説明

薬液用容器及び該薬液用容器を備えた薬液吐出装置

【課題】簡便な構造で薬液の変質を防止できるとともに、該薬液の交換及び補充にかかる手間の増加を防止できる薬液用容器及び薬液用容器を備えた薬液吐出装置を提供する。
【解決手段】薬液吐出ユニット15は薬液用容器32と着色ノズルと加圧気体供給源33を備えている。薬液用容器32は内側容器56と外側容器57と加圧流体供給管58と薬液排出管59を備えている。内側容器56は変形自在なフィルム状のシートによって袋状に形成されて着色材を封入している。外側容器57は内側容器56を封入している。加圧流体供給管58は外側容器57の底面を貫通してその先端が該外側容器と内側容器56との間の空間に位置している。薬液排出管59は容器56,57の底面を貫通してその先端が該内側容器56内に位置している。加圧気体供給源33が加圧流体供給管58を介して加圧された気体を供給する。薬液用容器32は着色ノズルに着色材を供給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、物品を着色するための着色材などの薬液を収容した薬液用容器及び該薬液用容器を備えた薬液吐出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
移動体としての自動車などには、種々の電子機器が搭載される。このため、前記自動車などは、前記電子機器に電源などからの電力やコンピュータなどからの制御信号などを伝えるために、ワイヤハーネスを配索している。ワイヤハーネスは、物品としての複数の電線と、該電線の端部などに取り付けられたコネクタなどを備えている。
【0003】
電線は、導電性の芯線と該芯線を被覆する絶縁性の合成樹脂からなる被覆部とを備えている。電線は、所謂被覆電線である。コネクタは、端子金具と、この端子金具を収容するコネクタハウジングとを備えている。端子金具は、導電性の板金などからなり電線の端部に取り付けられてこの電線の芯線と電気的に接続する。コネクタハウジングは、絶縁性の合成樹脂からなり箱状に形成されている。ワイヤハーネスは、コネクタハウジングが前述した電子機器などと結合することにより、端子金具を介して各電線が前述した電子機器と電気的に接続して、前述した電子機器に所望の電力や信号を伝える。
【0004】
前記ワイヤハーネスを組み立てる際には、まず電線を所定の長さに切断した後、該電線の端部などの被覆部を除去(皮むき)して端子金具を取り付ける。必要に応じて電線同士を接続する。その後、端子金具をコネクタハウジング内に挿入する。こうして、前述したワイヤハーネスを組み立てる。
【0005】
前述したワイヤハーネスの電線は、芯線の大きさと、被覆部の材質(耐熱性の有無などによる材質の変更)と、使用目的などを識別する必要がある。なお、使用目的とは、例えば、エアバック、ABS(Antilock Brake System)や車速情報などの制御信号や、動力伝達系統などの電線が用いられる自動車の系統(システム)である。
【0006】
そこで、ワイヤハーネスに用いられる電線は、前述した被覆部を構成する合成樹脂を芯線の周りに押し出し被覆する際に、被覆部を構成する合成樹脂に所望の色の着色剤を混入して、該被覆部を所望の色に着色してきた(例えば、特許文献1ないし3参照)。この場合、電線の外表面の色を変更する際に、前述した押し出し被覆を行う押し出し被覆装置を停止する必要がある。この場合、電線の色替えの度に、押し出し被覆装置を停止する必要があり、電線の製造にかかる所要時間と手間が増加して、電線の生産効率が低下する傾向であった。
【0007】
または、押し出し被覆装置が押し出し被覆を行っている状態で合成樹脂に混入する着色剤の色を変更してきた。この場合、着色剤の色を変更した直後では、被覆部を構成する合成樹脂の色が、被覆部の変更前の着色剤の色と変更後の着色剤の色とが混ざり合った色になる。このため、電線の材料歩留まりが低下する傾向であった。
【0008】
前述した電線の生産性の低下と電線の材料歩留まりの低下を防止するために、本発明の出願人は、例えば、単色の電線を製造しておき、必要に応じて物品としての電線の外表面を所望の色に着色してワイヤハーネスを組み立てることを提案している(特許文献4参照)。また、本発明の出願人は、製造後の単色の電線を着色する際に、液状の着色材を物品としての電線の外表面に向かって一定量ずつ滴射して、該着色材の液滴を電線の外表面に付着させることで電線を所望の色に着色する電線の着色装置を提案している(特許文献5参照)。
【0009】
前述した特許文献5に記載された電線の着色装置では、円筒状の薬液用容器内に薬液としての着色材を収容して、該収容筒内に設けられたプランジャなどを加圧された気体で加圧することで、前述した着色材を着色ノズルに供給する薬液吐出装置が用いられている。前述した薬液吐出装置の薬液用容器は、例えば、合成樹脂やガラスなどの硬質な材料で構成されている。
【特許文献1】特開平5−111947号公報
【特許文献2】特開平6−119833号公報
【特許文献3】特開平9−92056号公報
【特許文献4】国際公開第03/019580号パンフレット
【特許文献5】特開2004−134371号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
前述した薬液吐出装置の薬液用容器は、プランジャなどを介して加圧された気体によって、前述した薬液を着色ノズルに供給する。このため、薬液と外部の雰囲気とが直接接触して、該着色材の溶媒などが蒸発するための薬液が変質することがあった。また、薬液用容器自体が、硬質な材料で構成されているために、該薬液用容器自体のコストが高騰して、全ての薬液を排出した後に、再利用を行う必要があった。このため、再利用の際に、一度、薬液用容器自体を洗浄する必要が生じて、薬液の交換及び補充にかかる手間が増加する傾向であった。
【0011】
したがって、本発明の目的は、簡便な構造で薬液の変質を防止できるとともに、該薬液の交換及び補充にかかる手間の増加を防止できる薬液用容器及び薬液用容器を備えた薬液吐出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記課題を解決し目的を達成するために、請求項1に記載の本発明の薬液用容器は、外側容器と、変形自在な材料で構成され、かつ前記外側容器内に収容されているとともに、薬液を収容して密封された内側容器と、前記外側容器のみを貫通して、前記外側容器と前記内側容器との間の空間と、前記外側容器の外側とを連通しているとともに加圧された流体が供給される加圧流体供給管と、前記外側容器と前記内側容器との双方を貫通して、外側容器の外側と内側容器の内側とを連通しているとともに、前記内側容器内の薬液を排出するための薬液排出管と、を備えたことを特徴としている。
【0013】
請求項2に記載の本発明の薬液用容器は、請求項1記載の薬液用容器において、前記内側容器が、フィルム状のシートによって袋状に形成されていることを特徴としている。
【0014】
請求項3に記載の本発明の薬液用容器は、請求項1又は請求項2記載の薬液用容器において、前記外側容器が、変形自在な材料で構成されていることを特徴としている。
【0015】
請求項4に記載の本発明の薬液用容器は、請求項3に記載の薬液用容器において、前記外側容器が、フィルム状のシートによって袋状に形成されていることを特徴としている。
【0016】
請求項5に記載の本発明の薬液用容器は、請求項3又は請求項4に記載の薬液用容器において、弾性材料で構成され、前記外側容器の前記薬液排出管が貫通した部分に取り付けられたシール部材を備えたことを特徴としている。
【0017】
