説明

行動履歴表示システム、及び、行動履歴表示プログラム

【課題】ユーザの行動履歴を表示することが可能な行動履歴表示システム、及び、行動履歴表示プログラムを提供する。
【解決手段】携帯端末100は、推定されたユーザのシチュエーションと、ユーザの位置情報と、時刻情報とを含むログ情報をサーバ装置200に送信する。サーバ装置200はログ情報をログ情報記憶部22に逐次記憶し、表示情報生成部26は、ログ情報記憶部22に記憶された位置情報で示される地図上における位置にシチュエーションの内容を表示したユーザ行動履歴を表示するための地図情報及びユーザのシチュエーションの内容を時系列で表示するための時系列情報を生成し、クライアント装置300に送信する。クライアント装置300は当該地図情報及び時系列情報に基づいて、ユーザの行動履歴を地図及びタイムテーブルを用いて表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザの行動履歴を表示する行動履歴表示システム、及び、行動履歴表示プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザの位置情報を利用したサービスの提供は数多く行われている。例えば、ユーザの位置情報、時刻、ユーザが搭乗している自動車の走行車線等の情報に基づいて、ユーザが居る場所の周辺に存在する店舗や施設情報を表示するサービス提供の技術が存在する(例えば、特許文献1,2参照)。
また、ユーザが携帯している通信端末の位置情報を測位して位置情報の履歴を記録し、ユーザの1日の移動履歴を地図上に表示する技術も存在する。
【特許文献1】特開2008−089511号公報
【特許文献2】特開2004−355075号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、ユーザの移動履歴を表示するだけでは、ユーザの各移動場所における滞在理由や状況が不明である。
また、位置情報をGPS(Global Positioning System)等で測位した場合には測位誤差が発生するため、ユーザの移動履歴を正確に表示することができないという問題がある。
また、ユーザの各移動場所における滞在理由や状況がわかるようにユーザの行動履歴を表示できたとしても、例えば、在宅中等のプライバシーに関係する情報を表示したくない場合や、行動履歴の利用目的によっては表示が不要となる場合があるため、表示対象とする行動履歴を制御する仕組みが必要である。
本発明は上述した従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、ユーザの行動履歴を表示することが可能な行動履歴表示システム、及び、行動履歴表示プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の行動履歴表示システムは、ユーザの1日のライフサイクルを表すライフサイクル情報と前記ユーザが目的に応じて滞在する場所を表すエリアとに依存する、前記ユーザの状況を表すシチュエーションの遷移順を定義したシチュエーション遷移モデルを記憶するモデル定義手段と、現在のユーザの位置情報を取得する位置情報取得手段と、現在の時刻を表す時刻情報を取得する時刻情報取得手段と、前記シチュエーション遷移モデルと前記位置情報取得手段により取得された位置情報と前記時刻情報取得手段により取得された時刻情報と前記ユーザの遷移前のシチュエーションとに基づいて、前記ユーザの現在のシチュエーションを推定するシチュエーション推定手段と、前記シチュエーション推定手段により推定されたシチュエーションと、前記位置情報取得手段により取得された位置情報と、前記時刻情報取得手段により取得された時刻情報とを対応付けて、ログ情報として逐次記憶するログ情報記憶手段と、前記ログ情報記憶手段に記憶された位置情報で示される地図上における位置に、前記位置情報に対応付けられて前記ログ情報記憶手段に記憶されているシチュエーションの内容が表示されたユーザ行動履歴を表示するための地図情報を生成する表示情報生成手段とを備えたことを特徴とする。
【0005】
本発明によれば、行動履歴表示システムは、推定されたシチュエーションと、ユーザの位置情報と、時刻情報とを対応付けて、ログ情報としてログ情報記憶手段に逐次記憶し、ログ情報記憶手段に記憶された位置情報で示される地図上における位置に、前記位置情報に対応付けられてログ情報記憶手段に記憶されているシチュエーションの内容が表示されたユーザ行動履歴を表示するための地図情報を生成するため、当該地図情報に基づいてユーザの行動履歴を表示することができる。
【0006】
請求項2に記載の行動履歴表示システムは、請求項1において、前記表示情報生成手段は、前記ログ情報記憶手段に記憶されているシチュエーションの内容を時系列で表示するための時系列情報をさらに生成することを特徴とする。
本発明によれば、シチュエーションの内容を時系列で表示するための時系列情報をさらに生成するため、地図情報とともに時系列情報を表示することができ、ユーザの詳細な1日の行動履歴を視覚的に容易に認識可能とすることができる。
【0007】
請求項3に記載の行動履歴表示システムは、請求項2において、前記表示情報生成手段は、前記ログ情報記憶手段に記憶されているシチュエーションの内容と、該シチュエーションに対応付けられて前記ログ情報記憶手段に記憶されている時刻情報とを関連付けて表示するための時系列情報を生成することを特徴とする。
本発明によれば、シチュエーションの内容と時刻情報とを関連付けて表示することで、シチュエーションが発生した時刻や終了した時刻を視覚的に容易に認識可能とすることができる。
【0008】
