説明

薬液注入装置

【課題】薬液の注入不良を防止することが可能な薬液注入装置を提供すること。
【解決手段】薬液注入装置1は、薬液槽10に貯留された薬液を本管100に流れる水に注入するダイヤフラムポンプ11と、ダイヤフラムポンプ11により本管100に注入される薬液の流量を検出する第1流量センサ14と、本管100を流れる水の流量を検出する第2流量センサ15と、第1流量センサ14及び第2流量センサ15により検出された流量から、水に注入された薬液の濃度を算出するとともに、目標の薬液の濃度とするために、ダイヤフラムポンプ11から注入される薬液の量を制御する制御装置18と、を備える構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配管を流れる水にダイヤフラムポンプを用いて薬液を注入する薬液注入装置に関する。
【背景技術】
【0002】
井戸水に含有される鉄やマンガンイオン等を濾過装置により濾過すると共に、薬液注入装置により薬液を注入することで井戸水の除菌を行い、井戸水を飲料水等に利用する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
薬液注入装置は、ダイヤフラムポンプを用いて薬液である次亜塩素酸ナトリウムを井戸水中に注入することで、井戸水の除菌を行うとともに、井戸水中に含有される鉄を析出させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−81976号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した薬液注入装置では、以下の問題があった。即ち、薬液注入装置は、井戸水中に薬液を定量注入することとなるが、井戸水の流量が変化する等により井戸水中の薬液の濃度にばらつきが発生する虞がある。
【0006】
また、薬液に用いられる次亜塩素酸ナトリウムは、不安定な気化性液体であり、薬液槽に貯留している際に、高温環境等で一定期間経過するとその特性が変化する、という問題がある。
【0007】
具体的には、次亜塩素酸ナトリウムは、保存温度が25℃以上になると自己分解が促進され、化学式
2NaClO→2NaCl+O
に示すように、酸素ガスが発生し、有効塩素濃度が低下するという問題がある。
【0008】
また、発生した酸素ガスがダイヤフラムポンプ内に一定量溜まると、ダイヤフラムの往復動により薬液が圧縮されずに酸素ガスが圧縮される、所謂ガスロックが発生する虞もある。これらの問題は、薬液の濃度の低下等の発生の原因となり、薬液の注入不良等の原因となる。
【0009】
そこで本発明は、薬液の注入不良を防止することが可能な薬液注入装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決し目的を達成するために、本発明の薬液注入装置は次のように構成されている。
【0011】
本発明の一態様として、本管を流れる水に薬液を注入する薬液注入装置において、薬液槽に貯留された薬液を前記本管に注入するダイヤフラムポンプと、前記ダイヤフラムポンプにより前記本管に注入される前記薬液の流量を検出する第1流量センサと、前記本管を流れる水の流量を検出する第2流量センサと、前記第1流量センサ及び前記第2流量センサにより検出された流量から、前記水に注入された前記薬液の濃度を算出するとともに、前記算出された薬液の濃度を目標の濃度とするために、前記ダイヤフラムポンプから注入される薬液の量を制御する制御装置と、を備える。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、薬液の注入不良を防止することが可能な薬液注入装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施の形態に係る薬液注入装置の構成を模式的に示す説明図。
【図2】同薬液注入装置に用いられるダイヤフラムポンプの構成を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施の形態に係る薬液注入装置1を図1及び図2を用いて説明する。
図1は本発明の一実施の形態に係る薬液注入装置1の構成を模式的に示す説明図、図2は薬液注入装置1に用いられるダイヤフラムポンプ11の構成を示す断面図である。
【0015】
