(head loss)」で均一圧力を提供する。このヘッド損失については後に説明する。結果として、液体圧力は、一度半径方向に位置せしめられた流体チャネル内の圧力が液体リザーバと収集チャンバとの間の流体連通経路の一部を構成する第1の通常時閉の環状もしくは周囲弁を半径方向に変形するのに十分な閾値の圧力に達すると、渦巻チャンバの入口点に均一に加えられるが、この第1の通常時閉の弁については以下で更に詳細に説明される。第1の通常時閉の弁が環状に位置せしめられ、すなわち周囲の全ての点において同等の圧力を加える一方で、流体チャネルは上記可撓性ノズル部分の長手方向軸線に沿って延び、第2の通常時閉の弁の周囲の小さな部分のみを占めるということに注意すべきである。
【0064】
上述の渦巻チャンバは、吐出された液体に関してスプレーパターンを生成するように使用される。渦巻チャンバのピンホール開口の内外の圧力差が大きくなるほど、均質性は向上し、スプレー粒子のサイズは小さくなる。流体力学において「ヘッド損失」とも呼ばれる抵抗源を最小化するために、本発明に組込まれている流体チャネルの長さは最小化され、(もしあれば)流体チャネル幅の減少率及び渦巻チャンバに対する流体チャネルの角度の変化率も最小化される。
【0065】
本発明に従うノズル機構の上述の実施形態は可撓性本体部分に結合されることができ、この可撓性本体部分は実質的に管状の形状を有し、本体部分の底部から可撓性ノズル部分へ向かって、本体部分の延長された対称軸に沿って減少する壁厚を有する。可撓性ノズル部分内に受容された剛性シャフトは上記可撓性本体部分内へ延伸し、剛性シャフトの第2部分が可撓性本体と連結し、液体リザーバと収集チャンバとの間の流体連通経路内に第1の通常時閉の半径方向に位置せしめられた弁を構成するようにされる。第2の通常時閉の半径方向に位置せしめられた弁と同様に、第1の通常時閉の半径方向に位置せしめられた弁は、流体連通経路内の液体の圧力が上記第1の通常時閉の半径方向に位置せしめられた弁を構成する可撓性本体部分の一部を半径方向に変形するのに十分な閾値圧力に達した時に開かれる。
【0066】
本発明に従うノズル機構の一つの利点は、吐出口部分の構成が実質的に、ノズル機構内の液体が周囲空気に接触し、その後ノズル機構の内部に戻り、且つ/または、留まるという可能性を取り除くことである。上記ノズル機構はこの結果を第2の通常時閉のバルブによって達成するが、この第2の通常時閉のバルブは吐出の間の上記ノズル機構から上記吐出口部分を介する液体の一方向の動きを促す。上記第2の通常時閉の弁により、吐出口部分は、実質的に「デッドボリューム」、すなわち周囲空気へ露出された液体が留まることのできる空間、を持たない。
【0067】
第2の通常時閉の弁に加えて、液体リザーバとノズル機構との間の流体連通経路に沿って位置せしめられた第1の通常時閉の弁は、液体リザーバ内の液体が周囲空気によって汚染されず、且つその後ノズル機構に再導入されないという保証を更に加える。上記第1及び第2の通常時閉の弁は、上記吐出口を介した吐出へ導く流体連通の間に非同期式に開くように、流体連通経路に沿って位置せしめられるので、弁の何れか一方の誤作動は、ノズル機構の完全性に影響を与えず、液体リザーバ内の液体の汚染を防止する。
【0068】
本発明に従うノズル機構の他の利点は、ノズル機構が吐出口を介する吐出経路の方向に沿った、すなわち吐出口に対する延長された対称軸に沿った変形を実質的に経験しないということである。結果として、ノズル機構の収集チャンバ内における液体の旋回動作を引き起こす流体チャネルの物理的断面形は、液体吐出の間、維持される。
【0069】
本発明に従うノズル機構の別の利点は、ノズル機構、並びに、順次、ノズル機構と結合されるポンプ機構を含むディスペンサ装置を構成する部品の数が、従来のノズル機構と比較して相当に減少するということである。部品の数を減らすことにより、コスト及び組み立ての複雑さが低減される。
【0070】
本発明によるポンプ式鼻薬剤ディスペンサは、外側ハウジングと、該ハウジング内に配置されているカートリッジとを備えており、さらに、このカートリッジはアコーディオン状又はピストン状のバイアルディスペンサ機構を作動させるのに特に適するように構成されている。バイアルディスペンサは、前端部の近くに位置するアコーディオン状前方ベローズ部分と、後端部に位置する後方バイアル部分又は液体収容室と、前方ベローズ部分と後方バイアル部分との間に設けられている後方ベローズ部分とを有している。滴下キャビティ又は投与キャビティは、前方ベローズ部分又は後方ベローズ部分の内部に設けられることができるものであり、液体収容室から装填された予め調整された量の薬剤を保持する。さらに、バイアルディスペンサ内の内部ピストン機構は、前方ベローズ部分及び後方ベローズ部分と協働して機能し、滴下キャビティ内に収容されている薬剤を放出する。
【0071】
カートリッジは、カートリッジの前壁と後壁との間にバイアルディスペンサを受容するように構成されている概略細長い本体部分を含んでいる。カートリッジの後壁は、カートリッジの後方室の一部を形成してもよく、この場合には、カートリッジの後方室はバイアルディスペンサの後方バイアル部分を受容する。カートリッジの前壁は、バイアルのノズルを露出させるための孔を有している。
【0072】
カートリッジの頂部にはトリガ機構が設けられており、このトリガ機構は、押されたときに、ハウジングの内側部分に設けられたノッチ付きレバーを介して動作しこれと協働して、前部ベローズ部分を伸展させ、カートリッジの前壁から後部室へ向けて離れるように長手軸線方向にバイアルディスペンサの後方ベローズ部分を圧縮する。本願明細書に記載されているバイアルディスペンサの例示の実施態様の場合には、前方ベローズ部分の伸展及び後方ベローズ部分の圧縮により、予め調整された投与量の薬剤がディスペンサの前に設けられた投与キャビティに進入させられ、それによって、投与キャビティに「装填」される。
【0073】
トリガ動作を続けると、カートリッジの内側部分に設けられたノッチ付きレバーがバイアルディスペンサの前方ベローズ部分を予め定められた距離だけ伸展させたときに、ノッチ付きレバーは、カートリッジの後壁から延びている楔形状アームによって、前方ベローズ部分との係合を解除される。ノッチ付きレバーとの係合を解除されると、前方ベローズ部分が収縮し、後方ベローズ部分はカートリッジの前壁へ向けて伸展する。内部ピストン機構の運動は、前方ベローズ部分及び後方ベローズ部分の運動と協働して圧力を生じさせ、この圧力によりバイアルディスペンサの前方ノズルを介して投与キャビティから薬剤を押し出す。
【0074】
本発明は、さらに、機械式の蓋又は栓の例示の実施態様を提供し、この蓋又は栓は、バイアルディスペンサ機構の後方バイアル部分の開口部並びにバイアル開口部の内側に配置された剛性リングと相互に作用する。機械式の栓は、バイアル開口部にスナップ式に留められ、開口部の外側とバイアル開口部の内側に配置されたリングの内面の両方を圧縮し、それにより開口部の密封シールを形成するようになっている。
【0075】
バイアルの開口部領域は、剛性リングを収容する形状に構成されている環状凹部を有しており、剛性リングがこの環状凹部内にスナップ式に留められる。剛性リングがバイアルの開口部領域の環状凹部内にスナップ式に留められた後、機械式の栓が剛性リング内側とバイアル開口部の外側縁端の周囲との両方にスナップ式に留められ、バイアル開口部が剛性リングと機械式の栓との間で圧縮されるようになっている。機械式の栓の内面の半径方向縁部は、栓の周囲に延びるアーチ形状領域として形成されており、バイアル開口部の周囲を「抱え込む」のに適するようになっている。さらに、機械式の栓の内面には、機械式の栓の下側表面に垂直に延びる2つ又はそれ以上の脚部が取り付けられている。脚部の端部は、剛性リングと半径方向溝との結合部の底部に係合するようにフック形状になっている。環状凹部及び機械式の栓の脚部は、バイアルの開口部領域及び剛性リングの垂直方向及び半径方向の両方の圧縮を容易にさせる。このようにして、バイアル開口部の密封が保証される。
【0076】
さらに、バイアルの開口部領域の外側表面と機械式の栓の環状凹部の内側表面はそれぞれ単数又は複数の隆起部すなわち「干渉部」を有している。機械式の栓がバイアル開口部内に嵌め込まれると、結果として起こるバイアル材料の圧縮は、圧縮された材料をより圧縮が少ない領域へ向けて変位させる、すなわち「クリープ」を起こさせる傾向がある。隆起部は圧縮されたバイアル材料の変位の範囲を制限する。すなわち、隆起部は、圧縮により変位させられたバイアル材料を規定された領域内に残留させ、それにより長時間シールの密封を保証する。
【0077】
機械式の栓の中央内側表面は、バイアルの液体内容物内に延びるように構成されている延長部、すなわちプランジャを備えることができ、このプランジャにより液体の表面レベルをバイアル開口部の上側縁端まで変位させた後に限り、機械式の栓をバイアル開口部内に密着して嵌め込ませるようになっており、これにより、無気充填工程のために通常利用される真空条件の必要性をしている。このようにして、プランジャは、液体の表面と機械式の栓の内側表面との間に残ったままとなり得る残留気泡を大幅に減少させる。
【0078】
本発明は、上述した機械的閉鎖装置に代わる手段として、さらに、分離フランジを介して機械式の剛性栓に着脱可能に結合される剛性クリンピング要素(圧接要素)を提供する。これら要素は、製造及び組み立て工程を単純化させるために、単一の部品として成形されてもよい。
【0079】
機械式の栓が、最初に、バイアルディスペンサ機構の後方バイアル部分の首部の開口部に挿入される。機械式の栓及びバイアルの首部の内側部分は、バイアルの首部内に機械式の栓を保持するように相互に作用する。しかしながら、予め定められた量の力により、バイアルの首部と機械式の栓の係合を解除することができる。機械式の栓とバイアルの首部との間のこの着脱可能な係合は、ある種の操作のために一時的にバイアルをシールすると共に、他の操作のためにバイアルを開くことを可能とさせる。
【0080】
次に、バイアルを永久的且つ有効にシールするために、クリンピング要素が、機械式の栓に対して再配置、例えば機械式の栓から取り外され、バイアルの首部上を滑るように動かされる。この動作は、結果として、クリンピング要素の内面と機械式の栓の外面との間でのバイアルの首部の圧縮を引き起こさせ、それにより、バイアルの気密密封シールを提供する。
【0081】
バイアルの首部は環状とすることができ、機械式の栓と係合するように構成された内壁を有している。第1の半円形状隆起部は、機械式の栓上の第1の溝と係合するように、首部の内壁のほぼ全周に沿って延びており、機械式の栓が首部の開口部に挿入されたときに、機械式の栓上の第1の隆起部を機械式の栓上の第1の溝にスナップ式に「嵌め込む」。第1の隆起部を第1の溝に「嵌め込む」この第1のステップは可逆的であり、第1の隆起部が第1の溝内に嵌め込まれた状態でβ線又はγ線を使用したバイアルの滅菌を行うことができ、後でバイアルに充填するために、すなわち第1の溝から第1の隆起部を解放することによって、首部から栓を取り外すことができるようになっている。
【0082】
第2の隆起部は、バイアルの首部の外壁周りに延びており、クリンピング要素と係合するように構成されている。第2の隆起部は、首部の外壁のほぼ全周に沿って延びている半円形状部分から構成されており、クリンピング要素上の第2の溝と係合する。クリンピング要素がバイアルの首部上を滑るように動かされると、バイアルの首部上の第2の隆起部がクリンピング要素上の第2の溝内にスナップ式に「嵌り込み」、クリンピング要素をバイアルの首部にしっかりと結合させる。クリンピング要素を所定の位置に「留める」と、次に、バイアルの首部はクリンピング要素と機械式の栓との間で圧縮され、バイアルの密封シールを提供する。クリンピング要素をバイアルにスナップ式に留める第2のステップは不可逆的であり、それにより、永続的なシールを提供する。
【0083】
クリンピング要素及びバイアルの首部の相互作用表面は相補的な輪郭を有しており、これにより、クリンピング要素がバイアルの首部と係合しているときに、相互作用表面の全領域に圧縮力が分布することを保証する。このようにして、本発明は従来技術の閉鎖機構が起こす「クリープ」現象をほとんど起こらなくさせる。
【0084】
バイアルのネック上にクリンピング要素をさらに保持するために、機械的なプラグは、機械的な壁の外面の全周付近で延びている張出し肩部をさらに有しうる。クリンピング要素は、それがバイアルのネック上で摺動する時に機械的なプラグの肩部の下で延びた円錐形状縁を有しうる。したがって、クリンピング要素の縁が機械的なプラグの肩部と接触するようになるので、クリンピング要素の任意の上方への運動をさらに制限する。
【0085】
機械的なプラグの底面にプランジャ又は延長部を設けてもよい。それにより、機械的なプラグがバイアルのネック内に挿入される時、液体の表面レベルを上昇させるために、プランジャがバイアルの液体の中身の中に延びうる。したがって、プランジャにより、液体の表面と機械的プラグの内面の間に残りうる残留気泡をかなり減らすことができる。
【0086】
さらに別の実施例の機械的なプラグは、後方のバイアル部分の内側の空気の存在を最小化するために後方のバイアル部分内で内側ポーチを組み込んだ、バイアルディスペンサ機構の後方のバイアル部分の開口を効果的にシールする。内側ポーチの後方部分は、逆のU字形状部分を有し、かつ後方のバイアル部分の開口領域を放射状に握っている。内側ポーチの放射状突出部は、後方のバイアル部分の開口領域内に形成された相補的な凹所内に着座させられており、逆U字形状部分を有する後方のプラグは、内側ポーチの後方部分と後方のバイアル部分の開口領域において摺動して放射状に握り、半径方向及び垂直方向の両方に沿ってきつくシールする。
【0087】
さらに別の実施例の機械的なプラグは、後方のバイアル部分の開口内に形成された相補的な環状凹所内にスナップ嵌めされる環状突出部を有し、それにより、環状凹所に沿って放射状にシールする。機械的なプラグは、後方のバイアル部分の開口領域の環状フランジに当接する環状フランジをさらに有する。機械的なプラグの環状突出部と開口領域の環状フランジは協働して後方のバイアル部分の開口領域を垂直方向に圧縮する。
【0088】
鼻薬を供給するための本発明によるポンプタイプの供給装置は、いくつかの明白な利点を有する。第一に、本発明による供給装置は、ポンプ機構内に空気が侵入するケースをかなりなくし、それにより、鼻薬のための滅菌環境を提供するだけでなく、空気によって生じるポンプ操作の乱れを最小にすることによって供給投薬量の一貫性を促進する。第二に、本発明によるポンプタイプのディスペンサは実質的に空気がないので、ポンプ操作は、供給される投薬量と共に、使用中におけるポンプタイプのディスペンサの向きには完全に影響されない。第三に、本発明は、ディスペンサの内部において鼻薬のための滅菌環境をさらに保証するために、ノズル領域内において一方向弁を提供する。この一方向により、薬のノズルの内部から外部への一方向の移動を促進し、それにより、大気又はノズルの外部に露出された薬が、「吸い戻される」可能性をかなりなくし、ディスペンサの内部で薬が汚染する可能性をかなりなくす。
【0089】
前述の利点に加えて、本発明によるポンプタイプのディスペンサは、CFCなどの任意の噴射気体を用いずに一様な服用量のエアロゾルタイプの放出を実現する機構をさらに提供する。これは、前述の空気なしポンプ機構と、一つの作動運動で一様な投薬量の薬を装填及び排出するのを容易にする「一方向作動解放機構」と、流体放出のために非常に低い「ヘッドロス」を実現するエアロゾル発生ノズル機構との組み合わせを利用することによって実現される。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明による一実施例の鼻薬用のポンプタイプのディスペンサの斜視図である。
【図2】従来技術のポンプタイプのディスペンサの正面図である。
【図3】本発明による一実施例の鼻薬用のポンプタイプのディスペンサの一部分として組み込まれている一実施例のピストンの斜視図である。
【図4】本発明による一実施例の鼻薬用ポンプタイプのディスペンサの一部分として組み込まれている一実施例のポンプ本体の斜視図であり、このポンプ本体が図3に示されているピストンと協働することが意図されている。
【図5】図4に示されているポンプ本体内に嵌め込まれた図3に示されているピストンの側断面図である。
【図6】図3に示されているピストンと協働することが意図されている一実施例のエンベロープと、本発明による鼻薬用のポンプタイプのディスペンサ内に組み込まれている一実施例のバイアルポンプを形成するために図4に示されているポンプ本体の側断面図である。
【図7】図3、4及び6それぞれに示されているピストン、ポンプ本体及びエンベロープを組み込んでいる、組み立てられたバイアルポンプの断面図である。
【図8】バイアルポンプの操作を示している、図7に示されているバイアルポンプの断面図である。
【図9】本発明による一実施例のノズル機構を有するエアロゾルディスペンサーの長手方向に沿った断面図である。
【図10】液体リザーバと図9に示されているエアロゾルディスペンサーのノズル機構との間の流体連絡通路を通した液体の流路を示している断面図である。
【図11】図9に示されている線A−Aに沿った断面図である。
【図12A】図9に示されている本発明によるノズル機構内における弁の変形の一段階を示している拡大断面図である。
【図12B】図9に示されている本発明によるノズル機構内における弁の変形の別の段階を示している拡大断面図である。
【図13A】図9に示されているエアロゾルディスペンサーの本体部内における弁の変形の一段階を示している拡大断面図である。
【図13B】図9に示されているエアロゾルディスペンサーの本体部内における弁の変形の別の段階を示している拡大断面図である。
【図14A】本発明による第2実施例のノズル機構を示す断面図である。
【図14B】図14Aに示されている線B−Bに沿った断面図である。
【図15】供給装置が当接位置において示されている、カートリッジと本発明によるバイアルディスペンサとを有する供給装置の詳細側断面図である。
【図16】トリガ機構の作動中において供給装置が中間位置において示されている、カートリッジと本発明によるバイアルディスペンサとを有する供給装置の詳細側断面図である。
【図17】トリガ機構の作動中において供給装置が解放位置において示されている、カートリッジと本発明によるバイアルディスペンサとを有する供給装置の詳細側断面図である。
【図18】本発明による供給装置内に組み込まれている一つの好適な実施例の機械的な閉鎖装置の構成要素の分解図である。
【図19】図18に示されている本発明による好適な実施例の機械的な閉鎖装置の構成要素の分解断面図である。
【図20】図18に示した本発明における機械的密封装置の好適な実施例の組立部品の断面図である。
【図21】本発明における機械的密閉装置の他の好適な実施例の分解組立の断面図である。
【図22】図21に示した本発明における機械的密封装置の好適な実施例の組立部品の断面図である。
【図23A】本発明における機械的密封装置の例示的実施例の容器のネックの斜視図である。
【図23B】容器のネックにおける図23Aの線A−Aで切った破断面図である。
【図24A】本発明における機械的密封装置の例示的実施例において、機械プラグとクリンプ加工要素の斜視図である。
【図24B】機械プラグとクリンプ加工要素における図24Aの線B−Bで切った破断面図である。
【図25】本発明における図23Aの容器と図24Aの機械プラグとの相互作用を示した断面図である。
【図26】本発明における図23A容器と図24Aの機械プラグ及びクリンプ要素との相互作用を示した断面図である。
【図27A】図25に示した本発明における機械的密封装置の例示的実施例において、図23Aの容器に充填及びシールをするための例示的プロセスにける第1段階を示した図である。
【図27B】図25に示した本発明における機械的密封装置の例示的実施例において、図23Aの容器に充填及びシールをするための例示的プロセスにける第2段階を示した図である。
【図27C】図25に示した本発明における機械的密封装置の例示的実施例において、図23Aの容器に充填及びシールをするための例示的プロセスにける第3段階を示した図である。
【図27D】図25に示した本発明における機械的密封装置の例示的実施例において、図23Aの容器に充填及びシールをするための例示的プロセスにける第4段階を示した図である。
【図27E】図25に示した本発明における機械的密封装置の例示的実施例において、図23Aの容器に充填及びシールをするための例示的プロセスにける第5段階を示した図である。
【図28】図9及び図11に示した本発明において、ノズル機構の例示的実施例における旋回溝と集束溝の間の高さの違いを示した斜視図である。
【図29A】本発明において、バイアルポンプの他の例示的実施例の長手方向軸に沿って切った断面図である。
【図29B】図29Aに示したバイアルポンプのバイアル部分をシールするための後方プラグ機構の断面図である。
【図30A】本発明において、バイアルポンプの他の例示的実施例の長手方向軸に沿って切った断面図である。
【図30B】図30Aに示したバイアルポンプのバイアル部分をシールするための後方プラグの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0091】
図1に示したように、本発明において、鼻の薬剤投与のためのポンプ式投薬装置は、外部ハウジング101、ハウジング機構101の一側面にある駆動トリガ機構又はボタン103、関節ヒンジ105によりハウジング101の頭頂部にヒンジ止めされたスクリーン蓋102、ノズルハウジング部104を有する。スクリーン蓋102には3つの主要な機能がある。第1は、蓋が、ノズルハウジング部分104の軸と鼻腔の軸とを合わせるガイドとしての働き、鼻の背に対して蓋012の内側表面を単に置くだけで、利用者は鼻腔内にノズルハウジング部分104の中心あわせすることを簡単に行える。第2には、蓋102が、鼻のあたりを人目に曝すことを隠すスクリーンとして働き、これにより利用者は、鼻の投薬を他と分離した状態で使用することができる。第3は、蓋104が閉じられたとき、ノズルハウジング部104を取り囲んでいる細菌やその他汚染物からノズルハウジング部104を隔離するカバーの働きをする。更に、蓋が外部ハウジングから外すことができないので、この構成は蓋の付け間違いやノズルハウジング部分の汚染の危険を排除することができる。このように蓋102は、ノズルハウジング部分に対する衛生的に優れた保護を提供している。
【0092】
図1に示した例示的実施例において、駆動トリガーボタン103は、ハウジング101内で一方向駆動機構に結合され、一方向駆動機構は更にポンプ機構に結合されている。ノズルハウジング部分104の軸を横切る方向に駆動トリガーボタンを押すことにより、トリガ機構の一連の動作でポンプ機構が予め決められた量の鼻薬剤を取り込み、投薬することを順次実施する。一方向駆動機構がトリガ機構の一連の動作で薬剤の取り込み、投薬を実施するので、ポンプ機構のクリーピング(creeping)又は恒久変形を生ずる、圧縮状態でのポンプのロックを生ずる可能性はない。駆動トリガーボタン103は、ノズルハウジング部分104の軸を横切る方向に操作されるので、本発明によりポンプ型投薬器100の操作中に鼻のあたりからノズルハウジング部分が誤って外れてしまう危険は実質的にない。
【0093】
本発明のポンプ型投薬装置に関連する例示的ポンプ機構は、スリーピースファイアルポンプである。図3〜図6Eで後述する、例示のファイアルポンプは、空気の存在を阻止し又は保留した調合物に保存料を必要としないで、しかも調合物の汚染を防止するように設計される。加えて、このタイプの例示のファイアルポンプは、バイアルが調合物で満たされている間はほぼ空気に曝されること無く、保存料なしで内容物の無菌を確保する利点を持つべきである。
【0094】
図3に示すように、例示のファイアルポンプは次の特徴をもったピストンを有する。前端にはピストンが圧力を増加する時ポンプボディの空洞のシールを確保するように設計されたフランジ2を有した大きな長軸のプランジャ1と、船のいかり型をしたフィン3はこの構成では3個有する。フィン3のそれぞれは、端にアーク5を有するスポーク4を有する。
【0095】
図4に示すように、例示のファイアルポンプは次の3つの主要部品から作られたボディを有する。前部又はノーズ6と、中間部又はスリーブ7と、後部又はポンプのボディ8。ノーズ6は、純粋な円筒形又は面取りをした円錐形の構造で、先端に面取りをした円錐部分10を伴った小型のシリンダ9とポンプの排液オリフィスの穴がある。面取り円筒部分の後ろには他の円筒部分12及び、この円筒部分12の後ろには以下に詳細に述べる伸縮性のある外被をシールする働きをもつ円環状溝13を有する。この円環状溝はディスク又は前部ディスク13aからノーズ自身を分離する。
【0096】
図4に示すように、スリーブ7は円筒状スリーブであり、その内側はポンプの空洞になっている。スリーブ7の円筒壁は長軸のスロット14の穴があいており、このそれぞれは対応したピストンスポーク4を滑らす。各スロットは2つの部分を有する。これは、滑らすためのピストンスポーク14のための幅広後部部分14と、外部液体とポンプ空洞環の連絡オリフィスを構成し、入口オリフィス15となる狭い前部部分。このポンプの空洞の高さは、ピストンが液体を圧縮するレベルを決定し、それ故注入する薬の体積を決定する。
【0097】
このスリーブの内壁には、ポンプノーズの後段の最前部において、図5に示す環状アンダカットを含む停止板16が設けられる。このアンダカットは、ポンプが休止すなわち閉鎖位置にあるときに、ピストンの環状フランジを収容する。アンダカット16は、ピストンの前部環状フランジ2が最初の組み立ての後に極めて僅かな圧縮を生じ得るようにして、ポンプを使用前に保管する間にピストンの前部環状フランジにクリープを生じさせることなく、ポンプの他部分を完全な閉鎖状態に維持する。それにより、ノーズの排出オリフィス11(ここでは噴出口)に受容される空気又は液体は、ポンプすなわち薬瓶の他部分に収容される液体に接触できないことになる。
【0098】
再び図4を参照すると、ポンプ本体8は、明らかに大きな直径を有してスリーブに連続する円筒状キャビティを備え、それ自体、ポンプ起動のために外被体の後方リングに収容される。この部品の前部には、フィン3の挿通を許容する複数の切欠区画17が設けられ、ピストンをポンプ本体に嵌め込むことができるようになっている。図示実施形態では、ポンプ本体は移動可能であり、ピストンは静止位置に保持される。
【0099】
図5に示すように、図3のピストンは図4のポンプ本体の内側に取り付けられる。前述した部品群に加えて、アンダカットを有するピストン前方停止板16が図示されている。また、入口オリフィス15が図示されており、本体内部のピストンは、ピストンが前方移動する場合に、オリフィス15を通って侵入する所定量の流体をキャビティ(すなわち「ポンプダクト」)18内に封じ込めるような位置にある。また、スポーク4が図示されているが、これは長手方向スロットに摺動可能に組み付けられている。さらに、ポンプ本体の後方部分では、切欠区画17がフィンの通過を可能にしている。このように、本発明に係るポンプ機構は、3つの環状部分12、5、8を有する。
【0100】
図6に示すように、典型的な弾性外被体は、前方リング19、中間リング20、後方リング21の3個の環状部分を有し、それらの間に前方ベローズ部分22と後方ベローズ部分23とが画定される。前方リング19はポンプ本体のリング13aと協働し、中間リング20はピストンのアーク状部分5によって形成される不完全なリング部分と協働し、後方リング21はポンプ本体の後方リング部分8と協働する。弾性外被体のこれらのリングは、他の2部品すなわちポンプ本体及びピストンの複数のリング部分を固定的に保持し、特に、リング13a及び19の位置では、組立体は完全な気密性を有する。さらに、外被体の前端位置には、出口へ向けての一方向弁を形成する弾性膜24が設けられる。この弁は、少なくとも弾性膜と円錐台部分10の小円筒部9の相補部分とによって形成される。
【0101】
図6から分かるように、この典型的構成では、外被体は、薬瓶ポンプを流体、液体又はゲルで満たすための他の方法において中空針の挿通を許容する2つの部分、すなわち領域25及び26を備える。これらの部分は、包囲領域よりも大きな厚みを有し、薬瓶ポンプの後方のバイアルすなわち薬瓶部分が充填開口を持たずかつ機械的閉じ具を使用しない場合に、充填針がこれら領域を貫通する。さらに、これら領域の各々は、例えば2つの高温ジョーの間で圧力を受けて熱シールされ得る小円筒部を有する。この種の円筒状構造は例えば、外被体の外部方向へ膨出して外壁上に突出する肉厚部分によって置き換えることができる。この肉厚部分には、高温体を当接し、それにより肉厚部分を溶融して、針の貫通を可能にしているオリフィスを全体的にシールすることができる。最後に注記するが、図6には、受容部としてのみ機能する外被体の後方部分は示されていない。
【0102】
典型的な薬瓶ポンプの上述した部品群は、以下のようにして組み立てられる。まずピストンを、前部環状フランジが停止板に到達するまで、ポンプ本体内部に取り付ける。これにより、部分的に組み立てられた「ポンプ」は、休止閉鎖位置に置かれる。次に、部分的に組み立てられた「ポンプ」が弾性外被体の内部に取り付けられるとともに、この組み付けの間に、圧縮ガスの噴流が弾性外被体を膨張させて、弾性外被体による摩擦を最小限にする。
【0103】
図7に示すように、他の実施形態による薬瓶ポンプは、上記した部分に類似する3つの部分を備えるが、幾つかの小さな相違点を有する。図7の実施形態は、外被体のリング19、20、21にそれぞれ組み込まれるリング13a、5、8を有する。また、前方ベローズばね22と後方ベローズばね23とが図示されている。図5と図7とを見比べれば分かるように、長さLは、本体内でのピストンの後方移動距離に相当し、この後方移動により、流体をポンプのダクト18に導入できるとともに、ダクト18の内径寸法に基づいて放出流量が決定される。さらに、図7に示すように、バイアル部分77からの流体は、ベローズ部分23内に画定されるベローズチャンバとの間を流通する(双方向矢印Fで示す)。
【0104】
図7はさらに、薬瓶ポンプを剛性シェル27の内側に取り付けた状態で示す。さらに明らかな相違点は、環状アンダカットである。上記した構成では、点眼液の個々の投与量を放出するために、寸法は例えば以下のようになる。a)出口オリフィスを構成する通路の直径及びその長さは、それぞれ約1.0mm及び2.0mm、b)弁24の位置におけるKraton(登録商標)外被体の厚みは約0.8mmで流体出口端に向けて漸減、及びc)ベローズ部分23の位置におけるKraton外被体の厚みは1mm、ベローズ部分22においては0.75mmである。さらに、図7の上方領域に見られるように、外被体の後方部分は例えばシールによって囲繞され、それにより、ポンプ本体及びピストンは、ポンプ本体の前端を除いて全体に包囲される。
【0105】
本発明によれば、a)バイアルの後方部分を移動可能にするハウジングと薬瓶ポンプバイアルとの相対配置、又はb)薬瓶ポンプバイアルの後方部分をハウジングに対して固定するとともにピストンのみ移動可能にする相対配置の、2つの異なるタイプの薬瓶ポンプ装置を提供できる。所与の薬瓶ポンプは、上記した相対配置のいずれか一方の一部として組み込むことができる。図8(A)〜(E)は、上記した第1のタイプの薬瓶ポンプ装置における作動時の幾つかのステップを示す。一連の図8(A)〜(E)において、薬瓶ポンプは図7に示すように組み立てられており、剛性シェルの内側に置かれる。ここに開示する薬瓶ポンプでは、この剛性シェルを使用して、ポンプ本体は移動可能であり、ピストンは静止位置に保持される。
【0106】
図8(A)〜(E)において、Fは弾性外被体を充填している流体を示す。図8(A)に示す休止位置では、ピストンは、ポンプの受容部27、すなわち実際の薬瓶ポンプの3つの要素とは異なる構造によって静止位置に保持される。ここに開示する薬瓶ポンプ装置では、ピストンリングは後方ベローズばね23の圧縮によって固定的に保持される。図8(B)では、ポンプの起動に際し、ポンプ本体がその後方部分8によって前方に押され、スリーブによってポンプ本体に一体化されているノーズにこの前進を伝達する。これにより、このスペースにおいてポンプダクト18に液滴のキャビティが形成される。このキャビティは、ポンプ休止中には仮の状態に維持されるが、スリーブ7から前溝14の底リップまでの高さによって決まる容積を有し、それにより、前方ベローズ部分によって制限されるキャビティにこの液滴キャビティ18が連通する。この液滴キャビティ18は、ポンプ停止板16によって前方で画定され、側方スロット14で開口していないスリーブの前方円筒部分18によって両側で画定され、ピストンの前方環状フランジ2により制限されるピストンの前方部分2によって後方で画定される。
【0107】
続いて図8(C)を参照すると、ノーズが前方へ十分に深く押され、ピストンの前方フランジ2がスリーブ7の前溝の前リップの背後に置かれ、液滴キャビティ18の降下が流体Fの到達によって生じる。そこでポンプは、充填すなわち開放位置に置かれる。係脱機構及び係脱動作は、以下で個別に詳細に説明する。作動の間は、後方ベローズばね23は圧縮状態にあり、前方ベローズ部分22は延ばされている。続いて図8(D)に示すように、流体Fの液滴の放出段階の間、すなわちノーズ及び本体がそれらの初期休止位置に復帰する際に、最初に圧縮されていた後方ベローズばね23は延ばされ、組体は図8(E)に示す休止位置に再び配置される。
【0108】
バイアルポンプのもう一つ種類の好適な実施形態が図29Aに示され、この実施形態において、ピストン部分が可動であり、バイアルの後方部分がハウジングに関して固定されている。図29Aに示されたポンプ7000の動作は、図3から7及び8(A)〜(E)に図示されたバイアルポンプの動作と同じであるが、幾つかの機械的な特徴がポンプ7000を区別する。ポンプ7000は、コレット7026と長手方向延在部分7014及び7016とによって形成されたスリーブ内に滑り可能に係合する主ピストン7001を有している。ピストン7001は、前方ベローズ部分7022、後方ベローズ部分7023、後方部分7028、前方リング7029、外側ノズル部分7006、及び、前方円錐部分7025を有する弾性外被部分7300へ半径方向に延在するフランジ7005を介して連結されている。前方ベローズ部分7022及び後方ベローズ部分7023は、連結されたピストン7001へばね作用を提供する。弾性外被部分7300の後方部分7028は、コレット7026及び長手方向延在部分7016の後方部分7016aを確実に保持する。次いで、後方部分7028は、バイアル部分7027の前方部分内に確実に保持され、バイアル部分の内側が流体貯蔵部分7077を区画形成する。バイアル部分は、流体貯蔵部分7077内への空気の侵入を実質的に防止する強固な材料から形成されている。
