説明

薬品配送システム中に高純度流体を配送するためのマイクロ電子機器システム

複雑な流体マイクロ電気機械システム(MEMS)は、システムの弁シーリングの一体性、品質および性能を維持しながら、高純度化学物質配送システムに組み込まれる。特に、流体MEMSシステムは、半導体製造プロセスのための高純度化学物質配送システムに組み込まれる。

【発明の詳細な説明】
【発明の開示】
【0001】
発明の背景
1.技術分野
本発明は、小型化された薬品配送システムに関する。特に、本発明は、製造プロセスまたは他のプロセスに高純度化学物質を配送するためのマイクロ電気機械システムに関する。
【0002】
2.関連技術の説明
マイクロ電気機械システム、すなわちMEMSは、さまざまの用途で用いられる小型化されたシステムである。特に、流体用MEMSは、多数の用途のためにガス状および/または液体状流体媒体を輸送および分配するために用いられる。流体用MEMSは、ミクロンまたはさらにはナノメートル台の大きさのマイクロチャンネルを含む小型化された弁、ノズル、ポンプ、オリフィス、センサー(例えば、圧力および/または温度)、レザーバなどを含むさまざまの異なる構成要素を含む。それらのMEMS構成要素は、典型的には、バルクのまたは表面のマイクロ機械加工、高アスペクト比マイクロ機械加工(HARM)、およびLIGA(リトグラフィー/ガルバノフォルムンク/アプフォルムンク、すなわち、リソグラフィー/電気めっき/成形のドイツ式プロセスを称する)のような通常の製造技術の1つまたは組み合わせを利用して製造される。
【0003】
現在までの流体用MEMSの最も進歩した実施形態は、インクジェットプリンターヘッドおよび生物学的および化学的分析システムのために利用されるマイクロセンサーにおけるものである。流体用MEMSの用途は、半導体製造および加工用途のための高純度ガスおよび高純度液体の配送および分配システムのような他の流体分配システムにおいて極めて望まれるものである。
【0004】
広範な水溶液および有機溶媒溶液を含む多数の異なる高純度液体化学物質が、半導体における薄膜の成長および光学機器製造のための化学的前駆体(例えば、イソプロパノール、オクタン、テトラヒドロフラン、トルエンなどのような溶媒中の有機金属化合物)ならびに化学的、生物学的および製薬学的合成および分析における反応物、担体および/または分析物のようなさまざまの製造プロセスのために利用される。それらの化学物質の多くは、システムの分配ライン中で容易に汚染され得るものであり(例えば、空気、粒子物体、湿分などへの暴露により)、製造収率の減少または分配ラインの中に埋め込まれ得るかさらに、分配ラインを詰まらせ得る固体の形成をもたらし得る。例えば、半導体製造においては、多くの有機金属前駆体化学物質が酸素および湿分と反応し、分配ラインを汚染する固体堆積物を産生する。加えて、分配ラインで利用される化学物質の多くは、毒性であり、および/または火災の危険または爆発の危険の問題を提起する。それゆえ、分配ラインの供給容器または供給区分がシステムの他の部分から遮断されている長い非運転期間の間、分配ラインは、しばしば、中にある残留化学物質についてラインをパージするために、および周囲空気または他の汚染物質の侵入に由来する周囲雰囲気および分配ラインの内部への化学物質の漏れを防止するために、不活性ガス、真空および/または液体溶媒に供される必要が存在する。
【0005】
高純度配送システム中の化学物質の配送は、加圧、ポンプ輸送、および/または重力を利用して達成され得る。ヘリウムのような不活性ガスは、分配ラインならびに分配ラインに化学物質を供給するための化学物質貯蔵源内の化学物質を加圧するために利用される。配送システムを通る1以上の化学物質の連続配送を提供するために、しばしば、分配ラインと直列または並列で2以上の容器が備えられる。1つの容器が空であるとき、もう1つの容器は、空の容器が再充填される間、化学物質の供給を連続させるようにオンラインで用いられる。
【0006】
上記のもののような高純度化学物質分配システムのための流体用MEMSを提供することは極めて望ましいけれども、そのような分配システムのために利用される容易に入手可能で非常に一般的に用いられる装備は、スワゲロック(オハイオ州、ソロン、たとえばNUPRO(登録商標)製品)およびMKSインストルメンツ,Inc.(マサチューセッツ州、アンドーバー)から市販されている弁、VCR、圧縮物、加熱処理物(flared)、およびねじつきパイプ製品のような通常の高純度弁およびパイプ取り付け製品である。通常の高純度流体用構成要素は、適切な数の構成要素が必要であり、より大きな化学物質流および/または圧力が必要とされるとき、多くの用途にとって適切である。しかしながら、システムのサイズが問題となるとき、特に、例えば、分あたり20立方センチメートル(ccm)以下のような極めて少ない体積流を取り扱うとき、そのような通常の構成要素は、あまり好ましくない。構成要素(例えば、弁、センサー、マスフローコントローラなど)の数が増加するとき、通常の電子部品制御ブロック(典型的には通常のプログラマブルコントローラー(programmable logic controller)により制御される)はいうまでもなく、複雑な化学物質分配システムへの通常のコネクタおよびチューブの一体化は、面倒になり、非常に高価となり、そしてシステムを収納するための付加的な床空間を必要とするようになる。さらに、それらの分配システムは操作し、制御するのに困難である。というのは、ほとんどの個別の構成要素は、専用の制御ライン(電気的または空気式)を必要とし、増加するシステム体積およびシステム内の分配ラインの清浄化、パージおよび排気に関連する増加する困難のために汚染しやすくなるからである。
【0007】
高純度システムへのMEMSの利用は、従来の非MEMS構成要素を利用する複雑な流体配送システムのかさ高さ、汚染の問題、増加する経費および過剰なサイズに関連する問題の多くを消去するであろう。しかしながら、MEMSを用いることに関連する利点にもかかわらず、MEMS構成要素に関連するある種の問題のために高純度化学物質分配システムでMEMSを利用することには抵抗感が存在してきた。特に、いずれかの流体分配システム設計における重要な構成要素であるMEMS遮断弁は、現在のところ、複雑な分配システムにとってそのような弁を有用にする十分なシーリング特性を有さない。
【0008】
現在存在する最も信頼性が高く、きわめて高性能のMEMS遮断弁の1つは、片持ち張りタイプの弁であり、その1例は、レッドウッド・マイクロシステムズ,Inc.(カリフォルニア州、メンロパーク)から市販されているMEMS−フロー(登録商標)ウルトラクリーン遮断弁である。レッドウッド・マイクロシステムズ,Inc.のMEMS−フロー(登録商標)弁の詳細な開示は、米国特許第5,865,417号において開示されており、その開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。特に、この片持ち張りタイプの弁は、ダイまたはブロック上でマイクロ機械加工プロセスにより形成され、ブロック内に配置された片持ち張りされた弁要素および入力および出力チャンネルを含む。普通に閉じた位置で、弁の入力チャンネルから出力チャンネルへの方向で流体連通することを防止するために片持ち張りされた弁要素は、弁内で出口ポートを遮蔽する。弁要素は、膜内の流体を加熱するエネルギー入力に応答して曲がる流体で満たされた膜により動かされ、出口ポートを遮蔽しないように、かつ、流体を弁を通して流れさせるように弁要素をそのシーリング係合から離れさせる。
【0009】
MEMS遮断弁のための片持ち張りタイプの設計に関連する問題は、それらが非対称的なシーリング特性を有しているということである。特にそれらのタイプの遮断弁は、「方向性があり」、弁を通しての圧力差の方向に依存して異なる漏出速度を有する。通常の閉じた位置において(すなわち、片持ち張り弁要素は出口ポートを遮蔽する)、弁シールを越えての漏出は、弁の前方流(すなわち、入口チャンネルから出口チャンネル)配向に対する逆流(すなわち、出口チャンネルから入口チャンネル)配向において適用される同じ圧力差について異なる。
【0010】
対照的に、スワゲロックシリーズの隔壁遮断弁のような通常の遮断弁は、システム操作の間の正と負の圧力差の展開のために弁の漏出に対してあまり影響を受けない。半導体電子機器製造装置において用いられる遮断弁のための典型的なシーリングの要求事項は、約1×10-9Atm(Heにより測定された)×秒あたりの標準立法センチメートル(すなわち、Atm(He)*scc/sec)以下の漏出速度である。特に、負の圧力差が弁を通して20psi(1.36Atm)以上に近づくとき、片持ち張りタイプの遮断弁の仕様は、はるかに大きな漏出速度を生み出し得る。
【0011】
さらに、単一のダイへのあまりに多くのMEMS構成要素の一体化は、分配システムの信頼性および柔軟性を損なう結果をもたらし得るものであり、その場合、望ましからぬ相互作用または干渉がダイに関連する異なるセンサーまたはアクチュエータの間で起こり得る。
【0012】
加えて、MEMS構成要素への共通タイプの流体コントローラのスケーリングは、問題を提起し得る。例えば、通常のMEMSマスフローコントローラの使用は、しばしば、信頼性に欠けるようになり、特にマスフローコントローラの使用の間に起こり得るマイクロチャンネルまたはオリフィスの部分的なまたは完全な詰まりのために高純度化学物質分配用途において品質の問題を提起する。しばしば、そのような詰まりと汚染の問題は、マスフローコントローラの操作がある程度の時間停止するときに起こり、システムブロック中の化学流体の残留とよどみをもたらす。MEMSマイクロチャンネルの極度に小さな内部寸法および内部体積のために、よどんだ化学物質によるチャンネルの詰まり(例えば、化学物質中の粒子、化学物質の沈殿などによる)は、単にフローコントローラブロックを通る流れの短い遮断によっても起こり得る。詰まりの問題は、MEMS構成要素の寸法を大きくすることにより小さくされ得る。しかしながら、MEMSシステムのサイズを大きくすることは、MEMS技術を利用することに関連する利点を無くしてしまう。
【0013】
したがって、複雑で小型化された高純度流体分配システムにMEMS弁および他のMEMS構成要素を一体化することは、困難であり、特定の化学物質の流れの形態を作るために従来の非MEMS構成要素を互いに組み合わせることほど単純ではない。
【0014】
本発明の目的および概要
したがって、本発明の目的は、MEMS構成要素を用い、適切な弁シーリング特性を有する化学物質分配システムを提供することである。
【0015】
本発明のもう1つの目的は、MEMS構成要素を用い、高度の信頼性と優れた性能を有する化学物質分配システムを提供することである。
【0016】
本発明の更なる目的は、互いに流体連通する複数のシステムブロックに配置されるMEMS構成要素を用いる複合高純度化学物質分配システムを提供することである。
【0017】
前述の目的は個別におよび/または組み合わせて達成され、本発明は、特許請求の範囲により特別に要求されない限り、2以上の目的が組み合わせられることを要求するものと解釈されるようには意図されていない。
【0018】
本発明によれば、流体分配システムは、第1の弁および第2の弁を含む。第1の弁と第2の弁のそれぞれは、第2のチャンネルと流体連通する第1のチャンネル、および第1のチャンネルと第2のチャンネルとの間に配置されたシール部材であって、圧力差が第1のチャンネルと第2のチャンネルとの間で対向方向において等しく適用される場合に、第1のチャンネルにおける流体圧力が第2のチャンネルにおける流体圧力より大きいときと比べて第2のチャンネル内の流体圧力が第1のチャンネルの流体圧力より大きいときにシール部材を通る流体の漏出速度がより高速であるように第1のチャンネルと第2のチャンネルの間の非対称な流体用シールを選択的に提供するためのシール部材を含む。第1の弁と第2の弁は、第1の弁の第2のチャンネルが第1の弁の出口として機能するとき第2の弁の第2のチャンネルが第2の弁の入口として機能するように互いに対して対向する配向(orientations)でシステム中に組み込まれる。好ましくは、第1の弁と第2の弁のそれぞれの少なくとも一部は、ブロック内に形成され、このブロック中に配置され、第1の弁と第2の弁の間に延びる少なくとも1つのチャンネルと流体連通する。したがって、システムは、2つの弁にわたる対称的なシールを行わせる組み合わされたまたは2重のMEMS弁の組み合わせを提供する。
【0019】
本発明のもう1つの側面において、流体分配システムは、流体供給源、ブロックであって、そのブロック内に配置された少なくとも1つの流体分配チャンネルを含むブロック、少なくとも1つの流体分配チャンネルを介してブロックの入口ポートから出口ポートへの第1の方向で流体を受容し、配送するための、流体供給源と流体連通する入口ポート、および少なくとも部分的にブロック内に形成され、少なくとも1つの流体分配チャンネルと流体連通する弁を含む。弁は、さらに、シール部材であって、圧力差が第1の方向において、そして第1の方向と反対の第2の方向において弁に対して等しく適用された場合、流体が第2の方向に流れるときに比べて流体が第1の方向に流れるときに、シール部材をよぎる(across)流体の漏出速度がより高速であるように非対称な流体シールを選択的に提供するシール部材を含む。
【0020】
本発明のさらにもう1つの側面において、流体分配システムは、第1のブロックであって、第1のブロック内に配置された加圧チャンネルを有する第1のブロック、少なくとも部分的に第1のブロック内に形成され、加圧チャンネルと流体連通する圧力センサー、少なくとも部分的に第1のブロック内に形成され、第1のプロセス流体供給源に加圧流体を配送する前に選択された圧力まで加圧供給源から加圧チャンネルに入る加圧流体の加圧を促進するための、加圧チャンネルと流体連通する複数の弁を含む。システムはさらに、第2のブロックであって、第2のブロック内に配置された配送チャンネルのネットワークを有する第2のブロック、および少なくとも部分的に第2のブロック内に形成され、第1のプロセス流体供給源および第2の流体供給源の少なくとも一方から配送場所へのプロセス流体の供給を促進するための、配送チャンネルのネットワークと流体連通する複数の弁を含む。
【0021】
