表示システム、画像出力装置、制御方法及び記録媒体
【課題】制御情報が表示されることなく画像表示装置を制御できる表示システム、画像出力装置、制御方法、記録媒体を提供すること。
【解決手段】画像出力装置(書画カメラ)2及び画像表示装置(プロジェクター)3を備えた表示システム1であって、画像出力装置2は、画像表示装置3に表示させる画像である表示画像を生成する表示画像生成部(撮像画像処理部)232と、画像表示装置3を制御する制御情報を含む画像である制御画像を生成する制御画像生成部236と、表示画像及び制御画像を画像表示装置3に出力する画像出力部238とを有し、画像表示装置3は、入力される表示画像を表示する表示部(表示手段)31と、入力される制御画像に含まれる制御情報を取得する制御情報取得部324と、取得された制御情報に基づいて、当該画像表示装置の駆動を制御する駆動制御部325とを有する。
【解決手段】画像出力装置(書画カメラ)2及び画像表示装置(プロジェクター)3を備えた表示システム1であって、画像出力装置2は、画像表示装置3に表示させる画像である表示画像を生成する表示画像生成部(撮像画像処理部)232と、画像表示装置3を制御する制御情報を含む画像である制御画像を生成する制御画像生成部236と、表示画像及び制御画像を画像表示装置3に出力する画像出力部238とを有し、画像表示装置3は、入力される表示画像を表示する表示部(表示手段)31と、入力される制御画像に含まれる制御情報を取得する制御情報取得部324と、取得された制御情報に基づいて、当該画像表示装置の駆動を制御する駆動制御部325とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像出力装置と画像表示装置とを備える表示システム、当該画像出力装置、画像表示装置の制御方法、及び、制御プログラムが記録された記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像出力装置と、当該画像出力装置から入力される画像を表示する画像表示装置とを備えた表示システムが知られている。このような表示システムでは、画像出力装置と画像表示装置とは、画像信号が伝送される画像ケーブルによって接続されることが一般的である。しかしながら、このような接続形式では、画像出力装置から画像表示装置へは画像しか送信することができない。このため、画像出力装置により画像表示装置を制御する場合には、制御ケーブルを別途設けて、画像出力装置から画像表示装置に制御信号を送信する必要がある。
【0003】
これに対し、画像表示装置を制御するための制御情報を画像中に設定し、当該画像を画像表示装置に出力する表示システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に記載の表示システムでは、画像出力装置(画像供給装置)であるPCと、画像表示装置であるプロジェクターとは画像ケーブルにより接続される。そして、PCは、制御画面を表示し、当該制御画面に対する入力操作に応じてプロジェクターを制御するための2次元コードを生成する。そして、当該2次元コードを含めた画像を生成し、当該画像を画像表示装置に出力する。一方、プロジェクターは、入力された画像から2次元コードを検出及び解析することで、当該2次元コードにより示される制御情報に基づく制御を行う。これにより、通信ケーブルを用いることなく、PCによりプロジェクターを制御することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−92999号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前述の特許文献1に記載の表示システムでは、プロジェクターにより表示される画像中に、当該プロジェクターを制御するための2次元コードが設定されているため、観察者が違和感を生じ易いという問題がある。
【0006】
本発明の目的は、制御情報が表示されることなく画像表示装置を制御できる表示システム、画像出力装置、制御方法及び記録媒体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記した目的を達成するために、本発明の表示システムは、画像出力装置及び画像表示装置を備えた表示システムであって、前記画像出力装置は、前記画像表示装置に表示させる画像である表示画像を生成する表示画像生成部と、前記画像表示装置を制御するための制御情報を含む画像である制御画像を生成する制御画像生成部と、前記表示画像及び前記制御画像を前記画像表示装置に出力する画像出力部とを有し、前記画像表示装置は、入力される前記表示画像を表示する表示部と、入力される前記制御画像に含まれる前記制御情報を取得する制御情報取得部と、取得された前記制御情報に基づいて、当該画像表示装置の駆動を制御する駆動制御部とを有することを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、画像表示装置を制御するための制御情報は、制御画像に含まれた形式で、画像出力装置から画像表示装置に入力される。これによれば、画像信号が伝送される画像ケーブルの他に通信ケーブルを設ける必要がない。従って、画像出力装置と画像表示装置との接続を簡易に行うことができる。
また、画像表示装置では、画像出力装置から出力される表示画像及び制御画像のうち、表示画像は、表示部により表示される。一方、制御画像は、制御情報取得部による制御情報の取得に供され、駆動制御部が、当該制御情報に応じた制御を行う。これによれば、制御情報が含まれる制御画像は表示されることがない。従って、制御情報が画像表示装置により表示されることなく、画像出力装置により画像表示装置を制御できる。
【0009】
本発明では、前記表示画像生成部は、前記表示画像を所定のタイミングで生成し、前記画像出力部は、前記所定のタイミングに基づいて、前記制御画像を出力することが好ましい。
本発明によれば、制御画像は、表示画像が生成されるタイミングに基づいて、画像出力部により出力される。これによれば、例えば、表示画像のフレーム間(先に出力されるフレームが出力されてから、次に出力されるフレームが出力されるまでの期間)に出力される場合には、当該表示画像の出力が滞ることがない。また、表示画像のフレームと制御画像とが置き換えられて出力される場合には、画像表示装置には一定の入力周期で表示画像及び制御画像のいずれかが入力されるので、当該画像表示装置に対する入力フレームレートを高めることができ、より多くの表示画像を画像表示装置に出力することができる。更に、画像表示装置に出力されるフレームのうちの一部を表示画像とし、残りの一部を制御画像として出力される場合には、当該表示画像の入力が滞ることなく、制御画像を画像表示装置に入力させることができるほか、当該表示画像の入力レートを容易に高めることができる。従って、画像表示装置による画像表示を適切に行いつつ、画像出力装置により当該画像表示装置を制御できる。
