説明

蛍光性ジケトピロロピロール

本発明は、式(I)または(III)の蛍光性ジケトピロロピロール、その調製方法、ならびにインク、着色剤、コーティング用着色プラスチック、ノンインパクトプリント材料、カラーフィルター、化粧品、ポリマーインク粒子、トナーの調製のための、蛍光トレーサーとしての、色変化媒体における、固体色素レーザー、ELレーザーおよびエレクトロルミネセントデバイスにおける、その使用に関する。本発明の化合物または組成物を含むルミネセントデバイスは、電気エネルギー利用効率が高く、そして輝度が高い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、式:
【0002】
【化13】

【0003】
の蛍光性ジケトピロロピロール(DPP)、それらの調製方法ならびに、インク、着色剤、コーティング用着色プラスチック、ノンインパクトプリント材料、カラーフィルター、化粧品、ポリマーインク粒子、トナーの調製のための、蛍光トレーサーとしての、色変化媒体中での、固体色素レーザー、ELレーザーおよびエレクトロルミネセント(EL)素子中でのそれらの使用に関する。本発明に係る化合物を含むルミネセント素子は、電気エネルギーの利用効率が高く、また輝度が高い。
【0004】
EP−A−648770は、カルバメート基を含有するDPPおよび蛍光染料としてのそれらの使用に関する。実施例6および9に下記のDPP化合物:
【0005】
【化14】

【0006】
が、それぞれ開示されている。
【0007】
WO90/01480は、他のDPP化合物のうち、少なくとも2つの異なる着色形態を有し、そのうちの一方が、エネルギーの供給により他方に変換されることができる物質、および記憶媒体におけるそれらの使用に関する。実施例10および11に下記のDPP化合物:
【0008】
【化15】

【0009】
が、それぞれ開示されている。
【0010】
例えば、Appl. Phys. Lett., 51, 913 (1987)に記載されている、有機蛍光物質を含有する有機エレクトロルミネセント(「EL」)デバイスを真空蒸着法により調製することは、現在、一般的である。一般に、発光材料の構成に従って、2種類のそのような真空蒸着法:1成分型プロセスと2成分型(または「ホスト−ゲスト型」("Host-Guest type")もしくは「2成分系」("binary system"))プロセスが適用される(例えば、J. Appl. Phys., 65, 3610 (1989)に記載されている)。
【0011】
JP−A2 2,296,891(Ricoh)は、陽極、陰極および陽極と陰極の間に保持されている、1つの有機化合物層または複数の有機化合物層を含むが、正孔輸送物質を含まないエレクトロルミネセント素子を特許請求している。前記有機化合物層のうちの少なくとも1層は、下記式II'':
【0012】
【化16】

【0013】
(式中、Y1およびY2は、互いに独立して、置換もしくは非置換のアルキル、シクロアルキルまたはアリール基を表し、Y3およびY4は、独立して、水素原子または置換もしくは非置換のアルキルまたはアリール基を表し、Xは、酸素または硫黄原子を表す。4個の化合物が明記されており、すなわち全ての場合において、Xは酸素を表し、(a)では、Y3=Y4=メチルであり、かつY1=Y2=p−トリルであり、(b)では、Y3=Y4=メチルであり、かつY1=Y2=水素であり、(c)では、Y3=Y4=水素であり、かつY1=Y2=p−トリルであり、(d)では、Y3=Y4=Y1=水素であり、かつY2=p−クロロフェニルである)で表されるピロロピロール化合物を含有する層である。DPPII''が単独で使用される場合、すなわちトリス(8−ヒドロキシキノリナト)アルミニウム(「Alq3」)を添加しないと、発光は観察されない。
【0014】
JP−A2 5,320,633(Sumitomo)は、発光材料を式I':
【0015】
【化17】

【0016】
(式中、Y1およびY2は、互いに独立して、C6〜C14アリール基またはC6〜C12ヘテロ環基を表し、例えばチエニル、2−ピリジル、3−ピリジルおよび4−ピリジルであり、Y3およびY4は、互いに独立して、水素原子、C1〜C12アルキル基またはC6〜C14アリール基を表す)のDPP0.005〜15重量部の量で1対の電極の間に含む発光層を有し、少なくとも1つの電極は透明または半透明である有機ELデバイスを特許請求している。主クレームはAlq3の使用についてなにも述べていないが、Alq3が特許請求されているEL素子またはデバイスにおいて必須の特徴であることが、明細書および実施例、特に比較例2から明白である。
【0017】
JP−A2 9003448(Toyo)は、電子輸送材料としてDPP化合物を含有する発光層か、または発光層と電子注入層を含む有機化合物薄膜層(ここで電子注入層は、電子輸送材料としてDPP化合物を含有する)を、1対の電極の間に有する有機EL素子を記載している。下記の3つのヘテロアリールピロロピロール:
【0018】
【化18】

【0019】
が明記されている。この特許請求されているELデバイスの欠点は、実施例によると、常にAlq3およびフェナントレンジアミン(正孔注入材料として)を使用しなければならないことである。
【0020】
EP−A−499,011は、式I':
【0021】
【化19】

【0022】
(式中、Y1およびY2は、置換または非置換のフェニル基、3−ピリジル−または4−ピリジル基であることができ、Y3およびY4は、互いに独立して、水素原子、C1〜C18アルキル基、C3〜C18アルケニル基であり、かつ二重結合は、C1位ではない)のDPP化合物を含むエレクトロルミネセントデバイスを記載している。実施例1および7に、下記のDPP化合物:
【0023】
【化20】

【0024】
が、明記されている。
【0025】
WO98/33862は、式IV':
【0026】
【化21】

【0027】
のDPP化合物のエレクトロルミネセントデバイスおけるゲスト分子としての使用を記載している。
【0028】
EP−A−1087005は、式I':
【0029】
【化22】

【0030】
の蛍光性N置換ジケトピロロピロール(「DPP」)に関し、これは、Y1およびY2が下記の基:例えば、
【0031】
【化23】

【0032】
から誘導されることを特徴とし、これは、置換または非置換であることができる。
【0033】
EP−A−1087006は、(a)陽極、(b)正孔輸送層、(c)発光層、(d)場合により電子輸送層および(e)陰極と発光物質をこのオーダーで含み、発光物質が式I'で表されるジケトピロロピロール(「DPP」)であるエレクトロルミネセントデバイスに関する。
【0034】
WO03/002672は、Y1およびY2が下記の1−ナフチル基:
【0035】
【化24】

【0036】
から誘導されることを特徴とする、式I'のジケトピロロピロールに関する。
【0037】
WO03/064558は、式IVのDPPゲスト発色団および式IIのDPPホスト発色団を含むELデバイスを開示している(下記を参照のこと)。
【0038】
EP−A−1,253,151は、
(a)DPP誘導体および580〜720nmの範囲に蛍光ピーク波長を有する有機蛍光材料、ならびに
(b)ピロロメテン金属錯体(JP2001 257077、JP2001 257078およびJP2001 297881(Toray)も参照のこと)
のうちの少なくとも1つを含むELデバイスを開示している。
【0039】
WO03/048268は、ペリレン環を有する化合物と、DPP骨格を有する化合物とを含むEL素子用の組成物に関する。下記の3つのヘテロアリールピロロピロール:
【0040】
【化25】

【0041】
が明記されている。
【0042】
驚くべきことに、特定のDPP化合物またはDPP化合物の特定の組合せが、特に発光物質として使用される場合、電気エネルギー利用効率が高くそして輝度が高い上に、高い持続性を有するルミネセントデバイスを得ることができることが判明した。
【0043】
したがって本発明は、式(I)または(III):
【0044】
【化26】

【0045】
〔式中、R1およびR2は、同一または異なっていてもよく、C1〜C25アルキル基、アリル基(これは、C1〜C3アルキルで1〜3回置換されていることができる)、シクロアルキル基(これは、C1〜C8アルキルおよび/またはC1〜C8アルコキシで場合により1〜3回置換されていることができる)、シクロアルキル基(これは、C1〜C4アルキル、ハロゲン、ニトロ、またはシアノで1〜3回置換されていることができるフェニルで1または2回縮合されている)、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、ヘテロ環基、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、ケトンもしくはアルデヒド基、エステル基、カルバモイル基、シリル基、シロキサニル基、アリール基、ヘテロアリール基、または−CR34−(CH2m−A3{ここで、R3およびR4は、互いに独立して、水素もしくはC1〜C4アルキル、またはフェニル(これは、C1〜C3アルキルで1〜3回置換されていることができる)を表し、A3は、アリールまたはヘテロアリール、特にフェニルまたは1−もしくは2−ナフチル(これは、C1〜C8アルキルおよび/またはC1〜C8アルコキシで1〜3回置換されていることができる)を表し、mは、0、1、2、3または4を表す}から選択され、
1は、式(II):
【0046】
【化27】

【0047】
{式中、
Xは、NまたはC−R8であり、
5〜R11は、同一または異なっていてもよく、水素、C1〜C25アルキル、シクロアルキル、アラルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、ヒドロキシル、メルカプト基、アルコキシ、アルキルチオ、アリールエーテル基、アリールチオエーテル基、アリール、ヘテロアリール、ヘテロ環基、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、シアノ基、アルデヒド基、カルボニル基、カルボキシル基、エステル基、カルバモイル基、基NR2728(ここで、R27およびR28は、互いに独立して、水素原子、アルキル基、場合により置換されているシクロアルキル基、場合により置換されているアリール基、場合により置換されているヘテロアリール基、場合により置換されているヘテロ環基、アラルキル基を表すか、またはR27およびR28は、それらが結合している窒素原子と一緒になって5員または6員のへテロ環(これは、1または2個の場合により置換されているフェニル基で縮合されていることができる)を形成する)、ニトロ基、シリル基、シロキサニル基、置換もしくは非置換ビニル基から選択されるか、またはR5〜R11のうちの少なくとも2個の隣接する置換基は、芳香族、ヘテロ芳香族もしくは脂肪族縮合環系を形成する}を表し、
2は、非置換または置換アリール基、または非置換または置換ヘテロアリール基を表すが、ただし、A2とA1は、同一分子内では異なる意味を有し、特に、
2は、A1を表すが、ただし、A2とA1は、同一分子内では異なる意味を有し、あるいは
2は、
【0048】
【化28】

【0049】
{式中、R101〜R123は、同一または異なっていてもよく、水素、C1〜C25アルキル基、シクロアルキル、アラルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、ヒドロキシル、メルカプト基、アルコキシ、アルキルチオ、アリールエーテル基、アリールチオエーテル基、アリール、ヘテロ環基、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、シアノ基、アルデヒド基、カルボニル基、カルボキシル基、エステル基、カルバモイル基、基NR2728(ここで、R27およびR28は、上で定義されたとおりである)、ニトロ基、シリル基、シロキサニル基、置換もしくは非置換ビニル基から選択されるか、またはR115〜R121のうちの少なくとも2個の隣接する置換基は、芳香族、ヘテロ芳香族もしくは脂肪族縮合環系を形成し、
124およびR125は、同一または異なっていてもよく、C1〜C18アルキル;C1〜C18アルコキシ、C6〜C18アリール;C7〜C18アラルキルから選択されるか;またはR124およびR125は、一緒になって、環、特に5員、6員もしくは7員の環(これは、C1〜C8アルキルで場合により置換されていることができるか、またはC1〜C8アルキル基、C1〜C8アルコキシ、ハロゲンおよびシアノで1〜3回置換されていることができるフェニルで場合により1もしくは2回縮合されていることができる)を形成する}を表すか;あるいは
2は、ヘテロ芳香族基、特に、
【0050】
【化29】

【0051】
{式中、R131〜R152は、同一または異なっていてもよく、水素、C1〜C25アルキル基、シクロアルキル、アラルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、ヒドロキシル、メルカプト基、アルコキシ、アルキルチオ、アリールエーテル基、アリールチオエーテル基、アリール、ヘテロ環基、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、シアノ基、アルデヒド基、カルボニル基、カルボキシル基、エステル基、カルバモイル基、基NR2728(ここで、R27およびR28は、上で定義されたとおりである)、ニトロ基、シリル基、シロキサニル基、置換もしくは非置換ビニル基から選択され、
153は、水素原子、C1〜C25アルキル(これは、−O−で中断されていてもよい)、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基、またはヘテロ環基である}を表し、
4とA5は、互いに独立して、A2の意味を有し、
6は、シクロアルキル、アリーレン、またはヘテロアリーレン(これは、場合によりC1〜C8アルキルまたはC1〜C8アルコキシで1〜3回置換されている)である〕
で示される蛍光性ジケトピロロピロールであるが、ただし、以下の化合物は除外される:
【0052】
【表2】

【0053】
1とR2は異なることもできるが、好ましくは、同一の意味を有し、好ましくは、C1〜C18アルキル基である。
【0054】
本発明の好ましい実施態様において、A1およびA2の少なくとも一つは、それぞれ、置換されていることができ、また炭素原子の一部はヘテロ原子、好ましくは窒素または酸素で置換されていることができる、少なくとも13個の炭素原子を含有する縮合芳香環系、例えば、
【0055】
【化30】

