説明

薬学的製剤

本明細書中において、新規かつ改善された抗ヒスタミンシロップを開示する。具体的には、デスロラタジンまたは化学的に関連のある抗ヒスタミン剤を含む、抗ヒスタミンシロップ製剤が、本明細書中で開示されている。本発明にしたがう製剤は、保存安定的な任意の薬学的に受容可能なその塩、少なくとも1つの薬学的に受容可能な人工香味剤、少なくとも1つの薬学的に受容可能なキャリアを含み、ここでそのシロップ製剤は約4.5より高いpHを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体薬学的製剤の分野、そしてより詳細には、抗ヒスタミンを含むシロップ製剤に関する。
【背景技術】
【0002】
シロップ製剤は、一般的に薬理学的因子の送達のために、特に、その因子が小児科患者に送達される場合、一般に使用されている。伝統的なシロップは、精製水中の糖(一般的にはスクロース)の濃縮溶液であり、例えば、手順(以下の、非特許文献1を参照のこと)に従って、850mgスクロースおよび1000mlを作成するのに十分な水を用いて調製された、Syrup,NFである。しかしながら、本発明の目的のために、「シロップ」という用語はまた、高カロリー甘味料によってさらに悪化され得る歯科的および医学的な問題を避けるために、人工甘味料によって全体的もしくは部分的に付加された甘味を有する液体製剤を包含する。
【0003】
当業者に十分に認識されているように、シロップは、しばしば、例えばフルーツ味もしくはミント味によって風味づけをされる。それは、通常、溶解もしくは懸濁された薬理学的活性物質の存在によって引き起こされる、不快な味をマスクする目的である。心地よい味は、その製剤が子供に摂取を意図される場合に特に重要である。甘味づけされた薬品、食品、キャンディー、飲料などおいて一般的に使用されている、代表的な香味剤もまた、本発明において有用である;これらの物質は、グレープ、チェリー、シトラス、ピーチ、ストロベリー、バブルガム、ペパーミントおよび他の多くのものの風味を与える。
【0004】
現在販売されているシロップの1つの例は、クエン酸、人工香味料、グリセリン、プロピレングリコール、安息香酸ナトリウム、スクロース、および水と一緒に1mg/mL抗ヒスタミン薬、ロラタジンを含む;この製剤は、代表的に、およそ2と4との間のpH値を有する。しかしながら、空気との接触を含むある保存条件下においては、ロラタジン含量の減少、および付随した不純物の生成が生じた。同様の問題が、他の化学的に関連のある薬物、例えばデスロラタジン(desloratadine)を包含する製剤に起こり得る。
【0005】
特許文献1は、デスロラタジンおよび、約0.05mg/mLからおよそ5mg/mLのアミノポリカルボン酸またはその塩を含む抗ヒスタミンシロップ製剤を開示する。しかしながらなお、デスロラタジンおよび他の抗ヒスタミン剤の送達のための、新しいシロップ製剤に対する必要性が存在する。よって、ヒトの摂取にとって安全であると認識されている成分のみを含み、糖分がなく、色が透明であり、かつ保存安定的な、デスロラタジンまたは関連抗ヒスタミン成分の新規な保存安定性シロップ製剤を供給することが所望されている。
【特許文献1】米国特許第6,514,520号明細書
【非特許文献1】公式モノグラフp.1990,NF 19 The National Formulary,United States Pharmacoperial Convention,Inc.,Rockville,Md.U.S.A.,2000
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
よって、デスロラタジンまたは化学的に関連のある抗ヒスタミン剤を含む、抗ヒスタミンシロップ製剤が開示されている。その製剤は、保存安定的な任意の薬学的に受容可能なその塩、少なくとも1つの薬学的に受容可能な人工香味剤、少なくとも1つの薬学的に受容可能なキャリアを含み、ここでそのシロップ製剤は約4.5より高いpHを有する。
【0007】
また、デスロラタジンまたは化学的に関連のある抗ヒスタミン剤を含む、抗ヒスタミンシロップ製剤が開示されている。その製剤は、保存安定的な任意の薬学的に受容可能なその塩、少なくとも1つの薬学的に受容可能な人工香味剤、少なくとも1つの薬学的に受容可能なキャリアを含み、ここでそのシロップ製剤は約4.5から約6.5のpHを有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本明細書中で「パーセント」という用語が使用されると、その文脈がそうでないことを明らかに示さない限り、重量パーセントを意味することを意図している。
