説明

表皮材の貼り付け方法

【課題】3次元形状の基材表面の任意の位置で表面意匠(色合い、色柄、絵柄等)が変化する部材の製造に際し、基材の所望位置に表皮材の意匠変化位置が精緻に位置決めされて貼り付けられた部材を製造することのできる、表皮材の貼り付け方法を提供する。
【解決手段】基材Wの表面に表皮材Sを貼り付ける表皮材の貼り付け方法であって、下チャンバー2に配された磁性体6を具備する治具5上に基材Wを載置し、上チャンバー1と下チャンバー2を型閉めして双方のチャンバー1,2で磁性領域7を具備する表皮材Sを挟み込み、表皮材Sによって上チャンバー空間K1と下チャンバー空間K2を画成し、表皮材Sを加熱して軟化させた状態で、下チャンバー空間K2を真空引きし、上チャンバー空間K1を加圧することで、表皮材Sの磁性領域7を磁性体6に磁気吸引させて該表皮材Sを基材Wに貼り付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基材の表面にたとえば意匠面を具備する表皮材を貼り付ける方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
樹脂や金属素材の基材表面に、着色表面や絵柄表面を備えたプラスチックフィルムやプラスチックシート等の表皮材を貼り付けるに際し、特許文献1に開示の被覆方法、装置のように、チャンバーボックスのうち、上下のチャンバーにて表皮材を把持し、この表皮材にてチャンバーボックス内を上下2つの空間に画成し、基材(ここでは中空芯材)に被覆する表皮材を加熱軟化させた状態で、下方のチャンバー空間を減圧し、上方のチャンバー空間を加圧することで、表皮材を基材に押圧して被覆する方法が知られている。
【0003】
この方法によれば、チャンバー内で真空引きと加圧をおこなうことにより、軟化したフィルムを基材に対して良好に貼り付けることができる。より具体的には、基材の形状が特許文献1に開示のもののように平面状の場合であって、かつ表皮材が一様な意匠面からなる場合にはその効果を享受することができる。
【0004】
しかし、基材が折れ線を有した3次元形状を有する場合や、さらに、この折れ線を境界としてその左右で絵柄や着色等の意匠が変化する場合にはその効果が十分に期待できない。なぜなら、チャンバー内で単に真空引きや加圧をおこなうだけでは、表皮材を基材表面に気泡等を介在させることなく綺麗に貼り付けることはできても、基材の折れ線の位置と軟化フィルムの意匠変化線とを一致させることは極めて困難だからであり、双方の一致は成り行きに依存せざるを得ない。
【0005】
したがって、折れ線を有する3次元形状の基材表面に対して、この折れ線に対応する位置で意匠が変化するフィルム状の表皮材を精緻に位置決めしながら貼り付ける加工は困難である。なお、現在は、いわゆる一色べた塗り加工が適用されているが、この加工法では、絵柄等の形状を有する印刷が施された表皮材基材に対して精緻に位置決めしながらその貼り付けをおこなうことが極めて困難である。
【0006】
なお、このように基材が折れ線を有した3次元形状を有する部材として、たとえば車室内のインパネを挙げることができる。このインパネは、その内部にオーディオ機器や冷暖房機器が内蔵されていることから、3次元的に立体形状であることは勿論のこと、その上下でインパネ表層の色合いや色柄が相違することも往々にしてある。このように、3次元形状であって、しかもその途中位置を境に表皮の色合いや色柄、絵柄等が相違する部材が現存していることに加えて、そのバリエーションは今後益々多くなることが予想されることに鑑みれば、3次元形状の基材の所望位置に表面意匠の相違する表皮材の意匠変化位置(ライン)を精緻に位置決めしながら表皮材の貼り付けをおこなうことのできる方法の開発が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−7422号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