【0056】
を意味する。
【0057】
1が基:
【0058】
【化31】

【0059】
(式中、R9は水素である)を表す場合、A2は、好ましくは基:
【0060】
【化32】

【0061】
またはヘテロ芳香族基、特に
【0062】
【化33】

【0063】
を表す。
【0064】
本発明の他の好ましい実施態様において、A1は、式:
【0065】
【化34】

【0066】
(式中、R25およびR26は、上で定義されたとおりであり、R300は、C1〜C8アルキル、C6〜C24芳香族、またはC2〜C17ヘテロ芳香族基(これらは、1以上のC1〜C8アルキルまたはC1〜C8アルコキシ基で置換されていてもよい)であり;特に、C1〜C8アルキルまたはフェニル(これは、1以上のC1〜C8アルキルまたはC1〜C8アルコキシ基で置換されていてもよい)である)
の基を表す。
【0067】
本発明の特に好ましい実施態様において、A1は、式:
【0068】
【化35】

【0069】
の基を表す。
【0070】
前記実施態様において、A2は、A1とは異なることを除いて、特には限定されず、好ましくは、
【0071】
【化36】

【0072】
(式中、R251、R252、R253、R254、R255およびR256は、互いに独立して、C1〜C8アルキル、C1〜C8アルコキシ、ハロゲン、およびシアノ、特に水素である)である。
【0073】
1およびR2は、互いに独立して、好ましくは、C1〜C8アルキル基、C5〜C12シクロアルキル基(これは、C1〜C8アルキルおよび/またはC1〜C8アルコキシで1〜3回置換されていることができる)、フェニルまたは1−もしくは2−ナフチル(これは、C1〜C8アルキルおよび/またはC1〜C8アルコキシで1〜3回置換されていることができる)、または−CR34−(CH2m−A3{ここで、R3およびR4は、水素またはC1〜C4アルキルを表し、A3は、フェニルまたは1−もしくは2−ナフチル(これは、C1〜C8アルキルおよび/またはC1〜C8アルコキシで1〜3回置換されていることができる)を表し、mは、0または1を表す}を表し、特に、アリル、C1〜C8アルキル、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、2,2−ジメチルプロピル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、1,1,3,3−テトラメチルブチルおよび2−エチルヘキシル、トリ(C1〜C8アルキル)シリル、例えばトリメチルシリル、−CH2−A3、−CHCH3−A3または−CH2−CH2−A3(ここで、A3は、C1〜C8アルキルで1、2または3回置換されていることができるフェニルを表す)を表す。
【0074】
最も好ましいR1およびR2は同一であり、C1〜C8アルキル、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、2,2−ジメチルプロピル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、1,1,3,3−テトラメチルブチルおよび2−エチルヘキシルを表す。
【0075】
1が、
【0076】
【化37】

【0077】
を表す場合、基:
【0078】
【化38】

【0079】
は、A2に、より好ましくない。
【0080】
1は、好ましくは、
【0081】
【化39】

【0082】
〔式中、R25'は、C6〜C12アリール基、特にフェニルまたはナフチル(これらは、1以上のC1〜C8アルキルまたはC1〜C8アルコキシ基で置換されていてもよい)であり、
300は、C1〜C8アルキル、C6〜C24芳香族、またはC2〜C17ヘテロ芳香族基(これは、1以上のC1〜C8アルキルまたはC1〜C8アルコキシ基で置換されていてもよい)であり、
21、R22、R23、R25およびR26は、互いに独立して、水素、C1〜C8アルキル基、ヒドロキシル基、メルカプト基、C1〜C8アルコキシ、C1〜C8アルキルチオ、ハロゲン、ハロ−C1〜C8アルキル、シアノ基、アルデヒド基、ケトン基、カルボキシル基、エステル基、カルバモイル基、アミノ基、ニトロ基、シリル基、またはシロキサニル基であり、
27およびR28は、互いに独立して、
【0083】
【化40】

【0084】
{式中、R29、R30およびR31は、互いに独立して、水素、C1〜C8アルキル、C1〜C8アルコキシまたは基NR3233(ここで、R32およびR33は、互いに独立して、
【0085】
【化41】

【0086】
(式中、R34は、水素、C1〜C8アルキル基もしくはC1〜C8アルコキシである)である)であるか、またはR27およびR28は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、5員または6員のへテロ環、例えば
【0087】
【化42】

【0088】
(これは、1または2個の場合により置換されているフェニル基で縮合されていることができ)、例えば
【0089】
【化43】

【0090】
(式中、R216およびR217は、互いに独立して、水素、C1〜C8アルキル、C1〜C8アルコキシ、またはフェニルを表し、R29'およびR30'は、互いに独立して、水素、C1〜C8アルキルまたはC1〜C8アルコキシを表し、
1は、水素またはC1〜C8アルキル基を表す)を形成する}である〕を表し;A2は、A1を表すが、ただし、A2とA1は、同一分子内では異なる意味を有し、あるいは
2は、
【0091】
【化44】

【0092】
〔式中、
27およびR28は、上で定義されたとおりであり、
25およびR26は、上で定義されたとおりであり、好ましくは、互いに独立して、水素、C1〜C8アルキル、ヒドロキシル基、メルカプト基、C1〜C8アルコキシ、C1〜C8アルキルチオ、ハロゲン、ハロ−C1〜C8アルキル、シアノ基、アルデヒド基、ケトン基、カルボキシル基、エステル基、カルバモイル基、アミノ基、ニトロ基、シリル基、またはシロキサニル基であり、
101、R102、R103、R106、R107、R110、R111、R112、R115、R116、R122、R123、R135、R136、R137、R138、R139、R140、R147、およびR148は、互いに独立して、水素、C1〜C8アルキル、ヒドロキシル基、メルカプト基、C1〜C8アルコキシ、C1〜C8アルキルチオ、ハロゲン、ハロ−C1〜C8アルキル、シアノ基、アルデヒド基、ケトン基、カルボキシル基、エステル基、カルバモイル基、アミノ基、ニトロ基、シリル基、またはシロキサニル基であり、
124およびR125は、同一または異なっていてもよく、C1〜C18アルキルから選択されるか;またはR124およびR125は、一緒になって、環、特に5員、6員または7員の環(これは、場合によりC1〜C8アルキルで置換されていることができ、またはこれは、C1〜C8アルキル基、C1〜C8アルコキシ、ハロゲン、もしくはシアノで1〜3回置換されていることができるフェニルで場合により1もしくは2回縮合されていることができる)を形成し;
153は、C1〜C25アルキル基であり、
251、R252、R253、R254、R255、およびR256は、互いに独立して、C1〜C8アルキル、C1〜C8アルコキシ、ハロゲンおよびシアノ、特に水素である〕
を表す。
【0093】
124およびR125が、一緒になって、環を形成する場合、それらは、好ましくは、シクロペンタンまたはシクロヘキサン環(これは、C1〜C8アルキルで1〜3回場合により置換されていることができ、またはこれは、C1〜C8アルキル基、C1〜C8アルコキシ、ハロゲン、もしくはシアノで1〜3回置換されていることができるフェニルで場合により1もしくは2回縮合されていることができる)を形成する。縮合シクロペンチルおよびシクロヘキシル基の例は、
【0094】
【化45】

【0095】
(式中、R251、R252、R253、R254、R255およびR256は、互いに独立して、C1〜C8アルキル、C1〜C8アルコキシ、ハロゲンおよびシアノ、特に水素である)である。
【0096】
好ましい実施態様において、A2は、
【0097】
【化46】

【0098】
(式中、R25およびR26は、互いに独立して、水素、C1〜C8アルキル、ヒドロキシル基、メルカプト基、C1〜C8アルコキシ、C1〜C8アルキルチオ、ハロゲン、ハロ−C1〜C8アルキル、シアノ基、アルデヒド基、ケトン基、カルボキシル基、エステル基、カルバモイル基、アミノ基、ニトロ基、シリル基、またはシロキサニル基である)を表す。
【0099】
特に好ましい実施態様において、A1は、
【0100】
【化47】

【0101】
〔式中、R300は、C1〜C8アルキル、フェニル(これは、1以上のC1〜C8アルキルまたはC1〜C8アルコキシ基で置換されていることができる)であり、R9は、水素、フェニル、1−ナフチル(これらは、1以上のC1〜C8アルキルまたはC1〜C8アルコキシ基で置換されていることができる);C1〜C8アルキルまたはC1〜C8アルコキシであり、
21は、水素、C1〜C8アルキル基またはC1〜C8アルコキシである〕
で表される。
【0102】
他の好ましい実施態様において、本発明は、A1が、式:
【0103】
【化48】

【0104】
の基であり、A2が、A1であるか、または式:
【0105】
【化49】

【0106】
の基である(式中、R27およびR28は上で定義されたとおりである)、式Iのジケトピロロピロールに関する。
【0107】
他の好ましい実施態様において、本発明は、A1が、式:
【0108】
【化50】

【0109】
の基であり、A2が、式:
【0110】
【化51】

【0111】
の基である(式中、R300、R9、R27およびR28は上で定義されたとおりである)、式Iのジケトピロロピロールに関する。
【0112】
前記実施態様において、R27およびR28は、好ましくは、互いに独立して、
【0113】
【化52】

【0114】
(式中、R29、R30およびR31は、互いに独立して、水素、C1〜C8アルキル基、またはC1〜C8アルコキシである)である。
【0115】
ELデバイス用のホスト/ゲスト組成物において、基−NR2728を含む式Iのジケトピロロピロールが通常ゲストとして使用され、基−NR2728を含まない式Iのジケトピロロピロールが通常ホストとして使用される。
【0116】
1およびR2は、好ましくは、互いに独立して、アリル、C1〜C8アルキル、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、2,2−ジメチルプロピル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、1,1,3,3−テトラメチルブチルおよび2−エチルヘキシル、トリ(C1〜C8アルキル)シリル、例えばトリメチルシリル、フェニルまたは1−もしくは2−ナフチル(これは、C1〜C8アルキルおよび/またはC1〜C8アルコキシで1〜3回置換されていることができる)、−CH2−A3、−CHCH3−A3または−CH2−CH2−A3(ここで、A3は、C1〜C8アルキルで1〜3回置換されていることができるフェニルを表す)である。
【0117】
以下のジケトピロロピロールが好ましい:
【0118】
【化53】













【0119】
〔式中、R1は、アリル、C1〜C8アルキル、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、2,2−ジメチルプロピル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、1,1,3,3−テトラメチルブチルおよび2−エチルヘキシル、トリ(C1〜C8アルキル)シリル、例えばトリメチルシリル、−CH2−A3、−CHCH3−A3または−CH2−CH2−A3(ここで、A3は、C1〜C8アルキルで1、2または3回置換されていることができるフェニルを表す)である〕。
【0120】
以下のジケトピロロピロールが特に好ましい:
【0121】
【表3】

















【0122】
本発明の式IのDPP化合物は、例えば、US4,579,949、EP−A−353,184、EP−A−133,156、EP−A−1,087,005、EP−A−1,087006、WO03/002672、WO03/022848、WO03/064558、WO04/090046、WO05/005571およびWO05/005430に記載のような、当技術分野で周知の方法に従って、または類似の方法で合成することができる。
【0123】
式Iの化合物は、例えば、第1の工程において、式:
【0124】
【化54】

【0125】
のDPP誘導体を塩基で処理し、次いで、第2の工程において、第1の工程で得られる反応混合物を通常のアルキル化剤もしくは2種の通常のアルキル化剤で処理することにより得られ、ここで、第1の工程において、塩基は、水素化物、例えば水素化ナトリウム、水素化リチウムまたは水素化カリウム、アルカリ金属アルコキシド、例えばナトリウムもしくはカリウムtert−ブトキシド、ナトリウムtert−アミレート、または炭酸塩、例えば炭酸ナトリウムもしくはカリウム、ならびに式(R1)1もしくは210および/または(R2)1もしくは210(ここで、X10は、ハロゲン、たとえば塩素、臭素またはヨウ素、好ましくは塩素、臭素またはヨウ素である)、特に好ましくはR110およびR210(ここで、X10は、臭素またはヨウ素である)のアルキル化剤ハロゲン化合物である(詳細は、EP−A−1,087,005参照のこと)。
【0126】
式:
【0127】
【化55】

【0128】
の化合物は、WO05/005430に記載の方法により製造することができ、その方法は、式(XI)の化合物をニトリルA2−CNと反応させることを含む
【0129】
【化56】

【0130】
〔式中、A1およびA2は、上記と同じ意味を有し、Rは、C1〜C18アルキル、特にC1〜C4アルキル、アリール、特にフェニル、またはアラルキル、特にベンジル(これは、C1〜C8アルキル基、C1〜C8アルコキシ、またはハロゲンで1〜3回置換されていることができる)である〕。
【0131】
更なる実施態様において、本発明は、式:
【0132】
【化57】

【0133】
(式中、R1およびR2は上で定義されたとおりであり、
4およびA5は、互いに独立して、A2の意味を有し、
6は、シクロアルキル、アリーレン、またはヘテロアリーレン(これらは、場合によりC1〜C8アルキルまたはC1〜C8アルコキシで1〜3回置換されている)である)
の化合物に関する。
【0134】
4およびA5は、異なっていることができ、あるいは同一であることができ、式IIの基であるか、またはA2の意味を有する。以下の基が、A4およびA5に最も好ましい:
【0135】
【化58】