請求項6に記載の本発明の薬液吐出装置は、請求項1乃至請求項5のうちいずれか一項に記載の薬液用容器と、前記加圧流体供給管を通して、前記空間内に加圧された流体を供給する加圧流体供給源と、前記薬液排出管から前記薬液が供給されて、該薬液を一定量ずつ滴射して、前記薬液の液滴を物品の外表面に付着させるノズルと、を備えたことを特徴としている。
【0018】
請求項1に記載された本発明によれば、内側容器が密閉されているので、該内側容器内の薬液に直接外部の雰囲気が接触することを防止できる。
【0019】
また、内側容器が変形自在な材料で構成されて、外側容器内に加圧した気体が供給される構成であるので、内側容器を密閉しても、該内側容器内の薬液を外部に排出できる。
【0020】
さらに、内側容器が変形自在な材料で構成されているので、該内側容器の合成樹脂などによって袋状に形成できる。
【0021】
請求項2に記載された本発明によれば、内側容器がフィルム状のシートによって袋状に形成されているので、該内側容器の低コスト化を図ることができる。
【0022】
請求項3に記載された本発明によれば、外側容器が変形自在な材料で構成されているので、該外側容器の合成樹脂などによって袋状に形成できる。
【0023】
請求項4に記載された本発明によれば、外側容器がフィルム状のシートによって袋状に形成されているので、該外側容器の低コスト化を図ることができる。
【0024】
請求項5に記載された本発明によれば、弾性材料で構成されたシール部材が薬液排出管が貫通した箇所に取り付けられているので、該シール部材の弾性復元力によって、外側容器と薬液排出管との間の隙間が埋められる。
【0025】
請求項6に記載された本発明によれば、内側容器が密閉されているので、該内側容器内の薬液に直接外部の雰囲気が接触することを防止できる。
【0026】
また、内側容器が変形自在な材料で構成されて、外側容器内に加圧した気体が供給される構成であるので、内側容器を密閉しても、該内側容器内の薬液を外部に排出できる。
【0027】
さらに、内側容器が変形自在な材料で構成されているので、該内側容器の合成樹脂などによって袋状に形成できる。
【発明の効果】
【0028】
以上説明したように請求項1に記載の本発明は、内側容器内の薬液に直接外部の雰囲気が接触することを防止できるので、該薬液が変質することを防止できる。
【0029】
また、内側容器が変形自在な材料で構成されて、外側容器内に加圧した気体が供給される構成であるので、内側容器を密閉しても、該内側容器内の薬液を外部に排出できる。
【0030】
さらに、内側容器を合成樹脂などによって袋状に形成できるので、該内側容器を簡便な構造にできて、該内側容器の使い捨てを行うことができる。したがって、薬液の交換及び補充時に、該薬液用容器を洗浄して再利用する必要が生じない。
【0031】
よって、薬液用容器は、簡便な構造とすることができ、かつ薬液の変質を防止できるとともに、該薬液の交換及び補充にかかる手間の増加を防止することができる。
【0032】
請求項2に記載の本発明は、内側容器を簡便な構造と確実にすることができ、該内側容器の低コスト化を図ることができる。したがって、薬液用容器全体の低コスト化を図ることができる。
【0033】
請求項3に記載の本発明は、外側容器の合成樹脂などによって袋状に形成できるので、該外側容器を簡便な構造にできて、内側容器に加え、該外側容器の使い捨てを行うことができる。したがって、薬液の交換及び補充時に、該薬液用容器を洗浄して再利用する必要が生じないので、該薬液の交換及び補充にかかる手間の増加を防止することができる。
【0034】
請求項4に記載の本発明は、外側容器を簡便な構造と確実にすることができ、該外側容器の低コスト化を図ることができる。したがって、薬液用容器全体の低コスト化を図ることができる。
【0035】
請求項5に記載の本発明は、シール部材の弾性復元力によって、外側容器と薬液排出管との間の隙間が埋められるので、薬液用容器内の薬液が薬液排出管と容器との間の隙間などから漏れることを防止できる。
【0036】
請求項6に記載の本発明は、前述した薬液用容器を備えているので、該薬液用容器を簡便な構造とすることができ、かつ薬液の変質を防止できるとともに、該薬液の交換及び補充にかかる手間の増加を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下、本発明の一実施形態にかかる薬液吐出装置及び薬液用容器を、図1ないし図15に基づいて説明する。図2及び図3などに示す薬液吐出装置としての薬液吐出ユニット15は、図1などに示す物品としての電線の加工装置としての電線の着色装置(以下単に着色装置と呼ぶ)1を構成する(電線の加工装置としての着色装置1に取り付けられる)。着色装置1は、物品としての電線3を所定の長さに切断して、この物品としての電線3の外表面3aの一部に印6を形成する装置である。即ち、着色装置1は、物品としての電線3の外表面3aを着色する即ちマーキング(Marking)する。
【0038】
物品としての電線3は、移動体としての自動車などに配索されるワイヤハーネスを構成する。電線3は、図7(a)に示すように、導電性の芯線4と、絶縁性の被覆部5とを備えている。芯線4は、複数の素線が撚られて形成されている。芯線4を構成する素線は、導電性の金属で構成されている。また、芯線4は、一本の素線から構成されても良い。被覆部5は、例えば、ポリ塩化ビニル(Polyvinylchloride:PVC)、ポリオレフィン(PE、PP等)などの合成樹脂で構成されている。被覆部5は、芯線4を被覆している。このため、電線3の外表面3aとは、被覆部5の外表面をなしている。
【0039】
また、被覆部5は、単色Pである。なお、被覆部5を構成する合成樹脂に所望の着色剤を混入して、電線3の外表面3aを単色Pにしても良く、被覆部5を構成する合成樹脂に着色剤を混入することなく、単色Pを合成樹脂自体の色として良い。被覆部5を構成する合成樹脂に着色剤を混入せずに、単色Pが合成樹脂自体の色の場合、被覆部5即ち電線3の外表面3aは、無着色であるという。このように、無着色とは、被覆部5を構成する合成樹脂に着色剤を混入せずに、電線3の外表面3aが合成樹脂自体の色であることを示している。電線3の外表面3aは、前述した無着色であっても良く、例えば白色などの単色であっても良い。
【0040】
電線3の外表面3aには、複数の点7からなる印6が形成されている。点7は、色B(図7中に平行斜線で示す)である。色Bは、単色Pと異なる。点7の平面形状は、図7(b)に示すように、丸形である。点7は、複数設けられており、予め定められるパターンにしたがって、電線3の長手方向に沿って並べられている。図示例では、電線3の長手方向に沿って、点7が等間隔に並べられている。また、互いに隣り合う点7の中心間の距離は、予め定められている。
【0041】
前述した構成の電線3は、複数束ねられるとともに端部などにコネクタなどが取り付けられて前述したワイヤハーネスを構成する。コネクタが自動車などの各種の電子機器のコネクタにコネクタ結合して、ワイヤハーネス即ち電線3は、各電子機器に各種の信号や電力を伝える。
【0042】
また、前述した印6の各点7の色Bが種々の色に変更されることにより、電線3同士を識別可能としている。図示例では、全ての点7の色Bを同じにしているが、必要に応じて点7毎に色Bを変更して、点7同士の色Bを異ならせても良い。印6の各点7の色Bは、ワイヤハーネスの電線3の線種、系統(システム)の識別などを行うために用いられる。即ち、前述した印6の各点7の色Bは、ワイヤハーネスの各電線3の線種及び使用目的を識別するために用いられる。
【0043】
着色装置1は、図1に示すように、装置本体としてのフレーム10と、ガイドロール11と、移動手段としての送り出しロール12と、電線矯正手段としての矯正ユニット13と、弛み吸収手段としての弛み吸収ユニット14と、薬液吐出装置としての薬液吐出ユニット15と、ダクト16と、測定手段としてのエンコーダ17と、加工手段としての切断機構18と、制御手段としての制御装置19とを備えている。