【0010】
本発明では、前記画像出力装置は、入力操作に応じて前記画像表示装置を制御する制御信号を出力する操作部と、前記制御信号が入力されたか否かを判定する制御信号判定部と、前記制御信号が入力されたと判定されると、当該制御信号に応じた前記制御情報を生成する制御情報生成部とを有し、前記制御画像生成部は、前記制御信号判定部により、前記制御信号が入力されたと判定されると、前記制御情報を含む前記制御画像を生成することが好ましい。
【0011】
本発明によれば、入力操作に応じて操作部から制御信号が入力されると、当該制御信号に基づく制御情報が、制御情報生成部により生成され、当該制御情報を含む制御画像が、制御画像生成部により生成される。これによれば、操作部に対する入力操作が行われたタイミングで制御画像が画像表示装置に出力されることにより、当該入力操作に応じた画像表示装置の制御を行うことができる。
【0012】
本発明では、前記制御画像生成部は、前記制御信号判定部により、前記制御信号が入力されていないと判定されると、前記制御情報を含まないダミー画像を生成し、前記画像出力部は、前記制御信号判定部により、前記制御信号が入力されたと判定されると、前記表示画像が出力されるタイミングとは異なるタイミングで前記制御画像を出力し、前記制御信号が入力されていないと判定されると、前記表示画像が出力されるタイミングとは異なるタイミングで前記ダミー画像を出力することが好ましい。
【0013】
本発明によれば、表示画像が出力されるタイミングとは異なるタイミングで、操作部から入力される制御信号に基づく制御情報を含む制御画像か、或いは、当該制御画像を含まないダミー画像のいずれかが出力される。これによれば、画像表示装置への表示画像の出力を中断することなく、当該画像表示装置の制御を確実に実行できる。また、このように表示画像と、ダミー画像及び制御画像とを交互に出力することにより、これらの画像の出力タイミングがずれることなく、当該画像出力を周期的に実行できる。従って、画像出力装置及び画像表示装置の間の画像入出力の同期を取り易くすることができる。
【0014】
或いは、本発明では、前記制御画像生成部は、所定のパターンと前記制御情報とを含む前記制御画像を生成し、前記画像表示装置は、入力される画像に前記所定のパターンが含まれると、当該画像が前記制御画像であると判定し、前記所定のパターンが含まれないと、当該画像が前記表示画像であると判定する画像判定部を有することが好ましい。
【0015】
本発明によれば、所定のパターンを指標として、入力された画像が表示画像か制御画像かを画像表示装置が簡易に判定することができるので、制御情報が含まれる制御画像を確実に認識させることができ、当該制御情報に基づく処理を確実に実行させることができる。また、画像出力装置は、制御信号が入力されたタイミングで制御画像の生成及び出力を行えばよいため、前述のダミー画像を生成する場合に比べ、当該画像出力装置により生成及び出力される画像のフレーム数を削減できる。従って、画像出力装置における処理負担を軽減できる。
【0016】
また、本発明の画像出力装置は、画像を出力する画像出力装置であって、画像表示装置に表示させる画像である表示画像を生成する表示画像生成部と、前記画像表示装置を制御するための制御情報を含む画像である制御画像を生成する制御画像生成部と、前記表示画像及び前記制御画像を前記画像表示装置に出力する画像出力部とを有することを特徴とする。
本発明によれば、入力される表示画像を表示し、かつ、入力される制御画像から取得された制御情報に基づく制御を実行する画像表示装置と当該画像出力装置と組み合わせることにより、前述の表示システムと同様の効果を奏することができる。
【0017】
また、本発明の制御方法は、画像出力装置により、当該画像出力装置に接続された画像表示装置を制御する制御方法であって、前記画像表示装置に表示させる画像である表示画像を生成する表示画像生成ステップと、前記画像表示装置を制御するための制御情報を含む画像である制御画像を生成する制御画像生成ステップと、前記表示画像及び前記制御画像を前記画像表示装置に出力する画像出力ステップとを有することを特徴とする。
本発明によれば、当該制御方法を適用した画像出力装置と、前述の画像表示装置とを組み合わせることにより、前述の表示システムと同様の効果を奏することができる。
【0018】
また、本発明の記録媒体は、画像出力装置に接続された画像表示装置を制御する制御プログラムが前記画像出力装置により読取可能に記録された記録媒体であって、前記画像出力装置に、前記画像表示装置に表示させる画像である表示画像を生成する表示画像生成ステップと、前記画像表示装置を制御するための制御情報を含む画像である制御画像を生成する制御画像生成ステップと、前記表示画像及び前記制御画像を前記画像表示装置に出力する画像出力ステップとを実行させる前記制御プログラムが記録されたことを特徴とする。
【0019】
本発明によれば、当該制御プログラムを実行させた画像出力装置と、前述の画像表示装置とを組み合わせることで、前述の表示システムと同様の効果を奏することができる。
なお、このような制御プログラムを、DAT(Digital Audio Tape)等の磁気テープ、FD(Flexible Disc)等の磁気ディスク、CD(Compact Disc)及びDVD(Digital Versatile Disc)等の光ディスク、光磁気ディスク、HDD(Hard Disk Drive)、並びに、半導体メモリー等の記録媒体に記録することで、当該記録媒体を利用して、制御プログラムを画像出力装置にてインストール及び実行できるほか、当該制御プログラムの配布を容易に行うことができる。
【0020】
また、本発明の制御方法は、入力される画像を表示する画像表示装置を制御する制御方法であって、入力された画像に、当該画像表示装置を制御するための制御情報が含まれるか否かを判定する制御情報判定ステップと、前記制御情報が含まれないと判定されると、前記入力された画像を表示する表示ステップと、前記制御情報が含まれると判定されると、前記入力された画像に含まれる制御情報を取得する制御情報取得ステップと、取得された前記制御情報に基づいて、当該画像表示装置の駆動を制御する駆動制御ステップとを有することを特徴とする。
本発明によれば、前述の画像出力装置と、当該制御方法を適用した画像表示装置とを組み合わせることで、前述の表示システムと同様の効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1実施形態に係る表示システムの構成を示すブロック図。
【図2】前記実施形態における書画カメラを示す斜視図。
【図3】前記実施形態における書画カメラを示す斜視図。
【図4】前記実施形態における画像出力部により出力される画像を示す図。
【図5】前記実施形態におけるプロジェクターを示す斜視図。
