説明

薬物ホルダー

薬物ホルダーが開示されており、該薬物ホルダーはハウジング(10)を有し、該ハウジングは、好ましくは互いにスリーブ結合された関係にある外壁部(12)と内壁部(11)とを持っている。外壁部は、開位置(ここで、ハウジング(10)が水分または他の汚染物質の進入がシールされる)と、開位置(ここで、薬物容器の排出出口へのアクセスを提供する)との間を動くことができる。第2の壁部(12)は、長手方向にスライドするか周方向に回転して、キャビティにアクセスすることができ、そのプロセスにおいて、キャビティを通る空気流路を開けることができる。薬物容器は、好ましくは加圧したキャニスター(22)である。代替的には、揮発性の液体をもつ脆弱なバイアル(603)を有していてもよい。後者の場合には、好ましくはメトキシフルレンである液体の吸収を促進するように、蒸発格子(563)もまた与えられ得る。脆弱なバイアルを開けて、空気流路(806)と流体接触している蒸発手段(563)上へ中身を排出するよう、開口手段(561)が備えられていてもよい。薬物シュート(26)は格納と展開位置との間で回転可能であってもよい。シュート(26)は補助的な空気導入口(556)を有していてもよい。当該薬物ホルダーは、チャンバーを通して吸気を流し呼気を他へ向ける逆止弁(605)もまた有していてもよい。逆止弁(810)を通して、また、吸収性のフィルター(805)をも通して呼気を流し、環境的な汚染物質を最小化してもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、人による使用のための薬物をホールドする容器(container)をしっかりと収容しまたは受け入れるためのデバイスに関する。特に、本発明は、吸入または摂取のために提供される薬物を入れて分配するためのデバイスに関する。本デバイスは、移動中及び/又は悪環境にいる人による使用のために特に適していて、スポーツ活動中の使用によく適しているかもしれないが、そのように限定されるわけではない。本デバイスの操作により、投与のための薬物へのアクセスが容易になる。本発明は、薬物のリザーバまたは容器を有する薬物ホルダーにまで及ぶ。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
自己治療(self-medication)のためのデバイスが進化することは、種々の疾患および病理の患者にとっての大いなる利点となってきた。
【0003】
主要な一例は喘息の例である。もっと以前においては、喘息の患者は一般的には障害者の生涯を宣告され、それは、しばしば、低レベルの身体的活動に基いて彼らの生活をアレンジさせたり、旅行の範囲が制限されたりすることによるものであり、彼ら自身の生活環境において提供される支援メカニズムを身近にすることを可能ならしめるためであった。喘息の深刻な発作に対しては、医者などのプロフェッショナルの注意およびそれらプロフェッショナルによって投与される薬物の使用がしばしば必要であった。これらの薬物は、アミノフィリンおよびアドレナリンを含有していて、リーズナブルなレベルの効能を有していたが、使用におけるいくつかの深刻なリスクもまたもたらした。さらに、これらの薬物を使用することはプロセスにおける後の段階のステップであり、病状を管理し安定化する手段において進行中の利点を患者に提供するわけではなかった。
【0004】
コルチコステロイド類の進化はいくつかの疾患、特に喘息における大いなる助けであった。しかし、長期にわたるヒトにおける経口または非経口のコルチコステロイド投与の副作用はよく知られており、最も深刻なケース以外では、このアプローチを採ることには制限が必要である。
【0005】
喘息患者の生活の質は、加圧(pressurised)薬用容器の発達と共に劇的に向上したが、該容器は、一つには、サルブタモール、つまり気管支拡張薬の自己投与のために設計されたものである。サルブタモールは、喘息の発作である気管支痙攣を鎮めるのに非常に効果的である。サルブタモールは、頂部に押下駆動弁をもつ加圧容器にて通常は供給される。この弁は、外側のプラスチックのカラー(collar)、キャップまたはマウスピースに備えられた座において重ね合わさるように構成されている。このカラーによって、キャニスターは弁棒に対して押下されるようになり、その結果、コントロールされた1回量の治療剤がカラーの排出スロート(discharge throat)へ放たれる。患者は、必要な程度の息を吐き、次いで、薬剤の1回量を排出するためにキャニスターを押下しながら吸気することによってそのデバイスを使用する。
【0006】
呼吸機能障害の発作を治療する能力を与えるとともに、サルブタモール吸入器は自己投与の治療法の能力を与え、その結果、臨床的な所見を最小化して呼吸器の発作の更なる進展を鎮めたりあるいは予防してきた。
【0007】
サルブタノールは、自己送出のために好適な治療剤の優れた例であるが、決して唯一のものではない。多くの他の治療剤が喘息のために提供されている(例えば、ベコチド(Becotide)、フレキシチド(Flexitide)、アスモル(Asmol))。加えて、計量された1回量を呼吸管へ供給することを通した、または、胃腸管を介する摂取または中咽頭や鼻の粘膜を介する吸収のために供給することを通した自己治療に、多くの他の疾患が向いている。ある種の鎮痛剤は、緊急事態における使用にも供することもできる。例えば、偶発的なあるいは戦場にて負った外傷の被害者に対してメトキシフルレンを与えることが公知である。
【0008】
薬物の供給は記載されるような形態であってもよく、圧縮され加圧されたエアロゾル製剤(しばしば、定量吸入器またはMDIとして知られる形態である)であってもよい。その代わりに、粉末や他の固体製剤あるいは液体や気体でさえも供給および1回量に分注することができる。液体は揮発性であってもよい。別々になった個々の1回量の薬物は、カプセルまたは類似する形態にて提供され、放出のために、しばしばメジヘラー(medihalers)と呼ばれるデバイスへ適合させることができる。これらデバイスは、回転可能な羽根(vane)を有していてもよく、該回転可能な羽根は、息を吹き込む患者によって駆動されて、薬物を気流中へ分配する。いくつかの装置では、微粉末は個々の粒子に分離し吸気ガスにのった後、肺に単純に吸い込まれてもよい。
【0009】
これらの進歩は、有効な自己治療に取組む疾患患者にとって多大なる利益になってきたが、患者が投薬キャニスターを忘れてしまったり、あるいは、ハンドバックやスポーツバックといったどこかへ入れたはずだと誤って信じたりして、必要なときになってはじめて薬物を利用できないことに気付くという問題が依然としてある。このことは、突然の重篤な病気の症候の発症の場合には深刻な結果を招く可能性がある。投薬キャニスターの効果的かつ安全な保存にかかるこの問題は、スポーツ活動(そこでは、衣類がスポーツを行う際の特定の要求のためにしばしばデザインされているが、しっかりしたポケットやポーチは備えられていない)において大きくなる。ポケットが備えられている場合であっても、そういったポケットに運ばれる硬い物の存在は快適ではなく、気に障ることであり、または、競争相手に対してパフォーマンスが制限されることさえあり得る。この問題は、シュノーケリング、スキューバダイビング、オリエンテーリングおよび登山などといった活動(これらの活動では、その活動に要する装備以外は殆ど持たないため、患者にとって支援が非常に遠くなり得る)において顕著になるだろう。
【0010】
降雨や降雪といった、苛酷な環境や厳しい状況での使用では、水分および他の汚染物質(泥、ホコリ、砂、植物性または他の物質)が入る可能性があり、そのことは、投薬デバイスにダメージを与えたり、ユーザーに危険をもたらしたりするかもしれない。
【0011】
US 4,130,116 ("Cavazza")には、スプレー缶を入れることができるポケットデバイスが記載されている。機械的手段が備えられており、使用しないときには、そのデバイスは閉ポジションに維持されるが、しかし、この缶の利用を可能にするためにこのスプレー缶のノズル部を露出させるように作動させることができる。二等分して横方向の壁部の縁に沿って位置するガイドに沿って互いにスライドすることが記載されている。そのデバイスが水分に対してシールされること、および、操作において、第1のノズル端および第2の作動端の両方において環境に向けた大きな開口は示唆されていない。従って、そのデバイスの適用は、特にスポーツ活動中でしばしば直面するような過酷な環境、とりわけ水上スポーツおよび持久性の活動では、いくらか制限される。
【0012】
CA 2,379,137("Pharmaceutical Discovery Corporation")には、吸入部、混合部および回転可能なマウスピースを有する乾燥粉末吸入器が記載されている。そのデバイスは、別の医薬カプセルを保持するストレージ部を有しているが、比較的複雑である。そのデバイスは、テーパ形のピストンロッドおよびスプリングおよび1つ以上の流出オリフィスを用いて気流の速度を制御することを特に対象としている。気流が正しい速度に達するときを示すトーンを発生するフィードバックモジュールも有していてよい。またもや、そのデバイスが環境的にシールされることは示唆されていない。比較的かさばっており、そして使用において複雑であるように見える。また、ショックまたは呼吸困難になっている人は、必要な吸気の力を与えることができない可能性がある。
【0013】
US 5,497,764("Ritson")には、ポータブルバッテリーで動き、手持ちサイズである、患者による吸入のための制御された1回量のエアロゾル薬物を放出するシステムが記載されている。そのデバイスは、耐久性のある本体と、該耐久性のある本体に挿入された薬物カセットとを有する。電子的でありかつ比較的に複雑な装置が記載されているが、耐久性のある本体を別にして、従来の手動により駆動される定量吸入デバイスとして使用できるように構成されたそのデバイス内へ挿入されるカセットの構造が記載されている。しかし、その機能のためには、本体からそのデバイスを除去することが要される。耐久性のある本体へ組み込まれるときには、そのデバイスの操作は比較的複雑である。医薬製剤は液体または粉末製剤であってもよい。そのデバイスは環境的にシールされていない。それは、比較的に複雑であって主に電子式のようである。
【0014】
BE 905189("Glaxo Group Ltd")には、微細に分割された形態の固体の医薬を患者へ投与するためのデバイスが記載されている。そのデバイスは、比較的複雑であり、ハウジングおよびサポートディスクを備え順々に薬物を運ぶキャリアを受けるように構成されたトレイを有する。プランジャーに容器が位置合わせされた後、プランジャーが該容器を貫通するように操作可能となっている。空気がそのデバイスを通って入り、吸入される。
【0015】
DE 4028387("Bechter")には、鼻およびあごの上のフリースペースに呼吸マスクを与えることを隠すカバーデバイスが記載されている。よって、それは比較的大きい。吸入装置とともに用いるための呼吸マスクとしての一態様にて設計されている。
【0016】
従って、そのデバイスは吸入装置とともに用いるための呼吸マスクとして開発されたものである。
【0017】
WO 01/00263("Inhale Therapeutic Systems")には、ユーザーにより規定された真空の閾値になるまでは空気が肺へ入ることを妨げる装置が記載されている。その後、空気は突然に肺へ流れることが可能になる。これは、ショックまたは呼吸器の苦痛の問題で否定される可能性がある.
