説明

薬液散布作業車両

【課題】GPSからの速度情報が気象、地形などの影響を受けて得難い場合にも車速を知ることができ、得られた車速に基づき薬液散布量が制御可能な薬液散布作業車両を提供すること。
【解決手段】位置情報と速度情報をGPSから受信できるGPS受信機81と車輪12又は13の回転数を検出する車速センサ4と薬液を吐出する防除ポンプ65による薬液吐出圧力に応じて薬液散布量を調節する防除機Bを備えており、GPSからの情報に基づき車速VG及び/又は車速センサ4による車速Vs又は車速VGと車速Vsの平均化された車速と、予め設定された単位面積当たりの薬液散布量Aとの関係から防除ポンプ65の吐出圧力を計算し、該吐出圧力計算値に一致するように薬液流量調節弁73の開度の調整をして予め設定された単位面積当たりの薬液散布量Aが均一になるように制御する制御装置100,101を備えている薬液散布作業車両である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、薬液タンクに収容された薬液を圃場に散布する薬剤散布作業車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、機体の前部に散布ブームを左右ローリング自在に支持して設け、この散布ブームから薬液などを圃場で生育中の散布対象の作物に噴霧する薬剤散布作業車両があり、該薬剤散布作業車両の車速をGPSを利用して測定する構成も知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−176741号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1記載の発明によれば、GPS受信機を搭載してGPSから得た位置情報と速度情報を検出し、得られた位置情報と速度情報に基づき作業車両の走行開始から散布した薬液の使用量を検出し、薬液タンクへの薬液補充タイミングを予測することができる構成が開示されている。
【0005】
しかし、上記特許文献1記載の発明は薬液散布時の散布設定量と車速(車速センサ、GPS)との関係が得られないので、車速に応じた適切な薬液散布量を制御することができないという不具合がある。
【0006】
そこで本発明の課題は、GPSからの速度情報が気象、地形などの影響を受けて得難い場合にも車速を知ることができ、得られた車速に基づき薬液散布量を制御可能な薬液散布作業車両を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記本発明の課題を解決するために次のような解決手段を採用する。
すなわち、請求項1記載の発明は、位置情報と速度情報をGPSから受信できるGPS受信機(81)と車輪(12又は13)の回転数を検出する車速センサ(4)と、薬液を貯留する薬液タンク(18)と、該薬液タンク(18)からの薬液を圃場に散布する薬液散布ブーム(43,44)と、薬液タンク(18)と薬液散布ブーム(43,44)との間の薬液流路に設けた薬液を吐出する防除ポンプ(65)と、該防除ポンプ(65)の設置箇所より後流側の薬液流路に設けた薬液の吐出圧力を調整する薬液流量調節弁(73)を設けた薬液散布作業車両において、GPSからの速度情報に基づき車速を算出する車速算出手段(5)と、(a)車速算出手段(5)により得られる第1車速(VG)と(b)前記車速センサ(4)により得られる第2車速(Vs)の内の少なくともいずれかの車速又は(c)前記第1車速(VG)と第2車速(Vs)の平均化された車速と、予め設定された単位面積当たりの薬液散布量(A)との関係から防除ポンプ(65)の吐出圧力を計算し、該吐出圧力計算値に一致するように薬液流量調節弁(73)の開度の調整をして予め設定された単位面積当たりの薬液散布量(A)が均一になるように制御する制御装置(100,101)を備えたことを特徴とする薬液散布作業車両である。
【0008】
請求項2記載の発明は、制御装置(100,101)には、車速センサ(4)により得られる第2車速(Vs)が所定値以下であると、GPSにより得られる第1車速(VG)を使用しないで、前記第2車速(Vs)に基づき前記予め設定された単位面積当たりの薬液散布量(A)が均一になるように制御する構成が備えられたことを特徴とする請求項1記載の薬液散布作業車両である。
【0009】
請求項3記載の発明は、制御装置(100,101)には、走行開始から所定時間の間はGPSから得られる第1車速(VG)を用いない構成が備えられたことを特徴とする請求項1記載の薬液散布作業車両である。
【発明の効果】
【0010】