【0109】
図29Aに示されたポンプの好適な実施形態を継続し、流体出口弁7024は、外側ノズル部分7006と、弾性外被部分7300の相補的なリング部分7029へ半径方向突起7030を介して固定された不動の内側ノズル部分7004との境界によって画定される。外側ノズル部分7006は、ノズル部分の基端から先端へ長手軸線に沿って減少する半径方向厚さを有している。ポンプ7000が包囲位置にある時に、ピストン7001は不動の内側ノズル部分7004の基端部分7007に当接する。ポンプ7000の動作中において、ピストンが基端部分7007に関して最初に引っ込められる時に、キャビティ(又は、ポンプ通路)7018が基端部分7007とピストン7001の前端との間に区画形成される。さらに、外側オリフィス7011は、キャビティ7018と流体出口弁7024との間の流体連通路を提供する。
【0110】
図29Aに示した長手方向に延在するスリーブ部分7014は、キャビティ7018への入口オリフィスとして機能する図5に示されたスロット15と実質的に同じ細長いスロット7015を有している。さらに、二つのO形状リング7003a及び7003bは、ピストン7001と、コレット7026及び長手方向延在部分7014及び7016によって形成された周囲スリーブとの間の流体密シールを提供するように、図29Aに示すようにピストン7001の周囲回りに固定又は型成形されている。O形状リング7003a及び7003bは、シリコン、ポリイソプレン、クラトン(登録商標)、又は、任意のゴム状材料から形成されて良い。加えて、基端部分7007は、圧縮動作中におけるピストン7001及びキャビティ7018のシールを保証するその前方フランジ7002の前方圧縮動作範囲を定める。
【0111】
ポンプ7000の動作は、図8(A)〜(E)に示す動作と実質的に同じで良い。図29Aに示されたピストン7001の包囲位置からの不動な内側ノズル部分7004の基端部分7007から離間するピストンの相対動作は、基端部分7007とピストン7001の前端との間の空間によって区画形成されるキャビティ7018内の吸引又は押下げをもたらす。基端部分7007から離間するピストン7001の最大相対動作は、予め確定されている。ピストン7001のフランジ7002がスロット7015の後方に位置する時に、流体連通路がスロット7015を介して実現され、キャビティ7018内の押下げが、前方ベローズ部分7022及び前方スリーブ部分7014との間に区画形成された周囲キャビティ7008からキャビティへ流体を引き入れる。ポンプピストン7001が基端部分7007に関して後方に動かされるこの”充填”段階中において、前方ベローズ部分7022は伸張し、後方ベローズ部分7023は収縮する。
【0112】
流体放出段階中において、ピストン7001は、前方ベローズ部分7022及び後方ベローズ部分7023のばね作用によって前方へ押される。前方フランジ7002が細長いスロット7015の前方へ動かされる時に、キャビティ7018内の流体はピストン7001の前方への動作によって圧縮され、圧縮流体は流体出口弁7024へ出口オリフィス7011を通り流れる。十分な流体圧力が流体出口弁7024にもたらされる時に、外側ノズル部分7006は、流体を通過させるために不動の内側ノズル部分7004から離間する。外側ノズル部分7006が、ノズル部分の後方又は基端から前方又は先端へ長手軸線に沿って減少する半径方向厚さを有するために、流体出口弁7024の前方部分は弁の基端部分が最初に開放される時には閉鎖されており、流体が弁7024を通過すると、弁の基端部分は、弁7024の前方部分が流体を放出するために開放される時までに閉鎖される。流体放出段階の完了時において、ピストン7001、前方ベローズ部分7022、及び、後方ベローズ部分7023は、図29Aに示された包囲位置へ戻される。
【0113】
前述したポンプ7000において、二つのO形状リング7003a及び7003bは、ピストン7001と、コレット7026及び長手方向延在部分7014及び7016によって形成された周囲スリーブとの間の流体密シールを提供し、それにより、ベローズ室7023a内を無流体に維持する。ベローズ室内に流体を存在させないことは、実質的に、後方ベローズ部分7023の弾性変形を流体が妨げる可能性を排除する。
【0114】
前述したように、バイアル部分7027の内側は、流体貯蔵部分7077を区画形成する。しかしながら、バイアル部分7027の内側は、さらに、弾性材料、例えば、クラトン(登録商標)から形成された内側ポーチ7100を有している。図29Aに示すように、内側ポーチ7100は、以下にさらに詳細に述べられる後方プラグ7200によってバイアル部分7027へ固定されている。内側ポーチ7100の内部7078は、流体貯蔵部分7077内に貯蔵された流体量に依存する可変空気容積部を収納している。図29Aは貯蔵部分の最大容量の約1/3の流体量を貯蔵した流体貯蔵部分7077を示している。弾性内側ポーチ7100は、内側ポーチの外側表面7100aが流体貯蔵部分7077内の流体レベルに一致するように潰れ可能又は膨張可能であり、すなわち、バイアル部分7027が流体で完全に満たされている時に、内側ポーチは実質的に完全に潰され、内部7078の容積が実質的にゼロである。
【0115】
貯蔵部分7077の液体がポンプ動作の結果として徐々に減少する時に、ポーチ7100は、相対的に膨張し、貯蔵部分7077内の吸引圧力によって吸引され、それにより、貯蔵部分7077内のポンプ動作に悪影響を与えることがある残留空気を実質的に排除する。内部7078の空気容積は、次いで、後方プラグに形成された空気孔7201を介して調整される。前述のように、内側ポーチは、流体貯蔵部分7077のための効果的な空気調整機構として機能する。
【0116】
図29Bに詳細に示したように、図29Aに示したバイアルポンプ7000のバイアル部分7027の後方は、後方プラグ7200によってシールされている。さらに、内側ポーチ7100は、後方プラグ7200によってバイアル部分7027へ固定されている。前述したように、後方プラグ7200は、内側ポーチ7100の内部7078の空気容積を調整する複数の空気孔7201を有している。内側ポーチ7100の後方部分7103は逆U字形状を有し、後方部分7103がバイアル部分7207の後方に半径方向に留められる。内側ポーチ7100の半径方向突起7101は、バイアル部分7207の後方に形成された相補的な凹み70271に固定される。加えて、後方プラグ7200も逆U形状を有し、内側ポーチ7100の後方部分7103に半径方向に留められる。
【0117】
後方プラグ7200は径方向内側に向かって突出する二つのノッチ部分7201および7202を有し、これらノッチ部分7201および7202はそれぞれ内部ポーチ7100の後方部分7103のノッチ部分7102およびバイアル部分7207の後部のノッチ部分70272と相互に作用する。後方プラグがシール位置に配置されるときには、後方プラグの内面は内部ポーチ7100の後方部分7103の径方向突出部7101と圧縮するように係合し、後方プラグ7200のノッチ部分7201および7202はそれぞれノッチ部分7102および70272を越えて摺動し、ノッチ部分7102および70272の下方と堅固に係合する。このため、後方プラグは「摺動プラグ」としても参照される。このようにして、後方プラグ7200は、径方向および鉛直方向においてバイアル部分7207の後部に密接したシールを提供するように、内部ポーチ7100の後方部分7103およびバイアル部分7202の後部を径方向および鉛直方向に圧縮する。
【0118】
薬瓶用ポンプの更なる別の実施形態が図30Aに示され、この薬瓶用ポンプではピストン部分は移動可能であり且つバイアルの後方部分はハウジングに対して固定される。図30Aに示されたポンプ8000は幾つかの相違を除いて図29Aに示されたポンプとほぼ同様である。第1に、ポンプ8000は内部ポーチ7100を有さない。代わりに、前方ベローズ部分7022と後方ベローズ部分7023とを有する弾性包囲部分7300が後方へと延び、バイアル部分7301を形成する。バイアル部分7301は実質的に硬い外側ハウジング8027に包囲される。第2に、図30Aの実施形態において組み込まれる後方プラグ8200は図29Aに示されたポンプ7000に組み込まれた後方プラグ7200よりも単純である。
【0119】
図30Bに詳細に示したように、後方プラグ8200はバイアル部分7301の後方部分7301aと協働して、密接したシールを提供する。後方プラグ8200は環状突出部8201を有し、この環状突出部8201はバイアル部分7301の後方部分7301aに形成された相補的な形状の環状凹部7302内にスナップ止めされ、これにより環状凹部7302に沿った周方向シールが提供される。後方プラグ8200は環状フランジ8202を有し、この環状フランジ8202はバイアル部分7301の後方部分7301aの環状フランジ7302に載置される。環状突出部8201および環状フランジ8202は共に後方部分7301aを鉛直方向に圧縮するように作用する。このようにして、後方プラグ8200は径方向および鉛直方向にバイアル部分7301の後方部分7301aの密接したシールを提供する。
【0120】
図9および図11に戻ると、これら図中には、全体を参照番号31で示した本発明の鼻用ディスペンサ装置に組み込まれるエアロゾル先端機構、すなわちエアロゾルノズル機構32の第1の実施形態が示される。第1の実施形態のエアロゾル先端機構32は出口部分3108と流体チャネル(または供給チャネル)3104とを有する可撓ノズル部分310と、可撓ノズル部分310内に受容される剛性シャフト3102と、可撓ノズル部分310を包囲しながらも出口部分3108を外部に晒すようになっている剛性外部ハウジング3101とを備える。剛性シャフト3102は出口部分3108の内側部と相互に作用して、通常閉鎖される第1バルブ3105を形成すると共にエアロゾル先端機構32の出口部分3108の端部に形成されたピンホールを介して噴射される前における流体リザーバ、例えばバイアル容器から流れる液体用の渦巻チャンバまたは収集チャンバ3103を画成する。
【0121】
図9および図11に示したように、エアロゾル先端機構の第1の実施形態では、まず、液体チャネル(「供給チャネル」としても参照)3104は剛性シャフト3102の周囲を囲う壁31021a、31021b、3102cに沿って長手方向(鉛直方向)に延び、続いて流体チャネルは水平方向(径方向)に延び、流体を渦巻チャンバ3103に搬送する。なお、壁31021cは図11のみに示されており、図面を分かり易くするために図9には示されていない。供給チャネルの鉛直部分は参照番号3104aとして示され、水平部分は参照番号3104bで示される。流体チャネル3104については以下で詳述する。
【0122】
ここで、流体チャネル3104および渦巻チャンバ3103における流体力学について簡単に説明する。渦巻チャンバ3103は噴射される薬剤のスプレーパターンを作り出すのに使用され、且つ幾つかのファクタが噴射されるスプレーパターンの物理的特性に影響を及ぼす。第1に、出口部分3108の端部に形成されるピンホールの長さはスプレーパターンの円錐の角度を制御する主要なパラメータであり、出口部分3108の端部におけるピンホールの長さが短くなるとスプレーパターンの幅が広くなる。第2に、出口部分3108の端部においてピンホール開口の外部と内部との圧力差が大きくなると、粒子がより均質になり且つ粒子サイズが小さくなる。第3に、出口部分3108の端部においてピンホールの直径が短くなると、スプレーの粒子サイズが小さくなる。
【0123】
スプレーされる粒子サイズを均質にし且つ概して粒子サイズを小さくするために、本発明のディスペンサ装置は流体力学において「ヘッドロス」として称される流路における抵抗源を最小にすることによって、出口部分3108の端部におけるピンホール開口の外部と内部との間の相対圧力差を最大にする。このことに関して、本発明において組み込まれる流体チャネル3104の長さは最短にされ、且つ流路が渦巻チャンバ3103に近づくにつれて流体チャネルの幅が小さくなる割合が最小にされ、さらに渦巻チャンバに対する流体チャネルの角度の変更割合が最小にされ、すなわち流体チャネル3104の全長に過度に延びてしまうことなく鉛直部分3104aから水平部分3104bへの遷移ができるだけ穏やかに行われる。図9および図11に示した流体チャネルおよび渦巻チャンバが組み込まれたディスペンサ装置を用いると、噴射されるスプレーパターンの平均粒子サイズは40μmであった。
【0124】
図9および図11に示されたように、三つの別個の水平チャネル部分3104bは渦巻チャンバ3103と合流する。このような構成では、図28に示したように渦巻チャンバ3103と集まっていくチャネル部分3104bとの間の傾斜スロープにおける相対差αを作り出すことによってヘッドロスが更に減少せしめられる。この場合、渦巻チャンバ3103内で既に渦巻いている流体2801は、近接した水平チャネル部分3104bから渦巻チャンバ3103に侵入した流体2802と上記流体2801とが合流したときに、渦巻チャンバの頂部に対して半分の位置に位置する。
【0125】
本発明の第2の実施形態のエアロゾル先端機構、すなわちエアロゾルノズル機構32は図14Aおよび図14Bに示される。第2の実施形態は1つの相違を除いて第1の実施形態とほぼ同様である。図9および図11に示された第1の実施形態と対比して、第2の実施形態のエアロゾル先端機構、すなわちエアロゾルノズル機構は剛性シャフト3102の周囲を包囲する壁31021a、31021bおよび31021cを有さず、供給チャネル3104は剛性シャフトの第2部分3102aの外部と可撓本体部分3107の内面との境界に沿って延びる傾斜して鉛直方向を向いたチャネルのみから成る。よって、第2の実施形態では、傾斜して鉛直方向を向いた供給チャネルは直接渦巻チャンバ3103に接続される。
【0126】
図9に示されるように、本発明の第1の実施形態のエアロゾル先端機構、すなわちエアロゾルノズル機構32はほぼチューブ状の可撓本体部分3107に連結され、該可撓本体部分の壁の厚さはその底部から可撓ノズル部分310に向かって可撓本体部分の対称軸線に沿って減少していく。可撓ノズル部分310内に受容された剛性シャフト3102は下方へ向かって可撓本体部分3107内へと延び、剛性シャフトの第2部分3102aは可撓本体部分3107と相互に作用し、通常閉鎖される第2バルブ3106を形成する。
【0127】
図9および図10を参照すると、流体リザーバから出口部分3108への液体の流体接続流路3201は通常閉鎖される第1バルブ3106および通常閉鎖される第2バルブ3105を連続的に越えて延びる。参照番号31で全体的に示された鼻用ディスペンサ装置のポンプ機構3110はディスペンサ装置のポンプ本体部分3111に対して作用し、圧力が加えられることによって流体接続流路3201に沿って流体リザーバからの流体を流す。ポンプ本体部分3111の部分は通常閉鎖される第1バルブ3106を画成し、該バルブは流体が逆方向から流出することおよび流体リザーバに向かって戻ることを防止する。なお、本発明のノズル機構は様々な流体供給装置と共に使用され、その一例を既に図3〜図8に関連して示した。図9および図10に示されたディスペンサ装置のポンプ機構3110およびポンプ本体部分3111は様々な供給装置の例であり、一般的な代表例であることが理解されるべきである。
【0128】
図9および10に示したように、液体容器からの液体は最初に流体連通路3201に沿って導かれ第1の正常閉鎖したバルブ3106の入口に達する。第1の正常閉鎖したバルブ3106は、剛性シャフトの第2部分3102aの外部と可撓性ボディ部分3107の内表面との界面に沿って形成された供給チャネル3104の鉛直部分3104aへの液流を調整する。流体連通路内にある液体の圧力が、可撓性ボディ部分3107を半径方向に変形させるのに十分な閾値圧力に達すると、第1の正常閉鎖したバルブ3106の下部セグメントを構成する可撓性ボディ部分の部分3501が液体によって半径方向に変形させられ、それにより、図13Aに示すように、第1の正常閉鎖したバルブ3106が開く。液体が第1の正常閉鎖したバルブ3106を通って供給チャネル3104の鉛直部分3104aへ向かって進行するのに伴い、図13Aおよび13Bに示したように、第1の正常閉鎖したバルブ3106を構成する可撓性ボディ部分3107の連続セグメントが半径方向に変形し、その結果、最終的に液体は、第1の正常閉鎖したバルブ3106を構成する可撓性ボディ部分3107の最上部セグメント3502を横切って、供給チャネル3104の鉛直部分に流入する。
【0129】
図13Aおよび13Bに示すように、第1の正常閉鎖したバルブ3106の下部セグメント3501から上部セグメント3502までの間に、すなわちノズル機構の対称Sの長軸に沿って、可撓性ボディ部分3107の肉厚が減少するので、液体が上部セグメント3502に達する時点までには、バルブ3106の下部セグメント3501は実質的に閉じる。セグメント3501が最初に開く動作を図13Aに示し、これに続いて上部セグメントが開く動作を図13Bに示す。バルブ3106の下部セグメント3501を開くのに要するエネルギーは上部セグメント3502を開くのに要するエネルギーより大きいので、下部セグメント3501が一度開いてしまうと、液体の流れは可撓性ボディ部分3107にある第1バルブ3106を通って前進を続けるように自然に偏向される。このようにして、第1の正常閉鎖したバルブ3106によって、供給チャネル3104の鉛直部分3104aに向かう方向のみに液体の移動が限定される。
【0130】
流体連通路3201内にある液体は、第1の正常閉鎖したバルブ3106を横切った後は、図9、10、11に示すように、剛性シャフトの第2部分3102aの外部とアエルゾルチップ機構32の第1実施形態の可撓性ボディ部分3107の内表面との界面に沿って延びる供給チャネル3104の鉛直部分3104aに流入する。図11、13A、13Bに示すように、供給チャネル3104は流体連通路3201の第1の正常閉鎖したバルブ3106と渦巻チャンバ3103との間の部分を画定しており、供給チャネルの鉛直部分3104aは供給チャネルの水平部分すなわち半径方向部分3104bに接続しており、それは更に可撓性ノズル部分310内にある円筒状渦巻チャンバ3103に接線方向から接続している。供給チャネル3104の水平部分3104bを円筒状渦巻チャンバ3103に接線方向から接続したことにより、図11に矢印3301で示したように、渦巻チャンバ内で液体の旋回運動が生ずる。
【0131】
図14Aおよび14Bに示したアエロゾルチップ機構の第2の実施形態においては、供給チャネル3104は、剛性シャフトの第2部分3102Aの外部と可撓性ボディ部分3107の内表面との界面に沿って延びた、3104cで示した傾斜鉛直部分のみから成る。そのため、アエロゾルチップ機構の第2実施形態においては、流体連通路3201内の液体は、第1の正常閉鎖したバルブ3106を横切った後は、傾斜鉛直方向供給チャネル3104cを介して渦巻チャンバ3103に直接流入する。液体の旋回運動は、矢印3301で示すように、供給チャネル3104cが渦巻チャンバ3103に対して接線方向に(傾斜して)配向していることによって生起され、液体が出口部分3108から排出されるまで持続する。この排出動作の力学的な説明は以下に行なう。
【0132】
図9、12Aおよび12Bに示したように、液体の圧力が、第2の正常閉鎖したバルブ3105を構成する出口部分3108を半径方向に変形するのに十分な閾値に達すると、渦巻チャンバ内の液体が出口部分3108を介して排出される。前述の第1の正常閉鎖したバルブ3106と同様に、第2の正常閉鎖したバルブ3105を通る液体の運動により、出口部分3108の各セグメントが順次変形する。図12Aに示すように、第2の正常閉鎖したバルブ3105の下部セグメントを構成する出口部分3108の部分は液体によって半径方向に変形し、それにより、第2の正常閉鎖したバルブ3105が開く。液体が第2の正常閉鎖したバルブ3105を通って出口部分3108の先端に向かって進行するのに伴い、図12Aおよび12Bに示すように、第2の正常閉鎖したバルブ3105を構成する出口部分3108の一連の各セグメントが半径方向に変形し、その結果、最終的に液体は、第2の正常閉鎖したバルブ3105を構成する出口部分3108の最上部セグメント3402を通って進行する。
【0133】
図9、12Aおよび12Bに示すように、第2の正常閉鎖したバルブ3105の下部セグメント3401から上部セグメント3402までの間に、すなわちアエロゾルチップあるいはノズル機構の対称Sの長軸に沿って、出口部分3108の肉厚が減少する。このように肉厚が一様に減少することにより、図12Aおよび12Bに示すように、バルブ3105の下部セグメント3401は、液体が上部セグメント3402に達する時点までには実質的に閉じる。バルブ3105の下部セグメントを開くのに要するエネルギーは上部セグメント3402を開くのに要するエネルギーより大きいので、下部セグメント3401が一度開いてしまうと、液体の流れは出口部分3108にある第2バルブ3105を通って前進を続けるように自然に偏向される。このようにして、バルブ3105によって、ノズル部分310の外部先端に向かう方向のみに液体の移動が限定される。
【0134】
液体が出口部分3108を通って排出されている間は、アエロゾルチップあるいはノズル気候の対称Sの長軸に沿った変形をする可撓性ノズル部分310のセグメントのみが出口部分3108となる。可撓性ノズル部分のこれ以外の各セグメントは剛性ハウジングによって対称Sの長軸に沿った変形を防止される。出口部分3108が軸Sに沿ってごく僅かな変形をしても、半径方向の変形は大きい。更に、出口部分3108は剛性シャフト3102に対して軸Sに沿った力を負荷しない。すなわち、出口部分3108は、第2バルブ3105の開閉動作中に、剛性シャフトと擦れ合わない。このように、出口部分3108と剛性シャフト3102とが擦れ合わないので、渦巻チャンバ3103に汚染物質が侵入する機会が最小化される。
【0135】
本発明によるアエロゾルチップあるいはノズル機構の利点の一つは、上述のように、剛性ハウジング3101によって可撓性ノズル部分310が軸方向に変形しないことである。可撓性ノズル部分310は、出口部分3108以外は、図12Aに示した対称Sの長軸に沿った変形を実質的にせず、渦巻チャンバ3103に導入された液体の旋回運動を生起させる流体チャネル3104の外形が、液体の排出中に維持される。可撓性ノズル部分310が液体の排出方向に沿って軸方向に変形すると、流体チャネル3104が変形し、その結果、旋回運動が起きなくなる。
【0136】
本発明によるアエロゾルチップあるいはノズル機構の上記実施形態においては、可撓性ノズル部分310、可撓性ボディ部分3107およびポンプボディ部分3111を作製する材料は、公知の材料を用いれば良く、例えば、ブタジエンポリエチレンスチレン(KRATON(登録商標))、ポリエチレン、ポリウレタン、その他の弾性材料で作製することができる。KRATON(登録商標)は、経時変化による永久変形すなわち「クリープ」に対する抵抗力が高いので特に適している。
【0137】
本発明によるエアロゾルチップまたはノズル機構の他の利点は、ノズル機構を構成する部品点数、従って、前記ノズル機構に組み合わせるポンプ機構を含む鼻供給装置が従来ノズル機構と比較して相当に縮小されていることである。図9から理解されるように、本発明によるノズル機構を組み込んだ鼻供給装置は単に3つの分離部品から形成できる。即ち、硬質ハウジング3101と、可撓性ノズル部310、可撓性本体部3107およびポンプ本体部3111を一体化した可撓性片と、ポンプ機構3110に一体化した硬質シャフト3102で構成される。単に3つの分離部品のみが必要であるので、鼻供給装置の製造コストおよび煩雑性は大いに減少する。
【0138】
本発明によるエアロゾルチップおよびノズル機構の他の利点は、ノズル機構内の液体が周囲空気と接触しかつ続いてノズル機構の内部へ復帰する、即ち、液体が「サックバック」(sucked back)する可能性を、薄い壁厚の出口部3108を有する第二の通常閉鎖の一方向弁3105が実質的に解消することである。出口部3108の薄い壁厚により、液体は、その弁の相対的に厚い基部が一旦開放すると、自然に付勢されて出口部3108の第2弁3105へ前進移動する。従って、出口部3108は実質的ゼロ、「デッド容量」(dead volume)になる。即ち、周囲空気に既に暴露された液体が残存する空間を形成する。
【0139】
本発明のエアロゾルチップまたはノズル機構の他の利点は、出口部3108が、第2弁3105の開閉時に硬質シャフト3102をこすらないことである。従って、出口部3108と硬質シャフト3102間のいかなる擦り接触も生じないので、回転室3103へ汚染物が侵入する機会が最小限になる。
【0140】
本発明によるエアロゾルチップまたはノズル機構の他の利点は、出口部3108へ通じる液体連絡通路に沿って複数の弁が存在することである。第2の通常閉鎖弁に加えて、液体容器と出口間の流体連絡通路に沿って位置決めされた第一の通常閉鎖弁は、液体容器内の液体が周囲空気に偶発的に暴露されかつ続いてノズル機構へ戻った液体により汚染されることを更に確実に阻止する。第1および第2の通常閉鎖弁が流体連絡通路に沿って位置決めされて、出口への排出に通じる流体連絡時に、継続的、従って、非同期して開放するので、第1および第2弁のいずれか一方の機能障害がノズル機構の一体性に影響することなく液体容器内の液体の汚染を防止する。
【0141】
本発明による医薬品ディスペンス装置は、更に、図1に示したハウジング101との関係で図15〜17に示した一方向作動解除機構を含み、これは図15〜17に示したアコーディオン式またはピストン式バイアルディスペンサ4200を収容しかつそれと協働する構成である。理解されるように、図15〜17に示したバイアルディスペンサ4200は、図3〜8に示したポンプ装置および図9〜14に示したノズル機構を組み合わせた一般的装置例である。図15〜17に示した構成要素の説明は、同様に、図3〜14に示した対応する構成要素の一般的説明である。本発明は図15〜17に概ね示しかつ図3〜14に特に示したバイアルディスペンサとの関係で説明するが、本発明はこの特定タイプのディスペンサに限定されない。即ち、ポンプ装置およびノズル機構はここに記載のものと相違してよい。
【0142】
図15に示されたように、バイアルディスペンサ4200はノズル42、前方リング43、前方ベローズ部44、後方リング46、後方ベローズ部47、および後バイアル部または所定貯蔵量の液体医薬品を収容する液体貯蔵室48を含む。バイアルディスペンサ4200は上記ベローズに沿って長手方向に圧縮自在である。この目的から、前後方ベロー部44および47は、それぞれ、Kraton(登録商標)等の可撓性軟質プラスチック材料で構成される。ディスペンサの弾性(復元力)は優れた記憶力を有しかつ優れたばねとして作用するKraton(登録商標)で形成された前後ベローズのばね力により提供される。留意すべきことは、図15に示した後方ベローズ部47がドーム形状であり、かつこのドーム形状が前方ベローズ部44に融合してよいことである。同様に、図15に示した前方ベローズ部44の形状は後方ベローズ部47へ融合する。
【0143】
図16に示されたように、バイアルディスペンサ4200は更に滴下キャビティ、または投与キャビティ431を含み、これはディスペンス装置が作動するときに、ノズル42から放出する所定量の流体を収容する。更に、バイアルディスペンサ4200内のポンプピストン49は、ピストン49が後方リング46に調和して移動するように後方リング46に固定されている。更に、図15および16に示されたように、後バイアル部48を前方ベローズ部44へ連結する導管チャネル410、および前方ベローズ部44内の周辺チャネル411はディスペンス装置の作動により滴下キャビティ431へ医薬品を供給するための導管として作用するために提供される。詳細に後述するように、ディスペンス装置のトリガ機構の単一作動運動は、後バイアル部48からの医薬品の滴下キャビティへの継続的充填、もしくは「装填」、およびノズル42を通る滴下キャビティからの医薬品の継続的放出を可能にする。
【0144】
ハウジング内に収容された図1に示したディスペンス装置の長軸に沿った断面図を示す図15図示されたように、外ハウジング101(図示されていない)は、ノズル42、後壁4105、後壁54105から内部に延びたウエッジ形アーム4103、トリガ1103、およびトリガ1103と同時に作用するノッチ付き内レバー4102からの医薬品の放出のための孔4106を有する前壁4104を含むディスペンス装置のキャリッジ4101である。留意すべきことは、この特定形態は分離外ハウジング101および内キャリッジ4101を有するものとして図示されているが、外ハウジング101および内キャリッジ4101の全構成要素または一部構成要素は組み合わされてよく、例えば、図1に示した外ハウジング101のトリガーボタン103は図15に示した内トリガ1103と同一構成であってよい。
【0145】
図15に示されたように、バイアルディスペンサ4200は、休止(停止、当接)位置で前方リング43が前壁4104に当接し、後バイアル部48が後壁4105に当接し、かつノッチ付きレバー4102が後方リング46と係合するようにキャリッジ4101内に位置決めされる。好適には、キャリッジ4101は、ディスペンサ4200がキャリッジ4101にスナップ式に嵌まり、ノズル42が前壁4104の孔4106内で完全に後退するような寸法であり、それによりノズル42と眼との偶発的接触、およびノズルの外側の汚染を防止する構成である。更に、後壁4105はウエッジ形アーム4103との関係で後バイアル部48を収容するための後室を形成する。
【0146】
図15に示された当接位置から、本発明によるディスペンス装置は、トリガ1103を押すことにより作動する。トリガ1103の押下と同時に、ノッチ付きレバー4102は後壁4105へ向かって横へ移動し、後方リング46に係合し、それにより、図16に示されたように、前方ベローズ部44を伸張し、かつ後方ベローズ部47をバイアルディスペンサ4200の長軸に沿って圧縮する。図15および16から理解されるように、前方ベローズ部が後方リング46に係合するノッチ付きレバー4102によって伸張するときに、内ポンプピストン49は同様に後壁4105へ向かって横へ移動する。前方ベローズ部44、ポンプピストン49および後方ベローズ部44の総合運動が滴下キャビティ431での圧力滴下を可能にし、そしてこの滴下キャビティは、導管チャネル410および周辺チャネル411を経て後バイアル部48から流れる医薬品で充填、もしくは「装填」される。
【0147】
作動シーケンスについて説明を続ける。トリガ1103をさらに押し下げると、最終的に、ノッチ付レバー4102が楔状アーム4103に接触する位置に到達する。ここで、図17に示されているように、楔状アームがノッチ付レバー4102に係合し、このノッチ付レバーを持ち上げて後方リング46から外す。ノッチ付レバー4102から後方リング46が解放されると、図17に示されているように、前方ベローズ部分44と後方ベローズ部分47とのばね作用によって、後方リング46とポンプピストン49とが前方壁4104に向かって移動せしめられる。ポンプピストン49が動くことによって、ノズル42を介して投与キャビティ431から薬品を排出させる圧力が生成される。次いで、トリガ1103が解放されると、ノッチ付レバー4102が楔状アーム4103から外れ、そして、ノッチ付レバー4102はそのばね作用によって図15に示されている静止位置へとカチッとスナップ式に戻ることができる。
【0148】
上記説明から分かるように、前方ベローズ部分と後方ベローズ部分とが決して長時間に亘って変形状態に固定されないことから、本発明のディスペンサ装置には、前方ベローズ部分および後方ベローズ部分のばね特性にヒステリシスが生じる可能性がほとんどないという利点がある。したがって、本発明のディスペンサ装置によれば、薬品の排出量が校正された量から実質的にずれることがない。また、ユーザが作動機構に適用する力から作動ばね力が独立していることから、各投薬排出量は確実に一定している。
【0149】
また、本発明のディスペンサ装置には、トリガ1103の動きがディスペンサ装置の長手軸線に対して垂直であるという利点もある。これによれば、トリガを押し下げる動作の方向が鼻腔の方向に一致しておらず、したがって、鼻腔にノズル42が偶発的に突き刺さってしまう危険性がほとんどなくなる。
【0150】
また、本発明のディスペンサ装置には、ディスペンサ装置の長手軸線に対して垂直な方向へトリガ1103を一回だけ作動することによって、ユーザーが投与キャビティを薬品で充填し、それに続いて、予め校正された量の薬品を排出することができるという利点もある。また、トリガ機構が簡単に薬滴を形成して解放することができるレバーであって、これにより、より正確に薬滴を鼻腔に供給することができるので、本発明のディスペンサ装置は、関節炎の患者や子供にとって便利である。
【0151】
さらに素早く効率的で衛生的に充填するために、本発明の鼻ディスペンサ装置が、例えば、図15において参照符号48で示した後方バイアル部分のような液体コンテナ部分用の機械式閉鎖装置を有していてもよい。本発明の機械式閉鎖装置の第1実施形態の分解図である図18に示されているように、第1実施形態は、機械式の蓋またはプラグ5101と環状の剛性リング5102とを有し、これらプラグとリングとは、ポーチまたはコンテナ5103の開口5103b近傍でネック領域5103dに相互作用して開口5103bを密封する。ポーチまたはコンテナ5103は、ブタジエンポリエチレンスチレン(KRATON(登録商標))、ポリエチレン、ポリウレタンなどのプラスチック材料、または、熱可塑性エラストマなどの弾性材料を含む従来公知の幾つかの材料のうち1つから作製される。図18に示されているように、ノズル5103aを有するコンテナ5103は、ノズルを有する薬品ディスペンサ装置、例えば、図15に示されているバイアルディスペンサを一般化して代表するものである。しかしながら、ノズル5103の開口5103b近傍のネック領域5103dは、図15に示されている後方バイアル部分48の対応する部分、すなわち、壁4105に面し且つ機械式閉鎖要素を備えていない状態で示されている端部分を詳細に例示したものである。