本発明の更なる側面において、一体化された流量計および内部パージシステムは、流体供給源からシステムへの流体の入力を選択的に制御するための、システムの主要流路と流体連通する第1の遮断弁、システムから配送場所への流体の出力を選択的に制御するための、主要流路と流体連通する第2の遮断弁、および流量計を含む。流量計は、主要流路と流体連通し、第1と第2の遮断弁の間に配置されるセンサー、および主要流路と流体連通し、第1と第2の遮断弁の間に配置される制御弁を含む。センサーは、主要流路を通る流体流の物理的特性を測定し、制御弁は、センサーの測定に基づいて、主要流路を通る流体流の流量を選択的に制御する。
【0022】
システムは、さらに、主要流路と流体連通するパージ入口流路を有するパージ配送ライン、およびパージ流体供給源からパージ入口流路へのパージ流体の配送を促進するためのパージ入口ポートを含む。パージ流体入口流路は、第1の遮断弁と流量計の間に配置され、さらにパージ流体供給源からパージ入口流路へのパージ流体の流れを選択的に制御するための第3の遮断弁を含む。パージ出口流路は、パージ出口流路からパージ流体収集場所へのパージ流体の配送を促進するように主要流路とパージ出口ポートと流体連通している。パージ出口流路は、流量計と第2の遮断弁との間に配置され、パージ出口流路からパージ流体収集場所へのパージ流体の流れを選択的に制御するための第4の遮断弁をさらに含む。主要流路、遮断弁、流量計およびパージ流体配送ラインのそれぞれは、MEMSシステムを作るようにブロック内に少なくとも部分的に形成され得る。
【0023】
本発明の上記のおよび更なる目的、特徴および利点は、特にさまざまの図の中の同様の参照番号が同様の部分を示すように利用される添付の図面とあわせて理解されるとき、その具体的な態様の以下の詳細な説明の考察を基に明らかになるであろう。
【0024】
好ましい態様の詳細な説明
液体および/またはガス流を、該流れの高レベルの純度を維持しながら、配送場所に配送することが可能である高純度流体マイクロ電気機械システム(MEMS)が記述される。MEMSは、1以上のダイまたはブロック上に配置される弁、センサー(例えば、圧力、温度、流れ、電気、音響、光など)、オリフィス、ポンプ、ミキサー、レザーバなどのようなさまざまの小型化された流体処理構成要素を含む。MEMS構成要素のそれぞれは、いずれか従来の、市販されているかまたは他の適切なタイプのものであり得る。市販のMEMS構成要素(例えば、弁、圧力/温度センサー、マスフローコントローラなど)の製造者の例には、レッドウッド・マイクロシステムズ,Inc.(カリフォルニア州、メンロパーク)、アナログ・デバイスInc.(マサチューセッツ州、ノーウッド)およびICメカニックス,Inc.(ペンシルバニア州、ピッツバーグ)がある。
【0025】
典型的には、MEMS構成要素は、限定ではないが、リソグラフィー、エッチング、ウエット異方性エッチング、電気めっき、マイクロ機械加工(例えば、バルクマイクロ機械加工、表面マイクロ機械加工、および高アスペクト比マイクロ機械加工、すなわちHARM)、およびそれらの組み合わせ(例えば、LIGAすなわちリソグラフィー、電気めっき、および型成形)を含むMEMS製造技術のいずれか1つまたは組み合わせを利用する1以上のダイまたはブロック上に形成される。それらの技術は、小型化されたMEMS構成要素を形成するようにダイまたはブロック上にミクロンのオーダーで薄層を形成することを容易にする。いずれか1つまたは複数の(すなわち、2以上の)MEMS構成要素は、単一ブロック上に形成され得る。ダイまたはブロックは、単純に、特定のMEMS構成要素のチャンネルおよび/または部分の形成(例えば、すでに記載されたプロセスのいずれかによる)を容易にするのに十分な厚さの適切な基板である。ダイまたはブロックおよび構成要素を形成するいずれか他の部分を含む本明細書に記載されたMEMS構成要素は、限定ではないが、ステンレス鋼のような金属、シリコン、ポリマー、パイレックス(登録商標)、アルミナ、セラミックス、およびそれらのいずれか選択された組み合わせを含むいずれか適切な材料で構築され得る。特に、ブロック上に設けられている2以上のMEMS構成要素(例えば、弁およびセンサー)は、ブロック内に配置された少なくとも1つのマイクロチャンネルを介して互いに流体連通している。
【0026】
MEMS構成要素のいずれかの組み合わせを含む単一ブロックまたは2以上のブロックの組み合わせは、複雑なMEMS流体分配システムを提供するように流体接続され得る。MEMS構成要素は、機能的または幾何学的デザインによりブロックを組織化するように別々のブロックに統合され得る。例えば、別々のMEMSブロックは、供給タンクから配送された流体の加圧、システム中の溶媒のフラッシング、排気および廃棄物の取り扱い、正確な圧力と流れの制御の提供(例えば、マスフローコントローラMEMSブロック)などのような機能について設計され得る。代わりに、異なる機能グループの中に配置されたいずれか適切な数のMEMS構成要素が単一のブロック上に配置され得る。さらに、通常の弁、流体ラインおよび/または他の構成要素は、システムの要求に応じて1以上のMEMSブロックと流体連通し得る。複数のブロックは、互いに、および/または通常の高純度ライン(例えば、金属および/またはプラスチック)および通常の接続法(例えば、Oリングまたはガスケット、PVC、フレアまたは圧縮接続、溶接など)により他の通常の流体供給構成要素に対して接続され得る。
【0027】
好ましくは、本発明により形成されるMEMS構成要素は、約200マイクロメートル(ミクロン)以下、より好ましくは約100ミクロン以下、さらにより好ましくは約50ミクロン以下の断面寸法(例えば、チャンネル幅または直径)を有する。例えば、MEMS構成要素は、約20ミクロン未満、約10ミクロン未満、さらに約5ミクロン未満(例えば、ナノメートル範囲にある)の断面寸法で設計され得る。
【0028】
1以上のMEMS構成要素を含む個々のブロックの内部システム体積は、好ましくは、約20立法センチメートル(cc)以下、より好ましくは約10cc以下、さらにより好ましくは約5cc以下、最も好ましくは約2cc、またはさらに約1cc以下である。MEMS構成要素を含むブロック内のフローチャンネルの深さは、好ましくは、約10ミリメートル(mm)以下、より好ましくは約5mm以下、およびもっとも好ましくは約2mm以下である。それらの範囲のMEMS構成要素の寸法ならば、ガスについては分あたり約5標準リットル(SLM)以下の正確に制御された穏やかで低い流量で高純度ガスを、液体については分あたり約200立方センチメートル(ccm)以下で配送することを容易にする。好ましくは、ガスは約0.1から約2SLMの範囲でMEMS構成要素内を配送され、液体は、約0.1ccmから約200ccmの範囲で配送される。しかしながら、MEMS構成要素内のガス流量は、5SLMより高くなり得るし、または代わりに、0.1SLMより低くなり得る(例えば0.5SLM以下)。
【0029】
遮断弁は、システム操作(例えば、流れラインのパージまたは排気、特定された流路を通るプロセス流体の方向決定など)のさまざまな時間のあいだ選択された流れラインを封鎖および隔離するためのMEMS流体分配ブロックにおける重要な構成要素である。本発明のMEMSデバイスにおいて利用される典型的な遮断弁は、図1に描写されている。その弁は、上記の当該技術において周知である片持ち張りタイプの遮断弁に、設計および操作の点で類似している。遮断弁は、上に記載したMEMS技術のいずれかを利用して製造され、弁の各部分は、上記のいずれか適切な材料で構成されている。
【0030】
遮断弁1は、以下に述べるように弁のための流路を提供するためにブロック内に形成されるマイクロチャンネルを有する基板またはブロック4上に形成されたダイ部分2を含む。キャビティは、ダイ部分2とブロック4との間に規定され、片持ち張り型の弁部材6はキャビティ内に配置され、ダイ部分2に一方の末端で回動自在に固定されている。流体流路は、弁部材6の下に延びる一般的に水平な部分と、弁部材6とシーリングダイ部分12との相互作用により規定される弁シーリングポイントに対して上流位置で延びる一般的に垂直な部分とを含む流路と連通する一般的に垂直に延びる第1のチャンネル8により、弁内に規定される。第2のチャンネル14は、弁シーリングポイントの下流に配置され、弁シーリングポイントから延びる一般的に水平の部分と、ブロック4内に延びる一般的に垂直の部分とを含む。第1および第2のチャンネル8および14は、ブロック4上に規定され、および/またはブロック4から離れた位置に配置される他の構成要素への流体流路を提供する、ブロック4に配置される他のマイクロチャンネルと流体連通する。図1において矢印により示されるように、第1のチャンネル8は入口チャンネルとして機能し、第2のチャンネル14は弁1のための出口チャンネルとして機能する。
【0031】
通常の閉じた位置では、弁部材6は、流体が入口チャンネル8から出口チャンネル14に流れることを実質的に防止するためにシーリングダイ部分12と係合する。膜16は、ダイ部分2と弁部材6との間の位置に配置され、加熱されたとき膜16の動き行わせ、ついで、通常の閉じた位置から、シーリングダイ部分12から離れた位置への弁部材6の回動的な動き行わせる封鎖された流体を含む。レジスター要素を含むアクチュエータ18は、膜の動きとその結果としての弁部材6の回動的な動きを引き起こすように膜内の流体を加熱する電気エネルギー入力を受容する。したがって、弁1が開放位置にあるとき、流体は、図1において矢印により一般的に示されるように第1のすなわち入口チャンネル8から第2のすなわち出口チャンネル14に弁を通って動く。
【0032】
上記のように、図1の片持ち張りタイプのMEMS遮断弁は、基本的には、非対称的なシーリング特性を有する「方向性」弁である。このタイプの弁は、その弁が図1において矢印により示される正の流れの方向(すなわち、第1のすなわち入口チャンネル8から第2のすなわち出口チャンネル14)に弁を通して流れる流体に対し前方配向(forward orientation)で備えられているとき通常閉じた位置で良好に機能する。しかしながら、同じ圧力差についての流体漏出速度(すなわち、シール部材が閉じた位置にあるときのシール部材の周りで流体が漏出する流量)は、シーリングダイ部分12とのシーリング係合と反対側の方向において弁部材6に対して作用する流体のために正の流れの方向と比べて負の流れの方向において(すなわち、第2のチャンネルから第1のチャンネルへの方向において)より大きくなる。圧力差が約5〜10psi(約34.5〜70kPa)以上に増加するとき、流体漏出速度は、負の流れの方向できわめて高くなり、流体の許容可能な漏出についての半導体加工産業の標準(例えば、ヘリウムを利用するとき約1×10-9Atm*scc/sec)を超えてしまう。
【0033】
この片持ち張りタイプの弁の方向性および非対称漏出特性は、複雑で多段階の化学加工および分配のシステムにおいては問題となる。多くの複雑なシステムは、特定の目的地または配送場所への流体の配送の1次モードに加えて、流体の通気、パージおよび/または排気を必要とする。1次デリバリーモードと他のモードとの間の互換において、遮断弁を通しての圧力勾配は、システムの操作の間に逆転し得る。きわめて反応性で、毒性の高い化合物が利用される状況において(例えば、半導体製造の間)、このことは重大な問題をもたらし得る。したがって、複雑な高純度分配システムにおける通常の片持ち張りタイプのMEMS遮断弁の使用は、システムの操作の間に信頼性の問題を提起し得る。
【0034】
非対称な漏れの問題は、本発明により、分配流システムであって、そのシステムを通る流体の通常の流れに対し逆配向に位置する少なくとも1つの遮断弁を有するシステムを設けることにより解決される。好ましくは、少なくとも2つの片持ち張りタイプの弁は、互いに対し反対方向に配向されている。特に、「方向性」片持ち張りタイプの弁の一方は、弁を通る流体の通常流路に対し前方配向で(流体の通常の流れが第1のすなわち入口チャンネル8から第2のすなわち出口チャンネル14に向かう上述され、図1に描写された仕様で)設けられるが、他方の弁は、弁を通る流体の通常流路について逆配向で(すなわち、弁を通る流体の通常の流れが第2のチャンネル14から第1のチャンネル8に向かう)設けられる。この配向の典型的な態様は、図2aおよび2bに模式的に描写されるシステムブロックに描写されている。分配システムの部分が模式的に描写されている本出願で記載される図のすべてにおいて、「方向性」片持ち張りタイプ弁の前方または逆配向は、弁の第1のチャンネルから第2のチャンネルへの方向(第1と第2のチャンネルは図1に記載されているとおりである)を示す矢印によりあらわされ、弁の分割された4分の1部分は、弁が閉じた位置にあることを示すために影が付されているかまたは弁が開放位置にあることを示すために影が付されていないかいずれかであることに注意されたい。
【0035】
システムブロック40は、図1に示される弁の設計と同様である遮断弁44および46を含み、矢印42は、化学物質配送モードの間にシステムを通る流体の通常の流れを描写する。第1の弁44は、化学物質配送モードの間通常の流体流について前方配向で配向している(すなわち、弁44の第1のチャンネルは入口として機能し、第2のチャンネルは出口として機能する)。対照的に、第2の弁46は、通常の流体流について逆配向に配向し、第1の弁44について反対方向にある(すなわち、弁46の第2のチャンネルは入口として機能し、第1のチャンネルは出口として機能する)。弁は、流体がシステムを通って流れ得るように図2aにおいてはともに開いており、図2bにおいては、流体が弁間を流れないように両方の弁が閉じられている。この組み合わされた弁配向は、両方の弁が閉じられているとき、2つの弁の両方の対向する側について有効で対称的な密封を提供し、このようにして、単独の「方向性」弁では存在し得るひどい漏れについての可能性を有意に減少させる。さらに、流れ分配システムにおいてこの様式の第2のMEMS弁を追加しても、システムのサイズの増加はほとんどあるいはまったくありえない。というのは、2つの弁は、単一のMEMSブロックに統合され得るからである。
【0036】