【図6】前記実施形態におけるプロジェクターを示す斜視図。
【図7】前記実施形態における書画カメラ及びプロジェクターにより行われる制御処理を示すフローチャート。
【図8】本発明の第2実施形態に係る表示システムの構成を示すブロック図。
【図9】前記実施形態における画像出力部により出力される画像を示す図。
【図10】前記実施形態における書画カメラ及びプロジェクターにより行われる制御処理を示すフローチャート。
【図11】本発明の第3実施形態に係る表示システムの構成を示すブロック図。
【図12】前記実施形態における画像出力部により出力される画像を示す図。
【図13】本発明の第4実施形態に係る表示システムの構成を示すブロック図。
【図14】前記実施形態における出力画像を示す図。
【図15】前記実施形態における出力画像の遷移を示す図。
【図16】前記実施形態における書画カメラ及びプロジェクターにより行われる制御処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0022】
〔1.第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
〔表示システムの全体構成〕
図1は、本実施形態に係る表示システム1の構成を示すブロック図である。
本実施形態に係る表示システム1は、図1に示すように、所定の領域を撮像した画像を表示画像として出力する書画カメラ2と、当該表示画像を表示するプロジェクター3とを備える。そして、当該表示システム1では、詳しくは後述するが、当該表示画像をプロジェクター3が表示しつつ、操作手段22に対する入力操作に応じた制御情報を含む制御画像が書画カメラ2からプロジェクター3に出力され、当該プロジェクター3が、当該制御情報に応じた動作を行う。なお、これら書画カメラ2及びプロジェクター3は、画像信号が伝送される画像ケーブルVCにより接続されており、当該画像ケーブルVCとしては、D−sub(D-subminiature)、DVI(Digital Visual Interface)、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)、コンポジットビデオ、コンポーネントビデオ及びUSB(Universal Serial Bus)等の各種ケーブルを採用できる。また、UTP(Unshielded Twisted Pair)形式をはじめとする各種のLAN(Local Area Network)ケーブルを画像ケーブルVCとして採用することもできる。なお、本実施形態では、書画カメラ2とプロジェクター3とはUSBケーブルにより接続されている。
【0023】
〔書画カメラの構成〕
図2及び図3は、書画カメラ2を示す斜視図である。
書画カメラ2は、図1〜図3に示すように、撮像手段21、操作手段22、制御手段23(図1)及び筐体24を備える。
このうち、筐体24は、合成樹脂により形成され、当該筐体24は、図2及び図3に示すように、筐体本体241と、撮像手段21を支持する支持部242とを有する。
筐体本体241は、平面視略長方形状を有する。この筐体本体241は、上方に向かって開口する凹部2411を有する。
【0024】
筐体本体241の天面2412には、操作手段22が設けられている。この操作手段22は、複数のキー221が配設された操作パネルとして構成され、当該キー221の入力操作に応じた制御信号を制御手段23に出力する。このようなキー221として、操作手段22は、スタンバイキー、映像ソースの切替キー、ズームキー及び画質調整キー等を備えている。
更に、筐体本体241における一方の側面には、プロジェクター3に接続される前述の画像ケーブル(USBケーブル)が接続される端子2413が設けられている。
【0025】
支持部242は、第1腕部243と、第2腕部244とを有し、これら腕部243,244の内部には、第2腕部244に取り付けられた撮像手段21と筐体本体241内に設けられる制御手段23とを接続するケーブル(図示省略)が設けられている。
第1腕部243は、凹部2411内における長手方向の一方の端部に、当該凹部2411に対して傾倒自在で、かつ、軸方向に沿って回動自在に設けられた第1軸状部2431と、当該第1軸状部2431の軸方向に沿って第1軸状部2431に突没自在に設けられた第2軸状部2432とを有する。これら各軸状部2431,2432により、第1腕部243は、伸縮自在に構成されている。
【0026】
第2腕部244は、回動部2441と、保持部2442とを有する。
回動部2441は、第1腕部243(詳述すると、第2軸状部2432)の先端(筐体本体241とは反対側の端部)に取り付けられている。この回動部2441は、第2軸状部2432の軸方向を中心として回動自在で、かつ、当該軸方向に対する直交方向に屈曲自在に取り付けられている。
保持部2442は、回動部2441における第2軸状部2432との接続部位とは反対側に、第2軸状部2432からの当該回動部2441の延出方向を中心として回動自在に取り付けられている。この保持部2442は、撮像手段21と、当該撮像手段21により撮像される撮像対象を照明するLED(Light Emitting Diode)等の照明手段(図示省略)とを保持する。
【0027】
このような支持部242は、図3に示すように、第2軸状部2432を第1軸状部2431に没入させた状態で、第1腕部243を凹部内2411内に傾倒させ、かつ、第2腕部244を第1腕部243に対して回動させることで、当該凹部2411内に折り畳まれて収納される。この際、筐体24は、全体略直方体形状となる。
【0028】
撮像手段21は、撮像領域内の撮像対象を撮像した画像を制御手段23に出力する。この撮像手段21は、3CCDデバイスにより構成された撮像素子と、複数のレンズにより構成された光学ユニットとを備える。なお、撮像手段21に採用される撮像素子は、CCD(Charge Coupled Device)に限らず、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)デバイス等、他の撮像素子を採用してもよい。
【0029】
図1に戻り、制御手段23は、筐体本体241(図2及び図3)内に収納される。この制御手段23は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)等が実装された回路基板として構成され、書画カメラ2全体を制御する。この制御手段23は、撮像制御部231、撮像画像処理部232、画像記憶部233、制御信号判定部234、制御情報生成部235、制御画像生成部236、出力制御部237及び画像出力部238を備える。
【0030】
撮像制御部231は、撮像手段21に所定のタイミングで撮像領域を撮像させ、撮像画像を制御手段23に出力させる。なお、本実施形態では、撮像制御部231は、撮像手段21に後述する表示画像の生成周期で繰り返し撮像させる。