【0009】
化合物デスロラタジンは、ロラタジンの抗ヒスタミン活性代謝産物である。デスロラタジンは、水にわずかに可溶性であるが、しかしエタノールおよびプロピレングリコール中で非常に可溶性の白色から灰色の粉末である。それは、実験式:C1919CINおよび分子量310.8を有する。化学名は、8−クロロ−6,11−ジヒドロ−11−(4−ピペリジリデン)−5H−ベンゾ[5,6]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジンである。それは、Schering Corp.,Kenilworth,New Jerseyより、Clarinex(登録商標)およびAerius(登録商標)の商品名において入手可能である。
【0010】
本発明の抗ヒスタミンシロップ製剤は、単一用量によってもたらされる1より多い治療効果を得るために、1つもしくはそれ以上の他の薬物を含み得る。デスロラタジンと一緒に含有される代表的な薬剤物質は、鼻炎のような病気にしばしば付随する上部気管の鬱血および上部呼吸器感染症の軽減に有効な、例えば、偽エフェドリン、フェニルプロパノラミンもしくはフェニレフリンのような交感神経興奮性アミン鬱血除去剤がある。コデイン、ヒドロコドンもしくはデキストロメトルファンなどの、咳の除去のための鎮咳薬および、グアイフェネシンなどの咳生産力を増大するための去痰薬もまた、混合物中に含まれる。Hレセプターアンタゴニストもまた、本発明のシロップ製剤と組み合わせて使用し得る。ヒスタミンHレセプターのアンタゴニストは、以下の物質からなる群より選択されるメンバーの1以上であり得る;チオペラシド、インプロミジン、ブリマミド(burimamide)、クロベンプロピット(clobenpropit)、インペンタミン、ミフェチジン(mifetidine)、クロザピン、S−ソプロミジン、R−ソプロミジン、シプロキシファム(ciproxifam)、SKF−91486(3−(イミダゾール−4−イル)−プロピルグアニジン硫酸塩),GR−175737(Clitherowら、(1996)Bioorg.Med.6:833−838),GT−2016(Tedfordら、(1995)J.Pharm.Exp.Ther 275(2):596−604),GT−2331(Tedfordら、(1998)Eur.J.Pharmacol.351(3):307−11),GT−2394(Yatesら、(2000)Soc.Neurosci.Abstr.26:279.),JB98064(Linneyら、(2000)J.Med.Chem.43:2362−2370),UCL−1199(Ganellinら、(1995)J.Med.Chem.38(17):3342−50)ABT331440(PCT Publication No.WO02/06223)。
【0011】
デスロラタジンと共にまた、含有し得る他の代表的な因子は、非ステロイド抗炎症性薬物(NSAIDs)、ステロイドおよび抗生物質(例えば、抗バクテリアおよび抗菌)を含む。NSAIDsは、アスピリン、アセトアミノフェン、フェニルプロピオン誘導剤(例えば、イブプロフェン、ナプロキセン)、オキシカム類(例えばピロキシカム)、ケトロラク、セレコシブ(celecoxib)およびロフェコシブを含む。本発明中の使用のために含まれたステロイド剤は、モメタゾン、デキサメタゾン、ブトキシカート(butoxicart)、ロフレポナイド(rofleponide)、ブデゾニド、デフラザコート、シクレゾナイド(ciclesonide)、フルチカゾン、ベクロメタゾン、ベタメタゾン、フルオシノロン、プレドニゾン、プレドニゾロン、ロテプレドノルまたはトリアムシノロンを含む。抗バクテリア因子は、β−ラクタン抗生物質(例えば、ペニシリン、アモキシシリン、クロキサシリン、ジクロキサシリン、メチシリン、ナフシリン、オキサシリンおよびピペラシリン)、アミノグリコシド(例えば、アミカシン、ゲンタマイシン、カナマイシン、ネオマイシン、ネチルマイシン、ストレプトマイシンおよびトブラマイシン)、マクロライド、リンコマイシン、およびクリンダマイシン、テトラサイクリン類(例えば、デメクロサイクリン、ドキシサイクリン、ミノサイクリン、オキシテトラサイクリン、テトラサイクリン)、キノロン類(例えば、シノキサシン、ナリジクス酸)、フルオロキノロン類(例えば、イプロフロキサシン(iprofloxacin),エノキサシン(enoxacin),グレパフロキサシン(grepafloxacin),レボフロキサシン(levofloxacin),ロメフロキサシン(lomefloxacin),ノルフロキサシン(norfloxacin),オフロキサシン(ofloxacin),スパルフロキサシン(sparfloxacin),トロバフロキサシン(trovafloxacin))、ポリペプチド類(例えば、バシトラシン、コリスチン、ポリミキシンB)、スルホンアミド、トリメトプリム−スルファメトキザール(TMP−SMX)、クロラムフェニコール、バンコマイシン、キヌプリスチン/ダルフォプリスチン、メトロニダゾール、リファンピン、スペクチノマイシンおよびニトロフラントインを含む。