【0018】
WO 1995/028192("Dura Pharmaceuticals")には、ハウジング及びマウスピースを有する乾燥粉末薬物吸入器が記載されている。インペラは、エアロゾル化するチャンバー内で回転するようピンの上に回転可能にマウントされている。半径方向のインレットがハウジングを通って実質的に接線方向にチャンバー内へ入る。チャージを行なうプランジャーが、操作中にスプリングのバイアスに抗して下方向へ圧縮され、粉末化された薬物の全投与量をチャンバー内に圧縮する。次いで、このプランジャーは操作中にスプリングのバイアスに抗して保持され、チャンバーの壁部の頂部を形成する。投与カートリッジはオープンエリアのペグ上に配置される。次いで、ホールドダウンレバーがピボット回転してカートリッジを保持し、マウスピースを動作位置にロックする。多数回投与量の薬物含有カートリッジを用いてもよい。このインペラはモーターによって高速にて駆動する。このインペラはインレットを通して空気を吸引する遠心エアポンプとして動作し、一つまたは一組のバッテリーに依存する高速電気モーターによって駆動される。繰り返すと、そのデバイスは、バッテリー入力に依存している。しかし、そのデバイスは、ユーザーからの吸入だけで操作することもできる。そのデバイスは、環境的に、特に、水分に対してシールされていないようである。さらに、どちらの態様においても、比較的に複雑なデバイスであり粉末の使用に限られる。
【0019】
WO 2000/018455("Glaxo")では、呼吸器の薬物を分散するのに適した吸入デバイスが提供される。それは、マウスピース上にダストが形成するのを妨げるカバーを持っているが、水に対してシールされていない。それはまた、歯車伝達されかつ使用するためには操作において比較的複雑なアクチュエーターを持っている。
【0020】
WO 2002/004043("Vapotronics")には、医薬または他の流体を、吸入中に小滴の形態にて配給する吸入器が開示されている。その吸入器は、ハウジングを通って伸びる気流管アセンブリと、マウスピース(該気流管アセンブリと流体的に相互連通可能となっている)と、小滴を排出するカートリッジハウジングとを持っている。小滴の排出は、このカートリッジハウジング内に脱着可能なように配置されている。気流管アセンブリは、空気が最初に引き込まれるプレナム(plenum)を含んでいてもよい。マウスピースは脱着可能であり、そのデバイスに格納可能である。小滴排出カートリッジは、薬物リザーバー、複数の小滴排出オリフィスおよび少なくとも一つの小滴排出アクチュエーターを有するように備えられる。小滴排出カートリッジは、吸入器の操作を制御するプリント回路基板とインターフェースを取るために、側部の一つにPCBインターフェースを有している。そのデバイスを駆動するために圧力センサーが用いられ、ノズル領域が複数の小滴排出オリフィスを有するように備えられる。薬物の分配のための1対1の関係が存在するように、各々の小滴排出オリフィスは抵抗器を有している。よって、そのデバイスは複雑な電子装置であり、用時には電力に依存する。厳しい環境においては限定された用途になるかもしれない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
述べてきたように、過酷な状況では、汚染物質のリスクが顕著であり得る。シールされ、安全かつ強靭な保管装置は、とりわけ、必要なときに簡便かつ効果的に用いられるように設計されていれば、有用であろう。
【0022】
緊急事態における治療法の使用には、非常に重篤になる可能性のある種々のリスクが存在し得る。例えば、鎮痛剤の送出では、強靭で信頼性があり操作し易い装置が要求される。それは、ユーザーが傷害によって少なくとも部分的に行動不能になり得たり、応急処置において救援者が訓練されていない可能性がある場合の、自己投与の状況におけるケースでは顕著である。
【0023】
本明細書にて任意の先行技術を参照することは、この先行技術が如何なる国でも共通の常識の一部を形成するという認識でもなく如何なる形態の示唆でもなく、そのように扱われるべきでもない。
【課題を解決するための手段】
【0024】
発明の概要
本明細書を通じて、「有する(comprise)」という用語あるいは「有する(comprises)」または「有している(comprising)」といった変形は、文脈上別の理解が要されない限りは、述べられる要素または完全体の、あるいは、要素または完全体のグループの、包含を示唆すると理解すべきであり、他の要素または完全体、あるいは、他の要素または完全体のグループを、何も排除するものではないと理解すべきである。
【0025】
唯一ではなくさらには最も広い形態でもないが、一つの形態においては、本発明は、薬物ホルダーに係り、該薬物ホルダーは、
ハウジングを有し、該ハウジングは、キャビティを定めている第1の壁部を含んでおり、該キャビティは、薬物容器を受け入れかつ少なくとも部分的に取り囲む寸法とされており、かつ、
第2の壁部を有し、該壁部は、第1の壁部に隣接しそれに対して相対的に動くことができ、
第2の壁部は、第1の閉位置と第2の開位置との間を可逆的に動くことができ、第2の開位置は、薬物容器の薬物排出口へのアクセスを提供または促進し、第2の壁部が閉位置にあるときには、該キャビティは水分または他の汚染物質の進入に対してシールされている。
【0026】
薬物ホルダーはキャビティ内に位置する薬物容器を有していてもよい。
【0027】
第2の壁部が第2の開位置に位置することによって、好ましくは、吸入および場合によっては呼気のための気流流路が提供されるかまたははっきり見える。気流流路は、1つまたはそれ以上の弁などの気流制御手段を有していてもよい。
【0028】
第1の壁部は内壁部であってもよい。第2の壁部は、内壁部とスリーブ結合された関係にある外壁部であってもよい。好ましくは、第2の壁部が第1の閉位置にあるときには、キャビティは、薬物容器またはキャビティ内のそれの部分をシールして取り囲む。「隣接する」とは、直接的な接触、および、シール部材で間隔を置かれることの両方を包含する。「薬物容器を少なくとも部分的に取り囲む」とは、取り巻く壁部(encircling wall)または容器の壁部と好ましくは弾性的に隣接して水分または他の汚染物質を妨げる壁部を介して、容器をシールして取り囲むこと(sealingly enclosing)または包むこと(enveloping)を包含し得る。
【0029】
用語「容器」は、キャニスター、加圧されたまたはそれ以外のバイアル、カプセル、ブリスターパック、シリンジ、および、薬物の保管および本発明の実施において、引続く排出に適した他の任意の装置を包含する。
【0030】
ハウジングは任意の好適な材料からなり得るが、好適には、PVC、PEEKまたはPETといった耐久性ポリマーあるいはアルミニウムといった合金からなる。
【0031】
ハウジングは好ましくはモールドまたは押出し可能な成分で形成される。
【0032】
薬物容器は、加圧されたキャニスターを有していてもよい。キャニスターは、制御された1回量の治療剤を放出するように適合されていてもよい。キャニスターは、好ましくは複数回量の治療剤を含み得る。薬物容器は、加圧されている機構、または、ユーザーによって吸入された空気の通過流によって作動される機構を有すると理解してもよい。これは回転可能なインペラを有していてもよい。薬物容器は、破裂して治療剤を放出することができる脆弱な容器を有していてもよい。容器は、ガラスまたはプラスチックで従来のように形成されていてもよい1つまたはそれ以上のアンプルであり得る。容器は、薬物を含みシールされたセクションを有していてもよい。シールされたセクションは、壊れたときに、吸入される空気へ薬物を放出する1つまたはそれ以上の脆弱なシールを有していてもよい。シールされたセクションは、脆弱な容器であるとも考え得る。
【0033】
第1の内壁部は、薬物容器を受け入れる寸法とされた密閉穴(enclosed bore)を定めていてもよい。第1の内壁部は連続した壁部であってもよい。該穴は、一端部または両端部が開いていてもよい。第1の開口に隣接する第1の内壁部の第1端部領域は、フレキシブル膜と係合するよう構成されていてもよい。フレキシブル膜は折りたたみ式の膜として形成されていてもよい。フレキシブル膜は防水または耐水的に第1端部領域と係合可能であってもよいし、気密であってもよい。フレキシブル膜は、ユーザーの手からの押下げ力を、使用のために位置合わせされた場合に、薬物キャニスターへ作動させるために伝達するよう構成されていてもよい。フレキシブル膜は、親指パッド(thumb pad)として形成されていてもよい。
【0034】
あるいは、第1端部領域は、穴の封鎖部として形成されていてもよい。該封鎖部は、穴を通る気流流路を提供するよう作用してもよい。封鎖部は、ツイストされて作動してもよいし、吸入のための位置へと1回量の薬物を進めるよう構成されていてもよい。
【0035】
薬物容器は、薬物の蓄積所と、摂取または吸入のために薬物を散布する分散手段とを、有していてもよい。分散手段は、回転可能な羽根(vane)またはインペラを有していてもよい。蓄積所は1つまたはそれ以上のカプセルを有していてもよく、その各々には1回量の薬物が入っていて、分散のための位置にあるときには破裂するよう構成されている。薬物容器は、揮発性材料などの液体の蒸発を促進する蒸発面をもつ構成を有していてもよい。蒸発面積が増えるように、好ましくは、1またはそれ以上に折りたたまれるよう構成されている吸収材またはウィック(wick;芯)で蒸発面が形成されていてもよい。吸入された空気が流れる表面を形成している1つまたはそれ以上のパネルで蒸発面が形成されていてもよい。蒸発面はグリッドとして形成されていてもよい。蒸発面は、吸入された空気のための曲がりくねった気流流路または蛇行した気流流路を形成してもよい。
【0036】
内壁部の第2端部領域は、穴の第2の端部開口に隣接または形成してもよい。第2の端部開口は側口として形成されていてもよい。好ましくは、第1の閉位置にあるときには、第2の端部開口は外壁部によって閉じられている。
【0037】
好ましくは、穴(bore)は、マウスピースを収容しており、該マウスピースは、キャニスターの弁端部によって容器から供され得る分配された1回量の薬物を受けるよう構成されていてもよい。マウスピースは、キャニスターを受け入れるための座および1回量の薬物を所望の方向に向けるよう配置された薬物チャネルを有していてもよい。代替的には、マウスピースは、単に薬物チャネルを有していてもよい。マウスピースは単純な気流流路として形成されていてもよい。
【0038】
好ましくは、マウスピースはピボット回転するように据えつけられ、第1の格納位置と第2の展開位置(deployed position)との間で回転可能であり、薬物チャネルはユーザーに薬物を届ける位置にある。マウスピースは、格納位置と展開位置との間を手動でピボット回転させることができる。好ましくは、マウスピースは展開位置へとバイアスされている。第2の壁部の移動によって、マウスピースは第2の位置へと放たれ得る。第1または第2の反対の方向への第2の壁部の運動によって、互いに、マウスピースは収容または展開位置へ動かされ得る。マウスピースはスプリング手段によって展開位置へと偏っていてもよい。マウスピースは空気取得口またはガス供給口を有していてもよく、ガスは好ましくは空気または酸素である。代替的にまたは付加的に、第1および/または第2の側壁は、使用していないときには好ましくはシールされている少なくとも一つの空気取得口を有していてもよい。
【0039】