【0044】
フレーム10は、工場などのフロア上などに設置される。フレーム10は、水平方向に伸びている。ガイドロール11は、フレーム10の一端部に回転自在に取り付けられている。ガイドロール11は、長尺でかつ印6が形成されていない電線3を巻いている。ガイドロール11は、矯正ユニット13と弛み吸収ユニット14と薬液吐出ユニット15とダクト16とエンコーダ17と切断機構18とに順に、電線3を送り出す。
【0045】
送り出しロール12は、フレーム10の他端部に一対設けられている。これら一対の送り出しロール12は、フレーム10に回転自在に支持されかつ鉛直方向に沿って並べられている。送り出しロール12は、図示しないモータなどにより、互いに逆方向に同回転数で回転される。一対の送り出しロール12は、互いの間に電線3を挟み、かつこの電線3の長手方向に沿ってガイドロール11から引っ張る。
【0046】
送り出しロール12は、電線3の長手方向に沿って該電線3を引っ張って移動させる引っ張り手段をなしている。このように、送り出しロール12は、電線3の長手方向に沿って該電線3を移動させることで、電線3の長手方向に沿って薬液吐出ユニット15の後述する着色ノズル31と、電線3とを相対的に移動させる。このため、電線3は、ガイドロール11から送り出しロール12に向かって図1中の矢印Kに沿って移動する。矢印Kは、電線3の移動方向をなしている。
【0047】
矯正ユニット13は、ガイドロール11の送り出しロール12側に設けられており、ガイドロール11と送り出しロール12との間に設けられている。即ち、矯正ユニット13は、ガイドロール11より電線3の移動方向Kの下流側に設けられ、送り出しロール12より電線3の移動方向Kの上流側に設けられている。矯正ユニット13は、板状のユニット本体20と、複数の第1ローラ21と、複数の第2ローラ22とを備えている。ユニット本体20は、フレーム10に固定されている。
【0048】
第1及び第2ローラ21,22は、それぞれ、ユニット本体20に回転自在に支持されている。複数の第1ローラ21は、水平方向(前述した移動方向K)に沿って並べられ、電線3の上方に配されている。複数の第2ローラ22は、水平方向(前述した移動方向K)に沿って並べられ、電線3の下方に配されている。第1ローラ21と第2ローラ22とは、図1に示すように、千鳥状に配されている。
【0049】
矯正ユニット13は、送り出しロール12によりガイドロール11から送り出される電線3を、第1ローラ21と第2ローラ22との間に挟む。そして、矯正ユニット13は、電線3を直線状にする。また、矯正ユニット13は、第1ローラ21と第2ローラ22との間に挟むことにより、電線3に摩擦力を付与する。
【0050】
即ち、矯正ユニット13は、送り出しロール12が電線3を引っ張る方向(前述した移動方向K)の逆向きの第1の付勢力H1を電線3に付与する。この第1の付勢力H1は、送り出しロール12が電線3を引っ張る力よりも弱い。このため、矯正ユニット13は、長手方向に沿った張力を電線3に付与する。
【0051】
弛み吸収ユニット14は、矯正ユニット13の送り出しロール12側に設けられており、矯正ユニット13と送り出しロール12との間に設けられている。即ち、弛み吸収ユニット14は、矯正ユニット13より電線3の移動方向Kの下流側に設けられ、送り出しロール12より電線3の移動方向Kの上流側に設けられている。弛み吸収ユニット14は、矯正ユニット13と薬液吐出ユニット15の後述する着色ノズル31との間に設けられている。
【0052】
弛み吸収ユニット14は、図1に示すように、一対の案内ローラ支持フレーム23と、一対の案内ローラ24と、移動ローラ支持フレーム25と、移動ローラ26と、付勢手段としてのエアシリンダ27とを備えている。案内ローラ支持フレーム23は、フレーム10に固定されている。案内ローラ支持フレーム23は、フレーム10から上方に立設している。一対の案内ローラ支持フレーム23は、電線3の移動方向Kに沿って、互いに間隔をあけて並べられている。
【0053】
一対の案内ローラ24は、案内ローラ支持フレーム23に回転自在に支持されている。案内ローラ24は、電線3の下方に配され、外周面に電線3と接触することにより、移動方向Kから電線3が脱落しないように、電線3を案内する。このため、案内ローラ24は、電線3の移動方向Kを案内する。
【0054】
移動ローラ支持フレーム25は、フレーム10に固定されている。移動ローラ支持フレーム25は、フレーム10から上方に立設している。移動ローラ支持フレーム25は、一対の案内ローラ支持フレーム23間に設けられている。
【0055】
移動ローラ26は、移動ローラ支持フレーム25に回転自在に支持されているとともに、鉛直方向に沿って移動自在に支持されている。移動ローラ26は、電線3の上方に配されている。移動ローラ26は、鉛直方向に沿って移動自在に支持されることで、電線3の移動方向Kに直交(交差)する方向に沿って、移動自在に支持されている。また、移動ローラ26は、案内ローラ24間の中央に設けられている。
【0056】
エアシリンダ27は、シリンダ本体28と、このシリンダ本体28から伸縮自在な伸縮ロッド29とを備えている。シリンダ本体28は、移動ローラ支持フレーム25に固定されており、電線3の上方に配されている。伸縮ロッド29は、シリンダ本体28から下方に向かって伸長する。即ち、伸縮ロッド29は、シリンダ本体28から電線3に近づく方向に伸長する。
【0057】
伸縮ロッド29には、移動ローラ26が取り付けられている。エアシリンダ27は、シリンダ本体28内に加圧された気体が供給されることで、伸縮ロッド29即ち移動ローラ26を第2の付勢力H2(図1に示す)で移動方向Kに直交(交差)する方向に沿って、下方に付勢する。このため、エアシリンダ27は、移動ローラ26を、第2の付勢力H2で電線3に近づく方向に付勢する。第2の付勢力H2は、第1の付勢力H1より弱い。
【0058】
切断機構18の後述の一対の切断刃48,49が互いに近づいて、電線3を切断するために一旦電線3が停止した際に、慣性により矢印Kに沿って電線3が進むと、該電線3が一対の案内ローラ24間で弛む。このとき、前述した構成の弛み吸収ユニット14は、エアシリンダ27が移動ローラ26を第2の付勢力H2で付勢しているため、エアシリンダ27の伸縮ロッド29が伸長して、移動ローラ26が例えば図1中に二点鎖線で示す位置まで変位する。そして、弛み吸収ユニット14は、前述した案内ローラ24間で弛んだ電線3を移動方向Kに直交(交差)する方向に沿って付勢して、弛みを吸収して、電線3を張った状態に保つ。
【0059】
薬液吐出ユニット15は、弛み吸収ユニット14の送り出しロール12側に設けられており、弛み吸収ユニット14と送り出しロール12との間に設けられている。即ち、薬液吐出ユニット15は、弛み吸収ユニット14より電線3の移動方向Kの下流側に設けられ、送り出しロール12より電線3の移動方向Kの上流側に設けられている。このため、薬液吐出ユニット15即ち後述の着色ノズル31は、送り出しロール12と、矯正ユニット13との間に配されている。
【0060】
薬液吐出ユニット15は、図2に示すように、ユニット本体30と、複数の着色ノズル31と、薬液用容器32と、加圧流体供給源としての加圧気体供給源33とを備えている。ユニット本体30は、フレーム10に固定される。ユニット本体30は、複数の着色ノズル31を支持する。
【0061】