【0136】
(式中、R25、R26、R122〜R125、R135〜R140、R149およびR150は、上で定義されたとおりである)。
【0137】
1およびR2は異なっていることができるが、好ましくは、同じ意味を有する。
【0138】
6の例は、
【0139】
【化59】



【0140】
〔式中、
n1、n2、n3、n4、n5、n6およびn7は、1〜10の整数、特に1〜3であり、
16およびA17は、互いに独立して、H、C1〜C18アルキル、E’で置換および/またはD’で中断されているC1〜C18アルキル、C6〜C24アリール、G’で置換されているC6〜C24アリール、C2〜C20ヘテロアリール、G’で置換されているC2〜C20ヘテロアリール、C2〜C18アルケニル、C2〜C18アルキニル、C1〜C18アルコキシ、E’で置換および/またはD’で中断されているC1〜C18アルコキシ、C7〜C25アラルキル、あるいは−CO−A28であり、
8は、C1〜C18アルキル、E’で置換および/またはD’で中断されているC1〜C18アルキル、C6〜C24アリール、またはC7〜C25アラルキルであり、
9よびA10は、互いに独立して、C1〜C18アルキル、E’で置換および/またはD’で中断されているC1〜C18アルキル、C6〜C24アリール、G’で置換されているC6〜C24アリール、C2〜C20ヘテロアリール、G’で置換されているC2〜C20ヘテロアリール、C2〜C18アルケニル、C2〜C18アルキニル、C1〜C18アルコキシ、E’で置換および/またはD’で中断されているC1〜C18アルコキシ、またはC7〜C25アラルキル、あるいは、A9よびA10は、環、特に5員または6員の環(これは、1以上のC1〜C18アルキルで場合により置換されていることができる)を形成し;
14およびA15は、互いに独立して、H、C1〜C18アルキル、E’で置換および/またはD’で中断されているC1〜C18アルキル、C6〜C24アリール、G’で置換されているC6〜C24アリール、C2〜C20ヘテロアリール、G’で置換されているC2〜C20ヘテロアリールであり、
D’は、−CO−;−COO−;−S−;−SO−;−SO2−;−O−;−NA25−;−SiA3031−;−POA32−;−CA23=CA24−;または−C≡C−であり;また、
E’は、−OA29;−SA29;−NA2526;−COA28;−COOA27;−CONA2526;−CN;−OCOOA27;またはハロゲン;G’はE’であるか、またはC1〜C18アルキルであり;ここで、A23、A24、A25およびA26は、互いに独立して、H;C6〜C18アリール;C1〜C18アルキルもしくはC1〜C18アルコキシで置換されているC6〜C18アリール;C1〜C18アルキル、もしくは−O−で中断されているC1〜C18アルキルであるか;またはA25およびA26は、一緒になって、5員または6員の環、特に
【0141】
【化60】

【0142】
を形成し、
27およびA28は、互いに独立して、H;C6〜C18アリール;C1〜C18アルキルもしくはC1〜C18アルコキシで置換されているC6〜C18アリール;C1〜C18アルキル、もしくは−O−で中断されているC1〜C18アルキルであり、
29は、H;C6〜C18アリール;C1〜C18アルキルもしくはC1〜C18アルコキシで置換されているC6〜C18アリール;C1〜C18アルキル、もしくは−O−で中断されているC1〜C18アルキルであり、
30およびA31は、互いに独立して、C1〜C18アルキル、C6〜C18アリール、またはC1〜C18アルキルで置換されているC6〜C18アリールであり、また、
32は、C1〜C18アルキル、C6〜C18アリール、またはC1〜C18アルキルで置換されているC6〜C18アリールである〕である。
【0143】
6は、好ましくは、式:
【0144】
【化61】

【0145】
(式中、
8は、C1〜C18アルキルであり、
9およびA10は、互いに独立して、C1〜C18アルキルであるか、またはA9およびA10は、環、特に5員または6員の環(これは、場合によりC1〜C8アルキルまたはC1〜C8アルコキシで置換されていることができる)を形成し、また、
16およびA17は、互いに独立して、H、C1〜C8アルキル、またはC1〜C8アルコキシである)
の基である。
【0146】
(フォト)ルミネセンスのスペクトル位置の理由で、以下の基が、A6に好ましい:
【0147】
【化62】

【0148】
(式中、A8、A16およびA17は、上で定義されたとおりである)。
【0149】
最も好ましくは、A6は、式:
【0150】
【化63】

【0151】
(式中、A8は、C1〜C8アルキルであり、A16は、水素またはC1〜C8アルキルである)
の基である。
【0152】
式IIIの化合物の例は:
【0153】
【化64】

【0154】
〔式中、A6は、式:
【0155】
【化65】

【0156】
(式中、A8は、C1〜C8アルキルであり、A16は、水素またはC1〜C8アルキルである)である〕、
【0157】
【化66】

【0158】
(式中、A16、R1、R2、A4およびA5は、上で定義されたとおりであり、nは、1,2、または3の整数である)
である。
【0159】
式IIIの好ましい化合物の例は以下のものである:
【0160】
【表4】

【0161】
式IIIの化合物は、例えば、以下の反応順序を経て製造することができる:
【0162】
【化67】

【0163】
(式中、R、R1、A4およびA6は、上で定義されたとおりであり、X10は、ハロゲン、例えば塩素、臭素、またはヨウ素、好ましくは臭素またはヨウ素である)。
【0164】
式IIIに対応する化合物を製造するために、ハロゲン化物、例えば臭化物または塩化物、特に式:
【0165】
【化68】

【0166】
に対応する臭化物を、式:
【0167】
【化69】

【0168】
〔式中、X11は、存在ごとに独立して、−B(OH)2、−B(OY12または
【0169】
【化70】

【0170】
{式中、Y1は、出現ごとに独立して、C1〜C10アルキル基であり、Y2は、出現ごとに独立して、C2〜C10アルキレン基、例えば−CY34−CY56−または−CY78−CY910−CY1112−(ここで、Y34、Y56、Y78、Y910、Y11およびY12は、互いに独立して、水素またはC1〜C10アルキル基、特に−C(CH32C(CH32−または−C(CH32CH2C(CH32−である)である}である〕
に対応する等モル量のジボロン酸またはジボロン酸エステルと、Pdとトリフェニルホスフィンの触媒的作用下に反応させてAr2とAr3が一緒に基A6を形成するようにする。反応は、典型的には、約70℃〜180℃で、トルエンのような芳香族炭化水素溶媒中で行われる。ジメチルホルムアミドおよびテトラヒドロフランのような他の溶媒も、単独でまたは芳香族炭化水素との混合物として使用することができる。塩基水溶液、好ましくは炭酸ナトリウムまたは重炭酸ナトリウムが、HBr捕捉剤として使用される。反応体の反応性に応じて、反応は2〜100時間かかる場合がある。有機塩基、例えば水酸化テトラアルキルアンモニウムおよび相関移動触媒、例えばTBABが、ボロンの活性を増強することができる(例えば、Leadbeater & Marco; Angew. Chem. Int. Ed. Eng. 42 (2003) 1407およびその中に記載の参考文献参照)。反応条件の他の変動は、T. I. Wallow and B. M. Novak in J. Org. Chem. 59 (1994) 5034-5037; and M. Remmers, M. Schulze, and G. Wegner in Macromol. Rapid Commun. 17 (1996) 239-252に記載されている。スズキカップリングを用いることにより、A4およびA5が異なる意味を有する式IIIの化合物および
6が式―Ar2−(Ar3n11−Ar2'−であり、
n11が1〜10の整数、特に1、2または3であり、
Ar2、Ar2'およびAr3が、互いに独立して、式:
【0171】
【化71】

【0172】
(式中、A8、A9、A16およびA17は、上で定義されたとおりである)
の基である、化合物を製造することができる。
【0173】
さらなる実施態様において、本発明は、ゲスト発色団とホスト発色団を含む組成物であって、ゲスト発色団の吸収スペクトルがホスト発色団の蛍光発光スペクトルと重なり合い、ホスト発色団が、500〜720nm、好ましくは520nm〜630nm、最も好ましくは540〜600nmにフォトルミネセンス発光ピークを有するジケトピロロピロールであり、ホスト発色団および/またはゲスト発色団が、式Iのジケトピロロピロールである組成物に関する。
【0174】
したがって、組成物は、式IもしくはIIIのジケトピロロピロールホスト発色団または式IもしくはIIIのジケトピロロピロールゲスト発色団;または式IもしくはIIIのジケトピロロピロールホスト発色団および式IもしくはIIIのジケトピロロピロールゲスト発色団を含む。
【0175】
式IもしくはIIIのジケトピロロピロールゲスト発色団の代わりに、例えば、EP−A−1087006、WO03/002672、WO03/064558、またはWO04/090046に記載のジケトピロロピロールゲスト発色団を使用することができる。
【0176】
式IもしくはIIIのジケトピロロピロールゲスト発色団の代わりに使用することができる、好ましいジケトピロロピロールゲスト発色団は、WO03/064558に記載のものである:
【0177】
【化72】

【0178】
〔式中、A4およびA5は、互いに独立して、
【0179】
【化73】

【0180】
{式中、R200およびR201は、互いに独立して、C1〜C25アルキル基、好ましくはC1〜C8アルキル基、C5〜C12シクロアルキル基またはC5〜C12シクロアルキル基(これは、C1〜Cアルキル、ハロゲンおよびシアノで1〜3回置換されていることができるフェニルで1または2回縮合されていることができる)、特に、シクロヘキシル(これは、C1〜C8アルキルおよび/またはC1〜C8アルコキシで1〜3回置換されていることができる)、特に、2,6−ジイソプロピルシクロヘキシルまたは
【0181】
【化74】

【0182】
シリル、特にトリメチルシリル、A6'もしくは−CR211212−(CH2m−A6'{ここで、R211およびR212は、互いに独立して、水素もしくはC1〜C4アルキル、またはフェニル(これは、C1〜C3アルキルで1〜3回置換されていることができる)であり、A6'は、フェニルまたは1−もしくは2−ナフチル(これは、C1〜C8アルキル、C1〜C8アルコキシ、ハロゲン、シアノ、フェニル(これは、C1〜C8アルキルおよび/またはC1〜C8アルコキシで1〜3回置換されていることができる)、または−NR213214(ここで、R213およびR214は、C1〜C25アルキル、C5〜C12シクロアルキルまたはC6〜C24アリールを表す)、特にフェニルまたは1−もしくは2−ナフチル(これは、C1〜C8アルキル、C1〜C8アルコキシ、ハロゲンまたはシアノで1〜3回置換されていることができる)またはフェニル(これは、C1〜C8アルキルまたはC1〜C8アルコキシで1〜3回置換されていることができる)、特に3,5−ジメチルフェニル、3,5−ジ−tert−ブチルフェニル、3−メチルフェニルおよび2,6−ジイソプロピルフェニルを表し、mは、0、1、2、3または4、特に0または1を表す}を表し;
205、R206およびR207は、互いに独立して、水素、C1〜C25アルキル、C1〜C25アルコキシ、−OCR211212−(CH2m−A6'、シアノ、ハロゲン、−OR210、−S(O)p213、またはフェニル(これは、C1〜C8アルキルまたはC1〜C8アルコキシで1〜3回置換されていることができる)を表し、ここで、R210は、C6〜C24アリールまたは5〜7個の環原子を含む飽和もしくは不飽和ヘテロ環基(ここで、環は炭素原子および窒素、酸素および硫黄よりなる群から選択される1〜3個のヘテロ原子よりなる)を表し、R213は、C1〜C25アルキル、C5〜C12シクロアルキル、−CR211212−(CH2m−Phを表し、R215はC6〜C24アリールを表し、pは0、1、2または3を表し、nは0、1、2、3または4を表し、
208およびR209は、互いに独立して、水素、C1〜C25アルキル、C5〜C12シクロアルキル、−CR211212−(CH2m−A6'、C6〜C24アリール、例えばフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、4−ビフェニル、フェナントリル、ターフェニル、ピレニル、2−もしくは9−フルオレニルまたはアントラセニル、好ましくはC6〜C12アリール、例えばフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、4−ビフェニル(非置換または置換されていてもよい)、または5〜7個の環原子を含む飽和もしくは不飽和ヘテロ環基(ここで、環は炭素原子および窒素、酸素および硫黄よりなる群から選択される1〜3個のヘテロ原子よりなる)を表し、R216およびR217は、互いに独立して、水素またはC6〜C24アリール、特にフェニルを表す}を表す〕。
【0183】
特に、以下の式の基:
【0184】
【化75】

【0185】
〔式中、R208およびR209は、互いに独立して、式:
【0186】
【化76】

【0187】
(式中、R221、R222およびR223は、互いに独立して、水素、C1〜C8アルキル、ヒドロキシル基、メルカプト基、C1〜C8アルコキシ、C1〜C8アルキルチオ、ハロゲン、ハロ−C1〜C8アルキル、シアノ基、アルデヒド基、ケトン基、カルボキシル基、エステル基、カルバモイル基、アミノ基、ニトロ基、シリル基、またはシロキサニル基であり、好ましくは、R221、R222およびR223は、互いに独立して、水素、C1〜C8アルキル、C1〜C8アルコキシ、またはC1〜C8アルキルチオである)
の基である。
【0188】
好ましくは、R201およびR202は、互いに独立して、C1〜C8アルキル、
【0189】
【化77】