請求項1記載の発明によれば、電波の受信が不安定な場合(厚い雨雲、雪雲、地形の影響(谷、山のふもと)など)及びGPS電波の精度が変更される場合があるため、GPSで得られる車速が不安定となるおそれがある一方で、車輪のスリップ時などを除いて車速センサ4の信頼性が高いので、GPSから得られた第1車速(VG)と車速センサ4で得られた第2車速(車速パルスを読み込んで車速を計算する)(Vs)のいずれか、または第1車速(VG)と第2車速(Vs)の平均値を用いて防除ポンプ(65)の吐出圧力を計算し、該吐出圧力計算値に一致するように薬液流量調節弁(73)の開度を調整して予め設定された単位面積当たりの薬液散布量(A)が均一になるように制御することで安定した薬液散布が可能となる。
【0011】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加えて、車速センサ4から得られた第2車速(Vs)が一定値以下のときは走行開始時の車速変化が不安定であるので、GPSから得られた第1車速(VG)を防除ポンプ(65)の吐出圧力の計算に使用しないようにして、車速センサ4から得られた第2車速(Vs)を使用して、該第2車速(Vs)に基づく防除ポンプ(65)の吐出圧力を計算し、該計算値に一致するように薬液流量調節弁(73)の開度を調整して単位面積当たりの薬液散布量(A)の変動を抑えることができる。
【0012】
請求項3記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加えて、走行開始から所定時間の間は、GPSによる第1車速(VG)が車速センサ4による第2車速(Vs)よりも精度が悪くなるために、GPSから得られた第1車速(VG)は前記薬液流量調節弁(73)を開度の調整に使用しないで、車速センサ4による第2車速(Vs)を用いる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態による薬液散布作業車両の平面図である。
【図2】図1の薬液散布作業車両の側面図である。
【図3】図1の薬液散布作業車両の制御ブロック図である。
【図4】図1の薬液散布作業車両のGPS受信機と本機コントローラの制御ブロック図である。
【図5】図1の薬液散布作業車両の薬液散布制御のフローチャートである。
【図6】図1の薬液散布作業車両の本機コントローラと防除機コントローラの構成図である。
【図7】図1の薬液散布作業車両の薬液散布制御のフローチャートである。
【図8】図1の薬液散布作業車両の薬液散布制御のフローチャートである。
【図9】図1の薬液散布作業車両の薬液散布制御のフローチャートである。
【図10】図1の薬液散布作業車両の薬液散布制御のフローチャートである。
【図11】図1の薬液散布作業車両の薬液散布制御のフローチャートである。
【図12】図1の薬液散布作業車両の薬液散布制御のフローチャートである。
【図13】図1の薬液散布作業車両の薬液散布制御のフローチャートである。
【図14】図1の薬液散布作業車両の薬液散布制御のフローチャートである。
【図15】図1の薬液散布作業車両の薬液散布制御のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面に基づいてこの発明の実施態様について説明する。
図1に薬液散布装置を前部に取り付けた薬液散布作業車の側面図を示し、図2には薬液散布作業装置部分の平面図を示す。なお、本明細書では薬液散布作業車の前進方向に向かって左右方向をそれぞれ左、右という。
【0015】
薬液散布作業車の車体1は、前輪12及び後輪13を軸装するアクスルハウジングをローリング自在に支持する。また、ハンドルポスト59により支持されたステアリングハンドル14の回転操作により前輪12を操向すると共にボンネット15下のエンジン(図示せず)によって伝動走行される。この車体1には操縦席17の後部から左右両側にわたって囲うように形成された薬液タンク18を車体に対し着脱自在に搭載し、この薬液タンク18内の薬液を前側に設けられる散布ブーム19へ圧送する防除ポンプ20が車体1の操縦席17の下方に設けられている。
【0016】
操縦席17の左側下方でフロア54の上方に位置する薬液タンク18の左側部には、オペレータ一人が乗り降りできる程度の凹部Sが設けられ、該凹部Sの底面にタンク側ステップ50が設けられている。タンク側ステップ50の外側下方には、本機側ステップ53が設けられている。この本機側ステップ53は、上面53Aがフロア54・薬液タンク18の底面とほぼ同一高さとなる位置にある。
【0017】
本機側ステップ53の下方には、フロア54から吊り下げ式に設置された梯子部材55が設けられている。梯子部材55は任意の段数、例えば2段のステップを有している。これらの梯子部材55、本機側ステップ53及びタンク側ステップ50は所定の間隔で配置されている。このような構成によりオペレータは、梯子部材55のステップ、本機側ステップ53及びタンク側ステップ50を順に登ることにより、安全かつ容易に操縦席17に到達して乗車できる。