撮像画像処理部232は、本発明の表示画像生成部に相当する。この撮像画像処理部232は、撮像手段21から入力される撮像画像を処理して、プロジェクター3に表示させる表示画像をフレームごとに生成し、当該表示画像を画像記憶部233に記憶させる。
画像記憶部233は、撮像画像処理部232により生成された表示画像を一時的に記憶する。
【0031】
制御信号判定部234は、操作手段22から制御信号が入力されたか否かを判定することで、当該操作手段22に対して使用者による入力操作が行われたか否かを判定する。
制御情報生成部235は、制御信号判定部234により制御信号が入力されたと判定されると、当該制御信号に応じた制御情報を生成する。具体的に、制御情報生成部235は、当該制御信号の内容を符合化した画像を制御情報として生成する。なお、本実施形態では、制御情報生成部235は、当該画像として2次元コードを生成する。
【0032】
制御画像生成部236は、表示画像のフレーム間に挿入する画像(挿入画像)を生成する。この際、制御画像生成部236は、制御信号判定部234により制御信号が入力されたと判定された場合には、挿入画像として、制御情報生成部235により生成された制御情報(2次元コード)を所定のテンプレート画像に設定した制御画像を生成する。また、制御画像生成部236は、制御信号が入力されていないと判定された場合には、挿入画像として、当該テンプレート画像、すなわち、制御情報が設定されていないダミー画像を生成する。
【0033】
具体的に、上記の挿入画像を制御画像生成部236が生成するのに必要なテンプレート画像を表す画像データと、後述する所定のパターンPTを表す画像データとは、それぞれ図示しない不揮発性記憶手段に記憶されており、必要に応じて図示しないRAMに割り付けられた所定の領域に転送される。そして、制御画像生成部236は、当該所定の領域から読み出した画像データを用いて、制御画像とダミー画像とを、それぞれ所定のタイミングで生成する。なお、当該不揮発性記憶手段は、各種半導体メモリー(ROM等)やHDD(Hard Disk Drive)等により構成することができる。
【0034】
図4は、出力制御部237の制御下で画像出力部238により出力される画像を示す図である。
出力制御部237は、生成された表示画像及び挿入画像の画像出力部238による出力を制御し、当該画像出力部238は、表示画像及び挿入画像をプロジェクター3に出力する。具体的に、出力制御部237は、図4に示すように、表示画像P11〜P13(印刷物を撮像した画像)のフレームが順次出力される出力タイミングの合間に、制御画像生成部236により生成された挿入画像C1〜C3をそれぞれ出力するように、画像出力部238を制御する。すなわち、各表示画像P11〜P13の間に、挿入画像C1〜C3がそれぞれ挿入され、これら表示画像P11〜P13及び挿入画像C1〜C3が出力される。
【0035】
これら挿入画像C1〜C3のうち、挿入画像C1,C3は、前述のダミー画像であり、挿入画像C2は、制御情報である2次元コードが含まれる制御画像(換言すると、操作手段22に対する入力操作に応じて生成された制御画像)である。
このような出力制御部237による制御下で、画像出力部238は、表示画像と挿入画像とを交互にプロジェクター3に出力する。そして、これら出力制御部237及び画像出力部238により、操作手段22に対して入力操作が行われたタイミングで、制御情報が設定された制御画像生成され、当該制御画像がプロジェクター3に出力される。
【0036】
〔プロジェクターの構成〕
図5及び図6は、プロジェクター3の外観を示す斜視図である。具体的に、図5及び図6は、プロジェクター3を正面上方側及び背面上方側から見た斜視図である。
プロジェクター3は、書画カメラ2から入力される画像のうち、表示画像を表示するとともに、制御画像に応じた処理を行う。このプロジェクター3は、図1、図5及び図6に示すように、当該プロジェクター3の外装を構成する外装筐体33と、当該外装筐体33内に収納される表示手段31及び制御手段32(ともに図1)とを有する。
外装筐体33は、合成樹脂製の筐体であり、当該外装筐体33は、図5及び図6に示すように、上部を構成するアッパーケース33Uと、下部を構成するロアーケース33Lとが組み合わされて構成される。この外装筐体33は、天面部331、前面部332、背面部333、左側面部334、右側面部335及び底面部336を有する。
【0037】
天面部331には、プロジェクター3の起動及び調整操作を実施するための操作部としての操作パネル3311が左右方向に延びるように設けられている。この操作パネル3311には、押釦スイッチで構成された複数の操作ボタン3312が配設されている。そして、当該操作ボタン3312が押下されると、操作パネル3311内部に配置された図示しない回路基板に実装されたタクトスイッチに当該操作ボタン3312が接触し、当該回路基板が、押下された操作ボタン3312に応じた操作信号を制御手段32に出力する。
背面部333の右下角隅部分には、図6に示すように、図示しない電源ケーブルが挿し込まれる電源コネクター3331が設けられている。
また、背面部333における右側で、かつ、天面部331に近接する側の位置には、前述の各種画像ケーブルが接続される各種端子3333が配設された入力端子群である画像信号入力部3332が設けられている。
【0038】
図1に戻り、表示手段31は、本発明の表示部に相当し、制御手段32から入力される駆動信号に応じた画像を生成及び投射する。この表示手段31は、光源装置311、光変調装置312及び投射光学装置313を備える。
光源装置311は、高圧水銀ランプ等の光源ランプ及び反射鏡であるリフレクター、或いはLED等の固体光源を備え、光変調装置312に光束を照射する。
【0039】
光変調装置312は、図示を省略するが、光源装置311から出射された光束を変調して画像を形成する液晶パネルと、入力される駆動信号に応じて液晶パネルを駆動させるドライバーとを備える。なお、光変調装置312は、液晶パネルを備える構成に限定されるものではなく、マイクロミラーを用いたデバイス等、液晶以外の構成を採用してもよい。
投射光学装置313は、光変調装置312により形成された画像を拡大投射する。この投射光学装置313は、鏡筒と、当該鏡筒内に収納される複数のレンズとを備えた組レンズとして構成されている。
【0040】
制御手段32は、プロジェクター3全体を制御する回路基板として構成されており、例えば、制御手段32は、書画カメラ2から入力される画像を処理して、前述の表示画像に応じた駆動信号を表示手段31に出力する。このような制御手段32は、画像処理部321、周期判定部322、制御情報判定部323、制御情報取得部324及び駆動制御部325を有する。
【0041】
画像処理部321は、画像信号入力部3332を介して書画カメラ2から入力される画像を、図示しないフレームメモリー上に描画する。