【0190】
または−CR211212−A6'(ここで、R211は水素であり、R212は水素、特にメチルまたはフェニルであり、A6'は、
【0191】
【化78】

【0192】
であり、ここで、R205、R206およびR207は、互いに独立して、水素、C1〜C4アルキル、またはハロゲン、とくにBrである)。
【0193】
特に好ましい式IIのDPP化合物は、以下の化合物である:
【0194】
【表5】



【0195】
特に好ましい本発明の組成物を以下に示す:
【0196】
【表6】







【0197】
さらに、WO04/090046に記載の式(III):
【0198】
【化79】

【0199】
〔式中、R301およびR302は、互いに独立して、C1〜C8アルキル、C5〜C12シクロアルキル(これは、C1〜C8アルキルおよび/またはC1〜C8アルコキシで1〜3回置換されていることができる)、フェニルまたは1−もしくは2−ナフチル(これは、C1〜C8アルキルおよび/またはC1〜C8アルコキシで1〜3回置換されていることができる)、A6''、または−CR331332−(CH2m−A6''{ここで、R331およびR332は、水素を表し、A6''は、フェニルまたは1−もしくは2−ナフチル(これは、C1〜C8アルキルおよび/またはC1〜C8アルコキシで1〜3回置換されていることができる)、mは0または1を表す}を表し、
301およびA302は、互いに独立して、
【0200】
【化80】

【0201】
{式中、R315は、基−NR308309(ここで、R308およびR309は、互いに独立して、C1〜C8アルキル、A301、例えば
【0202】
【化81】

【0203】
を表すか、またはR308およびR309は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、5員もしくは6員のヘテロ環を形成し、これは、1以上の場合により置換されているフェニル基と縮合していることができ、例えば
【0204】
【化82】

【0205】
(式中、R315'、R316およびR317は、互いに独立して、水素、C1〜C8アルキル、またはC1〜C8アルコキシを表し、R305''およびR306''は、互いに独立して、水素、C1〜C8アルキル、またはC1〜C8アルコキシを表す)であり、また
1は、水素またはC1〜C8アルキルを表す}から選択される〕
の化合物がゲスト化合物として好ましい。
【0206】
式IIおよびIIIで表されるDPP化合物の特に好ましいゲスト発色団は、以下の化合物である:
【0207】
【表7】







【0208】
上記のDPPゲスト化合物の代わりに、WO03/048268に記載のDPPゲスト化合物、例えば
【0209】
【化83】

【0210】
を使用することができる。
【0211】
式Iのジケトピロロピロールホスト発色団の代わりに、例えばEP−A−1087006、WO03/002672、WO03/064558、またはWO04/090046に記載のジケトピロロピロールホスト発色団を使用することができる。
【0212】
さらに、式IまたはIIIの化合物は、ホストまたはゲスト化合物として、他の公知の蛍光化合物と共に使用することができ、例えば、ルブレンおよびペリレンのような芳香族炭化水素の縮合誘導体;ピリジノチアジアゾール、ピラゾロピリジンおよびナフタルイミド誘導体のような縮合ヘテロ環基;Euのような希土類錯体、IrまたはPt錯体;亜鉛ポルフィリン、ローダミン、デアザフラバイン(deazaflvain)誘導体、クマリン誘導体、フェノキサゾン、キナクリドン、ジシアノエテニルアレーン、Alq3およびこれらの誘導体である。
【0213】
特に好ましい本発明のホスト/ゲスト組成物は、式IまたはIIIの本発明のDPPホスト化合物の他に、例えばPCT/EP2005/052841に記載のキナクリドンゲスト化合物を含むことができる:
【0214】
【表8】



【0215】
語句「少なくとも2個の隣接する置換基が、芳香族もしくは脂肪族縮合環系を形成する」は、2個の隣接する置換基が、フェニルもしくはナフチル環のような芳香族環、シクロヘキシル環のような脂肪族環、ピリジンもしくはピロール環のようなヘテロ環基を形成できることを意味し、そのような環の2個以上が、それらが結合している基と共に縮合環系を形成することができる。
【0216】
用語「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素を意味する。
【0217】
1〜C25アルキルは、典型的には直鎖状または分岐鎖状であり、可能であればメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル,2−ペンチル、3−ペンチル、2,2−ジメチルプロピル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、1,1,3,3−テトラメチルブチルおよび2−エチルヘキシル、n−ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、エイコシル、ヘンエイコシル、ドコシル、テトラコシルまたはペンタコシルであり、好ましくはC1〜C8アルキル、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、2,2−ジメチルプロピル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、1,1,3,3−テトラメチルブチルおよび2−エチルヘキシルであり、より好ましくは、C1〜C4アルキル、例えば典型的には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチルである。
【0218】
用語「ハロアルキル、ハロアルケニルおよびハロアルキニル」は、上記のアルキル基、アルケニル基およびアルキニル基がハロゲンにより部分的にまたは完全に置換されている基、例えばトリフルオロメチル等を意味する。用語「アルデヒド基、ケトン基、エステル基、カルバモイル基およびアミノ基」には、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基またはヘテロ環基により置換されているものが含まれ、ここで、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基およびヘテロ環基は、非置換または置換されていてもよい。用語「シリル基」は、式:−SiR626364(式中、R62、R63およびR64は、互いに独立して、C1〜C8アルキル基、特にC1〜C4アルキル基、C6〜C24アリール基、またはC7〜C12アラルキル基である)の基、例えばトリメチルシリル基を意味する。用語「シロキサニル」基は、式:−O−SiR626364(式中、R62、R63およびR64は、上で定義されたとおりである)の基、例えばトリメチルシロキサニル基を意味する。
【0219】
1〜C8アルコキシの例は、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ、n−ペントキシ、2−ペントキシ、3−ペントキシ、2,2−ジメチルプロポキシ、n−ヘキソキシ、n−ヘプトキシ、n−オクトキシ、1,1,3,3−テトラメチルブトキシおよび2−エチルヘキソキシであり、好ましくは、C1〜C4アルコキシ、例えば典型的には、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシである。用語「アルキルチオ基」は、エーテル結合の酸素原子が硫黄原子で置換されていることを除いて、アルコキシ基と同様の基を意味する。
【0220】
用語「アリール基」は、典型的には、C6〜C24アリール、例えばフェニル、インデニル、アズレニル、ナフチル、ビフェニル、as−インダセニル、s−インダセニル、アセナフチレニル、フルオレニル、フェナントリル、フルオアンテニル、トリフェニレニル、クリセニル、ナフタセン、ピセニル、ペリレニル、ペンタフェニル、ヘキサセニル、ピレニル、またはアントラセニル、好ましくはフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、4−ビフェニル、9−フェナントリル、2−もしくは9−フルオレニル、3−もしくは4−ビフェニルであり、非置換であるか、または置換されていてもよい。C6〜C12アリールの例は、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、3−もしくは4−ビフェニル、2−もしくは9−フルオレニルまたは9−フェナントリルであり、非置換であるか、または置換されていてもよい。
【0221】
用語「アラルキル基」は、典型的には、C7〜C24アラルキル、例えばベンジル、2−ベンジル−2−プロピル、β−フェニル−エチル、α,α−ジメチルベンジル、ω−フェニル−ブチル、ω,ω−ジメチル−ω−フェニル−ブチル、ω−フェニル−ドデシル、ω−フェニル−オクタデシル、ω−フェニル−エイコシルまたはω−フェニル−ドコシル、好ましくはC7〜C18アラルキル、例えばベンジル、2−ベンジル−2−プロピル、β−フェニル−エチル、α,α−ジメチルベンジル、ω−フェニル−ブチル、ω,ω−ジメチル−ω−フェニル−ブチル、ω−フェニル−ドデシルまたはω−フェニル−オクタデシル、特に好ましくはC7〜C12アラルキル、例えばベンジル、2−ベンジル−2−プロピル、β−フェニル−エチル、α,α−ジメチルベンジル、ω−フェニル−ブチルまたはω,ω−ジメチル−ω−フェニル−ブチルであり、ここで脂肪族炭化水素基と芳香族炭化水素基の両方が非置換であるか、または置換されていてもよい。
【0222】
用語「アリールエーテル基」は、典型的には、C6-24アリールオキシ基であり、すなわち、例えばフェノキシまたは4−メトキシフェニルのようなO−C6-24アリールである。用語「アリールチオエーテル基」は、典型的には、C6-24アリールチオ基であり、すなわち、例えばフェニルチオまたは4−メトキシフェニルチオようなS−C6-24アリールである。用語「カルバモイル基」は、典型的には、C1-18カルバモイル基、好ましくはC1-8カルバモイル基であり、これは非置換であるか、または置換されていてもよく、例えば、カルバモイル、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル、n−ブチルカルバモイル、tert−ブチルカルバモイル、ジメチルカルバモイルオキシ、モルホリノカルバモイルまたはピロリジノカルバモイルである。
【0223】
用語「シクロアルキル基」は、典型的には、C5〜C12シクロアルキル、例えばシクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、シクロウンデシル、シクロドデシル、好ましくはシクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルまたはシクロオクチルであり、非置換であるか、または置換されていてもよい。用語「シクロアルケニル基」は、1個以上の二重結合を含有する不飽和脂環式炭化水素基、例えば、シクロペンテニル、シクロペンタジエニル、シクロヘキセニル等を意味し、非置換であるか、または置換されていてもよい。シクロアルキル基、特にシクロヘキシル基は、C1〜C4アルキル、ハロゲンおよびシアノで1〜3回置換されていることができるフェニルにより1または2回縮合されていることができる。そのような縮合シクロヘキシル基の例は、
【0224】
【化84】