【0018】
本機のフロア54に薬液タンク18を搭載する自走型薬液散布作業車において、薬液タンク18は本機ダッシュパネル56付近まで前方に突出している。一方、薬液タンク18は上面視でオペレータの足元まで完全に覆い囲った略コの字状の構造を有している。このような構造により薬液タンク18の高さを増加させずにタンク容量を増大させるとともに後進時の見通しを確保できる。また、薬液タンク18を前方に長くすることにより、薬液タンク内水量の変位による機体の重心移動を小さく抑え、薬液散布作業時の機体バランスを安定させ、走行性能を高めることができ、機体が後傾して沈没するという事態を回避できる。
【0019】
なお、図2では薬液タンク18の上面が略コの字形状の略直方体形状のものを図示しているが、これに限定されず、タンクステップを有する形状であれば任意の形状にすることができる。
【0020】
薬液タンク18の先端部形状は、フロア54のフロントに上方へ浮き上がるように湾曲させた傾斜部51と密着するように形成されている。従って、薬液タンク18を後方から前方へ移動させて傾斜部51で合致させて止めることができる。このような構造により前輪12の横揺れ等によるタイヤと薬液タンク18の干渉を防止でき、薬液タンク18の本機のフロア54上での接地性を高め、タンク18の安定性を高めることができる。
【0021】
前記車体1の前部には、ボンネット15の左右両側部に支持されたリフトリンク3が取り付けられている。リフトリンク3は、アッパリンク24とロワリンク25を平行状に配置して、この前端部間をヒッチブラケット4で連結し、後端部間を直立した支柱23に軸支して平行リンク形態に構成され、この平行リンクが昇降シリンダ27、27により先端部が昇降移動することで散布ブーム19の薬液散布高さを調節することができる。
【0022】
ヒッチブラケット4の下端部には機体左右方向に伸びるセンターブーム43を取り付けている。またその左右端部に上方に突出したシリンダ取付支柱26が設けられ、シリンダ取付支柱26の上端には電気的に作動制御される油圧タンク付ソレノイドバルブ28を介して伸縮するローリングシリンダである上下シリンダ(ローリングシリンダ)29の上端が取り付けられ、上下シリンダ29の下端にはサイドブーム44が回動自在に取り付けられている。従って、上下シリンダ29の伸縮によりサイドブーム44が昇降される。なお、サイドブーム44は機体の両サイドに収納されるときはサイドブーム受け40で機体に支持される。
【0023】
前記散布ブーム19は、センターブーム43と、このセンターブーム43の外側に折畳可能に連結されるサイドブーム44とから構成され、各々薬液噴霧用の噴霧ノズル45(45a、45b)が一定間隔で配置されている。
サイドブーム44はシリンダ取付支柱26を介してセンターブーム43に取り付けられているが、サイドブーム44はセンターブーム43に設けられた開閉シリンダ30により開閉される。
【0024】
指標ロッド52(図1)は、センターブーム43の中央付近領域から上方に向けて垂直に突出して設けられたロッドである。該指標ロッド52の上端にはLED等からなるランプが付設されており、後述する自動水平制御動作の開始と同時にランプが点灯する。なお、指標ロッド52の下端において、作動機構等と連動して自動水平制御中に回転等するようにしても良い。このような構成によりオペレータにブーム43、44の制御状態を認知させることができ、ブーム43、44の誤操作を回避でき、散布作業時に自動水平スイッチをONにすることを忘れ、ロングブーム(サイドブーム44)の先端のノズル45bが作物と接触し、破損するという不具合を回避できる。
【0025】
ここで自動水平制御動作とは、開閉シリンダ30、30によりサイドブーム44、44をセンターブーム43の延長線上の水平方向(機体の進行方向に向かって左右方向)に開き、さらに上下シリンダ29、29であるローリングシリンダを最大限伸ばした際に、サイドブーム44、44が地面に対して水平状態になるように制御することをいう。具体的には、傾斜地を走行中に薬液散布ブーム19のサイドブーム44を開いていても上下シリンダ29により一方のサイドブーム44をリフトさせ、他方のサイドブーム44をダウンさせることで開いたサイドブーム44を傾斜地に対して平行になるようにして、地面に衝突させないようにする。
【0026】