【0152】
本発明の機械式閉鎖装置の第1実施形態の分解断面図である図18に示されているように、剛性リング5102の外壁面形状は開口5103b近傍のコンテナ5103のネック領域5103dの内壁面形状と相補関係をなしており、したがって、剛性リング5102はネック領域5103dの内部5103Cへとカチッとスナップ式に嵌ることができる。同様に、図18および図19に示されているように、機械式プラグ5101の径方向エッジ5101aはU字形状の領域として形成されており、このU字形状の領域はプラグ周りに延在し、その形状は組み合わされた後の剛性リング5102とネック領域5103dとの外壁面形状に一致する。剛性リング5102がネック領域5103dの内部5103C内にカチッとスナップ式に嵌った後、それに続いて、U字形状の領域5101aがポーチ5103のネック領域5103dと剛性リング5102の内壁面とに密に係合するように、機械式プラグ5101がコンテナの開口5103b周りの所定位置へとカチッとスナップ式に嵌められる。
【0153】
図19に示されているように、機械式プラグ5101のU字形状の領域5101aは突起51013,51014,51015と少なくとも1つの凹部51016とを有する。同様に、機械式プラグのネック領域5103dの外壁面には突起51031が設けられ、ネック領域の内壁面には突起51035が設けられている。さらに、剛性リング5102は鉛直方向に延びる内壁面5102aに凹部51021を有し、その底壁面に凹部51022を有する。剛性リング5102の凹部51022はネック領域5103dの突起51035を収容し、これによれば、いったん剛性リングが所定位置にカチッとスナップ式に嵌ると、剛性リングがコンテナ5103のネック領域に確実に係合せしめられる。機械式プラグのU字形状の領域5101aの突起51013,51014,51015、および、部分51018は、それぞれ、剛性リングの凹部51021、および、ネック領域5103dの外壁面の部分51034,51036,51037に係合する。さらに、ネック領域5103dの外壁面の突起51031,51033は、ぞれぞれ、機械式プラグのU字形状の領域5101aの部分51017および凹部51016に係合する。
【0154】
上述した相互にロックせしめられる突起と凹部との組み合わせに加えて、機械式プラグ5101の下壁面には少なくとも2つの脚51011が取り付けられており、図19に示されているように、これら脚は機械式プラグの下壁面に対して垂直に延びる。各脚51011はフック状の端部分51012を有し、この端部分51012は剛性リング5102と機械式プラグのネック領域5103dとが組み立てられて組み合わされたときの底部の内部において凹部領域51032に係合するようになっている。脚51011は、本発明の機械式閉鎖装置が組み立てられている間において、この脚51011が剛性リングの鉛直方向へ延びる内壁面5102a上を滑ってスライドし、そして、凹部領域51032のところへと所定位置でカチッとスナップ式に嵌り、コンテナのネック領域5103dの部分51038に当接する。
【0155】
機械式プラグ5101のU字形状の領域5101aと脚51011との組み合わせによって、機械式プラグに当接しつつコンテナのネック領域5103dと剛性リングとが鉛直方向および径方向にさらに圧縮される。例えば、図19に示されているように、脚51011の部分51012は剛性リングの部分51023とコンテナのネック領域5103dの部分51038とに相互作用し、機械式プラグの部分51014,51018はコンテナのネック領域5103dの部分51034,51037に相互作用し、これによって、機械式プラグ5101と剛性リング5102との間でネック領域が鉛直方向に圧縮される。同様に、機械式プラグ5101のU字形状の領域5101aの部分51013,51015,51017は部分51021,51036,51031にそれぞれ相互作用し、これによって、機械式プラグと剛性リング5102との間でネック領域5103dが径方向に圧縮される。斯くして、図20に示されているように、コンテナの開口5103bが実質的に密封されてシールされる。
【0156】
上記説明、図19、および、図20から分かるように、本発明の第1実施形態の機械式閉鎖装置は、2つのタイプの機械的なシールを形成する。1つ目として、例えば、部分51034と部分51037との間で延びる領域や領域51022と領域51035とのインターフェース部分といったネック領域の水平方向に沿って延びるシールが、機械式プラグによってネック領域5103dを剛性リング5102に鉛直方向に押し付けることによって、形成される。2つ目として、例えば、部分51036と部分51034との間で延びる領域や領域51021と領域51013とのインターフェース部分といった鉛直方向に沿って延びるシールが、機械式プラグによってネック領域5103dを剛性リング5102に水平方向に押し付けることによって、形成される。
【0157】
機械的プラグが容器開口部に差し込まれると、容器材料に生じる圧縮が、圧縮された材料の変位または「クリープ」をより小さな圧縮領域に向って生じるようになる。突出部が、限られた領域内に閉じ込めるために、圧縮によって変位した容器材料を押し込めることによって、長時間のシールの締め付けを確実にする。例えば、機械的プラグ5101の突出部51014及び51015が、突出部51031を容器のネック領域5103dの外側面を画定する。したがって、突出部51031の材料が、突出部51031の材料が部分51015と51017とによって初期に圧縮されるとき、突出部51031の変位した材料が、変位した材料の更なる移動を制限する突出部51014に向って押し込められることによって、剛性シールが維持される。実質的に、突出部51014,51015及び51031の相対的配置が、シール増加のためにクリープ現象を能率よく案内する。
【0158】
図19と図20に図示するように、機械的プラグ5101の下側面51019の中央部分は、延長部またはプランジャ51017に好ましく装着され、このプランジャは、機械的プラグ5101が容器開口部5103bの周囲に差し込まれる以前に、容器の液体含有物に広げることに適する。挿入されたプランジャ51017が液体レベルを上昇させるために押し込まれ、したがって液体レベルと共に空気またはガスの泡を上昇させることを可能にし且つ機械的プラグ5101によって密封されていない容器開口部5103bを通って放出することを可能にする。このようにして、プランジャ51017は、液体表面及び機械的プラグの下側面との間にさもなければ残留する残留空気の泡を実質的に減少する。機械的プラグと、ネック領域5103dと、剛性リング5102との形状及び大きさは次のようにする。すなわち、機械的プラグのU字形状領域5101a及び脚部51011は、剛性シールのみを形成するために、プランジャ51017がネック領域5103dのほぼ上端部まで上昇させるために液体レベルに押し付けられた後に、ネック領域5103dと剛性リング5102と相互作用することによって、無気充填工程に通常利用される真空条件を必要としない。
【0159】
機械的プラグ5101の下側面51019は、プランジャ51017の挿入によって液体の表面レベルまで押し上げられた空気及びガスの泡が、液体レベルと機械的プラグの下側面との間に捕捉されないことを確実にするために勾配がつけられる。この勾配面51019は、空気の泡の移動を半径方向上向きに促進させ、この空気の泡は、容器の開口部5103bを通って2つの脚部51011の間の領域を経由して最終的に捕捉される。
【0160】
図21の本発明にしたがう機械的クロージャ装置の第2の好ましい実施態様の拡大横断面図に図示するように、本発明の第2の実施態様は、実質的に第1の実施態様に類似していて、且つ機械的プラグまたはプラグ5401及び剛性環状リング5402を含み、これらの双方はポーチまたは容器5403のネック領域5103dと相互作用する。図18〜20に関して記載する第1の実施態様のように、剛性リング540の外形は容器5403のネック領域5403dの内側輪郭と補完的であることによって、剛性リング5402をネック領域5403dの内側輪郭に差し込むことを可能にする。さらに、機械的プラグ5401の半径方向の端部5401aは、プラグの周りに延在する弓形状領域として形成され、且つ剛性リング5402とネック領域5403dとの組立物の外側輪郭を補完する。剛性リング5402はネック領域5403dの内側輪郭に差し込まれた後、機械的プラグ5401はネック領域5403dによって規定される容器開口部5403bの周囲に実質的に差し込まれことにより、弓形領域5401aは図22に示すようにポーチ5403と剛性リング5403dのネック領域5403dと堅く嵌合する。
【0161】
機械的クロージャ装置の第1の実施態様のように、第2の実施態様の機械的プラグ5401の下側面54019は勾配またはテーパをつけて、プランジャ54017の挿入によって液体の方面レベルまで押し上げられた空気またはガスの泡が半径方向上向きにされ、容器の開口部5403bを通って2つの脚部54011の間の領域を経由して放出されることを確実にする。
【0162】
さらに、機械的クロージャ装置の第1の実施態様と同様に、図21及び図22に示される第2の実施態様は、機械的プラグ5401の下側面に接触する少なくとも2つの脚部54011を備え、各脚部はホック形状の領域54012を端部に備える。このホック形状の領域54012は、剛性環状リングの底面に領域54023を嵌合するために適する。さらに、機械的プラグ5401の中央下側面に延長部またはプランジャ54017が付属され、このプランジャは、機械的プラグ5401が容器開口部5403bの周囲に差し込まれる以前に、容器の液体含有物まで延長するのに適し、それによって、液体の表面と機械的プラグの下側面との間に残留する空気泡が実質的に減少される。
【0163】
本発明に従う機械的クロージャ装置の第2の実施態様は、第1の実施提要の相当する部分に見られる突出部の数より少ない突出部を機械的プラグ5401の表面とネック領域5403d上に利用する。しかしながら、相互作用する構成物の独特な配置、すなわち、機械的プラグ5401、剛性リング5402及びネック領域5403dは、ポーチ5403の実質的な密閉シールを確実にする。図21及び図22に図示するように、機械的プラグの突出部54015及び領域54017は、ネック領域5403dの領域54031と相互作用し、この領域54031は、ネック領域5403dの外側表面の規則的な輪郭からの突出部を含み、且つ機械的プラグの部分54016が剛性リング5402の領域54022と相互作用することによって、剛性リング5402とネック領域5402との半径方向圧縮を達成する。さらに、機械的プラグの部分54016及び54012は、ネック領域5403と剛性リング5402とを垂直方向に圧縮するために、剛性リング5402の領域54022と54023と相互作用する。
【0164】
圧縮点の周囲で容器材料の変位またはクリープが、機密シールの減少を生じさせないことを確実にするために、機械的クロージャ装置の第2の実施態様は、機械的プラグ5401の半径方向端部に突出部を備える。図21及び図22に図示するように、突出部54015は、環状剛性リング5402によって境界が決められる空間54018に向って上方に流すため、圧縮によって変位する領域54031の容器材料を押し込む。したがって、突出部54015及び剛性リング54031は、容器5403の領域54031の変位した材料を閉じ込めることによって、長時間密閉シールを維持する。
【0165】
本発明に従う鼻ディスペンサ装置に組み込まれる有効且つ衛生的に充填する注入式ポンプ機構のクロージャの代わりの手段として、「自己収縮」機構クロージャ装置が利用できる。自己収縮機構クロージャ装置の好ましい実施態様に関する使用に適した容器またはポーチ6100のネック6102の斜視図を図23Aに示す。容器6100は、図15に示すガラス瓶後部断面48の別の一般的な描写であり、ネック6102は、さらに詳細な好ましいガラス瓶後部断面48の相当する部分(すなわち壁4105に面する端部)の好ましい描写であり、この端部は機械的クロージャ要素無しで示される。
【0166】
図23Bに図示する容器6100の断面図に示すように、ネック6102は、内側面6106と外側面6108とを含む。実質的に半円形の第1凹部または溝6110が、容器6100の開口部6104近くのネック6102の内側面6106に設けられ。第1の溝6110は、ネック6102の内側面6106の全周に沿って実質的に延在することができる。
【0167】
第1の突出部6112は、ネック6102の外側面6108に備えられ、外側面6108の全周に沿って実質的に延在する。第1の突出部6112は、実質的に半円形状の上側部分6112aと実質的に環状の下側部分を含む。図23Bに示されるような横断面において、実質的に半円形状のシェルが第1の溝6110と第1の突出部6112の上側部分6112aとによって形成されるように、第1の突出部6112の上側部分6112aは、ネック6102の内側面6106に位置する実質的に半円形状の第1の溝6110と実質的に垂直に配置することができる。
【0168】
第1の突起6112と第1の溝6110によって形成された略半円形のシェルの上に環状のリム6114を設けるようにしても良い。環状リム6114は容器6100のネック6102に対して外側にオフセットしており、この環状リム6114が容器6100の開口部を形成している。
【0169】
図24Aは、機械式プラグ6200と剛性の高いクリンピング要素6300を備えた本発明のセルフクリンプ式の機械式閉鎖装置の実施形態のもう一つの斜視図である。図24Bの切取図に示すように、機械式プラグ6200は破断フランジ6400を介してクリンピング要素6300に結合されている。また、機械式プラグ6200は床部6202と、この床部6202の全周を囲み、床部に垂直に延びるプラグ壁6204とを備えている。
【0170】
機械式プラグ6200は、クリンピング要素6300に破断フランジ6400を介して取り外し可能に連結されているため、機械式プラグ6200とクリンピング要素6300とは一体の要素として製作するようにしても良い。一体の要素として製作することにより、機械式プラグ6200とクリンピング要素6300とを一緒に取り扱うことができるため、搬送やシール工程が簡単になる。また、破断フランジ6400は、機械式プラグ6200とクリンピング要素6300の組み合わせのネックからの抜き出しと再挿入とを可能とし、予め定めた大きさの力を加えた場合にのみ破断するような材料から構成されるか、若しくはそのような設計とされる。本実施形態は、破断フランジ6400を介して取り外し可能に連結された機械式プラグ6200とクリンピング要素とを含んでいるが、本技術分野に知識を有するものであれば、他の連結機構、例えばヒンジつきフランジなども本発明の範囲から逸脱することなく使用可能であることが理解されよう。
【0171】
機械式プラグ6200の床部6202は、略平坦な上面6202aと、床部6202の半径方向外側縁部6202cから中心部6202dにむけて傾斜した下面6202bを備えており、床部6202の垂直方向厚さは半径方向外側縁部6202cから中心部6202dに向かって増大している。機械式プラグ6200が容器6100に挿入されると、下面6202bのテーパ形状によって容器内の液体の内容物が床部6202の半径方向外側縁部6202cに向けて導かれるようになる。床部6202の下面6202bの中心部6202dに、床部6202に対して略垂直に延びるプランジャ6500を設けるようにしても良い。このプランジャ6500は、床部6202の半径方向外側縁部6202cに向けての液体内容物の更なる移送を可能とする。
【0172】
上述したように、プラグ壁6204が床部6202の周囲を囲んでいる。略半円形の第2の突起6212がプラグ壁6204の下部6210の外面6210aに形成されている。この第2の突起6212は上記外面6210aの略全周にわたって延びるようにしても良い。
【0173】
図24Bに示すように、プラグ壁6204の下部6210の内面6210bは床近傍の部分では床部6202の上面6202aに対して垂直であり上部では床部6202の中心線6250から離れる方向に湾曲してプラグ壁6204の上部6220の内面に接続している。プラグ壁6204の上部6220はプラグ壁の下部6210の内面6210bに略平行だが半径方向外側にオフセットしている。
【0174】
図24に戻ると、プラグ壁6204の外面6220aの上部からは、略三角形断面を有するオーバハング外部ショルダー部6230が張り出している。破断フランジ6400は、オーバハング外部ショルダー部6230上に設けられ、機械式プラグ6200をクリンピング要素6300に取り外し可能に連結している。
【0175】
クリンピング要素6300は、圧縮リング6302と円錐状縁部6304とを備えている。圧縮リング6302の外面6302aはプラグ壁6204の上部6220とほぼ平行になっている。圧縮リング6302の内面6302bの底部6302dはテーパ状であり、圧縮リング6302の内面6302bに形成された前述の略半円形の第2の溝6310に接続している。第2の溝6310は圧縮リング6302の内面6302bの略全周にわたって延びている。
【0176】
図24Bに示すように、縁部6304はクリンピング要素6300の圧縮リング6302から延びてクリンピング要素6300の内側に向けて折れ曲がっている。縁部6304は機械式プラグ6200上のオーバハングショルダー部6230の外径L2よりわずかに小さい内径L1を有している。L1とL2とは、充分な下向きの力を加えると縁部6304が機械式プラグ6200のオーバハングショルダー部6230を滑り越えるが、その後は、縁部6304がショルダー部6230の下に位置してクリンピング要素6300が大きく上方に移動することを防止するような寸法に設定される。
【0177】
機械式プラグ6200を容器6100のネック6102の開口6104に挿入した状態の断面図である図25に示すように、機械式プラグ6200は内面6106上の半円形の第1の溝6110が機械式プラグ6200の外面6210aの第2の突起6212と嵌合するまで開口6104に挿入される。上述のように、縁6114の内側部分6114aと機械式プラグ6200の外面6210aとを含むネック6102の内面6106は、これらの要素が図25に示すように互いに組み合うように設計され寸法決定されている。
【0178】
機械式プラグ6200の外面6210a、6220a及び第2の突起6212は、好ましくは、機械式プラグ6200が容器のネック6102内に挿入されたとき、これらの要素が容器6100のネック6102の内側部分6114、6106に当接し、容器のネック6102上の第1の溝が機械式プラグの第2の突起6212に嵌合するような寸法にされている。従って、図25に図示された配置に示すように、機械式プラグ6200の剛性は容器6100のネック6102の内側への圧縮に対する大きな抵抗になる。更に、ネック6102上の第1の溝6110と機械式プラグ6200の第2の突起6212との相互作用は容器6100のネック6102内での機械式プラグ6200のいかなる垂直方向の動きに対しても抵抗となる。
【0179】
もちろん、図25の配置ではクリンピング要素6300はまだ定位置にロックされていないので、予め定めた大きさの上向きの力を加えることにより機械式プラグ6200を容器6100のネック6102から離脱させることができる。これにより、容器6100を汚染されている可能性のある領域を通って搬送し、その後、例えば容器6100の充填等の操作のために容器を開放することが可能となる。機械式プラグ6200の除去を必要とする操作の完了後、機械式プラグ6200は、容器6100のネック6102に再度挿入して図25に示す位置にスナップ止めすることができる。
【0180】
機械式プラグ6200を容器6100のネック6102に挿入する過程で、床部6202の下面6202b上のプランジャ6500もまた、容器6100内に配置した物質、例えば液体中に挿入されるようになる。容器6100内の物質中へのプランジャ6500の挿入は物質の移動を生じさせる。この物質の移動は本発明の一例としての操作においては、容器6100内の物質の量を予め定めたレベルになるようにすることにより、プランジャ6500の挿入により生じた物質の移動によって、物質の上面レベルが機械式プラグ6200の底部6202の直近まで上昇するようになる。従って、プランジャ6500を有する機械式プラグ6200の挿入により、気泡や余剰の気体が容器内から排出され、それにより容器6100内が、ほぼ無気状態になる。
【0181】
図26は、本発明によるメカニカル密閉装置のシール構成の断面図である。図25に示されるような配置から始まって、圧接要素6300を機械プラグ6200に結合するフランジ6400を破壊するように、十分な下向きの力が圧接要素6300に加えられる。圧接要素6300に加えられる下向きの力は、容器6100のネック6102を越えて圧接要素6300をスライドさせ、同時に、容器6100のネック6102における第1の凸部6112の上部6112aを、圧接素子6300の内面6302bの溝6310に対して「スナップ(”snap”)」させるに十分である。圧接要素6300の底部6302dのテーパ形状は、圧接要素6300を容易に、第1の凸部6112の上部6112aを越えてスライドさせる。一旦圧接要素6300がネック6102を越えてスライドすれば、圧接要素6300の底部6302dは、ネック6102の第1の凸部6112の角ばった底部6112bに対して止まる。
【0182】
圧接要素6300は、十分に硬い材料で構成し、容器6100のネック6102をぴったり取り囲むようにするのが好適である。このようにして、図26に示されるように、容器6100のネック6102は圧接要素6300と、メカニカルプラブ6200のプラグ壁6204との間で圧縮され、容器6100用の緊密な密閉シールが形成される。
【0183】
図26に示される配置では、圧接要素6300のブリム6304の実質的に円錐の形状、及びブリム6304と機械プラグ6200の張り出し肩部6230の寸法によって、ブリム6304の上部6304aが、張り出し肩部6230の下部に達するようにできる。これは、圧接要素6300が容器6100のネック6102を上にスライドして脱落することを十分に防ぎ、これにより圧接要素6300を容器6100のネック6102に保持する。
【0184】
図27A〜27Eは、一連の断面図により、本発明による容器6100を充填しシールする工程の一例を示す。図27Aは、本例の第1のステップを示す。そこでは、所定の下向きの力が機械プラグ6200に加えられ、機械プラグ6200(圧接要素6300がブレーカウェイフランジ6400により保持されている)は、容器6100のネック6102にさし込まれている。図27Aでは、力F0が機械プラグ6200の中央に加えられているが、当業者なら分るように、力は機械プラグのどの部分(複数箇所でもよい)に加えられてもよい。これは各図に示されているどの力にも当てはまる。当業者であればまた、力を加わる各「下向き」及び「上向き」の方向は容器6100の方向に相対的であることが分る。
【0185】
機械プラグ6200が十分挿入されたら、容器6100は消毒するために照射されることができる。機械プラグ6200が挿入された容器6100は、それから例えば図示しない充填機まで搬送される。機械プラグ6200はコンテナ6100のネック6102内に挿入されたままであるから、容器6100の内部は搬送期間中外部の汚染物質から保護される。
【0186】
次のステップでは、図27Bに示されるように、所定の上方への力F1が、容器6100から機械プラグ6200を取り外す目的で、機械プラグ6200に加えられる。圧接要素6300はこの段階では容器のネック6102を越えてスライドされてはいないから、機械プラグ6200の取り外しは可能である。次のステップでは、図27Cに示されるように、従来の充填機(図示しない)の穿刺針6600を用いて、容器6100に所望の物質からなるものを充填することができる。
【0187】
従来の充填機では、穿刺点はその後外部シーリング手段によってシールされなければならないから、穿刺針の直径DNを最小化して、機械プラグ6200を貫通する穿刺点のサイズを小さくする必要がある。しかしながら、機械プラグ6200は、本発明によるメカニカル密閉装置においては取り外し可能であり、穿刺点は存在しないから、穿刺針6600の直径DNは容器6100の開口6104とほとんど同じ程度に広くできる。これにより、従来の装置と比較してより速く充填することができ、多数の容器を充填するためにより速いサイクルタイムを可能にする。
【0188】
図27Dに示す次のステップでは、所定の下向きの力F2が機械プラグ6200に加えられ、機械プラグ6200を容器6100のネック6102に再挿入する。機械プラグ6200の再挿入の過程では、機械プラグ6200の底面6202bに備えられているプランジャ6500がまた、容器6100内に受容されている物質6700に挿入される。結果として、物質6700の表面レベル6700aが上昇し、容器6100内の空気や余分なガスを除去するために有効に利用される。
【0189】
次いで、所定の力F3が、図27Eに示すように、圧接要素6300に加えられ、その結果、フランジ6400における機械プラグ6200から圧接要素6300の分離がなされる。力F3はまた、圧接要素6300を容器6100のネック6102を越えてスライドさせるのに十分である。圧接要素6300、容器のネック6102、そして機械プラグ6200の相互作用によって、図26に関して上述したように、容器6100に緊密で密封したシールを提供することができる。
【0190】
本例の工程では、圧接要素6300に関連する機械プラグ6200の取り外し可能な配置によって、機械プラグ6200が容器6100のネック6102に動作可能にかみ合わされているときのみ、容器が一時的に閉じられることができる。これにより、輸送ないし移送中での汚染を防ぎ、圧接要素6300で容器6100を完全にシールする以前に、容器6100の内部にアクセスすることを要求する操作を実行することができる。例えば、容器6100は、容器6100の汚染を除去するために熱ないし放射に曝されることができる。また、容器6100を液体の内容物で満たすことができる。
【0191】
上記工程の例に代わって、力F2及びF3は、機械プラグ6200と圧接要素6300の両方に加わる単一の力で置き換えることができる。この結果、容器6100のネック6102への機械プラグ6200の挿入と、容器6100のネック6102を越える圧接要素6300のスライドとが同時に行われる。
【0192】
前述の説明では、本発明は特定の実施例に関して説明された。しかしながら、特許請求の範囲に記載したとおりの本発明のより広範な精神と適用範囲から離れることなく、各種の修正と変更が行われることは明らかである。例えば、カートリッジやハウジングは、前述の具体例ではない、例えば、参照されてこの明細書に特に組み込まれる米国特許5613957号に記載されているバイアルディスペンサのような各種のバイアルディスペンサに関連して使用されることができる。また、図15に示される、前後のベローズを形成するフレキシブルなプラスチック材料によって提供されたばね動作は、これに代えて、バイアルディスペンサを圧縮状態から解放されて元の位置に戻らせる、長手方向に配置されたばねにより提供されることができる。さらに、バイアルディスペンサは、この説明では、アコーディオンのような前方ベローズ部と後方ベローズ部を備えたものとして記載されているが、ディスペンサは、例えば、ディスペンサ本体と一体になった、もしくは分離して形成された単一のばね要素であるような他のどのようなばね構成を組み込んでもよい。さらにまた、トリガ1103、ノッチレバー4102、及び楔型アーム4103は、修正可能である。例えば、トリガ1103及びノッチレバー4102は、お互いに、及び/又はカートリッジ4101とは、別個に形成することができる。本発明によるメカニカル密閉装置は、円形の開口をもつ容器又はバイアルに適用されるものとして説明されたが、本発明によるメカニカル密閉装置は、例えば正方形又は長方形である他の形状の開口に対して適用されてもよい。それゆえ、本明細書及び図面は限定的な意味ではなくむしろ例示とみなされるべきである。
【技術分野】
【0001】
本発明は広くは、液滴又はスプレー状流出体を小分けするための装置及び方法に関し、特には、医療用液体の液滴又はスプレー状流出体を鼻腔内に小分けするための装置及び方法に関する。これら装置及び方法によれば、医療用液体の適用が極めて容易になりかつユーザのプライバシーを守るというだけでなく、医学的効果が高められ、蓄えられている医療用液体に不純物が混入するのを更に阻止することができる。
【背景技術】
【0002】
薬剤を適用するための様々なディスペンサのうち、典型的な薬剤容器には、可撓性のあるバイアル貯蔵部分と、バイアルをその側壁同士間で押し潰すことにより薬剤を小分けするためのノズルとが含まれている。別の形式の薬剤ディスペンサにはアコーディオン状又はピストン状ポンプ式ディスペンサがあり、このディスペンサはバイアルを底壁とノズル間で押してバイアルを横からではなくその長手方向に圧縮することにより作動される。薬剤を予め調節された量だけ噴出するピストン状ディスペンサの一例が米国特許第5613957号明細書に詳細に開示されている。なお、この米国特許第5613957号明細書は明らかに本願と一体のものとして参照される。
【0003】
少量の薬剤を例えば鼻に正確に投与するために、近年、ポンプ式ディスペンサが注目されている。薬剤を小分けするためのポンプ式ディスペンサについての難解な問題点の一つは不純物の混入を阻止することにあり、これは大気に晒された薬剤が戻るかもしくは例えばノズル内の出口通路内に残留すると、又は大気に晒された薬剤が戻って例えばノズル内の出口通路内に残留すると生じうる。この問題点の解決策の一つは、単に、小分けされる薬剤中に保存剤を添加し、それにより細菌増殖を阻止することにある。しかしながら、例えば保存剤によりコストが上がり毒性が増すという点でこの解決策には明らかに欠点がある。薬剤を複数回小分けできるようにしつつ保存剤を含むことなく薬剤中での細菌増殖を阻止するためには、いったん大気に晒された薬剤がノズルの出口通路内に再び導かれ又は「逆向きに吸い込まれる」のをノズルが一切阻止しなければならず、即ちノズルに「デッドボリューム」が一切あってはならない。本明細書において「デッドボリューム」は薬剤が外部空気と接触して残存し続けうるポンプの出口通路内の空間の容積として定義される。薬剤がデッドボリューム内に残存し続けるとこの残留薬剤は細菌増殖の宿主環境として作用し得ることになる。
【0004】
ポンプ式薬剤ディスペンサを構成するに際し更に検討すべきことは、ディスペンサが作動される毎に、ディスペンサの向き又はユーザがディスペンサの作動機構に加えた力に関わらず、薬剤を予め定められた量だけ正確に例えば5マイクロリットル(5x10−3cm3)からより多い量の範囲で、小分けすることを確実に行うということにある。多くのポンプ式ディスペンサには、ディスペンサが作動される毎に小分けされる薬剤の量の上限が与えられているけれども、これらのポンプが小分けする薬剤の量はしばしば、ディスペンサの作動機構の作動速度と作動力とのうちいずれか一方又は両方に応じて変動する。エアロゾル又はスプレー式流出体を生成するポンプ式ディスペンサの場合、小分けされる薬剤の量だけでなく、小分けされた薬剤のスプレー形状又は流体柱も、作動機構の作動速度と作動力とのうちいずれか一方又は両方に応じて変動しうる。
【0005】
また、慢性的に喘息又はアレルギ状態にある人は緊急時のために薬剤ディスペンサを携帯する必要があり、しかしながら現在ある薬剤加圧式ディスペンサにも非加圧式ディスペンサにも大きな欠点があるということにも注意すべきである。加圧式ディスペンサは真空を保つ重いガラス容器が組み込まれていなければ、常時使用できる状態にない。非加圧式装置は一般に、薬剤を小分けするのに特定の方向に指向させる必要があり、しかもノズル領域に無視し得ないほどのデッドボリュームが存在する。
【0006】
ポンプ式薬剤ディスペンサを構成する際の更に別の問題は薬剤を簡単に適用するのを確保するということにある。例えば図2に示されるような、鼻に適用するための従来のポンプ式ディスペンサは一般に、ディスペンサの長さ方向に圧縮することによって作動される。図2に示されるように、従来の鼻用ポンプ200は底部202を親指で支持しながらシリンジアーム203を押し下げることにより作動される。これら作動動作が組み合わされるので、鼻用ポンプを静止位置に保持するのが困難になり、通常はノズル先端204が鼻腔領域からはずれることになる。例えば喘息を患っているお年寄りの患者又は幼い子供のように、作動動作が平均以上に困難になる恐れのある人では、鼻用薬剤が不慮にも顔にかかったり目に入ったりする恐れがある。
【0007】
ポンプ式薬剤ディスペンサについての更に別の問題は製造が複雑であるということにある。ポンプ式薬剤ディスペンサは現在、多くの部品から形成され、組み立てには極めて気が配られている。要素の数が増すにつれて大量生産の困難性及びコストが増す。例えば、多くのポンプ式ディスペンサには複数のばねが組み込まれており、このため、これらばねが絡み合いがちであるので製造プロセスに問題が生ずることになる。更に、ガスケット及び他の構成要素の寸法が非常に小さいので、部品間の相対移動が困難になる。更に、構成要素の数が多くなると、薬剤に対する構成要素材料の安定性及び適合性を得るのが更に困難になる。
【0008】
ディスペンサから薬剤を適用するのに伴う上述の問題を解決するための一つの試みが本願出願人による米国特許第5267986号明細書に記載されており、この米国特許明細書には、薬剤を目に適用すべくピストン状又はアコーディオン状バイアルディスペンサを作動させるためのカートリッジを含む装置が開示されている。米国特許第5267986号明細書に開示されているカートリッジは、バイアルディスペンサを保持するためのハウジングと、バイアルに薬剤を充填するためにバイアルディスペンサを長手方向に圧縮するための入れ子式シリンダと、バイアルディスペンサのばね機構の付勢作用に抗して入れ子式シリンダ及びバイアルディスペンサを充填位置に固定するための固定機構と、入れ子式シリンダ及びバイアルディスペンサを固定位置から解放して充填された薬剤をばね機構の力により排出するトリガ機構とを含んでいる。バイアルディスペンサのポンプ機構内でばね要素を離散させる必要をなくすために、バイアルディスペンサの本体の一部が圧縮可能弾性材料から形成され、ばね力を提供する。米国特許第5267986号明細書に開示されているカートリッジがバイアルディスペンサから薬剤を取り込み、次いで薬剤をバイアルディスペンサから排出するようになっている二段階プロセスにより、「逆流ポンプ」の基本作用が定義される。この「逆流ポンプ」の一例が米国特許第5613957号明細書に記載されている。