本発明において使用する抗菌剤は、ポサコナゾール、ボリコナゾール、ケトコナゾール、フルコナゾール、イトラコナゾール、サペルコナゾール、ネチコナゾール、オキシコナゾール、イソコナゾール、スルコナゾール、テルコナゾール、ラブコナゾール、カプソフンギン(capsofungin)、チオコナゾールおよび/もしくは薬学的に受容可能なその塩を含む。
【0012】
その塩および同じ治療分類由来の他の薬物を含む、これらの追加成分のいずれも、本発明のシロップ中の含有に適している。
【0013】
本発明中における使用のために適した無糖ベースの人工甘味剤は、スクラロース、フッ素化スクロース誘導体、サッカリン、栄養素としてのブドウ糖、アセスルファムカリウム、サッカリンおよびアスパルテームが挙げられる。特に好ましいものは、スクラロースおよびサッカリンである。その甘味剤は、例えば約0.01%から約10%、好ましくは約0.1%から約1%の量において存在し得る。
【0014】
代表的に、薬学的に受容可能な、適切な溶媒および/またはキャリアシステムとして、水、アルコールおよびグリコール、特にプロピレングリコール、ソルビトール、エタノール、ポリエチレングリコールおよび/またはグリセリンが挙げられる。小児科での使用が意図された、その液体薬学的組成物は、実質的にエタノールを含まないべきであり、そして最も好ましくはエタノールを含まないべきである。水、プロピレングリコール、ソルビトールおよびグリセリンのうち、少なくとも1つの組み合わせの使用が好ましい。プロピレングリコールは、約50mg/mLから200mg/mLの濃度で存在し得る。ソルビトールは、約100mg/mLから250mg/mLの濃度で存在し得る。通常、薬学的に受容可能な液体キャリアは、精製水である。
【0015】
本発明中における使用の適切な緩衝系としては、単なる例示として、酒石酸、フマル酸、マレイン酸、リン酸、および酢酸とその塩を含む。好ましい緩衝系としては、クエン酸緩衝系およびリン酸緩衝系が挙げられる。クエン酸緩衝系は、好ましくはクエン酸との組み合わせで、クエン酸ナトリウムを含む。好ましくは、約0.1g/Lから約10g/Lのクエン酸ナトリウム、および約0.05g/Lから約5g/Lのクエン酸が存在する。代表的に適切な緩衝系は、pHを約4.5以上の範囲、好ましくは約4.5から約6.5、さらに好ましくは5.5に維持することが可能なものを含む。
【0016】
本発明中における使用の適切な濃厚剤としては、とりわけグアールガム、ゼラチン、イナゴマメゴム、タラゴム、キサンタンガム、タマリンドガム、トラガカントガム、カラヤゴム、コンジャック(konjac)マンナン、水溶性カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギン酸ナトリウム、ペクチン、アゾトバクタービネランジーガム、カラギナン、ポリエチレングリコール、改変スターチ、桂皮ゴム、オオバコ種子ガム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロースおよび微晶性セルロースが挙げられる。
【0017】
糖ベースのシロップ製剤において、抗菌性保存剤を利用することがしばしば望ましい。シロップを微生物の繁殖から保護するために必要な、薬学的に受容可能な保存剤の量は、繁殖のために利用可能な水の比率、いくつかの処方物(多くの調味油およびプロピレングリコールのような共溶剤は、本来無菌であり、かつ抗菌活性を有するため)の天然および固有の保存剤としての活性、および保存剤のそれ自体の性能によって変動する。保存剤のうちで、通常、有効濃度でシロップの保存に広く使用されている保存剤は、安息香酸(0.1%から0.2%)、安息香酸ナトリウム(0.1%から0.2%)、およびメチル−、プロピル−、およびブチル−パラベンの種々の組み合わせ(合計約0.1%)が挙げられる。本発明の別の局面では、安息香酸ナトリウムは本発明のある実施態様のために必要ではないことが見出されている。