請求項4に記載の行動履歴表示システムは、請求項1から3の何れか1項において、前記ログ情報記憶手段に記憶されている同一のシチュエーションに対応付けられた複数の位置情報のうち、各位置情報で示される位置が異なるものが存在する場合、その位置の違いが前記位置情報取得手段による測位誤差によるものであるか否かを判定する位置補正判定手段をさらに備え、前記位置補正判定手段により前記違いが測位誤差によるものであると判定された位置情報が存在する場合、前記表示情報生成手段は、前記位置情報各々に対する1つの補正位置情報を生成し、前記位置情報各々で示される各位置に前記同一のシチュエーションの内容を表示する代わりに、前記補正位置情報で示される1つの位置に前記同一のシチュエーションの内容を表示するための地図情報を生成することを特徴とする。
本発明によれば、測位誤差による位置情報の違いを補正して、補正後の1つの位置にシチュエーションの内容を表示することができるため、ユーザの行動履歴を正確に見易く表示することができる。
【0009】
請求項5に記載の行動履歴表示システムは、請求項4において、前記位置補正判定手段は、前記同一のシチュエーションが、前記ユーザが同一のエリアに居ることに基づいて前記シチュエーション推定手段により推定されたものである場合には、前記違いが前記測位誤差によるものであると判定し、前記表示情報生成手段は、前記同一のエリアの中心を示す位置情報を前記補正位置情報とすることを特徴とする。
本発明によれば、測位誤差により同一のエリア内に点在する位置を、該エリアの中心位置に補正し、該エリアの中心に前記同一のシチュエーションを表示することができるため、ユーザの行動履歴を見易く正確に表示することができる。
【0010】
請求項6に記載の行動履歴表示システムは、請求項2から5の何れか1項において、ユーザの行動履歴の表示を制御するための表示制御ルールを記憶する表示制御ルール記憶手段をさらに備え、前記表示情報生成手段は、前記表示制御ルール記憶手段に記憶されている表示制御ルールに基づいて、前記地図情報及び前記時系列情報を生成することを特徴とする。
本発明によれば、行動履歴表示システムは、表示制御ルールに基づいて地図情報及び時系列情報を生成するため、表示制御ルールを記憶しておくことで、ユーザの行動履歴の表示を制御することができる。
【0011】
請求項7に記載の行動履歴表示システムは、請求項6において、前記表示制御ルール記憶手段は、表示対象外とするシチュエーションを記憶し、前記表示情報生成手段は、前記表示制御ルール記憶手段に記憶されたシチュエーションの内容を表示対象外として、前記地図情報及び前記時系列情報を生成することを特徴とする。
本発明によれば、表示対象外としたいシチュエーションを表示制御ルール記憶手段に記憶しておくことで、表示対象外のシチュエーションを除くシチュエーションの内容が表示された地図情報及び時系列情報を表示することができ、利用目的に応じて表示対象とするシチュエーションを制御することができる。
【0012】
請求項8に記載の行動履歴表示プログラムは、コンピュータを、ユーザの状況を表すシチュエーションと、ユーザの位置情報と、時刻情報とを対応付けて、ログ情報として逐次記憶するログ情報記憶手段と、前記ログ情報記憶手段に記憶された位置情報で示される地図上における位置に、前記位置情報に対応付けられて前記ログ情報記憶手段に記憶されているシチュエーションの内容を表示したユーザ行動履歴を表示するための地図情報を生成する表示情報生成手段として機能させるためのプログラムである。
本発明によれば、コンピュータに行動履歴表示プログラムを記憶させて実行させることで、コンピュータをユーザの行動履歴を表示するための地図情報を作成するよう機能させることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、行動履歴表示システムは、推定されたシチュエーションと、ユーザの位置情報と、時刻情報とを対応付けて、ログ情報としてログ情報記憶手段に逐次記憶し、ログ情報記憶手段に記憶された位置情報で示される地図上における位置に、前記位置情報に対応付けられてログ情報記憶手段に記憶されているシチュエーションの内容が表示されたユーザ行動履歴を表示するための地図情報を生成するため、当該地図情報に基づいて、ユーザの行動履歴を表示することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、以下の説明において参照する各図では、他の図と同等部分は同一符号によって示されている。
(全体構成)
図1は、本発明の実施形態に係る行動履歴表示システムの全体構成を示す図である。同図に示すように、行動履歴表示システムは、ユーザが携帯する携帯端末100と、サーバ装置200と、クライアント装置300とが、通信ネットワークを介して接続されている。
【0015】
(携帯端末の構成)
図2は、携帯端末100のハードウェア構成を示すブロック図である。同図に示すように、携帯端末100は、全体を制御するCPU(Central Processing Unit)101と、プログラムやデータ等のソフトウェアを記憶する記憶装置102と、無線通信を行うための通信インターフェース103と、各種画面を液晶ディスプレイ等に表示する表示装置104と、キーの押下、端末の開閉等の操作に応じた入力信号を入力する入力装置105と、音声や効果音等の音を出力する音出力装置106と、ユーザの声を入力するマイクロホン等の声入力装置107と、日時を計時する内部時計108と、図示せぬ位置測位装置からGPS信号を受信するためのGPS受信機109と、を備えている。
【0016】
記憶装置102は、ROM(Read Only Memory)121と、RAM(Random Access Memory)122と、不揮発性メモリ123とを備えている。ROM121には、オペレーティングシステム、Java(登録商標)仕様に準拠したアプリケーションプログラムを実行するためのソフトウェア等が記憶されている。また、RAM122には、各種プログラムやデータが一時的に記憶される。
【0017】