次に上記構成の薬液散布作業車両の制御部について説明する。図3の制御ブロック図に示すように、本機コントローラ100には操舵切替スイッチと水平関係スイッチ(水平関係スイッチには自動スイッチと平行スイッチと手動スイッチがあり、自動スイッチはブーム43,44を水平に維持する水平制御、平行スイッチは車体1に対してブーム43,44の平行姿勢を維持する平行制御、手動スイッチは手動で任意の位置にブーム43,44の姿勢を変更制御することができる。)、車速センサ、操舵角センサ、コントロールレバーセンサ(薬液散布の入・切り用のレバー用センサ)、リフトアームセンサ、ストロークセンサ、スロープセンサ、GPSアンテナ(受信機)81からの信号を受信する入力回路などが接続し、操舵装置(ハンドル14や車輪操舵用の油圧シリンダと該シリンダ作動用のソレノイド等からなる)のソレノイド(本実施例の薬液散布作業車はFWS、4WS、RWSを装備しており、4輪全て油圧シリンダで動く構成である。)、昇降ソレノイド(シリンダ29用)、水平ソレノイド(シリンダ29用)、ブザー、表示部への出力回路等が接続している。
【0027】
図4に示すように、薬液散布作業車両(本機)のコントローラ100と薬液タンク18と薬液散布用ブーム43,44と薬液ホース61,66などとその流量制御弁73などから構成される防除機B(図6)のコントローラ101から本実施例のコントローラは構成され、本機のコントローラ100にはPS受信機81が接続される。該GPS受信機81は複数のGPS衛星からの信号を受信し、本機の現在位置データとして記憶すると共に、時計回路で計測する所定時間毎に現在位置データを更新しながら移動距離を算出し、該時計回路による所定時間おきに速度、即ち車速を本機コントローラ100にある車速算出手段5により算出する構成としている。また、本機コントローラ100には車軸の回転数を検知する車速センサ4からも入力がある。
【0028】
本実施例の薬液散布作業車両では、該作業車両に搭載して車速に連動して薬液を散布する防除機Bにおいて、薬液濃度と車速等により薬液散布量を決めて防除ポンプ65の薬液吐出量を決める。なお、前記GPS受信機81はGPSからの車両速度情報と位置情報を得ることができる。
【0029】
また、図6に示すような薬液散布配管系統の構成を採用した。薬液タンク18と薬液タンク60を別個に設け、該薬液タンク18からの給水路(ホース)61に給水コック62を設け、該給水コック62より下流の給水路(ホース)61に設けたサクションフィルタ64の出口部に防除ポンプ65を設ける。該防除ポンプ65の出口部には吐水ホース66を接続し、該吐水ホース66の先端は希釈薬液路67を介して噴霧コック69の設置部に接続している。前記吐水ホース66と希釈薬液路67の間に上流側から順に安全弁70とエアチャンバー71と流量制御弁73と流量センサ74が設置されている。また安全弁70の圧力設定部の吐水ホース66と薬液タンク18との間に余水ホース75が接続されている。前記安全弁70を開いておくと、吐水ホース66内の余分な薬液を薬液タンク18に還流させることができる。この安全弁70とエアチャンバー71と流量制御弁73が設置された吐水ホース66の部分であって、薬液タンク60から吐水ホース66へ薬液を供給する薬液ホース77の終端部分に第二ポンプ78が設けられ、第二ポンプ78は前記安全弁70,エアチャンバー71,流量制御弁73の設置ベース(清水と薬液の混合部P1)に接続している。また、余水ホース75の設置部より上流側の吐水ホース66から分岐して薬液タンク18に接続した攪拌ホース79も設けられている。
【0030】
前記混合部P1で清水と混合された希釈薬液は噴霧コック69を経由して前記センタブーム43,サイドブーム44に希釈薬液を供給する構成になっている。各ブーム43,44への希釈薬液の単位面積(例えば10アール)当たりの供給量(A)は流量制御弁73で調整できる。
【0031】
こうして薬液タンク18と薬液タンク60とを別個に設けたので、作業車が圃場内でスリップして走行できなくなっても薬液だけを圃場内に廃棄することができる。
【0032】
GPS受信機81からの速度データや位置データを本機コントローラ100で受信し、該速度、位置データを演算して車速算出手段5により速度を算出し、得られた値を速度信号に変換した後、防除機コントローラ101にシリアル通信で車速算出手段5による車速(第1車速(VG))として送信する。また、本機には車軸の回転数を車速パルスで計測する車速センサ4が設けられており、該車速センサ4からも車速(第2車速(Vs))を得ることができる。こうしてGPS受信機81から得られる車速算出手段5に基づく第1車速(VG)と本機に設けた車速センサ4から得られる第2車速(Vs)を本機側のコントローラ100で計算し、CAN通信により防除機コントローラ101に速度データを送り、薬液散布制御に利用する構成とする。
【0033】
ここで本実施例の薬液散布の基本手順を説明する。