【0009】
米国特許第5267986号明細書に開示されている小分け装置は、ユーザが小分け装置に与える物理的な力又は速度とは無関係に、ユーザが薬剤を予め定められた量だけ適用できるようにすることによって、上述した問題の幾つかを解決しようとするものである。小分けされた薬剤を流出させる力又は速度は小分け装置の一体化されたばね要素に依存する。従来のポンプ式ディスペンサがしばしば、薬剤を流出させるために長手軸線に沿って圧縮されるのに対し、米国特許第5267986号明細書に記載されている流出機構の作動動作は好ましくは、バイアルディスペンサの長手軸線に対し垂直をなす方向に行われ、それによりユーザのためのてこ作用が確実に高められるようにしている。
【0010】
米国特許第5267986号明細書に開示されている小分け装置は上述した問題のうち幾つかを解決しようとするものであるが、少なくとも一つの重要な問題が残っている。弾性材料、特にエラストマ系材料及びばねがヒステリシス特性を呈する傾向にあるので、ばね機構が圧縮位置、即ち加重された固定位置に維持されているとばね力が小さくなる。ばねが付勢されていない状態に戻されて或る期間だけ維持されるのであればばねの変形には一般に可逆性があるけれども、ばねがばねの材料に応じて変動する或るしきい時間を越えて圧縮状態に維持されると、変形の一部が不可逆になり又は「クリープ」が生ずる。ばね力の損失量は特定のばね材料での「クリープ」の生じ易さに依存し、金属製ばねはプラスチック製ばねよりもクリープがかなり生じにくいことが知られている。米国特許第5613957号明細書に記載されているポンプのばね機構を形成するのに用いられている弾性材料にヒステリシスがあるのは、ばね要素が長時間、時として予期しない時間に亘って圧縮状態にあり続けたときに或るばね特性がなくなるからである。
【0011】
2つの例は米国特許第5,267,986号に開示された分配装置と関連した上記のヒステリシス問題の実際上の密接な関係を示している。第1の例として、使用者はこの分配装置を充填状態に置くが解放機構は中断により数時間にわたり作動されない。解放機構が最後に作動されると、ばね機構のヒステリシスは解放された薬物の投薬量を正常な状態のもとに解放されるよう計量された投薬量から変えるようにする。第2の例として、使用者は分配装置をその充填状態に置くがその後は充填された装置を忘れ、使用者は解放機構を数週間又は数か月の間作動させない。この状態では、最初に解放された投薬量が低い作動速度又は力のため計量された投薬量から変わるだけでなく、またその後に分配された投薬量が恒久的な変形の型又は生じた“クリープ”のため計量された投薬量から変わってしまう。ばねの変形の上記の問題点に鑑み、使用者が単一の作動により薬びんに薬物を充填し続いてこの薬物をロック工程を介在しないで分配することのできるポンプ型の薬物分配装置を得ることが望まれる。
【0012】
鼻の薬物を付与するポンプ型の分配装置は使用者にある程度の慎重さを必要とするというさらに他の問題点に直面しており、すなわち鼻孔の内部に配置された通常のポンプ型の鼻分配装置の外観は見苦しく使用者を当惑させることが多い。したがって、鼻孔の内部に置かれた分配装置が見苦しい外観を呈することなく鼻の薬物の分配を達成することが望まれる。
【0013】
ポンプ型の分配装置が直面するさらに他の問題は液体が充填された後の分配装置の緊密なシールを達成することである。標準的な方法は袋又は容器の充填開口に機械的に係合するよう形成された栓又は蓋を利用することである。この方法に関する主なる困難性は栓又は蓋と袋又は容器との相互に作用する部分の許容される機械的な公差が、緊密な実質的には密閉したシールを達成するためには極めて小さくなければならないことである。さらに、相互に作用する部分が最初は緊密なシールを形成したとしても、圧力下にある相互に作用する部分の一部が“クリープ”すなわち材料の変形が時間が経つにつれて生じるようになる。したがって、この“クリープ”現象はシールの緊密性を減少することになる。したがって、袋又は容器の密閉シールを容器の寿命にわたって達成し保持する機械的な閉鎖装置が必要となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
したがって、本発明の目的は、薬物を小滴又は噴霧の形式で分配するポンプ型の分配装置であって、薬物の付与を容易にしまた作動中の分配装置の位置的安定性を保証するポンプ型の分配装置を提供することである。
【0015】
本発明の他の目的は使用者に慎重のための鼻のスクリーンを与えることのできる薬物を鼻の通路の中に付与するポンプ型の分配装置を提供することである。
【0016】
本発明のさらに他の目的は、分配ノズルを鼻の通路と整列させるための案内を設けた、薬物を鼻の通路の中に付与するためのポンプ型分配装置を提供することである。
【0017】
本発明のまた他の目的は、薬物を分配装置のノズルを通って一方向に動かすことを保証する薬物を鼻の通路の中に付与するためのポンプ型の分配装置を提供することである。
【0018】
本発明のさらに他の目的は、ノズル部分に実質的に“死空間”が存在せずそれにより周囲の空気にさらされた薬物がなくなり、すなわち薬物が出口ノズルを通過したとき完全に解放されるようにし、又は薬物の表面張力と周囲の出口ノズルの結合作用が残りの薬物を出口部分から外に押し出すようにするポンプ型の分配装置を提供することである。
【0019】
本発明のまた他の目的は、製造のための部品の数を最小にする鼻の薬物を分配するためのポンプ型の分配装置を提供することである。
【0020】
本発明のさらに他の目的は、一本のばねと弾性弁として同時に作用ししかもノズルの長手方向軸線の方向に物理的な外形を実質的に保持するノズルの周囲に沿う弾力性の半径方向の変形によって、噴霧型式の放出を発生させるようになっているノズルを組込んだ鼻の薬物のためのポンプ型の分配装置を提供することである。
【0021】
本発明のまた他の目的は、その解放がオゾン層に対して有害であり、又はその解放圧力が温度依存でありそのため分配された投薬量に変化を生じるCFCsのような推進燃料を必要としない、鼻の薬物のためのポンプ型の分配装置を提供することである。
【0022】
本発明のさらに他の目的は、分配装置の位置と使用者によって作動機構に加えられた力とに関係なく、分配装置の各作動時に所定投薬量の薬物を放出する鼻の薬物のためのポンプ型の分配装置を提供することである。
【0023】
本発明のまた他の目的は、使用者によって分配装置の作動機構に加えられた力に関係なく、分配装置の各作動時に所定投薬量の薬物を放出する鼻の薬物のためのポンプ型分配装置を提供することである。
【0024】
本発明のさらに他の目的は、薬物の小量の計量された量を、分配装置に薬物を充填し続いてその直後に充填された薬物をロック工程を介在しないで分配する単一の作動により、正確に分配することのできる鼻の薬物分配装置を提供することである。
【0025】
本発明のさらに他の目的は、薬物を充填し分配するための単一の作動運動を有し、分配装置の本体の一体の部分としてエラストマの弾性要素を組込んでいる鼻の薬物の分配装置を提供することである。
【0026】
本発明のまた他の目的は、ばね構造、例えばアコーディオン状又はピストン状のバイアル分配装置(小びん−分配装置)を有する型のバイアル分配装置を作動するための作動機構を含み、作動には最小の力を必要とする鼻の薬物の分配装置を提供することである。
【0027】
本発明のさらに他の目的は、分配装置の弾性要素が弾性特性のヒステリシスを呈する可能性を実質的になくする鼻の薬物の分配装置を提供することである。
【0028】
本発明のまた他の目的は、充填された薬物を分配するための作動機構の作動運動がバイアル分配装置の長手方向軸線に直角の方向でありそれにより使用者にとって増強されたてこ作用を保証しまた作動運動が弾性要素の圧縮軸線と平行になるのを回避する鼻の薬物装置を提供することである。
【0029】
本発明のさらに他の目的は、小量の計量された量の薬物を、薬物分配装置に薬物を充填しその直後に充填された薬物をロック工程を介在しないで分配する薬物分配装置の単一の作動運動により、正確に分配する方法を提供することである。
【0030】
本発明のまた他の目的は、小量の計量された薬物を、その作動運動が作動のために最小の力を必要とするアコーディオン状又はピストン状のバイアル分配装置を作動する作動機構によって、分配する方法を提供することである。
【0031】
本発明の他の目的は開口を有する袋又は容器の緊密な実質的に密閉するシールを達成するための機械的な閉鎖装置を提供することである。
【0032】
本発明のこれとは別の目的は、密着していて実質的に密閉されたシールを形成するための開口を有するポーチ又は容器を機械的にシールし、その一方で同時にゲル(gel)又は懸濁液を出口ノズルを経由して吐出可能にする方法を提供することである。
【0033】
本発明のやはりこれとは別の目的は、機械的な閉鎖装置が機械的な閉鎖装置及びポーチ又は容器の相互作用部分の変形を補正する、開口を有するポーチ又は容器のための機械的な閉鎖装置を提供することである。
【0034】
本発明の更にこれとは別の目的は、装置が相互作用部分のための極度に小さな公差を必要としない開口を有する、ポーチ又は容器に密着して実質的に密閉されたシールを形成するための機械的な閉鎖装置を提供することである。
【0035】
本発明のまたこれとは別の目的は、開口を介して容器内に液体を導入した後で、ポーチ又は容器の前記開口を機械的にシールする方法を提供することであり、その方法は、前記容器を充填するための真空状態を形成する必要を排除し、それにより前記容器の充填用の機械的装置のコストを実質的に低減する。
【0036】
本発明のやはりこれとは別の目的は、ポーチ又は容器の前記開口を機械的にシールする方法を提供することであり、その方法は、第1の形態においてポーチ又は容器の開口を取り外し可能にシールすること、及び第2の形態においてポーチ又は容器の開口を永久的にシ−ルすることを含む。
【0037】
本発明の更にこれとは別の目的は、ポーチ又は容器の開口を機械的にシールする装置を提供することであり、その装置は、前記ポーチ又は容器の開口を取り外し可能にシールするためのフランジを経由してクリンプ要素に取り外し可能に接続される機械的プラグからなる一式のシール要素を提供しており、更に該装置は、前記クリンプ要素が前記ポーチ又は容器の開口を永久的にシールするために機械的プラグから取り外されても良いように更に形成にする。
【0038】
本発明の更にこれとは別の目的は、スプレーパターンを生成するためにノズルの領域において渦巻(swirling)室を有するスプレータイプの供給(dispensing)装置を提供することであり、その装置は、渦巻室内及び前記渦巻室を囲む流出流路内のヘッドロスを実質的に最小にする。
【0039】
本発明の更にこれとは別の目的は、スプレーパターンを生成するためにノズルの領域において渦巻室を有する薬剤供給(dispensing)装置からのスプレータイプの流出を生成する方法を提供することであり、その方法は、渦巻室内及び前記渦巻室を囲む流出流路内のヘッドロスを実質的に最小にする。
【課題を解決するための手段】
【0040】
上記目的に従って本発明は、鼻の部分に液滴又はスプレーの形で、前もって決められた量の薬剤を供給するためのポンプタイプのディスペンサを提供しており、そのポンプタイプのディスペンサは、鼻スクリーンと、ポンプ機構と、ノズル区域の一方向(逆止/one−way)弁機構と、一方向作動機構と、一体式ばね要素とを組み込む。ノズル区域は、一方向弁機構を具備しており、ノズル区域の液体により形成されるヘッドロスを最小にするように適用されており、それによってより以上に効率的な流体機構を形成する。鼻スクリーンは、ディスペンサノズルを鼻の通路に導き更に正しく整列するだけではなく、該スクリーンはまた、使用者が公共に鼻の部分を曝すことなく、ディスペンサから鼻の薬剤を控え目に適用することを可能にする重要な機能を発揮する。更にノズル区域の一方向弁機構は、ディスペンサからの薬剤の一方向の動きを確保して、それにより防腐剤の使用を必要とせずに、ディスペンサ周囲の環境に係わらず、ディスペンサ内の薬剤の実質的に完全な無菌性を維持する。
【0041】
使用者が、作動トリガ機構へ非常に小さな力を適用して、前記作動機構の単一で連続的な動きにより、薬剤を順次的に供給し分配することを、一方向作動機構は可能にする。一方向作動機構の使用はまた、分散装置の一体部分として形成されていて弁材料と同じ弾性材料から製作される、ばね要素を有する従来の金属製ばね要素の交換を可能にすることにより、設計の簡素化を可能にする。作動機構は、ディスペンサの長手に対して横に作動し、それにより使用者が使用中に鼻からディスペンサノズルを間違えて取り外すリスクを最小にする。加えて、ポンプ本体の一部分として形成された一体式ばね要素は、ディスペンサのための構成要素部品の数を最小にし、それにより製造上の複雑さ及び使用中における機械的な不具合の可能性を最小にする。更に一方向作動機構及び一体式ばね要素は、使用者により作動トリガに適用される実際の力に係わらず、同じ作動力及び速度で同じ精密な量の薬剤を吐出する特異な特性を有する本発明によるディスペンサを提供する。
【0042】
上記から分かるように、本発明によるポンプタイプディスペンサは、薬剤を鼻区域に適用するための安全で安定していて容易に操作可能な機構を提供する。これとは別の利点として、鼻の薬剤を供給するための本発明によるポンプタイプディスペンサは、例えば溶液、懸濁液、ゲル等の実質的に全てのタイプの液体形態で使用されても良い。本発明によるディスペンサに組み込まれる例示のポンプ機構は、ポンプ本体と可動なピストンとを有しており、ポンプ本体は、流体出口側の前端部又は先端を有しており、該前端部は、弾性膜によりシールされた出口オリフィスを具備しており、流体入口オリフィスを有するポンプダクトを介して後方向へ続く。可動なピストンは、ポンプ本体内部に適合されており、従って入口オリフィスと出口オリフィスに向かって設置された停止位置との間のポンプに関係するピストンの端部の相対的な変位は、変位において排出される流体の量を決定しており、ピストンの端部はダクトに対して少しの摩擦により密閉するように適合しており、入口オリフィスは、出口オリフィスを介してのそれの排出のためにポンプダクトの端部に貯められるべき事前設定された量の流体又はゲルだけのために適切な寸法で形成されており、ポンプ本体及びピストンは、ポンプ本体の前端部を除いて、弾性的な薬瓶(phial)により全体的に包まれる。
【0043】
ポンプ本体の前端部、即ち先端又は「鼻」は、例えば円筒形の流路、ポンプダクト内への開口等の形で出口オリフィスを組み込むことが好ましく、後者は、例えば円筒形のチューブ、出口オリフィス又は流路等であり、ポンプダクトは、同じ一般的な方向に設置されることが好ましい。出口オリフィスは、ポンプの長さに沿って基本的に軸方向に好適に配置される流路であることが好ましい。しかし、当業者には明らかであるように、流路は、例えばエルボ形状等の任意の形状であって良く、ポンプの軸に垂直な突起を保持しても良い。
【0044】
弾性膜は、例えばゴム、エラストマ等の任意の既知の最高水準の技術の弾性材料により製作されても良く、例えばポリウレタン、Adrian(登録商標)又はAESからの名称VISKAFLEX(登録商標)、DUPONTからの名称ALCRYN(登録商標)又はHYTREL(登録商標)、DSMからの名称SARLINK(登録商標)、SHELLからの名称KRATON(登録商標)、Monsantoからの名称Santoprene(登録商標)等の入手可能な熱弾性材料であることが好ましい。弾性膜は、出口オリフィスにおいて、出口に向かう一方向弁を形成するために十分な厚みを有する。言い換えれば、出口オリフィスに向かうピストンの作動により、ピストンに作用する力は、該バルブが開くことを可能にし、従って流体が排出されることを可能にする。対照的に、流体排出後に、もしピストンがその後再度引き込まれる場合に、弁は密閉してシールされて、ポンプダクトにおいて減圧又は真空が生成される。
【0045】
ポンプダクトは、流体入口オリフィスを介して流体を充填可能な流体入口オリフィスを有する。この入口オリフィスは、丸い、細長い等の任意の形状であっても良く、更にチャネル、スリット、溝等の形状であっても良い。
【0046】
注入器と同様に、本発明によるポンプ機構は、ポンプ本体内に適合される可動なピストンを組み込んでおり、該ピストンは、装置の長さに沿って適合されることが好ましい。要素、即ちピストン又は本体等を傷つけること無しで、ピストンが収納される本体に関して動くことが可能であることを、用語「可動な」は単に示す。このピストンは、流体出口オリフィスに向かって設置された停止位置と流体入口オリフィスを超えた位置との間で可動である。停止部は、従来の注入器のように、出口側においてポンプダクトの端部であっても良い。しかしこれとは別の停止部が、必要であれば、この端部の前に形成されても良い。第1のケースにおいて、流体がピストンとポンプ本体との相対的作用により排出された後で、出口弁とピストン端部との間に保持される流体の体積は、排出(evacuation)流路の体積に対して単に減少される。第2のケースにおいて、出口弁とピストン端部との間に保持される流体の体積は、排出流路に加えてポンプダクトの特定部分を含む。
【0047】
従来の注入器において、本発明によるポンプのピストン端部はポンプシリンダに対して僅かな摩擦で気密的に取りつけられている。ピストンが出口オリフィスに対向する方向へ引き下げられる場合、ポンプダクト内で圧力が低下し、その低下した圧力は、ピストン端部が流体入口オリフィスのレベルに達するとブレークされることは理解されるであろう。この時点において、流体はポンプダクトの中へ吸い込まれ流体が充満する。ピストンが出口オリフィスへ向けて相対変位する際、ピストンが入口オリフィスを通過すると、流体の一定量がポンプダクト内に止められる。この位置と可動ピストンの停止位置である最端との間の体積がポンプにより排出される流体量に一致している。ピストン又はピストンへの親指の作用による圧力による流体の圧縮は、バルブを形成している弾性膜を開とし流体を排出することを可能にしており、その圧縮は例えば好ましくは弾性の作用で達成されている。
【0048】
本発明において組み込まれた例示のファィアルポンプにより吐出される製薬量は少ないもので、例えば5マイクロリットル(μl)のオーダである。
【0049】
前述に見られるように、本発明によるポンプの停止位置は、ピストンが停止する位置である。このことは、本発明によるポンプがピストンを停止位置へ引きもどす弾性手段を有している理由である。これらの弾性手段は、ばねのような当業者には公知なものであって、そのばねは、ポンプの変位軸に沿ってポンプの内側又は外側に取りつけられている。ばねは、金属又はプラスチック材料で作られていてもよくて、ばねの特性は、ばねが流体に接触してファイアルの内側に取りつけられた場合、びんに入った流体に適したものである。
【0050】
前述の弾性手段は弾性フアィアルポンプエンベロップの一部として形成されていてもよくて、その一部は例えばジャバラ形状又は復元手段を形成するのに十分な厚さに環状凸面体である。エンベロップは例えばこのレベルにおいてリングにより、一方の側部がポンプ本体に他方の側部がピストンに一体化されていて、これらのリングにはこれらの要素が取りつけられていてもよい。これらのリングは、この場合エンベロップに作られた対応するスロットに協働することができる。所望するなら、復元手段を強化するために、例えばピストンに一体化した保持リングいずれかの側部に配置されたベローズのような二つの復元要素を使用することが可能であって、以下に説明する。弾性膜は弾性フアィアルから別に分離したピースでもよい。しかしながら前述したポンプ機構の好適な実施の形態において、弾性膜及び弾性ファイアルは単一のピースを形成している。本発明によるポンプ機構のピースの数は著しく低減されてもよい。実際本発明によると、三つのピース:弾性材料で作られたファイアルとポンプ本体とピストンとを組込んだポンプ機構であることが可能である。
【0051】
本発明による例示のポンプ機構が、流体出口に近接して取りつけられた、前方リングを備えたポンプ本体を有している。そのような前方リングは弾性ファイアルをポンプ本体へ気密的に取りつけることを可能にしている。そのようなリングはピストンを停止位置へ引きもどすための弾性手段の実施の形態をも可能にしている。ポンプ本体が多少の機能を実行する後方リングも含んでいてもよい。後方リングは好ましくは不完全なリングすなわちリングの一部が切り欠かれたものである。
【0052】
前述のピストンが従来のピストンに対応する一般的な細長い要素構造を有していて、細長い要素は複数の好ましくは三つの船のアンカーの形状をした要素を有していて、各要素は、端部が弧状の要素である放射状要素を形成している。複数の弧が前述の不完全なリングを形成している。その場合、例えばポンプ本体が円筒状要素を備えていて、その円筒状要素は、前述の弧の直径より大きな直径の、前方端部におけるリングと後方端部におけるもう一つの円筒状リングを備えており、後方の円筒状リングのベースが切り欠かれていて、前述のアンカーはシリンダのベースを通過することがでる。さらに前述の放射状要素に一致し、かつポンプ本体を構成するシリンダ内に作られたスロットにより、ピストンの長手方向移動が可能となっている。
【0053】
ポンプ本体に作られたスロットは二つの機能を果している。
a)スロットは、スロットの軸に沿って摺動する放射状要素により、ピストンの移動を可能にしている。
b)前方側におけるスロット端部が流体入口オリフィスを構成していて、その流体入口オリフィスは、排出されるべき流体の現体積に一致している最終ポンプダクトへ流体を送りこむことが可能である。
【0054】
前述したピストン装置における形状は以下のことを容易にする。
a)ノズノ部分をポンプ本体の後方部分と一体化すること。
b)ピストンが後方へ移動する場合、ノズル部分をハウジング内へ収納する必要性を排除すること。
c)同一ハウジング内における、ポンプ機構の互換性を可能とすること。
ピストンの形状は、ピストンがポンプ機構の後方バイアル部分のどのような運動をも発生あるいは招くことなく、ばね要素として作用するベローズ部分を介して作動することを可能にしている。後方バイアル部分におよぶ運動がないことによりもたらされる利点は次の通りである。ポンプ機構はバイアルにおける流体充填レベルの関数としてのどのようなモーメント変化も受けない。すなわち、ポンプ機構は、後方バイアル部分が一杯であろうが、空であろうが同一のモーメント特性を示していて、そのことにより実質的に一定の投薬を保証している。
【0055】
前述の利点に加えて、本発明によるポンプ機構は二つのO字形リングを組込んでいてもよく、そのO字形リングはポンプピストンの外周を周囲に取りつけられ、O字形リングはピストンとポンプ本体のスリーブ部分との間における流体気密シールを提供している。O字形リングは、シリコン、ポリイソプレン、Kraton(登録商標)、Adrian(登録商標)、ブチール又はいずれのゴム同様の材料で作られていてもよくて、ポンプピストンとポンプ本体のスリーブ部分との間に流体気密シールを提供することにより、ベローズチャンバ流体のない状態に維持する。さらにベローズチャンバ内に水がないことは、実質的に流体が後方ベローズ部分の弾性変形をさえぎる可能性を排除している。
【0056】
本発明によるポンプの動きは以下のように要約される。平衡位置はピストンが停止している位置と想定する。当業者において明らかなように、現在適用されている移動は一般に相対移動である。実際好ましくは、ピストンが停止していてポンプ本体が以下に示すように移動してもよいし、又はポンプ本体が停止していてピストンが流体の出口に達するよう移動してもよい。ピストンが引きもどされる場合、圧力が部分的に真空状態になるキャビティを作り出し、従って出口オリフィスが弾性膜により遮断され、ポンプの中への空気の流入を防止している。さらに引きもどされると、ピストンは流体入口オリフィスのレベルに到達することにより終点となる。この点におけるポンプダクトは“投下キャビティ(drop cavity)”あるいは“投与チャンバ(dose chamber)”とも呼ばれ、迅速に流体で充填される。ピストンは、停止位置へ移動するために引きもどされるか放置される。ピストンが再度流体入口オリフィスレベルに達すると、流体の現体積を止める。ピストンにおける最端位置と停止位置との間の体積が排出される量を決定する。この時点で流体噴出が発生する。現状ピストンリップが圧縮チャンバに接触すると即座にバルブが開となる。
【0057】
本発明によるポンプ機構はそのようなポンプに取りつけた弾性ファイアルの有している多くの利点も備えている。ポンプに要求される現体積は、キャビティ又はポンプダクトの断面積と、入口オリフィスの深さを変更することによるキャビティの長さとの両方を変更することにより調節してもよい。分配量は一定であって、重力あるいはポンプの作動速度に左右されない。分配量は、ポンプ本体/ピストンの相対運動を生ずるばね作用と、粘性及びオリフィス径のみに依存する。
【0058】
エンベロープに対する弾性壁の使用により、一体になって以下の機能を達成することが可能になる。第1に、逆止弁機能が促進され、空気を吸い込むこともしくは実体物質が送達されることなく運転を可能とし、ポンプは、小ビン(phial)の内部の汚染のリスク無く繰り返して使用され得る保存剤無しの調合物を供給することを可能とする。第2に、小ビン機能が向上される。実際、壁部の弾性により、ポンプによって液体が排出されるにつれて徐々に壁部が陥没し得る。第三には、一体的ばね要素としての弾性壁機能である。
【0059】
上述のポンプ機構の注入または充填は、充填後の小ビン内の残余ガスを除去するように、充填前の、及び/または、充填に伴う、及び/または、充填後の吸込みと関連する。ポンプ機構の各作動で送達される投与量は、雰囲気圧によらず、変化しない。なぜならば、装置内には実質的にガスは存在しないからであり、液体へ加えられる排除力は、ユーザによって加えられる人力によらない。
【0060】
本発明によるポンプ式ディスペンサ機構は更に、例えばKraton(登録商標)等の弾性材料製であり且つバイアル部分内に配置された内部ポーチを組込み得る。この場合、バイアル部分は剛性材料で製造されることができ、該剛性材料はバイアル部分内への空気の侵入を実質的に除去する。内部ポーチの内部は、バイアル部分内に含まれる空気の量によって、様々な体積の空気を含む。弾性内部ポーチは、その底部外側表面がバイアル部分内の液体レベルへ適合されるように潰され得る。したがって、バイアル部分が流体で完全に満たされた時、内部ポーチは実質的に完全に潰れ、内部の体積は実質的にゼロとなる。バイアル部分の液体はポンプの運転の結果として徐々に除去されるので、内部ポーチはそれに応じて膨張し、バイアル部分内の吸込み圧によって吸込まれ、それによって実質的にバイアル部分内で残余空気が除去されるが、この残余空気はポンプの運転に不都合に作用し得る。内部ポーチ内の空気の体積は空気孔を介して順に調整される。
【0061】
本発明によるポンプ式ディスペンサ機構の一実施形態はまた、エアロゾル型の液体吐出を生成するノズル機構を組込むことができ、このノズル機構は液体の一方向の動きを保証し、またノズルの先端に「デッドボリューム(dead volume)」を実質的に有していない。本発明にしたがったノズル機構は、鼻の薬を投与するのに適しているだけではなく、種々のタイプの液体ディスペンス装置における使用にも適し得る。例えば、ポンプ機構を介した圧力の付加によって液体リザーバからノズル機構を通して液体を導く薬ディスペンサである。
【0062】
ノズル機構の一実施形態は、吐出口と流体チャネルを備えた可撓性ノズル部分と、上記可撓性ノズル部分内に受容される剛性シャフトと、上記可撓性ノズル部分を包囲し且つ上記吐出口を露出する剛性ハウジングとを含む。上記剛性シャフトは上記吐出口と連結し、第2の通常時閉の周囲弁を構成すると共に、吐出口を介して吐出されるのに先立ち、液体リザーバから導かれた液体を一時的に収集する収集チャンバまたは「渦巻チャンバ(swirling chamber)」を画定する。上記吐出口は弾性外側壁を有し、その厚さは上記吐出口の底部部分から上記吐出口の先端へ向かう上記吐出口の延長された対称軸に沿って減少し、これによって液体の上記吐出口を介した、もしくは上記吐出口から出る一方向の動きが容易にされる。
【0063】
ノズル機構の上述した実施形態においては、液体リザーバと収集チャンバとの間の流体連通経路の一部を画定する流体チャネルが、可撓性ノズル部分内の多方面の半径方向縁部または周囲点に位置せしめられる。半径方向に位置せしめられた流体チャネルは最小の「ヘッド損失(head loss)」で均一圧力を提供する。このヘッド損失については後に説明する。結果として、液体圧力は、一度半径方向に位置せしめられた流体チャネル内の圧力が液体リザーバと収集チャンバとの間の流体連通経路の一部を構成する第1の通常時閉の環状もしくは周囲弁を半径方向に変形するのに十分な閾値の圧力に達すると、渦巻チャンバの入口点に均一に加えられるが、この第1の通常時閉の弁については以下で更に詳細に説明される。第1の通常時閉の弁が環状に位置せしめられ、すなわち周囲の全ての点において同等の圧力を加える一方で、流体チャネルは上記可撓性ノズル部分の長手方向軸線に沿って延び、第2の通常時閉の弁の周囲の小さな部分のみを占めるということに注意すべきである。
【0064】
上述の渦巻チャンバは、吐出された液体に関してスプレーパターンを生成するように使用される。渦巻チャンバのピンホール開口の内外の圧力差が大きくなるほど、均質性は向上し、スプレー粒子のサイズは小さくなる。流体力学において「ヘッド損失」とも呼ばれる抵抗源を最小化するために、本発明に組込まれている流体チャネルの長さは最小化され、(もしあれば)流体チャネル幅の減少率及び渦巻チャンバに対する流体チャネルの角度の変化率も最小化される。
【0065】
本発明に従うノズル機構の上述の実施形態は可撓性本体部分に結合されることができ、この可撓性本体部分は実質的に管状の形状を有し、本体部分の底部から可撓性ノズル部分へ向かって、本体部分の延長された対称軸に沿って減少する壁厚を有する。可撓性ノズル部分内に受容された剛性シャフトは上記可撓性本体部分内へ延伸し、剛性シャフトの第2部分が可撓性本体と連結し、液体リザーバと収集チャンバとの間の流体連通経路内に第1の通常時閉の半径方向に位置せしめられた弁を構成するようにされる。第2の通常時閉の半径方向に位置せしめられた弁と同様に、第1の通常時閉の半径方向に位置せしめられた弁は、流体連通経路内の液体の圧力が上記第1の通常時閉の半径方向に位置せしめられた弁を構成する可撓性本体部分の一部を半径方向に変形するのに十分な閾値圧力に達した時に開かれる。
【0066】
本発明に従うノズル機構の一つの利点は、吐出口部分の構成が実質的に、ノズル機構内の液体が周囲空気に接触し、その後ノズル機構の内部に戻り、且つ/または、留まるという可能性を取り除くことである。上記ノズル機構はこの結果を第2の通常時閉のバルブによって達成するが、この第2の通常時閉のバルブは吐出の間の上記ノズル機構から上記吐出口部分を介する液体の一方向の動きを促す。上記第2の通常時閉の弁により、吐出口部分は、実質的に「デッドボリューム」、すなわち周囲空気へ露出された液体が留まることのできる空間、を持たない。
【0067】
第2の通常時閉の弁に加えて、液体リザーバとノズル機構との間の流体連通経路に沿って位置せしめられた第1の通常時閉の弁は、液体リザーバ内の液体が周囲空気によって汚染されず、且つその後ノズル機構に再導入されないという保証を更に加える。上記第1及び第2の通常時閉の弁は、上記吐出口を介した吐出へ導く流体連通の間に非同期式に開くように、流体連通経路に沿って位置せしめられるので、弁の何れか一方の誤作動は、ノズル機構の完全性に影響を与えず、液体リザーバ内の液体の汚染を防止する。
【0068】
本発明に従うノズル機構の他の利点は、ノズル機構が吐出口を介する吐出経路の方向に沿った、すなわち吐出口に対する延長された対称軸に沿った変形を実質的に経験しないということである。結果として、ノズル機構の収集チャンバ内における液体の旋回動作を引き起こす流体チャネルの物理的断面形は、液体吐出の間、維持される。
【0069】
本発明に従うノズル機構の別の利点は、ノズル機構、並びに、順次、ノズル機構と結合されるポンプ機構を含むディスペンサ装置を構成する部品の数が、従来のノズル機構と比較して相当に減少するということである。部品の数を減らすことにより、コスト及び組み立ての複雑さが低減される。
【0070】
本発明によるポンプ式鼻薬剤ディスペンサは、外側ハウジングと、該ハウジング内に配置されているカートリッジとを備えており、さらに、このカートリッジはアコーディオン状又はピストン状のバイアルディスペンサ機構を作動させるのに特に適するように構成されている。バイアルディスペンサは、前端部の近くに位置するアコーディオン状前方ベローズ部分と、後端部に位置する後方バイアル部分又は液体収容室と、前方ベローズ部分と後方バイアル部分との間に設けられている後方ベローズ部分とを有している。滴下キャビティ又は投与キャビティは、前方ベローズ部分又は後方ベローズ部分の内部に設けられることができるものであり、液体収容室から装填された予め調整された量の薬剤を保持する。さらに、バイアルディスペンサ内の内部ピストン機構は、前方ベローズ部分及び後方ベローズ部分と協働して機能し、滴下キャビティ内に収容されている薬剤を放出する。
【0071】
カートリッジは、カートリッジの前壁と後壁との間にバイアルディスペンサを受容するように構成されている概略細長い本体部分を含んでいる。カートリッジの後壁は、カートリッジの後方室の一部を形成してもよく、この場合には、カートリッジの後方室はバイアルディスペンサの後方バイアル部分を受容する。カートリッジの前壁は、バイアルのノズルを露出させるための孔を有している。
【0072】