内壁部はハウジングの端部領域を定義し得る。
【0040】
内壁部は、好ましくは、1つまたはそれ以上の追加的な薬物容器を保持する凹部を提供する寸法になっている。1つまたはそれ以上の追加的な薬物容器は、薬物キャニスターに対して実質的に平行に収容されていてもよい。
【0041】
外壁部は、好ましくは、スライドすることによって内壁部に対して相対的に動く。よって、壁部は互いに相対的にスライド可能である。外壁部は内壁部の長さの少なくとも一部にわたって内壁部を部分的にまたは全体的に包みまたは囲うスリーブ部材として形成されていてもよい。好ましくは、外壁部は、ハウジングの第2端部領域に隣接する閉位置へと、そして、第2端部領域から離れる方向の開位置へとスライド可能である。操作中に、外壁部は内壁部から離されてもよい。好ましくは、使用中、外壁部は内壁部と結合したままである。最も好ましくは、使用中、外壁部はスリーブ接続され、内壁部に隣接する位置のままである。外壁部および内壁部は互いに相対的に周方向にスライド可能であってもよい。外壁部は製造中に縮ませられて内壁部にシールする接触をしていてもよい。
【0042】
とりわけ外壁部が閉位置にあるときに、外壁部と内壁部との間の耐水シールを強めるシール手段をハウジングは有していてもよい。シール手段は、外壁部と内壁部との間あるいはそれらのいずれかの中、好ましくは外壁部の中に位置する1つまたはそれ以上のシール、好ましくはOリングを有していてもよい。
【0043】
ハウジングは、好ましくは、薬物ホルダーを、スポーツバッグといったアイテムや好ましくはユーザーへ結合する取付け手段をさらに有している。取付け手段は、ユーザーの首の周りあるいはスポーグバッグやそれに類するものの周りに当該デバイスを配置させる穴(eye)およびストラップの設備であってもよい。
【0044】
好ましくは、結合手段は、ユーザーの肢部の周りに、または、バッグやそれに類するもののストラップの周りに位置するよう配置されたバンドである。該バンドは、好ましくはリストバンドである。薬物ホルダーは、任意の適切な様式にてリストバンドに結合していてもよい。一つの基本的な形態では、薬物ホルダーの使用のためにバンドが除去されることを必要としてもよい。
【0045】
しかし、好ましくは、ハウジングは、第1の保管位置と第2の使用位置との間でハウジングを回転させることを許容するピボットフィッティングによってバンドに固定される。腕および第2の使用位置が実質的に該長軸を横切って結果的に容易な使用にアクセスし得るように、第1の保管位置は実質的にユーザーの肢の長軸に実質的に沿っていてもよい。
【0046】
バックルやベルクロ・ストラップ(Velcro strap)といった任意の通常の手段によってバンドが固定されていてもよい。バンドは伸縮性であってもよい。バンドはダイビングウォッチ、ストップウォッチ、アラームまたはアウトドアやスポーツ活動にときに要する他のアイテムといった他のアイテムをさらに包含してもよい。
【0047】
代替的には、ハウジングはクリップに取り外し可能な様式で固定されていてもよく、該クリップはサポートアイテムを固定するよう構成されている。サポートアイテムは、ベルト、バンド、ストラップ、ウェストバンド、ポケット、兵士用バックパックおよび/またはウェビング、ユーティリティベルトまたは類するものであってもよい。ハウジングは、スナップフィットコネクターを介してクリップを固定してもよい。
【0048】
さらなる態様では、本発明は薬物ホルダーにおける使用のためのハウジングに係り、該ハウジングは実質的に上述のとおりである。
【0049】
別の態様では、本発明は薬物容器用のハウジングを有する薬物ホルダーに係り、該ハウジングは、
第1の壁部を有し、第1の壁部は、薬物容器を受け入れて少なくとも部分的に取り囲むような寸法とされたキャビティを定めており、
第1の壁部に係合または隣接し、それと相対的に動くことができる第2の壁部を有し、
第2の壁部は、第1の壁部に接続され、かつ、第1の閉位置と第2の開位置との間を動くように適合しており、第2の開位置は、薬物キャニスターまたは装置の薬物排出口へのアクセスを提供する。薬物ホルダーは薬物容器を有していてもよい。
【0050】
薬物容器は、脆弱なアンプルまたはバイアルを備えていてもよく、さらに、蒸発面を有していてもよい。蒸発面は、織物ウィック(material wick)または部材または格子といった増加された表面積で構成されていてもよい。第1の閉位置と第2の開位置との間の第2の壁部の運動によって、脆弱なアンプルまたはバイアルを破裂させてもよい。付加的にまたは代替的に、薬物容器は、薬物と1つまたはそれ以上の脆弱なシールとを収容するコンパートメントを有してもよく、該1つまたはそれ以上のシールが破裂することによって薬物が気流内に導入される。脆弱なアンプル、バイアル、またはシールは、機械仕掛け的に操作されるアクチュエーターによって破裂してもよい。アクチュエーターはプランジャーまたは指で操作されるボタンであってもよい。壁部が互いに相対的にスライドする運動、好ましくは、第2の開位置への第1の壁部の運動によってアクチュエーターが駆動されてもよい。
【0051】
第2の壁部は係留装置(tether arrangement)によって第1の壁部に接続されていてもよい。好ましくは、第2の壁部は、ピボット装置(pivot arrangement)によって第1の壁部に結合されている。第2の壁部は第1の壁部とスライド可能に固定されていてもよい。
【0052】
脆弱なバイアルは、ねじ山をもつキャップによって係合されていてもよい。バイアルが切り離され、しかる後に投薬セクションへと推し進められてその中身を排出する間の固定のために、キャップはハウジング内の座と結合可能であってもよい。
【0053】
別の態様では、本発明は治療剤を入れて投薬する薬物ホルダーに係り、該薬物ホルダーは、ハウジングを有し、該ハウジングは穴(bore)として構成されたキャビティを形成する内壁部を含んでおり、外壁部を有し、該外壁部は第1の壁部をその長さの少なくとも一部にわたって囲むスリーブとして形成されており、治療剤の分配(ディスペンス)を作動させるためのアクチュエーター手段を有し、該アクチュエーター手段はキャビティの一端部をシールしており、治療剤が入っていてキャビティ内に位置する加圧された容器を有し、そして、格納位置と展開位置との間を動き得る薬物シュートを有し、第1の壁部および第2の壁部は、キャビティをシールして水分および他の汚染物質の進入を阻むように協働し、そして、第2の壁部は、薬物シュートへのアクセスを提供しかつその展開配置(deployment)を促進するように、第1の壁部に対してスライド可能である。
【0054】
第2の壁部は、長手方向にスライド可能であり第1の壁部と接触したままでもよい。
第2の壁部は、開位置へと、周方向にスライドしてもよい。
第2の壁部がスライドすることによって、薬物シュートを、格納位置と展開位置との間で直線的に運動するように、ラックとピニオンの装置が作動してもよい。
アクチュエーター手段は、薬物キャニスターを排出座に向けて下方向に推し進めるための圧力パッドであってもよい。
アクチュエーター手段は、薬物キャニスターを排出座に向けて移動させるカム機構を作動させるためのツイストトップ装置(twist-top arrangement)であってもよい。
アクチュエーター手段の作動によって、キャビティを通る空気流路が開き得る。
【0055】
別の態様では、本発明は、液体薬剤を入れる薬物容器を保管し投薬するためのポータブル薬物ホルダーにかかり、該ポータブル薬物ホルダーは、チャンバーを形成する第1の壁部を含んでいるハウジングを有し、チャンバーを通過する空気流路を有し、第1の壁部に係合する第2の壁部を有し、該第2の壁部は、第1の壁部の周りに位置するスリーブとして形成され、該第2の壁部は、チャンバーおよび空気流路がシールされる閉位置と、空気流路が開く開位置との間で、動くことができ、該ホルダーは、空気流路内の空気の中に液体薬剤を蒸発させるのを助ける(アシストする)ものであり蒸発手段を有し、空気流路をユーザーへと向ける薬物シュートを有し、薬物容器を開ける開口手段を有し、チャンバー内にまたはチャンバーと流体連絡して位置する薬物容器を有する。
【0056】
薬物容器は、バイアル、アンプルまたはキャニスターであってもよく、少なくとも一部は脆弱であり、かつ、メトキシフルレンを保管し得る。
第2の壁部はカバーとして形成されていてもよく、開口手段は、薬物容器を開けるよう構成されたストライカーを有していてもよい。
任意的には、該ストライカーは、第2の壁部が開位置へスライドすることによって駆動される。
【0057】
代替的にまたは付加的には、開口手段は、容器中の脆弱なシールを開けるパンチを有していてもよい。
開口手段は、スクリューキャップまたはボトルをつかむための座を有していてもよい、
蒸発手段はウィック材を有していてもよいし、あるいは、蒸発手段は蒸発プレートまたは格子を有していてもよい。
蒸発手段は、蛇行したまたは曲がりくねったパスを空気流路の一部として提供してもよい。
【0058】
薬物シュートは、格納位置と展開位置との間で回転可能であってもよい。
薬物シュートは、呼吸ガスを運ぶためのガスラインを有していてもよい。
薬物シュートは、補助的(auxiliary)な空気導入口を有していてもよい。
薬物シュートは、一方向の吸気気流を提供するために流入(intake)空気流路内に1つまたはそれ以上の逆止弁、および/または、呼気のための逆止弁もまた有していてもよい。
薬物シュートは吐出空気から薬物を除去するためのフィルターと流体連絡していてもよい。
【0059】
さらなる態様では、ハウジングは、ストラップ、ベルト、衣服のアイテムまたは類するものと係合可能なサポートを有していてもよい。サポートはそれ以外のハウジング構成物から取り外し可能であってもよい。
【0060】
本発明のよりよい理解を提供するために、添付図面を参照しながら、例示であるにすぎないものとしての好適態様が詳細に記載されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0061】
図面の詳細な説明
図1を参照すると、薬物ホルダーが示されており、この場合の該ホルダーは、内壁部11と外壁部12とを有するハウジング10によって例示されている。
内壁部11は、連続的な壁部として形成され、実質的には、断面になっている図8の装置の形状である。中間の凹部13は、第1のアクティブ穴15の形態となっているキャビティまたはチャンバーと、第2の保管穴16との、間の境界を定めている。
【0062】
アクティブ穴15の第1端部領域17にはフレキシブル膜18が被せられており、このフレキシブル膜18は、保管穴16の端部をわたって延びており、それによって両方の穴をシールしていてもよい。保管穴16は、別のキャップ19によってキャップされており、2つのキャップ機能の独立な操作を提供してもよい。しかし、概しては、端部キャップ配置(end capping arrangement)は、連続的に、アクティブ穴15へのフレッシュなキャニスターの容易なポジショニングと除去とを可能にし、引続く使用のための再キャップを可能にするであろうことが予見される。しかし、当該デバイスは、端部キャップが全く無しで使用することができる可能性があることに留意すべきである。第1の穴15の壁部は、キャニスターといった薬物容器の壁部を受けてぴったりと隣接させるための孔をもつ柔軟なスカート状構造(図示せず)に取り付けられていてもよい。弾性的なダイヤフラムが穴に配置されてキャニスターの壁部をしっかりと固定し、そのことによって、マウスピースを分離させて耐水性を付与してもよい。
【0063】