まず、オペレータが10a当たりの散布量A(リットル/10a)を決定し、次いで薬液散布作業を開始すると、GPSに基づく第1車速(VG)と本機に設けた車速センサ4から得られる第2車速(Vs)がそれぞれ車速V(m/s)を検知する。そして制御装置100,101が前記第1車速(VG)と第2車速(Vs)(以下、単に車速(VG)、車速(Vs)と言う。)の中のどちらかの車速又は両方の車速に基づく10アール当たりの設定薬液散布量Aに対応した薬液噴霧圧力を計算し、該計算圧力値と実際の吐出ホール66の圧力Pが一致するように流量制御弁73を制御して、ブーム43,44のノズル45a,45bからの薬液散布量を変化させ、10アール当たりの薬液散布量Aを設定して作業すれば、車速(VG,Vs)の変動があっても薬液流量が制御され、設定散布量通りに圃場に均一に薬液を散布できる。
【0034】
防除機コントローラ101に車速測定手段がなくても、防除機(薬液散布装置)Bが連結される本機側の車速測定手段を用いて防除機Bでも車速(Vs)を測定することができるだけでなく、上記図4に示す構成により、本実施例の防除機Bとは別の粉粒体肥料を散布する可変施肥装置等の薬液散布装置(図示せず)に設けたコントローラを本機コントローラ100とは別に搭載している場合でも、可変施肥装置等の薬液散布装置は、そのまま車速を使用することができる。
【0035】
このとき得られる車速として図5のフローチャートに示すように前記GPSで得られた車速算出手段5に基づく車速(VG)と本機の車速センサ4から得られる車速(Vs)の平均化を行い、その平均化された車速を防除機Bの車速とする例を示す。
【0036】
GPSで得られた車速算出手段5に基づく車速(VG)と本機の車速センサ4から得られる車速(Vs)の平均化を行う理由は、電波の受信が不安定な場合(厚い雨雲、雪雲、地形の影響(谷、山のふもと)など)及びGPSの電波の精度が変更される場合があるためGPSで得られる車速が不安定となる恐れがある一方で、車輪のスリップ時などを除いて車速センサ4の信頼性が高いので、GPSから得られた車速と車速センサ4で得られた車速(車速パルスを読み込んで車速を計算する)を平均化して求めた車速に基づき、圃場10アール当たりの設定薬液散布量Aに対応した計算圧力値と実際の吐出ホール66の圧力Pが一致するように流量制御弁73を制御して、ブーム43,44のノズル45a,45bからの薬液散布量を変化させることで、車速の変動があっても圃場10アール当たりの薬液散布量Aを安定して散布することが可能となる。
【0037】
また、車速センサ4から得られた車速(Vs)が一定値(例えば0.3〜0.4m/s)以下のときは、GPSから得られた車速(VG)は防除機Bの薬液散布量の算出用の制御に使用しないようにする。例えば、走行開始時の車速変化が不安定なときは、図7のフローチャートに示すように車速センサ4から得られた車速(Vs)を圃場10アール当たりの設定薬液散布量Aに対応した薬液散布圧力値の計算に利用して、GPSによる車速(VG)は利用しないようにすることで薬液散布量の変動を抑えることができる。
【0038】
これは所定車速以下の低速での走行時には、GPSによる車速(VG)は車速センサ4による車速(Vs)よりも精度が悪くなるために、薬液散布量が過剰になりすぎたり、逆に足りない状況が発生する。そこでGPSによる車速(VG)を用いないで、車速センサ4による車速(Vs)を用いる。
【0039】
なお、走行開始後に車速センサ4で得られた車速(Vs)が一定値(例えば(0.3〜0.4m/s)を超えると、GPSによる車速(VG)に基づいて薬液散布量を決めて散布を実行する。
【0040】
また図8のフローチャートに示すように、GPSで得られた車速(VG)を検出し、次いで車速センサ4から車速(Vs)を得て、該車速(Vs)と前回得た車速(Vsn-1)との比較で、変化(Vs−Vsn-1=ΔVs)が一定値(例えば0.3〜0.4m/s)未満になると新しく得られた車速(Vs)により薬液散布量を決め、前記変化(ΔVs)が一定値(例えば0.3〜0.4m/s)以上になるとGPSで得られた車速(VG)で薬液散布用の薬液ポンプ65の圧力計算の制御ができる。
すなわち、作業車の走行開始時における車速変化が不安定なときは、車速センサ4で得られる車速(Vs)に基づいて薬液ポンプ65の圧力計算値を決めることにより、薬液散布量の変動を抑えることができる。
【0041】
GPS受信機81と車速センサ4を搭載し、GPS受信機81から得られる速度情報を元に車速算出手段5で算出した車速(VG)を実車速として、該実車速(VG)に基づく薬液設定散布量から設定圧力を計算して該設定圧力に基づく薬液散布量を制御する防除機Bにおいて、図9のフローチャートに示すように、走行開始から一定時間(例えば1〜2秒)経過するまではGPS車速(VG)を計算しても、該GPS車速(VG)を薬液散布制御に使用しないで、車速センサ4から計算した車速(Vs)を薬液ポンプ65の圧力計算に使用する構成とすることもできる。また、前記一定時間経過したら車速センサ4のパルスの回数を数える(=車速(Vs))ことを停止し、GPS車速(VG)を薬液散布制御データによる車速として使用する。