【0225】
(式中、R51、R52、R53、R54、R55およびR56は、互いに独立して、C1〜C8アルキル、C1〜C8アルコキシ、ハロゲンおよびシアノであり、特に水素である)
である。
【0226】
語句「窒素、酸素および硫黄の群より選択される1〜3個のヘテロ原子を含有する5員ヘテロ環基を含む基」は、単独の5員ヘテロ環基、例えばチエニル、フリル、フルフリル、2H−ピラニル、ピロリル、イミダゾリルまたはピラゾリルを意味するか、または縮合環系の一部である5員ヘテロ環基を意味し、これは5員ヘテロ環基とアリール、ヘテロアリールおよび/またはシクロアルキル基で形成されており、これは場合により置換されていることができる。そのような基の例は、基A1およびA2のリストならびにヘテロアリールまたはヘテロ環基の定義に含まれている。
【0227】
語句「窒素、酸素および硫黄の群より選択される1〜3個のヘテロ原子を含有する6員ヘテロ環基を含む基」は、単独の6員ヘテロ環基、例えばピリジル、トリアジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニルを意味するか、または縮合環系の一部である6員ヘテロ環基を意味し、これは6員ヘテロ環基とアリール、ヘテロアリールおよび/またはシクロアルキル基で形成されており、これは場合により置換されていることができる。そのような基の例は、基A1およびA2のリストならびにヘテロアリールまたはヘテロ環基の定義に含まれている。
【0228】
用語「ヘテロアリールまたはヘテロ環基」は、窒素、酸素または硫黄が考えられるヘテロ原子である、5〜7個の環原子を持つ環であり、典型的には、少なくとも6個の共役π電子を有する5〜18個の原子を持つ不飽和ヘテロ環基であり、例えば、チエニル、ベンゾ〔b〕チエニル、ジベンゾ〔b,d〕チエニル、チアントレニル、フリル、フルフリル、2H−ピラニル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ジベンゾフラニル、フェノキシチエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ビピリジル、トリアジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、インドリジニル、イソインドリル、インドリル、インダゾリル、プリニル、キノリジニル、キノリル、イソキノリル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、プテリジニル、カルバゾリル、カルボリニル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾオキサゾリル、フェナントリジニル、アクリジニル、ペリミジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、イソチアゾリル、フェノチアジニル、イソキサゾリル、フラザニルまたはフェノキサジニルであり、好ましくは上記の単環式もしくは二環式ヘテロ環基である。
【0229】
アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルアリールアミノ基、アリールアミノ基およびジアリール基における用語「アリール」および「アルキル」は、典型的には、それぞれC1〜C25アルキルおよびC6〜C24アリールである。
【0230】
上記の基は、C1〜C8アルキル、ヒドロキシル基、メルカプト基、C1〜C8アルコキシ、C1〜C8アルキルチオ、ハロゲン、ハロ−C1〜C8アルキル、シアノ基、アルデヒド基、ケトン基、カルボキシル基、エステル基、カルバモイル基、アミノ基、ニトロ基、シリル基またはシロキサニル基で置換されていることができる。
【0231】
本発明はさらに、陽極と陰極の間に本発明の式IまたはIIIの蛍光性ジケトピロロピロールまたは組成物を有し、電気エネルギーの作用により発光するエレクトロルミネセントデバイスに関する。
【0232】
最新の有機エレクトロルミネセントデバイスの典型的な構成は下記の通りである:
(i)陽極/正孔輸送層/電子輸送層/陰極(ここで、本発明の化合物または組成物は、発光および正孔輸送層の形成に利用される正孔輸送化合物もしくは組成物として、または発光および電子輸送層の形成に利用されることができる電子輸送化合物もしくは組成物として使用される)、
(ii)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極(ここで、化合物または組成物は、この構成で正孔輸送特性または電子輸送特性を示すかどうかに関らず、発光層を形成する)、
(iii)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極、
(iv)陽極/正孔輸送層/発光層/正孔抑制層/電子輸送層/陰極、
(v)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/正孔抑制層/電子輸送層/陰極、
(vi)陽極/発光層/電子輸送層/陰極、
(vii)陽極/発光層/正孔抑制層/電子輸送層/陰極、
(viii)発光層しか含有しない単層、または発光材料と正孔輸送層、正孔ブロッキング層および/もしくは電子輸送層のいずれかの材料との組合せ、ならびに
(ix)(ii)〜(vii)に記載された多層構造(ここで、発光層は(viii)で定義された単層である)。
【0233】
本発明の化合物および組成物は、原則的にあらゆる有機層、例えば、正孔輸送層、発光層、または電子輸送層に使用することができるが、好ましくは発光層で発光材料として使用される。
【0234】
ホスト発色団とゲスト発色団との重量比は、一般に、50:50〜99.99:0.01、好ましくは90:10〜99.99:0.01、最も好ましくは98:2〜99.9:0.1である。
【0235】
フィルムタイプのエレクトロルミネセントデバイスは、通常、実質的に1対の電極と、その間の少なくとも1個の電荷輸送層から構成される。通常2個の電荷輸送層、1個の正孔輸送層(陽極の次)および1個の電子輸送層(陰極の次)が存在する。それらのうちのいずれか1つは、正孔輸送材料または電子輸送材料としての特性に応じて、発光材料として無機または有機蛍光物質を含有する。また、発光材料が、追加の層として正孔輸送層と電子輸送層の間に使用されることも通例である。上記デバイスの構造において、正孔注入層を陽極と正孔輸送層の間に構築して、および/または正孔抑制層を発光層と電子輸送層の間に構築して、発光層における正孔および電子分布を最大化することができ、電荷再結合および強力な発光における大きな効率性が達成される。
【0236】
デバイスはいくつかの方法で調製することができる。通常、真空蒸着が調製に使用される。好ましくは、有機層は、室温に保持されている市販のインジウム−スズ−酸化物(「ITO」)ガラス基材上に上記順序で積層され、これは、上記構成で陽極として作用する。膜厚は、好ましくは1〜10,000nm、より好ましくは1〜5,000nm、より好ましくは1〜1,000nm、より好ましくは1〜500nmの範囲である。厚さが50〜200nmの範囲のMg/Ag合金、2成分系のLi−AlまたはLiF−Al系のような陰極金属が有機層の最上部に積層される。蒸着する間の真空は、好ましくは0.1333Pa(1×10-3Torr)未満、より好ましくは1.333×10-3Pa(1×10-5Torr)未満、より好ましくは1.333×10-4Pa(1×10-6Torr)未満である。
【0237】
陽極として、金、銀、銅、アルミニウム、インジウム、鉄、亜鉛、スズ、クロム、チタン、バナジウム、コバルト、ニッケル、鉛、マンガン、タングステン等の金属のような高い仕事関数を有する通常の陽極材料、マグネシウム/銅、マグネシウム/銀、マグネシウム/アルミニウム、アルミニウム/インジウム等のような金属合金、Si、Ge、GaAs等のような半導体、インジウム−スズ−酸化物(「ITO」)、ZnO等のような金属酸化物、Cul等のような金属化合物、さらに、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリパラフェニレン等のような導電性ポリマー、好ましくはITO、最も好ましくは基材としてのガラス上のITOを使用することができる。
これらの電極材料のうち、金属、金属合金、金属酸化物および金属化合物は、例えば、スパッタリング法により電極に変えることができる。電極の材料として金属または金属合金を使用する場合、電極は真空蒸着法によっても形成することができる。電極を形成する材料として金属または金属合金を使用する場合、電極は、さらに化学めっき法により形成することができる(例えば、Handbook of Electrochemistry, pp 383-387, Mazuren, 1985を参照のこと)。導電性ポリマーを使用する場合、電極は、導電コーティングにより予め準備された基材上に、陽極酸化重合法でフィルムを形成することにより製造することができる。基材上に形成される電極の厚さは特定の値に限定されないが、基材が発光面として使用される場合、電極の厚さは、透明性を確保するために、好ましくは1nm〜300nmの範囲内、より好ましくは5〜200nmの範囲内である。
【0238】
好ましい実施態様において、ITOは、10nm(100Å)〜1μ(10000Å)、好ましくは20nm(200Å)〜500nm(5000Å)の範囲のITO膜厚を有して、基材上に使用される。一般に、ITO膜のシート抵抗は、100Ω/cm2以下、より好ましくは50Ω/cm2以下の範囲で選択される。
【0239】
そのような陽極は、Geomatech Co.Ltd.、Sanyo Vacuum Co. Ltd、Nippon Sheet Glass Co. Ltd.のような日本の製造者から市販されている。
【0240】
基材として、導電性材料または電気的に絶縁性の材料を使用することができる。導電性基材を使用する場合、発光層または正孔輸送層がその上に直接形成され、電気的に絶縁性の材料を使用する場合、まず初めに電極がその上に形成され、次に発光層または正孔輸送層が重ね合わされる。
【0241】
基材は、透明、半透明または不透明のいずれかであることができる。しかし、平面を示す基材を使用する場合、基材は透明または半透明でなければならない。
【0242】
透明な電気的に絶縁性の基材は、例えば、ガラス、石英等のような無機化合物、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル等のような有機ポリマー化合物である。これらの基材のそれぞれは、上記の方法のうちの1つに従って基材に電極を備えることにより、透明な導電性基板に変えることができる。
【0243】
半透明な電気的に絶縁性の基板の例は、アルミナ、YSZ(イットリウム安定化ジルコニア)等のような無機化合物、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、エポキシ樹脂等のような有機ポリマー化合物である。これらの基材のそれぞれは、上記の方法のうちの1つに従って基材に電極を備えることにより、半透明な導電性基材に変えることができる。
【0244】
不透明な導電性基材の例は、アルミニウム、インジウム、鉄、ニッケル、亜鉛、スズ、クロム、チタン、銅、銀、金、白金等のような金属、種々の電気めっきされた金属、青銅、ステンレススチール等の金属合金、Si、Ge、GaAs等のような半導体、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン等のような導電性ポリマーである。
【0245】
基材は、上記の基材材料のうちの1つを所望の寸法に形成して得ることができる。基材は平滑面を有することが好ましい。粗面を有する場合でも、20μm以上の曲率を有する円形むらを有するならば、実際の使用において何も問題を起こさない。基材の厚さとしては、十分な機械的強度が確保されていれば、限定されない。
【0246】
陰極として、アルカリ金属、アルカリ土類金属、第13族元素、銀および銅のような低仕事関数を有する通常の陰極材料、ならびに合金および合金の混合物、例えばナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、フッ化リチウム(LiF)、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−銅合金、マグネシウム−アルミニウム合金、マグネシウム−インジウム合金、アルミニウム、アルミニウム−酸化アルミニウム合金、アルミニウム−リチウム合金、インジウム、カルシウム、導電性ポリマー、例えば、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリアセチレン等のようなEP−A499,011で例示されている材料、好ましくはMg/Ag合金、LiF−AlまたはLi−Al組成物が使用できる。
【0247】
好ましい実施態様において、マグネシウム−銀合金もしくはマグネシウムと銀の混合物、またはリチウム−アルミニウム合金、フッ化リチウム−アルミニウム合金もしくはリチウムとアルミニウムの混合物は、10nm(100Å)〜1μm(10000Å)、好ましくは20nm(200Å)〜500nm(5000Å)の範囲の膜厚で使用することができる。
【0248】
そのような陰極を、上記記載の既知の真空蒸着技術により前記電子輸送層に蒸着することができる。
本発明の好ましい実施態様において、発光層は、正孔輸送層と電子輸送層の間で使用することができる。通常、発光層は、正孔輸送層上に薄膜を形成することにより調製される。
【0249】
前記薄膜を形成する方法としては、例えば、真空蒸着法、スピンコート法、流延法、ラングミュア−ブロジェット(「LB」)法等がある。これらの方法のなかで、真空蒸着法、スピンコート法および流延法が、操作の容易さおよび費用の観点から特に好ましい。
【0250】
真空蒸着法により組成物を使用して薄膜を形成する場合、真空蒸着法を実施する条件は、通常、化合物の特性、形状および結晶状態に大きく左右される。しかし、最適な条件は通常次の通りである:加熱ボートの温度:100〜400℃;基材温度:−100〜350℃;圧力:1.33×104Pa(1×102Torr)〜1.33×10-4Pa(1×10-6Torr)および蒸着速度:1pm〜6nm/秒。
【0251】
有機EL素子において、発光層の厚さは、その発光性を決定する因子の一つである。例えば、発光層が十分に厚くない場合、前記発光層を間に挟んでいる2個の電極の間で極めて容易にショートが起こり、したがってEL発光が得られない。一方、発光層が過剰に厚い場合、高い電気抵抗のために大きな電位降下が発光層の中で起こり、EL発光のしきい電圧が増大する。したがって、有機発光層の厚さは、5nm〜5μmの範囲、好ましくは10nm〜500nmの範囲に限定される。
【0252】
スピンコート法および流延法、インクジェットプリント法を使用して発光層を形成する場合、コーティングは、ベンゼン、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジクロロメタン、ジメチルスルホキシド等のような適切な有機溶媒中、組成物を0.0001〜90重量%の濃度で溶解して調製される溶液を使用して、実施することができる。濃度が90重量%を超える場合、溶液は、粘稠になって、平滑で均一な膜を形成することができなくなる。一方、濃度が0.0001重量%未満の場合、膜を形成する効率が低くなりすぎて経済的ではない。したがって、組成物の好ましい濃度は、0.01〜80重量%の範囲内である。
【0253】
上記のスピンコート法または流延法を使用する場合、発光層を形成する溶液にポリマー結合剤を加えることにより、得られる層の均一性および機械的強度をさらに向上させることが可能である。原則的に、組成物が溶解される溶液に可溶であれば、あらゆるポリマー結合剤を使用してもよい。そのようなポリマー結合剤の例は、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリメタクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、エポキシ樹脂等である。しかし、ポリマー結合剤および組成物から構成される固形分が99重量%を超える場合、溶液の流動性は、通常非常に低く、均質性に優れた発光層を形成することが不可能になる。一方、組成物の含有量がポリマー結合剤よりも実質的に少ない場合、前記層の電気抵抗が極めて大きく、高電圧が付加されない限り発光しない。したがって、ポリマー結合剤と組成物の好ましい比率は、重量で10:1〜1:50の範囲内で選択され、溶液中の両方の成分から構成される固形分は、好ましくは0.01〜80重量%の範囲内、より好ましくは0.1〜60重量%の範囲内である。
【0254】
正孔輸送層として、ポリビニルカルバゾールのような既知の有機正孔輸送化合物:
【0255】
【化85】

【0256】
J. Amer. Chem. Soc. 90 (1968) 3925に開示されているTPD化合物:
【0257】
【化86】

【0258】
(式中、Q1およびQ2は、それぞれ水素原子またはメチル基を表す);
J. Appl. Phys. 65(9) (1989) 3610に開示されている化合物:
【0259】
【化87】