記する問題に鑑みてなされたものであり、3次元形状の基材表面の任意の位置で表面意匠(色合い、色柄、絵柄等)が変化する部材の製造に際し、基材の所望位置に対し、表皮材の意匠変化位置(ライン)を精緻に位置決めしながらその貼り付けをおこなうことのできる、表皮材の貼り付け方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成すべく、本発明による表皮材の貼り付け方法は、基材の表面に表皮材を貼り付ける表皮材の貼り付け方法であって、下チャンバーに配された磁性体を具備する治具上に基材を載置し、上チャンバーと下チャンバーを型閉めして双方のチャンバーで磁性領域を具備する表皮材を挟み込み、表皮材によって上チャンバー空間と下チャンバー空間を画成し、表皮材を加熱して軟化させた状態で、下チャンバー空間を真空引きし、上チャンバー空間を加圧することで、表皮材の前記磁性領域を前記磁性体に磁気吸引させて該表皮材を基材に貼り付けるものである。
【0010】
本発明の表皮材の貼り付け方法は、既述する従来構造の上下チャンバーからなるチャンバーボックスを使用しながら、相互に貼り付けられる基材と表皮材のうち、表皮材に磁性領域を設けておき、基材を載置する治具にこの磁性領域を磁気吸引する磁性体を設けておき、双方が磁気吸引した状態において、基材表面の所望位置に表皮材の意匠変化位置が対応するように磁性領域および磁性体双方の位置を調整しておくことで、表皮材の意匠変化位置を基材表面の所望位置に精緻に位置決めしながら、その貼り付けを実現できるものである。
【0011】
上下のチャンバーで表皮材を挟み込んだ状態において、上下チャンバーからなるチャンバーボックスはこの表皮材にて上下2つのチャンバー空間を画成する。湾曲面、相互に傾斜した複数の平面の組み合わせ、平面と湾曲面の組み合わせなどからなる3次元形状を呈する基材を、上下チャンバーの型閉め前に下チャンバーに設けられた治具に固定する。
【0012】
この治具は、シリンダ機構等によって昇降自在となっているのが好ましく、治具に基材を載置した姿勢でこれが上昇し、上下チャンバーにて把持された表皮材近傍までアクセスし、表皮材と基材が当接する位置で、もしくは所望の離間位置で治具が停止するようになっている。
【0013】
表皮材にて2つの空間に画成された一方の上チャンバー空間には加圧流体を該空間内に通流させる各種手段(コンプレッサ、配管系など)が流体連通しており、他方の下チャンバー空間には該空間内を真空引きする各種手段(吸引ポンプ、配管系など)が同様に流体連通している。さらに、上下チャンバーのいずれか一方には加熱手段が設けてあり、双方のチャンバーを型閉めした姿勢において表皮材を加熱軟化できるようになっている。
【0014】
3次元形状の基材に対して表皮材を貼り付けるに際し、基材のうち、下チャンバー側に回り込んだ領域にも空隙等なく表皮材を回り込ませて貼り付けるには、下方チャンバー空間からの真空引きに加えて、上方チャンバー空間を加圧し、基材に対して表皮材の上方から押し込む力を付与するのが好ましい。
【0015】
そこで、表皮材を加熱軟化させた状態で、下方チャンバー内を真空引きしながら、これと同時に上方チャンバー内を加圧することにより、基材に対して空隙のない状態で表皮材を綺麗に貼り付けることができる。
【0016】
ここで、本発明においては、治具に設けられた磁性体と相互に磁気吸引する磁性領域をこの表皮材の内部に設けておくものであり、真空吸引と加圧によって表皮材が基材に貼り付く際に、治具の磁性体と表皮材の磁性領域が相互に磁気吸引することにより、治具に載置された基材の所望位置と表皮材の所望位置(意匠変化ライン等)を精緻に位置決めしながら、表皮材の貼り付けを実施することができる。
【0017】
また、基材の内部ではなくて治具側に磁性体が配されていることから、多数の表皮材の貼り付けに際して磁性体を具備する一つの治具を使用することができ、基材と表皮材の双方に磁石等の磁気吸引手段を設ける場合に比して製造コストを大幅に抑制することができる。