【0042】
これは走行開始時の車速変化が不安定なときには車速センサから得られる車速を薬液散布制御に使用することにより、薬液ポンプ65の圧力計算値の変動を抑え、同時にGPS受信機が安定して車速データを出力するまでの時間を確保する構成にすることができる。
【0043】
また図10のフローチャートに示すように、走行開始から一定時間経過するまではGPS車速(VG)を薬液ポンプ65の圧力計算に使用しないとき、あらかじめ設定しているスリップ率(Su=(100×VG/(VG−Vs))で車速センサ4により得られた車速(Vs)を補正して、この値に基づいて薬液ポンプ65の圧力計算を行う構成にしてもよい。こうして、GPS車速(実車速)により薬液ポンプ65の圧力計算をする前においても、実車速に近い速度で散布制御を行うことができる。なお、前記一定時間経過したら車速センサ4のパルスの回数を数える(=車速(Vs))ことを停止し、GPS車速(VG)を薬液散布制御データによる車速として使用する。
【0044】
図11に示すフローチャートのように走行開始から一定時間(例えば、1〜2秒)経過するまではGPS車速(VG)を薬液ポンプ65の圧力計算に使用しないとき、あらかじめ設定しているスリップ率(Su)で車速センサ4により得られた車速(Vs)を補正して、補正後の車速(Vs)をセットして薬液ポンプ65の圧力計算値を求め、前記走行開始から一定時間(例えば、1〜2秒)が経過したら、車速センサ4のパルスの回数を数える(=車速(Vs))ことを停止し、GPS車速(VG)算出用のデータを読み込み、GPS車速(VG)を計算する。その後に車速センサ4から車速(Vs)を得て、GPS車速(VG)と車速センサ車速(Vs)から実際のスリップ率(Su=100×VG/(VG−Vs))を計算し、その値を新たな設定スリップ率(Su)とし、メモリに書き込む。次いで前記算出しているGPS車速(VG)で設定圧力を計算する。
【0045】
こうして、薬液散布作業を中断して再開するときはより実車速に近い車速で薬液ポンプ65の圧力計算に基づき薬液散布量の制御を開始することが可能となる。
【0046】
また、走行開始後の計算車速を補正するスリップ率(Su)を圃場の位置情報変化により区別して設定することもできる。
図12のフローチャートに示すようにGPS受信機81と車速センサ4を搭載し、GPS受信機81から得られる速度情報を車速(VG)として設定散布量から設定圧力を計算し、散布量を制御する防除機において、走行開始から一定時間(例えば、1〜2秒)経過するまではGPS車速(VG)を薬液ポンプ65の圧力計算には使用しないで、車速センサ4から計算した車速(Vs)を使用して薬液散布制御をする場合に、GPS受信機81から得られる位置情報が変化している場合は計算に使用するスリップ率(Su)は予め設定した初期値(固定値)を用い、また、(イ)のステップに示すようにGPS受信機81から得られる位置情報が変化していない場合は計算に使用するスリップ率(Su)は前行程の走行時のGPS車速(VG)から計算してメモリ内に記憶しているスリップ率を用いる。
【0047】
また、走行開始から一定時間(例えば1〜2秒)が経過すると、ステップ(ロ)に示すように、車速センサ4のパルスの回数を数える(=車速(Vs))ことを停止し、GPS車速(VG)と新たにカウントして得られる車速センサ車速(Vs)からスリップ率(Su)を算出し、該スリップ率(Su)を考慮に入れたGPS車速(VG)に基づき薬液ポンプ65の圧力計算をして薬液散布制御を行う。
以上のように走行開始後に車速センサ4に基づく車速を計算し、この計算値を適切な薬液量散布の設定圧力計算に使用するとき、GPS受信機81から位置データを読み込んで圃場位置判定を行い、位置が変化している場合はスリップ率(Su)は予め設定されている初期値を用い、位置が変化していない場合はメモリ内に記憶されている前回のスリップ率(Su)の値を使用して補正車速(Vs)を計算し、該車速(Vs)に基づき薬液ポンプ65の圧力計算をして薬液散布制御を行う。
こうして、圃場の変更に応じた適切なスリップ率とすることが可能になる。
【0048】
図13のフローチャートに示すように記憶して走行開始後の一定時間(例えば、1〜2秒)内にGPSのチェックを行うことでGPSの検出異常の判断をすることができる。
すなわち、走行開始から一定時間経過するまではGPS車速(VG)を散布制御に使用しないで、車速センサ4から計算した車速(Vs)を用い、前記一定時間が経過するまでの間は、車速(Vs)をセットしてスリップ率(Su)を考慮に入れた補正車速(Vs)を計算し、GPSによる車速(VG)と車速センサ4から計算した車速(Vs)との比較により、両者の差が一定値以上(例えば、車速センサ値(Vs)に対してGPS車速(VG))のズレが10%以上)であれば、GPS検出異常と判定する構成とする。こうして、走行開始後の車速計算時にGPS受信機の良否を判定することが可能になる。