周期判定部322は、書画カメラ2から入力された画像の入力周期が、表示画像が入力される周期と一致しているか否かを判定する。すなわち、周期判定部322は、入力された画像が、表示画像であるか否かを判定する。
制御情報判定部323は、周期判定部322により、表示画像が入力される周期と一致していないと判定された際に、画像処理部321により描画された画像を参照して、入力された画像(挿入画像)に制御情報が含まれるか否かを判定する。
【0042】
制御情報取得部324は、制御情報判定部323により制御情報が含まれると判定されると、当該制御情報を取得する。なお、本実施形態では、制御情報取得部324は、前述の2次元コードを取得し、当該2次元コードを解析することで、制御情報を取得する。
駆動制御部325は、書画カメラ2により表示画像が出力されるタイミングで入力され、かつ、画像処理部321によりフレームメモリー上に描画された表示画像に応じた駆動信号を表示手段31に出力して、当該表示画像を表示させる。また、駆動制御部325は、制御情報取得部324により取得された制御情報に基づいて、プロジェクター3の駆動を制御する。例えば、前述の画質調整キーの入力操作に応じて生成された制御情報が取得された場合には、駆動制御部325は、当該制御情報に基づいて、画像処理部321に画質調整処理を実行させる。また、前述のズームキーの入力操作に応じて生成された制御情報が取得された場合には、当該制御情報に基づいて、図示しないズーム機構に、投射画像のズームイン/ズームアウトを実行させる。
【0043】
〔書画カメラの処理〕
図7は、書画カメラ2及びプロジェクター3により行われる制御処理を示すフローチャートである。
書画カメラ2及びプロジェクター3は、それぞれ図示しないメモリーに記憶された制御プログラムを読み込んで、上記の構成により、以下の制御処理を実行する。
当該制御処理において、書画カメラ2では、図4に示すように、まず、撮像画像処理部232が、撮像制御部231の制御下で撮像手段21により撮像された撮像画像を取得して、表示画像を生成する。そして、画像出力部238が、出力制御部237の制御下で、生成された表示画像をプロジェクター3に出力する(ステップS11)。
この後、制御信号判定部234が、操作手段22から制御信号が入力されたか否かを判定する(ステップS12)。
【0044】
ここで、制御信号が入力されていないと判定されると、制御画像生成部236が、挿入画像としてダミー画像を生成する(ステップS13)。そして、制御手段23は、処理をステップS16に移行する。
一方、制御信号が入力されたと判定されると、制御情報生成部235が、当該制御信号に基づく制御情報(2次元コード)を生成し(ステップS14)、制御画像生成部236が、当該制御情報が含まれる制御画像を挿入画像として生成する(ステップS15)。この後、制御手段23は、処理をステップS16に移行する。
【0045】
ステップS16では、出力制御部237の制御下、画像出力部238が、生成された挿入画像をプロジェクター3に出力する(ステップS16)。これにより、挿入画像としてダミー画像が生成されている場合には、画像出力部238により当該ダミー画像が出力され、また、制御画像が生成されている場合には、画像出力部238により当該制御画像が出力される。
この後、制御手段23は、処理をステップS11に戻し、撮像制御部231が、撮像手段21による撮像を再度実行させ、当該撮像画像に基づく表示画像が、画像出力部238により出力される。このため、表示画像の各フレーム間には、ダミー画像又は制御画像がプロジェクター3に出力されることとなる。
【0046】
〔プロジェクターの処理〕
プロジェクター3では、画像処理部321が、入力される画像をフレームメモリーに描画し(ステップS21)、周期判定部322が、当該入力された画像の入力周期が、表示画像の入力周期と一致するか否かを判定する(ステップS22)。
ここで、当該画像の入力周期が表示画像の入力周期と一致すると判定されると、制御手段32は、表示画像が入力したと認識する。そして、駆動制御部325が、フレームメモリーに描画された画像に基づく駆動信号を表示手段31に出力し、当該画像を表示させる(ステップS23)。この後、制御手段32は、処理をステップS21に戻す。
【0047】
一方、画像の入力周期が表示画像の入力周期と一致しないと判定されると、制御手段32は、挿入画像が入力したと認識する。そして、制御情報判定部323が、当該挿入画像に制御情報(2次元コード)が含まれるか否かを判定する(ステップS24)。
ここで、制御情報が含まれていないと判定されると、制御手段32は、ダミー画像が入力したと認識して、処理をステップS21に戻す。すなわち、ダミー画像が入力された場合には、制御手段32は何もせずに、処理をステップS21に戻す。
【0048】
一方、制御情報が含まれていると判定されると、制御情報取得部324が当該制御情報(2次元コード)を取得して解析する(ステップS25)。
そして、駆動制御部325が、取得された制御情報に応じた制御を行う(ステップS26)。この後、制御手段32は、処理をステップS21に戻す。
これにより、書画カメラ2から出力された表示画像は、プロジェクター3により処理されて表示される一方で、当該書画カメラ2から出力された挿入画像は、プロジェクター3により表示されることなく処理され、制御画像に含まれる制御情報に応じた処理が当該プロジェクター3により実行される。
【0049】
以上説明した本実施形態に係る表示システム1によれば、以下の効果がある。
プロジェクター3を制御するための制御情報は、2次元コードとして画像化され、当該2次元コードが設定された制御画像が、書画カメラ2からプロジェクター3に入力される。これによれば、画像ケーブルVCの他に、制御信号が伝送される通信ケーブルを別途設ける必要がない。従って、書画カメラ2とプロジェクター3との接続を簡易に行うことができる。
【0050】
プロジェクター3の表示手段31は、入力された表示画像を表示する。また、制御情報取得部324は、入力された制御画像から制御情報を取得し、駆動制御部325が、当該制御情報に応じたプロジェクター3の制御を行う。これによれば、制御情報が含まれる制御画像が表示されることがない。従って、当該制御画像が観察者に観察されることなく、書画カメラ2によりプロジェクター3を制御できる。
また、制御画像は、表示画像のフレーム間に出力されるので、当該表示画像の出力が滞ることがない。従って、プロジェクター3による画像表示を行いつつ、書画カメラ2により当該プロジェクター3の制御を行うことができる。
【0051】
制御信号判定部234により、操作手段22から制御信号が入力されたと判定されると、制御情報生成部235が当該制御信号に基づく制御情報を生成し、制御画像生成部236が、当該制御情報を含む制御画像を生成する。これによれば、操作手段22に対して入力操作が行われたタイミングで制御画像を生成及び出力することができる。従って、操作手段22に対する入力操作に応じたプロジェクター3の制御を迅速に行うことができる。