いくつかの態様では、薬物容器は、液体治療剤はもちろん、粉末化された形態などの固体治療剤を、配給する装置を有していてもよい。その場合には、貫通穴(through bore)を有することが望ましく、該貫通穴は、入口が開いていて、空気流の吸気がこの穴とキャニスター装置とを通って、吸入器または類するものを駆動して治療剤を散布することを可能にする。使用のために、貫通孔にも加圧したキャニスターが付与されてもよい。該スピンヘラー(spinhaler)は、別個のカプセルまたは類する装置にて運ばれる粉末を供給されてもよい。該カプセルは、穴の座に据えつけられて、引続く吸入のために粉末を放出する穴が開いていてもよい。この場合には、実際には、好ましくは粉末の形態である固体薬剤を保存するように、保管穴が構成されていてもよい。該粉末は、ゼラチンカプセルまたはそれに類する形態とされた個々の1回投与体であってもよい。代替的には、粉末は、アクティブ穴へ装填するための定量スプーンとともにバルク量として供されてもよい。よって、用語「薬物容器」は、口や鼻へ運ばれる気流に薬を含ませる手段を提供するこれらの装置にまで拡がるとみることができる。貫通孔は、通常は閉じていて当該デバイスの作動の間だけ開いていてもよく、それによって、使用していないときには薬物ホルダーやハウジングをシールするものであってよい。
【0064】
この態様では、ネックストラップ20が受入れ穴(receiving eye)21に装着して示されている。ネックストラップによって、ハウジング10をユーザーの首の周りに位置取りさせることが可能になる。以下の議論において、急速かつ容易に使用するためには、ユーザーはホルダーを逆さにした状態で外壁部12を開位置(開ポジション)へスライドさせるだけでよいことが見出されよう。
【0065】
図1のデバイスの内部配置は、図2に見ることができる。加圧した第1の定量吸入器22の形態になっている薬物容器が、アクティブ穴15に配置されている。
【0066】
カバーキャップ18の形態になっているフレキシブル膜は、駆動ボタン23の上に位置する一体的(integral)ユニットとなって示されている。キャニスター22は、キャップまたはマウスピース26における座(seat)25に位置する弁棒24を有する。用語「マウスピース」は、ノーズピースをも含み得る。弁棒は、マウスピースまたはキャップ26の排出穴28に通じる排出チャネル27を有する。マウスピース26はピボット回転するようにスタッド29に据えつけられて、スプリング30によってテンションが掛けられている。該スプリング30は、マウスピースに展開位置の方へバイアス(付勢)する。Oリングシール31が付与されて、水分および他の汚染物質の進入を阻んでいる。該シールが存在することは、ホルダーに多大なる有用性および強健性(robustness)を付与し、湿潤環境、森およびブッシュ、泥およびホコリおよび他の危険になり得る環境面のまわりでの使用のための好適性を高めるので、有用である。該シールは、2つの壁部の間に位置し、ゴムまたはシリコンベース材料といった任意の適切なポリマーで形成することができる。該シールによって、内壁部11の上での外壁部12のスライドに対して、限定された抵抗が与えられるのが好ましい。
【0067】
スペアキャニスター32は、所定位置にある(in position)ように示されている。このキャニスターには、加圧した投与キャニスター22と同一の薬剤が含まれていてもよい。代替的には、このキャニスターは別の治療剤を含んでいてもよく、それによって、ホルダーは薬物の代替的な形態を提供することができる。ホルダーは2つまたはそれ以上のスペアキャニスターを備えていてもよく、各々は全く同じものであるかまたは代替的な治療剤の供給源(source)であってもよいことも明らかである。
【0068】
図3は、図1の装置の正面図を示しており、外壁部12が開位置にスライドしており、それによって穴(bore)がキャニスターを収容しているのを明らかにしている。該穴は、回転された収容ポジションにある場合のマウスピース26の居場所に対し、スペース33をも提供する。
【0069】
マウスピース26は薬物ホルダーの外側に向けられていて、長手方向軸の周りを回転させた後、ユーザーが容易にアクセスできる位置にある。該マウスピースは、ユーザーが該マウスピースに唇を置いたときに吸入空気を提供するための、空気取り入れ通気孔または複数の通気孔(図示せず)を有していてもよい。該マウスピースは、座25と、排出シュート(discharge chute)として形成された薬物チャネルとを有していてもよい。
【0070】
図4は、この装置のさらなる斜視図を提供している。
【0071】
図5は、単一のキャニスターが薬物ホルダー40に据えつけられている態様を示している。内壁部41は、その長手方向の長さの一部を外壁部スリーブ42によって囲まれている。この態様もまたネックストラップ43を有している。また、内壁部41の第1の端部に、蛇腹状のフレキシブル膜キャップ44をも有している。
【0072】
内壁部および外壁部は同一の材料から形成されることが概しては好ましいが、各々の構成について異なる材料を用いることも可能である。壁部は軽量の耐久性ポリマーで形成されてもよいが、金属で形成されていてもよい。外壁部42は使用を容易にするための握り易いパッド45を伴って示されている。
【0073】
治療剤の使用に強調を置いているが、当該薬物ホルダーは、ビタミンサプリメント、エネルギー補給剤、電解質補充品および類するものといった非医薬剤を保管してもよい。そういった物質の一例として、糖尿病患者が血糖低下の発現の場合に使用するグルコースが挙げられる。グルコースを適用するだけで、血糖値を上げて、命にかかわる低血糖昏睡の可能性を含めた低血糖症候の危険を避けるためには充分であり得る。そういった人は、明らかに病状に苦しんでいるが、持久力の必要なアスリートや極限状態にあるアスリートにとっては、グルコースを使用することは、異なった体調や病変の無い人における恒常性(ホメオスタシス)および循環平衡の維持において非常に有利であり得る。投薬は、呼吸管をターゲットにするのに加えてまたは反対に、消化管吸収に向けられていてもよい。気流の投薬は、肺への配給に加えて消化管吸収の目的を含むものと理解すべきである。よって、「吸入」への言及は、消化管吸収、特に、上部胃腸管の粘膜を通じた吸収にも言及するものである。
【0074】
図6は、図5の装置を示しており、逆さにされ、そして、格納位置にある。キャニスター46が現われていて、マウスピース47およびOリングシール48も同様である。
【0075】
図7では、外壁部42は矢印49(即ち、長手方向)による上方向にスライドしており、穴50がはっきり見えており、マウスピース51が矢印52の方向にピボット回転することができるようになっている。このとき、ピボット回転は、ピボットピン53(即ち、横断する軸(tranverse axis))の周りの、前から後ろへの方向であり、スプリング54の影響下にある。よって、ホルダー40は、穴内に横方向の保管スペースを必要とせず、端部または頂部領域55の下の、上下穴にマウスピースを保管することが可能となる。
【0076】
代替的な態様が図8に示されており、ここでは、ハウジングは、外壁部66と内壁部67とを有する薬物ホルダー65によって例示され、後者の内壁部67が穴68を形成している。水分吸収材料69からなる詰め物(wad)が、端部ツイストベース70の隣の穴に配置されている。ある濃度の薬物材料によって形成されてなる乾燥粉末リザーバ71が備えられている。第2次リザーバ72は、粉末の単一投与量を含んでいて、リザーバ71から補充される。マウスピースがピボットポイント74の周りを回転することによって、外壁部66が、図示されるような収納場所にて保持するように位置取りされて、マウスピースが収納される。Oリングシール75は不所望な物質の進入に対するバリアを提供する。気流流路または流路76は吸入領域77から導き去られるよう形成される。
【0077】
図9は、外壁部66が操作中に内壁部に対して滑る方向を示す矢印78と共に、当該デバイス65の外観を示す。内壁部および外壁部が反対になって、内壁部を外壁部の内部でスライドしてマウスピースを開けることは本発明の概念の範囲内である。よって、壁部はお互いに相対的に動く。
【0078】
図10は、マウスピース73を示しており、該マウスピースはピボットポイント74の周りを回転し、流路76に対する動作位置にある。端部ツイストベース70は、第2次リザーバ72の1回投与量を吸入領域77内へと移動させるように回転させることができる。ツイストベース70の回転によって、該ツイストベース70からマウスピース73への開放空気流路を、開いて作り出す。よって、ユーザーはマウスピース73を介して吸入することができ、本デバイスを介して空気を吸引して、引続いて吸入または吸収するために粉末化した薬物が導入される。好ましくは往復動作での、ツイストベースの付加的なツイストによって、化合物のさらなる投与が提供されてもよい。
【0079】
図11は、コンポーネントを斜視図で示している。このケースでは、ツイストベースは閉じているが、作動した場合には、当該デバイスを通じた開放空気路を提供する。端部セクション78Aは、薬物ホルダーの頂部キャップとして作用し、穴の一端をも閉じる。
【0080】
ハウジングのなおさらなる態様の断面が図12に示され、該図では、薬物ホルダー80は、側方の断面図にて見ることができる。該薬物ホルダー80は、マウスピース81と薬物移送点82とを有する。
【0081】
歯車伝達された装置が83として全体的に示されており、該装置は、薬物の所定の1回投与量を含むブリスターパックをもつフレキシブルなバッキング材料で形成されたブリスターパックロール84を操作するよう構成されている。該歯車伝達された装置83の操作は、内壁部86の上での外壁部85のスライドの作用を通したものであってもよく、それによって、ギアの回転、ブリスターパックロール84の前進、および、吸入のために薬物を提供する薬物移送点82での1つのブリスターパックの破裂が引き起こされる。当該デバイスには、ネックストラップアタッチメント87が備えられていてもよい。
【0082】
図13は、当該デバイスの側面図を示し、フィンガーグリップ88が現れている。
【0083】
図14は、当該デバイスのスリムなラインの姿を示めしており、該装置は、容易に持ち運ばれかつ控えめではあるが十分に閉鎖されたパッケージとして形成されることが可能なものである
【0084】
図15は、医療ホルダー80を示しており、その外側壁85はO−リングシール89との位置合わせ(alignment)から外れてスライドされ、それによって、マウスピース81が露出し、ユーザーがそれにアクセスして破裂したブリスターパックから提供される薬物を吸入できるようになっている。壁部85の動きによってブリスターパックロールが前進するとともに、ユーザーがマウスピースを使ってひとたび吸入すれば空気流が通ることができる穴があらわれる。
【0085】
図16は、好適な態様を示しており、薬物ホルダー60は、リストバンド61に回転可能に装着され、次に、該リストバンド61はユーザーの腕62に装着されている。ホルダーは、使用のための展開のために、矢印63による方向へ回転させることができる。使用しないときは、ホルダー60の長手方向軸は実質的に腕62に実質的に平行であり、それによって、ユーザーが運んでいるときにはすっきりして出っ張りのない外形が提供される。必要なときには、ホルダー60を、90°回転することができ、外壁部64がスライドして開口が明確になりマウスピース(図示せず)の回転と存在が導かれる。この状態では、ユーザーは前腕を口または鼻に揃えるように上げるだけでよい。この場合には、外壁部64は中心軸の装着に対する動きを可能にする切れ目のある下面を有していてもよい。ひとたび使用すれば、その後、外壁部64は閉位置へとスライドされてホルダーはその持運びポジション置へと90°回転して戻されてもよい。リストバンドへの固定方法は、好適な位置取りのための刻み目のついた摩擦板や回転板といった任意の適切な装置であってよい。