【0018】
安定剤もまた、シロップ製剤の中に組み入れられ得る。有用なアミノポリカルボン酸およびその塩は、摂取にとって安全であり、かつ安定な単相組成物を作成するために、シロップ製剤中における十分な可溶性を有するものである。使用され得る市販の化合物として、イミノ二酢酸、メチルイミノ二酢酸、ニトリロ三酢酸、エチレンジミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸、1,2−ジアミノシクロヘキサン酸−四酢酸、N−ヒドロキシエチレンジアミン三酢酸および関連化合物が挙げられる。前記のものの2つもしくはそれ以上の混合物が使用に適している。入手しやすさ、安全性、効力およびコストの側面から、EDTAのアルカリ金属塩が、現在のところ、好ましい。安定剤を含有する実施態様の中で、その安定剤は約0.01%から約5%、好ましくは約0.25%の量で存在し得る。本発明の代替の実施態様において、EDTAは必要な成分ではない。
【0019】
好ましくは、本発明の製剤は、促進された安定性検査のもと長期間にわたって、0.2%未満のデスロラタジン分解産物を有し、より好ましくは0.1%未満の分解産物を有する。好ましくは、本発明の製剤は促進された安定性検査条件のもと、6ヶ月目において安定であり、より好ましくは1年以上、より好ましくは15ヶ月以上、そして最も好ましくは2年以上安定である。安定であることに加えて、そのシロップは当業者に公知のように、変色すべきでない。
【0020】
ほとんどのシロップは、シロップに快適な味を与えるために、合成風味剤もしくは揮発性油(例えば、オレンジ油)、バニリンなどのような天然物質によって風味づけされる。シロップは水性調整物のため、これらの風味剤は十分な可溶性を有しなければならない。甘みづけをされた薬品、食物、キャンディー、飲料において一般的に使用されている代表的な風味剤は、本発明においてもまた有用である;これらの物質は、グレープ、チェリー、シトラス、ピーチ、ストロベリー、バブルガム、ペパーミントおよび他の多くの味を与え得、本発明の範囲内に含まれる。好ましい風味剤は、Virginia Dareより入手可能な、Bubblegum Natural and Artificaial♯15864である。
【0021】
アレルギー性および炎症性の状態を処置および/または予防する必要のあるヒトにおいて、その処置および/または予防のための方法もまた、本発明によって提供される。その方法は、デスロラタジンを有効量投与する工程を含有する。本明細書中で使用される句「皮膚または気道のアレルギー性および炎症性状態」は、皮膚、および鼻から肺への上気道および下気道において見られるアレルギー性および炎症性の状態および症状を意味する。代表的な、皮膚または上気道および下気道のアレルギー性および炎症性の状態としては、季節性および通年性のアレルギー鼻炎、咳を伴うアレルギー性鼻炎、非アレルギー性鼻炎、アレルギー性喘息および非アレルギー性喘息を含む喘息、副鼻腔炎、感冒、咳を伴うアレルギー由来の気管支肺状態(粘性および粘液の付着により、気道の通気性を妨げる)、急性、慢性、痙攣性およびぜんそく性の気管支炎、気管支ぜんそく、気管支拡張症、副鼻腔炎、中耳炎、肺炎;気管支肺炎、粘膜閉塞による無気肺、および皮膚炎(特にアレルギー性およびアトピー性皮膚炎)、ならびに蕁麻疹および症候性人工蕁麻疹、および網膜症、ならびに真性糖尿病に付随する小血管病が挙げられる。
【0022】
米国特許第6,514,520号において開示されているような、デスロラタジン経口溶液の先行技術のシロップ製剤は、以下のように製造されている:デスロラタジンおよび風味剤(バブルガムのためのNatural&artificial flavor♯15864)は、プロピレングリコール中に溶解される。残りの処方賦形薬は、水に溶解される。プロピレングリコール濃縮液が、混合によって水性ビヒクルに加えられる。水は終量に十分になるまで加えられる。得られた薬物製品は、暗条件下に保存される場合、強いピンク色が経時的に発生することが観察される。この色の形成は、デスロラタジンと風味剤との間、もしくはデスロラタジンとプロピレングリコールとの間の相互作用によって引き起こされ得る。先行技術のシロップ製剤においては、この色の変化をマスクするために黄色染料を加えることが必要であった。糖および染料を含まない、透明かつ無色のシロップを製造するための新規なプロセスについて、さらなる必要性が存在する。以下の実施例において例示するように、本発明は糖および染料を使用せず、かつ長期間実質的に退色しないシロップを提供する。よって、本発明は、以下の実施例によってさらに記載される。この実施例は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲を制限することは意図されない。