【0052】
表示画像のフレーム間には、制御画像又はダミー画像が挿入されて出力される。これによれば、書画カメラ2からは、各画像が順次出力されることとなるので、当該画像の出力タイミングがずれることなく、画像出力を周期的に行うことができる。従って、書画カメラ2及びプロジェクターの間の画像入出力の同期を取り易くすることができる。
【0053】
〔2.第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
本実施形態に係る表示システムは、前述の表示システム1と同様の構成を備える。ここで、表示システム1では、表示画像のフレーム間には常に挿入画像のフレームが挿入され、当該表示画像及び挿入画像が交互にプロジェクター3に出力される構成であった。これに対し、本実施形態に係る表示システムでは、操作手段に対する入力操作が行われたタイミングで制御画像が生成され、当該制御画像が表示画像のフレーム間に挿入されてプロジェクターに出力される。この点で、本実施形態に係る表示システムと、表示システム1とは相違する。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一または略同一である部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0054】
〔表示システムの構成〕
図8は、本実施形態に係る表示システム1Aの構成を示すブロック図である。
本実施形態に係る表示システム1Aは、前述の表示システム1と同様に、図8に示すように、書画カメラ2A及びプロジェクター3Aを備え、書画カメラ2Aから入力される表示画像をプロジェクター3Aが表示しつつ、当該書画カメラ2Aから入力される制御画像に含まれる制御情報に応じた処理をプロジェクター3Aが実行する。
このような書画カメラ2Aは、制御手段23に代えて制御手段23Aを有するほかは、書画カメラ2と同様の構成を有する。また、制御手段23Aは、制御画像生成部236、出力制御部237及び画像出力部238に代えて、制御画像生成部236A、出力制御部237A及び画像出力部238Aを有するほかは、前述の制御手段23と同様の構成を有する。
【0055】
制御画像生成部236Aは、制御信号判定部234により、操作手段22から制御信号が入力されたと判定された際に、制御画像を生成する。詳述すると、制御画像生成部236Aは、所定のパターンが設定されたテンプレート画像に、制御情報生成部235により生成された制御情報である2次元コードを設定した制御画像を生成する。このパターンは、表示画像と制御画像とを区別するためのものである。なお、制御画像生成部236Aは、制御画像生成部236とは異なり、前述のダミー画像の生成を行わない。
【0056】
出力制御部237Aは、画像記憶部233に記憶されたフレームごとの表示画像と、制御画像生成部236Aにより生成された制御画像とを、画像出力部238Aによりプロジェクター3Aに出力させる。詳述すると、出力制御部237Aは、表示画像の各フレームを所定の周期で出力させるが、制御信号判定部234により制御信号が入力されたと判定された場合に、制御画像生成部236Aにより生成された制御画像を当該フレーム間に挿入して、プロジェクター3Aに出力させる。
【0057】
図9は、出力制御部237Aの制御下で画像出力部238Aにより出力される画像を示す図である。
例えば、図9に示すように、画像出力部238Aにより、表示画像P21のフレームが出力されると、その後にダミー画像は出力されず、所定の時間間隔を隔てて表示画像P22のフレームが出力される。この表示画像P22のフレームが出力される際に、操作手段22が操作されて制御信号が入力されると、制御情報生成部235による制御信号に応じた制御情報(2次元コード)が生成され、当該制御情報を含む制御画像CAが生成される。この制御画像CAには、所定のパターンPT(本実施形態では星のマーク)が設定されている。そして、画像出力部238Aは、出力制御部237Aの制御の下、当該制御画像CAを出力し、次の表示画像出力タイミングで、表示画像P23のフレームを出力する。この際、制御信号が入力されない場合には、制御画像が生成されないので、当該制御画像及び前述のダミー画像は出力されない。このように、制御画像は、操作手段22から制御信号が入力された際に生成され、当該制御信号の入力タイミングで、表示画像のフレーム間に挿入されて出力される。
【0058】
図8に戻り、プロジェクター3Aは、制御手段32に代えて制御手段32Aを有するほかは、プロジェクター3と同様の構成を有する。また、制御手段32Aは、周期判定部322及び制御情報判定部323に代えてパターン判定部322Aを有するほかは、制御手段32と同様の構成を有する。
パターン判定部322Aは、画像処理部321によりフレームメモリー上に描画された画像に前述のパターンPTが含まれているか否かを判定する。そして、当該パターン判定部322Aにより、当該画像にパターンPTが含まれていると判定されると、当該画像は制御画像であると認識され、制御情報取得部324により、当該画像に設定された制御情報が取得される。また、パターン判定部322Aにより、描画された画像にパターンPTが含まれていないと判定されると、当該画像は表示画像であると認識され、駆動制御部325による当該画像に応じた駆動信号の出力が行われる。
【0059】
〔書画カメラの処理〕
図10は、書画カメラ2A及びプロジェクター3Aにおいて行われる制御処理を示すフローチャートである。
書画カメラ2A及びプロジェクター3Aは、それぞれ図示しないメモリーに記憶された制御プログラムを読み込んで、上記の構成により、以下の制御処理を実行する。
この制御処理において、書画カメラ2Aでは、図10に示すように、まず、撮像制御部231の制御下で撮像手段21により撮像された撮像画像を、撮像画像処理部232が取得して表示画像を生成する。そして、出力制御部237Aの制御下で、画像出力部238Aが、当該表示画像をプロジェクター3Aに出力する(ステップS31)。
【0060】
この後、制御信号判定部234が、操作手段22が操作されたか否か、すなわち、当該操作手段22から制御信号が入力されたか否かを判定する(ステップS32)。
ここで、制御信号判定部234により、制御信号が入力されていないと判定されると、制御手段23Aは、処理をステップS31に戻す。そして、再び、撮像手段21による撮像が行われ、次の表示画像出力タイミングで、撮像画像処理部232により生成された撮像画像に基づく表示画像が、プロジェクター3Aに出力される。
【0061】