したがって、上記の組み合わされた弁配向は、特に、強い圧力差の密封が要求され、および/またはシステム操作の間変化する圧力差が異なる分岐部分またはセクションで発生し得るシステムにおいて複雑な化学物質分配システム内で片持ち張りタイプの遮断弁を使用することを容易にする。特に、配送、真空の提供、分配ラインの洗浄および/またはパージのための流体の加圧を促進し、さらに、正確なマスフロー制御などと組み合わせられる複雑なシステムが設計され得る。
【0037】
図2aおよび2bに記載される対向する弁の対は、システム内のすべてのMEMS遮断弁の位置に配置され得る。代わりに、1以上の弁は、圧力差の逆転がシステム操作の間想定される1以上の選択された位置において、流体の通常の流れについて逆配向で(すなわち、弁の第2のチャンネルは入口チャンネルとして機能し、第1チャンネルは出口チャンネルとして機能する)配向され得る。さらに、図2aおよび2bの形態は、両方の弁の同時の開閉をもたらすように単一膜を利用するように、「対称的」な二重の、すなわち組み合わせの弁設計を組み合わせるように修正され得ることに注意すべきである。
【0038】
図3aおよび3bに描写される典型的な態様において、MEMS遮断弁は、弁を通る下流の流体の有意な漏れを防止しながら弁の上流の分配ラインの清浄を容易にするために、化学物質配送モードのあいだシステムブロックを通る流体の通常の流れ方向について逆配向で設けられる。図3aを参照すると、システムブロック50は、開放しており、半導体加工ツール(例えば、半導体製造プロセスに1以上の化学物質を配送するためのマニホールドおよび/または半導体製造プロセスにおいて利用されるいずれか通常のまたは他の製造ツール)のような特定の場所への配送のための分岐した配送ライン53(矢印52により示されている)から流体がそれを通って流れるところの第1の遮断弁54を含む。弁54は、弁を通る配送ライン53由来の流体の通常流(弁54について図3aにおいて描写される矢印により示される)について逆配向で設けられる。
【0039】
第2の遮断弁56は、第1の遮断弁54の上流に位置し、化学物質配送モードの間閉じた位置にある。第2の遮断弁56は、化学物質の配送がブロック50において中断されているとき、洗浄ガスまたは液体が分配ラインに流入し、ラインを洗浄するようにパージ弁として機能する。第3の遮断弁58は、第1と第2の遮断弁の間に位置する第2の分岐ライン上に配置されている。第3の遮断弁58もまたブロック内での化学物質の配送が休止しているとき洗浄ガスまたは液体が分配ラインに流れ込み、ラインを洗浄するようにパージ弁として機能する。第2と第3の遮断弁の両方は、システムブロックにそれぞれの弁を通って流れる流体をパージすることについて前方配向で(弁56および58について図3aにおいて描写される矢印により示されるように)設けられる。パージ流体は、化学物質配送モードの間適用される圧力より高圧に維持されるので、第2および第3の遮断弁は、パージ流体が第1の遮断弁54を通ってシステムブロックから配送位置に配送される流体と混合することを防止するように閉じた位置にあるとき強い密封を維持している。
【0040】
化学物質配送モードが中断されている間(例えば、化学物質供給源が再充填および/または変更される必要があるとき)、第1の遮断弁54は、図3bにおいて描写されているように閉じられ、分配ラインはライン53で真空を適用することによりパージおよび/または洗浄され得る。適用された真空は、ライン53(矢印59により示される)を通ってライン中の残留流体を所望される減圧された目的地(例えば収集タンク)に引く。任意に、第2および第3の遮断弁56、58の一方または両方は、化学物質配送モードに切り替えが戻される前にラインの更なる洗浄のために分配ラインにパージ/洗浄流体を配送するように開放され得る。
【0041】
真空/パージ/洗浄モードの間、第1の遮断弁54から上流の圧力は、降下し、一方、弁54から下流の圧力は、流体が化学物質配送モードで流れるときと実質的に同じに維持される。しかしながら、弁54の逆配向は、弁54からパージおよび/または洗浄される分配ラインへの化学物質流体の逆流を有効に防止する。
【0042】
図4A〜4Gにおいて模式的に描写される態様において、システムブロックは、特定の配送サイト(例えば、半導体加工ツール)への化学物質流体の配送を容易にし、さらに、単一のMEMSブロックへの分離した加圧および真空/パージ/洗浄ラインを組み込んでいる。代わりに、それらの構成要素は、互いに流体連通している選択された数の別のブロックにも統合され得ることに注意されたい。
【0043】
図4Aを参照すると、流体分配システムは、ブロックからの選択された圧力での配送のための貯蔵タンク102由来の化学物質流体を加圧し、受容する処理ブロック100を含む。具体的には、ブロック100は、図1において描写される弁と設計についてすべて同様である少なくとも5つの「方向性」片持ち張りタイプMEMS遮断弁を含む。ブロック100はさらに、タンク102から現場に配送される化学物質を測定するために所定の位置に配置される1対のMEMS圧力センサーを含む。いずれか1以上の通常のまたは他の適切なプロセッサーが、システム操作の間MEMS弁およびセンサーと連通し、制御を容易にするために利用され得る。
【0044】
加圧チャンネル101はブロック100内に配置され、ブロック100から加圧供給源(図示せず)に延びる非MEMS加圧ライン128(例えば、鋼管またはプラスチック管)と流体連通する加圧入口ポートまでに延びる。加圧源は、適切な加圧流体(例えばヘリウム)を含む供給タンクであり得る。加圧チャンネル101は、ブロック100内に延び、第1と第2の遮断弁104と106のぞれぞれの側で延びるT字管を形成する。第1と第2の遮断弁104、106は、弁を通って流れる加圧流体の通常の流れについて前方配向で、互いについて対向配向で(弁104および106について図4Aで描写される矢印により示される)、ブロック100上に設けられる。チャンネル103は、第1の遮断弁104から、ブロックから貯蔵タンク102に延びる非MEMS加圧ライン130と流体連通する加圧出口ポートまでブロック100内に延びる。任意に、従来の高純度用の非MEMS遮断弁132(例えばバタフライ弁)は、下記のシステムブロックのパージ/洗浄の時間、システムブロックからのタンクの封止および隔離を容易にするためにタンク100近くのライン130に沿って設けることができる。
【0045】
第2の遮断弁106から下流に配置され、ブロック100内に配置される主要フローチャンネル109に沿って直列に設けられているものは、以下のMEMS構成要素である(順番どおり):第1の圧力センサー108、第3の遮断弁110および第2の圧力センサー。第3の遮断弁110は、化学物質配送モードの間ブロックを通る通常流について逆配向で(図4Aにおいて弁110について矢印により示される)ブロック100内に設けられる。チャンネル109は、さらに、第2の圧力センサー112からブロック100についての出口ポートまで下流に延びる。出口ポートは、ブロック100から配送場所(例えば、半導体加工ツール)に流体を配送する非MEMS流体配送ライン122と流体連通している。
【0046】
システムブロック100内に位置する化学物質供給チャンネル113は、第1の圧力センサー108と第3の遮断弁110との間の位置で主要チャンネル109から分岐する。化学物質供給チャンネル113は、ブロック100から供給タンク102に延びる非MEMS化学物質供給ライン134と流体連通する化学物質供給ポートに延びる。任意に、従来の高純度用の非MEMS遮断弁136は、下記のシステムブロックのパージ/洗浄の間、システムブロックからのタンクの封止と隔離を容易にするようにタンク100近くのライン134に沿って設けることができる。加えて、好ましくは、ライン130および134は、真空/パージ/洗浄モードの間、システムブロックから排出ラインを通して収集場所(図示せず)まで残留流体を排出させるように排出ライン138を介して互いに接続されている。通常の、非MEMS弁140、142は、使用していない間、タンク100およびシステムブロック100からの排出ラインを封鎖するために排出ライン138上に備えられ得る。
【0047】
ガスパージ/液体フラッシュ供給ラインは、システム操作のさまざまのモードの間、加圧流体およびパージ/洗浄流体が別々に異なって流れることを容易にするようにブロック100内の加圧供給ラインから独立に提供される。特に、第4の遮断弁114は、ブロック内に配置され、第1の圧力センサー108と第3の遮断弁110の間の主要チャンネル109から分岐するチャンネル111に沿って設けられる。チャンネル111の一部は、第4の遮断弁114から、ブロック100から供給源(図示せず)に延びる非MEMSパージ/フラッシュライン124と流体連通する入口ポートに延びる。供給源は、下記の真空/パージ/洗浄モードの間、システムブロックにパージガス(例えば、窒素)またはフラッシュ液体(例えば、水性流体またはオクタン、イソプロパノール、トルエンなどのような有機流体)を配送するためのタンクであり得る。弁114は、チャンネル111を通って方向決定されるパージ/フラッシュ流体の通常の流れについて前方配向で(弁114について図4Aにおいて描写される矢印により示される)チャンネル111上に設けられる。
【0048】
チャンネル111はさらに、第4の遮断弁114の上流の位置で分岐した部分を含む。第5の遮断弁116は、チャンネル111の分岐した部分上に設けられ、弁を通って配送されるパージ/フラッシュ流体の通常の流れについて前方配向で(図4Aにおいて弁116について矢印により示される)配向する。分岐した部分は、弁114の出口からチャンネル103に延びる。
【0049】
任意に、上述の、図2aおよび2bにおいて描写された態様と同様の組み合わされた遮断弁の設計は、以下のシステムブロック100に設けることができる。図4Bを参照すると、第6の遮断弁120が、さらに、システムブロック100内に設けられ、第1の圧力センサー108と弁110との間の位置で主要チャンネル109に沿って配置される。第6の遮断弁120は、主要チャンネル109を通る流体流の通常の方向について前方配向で(弁120について図4Bにおいて描写された矢印により示される)チャンネル109上に設けられる。この遮断弁の組み合わせは、システム操作のモードの変化の間、圧力差の変動によりいずれかの方向に流体が漏れることを実質的に防止するために弁110と120の位置で弁の漏れの対称性を提供する。
【0050】
図4Aのシステムブロック100は、また、システムの大きさ(追加のMEMS遮断弁は同じシステムブロック中で設けることができるので)、体積、またはシステムの汚染への感受性について実質的に増加せずに1以上の追加の余分なMEMS遮断弁を提供するように改変され得る。追加の構成要素は、システム内の2以上の部分の間の隔離が、システム内での交差汚染の完全な回避および/または操作上の安全性を保証するために絶対的に必要である、ある種のシステムにおいて必要とされる。図4Cの典型的態様において、追加の余分な遮断弁125は、ライン内でチャンネル109にそって、圧力センサー108と遮断弁110との間に設けられる。弁125は、弁を通る流体の通常の流れについて逆配向で(弁125について図4Cにおいて描写された矢印により示される)チャンネル109上に設けられる。したがって、弁125は、チャンネル109上の弁110と同じ様式で配向している。追加の弁125は、システムブロック100内で二重の目的に貢献する。弁125の主要目的は、配送ではない操作モードの間、弁110内で不調が起こっている間、化学物質配送ライン122中の加圧流体がシステムブロック100に逆流しないことを保証することである。第2に、弁125はさらに、MEMS遮断弁の封止部分で起こり得る微小な漏れについて、数桁の大きさで、配送ライン122からシステムブロック100への流体の漏れの可能性を低下させる。
【0051】
さまざまのモードのシステム操作がこれから、図4Bおよび4D〜4Gを参照して記載される。図4Bにおいては、システムは、流体がシステムブロック100から配送場所に流れていないときの待機モードで記載されている。このモードにおいては、弁104は、タンク102内の化学流体の加圧を容易にするように開放されており、一方、弁106、110および120は、閉じたままであり、したがって、配送ライン122へのタンク102およびブロック100からの流体の流れを防止する。弁114および116はまた、弁を越えて、システムブロック100を通るパージ/フラッシュ流体の流れを防ぐためにも閉じられている。弁132および136は開かれており、一方、弁140および142は閉じられている。システムブロック100の下流の位置の流体圧力がブロック内の流体の圧力より大きい状況において(すなわち、第2の圧力センサー112で測定された圧力が第1の圧力センサー108で測定された圧力より大きい)、配送ライン122由来の流体の逆流は、弁110の逆配向のためにシステムブロックの主要部分に流れることについて実質的に最小化または回避され得る。同様に、システムブロック100内の流体が、ブロックから下流の流体圧力より大きな圧力に加圧されるとき(すなわち、第1の圧力センサー108で測定された圧力が第2の圧力センサー112で測定された圧力より大きい)、弁120は、ブロック100から配送ライン122への流体の流れを実質的に防止する。パージ/フラッシュライン124は、弁114および116でブロックからライン124への流体の漏れを防ぐためにブロック100内の圧力(センサー108により測定される)と同じかより高い圧力に維持される。
【0052】
図4Dにおいて描写されるように、化学物質配送モードの間、システムブロック100内の弁104、110および120は、タンク102内の化学流体の加圧およびライン134を通ってタンクから配送ライン122までブロック100を通る流体の流れを可能とするために開放され、一方弁106、114および116は閉じたままになっている。弁132および136もまた開放され、一方、弁140および142は閉ざされている。圧力センサー108は、タンク102内の流体圧力をモニターし、一方、圧力センサー112は、配送ライン122内の流体圧力をモニターする。プロセスコントローラーは、化学物質配送モードの間所望の速度での流体の流れを容易にするためにシステムブロック中の圧力がシステムブロックの下流の圧力より高い圧力で維持される(例えば、貯蔵タンクへの加圧された流体の流れを制御することにより)ことを保証するために用いられ得る。パージ/フラッシュライン124は、ブロックからのライン124への流体の漏れを弁114および116で防止するためにブロック100内の圧力と同じかより高い圧力に維持される(センサー108により測定される)。