不揮発性メモリ123には、アプリ保存領域123aとスクラッチパッド123bとが設けられている。アプリ保存領域123aには、所定のサーバからダウンロードされたアプリケーションプログラムが記憶される。なお、ダウンロードに限らず、当該アプリケーションプログラムを携帯端末100の製造時からアプリ保存領域123aに記憶させておくことも可能である。スクラッチパッド123bには、所定のサーバからダウンロードされたデータや、アプリケーションプログラムを起動することにより、又は、アプリケーションプログラムを実行することによって作成されたデータが記憶される。本実施形態では、スクラッチパッド123bには、曜日を判定するためのカレンダーデータ、音出力装置106から出力するための音データ、表示装置104に表示するための画像データ、ユーザのログ情報、測位した位置情報等が記憶される。なお、携帯端末100は、データを記憶するためのメモリとして、スクラッチパッド123b以外の外部記憶装置を備えていてもよい。
【0018】
次に、図3を参照して、携帯端末100の機能構成について説明する。なお、同図に示す機能構成は、図2に示す各種ハードウェアにより、或いは、携帯端末100のCPU101がROM121やアプリ保存領域123a等に記憶されたプログラムに従って処理を実行することにより、実現されるものである。携帯端末100の機能構成は、基本部1Aと、生成部1Bとに大きく分類される。
基本部1Aは、表示部11と、送受信部12と、位置情報取得部13と、時刻情報取得部14とを備えている。
表示部11は、表示装置104で構成され、各種画面を表示する。
送受信部12は、通信インターフェース103で構成され、外部装置と通信回線を介して通信を行う。
【0019】
位置情報取得部13は、ユーザが携帯する携帯端末100の位置情報をユーザの位置情報として取得する。本実施形態では、位置情報取得部13は、携帯端末100に搭載されているGPS受信機109により所定の周期毎に位置測位装置から受信されるGPS信号に基づいて、携帯端末100の位置情報を算出する。なお、位置情報の取得方法はGPS測位に限らず、例えば、携帯端末100が在圏する基地局の位置情報をユーザの位置情報とみなしてもよいし、ジャイロにより計測してもよい。
時刻情報取得部14は、内部時計108から現在時刻を表す時刻情報を取得する。なお、時刻情報の取得方法はこれに限定されることはなく、例えば、外部のサーバ装置から時刻情報を取得することも可能である。
生成部1Bは、エリア定義部15と、モデル定義部16と、シチュエーション推定部17と、ログ情報生成部18とを備えている。
【0020】
(エリア定義部)
エリア定義部15は、位置情報に対応付けて、ユーザが目的に応じて滞在するエリアを定義する。本実施形態では、エリアには、ホームエリア(以下「HA」という)、仮ホームエリア(以下、「仮HA」という)、ワークエリア(以下「WA」という)、仮ワークエリア(以下、「仮WA」という)、「お気に入りエリア」、及び「特定エリア」が存在する。ここで、「HA」とは、自宅、実家等のユーザの主たる居住場所である。「仮HA」とは、友人宅、ホテル等の、ユーザが旅行、出張等で稀に就寝する場所である。「WA」とは、ユーザの主な勤務場所である。「仮WA」とは、客先、イベント会場等の、ユーザが営業、打合せ等で稀に勤務する場所である。「お気に入りエリア」とは、ユーザのお気に入りの場所として設定されるエリアである。「特定エリア」とは、コンテンツプロバイダが当該エリアでユーザにサービスを提供するために設定されるエリアである。
エリア定義部15は、入力装置105からのユーザによる入力に基づいてエリア名を定義する。エリア定義部15は、入力されたエリア名を、携帯端末100の位置情報と対応付けて、スクラッチパッド123bに記憶する。
【0021】
(モデル定義部)
モデル定義部16は、シチュエーション遷移モデルを定義し、当該定義したシチュエーション遷移モデルをスクラッチパッド123bに記憶する。ここで、「シチュエーション遷移モデル」とは、ユーザの1日のライフサイクルを表すライフサイクル情報と、ユーザが居る場所を表す位置情報とに依存するユーザのシチュエーションの遷移順を定義したモデルである。
また、「ライフサイクル情報」とは、ユーザの起床時刻、就寝時刻、始業時刻、終業時刻、起床時間帯、就寝時間帯等の、ユーザ毎に異なる1日のライフサイクルを表す情報をいう。モデル定義部16は、ユーザにより入力された、起床時刻、就寝時刻、始業時刻、終業時刻等の時刻を表すユーザ設定時刻情報と、「起床時間帯」、「就寝時間帯」、「起床時刻」、「就寝時刻」、「始業時刻」、「就業時刻」等のライフサイクルの分類項目と、を対応付けることにより、ライフサイクル情報を定義する。
【0022】
また、「シチュエーション」とは、ユーザのおかれている状況や状態を表す。本実施形態では、シチュエーションは、主にポイントシチュエーション(PS)と、ラインシチュエーション(LS)と、スペシャルシチュエーション(SS)と、に分類できる。
「ポイントシチュエーション(PS)」とは、ユーザのライフサイクル情報とユーザが居るエリアとに基づいて推定される、行動の起点となるシチュエーションである。ポイントシチュエーションには、起床、出勤開始、仕事開始、仕事終了、帰宅、就寝、外出等が存在する。ポイントシチュエーションは、関連するラインシチュエーションに自動的に遷移する。
【0023】
「ラインシチュエーション(LS)」とは、2つのポイントシチュエーション同士を結ぶシチュエーションであり、身支度中、出勤中、仕事中、残業中、帰宅中、在宅中、就寝中、外出中等が存在する。
「スペシャルシチュエーション(SS)」とは、ポイントシチュエーション及びラインシチュエーションの何れでもないシチュエーションであり、本実施形態では「迷子中」と呼ばれるシチュエーションが存在する。このシチュエーションは、初回起動時や初めての位置情報取得前等の、現在のユーザのシチュエーションが不明な時のシチュエーションである。
【0024】