【実施例1】
【0023】
【表A】

【0024】
上記シロップ製剤を調製するために、デスロラタジンを除く成分を、当業者に公知であるように、容器中に溶解するか、または混合する。上記処方に列挙された成分の残り全てを組み込んでいる完成した製剤に、デロラタジンを直接溶解することの製造プロセスへの追加は、従来技術の製剤ではピンク色を呈し得る、デロラタジンとプロピレングリコールおよびバブルガム風味溶液との間の接触を、妨げる。従来技術の製剤は、黄色染料を用いてカラーマスクをする必要があった。具体的な製剤は、促進された安定性検査をうけ、表1において示された以下のポジティブな結果を得た。
【0025】
【表1】

表1で示したデータより明らかなように、本発明の製剤は、デロラタジン含有量および物理的外見について、促進された安定条件下において十分な安定性を示す。
【実施例2】
【0026】
【表B】

【0027】
上記成分は、上記実施例1に示す手法に従って調製した。具体的な製剤は、促進された安定性検査をうけ、表2において示された以下の結果を得た。
【0028】
【表2−1】

【0029】
【表2−2】

表2に示されたデータから明らかなように、本発明の具体的な製剤は、デロラタジン含有量および物理的外見について、促進された安定条件下において十分な安定性を示す。
【0030】
これらのシロップは15ヶ月の保存安定性を示した。
【実施例3】
【0031】
【表C】

【0032】
2群のシロップを調製した。一群のシロップはEDTAを含み、他の一群のシロップは含まなかった。両シロップとも、上記表に示す保存条件に供されると、無色透明の溶液を産生した。
【0033】
添付の図面を参照として、本発明の特に好ましい実施態様が記載されているが、本発明がそれらの正確な実施態様に制限されず、かつ添付の特許請求の範囲によって定義された発明の範囲または意図から逸脱することなく、種々の変化および改変が当業者によってなされ得ることが認識される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
デスロラタジンまたはその薬学的に受容可能な塩、少なくとも1つの薬学的に受容可能な人工甘味剤、少なくとも1つの薬学的に受容可能なキャリアを含み、保存安定性な抗ヒスタミンシロップ製剤であり、ここで、該シロップ製剤は、約4.5より大きなpHを有する、抗ヒスタミンシロップ製剤。
【請求項2】
さらに緩衝系を含み、ここで、該緩衝系は、クエン酸ナトリウムおよびクエン酸を含む、請求項1に記載の抗ヒスタミンシロップ製剤。
【請求項3】
請求項2に記載の抗ヒスタミンシロップ製剤であって、前記緩衝系はクエン酸ナトリウムおよびクエン酸を含み、ここで、該クエン酸ナトリウムは、少なくとも約0.1mg/mLの濃度で存在し、かつ、該クエン酸は、少なくとも約0.1mg/mLの濃度で存在する抗ヒスタミンシロップ製剤。
【請求項4】
前記デスロラタジンは、約0.1mg/Lから約10mg/Lの濃度で存在する、請求項1に記載の抗ヒスタミンシロップ製剤。
【請求項5】
前記デスロラタジンは、約0.5mg/mLの濃度で存在する、請求項4に記載の抗ヒスタミンシロップ製剤。
【請求項6】
請求項1に記載の抗ヒスタミンシロップ製剤であって、少なくとも1つの薬学的に受容可能な甘味剤が存在し、該甘味剤は、スクラロース、サッカリン、フッ素化スクロース誘導体、アセスルファムカリウムおよびアスパルテームからなる群より選択される、抗ヒスタミンシロップ製剤。
【請求項7】
請求項1に記載の抗ヒスタミンシロップ製剤であって、前記少なくとも1つの薬学的に受容可能なキャリアが、水、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトールおよびグリセリン、ならびにその2つまたはそれ以上の組み合わせからなる群より選択される、抗ヒスタミンシロップ製剤。
【請求項8】
さらに、少なくとも1つの薬学的に受容可能な増粘剤を含む、請求項1に記載の抗ヒスタミンシロップ製剤。
【請求項9】