前述した構成の着色ノズル31は、後述の薬液用容器32からの液状の着色材を、電線3の外表面3aに向かって一定量ずつ滴射する。着色ノズル31は、滴射した着色材の液滴を電線3の外表面3aに付着させて、該電線3の外表面3aの少なくとも一部を着色する(マーキング)する。
【0062】
着色ノズル31は、図6に示すように、円筒状(筒状)のノズル本体34と、このノズル本体34内に収容されたインサート部材35と、流入管36と、ノズル54と、弁機構38とを備えている。
【0063】
インサート部材35は、円筒状(筒状)に形成されているとともに、内側に着色材を通す流路39が形成されている。流路39内には、後述の薬液用容器32などから供給される着色材で満たされる。インサート部材35は、本明細書に記した液状の着色材を収容する収容部をなしている。流入管36は、流路39と連通しており、薬液用容器32からの着色材を流路39内に導く。
【0064】
ノズル54は、第1のノズル部材37と、第2のノズル部材50と、接続パイプ51とを備えている。第1のノズル部材37は、円筒状に形成されているとともに、流路39内と連通しており、流路39内の着色材を着色ノズル31外に導く。第1のノズル部材37の内径は、ノズル本体34の内径即ち流路39の外径より小さい。第1のノズル部材37は、ノズル本体34と同軸に配されている。第1のノズル部材37は、ステンレス鋼からなる。
【0065】
第2のノズル部材50は、円筒状に形成されている。第2のノズル部材50は、ポリエーテルエーテルケトン(Polyetheretherketone:以下PEEKと呼ぶ)からなる。第2のノズル部材50の外径は、第1のノズル部材37の外径と等しい。このように、ノズル54は、筒状に形成されており、内側に着色材が流れるとともに、インサート部材35内に連通している。
【0066】
また、第2のノズル部材50の内径は、第1のノズル部材37の内径より小さい。第2のノズル部材50は、第1のノズル部材37と同軸に配されているとともに、該第1のノズル部材37に連結している。
【0067】
第2のノズル部材50は、第1のノズル部材37より電線3寄りに配されている。また、第1のノズル部材37と第2のノズル部材50との間は、水密になっている。第2のノズル部材50と第1のノズル部材37は、内側に第1のノズル部材37などの軸芯に沿って、着色材が流れる。
【0068】
このため、第2のノズル部材50の第1のノズル部材37寄りに端面50aは、第1のノズル部材37の内面から該第1のノズル部材37の内側に向かって突出している。また、端面50aは、軸芯に対し直交(交差)する方向に沿って平坦に形成されている。端面50aは、段差をなしており、第1のノズル部材37と第2のノズル部材50との間に形成されている。
【0069】
接続パイプ51は、フッ素樹脂からなり円筒状に形成されている。接続パイプ51の内径は、第1のノズル部材37と第2のノズル部材50の外径と略等しい。接続パイプ51は、第1のノズル部材37と第2のノズル部材50との双方の外側に嵌合しており、これらの第1のノズル部材37と第2のノズル部材50とを連結する。また、接続パイプ51は、第2のノズル部材50を第1のノズル部材37から着脱自在としている。
【0070】
弁機構38は、コイル40と、弁本体41と、コイルばね42を備えている。コイル40は、流路39の外側に設けられインサート部材35内に埋設されている。コイル40は、外部から電流が印加される。弁本体41は、導電性の本体部43と、弁体44とを備えている。本体部43は、円柱状の円柱部45と、この円柱部45の一端に連なる円盤状の円板部46とを一体に備えている。
【0071】
本体部43は、円板部46が第1のノズル部材37の基端部37aと相対し、円柱部45の長手方向がノズル本体34の長手方向と平行な状態で、流路39内に収容されている。また、本体部43即ち弁本体41は、円柱部45の長手方向即ちノズル本体34の長手方向に沿って移動自在に設けられている。
【0072】
弁体44は、本体部43の円板部46に取り付けられている。即ち、弁体44は、インサート部材35内に収容されている。弁体44は、第1のノズル部材37の基端部37aと相対する。弁体44は、本体部43の円板部46に取り付けられているため、第1のノズル部材37の基端部37aに接離自在になっている。なお、接離とは、近づいたり離れたりすることである。また、前述した第1のノズル部材37の基端部37aは、ノズル54の収容部としてのインサート部材35内に位置する基端部をなしている。
【0073】
弁体44は、第1のノズル部材37の基端部37aに接触すると、この基端部37aとの間を水密に保ち、流路39内の着色材が第1のノズル部材37内に侵入することを防止する。また、弁体44は、第1のノズル部材37の基端部37aから離れると、第1のノズル部材37及び第2のノズル部材50内を通って着色材が電線3の外表面3aに向かって滴射されることを許容する。
【0074】
このように、弁体44は、図6中に二点鎖線で示す開位置と、図6中に実線で示す閉位置とに亘って基端部37aに接離する。開位置では、弁体44は、基端部37aから離れて着色材を第1のノズル部材37と第2のノズル部材50内を通して電線3に向かって滴射させる。閉位置では、弁体44は、基端部37aに接触して着色材を第1のノズル部材37と第2のノズル部材50内を通して電線3に向かって滴射することを規制する。弁体44は、基端部37aに接離することで、ノズル54から着色材を滴射させる。
【0075】
コイルばね42は、円板部46を弁体44が第1のノズル部材37の基端部37aに近づく方向に付勢している。
【0076】
前述した構成の着色ノズル31は、ユニット本体30に取り付けられている。また、着色ノズル31は、ユニット本体30に取り付けられると、電線3の移動方向Kに沿って複数並べられている。図示例では、ユニット本体30は、着色ノズル31を電線3の移動方向Kに沿って五つ並べている。
【0077】
また、各着色ノズル31は、図3に示すように、第1のノズル部材37の軸芯の延長上に電線3の最上部が位置する状態で、ユニット本体30に支持される。なお、着色ノズル31は、軸芯に沿って着色材を滴射する。このため、着色ノズル31は、電線3の最上部に向かって着色材を一定量ずつ滴射する。前述した着色ノズル31は、特許請求の範囲に記載されたノズルをなしている。
【0078】
薬液用容器32は、図2に示すように、フレーム10に設けられた立設棒55によって支持されて、所定の位置に位置決めされる。立設棒55は、勿論、長手方向が鉛直方向に沿った状態に配置されている。薬液用容器32は、着色ノズル31各々に対応して、設けられている。図示例では、薬液用容器32と、着色ノズル31とは、1対1で対応している。
【0079】
薬液用容器32は、図3乃至図5に示すように、内側容器56と、外側容器57と、加圧流体供給管58と、薬液排出管59と、を備えている。
【0080】
内側容器56は、変形自在な材料としての合成樹脂で構成されたシートやアルミニウム合金で構成された箔などが複数積層されて得られたフィルム状のシートなどで構成されて、袋状に形成されている。即ち、内側容器56は、変形自在な材料で構成されている。本発明でいう、内側容器56が変形自在な材料で構成されているとは、内側容器56が、弾性変形や塑性変形などの全ての変形が自在な材料で構成されていることをいう。要するに、本発明では、内側容器56が、加圧された流体としての気体などの圧力によって、押圧されることで、変形する材料で構成されていれば良い。
【0081】
内側容器56は、図示例でば、特開2003−11994号公報などに示された未延伸ポリエチレンなどの未延伸ポリオレフィンフィルム層と、延伸ナイロンフィルム層と、アルミニウム箔などの延伸フィルムなどからなるバリアー層と、延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム層と、が順に積層されたフィルム状のシートで構成されている。内側容器56は、薬液としての着色材を収容して、密閉されている。即ち、内側容器56は、着色材を封入して、該着色材が外部の雰囲気と直接接触することを規制している。