カートリッジの頂部にはトリガ機構が設けられており、このトリガ機構は、押されたときに、ハウジングの内側部分に設けられたノッチ付きレバーを介して動作しこれと協働して、前部ベローズ部分を伸展させ、カートリッジの前壁から後部室へ向けて離れるように長手軸線方向にバイアルディスペンサの後方ベローズ部分を圧縮する。本願明細書に記載されているバイアルディスペンサの例示の実施態様の場合には、前方ベローズ部分の伸展及び後方ベローズ部分の圧縮により、予め調整された投与量の薬剤がディスペンサの前に設けられた投与キャビティに進入させられ、それによって、投与キャビティに「装填」される。
【0073】
トリガ動作を続けると、カートリッジの内側部分に設けられたノッチ付きレバーがバイアルディスペンサの前方ベローズ部分を予め定められた距離だけ伸展させたときに、ノッチ付きレバーは、カートリッジの後壁から延びている楔形状アームによって、前方ベローズ部分との係合を解除される。ノッチ付きレバーとの係合を解除されると、前方ベローズ部分が収縮し、後方ベローズ部分はカートリッジの前壁へ向けて伸展する。内部ピストン機構の運動は、前方ベローズ部分及び後方ベローズ部分の運動と協働して圧力を生じさせ、この圧力によりバイアルディスペンサの前方ノズルを介して投与キャビティから薬剤を押し出す。
【0074】
本発明は、さらに、機械式の蓋又は栓の例示の実施態様を提供し、この蓋又は栓は、バイアルディスペンサ機構の後方バイアル部分の開口部並びにバイアル開口部の内側に配置された剛性リングと相互に作用する。機械式の栓は、バイアル開口部にスナップ式に留められ、開口部の外側とバイアル開口部の内側に配置されたリングの内面の両方を圧縮し、それにより開口部の密封シールを形成するようになっている。
【0075】
バイアルの開口部領域は、剛性リングを収容する形状に構成されている環状凹部を有しており、剛性リングがこの環状凹部内にスナップ式に留められる。剛性リングがバイアルの開口部領域の環状凹部内にスナップ式に留められた後、機械式の栓が剛性リング内側とバイアル開口部の外側縁端の周囲との両方にスナップ式に留められ、バイアル開口部が剛性リングと機械式の栓との間で圧縮されるようになっている。機械式の栓の内面の半径方向縁部は、栓の周囲に延びるアーチ形状領域として形成されており、バイアル開口部の周囲を「抱え込む」のに適するようになっている。さらに、機械式の栓の内面には、機械式の栓の下側表面に垂直に延びる2つ又はそれ以上の脚部が取り付けられている。脚部の端部は、剛性リングと半径方向溝との結合部の底部に係合するようにフック形状になっている。環状凹部及び機械式の栓の脚部は、バイアルの開口部領域及び剛性リングの垂直方向及び半径方向の両方の圧縮を容易にさせる。このようにして、バイアル開口部の密封が保証される。
【0076】
さらに、バイアルの開口部領域の外側表面と機械式の栓の環状凹部の内側表面はそれぞれ単数又は複数の隆起部すなわち「干渉部」を有している。機械式の栓がバイアル開口部内に嵌め込まれると、結果として起こるバイアル材料の圧縮は、圧縮された材料をより圧縮が少ない領域へ向けて変位させる、すなわち「クリープ」を起こさせる傾向がある。隆起部は圧縮されたバイアル材料の変位の範囲を制限する。すなわち、隆起部は、圧縮により変位させられたバイアル材料を規定された領域内に残留させ、それにより長時間シールの密封を保証する。
【0077】
機械式の栓の中央内側表面は、バイアルの液体内容物内に延びるように構成されている延長部、すなわちプランジャを備えることができ、このプランジャにより液体の表面レベルをバイアル開口部の上側縁端まで変位させた後に限り、機械式の栓をバイアル開口部内に密着して嵌め込ませるようになっており、これにより、無気充填工程のために通常利用される真空条件の必要性をしている。このようにして、プランジャは、液体の表面と機械式の栓の内側表面との間に残ったままとなり得る残留気泡を大幅に減少させる。
【0078】
本発明は、上述した機械的閉鎖装置に代わる手段として、さらに、分離フランジを介して機械式の剛性栓に着脱可能に結合される剛性クリンピング要素(圧接要素)を提供する。これら要素は、製造及び組み立て工程を単純化させるために、単一の部品として成形されてもよい。
【0079】
機械式の栓が、最初に、バイアルディスペンサ機構の後方バイアル部分の首部の開口部に挿入される。機械式の栓及びバイアルの首部の内側部分は、バイアルの首部内に機械式の栓を保持するように相互に作用する。しかしながら、予め定められた量の力により、バイアルの首部と機械式の栓の係合を解除することができる。機械式の栓とバイアルの首部との間のこの着脱可能な係合は、ある種の操作のために一時的にバイアルをシールすると共に、他の操作のためにバイアルを開くことを可能とさせる。
【0080】
次に、バイアルを永久的且つ有効にシールするために、クリンピング要素が、機械式の栓に対して再配置、例えば機械式の栓から取り外され、バイアルの首部上を滑るように動かされる。この動作は、結果として、クリンピング要素の内面と機械式の栓の外面との間でのバイアルの首部の圧縮を引き起こさせ、それにより、バイアルの気密密封シールを提供する。
【0081】
バイアルの首部は環状とすることができ、機械式の栓と係合するように構成された内壁を有している。第1の半円形状隆起部は、機械式の栓上の第1の溝と係合するように、首部の内壁のほぼ全周に沿って延びており、機械式の栓が首部の開口部に挿入されたときに、機械式の栓上の第1の隆起部を機械式の栓上の第1の溝にスナップ式に「嵌め込む」。第1の隆起部を第1の溝に「嵌め込む」この第1のステップは可逆的であり、第1の隆起部が第1の溝内に嵌め込まれた状態でβ線又はγ線を使用したバイアルの滅菌を行うことができ、後でバイアルに充填するために、すなわち第1の溝から第1の隆起部を解放することによって、首部から栓を取り外すことができるようになっている。
【0082】
第2の隆起部は、バイアルの首部の外壁周りに延びており、クリンピング要素と係合するように構成されている。第2の隆起部は、首部の外壁のほぼ全周に沿って延びている半円形状部分から構成されており、クリンピング要素上の第2の溝と係合する。クリンピング要素がバイアルの首部上を滑るように動かされると、バイアルの首部上の第2の隆起部がクリンピング要素上の第2の溝内にスナップ式に「嵌り込み」、クリンピング要素をバイアルの首部にしっかりと結合させる。クリンピング要素を所定の位置に「留める」と、次に、バイアルの首部はクリンピング要素と機械式の栓との間で圧縮され、バイアルの密封シールを提供する。クリンピング要素をバイアルにスナップ式に留める第2のステップは不可逆的であり、それにより、永続的なシールを提供する。
【0083】
クリンピング要素及びバイアルの首部の相互作用表面は相補的な輪郭を有しており、これにより、クリンピング要素がバイアルの首部と係合しているときに、相互作用表面の全領域に圧縮力が分布することを保証する。このようにして、本発明は従来技術の閉鎖機構が起こす「クリープ」現象をほとんど起こらなくさせる。
【0084】
バイアルのネック上にクリンピング要素をさらに保持するために、機械的なプラグは、機械的な壁の外面の全周付近で延びている張出し肩部をさらに有しうる。クリンピング要素は、それがバイアルのネック上で摺動する時に機械的なプラグの肩部の下で延びた円錐形状縁を有しうる。したがって、クリンピング要素の縁が機械的なプラグの肩部と接触するようになるので、クリンピング要素の任意の上方への運動をさらに制限する。
【0085】
機械的なプラグの底面にプランジャ又は延長部を設けてもよい。それにより、機械的なプラグがバイアルのネック内に挿入される時、液体の表面レベルを上昇させるために、プランジャがバイアルの液体の中身の中に延びうる。したがって、プランジャにより、液体の表面と機械的プラグの内面の間に残りうる残留気泡をかなり減らすことができる。
【0086】
さらに別の実施例の機械的なプラグは、後方のバイアル部分の内側の空気の存在を最小化するために後方のバイアル部分内で内側ポーチを組み込んだ、バイアルディスペンサ機構の後方のバイアル部分の開口を効果的にシールする。内側ポーチの後方部分は、逆のU字形状部分を有し、かつ後方のバイアル部分の開口領域を放射状に握っている。内側ポーチの放射状突出部は、後方のバイアル部分の開口領域内に形成された相補的な凹所内に着座させられており、逆U字形状部分を有する後方のプラグは、内側ポーチの後方部分と後方のバイアル部分の開口領域において摺動して放射状に握り、半径方向及び垂直方向の両方に沿ってきつくシールする。
【0087】
さらに別の実施例の機械的なプラグは、後方のバイアル部分の開口内に形成された相補的な環状凹所内にスナップ嵌めされる環状突出部を有し、それにより、環状凹所に沿って放射状にシールする。機械的なプラグは、後方のバイアル部分の開口領域の環状フランジに当接する環状フランジをさらに有する。機械的なプラグの環状突出部と開口領域の環状フランジは協働して後方のバイアル部分の開口領域を垂直方向に圧縮する。
【0088】
鼻薬を供給するための本発明によるポンプタイプの供給装置は、いくつかの明白な利点を有する。第一に、本発明による供給装置は、ポンプ機構内に空気が侵入するケースをかなりなくし、それにより、鼻薬のための滅菌環境を提供するだけでなく、空気によって生じるポンプ操作の乱れを最小にすることによって供給投薬量の一貫性を促進する。第二に、本発明によるポンプタイプのディスペンサは実質的に空気がないので、ポンプ操作は、供給される投薬量と共に、使用中におけるポンプタイプのディスペンサの向きには完全に影響されない。第三に、本発明は、ディスペンサの内部において鼻薬のための滅菌環境をさらに保証するために、ノズル領域内において一方向弁を提供する。この一方向により、薬のノズルの内部から外部への一方向の移動を促進し、それにより、大気又はノズルの外部に露出された薬が、「吸い戻される」可能性をかなりなくし、ディスペンサの内部で薬が汚染する可能性をかなりなくす。
【0089】
前述の利点に加えて、本発明によるポンプタイプのディスペンサは、CFCなどの任意の噴射気体を用いずに一様な服用量のエアロゾルタイプの放出を実現する機構をさらに提供する。これは、前述の空気なしポンプ機構と、一つの作動運動で一様な投薬量の薬を装填及び排出するのを容易にする「一方向作動解放機構」と、流体放出のために非常に低い「ヘッドロス」を実現するエアロゾル発生ノズル機構との組み合わせを利用することによって実現される。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明による一実施例の鼻薬用のポンプタイプのディスペンサの斜視図である。
【図2】従来技術のポンプタイプのディスペンサの正面図である。
【図3】本発明による一実施例の鼻薬用のポンプタイプのディスペンサの一部分として組み込まれている一実施例のピストンの斜視図である。
【図4】本発明による一実施例の鼻薬用ポンプタイプのディスペンサの一部分として組み込まれている一実施例のポンプ本体の斜視図であり、このポンプ本体が図3に示されているピストンと協働することが意図されている。
【図5】図4に示されているポンプ本体内に嵌め込まれた図3に示されているピストンの側断面図である。
【図6】図3に示されているピストンと協働することが意図されている一実施例のエンベロープと、本発明による鼻薬用のポンプタイプのディスペンサ内に組み込まれている一実施例のバイアルポンプを形成するために図4に示されているポンプ本体の側断面図である。
【図7】図3、4及び6それぞれに示されているピストン、ポンプ本体及びエンベロープを組み込んでいる、組み立てられたバイアルポンプの断面図である。
【図8】バイアルポンプの操作を示している、図7に示されているバイアルポンプの断面図である。
【図9】本発明による一実施例のノズル機構を有するエアロゾルディスペンサーの長手方向に沿った断面図である。
【図10】液体リザーバと図9に示されているエアロゾルディスペンサーのノズル機構との間の流体連絡通路を通した液体の流路を示している断面図である。
【図11】図9に示されている線A−Aに沿った断面図である。
【図12A】図9に示されている本発明によるノズル機構内における弁の変形の一段階を示している拡大断面図である。
【図12B】図9に示されている本発明によるノズル機構内における弁の変形の別の段階を示している拡大断面図である。
【図13A】図9に示されているエアロゾルディスペンサーの本体部内における弁の変形の一段階を示している拡大断面図である。
【図13B】図9に示されているエアロゾルディスペンサーの本体部内における弁の変形の別の段階を示している拡大断面図である。
【図14A】本発明による第2実施例のノズル機構を示す断面図である。
【図14B】図14Aに示されている線B−Bに沿った断面図である。
【図15】供給装置が当接位置において示されている、カートリッジと本発明によるバイアルディスペンサとを有する供給装置の詳細側断面図である。
【図16】トリガ機構の作動中において供給装置が中間位置において示されている、カートリッジと本発明によるバイアルディスペンサとを有する供給装置の詳細側断面図である。
【図17】トリガ機構の作動中において供給装置が解放位置において示されている、カートリッジと本発明によるバイアルディスペンサとを有する供給装置の詳細側断面図である。
【図18】本発明による供給装置内に組み込まれている一つの好適な実施例の機械的な閉鎖装置の構成要素の分解図である。
【図19】図18に示されている本発明による好適な実施例の機械的な閉鎖装置の構成要素の分解断面図である。
【図20】図18に示した本発明における機械的密封装置の好適な実施例の組立部品の断面図である。
【図21】本発明における機械的密閉装置の他の好適な実施例の分解組立の断面図である。
【図22】図21に示した本発明における機械的密封装置の好適な実施例の組立部品の断面図である。
【図23A】本発明における機械的密封装置の例示的実施例の容器のネックの斜視図である。
【図23B】容器のネックにおける図23Aの線A−Aで切った破断面図である。
【図24A】本発明における機械的密封装置の例示的実施例において、機械プラグとクリンプ加工要素の斜視図である。
【図24B】機械プラグとクリンプ加工要素における図24Aの線B−Bで切った破断面図である。
【図25】本発明における図23Aの容器と図24Aの機械プラグとの相互作用を示した断面図である。
【図26】本発明における図23A容器と図24Aの機械プラグ及びクリンプ要素との相互作用を示した断面図である。
【図27A】図25に示した本発明における機械的密封装置の例示的実施例において、図23Aの容器に充填及びシールをするための例示的プロセスにける第1段階を示した図である。
【図27B】図25に示した本発明における機械的密封装置の例示的実施例において、図23Aの容器に充填及びシールをするための例示的プロセスにける第2段階を示した図である。
【図27C】図25に示した本発明における機械的密封装置の例示的実施例において、図23Aの容器に充填及びシールをするための例示的プロセスにける第3段階を示した図である。
【図27D】図25に示した本発明における機械的密封装置の例示的実施例において、図23Aの容器に充填及びシールをするための例示的プロセスにける第4段階を示した図である。
【図27E】図25に示した本発明における機械的密封装置の例示的実施例において、図23Aの容器に充填及びシールをするための例示的プロセスにける第5段階を示した図である。
【図28】図9及び図11に示した本発明において、ノズル機構の例示的実施例における旋回溝と集束溝の間の高さの違いを示した斜視図である。
【図29A】本発明において、バイアルポンプの他の例示的実施例の長手方向軸に沿って切った断面図である。
【図29B】図29Aに示したバイアルポンプのバイアル部分をシールするための後方プラグ機構の断面図である。
【図30A】本発明において、バイアルポンプの他の例示的実施例の長手方向軸に沿って切った断面図である。
【図30B】図30Aに示したバイアルポンプのバイアル部分をシールするための後方プラグの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0091】
図1に示したように、本発明において、鼻の薬剤投与のためのポンプ式投薬装置は、外部ハウジング101、ハウジング機構101の一側面にある駆動トリガ機構又はボタン103、関節ヒンジ105によりハウジング101の頭頂部にヒンジ止めされたスクリーン蓋102、ノズルハウジング部104を有する。スクリーン蓋102には3つの主要な機能がある。第1は、蓋が、ノズルハウジング部分104の軸と鼻腔の軸とを合わせるガイドとしての働き、鼻の背に対して蓋012の内側表面を単に置くだけで、利用者は鼻腔内にノズルハウジング部分104の中心あわせすることを簡単に行える。第2には、蓋102が、鼻のあたりを人目に曝すことを隠すスクリーンとして働き、これにより利用者は、鼻の投薬を他と分離した状態で使用することができる。第3は、蓋104が閉じられたとき、ノズルハウジング部104を取り囲んでいる細菌やその他汚染物からノズルハウジング部104を隔離するカバーの働きをする。更に、蓋が外部ハウジングから外すことができないので、この構成は蓋の付け間違いやノズルハウジング部分の汚染の危険を排除することができる。このように蓋102は、ノズルハウジング部分に対する衛生的に優れた保護を提供している。
【0092】
図1に示した例示的実施例において、駆動トリガーボタン103は、ハウジング101内で一方向駆動機構に結合され、一方向駆動機構は更にポンプ機構に結合されている。ノズルハウジング部分104の軸を横切る方向に駆動トリガーボタンを押すことにより、トリガ機構の一連の動作でポンプ機構が予め決められた量の鼻薬剤を取り込み、投薬することを順次実施する。一方向駆動機構がトリガ機構の一連の動作で薬剤の取り込み、投薬を実施するので、ポンプ機構のクリーピング(creeping)又は恒久変形を生ずる、圧縮状態でのポンプのロックを生ずる可能性はない。駆動トリガーボタン103は、ノズルハウジング部分104の軸を横切る方向に操作されるので、本発明によりポンプ型投薬器100の操作中に鼻のあたりからノズルハウジング部分が誤って外れてしまう危険は実質的にない。
【0093】
本発明のポンプ型投薬装置に関連する例示的ポンプ機構は、スリーピースファイアルポンプである。図3〜図6Eで後述する、例示のファイアルポンプは、空気の存在を阻止し又は保留した調合物に保存料を必要としないで、しかも調合物の汚染を防止するように設計される。加えて、このタイプの例示のファイアルポンプは、バイアルが調合物で満たされている間はほぼ空気に曝されること無く、保存料なしで内容物の無菌を確保する利点を持つべきである。
【0094】
図3に示すように、例示のファイアルポンプは次の特徴をもったピストンを有する。前端にはピストンが圧力を増加する時ポンプボディの空洞のシールを確保するように設計されたフランジ2を有した大きな長軸のプランジャ1と、船のいかり型をしたフィン3はこの構成では3個有する。フィン3のそれぞれは、端にアーク5を有するスポーク4を有する。
【0095】
図4に示すように、例示のファイアルポンプは次の3つの主要部品から作られたボディを有する。前部又はノーズ6と、中間部又はスリーブ7と、後部又はポンプのボディ8。ノーズ6は、純粋な円筒形又は面取りをした円錐形の構造で、先端に面取りをした円錐部分10を伴った小型のシリンダ9とポンプの排液オリフィスの穴がある。面取り円筒部分の後ろには他の円筒部分12及び、この円筒部分12の後ろには以下に詳細に述べる伸縮性のある外被をシールする働きをもつ円環状溝13を有する。この円環状溝はディスク又は前部ディスク13aからノーズ自身を分離する。
【0096】
図4に示すように、スリーブ7は円筒状スリーブであり、その内側はポンプの空洞になっている。スリーブ7の円筒壁は長軸のスロット14の穴があいており、このそれぞれは対応したピストンスポーク4を滑らす。各スロットは2つの部分を有する。これは、滑らすためのピストンスポーク14のための幅広後部部分14と、外部液体とポンプ空洞環の連絡オリフィスを構成し、入口オリフィス15となる狭い前部部分。このポンプの空洞の高さは、ピストンが液体を圧縮するレベルを決定し、それ故注入する薬の体積を決定する。
【0097】
このスリーブの内壁には、ポンプノーズの後段の最前部において、図5に示す環状アンダカットを含む停止板16が設けられる。このアンダカットは、ポンプが休止すなわち閉鎖位置にあるときに、ピストンの環状フランジを収容する。アンダカット16は、ピストンの前部環状フランジ2が最初の組み立ての後に極めて僅かな圧縮を生じ得るようにして、ポンプを使用前に保管する間にピストンの前部環状フランジにクリープを生じさせることなく、ポンプの他部分を完全な閉鎖状態に維持する。それにより、ノーズの排出オリフィス11(ここでは噴出口)に受容される空気又は液体は、ポンプすなわち薬瓶の他部分に収容される液体に接触できないことになる。
【0098】
再び図4を参照すると、ポンプ本体8は、明らかに大きな直径を有してスリーブに連続する円筒状キャビティを備え、それ自体、ポンプ起動のために外被体の後方リングに収容される。この部品の前部には、フィン3の挿通を許容する複数の切欠区画17が設けられ、ピストンをポンプ本体に嵌め込むことができるようになっている。図示実施形態では、ポンプ本体は移動可能であり、ピストンは静止位置に保持される。
【0099】
図5に示すように、図3のピストンは図4のポンプ本体の内側に取り付けられる。前述した部品群に加えて、アンダカットを有するピストン前方停止板16が図示されている。また、入口オリフィス15が図示されており、本体内部のピストンは、ピストンが前方移動する場合に、オリフィス15を通って侵入する所定量の流体をキャビティ(すなわち「ポンプダクト」)18内に封じ込めるような位置にある。また、スポーク4が図示されているが、これは長手方向スロットに摺動可能に組み付けられている。さらに、ポンプ本体の後方部分では、切欠区画17がフィンの通過を可能にしている。このように、本発明に係るポンプ機構は、3つの環状部分12、5、8を有する。
【0100】
図6に示すように、典型的な弾性外被体は、前方リング19、中間リング20、後方リング21の3個の環状部分を有し、それらの間に前方ベローズ部分22と後方ベローズ部分23とが画定される。前方リング19はポンプ本体のリング13aと協働し、中間リング20はピストンのアーク状部分5によって形成される不完全なリング部分と協働し、後方リング21はポンプ本体の後方リング部分8と協働する。弾性外被体のこれらのリングは、他の2部品すなわちポンプ本体及びピストンの複数のリング部分を固定的に保持し、特に、リング13a及び19の位置では、組立体は完全な気密性を有する。さらに、外被体の前端位置には、出口へ向けての一方向弁を形成する弾性膜24が設けられる。この弁は、少なくとも弾性膜と円錐台部分10の小円筒部9の相補部分とによって形成される。
【0101】
図6から分かるように、この典型的構成では、外被体は、薬瓶ポンプを流体、液体又はゲルで満たすための他の方法において中空針の挿通を許容する2つの部分、すなわち領域25及び26を備える。これらの部分は、包囲領域よりも大きな厚みを有し、薬瓶ポンプの後方のバイアルすなわち薬瓶部分が充填開口を持たずかつ機械的閉じ具を使用しない場合に、充填針がこれら領域を貫通する。さらに、これら領域の各々は、例えば2つの高温ジョーの間で圧力を受けて熱シールされ得る小円筒部を有する。この種の円筒状構造は例えば、外被体の外部方向へ膨出して外壁上に突出する肉厚部分によって置き換えることができる。この肉厚部分には、高温体を当接し、それにより肉厚部分を溶融して、針の貫通を可能にしているオリフィスを全体的にシールすることができる。最後に注記するが、図6には、受容部としてのみ機能する外被体の後方部分は示されていない。
【0102】
典型的な薬瓶ポンプの上述した部品群は、以下のようにして組み立てられる。まずピストンを、前部環状フランジが停止板に到達するまで、ポンプ本体内部に取り付ける。これにより、部分的に組み立てられた「ポンプ」は、休止閉鎖位置に置かれる。次に、部分的に組み立てられた「ポンプ」が弾性外被体の内部に取り付けられるとともに、この組み付けの間に、圧縮ガスの噴流が弾性外被体を膨張させて、弾性外被体による摩擦を最小限にする。
【0103】
図7に示すように、他の実施形態による薬瓶ポンプは、上記した部分に類似する3つの部分を備えるが、幾つかの小さな相違点を有する。図7の実施形態は、外被体のリング19、20、21にそれぞれ組み込まれるリング13a、5、8を有する。また、前方ベローズばね22と後方ベローズばね23とが図示されている。図5と図7とを見比べれば分かるように、長さLは、本体内でのピストンの後方移動距離に相当し、この後方移動により、流体をポンプのダクト18に導入できるとともに、ダクト18の内径寸法に基づいて放出流量が決定される。さらに、図7に示すように、バイアル部分77からの流体は、ベローズ部分23内に画定されるベローズチャンバとの間を流通する(双方向矢印Fで示す)。
【0104】
図7はさらに、薬瓶ポンプを剛性シェル27の内側に取り付けた状態で示す。さらに明らかな相違点は、環状アンダカットである。上記した構成では、点眼液の個々の投与量を放出するために、寸法は例えば以下のようになる。a)出口オリフィスを構成する通路の直径及びその長さは、それぞれ約1.0mm及び2.0mm、b)弁24の位置におけるKraton(登録商標)外被体の厚みは約0.8mmで流体出口端に向けて漸減、及びc)ベローズ部分23の位置におけるKraton外被体の厚みは1mm、ベローズ部分22においては0.75mmである。さらに、図7の上方領域に見られるように、外被体の後方部分は例えばシールによって囲繞され、それにより、ポンプ本体及びピストンは、ポンプ本体の前端を除いて全体に包囲される。
【0105】
本発明によれば、a)バイアルの後方部分を移動可能にするハウジングと薬瓶ポンプバイアルとの相対配置、又はb)薬瓶ポンプバイアルの後方部分をハウジングに対して固定するとともにピストンのみ移動可能にする相対配置の、2つの異なるタイプの薬瓶ポンプ装置を提供できる。所与の薬瓶ポンプは、上記した相対配置のいずれか一方の一部として組み込むことができる。図8(A)〜(E)は、上記した第1のタイプの薬瓶ポンプ装置における作動時の幾つかのステップを示す。一連の図8(A)〜(E)において、薬瓶ポンプは図7に示すように組み立てられており、剛性シェルの内側に置かれる。ここに開示する薬瓶ポンプでは、この剛性シェルを使用して、ポンプ本体は移動可能であり、ピストンは静止位置に保持される。
【0106】
図8(A)〜(E)において、Fは弾性外被体を充填している流体を示す。図8(A)に示す休止位置では、ピストンは、ポンプの受容部27、すなわち実際の薬瓶ポンプの3つの要素とは異なる構造によって静止位置に保持される。ここに開示する薬瓶ポンプ装置では、ピストンリングは後方ベローズばね23の圧縮によって固定的に保持される。図8(B)では、ポンプの起動に際し、ポンプ本体がその後方部分8によって前方に押され、スリーブによってポンプ本体に一体化されているノーズにこの前進を伝達する。これにより、このスペースにおいてポンプダクト18に液滴のキャビティが形成される。このキャビティは、ポンプ休止中には仮の状態に維持されるが、スリーブ7から前溝14の底リップまでの高さによって決まる容積を有し、それにより、前方ベローズ部分によって制限されるキャビティにこの液滴キャビティ18が連通する。この液滴キャビティ18は、ポンプ停止板16によって前方で画定され、側方スロット14で開口していないスリーブの前方円筒部分18によって両側で画定され、ピストンの前方環状フランジ2により制限されるピストンの前方部分2によって後方で画定される。
【0107】
続いて図8(C)を参照すると、ノーズが前方へ十分に深く押され、ピストンの前方フランジ2がスリーブ7の前溝の前リップの背後に置かれ、液滴キャビティ18の降下が流体Fの到達によって生じる。そこでポンプは、充填すなわち開放位置に置かれる。係脱機構及び係脱動作は、以下で個別に詳細に説明する。作動の間は、後方ベローズばね23は圧縮状態にあり、前方ベローズ部分22は延ばされている。続いて図8(D)に示すように、流体Fの液滴の放出段階の間、すなわちノーズ及び本体がそれらの初期休止位置に復帰する際に、最初に圧縮されていた後方ベローズばね23は延ばされ、組体は図8(E)に示す休止位置に再び配置される。
【0108】
バイアルポンプのもう一つ種類の好適な実施形態が図29Aに示され、この実施形態において、ピストン部分が可動であり、バイアルの後方部分がハウジングに関して固定されている。図29Aに示されたポンプ7000の動作は、図3から7及び8(A)〜(E)に図示されたバイアルポンプの動作と同じであるが、幾つかの機械的な特徴がポンプ7000を区別する。ポンプ7000は、コレット7026と長手方向延在部分7014及び7016とによって形成されたスリーブ内に滑り可能に係合する主ピストン7001を有している。ピストン7001は、前方ベローズ部分7022、後方ベローズ部分7023、後方部分7028、前方リング7029、外側ノズル部分7006、及び、前方円錐部分7025を有する弾性外被部分7300へ半径方向に延在するフランジ7005を介して連結されている。前方ベローズ部分7022及び後方ベローズ部分7023は、連結されたピストン7001へばね作用を提供する。弾性外被部分7300の後方部分7028は、コレット7026及び長手方向延在部分7016の後方部分7016aを確実に保持する。次いで、後方部分7028は、バイアル部分7027の前方部分内に確実に保持され、バイアル部分の内側が流体貯蔵部分7077を区画形成する。バイアル部分は、流体貯蔵部分7077内への空気の侵入を実質的に防止する強固な材料から形成されている。
【0109】
図29Aに示されたポンプの好適な実施形態を継続し、流体出口弁7024は、外側ノズル部分7006と、弾性外被部分7300の相補的なリング部分7029へ半径方向突起7030を介して固定された不動の内側ノズル部分7004との境界によって画定される。外側ノズル部分7006は、ノズル部分の基端から先端へ長手軸線に沿って減少する半径方向厚さを有している。ポンプ7000が包囲位置にある時に、ピストン7001は不動の内側ノズル部分7004の基端部分7007に当接する。ポンプ7000の動作中において、ピストンが基端部分7007に関して最初に引っ込められる時に、キャビティ(又は、ポンプ通路)7018が基端部分7007とピストン7001の前端との間に区画形成される。さらに、外側オリフィス7011は、キャビティ7018と流体出口弁7024との間の流体連通路を提供する。
【0110】
図29Aに示した長手方向に延在するスリーブ部分7014は、キャビティ7018への入口オリフィスとして機能する図5に示されたスロット15と実質的に同じ細長いスロット7015を有している。さらに、二つのO形状リング7003a及び7003bは、ピストン7001と、コレット7026及び長手方向延在部分7014及び7016によって形成された周囲スリーブとの間の流体密シールを提供するように、図29Aに示すようにピストン7001の周囲回りに固定又は型成形されている。O形状リング7003a及び7003bは、シリコン、ポリイソプレン、クラトン(登録商標)、又は、任意のゴム状材料から形成されて良い。加えて、基端部分7007は、圧縮動作中におけるピストン7001及びキャビティ7018のシールを保証するその前方フランジ7002の前方圧縮動作範囲を定める。
【0111】
ポンプ7000の動作は、図8(A)〜(E)に示す動作と実質的に同じで良い。図29Aに示されたピストン7001の包囲位置からの不動な内側ノズル部分7004の基端部分7007から離間するピストンの相対動作は、基端部分7007とピストン7001の前端との間の空間によって区画形成されるキャビティ7018内の吸引又は押下げをもたらす。基端部分7007から離間するピストン7001の最大相対動作は、予め確定されている。ピストン7001のフランジ7002がスロット7015の後方に位置する時に、流体連通路がスロット7015を介して実現され、キャビティ7018内の押下げが、前方ベローズ部分7022及び前方スリーブ部分7014との間に区画形成された周囲キャビティ7008からキャビティへ流体を引き入れる。ポンプピストン7001が基端部分7007に関して後方に動かされるこの”充填”段階中において、前方ベローズ部分7022は伸張し、後方ベローズ部分7023は収縮する。
【0112】
流体放出段階中において、ピストン7001は、前方ベローズ部分7022及び後方ベローズ部分7023のばね作用によって前方へ押される。前方フランジ7002が細長いスロット7015の前方へ動かされる時に、キャビティ7018内の流体はピストン7001の前方への動作によって圧縮され、圧縮流体は流体出口弁7024へ出口オリフィス7011を通り流れる。十分な流体圧力が流体出口弁7024にもたらされる時に、外側ノズル部分7006は、流体を通過させるために不動の内側ノズル部分7004から離間する。外側ノズル部分7006が、ノズル部分の後方又は基端から前方又は先端へ長手軸線に沿って減少する半径方向厚さを有するために、流体出口弁7024の前方部分は弁の基端部分が最初に開放される時には閉鎖されており、流体が弁7024を通過すると、弁の基端部分は、弁7024の前方部分が流体を放出するために開放される時までに閉鎖される。流体放出段階の完了時において、ピストン7001、前方ベローズ部分7022、及び、後方ベローズ部分7023は、図29Aに示された包囲位置へ戻される。
【0113】
前述したポンプ7000において、二つのO形状リング7003a及び7003bは、ピストン7001と、コレット7026及び長手方向延在部分7014及び7016によって形成された周囲スリーブとの間の流体密シールを提供し、それにより、ベローズ室7023a内を無流体に維持する。ベローズ室内に流体を存在させないことは、実質的に、後方ベローズ部分7023の弾性変形を流体が妨げる可能性を排除する。
【0114】
前述したように、バイアル部分7027の内側は、流体貯蔵部分7077を区画形成する。しかしながら、バイアル部分7027の内側は、さらに、弾性材料、例えば、クラトン(登録商標)から形成された内側ポーチ7100を有している。図29Aに示すように、内側ポーチ7100は、以下にさらに詳細に述べられる後方プラグ7200によってバイアル部分7027へ固定されている。内側ポーチ7100の内部7078は、流体貯蔵部分7077内に貯蔵された流体量に依存する可変空気容積部を収納している。図29Aは貯蔵部分の最大容量の約1/3の流体量を貯蔵した流体貯蔵部分7077を示している。弾性内側ポーチ7100は、内側ポーチの外側表面7100aが流体貯蔵部分7077内の流体レベルに一致するように潰れ可能又は膨張可能であり、すなわち、バイアル部分7027が流体で完全に満たされている時に、内側ポーチは実質的に完全に潰され、内部7078の容積が実質的にゼロである。