請求項1に記載の抗ヒスタミンシロップ製剤であって、前記少なくとも1つの薬学的に受容可能な増粘剤が、グアールガム、ゼラチン、イナゴマメゴム、タラゴム、キサンタンガム、タマリンドガム、トラガカントガム、カラヤゴム、コンジャックマンナン、水溶性カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギン酸ナトリウム、ペクチン、アゾトバクタービネランジーガム、カラギナン、ポリエチレングリコール、改変スターチ、桂皮ゴム、オオバコ種子ガム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロースおよび微晶性セルロースからなる少なくとも1つの群より選択される、抗ヒスタミンシロップ製剤。
【請求項10】
前記液体製剤が、少なくとも15ヶ月間保存安定である、請求項1に記載の抗ヒスタミンシロップ製剤。
【請求項11】
さらに、約0.05mg/mLから約5mg/mLのアミノポリカルボン酸またはその塩を含む、請求項1に記載の抗ヒスタミンシロップ製剤。
【請求項12】
デスロラタジンまたは化学的に関連のある抗ヒスタミンを含む、抗ヒスタミンシロップ製剤であり、いずれかの薬学的に受容可能なその塩、少なくとも1つの薬学的に受容可能な人工甘味剤、少なくとも1つの薬学的に受容可能なキャリアを含み、保存安定性を示し、ここで、該シロップ製剤は、約4.5から約6.5のpHを有する、抗ヒスタミンシロップ製剤。
【請求項13】
さらに緩衝系を含む、請求項12に記載の抗ヒスタミンシロップ製剤。
【請求項14】
請求項13に記載の抗ヒスタミンシロップ製剤であって、前記緩衝系はクエン酸ナトリウムおよびクエン酸を含み、該クエン酸ナトリウムは、少なくとも約0.1mg/mLの濃度で存在し、かつ、該クエン酸は、少なくとも約0.1mg/mLの濃度で存在する、抗ヒスタミンシロップ製剤。
【請求項15】
前記デスロラタジンは、約0.1mg/Lから約10mg/Lの濃度で存在する、請求項12に記載の抗ヒスタミンシロップ製剤。
【請求項16】
前記デスロラタジンは、約0.5mg/Lの濃度で存在する、請求項12に記載の抗ヒスタミンシロップ製剤。
【請求項17】
請求項13に記載の抗ヒスタミンシロップ製剤であって、少なくとも1つの薬学的に受容可能な甘味剤が存在し、該甘味剤は、スクラロース、フッ素化スクロース誘導体、ブトウ糖、アセスルファムカリウム、サッカリンおよびアスパルテームからなる群より選択される、抗ヒスタミンシロップ製剤。
【請求項18】
請求項12に記載の抗ヒスタミンシロップ製剤であって、前記少なくとも1つの薬学的に受容可能なキャリアが、水、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトールおよびグリセリン、ならびにその2つまたはそれ以上のいずれかの組み合わせからなる群より選択される、抗ヒスタミンシロップ製剤。
【請求項19】
さらに、少なくとも1つの薬学的に受容可能な増粘剤を含む、請求項12に記載の抗ヒスタミンシロップ製剤。
【請求項20】
請求項19に記載の抗ヒスタミンシロップ製剤であって、前記少なくとも1つの薬学的に受容可能な増粘剤が、グアールガム、ゼラチン、イナゴマメゴム、タラゴム、キサンタンガム、タマリンドガム、トラガカントガム、カラヤゴム、コンジャックマンナン、水溶性カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギン酸ナトリウム、ペクチン、アゾトバクタービネランジーガム、カラギナン、ポリエチレングリコール、改変スターチ、桂皮ゴム、オオバコ種子ガム、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロースおよび微晶性セルロースからなる少なくとも1つの群より選択される、抗ヒスタミンシロップ製剤。
【請求項21】
前記液体製剤が少なくとも15ヶ月間保存安定である、請求項12に記載の抗ヒスタミンシロップ製剤。
【請求項22】
さらに約0.05mg/Lから約5mg/Lのアミノポリカルボン酸またはその塩を含む、請求項12に記載の抗ヒスタミンシロップ製剤。

【公表番号】特表2008−521939(P2008−521939A)
【公表日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−544653(P2007−544653)
【出願日】平成17年12月20日(2005.12.20)
【国際出願番号】PCT/US2005/046528
【国際公開番号】WO2006/069213
【国際公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【出願人】(596129215)シェーリング コーポレイション (785)
【氏名又は名称原語表記】Schering Corporation
【Fターム(参考)】