図4には、シチュエーション遷移モデルの一例を示す。同図では、「就寝中」、「外出中」、「起床」、「身支度中」等のシチュエーションが、「就寝時刻前」、「就業時刻前」等のライフサイクル情報、及び、「HA」、「WA」、「EX」等のエリアに応じて遷移する様子が概念的に示されている。なお、図中の「EX」とは、定義されているエリア以外の未定義のエリア(except area)のことである。
図5には、図4に示すシチュエーション遷移モデルをテーブル形式で表現した場合の一例を示す。同図に示すテーブルでは、ユーザの遷移前のシチュエーションと、エリア(HA、仮HA、WA、仮WA、EX)と、ライフサイクル情報(起床時間帯、始業時刻、就業時刻等)と、現在のシチュエーションと、が対応付けられている。
【0025】
図6には、平日におけるシチュエーションの一般的な遷移パターンの例を示す。平日におけるユーザのシチュエーションは、一般的に、HAにおいて「起床」、「身支度中」と遷移し、ユーザがHAからEXに移動するとシチュエーションはさらに「出勤開始」、「出勤中」へと遷移し、ユーザがEXからWAに移動するとシチュエーションはさらに「仕事開始」、「仕事中」、「残業開始」、「残業中」へと遷移し、ユーザがWAからEXに移動するとシチュエーションはさらに「仕事終了」、「帰宅中」へと遷移し、ユーザがEXからHAに移動するとシチュエーションはさらに「帰宅」、「在宅中」、「就寝」、「就寝中」へと遷移する。
【0026】
図7には、休日におけるシチュエーションの一般的な遷移パターンの例を示す。休日におけるユーザのシチュエーションは、一般的に、HAにおいて「起床」、「在宅中」と遷移し、ユーザがHAからEXに移動するとシチュエーションはさらに「外出」、「外出中」へと遷移し、ユーザがEXからHAに移動するとシチュエーションはさらに「帰宅」、「在宅中」、「就寝」、「就寝中」へと遷移する。このように、一般的に平日と休日とでシチュエーションの遷移パターンが異なるため、モデル定義部16は、平日用と休日用との2種類のライフスタイルモデルを定義し、平休日区分と対応付けて記憶しておく。
【0027】
(シチュエーション推定部)
シチュエーション推定部17は、モデル定義部16により定義されたシチュエーション遷移モデルと、位置情報取得部13により取得された位置情報と、時刻情報取得部14により取得された時刻情報と、ユーザの遷移前のシチュエーションとに基づいて、ユーザの現在のシチュエーションを推定する。
具体的には、シチュエーション推定部17は、ライフサイクル情報に基づいて、時刻情報取得部14により取得された時刻情報で表される現在時刻がユーザのライフサイクルのどの分類項目(起床時間帯、始業時刻、就業時刻等)に該当するかを判定する。また、シチュエーション推定部17は、位置情報取得部13により取得された位置情報に対応するエリアを判定する。
【0028】
さらに、シチュエーション推定部17は、後述するユーザのログ情報から、ユーザの直近のシチュエーション、つまり遷移前のシチュエーションを取得する。そして、シチュエーション推定部17は、判定したライフサイクルの分類項目と、判定したエリアと、取得した遷移前のシチュエーションと、に対応する現在のシチュエーションをシチュエーション遷移モデルから取得し、当該取得した現在のシチュエーションをユーザの現在のシチュエーションと推定する。
【0029】
(ログ情報生成部)
ログ情報生成部18は、ユーザ毎の行動の履歴を表すログ情報を生成し、スクラッチパッド123bに記憶する。図8には、ログ情報のデータ構成の一例を示す。同図に示すように、ログ情報には、日時、平日・休日区分、位置情報、エリアの種類、シチュエーション、推定起床時刻・推定就寝時刻、表示したセリフID、質問に対する回答、及び、端末開閉時刻・キー操作時刻等の端末操作ログが含まれる。これらのログ情報は、例えば、セリフを表示する画像が表示装置104に表示された時、ユーザが質問に答えた時、GPSによる位置測位が行われた時、ユーザが携帯端末100の操作を行った時等に記憶される。
また、ログ情報生成部18は、生成したログ情報のうち、ユーザIDと、日時と、シチュエーションと、エリアの種類と、位置情報とを送受信部12を介してサーバ装置200に送信する。
【0030】
(サーバ装置の構成)
次に、サーバ装置200の構成について説明する。図9は、サーバ装置200のハードウェア構成を示すブロック図である。同図に示すように、サーバ装置200は、全体を制御するCPU201と、プログラムやデータ等のソフトウェアを記憶するROM、RAM、ハードディスク等を含む記憶装置202と、外部装置と通信回線を介して通信を行うための通信インターフェース203とを備えている。
【0031】
図10は、サーバ装置200の機能構成を示すブロック図である。なお、これらの機能は、図9に示す各種ハードウェアや、CPU101が記憶装置102に記憶されたプログラムやデータに従って処理を実行することにより、実現されるものである。
図10に示すように、サーバ装置200が備える機能は、基本部2Aと、管理部2Bと、生成部2Cとに大きく分類される。基本部2Aは、送受信部21を備えている。送受信部21は、通信インターフェース103で構成される。送受信部21は、外部装置とのデータの授受を制御する。
管理部2Bは、ログ情報記憶部22を備えている。ログ情報記憶部22は、ハードディスクに設けられたログ情報管理テーブルであり、携帯端末100から受信したログ情報を管理する。
【0032】
図11には、ログ情報管理テーブルの一例を示す。同図に示すように、ログ情報管理テーブルには、携帯端末100を携帯するユーザを識別するための「ユーザID」と、ログが記録された時点の「日付」及び「時刻」と、その時点のユーザの「シチュエーション」と、その時点にユーザが居る「エリア」と、その時点にユーザが居る地点の位置情報を表す「経度」及び「緯度」と、が記録される。
生成部2Cは、表示情報生成部26と、地図情報記憶部23と、表示制御ルール記憶部24と、位置補正判定部25とを備えている。
地図情報記憶部23は、ハードディスクに設けられたデータベースであり、地図を表示するための画像データを記憶する。