【0082】
内側容器56は、図11に示すように、前述したフィルム状のシートによって、一端としての上端のみが開口した袋状に形成された後、図12に示すように、その内側に着色材が注がれる。そして、内側容器56は、図13に示すように、その上端が熱溶着などによって塞がれて、前述した着色材を封入する。
【0083】
外側容器57は、変形自在な合成樹脂で構成されたシートやアルミニウム合金で構成された箔などが複数積層されて得られたフィルム状のシートなどで構成されて、袋状に形成されている。即ち、外側容器57は、変形自在な材料で構成されている。本発明でいう、外側容器57が変形自在な材料で構成されているとは、外側容器57が、弾性変形や塑性変形などの全ての変形が自在な材料で構成されていることをいう。要するに、本発明では、外側容器57が、押圧されることで、変形する材料で構成されていれば良い。
【0084】
図示例では、外側容器57は、内側容器56と同様に、未延伸ポリオレフィンフィルム層と、延伸ナイロンフィルム層と、バリアー層と、延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム層と、が順に積層されたフィルム状のシートで構成されている。外側容器57は、その幅H及び高さAが、内側容器56の幅h及び高さBよりも大きく形成されている。即ち、外側容器57は、内側容器56よりも大きく形成されている。
【0085】
外側容器57は、内側容器56を収容して、密閉されている。即ち、外側容器57は、内側容器56を封入して、該内側容器56が外部の雰囲気と直接接触することを規制している。また、外側容器57は、その中央部に内側容器56を位置付けている。そのため、外側容器57には、構成するフィルム状シート同士が溶着されるなどして形成された位置決め部60が複数設けられている。位置決め部60は、互いに相対するフィルム状シート同士が溶着されて形成されており、外側容器57の中央部に内側容器56を位置決めしている。
【0086】
外側容器57は、図14に示すように、前述したフィルム状のシートによって、一端としての上端のみが開口した袋状に形成された後、図15に示すように、その内側に内側容器56が収容される。そして、外側容器57は、その上端が熱溶着などによって塞がれるとともに、熱溶着などによって位置決め部60が形成されて、前述した内側容器56を封入する。
【0087】
また、外側容器57の底面には、シール部材61が貼り付けられている(取り付けられている)。シール部材61は、ゴムなどの弾性材料で構成されている。シール部材61は、外側容器57の薬液排出管59が貫通した部分に貼り付けられている。
【0088】
加圧流体供給管58は、外側容器57の底面を貫通して、該外側容器57即ち薬液用容器32に取り付けられている。加圧流体供給管58は、外側容器57と内側容器56との間の空間と、外側容器57即ち薬液用容器32の外側とを連通している。加圧流体供給管58には、加圧気体供給源33から加圧された流体としての加圧された気体が供給される。また、加圧流体供給管58と、加圧気体供給源33との間には、バルブ62が設けられている。バルブ62は、開くと加圧された気体を外側容器57内即ち外側容器57と内側容器56との間の空間に供給し、閉じると加圧された気体を外側容器57内即ち外側容器57と内側容器56との間の空間に供給することを停止する。
【0089】
薬液排出管59は、シール部材61と外側容器57の底面と内側容器56の底面を貫通して、該薬液用容器32に取り付けられている。薬液排出管59は、内側容器56内と、外側容器57即ち薬液用容器32の外側とを連通している。薬液排出管59には、着色ノズル31の流入管36に接続している。薬液排出管59は、外側容器57内に加圧された流体としての加圧された気体が供給されると、内側容器56内の着色材を流入管36即ち着色ノズル31に向かって排出する。即ち、薬液排出管59は、内側容器56内の着色材を排出するためのものである。
【0090】
加圧気体供給源33は、バルブ62を介して薬液用容器32の加圧流体供給管58と接続している。加圧気体供給源33は、バルブ62及び加圧流体供給管58を介して、薬液用容器32の外側容器57と内側容器56との間の空間に加圧された流体としての加圧された気体を供給する。この加圧気体供給源33は、複数の薬液用容器32に対応して設けられて、該対応する薬液用容器32に加圧された気体を供給しても良い。
【0091】
前述した構成の薬液吐出ユニット15は、制御装置19からの命令に基づいて、バルブ62が開放されて、加圧気体供給源33からの加圧された気体が各薬液用容器32の外側容器57内に供給される。そして、薬液吐出ユニット15は、制御装置19からの命令によって、外側容器57内が所定の圧力に保たれる。すると、各薬液用容器32内の着色材が、着色ノズル31に供給される。
【0092】
そして、前述した構成の薬液吐出ユニット15は、制御装置19からの命令に基づいて、任意の着色ノズル31のコイル40に印加されて後述の弁体44が第1のノズル部材37の基端部37aから離れる。そして、薬液吐出ユニット15は、任意の着色ノズル31の流路39内の着色材を一定量ずつ電線3に向かって滴射する。
【0093】
本明細書では、粘度が10mPa・s(ミリパスカル秒)以下の着色材を用いる。前述した着色材とは、色材(工業用有機物質)が水またはその他の溶媒に溶解、分散した液状物質である。有機物質としては、染料、顔料(大部分は有機物であり、合成品)があり、時には染料が顔料として、顔料が染料として用いられることがある。より具体的な例として、着色材とは、着色液または塗料である。
【0094】
着色液とは、溶媒中に染料が溶けているもの又は分散しているものを示しており、塗料とは、分散液中に顔料が分散しているものを示している。このため、着色液が電線3の外表面3aに付着すると、染料が被覆部5内にしみ込み、塗料が電線3の外表面3aに付着すると、顔料が被覆部5内にしみ込むことなく外表面3aに接着する。
【0095】
即ち、薬液吐出ユニット15は、電線3の外表面3aの一部を染料で染める又は電線3の外表面3aに顔料を塗る。このため、電線3の外表面3aを着色するとは、電線3の外表面3aの一部を染料で染める(染色する)ことと、電線3の外表面3aの一部に顔料を塗ることとを示している。
【0096】
また、前記溶媒と分散液は、被覆部5を構成する合成樹脂と親和性のあるものが望ましい。この場合、染料が被覆部5内に確実にしみ込んだり、顔料が外表面3aに確実に接着することとなる。
【0097】
さらに、前述した滴射とは、着色ノズル31から液状の着色材が、液滴の状態即ち滴の状態で、電線3の外表面3aに向かって付勢されて打ち出されることを示している。
【0098】
ダクト16は、薬液吐出ユニット15の送り出しロール12側に設けられており、薬液吐出ユニット15と送り出しロール12との間に設けられている。即ち、ダクト16は、薬液吐出ユニット15より電線3の移動方向Kの下流側に設けられ、送り出しロール12より電線3の移動方向Kの上流側に設けられている。ダクト16は、筒状に形成されており、内側に電線3を通す。ダクト16には、真空ポンプなどの図示しない吸引手段が連結している。吸引手段は、ダクト16内の気体を吸引して、着色材中の溶媒と分散液などが着色装置1外に充満することを防止する。
【0099】