薬液注入装置1は、給水ポンプにより井戸等の供給源から供給された原水(井戸水)を濾過装置へと供給する本管100に薬液を注入可能に形成されている。なお、薬液は、次亜塩素酸ナトリウムが用いられる。また、本管100は、その一次側が給水ポンプに接続され、その二次側が濾過装置に接続されている。
【0016】
薬液注入装置1は、薬液槽10と、ダイヤフラムポンプ11と、第1連結管12と、第2連結管13と、第1流量センサ14と、第2流量センサ15と、サーミスタ16と、濃度測定装置17と、制御装置18と、を備えている。
【0017】
薬液槽10は、樹脂材料で形成され、その内部に所定の量の薬液を貯留可能に形成されている。薬液槽10は、その下面に第1連結管12が接続される。薬液槽10は、蓋体等により、空気の移動が可能に閉塞される。
【0018】
ダイヤフラムポンプ11は、ポンプ部21と、モータ部22と、を備えている。
【0019】
ポンプ部21は、ポンプケーシング31と、ピストン32と、付勢部材33と、ダイヤフラム34と、を備えている。ポンプケーシング31は、その内部にポンプ室35を有している。ポンプケーシング31は、ポンプ室35に連続する吸込口36と、吐出口37と、吸込口36及び吐出口37にそれぞれ設けられた逆止弁38と、を備えている。
【0020】
ピストン32は、モータ部22により往復動可能に形成されている。ピストン32は、その一端側がポンプケーシング31内に位置し、他端側がモータ部22に位置する。また、ピストン32は、図2に示すように、例えば、その一端側がダイヤフラム34を取付け可能な雌螺子等の被締結部が形成されている。ピストン32は、その他端側に座部39を有している。
【0021】
付勢部材33は、コイルバネであり、その内部にピストン32を挿通するとともに、ピストン32の座部39とポンプケーシング31の外面との間に配置される。付勢部材33は、ピストン32をモータ側に付勢することで、ピストン32の他端側の端部を後述する偏心カム43の外周側に当接させる。
【0022】
ダイヤフラム34は、弾性材料で形成された薄膜である。ダイヤフラム34は、ポンプ室35内に位置し、ピストン32の一端側を覆うとともに、ピストン32により、往復動可能に形成されている。具体的には、ダイヤフラム34は、図2に示すように、その中心部分にピストン32の被締結部と締結する雄螺子等の締結部材が設けられ、この締結部材が被締結部と締結することで、その中心部がピストン32の一端側の端部に固定される。また、ダイヤフラム34は、ポンプ室35が液密となるようにその外周部分がポンプケーシング31に固定される。即ち、ダイヤフラム34は、ポンプ室35の内壁の一部を構成し、ピストン32の往復動により変形することで、ポンプ室35の体積を増減させ、ポンプ室35中の薬液の吸込及び吐出を行う。
【0023】
モータ部22は、回転軸41を有するステッピングモータ42と、回転軸41に固定された偏心カム43と、を備えている。ステッピングモータ42は、制御装置18に信号線Sを介して接続されている。ステッピングモータ42は、偏心カム43によりピストン32を往復動可能な高トルクの出力が可能に形成されている。
【0024】
偏心カム43は、その回転中心から外面の最大半径及び最小半径の差がピストン32の往復動の距離と同等に形成されている。偏心カム43は、その最大半径及び最小半径となる部位が、その回転中心を中心に点対称の位置に設けられている。
【0025】
例えば、偏心カム43は、最小半径及び最大半径の部位は180度間隔で設けられ、偏心カム43は、最小半径となる部位から180度回転することで、ピストン32をポンプ室35側に移動させる。また、偏心カム43は、最大半径となる部位から180度回転することで、付勢部材33により偏心カム43側に付勢されているピストン32を、その外周面に沿って偏心カム43側に移動させる。
【0026】
第1連結管12は、薬液槽10及び吸込口36を接続する。第1連結管12は、その中途部に、第1流量センサ14を有している。第2連結管13は、吐出口37と本管100とを接続する。
【0027】
第1流量センサ14は、制御装置18に信号線Sを介して接続されている。第1流量センサ14は、薬液槽10から吸込口36へ移動する薬液の流量を検出可能に形成されている。
【0028】
第2流量センサ15は、制御装置18に信号線Sを介して接続されている。第2流量センサ15は、本管100であって、第2連結管13が接続された接続部の一次側に設けられている。第2流量センサ15は、本管100を流れる原水の流量を検出可能に形成されている。