【0033】
表示制御ルール記憶部24は、ハードディスクに設けられた表示制御テーブルであり、表示制御ルールを記憶する。図12には、表示制御テーブルの一例を示す。同図に示すように、表示制御テーブルには、「ユーザID」と「表示しないシチュエーション」とが記憶される。当該データは携帯端末100からのユーザの入力により登録可能である。例えば、図12に示す表示制御テーブルには、ユーザID「001」と、表示しないシチュエーションとして「起床」、「身支度中」、「在宅中」、「就寝中」とが対応付けられて記憶されているため、この表示制御テーブルを用いて表示制御を行うことで、ユーザID「001」で識別されるユーザについてのプライベートに関わるシチュエーションの内容が表示されるのを防ぐことができる。
【0034】
位置補正判定部25は、ログ情報管理テーブルにおいて、同一のシチュエーションに対応付けられて記憶されている複数の位置情報(緯度及び経度)のうち、各位置情報で示される位置が異なるものが存在する場合、その位置の違いが位置情報取得部13におけるGPS測位誤差によるものであるか否かを判定する。例えば、位置補正判定部25は、前記同一のシチュエーションが、ユーザが同一のエリアに居ることに基づいてシチュエーション推定部17により推定されたものである場合には、その位置の違いが測位誤差によるものであると判定する。なお、位置同士が近い場合や、各位置に対応する時刻同士の差が所定時間以内の場合に、位置の違いが測位誤差によるものと判定してもよい。
【0035】
表示情報生成部26は、地図情報生成機能261と時系列情報生成機能262とを備えている。
地図情報生成機能261は、ログ情報管理テーブルに記憶された緯度及び経度で示される地図上における位置に、前記緯度及び経度に対応付けられてログ管理テーブルに記憶されているシチュエーションの内容を表示したユーザ行動履歴を表示するための地図情報を生成する。この際に、地図情報生成機能261は、表示制御テーブルに記憶されている「表示しないシチュエーション」を除外して地図情報を生成する。図13(a)及び図14(a)には、地図情報生成機能261により生成された地図情報に基づいて表示される、地図上におけるユーザ行動履歴の一例を示す。図13(a)は、図11に示すログ情報管理テーブルに記憶されているユーザID「001」のログ情報と、図12に示す表示制御テーブルに記憶されているユーザID「001」の表示制御ルールとに基づいて表示されるユーザの行動履歴である。図14(a)は、図11に示すログ情報管理テーブルに記憶されているユーザID「002」のログ情報と、図12に示す表示制御テーブルに記憶されているユーザID「002」の表示制御ルールとに基づいて表示されるユーザの行動履歴である。
【0036】
図12に示す表示制御テーブルには、ユーザID「001」と対応付けられて、表示しないシチュエーション「起床、身支度中、在宅中、就寝中」が記憶されている。このため、図11に示すログ情報管理テーブルには、ユーザID「001」で識別されるユーザのシチュエーションとして「起床」、「身支度中」、「在宅中」、「就寝中」が登録されているにも関わらず、図13(a)では、これらのシチュエーションは表示されずに、出勤中に対応する「通勤」、仕事中に対応する「仕事」及び、帰宅中に対応する「帰路」のみが表示されている。
【0037】
また、図12に示す表示制御テーブルには、ユーザID「002」と対応付けられて、表示しないシチュエーション「なし」が記憶されている。このため、図11に示すログ情報管理テーブルにおいて、ユーザID「002」と対応付けられて記憶されているシチュエーション「起床」、「在宅中」、「外出中」、「就寝中」全てが表示対象となり、図14(a)ではこれらのシチュエーション全てに対応する「就寝」、「在宅」、「外出」が表示されている。
【0038】
時系列情報生成機能262は、ユーザのシチュエーションの内容を時系列で表示するための時系列情報を生成する。この際に、時系列情報生成機能262は、地図情報生成機能261と同様に、表示制御テーブルに記憶されている「表示しないシチュエーション」を除外して、時系列情報を生成する。図13(b)及び図14(b)には、時系列情報生成機能262により生成された時系列情報に基づいて表示されるタイムテーブルの一例を示す。図13(b)は、図11に示すログ情報管理テーブルに記憶されているユーザID「001」のログ情報と、図12に示す表示制御テーブルに記憶されているユーザID「001」の表示制御ルールとに基づいて表示されるタイムテーブルである。図14(b)は、図11に示すログ情報管理テーブルに記憶されているユーザID「002」のログ情報と、図12に示す表示制御テーブルに記憶されているユーザID「002」の表示制御ルールとに基づいて表示されるタイムテーブルである。図13(b)及び図14(b)に示す各タイムテーブルには、ログ情報管理テーブルに記録されている時刻順に、表示対象のシチュエーションの内容が表示されている。さらに、各タイムテーブルでは、各シチュエーションに対応付けられてログ情報管理テーブルに記憶されているおおよその時刻がわかるように、右側に6時間刻みの時刻表示がなされている。
【0039】
なお、図13及び図14には、地図上のユーザ行動履歴とタイムテーブルとの両方を表示する表示例を示したが、表示方法はこれに限らず、例えば、地図上のユーザ行動履歴のみを表示してもよいし、タイムテーブルのみを表示してもよい。
また、表示情報生成部26は、位置補正判定部25により、ログ情報管理テーブルに記憶されている同一のシチュエーションに対応付けられた複数の位置情報のうち、各位置情報で示される位置が異なるものが存在し、その位置の違いが測位誤差によるものであると判定された場合、前記異なる複数の位置情報に対する1つの補正位置情報を生成し、当該複数の位置情報各々で示される各位置に同一のシチュエーションの内容を表示する代わりに、補正位置情報で示される1つの位置に前記同一のシチュエーションの内容を表示するための地図情報を生成する。