【0053】
配送場所への化学物質の配送を中断し、加圧流体によりシステムブロック100を排水およびパージすることが所望されるとき、各弁は、下記のとおり、図4Eにおいて描写されているように開放され、閉鎖されている。具体的には、システムブロック100への加圧流体(例えばヘリウム)の流れを容易にし、残留流体をシステムブロックを通ってライン130および134にいたらせるのを強制するために弁104および106は開放され、弁110、114、116および120は閉じられる。弁132および136は、貯蔵タンクを隔離するために閉じられ、弁140および142は、システムブロック100から排出ライン138に排気される流体の流れを促進するために開放され、その場合、流体は次に、収集場所(例えば収集タンク)に集められる。もし化学物質配送ライン122もまたパージされるべきであるならば、弁110および120もまた加圧流体をシステムブロックから配送ライン122に流れさせるために開放され得る。システムブロックおよび化学物質配送ライン内の流体の圧力は、圧力センサー108、112によりモニターされ、パージ/フラッシュライン124は、ブロックからライン124への流体の漏れを弁114および116で防ぐためにブロック100内の圧力と同じかより高い圧力に維持される(センサー108により測定される)。
【0054】
システムブロックチャンネルおよび/またはシステムの他の流体ラインもまた、パージ/フラッシュライン124を利用するパージ/フラッシュモードにおいて、ガス(例えば窒素)または液体(例えば、水性流体またはオクタン、イソプロパノール、トルエンなどのような有機流体)により洗浄され得る。図4Fを参照すると、弁104および106は、加圧流体がシステムブロック100に入ることを防止するために閉じられている。弁110および120は、洗浄流体がライン122に入ることを防止するように閉じられている。代わりに、もし化学物質配送ライン122の洗浄が必要であるならば、弁110および120は、配送ライン122への洗浄流体の流入を可能とするように開放され得る。弁114および116の一方または両方は、システムブロックを通る洗浄流体の所望の流路に応じて、開放されている(図4Fにおいては、両方とも開放されたものとして示されている)。弁132および136は、洗浄流体が貯蔵タンク102に入ることを防止するために閉じられている。加えて、弁140および142は、ブロック100から排出ライン138を通って収集場所に向かって除去される洗浄流体および残留化学流体の流れを容易にするために開放されている。圧力センサー108および112はシステムブロック100および化学物質配送ライン122内の流体圧力をモニターし、ライン128内の加圧流体の圧力は、弁104および106での緊密な封止を維持するためにシステムブロック中の圧力(圧力センサー108によりモニターされる)と同じかまたはそれより高い圧力で維持される。閉じた弁110および120の組み合わせは、システムブロック中の洗浄流体と配送ライン内の流体の混合を実質的に防止する。
【0055】
図4Gにおいて描写されているように、排出モードにおいては、弁104、106、114および116は、加圧流体および洗浄流体のシステムブロック100の主要部分への流入を防ぐために閉じられている。弁110および120もまた、配送ライン122内の流体の逆流がシステムブロック100に逆流することを防ぐために閉じられている。代わりに、もし配送ライン122内の流体の排出が必要とされるならば、弁110および120は、そのような排出を可能とするために開放され得る。弁132および136は、システムの残りの部分からタンク102を隔離するために閉じられており、弁140および142は開放されている。システムブロック100内の残留流体および/または配送ライン122由来の流体を排出するために排出ライン138に真空を適用する(例えば、真空ポンプを介して)。
【0056】
したがって、図4A〜4Gのシステムは、きわめて信頼性が高く、システムブロック内に配置されたMEMS弁での漏れを最小化し、または実質的に防止する高純度化学物質分配システムにおける他の従来の流体処理用構成要素と一体化された複雑なMEMSブロックを提供する。特に、システムは、加圧流体に関係なく、用いられる異なるパージ/洗浄流体の使用を容易にする。この特徴は、加圧流体が高価であり、操作コストを最小化するために主として加圧目的のためのその使用を制限することが望ましいときに、きわめて重要となる。さらに、そのシステムは、上記の対称的な漏れ特性を達成するために、いずれかの数の付加的な余分のMEMS遮断弁および/またはMEMS遮断弁の組み合わせを含むように容易に改変され得る。例えば、遮断弁104、106、114および116の位置での二重の対向する遮断弁の使用(上述され、図2aおよび2bにおいて描写されている)は、加圧流体および/またはパージ/洗浄流体がそれらの弁での漏れを回避するためにある最小圧力で存在する必要性を最小化または除去し得る。そのような付加的なMEMS遮断弁の使用は、有意なシステムサイズの増加および内部体積の必要性なしに比較的容易でコストに見合うものとなる。対照的に、高純度の化学物質の配送を保証するための追加の余分のまたは他の弁を付け加えることによる従来の非MEMS流体分配システムに対する改良は、システムサイズおよび経費を有意に増加させ(高純度コネクタおよび必要とされる構成要素の数の増加のため)、ならびに、システムの汚染の可能性を増加させる(内部体積の増加および分岐したラインの洗浄、パージおよび排気における困難のため)であろう。
【0057】
本発明の別態様において、システムが、システムの上流に位置する流体プロセッサーから化学流体を受容し、配送場所に正確な圧力で流体を配送するために提供される。図5Aを参照すると、化学物質分配システムは、加圧ライン152を介して加圧源(例えば、加圧タンク)から加圧流体(例えば、ヘリウム)を受容するMEMSシステムブロック200を含む。第2のシステムブロック200は、配送場所(例えば半導体加工ツール)への分配のために化学物質を含む貯蔵タンク250(例えば、中間または「日分(day)」タンク)を加圧するように設計される。第2のシステムブロック200は、システムブロック内に配置されるチャンネル202に沿ってライン内に配列され、加圧ライン152と流体連通する入口ポートと真空/排出ライン242と流体連通する真空/排出ポートとの間に延びる多数のMEMS構成要素を含む。真空/排出ライン242は、流体収集場所(図示せず)に接続されている。
【0058】
チャンネル202の主要ラインに沿って配置されているのは、以下のMEMS構成要素である(ブロックの加圧流体入口側から順番に):入口遮断弁204、第1の比例弁206、圧力センサー208、第2の比例弁210および出口遮断弁212。MEMS比例弁206および210は、好ましくは、膜に基づくものであり、当該技術において周知であり、例えば、レッドウッド・マイクロシステムズ,Inc.(カリフォルニア州、メンロパーク)から市販されていて入手可能である。それらのMEMS構成要素の配列はすべて単一ブロック上に配置されているけれども、代わりに、それらの構成要素は、互いに流体連通するいずれか適切な数のブロック上に配置され得ることにも注意されたい。1以上のプロセッサーは、圧力センサー208を介してシステムブロック200内で測定された圧力に応答してシステムブロック200内の流体圧力を変化させるように比例弁206および210の一方または両方を操作するために遮断弁204および212の開閉をもたらすようにいずれか通常のまたは他の適切な様式で用いられる。
【0059】
入口および出口遮断弁204および212は、図1について上述される遮断弁と同様であり、それぞれの弁を通る加圧流体の通常の流れについて前方配向でチャンネル202に沿って設けられる(それぞれの弁204、212について図5Aにおいて描写される矢印により示される)。チャンネル202は、さらに、システムブロック200の出口ポートに延びる分岐した部分も含む。システムブロック200の出口ポートは、タンク250の加圧入口に接続される非MEMS加圧ライン240(例えば、金属管またはプラスチック管)と流体連通する。
【0060】
第3のシステムブロック300は、上流の流体プロセッサー(図示せず)から流体を供給する流体配送ライン260と流体連通する入口ポートを含む。主要フローチャンネル302は、第3のシステムブロック300内に配置され、そのブロックの入口ポートと出口ポートの間に延びる。主要フローチャンネル302は、弁を通り、入口ポートに由来する流体の通常流について前方配向で(弁304について図5Aで描写される矢印により示される)チャンネル上に設けられた第1の遮断弁304を含む。ブロック300の出口ポートは、配送場所(例えば、半導体加工ツール)に接続される非MEMS流体配送ライン310と流体連通する。
【0061】
主要フローチャンネル302は、さらに、弁304の上流の位置のチャンネルから延びる第1の分岐部分および弁304の下流の位置のチャンネルから延びる第2の分岐部分も含む。第1の分岐部分は、第2の遮断弁306を含み、タンク250と接続された流体移動ライン244と流体連通するブロック300の移動ポートに延びる。弁306は、弁を通り配送ライン122により供給される流体の通常流について前方配向で(弁306について図5Aにおいて描写される矢印により示される)第1の分岐部分上に設けられる。したがって、第3のシステムブロックは、第1のシステムブロック100、配送ライン122、および第3のシステムブロック300を介して上流の流体プロセッサーからタンク250への流体の供給を容易にする。
【0062】
チャンネル302の第2の分岐部分は、第3の遮断弁308を含み、タンク250と接続された流体供給ライン246と流体連通するブロック300の流体受容ポートに延びる。弁308は、弁を通りタンク250により供給される流体の通常流について前方配向で(弁308について図5Aで描写される矢印により示される)第2の分岐部分上に設けられている。
【0063】
さて、上記システムの操作を、図5A〜5Eを参照して記載する。加圧流体の圧力は、システムブロック200を介して正確に制御され、それが次に、タンク250からシステムブロック300を通り、配送ライン310にいたる化学流体の圧力および流量を正確に制御する。通常の化学物質配送モードにおいては、システムブロック200内の遮断弁204および212は開放されており、比例弁206および210もまた設定された開放位置に維持され、一方、加圧流体の圧力は、圧力センサー208によりモニターされる。圧力センサー208で測定された圧力が最小しきい値またはしきい値の範囲を下回って降下する場合、比例弁206は、ブロック200内の加圧流体の流れと圧力を増加させるためにさらに開放される。同様に、測定された圧力が上方しきい値またはしきい値の範囲を超えるとき、測定された圧力が所望の圧力範囲に当てはまるようになるまで過剰な圧力を軽減させるのにちょうど十分に比例弁210が開放される。任意に、比例弁206および210および/または遮断弁212は、所望のようにシステムブロック200内の圧力を上昇または下降させるために独立におよび/または同時に制御され得る。
【0064】
システムブロック300は、流体が上流の流体プロセッサーおよびタンク250の一方または両方から流れることを選択的に可能としながら、上流の流体プロセッサーからの流体によりタンク250を満たすことを容易にする遮断スイッチとして有効に機能する。図5Aを参照すると、弁304および306は閉じられ、一方、弁308は開いている。この形状は、流体がタンク250からシステムブロック300および配送ライン310に流れることを許容しながら、化学流体が上流の流体プロセッサーからタンク250と配送ライン310の両方に流れることを防ぐ。図5Bの形態において、タンク250から配送ライン310に流体を同時に配送しながら上流の流体プロセッサーからタンク250への充填を可能とするように弁306および308は開き、一方、弁304は閉じられている。図5Cの形態は、弁306が開き、弁304および308が閉じられていることを示し、これにより、ライン310への化学物質の配送が中断されながら、上流の流体プロセッサーからタンク250への充填が容易になる。代わりに、タンク250の充填と上流の流体プロセッサーから配送ライン310への流体の流れの両方を容易にするために、図5Dにおいて描写されるように、弁304および306は開かれ、弁308は閉じられ得る。最後に、図5Eにおいて描写されるように、タンク250がラインからはずされている間(例えば、修理または交換のため)、上流の流体プロセッサーから配送ライン310への流体の配送を容易にするために、弁306および308は閉じられ得るし、弁304は開かれ得る。
【0065】
したがって、上述され、図5A〜5Eにおいて描写されたシステムは、システムブロック200を介して加圧流体の正確な制御を容易にし、このことが、続いて、システム操作の間の化学物質流体の流量と圧力の正確な制御を容易にする。図5A〜5Eにおいて記載されるシステムは、2つのシステムブロックを利用するけれども、すべての記載されたMEMS構成要素は、代わりに、単一ブロック内設けられ得るであろうことに注意されたい。さらに、システムは、タンク250に化学物質流体を配送するための別の化学物質供給システムと一体化され得るものであり、システムブロック300は上記のように複数の流れの切り替えの選択肢を提供する。システムブロック300内のMEMS遮断弁の配向は、図5A〜5Eにおいて描写される任意のスイッチ操作のそれぞれについて流体の適切な封止を提供する。任意ではあるが、上述の、図2aおよび2bにおいて描写された設計と同様のいずれかの数の余分の弁および/または組み合わせられているかまたは二重の遮断弁形状は、システムブロック200および300においていずれかの遮断弁のために設けることができることに注意されたい。
【0066】