【0029】
サーミスタ16は、外気温、薬液槽の温度又は薬液の温度のいずれかを検出可能に形成されている。本実施形態においては、サーミスタ16は、外気温を検出可能な構成を用いて説明する。
【0030】
濃度測定装置17は、制御装置18に信号線Sを介して接続されている。濃度測定装置17は、本管100内を流れる原水に注入された薬液の濃度を検出可能に形成されている。濃度測定装置17は、第2連結管13が接続された接続部の二次側であって、所定の距離離れた管路上に設けられる。なお、所定の距離とは、注入された薬液が原水と混合することで、原水中の薬液が均一となる距離、即ち、濃度が安定する距離であり、例えば、濃度測定装置17は、10m程度接続部から離れて設けられる。このため、濃度測定装置17は、接続部から所定の距離離れた管路上に設けられる。
【0031】
制御装置18は、ステッピングモータ42、第1流量センサ14、第2流量センサ15、サーミスタ16及び濃度測定装置17に接続されている。制御装置18は、記憶部51を有している。制御装置18は、ステッピングモータ42の駆動及び停止を切り替え可能、且つ、ステッピングモータ42の回転速度を可変可能に形成されている。記憶部51は、薬液の自己分解によりガスの発生が促進する温度、本実施形態においては外気温を閾値として記憶している。
【0032】
制御装置18は、少なくとも下記(1)乃至(4)の機能を有している。
(1)第1流量センサ14及び第2流量センサ15で検出した薬液の注入量及び原水の流量から原水中の薬液の濃度を算出し、当該濃度が目標濃度となるように、ステッピングモータ42の回転速度を可変させるフィードバック制御を行う機能。
【0033】
(2)第1流量センサ14及び第2流量センサ15で検出された薬液の流量(注入量)及び本管100の原水の流量から算出される濃度と、濃度測定装置17で検出される濃度に差があるときに、濃度測定装置17で検出された情報に基づいてステッピングモータ42の回転速度を可変させる機能。
【0034】
(3)サーミスタ16で検出された温度が閾値以上である場合に、ステッピングモータ42を数秒間、最高回転速度で駆動する機能。
(4)サーミスタ16で検出された温度が閾値以上である場合に最高速度でステッピングモータ42を駆動後、所定の時間、所定の量よりも少量の薬液を原水に注入する機能。
【0035】
このように構成された薬液注入装置1は、第1流量センサ14、第2流量センサ15、サーミスタ16及び濃度測定装置17で検出された情報に基づいて、ステッピングモータ42を駆動し、原水に薬液を注入する。
【0036】
具体的に説明すると、制御装置18は、本管100の一次側の給水ポンプから原水が供給されると、ステッピングモータ42を駆動する。ステッピングモータ42の駆動により、偏心カム43が回転し、ピストン32が往復動する。
【0037】
このピストン32の往復動により、ダイヤフラム34が変形し、ポンプ室35の容積が変化し、ポンプ室35内の薬液の圧力が増減する。また、ポンプ室35内の圧力の変化によって、逆止弁38が交互に開閉しポンプ室35内の薬液が二次側へと圧送され、薬液が本管100に注入される。
【0038】
このとき、制御装置18は、機能(1)として、第1流量センサ14で検出される薬液の注入量と、第2流量センサ15で検出される原水の流量から算出された濃度と目標濃度とを比較して、当該算出された濃度が目標濃度となるように、ステッピングモータ42を可変させる。
【0039】
具体的には、制御装置18は、第1流量センサ14で検出された薬液の流量(注入量)と、第2流量センサ15で検出された原水の流量から、当該検出時の濃度を算出する。制御装置18は、当該算出された濃度と、記憶部51に記憶された目標濃度とを比較する。算出された濃度が目標濃度と略同一の場合には、制御装置18は、ステッピングモータ42を、その回転速度をそのままで駆動する。
【0040】
算出された濃度と目標濃度とが異なる場合には、制御装置18は、ステッピングモータ42の回転速度を可変させ、算出された濃度と目標濃度とが略同一となるまで、ステッピングモータ42の回転速度を可変させる。
【0041】
制御装置18は、算出された濃度と目標濃度とが略同一となった場合であっても、継続して検出された薬液及び原水の流量から濃度を算出して目標流量と比較を行う。このように、制御装置18は、第1流量センサ14及び第2流量センサ15で検出された流量と目標とする薬液の濃度からフィードバック制御を行う。