【0115】
貯蔵部分7077の液体がポンプ動作の結果として徐々に減少する時に、ポーチ7100は、相対的に膨張し、貯蔵部分7077内の吸引圧力によって吸引され、それにより、貯蔵部分7077内のポンプ動作に悪影響を与えることがある残留空気を実質的に排除する。内部7078の空気容積は、次いで、後方プラグに形成された空気孔7201を介して調整される。前述のように、内側ポーチは、流体貯蔵部分7077のための効果的な空気調整機構として機能する。
【0116】
図29Bに詳細に示したように、図29Aに示したバイアルポンプ7000のバイアル部分7027の後方は、後方プラグ7200によってシールされている。さらに、内側ポーチ7100は、後方プラグ7200によってバイアル部分7027へ固定されている。前述したように、後方プラグ7200は、内側ポーチ7100の内部7078の空気容積を調整する複数の空気孔7201を有している。内側ポーチ7100の後方部分7103は逆U字形状を有し、後方部分7103がバイアル部分7207の後方に半径方向に留められる。内側ポーチ7100の半径方向突起7101は、バイアル部分7207の後方に形成された相補的な凹み70271に固定される。加えて、後方プラグ7200も逆U形状を有し、内側ポーチ7100の後方部分7103に半径方向に留められる。
【0117】
後方プラグ7200は径方向内側に向かって突出する二つのノッチ部分7201および7202を有し、これらノッチ部分7201および7202はそれぞれ内部ポーチ7100の後方部分7103のノッチ部分7102およびバイアル部分7207の後部のノッチ部分70272と相互に作用する。後方プラグがシール位置に配置されるときには、後方プラグの内面は内部ポーチ7100の後方部分7103の径方向突出部7101と圧縮するように係合し、後方プラグ7200のノッチ部分7201および7202はそれぞれノッチ部分7102および70272を越えて摺動し、ノッチ部分7102および70272の下方と堅固に係合する。このため、後方プラグは「摺動プラグ」としても参照される。このようにして、後方プラグ7200は、径方向および鉛直方向においてバイアル部分7207の後部に密接したシールを提供するように、内部ポーチ7100の後方部分7103およびバイアル部分7202の後部を径方向および鉛直方向に圧縮する。
【0118】
薬瓶用ポンプの更なる別の実施形態が図30Aに示され、この薬瓶用ポンプではピストン部分は移動可能であり且つバイアルの後方部分はハウジングに対して固定される。図30Aに示されたポンプ8000は幾つかの相違を除いて図29Aに示されたポンプとほぼ同様である。第1に、ポンプ8000は内部ポーチ7100を有さない。代わりに、前方ベローズ部分7022と後方ベローズ部分7023とを有する弾性包囲部分7300が後方へと延び、バイアル部分7301を形成する。バイアル部分7301は実質的に硬い外側ハウジング8027に包囲される。第2に、図30Aの実施形態において組み込まれる後方プラグ8200は図29Aに示されたポンプ7000に組み込まれた後方プラグ7200よりも単純である。
【0119】
図30Bに詳細に示したように、後方プラグ8200はバイアル部分7301の後方部分7301aと協働して、密接したシールを提供する。後方プラグ8200は環状突出部8201を有し、この環状突出部8201はバイアル部分7301の後方部分7301aに形成された相補的な形状の環状凹部7302内にスナップ止めされ、これにより環状凹部7302に沿った周方向シールが提供される。後方プラグ8200は環状フランジ8202を有し、この環状フランジ8202はバイアル部分7301の後方部分7301aの環状フランジ7302に載置される。環状突出部8201および環状フランジ8202は共に後方部分7301aを鉛直方向に圧縮するように作用する。このようにして、後方プラグ8200は径方向および鉛直方向にバイアル部分7301の後方部分7301aの密接したシールを提供する。
【0120】
図9および図11に戻ると、これら図中には、全体を参照番号31で示した本発明の鼻用ディスペンサ装置に組み込まれるエアロゾル先端機構、すなわちエアロゾルノズル機構32の第1の実施形態が示される。第1の実施形態のエアロゾル先端機構32は出口部分3108と流体チャネル(または供給チャネル)3104とを有する可撓ノズル部分310と、可撓ノズル部分310内に受容される剛性シャフト3102と、可撓ノズル部分310を包囲しながらも出口部分3108を外部に晒すようになっている剛性外部ハウジング3101とを備える。剛性シャフト3102は出口部分3108の内側部と相互に作用して、通常閉鎖される第1バルブ3105を形成すると共にエアロゾル先端機構32の出口部分3108の端部に形成されたピンホールを介して噴射される前における流体リザーバ、例えばバイアル容器から流れる液体用の渦巻チャンバまたは収集チャンバ3103を画成する。
【0121】
図9および図11に示したように、エアロゾル先端機構の第1の実施形態では、まず、液体チャネル(「供給チャネル」としても参照)3104は剛性シャフト3102の周囲を囲う壁31021a、31021b、3102cに沿って長手方向(鉛直方向)に延び、続いて流体チャネルは水平方向(径方向)に延び、流体を渦巻チャンバ3103に搬送する。なお、壁31021cは図11のみに示されており、図面を分かり易くするために図9には示されていない。供給チャネルの鉛直部分は参照番号3104aとして示され、水平部分は参照番号3104bで示される。流体チャネル3104については以下で詳述する。
【0122】
ここで、流体チャネル3104および渦巻チャンバ3103における流体力学について簡単に説明する。渦巻チャンバ3103は噴射される薬剤のスプレーパターンを作り出すのに使用され、且つ幾つかのファクタが噴射されるスプレーパターンの物理的特性に影響を及ぼす。第1に、出口部分3108の端部に形成されるピンホールの長さはスプレーパターンの円錐の角度を制御する主要なパラメータであり、出口部分3108の端部におけるピンホールの長さが短くなるとスプレーパターンの幅が広くなる。第2に、出口部分3108の端部においてピンホール開口の外部と内部との圧力差が大きくなると、粒子がより均質になり且つ粒子サイズが小さくなる。第3に、出口部分3108の端部においてピンホールの直径が短くなると、スプレーの粒子サイズが小さくなる。
【0123】
スプレーされる粒子サイズを均質にし且つ概して粒子サイズを小さくするために、本発明のディスペンサ装置は流体力学において「ヘッドロス」として称される流路における抵抗源を最小にすることによって、出口部分3108の端部におけるピンホール開口の外部と内部との間の相対圧力差を最大にする。このことに関して、本発明において組み込まれる流体チャネル3104の長さは最短にされ、且つ流路が渦巻チャンバ3103に近づくにつれて流体チャネルの幅が小さくなる割合が最小にされ、さらに渦巻チャンバに対する流体チャネルの角度の変更割合が最小にされ、すなわち流体チャネル3104の全長に過度に延びてしまうことなく鉛直部分3104aから水平部分3104bへの遷移ができるだけ穏やかに行われる。図9および図11に示した流体チャネルおよび渦巻チャンバが組み込まれたディスペンサ装置を用いると、噴射されるスプレーパターンの平均粒子サイズは40μmであった。
【0124】
図9および図11に示されたように、三つの別個の水平チャネル部分3104bは渦巻チャンバ3103と合流する。このような構成では、図28に示したように渦巻チャンバ3103と集まっていくチャネル部分3104bとの間の傾斜スロープにおける相対差αを作り出すことによってヘッドロスが更に減少せしめられる。この場合、渦巻チャンバ3103内で既に渦巻いている流体2801は、近接した水平チャネル部分3104bから渦巻チャンバ3103に侵入した流体2802と上記流体2801とが合流したときに、渦巻チャンバの頂部に対して半分の位置に位置する。
【0125】
本発明の第2の実施形態のエアロゾル先端機構、すなわちエアロゾルノズル機構32は図14Aおよび図14Bに示される。第2の実施形態は1つの相違を除いて第1の実施形態とほぼ同様である。図9および図11に示された第1の実施形態と対比して、第2の実施形態のエアロゾル先端機構、すなわちエアロゾルノズル機構は剛性シャフト3102の周囲を包囲する壁31021a、31021bおよび31021cを有さず、供給チャネル3104は剛性シャフトの第2部分3102aの外部と可撓本体部分3107の内面との境界に沿って延びる傾斜して鉛直方向を向いたチャネルのみから成る。よって、第2の実施形態では、傾斜して鉛直方向を向いた供給チャネルは直接渦巻チャンバ3103に接続される。
【0126】
図9に示されるように、本発明の第1の実施形態のエアロゾル先端機構、すなわちエアロゾルノズル機構32はほぼチューブ状の可撓本体部分3107に連結され、該可撓本体部分の壁の厚さはその底部から可撓ノズル部分310に向かって可撓本体部分の対称軸線に沿って減少していく。可撓ノズル部分310内に受容された剛性シャフト3102は下方へ向かって可撓本体部分3107内へと延び、剛性シャフトの第2部分3102aは可撓本体部分3107と相互に作用し、通常閉鎖される第2バルブ3106を形成する。
【0127】
図9および図10を参照すると、流体リザーバから出口部分3108への液体の流体接続流路3201は通常閉鎖される第1バルブ3106および通常閉鎖される第2バルブ3105を連続的に越えて延びる。参照番号31で全体的に示された鼻用ディスペンサ装置のポンプ機構3110はディスペンサ装置のポンプ本体部分3111に対して作用し、圧力が加えられることによって流体接続流路3201に沿って流体リザーバからの流体を流す。ポンプ本体部分3111の部分は通常閉鎖される第1バルブ3106を画成し、該バルブは流体が逆方向から流出することおよび流体リザーバに向かって戻ることを防止する。なお、本発明のノズル機構は様々な流体供給装置と共に使用され、その一例を既に図3〜図8に関連して示した。図9および図10に示されたディスペンサ装置のポンプ機構3110およびポンプ本体部分3111は様々な供給装置の例であり、一般的な代表例であることが理解されるべきである。
【0128】
図9および10に示したように、液体容器からの液体は最初に流体連通路3201に沿って導かれ第1の正常閉鎖したバルブ3106の入口に達する。第1の正常閉鎖したバルブ3106は、剛性シャフトの第2部分3102aの外部と可撓性ボディ部分3107の内表面との界面に沿って形成された供給チャネル3104の鉛直部分3104aへの液流を調整する。流体連通路内にある液体の圧力が、可撓性ボディ部分3107を半径方向に変形させるのに十分な閾値圧力に達すると、第1の正常閉鎖したバルブ3106の下部セグメントを構成する可撓性ボディ部分の部分3501が液体によって半径方向に変形させられ、それにより、図13Aに示すように、第1の正常閉鎖したバルブ3106が開く。液体が第1の正常閉鎖したバルブ3106を通って供給チャネル3104の鉛直部分3104aへ向かって進行するのに伴い、図13Aおよび13Bに示したように、第1の正常閉鎖したバルブ3106を構成する可撓性ボディ部分3107の連続セグメントが半径方向に変形し、その結果、最終的に液体は、第1の正常閉鎖したバルブ3106を構成する可撓性ボディ部分3107の最上部セグメント3502を横切って、供給チャネル3104の鉛直部分に流入する。
【0129】
図13Aおよび13Bに示すように、第1の正常閉鎖したバルブ3106の下部セグメント3501から上部セグメント3502までの間に、すなわちノズル機構の対称Sの長軸に沿って、可撓性ボディ部分3107の肉厚が減少するので、液体が上部セグメント3502に達する時点までには、バルブ3106の下部セグメント3501は実質的に閉じる。セグメント3501が最初に開く動作を図13Aに示し、これに続いて上部セグメントが開く動作を図13Bに示す。バルブ3106の下部セグメント3501を開くのに要するエネルギーは上部セグメント3502を開くのに要するエネルギーより大きいので、下部セグメント3501が一度開いてしまうと、液体の流れは可撓性ボディ部分3107にある第1バルブ3106を通って前進を続けるように自然に偏向される。このようにして、第1の正常閉鎖したバルブ3106によって、供給チャネル3104の鉛直部分3104aに向かう方向のみに液体の移動が限定される。
【0130】
流体連通路3201内にある液体は、第1の正常閉鎖したバルブ3106を横切った後は、図9、10、11に示すように、剛性シャフトの第2部分3102aの外部とアエルゾルチップ機構32の第1実施形態の可撓性ボディ部分3107の内表面との界面に沿って延びる供給チャネル3104の鉛直部分3104aに流入する。図11、13A、13Bに示すように、供給チャネル3104は流体連通路3201の第1の正常閉鎖したバルブ3106と渦巻チャンバ3103との間の部分を画定しており、供給チャネルの鉛直部分3104aは供給チャネルの水平部分すなわち半径方向部分3104bに接続しており、それは更に可撓性ノズル部分310内にある円筒状渦巻チャンバ3103に接線方向から接続している。供給チャネル3104の水平部分3104bを円筒状渦巻チャンバ3103に接線方向から接続したことにより、図11に矢印3301で示したように、渦巻チャンバ内で液体の旋回運動が生ずる。
【0131】
図14Aおよび14Bに示したアエロゾルチップ機構の第2の実施形態においては、供給チャネル3104は、剛性シャフトの第2部分3102Aの外部と可撓性ボディ部分3107の内表面との界面に沿って延びた、3104cで示した傾斜鉛直部分のみから成る。そのため、アエロゾルチップ機構の第2実施形態においては、流体連通路3201内の液体は、第1の正常閉鎖したバルブ3106を横切った後は、傾斜鉛直方向供給チャネル3104cを介して渦巻チャンバ3103に直接流入する。液体の旋回運動は、矢印3301で示すように、供給チャネル3104cが渦巻チャンバ3103に対して接線方向に(傾斜して)配向していることによって生起され、液体が出口部分3108から排出されるまで持続する。この排出動作の力学的な説明は以下に行なう。
【0132】
図9、12Aおよび12Bに示したように、液体の圧力が、第2の正常閉鎖したバルブ3105を構成する出口部分3108を半径方向に変形するのに十分な閾値に達すると、渦巻チャンバ内の液体が出口部分3108を介して排出される。前述の第1の正常閉鎖したバルブ3106と同様に、第2の正常閉鎖したバルブ3105を通る液体の運動により、出口部分3108の各セグメントが順次変形する。図12Aに示すように、第2の正常閉鎖したバルブ3105の下部セグメントを構成する出口部分3108の部分は液体によって半径方向に変形し、それにより、第2の正常閉鎖したバルブ3105が開く。液体が第2の正常閉鎖したバルブ3105を通って出口部分3108の先端に向かって進行するのに伴い、図12Aおよび12Bに示すように、第2の正常閉鎖したバルブ3105を構成する出口部分3108の一連の各セグメントが半径方向に変形し、その結果、最終的に液体は、第2の正常閉鎖したバルブ3105を構成する出口部分3108の最上部セグメント3402を通って進行する。
【0133】
図9、12Aおよび12Bに示すように、第2の正常閉鎖したバルブ3105の下部セグメント3401から上部セグメント3402までの間に、すなわちアエロゾルチップあるいはノズル機構の対称Sの長軸に沿って、出口部分3108の肉厚が減少する。このように肉厚が一様に減少することにより、図12Aおよび12Bに示すように、バルブ3105の下部セグメント3401は、液体が上部セグメント3402に達する時点までには実質的に閉じる。バルブ3105の下部セグメントを開くのに要するエネルギーは上部セグメント3402を開くのに要するエネルギーより大きいので、下部セグメント3401が一度開いてしまうと、液体の流れは出口部分3108にある第2バルブ3105を通って前進を続けるように自然に偏向される。このようにして、バルブ3105によって、ノズル部分310の外部先端に向かう方向のみに液体の移動が限定される。
【0134】
液体が出口部分3108を通って排出されている間は、アエロゾルチップあるいはノズル気候の対称Sの長軸に沿った変形をする可撓性ノズル部分310のセグメントのみが出口部分3108となる。可撓性ノズル部分のこれ以外の各セグメントは剛性ハウジングによって対称Sの長軸に沿った変形を防止される。出口部分3108が軸Sに沿ってごく僅かな変形をしても、半径方向の変形は大きい。更に、出口部分3108は剛性シャフト3102に対して軸Sに沿った力を負荷しない。すなわち、出口部分3108は、第2バルブ3105の開閉動作中に、剛性シャフトと擦れ合わない。このように、出口部分3108と剛性シャフト3102とが擦れ合わないので、渦巻チャンバ3103に汚染物質が侵入する機会が最小化される。
【0135】
本発明によるアエロゾルチップあるいはノズル機構の利点の一つは、上述のように、剛性ハウジング3101によって可撓性ノズル部分310が軸方向に変形しないことである。可撓性ノズル部分310は、出口部分3108以外は、図12Aに示した対称Sの長軸に沿った変形を実質的にせず、渦巻チャンバ3103に導入された液体の旋回運動を生起させる流体チャネル3104の外形が、液体の排出中に維持される。可撓性ノズル部分310が液体の排出方向に沿って軸方向に変形すると、流体チャネル3104が変形し、その結果、旋回運動が起きなくなる。
【0136】
本発明によるアエロゾルチップあるいはノズル機構の上記実施形態においては、可撓性ノズル部分310、可撓性ボディ部分3107およびポンプボディ部分3111を作製する材料は、公知の材料を用いれば良く、例えば、ブタジエンポリエチレンスチレン(KRATON(登録商標))、ポリエチレン、ポリウレタン、その他の弾性材料で作製することができる。KRATON(登録商標)は、経時変化による永久変形すなわち「クリープ」に対する抵抗力が高いので特に適している。
【0137】
本発明によるエアロゾルチップまたはノズル機構の他の利点は、ノズル機構を構成する部品点数、従って、前記ノズル機構に組み合わせるポンプ機構を含む鼻供給装置が従来ノズル機構と比較して相当に縮小されていることである。図9から理解されるように、本発明によるノズル機構を組み込んだ鼻供給装置は単に3つの分離部品から形成できる。即ち、硬質ハウジング3101と、可撓性ノズル部310、可撓性本体部3107およびポンプ本体部3111を一体化した可撓性片と、ポンプ機構3110に一体化した硬質シャフト3102で構成される。単に3つの分離部品のみが必要であるので、鼻供給装置の製造コストおよび煩雑性は大いに減少する。
【0138】
本発明によるエアロゾルチップおよびノズル機構の他の利点は、ノズル機構内の液体が周囲空気と接触しかつ続いてノズル機構の内部へ復帰する、即ち、液体が「サックバック」(sucked back)する可能性を、薄い壁厚の出口部3108を有する第二の通常閉鎖の一方向弁3105が実質的に解消することである。出口部3108の薄い壁厚により、液体は、その弁の相対的に厚い基部が一旦開放すると、自然に付勢されて出口部3108の第2弁3105へ前進移動する。従って、出口部3108は実質的ゼロ、「デッド容量」(dead volume)になる。即ち、周囲空気に既に暴露された液体が残存する空間を形成する。
【0139】
本発明のエアロゾルチップまたはノズル機構の他の利点は、出口部3108が、第2弁3105の開閉時に硬質シャフト3102をこすらないことである。従って、出口部3108と硬質シャフト3102間のいかなる擦り接触も生じないので、回転室3103へ汚染物が侵入する機会が最小限になる。
【0140】
本発明によるエアロゾルチップまたはノズル機構の他の利点は、出口部3108へ通じる液体連絡通路に沿って複数の弁が存在することである。第2の通常閉鎖弁に加えて、液体容器と出口間の流体連絡通路に沿って位置決めされた第一の通常閉鎖弁は、液体容器内の液体が周囲空気に偶発的に暴露されかつ続いてノズル機構へ戻った液体により汚染されることを更に確実に阻止する。第1および第2の通常閉鎖弁が流体連絡通路に沿って位置決めされて、出口への排出に通じる流体連絡時に、継続的、従って、非同期して開放するので、第1および第2弁のいずれか一方の機能障害がノズル機構の一体性に影響することなく液体容器内の液体の汚染を防止する。
【0141】
本発明による医薬品ディスペンス装置は、更に、図1に示したハウジング101との関係で図15〜17に示した一方向作動解除機構を含み、これは図15〜17に示したアコーディオン式またはピストン式バイアルディスペンサ4200を収容しかつそれと協働する構成である。理解されるように、図15〜17に示したバイアルディスペンサ4200は、図3〜8に示したポンプ装置および図9〜14に示したノズル機構を組み合わせた一般的装置例である。図15〜17に示した構成要素の説明は、同様に、図3〜14に示した対応する構成要素の一般的説明である。本発明は図15〜17に概ね示しかつ図3〜14に特に示したバイアルディスペンサとの関係で説明するが、本発明はこの特定タイプのディスペンサに限定されない。即ち、ポンプ装置およびノズル機構はここに記載のものと相違してよい。
【0142】
図15に示されたように、バイアルディスペンサ4200はノズル42、前方リング43、前方ベローズ部44、後方リング46、後方ベローズ部47、および後バイアル部または所定貯蔵量の液体医薬品を収容する液体貯蔵室48を含む。バイアルディスペンサ4200は上記ベローズに沿って長手方向に圧縮自在である。この目的から、前後方ベロー部44および47は、それぞれ、Kraton(登録商標)等の可撓性軟質プラスチック材料で構成される。ディスペンサの弾性(復元力)は優れた記憶力を有しかつ優れたばねとして作用するKraton(登録商標)で形成された前後ベローズのばね力により提供される。留意すべきことは、図15に示した後方ベローズ部47がドーム形状であり、かつこのドーム形状が前方ベローズ部44に融合してよいことである。同様に、図15に示した前方ベローズ部44の形状は後方ベローズ部47へ融合する。
【0143】
図16に示されたように、バイアルディスペンサ4200は更に滴下キャビティ、または投与キャビティ431を含み、これはディスペンス装置が作動するときに、ノズル42から放出する所定量の流体を収容する。更に、バイアルディスペンサ4200内のポンプピストン49は、ピストン49が後方リング46に調和して移動するように後方リング46に固定されている。更に、図15および16に示されたように、後バイアル部48を前方ベローズ部44へ連結する導管チャネル410、および前方ベローズ部44内の周辺チャネル411はディスペンス装置の作動により滴下キャビティ431へ医薬品を供給するための導管として作用するために提供される。詳細に後述するように、ディスペンス装置のトリガ機構の単一作動運動は、後バイアル部48からの医薬品の滴下キャビティへの継続的充填、もしくは「装填」、およびノズル42を通る滴下キャビティからの医薬品の継続的放出を可能にする。
【0144】
ハウジング内に収容された図1に示したディスペンス装置の長軸に沿った断面図を示す図15図示されたように、外ハウジング101(図示されていない)は、ノズル42、後壁4105、後壁54105から内部に延びたウエッジ形アーム4103、トリガ1103、およびトリガ1103と同時に作用するノッチ付き内レバー4102からの医薬品の放出のための孔4106を有する前壁4104を含むディスペンス装置のキャリッジ4101である。留意すべきことは、この特定形態は分離外ハウジング101および内キャリッジ4101を有するものとして図示されているが、外ハウジング101および内キャリッジ4101の全構成要素または一部構成要素は組み合わされてよく、例えば、図1に示した外ハウジング101のトリガーボタン103は図15に示した内トリガ1103と同一構成であってよい。
【0145】
図15に示されたように、バイアルディスペンサ4200は、休止(停止、当接)位置で前方リング43が前壁4104に当接し、後バイアル部48が後壁4105に当接し、かつノッチ付きレバー4102が後方リング46と係合するようにキャリッジ4101内に位置決めされる。好適には、キャリッジ4101は、ディスペンサ4200がキャリッジ4101にスナップ式に嵌まり、ノズル42が前壁4104の孔4106内で完全に後退するような寸法であり、それによりノズル42と眼との偶発的接触、およびノズルの外側の汚染を防止する構成である。更に、後壁4105はウエッジ形アーム4103との関係で後バイアル部48を収容するための後室を形成する。
【0146】
図15に示された当接位置から、本発明によるディスペンス装置は、トリガ1103を押すことにより作動する。トリガ1103の押下と同時に、ノッチ付きレバー4102は後壁4105へ向かって横へ移動し、後方リング46に係合し、それにより、図16に示されたように、前方ベローズ部44を伸張し、かつ後方ベローズ部47をバイアルディスペンサ4200の長軸に沿って圧縮する。図15および16から理解されるように、前方ベローズ部が後方リング46に係合するノッチ付きレバー4102によって伸張するときに、内ポンプピストン49は同様に後壁4105へ向かって横へ移動する。前方ベローズ部44、ポンプピストン49および後方ベローズ部44の総合運動が滴下キャビティ431での圧力滴下を可能にし、そしてこの滴下キャビティは、導管チャネル410および周辺チャネル411を経て後バイアル部48から流れる医薬品で充填、もしくは「装填」される。
【0147】
作動シーケンスについて説明を続ける。トリガ1103をさらに押し下げると、最終的に、ノッチ付レバー4102が楔状アーム4103に接触する位置に到達する。ここで、図17に示されているように、楔状アームがノッチ付レバー4102に係合し、このノッチ付レバーを持ち上げて後方リング46から外す。ノッチ付レバー4102から後方リング46が解放されると、図17に示されているように、前方ベローズ部分44と後方ベローズ部分47とのばね作用によって、後方リング46とポンプピストン49とが前方壁4104に向かって移動せしめられる。ポンプピストン49が動くことによって、ノズル42を介して投与キャビティ431から薬品を排出させる圧力が生成される。次いで、トリガ1103が解放されると、ノッチ付レバー4102が楔状アーム4103から外れ、そして、ノッチ付レバー4102はそのばね作用によって図15に示されている静止位置へとカチッとスナップ式に戻ることができる。
【0148】
上記説明から分かるように、前方ベローズ部分と後方ベローズ部分とが決して長時間に亘って変形状態に固定されないことから、本発明のディスペンサ装置には、前方ベローズ部分および後方ベローズ部分のばね特性にヒステリシスが生じる可能性がほとんどないという利点がある。したがって、本発明のディスペンサ装置によれば、薬品の排出量が校正された量から実質的にずれることがない。また、ユーザが作動機構に適用する力から作動ばね力が独立していることから、各投薬排出量は確実に一定している。
【0149】
また、本発明のディスペンサ装置には、トリガ1103の動きがディスペンサ装置の長手軸線に対して垂直であるという利点もある。これによれば、トリガを押し下げる動作の方向が鼻腔の方向に一致しておらず、したがって、鼻腔にノズル42が偶発的に突き刺さってしまう危険性がほとんどなくなる。
【0150】
また、本発明のディスペンサ装置には、ディスペンサ装置の長手軸線に対して垂直な方向へトリガ1103を一回だけ作動することによって、ユーザーが投与キャビティを薬品で充填し、それに続いて、予め校正された量の薬品を排出することができるという利点もある。また、トリガ機構が簡単に薬滴を形成して解放することができるレバーであって、これにより、より正確に薬滴を鼻腔に供給することができるので、本発明のディスペンサ装置は、関節炎の患者や子供にとって便利である。
【0151】
さらに素早く効率的で衛生的に充填するために、本発明の鼻ディスペンサ装置が、例えば、図15において参照符号48で示した後方バイアル部分のような液体コンテナ部分用の機械式閉鎖装置を有していてもよい。本発明の機械式閉鎖装置の第1実施形態の分解図である図18に示されているように、第1実施形態は、機械式の蓋またはプラグ5101と環状の剛性リング5102とを有し、これらプラグとリングとは、ポーチまたはコンテナ5103の開口5103b近傍でネック領域5103dに相互作用して開口5103bを密封する。ポーチまたはコンテナ5103は、ブタジエンポリエチレンスチレン(KRATON(登録商標))、ポリエチレン、ポリウレタンなどのプラスチック材料、または、熱可塑性エラストマなどの弾性材料を含む従来公知の幾つかの材料のうち1つから作製される。図18に示されているように、ノズル5103aを有するコンテナ5103は、ノズルを有する薬品ディスペンサ装置、例えば、図15に示されているバイアルディスペンサを一般化して代表するものである。しかしながら、ノズル5103の開口5103b近傍のネック領域5103dは、図15に示されている後方バイアル部分48の対応する部分、すなわち、壁4105に面し且つ機械式閉鎖要素を備えていない状態で示されている端部分を詳細に例示したものである。
【0152】
本発明の機械式閉鎖装置の第1実施形態の分解断面図である図18に示されているように、剛性リング5102の外壁面形状は開口5103b近傍のコンテナ5103のネック領域5103dの内壁面形状と相補関係をなしており、したがって、剛性リング5102はネック領域5103dの内部5103Cへとカチッとスナップ式に嵌ることができる。同様に、図18および図19に示されているように、機械式プラグ5101の径方向エッジ5101aはU字形状の領域として形成されており、このU字形状の領域はプラグ周りに延在し、その形状は組み合わされた後の剛性リング5102とネック領域5103dとの外壁面形状に一致する。剛性リング5102がネック領域5103dの内部5103C内にカチッとスナップ式に嵌った後、それに続いて、U字形状の領域5101aがポーチ5103のネック領域5103dと剛性リング5102の内壁面とに密に係合するように、機械式プラグ5101がコンテナの開口5103b周りの所定位置へとカチッとスナップ式に嵌められる。
【0153】
図19に示されているように、機械式プラグ5101のU字形状の領域5101aは突起51013,51014,51015と少なくとも1つの凹部51016とを有する。同様に、機械式プラグのネック領域5103dの外壁面には突起51031が設けられ、ネック領域の内壁面には突起51035が設けられている。さらに、剛性リング5102は鉛直方向に延びる内壁面5102aに凹部51021を有し、その底壁面に凹部51022を有する。剛性リング5102の凹部51022はネック領域5103dの突起51035を収容し、これによれば、いったん剛性リングが所定位置にカチッとスナップ式に嵌ると、剛性リングがコンテナ5103のネック領域に確実に係合せしめられる。機械式プラグのU字形状の領域5101aの突起51013,51014,51015、および、部分51018は、それぞれ、剛性リングの凹部51021、および、ネック領域5103dの外壁面の部分51034,51036,51037に係合する。さらに、ネック領域5103dの外壁面の突起51031,51033は、ぞれぞれ、機械式プラグのU字形状の領域5101aの部分51017および凹部51016に係合する。
【0154】
上述した相互にロックせしめられる突起と凹部との組み合わせに加えて、機械式プラグ5101の下壁面には少なくとも2つの脚51011が取り付けられており、図19に示されているように、これら脚は機械式プラグの下壁面に対して垂直に延びる。各脚51011はフック状の端部分51012を有し、この端部分51012は剛性リング5102と機械式プラグのネック領域5103dとが組み立てられて組み合わされたときの底部の内部において凹部領域51032に係合するようになっている。脚51011は、本発明の機械式閉鎖装置が組み立てられている間において、この脚51011が剛性リングの鉛直方向へ延びる内壁面5102a上を滑ってスライドし、そして、凹部領域51032のところへと所定位置でカチッとスナップ式に嵌り、コンテナのネック領域5103dの部分51038に当接する。
【0155】
機械式プラグ5101のU字形状の領域5101aと脚51011との組み合わせによって、機械式プラグに当接しつつコンテナのネック領域5103dと剛性リングとが鉛直方向および径方向にさらに圧縮される。例えば、図19に示されているように、脚51011の部分51012は剛性リングの部分51023とコンテナのネック領域5103dの部分51038とに相互作用し、機械式プラグの部分51014,51018はコンテナのネック領域5103dの部分51034,51037に相互作用し、これによって、機械式プラグ5101と剛性リング5102との間でネック領域が鉛直方向に圧縮される。同様に、機械式プラグ5101のU字形状の領域5101aの部分51013,51015,51017は部分51021,51036,51031にそれぞれ相互作用し、これによって、機械式プラグと剛性リング5102との間でネック領域5103dが径方向に圧縮される。斯くして、図20に示されているように、コンテナの開口5103bが実質的に密封されてシールされる。
【0156】
上記説明、図19、および、図20から分かるように、本発明の第1実施形態の機械式閉鎖装置は、2つのタイプの機械的なシールを形成する。1つ目として、例えば、部分51034と部分51037との間で延びる領域や領域51022と領域51035とのインターフェース部分といったネック領域の水平方向に沿って延びるシールが、機械式プラグによってネック領域5103dを剛性リング5102に鉛直方向に押し付けることによって、形成される。2つ目として、例えば、部分51036と部分51034との間で延びる領域や領域51021と領域51013とのインターフェース部分といった鉛直方向に沿って延びるシールが、機械式プラグによってネック領域5103dを剛性リング5102に水平方向に押し付けることによって、形成される。
【0157】