本発明の更なる態様は、図4Bと5Aのシステムを組み合わせ、その場合、図4Bのシステムは、図5Aのシステムのための上流の流体プロセッサーとして機能する。図6を参照すると、システムブロック100の出口ポートは、非MEMS流体配送ライン122を介してシステムブロック300の入口ポートと流体連通する。加えて、システムブロック100および200の加圧ライン128および152はそれぞれ、流体加圧源(例えば、ヘリウムタンク)150に接続される。それぞれのシステムブロックの操作は、それぞれの個々のシステムについてすでに上述されたことと実質的に同様である。したがって、図6のシステムは、配送場所への化学物質の遮断されていない供給を容易にする。例えば、主要な流体配送モードにおいて、化学物質は、主要タンク102により周期的に補充されながら(上述のように)、タンク250から供給される。主要タンク102が再充填されるか、または新たなタンクと置換される必要があるとき、タンク102は一時的にラインから外れながらタンク250から流体を供給することにより(すなわち、システムブロック300内の遮断弁の適切な切り替えにより)、化学物質配送モードは連続し得る。タンク250の置換および/または再充填は、システムブロック100内の分配ラインの排気、パージおよび/または洗浄を含み得るものであり、このことは、上述の方式で容易に達成され得る。上述の、図6において描写されたすべてのMEMS構成要素は、システムの要求に応じて、単一ブロックに含まれるであろうことにもさらに注意されたい。
【0067】
本発明のさらにもう1つの態様において、MEMSシステムブロックは、システム操作の間の選択された時間にマスフローコントローラの洗浄を容易にするために少なくとも1つの一体化されたパージまたはフラッシュラインを有するマスフローコントローラを含む。前述のように、分配システム内でのMEMSマスフローコントローラの使用は、特に流量制御装置の中によどんだ化学物質が存在するとき、MEMSに関連する極端に小さなチャンネル寸法および内部体積のために詰まりの問題を作り出し得る。パージラインまたはフラッシュラインとMEMSマスフローコントローラとの一体化は、よどんだ化学物質がマスフローコントローラのマイクロチャンネルの内側で停滞することを防ぎ、このようにして、システムブロック内のフローチャンネルの寸法(およびそれによる内部体積)を増加させる必要なく、マスフローコントローラの信頼性と性能を改善させ得る。
【0068】
マスフローコントローラMEMSシステムブロック400は、図7Aおよび7Bにおいて模式的に描写されており、使用していない時間(すなわち、ブロックを通る化学流体が流れていない時間)システムブロックから残留化学物質を除去するためのフラッシュ/パージラインを含む。具体的には、システムブロック400は、ブロック内に配置された主要フローチャンネル402に沿ってインラインでおよび直列に設けられた以下のMEMS構成要素を含む(主要チャンネル402の入口ポートから出口ポートに順番に):主要チャンネル入口ポート近くに配置される第1の遮断弁404、第1の組み合わされた圧力/温度センサー406、比例弁408、拘束流オリフィス(restricted flow orifice)410、第2の圧力センサー412および主要チャンネル出口ポート近くに配置された第2の遮断弁414。主要チャンネル402の入口ポートは、上流の流体プロセッサーからシステムブロック400への化学物質の流れを容易にするために非MEMS化学物質供給ライン420と流体連通する。同様に、主要チャンネル402の出口ポートは、配送場所(例えば、半導体加工ツール)に化学物質を供給するための非MEMS配送ライン422と流体連通する。ブロック400のすべての遮断弁は、上述され、図1において描写された遮断弁と同様である。MEMS比例弁408、圧力/温度センサー406および圧力センサー412は、当該技術において周知であり、前述の態様について上述されたものと同様である。いずれか1以上の通常のまたは他の適切なプロセッサーは、化学物質配送モードからパージ/フラッシュモードに切り替えることが所望されるとき、選択された時間にセンサーにより得られた圧力および温度測定値に基づいて弁の制御(すなわち、開閉)をもたらすように利用される。図7Aおよび7Bにおいて描写されるMEMSマスフローコントローラは、流体の流れを制御するために圧力と温度の測定値を利用するけれども、いずれか他の適切なマスフローコントローラもまた、流体の流れを制御するための1以上の他の物理的パラメーター(例えば、超音波、熱伝導度など)を利用するシステムブロック内に設けることができることに注意されたい。
【0069】
第1と第2の遮断弁404および414の両方は、主要チャンネルの入口ポートから出口ポートへの流体の通常の流れ方向について前方配向で(弁404および414について図7Aにおいて描写される矢印により示される)チャンネル402上に設けられる。
【0070】
主要チャンネル402は、さらに、1対の分岐した部分を含み、第1の分岐した部分は、第1の遮断弁404と第1の圧力/温度センサー406との間の位置に配置され、第2の分岐した部分は、オリフィス410と第2の圧力センサー412との間の位置に配置される。第1の分岐した部分は、非MEMSパージ/フラッシュ供給ライン430と流体連通する入口ポートに延びる。供給ライン430は、パージ/フラッシュ供給部分(例えば、供給タンク)に接続される。同様に、第2の分岐した部分は、収集場所(例えば、収集タンク)と接続する非MEMS収集ライン432と流体連通する出口ポートに延びる。任意に、収集ライン432は、下記のようにパージ/フラッシュモードの間ブロック400からの流体の除去を促進するために真空ポンプを含み得る。
【0071】
第3の遮断弁424は、供給ライン430からシステムブロック400に供給されるパージ/フラッシュ流体の通常の流れ方向について逆配向で(弁424について図7Aで描写される矢印により示される)第1の分岐部分上に設けられる。第4の遮断弁426は、システムブロック400を通って収集ライン432に流れるパージ/フラッシュ流体の通常の流れ方向について前方配向で(弁426について図7において描写される矢印により示される)第2の分岐部分上に設けられる。
【0072】
図7Aにおいて描写されるように、システム操作の化学物質配送モードの間、遮断弁424および426は、パージ/フラッシュ流体の流れがシステムブロック400の主要フローチャンネル402に入ることを防止するために閉じられ、一方、遮断弁404および414は、化学流体の流れが主要フローチャンネル402を通ることを許容するように開いている。ライン430内のパージ/フラッシュ流体の圧力は、パージ/フラッシュ流体の漏れが弁424を通ることを防ぐようにシステムブロック400の主要チャンネル402を通って流れる流体の圧力以下に維持される。比例弁410は、システムブロック400を通って配送場所まで正確な化学物質流量を達成するように所定の測定された温度で第1の圧力/温度センサー406と第2の圧力センサー412との間の所望の圧力差を達成するためにさまざまの開放/閉鎖位置に対して較正される。
【0073】
配送場所への化学物質の配送が中断されるべきであり、パージ/フラッシュモードが実施される時間は、図7Bに描写されるように、遮断弁404および414は、主要チャンネル402を通ってシステムブロックに出入する化学物質の流れを止めるために閉じられている。遮断弁424および426は、パージ/フラッシュ流体(例えば、窒素)がシステムブロック400の主要チャンネル部分を通って流れることを可能とするように開かれている。ライン420内の流体は、弁404からライン420へのパージ/フラッシュ流体の漏れを防ぐためにシステムブロック400内の主要チャンネル402を通って流れるパージ/フラッシュ流体と同じかそれより大きな圧力で維持される。流れるパージ/フラッシュ流体は、主要チャンネル402中に存在する残留化学物質を収集ライン432に向かって除去し、このようにして、主要チャンネルならびに主要チャンネルに沿って配置されるMEMS構成要素内の遮蔽を実質的に最小化または防止する。
【0074】
したがって、システムブロック400は、MEMS構成要素内の潜在的な遮蔽を減少させるかなくすためにパージ/フラッシュラインと一体化する信頼性の高いMEMSマスフローコントローラを提供する。化学物質配送モードとシステムのパージ/フラッシュモードとの間の切り替えは、速やかにかつ容易に達成され、その場合、マスフローコントローラ構成要素は、遮断弁404および414によりブロック内で速やかに隔離され得る。システムブロック400はまた、システムの性能を高め、弁のいずれかを通る潜在的な漏れを最小化するために上記のようにいずれかの数の適切な余分の遮断弁および/または遮断弁の組み合わせを含むようにも改良され得る。必要であれば、付加的なパージ/フラッシュラインもまたシステムブロック寸法と内部体積を有意に増加させること無くシステムブロック内に容易に付け加えられ得る。
【0075】
図7Aおよび7Bのシステムブロック400は、配送場所に正確な圧力の制御と流体の流れを提供する複雑な高純度の化学物質配送システムを達成するように図6のシステムと組み合わせられ得る。図8を参照すると、システム態様は模式的に描写され、ここで、システムブロック400は、システムブロック300の出口ポートと流体連通する流体配送ライン310をシステムブロック400の入口ポートに(すなわち、弁404のすぐ上流の位置で)接続することにより図6において描写されているシステム中に設けられる。ブロック400の配送ライン422は、半導体加工ツール500と接続されている。
【0076】
このように、上述され、図面に描写された多くの態様は、MEMS構成要素により配送されるプロセス流体の汚染の可能性を最小化しながら半導体製造または他のプロセスのために高純度の流体を高い信頼性で配送するために複雑な分配システム内でのMEMS構成要素の組み合わせを容易にする。MEMS構成要素は、単一ブロック上に一体化され得るかまたは、代わりに、複数のブロックが互いに流体連通し、好ましくは、機能性グループ(例えば、加圧グループ、流量制御グループなど)として配列される。
【0077】
化学物質配送システム内の高純度流体を配送するための新規なマイクロエレクトロメカニカルシステムを記述してきたが、他の修正、変更および変化が本明細書に記載される教示により当業者に示唆されると思われる。それゆえ、すべてのそのような変更、修正および変化は、特許請求の範囲により規定される本発明の範囲に当てはまると思われるものと理解される。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明による高純度分配システムにおいて用いられる「方向性」MEMS遮断弁の断面図である。
【図2A】対称的シーリング特性を有する組み合わされた弁を確立するために本発明による互いについて対向方向に配向された2つの「方向性」MEMS遮断弁を含む流体分配システムの模式図を描写する。
【図2B】対称的シーリング特性を有する組み合わされた弁を確立するために本発明による互いについて対向方向に配向された2つの「方向性」MEMS遮断弁を含む流体分配システムの模式図を描写する。
【図3A】本発明による配送モードでの流体の流れについて逆配向で配置される「方向性」MEMS遮断弁を有する操作の真空/パージ/洗浄モードの操作を含む流体分配ブロックの模式図を描写する。
【図3B】本発明による配送モードでの流体の流れについて逆配向で配置される「方向性」MEMS遮断弁を有する操作の真空/パージ/洗浄モードの操作を含む流体分配ブロックの模式図を描写する。
【図4A】本発明による化学物質貯蔵タンクと流体配送ラインと流体連通する複数のMEMS遮断弁およびMEMS圧力センサーを有する流体分配ブロックを含む流体分配システムの模式図を描写する。
【図4B】本発明による化学物質貯蔵タンクと流体配送ラインと流体連通する複数のMEMS遮断弁およびMEMS圧力センサーを有する流体分配ブロックを含む流体分配システムの模式図を描写する。
【図4C】本発明による化学物質貯蔵タンクと流体配送ラインと流体連通する複数のMEMS遮断弁およびMEMS圧力センサーを有する流体分配ブロックを含む流体分配システムの模式図を描写する。
【図4D】本発明による化学物質貯蔵タンクと流体配送ラインと流体連通する複数のMEMS遮断弁およびMEMS圧力センサーを有する流体分配ブロックを含む流体分配システムの模式図を描写する。
【図4E】本発明による化学物質貯蔵タンクと流体配送ラインと流体連通する複数のMEMS遮断弁およびMEMS圧力センサーを有する流体分配ブロックを含む流体分配システムの模式図を描写する。
【図4F】本発明による化学物質貯蔵タンクと流体配送ラインと流体連通する複数のMEMS遮断弁およびMEMS圧力センサーを有する流体分配ブロックを含む流体分配システムの模式図を描写する。
【図4G】本発明による化学物質貯蔵タンクと流体配送ラインと流体連通する複数のMEMS遮断弁およびMEMS圧力センサーを有する流体分配ブロックを含む流体分配システムの模式図を描写する。
【図5A】本発明による化学物質貯蔵タンクおよび流体配送ラインと流体連通する複数のMEMS構成要素を有する流体加圧ブロックと弁スイッチブロックを含む別の流体分配システムの模式図を描写する。
【図5B】本発明による化学物質貯蔵タンクおよび流体配送ラインと流体連通する複数のMEMS構成要素を有する流体加圧ブロックと弁スイッチブロックを含む別の流体分配システムの模式図を描写する。
【図5C】本発明による化学物質貯蔵タンクおよび流体配送ラインと流体連通する複数のMEMS構成要素を有する流体加圧ブロックと弁スイッチブロックを含む別の流体分配システムの模式図を描写する。
【図5D】本発明による化学物質貯蔵タンクおよび流体配送ラインと流体連通する複数のMEMS構成要素を有する流体加圧ブロックと弁スイッチブロックを含む別の流体分配システムの模式図を描写する。
【図5E】本発明による化学物質貯蔵タンクおよび流体配送ラインと流体連通する複数のMEMS構成要素を有する流体加圧ブロックと弁スイッチブロックを含む別の流体分配システムの模式図を描写する。
【図6】図4Bおよび5Aにおいて描写されるシステムの統合の模式図を描写する。
【図7A】本発明によるMEMS構成要素を用いるマスフローコントローラーシステムブロックの模式図を描写する。
【図7B】本発明によるMEMS構成要素を用いるマスフローコントローラーシステムブロックの模式図を描写する。