エンコーダ17は、送り出しロール12より電線3の移動方向Kの下流側に設けられている。エンコーダ17は、図1に示すように、回転子47を一対備えている。回転子47は、軸芯周りに回転可能に支持されている。回転子47の外周面は、一対の送り出しロール12間に挟まれた電線3の外表面3aと接触している。回転子47は、矢印Kに沿って、芯線4即ち電線3が走行(移動)すると、回転する。即ち、回転子47は、矢印Kに沿った芯線4即ち電線3の走行(移動)とともに、軸芯周りに回転する。勿論、矢印Kに沿った芯線4即ち電線3の走行(移動)量と、回転子47の回転数とは比例する。
【0100】
エンコーダ17は、制御装置19に接続している。エンコーダ17は、回転子47が所定角度ずつ回転すると、制御装置19に向かってパルス状の信号を出力する。即ち、エンコーダ17は、矢印Kに沿った電線3の移動量に応じた情報を、制御装置19に向かって出力する。
【0101】
このように、エンコーダ17は、電線3の移動量に応じた情報を測定して、電線3の移動量に応じた情報を制御装置19に向かって出力する。通常エンコーダ17では電線3と回転子47の摩擦で電線3の移動量に応じたパルス信号が出力される。しかし、電線3の外表面3aの状態により移動量とパルス数が必ずしも一致しない場合は、別の場所で速度情報を入手し、その情報をフィードバックし、比較演算しても良い。
【0102】
切断機構18は、エンコーダ17の一対の回転子47より電線3の移動方向Kの下流側に配されている。切断機構18は、一対の切断刃48,49を備えている。一対の切断刃48,49は、鉛直方向に沿って並べられている。一対の切断刃48,49は、鉛直方向に沿って互いに近づいたり離れたりする。一対の切断刃48,49は、互いに近づくと、一対の送り出しロール12によって送り出された電線3を互いの間に挟んで、切断する。一対の切断刃48,49は、互いに離れると、勿論、前記電線3から離れる。
【0103】
制御装置19は、周知のRAM、ROM、CPUなどを備えたコンピュータである。制御装置19は、送り出しロール12と、エンコーダ17と、切断機構18と、着色ノズル31則ち薬液吐出ユニット15などと接続しており、これらの動作を制御することにより、着色装置1全体の制御をつかさどる。
【0104】
制御装置19は、予め印6のパターンを記憶している。制御装置19は、バルブ62を開閉(制御)して、外側容器57内の圧力を、外側容器57を破損させることなく内側容器56を押圧できる予め定められた所定の圧力に保つ。制御装置19は、エンコーダ17から所定のパルス状の信号即ち電線3の移動量に応じた情報が入力すると、予め定められた着色ノズル31のコイル40に一定時間印加して、該着色ノズル31から電線3に向かって着色材を一定量ずつ滴射させる。制御装置19は、予め記憶した印6のパターンにしたがって、電線3の移動速度が速くなると着色ノズル31から着色材を滴射する時間間隔を短くし、電線3の移動速度が遅くなると着色ノズル31から着色材を滴射する時間間隔を長くする。こうして、制御装置19は、予め記憶したパターンにしたがって、電線3を着色する。制御装置19は、エンコーダ17が測定した電線3の移動量に基づいて、着色ノズル31に着色材を一定量ずつ滴射させる。
【0105】
また、制御装置19は、エンコーダ17からの情報により、電線3が所定量移動したと判定すると、送り出しロール12を停止した後、一対の切断刃48,49を互いに近づけて電線3を切断する。
【0106】
前述した構成の着色装置1で、電線3の外表面3aに印6を形成する即ち電線3の外表面3aを着色する際には、まず、ガイドロール11をフレーム10に取り付ける。一対の切断刃48,49を互いに離しておき、ガイドロール11に巻かれた電線3を矯正ユニット13と弛み吸収ユニット14と薬液吐出ユニット15とダクト16とに順に通して、一対の送り出しロール12間に挟む。
【0107】
また、所定の色の着色材を封入した内側容器56を収容した外側容器57の底面に加圧流体供給管58と薬液排出管59とを突き刺(貫通)して、これらを加圧気体供給源33と着色ノズル31と接続する。そして、薬液吐出ユニット15のユニット本体30の所定箇所に着色ノズル31を取り付ける。その後、バルブ62を開いて、加圧気体供給源33からの加圧された気体を、各薬液用容器32の外側容器57内に供給する。すると、図8及び図9に示すように、加圧された気体によって、外側容器57が膨らむとともに、内側容器56の外表面を押圧する。すると、内側容器56内の着色材が着色ノズル31に供給される。
【0108】
そして、送り出しロール12を回転駆動して、電線3をガイドロール11から引っ張って、該電線3の長手方向に沿って移動させるとともに、矯正ユニット13により電線3に第1の付勢力H1の摩擦力を付与して、該電線3を張っておく。そして、エアシリンダ27で移動ローラ26即ち電線3を第2の付勢力H2で付勢しておく。
【0109】
そして、エンコーダ17から所定の順番のパルス状の信号が制御装置19に入力すると、制御装置19は、予め定められた着色ノズル31のコイル40に一定時間、所定間隔毎に印加する。すると、着色ノズル31は、着色材を一定量ずつ電線3の外表面3aに向かって滴射する。
【0110】
そして、電線3の外表面3aに付着した着色材から前述した溶媒または分散液が蒸発して、電線3の外表面3aを染料で染める又は外表面3aに顔料を塗る。電線3の外表面3aに付着した着色材から蒸発した溶媒または分散液は、ダクト16内から吸引手段に吸引される。こうして、電線3の外表面3aが着色される。
【0111】
エンコーダ17などからの情報により、制御装置19が所定の長さの電線3を送り出したと判定すると、この制御装置19は、送り出しロール12を停止する。すると、特に、弛み吸収ユニット14の一対の案内ローラ24間で電線3が弛んで、第2の付勢力H2で付勢された移動ローラ26が図1中に二点鎖線で示す位置に変位する。すると、弛み吸収ユニット14のエアシリンダ27の伸縮ロッド29が伸長する。そして、弛み吸収ユニット14は、電線3の弛みを吸収する。
【0112】
そして、一対の切断刃48,49が互いに近づいて、これら切断刃48,49間に電線3を挟んで切断する。こうして、図7などに示された外表面3aに印6が形成された電線3が得られる。
【0113】
また、前述した着色ノズル31から液状の着色材を電線3の外表面3aに向かって一定量ずつ滴射すると、軸芯に沿って第1のノズル部材37と第2のノズル部材50内を流れる着色材の一部は、第2のノズル部材50の端面50aに衝突する。そして、端面50aに衝突した着色材の一部は渦を発生して、着色材を攪拌することとなる。そして、第2のノズル部材50内の着色材の濃度が一様に保たれる。
【0114】
また、前述した着色ノズル31から液状の着色材を電線3の外表面3aに向かって一定量ずつ滴射する際に、流路39から第1のノズル部材37内に着色材が侵入すると、該着色材の圧力が高くなる。そして、着色材の圧力は、第1のノズル部材37内では略一定となる。着色材の一部が端面50aに衝突すると、該着色材の圧力は、急激に高くなる。そして、第2のノズル部材50から電線3の外表面3aなどに向かって滴射されると、着色材の圧力は急激に低下する。
【0115】
また、前述した着色ノズル31から液状の着色材を電線3の外表面3aに向かって一定量ずつ滴射する際に、流路39から第1のノズル部材37内に着色材が侵入すると、該着色材の流速(速度)が低くなる。そして、着色材の流速(速度)は、第1のノズル部材37内では略一定となるとともに、第2のノズル部材50に向かうにしたがって流速は遅く一定になる。
【0116】