【0042】
また、制御装置18は、機能(2)として、濃度測定装置17で検出された原水中の薬液の濃度と、機能(1)で注入された薬液の濃度、即ち、第1流量センサ14及び第2流量センサ15で検出された薬液と原水との流量から算出される濃度とに差があるか否かを判断する。
【0043】
当該濃度に差がない場合には、制御装置18は、継続して機能(1)によりステッピングモータ42を駆動する。当該濃度に差が有る場合には、制御装置18は、濃度測定装置17で検出された濃度に基づいて、ステッピングモータ42を制御する。
【0044】
制御装置18は、機能(3)として、ダイヤフラムポンプ11の駆動中に、サーミスタ16で温度を検出する。制御装置18は、検出した温度が閾値以上である場合に、ステッピングモータ42を数秒間、例えば10秒程度最高回転速度で運転を行う。制御装置18は、ステッピングモータ42を最高回転速度で数秒間運転後、機能(4)として、所定の時間、目標の濃度よりも低い濃度となるように、原水の流量に対して所定の量よりも少量の薬液を原水に注入する。即ち、制御装置18は、ステッピングモータ42を最高回転速度で数秒間運転後に、目標の濃度よりも低い濃度となるように、ステッピングモータ42を低回転で駆動させる。
【0045】
例えば、制御装置18は、機能(4)として、機能(3)の最高回転速度運転を行う時間、及び、機能(4)の原水の流量に対して所定の量よりも少量の薬液とする調整運転を行う時間の合計時間から予想される薬液の注入量と、機能(1)又は機能(2)で前述の合計時間と同時間注入される薬液の注入量とを略同一とする。
【0046】
即ち、制御装置18は、機能(4)としてダイヤフラムポンプ11により注入される薬液の量を調整することで、機能(3)及び機能(4)によりダイヤフラムポンプ11が駆動されている間の薬液の注入量が過度な注入量となることを防止する。なお、機能(3)及び機能(4)は、一定時間毎、例えば、数時間毎に行えばよい。
【0047】
このように構成された薬液注入装置1によれば、第1流量センサ14及び第2流量センサ15により検出された情報に基づいて、注入する薬液を調整可能となる。また、第1流量センサ14及び第2流量センサ15で検出された流量から算出される薬液の濃度と、濃度測定装置17で検出される濃度とを比較し、当該濃度に差が出た場合には、濃度測定装置17で検出される濃度に基づいてステッピングモータ42を制御する。
【0048】
これにより、薬液注入装置1は、第1流量センサ14及び第2流量センサ15の誤差、ポンプ部21の誤差、及び、薬液の自己分解による有効塩素濃度の低下等による原水中へ注入された薬液の濃度の補正を行うことが可能となる。このため、簡単な構成で、薬液の注入量を高精度に制御することが可能となる。
【0049】
また、薬液注入装置1は、サーミスタ16で検出した温度に応じて、最高回転速度でステッピングモータ42を駆動し、ダイヤフラム34を駆動することで、ポンプ室35に、薬液の自己分解により発生したガスが溜まることを防止することが可能となる。ポンプ室35内のガス溜まりを防止することで、当該ガス溜まりにより発生するガスロックを防止することが可能となり、薬液の注入不良を防止することが可能となる。
【0050】
また、薬液注入装置1は、所定の時間毎にガスロックを防止するための運転を行うことで、自己分解が促進される温度に長時間薬液が晒されている状態であっても、ポンプ室35にガスが溜まることを防止可能となる。
【0051】
さらに、薬液注入装置1は、ガス溜まりを防止後に、薬液の注入量を通常よりも少量とすることで、薬液の注入不良の防止、換言すると、薬液が原水中に過度に注入されることを防止することが可能となる。
【0052】
上述したように本発明の一実施の形態に係る薬液注入装置1によれば、薬液の注入不良を防止することが可能な薬液注入装置を提供することが可能となる。
【0053】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではない。例えば、上述した例では、濃度測定装置17を用いることで、第1流量センサ14及び第2流量センサ15の検出情報に基づいて算出した薬液の原水中の濃度と、濃度測定装置17で検出した情報との差に応じて、ダイヤフラムポンプ11を制御する構成を説明したが、これに限定されない。
【0054】