【0086】
真っ直ぐなバンド61がこの図では示されているが、装着装置が、時計、測深器、ストップウォッチ、高度計および心拍モニタといった手首に通常着けられる他のアイテムに固定されていてもよいことは明らかである。
【0087】
図16の装置は、図17では、薬物ホルダー60の分解組立図として示されており、該薬物ホルダーは、リストバンド61に連続しているプレート92の座91内にフィットしたリストマウントアタッチメント90に連結されている。小さな出張り(lug)93が回転を阻む止め具として作用する。適切な回転力を用いることによって、この抵抗を超え、その結果、薬物ホルダーが浮き上がって次の出張りまで90°回転する。追加的な力によって当該デバイスを回転させ続け得るが、90°の範囲は本デバイスの機能の発揮のために十分であろうことが予見される。
【0088】
本発明は非常に多くの利点を提供する。現実的ないかなる状況における人によっても、薬物供給源が容易かつ簡便に持ち運ばれ得る。好ましい状況はスポーツや屋外競技場であり、薬物ホルダーが、衛生的で使用のために準備された薬物源への容易かつ迅速なアクセスを提供しながら、強健であり損傷し難い特徴をもつ実質的に耐水のアイテムとして形成され得る。喘息や他の状態をもつ多くの人々は、吸入器およびそれに類する物を使用することや、彼らのキャニスターを人前で見せることについて、ある程度のきまり悪さをもっている。本発明は、この抑圧の少なくともいくつかに取り組んだ、ファッショナブルでかつスタイリッシュなやり方でキャニスターを持ち運ぶ有効な手段を提供している。ハウジングは、表示(indicia)の付いたまたは付いていない、着色された配置にて提供されていてもよく、また、中に収容された薬への情報がラベルされていてもよい。これらは、スポーツプロモーターまたは製薬会社によって提供されてもよいし、個人的な購入のために入手可能に作られてもよい。当該薬物ホルダーは、幅広い範囲の領域におけるスポーツにおいて使用することができ、実際のところ、関係者がアクセスできる任意の領域や状況で使用することができる。当該薬物キャニスターを持ち運んだり装着したり、あるいは運ばれるアイテムや物品と一緒にするだけでも、アスリートにとってパフォーマンスの障害は最小になるかまたは無くなるであろう。
【0089】
スポーツでの使用を強調しているが、キャニスターで運ばれる薬物の、あらゆる潜在的なユーザーが、本発明のハウジングを使用する理由および利点を見出すであろうこともまた明白である。
【0090】
図18を参照すると、頂部リッジ103で終わっている大まかには三角形状に形成されたロック凹部101をハウジングサポート102に有する薬物ホルダー100の態様が見られる。頂部リッジ103は、凹部104を有する。該凹部104は、スタッドを有しており、該スタッドは、ハウジング100の頂部のフィン106に形成されたディンプル105内にマウントするように適合している。
【0091】
この装置(arrangement)によって、薬物ホルダー100のサポート102に対する回転が可能になる。該サポートは、順に、ストラップ110によってユーザーの手首109に装着されたベースプレート108に形成された栓107に装着される。
【0092】
図20では、当該薬物ホルダー100は、ユーザーの腕に沿って位置合わせされており、ストラップ110に固定されている。よって、通常の活動では殆ど邪魔にならずに容易にかつ安全に運ばれる。使用のために必要であれば、ホルダー100を矢印111の方向へ図21に示す位置にまで回転させてもよい。次いで、外壁部112を矢印114の方向へスライドさせ、マウスピースを含む作動コンポーネントを露出させてもよい。手首を上げてシュートを有効な位置に配置しながら、医薬投与吸入器を押下して治療剤をユーザーの口や鼻へ送出することができる。
【0093】
図22は、類似の装置(arrangement)の斜視図を示しており、該配置では、薬物ホルダー150はサポート102に対して回転することができるし、より容易に使用するためにサポートから単に取り外すこともできる。この場合には、サポートはロック凹部を有さずに、むしろ、弾性的なフラップ116によって形成され、ストラップ、ベルト、ポケットのエッジ、シャツの頂部や類するものの上への容易な配置のための寸法とされたスロット115を有する。
【0094】
図22の態様の操作は図23に示されており、スロット115は、ストラップ117の上で滑らされ、薬物ハウジング100が所定位置にあるよう保持される。用時には、薬物ホルダー150をサポート102から回転して取り外すだけでよい。次いで、使用後は、はめ合わせて所定位置に戻せばよい。
【0095】
図24に示されかつ文字によって表されているように、幅広い範囲のポジションが使用し得る。表示された箇所には、肩A、首または胸の周りB、上腕の上C、手首の頂部D、手首の下E、ベルトまたは腰バンドの上F、ポケットの中G、あるいは、足首の周りHが含まれている。他の箇所もまた好適である。
【0096】
図25は、フレーム118を示しており、該フレームは、メディカルハウジング119、120と同時に呼ぶこともできる、2つの薬物ホルダーを受け入れるように設計されている。該ハウジングは、フック121、122を各々介してフレームに結合させてもよい。該フレーム118は、ベルトあるいはストラップといった他の運搬装置を受けるよう形成されたループ123を持っていてもよい。
【0097】
図26は、薬物ホルダー200の一連の図を示しており、ハウジングサポート201の上にスリップを持っており、該ハウジングは、スロット204を定めている弾性的なフラップ203を持っている。該ハウジングは、マウスピース206内へ排出する内部キャニスター205を持っている。
【0098】
図26の装置は、図27に操作中にあるのが示されており、側壁スリーブ207を下にスリップさせて、ハウジングサポート201の下に位置するマウスピース206を見えるようにし、ユーザーが容易にアクセスできるようにしている。
【0099】
図28は、さらなる薬物ホルダー300を示しており、スロット303と共に作動する位置にあるピボットアーム302によって、展開配置へそしてそこから動かされるマウスピース301を備えている。操作においては、スリーブ304が矢印305の方向にスライドされる。スリーブ304上の内部の突起が、ピボットアーム302の拡張片に接触して、後者の回転が起こるまでは、マウスピース301は格納位置に引き込まれている。ピボットアームが回転すると、スロット303をスライドし、マウスピース301Aの展開配置へ導いていく。スリーブ304が反対方向にスライドされるときには、再度、拡張片に出合い、ピボットアームが反対方向に回転され、それによって、マウスピース301は格納位置へと戻るよう推し進められ、スリーブがその頂部を覆って着座できるようになり、それを環境からシールする。
【0100】
図29は、薬物ホルダーのさらなる態様を示しており、該ホルダーは、メディカルキャニスター403を受ける開口導管402の上に位置するキャップとして、外部壁401が実質的に形成されたメディカルハウジング400を有している。当該デバイスは、図30に断面図が見られ、導管402の開口は、キャニスター403およびOリングの形態のシール部材404によって閉じられている。内部リッジ405は、キャニスター403の保持をアシストし、シールをさらに向上させるように供されていてもよい。キャップ401はストラップ407およびヒンジ点408によって蝶番的に導管に据えつけられている。ストラップ407は、導管402の穴410の位置を定めて塞ぐように設計されたボタン409を有する。
【0101】
操作においては、タブ411を握ることによって、キャップ401は導管402の周囲でそして自在に回転する。ボタン409を引っ張ることによって、使用時に空気流路をつくる穴410からキャップが取り除かれる。これによって、Oリングシール404(該シールは、他の点では、空気の通過や送出された治療剤の煙との混合を妨げる)の存在によって生じる問題が克服される。
【0102】
図31および32は、薬物ホルダー500のさらなる装置(arrangement)を示しており、ここでは、ピボット回転軸504を介してハウジングに蝶番的に固定されているフラップ503の内部に形成されたボタンによって排出穴501が閉じられている。使用時には、図31に示すようにフラップ503を外方向に回転させてもよい。フラップ503が2つのアーム505、506を支持しており、これらアームは、ユーザーの2つの唇(lips)を離した状態に保持し、開口501からの排出の後の口腔内への入口を提供する。ユーザーは弾性端部507を圧縮して内部キャニスターを操作してもよい。
【0103】
図33には、ハウジング550を持った薬物ホルダーのさらなる態様が示されており、スライドキャップ551が、矢印552の方向に引っぱることによって取り去られてもよい。次いで、排出シュートまたはマウスピース553は、回転された位置から、図33AおよびBに示されるような展開位置へと移動され得る。空気、酸素またはガスのライン554が、吸気空気を提供し、治療剤と混合する。好ましくは、酸素ラインがマウスピース553の出口(outlet)555に向けて排出する。代替的にまたは付加的には、代替的な空気導入口556がマウスピース553に備えられていて、ユーザーによる指の閉鎖に適合していてもよい。さらなる空気導入口557もまたハウジング550に備えられていてもよい。ネックコード559がハウジングをユーザーの首のまわりまたは肢のまわりや他の適切なところに結び付けるために備えられていてもよい。
【0104】
本態様は、脆弱な(frangible)アンプルとともに使用するために特に好適である。図33Bは、アンプルに接触したらそれを破裂(ラプチャー)させるよう設計されたストライカー561の下に位置するアンプル560を示している。キャップ551をスライドさせることによって、さらなる空気導入口557が見え、ストライカーを、アンプルを破裂させて内容物を放出させる操作位置へと押し下げることができる。好ましくは、内容物は、メトキシフルレンといった揮発性の液体である。次いで、広い蒸発面の面積を与えるよう設計された蒸発格子563の上に内容物が広がり得る。該格子は、ハウジング550内にフィットして所定位置につく、吸収性の、粗く織った(open weave)布によって形成されていてもよい。代替的には、効率的な蒸発装置を形成するために、格子は一緒に固められた多数のポリマー製の羽根(vane)から形成されていてもよい。格子は、曲がりくねった気流流路を形成して空気と揮発性薬剤との接触を促進してもよい。気流流路は蛇行していてもよい。
【0105】
ユーザーはアンプルを破った後に呼吸を始めることができ、ひとたび薬物の感覚に慣れれば、穴556を塞いで気流中の薬剤の濃度を高めることができる。広い範囲の揮発性の薬剤が、本装置で用いるのに適し得る。追加的な治療ガス、酸素または空気をライン554を介して提供してもよい。
【0106】