着色材の一部が端面50aに衝突すると、該着色材の流速(速度)は、急激に速くなる。そして、第2のノズル部材50から電線3の外表面3aなどに向かって滴射されると、着色材の速度は速いままに保たれる。このように、着色材が第2のノズル部材50内に侵入すると、該着色材の圧力と流速(速度)が急激に高く又は速くなる。そして、圧力が高くかつ流速が速い液状の着色材が電線3の外表面3aに向かって滴射される。
【0117】
また、内側容器56内の着色材が減ってくると、制御装置19がバルブ62を制御して、外側容器57内の圧力を前述した所定の圧力に保つので、図10に示すように、内側容器56が徐々にしぼむ。このため、常に、一定の圧力で内側容器56内の着色材を加圧でき、該着色材を着色ノズル31に供給できる。
【0118】
本実施形態によれば、内側容器56が密閉されているので、該内側容器56内の薬液としての着色材に直接外部の雰囲気が接触することを防止できる。したがって、該着色材が変質することを防止できる。
【0119】
また、内側容器56が変形自在な材料で構成されて、外側容器57内に加圧した気体が供給される構成であるので、内側容器56を密閉しても、該内側容器56内の薬液を外部に排出できる。
【0120】
さらに、内側容器56が変形自在な材料で構成されているので、該内側容器56を合成樹脂などによって袋状に形成できる。このため、内側容器56を簡便な構造にできて、該内側容器56の使い捨てを行うことができる。したがって、薬液の交換及び補充時に、該薬液用容器32を洗浄して再利用する必要が生じない。
【0121】
よって、薬液用容器32は、簡便な構造とすることができ、かつ薬液としての着色材の変質を防止できるとともに、該着色材の交換及び補充にかかる手間の増加を防止することができる。
【0122】
内側容器56がフィルム状のシートによって袋状に形成されているので、該内側容器56の低コスト化を図ることができる。したがって、薬液用容器32即ち薬液吐出ユニット15全体の低コスト化を図ることができる。
【0123】
外側容器57が変形自在な材料で構成されているので、該外側容器57を合成樹脂などによって袋状に形成できる。このため、外側容器57を簡便な構造にできて、内側容器56に加え、該外側容器57の使い捨てを行うことができる。したがって、薬液の交換及び補充時に、該薬液用容器32を洗浄して再利用する必要が生じないので、該薬液の交換及び補充にかかる手間の増加を防止することができる。
【0124】
外側容器57がフィルム状のシートによって袋状に形成されているので、該外側容器57の低コスト化を図ることができる。したがって、薬液用容器32全体の低コスト化を図ることができる。
【0125】
弾性材料で構成されたシール部材61が、外側容器57の薬液排出管59が貫通した箇所に取り付けられているので、該シール部材61の弾性復元力によって、外側容器57と薬液排出管59との間の隙間が埋められる。薬液用容器32内の着色材が薬液排出管59と外側容器57との間の隙間などから漏れることを防止できる。
【0126】
薬液吐出ユニット15は、前述した薬液用容器32を備えているので、該薬液用容器32を簡便な構造とすることができ、かつ着色材の変質を防止できるとともに、該着色材の交換及び補充にかかる手間の増加を防止することができる。
【0127】
前述した実施形態では、外側容器57の中央部に内側容器56を位置付けている。しかしながら、本発明では、図16及び図17に示すように、外側容器57に仕切部63を設けて、該外側容器57内を2つの空間に仕切っても良い。なお、図16及び図17において、前述した実施形態と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。
【0128】
仕切部63は、外側容器57の互いに相対するフィルム状のシート同士が溶着されるなどして形成されている。仕切部63は、図示例では、外側容器57の幅方向の中央に設けられ、かつ鉛直方向に沿って直線状に延在しており、図示例では一つ設けられている。外側容器57は、一方の空間に内側容器56を収容している。外側容器57の底面を貫通した加圧流体供給管58は、その先端が外側容器57の他方の空間内に位置付けられている。外側容器57の底面と内側容器56の底面を貫通した薬液排出管59は、その先端が内側容器56内に位置付けられている。
【0129】
図16及び図17に示された場合では、外側容器57内の空間が、内側容器56を収容する一方の空間と、なにも収容しない他方の空間とに仕切られているので、加圧流体供給管58を誤って、内側容器56の底面に貫通させることを防止できる。したがって、加圧された流体としての加圧された気体によって、内側容器56を確実に押圧でき、着色材を着色ノズル31に確実に供給できる。また、図16及び図17に示す場合では、外側容器57内の空間が、内側容器56を収容する一方の空間と、なにも収容しない他方の空間とに仕切られているので、外側容器57の底面と内側容器56の底面とを重ねて配置しても良い。この場合、薬液排出管59を差し込む長さが短くても良いために、薬液用容器32を簡単に取り付けることができる。
【0130】
また、前述した実施形態では、外側容器57の中央部に内側容器56を位置付けている。しかしながら、本発明では、図18及び図19に示すように、外側容器57の上端と内側容器56の上端とを重ねても(揃えても)良い。なお、図18及び図19に示す場合において、前述した実施形態と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。
【0131】
この場合、外側容器57の高さAと、内側容器56の高さBとが予め定められているので、これらの高さA,Bの差A−Bよりも短く加圧流体供給管58を差し込めば良く、これらの高さA,Bの差A−Bよりも長く薬液排出管59を差し込めば良い。このため、図18及び図19に示された場合では、確実で容易に加圧流体供給管58の先端を外側容器57と内側容器56との間に位置付けることができ、確実で容易に薬液排出管59の先端を内側容器56内に位置付けることができる。図18及び図19に示された場合では、内側容器56の上端と外側容器57の上端とを同時に溶着しても良く、個別に溶着しても良い。
【0132】
着色材が第2のノズル部材50の端面50aに衝突して、攪拌される。又、第1のノズル部材37と第2のノズル部材50とが同軸に配され、端面50aが軸芯に対し直交(交差)しているので、着色材がより確実に攪拌される。このため、着色材中の染料または顔料の濃度が一様に保たれる。このため、極端に濃度が濃くなった着色材が着色ノズル31のノズル54に付着することを防止できる。
【0133】
また、第1のノズル部材37内から第2のノズル部材50内に侵入すると、着色材は、急激に加圧される。このため、第2のノズル部材50から電線3の外表面3aに向かって滴射された着色材は、勢い良く電線3の外表面3aに向かって打ち出されることとなる。このため、着色材が、第2のノズル部材50に付着することを防止できる。
【0134】
このように、着色材が第2のノズル部材50に付着することを防止できるので、第2のノズル部材50から一定量ずつ確実に電線3の外表面3aに向かって着色材を滴射できる。また、着色材が第2のノズル部材50に付着することを防止できるので、勿論、第2のノズル部材50などに付着した着色材が、滴射された着色材の滴射される方向に影響を与えることを防止できる。したがって、電線3の外表面3aの所望の位置に向かって着色材を確実に一定量ずつ滴射することができ、電線3の外表面3aの所望の位置を所望の色に着色できるとともに、着色した箇所(前述した点7)を所望の面積(大きさ)に保つことができる。
【0135】
電線3の長手方向に沿って、電線3と着色ノズル31とを相対的に移動させている間に、着色ノズル31が一定量ずつ着色材を電線3に向かって滴射する。このように、電線3と着色ノズル31との相対的な移動中に、電線3を着色する。このため、電線3を着色するために、電線3を停止する必要がないので、作業効率を低下させることがない。また、電線3と着色ノズル31との相対的な移動中に電線3に向かって一定量ずつ着色材を滴射するため、電線3の任意の位置を着色でき、勿論連続的に電線3を着色できる。