【0049】
また前記両者の差が前記した一定値未満であれば前記計算した補正車速(Vs)に基づき薬液散布設定圧を求める。
【0050】
また、走行開始から一定時間経過すると車速センサ4のパルスの回数を数える(=車速(Vs))ことを停止し、GPS車速(VG)に基づき薬液ポンプ65の圧力計算をして薬液散布制御を行う。
【0051】
また、本機側にGPSを用いた車速算出手段5と車輪回転検出型の車速センサ4を具備し、図4に示すように本機側から防除機B側に車情報を送信している場合に、車軸の回転数の検出型車速センサ4で求められる速度パルスによる車速(Vs)も防除機Bに入力できる構成にすることで防除機B側に車速センサ4を設けなくても薬液散布制御ができる。
【0052】
そのため、防除機Bから本機への通信ができなくなると、本機から防除機Bに送信されている車速センサ4による車速(Vs)を用いて防除機Bの車速連動型の薬剤散布圧力制御を行うようにする。
【0053】
防除機Bから本機への通信が回復するとGPSによる車速算出手段5で得られる車速(VG)を使用して薬剤散布圧力を設定し、異常があれば本機の車速センサ4による車速計算値で薬剤散布圧力制御を行う。
【0054】
また、図14のフローチャートに示すように、GPSを用いた車速算出手段5と車軸回転数を検出する車速センサ4を具備した作業車両では路上においてGPSによる車速算出手段5の測定値(VG)と車軸車速回転を検出する車速センサ4の測定値(Vs)を比較するGPS車速算出手段5の異常検出モードを設けておき、農作業の前に路上で上記2つの車速測定値(VGとVs)を比較してGPSによる車速算出手段5が正常であるかどうかをチェックしておくことで安心して車速連動型の薬液散布制御が可能となる。
【0055】
また、図15のフローチャートに示すように、GPSを用いた車速算出手段5の測定値(VG)が車軸回転検出型の車速センサ4の測定値(Vs)より速い(VG≧Vs)場合はGPSによる測定値(VG)に基づき薬液散布圧力を決定し、GPSの測定値(VG)が車速センサの測定値(Vs)より遅い(VG<Vs)場合は車速センサの測定値(Vs)により薬液散布圧力を決定する構成とすることができる。これは車速センサの測定値(Vs)はタイヤのスリップがあるため、GPSを用いた車速算出手段5の計算値(VG)より遅いはずである。それにもかかわらず、GPSの検出値(VG)が車速センサの測定値(Vs)より遅い(VG<Vs)の場合はGPSを用いた車速算出手段5の異常が考えられる。そこでGPSを用いた車速算出手段5が異常値の場合でも安定して防除作業を継続できる。
【0056】
GPSの測定値が速い場合はGPSの測定値で散布圧力を設定し、そうでない場合は回転型の車速想定値で散布圧力を設定する。
【0057】
一般に薬液散布には、慣行散布((例えば1反当たり50〜200リットル)と少量散布(例えば、1反当たり25リットル)があり、薬液の通常散布のことを慣行散布ともいい、少量散布は、慣行散布に対して少ない薬液量での薬液散布のことを指す。
図示しないが、防除ポンプ65側にレバーを設けて、該レバーを低吐出側(少量散布)と通常吐出側(慣行散布)に切り替え可能な構成とすることができる。
そして、防除ポンプ65側の制御装置(防除機コントローラ)101が低吐出側になっているにも関わらず、本機の制御装置(本機コントローラ)100が慣行散布になっていると、薬液を圃場に散布しない構成とすることができる。ただし、この制御は、自動モードの薬液散布設定が入っていることが条件である。自動モードとは、走行開始すると車速を検出して自動的に薬液散布をするモードである。
【0058】
また、薬液の慣行散布と少量散布で防除ポンプ65の吐出量を切り換える構成を備えている場合に、低吐出量側になっている場合には散布設定が自動的に少量散布となるような構成としても良い。こうして前回の散布が慣行散布に設定されていても自動的に少量散布設定になり、操作性が向上する。
【0059】
たとえば、図6に示す防除ポンプ65に吐出量切り換えレバー65aが付属している場合に、薬液吐出量が低吐出量側になっている場合は散布設定が自動的に25リットル/10aになるようにする。
【0060】
また、薬液の吐出設定量が高吐出側になっている場合は防除機コントローラ101の薬液散布設定が慣行散布の複数ある散布量(例えば1反当たり50〜200リットル)の設定のみを選択可能とすることができる。このように特定の散布量の設定のみを図示しない散布設定スイッチを順次押すことで選択できるようにしておくと、操作性が従来より向上する。
【0061】
薬液の慣行散布と少量散布で防除ポンプ65の吐出量を切り換える構成を有する防除機Bにおいて、該ポンプ65の吐出量設定とバイパスコック80の開閉の組み合わせが所定の組み合わせ以外の場合は警報を出力する構成とする。