図34には、類似の装置のさらなる図が示されており、ここでは、ハウジング600は、投薬位置の内外へ回転するシュートまたはマウスピース601を有している。ストライカー602は、脆弱なアンプル603を破裂させて内容物を蒸発格子604の上に排出させるような位置にある。用語「脆弱なアンプル」は、バイアル、容器、または、シールのような、脆弱な部位をもつ類似のものを含んでいてもよい。本態様では、揮発性材料がハウジングを通って損失するのを防ぐために、吸気口逆止弁(inlet one-way valve)605が備えられている。該弁が空気を好適な方向へ(開口607の外であるかもしれない)流れさせ、該開口が、排出空気をスカベンジャーシステムまたは木炭フィルターといった吸収システムへと向けるための閉鎖管チャネル(enclosed piping channel)に接続されていてもよいことも予見される。この装置によって、潜在的に危険な状況での、潜在的に危険なまたは爆発性の物質による、局所環境の汚染が防止されるか最小化される。このことによって、医療従事者の周囲、特に、救急車や病院の小部屋といった狭い環境における場合に、安全性が高められる。一例が図38に示されており、当該薬物ホルダーは、アンプル801と蒸発格子802とを備えるハウジング800を持っている。外側キャップ803を取り除くことによって、出口(outlet)シュート804が、取り付けられた吸収器805と共に回転できるようになる。空気は、流路806を通して吸入され、吸収器805を通る呼気流路807を経て吐出される。2つの逆止弁808、809によって空気の流入が可能になり、一つの逆止弁810によって流出が可能になる。
【0107】
図35、36および37は、メディカルキャニスターが排出した数を、たとえ概数であったとしても、数えるかまたは少なくとも示して、それによって当該デバイスにおける治療剤の残量をユーザーに示すハウジング700のメカニズムを示している。分解組立図である図35Bを参照すると、端部キャップ701と胴部702がある。端部キャップは、多数の弾性的なツメ703を持っており、該ツメは、穿孔されたタブ704とインターロックして、端部キャップ701を胴部702に対して所定位置に固定し、そして、それらの間の相対的な動きを妨げる。端部キャップは、薬物キャニスターを取り替える必要があるときには取り除かれてもよいし、あるいは、再利用を妨げるようにロックされてもよい。インターロックしている配置(arrangement)は、図35Aに見られる。端部キャップ701は、1つまたはそれ以上の舌部706を持っており、該舌部は、胴部の内側に位置する内部バンド708の凹部707内に位置するように適合している。該バンド708は、フレキシブルなフィンガー709を支持しており、該フィンガーは、多数の連続する刻み目(serrations)710のいずれか一つに挿入されるように寸法決めされた歯となって終わっている。
【0108】
図36を参照すると、端部キャップ701を押下することによって、ある角度に形成されている舌部706が、バンド708を矢印711の方向に推進させるのを見ることができる。これによって、フィンガー709がその刻み目内にロックし、ネジを切られたシリンダー712をも矢印711の方向に移動させる。
【0109】
端部キャップ701を解放することによって、それは最初の位置に戻される。タブ713の存在によって、胴部にて対応するスロットと噛み合うように端部キャップ701の回転運動が妨げられる。端部キャップを上げると、バンド708は矢印711とは反対方向に押されて、フィンガーは、刻み目またはカムが形成された表面の上を、引続く使用のために準備された次の凹部へと進む。外部のネジ山714は対応するネジ山715と共に作動し、こんどは、このネジ山715は、検査窓716に据えつけられたインジケーターと共に作動する。ネジが切られたシリンダー714の回転と共に、インジケーターがキャニスター内の薬物の水準の表示を提供するスケールを越えて進む。該スケールは、任意の好適な範囲の指示であり得る。好適な態様においては、該スケールは、2またはそれ以上の色であり、好ましくは、全量またはほぼ全量としての緑から、キャニスターが約半分量である黄色を経て、キャニスターを使用すべきでないことを示す赤へ至る範囲となっている。キャニスター中に残る物質の量がまだ広い安全マージンであるときに、赤の配色を提供することが好ましい。キャニスターの使用のための好適なインジケーターとして、どのような好適なアレイを用いてもよい。当該装置は、単一のキャニスター薬物ハウジングのためにを使用してもよく、該ハウジングは、ひとたび指示システムが薬物の不足の可能性を示せば、使い捨てられるものである。代替的には、当該装置は、新たなメディカルキャニスターを引続いて挿入すると、インジケーター窓がリセットされるように構成されていてもよい。
【0110】
止め具720がシリンダー712上に備えられている。該止め具720は、シリンダー712がその回転の方向と逆に回転するのを妨げるように、刻み目721と共に作動するよう形成される。すなわち、止め具は、インジケーターを巻き上げる第1の方向への回転は許容するが、シリンダーが逆に回転するのを引き起こすフィンガー709の作用には抵抗する。
【0111】
図39Aでは、バイアル851が、薬物ホルダー850の内側に位置している。バイアル851は、脆弱な部材またはセクション852を下端に持っており、パンチ853の上方に位置している。該バイアルは、穴855内で移動可能なカバー854によって保持される。該カバー854は、外壁部856と係合しており、該壁部の下方への移動がバイアルに同じような動きをもたらすようになっている。もちろん、「下方の」という表現、およびそれに類する用語は、図面の説明における便宜を目的としており、限定的なものではない。当該デバイスは、使用時に、逆さにしてもよいし、それ以外の姿勢とされてもよい。
【0112】
バイアル851がパンチ852と接触し、そして、膜が破裂する(図39B)。該膜は、ゴムまたはポリマー物質といった弾性材料で形成されていてもよい。代替的には、アルフォイル(alfoil)型材料または当業者にとって公知の他の任意の適切な材料で形成されていてもよい。
【0113】
ひとたび膜852が破裂したら、液体薬物857は、チャンバー内に位置する蛇行する壁部の配置(arrangement)として示される蒸発面858へ分配される。
【0114】
バイアル851の移動は、内部壁859によってブロックされる。別れさせる力(distracting force)を外壁部856に継続的に加えることによって、好ましくは脆弱にされた接続ラインの分断を経て、カバー854は、外壁部から脱係合するであろう。カバーと外壁部との間の結合の他のメカニズムが備えられていてもよい、しかし、それらは当該デバイスを完全にシールすることが好ましい。例えば、カバーは、外壁部中の対応する凹部へ伸びる1つまたはそれ以上のタブを有していてもよい。カバーは外壁部とスナップフィット(snapfit)結合を形成していてもよい。十分な強さの別れさせる力を加えることによって、該タブを壊すか変形させて、カバーと外壁部との分離が導かれてもよい。
【0115】
ひとたび外壁部856が内壁部89から取り除かれたら、図39Cに示されるように、マウスピース860は排出ポジションへと回転され得る。図39Dに示されるように、外壁部856の移動もまた、エアーインレット862を見えるようにする。
【0116】
マウスピース860に吸引を加えることによって、空気流が生じ、導入口(inlet)862を通り、チャンバーまたはキャビティ864内に入り、カバー854が空気透過性であるので、バイアル851を周り、蒸発面858を周り、その結果、薬物857がマウスピース860を通って受容者へと流入する。
【0117】
補助の空気導入口863によって、ユーザーは、指でそれを部分的に全体的にまたは断続的に塞ぐことによって、吸入される薬物の相対濃度を変化させることができる。
【0118】
図40は、投薬デバイス864の態様を示しており、該デバイスは、外壁部865と、内壁部866と、固定されたマウスピース867とを持っている。この態様では、薬物は、連続する側壁と2つの端部シール870とによって形成される薬物チャンバーに収容される。蒸発装置すなわち面872は、チャンバー868の内部に配置される。該蒸発面は、吸収によって薬物を保持し得る、ウィックタイプの材料によって形成されていてもよい。
【0119】
リップ873が外壁部に形成されて、上方の弁875およびパンチ876を支持する上方壁部874の凹部に配置されている。
【0120】
外壁部865を取り除くことによって、上方壁部874が下方へスライドし、チャンバー868を押下し、下方壁部の上へおよび下方パンチ878の上へ推し進める。図40Bに示されるように、パンチ876、878はシール870を穿孔する。リップ873が上方壁部874にある凹部から脱係合し、外壁部の除去を可能にする。外壁部を取り除くことによって、空気導入口879もはっきり見えるようになる。ここで、予めシールされた投薬デバイスは、導入口879と、上方の弁875と、薬物チャンバー868と、下方の弁880と、マウスピース867を介する空気流路とを持っている。これら自己放出する態様は、外傷状況におけるメトキシフルレンといった揮発性の薬剤とともに使用するために特に好適である。
【0121】
図41は、外壁部883と内壁部884とを持った薬物ホルダー882を示している。薬物は、破砕可能なバイアル885に収容される。操作においては、外壁部883が取り除かれ、プランジャー886が押下され、バイアルを破砕して、内容物を蒸発装置887の上に放出する。プランジャー886の押下によって、空気導入口888の位置合わせ(alignment)ももたらされ、弁889と固定されたマウスピース890とを含んだ当該デバイスを通る気流流路が提供される。
【0122】
図42は、互いに相対的にスライド可能である外壁部893と内壁部894とを有する投薬デバイス892を示している。バイアル895は、スクリューキャップ896を有するよう備えられる。
【0123】
バイアル895は、当該デバイス892に結合されても、あるいは別々に保持されていてもよい。バイアルが配置されないときは、開口897を通してプラグがはめ込まれてマウントされる。
【0124】
外壁部893が下方にスライドされる場合、弁898と蒸発装置899とを通して空気流路が開く。バイアル895は、キャップ896を捕らえる受け座(receiving seat)900内へ押される。バイアルは、キャップからねじを緩めて外され、そして、前方へ押されてキャップを取り除き、マウスピース903を介した吸入のための装置899へと内容物902を排出する。付加的なキャップ904および付属の空気導入口905も示されている。
【0125】
図43は、投薬デバイス906を示しており、ここでは、外壁部を取り除いて示していない。回転可能なマウスピース906が使用の位置にあり、逆止弁907をもつ空気導入口が現れている。
【0126】
スプリング弁911を通って、ウィック910で形成された蒸発装置の上へと薬物909が押し込まれるようにプランジャー908が押下される。プランジャー装置は衝撃手段の一態様を有していてもよい。
【0127】
図44は、使用後にバイアルを取り替えるよう設計された投薬デバイス912を示す。外壁部が再び取り除かれて空気導入口913が見える。押下可能なフレーム915にバイアル914が位置しており、該フレームは、バイアルをパンチ916上へ運び、内容物917を蒸発装置918上へ放出する。ひとたび排出されたら、バイアルは交換されてもよい。
【0128】