【0136】
エンコーダ17が電線3の移動量を測定して、制御装置19が着色ノズル31を電線3の移動量に応じて制御する。このため、電線3の移動速度が速くなると着色材を滴射する間隔を短くし、電線3の移動速度が遅くなると着色材を滴射する間隔を長くすることができる。このように、電線3の移動速度が変化しても、電線3の外表面3aに付着した着色材の間隔を一定に保つことができる。
【0137】
したがって、電線3の移動速度が変化しても、予め定められるパターンにしたがって電線3の外表面3aに着色材を付着させることができる。即ち、電線3の移動速度が変化しても、予め定められるパターンにしたがって、電線3を着色できる。
【0138】
前述した実施形態では、第1のノズル部材37と第2のノズル部材50とを互いに別体としている。しかしながら、本発明では、第1のノズル部材37と第2のノズル部材50とを一体にしても良い。
【0139】
さらに、本発明では、着色液及び塗料として、アクリル系塗料、インク(染料系、顔料系)、UVインクなどの種々のものを用いても良い。
【0140】
さらに、前述した実施形態では、自動車に配索されるワイヤハーネスを構成する電線3に関して記載している。しかしながら、本発明では、電線3を自動車に限らず、ポータブルコンピュータなどの各種の電子機器や各種の電気機械に用いても良いことは勿論である。
【0141】
また、前述した実施形態では、電線3の外表面3aを着色する着色ノズル31を示している。しかしながら、本発明の着色ノズル31は、電線3の他に種々のものを着色しても良い。
【0142】
さらに、前述した実施形態では、物品としての電線3の外表面を着色するための着色材を収容した薬液用容器32を示している。しかしながら、本発明では、種々の薬液を薬液用容器32内に収容しても良い。また、前述した実施形態では、着色材を排出する薬液吐出装置としての薬液吐出ユニット15を示している。しかしながら、本発明では、種々の薬液を排出しても良い。
【0143】
また、前述した実施形態では、加圧された流体としての加圧された気体を外側容器57内に供給している。しかしながら、本発明では、気体に限らず液体などの種々の流体を、加圧して外側容器57内に供給しても良いことは勿論である。
【0144】
さらに、前述した実施形態では、外側容器57を変形自在な材料で構成している。しかいながら、外側容器57は、変形しない(変形しにくい、殆ど変形しない)材料で構成しても良い。要するに、本発明では、内側容器56を外側から加圧できれば、加圧された流体が供給される外側容器57は、如何なる材料で構成されても良い。
【0145】
また、前述した実施形態では、ノズルとして、弁機構38を備えた着色ノズル31を示している。しかいながら、本発明の特許請求の範囲に記載されたノズルは、弁機構38を備えていない単なる筒やオリフィス状に形成しても良い。
【0146】
なお、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0147】
【図1】本発明の一実施形態にかかる薬液吐出ユニットを備えた電線の着色装置の構成を示す側面図である。
【図2】図1中のII−II線に沿う電線の着色装置の薬液吐出ユニットの断面図である。
【図3】図2に示された薬液吐出ユニットの構成を示す説明図である。
【図4】図3に示された薬液吐出ユニットの薬液用容器などの断面図である。
【図5】図4に示された薬液用容器の外観を示す説明図である。
【図6】図2に示された薬液吐出ユニットの各着色ノズルトの構成を示す断面図である。
【図7】(a)は図1に示された電線の着色装置で着色された電線の斜視図である。(b)は図7(a)に示された電線の平面図である。
【図8】図3に示された薬液吐出ユニットの薬液用容器の外側容器内に加圧された気体が供給された状態を説明する説明図である。
【図9】図8に示された薬液用容器などの断面図である。
【図10】図9に示された薬液用容器の内側容器内の着色材が減った状態を示す断面図である。
【図11】図5に示された薬液用容器の着色材を封入する前の内側容器の外観を示す説明図である。
【図12】図11に示された内側容器内に着色材を注いでいる状態の外観を示す説明図である。
【図13】図12に示された着色材を封入した内側容器の外観を示す説明図である。
【図14】図5に示された薬液用容器の内側容器を封入する前の外側容器などの外観を示す説明図である。
【図15】図14に示された外側容器内に内側容器を収容した状態の外観を示す説明図である。
【図16】図5に示された薬液用容器の変形例の外観を示す説明図である。
【図17】図16に示された薬液用容器の外側容器内に加圧された気体が供給された状態を説明する説明図である。
【図18】図5に示された薬液用容器の他の変形例の外観を示す説明図である。
【図19】図18に示された薬液用容器の外側容器内に加圧された気体が供給された状態を説明する説明図である。
【符号の説明】
【0148】
3 電線(物品)
15 薬液吐出ユニット(薬液吐出装置)
31 着色ノズル(ノズル)
32 薬液用容器
33 加圧気体供給源(加圧流体供給源)
56 内側容器
57 外側容器
58 加圧流体供給管
59 薬液供給管
61 シール部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外側容器と、
変形自在な材料で構成され、かつ前記外側容器内に収容されているとともに、薬液を収容して密封された内側容器と、
前記外側容器のみを貫通して、前記外側容器と前記内側容器との間の空間と、前記外側容器の外側とを連通しているとともに加圧された流体が供給される加圧流体供給管と、
前記外側容器と前記内側容器との双方を貫通して、外側容器の外側と内側容器の内側とを連通しているとともに、前記内側容器内の薬液を排出するための薬液排出管と、
を備えたことを特徴とする薬液用容器。
【請求項2】
前記内側容器が、フィルム状のシートによって袋状に形成されていることを特徴とする請求項1記載の薬液用容器。
【請求項3】
前記外側容器が、変形自在な材料で構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の薬液用容器。
【請求項4】
前記外側容器が、フィルム状のシートによって袋状に形成されていることを特徴とする請求項3記載の薬液用容器。
【請求項5】
弾性材料で構成され、前記外側容器の前記薬液排出管が貫通した部分に取り付けられたシール部材を備えたことを特徴とする請求項3又は請求項4記載の薬液用容器。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のうちいずれか一項に記載の薬液用容器と、
前記加圧流体供給管を通して、前記空間内に加圧された流体を供給する加圧流体供給源と、
前記薬液排出管から前記薬液が供給されて、該薬液を一定量ずつ滴射して、前記薬液の液滴を物品の外表面に付着させるノズルと、
を備えたことを特徴とする薬液吐出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2007−204130(P2007−204130A)
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−26913(P2006−26913)
【出願日】平成18年2月3日(2006.2.3)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】