【図8】図6および7のシステムの統合の模式図を描写する。
【符号の説明】
【0079】
1,44,46,54,56,58,104,106,110,114,116,120,125,132,136,140,142、204,206,210,212,304,306,308,404,408,414…弁、2…ダイ部分、4…ブロック、6…弁部材、8,14,103,109,111,113,202,302,402…チャンネル、12…シーリングダイ部分、16…膜、18…アクチュエータ、40,50,100,200,300,400…システムブロック、53,122,124,134,152,244,246,260,310,422…配送ライン、100…処理ブロック、101,202…加圧チャンネル、102,250…貯蔵タンク、108,112,208,406,412…圧力センサー、128,130,152,240…加圧ライン、138,242…排出ライン、410…オリフィス、500…半導体加工ツール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の弁であって、入口、出口、並びに前記入口と出口の間に設けられ、圧力差が該第1の弁の入口と出口の間で対向方向に等しく適用される場合、該第1の弁の入口圧力が出口圧力より大きいときに比べて出口圧力が入口圧力より大きなときに当該シール部材を通る流体漏出速度がより高速になるように該入口と出口の間に非対称的な流体のシールを選択的に提供するためのシール部材を含む第1の弁、および
第1の弁の下流に配置された第2の弁であって、入口、出口、並びに該入口と出口との間に設けられ、圧力差が該第2の弁の入口と出口の間で対向方向に等しく適用される場合、該第2の弁の出口圧力が入口圧力より大きいときに比べて入口圧力が出口圧力より大きなときに当該シール部材を通る流体漏出速度がより高速になるように該入口と出口の間に非対称的な流体のシールを選択的に提供するためのシール部材を含む第2の弁
を備える流体分配システム。
【請求項2】
第1の弁および第2の弁を備え、該第1と第2の弁のそれぞれは、第2のチャンネルと流体連通する第1のチャンネル、並びに該第1のチャンネルと第2のチャンネルの間に配置され、圧力差が該第1と第2のチャンネルの間で対向方向に等しく適用される場合、該第1のチャンネル中の流体圧力が該第2のチャンネル内の流体圧力より大きいときに比べて、該第2のチャンネル内の流体圧力が該第1のチャンネル内の流体圧力より大きいときに当該封止部材を通る流体漏出速度がより高速になるように該第1のチャンネルと該第2のチャンネルの間に非対称な流体の封止を選択的に提供するためのシール部材を含み、
該第1および第2の弁は、該第1の弁の該第2のチャンネルが該第1の弁の出口として機能するとき該第2の弁の該第2のチャンネルが該第2の弁の入口として機能するように互い対して対向配向で該システム内に設けられている
流体分配システム。
【請求項3】
該第1および第2の弁のそれぞれの少なくとも一部が、1のブロック内に形成されており、かつ該ブロック内に配置され該第1の弁と第2の弁の間に延びる少なくとも1つのチャンネルと流体連通する請求項2記載のシステム。
【請求項4】
該第1および第2の弁およびブロックの一部がシリコンで形成されている請求項3記載のシステム。
【請求項5】
該ブロック内に配置された少なくとも1つのチャンネルの断面寸法が、約200マイクロメートル以下である請求項3記載のシステム。
【請求項6】
該ブロックに一体化され、該第1と第2の弁および該ブロック内に配置されたチャンネルと流体連通するセンサーをさらに備え、該センサーは該第1および第2の弁を通って流れる流体の物理的特性を測定する請求項3記載のシステム。
【請求項7】
第2のブロックであって、該第1と第2の弁と流体連通し、該第2のブロック内に配置された複数のチャンネルを含む第2のブロックをさらに備える請求項3記載のシステム。
【請求項8】
流体供給源、
1のブロックであって、該ブロック内に配置された少なくとも1つの流体分配チャンネルと、該少なくとも1つの流体分配チャンネルを介して該ブロックの当該入口ポートから出口ポートへ第1の方向において流体を受容し配送するための該流体供給源と流体連通する入口ポートを含むブロック、および
少なくとも部分的に該ブロック内に形成され、該少なくとも1つの流体分配チャンネルと流体連通する弁であって、圧力差が該第1の方向および該第1の方向と対向する第2の方向において該弁を通して等しく適用される場合、流体が第2の方向に流れるときに比べて流体が第1の方向に流れるときに当該シール部材を通る流体の漏出速度がより高速になるように対称的な流体の封止を選択的に提供するシール部材を含む弁
を備える流体分配システム。
【請求項9】
流体分配ブロックであって、
該ブロック内に配置され、加圧流体供給源から加圧流体を受容するための加圧入口ポートとプロセス流体供給源への加圧流体の配送を促進するための加圧出口ポートとの間に延びる、該プロセス流体供給源内に配置されたプロセス流体を加圧するための加圧供給チャンネル、
該ブロック内に配置され、該プロセス流体供給源から流体を受容するためのプロセス入口ポートとブロックからのプロセス流体を配送場所に配送するためのプロセス出口ポートとの間に延びるプロセス配送チャンネル、
該ブロック内に配置され、パージ流体供給源からパージ流体を受容するためのパージ入り口ポートとパージ流体収集場所に流体を配送するためのパージ出口ポートとの間に延びるパージチャンネル、および
該ブロック内に少なくとも部分的に形成された複数の弁
を備え、
該加圧供給チャンネル、該プロセス配送チャンネルおよび該パージチャンネルが互いに流体連通し、少なくとも1つの弁が該ブロック内の他のチャンネルに対してそれぞれのチャンネルの選択的隔離を促進するようにそれぞれのチャンネルと流体連通する
流体分配ブロック。
【請求項10】
該ブロック内のチャンネルの断面寸法が約200マイクロメートル以下である請求項9記載の流体分配ブロック。
【請求項11】
該プロセス配送チャンネルと流体連通する該少なくとも1つの弁が、該プロセス出口ポート近くに配置される遮断弁を含む請求項9記載の流体分配ブロック。
【請求項12】
該ブロック内に少なくとも部分的に形成され、該遮断弁の上流の位置で該プロセス配送チャンネルと流体連通する第1の圧力センサー、および
該ブロック内に少なくとも部分的に形成され、該遮断弁の下流の位置で該プロセス配送チャンネルと流体連通する第2の圧力センサー
をさらに含む請求項11記載の流体分配ブロック。
【請求項13】
該遮断弁が、圧力差が該プロセス入口ポートから該プロセス出口ポートへの第1の方向および第1の方向に対向する第2の方向において該弁を通して等しく適用される場合、流体が該第2の方向に流れるときに比べて流体が該第1の方向に流れるときに当該シール部材を通る流体の漏出速度がより高速であるように非対称的な流体の封止を選択的に提供するシール部材を含む請求項11記載の流体分配ブロック。
【請求項14】
該プロセス配送チャンネルと流体連通する該少なくとも1つの弁が、該第1の遮断弁の上流に配置され、それと近接している第2の遮断弁をさらに含む請求項13記載の流体分配ブロック。
【請求項15】
該第2の遮断弁が、圧力差が該第1の方向および該対向する第2の方向において該弁を通して等しく適用される場合、流体が該第2の方向に流れるときに比べて流体が該第1の方向に流れるときに当該シール部材を通る流体の漏出速度がより高速になるように非対称的な流体の封止を選択的に提供するシール部材を含む請求項14記載の流体分配ブロック。
【請求項16】
該第2の遮断弁が、圧力差が該第1の方向および該対向する第2の方向において該弁を通して等しく適用される場合、流体が該第1の方向に流れるときに比べて流体が該第2の方向に流れるときに当該シール部材を通る流体の漏出速度がより高速になるように非対称的な流体の封止を選択的に提供するシール部材を含む請求項14記載の流体分配ブロック。
【請求項17】
該ブロックおよび弁の一部がシリコンで形成されている請求項9記載の流体分配ブロック。
【請求項18】
第1のブロックであって、該第1のブロック内に配置される加圧チャンネル、該第1のブロック内に少なくとも部分的に形成され、該加圧チャンネルと流体連通する圧力センサー、および第1のプロセス流体供給源まで加圧流体を配送する前に選択された圧力まで加圧供給源から加圧チャンネルに入る加圧流体の加圧を促進するための、該第1のブロック内に少なくとも部分的に形成され、該加圧チャンネルと流体連通する複数の弁を含む第1のブロック、および
第2のブロックであって、該第2のブロック内に配置された配送チャンネルのネットワーク、並びに該第2のブロック内に少なくとも部分的に設けられ、該第1のプロセス流体供給源および第2の流体供給源の少なくとも1つから配送場所までのプロセス流体の供給を促進するための、該配送チャンネルのネットワークと流体連通する複数の弁を含む第2のブロック
を備える流体分配システム。
【請求項19】
該第1および第2のブロックのそれぞれにおける該チャンネルの断面寸法が約200マイクロメートル以下である請求項18記載の流体分配システム。
【請求項20】
該第1および第2のブロック並びに該第1および第2のブロックのそれぞれの弁が、少なくとも部分的にシリコンから形成されている請求項18記載の流体分配システム。
【請求項21】
該第2のブロックが、第1のプロセス流体供給源から配送場所に、第2のプロセス流体供給源から配送場所への、第2のプロセス流体供給源から第1のプロセス流体供給源への、およびそれらの組み合わせのうちの1つのプロセス流体の選択的配送を容易にするように独立に制御可能な第1、第2および第3の遮断弁を含む請求項18記載の流体分配システム。
【請求項22】
該第1、第2および第3の遮断弁が、さらに、第2のブロックから配送場所への流体の配送を防止しながら、第2のプロセス流体供給源から第1のプロセス流体供給源へのプロセス流体の配送を容易にするために独立に制御可能である請求項18記載の流体分配システム。
【請求項23】
該第1、第2および第3の遮断弁のそれぞれが、第2のチャンネルと液体連通する第1のチャンネル、並びに圧力差が該第1と第2のチャンネルの間に対向方向に等しく適用される場合に、該第1のチャンネル中の流体圧力が該第2の圧力中の流体圧力よりも大きいときに比べて、該第2のチャンネル中の流体圧力が該第1のチャンネル中の流体圧力より大きいときに当該シール部材を通る流体の漏出速度がより高速となるように該第1と第2のチャンネルの間に非対称的な流体の封止を選択的に提供するための、該第1と第2のチャンネルの間に配置されるシール部材を含む請求項22記載の流体分配システム。
【請求項24】
第1のプロセス流体供給源、
該第1のプロセス流体供給源と流体連通する第1のブロックであって、該ブロック内に配置される加圧チャンネル、該第1のブロック内に少なくとも部分的に形成され、該加圧チャンネルと流体連通する圧力センサー、および第1のブロック内に少なくとも部分的に形成され、該第1のプロセス流体供給源への加圧流体の配送の前に、加圧供給源から加圧チャンネルに入る加圧流体の選択された圧力への加圧を容易にするための、該加圧チャンネルと流体連通する複数の弁を含む第1のブロック、および
第1のプロセス供給源と流体連通する第2のブロックであって、該第2のブロック内に配置される配送チャンネルのネットワーク、および該第2のブロック内に少なくとも部分的に形成され、該第1のプロセス流体供給源および第2の流体供給源の少なくとも1つから配送場所へのプロセス流体の供給を容易にするための、該配送チャンネルのネットワークと流体連通する複数の弁を含む第2のブロック
を備える流体分配システム。
【請求項25】
一体化された流量計および内部パージシステムであって、
流体供給源から該システムへの流体の入力を選択的に制御するための、該システムの主要流路と流体連通する第1の遮断弁、
該システムから配送場所への流体の出力を選択的に制御するための、該主要流路と流体連通する第2の遮断弁、
流量計であって、
該主要流路と流体連通し、該第1および第2の遮断弁の間に配置されるセンサーであって、該主要流路を通って流れる流体の物理的特性を測定するセンサー、および
該主要流路と流体連通し、第1と第2の遮断弁の間に配置され、該センサーの測定結果に基づいて該主要流路を通って流れる流体の流量を選択的に制御するための制御弁
を備える流量計、並びに
パージ配送ラインであって、
該主要流路と流体連通するパージ入口流路、およびパージ流体供給源から該パージ入口流路へのパージ流体の配送を促進するためのパージ入口ポートであって、該パージ流体入口流路は、該第1の遮断弁と該流量計の間に配置されており、かつ該パージ流体供給源から該パージ入口流路へのパージ流体の流れを選択的に制御するための第3の遮断弁をさらに含むところのもの、および
該主要流路と流体連通するパージ出口流路、および該パージ出口流路からパージ流体収集場所へのパージ流体の配送を容易にするためのパージ出口ポートであって、該パージ出口流路は、該流量計と該第2の遮断弁の間に配置されており、かつ該パージ出口流路からパージ流体収集場所へのパージ流体の流れを選択的に制御する第4の遮断弁をさらに含むとことのもの
を備えるパージ配送ライン
を備える一体化された流量計および内部パージシステム。
【請求項26】
該主要流路、遮断弁、流量計およびパージ流体配送ラインのそれぞれが1のブロック内に少なくとも部分的に形成されている請求項25記載のシステム。
【請求項27】
該主要流路、パージ入口流路およびパージ出口流路が該ブロック内に配置されるチャンネルを備え、そのチャンネルの断面寸法が約200マイクロメートル以下である請求項26記載のシステム。
【請求項28】
該ブロックが少なくとも部分的にシリコンで形成される請求項26記載のシステム。
【請求項29】
該第1、第2、第3および第4の遮断弁のそれぞれが、第2のチャンネルと流体連通する第1のチャンネル、並びに該第1および第2のチャンネル間に配置され、圧力差が該第1と第2のチャンネルの間で対向方向に等しく適用される場合、該第1のチャンネル中の流体の圧力が該第2のチャンネル中の流体の圧力より大きいときに比べて、該第2のチャンネル中の流体の圧力が該第1のチャンネル中の流体の圧力より大きいときに当該シール部材を通る流体の漏出速度がより高速であるように該第1のチャンネルと該第2のチャンネルの間に非対称な流体の封止を選択的に提供するためのシール部材を含む請求項26記載のシステム。