図45は、ハウジング912と、キャニスター914の形態となっている薬物容器914とによって形成された、薬物ホルダー910を示している。第1の壁部916は、第2の壁部918に対して、端部同士を当てて隣接している。第2の壁部918は、図45Dに見られるようにフリップトップキャップを形成しており、該キャップは、ヒンジ920によって第1の壁部916にピボット回転するように係合されている。フレキシブル端部キャップ922が備えられており、それがハウジング912の端部をシールし、かつ、1回量の薬物を排出するためにキャニスター914を座924に対して押下することも可能にするようになっている。図45Cに見られる閉位置から、図45Dおよび45Eに見られる開位置へのキャップ918の回転によっても、収容される右上の位置から図45Eに見られる横拡張位置へのマウスピース926の回転をもたらす。この展開位置では、マウスピースはユーザーにアクセスが可能であり、容易なアクセスのために役立つ。
【0129】
図46は、薬物ホルダー950のさらなる態様の一連の図を示しており、該ホルダーは、内壁部954と外壁部956とによって部分的に形成されたハウジング952を有している。外壁部956は、カラー(collar)966と端部キャップ968とを形成している。端部キャップ968およびカラー966は、内壁部954の周りを周方向に回転可能であって、図46Dに示される閉位置と、図46A、46B、46Cおよび46Eに見られるような使用のために準備された位置との間で、ねじることができるようになっている。該カラー966は、開口958を持っており、該開口は、図46Dでは、シールする係合状態となって内壁部954のセクション960の上に配置されている。該カラー966および端部キャップ968を回転させることで、開口958と内壁部内の穴964とが揃うことによって、マウスピース962が展開配置(deployment)となる。回転はまた、ピン970を、マウスピースに形成された対応する溝972へ入り込ませ、マウスピース962を、好ましくは1つまたはそれ以上のガイドレールに沿うよう外方向に推し進める。カラー966および端部キャップ968を反対向きに回転させることで、マウスピースの収納および保管がもたらされるであろう。柔軟な端部膜974が本デバイスに配置されていて、手動でのキャニスターの押下を可能にしている。
【0130】
図47は、マウスピース962を外方向に動かすための代替的な装置980を示している。マウスピースの端に形成されたラック982と、ピニオンホイール984とを有しており、該ピニオンホイールは、矢印986の方向へのカラー(collar)の動きによって回転させられて、図47Aに示された格納位置から、図47Bに示された展開位置へと動く。
【0131】
本明細書を通じて、その目的は、本発明を如何なる一つの態様または各特徴の特定の集りにも限定することなく、本発明の好適態様を説明することであった。よって、当業者は、本件開示に照らして、本発明の範囲を離れることなく例示された特定の実施態様において、種々の修正および変更をなすことができると理解されよう。そういった修正および改変は全て上記添付したクレームの範囲内に含まれると意図される。
【図面の簡単な説明】
【0132】
【図1】スペアの薬物キャニスターを含んだ薬物ホルダーの第1の態様の正面図である。
【図2】図1の装置の断面図である。
【図3】使用のために配置された図1の装置の正面図である。
【図4】図3の装置の斜視図である。
【図5】単一の薬物容器のための薬物ホルダーの第2の態様の正面図である。
【図6】使用のために逆さにされた図5の装置の断面図である。
【図7】使用のために配置された図6の装置の断面図である。
【図8】薬物ホルダーのさらなる態様の側方の断面図である。
【図9】図8の薬物ホルダーの側面図である。
【図10】使用のために配置された図8の装置の側方の断面図である。
【図11】図10の構成の透視図である。
【図12】薬物ホルダーのさらに別の態様の断面図である。
【図13】図12の薬物ホルダーの正面図である。
【図14】図13の薬物ホルダーの側面図である。
【図15】使用のために準備された図13の薬物ホルダーを示す。
【図16】リストバンドへの装着のために適合された図2の装置の好適態様である。
【図17】図16の装置の分解図である。
【図18】ストラップまたは類するものへの取り付けに適合された薬物ホルダーのさらなる態様の透視図である。
【図19】用時における図18の薬物ホルダーの分解図である。
【図20】図18の薬物ホルダーの操作を示す。
【図21】図18の薬物ホルダーの操作を示す。
【図22】薬物ホルダーのさらなる態様の透視図である。
【図23】ユーザーの腕に位置する図22の薬物ホルダーの図である。
【図24】ユーザーの体の上の薬物ホルダーについての可能性のある位置の模式図である。
【図25】2つの薬物ホルダーを保持する装置の正面図である。
【図26】薬物ホルダーのさらに別の態様の一連の図である。
【図27】使用のために配置された図26の薬物ホルダーの一連の図である。
【図28】薬物ホルダーの別の態様の一連の図である。
【図29】薬物ホルダーのさらなる態様の透視図である。
【図30】図29の薬物ホルダーの横断面図である。
【図31】本発明の薬物ホルダーのさらなる態様の透視図である。
【図32】保管のための配置にある図31の薬物ホルダーの透視図である。
【図33】本発明のさらに別の薬物ホルダーの一連の図である。
【図34】図33の態様のさらなる一連の図である。
【図35】本発明のハウジングにおける計数または指示装置の一部の2つの透視図である。
【図36】図35の装置の一部の側図である。
【図37】図36の装置を有する薬物ホルダーの透視断面図である。
【図38】吸収器として作用するフィルターを有する図34のものと類似する装置の図である。
【図39】薬物ホルダーのさらなる態様の一連の図である。
【図40】薬物ホルダーのさらに別の態様の一連の図である。
【図41】薬物ホルダーのさらに別の態様の一連の図である。
【図42】薬物ホルダーのなおさらに別の態様の一連の図である。
【図43】代替的な薬物ホルダーの2つの側方の断面図である。
【図44】薬物ホルダーのさらなる代替的な態様の一連の図である。
【図45】フリップトップ装置をともなう薬物ホルダーを示す。
【図46】内壁部と外壁部との間の周辺スライドまたは「ツイストトップ」をともなう薬物ホルダーの一連の図である。
【図47】図46のマウスピースを作動させるための装置を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
治療剤を入れる薬物容器を収容する薬物ホルダーであって、該薬物ホルダーは、
ハウジングを有し、該ハウジングはキャビティの定めている第1の壁部を含んでおり、該キャビティは、薬物容器を受け入れかつ少なくとも部分的に取り囲む寸法とされており、かつ、
第1の壁部に隣接しそれに対して相対的に動くことができる、第2の壁部を有し、
第2の壁部は、第1の閉位置と第2の開位置との間を可逆的に動くことができ、第2の開位置は、薬物容器の薬物排出口へのアクセスを提供または促進し、第2の壁部が第1の閉位置にあるときには、該キャビティは水分または他の汚染物質の進入に対してシールされている、
前記薬物ホルダー。
【請求項2】
キャビティ内に配置された薬物容器をさらに有する、請求項1の薬物ホルダー。
【請求項3】
第1の壁部が、薬物キャニスターを受け入れる寸法とされた穴を定めており、かつ、第2の壁部が、閉位置において該穴をシールしている、請求項2の薬物ホルダー。
【請求項4】
穴が、一端にまたは一端の周囲に、開口を有しており、該開口が、第2の閉位置にある第2の壁部によって閉じられる、請求項3の薬物ホルダー。
【請求項5】
第1の壁部が、1つまたはそれ以上の追加的な薬物キャニスターを保持するための、シールされた凹部または複数の凹部を提供するよう構成されている、請求項4の薬物ホルダー。
【請求項6】
第1の壁部が内壁部であり、第2の壁部が、該内壁部とスリーブ結合された関係にある外壁部であり、かつ、これら壁部は、第2の壁部を第1および第2の位置へと位置させるように互いに相対的にスライド可能である、請求項4の薬物ホルダー。
【請求項7】
壁部が長手方向に互いに相対的にスライド可能である、請求項6の薬物ホルダー。
【請求項8】
壁部が周方向に互いに相対的にスライド可能である、請求項6の薬物ホルダー。
【請求項9】
外壁部が、内壁部の端部領域に隣合う閉位置と、内壁部の反対の端部領域に向う方向の開位置との間でスライド可能である、請求項7の薬物ホルダー。
【請求項10】
外壁部が操作中に内壁部から取り除かれる、請求項6の薬物ホルダー。
【請求項11】
第1および第2の位置の両方において、外壁部が、第1の壁部とスリーブ結合され隣接する位置に残る、請求項9の薬物ホルダー。
【請求項12】
内壁部と外壁部との間に、シールする手段が備えられている、請求項6の薬物ホルダー。
【請求項13】
シールする装置が、2つの壁部の間に配置された1つまたはそれ以上のシールリングを有する、請求項12の薬物ホルダー。
【請求項14】
第2の開位置にある第2の壁部の位置取りが、ハウジングを通る気流流路をも開ける、請求項13の薬物ホルダー。
【請求項15】
気流流路がキャビティを通る、請求項14の薬物ホルダー。
【請求項16】
薬物キャニスターが、加圧されたキャニスターを有し、該キャニスターは、制御された1回量の治療剤を放出するように構成されている、請求項3の薬物ホルダー。
【請求項17】
薬物装置が、ユーザーによって吸入された空気の流れによって作動するメカニズムを含んでおり、かつ、回転可能なインペラを含んでいる、請求項3の薬物ホルダー。
【請求項18】
穴の一端が、薬物キャニスターまたは装置を駆動するために押下され得る変形可能な膜によって閉じられている、請求項16の薬物ホルダー。
【請求項19】
薬物容器を作動させて1回量の治療剤を分配するために、回転可能な端部によって、穴が第2の端部において閉じられる、請求項4の薬物ホルダー。
【請求項20】
回転可能な端部が、薬物容器を座に抗して移動させて、1回量の薬物を排出させる、請求項19の薬物ホルダー。
【請求項21】
回転可能な端部が、吸入のための気流中に1回量の薬物を分配する、請求項19の薬物ホルダー。
【請求項22】
回転可能な端部の操作が、ハウジングを通る気流流路を開ける、請求項21の薬物ホルダー。
【請求項23】
薬物排出口が薬物シュートを有する、請求項2の薬物ホルダー。
【請求項24】
気流流路が薬物シュートを通って流れる、請求項23の薬物ホルダー。
【請求項25】
薬物シュートが、保管位置と排出位置との間を動く、請求項24の薬物ホルダー。
【請求項26】
薬物シュートが、横断する軸の周りに回転することによって動く、請求項25の薬物ホルダー。
【請求項27】
薬物シュートが、長手方向の軸の周りに回転することによって動く、請求項25の薬物ホルダー。
【請求項28】
薬物シュートが、排出位置に向かって弾性的にバイアスされている、請求項25の薬物ホルダー。
【請求項29】
薬物シュートが、スプリング装置によって弾性的にバイアスされている、請求項28の薬物ホルダー。
【請求項30】
薬物シュートが、ギア機構を作動させる第2の壁部の動きによって、機械仕掛け的に排出位置へと推し進められる、請求項25の薬物ホルダー。
【請求項31】
ギア機構が、ラックとピニオンの装置である、請求項31の薬物ホルダー。
【請求項32】
薬物シュートが、補助的な空気導入口を有する、請求項25の薬物ホルダー。
【請求項33】
薬物容器が脆弱であり、かつ、第2の壁部のスライドが、医療容器を破裂させるように適合し、キャビティを通る空気流路へ治療剤を放出させるようになっている、請求項6の薬物ホルダー。