例えば表1に示すように、低吐出量でバイパスホース81を利用する場合は適正な散布ができない。
【表1】

また、直進時の散布はGPSによる車速算出手段5により測定した車速(VG)を実車速として採用し、旋回時は車輪12,13の回転数から測定した車速センサ4による車速(Vs)を実車速として採用して散布圧力を設定する構成とすることが望ましい。その理由は、旋回時は車速が変化するが、GPSによる車速算出手段5による車速(VG)は車速の急激な変化に追随できないので適正な散布ができないためである。旋回しながら散布する場合には、操舵角が所定値以上になると車輪12,13で測定した車速(Vs)に所定のスリップ率(Su)を加味した車速で散布圧力を設定する。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明は、自走型散布機を備えた薬剤散布用の作業車両に限らず、肥料などを散布する作業車両にも利用可能性がある。
【符号の説明】
【0063】
1 車体 1a フック
3 リフトリンク 4 ヒッチブラケット
5 車速算出手段 6 車速センサ
12 前輪 13 後輪
14 ステアリングハンドル 15 ボンネット
17 操縦席 18 薬液タンク
19 散布ブーム 20 防除ポンプ
23 支柱 24 アッパリンク
25 ロワリンク 27 昇降シリンダ
26 シリンダ取付支柱
28 油圧タンク付ソレノイドバルブ
29 上下シリンダ(ローリングシリンダ)
30 開閉シリンダ 40 サイドブーム受け
43 センターブーム 44 サイドブーム
45(45a、45b) 噴霧ノズル
50 タンク側ステップ 51 傾斜部
52 指標ロッド 53 本機側ステップ
54 フロア 55 梯子部材
56 本機ダッシュパネル 59 ハンドルポスト
60 薬液タンク 61 給水路(ホース)
62 給水コック 64 サクションフィルタ
65 防除ポンプ 66 吐水ホース
67 希釈薬液路 69 噴霧コック
70 安全弁 71 エアチャンバー
73 流量制御弁 74 流量センサ
75 余水ホース 77 薬液ホース
78 第二ポンプ 80 バイパスコック
81 GPS受信機 100 本機コントローラ
101 防除機コントローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
位置情報と速度情報をGPSから受信できるGPS受信機(81)と、
車輪(12又は13)の回転数を検出する車速センサ(4)と、
薬液を貯留する薬液タンク(18)と、
該薬液タンク(18)からの薬液を圃場に散布する薬液散布ブーム(43,44)と、 薬液タンク(18)と薬液散布ブーム(43,44)との間の薬液流路に設けた薬液を吐出する防除ポンプ(65)と、
該防除ポンプ(65)の設置箇所より後流側の薬液流路に設けた薬液の吐出圧力を調整する薬液流量調節弁(73)と
を設けた薬液散布作業車両において、
GPSからの速度情報に基づき車速を算出する車速算出手段(5)と、
(a)車速算出手段(5)により得られる第1車速(VG)と(b)前記車速センサ(4)により得られる第2車速(Vs)の内の少なくともいずれかの車速又は(c)前記第1車速(VG)と第2車速(Vs)の平均化された車速と、予め設定された単位面積当たりの薬液散布量(A)との関係から防除ポンプ(65)の吐出圧力を計算し、該吐出圧力計算値に一致するように薬液流量調節弁(73)の開度の調整をして予め設定された単位面積当たりの薬液散布量(A)が均一になるように制御する制御装置(100,101)
を備えたことを特徴とする薬液散布作業車両。
【請求項2】
制御装置(100,101)には、車速センサ(4)により得られる第2車速(Vs)が所定値以下であると、GPSにより得られる第1車速(VG)を使用しないで、前記第2車速(Vs)に基づき前記予め設定された単位面積当たりの薬液散布量(A)が均一になるように制御する構成が備えられたことを特徴とする請求項1記載の薬液散布作業車両。
【請求項3】
制御装置(100,101)には、走行開始から所定時間の間はGPSから得られる第1車速(VG)を用いない構成が備えられたことを特徴とする請求項1記載の薬液散布作業車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−44953(P2012−44953A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−191949(P2010−191949)
【出願日】平成22年8月30日(2010.8.30)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】