【0040】
例えば、前記同一のシチュエーションが、ユーザが同一のエリアに居ることに基づいて推定されたものであり、これによりその位置の違いが測位誤差によるものであると判定された場合には、表示情報生成部26は、前記同一のエリアの中心を示す位置情報を補正位置情報とする。
図15(a)は位置補正を行わない場合の表示例である。図15(a)に示すように、丸で囲まれているHA内において「在宅」のシチュエーションが点在して表示される場合には、「在宅」のシチュエーションはユーザがHAにいることにより推定されたものと考えられるため、表示情報生成部26は、HAの中心を示す位置情報を補正位置情報とする。この補正により、図15(b)に示すように、「在宅」のシチュエーションをHAの中心位置にまとめて表示することができる。
【0041】
(行動履歴表示プログラム)
上述したように、サーバ装置200の記憶装置202に記憶されているプログラム(「行動履歴表示プログラム」に対応)は、サーバ装置(「コンピュータ」に対応)200に、ユーザのシチュエーションと、ユーザの位置情報と、時刻情報とを対応付けて、ログ情報として逐次記憶するログ情報記憶部22と、ログ情報記憶部22に記憶された位置情報で示される地図上における位置に、前記位置情報に対応付けられてログ情報記憶部22に記憶されているシチュエーションの内容を表示したユーザ行動履歴を表示するための地図情報を生成する表示情報生成部26として機能させるためのプログラムである。
【0042】
(クライアント装置)
次に、クライアント装置300の構成について説明する。クライアント装置300は、図9を参照してサーバ装置200について説明したものと同様のハードウェア構成を備えている。
図16には、クライアント装置300の機能構成を示す。同図に示すように、クライアント装置300は、基本部として、各種情報を表示する表示部31と、通信回線を介したデータの授受を行う送受信部32とを備えている。
送受信部32は、サーバ装置200からユーザの行動履歴を表示するための画面表示情報を受信する。
表示部31は、送受信部32が受信した画面表示情報に基づいて、ユーザの行動履歴を表示する。
【0043】
(動作)
次に、図17に示すシーケンス図を参照して、行動履歴表示システムが実行する行動履歴表示処理について説明する。
まず、携帯端末100のログ情報生成部18は、ログ情報を生成する(ステップS1)。そして、携帯端末100は、生成したログ情報のうち、ユーザIDと、日時と、シチュエーションと、エリアの種類と、位置情報とを、送受信部12を介してサーバ装置200に送信する(ステップS2)。
サーバ装置200は、送受信部21を介して携帯端末100からログ情報を受信すると、ログ情報記憶部22に当該ログ情報を蓄積する(ステップS3)。
【0044】
表示情報生成部26は、ユーザのシチュエーションの内容を地図上の該当位置に表示するための地図情報と、シチュエーションの内容を時系列で表示するための時系列情報とを生成する(ステップS4)。
そして、サーバ装置200は、送受信部21を介して、地図情報及び時系列情報をクライアント装置300に送信する(ステップS5)。
クライアント装置300は、送受信部32を介して、地図情報及び時系列情報をサーバ装置200から受信し、ユーザ行動履歴を示す地図及びタイムテーブルを表示部31に表示する(ステップS6)。
【0045】
以上説明したように、携帯端末100はログ情報をサーバ装置200に逐次送信し、サーバ装置200はログ情報をログ情報記憶部22に逐次記憶し、表示情報生成部26は地図情報を生成してクライアント装置300に送信するため、クライアント装置300は当該地図情報に基づいて地図上にユーザの1日の行動履歴を表示することができる。このように、ユーザが滞在した位置情報を地図上に表示するだけではなく、その位置にいる時のユーザのシチュエーションも表示することができるため、ユーザはより詳細に1日を振り返ることが可能となる。
【0046】
さらに、表示情報生成部26は、ユーザのシチュエーションの内容を時系列で表示するための時系列情報をさらに生成するため、クライアント装置300は当該時系列情報に基づいてタイムテーブルを表示することができる。地図上の行動履歴とともにタイムテーブルを表示することで、ユーザの1日の詳細な行動履歴を視覚的に容易に認識可能とすることができる。
【0047】
また、位置補正判定部25により、ログ情報記憶部22に記憶されている同一のシチュエーションに対応付けられた複数の位置情報のうち、各位置情報で示される位置が異なるものが存在し、その位置の違いが測位誤差によるものであると判定された場合、表示情報生成部26は、測位誤差による位置情報の違いを補正して、補正後の1つの位置にシチュエーションの内容を表示することができるため、ユーザの行動履歴を正確に見易く表示することができる。
【0048】
また、表示制御ルール記憶部24は表示対象外とするシチュエーションを記憶し、表示情報生成部26は表示制御ルール記憶部24に記憶された表示対象外のシチュエーションを除いて地図情報及び時系列情報を生成するため、例えば、「在宅中」、「就寝中」等のプライバシーに関係するシチュエーションを表示対象外として表示制御ルール記憶部24に記憶しておくことで、ユーザのプライバシー情報を非表示とすることができ、外回り営業の勤怠管理、業務報告書作成、業務日誌等、公的な用途に本発明を利用することが可能となる。
【0049】
なお、上述した実施形態に係る行動履歴表示システムを構成する各装置が備える機能は一例に過ぎず、各機能は、携帯端末100、サーバ装置200、クライアント装置300のどの装置が備えていてもよい。例えば、各機能を、サーバ装置200のみが備えていてもよいし、携帯端末100、サーバ装置200、クライアント装置300以外の別の装置が備えていてもよい。
【0050】