例えば、前記濃度測定装置17で検出した濃度が、前記算出した薬液の原水中の濃度と異なる場合には、誤差を補正するとともに、制御装置等に設けられた報知手段によって、オペレータ等の外部に当該誤差が発生している旨を報知する構成であってもよい。
【0055】
また、例えば、濃度測定装置17を用いない構成としてもよい。即ち、顧客要望や、短期的に薬液槽10内の薬液が使用又は交換される等の場合には、濃度測定装置17を設けない構成とすることで、薬液注入装置1の製造コストを低減させることが可能となる。
【0056】
さらに、上述した例では、偏心カム43は、最小半径及び最大半径となる部位が180度間隔を有して設けられる構成を説明したがこれに限定されない。例えば、最小半径及び最大半径となる部位は、90度間隔で交互に設けられていてもよく、また、45度間隔で交互にもうけられていてもよい。この他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。
【符号の説明】
【0057】
1…薬液注入装置、10…薬液槽、11…ダイヤフラムポンプ、12…第1連結管、13…第2連結管、14…第1流量センサ、15…第2流量センサ、16…サーミスタ、17…濃度測定装置、18…制御装置、21…ポンプ部、22…モータ部、31…ポンプケーシング、32…ピストン、33…付勢部材、34…ダイヤフラム、35…ポンプ室、36…吸込口、37…吐出口、38…逆止弁、39…座部、41…回転軸、42…ステッピングモータ、43…偏心カム、51…記憶部、100…本管、S…信号線。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本管を流れる水に薬液を注入する薬液注入装置において、
薬液槽に貯留された薬液を前記本管に注入するダイヤフラムポンプと、
前記ダイヤフラムポンプにより前記本管に注入される前記薬液の流量を検出する第1流量センサと、
前記本管を流れる水の流量を検出する第2流量センサと、
前記第1流量センサ及び前記第2流量センサにより検出された流量から、前記水に注入された前記薬液の濃度を算出するとともに、前記算出された薬液の濃度を目標の濃度とするために、前記ダイヤフラムポンプから注入される薬液の量を制御する制御装置と、
を備えることを特徴とする薬液注入装置。
【請求項2】
前記ダイヤフラムポンプは、
回転軸を有するステッピングモータと、
回転軸に設けられた偏心カムと、
前記偏心カムの回転により往復動するピストンと、
ポンプ室を有するポンプケーシングと、
前記ポンプ室内に設けられ、前記ピストンの往復動により前記ポンプ室内の体積を変化させるダイヤフラムと、
を具備することを特徴とする請求項1に記載の薬液注入装置。
【請求項3】
外気温、前記薬液槽の温度又は前記薬液槽に貯留された前記薬液の温度を検出可能なサーミスタと、
前記薬液の自己分解によりガスの発生が促進する温度を閾値として記憶する記憶部と、をさらに備え、
前記制御装置は、前記サーミスタにより検出した温度が前記閾値となると、前記目標の濃度とするために前記薬液を注入する回転速度よりも高い回転速度で所定の時間前記ステッピングモータを駆動することを特徴とする請求項2に記載の薬液注入装置。
【請求項4】
前記制御装置は、前記目標の濃度とするために前記薬液を注入する回転速度よりも高い回転速度で所定の時間駆動後、前記目標の濃度とするために前記薬液を注入する回転速度よりも低い回転速度で所定の時間前記ステッピングモータを駆動することを特徴とする請求項3に記載の薬液注入装置。
【請求項5】
前記水に注入された前記薬液の濃度を検出する濃度測定装置をさらに備え、
前記制御部は、前記算出した前記薬液の濃度と、前記濃度測定装置で検出された前記薬液の濃度に差が生じたときに、前記濃度測定装置で検出された前記薬液の濃度に基づいて前記ダイヤフラムポンプを駆動することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の薬液注入装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−217894(P2012−217894A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−84458(P2011−84458)
【出願日】平成23年4月6日(2011.4.6)
【出願人】(502002407)川本電産株式会社 (8)
【Fターム(参考)】