【0018】
ここで、治具に設けられる磁性体として強磁性〜軟磁性の磁石を挙げることができる。また、表皮材に設けられる磁性領域の形成方法の一例として、ベースとなる樹脂フィルム上の所望位置に磁粉入りの樹脂インクを塗工しておき、他の領域は磁粉を含まない通常の樹脂インクを塗工することで、所望位置に磁性領域を具備するフィルム状の表皮材を形成することができる。
【0019】
また、意匠層と粘着層から構成される表皮材を使用することもでき、この形態においては、粘着層が基材に直接的に貼り付けられるようになっている。この表皮材によれば、基材と接着される粘着層の可撓性(変形性)によって接着界面での応力等は粘着層内で吸収され、表層の意匠層に基材との接着界面の影響が付与され難く、初期の表面意匠を保証することができる。
【0020】
また、基材と表皮材からなる3次元形状の製品形態に関し、基材と表皮材がともに相互に対応する折れ線を有する3次元形状を呈しており、磁性領域と磁性体がそれぞれ、表皮材と治具において折れ線に対応する位置に配されている形態を挙げることができる。
【0021】
平面とこれに対して傾斜する平面との境界を成す折れ線、平面と湾曲面の境界を成す折れ線、曲率の異なる湾曲面の境界を成す折れ線など、3次元形状では複数の折れ線が存在するのが一般的であり、また、製品意匠性の観点からも、この折れ線を意匠変化位置とするのが好ましい。
【0022】
そこで、磁性領域と磁性体が表皮材と治具それぞれの折れ線に対応する位置に配され、基材が治具と相補的な形状を呈してこれに載置されていることにより、この折れ線にて双方を磁気吸引しながら、その左右もしくは上下で相違する意匠面を具備する表皮材の意匠変化位置を基材の折れ線に対応させながら、その貼り付けをおこなうことが可能となる。
【発明の効果】
【0023】
以上の説明から理解できるように、本発明の表皮材の貼り付け方法によれば、3次元形状の基材表面の任意の位置で色合い、色柄、絵柄等の表面意匠が変化する部材の製造に際し、基材の所望位置に表皮材の意匠変化位置が精緻に位置決めされて貼り付けられた部材を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の貼り付け方法で適用されるチャンバーボックスにおいて、上チャンバーと下チャンバーが型開きした状態を説明した模式図である。
【図2】表皮材を拡大してその構成を説明した模式図である。
【図3】上チャンバーと下チャンバーが型閉めされて表皮材を挟み込み、加熱と真空引きと加圧を実施している状態を説明した模式図である。
【図4】基材表面に表皮材が貼り付けられた状態を説明した模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照して本発明の表皮材の貼り付け方法を説明する。なお、図示する基材は、相互に傾斜した複数の平面から構成される3次元形状を呈するものであるが、図示例以外にも、複数の曲率の異なる湾曲面の組み合わせ、平面と湾曲面の組み合わせ、などからなる任意の3次元形状を呈する形態であってもよいことは勿論のことである。
【0026】
図1は、本発明の貼り付け方法で適用されるチャンバーボックスにおいて、上チャンバーと下チャンバーが型開きした状態を説明した模式図であり、図2は、表皮材を拡大してその構成を説明した模式図である。
【0027】
図示するチャンバーボックスは、シリンダ装置3にて昇降自在(X1方向)な上チャンバー1と、別途の昇降装置4にて昇降自在な治具5を内部に具備する下チャンバー2と、から大略構成されている。
【0028】
上チャンバー1は、その内部に加熱ヒータ11を内蔵しており、上下チャンバーが型閉めされた状態で加熱ヒータ11が稼動し、上下チャンバーにて挟み込んだ表皮材Sを所望に軟化できるようになっている。なお、この加熱ヒータは下チャンバー2に内蔵されるものであってもよい。
【0029】