一方、制御信号判定部234により、制御信号が入力されたと判定されると、制御情報生成部235が、当該制御信号に基づく制御情報(2次元コード)を生成する(ステップS33)。そして、制御画像生成部236Aが、当該制御情報を前述のテンプレート画像に設定した制御画像を生成し(ステップS34)、画像出力部238Aが、当該制御画像をプロジェクター3Aに出力する(ステップS35)。
この後、制御手段23Aは、処理をステップS31に戻し、次の表示画像出力タイミングで、撮像画像処理部232により生成された撮像画像に基づく表示画像が、プロジェクター3Aに出力される。
【0062】
〔プロジェクターの処理〕
一方、プロジェクター3Aでは、図10に示すように、まず、画像処理部321が、入力される画像を処理して、当該画像をフレームメモリー上に描画する(ステップS41)。
この後、パターン判定部322Aが、当該画像に前述のパターンPTがあるか否かを判定する(ステップS42)。
ここで、パターンPTがないと判定されると、制御手段32Aは、入力された画像は表示画像であると認識し、駆動制御部325が、当該表示画像に基づく駆動信号を表示手段31に出力して、当該表示画像を表示させる(ステップS43)。この後、制御手段32Aは、処理をステップS41に戻す。
【0063】
一方、パターンPTがあると判定されると、制御情報取得部324が、描画された画像から2次元コードを取得及び解析して、当該2次元コードにより示される制御情報を取得する(ステップS44)。
そして、駆動制御部325が、取得された制御情報に応じた処理を実行する(ステップS45)。この後、制御手段32Aは、処理をステップS41に戻し、次に入力される画像の処理に備える。
【0064】
以上説明した本実施形態に係る表示システム1Aによれば、前述の表示システム1と同様の効果を奏することができるほか、以下の効果を奏することができる。
プロジェクター3Aは、パターンPTを指標として、入力された画像が表示画像か制御画像かを判定するので、表示画像と制御画像とを確実かつ簡易に区分することができる。従って、当該制御画像に含まれる制御情報に基づく制御を確実に実行できる。
また、書画カメラ2Aは、操作手段22から制御信号が入力されたタイミングで、制御画像の生成及び出力を行えばよいため、前述のダミー画像を生成する場合に比べ、書画カメラ2Aにより生成及び出力される画像のフレーム数を削減できる。従って、書画カメラ2Aの処理負担を軽減できる。
【0065】
〔3.第3実施形態〕
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
本実施形態に係る表示システムは、前述の表示システム1と同様の構成を備える。ここで、表示システム1Aは、一定の周期で出力される表示画像のフレーム間に制御画像を挿入し、当該表示画像及び制御画像をプロジェクターに出力する構成であった。これに対し、本実施形態に係る表示システムは、制御画像を表示画像に置き換えて出力する。この点で、本実施形態に係る表示システムと表示システム1とは相違する。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一または略同一である部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0066】
〔表示システムの構成〕
図11は、本実施形態に係る表示システム1Bの構成を示すブロック図である。
本実施形態に係る表示システム1Bは、前述の表示システム1と同様に、図11に示すように、書画カメラ2B及びプロジェクター3Aを備え、書画カメラ2Bから入力される表示画像をプロジェクター3Aが表示しつつ、当該書画カメラ2Bから入力される制御画像に含まれる制御情報に応じた処理をプロジェクター3Aが実行する。
このような書画カメラ2Bは、制御手段23Aに代えて、制御手段23Bを有するほかは、書画カメラ2Aと同様の構成を有する。また、制御手段23Bは、出力制御部237A及び画像出力部238Aに代えて、出力制御部237B及び画像出力部238Bを有するほかは、制御手段23Aと同様の構成を有する。
【0067】
出力制御部237Bは、撮像画像処理部232により生成され、画像記憶部233に記憶された表示画像を所定の周期でプロジェクター3Aに出力するように、画像出力部238Bを制御する。この際、出力制御部237Bは、制御信号判定部234により制御信号が入力されたと判定されると、制御画像生成部236Aにより生成された制御画像を、表示画像に代えて、プロジェクター3Aに出力させる。
【0068】
図12は、出力制御部237Bの制御下で画像出力部238Bにより出力される画像を示す図である。
例えば、画像出力部238Bは、出力制御部237Bの制御下で、図12に示すように、表示画像P31〜P34のフレームを所定の周期で順次プロジェクター3Aに出力する。
ここで、表示画像P32が出力された後、操作手段22に対して入力操作が行われた場合には、当該入力操作に応じて入力される制御信号に基づいて、制御画像生成部236Aにより制御画像CAが生成される。この制御画像CAは、表示画像P32の後の出力タイミングで出力される表示画像P33に代えてプロジェクター3Aに出力される。そして、この制御画像CAの次の出力タイミングで、表示画像P34が出力される。すなわち、本実施形態では、制御画像は、表示画像の出力タイミングに応じたタイミングで、かつ、当該表示画像に代えてプロジェクターに出力される。
以上のように、書画カメラ2Bは、表示画像の出力タイミングで制御画像を出力する他は、前述の書画カメラ2Aの各ステップS31〜S35と同様のステップを経て、プロジェクター3Aに表示画像及び制御画像の各フレームを出力する。
【0069】
以上説明した本実施形態に係る表示システム1Bによれば、前述の表示システム1Aと同様の効果を奏することができるほか、以下の効果を奏することができる。
書画カメラ2Bが制御画像を出力する際には、1フレーム分の表示画像に代えて、当該制御画像を出力する。これによれば、表示画像の各フレームが出力される間に、制御画像のフレームが出力される期間を設ける必要がない。従って、表示画像の各フレームの出力周波数を高めることができる。一方、表示画像の各フレームの出力周波数が十分に高い場合には、1つの表示画像のフレームが制御画像のフレームに替えられた場合でも、当該1つの表示画像のフレームの欠落を目立たなくすることができる。従って、書画カメラ2Bが動体を撮像する場合でも、当該動体をプロジェクター3Aにより円滑に表示できる。
【0070】
〔4.第4実施形態〕
次に、本発明の第4実施形態について説明する。
本実施形態に係る表示システムは、前述の表示システム1と同様の構成を備える。ここで、当該各表示システム1では、書画カメラ2が、表示画像のフレーム間に制御画像を出力する構成であった。これに対し、本実施形態に係る表示システムでは、書画カメラが、表示画像と制御画像とが1フレーム内に設定された画像を出力する。この点で、本実施形態に係る表示システムと表示システム1とは相違する。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一または略同一である部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0071】