【0260】
スチルベンに基づく化合物:
【0261】
【化88】

【0262】
(式中、TおよびT1は、有機基を表す);
ヒドラゾンに基づく化合物:
【0263】
【化89】

【0264】
(式中、Rx、RyおよびRzは有機基を表す)
等を使用することができる。
【0265】
正孔輸送材料として使用される化合物は、上記で示された化合物に限定されない。正孔を輸送する性質を有するあらゆる化合物が、正孔輸送材料として使用されることができ、例えば、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチルベニルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、アニリン誘導体のコポリマー、PEDOT(ポリ(3,4−エチレンジオキシ−チオフェン))およびその誘導体、導電性オリゴマー、特にチオフェンオリゴマー、ポルフィリン化合物、芳香族第三級アミン化合物、スチルベニルアミン化合物等である。
特に、芳香族第三級アミン化合物、例えば、N,N,N’,N’−テトラフェニル−4,4’−ジアミノビフェニル、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−4,4’−ジアミノビフェニル(TPD)、2,2’−ビス(ジ−p−トリルアミノフェニル)プロパン、1,1’−ビス(4−ジ−トリルアミノフェニル)−4−フェニルシクロヘキサン、ビス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)フェニルメタン、ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)フェニルメタン、N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(4−メトキシフェニル)−4,4’−ジアミノビフェニル、N,N,N’,N’−テトラフェニル−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ビス(ジフェニルアミノ)クアテルフェニル、N,N,N−トリ(p−トリル)アミン、4−(ジ−p−トリルアミノ)−4’−〔4−(ジ−p−トリルアミノ)スチリル〕スチルベン、4−N,N−ジフェニルアミノ−(2−ジフェニルビニル)ベンゼン、3−メトキシ−4’−N,N−ジフェニルアミノスチルベン、N−フェニルカルバゾール等が使用される。
【0266】
さらに、US−B−5,061,569で開示されている4,4’−ビス〔N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ〕ビフェニルおよびEP−A508,562で開示されている4,4’,4''−トリス〔N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ〕トリフェニルアミンのような3個のトリフェニルアミン単位が窒素原子と結合している化合物を使用することができる。
正孔輸送層は、陽極に少なくとも1個の正孔輸送材料を含有する有機膜を調製することにより形成できる。正孔輸送層は、真空蒸着法、スピンコート法、流延法、インクジェットプリント法、LB法等により形成することができる。これらの方法のうち、真空蒸着法、スピンコート法および流延法が、容易さおよび費用の観点から特に好ましい。
【0267】
真空蒸着法を使用する場合、蒸着条件は、発光層の形成で記載された方法(上記参照)と同様の方法を選択してよい。1個より多い正孔輸送材料を含む正孔輸送層を形成することが好ましい場合、所望の化合物を使用する同時蒸着法が使用できる。
正孔輸送層をスピンコート法または流延法で形成する場合、層は、発光層の形成で記載された条件(上記参照)で形成することができる。
【0268】
発光層を形成する場合、より平滑で均一の正孔輸送層は、結合剤および少なくとも1つの正孔輸送材料を含有する溶液を使用して形成することができる。そのような溶液を使用するコーティングは、発光層で記載された方法と同様の方法により実行することができる。少なくとも1個の正孔輸送材料が溶解している溶媒に可溶であれば、あらゆるポリマー結合剤を使用してもよい。適切なポリマー結合剤の例および適切で好ましい濃度の例は、発光層の形成についての記載で上に示されている。
【0269】
正孔輸送層の厚さは、好ましくは、0.5〜1000nm、好ましくは1〜100nm、より好ましくは2〜50nmの範囲から選択される。
【0270】
正孔注入材料としては、例えばJP64−7635に記載されている、メタルフリーフタロシアニン(H2Pc)、銅フタロシアニン(Cu−Pc)およびこれらの誘導体のような既知の有機正孔輸送化合物を使用することができる。さらに、正孔輸送層よりも低いイオン化ポテンシャルを有する、上記で正孔輸送材料として定義された幾つかの芳香族アミンを使用することができる。
正孔注入層は、少なくとも1つの正孔注入材料を陽極層と正孔輸送層の間に含有する有機膜を調製することにより形成できる。正孔注入層は、真空蒸着法、スピンコート法、流延法、LB法等により形成することができる。層の厚さは、好ましくは5nm〜5μm、より好ましくは10nm〜100nmである。
【0271】
電子輸送材料は、高い電子注入効率(陰極から)および高い電子移動度を有するべきである。下記の材料は、電子輸送材料を例示することができる:トリス(8−ヒドロキシキノリナト)−アルミニウム(III)およびその誘導体、ビス(10−ヒドロキシベンゾ〔h〕キノリノラト)ベリリウム(II)およびその誘導体、オキサジアゾール誘導体、例えば2−(4−ビフェニル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールおよびその二量体系、例えば1,3−ビス(4−tert−ブチルフェニル−1,3,4)オキサジアゾリル)ビフェニレンおよび1,3−ビス(4−tert−ブチルフェニル−1,3,4−オキサジアゾリル)フェニレン、ジオキサゾール誘導体、トリアゾール誘導体、クマリン誘導体、イミダゾピリジン誘導体、フェナントロリン誘導体、またはAppl. Phys. Lett. 48 (2) (1986) 183に開示されているペリレンテトラカルボン酸誘導体。
【0272】
電子輸送層は、正孔輸送層または発光層に少なくとも1つの電子輸送材料を含有する有機膜を調製することにより形成できる。電子輸送層は、真空蒸着法、スピンコート法、流延法、LB法等により形成することができる。
【0273】
正孔抑制層の正孔抑制材料は、電子輸送層から発光層への高い電子注入/輸送効率を有し、また、ルミネセンス効率の低下を回避するため、発光層から正孔の流出を阻止するように発光層よりも高いイオン化ポテンシャルを有することが好ましい。
【0274】
正孔抑制材料として、Balq、TAZおよびフェナントロリン誘導体、例えばバトクプロイン(BCP)のような既知の材料を使用することができる:
【0275】
【化90】

【0276】
正孔抑制層は、電子輸送層と発光層の間に少なくとも1つの正孔抑制材料を含有する有機膜を調製することにより形成できる。正孔抑制層は、真空蒸着法、スピンコート法、流延法、インクジェットプリント法、LB法等により形成することができる。層の厚さは、好ましくは5nm〜2μmの範囲内、より好ましくは10nm〜100nmの範囲内から選択される。
【0277】
発光層または正孔輸送層を形成する場合、より平滑で均一な電子輸送層は、結合剤および少なくとも1つの電子輸送材料を含有する溶液を使用することにより形成することができる。
【0278】
電子輸送層の厚さは、好ましくは、0.5〜1000nm、好ましくは1〜100nm、より好ましくは2〜50nmの範囲から選択される。
【0279】
一般にホスト発色団は、500〜720nm、好ましくは520〜630nm、最も好ましくは540〜600nmでフォトルミネセンス発光ピークを有するジケトピロロピロールである。
【0280】
発光組成物は、500〜780、好ましくは520〜750、より好ましくは540〜700nmの範囲の最大蛍光発光を有する。さらに、本発明の化合物は、好ましくは、450〜600nmの範囲で最大吸収を示す。
【0281】
発光組成物は、通常、1>FQY≧0.3(通気トルエンまたはDMF中で測定)の範囲の蛍光量子収率(「FQY」)を示す。さらに、本発明の組成物は、一般的に、5000〜100000の範囲のモル吸光係数を示す。
【0282】
本発明の別の実施態様は、本発明の化合物または組成物を当該技術で公知の方法で組み込むことによる、高分子量の有機材料(通常103〜107g/molの範囲の分子量を有し、バイオポリマーおよび繊維を含むプラスチック材料を含む)の着色法に関する。
【0283】
本発明の化合物および組成物は、EP−A−1087005中の式I’のDPP化合物で記載されているように、
フレキソ印刷、スクリーン印刷、パッケージング印刷、セキュリティインク印刷、凹版印刷またはオフセット印刷の印刷工程における印刷インク用、予備プレス工程用および捺染用、オフィス、家庭用途またはグラフィック用途用、例えば紙製品用、例としてはボールペン、フェルトチップ、ファイバーチップ、カード、木材、(木材)ステイン、金属、インクパッド用インクの調製、またはインパクトプリント法(インパクトプレッシャーインクリボンを用いる)用インクの調製、
コーティング材料用、工業および商業用途用、織物装飾および工業マーク用、ローラー塗りもしくは粉末被覆用、または自動車の仕上げ塗装用、ハイソリッド(低溶剤)、含水もしくは金属被覆材料用、または水性塗料用着色配合物用着色剤の調製、
コーティング、繊維、円盤、または成形型担体用着色プラスチックの調製、デジタルプリント用、昇華型熱転写印刷工程用、インクジェットプリント工程用、または熱転写印刷工程用ノンインパクトプリント材料の調製、そしてまた
特に400〜700nmの範囲の可視光線用、液晶ディスプレー(LCD)、もしくは電荷結合素子(CCD)用のカラーフィルターの調製、または
化粧品の調製、または
ポリマーインク粒子、トナー、色素レーザー、乾燥コピートナー、液体コピートナーまたは電子写真用トナーおよびエレクトロルミネセントデバイスの調製に使用することができる。
【0284】
別の好ましい実施態様は、色変化媒体のための本発明の化合物および組成物の使用に関する。フルカラー有機エレクトロルミネセントデバイスを実現するために3つの主要な技術がある:
(i)エレクトロルミネセンスにより発生された三原色の青、緑および赤を使用すること、
(ii)エレクトロルミネセンスの青色または白色を、上記の青色のエレクトロルミネセンスと、緑色および赤色の蛍光とを吸収する色変化媒体(CCM)を介してフォトルミネセンスの緑色および赤色に変換すること、
(iii)白色のルミネセンス発光を、カラーフィルターを介して青色、緑色および赤色に変換すること。
【0285】
本発明の化合物または組成物は上記の範疇(i)および、加えて上記の技術(ii)のEL材料に有用である。これは、本発明の化合物または組成物が、強力なフォトルミネセンス、ならびにエレクトロルミネセンスを示すことができるからである。
【0286】
例えば、技術(ii)は、US−B−5,126,214から公知であり、約470〜480nmの最大波長を有するEL青色が、クマリン、4−(ジシアノメチレン)−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピラン、ピリジン、ローダミン6G、フェノキサゾンまたは他の染料を使用して緑色および赤色に変換される。
【0287】
本発明の化合物または組成物は、他の補完的エレクトロルミネセンスと組み合わせて白色ルミネセンスを構築する白色ルミネセンスの素子として、上記の範疇(iii)のEL材料に有用である。これは、化合物または組成物が、強力なフォトルミネセンスならびにエレクトロルミネセンスを示すことができるからである。
【0288】
本発明の組成物で着色することができる高分子量の適切な有機材料の実例は、EP−A−1087005に記載されている。
【0289】
特に塗料系、印刷インクまたはインクの調製に特に好ましい高分子量の有機材料は、例えば、セルロースエーテル類およびセルロースエステル類、例えば、エチルセルロース、ニトロセルロース、酢酸セルロースおよび酪酸セルロース、天然樹脂またはアミノプラストのような合成樹脂(重合または縮合樹脂)、特に尿素/ホルムアルデヒドおよびメラミン/ホルムアルデヒド樹脂、アルキド樹脂、フェノールプラスチック、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、ABS、ASA、ポリフェニレンオキシド、加硫ゴム、カゼイン、シリコーンおよびシリコーン樹脂、ならびに考えられるこれらの相互の混合物である。
【0290】
高分子量の有機材料を膜形成剤として溶解した形態で使用することも可能であり、例えば、沸騰アマニ油、ニトロセルロース、アルキド樹脂、フェノール樹脂、メラミン/ホルムアルデヒドおよび尿素/ホルムアルデヒド樹脂、ならびにアクリル樹脂である。
【0291】
前記高分子量の有機材料は、特に紡糸溶液、塗料系、コーティング材料、インクまたは印刷インクの調製のために、単独または混合物、例えば、顆粒、プラスチック材料、溶融体の形態、または溶液の形態で得てもよい。
【0292】
本発明の特に好ましい実施態様において、本発明の化合物および組成物は、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、特にポリエチレンおよびポリプロピレンのようなポリオレフィンの原液着色に使用され、ならびに粉末コーティング、インク、印刷インク、カラーフィルターおよびコーティング色素(coating color)を含む塗料系の調製に使用される。
【0293】
塗料系に好ましい結合剤の実例は、アルキド/メラミン樹脂塗料、アクリル/メラミン樹脂塗料、酢酸セルロース/酪酸セルロース塗料およびポリイソシアネートで架橋されうるアクリル樹脂に基づく2パック系ラッカーである。
【0294】
したがって、本発明の他の実施態様は、
(a)本発明に係る式IもしくはIIIの蛍光性ジケトピロロピロールまたは組成物を、着色された高分子量の有機材料の総重量に基づき、0.01〜50、好ましくは0.01〜5、特に好ましくは0.01〜2重量%、および
(b)高分子有機材料を、着色された高分子量の有機材料の総重量に基づき、99.99〜50、好ましくは99.99〜95、特に好ましくは99.99〜98重量%、および
(c)場合により、レオロジー向上剤、分散剤、充填剤、塗料助剤、乾燥剤、可塑剤、UV安定剤のような慣用の添加剤および/または追加の顔料もしくは対応する前駆体の有効量、例えば(a)と(b)の総量に基づき、0〜50重量%
を含む組成物に関する。
【0295】
異なる色相を得るため、本発明の式IもしくはIIIの蛍光性DPP化合物または本発明の組成物は、所望の量の充填剤、透明および不透明の白色、着色および/または黒色顔料、ならびに慣用の光沢顔料と混合して使用してもよい。
【0296】
塗料系、コーティング材料、カラーフィルター、インクおよび印刷インクの調製では、結合剤、合成樹脂分散体等のような対応する高分子量の有機材料、ならびに本発明の化合物または組成物は、通常、所望であれば分散剤、充填剤、塗料助剤、乾燥剤、可塑剤のような慣用の添加剤および/または追加の顔料もしくは顔料前駆体と一緒に、慣用の溶媒または溶媒混合物と一緒に分散または溶解される。これは、個々の成分自体を、もしくは数個の成分を一緒にして分散または溶解し、その後、全ての成分を一緒にするか、或いは全部を一緒にして一度に加えることにより達成できる。
【0297】
したがって、本発明は、また、本発明の化合物または組成物をこの技術分野で公知の方法により高分子量材料中に加えることによる、高分子量材料の着色方法に関する。
【0298】
したがって、本発明のさらなる実施態様は、分散体および対応する分散体、ならびに本発明の組成物を含む塗料系、コーティング材料、カラーフィルター、インクおよび印刷インクを調製するための本発明の化合物または組成物の使用方法に関する。
【0299】
特に好ましい実施態様は、例えば、潤滑剤、冷却系等のような流体の漏れを検知する蛍光トレーサーの製造のための本発明の化合物または組成物の使用、ならびに本発明の組成物を含む蛍光トレーサーまたは潤滑剤に関する。
【0300】
高分子量の有機材料の着色では、本発明の化合物または組成物は、場合によりマスターバッチの形態で、ロールミル、混合装置または磨砕装置を使用して、高分子量の有機材料と混合される。一般に、着色材料は、続いてカレンダー操作、圧縮成形、押出し、塗布(spreading)、鋳造または射出成形のような従来の方法により所望の最終形態とされる。
【0301】
ラッカー、コーティング材料および印刷インクを着色するには、高分子量の有機材料および本発明の化合物または組成物を、単独で、または充填剤、他の顔料、乾燥剤もしくは可塑剤のような添加剤と一緒に、一般的には、慣用の有機溶媒または溶媒混合物中に分散または溶解する。この場合、個々の成分を個別に溶解もしくは分散するか、または2個以上を一緒に分散もしくは溶解し、その後、全ての成分を合わせる手順を採用することが可能である。
【0302】
本発明は、さらに、本発明の組成物の顔料分散体を彩色上有効な量で含むインクに関する。
【0303】
顔料分散体とインクの重量比は、一般的に、インクの総重量に基づき、0.001〜75重量%、好ましくは0.01〜50重量%の範囲で選択される。
【0304】
カラーフィルターまたは着色された高分子量の有機材料の調製および使用は、この技術分野で周知であり、例えば、Displays 14/2, 1151 (1993)、EP−A784085またはGB−A2,310,072に記載されている。
【0305】
例えば、本発明の組成物を含む顔料分散体を含むことができるか、または例えば本発明の組成物を、化学的、熱的もしくは光分解的に構成されうる高分子量の有機材料(いわゆるレジスト)と混合することにより調製することができる、インク、特に印刷インクを使用して、カラーフィルターをコーティングすることができる。その後の調製は、EP−A654711と同様に、LCD(液晶ディスプレー)のような基材への適用、続く光構成化および現像により実施することができる。
カラーフィルタの特に好ましい製造は、非水性溶媒またはポリマーの分散媒体を有する、本発明の化合物または組成物を含む顔料分散体で示される。
さらに本発明は、本発明の化合物または組成物を含有する顔料分散体または本発明の組成物の彩色上有効な量で着色されている高分子量の有機材料を含むトナーに関する。
さらに本発明は、本発明の組成物を含む、好ましくは分散体の形態の着色剤、着色プラスチック、ポリマーインク粒子またはノンインパクトプリント(non-impact-printing)材料、あるいは本発明の組成物の彩色上有効な量で着色されている高分子量の有機材料に関する。
本発明の組成物を含む、本発明の顔料分散体の彩色上有効な量とは、一般的に、着色された材料の総量に基づき、0.0001〜99.99重量%、好ましくは0.001〜50重量%、特に好ましくは0.01〜50重量%を意味する。
本発明の組成物は、ポリアミドに組み込む間に分解しないため、カラーポリアミドに適用することができる。さらに、特にプラスチックにおいて著しく良好な耐光性、優れた熱安定性を示す。
【0306】
本発明の有機ELデバイスは、壁掛けテレビセット(on-wall television1 set)のフラットパネル・ディスプレー、平面発光装置、コピー機またはプリンターの光源、液晶ディスプレーまたはカウンターの光源、掲示板ディスプレーおよび信号灯に適用できるので、重要な工業的価値を有する。本発明の化合物および組成物は、有機ELデバイス、電子写真光受信器、光電変換器、太陽電池、イメージセンサー等の分野で使用することができる。
【0307】
下記の実施例は、例示の目的のみのためであり、本発明の範囲をいかなる方法によっても制限すると解釈するべきではない。実施例において、特に記述がない限り、「部」は「重量部」を意味し、「%」は「重量%」を意味する。
【0308】
実施例
実施例1
a)水素化ナトリウム(50〜72%アッセイ)70.56gをトルエンで洗浄して、油を除去した。次いで、洗浄した水素化ナトリウム、炭酸ジエチル207.7gおよび無水ジオキサン1Lを撹拌しながら80℃に加熱した。1−アセチルナフタレン150gを3時間で滴下し、80℃で15時間撹拌した。反応混合物を室温に冷ましておき、氷1Lに注いだ。水層を分離し、酢酸エチル200mlで2回抽出した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、蒸発し、乾燥して、酢酸1−ナフトイル212.6gを得た。粗生成物は、さらに精製することなく、次の反応工程に使用した。
【0309】
b)酢酸1−ナフトイル121g、クロロ酢酸エチル67.4g、炭酸カリウム75.9g、アセトン300mlおよび1,2−ジメトキシエタン200mlを容器に入れた。混合物を80℃で20時間撹拌した。混合物を室温に冷ましておき、濾過し、乾燥した。1−ナフトイル−コハク酸ジエチルエステル170gを得た。粗生成物は、さらに精製することなく、次の反応工程に使用した。
【0310】
c)1−ナフトイル−コハク酸ジエチルエステル231g、酢酸アンモニウム543gおよび酢酸680mlを、140℃で18時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却した後、氷に注いだ。製造した固体を分離し、水溶液をジクロロメタン300mlで抽出した。抽出物および固体を合わせ、乾燥した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製して、4−カルベトキシ−5−(1−ナフチル)ピロリン−2−オン40.2gを得た。
【0311】
d)9−シアノフェナントレン56.8g、t−BuOK63.3g、乾燥トルエン80mlおよびt−アミルアルコール200mlを120℃で撹拌し、4−カルベトキシ−5−(1−ナフチル)ピロリン−2−オン40.2gを少しずつ2時間で加えた。反応混合物を室温に冷却し、氷に注いだ。生成物を濾過により収集し、トルエンで洗浄し、乾燥した。1,4−ジケト−3−(1−ナフチル)−6−(9−フェナントレニル)−ピロロ[3,4−c]ピロール72.3gを得た。粗生成物は不純物を含んでいたが、精製することなく、次の反応工程に使用した。
【0312】
e)1,4−ジケト−3−(1−ナフチル)−6−(9−フェナントレニル)−ピロロ[3,4−c]ピロール60g、水素化ナトリウム(50〜72%アッセイ)16.5gおよび1−メチル−2−ピロリジノン300mlを室温で2時間撹拌した。ヨウ化メチル57.8gを反応混合物に滴下し、次いで、混合物をさらに2時間撹拌した。混合物を氷1Lに注ぎ、黄色固体を濾別し、メタノールで洗浄した。乾燥後、橙色固体25.2gを得た(融点=338〜340℃)。
【0313】
【化91】