また、上チャンバー1には、圧縮エア等の加圧流体を上チャンバー1の内部に通流させる配管系12およびコンプレッサ13(もしくは圧力ポンプ)が流体連通している。
【0030】
一方、下チャンバー2には、下チャンバー2の内部を真空引きする配管系21と吸引ポンプ22が流体連通している。
【0031】
表皮材Sが貼り付けられる基材Wは、中央の平面W1,その両側で傾斜して立ち上がる平面W2,W3、さらにこの平面W2,W3から傾斜して寝た姿勢を成す平面W4,W5から構成されており、これらが平面的に広がった3次元立体形状を成している。
【0032】
また、上記基材Wにおいて、平面W1と平面W2,W3の境界には折れ線m1、m2が形成されており、平面W2、W4と平面W3,W5それぞれの境界には折れ線m3、m4が形成されている。
【0033】
治具5と基材Wの形状は相補的であり、表皮材Sの貼り付け対象である基材Wの3次元形状に応じて治具5の形状、特にその載置面形状が形成されている。したがって、図示例以外の治具および基材の組み合わせにおいても、同様に双方が相補的な形状を有するのがよい。
【0034】
そして、基材Wを載置した際に、その各折れ線m1〜m4に対応する位置には、磁性体である磁石6が埋設されている。なお、この磁石6の磁力は、表皮材Sの貼り付けの際にこの表皮材Sの内部に配された対応する磁性領域を磁気吸引できるだけの磁力を具備していればよく、表皮材Sの平面寸法との関係で、隣接する磁性領域をも磁気吸引しない程度の磁力であればよい。
【0035】
基材Wに対し、これに貼り付けられる表皮材Sは、図2で示す2層構造を呈している。具体的には、基材Wに直接接着される粘着層S2と、色合いや色柄、絵柄等が相互に異なる意匠領域S1a〜S1eからなる意匠層S1と、から構成されており、各意匠領域S1a、S1bの間、意匠領域S1b、S1cの間、意匠領域S1c,S1dの間、意匠領域S1d、S1eの間には、磁性領域7,…が設けられている。この粘着層S2,意匠層S1ともに樹脂製のフィルムからなり、たとえば粘着層S2を予め形成しておき、この上に意匠層S1用の樹脂が塗工されて表皮材Sの全体が形成される。
【0036】
そして、この加工に際し、意匠層S1と粘着層S2の間に介在する磁性領域7は、磁性粉を含有する樹脂インクを粘着層S2表面に塗布し、これを乾燥させる(塗工)ことで形成することができる。ここで、磁性領域7を形成後に意匠領域S1a〜S1e用の樹脂インクを塗工してもよいし、磁性領域7用の樹脂インクの塗布に次いで意匠領域S1a〜S1e用の樹脂インクを塗布し、全体を一度に乾燥させてもよい。
【0037】
また、各磁性領域7は、表皮材Wにおいて、これが基材Wの表面に貼り付けられる際に治具5の折れ線に配設された各磁性体6に対応する位置に設けてある。
【0038】
図1に戻り、下チャンバー2の内部に配された治具5に基材Wを載置し、下チャンバー2の上端に表皮材Sを載置した後に、図3で示すように、シリンダ装置3を稼動させて上チャンバー1を降下させ(X1’方向)、上下のチャンバー1,2で表皮材Sを挟み込む。
【0039】
上下のチャンバー1,2を型閉めすることにより、上チャンバー1と挟持された表皮材Sとで上チャンバー空間K1が画成され、同様に、下チャンバー2と表皮材Sとで下チャンバー空間K2が画成される。
【0040】
上下のチャンバー空間K1,K2が画成されたら、シリンダ装置4を稼動させて治具5を上昇させ(X2’方向)、基材Wと表皮材Sを所望距離だけ離した姿勢を形成する。次いで、上チャンバー1内の加熱ヒータ11を稼動させて(熱流れ:Y3)、表皮材Sを加熱軟化させる。表皮材Sが所望に加熱軟化した段階で、コンプレッサ13を稼動させて圧力エアを上チャンバー空間K1に提供して内部を加圧し(Y1方向)、これと同時に、吸引ポンプ22を稼動させて下チャンバー空間K2を真空引きし(Y2方向)、その内部を真空雰囲気とする。
【0041】