【請求項34】
治療剤がメトキシフルレンである、請求項33の薬物ホルダー。
【請求項35】
スポーツバッグといったアイテムへ、またはユーザーへ、ハウジングを結合する結合手段をさらに有する、請求項2の薬物ホルダー。
【請求項36】
結合手段が、穴とストラップの装置である、請求項35の薬物ホルダー。
【請求項37】
結合手段が、ユーザーの肢部の周り、または、バッグやそれに類するもののストラップの周りに、位置するように適合したバンドである、請求項35の薬物ホルダー。
【請求項38】
バンドがリストバンドである、請求項35の薬物ホルダー。
【請求項39】
ハウジングが、ピボット回転するはめ込みによってリストバンドに固定され、該ピボット回転のはめ込みによって、ユーザーの腕の長手方向軸と実質的に位置合わせされている第1の位置と、該長手方向軸を実質的に横切る第2の位置との間で、ハウジングが回転することが可能になっている、請求項35の薬物ホルダー。
【請求項40】
液体薬剤を入れる薬物容器用のポータブル薬物ホルダーであって、該薬物ホルダーは、
ハウジングを有し、該ハウジングは、キャビティを形成している第1の壁部を含んでおり、該キャビティは、少なくとも部分的に、薬物容器を受け入れかつ取り囲む寸法とされており、
第2の壁部を有し、該第2の壁部は、第1の閉位置にあるキャビティをシールするよう第1の壁部と共に作動し、該第2の壁部は、ハウジングの薬物出口へのアクセスを提供する第2の開位置へと、移動し得るものであり、
開口手段を有し、該開口手段は薬物容器を開口し、それによって液体薬剤がハウジングを通る空気流路に提供され、
空気流路と連絡して液体薬剤の蒸発を促進する蒸発手段を有し、
前記ポータブル薬物ホルダー。
【請求項41】
脆弱な薬物容器をさらに有する、請求項40のポータブル薬物ホルダー。
【請求項42】
蒸発手段が蒸発面を有する、請求項41のポータブル薬物ホルダー。
【請求項43】
蒸発面が、液体薬剤と空気流路中の空気との間の接触のために、増加された表面積を提供するよう構成されている、請求項42のポータブル薬物ホルダー。
【請求項44】
蒸発面が、蒸発パネルとしてまたは格子として形成されている、請求項43のポータブル薬物ホルダー。
【請求項45】
蒸発手段が、空気流のための曲がりくねった経路を提供する、請求項40のポータブル薬物ホルダー。
【請求項46】
蒸発手段が吸収材から形成されている、請求項40のポータブル薬物ホルダー。
【請求項47】
吸収材が空気流のための蛇行した流路をつくるよう構成されている、請求項46のポータブル薬物ホルダー。
【請求項48】
蒸発手段が薬物容器内に配置されている、請求項41のポータブル薬物ホルダー。
【請求項49】
脆弱な容器がアンプルまたはバイアルである、請求項41のポータブル薬物ホルダー。
【請求項50】
脆弱な容器が脆弱なシールを有する、請求項41の薬物ホルダー。
【請求項51】
開口手段が衝撃手段を有し、該衝撃手段は、脆弱な容器との直接的または非直接的な接触に推し進められてそれによって薬物を放出させるように適合している、請求項41の薬物ホルダー。
【請求項52】
衝撃手段が、ストライカー、ピストンまたはそれに類するものである、請求項51の薬物ホルダー。
【請求項53】
ストライカー、ピストンまたはそれに類するものが、手動で操作される、請求項52の薬物ホルダー。
【請求項54】
ストライカー、ピストンピストンまたはそれに類するものが、第2の壁部の移動によって自動的に操作される、請求項52の薬物ホルダー。
【請求項55】
開口手段が、脆弱なバイアルを貫通する1つまたはそれ以上のパンチを含んでいる、請求項41の薬物ホルダー。
【請求項56】
開口手段が受け座を含んでおり、該受け座は、薬物容器のスクリュートップのフタに係合し、その除去と内容物の排出を促進するためのものである、請求項40の薬物ホルダー。
【請求項57】
第2の壁部が、第1の壁部と係合するスリーブを形成しており、かつ、それに対して相対的にスライド可能である、請求項41の薬物ホルダー。
【請求項58】
スライド可能なスリーブが、キャップを有する、請求項56の薬物ホルダー。
【請求項59】
スリーブが長手方向にスライドする、請求項56または57の薬物ホルダー。
【請求項60】
スリーブが、シリンダ状の第1の壁部の周りを周方向にスライドする、請求項57または58の薬物ホルダー。
【請求項61】
薬物出口が薬物シュートを含んでおり、該薬物シュートがマウスピースまたはノーズピースを有することができる、請求項57の薬物ホルダー。
【請求項62】
薬物シュートが、保管位置と排出位置との間を動くように据えつけられている、請求項61の薬物ホルダー。
【請求項63】
薬物シュートが横断軸の周りを回転する、請求項62の薬物ホルダー。
【請求項64】
薬物シュートが長手方向軸の周りを回転する、請求項62の薬物ホルダー。
【請求項65】
薬物シュートが、保管位置と排出位置との間を直線的に動くよう据えつけられている、請求項62の薬物ホルダー。
【請求項66】
薬物シュートが補助的な空気流路を有し、該補助的な空気流路はユーザーの指による閉鎖に適合している、請求項61の薬物ホルダー。
【請求項67】
第2の開位置への第2の壁部の動きが、第1の空気流路を開ける、請求項41の薬物ホルダー。
【請求項68】
第1の空気流路が、開口手段の操作によって手動で開けられる、請求項41の薬物ホルダー。
【請求項69】
開口手段が、開位置と閉位置との間を動き得る回転可能な弁を有する、請求項68の薬物ホルダー。
【請求項70】
空気流路を通る実質的に一方向性の空気流を提供するための弁手段を、さらに含んでいる、請求項41の薬物ホルダー。
【請求項71】
弁手段が、ハウジングを通って導入空気が流れること可能にする1つまたはそれ以上の逆止弁を有する、請求項70の薬物ホルダー。
【請求項72】
吐出空気をハウジングの外の方向に向ける出口弁をさらに有する、請求項71の薬物ホルダー。
【請求項73】
吐出された薬物を吸収するフィルターをさらに有し、該フィルターは出口弁の下流に接続されている、請求項72の薬物ホルダー。
【請求項74】
薬物がメトキシフルレンである、請求項40または49の薬物ホルダー。
【請求項75】
治療剤を貯蔵しかつ分配するための薬物ホルダーであって、該薬物ホルダーは、
穴として構成されたキャビティを形成する内壁部を含んでいるハウジングを有し、
外壁部を有し、該外壁部は、第1の壁部をその長さの少なくとも一部にわたって囲むスリーブとして形成されており、
治療剤の配出を作動させるためのアクチュエーター手段を有し、該アクチュエーター手段はキャビティの一端部をシールしており、
治療剤を収容しかつキャビティ内に位置している加圧された容器を有し、
格納位置と展開位置との間を動き得る薬物シュートを有し、
第1の壁部と第2の壁部とが、協働してキャビティをシールし、水分および他の汚染物質の進入を阻んでおり、かつ、薬物シュートへのアクセスを提供しかつその展開配置を促進するように、第2の壁部が第1の壁部に対してスライド可能である、
前記薬物ホルダー。
【請求項76】
第2の壁部が、長手方向にスライド可能であり、第1の壁部に接触し続ける、請求項75の薬物ホルダー。
【請求項77】
第2の壁部が、周方向に開位置へスライドする、請求項75の薬物ホルダー。
【請求項78】
第2の壁部のスライドが、ラックとピニオンの装置を駆動して、薬物シュートを直線的に動かすものである、請求項77の薬物ホルダー。
【請求項79】
アクチュエーター手段が、薬物キャニスターを排出座に向けて下向きに推し進める圧力パッドである、請求項75の薬物ホルダー。
【請求項80】
アクチュエーター手段が、薬物キャニスターを投薬座に向けて移動させるカム機構を作動させるためのツイストトップ装置である、請求項75の薬物ホルダー。
【請求項81】
アクチュエーター手段の作動が、キャビティを通る空気流路を開ける、請求項75の薬物ホルダー。
【請求項82】
液体薬剤を保持する薬物容器を保持しかつ排出するためのポータブル薬物ホルダーであって、該ポータブル薬物ホルダーは、
チャンバーを形成する第1の壁部を含んでいるハウジングを有し、
該チャンバーを通過する空気流路を有し、
第1の壁部と係合する第2の壁部を有し、該第2の壁部は、第1の壁部の周りに位置するスリーブとして形成され、該第2の壁部は、チャンバーと空気流路とがシールされる閉位置と、空気流路が開かれる開位置との間で移動可能であり、
空気流路内の空気中への液体薬剤の蒸発を助ける蒸発手段を有し、
空気流路をユーザーへと向ける薬物排出シュートを有し、
薬物容器を開けるための開口手段を有し、
チャンバー内にまたはチャンバーと流体連絡して位置している薬物容器を有する、
前記ポータブル薬物ホルダー。
【請求項83】
薬物容器が、バイアル、アンプルまたはキャニスターであり、少なくとも部分的には脆弱である、請求項82のポータブル薬物ホルダー。
【請求項84】
薬物容器がメトキシフルレンを収容している、請求項83のポータブル薬物ホルダー。
【請求項85】
第2の壁部がカバーとして形成されている、請求項83のポータブル薬物ホルダー。
【請求項86】
開口手段が、薬物容器を開けるよう構成されたストライカーを有する、請求項83のポータブル薬物ホルダー。
【請求項87】
第2の壁部を開位置へスライドすることによって、ストライカーが作動する、請求項86のポータブル薬物ホルダー。
【請求項88】
開口手段が、容器における脆弱なシールを開けるパンチを有する、請求項83のポータブル薬物ホルダー。
【請求項89】
開口手段が、スクリューキャップまたはボトルをつかむ座を有する、請求項82のポータブル薬物ホルダー。
【請求項90】
蒸発手段がウィック材を有する、請求項82のポータブル薬物ホルダー。
【請求項91】
蒸発手段が蒸発プレートまたは格子を有する、請求項82のポータブル薬物ホルダー。
【請求項92】
蒸発手段が、蛇行したまたは曲がりくねった経路を空気流路の一部として形成する、請求項82のポータブル薬物ホルダー。
【請求項93】
薬物シュートが格納位置と展開位置との間で回転可能である、請求項82のポータブル薬物ホルダー。
【請求項94】
薬物シュートが呼吸ガスを運ぶガスラインを含んでいる、請求項93のポータブル薬物ホルダー。
【請求項95】
薬物シュートが予備的な空気導入口を含んでいる、請求項93のポータブル薬物ホルダー。
【請求項96】
流入空気流路に一方向性の吸気気流を提供する1つまたはそれ以上の逆止弁をさらに含んでいる、請求項82のポータブル薬物ホルダー。
【請求項97】
薬物シュートが呼気のための逆止弁と流体接続されている、請求項96のポータブル薬物ホルダー。
【請求項98】
薬物シュートが、呼気とともに吐出された空気から薬物を取り除くためのフィルターと流体接続されている、請求項97のポータブル薬物ホルダー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【公表番号】特表2007−506483(P2007−506483A)
【公表日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−527228(P2006−527228)
【出願日】平成16年9月24日(2004.9.24)
【国際出願番号】PCT/AU2004/001316
【国際公開番号】WO2005/028006
【国際公開日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VELCRO
【出願人】(506098594)メディ−ストリーム プロプライエタリィ リミティッド (2)
【Fターム(参考)】