【0314】
実施例2
1−シアノ−4−メチルナフタレンを9−シアノフェナントレンの代わりに使用する以外は、実施例1を繰り返し、橙色固体を得た(融点=360〜364℃)。
【0315】
【化92】

【0316】
実施例3
3−メチル−4−シアノ−ビフェニルを9−シアノフェナントレンの代わりに使用する以外は、実施例1を繰り返し、橙色固体を得た(融点=235〜337℃)。
【0317】
【化93】

【0318】
実施例4
2−シアノフェナントレンを9−シアノフェナントレンの代わりに使用する以外は、実施例1を繰り返し、橙色固体を得た(融点=239〜242℃)。
【0319】
【化94】

【0320】
実施例5
9−アセチルフェナントレンおよび4−メチル−1−シアノナフタレンを、それぞれ、工程a)における1−アセチルナフタレンおよび工程d)における9−シアノフェナントレンの代わりに使用する以外は、実施例1を繰り返した(融点=359〜360℃)。
【0321】
【化95】

【0322】
実施例6
2−フルオレンカルボアルデヒド25g、酢酸ナトリウム11.6g、ヒドロキシアンモニウムクロリド9.7gおよび酢酸150mlを、130℃で18時間撹拌した。反応混合物を室温にさせておき、水200mlに注ぎ、析出物を濾過により収集した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製して、2−シアノフルオレン15.57g(63%)を得た。
2−シアノフルオレン14.29g、水素化ナトリウム(油中60%)8.9gおよびNMP150mlを室温で2.5時間撹拌した。次いで、ヨウ化メチル31.2gを反応混合物に滴下し、さらに2時間、室温で撹拌した。反応混合物を水200mlに注ぎ、濾過した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製して、2−シアノ−9,9−ジメチルフルオレン8.5g(60%)を得た。
その後、4−メチル−1−シアノナフタレンの代わりに2−シアノ−9,9−ジメチルフルオレンを使用して、実施例5を繰り返した(融点=209〜210℃)。
【0323】
【化96】

【0324】
実施例7
ITO透明導電性膜が厚さ120nmまで蒸着されたガラス基材(Geomatek Co製、電子線蒸着法で調製された製品)を、30×40mmの寸法に切断し、エッチングした。このようにして得られた基板をアセトンで15分間、次いでSemikoklin56で15分間超音波洗浄に付し、次に超純水で洗浄した。続いて、基材をイソプロピルアルコールで15分間超音波洗浄に付し、熱メタノール中に15分間浸漬し、乾燥した。基材を素子に形成する直前に、そのようにして得られた基材をUVオゾン処理に1時間付し、真空蒸着装置の中へ入れた。装置を内部圧が1×10-5Pa以下になるまで排気した。次いで、抵抗加熱法に従って、フタロシアニン銅錯体(CuPc)を、厚さ20nmまで蒸着して、正孔注入層を形成した。その後、N,N’−ジ(1−ナフタレン)−N,N’−ジフェニル−1,1’−ジフェニル−4,4’−ジアミン(α−NPD)を正孔輸送材料として、厚さ50nmまで蒸着して、正孔輸送層を形成した。続いて、DPP化合物A−10(発光材料として)を、厚さ50nmまで蒸着して、発光層を形成した。続いて、厚さ30nmを有するAlq3層およびフッ化リチウム(0.5nm)を蒸着して、それぞれ、電子輸送層および陰極を形成した。
このようにして得られたルミネセント素子のルミネセンスピーク波長は585nmであり、その最大輝度は14210Cd/m2であった。連続駆動モードにおいて、963Cd/m2の明度の発光から始まって、70時間後には、その明度は、初期強度の62%を維持していた。化合物A−10は、参考例1の化合物1よりも、より高い発光強度と持続性を示した(表1)。
【0325】
参考例1
化合物1を発光層として使用した以外は、実施例5と同様にして、EL素子を調製した。このようにして得られたルミネセント素子のルミネセンスピーク波長は583nmであり、その最大輝度は7225Cd/m2であった。連続駆動モードにおいて、844Cd/m2の明度の発光から始まって、70時間後には、その明度は、初期強度の56%を維持していた。
【0326】
【化97】

【0327】
【表9】

【0328】
実施例8
発光層が実施例1および化合物2(wt%)を含むこと以外は、実施例7を繰り返した。発光層は、同時共蒸着法により調製した。
【0329】
【化98】

【0330】
このようにして得られたルミネセンス素子のルミネセンスピーク波長は608nmであり、その最大輝度は16,740Cd/m2であった。連続駆動モードにおいて、843Cd/m2の明度の発光から始まって、280時間後には、その明度は、初期強度の68%を維持していた。実施例8の発光層は、参考例2のそれよりも、より高い発光強度と持続性を示した(表2)。
【0331】
参考例2
化合物1および化合物2(1.89%)を発光層として使用した以外は、実施例8と同様にして、EL素子を製造した。このようにして得られたルミネセント素子のルミネセンスピーク波長は606nmであり、その最大輝度は14,010Cd/m2であった。連続駆動モードにおいて、730Cd/m2の明度の発光から始まって、280時間後には、その明度は、初期強度の60%を維持していた。
【0332】
【表10】

【0333】
実施例9
3,5−ジ−t−ブチルベンゾニトリルを9−シアノフェナントレンの代わりに使用する以外は、実施例1を繰り返し、橙色固体を得た(融点=251〜252℃)。
【0334】
【化99】

【0335】
実施例10
2−シアノビフェニルを9−シアノフェナントレンの代わりに使用する以外は、実施例1を繰り返し、橙色固体を得た(融点=343℃)。
【0336】
【化100】

【0337】
実施例11
4−シアノビフェニルを9−シアノフェナントレンの代わりに使用する以外は、実施例1を繰り返し、橙色固体を得た(融点=247〜250℃)。
【0338】
【化101】

【0339】
実施例12
1−ピレンカルボニトリルを9−シアノフェナントレンの代わりに使用する以外は、実施例1を繰り返し、赤色固体を得た(融点>300℃)。
【0340】
【化102】

【0341】
実施例13
4−シアノフルオレン4.25g、水素化ナトリウム(油中60%)2.6gおよびNMP50mlを室温で2時間撹拌した。次いで、ヨウ化メチル9.3gを反応混合物に滴下し、さらに2時間、室温で撹拌した。反応混合物を水100mlに注ぎ、濾過した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製して、4−シアノ−9,9−ジメチルフルオレン3.9g(80%)を得た。
その後、9−シアノフェナントレンの代わりに4−シアノ−9,9−ジメチルフルオレンを使用して、実施例1を繰り返して、橙色固体を得た。
【0342】
【化103】

【0343】
実施例14
4−フェニル−1−シアノナフタレンを9−シアノフェナントレンの代わりに使用する以外は、実施例1を繰り返し、赤色固体を得た。
【0344】
【化104】