下チャンバー空間K2の真空引きと上チャンバー空間K1の加圧により、表皮材Sは、図4で示すように、その上方から分布荷重P1で基材W側へ押し込まれるとともに、その下方から分布荷重P2で基材W側へ引き込まれる。なお、図4は、基材Wおよび表皮材Sの右側を拡大して双方の貼り付け状態を模擬したものである。
【0042】
そして、この上下からの押し込みと引き込みの際に、表皮材S中の各磁性領域7がそれぞれに対応する治具5の磁性体6に磁気吸引される(Z1方向)
【0043】
この磁気吸引により、意匠領域S1c,S1dの境界線L1が基材Wの折れ線m2に精緻に位置決めされ、同様に、意匠領域S1d,S1eの境界線L2が基材Wの折れ線m4に精緻に位置決めされる。
【0044】
このようにして、各意匠変化ラインと基材の折れ線が精緻に位置決めされた状態で、基材Wの表面に表皮材Sが貼り付けられることになる。
【0045】
なお、図示例以外のチャンバー形態として、上チャンバーからの加圧を廃した構成、すなわち、下チャンバー空間からの真空引きのみで表皮材を基材表面に貼り付けるチャンバーボックスを使用して表皮材の貼り付けをおこなう方法であってもよい。尤も、図4で示すように、基材Wの端部下方まで表皮材Sを回り込ませて貼り付ける場合には、下チャンバーからの真空引きに加えて上チャンバーから加圧するのが望ましく、端部の回りこみ領域をも含めた基材の全領域に対する貼り付け品質に優れた製品を得ることができる。
【0046】
上記する本発明の表皮材の貼り付け方法は、従来のチャンバーボックスに軽微な改良を加え、治具に磁性体を配するとともに表皮材の対応位置にも磁性領域を設けたことで、3次元立体形状を有し、しかも表皮材の表面意匠が変化する部材に対し、基材の折れ線等の所望位置に表皮材の表面意匠変化ラインを精緻に位置決めしながら、その貼り付けをおこなうことができる。
【0047】
さらに、基材内部でなく、治具側に磁性体を配したことで、基材および表皮材双方に磁性領域を設ける場合に比してその製造コストを安価とできる。
【0048】
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0049】
1…上チャンバー、11…加熱ヒータ、13…コンプレッサ、2…下チャンバー、22…吸引ポンプ、3,4…シリンダ装置、5…治具、6…磁性体、7…磁性領域、K1…上チャンバー空間、K2…下チャンバー空間、W…基材、S…表皮材、S1…意匠層、S2…粘着層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材の表面に表皮材を貼り付ける表皮材の貼り付け方法であって、
下チャンバーに配された磁性体を具備する治具上に基材を載置し、上チャンバーと下チャンバーを型閉めして双方のチャンバーで磁性領域を具備する表皮材を挟み込み、表皮材によって上チャンバー空間と下チャンバー空間を画成し、
表皮材を加熱して軟化させた状態で、下チャンバー空間を真空引きし、上チャンバー空間を加圧することで、表皮材の前記磁性領域を前記磁性体に磁気吸引させて該表皮材を基材に貼り付ける表皮材の貼り付け方法。
【請求項2】
前記表皮材が意匠層と粘着層からなり、該粘着層が基材に貼り付けされる、請求項1に記載の表皮材の貼り付け方法。
【請求項3】
基材と表皮材がともに相互に対応する折れ線を有する3次元形状を呈しており、
前記磁性領域と前記磁性体がそれぞれ、表皮材と治具において前記折れ線に対応する位置に配されている、請求項1または2に記載の表皮材の貼り付け方法。
【請求項4】
前記折れ線を境に表面意匠が相違している請求項3に記載の表皮材の貼り付け方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−218637(P2011−218637A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−89185(P2010−89185)
【出願日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】