また、地図上に表示する情報としては、シチュエーションに限らず、各シチュエーションに対応する時刻を表示してもよいし、シチュエーションに応じた広告を表示してもよい。
また、ユーザのシチュエーションとともに、ユーザのコンディションを表示してもよい。ユーザのコンディションとはユーザの心身の状態であり、ログ情報記憶部22に記憶されているログ情報に基づいて算出されるコンディション指数から推定することができる。コンディション指数としては、例えば、「睡眠指数」、「労働指数」、「元気指数」、「マンネリ指数」、「引きこもり指数」、「テンション指数」等が存在する。
【0051】
「睡眠指数」とは、ユーザの睡眠が十分であるか否かの指標となる指数である。例えば、ログ情報記憶部22に記憶されている推定起床時刻・推定就寝時刻に基づくユーザの過去の睡眠時間(つまり推定就寝時刻から推定起床時刻までの時間)の平均値が、ユーザの直近の睡眠時間が過去の睡眠時間の平均値より長い場合には、「睡眠指数」としてユーザの睡眠がより十分であることを示す値が算出され、ユーザの直近の睡眠時間が過去の睡眠時間の平均値より短い場合には、「睡眠指数」としてユーザの睡眠がより不十分であることを示す値が算出される。
【0052】
「労働指数」とは、ユーザが働き過ぎか否かの指標となる指数である。例えば、ログ情報記憶部22において「仕事中」、「残業中」、「仕事開始」、「仕事終了」等のシチュエーションと対応付けられている日時に基づいて算出されたユーザの直近の労働時間が、ユーザの過去の労働時間の平均値よりも長い場合には、「労働指数」としてユーザの労働時間がより長いことを表す値が算出され、ユーザの直近の労働時間がユーザの過去の労働時間の平均値より短い場合には、「労働指数」としてユーザの労働時間がより短いことを表す値が算出される。
【0053】
「元気指数」とは、ユーザの元気の度合いを示す指数である。例えば、「元気指数」は、「睡眠指数」と「労働指数」との加算により算出される。
「マンネリ指数」とは、ユーザの日々の生活パターンに変化があるか否かの指標となる指数である。例えば、「仕事終了」、「帰宅」等のシチュエーションと対応付けられてログ情報記憶部22に記憶されている日時に基づいて算出されたユーザの日毎の帰宅中の時間(つまり、仕事終了から帰宅までの時間)や出勤中の時間(つまり、出勤開始から仕事開始までの時間)の差が、全て(又は一部であってもよい)所定時間以内(例えば30分以内)の場合、「マンネリ指数」としてユーザの生活パターンの変化がより小さいことを示す値が算出され、日毎の帰宅中の時間や出勤中の時間の差が1つでも(又は全てであってもよい)所定時間を超えている場合、「マンネリ指数」としてユーザの生活パターンの変化がより大きいことを示す値が算出される。
【0054】
「引きこもり指数」とは、ユーザが社会への参加を避ける引きこもりの傾向を示す指数である。例えば、ログ情報及びエリア定義情報に基づいて、休日におけるユーザのシチュエーションが「在宅中」であり、かつ、「元気指数」がユーザの元気のない度合いが比較的高いことを示しており(例えば「元気指数」が0以下)、かつ、ユーザが所定時間以上(例えば、6時間以上)ユーザの居住するエリア(本実施形態ではHA又は仮HA)に滞在していると判断した場合、「引きこもり指数」としてユーザの引きこもりの傾向がより高いことを示す値が算出される。
【0055】
また、ユーザの引きこもりの傾向がより高いことを示している時に、ユーザ履歴ログに基づいてユーザがHA及び仮HA外に移動したと判断した場合、又は、ユーザのシチュエーションが「外出中」となった場合、「引きこもり指数」としてユーザの引きこもりの傾向がより低いことを示す値が算出される。
「テンション指数」は、ユーザの気分が高揚しているか沈んでいるかを示す指数である。例えば、「テンション指数」は、質問に対するユーザの返答の内容に基づいて算出される。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明は、ユーザの行動履歴を自動的に表示することができるため、日記、外回り営業の勤怠管理、業務報告書作成、業務日誌、家族の所在地の管理等に利用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の実施形態に行動履歴表示システムの全体構成を示す図である。
【図2】同実施形態に係る携帯端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】同実施形態に係る携帯端末の機能構成を示すブロック図である。
【図4】同実施形態に係るシチュエーション遷移モデルの一例を示す図である。
【図5】図4に示すシチュエーション遷移モデルをテーブル形式で表現した場合の一例を示す図である。
【図6】同実施形態に係る平日のシチュエーションの遷移パターンの一例を示す図である。
【図7】同実施形態に係る休日のシチュエーションの遷移パターンの一例を示す図である。
【図8】同実施形態に係るユーザ履歴ログのデータ構成の一例を示す図である。
【図9】同実施形態に係るサーバ装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図10】同実施形態に係るサーバ装置の機能構成を示すブロック図である。
【図11】同実施形態に係るログ情報管理テーブルの一例を示す図である。
【図12】同実施形態に係る表示制御テーブルの一例を示す図である。
【図13】同実施形態に係る表示情報生成部により生成された地図情報及び時系列情報に基づいて表示される地図及びタイムテーブルの一例を示す図である。
【図14】同実施形態に係る表示情報生成部により生成された地図情報及び時系列情報に基づいて表示される地図及びタイムテーブルの一例を示す図である。
【図15】同実施形態に係る在宅のシチュエーションを1箇所にまとめて表示する様子を示す図である。
【図16】同実施形態に係るクライアント装置の機能構成を示す図である。
【図17】同実施形態に係る行動履歴表示システムが実行する行動履歴表示処理を示すシーケンス図である。