【請求項30】
流体分配システムであって、
プロセス流体を含むプロセス流体供給源、
該流体供給源と流体連通する第1のプロセスブロックであって、
該第1のプロセスブロック内に配置され、加圧流体供給源からの加圧流体を受容するための加圧入口ポートとプロセス流体供給源内に配置されるプロセス流体を加圧するためのプロセス流体供給源への加圧流体の配送を容易にするための加圧出口ポートとの間に延びる加圧供給チャンネル、
該第1のプロセスブロック内に配置され、該プロセス流体供給源からの流体を受容するプロセス入口ポートと該第1のプロセスブロックから第1の配送ラインにプロセス流体を配送するためのプロセス出口ポートとの間に延びるプロセス配送チャンネル、
該第1のプロセスブロック内に配置され、パージ流体供給源からのパージ流体を受容するためのパージ入口ポートとパージ流体収集場所に流体を配送するためのパージ出口ポートの間に延びるパージチャンネル、および
第1のプロセスブロック内に少なくとも部分的に形成される複数の弁
を備える第1のプロセスブロック
を備え、
該加圧供給チャンネル、プロセス配送チャンネルおよびパージチャンネルが互いに流体連通し、少なくとも1つの弁が該第1のプロセスブロック内の他のチャンネルに対してそれぞれのチャンネルの選択的隔離を容易にするためにそれぞれのチャンネルと流体連通する
流体分配システム。
【請求項31】
2次プロセス流体供給源、
該加圧流体供給源および該2次プロセス流体供給源と流体連通する第2のブロックであって、
該第2のブロック内に配置された加圧チャンネル、該第2のブロック内に少なくとも部分的に形成され、該加圧チャンネルと流体連通する圧力センサー、および該2次プロセス流体供給源への加圧流体の配送の前に加圧供給源から加圧チャンネルに入る加圧流体の選択された圧力までの加圧を容易にするための、該加圧チャンネルと流体連通する複数の弁
を備える第2のブロック、並びに
第3のブロックであって、該第3のブロック内に配置される配送チャンネルのネットワーク、および該第3のブロック内に少なくとも部分的に形成され、該配送チャンネルのネットワークと流体連通する複数の弁を含み、該配送チャンネルのネットワークは、該プロセス流体供給源および該2次流体供給源の少なくとも1つから第2の配送ラインへのプロセス流体の供給を容易にするための、プロセス流体供給源および2次プロセス流体供給源のそれぞれと流体連通する第3のブロック
をさらに備える請求項30記載のシステム。
【請求項32】
該第2の配送ラインと流体連通する第4のブロックであって、
該第4のブロック内に配置される主要フローチャンネル、
該第4のブロック内に少なくとも部分的に形成され、該第2の配送ラインから該システムへの流体の入力を選択的に制御するための、該主要フローチャンネルと流体連通する第1の遮断弁、
該第4のブロック内に少なくとも部分的に形成され、該システムから配送場所への流体の出力を選択的に制御するための、該主要フローチャンネルと流体連通する第2の遮断弁、
流量計であって、
第4のブロック内に少なくとも部分的に形成され、該主要フローチャンネルと流体連通し、該第1および第2の遮断弁の間に配置されるセンサーであって、該主要流路を通って流れる流体の物理的特性を測定するセンサー、および
第4のブロック内に少なくとも部分的に形成され、該主要フローチャンネルと流体連通し、該センサーの測定に基づいて該主要フローチャンネルを通って流れる流体の流量を選択的に制御するための、該第1および第2の遮断弁の間に配置される制御弁
を備える流量計、
該第4のブロック内に配置され、該主要流路と流体連通するパージ入口フローチャンネル、および第2のパージ流体供給源から該パージ入口流路へのパージ流体の配送を容易にするためのパージ入口ポートであって、該パージ流体入口フローチャンネルは、第1の遮断弁と該流量計との間に配置されており、かつ該第2のパージ流体供給源から該パージ入口フローチャンネルへのパージ流体の流れを選択的に制御するための第3の遮断弁をさらに含むところのもの、並びに
該第4のブロック内に配置され、該主要流路と流体連通するパージ出口フローチャンネル、および該パージ出口フローチャンネルから第2のパージ流体収集場所へのパージ流体の配送を容易にするためのパージ出口ポートであって、パージ出口フローチャンネルは、該流量計と該第2の遮断弁の間に配置され、該パージ出口フローチャンネルから第2のパージ流体収集場所へのパージ流体の流れを選択的に制御するための第4の遮断弁をさらに含むところのもの
を備える第4のブロックをさらに備える請求項31記載のシステム。
【請求項33】
流体の流れ分配システム中で互いに流体連通する第1の弁と第2の弁の間の流体の漏れを減少させる方法であって、それぞれの弁は、第2のチャンネルと流体連通する第1のチャンネル、および該第1のチャンネルと第2のチャンネルの間に配置され、圧力差が該第1と第2のチャンネルの間で対向方向において等しく適用される場合、該第1のチャンネル中の流体圧力が該第2のチャンネル中の流体圧力より大きいときに比べて該第2のチャンネル中の流体圧力が第1のチャンネル内の流体圧力より大きいときに当該シール部材を通る流体漏出速度がより高速であるように該第1と第2のチャンネルの間に非対称の流体の封止を提供するシール部材を含むものであるところの方法であり、
(a)該第1の弁の第2のチャンネルが該第1の弁の出口として機能するとき、該第2の弁の該第2のチャンネルが該第2の弁の入口として機能するように、該第1と第2の弁の間に組み合わされた対称的な封止を達成するために該システム中で該第1と第2の弁を配向させる
ことを含む方法。
【請求項34】
該第1と第2の弁のそれぞれの少なくとも一部が、1のブロック内に形成されており、該ブロック中に配置され、該第1と第2の弁の間に延びる少なくとも1つのチャンネルと流体連通する請求項33記載の方法。
【請求項35】
該第1の弁および第2の弁の一部およびブロックがシリコンで形成される請求項34記載の方法。
【請求項36】
該ブロック内に配置された少なくとも1つのチャンネルの断面寸法が約200マイクロメートル以下である請求項34記載のシステム。
【請求項37】
第1のプロセス流体供給源および第2のプロセス流体供給源の少なくとも1つから第1のブロックおよび第2のブロックを含む分配システムを利用する配送場所に制御された流量でプロセス流体を配送する方法であって、該第1のブロックは、該ブロック内に配置される加圧チャンネルおよび第1のブロック内に少なくとも部分的に形成され、加圧チャンネルと流体連通する圧力センサーを含み、該第2のブロックは、該第2のブロック内に配置される配送チャンネルのネットワークおよび該第2のブロック内に少なくとも部分的に形成され、配送チャンネルのネットワークと流体連通する複数の弁を含むところの方法であり、
(a)該第1のブロック、加圧供給源、および第1のプロセス流体供給源の間の流体連通を容易にすること、
(b)該加圧供給源から該第1のブロックの該加圧チャンネルに入る加圧流体を選択された圧力まで加圧すること、
(c)該選択された圧力で加圧流体を該第1のプロセス流体供給源に配送すること、
(d)該第2のブロックと第1および第2の流体供給源のそれぞれと該流体配送場所の間の流体連通を容易にすること、および
(e)該第1のプロセス流体供給源および該第2の流体供給源の少なくとも1つから該配送場所にプロセス流体を供給するために開いた位置と閉じた位置の間で該第2のブロックの弁の少なくとも1つを操作すること
を含む方法。
【請求項38】
該第1と第2のブロックのそれぞれ内のチャンネルが約200マイクロメートル以下である請求項37記載の方法。
【請求項39】
該第1と第2のブロックおよび第1と第2のブロックのそれぞれの弁が少なくとも部分的にシリコンで形成されている請求項37記載の方法。
【請求項40】
該第2のブロックが、第1のプロセス流体供給源の1つから配送場所への、第2のプロセス流体供給源の1つから配送場所への、第2のプロセス流体供給源の1つから第1のプロセス流体供給源への、およびそれらの組み合わせのプロセス流体の選択的配送を容易にするように独立に操作される第1、第2および第3の遮断弁を含む請求項37記載の方法。
【請求項41】
該第1、第2および第3の遮断弁を、さらに、該第2のブロックから配送場所への流体の配送を防止しながら、該第2のプロセス流体供給源から該第1のプロセス流体供給源へのプロセス流体の配送を容易にするように独立に操作する請求項40記載の方法。
【請求項42】
該第1、第2および第3の遮断弁のそれぞれが、第2のチャンネルと流体連通する第1のチャンネル、および該第1および第2のチャンネルの間に配置され、圧力差が該第1と第2のチャンネルの間で対向方向において等しく適用される場合、該第1のチャンネル内の流体圧力が該第2のチャンネル内の流体圧力より大きいときに比べて、該第2のチャンネル内の流体圧力が該第1のチャンネル内の流体圧力より大きいときに当該シール部材を通る流体の漏出速度がより高速であるように該第1と第2のチャンネルの間に非対称的な流体のシールを選択的に提供するためのシール部材を含む請求項40記載の方法。
【請求項43】
組み合わされた流量計および内部パージシステムを操作する方法であって、該システムは主要流路、該主要流路と流体連通する第1の遮断弁、該主要流路と流体連通する第2の遮断弁、該第1と第2の遮断弁の間に配置され、該主要流路と流体連通するセンサーと制御弁を含む流量計、並びに該主要流路と流体連通するパージ入口流路と、パージ入口ポートと、該主要流路と流体連通するパージ出口流路と、パージ出口ポートとを含むパージ配送ラインを含み、該パージ流体入口流路は第3の遮断弁を含み、該第1の遮断弁と該流量計の間に配置され、該パージ出口流路は第4の遮断弁を含み、該流量計と該第2の遮断弁との間に配置されているところの方法であり、
(a)該主要流路とプロセス流体供給源との間の流体連通を容易にすること、
(b)該第3と第4の遮断弁が閉じられている間、プロセス流体供給源から主要流路を通るプロセス流体の流れを容易にするために該第1と第2の遮断弁を開くこと、
(c)該センサーにより該主要流路を通るプロセス流体の流れの物理的特性を測定し、測定された物理的特性に基づいてプロセス流体の流量を制御するために該制御弁を操作すること、
(d)該主要流路を通るプロセス流体の流れをふさぐために該第1と第2の遮断弁を選択的に閉じること、
(e)該パージ入口ポートおよびパージ流体供給源と該パージ出口ポートおよびパージ流体収集源との間の流体連通を容易にすること、および
(f)該第1と第2の遮断弁を閉じながら、該パージ流体収集源から、該パージ流体入口流路、該主要流路および該パージ流体出口流路を通ってパージ流体収集場所に至るパージ流体の流れを容易にするために該第3と第4の遮断弁を開くこと
を含む方法。
【請求項44】
該主要流路、遮断弁、流量計およびパージ流体配送ラインのそれぞれが少なくとも部分的に、ブロック内に形成される請求項43記載の方法。
【請求項45】
該主要流路、パージ入口流路およびパージ出口流路がブロック内に配置されたチャンネルを含み、該チャンネルの断面寸法が約200マイクロメートル以下である請求項44記載の方法。
【請求項46】
該ブロックが少なくとも部分的にシリコンで形成されている請求項44記載の方法。
【請求項47】
該第1、第2、第3および第4の遮断弁のそれぞれが、第2のチャンネルと流体連通する第1のチャンネル、および該第1と第2のチャンネルの間に配置され、圧力差が該第1と第2のチャンネルの間で対向方向に等しく適用されるときには、該第1のチャンネル内の流体圧力が該第2のチャンネル内の流体圧力より大きいときに比べて該第2のチャンネル内の流体圧力が該第1のチャンネル内の流体圧力より大きいときに当該シール部材を通る流体の漏出速度がより高速であるように該第1と第2のチャンネルとの間に非対称的な流体の封止を選択的に提供するシール部材を含む請求項44記載の方法。
【請求項48】
貯蔵位置から配送場所にプロセス流体を配送する方法であって、
(a)流体供給源と流体連通する第1のプロセスブロックであって、該第1のプロセスブロック内に配置され、加圧入口ポートと加圧出口ポートとの間に延びる加圧供給チャンネル、第1のプロセスブロック内に配置され、プロセス入口ポートとプロセス出口ポートとの間に延びるプロセス配送チャンネル、該第1のプロセスブロック内に配置され、パージ入口ポートとパージ出口ポートとの間に延びるパージチャンネル、および該第1のプロセスブロック内に少なくとも部分的に形成される複数の弁を含む第1のプロセスブロックを提供し、ここで該加圧供給チャンネル、該プロセス配送チャンネルおよび該パージチャンネルはすべて互いに流体連通し、少なくとも1つの弁がそれぞれのチャンネルと流体連通し、それに付設されており、
(b)該加圧入口ポートと加圧流体供給源との間、および該加圧出口ポートとプロセス流体供給源との間の流体連通を促進し、
(c)該加圧流体供給源から該加圧供給チャンネルを通って該プロセス流体供給源中に加圧流体を流すことにより該プロセス流体供給源内にあるプロセス流体を加圧し、
(d)該プロセス入口ポートとプロセス流体供給源の間、および該プロセス出口ポートと第1の配送ラインの間の流体連通を促進し、
(e)該プロセス流体供給源からプロセス配送チャンネルを通って第1の配送ラインにプロセス流体を流し、
(f)該パージ入口ポートとパージ流体供給源との間、および該パージ出口ポートとパージ流体収集場所との間の流体連通を促進し、および
(g)該加圧供給チャンネル、該プロセス配送チャンネルおよび該パージチャンネルの少なくとも1つを他のチャンネルから選択的に隔離するようにそれぞれのチャンネルに付設された少なくとも1つの弁を操作する
ことを含む方法。
【請求項49】
操作工程(f)が、該プロセス出口ポート近くに配置される少なくとも1つの弁および該加圧入口ポート近くの少なくとも1つの他の弁を閉じること、該パージ流体供給源からパージチャンネルおよびプロセス配送チャンネルの少なくとも一部を通してパージ収集場所に至るパージ流体の流れを促進するようにパージ入口ポート近くに配置される少なくとも1つの弁を開くことを含む請求項48記載の方法。
【請求項50】
(h)2次プロセス流体供給源を提供し、