機械的プラグが容器開口部に差し込まれると、容器材料に生じる圧縮が、圧縮された材料の変位または「クリープ」をより小さな圧縮領域に向って生じるようになる。突出部が、限られた領域内に閉じ込めるために、圧縮によって変位した容器材料を押し込めることによって、長時間のシールの締め付けを確実にする。例えば、機械的プラグ5101の突出部51014及び51015が、突出部51031を容器のネック領域5103dの外側面を画定する。したがって、突出部51031の材料が、突出部51031の材料が部分51015と51017とによって初期に圧縮されるとき、突出部51031の変位した材料が、変位した材料の更なる移動を制限する突出部51014に向って押し込められることによって、剛性シールが維持される。実質的に、突出部51014,51015及び51031の相対的配置が、シール増加のためにクリープ現象を能率よく案内する。
【0158】
図19と図20に図示するように、機械的プラグ5101の下側面51019の中央部分は、延長部またはプランジャ51017に好ましく装着され、このプランジャは、機械的プラグ5101が容器開口部5103bの周囲に差し込まれる以前に、容器の液体含有物に広げることに適する。挿入されたプランジャ51017が液体レベルを上昇させるために押し込まれ、したがって液体レベルと共に空気またはガスの泡を上昇させることを可能にし且つ機械的プラグ5101によって密封されていない容器開口部5103bを通って放出することを可能にする。このようにして、プランジャ51017は、液体表面及び機械的プラグの下側面との間にさもなければ残留する残留空気の泡を実質的に減少する。機械的プラグと、ネック領域5103dと、剛性リング5102との形状及び大きさは次のようにする。すなわち、機械的プラグのU字形状領域5101a及び脚部51011は、剛性シールのみを形成するために、プランジャ51017がネック領域5103dのほぼ上端部まで上昇させるために液体レベルに押し付けられた後に、ネック領域5103dと剛性リング5102と相互作用することによって、無気充填工程に通常利用される真空条件を必要としない。
【0159】
機械的プラグ5101の下側面51019は、プランジャ51017の挿入によって液体の表面レベルまで押し上げられた空気及びガスの泡が、液体レベルと機械的プラグの下側面との間に捕捉されないことを確実にするために勾配がつけられる。この勾配面51019は、空気の泡の移動を半径方向上向きに促進させ、この空気の泡は、容器の開口部5103bを通って2つの脚部51011の間の領域を経由して最終的に捕捉される。
【0160】
図21の本発明にしたがう機械的クロージャ装置の第2の好ましい実施態様の拡大横断面図に図示するように、本発明の第2の実施態様は、実質的に第1の実施態様に類似していて、且つ機械的プラグまたはプラグ5401及び剛性環状リング5402を含み、これらの双方はポーチまたは容器5403のネック領域5103dと相互作用する。図18〜20に関して記載する第1の実施態様のように、剛性リング540の外形は容器5403のネック領域5403dの内側輪郭と補完的であることによって、剛性リング5402をネック領域5403dの内側輪郭に差し込むことを可能にする。さらに、機械的プラグ5401の半径方向の端部5401aは、プラグの周りに延在する弓形状領域として形成され、且つ剛性リング5402とネック領域5403dとの組立物の外側輪郭を補完する。剛性リング5402はネック領域5403dの内側輪郭に差し込まれた後、機械的プラグ5401はネック領域5403dによって規定される容器開口部5403bの周囲に実質的に差し込まれことにより、弓形領域5401aは図22に示すようにポーチ5403と剛性リング5403dのネック領域5403dと堅く嵌合する。
【0161】
機械的クロージャ装置の第1の実施態様のように、第2の実施態様の機械的プラグ5401の下側面54019は勾配またはテーパをつけて、プランジャ54017の挿入によって液体の方面レベルまで押し上げられた空気またはガスの泡が半径方向上向きにされ、容器の開口部5403bを通って2つの脚部54011の間の領域を経由して放出されることを確実にする。
【0162】
さらに、機械的クロージャ装置の第1の実施態様と同様に、図21及び図22に示される第2の実施態様は、機械的プラグ5401の下側面に接触する少なくとも2つの脚部54011を備え、各脚部はホック形状の領域54012を端部に備える。このホック形状の領域54012は、剛性環状リングの底面に領域54023を嵌合するために適する。さらに、機械的プラグ5401の中央下側面に延長部またはプランジャ54017が付属され、このプランジャは、機械的プラグ5401が容器開口部5403bの周囲に差し込まれる以前に、容器の液体含有物まで延長するのに適し、それによって、液体の表面と機械的プラグの下側面との間に残留する空気泡が実質的に減少される。
【0163】
本発明に従う機械的クロージャ装置の第2の実施態様は、第1の実施提要の相当する部分に見られる突出部の数より少ない突出部を機械的プラグ5401の表面とネック領域5403d上に利用する。しかしながら、相互作用する構成物の独特な配置、すなわち、機械的プラグ5401、剛性リング5402及びネック領域5403dは、ポーチ5403の実質的な密閉シールを確実にする。図21及び図22に図示するように、機械的プラグの突出部54015及び領域54017は、ネック領域5403dの領域54031と相互作用し、この領域54031は、ネック領域5403dの外側表面の規則的な輪郭からの突出部を含み、且つ機械的プラグの部分54016が剛性リング5402の領域54022と相互作用することによって、剛性リング5402とネック領域5402との半径方向圧縮を達成する。さらに、機械的プラグの部分54016及び54012は、ネック領域5403と剛性リング5402とを垂直方向に圧縮するために、剛性リング5402の領域54022と54023と相互作用する。
【0164】
圧縮点の周囲で容器材料の変位またはクリープが、機密シールの減少を生じさせないことを確実にするために、機械的クロージャ装置の第2の実施態様は、機械的プラグ5401の半径方向端部に突出部を備える。図21及び図22に図示するように、突出部54015は、環状剛性リング5402によって境界が決められる空間54018に向って上方に流すため、圧縮によって変位する領域54031の容器材料を押し込む。したがって、突出部54015及び剛性リング54031は、容器5403の領域54031の変位した材料を閉じ込めることによって、長時間密閉シールを維持する。
【0165】
本発明に従う鼻ディスペンサ装置に組み込まれる有効且つ衛生的に充填する注入式ポンプ機構のクロージャの代わりの手段として、「自己収縮」機構クロージャ装置が利用できる。自己収縮機構クロージャ装置の好ましい実施態様に関する使用に適した容器またはポーチ6100のネック6102の斜視図を図23Aに示す。容器6100は、図15に示すガラス瓶後部断面48の別の一般的な描写であり、ネック6102は、さらに詳細な好ましいガラス瓶後部断面48の相当する部分(すなわち壁4105に面する端部)の好ましい描写であり、この端部は機械的クロージャ要素無しで示される。
【0166】
図23Bに図示する容器6100の断面図に示すように、ネック6102は、内側面6106と外側面6108とを含む。実質的に半円形の第1凹部または溝6110が、容器6100の開口部6104近くのネック6102の内側面6106に設けられ。第1の溝6110は、ネック6102の内側面6106の全周に沿って実質的に延在することができる。
【0167】
第1の突出部6112は、ネック6102の外側面6108に備えられ、外側面6108の全周に沿って実質的に延在する。第1の突出部6112は、実質的に半円形状の上側部分6112aと実質的に環状の下側部分を含む。図23Bに示されるような横断面において、実質的に半円形状のシェルが第1の溝6110と第1の突出部6112の上側部分6112aとによって形成されるように、第1の突出部6112の上側部分6112aは、ネック6102の内側面6106に位置する実質的に半円形状の第1の溝6110と実質的に垂直に配置することができる。
【0168】
第1の突起6112と第1の溝6110によって形成された略半円形のシェルの上に環状のリム6114を設けるようにしても良い。環状リム6114は容器6100のネック6102に対して外側にオフセットしており、この環状リム6114が容器6100の開口部を形成している。
【0169】
図24Aは、機械式プラグ6200と剛性の高いクリンピング要素6300を備えた本発明のセルフクリンプ式の機械式閉鎖装置の実施形態のもう一つの斜視図である。図24Bの切取図に示すように、機械式プラグ6200は破断フランジ6400を介してクリンピング要素6300に結合されている。また、機械式プラグ6200は床部6202と、この床部6202の全周を囲み、床部に垂直に延びるプラグ壁6204とを備えている。
【0170】
機械式プラグ6200は、クリンピング要素6300に破断フランジ6400を介して取り外し可能に連結されているため、機械式プラグ6200とクリンピング要素6300とは一体の要素として製作するようにしても良い。一体の要素として製作することにより、機械式プラグ6200とクリンピング要素6300とを一緒に取り扱うことができるため、搬送やシール工程が簡単になる。また、破断フランジ6400は、機械式プラグ6200とクリンピング要素6300の組み合わせのネックからの抜き出しと再挿入とを可能とし、予め定めた大きさの力を加えた場合にのみ破断するような材料から構成されるか、若しくはそのような設計とされる。本実施形態は、破断フランジ6400を介して取り外し可能に連結された機械式プラグ6200とクリンピング要素とを含んでいるが、本技術分野に知識を有するものであれば、他の連結機構、例えばヒンジつきフランジなども本発明の範囲から逸脱することなく使用可能であることが理解されよう。
【0171】
機械式プラグ6200の床部6202は、略平坦な上面6202aと、床部6202の半径方向外側縁部6202cから中心部6202dにむけて傾斜した下面6202bを備えており、床部6202の垂直方向厚さは半径方向外側縁部6202cから中心部6202dに向かって増大している。機械式プラグ6200が容器6100に挿入されると、下面6202bのテーパ形状によって容器内の液体の内容物が床部6202の半径方向外側縁部6202cに向けて導かれるようになる。床部6202の下面6202bの中心部6202dに、床部6202に対して略垂直に延びるプランジャ6500を設けるようにしても良い。このプランジャ6500は、床部6202の半径方向外側縁部6202cに向けての液体内容物の更なる移送を可能とする。
【0172】
上述したように、プラグ壁6204が床部6202の周囲を囲んでいる。略半円形の第2の突起6212がプラグ壁6204の下部6210の外面6210aに形成されている。この第2の突起6212は上記外面6210aの略全周にわたって延びるようにしても良い。
【0173】
図24Bに示すように、プラグ壁6204の下部6210の内面6210bは床近傍の部分では床部6202の上面6202aに対して垂直であり上部では床部6202の中心線6250から離れる方向に湾曲してプラグ壁6204の上部6220の内面に接続している。プラグ壁6204の上部6220はプラグ壁の下部6210の内面6210bに略平行だが半径方向外側にオフセットしている。
【0174】
図24に戻ると、プラグ壁6204の外面6220aの上部からは、略三角形断面を有するオーバハング外部ショルダー部6230が張り出している。破断フランジ6400は、オーバハング外部ショルダー部6230上に設けられ、機械式プラグ6200をクリンピング要素6300に取り外し可能に連結している。
【0175】
クリンピング要素6300は、圧縮リング6302と円錐状縁部6304とを備えている。圧縮リング6302の外面6302aはプラグ壁6204の上部6220とほぼ平行になっている。圧縮リング6302の内面6302bの底部6302dはテーパ状であり、圧縮リング6302の内面6302bに形成された前述の略半円形の第2の溝6310に接続している。第2の溝6310は圧縮リング6302の内面6302bの略全周にわたって延びている。
【0176】
図24Bに示すように、縁部6304はクリンピング要素6300の圧縮リング6302から延びてクリンピング要素6300の内側に向けて折れ曲がっている。縁部6304は機械式プラグ6200上のオーバハングショルダー部6230の外径L2よりわずかに小さい内径L1を有している。L1とL2とは、充分な下向きの力を加えると縁部6304が機械式プラグ6200のオーバハングショルダー部6230を滑り越えるが、その後は、縁部6304がショルダー部6230の下に位置してクリンピング要素6300が大きく上方に移動することを防止するような寸法に設定される。
【0177】
機械式プラグ6200を容器6100のネック6102の開口6104に挿入した状態の断面図である図25に示すように、機械式プラグ6200は内面6106上の半円形の第1の溝6110が機械式プラグ6200の外面6210aの第2の突起6212と嵌合するまで開口6104に挿入される。上述のように、縁6114の内側部分6114aと機械式プラグ6200の外面6210aとを含むネック6102の内面6106は、これらの要素が図25に示すように互いに組み合うように設計され寸法決定されている。
【0178】
機械式プラグ6200の外面6210a、6220a及び第2の突起6212は、好ましくは、機械式プラグ6200が容器のネック6102内に挿入されたとき、これらの要素が容器6100のネック6102の内側部分6114、6106に当接し、容器のネック6102上の第1の溝が機械式プラグの第2の突起6212に嵌合するような寸法にされている。従って、図25に図示された配置に示すように、機械式プラグ6200の剛性は容器6100のネック6102の内側への圧縮に対する大きな抵抗になる。更に、ネック6102上の第1の溝6110と機械式プラグ6200の第2の突起6212との相互作用は容器6100のネック6102内での機械式プラグ6200のいかなる垂直方向の動きに対しても抵抗となる。
【0179】
もちろん、図25の配置ではクリンピング要素6300はまだ定位置にロックされていないので、予め定めた大きさの上向きの力を加えることにより機械式プラグ6200を容器6100のネック6102から離脱させることができる。これにより、容器6100を汚染されている可能性のある領域を通って搬送し、その後、例えば容器6100の充填等の操作のために容器を開放することが可能となる。機械式プラグ6200の除去を必要とする操作の完了後、機械式プラグ6200は、容器6100のネック6102に再度挿入して図25に示す位置にスナップ止めすることができる。
【0180】
機械式プラグ6200を容器6100のネック6102に挿入する過程で、床部6202の下面6202b上のプランジャ6500もまた、容器6100内に配置した物質、例えば液体中に挿入されるようになる。容器6100内の物質中へのプランジャ6500の挿入は物質の移動を生じさせる。この物質の移動は本発明の一例としての操作においては、容器6100内の物質の量を予め定めたレベルになるようにすることにより、プランジャ6500の挿入により生じた物質の移動によって、物質の上面レベルが機械式プラグ6200の底部6202の直近まで上昇するようになる。従って、プランジャ6500を有する機械式プラグ6200の挿入により、気泡や余剰の気体が容器内から排出され、それにより容器6100内が、ほぼ無気状態になる。
【0181】
図26は、本発明によるメカニカル密閉装置のシール構成の断面図である。図25に示されるような配置から始まって、圧接要素6300を機械プラグ6200に結合するフランジ6400を破壊するように、十分な下向きの力が圧接要素6300に加えられる。圧接要素6300に加えられる下向きの力は、容器6100のネック6102を越えて圧接要素6300をスライドさせ、同時に、容器6100のネック6102における第1の凸部6112の上部6112aを、圧接素子6300の内面6302bの溝6310に対して「スナップ(”snap”)」させるに十分である。圧接要素6300の底部6302dのテーパ形状は、圧接要素6300を容易に、第1の凸部6112の上部6112aを越えてスライドさせる。一旦圧接要素6300がネック6102を越えてスライドすれば、圧接要素6300の底部6302dは、ネック6102の第1の凸部6112の角ばった底部6112bに対して止まる。
【0182】
圧接要素6300は、十分に硬い材料で構成し、容器6100のネック6102をぴったり取り囲むようにするのが好適である。このようにして、図26に示されるように、容器6100のネック6102は圧接要素6300と、メカニカルプラブ6200のプラグ壁6204との間で圧縮され、容器6100用の緊密な密閉シールが形成される。
【0183】
図26に示される配置では、圧接要素6300のブリム6304の実質的に円錐の形状、及びブリム6304と機械プラグ6200の張り出し肩部6230の寸法によって、ブリム6304の上部6304aが、張り出し肩部6230の下部に達するようにできる。これは、圧接要素6300が容器6100のネック6102を上にスライドして脱落することを十分に防ぎ、これにより圧接要素6300を容器6100のネック6102に保持する。
【0184】
図27A〜27Eは、一連の断面図により、本発明による容器6100を充填しシールする工程の一例を示す。図27Aは、本例の第1のステップを示す。そこでは、所定の下向きの力が機械プラグ6200に加えられ、機械プラグ6200(圧接要素6300がブレーカウェイフランジ6400により保持されている)は、容器6100のネック6102にさし込まれている。図27Aでは、力F0が機械プラグ6200の中央に加えられているが、当業者なら分るように、力は機械プラグのどの部分(複数箇所でもよい)に加えられてもよい。これは各図に示されているどの力にも当てはまる。当業者であればまた、力を加わる各「下向き」及び「上向き」の方向は容器6100の方向に相対的であることが分る。
【0185】
機械プラグ6200が十分挿入されたら、容器6100は消毒するために照射されることができる。機械プラグ6200が挿入された容器6100は、それから例えば図示しない充填機まで搬送される。機械プラグ6200はコンテナ6100のネック6102内に挿入されたままであるから、容器6100の内部は搬送期間中外部の汚染物質から保護される。
【0186】
次のステップでは、図27Bに示されるように、所定の上方への力F1が、容器6100から機械プラグ6200を取り外す目的で、機械プラグ6200に加えられる。圧接要素6300はこの段階では容器のネック6102を越えてスライドされてはいないから、機械プラグ6200の取り外しは可能である。次のステップでは、図27Cに示されるように、従来の充填機(図示しない)の穿刺針6600を用いて、容器6100に所望の物質からなるものを充填することができる。
【0187】
従来の充填機では、穿刺点はその後外部シーリング手段によってシールされなければならないから、穿刺針の直径DNを最小化して、機械プラグ6200を貫通する穿刺点のサイズを小さくする必要がある。しかしながら、機械プラグ6200は、本発明によるメカニカル密閉装置においては取り外し可能であり、穿刺点は存在しないから、穿刺針6600の直径DNは容器6100の開口6104とほとんど同じ程度に広くできる。これにより、従来の装置と比較してより速く充填することができ、多数の容器を充填するためにより速いサイクルタイムを可能にする。
【0188】
図27Dに示す次のステップでは、所定の下向きの力F2が機械プラグ6200に加えられ、機械プラグ6200を容器6100のネック6102に再挿入する。機械プラグ6200の再挿入の過程では、機械プラグ6200の底面6202bに備えられているプランジャ6500がまた、容器6100内に受容されている物質6700に挿入される。結果として、物質6700の表面レベル6700aが上昇し、容器6100内の空気や余分なガスを除去するために有効に利用される。
【0189】
次いで、所定の力F3が、図27Eに示すように、圧接要素6300に加えられ、その結果、フランジ6400における機械プラグ6200から圧接要素6300の分離がなされる。力F3はまた、圧接要素6300を容器6100のネック6102を越えてスライドさせるのに十分である。圧接要素6300、容器のネック6102、そして機械プラグ6200の相互作用によって、図26に関して上述したように、容器6100に緊密で密封したシールを提供することができる。
【0190】
本例の工程では、圧接要素6300に関連する機械プラグ6200の取り外し可能な配置によって、機械プラグ6200が容器6100のネック6102に動作可能にかみ合わされているときのみ、容器が一時的に閉じられることができる。これにより、輸送ないし移送中での汚染を防ぎ、圧接要素6300で容器6100を完全にシールする以前に、容器6100の内部にアクセスすることを要求する操作を実行することができる。例えば、容器6100は、容器6100の汚染を除去するために熱ないし放射に曝されることができる。また、容器6100を液体の内容物で満たすことができる。
【0191】
上記工程の例に代わって、力F2及びF3は、機械プラグ6200と圧接要素6300の両方に加わる単一の力で置き換えることができる。この結果、容器6100のネック6102への機械プラグ6200の挿入と、容器6100のネック6102を越える圧接要素6300のスライドとが同時に行われる。
【0192】
前述の説明では、本発明は特定の実施例に関して説明された。しかしながら、特許請求の範囲に記載したとおりの本発明のより広範な精神と適用範囲から離れることなく、各種の修正と変更が行われることは明らかである。例えば、カートリッジやハウジングは、前述の具体例ではない、例えば、参照されてこの明細書に特に組み込まれる米国特許5613957号に記載されているバイアルディスペンサのような各種のバイアルディスペンサに関連して使用されることができる。また、図15に示される、前後のベローズを形成するフレキシブルなプラスチック材料によって提供されたばね動作は、これに代えて、バイアルディスペンサを圧縮状態から解放されて元の位置に戻らせる、長手方向に配置されたばねにより提供されることができる。さらに、バイアルディスペンサは、この説明では、アコーディオンのような前方ベローズ部と後方ベローズ部を備えたものとして記載されているが、ディスペンサは、例えば、ディスペンサ本体と一体になった、もしくは分離して形成された単一のばね要素であるような他のどのようなばね構成を組み込んでもよい。さらにまた、トリガ1103、ノッチレバー4102、及び楔型アーム4103は、修正可能である。例えば、トリガ1103及びノッチレバー4102は、お互いに、及び/又はカートリッジ4101とは、別個に形成することができる。本発明によるメカニカル密閉装置は、円形の開口をもつ容器又はバイアルに適用されるものとして説明されたが、本発明によるメカニカル密閉装置は、例えば正方形又は長方形である他の形状の開口に対して適用されてもよい。それゆえ、本明細書及び図面は限定的な意味ではなくむしろ例示とみなされるべきである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鼻腔に薬剤を供給するための供給装置であって、
任意量の薬剤を保持するためのバイアルと、
ノズル部における流出口と、前記ノズル部に接続され弾性を有する変形可能な本体部分とを有するポンプであって、前記本体部分はピストン機構と前記バイアルから薬剤を収集するための既定の容積を有する投与キャビティとを含み、前記ノズル部は、該部分中に受け止められる剛体シャフトを有し、かつ通常は閉鎖されている第1のバルブを形成するために前記流出口に対面するものと、
前記バイアルおよび前記ポンプを支持するハウジングであって、該ハウジングは前記流出口を露出し、前記ハウジングは第1の位置にある場合、前記流出口を前記鼻腔に整列させかつ前記鼻腔を視野から遮蔽するためのガイド要素を有するものと、
前記ハウジングに結合されたトリガーであって、該トリガーの1回の作動運動によって、前記供給装置を作動して前記投与キャビティを前記バイアルからの薬剤で順次充填し前記投与キャビティから前記薬剤を順次排出させるためのものと、
前記トリガーに結合され、かつ前記変形可能本体部分が包囲位置にある場合に前記変形可能本体部分に開放可能に係合されたレバーであって、前記レバーは、前記トリガーの前記作動運動の第1のフェーズに呼応して第1の非包囲位置へ移動可能であり、かつ前記変形可能本体部分の少なくとも一部分を変形して前記バイアルから前記投与キャビティへの薬剤の流れを生成し前記投与キャビティを充填するものと、さらに
前記ハウジング内部に配置され、前記作動運動を第2のフェーズへ継続した後、前記レバーを前記変形可能本体部分から開放するために前記レバーを前記第1の非包囲位置に対向させるためのリリースアームであって、前記弾性を有する変形可能本体部分は、前記レバーからの解放後、前記包囲位置に復帰して前記投与キャビティ内の薬剤に圧力を加え、前記ノズル部の流出口から前記薬剤を排出させるもの、
を具備する、供給装置。
【請求項2】
前記弾性を有する変形可能本体部分は、ベローズ形状部分とドーム形状部分のいずれかを有し、前記剛体シャフトと前記ノズル部の内部は、前記流出口を介した噴出に以前に前記薬剤に対する渦巻状チャンバーを規定し、かつ前記ピストン機構は前記変形可能本体部分に結合して、変形可能本体部分の縦軸に沿った変形を伴ってポンプの縦軸に沿って移動し、前記ピストン機構の変位は、前記包囲位置と前記第1の非包囲位置間のレバーの変位に対応するものである、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ガイド要素は前記ハウジングに枢動可能に結合し、前記ガイド要素は第2の位置にある場合、前記流出口を実質的にカバーし、さらに前記ノズル部は、前記ノズル部の対称長軸の方向に沿って第1の点からノズル部の先端に向かって減少する壁厚を有している、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記トリガーは、前記ハウジングの縦軸に垂直方向に作動される、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記トリガーおよび前記レバーは、一体に形成されている、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
渦巻状チャンバー内の前記薬剤は、前記ノズル部を半径方向に変形して前記通常は閉鎖されている第1のバルブを開けるために充分な閾値圧力に達した場合、前記通常は閉鎖されている第1のバルブを介して排出される、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記ベローズ形状部分と前記ドーム形状部分の前記一方は、熱可塑性材料で形成されている、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記ハウジングは実質的に剛体であり、前記ハウジングは、前記薬剤の前記渦巻状チャンバーから前記流出口を介した排出の間の、前記ノズル部の前記軸方向に沿った変形を防止する、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記ノズル部はさらに、前記投与キャビティおよび前記渦巻状チャンバー間の流体伝達経路の一部分を規定する流路を備え、前記流路は、前記渦巻状チャンバーへ導かれた薬剤の渦巻状の動きを誘発するものである、請求項2に記載の装置。
【請求項10】
前記変形可能本体部分は、熱可塑性材料で形成された少なくとも1個のベローズ形状部分を備える、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記ガイド要素は、前記ハウジングに枢動可能に結合され、前記ガイド要素は第2の位置にある場合、実質的に前記流出口をカバーする、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記トリガーは、前記ハウジングの縦軸に垂直な方向に作動される、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記トリガーおよび前記レバーは一体に形成されている、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記渦巻状チャンバー中の前記薬剤は、前記ノズル部を半径方向に変形して前記通常は閉鎖されている第1のバルブを開けた後、前記通常は閉鎖されている第1のバルブを介して排出される、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記ベローズ形状部分は、Kraton(登録商標)で形成されている、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記ハウジングは実質的に剛体であり、前記ハウジングは、前記薬剤の前記流出口を介した前記渦巻状チャンバーからの排出の間の、前記ノズル部の前記軸方向に沿った変形を防止する、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記流路は、前記ノズル部の径方向エッジに沿って延びる垂直部分を有する、請求項9に記載の装置。
【請求項18】
前記変形可能本体部分は、熱可塑性材料で形成された少なくとも1個のベローズ形状部分を有している、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記ガイド要素は、前記ハウジングに枢動可能に結合され、前記ガイド要素は第2の位置にある場合、実質的に前記流出口をカバーする、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記トリガーは、前記ハウジングの縦軸に直交する方向に作動される、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記トリガーと前記レバーは一体に形成される、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記渦巻状チャンバー内の前記薬剤は、前記ノズル部を半径方向に変形して前記通常は閉鎖されている第1のバルブを開けるために充分な閾値圧力に達した場合、前記通常は閉鎖されている第1のバルブを介して排出される、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記ベローズ形状部分はKraton(登録商標)で形成されている、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記ハウジングは実質的に剛体であり、前記ハウジングは、前記薬剤の前記流出口を介した前記渦巻状チャンバーからの排出の間の、前記ノズル部および前記流路の前記軸方向に沿った変形を防止する、請求項23に記載の装置。
【請求項25】
前記バイアルは前記バイアルのネック領域に開口部を有し、前記装置は、さらに
前記バイアルのネック領域の内面に係合するための剛性リング、および
前記バイアルの前記ネック領域の外面および前記剛性リングの前記環状内面に同時に係合するための機械プラグであって、前記機械プラグの底面に対して実質的に垂直に伸びている、前記剛性リングの底面に係合するための脚部を有する前記機械プラグを備え、前記機械プラグおよび前記剛性リングが、前記バイアルのネック領域において同時に係合することにより、前記バイアルの開口部のメカニカルシールを与える、請求項1に記載の装置。
【請求項26】
前記ネック領域の垂直面に沿った密閉を得るために、前記機械プラグおよび前記剛性リングが、前記バイアルの前記ネック領域の水平方向の圧縮を与える、請求項25に記載の装置。
【請求項27】
前記ネック領域の水平面に沿った密閉を得るために、前記機械プラグおよび前記剛性リングが、前記バイアルの前記ネック領域の水平方向の圧縮を与える、請求項26に記載の装置。
【請求項28】
前記バイアルは前記バイアルのネック領域に開口部を有し、当該装置は、さらに
前記バイアルのネック領域の内面に係合するための剛性リング、および
前記バイアルの前記ネック領域の外面および前記剛性リングの前記環状内面に同時に係合するための機械プラグであって、前記機械プラグの底面に対して実質的に垂直に伸びている、前記剛性リングの底面に係合するための脚部を有する機械プラグを備え、前記機械プラグおよび前記剛性リングが、前記バイアルのネック領域において同時に係合することにより、前記バイアルの開口部のメカニカルシールを与える、請求項3に記載の装置。
【請求項29】
前記バイアルは前記バイアルのネック領域に開口部を有し、前記装置は、さらに
前記バイアルのネック領域の内面に係合するための剛性リング、および
前記バイアルの前記ネック領域の外面および前記剛性リングの前記環状内面に同時に係合するための機械プラグであって、前記機械プラグの底面に対して実質的に垂直に伸びている、前記剛性リングの底面に係合するための脚部を有する機械プラグを備え、前記機械プラグおよび前記剛性リングが、前記バイアルのネック領域において同時に係合することにより、前記バイアルの開口部のメカニカルシールを与える、請求項9に記載の装置。
【請求項30】
前記バイアルは前記バイアルのネック領域に開口部を有し、前記装置は、さらに
機械プラグ、および
フランジを介して機械プラグと復位可能に結合する圧接素子を備え、前記バイアルを密封するために、前記機械プラグおよび前記圧接素子が、前記ネック領域と相互作用する、請求項1に記載の装置。
【請求項31】
第1の配置では、前記圧接素子が前記機械プラグと結合し、そして前記バイアルの開口部を取外し可能に密閉するために、前記機械プラグが前記バイアルのネック領域の内面と分離可能に係合し、および
第2の配置では、前記機械プラグが前記バイアルのネック領域の内面と係合し、そして前記機械プラグとの結合によって前記バイアルの開口部を密閉するために、前記圧着素子が前記機械プラグに対して位置を変え、そして前記バイアルの前記ネック領域の外面と係合する、請求項30に記載の装置。
【請求項32】
前記バイアルは前記バイアルのネック領域に開口部を有し、前記装置は、さらに
機械プラグ、および
フランジを介して機械プラグと復位可能に結合する圧接素子を備え、前記バイアルを密封するために、前記機械プラグおよび前記圧接素子が、前記ネック領域と相互作用する、請求項3に記載の装置。
【請求項33】