【符号の説明】
【0058】
100 携帯端末
1A 基本部
11 表示部
12 送受信部
13 位置情報取得部
14 時刻情報取得部
1B 生成部
15 エリア定義部
16 モデル定義部
17 シチュエーション推定部
18 ログ情報生成部
101 CPU
102 記憶装置
103 通信インターフェース
104 表示装置
105 入力装置
106 音出力装置
107 入力装置
108 内部時計
109 GPS受信機
123 不揮発性メモリ
123a アプリ保存領域
123b スクラッチパッド
200 サーバ装置
2A 基本部
21 送受信部
2B 管理部
22 ログ情報記憶部
2C 生成部
23 地図情報記憶部
24 表示制御ルール記憶部
25 位置補正判定部
26 表示情報生成部
261 地図情報生成機能
262 時系列情報生成機能
201 CPU
202 記憶装置
203 通信インターフェース
300 クライアント装置
31 表示部
32 送受信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの1日のライフサイクルを表すライフサイクル情報と前記ユーザが目的に応じて滞在する場所を表すエリアとに依存する、前記ユーザの状況を表すシチュエーションの遷移順を定義したシチュエーション遷移モデルを記憶するモデル定義手段と、
現在のユーザの位置情報を取得する位置情報取得手段と、
現在の時刻を表す時刻情報を取得する時刻情報取得手段と、
前記シチュエーション遷移モデルと前記位置情報取得手段により取得された位置情報と前記時刻情報取得手段により取得された時刻情報と前記ユーザの遷移前のシチュエーションとに基づいて、前記ユーザの現在のシチュエーションを推定するシチュエーション推定手段と、
前記シチュエーション推定手段により推定されたシチュエーションと、前記位置情報取得手段により取得された位置情報と、前記時刻情報取得手段により取得された時刻情報とを対応付けて、ログ情報として逐次記憶するログ情報記憶手段と、
前記ログ情報記憶手段に記憶された位置情報で示される地図上における位置に、前記位置情報に対応付けられて前記ログ情報記憶手段に記憶されているシチュエーションの内容を表示したユーザ行動履歴を表示するための地図情報を生成する表示情報生成手段と
を備えたことを特徴とする行動履歴表示システム。
【請求項2】
前記表示情報生成手段は、
前記ログ情報記憶手段に記憶されているシチュエーションの内容を時系列で表示するための時系列情報をさらに生成することを特徴とする請求項1に記載の行動履歴表示システム。
【請求項3】
前記表示情報生成手段は、
前記ログ情報記憶手段に記憶されているシチュエーションの内容と、該シチュエーションに対応付けられて前記ログ情報記憶手段に記憶されている時刻情報とを関連付けて表示するための時系列情報を生成することを特徴とする請求項2に記載の行動履歴表示システム。
【請求項4】
前記ログ情報記憶手段に記憶されている同一のシチュエーションに対応付けられた複数の位置情報のうち、各位置情報で示される位置が異なるものが存在する場合、その位置の違いが前記位置情報取得手段による測位誤差によるものであるか否かを判定する位置補正判定手段をさらに備え、
前記位置補正判定手段により前記違いが測位誤差によるものであると判定された位置情報が存在する場合、前記表示情報生成手段は、前記位置情報各々に対する1つの補正位置情報を生成し、
前記位置情報各々で示される各位置に前記同一のシチュエーションの内容を表示する代わりに、前記補正位置情報で示される1つの位置に前記同一のシチュエーションの内容を表示するための地図情報を生成することを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の行動履歴表示システム。
【請求項5】
前記位置補正判定手段は、前記同一のシチュエーションが、前記ユーザが同一のエリアに居ることに基づいて前記シチュエーション推定手段により推定されたものである場合には、前記違いが前記測位誤差によるものであると判定し、
前記表示情報生成手段は、前記同一のエリアの中心を示す位置情報を前記補正位置情報とすることを特徴とする請求項4に記載の行動履歴表示システム。
【請求項6】
ユーザの行動履歴の表示を制御するための表示制御ルールを記憶する表示制御ルール記憶手段をさらに備え、
前記表示情報生成手段は、前記表示制御ルール記憶手段に記憶されている表示制御ルールに基づいて、前記地図情報及び前記時系列情報を生成することを特徴とする請求項2から5の何れか1項に記載の行動履歴表示システム。
【請求項7】
前記表示制御ルール記憶手段は、表示対象外とするシチュエーションを記憶し、
前記表示情報生成手段は、前記表示制御ルール記憶手段に記憶されたシチュエーションの内容を表示対象外として、前記地図情報及び前記時系列情報を生成することを特徴とする請求項6に記載の行動履歴表示システム。
【請求項8】
コンピュータを、
ユーザの状況を表すシチュエーションと、ユーザの位置情報と、時刻情報とを対応付けて、ログ情報として逐次記憶するログ情報記憶手段と、
前記ログ情報記憶手段に記憶された位置情報で示される地図上における位置に、前記位置情報に対応付けられて前記ログ情報記憶手段に記憶されているシチュエーションの内容を表示したユーザ行動履歴を表示するための地図情報を生成する表示情報生成手段と
して機能させるための行動履歴表示プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2010−97348(P2010−97348A)
【公開日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−266628(P2008−266628)
【出願日】平成20年10月15日(2008.10.15)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】