(i)該加圧流体供給源および該2次プロセス流体供給源と流体連通する第2のブロックであって、該第2のブロック内に配置される加圧チャンネル、該第2のブロック内に少なくとも部分的に形成され、該加圧チャンネルと流体連通する圧力センサー、および該第2のブロック内に少なくとも部分的に形成され、該加圧チャンネルと流体連通する複数の弁を含むところの第2のブロックを提供し、
(j)該加圧供給源から該加圧チャンネルに入る加圧流体を選択された圧力に加圧し、
(k)該選択された圧力で該2次プロセス流体供給源に加圧流体を配送すること、
(l)第3のブロックであって、該第3のブロック内に配置される配送チャンネルのネットワーク、および該第3のブロック内に少なくとも部分的に形成され、配送チャンネルのネットワークと流体連通する複数の弁を含み、該配送チャンネルのネットワークは、プロセス流体供給源および2次プロセス流体供給源のそれぞれと流体連通するところの第3のブロックを提供し、
(m)該流体供給源および該2次流体供給源の少なくとも1つから該第3のブロックを介してプロセス流体を第2の配送ラインに供給する
ことをさらに含む請求項48記載の方法。
【請求項51】
(n)第4のブロックであって、該第4のブロック内に配置され、該第2の配送ラインと流体連通する主要フローチャンネル、該第4のブロック内に少なくとも部分的に形成され該主要フローチャンネルと流体連通する第1の遮断弁、該第4のブロック内に少なくとも部分的に形成され、該主要フローチャンネルと流体連通する第2の遮断弁、センサーと制御弁を含む流量計、該主要フローチャンネルと流体連通するパージ入口フローチャンネルと、パージ入口ポートと、該主要フローチャンネル流体連通するパージ出口フローチャンネルと、パージ出口ポートとを含むパージ配送ラインを備え、該パージ流体入口フローチャンネルが第3の遮断弁を含み、かつ第1の遮断弁と流量計との間に配置されており、該パージ出口フローチャンネルが第4の遮断弁を含み、かつ該流量計と該第2の遮断弁との間に配置されているところの第4のブロックを提供し、
(o)該第3と第4の遮断弁が閉じられている間、該第2の配送ラインから該主要フローチャンネルを通るプロセス流体の流れを容易にするために該第1と第2の遮断弁を開き、
(p)該センサーにより該主要フローチャンネルを通って流れるプロセス流体の物理的特性を測定し、測定された物理的特性に基づいてプロセス流体の流速を制御するように該制御弁を操作し、
(q)該主要フローチャンネルを通るプロセス流体の流れを防ぐために該第1および第2の遮断弁を選択的に閉じ、
(r)該パージ入口ポートおよびパージ流体供給源と、該パージ出口ポートおよびパージ流体収集源との間の流体連通を促進させ、および
(s)該第1と第2の遮断弁が閉じられている間、該パージ流体収集源から該パージ流体入口フローチャンネル、該主要フローチャンネルおよび該パージ流体出口チャンネルを通ってパージ流体収集場所に至るパージ流体の流れを促進するために、該第3および第4の遮断弁を開放する
ことをさらに含む請求項50記載の方法。
【請求項52】
半導体加工ツール、
第1のブロックであって、該第1のブロック内に形成される少なくとも1つのチャンネル、および該第1のブロック内に少なくとも部分的に形成され、該少なくとも1つのチャンネルと流体連通する少なくとも1つの弁を含む第1のブロック、
第2のブロックであって、該第2のブロック内に形成される少なくとも1つのチャンネル、および該第2のブロック内に少なくとも部分的に形成され、該少なくとも1つのチャンネルと流体連通する少なくとも1つの弁を含む第2のブロック
を含む半導体加工流体分配システムであって、
該第1と第2のブロックは該半導体加工ツールにプロセス流体を供給するものである
システム。
【請求項53】
該第1と第2のブロックが少なくともシリコンで形成される請求項52記載のシステム。
【請求項54】
該第1と第2のブロックのチャンネルが約200マイクロメートル以下の断面寸法を有する請求項52記載のシステム。
【請求項55】
プロセス流体を含むプロセス流体供給源をさらに備え、
該第1のブロックの少なくとも1つのチャンネルが、該プロセス流体供給源内にあるプロセス流体を加圧すべく該加圧流体供給源から該第1のブロックの該少なくとも1つのチャンネルを通って該プロセス流体供給源に至る加圧流体の流れを容易にするためにプロセス流体供給源および加圧流体供給源と流体連通する請求項52記載のシステム。
【請求項56】
該第1のブロックの該少なくとも1つのチャンネルが、さらに、該パージ流体供給源から該第1のブロックの該少なくとも1つのチャンネルを通してパージ流体を流すことにより、該第1のブロックの該少なくとも1つのチャンネルの選択的洗浄を容易にするように該パージ流体供給源と流体連通する請求項55記載のシステム。
【請求項57】
2次プロセス流体供給源をさらに含み、
該第2のブロックの該少なくとも1つのチャンネルが、該2次プロセス流体供給源と流体連通し、該半導体加工ツールにプロセス流体を供給する請求項55記載のシステム。
【請求項58】
該第2のブロックの該少なくとも1つのチャンネルが、さらに、該第1のブロックの少なくとも1つのチャンネルと流体連通し、該第2のブロックの少なくとも1つの弁が、該プロセス流体供給源および該2次プロセス流体供給源の一方または両方から該半導体加工ツールへのプロセス流体の流れを選択的に制御するように調節可能である請求項57記載のシステム。
【請求項59】
第3のブロックであって、該第3のブロック内に形成される少なくとも1つのチャンネル、および該第3のブロック中に少なくとも部分的に形成され、該少なくとも1つのチャンネルと流体連通する少なくとも1つの弁を含む第3のブロックをさらに備え、
該第3のブロックの該少なくとも1つのチャンネルが該2次プロセス流体供給源内にあるプロセス流体を加圧するために該加圧流体供給源から該第3のブロックの少なくとも1つのチャンネルを通して該2次プロセス流体供給源に至る加圧流体の流れを容易にするために該加圧流体供給源および該2次プロセス流体供給源と流体連通する請求項57記載のシステム。
【請求項60】
プロセス流体供給源をさらに含み、
該第1のブロックの該少なくとも1つのチャンネルが該プロセス流体供給源からのプロセス流体を受容し、該第1のブロックが、圧力センサーおよび該第1のブロック内に少なくとも部分的に形成され、第1のブロックの少なくとも1つのチャンネルと流体連通する制御弁を備える流量計をさらに含み、該流量計が半導体加工ツールへのプロセス流体の流量を選択的に制御する請求項52記載のシステム。
【請求項61】
該第1のブロックの少なくとも1つのチャンネルが、該圧力センサーと該制御弁の上流に配置される入口パージチャンネル、および該圧力センサーと該制御弁の下流に配置される出口パージチャンネルを含み、該入口パージチャンネルが、該パージ流体供給源から該入口パージチャンネルと出口パージチャンネルとの間の少なくとも1つのチャンネルを通してパージ流体の配送を容易にするようにパージ流体供給源と流体連通する請求項60記載のシステム。
【請求項62】
半導体加工ツール、および
1のブロックであって、該ブロック内に形成される少なくとも1つのチャンネル、および該ブロック内に少なくとも部分的に形成され、該少なくとも1つのチャンネルと流体連通する複数の弁を含むブロック
を備え、該少なくとも1つのチャンネルが、
加圧流体供給源からプロセス流体供給源に加圧流体を配送するための加圧供給流路と、
パージ流体供給源から少なくとも1つのチャンネルの一部を通してパージ流体を配送するためのパージ流路と
を含み、
該ブロックが該プロセス流体供給源に由来するプロセス流体を該半導体加工ツールに供給する半導体加工流体分配システム。
【請求項63】
半導体加工ツール、および
少なくとも1つのブロックであって、該ブロック内に形成される少なくとも1つのチャンネル、および該少なくとも1つのブロック内に少なくとも部分的に形成され、該少なくとも1つのチャンネルと流体連通する複数の弁を含むところの少なくとも1つのブロック
を備え、該少なくとも1つのチャンネルが
加圧流体供給源から第1プロセス流体供給源に加圧流体を配送するための加圧供給流路と、
該第1のプロセス流体供給源と該第2のプロセス流体供給源の少なくとも一方から該半導体加工ツールにプロセス流体を選択的に配送するためのプロセス流体配送流路と
を含む半導体加工流体分配システム。
【請求項64】
半導体加工ツール、および
1のブロックであって、該ブロック内に形成される少なくとも1つのチャンネル、ならびに圧力センサーと、該ブロック内に少なくとも部分的に形成され、該少なくとも1つのチャンネルと流体連通する制御弁とを備える流量計を含み、該少なくとも1つのチャンネルは、該圧力センサーと該制御弁の上流に配置される入口パージチャンネルおよび該圧力センサーと該制御弁の下流に配置される出口パージチャンネルを含み、該入口パージチャンネルは、パージ流体供給源から該入口パージチャンネルと該出口パージチャンネルとの間の少なくとも1つのチャンネルを通るパージ流体の配送を容易にするためにパージ流体供給源と流体連通しているところのブロック
を備え、
該少なくとも1つのチャンネルは、該プロセス流体供給源からのプロセス流体を受容し、該流量計は、該半導体加工ツールへの配送のためのプロセス流体の流量を選択的に制御する半導体加工流体分配システム。
【請求項65】
半導体加工ツールにプロセス流体を提供する方法であって、
(a)第1のブロックであって、該第1のブロック内に形成された少なくとも1つのチャンネルおよび該第1のブロック内に少なくとも部分的に形成され、該少なくとも1つのチャンネルと流体連通する少なくとも1つの弁を含み、該半導体加工ツールにプロセス流体を配送するように構成された第1のブロックを提供し、
(b)第2のブロックであって、該第2のブロック内に形成される少なくとも1つのチャンネルおよび該第2のブロック内に少なくとも部分的に形成され、該少なくとも1つのチャンネルと流体連通する少なくとも1つの弁を含み、該半導体加工ツールへのプロセス流体の配送のために構成された第2のブロックを提供し、
(c)該第1と第2のブロックの少なくとも1つからのプロセス流体を半導体加工ツールに供給する
ことを包含する流体分配システムを含む方法。
【請求項66】
半導体加工ツールにプロセス流体を提供する方法であって、
(a)1のブロックであって、該ブロック内に形成される少なくとも1つのチャンネルおよび該ブロック内に少なくとも部分的に形成され、該少なくとも1つのチャンネルと流体連通する複数の弁を含むブロックを提供し、
(b)該少なくとも1つのチャンネルの加圧流路を介して加圧流体供給源からプロセス流体供給源に加圧流体を配送することによりプロセス流体供給源内にあるプロセス流体を加圧し、
(c)該少なくとも1つのチャンネルのパージ流路を介してパージ流体供給源から該少なくとも1つのチャンネルの一部を通してパージ流体を配送することにより該少なくとも1つのチャンネルの一部をパージし、および
(d)該ブロックを介して該プロセス流体供給源から由来するプロセス流体を該半導体加工ツールに供給する
ことを包含する流体分配システムを含む方法。
【請求項67】
半導体加工ツールにプロセス流体を提供する方法であって、
(a)少なくとも1つのブロックであって、該少なくとも1つのブロック内に形成された少なくとも1つのチャンネルおよび該少なくとも1つのブロック内に少なくとも部分的に形成され、該少なくとも1つのチャンネルと流体連通する複数の弁を含む少なくとも1つのブロックを提供し、
(b)該少なくとも1つのチャンネルの加圧流路を介して、加圧流体供給源から第1のプロセス流体供給源に加圧流体を配送することにより第1のプロセス流体供給源内にあるプロセス流体を加圧すること、
(c)該第1のプロセス流体供給源および第2のプロセス流体供給源の少なくとも一方から該少なくとも1つのチャンネルのプロセス流体配送流路を介してプロセス流体を該半導体加工ツールに選択的に配送する
ことを包含する流体分配システムを含む方法。
【請求項68】
半導体加工ツールにプロセス流体を提供する方法であって、
(a)1のブロックであって、該ブロック内に形成される少なくとも1つのチャンネル、および圧力センサーと該ブロック内に少なくとも部分的に形成され、該少なくとも1つのチャンネルと流体連通する制御弁とを備える流量計を含み、該少なくとも1つのチャンネルは、該圧力センサーと該制御弁の上流に配置される入口パージチャンネルおよび該圧力センサーと該制御弁の下流に配置される出口パージチャンネルを含むところのブロックを提供し、
(b)プロセス流体供給源から該少なくとも1つのチャンネル中にプロセス流体を受容すること、
(c)該流量計を介して、該半導体加工ツールへの配送のための該少なくとも1つのチャンネル内を流れる加工流体の流量を制御し、
(d)システム操作の間の選択された時間に、該入口パージチャンネルと該出口パージチャンネルとの間の少なくとも1つのチャンネルを通してパージ流体供給源から供給されるパージ流体を流す
ことを包含する流体分配システムを含む方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図4E】
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【図4F】
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【図4G】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図5E】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【公表番号】特表2006−512545(P2006−512545A)
【公表日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−563495(P2004−563495)
【出願日】平成15年12月19日(2003.12.19)
【国際出願番号】PCT/IB2003/006199
【国際公開番号】WO2004/058425
【国際公開日】平成16年7月15日(2004.7.15)
【出願人】(591036572)レール・リキード−ソシエテ・アノニム・ア・ディレクトワール・エ・コンセイユ・ドゥ・スールベイランス・プール・レテュード・エ・レクスプロワタシオン・デ・プロセデ・ジョルジュ・クロード (438)
【Fターム(参考)】