第1の配置では、前記圧接素子が前記機械プラグと結合し、そして前記バイアルの開口部を取外し可能に密閉するために、前記機械プラグが前記バイアルのネック領域の内面と分離可能に係合し、および
第2の配置では、前記機械プラグが前記バイアルのネック領域の内面と係合し、そして前記機械プラグとの結合によって前記バイアルの開口部を密閉するために、前記圧着素子が前記機械プラグに対して位置を変え、そして前記バイアルの前記ネック領域の外面と係合する、請求項32に記載の装置。
【請求項34】
前記バイアルは前記バイアルのネック領域に開口部を有し、前記装置は、さらに
機械プラグ、および
フランジを介して機械プラグと復位可能に結合する圧接素子を備え、前記バイアルを密封するために、前記機械プラグおよび前記圧接素子が、前記ネック領域と相互作用する、請求項9に記載の装置。
【請求項35】
第1の配置では、前記圧接素子が前記機械プラグと結合し、そして前記バイアルの開口部を取外し可能に密閉するために、前記機械プラグが前記バイアルのネック領域の内面と分離可能に係合し、および
第2の配置では、前記機械プラグが前記バイアルのネック領域の内面と係合し、そして前記機械プラグとの結合によって前記バイアルの開口部を密閉するために、前記圧着素子が前記機械プラグに対して位置を変え、そして前記バイアルの前記ネック領域の外面と係合する、請求項34に記載の装置。
【請求項36】
前記変形可能な本体部分が、前記変形可能な本体部分を前記最初の包囲位置から非包囲位置へ戻すことを可能にするばね作用を与えるエラストマー材料を備え、および前記剛性シャフトおよび前記ノズル部の内面が、前記流出口を通って排出する前の前記薬剤用の渦巻状チャンバーを定める、請求項1に記載の装置。
【請求項37】
前記変形可能な本体部分が、ベローズ形状およびドーム形状のうちの1つを備える、請求項36に記載の装置。
【請求項38】
前記変形可能な本体部分が熱可塑性プラスチックからできている、請求項36に記載の装置。
【請求項39】
さらに前記ノズル部が、前記投与キャビティと前記渦巻状チャンバーとの間の流体伝達経路の部分を定める流路を少なくとも1つ備え、前記流路には前記渦巻状チャンバーに運ばれる薬剤の旋回作用がある、請求項36に記載の装置。
【請求項40】
前記流路が、前記ノズル部の放射状の縁に沿って伸びている垂直部分を備えた、請求項39に記載の装置。
【請求項41】
前記流路が、前記渦巻状チャンバーに接続する前記ノズル部の放射中心に向かって、前記垂直部分から伸びている水平部分を備えた、請求項40に記載の装置。
【請求項42】
前記ノズル部は、鉛直部分及び水平部分を各々有する複数の液体流路を有し、前記水平部分は前記渦巻状チャンバーに接続されている請求項41に記載の装置。
【請求項43】
前記液体流路の各水平部分は、前記ノズル部の前記径方向エッジから前記渦巻状チャンバーに向かう方向に減少している幅を有する請求項42に記載の装置。
【請求項44】
前記渦巻状チャンバーは実質的に円形であり、前記液体流路の前記水平部分は、前記渦巻状チャンバーに接するように接続される請求項42に記載の装置。
【請求項45】
前記水平部分が集合する場所である前記渦巻状チャンバーの一部の床部が、集められた前記水平部分の床部よりも高くなっている請求項44に記載の装置。
【請求項46】
鼻腔に薬剤を投与する供給装置であって、
ある量の薬剤を保有するバイアル、
ノズル部の出口と、前記ノズル部に接続されるとともに、ピストン機構及び前記バイアルから薬剤を収容するための予め定めた容量の投与キャビティを有する弾性の変形可能な本体部分と、前記バイアル及び前記投与キャビティと液体連通する液体入口オリフィスとを有するポンプであって、前記ピストン機構は、前記変形可能な本体部分に有効に接続されて、前記ポンプの長手方向軸線に沿う前記変形可能な本体部分の変形と関連して、前記ポンプの前記長手方向軸線に沿って移動し、前記ノズル部は、前記ノズル部の先端に向かう前記ノズル部の延長された対称軸に沿う第1ポイントから減少する肉厚を有し、前記ノズル部は、前記ノズル部に受容されるとともに前記出口に面して通常は閉の第1バルブを形成する剛性シャフトを有し、前記剛性シャフト及び前記ノズル部の内面は、前記出口から排出される前の前記薬剤のための渦巻状チャンバーを規定するポンプ、
前記バイアル及び前記ポンプを担持するハウジングであって、前記出口を露出させ、第1の位置にあるときは、前記出口を前記鼻腔の前記出口に整合配置して前記鼻腔を視界から覆うためのガイド要素を有するハウジング、
前記ハウジングに有効に接続されるトリガーであって、前記トリガーの1つの作動動作によって、前記供給装置を作動させて、前記投与キャビティを前記バイアルからの薬剤で逐次的に満たし、前記投与キャビティからの前記薬液を逐次的に排出するトリガー、
前記本体部分が包囲位置にあるときは、前記トリガーに接続されて前記変形可能な本体部分に遊離可能に係合するレバーであって、前記レバーは、前記トリガーの前記作動動作の第1ステップ及び前記変形可能な本体部分の少なくとも一部の変形と協働して第1非包囲位置に移動可能であり、前記ピストン機構と協働して、前記ハウジングの後端部に向かう長手方向軸線に沿って、前記包囲位置と前記第1非包囲位置との間の前記レバーの移動に対応して前記ピストン機構が移動して、前記バイアルから前記投与キャビティに流れて前記投与キャビティを満たすレバー、並びに
前記第1非包囲位置の前記レバーに対向するように前記ハウジングの内側に配置されて、前記レバーを前記変形可能な本体部分から分離させるリリースアームであって、続いて前記作動動作は第2ステップに移り、前記変形可能な本体部分は、前記レバーから分離された状態で前記包囲位置に戻り、前記ピストン機構は、前記変形可能な本体部分と協働して前記ノズル部の方向に移動し、前記投与キャビティ内の薬剤に与圧して、前記ノズル部の前記出口から前記薬剤を排出させるリリースアームを有する供給装置。
【請求項47】
薬剤バイアルと、通常は閉の第1位置により規定される出口、ノズル部内の渦巻チャンバー、前記ノズル部に接続されるとともにピストン機構及び前記バイアルからの薬剤を収容するための予め定めた容量の投与キャビティを有する弾性の変形可能な本体部分、並びに前記投与キャビティと前記渦巻チャンバーとの間の液体流路を具備するポンプと、前記バイアル及び前記ポンプを担持するハウジングと、前記供給装置を作動させるために前記ハウジングに有効に接続されるトリガーと、前記トリガーに有効に接続されて前記変形可能な本体部分に分離可能に係合するレバーと、前記ハウジング内部に配置されるリリースアームとを具備する薬剤供給装置によって鼻腔に薬剤を投与する方法であって、
1つの連続的な作動動作の第1段階を通じて、前記トリガーの作動によって前記投与キャビティから前記バイアルに薬剤を流し、それにより前記レバーは、前記1つの連続的な作動動作の前記第1段階と協働して、包囲位置から第1非包囲位置に移動し、前記弾性の変形可能な本体部分の少なくとも一部を変形させるステップと、
前記1つの連続的な作動動作の第2段階を通じて前記トリガーを作動させ、それにより、前記レバーは、前記第1非包囲位置の前記リリースアームに対向して、前記変形可能な本体部分から前記レバーを分離させるステップと、
前記投与キャビティ内の前記薬剤に与圧して、前記弾性の変形可能な本体部分が前記レバーと分離した状態で前記包囲位置に戻り始めることにより、前記液体流路を経由して前記渦巻チャンバーに薬液を流すステップと、
前記液体流路の前記渦巻チャンバーに対する接触的な接続によって、前記渦巻チャンバー内の前記薬剤を旋回させるステップと、
前記変形可能な本体部分が前記包囲位置へ回復移動して、前記薬液を閾値圧力まで与圧して前記通常は閉の第1バルブを開くことにより、前記通常は閉の第1バルブを通じて前記薬剤を前記渦巻チャンバーから排出するステップと、
を有する方法。
【請求項48】
薬剤供給装置に使用されるポンプ機構であって、前記薬剤供給装置は、任意量の薬剤を保有するバイアル、前記ポンプ機構にばね動作を提供する変形可能な本体部分及び前記薬剤が排出されるノズル部を有する、ポンプ機構において、
前記変形可能な本体部分内に配置され、前記ノズル部に接続されるとともに前記バイアルからの薬剤を収容するための予め定めた容量の投与キャビティを有し、前記薬剤を前記投与キャビティ内に流すための液体入口オリフィスを有するポンプスリーブと、
前記ノズル部を介して前記投与キャビティから薬剤を排出させるために、前記ポンプスリーブ内に少なくとも部分的にかつ摺動可能に配置されるとともに、前記変形可能な本体部分に有効に接続されるピストンと、
前記ピストンの環状部分の上で前記ポンプスリーブに摺動可能に係合するとともに、液密シールを提供する少なくとも1つのO形状リングとを有するポンプ機構。
【請求項49】
薬剤を投与する供給装置であって、
任意量の薬剤を保有するバイアル部、
ノズル部の出口と、前記ノズル部に接続されるとともに、ピストン機構及び前記バイアルから薬剤を収容するための予め定めた容量の投与キャビティを有する弾性の変形可能な本体部分とを有するポンプであって、前記ノズル部は、前記ノズル部に受容されるとともに前記出口に面して通常は閉の第1バルブを形成する剛性シャフトを有するポンプ、並びに
前記バイアル内に配置される弾性ポーチであって、前記弾性ポーチの内面は、量が変化する空気を有し、前記弾性ポーチ内の前記空気は、空気流路を介して外気と連通し、前記弾性ポーチの容量は、前記バイアルに収容された薬剤の量の関数として可変である弾性ポーチを具備する供給装置。
【請求項50】
前記ピストンの環状部分の上で前記ポンプスリーブに摺動可能に係合するとともに、液密シールを提供する少なくとも1つのO形状リングを有するとともに、前記本体部分はポンプスリーブをさらに有し、前記ピストンは前記ポンプスリーブに少なくとも部分的にかつ摺動可能に配置される請求項49に記載の供給装置。
【請求項51】
前記バイアル部分が、薬剤の充填を容易にするための開口部分を有する供給装置であって、前記バイアル部の前記開口部分をシールするための機械プラグをさらに有し、前記機械プラグは、その環状部分に沿ってU形状の断面を有し、前記機械プラグは、前記開口部分を覆うように摺動するとともに前記開口部分を前記U形状の環状部分で締付けることによって前記開口部分に確実に係合するようになっており、前記空気流路は前記機械プラグを通って伸びる、請求項49に記載の供給装置。
【請求項52】
前記バイアル部は剛性材料から作製され、前記弾性ポーチは、前記バイアルが薬剤で満たされたときに潰された状態になり、前記弾性ポーチは、前記バイアル内に収容された前記薬剤が前記出口から投与されるに従って伸長する、請求項49に記載の供給装置。
【請求項1】
鼻腔に薬剤を供給するための供給装置であって、
任意量の薬剤を保持するためのバイアルと、
ノズル部における流出口と、前記ノズル部に接続され弾性を有する変形可能な本体部分とを有するポンプであって、前記本体部分はピストン機構と前記バイアルから薬剤を収集するための既定の容積を有する投与キャビティとを含み、前記ノズル部は、該部分中に受け止められる剛体シャフトを有し、かつ通常は閉鎖されている第1のバルブを形成するために前記流出口に対面するものと、
前記バイアルおよび前記ポンプを支持するハウジングであって、該ハウジングは前記流出口を露出し、前記ハウジングは第1の位置にある場合、前記流出口を前記鼻腔に整列させかつ前記鼻腔を視野から遮蔽するためのガイド要素を有するものと、
前記ハウジングに結合されたトリガーであって、該トリガーの1回の作動運動によって、前記供給装置を作動して前記投与キャビティを前記バイアルからの薬剤で順次充填し前記投与キャビティから前記薬剤を順次排出させるためのものと、
前記トリガーに結合され、かつ前記変形可能本体部分が包囲位置にある場合に前記変形可能本体部分に開放可能に係合されたレバーであって、前記レバーは、前記トリガーの前記作動運動の第1のフェーズに呼応して第1の非包囲位置へ移動可能であり、かつ前記変形可能本体部分の少なくとも一部分を変形して前記バイアルから前記投与キャビティへの薬剤の流れを生成し前記投与キャビティを充填するものと、さらに
前記ハウジング内部に配置され、前記作動運動を第2のフェーズへ継続した後、前記レバーを前記変形可能本体部分から開放するために前記レバーを前記第1の非包囲位置に対向させるためのリリースアームであって、前記弾性を有する変形可能本体部分は、前記レバーからの解放後、前記包囲位置に復帰して前記投与キャビティ内の薬剤に圧力を加え、前記ノズル部の流出口から前記薬剤を排出させるもの、
を具備する、供給装置。
【請求項2】
前記弾性を有する変形可能本体部分は、ベローズ形状部分とドーム形状部分のいずれかを有し、前記剛体シャフトと前記ノズル部の内部は、前記流出口を介した噴出に以前に前記薬剤に対する渦巻状チャンバーを規定し、かつ前記ピストン機構は前記変形可能本体部分に結合して、変形可能本体部分の縦軸に沿った変形を伴ってポンプの縦軸に沿って移動し、前記ピストン機構の変位は、前記包囲位置と前記第1の非包囲位置間のレバーの変位に対応するものである、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ガイド要素は前記ハウジングに枢動可能に結合し、前記ガイド要素は第2の位置にある場合、前記流出口を実質的にカバーし、さらに前記ノズル部は、前記ノズル部の対称長軸の方向に沿って第1の点からノズル部の先端に向かって減少する壁厚を有している、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記トリガーは、前記ハウジングの縦軸に垂直方向に作動される、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記トリガーおよび前記レバーは、一体に形成されている、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
渦巻状チャンバー内の前記薬剤は、前記ノズル部を半径方向に変形して前記通常は閉鎖されている第1のバルブを開けるために充分な閾値圧力に達した場合、前記通常は閉鎖されている第1のバルブを介して排出される、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記ベローズ形状部分と前記ドーム形状部分の前記一方は、熱可塑性材料で形成されている、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記ハウジングは実質的に剛体であり、前記ハウジングは、前記薬剤の前記渦巻状チャンバーから前記流出口を介した排出の間の、前記ノズル部の前記軸方向に沿った変形を防止する、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記ノズル部はさらに、前記投与キャビティおよび前記渦巻状チャンバー間の流体伝達経路の一部分を規定する流路を備え、前記流路は、前記渦巻状チャンバーへ導かれた薬剤の渦巻状の動きを誘発するものである、請求項2に記載の装置。
【請求項10】
前記変形可能本体部分は、熱可塑性材料で形成された少なくとも1個のベローズ形状部分を備える、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記ガイド要素は、前記ハウジングに枢動可能に結合され、前記ガイド要素は第2の位置にある場合、実質的に前記流出口をカバーする、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記トリガーは、前記ハウジングの縦軸に垂直な方向に作動される、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記トリガーおよび前記レバーは一体に形成されている、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記渦巻状チャンバー中の前記薬剤は、前記ノズル部を半径方向に変形して前記通常は閉鎖されている第1のバルブを開けた後、前記通常は閉鎖されている第1のバルブを介して排出される、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記ベローズ形状部分は、Kraton(登録商標)で形成されている、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記ハウジングは実質的に剛体であり、前記ハウジングは、前記薬剤の前記流出口を介した前記渦巻状チャンバーからの排出の間の、前記ノズル部の前記軸方向に沿った変形を防止する、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記流路は、前記ノズル部の径方向エッジに沿って延びる垂直部分を有する、請求項9に記載の装置。
【請求項18】
前記変形可能本体部分は、熱可塑性材料で形成された少なくとも1個のベローズ形状部分を有している、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記ガイド要素は、前記ハウジングに枢動可能に結合され、前記ガイド要素は第2の位置にある場合、実質的に前記流出口をカバーする、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記トリガーは、前記ハウジングの縦軸に直交する方向に作動される、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記トリガーと前記レバーは一体に形成される、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記渦巻状チャンバー内の前記薬剤は、前記ノズル部を半径方向に変形して前記通常は閉鎖されている第1のバルブを開けるために充分な閾値圧力に達した場合、前記通常は閉鎖されている第1のバルブを介して排出される、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記ベローズ形状部分はKraton(登録商標)で形成されている、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記ハウジングは実質的に剛体であり、前記ハウジングは、前記薬剤の前記流出口を介した前記渦巻状チャンバーからの排出の間の、前記ノズル部および前記流路の前記軸方向に沿った変形を防止する、請求項23に記載の装置。
【請求項25】
前記バイアルは前記バイアルのネック領域に開口部を有し、前記装置は、さらに
前記バイアルのネック領域の内面に係合するための剛性リング、および
前記バイアルの前記ネック領域の外面および前記剛性リングの前記環状内面に同時に係合するための機械プラグであって、前記機械プラグの底面に対して実質的に垂直に伸びている、前記剛性リングの底面に係合するための脚部を有する前記機械プラグを備え、前記機械プラグおよび前記剛性リングが、前記バイアルのネック領域において同時に係合することにより、前記バイアルの開口部のメカニカルシールを与える、請求項1に記載の装置。
【請求項26】
前記ネック領域の垂直面に沿った密閉を得るために、前記機械プラグおよび前記剛性リングが、前記バイアルの前記ネック領域の水平方向の圧縮を与える、請求項25に記載の装置。
【請求項27】
前記ネック領域の水平面に沿った密閉を得るために、前記機械プラグおよび前記剛性リングが、前記バイアルの前記ネック領域の水平方向の圧縮を与える、請求項26に記載の装置。
【請求項28】
前記バイアルは前記バイアルのネック領域に開口部を有し、当該装置は、さらに
前記バイアルのネック領域の内面に係合するための剛性リング、および
前記バイアルの前記ネック領域の外面および前記剛性リングの前記環状内面に同時に係合するための機械プラグであって、前記機械プラグの底面に対して実質的に垂直に伸びている、前記剛性リングの底面に係合するための脚部を有する機械プラグを備え、前記機械プラグおよび前記剛性リングが、前記バイアルのネック領域において同時に係合することにより、前記バイアルの開口部のメカニカルシールを与える、請求項3に記載の装置。
【請求項29】
前記バイアルは前記バイアルのネック領域に開口部を有し、前記装置は、さらに
前記バイアルのネック領域の内面に係合するための剛性リング、および
前記バイアルの前記ネック領域の外面および前記剛性リングの前記環状内面に同時に係合するための機械プラグであって、前記機械プラグの底面に対して実質的に垂直に伸びている、前記剛性リングの底面に係合するための脚部を有する機械プラグを備え、前記機械プラグおよび前記剛性リングが、前記バイアルのネック領域において同時に係合することにより、前記バイアルの開口部のメカニカルシールを与える、請求項9に記載の装置。
【請求項30】
前記バイアルは前記バイアルのネック領域に開口部を有し、前記装置は、さらに
機械プラグ、および
フランジを介して機械プラグと復位可能に結合する圧接素子を備え、前記バイアルを密封するために、前記機械プラグおよび前記圧接素子が、前記ネック領域と相互作用する、請求項1に記載の装置。
【請求項31】
第1の配置では、前記圧接素子が前記機械プラグと結合し、そして前記バイアルの開口部を取外し可能に密閉するために、前記機械プラグが前記バイアルのネック領域の内面と分離可能に係合し、および
第2の配置では、前記機械プラグが前記バイアルのネック領域の内面と係合し、そして前記機械プラグとの結合によって前記バイアルの開口部を密閉するために、前記圧着素子が前記機械プラグに対して位置を変え、そして前記バイアルの前記ネック領域の外面と係合する、請求項30に記載の装置。
【請求項32】
前記バイアルは前記バイアルのネック領域に開口部を有し、前記装置は、さらに
機械プラグ、および
フランジを介して機械プラグと復位可能に結合する圧接素子を備え、前記バイアルを密封するために、前記機械プラグおよび前記圧接素子が、前記ネック領域と相互作用する、請求項3に記載の装置。
【請求項33】
第1の配置では、前記圧接素子が前記機械プラグと結合し、そして前記バイアルの開口部を取外し可能に密閉するために、前記機械プラグが前記バイアルのネック領域の内面と分離可能に係合し、および
第2の配置では、前記機械プラグが前記バイアルのネック領域の内面と係合し、そして前記機械プラグとの結合によって前記バイアルの開口部を密閉するために、前記圧着素子が前記機械プラグに対して位置を変え、そして前記バイアルの前記ネック領域の外面と係合する、請求項32に記載の装置。
【請求項34】
前記バイアルは前記バイアルのネック領域に開口部を有し、前記装置は、さらに
機械プラグ、および
フランジを介して機械プラグと復位可能に結合する圧接素子を備え、前記バイアルを密封するために、前記機械プラグおよび前記圧接素子が、前記ネック領域と相互作用する、請求項9に記載の装置。
【請求項35】
第1の配置では、前記圧接素子が前記機械プラグと結合し、そして前記バイアルの開口部を取外し可能に密閉するために、前記機械プラグが前記バイアルのネック領域の内面と分離可能に係合し、および
第2の配置では、前記機械プラグが前記バイアルのネック領域の内面と係合し、そして前記機械プラグとの結合によって前記バイアルの開口部を密閉するために、前記圧着素子が前記機械プラグに対して位置を変え、そして前記バイアルの前記ネック領域の外面と係合する、請求項34に記載の装置。
【請求項36】
前記変形可能な本体部分が、前記変形可能な本体部分を前記最初の包囲位置から非包囲位置へ戻すことを可能にするばね作用を与えるエラストマー材料を備え、および前記剛性シャフトおよび前記ノズル部の内面が、前記流出口を通って排出する前の前記薬剤用の渦巻状チャンバーを定める、請求項1に記載の装置。
【請求項37】
前記変形可能な本体部分が、ベローズ形状およびドーム形状のうちの1つを備える、請求項36に記載の装置。
【請求項38】
前記変形可能な本体部分が熱可塑性プラスチックからできている、請求項36に記載の装置。
【請求項39】
さらに前記ノズル部が、前記投与キャビティと前記渦巻状チャンバーとの間の流体伝達経路の部分を定める流路を少なくとも1つ備え、前記流路には前記渦巻状チャンバーに運ばれる薬剤の旋回作用がある、請求項36に記載の装置。
【請求項40】
前記流路が、前記ノズル部の放射状の縁に沿って伸びている垂直部分を備えた、請求項39に記載の装置。
【請求項41】
前記流路が、前記渦巻状チャンバーに接続する前記ノズル部の放射中心に向かって、前記垂直部分から伸びている水平部分を備えた、請求項40に記載の装置。
【請求項42】
前記ノズル部は、鉛直部分及び水平部分を各々有する複数の液体流路を有し、前記水平部分は前記渦巻状チャンバーに接続されている請求項41に記載の装置。
【請求項43】
前記液体流路の各水平部分は、前記ノズル部の前記径方向エッジから前記渦巻状チャンバーに向かう方向に減少している幅を有する請求項42に記載の装置。
【請求項44】
前記渦巻状チャンバーは実質的に円形であり、前記液体流路の前記水平部分は、前記渦巻状チャンバーに接するように接続される請求項42に記載の装置。
【請求項45】
前記水平部分が集合する場所である前記渦巻状チャンバーの一部の床部が、集められた前記水平部分の床部よりも高くなっている請求項44に記載の装置。
【請求項46】
鼻腔に薬剤を投与する供給装置であって、
ある量の薬剤を保有するバイアル、
ノズル部の出口と、前記ノズル部に接続されるとともに、ピストン機構及び前記バイアルから薬剤を収容するための予め定めた容量の投与キャビティを有する弾性の変形可能な本体部分と、前記バイアル及び前記投与キャビティと液体連通する液体入口オリフィスとを有するポンプであって、前記ピストン機構は、前記変形可能な本体部分に有効に接続されて、前記ポンプの長手方向軸線に沿う前記変形可能な本体部分の変形と関連して、前記ポンプの前記長手方向軸線に沿って移動し、前記ノズル部は、前記ノズル部の先端に向かう前記ノズル部の延長された対称軸に沿う第1ポイントから減少する肉厚を有し、前記ノズル部は、前記ノズル部に受容されるとともに前記出口に面して通常は閉の第1バルブを形成する剛性シャフトを有し、前記剛性シャフト及び前記ノズル部の内面は、前記出口から排出される前の前記薬剤のための渦巻状チャンバーを規定するポンプ、
前記バイアル及び前記ポンプを担持するハウジングであって、前記出口を露出させ、第1の位置にあるときは、前記出口を前記鼻腔の前記出口に整合配置して前記鼻腔を視界から覆うためのガイド要素を有するハウジング、
前記ハウジングに有効に接続されるトリガーであって、前記トリガーの1つの作動動作によって、前記供給装置を作動させて、前記投与キャビティを前記バイアルからの薬剤で逐次的に満たし、前記投与キャビティからの前記薬液を逐次的に排出するトリガー、
前記本体部分が包囲位置にあるときは、前記トリガーに接続されて前記変形可能な本体部分に遊離可能に係合するレバーであって、前記レバーは、前記トリガーの前記作動動作の第1ステップ及び前記変形可能な本体部分の少なくとも一部の変形と協働して第1非包囲位置に移動可能であり、前記ピストン機構と協働して、前記ハウジングの後端部に向かう長手方向軸線に沿って、前記包囲位置と前記第1非包囲位置との間の前記レバーの移動に対応して前記ピストン機構が移動して、前記バイアルから前記投与キャビティに流れて前記投与キャビティを満たすレバー、並びに
前記第1非包囲位置の前記レバーに対向するように前記ハウジングの内側に配置されて、前記レバーを前記変形可能な本体部分から分離させるリリースアームであって、続いて前記作動動作は第2ステップに移り、前記変形可能な本体部分は、前記レバーから分離された状態で前記包囲位置に戻り、前記ピストン機構は、前記変形可能な本体部分と協働して前記ノズル部の方向に移動し、前記投与キャビティ内の薬剤に与圧して、前記ノズル部の前記出口から前記薬剤を排出させるリリースアームを有する供給装置。
【請求項47】
薬剤バイアルと、通常は閉の第1位置により規定される出口、ノズル部内の渦巻チャンバー、前記ノズル部に接続されるとともにピストン機構及び前記バイアルからの薬剤を収容するための予め定めた容量の投与キャビティを有する弾性の変形可能な本体部分、並びに前記投与キャビティと前記渦巻チャンバーとの間の液体流路を具備するポンプと、前記バイアル及び前記ポンプを担持するハウジングと、前記供給装置を作動させるために前記ハウジングに有効に接続されるトリガーと、前記トリガーに有効に接続されて前記変形可能な本体部分に分離可能に係合するレバーと、前記ハウジング内部に配置されるリリースアームとを具備する薬剤供給装置によって鼻腔に薬剤を投与する方法であって、
1つの連続的な作動動作の第1段階を通じて、前記トリガーの作動によって前記投与キャビティから前記バイアルに薬剤を流し、それにより前記レバーは、前記1つの連続的な作動動作の前記第1段階と協働して、包囲位置から第1非包囲位置に移動し、前記弾性の変形可能な本体部分の少なくとも一部を変形させるステップと、
前記1つの連続的な作動動作の第2段階を通じて前記トリガーを作動させ、それにより、前記レバーは、前記第1非包囲位置の前記リリースアームに対向して、前記変形可能な本体部分から前記レバーを分離させるステップと、
前記投与キャビティ内の前記薬剤に与圧して、前記弾性の変形可能な本体部分が前記レバーと分離した状態で前記包囲位置に戻り始めることにより、前記液体流路を経由して前記渦巻チャンバーに薬液を流すステップと、
前記液体流路の前記渦巻チャンバーに対する接触的な接続によって、前記渦巻チャンバー内の前記薬剤を旋回させるステップと、
前記変形可能な本体部分が前記包囲位置へ回復移動して、前記薬液を閾値圧力まで与圧して前記通常は閉の第1バルブを開くことにより、前記通常は閉の第1バルブを通じて前記薬剤を前記渦巻チャンバーから排出するステップと、
を有する方法。
【請求項48】
薬剤供給装置に使用されるポンプ機構であって、前記薬剤供給装置は、任意量の薬剤を保有するバイアル、前記ポンプ機構にばね動作を提供する変形可能な本体部分及び前記薬剤が排出されるノズル部を有する、ポンプ機構において、
前記変形可能な本体部分内に配置され、前記ノズル部に接続されるとともに前記バイアルからの薬剤を収容するための予め定めた容量の投与キャビティを有し、前記薬剤を前記投与キャビティ内に流すための液体入口オリフィスを有するポンプスリーブと、
前記ノズル部を介して前記投与キャビティから薬剤を排出させるために、前記ポンプスリーブ内に少なくとも部分的にかつ摺動可能に配置されるとともに、前記変形可能な本体部分に有効に接続されるピストンと、
前記ピストンの環状部分の上で前記ポンプスリーブに摺動可能に係合するとともに、液密シールを提供する少なくとも1つのO形状リングとを有するポンプ機構。
【請求項49】
薬剤を投与する供給装置であって、
任意量の薬剤を保有するバイアル部、
ノズル部の出口と、前記ノズル部に接続されるとともに、ピストン機構及び前記バイアルから薬剤を収容するための予め定めた容量の投与キャビティを有する弾性の変形可能な本体部分とを有するポンプであって、前記ノズル部は、前記ノズル部に受容されるとともに前記出口に面して通常は閉の第1バルブを形成する剛性シャフトを有するポンプ、並びに
前記バイアル内に配置される弾性ポーチであって、前記弾性ポーチの内面は、量が変化する空気を有し、前記弾性ポーチ内の前記空気は、空気流路を介して外気と連通し、前記弾性ポーチの容量は、前記バイアルに収容された薬剤の量の関数として可変である弾性ポーチを具備する供給装置。
【請求項50】
前記ピストンの環状部分の上で前記ポンプスリーブに摺動可能に係合するとともに、液密シールを提供する少なくとも1つのO形状リングを有するとともに、前記本体部分はポンプスリーブをさらに有し、前記ピストンは前記ポンプスリーブに少なくとも部分的にかつ摺動可能に配置される請求項49に記載の供給装置。
【請求項51】
前記バイアル部分が、薬剤の充填を容易にするための開口部分を有する供給装置であって、前記バイアル部の前記開口部分をシールするための機械プラグをさらに有し、前記機械プラグは、その環状部分に沿ってU形状の断面を有し、前記機械プラグは、前記開口部分を覆うように摺動するとともに前記開口部分を前記U形状の環状部分で締付けることによって前記開口部分に確実に係合するようになっており、前記空気流路は前記機械プラグを通って伸びる、請求項49に記載の供給装置。
【請求項52】
前記バイアル部は剛性材料から作製され、前記弾性ポーチは、前記バイアルが薬剤で満たされたときに潰された状態になり、前記弾性ポーチは、前記バイアル内に収容された前記薬剤が前記出口から投与されるに従って伸長する、請求項49に記載の供給装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図13A】
【図13B】
【図14A】
【図14B】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23A】
【図23B】
【図24A】
【図24B】
【図25】
【図26】
【図27A】
【図27B】
【図27C】
【図27D】
【図27E】
【図28】
【図29A】
【図29B】
【図30A】
【図30B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図13A】
【図13B】
【図14A】
【図14B】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23A】
【図23B】
【図24A】
【図24B】
【図25】
【図26】
【図27A】
【図27B】
【図27C】
【図27D】
【図27E】
【図28】
【図29A】
【図29B】
【図30A】
【図30B】
【公開番号】特開2011−78801(P2011−78801A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−257038(P2010−257038)
【出願日】平成22年11月17日(2010.11.17)
【分割の表示】特願2001−544930(P2001−544930)の分割
【原出願日】平成12年12月11日(2000.12.11)
【出願人】(502259595)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−257038(P2010−257038)
【出願日】平成22年11月17日(2010.11.17)
【分割の表示】特願2001−544930(P2001−544930)の分割
【原出願日】平成12年12月11日(2000.12.11)
【出願人】(502259595)
【Fターム(参考)】
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