【0345】
実施例15
4−(1−ナフチル)−1−シアノナフタレンを9−シアノフェナントレンの代わりに使用する以外は、実施例1を繰り返し、赤色固体を得た。
【0346】
【化105】

【0347】
実施例16
ナトリウム3.6gをt−アミルアルコール100mlおよび一匙のFeCl3に加え、次いで、ナトリウムが完全に溶解するまで、115℃に加熱した。5−tert−ブチル−イソフタロニトリル3.7gをこの溶液に加えた。4−カルベトキシ−5−(1−ナフチル)ピロリン−2−オン7.0gをジオキサン200mlに溶解し、2.5時間で、滴下ロートを介して溶液に加えた。115℃でさらに2時間後、反応混合物を室温に冷ましておき、メタノール300ml/水300ml/硫酸8mlの溶液に注いだ。生成物を濾過で収集し、冷メタノールで洗浄し、乾燥した。二量体DPP7.6gを得た。粗生成物は不純物を含んでいたが、精製することなく、次の工程に使用した。
アルキル化工程は、水素化ナトリウムおよびヨウ化メチルの量を二倍にした以外は、実施例1e)に記載したものと同様であった。乾燥後、橙色固体が得られた(融点>300℃;Tg=187℃)。
【0348】
【化106】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式:
【化1】


〔式中、R1およびR2は、同一または異なっていてもよく、C1〜C25アルキル基、アリル基(これは、C1〜C3アルキルで1〜3回置換されていることができる)、シクロアルキル基(これは、C1〜C8アルキルおよび/またはC1〜C8アルコキシで場合により1〜3回置換されていることができる)、シクロアルキル基(これは、C1〜C4アルキル、ハロゲン、ニトロ、またはシアノで1〜3回置換されていることができるフェニルで1または2回縮合されている)、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、ヘテロ環基、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、ヘテロ環基、ケトンもしくはアルデヒド基、エステル基、カルバモイル基、シリル基、シロキサニル基、アリール、ヘテロアリール、または−CR34−(CH2m−A3{ここで、R3およびR4は、互いに独立して、水素もしくはC1〜C4アルキル、またはフェニル(これは、C1〜C3アルキルで1〜3回置換されていることができる)を表し、A3は、アリールまたはヘテロアリール、特にフェニルまたは1−もしくは2−ナフチル(これは、C1〜C8アルキルおよび/またはC1〜C8アルコキシで1〜3回置換されていることができる)を表し、mは、0、1、2、3または4を表す}から選択され、
1は、式:
【化2】


{式中、
Xは、NまたはC−R8であり、
5〜R11は、同一または異なっていてもよく、水素、C1〜C25アルキル、シクロアルキル、アラルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、ヒドロキシル、メルカプト基、アルコキシ、アルキルチオ、アリールエーテル基、アリールチオエーテル基、アリール、ヘテロアリール、ヘテロ環基、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、シアノ基、アルデヒド基、カルボニル基、カルボキシル基、エステル基、カルバモイル基、基NR2728(ここで、R27およびR28は、互いに独立して、水素原子、アルキル基、場合により置換されているシクロアルキル基、場合により置換されているアリール基、場合により置換されているヘテロアリール基、場合により置換されているヘテロ環基、アラルキル基を表すか、またはR27およびR28は、それらが結合している窒素原子と一緒になって5員または6員のへテロ環(これは、1または2個の場合により置換されているフェニル基で縮合されていることができる)を形成する)、ニトロ基、シリル基、シロキサニル基、置換もしくは非置換ビニル基から選択されるか、またはR5〜R11のうちの少なくとも2個の隣接する置換基は、芳香族、ヘテロ芳香族もしくは脂肪族縮合環系を形成する}を表し、
2は、非置換もしくは置換アリール基、または非置換もしくは置換ヘテロアリール基を表すが、ただし、A2とA1は、同一分子内では異なる意味を有し、特に、
2は、A1を表すが、ただし、A2とA1は、同一分子内では異なる意味を有し、あるいは
2は、
【化3】


{式中、R101〜R123は、同一または異なっていてもよく、水素、C1〜C25アルキル基、シクロアルキル、アラルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、ヒドロキシル、メルカプト基、アルコキシ、アルキルチオ、アリールエーテル基、アリールチオエーテル基、アリール、ヘテロ環基、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、シアノ基、アルデヒド基、カルボニル基、カルボキシル基、エステル基、カルバモイル基、基NR2728(ここで、R27およびR28は、上で定義されたとおりである)、ニトロ基、シリル基、シロキサニル基、置換もしくは非置換ビニル基から選択されるか、またはR115〜R121のうちの少なくとも2個の隣接する置換基は、芳香族、ヘテロ芳香族もしくは脂肪族縮合環系を形成し、
124およびR125は、同一または異なっていてもよく、C1〜C18アルキル;C1〜C18アルコキシ、A3、C6〜C18アリール;C7〜C18アラルキルから選択されるか;またはR124およびR125は、一緒になって、環、特に5員、6員もしくは7員の環(これは、C1〜C8アルキルで場合により置換されていることができるか、またはC1〜C8アルキル基、C1〜C8アルコキシ、ハロゲンおよびシアノで1〜3回置換されていることができるフェニルで場合により1もしくは2回縮合されていることができる)を形成する}を表すか;あるいは
2は、ヘテロ芳香族基、特に、
【化4】


{式中、R131〜R152は、同一または異なっていてもよく、水素、C1〜C25アルキル基、シクロアルキル、アラルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、ヒドロキシル、メルカプト基、アルコキシ、アルキルチオ、アリールエーテル基、アリールチオエーテル基、アリール、ヘテロ環基、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、シアノ基、アルデヒド基、カルボニル基、カルボキシル基、エステル基、カルバモイル基、基NR2728(ここで、R27およびR28は、上で定義されたとおりである)、ニトロ基、シリル基、シロキサニル基、置換もしくは非置換ビニル基から選択され、
153は、水素原子、C1〜C25アルキル基(これは、−O−で中断されていてもよい)、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基、またはヘテロ環基である}を表し、
4とA5は、互いに独立して、A2の意味を有し、また
6は、シクロアルキル、アリーレン、またはヘテロアリーレン(これは、C1〜C8アルキルまたはC1〜C8アルコキシで場合により1〜3回置換されている)である〕
で示される蛍光性ジケトピロロピロール、ただし、以下の化合物は除外される:
【表1】

【請求項2】
1およびR2が、互いに独立して、C1〜C8アルキル基、C5〜C12シクロアルキル基(これは、C1〜C8アルキルおよび/またはC1〜C8アルコキシで1〜3回置換されていることができる)、フェニルまたは1−もしくは2−ナフチル(これは、C1〜C8アルキルおよび/またはC1〜C8アルコキシで1〜3回置換されていることができる)、または−CR34−(CH2m−A3{ここで、R3およびR4は、水素またはC1〜C4アルキルを表し、A3は、フェニルまたは1−もしくは2−ナフチル(これは、C1〜C8アルキルおよび/またはC1〜C8アルコキシで1〜3回置換されていることができる)を表し、mが、0または1を表す}を表す、請求項1に記載の蛍光性ジケトピロロピロール。
【請求項3】
1が、
【化5】


〔式中、
25'は、C6〜C12アリール基、特にフェニルまたはナフチル(これは、1以上のC1〜C8アルキルまたはC1〜C8アルコキシ基で置換されていてもよい)であり、
300は、C1〜C8アルキル、C6〜C24芳香族、またはC2〜C17ヘテロ芳香族基(これは、1以上のC1〜C8アルキルまたはC1〜C8アルコキシ基で置換されていてもよい)であり、
21、R22、R23、R25およびR26は、互いに独立して、水素、C1〜C8アルキル基、ヒドロキシル基、メルカプト基、C1〜C8アルコキシ、C1〜C8アルキルチオ、ハロゲン、ハロ−C1〜C8アルキル、シアノ基、アルデヒド基、ケトン基、カルボキシル基、エステル基、カルバモイル基、アミノ基、ニトロ基、シリル基、またはシロキサニル基であり、
27およびR28は、互いに独立して、
【化6】


{式中、R29、R30およびR31は、互いに独立して、水素、C1〜C8アルキル、C1〜C8アルコキシまたは基NR3233(ここで、R32およびR33は、互いに独立して、
【化7】


(式中、R34は、水素、C1〜C8アルキル基もしくはC1〜C8アルコキシである)である)であるか、またはR27およびR28は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、5員または6員のへテロ環、例えば
【化8】


(これは、1または2個の場合により置換されているフェニル基で縮合されていることができる)、例えば
【化9】


(式中、R216およびR217は、互いに独立して、水素、C1〜C8アルキル、C1〜C8アルコキシ、またはフェニルを表し、R29'およびR30'は、互いに独立して、水素、C1〜C8アルキル、またはC1〜C8アルコキシを表し、
1は、水素またはC1〜C8アルキルを表す)を形成する}である〕を表し;A2が、A1を表すが、ただし、A2とA1は、同一分子内では異なる意味を有し、あるいは
2が、
【化10】


〔式中、
25、R26、R27およびR28は、上で定義されたとおりであり、
101、R102、R103、R106、R107、R110、R111、R112、R115、R116、R122、R123、R135、R136、R137、R138、R139、R140、R147、およびR148は、互いに独立して、水素、C1〜C8アルキル、ヒドロキシル基、メルカプト基、C1〜C8アルコキシ、C1〜C8アルキルチオ、ハロゲン、ハロ−C1〜C8アルキル、シアノ基、アルデヒド基、ケトン基、カルボキシル基、エステル基、カルバモイル基、アミノ基、ニトロ基、シリル基、またはシロキサニル基であり;
124およびR125は、同一または異なっていてもよく、C1〜C18アルキルから選択されるか;またはR124およびR125は、一緒になって、環、特に5員または6員の環(これは、C1〜C8アルキルで場合により置換されていることができ;またはこれは、C1〜C8アルキル基、C1〜C8アルコキシ、ハロゲン、またはシアノで1〜3回場合により置換されていることができるフェニルで場合により1もしくは2回縮合されていることができる)を形成し;
153は、C1〜C25アルキル基である〕
を表す、請求項1または2に記載の蛍光性ジケトピロロピロール。
【請求項4】
1が、
【化11】


〔式中、R300は、C1〜C8アルキル、フェニル(これは、1以上のC1〜C8アルキルまたはC1〜C8アルコキシ基で置換されていることができる)であり、R9は、水素、フェニル、1−ナフチル(これは、1以上のC1〜C8アルキルまたはC1〜C8アルコキシ基で置換されていることができる);C1〜C8アルキルまたはC1〜C8アルコキシであり、
21は、水素、C1〜C8アルキルまたはC1〜C8アルコキシである〕
で表される、請求項3に記載の蛍光性ジケトピロロピロール。
【請求項5】
【化12】














〔式中、R1は、アリル、C1〜C8アルキル、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、2,2−ジメチルプロピル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、1,1,3,3−テトラメチルブチルおよび2−エチルヘキシル、トリ(C1〜C8アルキル)シリル、例えばトリメチルシリル、−CH2−A3、−CHCH3−A3または−CH2−CH2−A3(ここで、A3は、C1〜C8アルキルで1、2または3回置換されていることができるフェニルを表す)である〕
よりなる群から選択される、請求項4記載の蛍光性ジケトピロロピロール。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の式IもしくはIIIの蛍光ホスト化合物および/または請求項1〜5のいずれかに記載の式IもしくはIIIの蛍光ゲスト化合物を含む、蛍光組成物。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれかに記載の式IまたはIIIの蛍光ホスト化合物および蛍光性キナクリドンゲスト化合物を含む、請求項6に記載の蛍光組成物。
【請求項8】
請求項1〜5のいずれかに記載の式IもしくはIIIの蛍光化合物または請求項6もしくは7に記載の組成物を含む、エレクトロルミネセント素子。
【請求項9】
(a)着色された高分子量の有機材料の総重量に基づき、0.01〜50重量%の請求項1〜5のいずれかに記載の式IもしくはIIIの蛍光化合物または請求項6もしくは7の組成物と、
(b)着色された高分子量の有機材料の総重量に基づき、99.99〜50重量%の高分子有機材料と、
(c)場合により、有効量の慣用の添加剤と
を含む、高分子量の有機材料の組成物。
【請求項10】
インク、着色剤、コーティング用着色プラスチック、ノンインパクトプリント材料、カラーフィルター、化粧品の調製、またはポリマーインク粒子、トナーの調製のための、蛍光トレーサーとしての、色変化媒体中での、固体色素レーザー、ELレーザー、およびエレクトロルミネセント素子中での、請求項1〜5のいずれかに記載の式IもしくはIIIの蛍光化合物または請求項6もしくは7の組成物の使用。

【公表番号】特表2008−523023(P2008−523023A)
【公表日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−544882(P2007−544882)
【出願日】平成17年11月30日(2005.11.30)
【国際出願番号】PCT/EP2005/056335
【国際公開番号】WO2006/061343
【国際公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【出願人】(396023948)チバ ホールディング インコーポレーテッド (530)
【氏名又は名称原語表記】Ciba Holding Inc.
【Fターム(参考)】