〔表示システムの構成〕
図13は、本実施形態に係る表示システム1Cの構成を示すブロック図である。
本実施形態に係る表示システム1Cは、図13に示すように、書画カメラ2C及びプロジェクター3Cを備え、当該書画カメラ2Cから入力される表示画像をプロジェクター3Cが表示しつつ、当該書画カメラ2Cから入力される制御画像に含まれる制御情報に応じた処理をプロジェクター3Cが実行する。
【0072】
〔書画カメラの構成〕
書画カメラ2Cは、制御手段23に代えて、制御手段23Cを有するほかは、書画カメラ2と同様の構成を有する。また、制御手段23Cは、制御画像生成部236、出力制御部237及び画像出力部238に代えて、出力画像生成部239、出力制御部237C及び画像出力部238Cを有するほかは、制御手段23と同様の構成を有する。
【0073】
図14は、出力画像生成部239により生成される出力画像P4を示す図である。
出力画像生成部239は、撮像画像処理部232により処理されて画像記憶部233に記憶された撮像画像である表示画像と、入力される制御信号に応じた制御情報を示す2次元コードとが設定された出力画像P4を生成する。この出力画像P4は、図14に示すように、当該表示画像が設定される表示画像設定領域A1と、プロジェクター3Cにより表示されない領域である非表示領域A2とを有する。このうち、非表示領域A2は、前述の制御信号の内容を符合化した画像である2次元コードが設定されるコード設定領域A21を有する。
【0074】
具体的に、制御信号判定部234により制御信号が入力されていないと判定された場合には、出力画像生成部239は、表示画像(撮像画像)を表示画像設定領域A1に設定し、コード設定領域A21には何も設定しない出力画像P4を生成する。
一方、制御信号判定部234により制御信号が入力されたと判定された場合には、出力画像生成部239は、同様に、表示画像(撮像画像)を表示画像設定領域A1に設定し、更に制御情報生成部235により生成された2次元コードをコード設定領域A21に設定した出力画像P4を生成する。
すなわち、コード設定領域A21に設定された2次元コードを含む非表示領域A2の画像が、本発明の制御画像に相当し、表示画像設定領域A1に設定された撮像画像である表示画像が、本発明の表示画像に相当する。そして、出力画像生成部239は、本発明の表示画像生成部及び制御画像生成部に相当する。
【0075】
出力制御部237Cは、出力画像生成部239により生成された出力画像P4の画像出力部238Cによる出力を制御する。具体的に、出力制御部237Cは、所定のタイミング(例えば、24Hzの周波数)で、画像出力部238Cに当該出力画像P4を出力させる。
画像出力部238Cは、出力制御部237Cによる制御の下、生成された出力画像P4をプロジェクター3Cに出力する。
【0076】
図15は、出力画像P4(P41〜P44)の遷移を示す図である。
上記構成により、書画カメラ2Cは、撮像画像である表示画像を出力画像P4に含めて出力するとともに、操作手段22が操作されたタイミングで生成された制御情報である2次元コードを当該出力画像P4に含めて出力する。
詳述すると、書画カメラ2Cは、図15に示すように、操作手段22が操作されていない状態では、2次元コードが設定されていない出力画像P4(P41,P42)が順に、プロジェクター3Cに出力される。
【0077】
ここで、出力画像P42の出力後に、操作手段22に対する入力操作が行われ、当該入力操作に応じた制御信号が制御手段23Cに入力されると、出力画像生成部239により、2次元コードがコード設定領域A21に設定された出力画像P4(P43)が生成される。この出力画像P43は、出力画像P42の後の画像出力タイミングで、画像出力部238Cによりプロジェクター3Cに出力される。
そして、出力画像P43の出力後に、操作手段22に対する入力操作が行われていない場合には、出力画像P43の後の画像出力タイミングで、2次元コードが設定されていない出力画像P4(P44)が、画像出力部238Cにより出力される。
【0078】
〔プロジェクターの構成〕
図13に戻り、プロジェクター3Cは、制御手段32に代えて制御手段32Cを備えるほかは、プロジェクター3と同様の構成を有する。この制御手段32Cは、当該制御手段32と同様に、プロジェクター3C全体を制御する回路基板として構成されており、画像処理部321、制御情報判定部323C、制御情報取得部324C及び駆動制御部325Cを有する。
【0079】
このうち、制御情報判定部323Cは、書画カメラ2Cから入力され、かつ、画像処理部321により処理された画像(出力画像P4)のコード設定領域A21に、2次元コードが設定されているか否かを判定する。
制御情報取得部324Cは、制御情報判定部323Cにより、2次元コードが設定されていると判定された場合に、当該2次元コードを取得する。そして、制御情報取得部324Cは、取得された2次元コードを解析して、当該2次元コードに設定された制御情報を取得する。
【0080】
駆動制御部325Cは、画像処理部321により描画された画像(出力画像P4)のうち、前述の表示画像設定領域A1に対応する領域に設定された画像(表示画像)を取得する。そして、駆動制御部325Cは、取得された表示画像に応じた駆動信号を表示手段31に出力し、当該表示画像を表示手段31に表示させる。なお、駆動制御部325Cは、入力される画像において表示画像設定領域A1に応じた領域を示す情報を予め保持していてもよく、前述の2次元コードから当該情報を取得するようにしてもよい。
また、駆動制御部325Cは、制御情報取得部324Cにより取得された制御情報に基づいて、プロジェクター3Cの駆動を制御する。例えば、前述の駆動制御部325と同様に、前述の画質調整キーの入力操作に応じて生成された制御情報が取得された場合には、駆動制御部325Cは、当該制御情報に基づいて、画像処理部321に画質調整処理を実行させる。
【0081】
〔書画カメラの処理〕
図16は、書画カメラ2C及びプロジェクター3Cにより行われる制御処理を示すフローチャートである。
書画カメラ2C及びプロジェクター3Cは、それぞれ図示しないメモリーに記憶された制御プログラムを読み込んで、上記の構成により、以下の制御処理を実行する。
当該制御処理において、書画カメラ2Cでは、図16に示すように、まず、撮像画像処理部232が、撮像制御部231の制御下で撮像手段21により撮像された撮像画像を取得して、表示画像を生成する(ステップS51)。
この後、出力画像生成部239が、取得された撮像画像を表示画像として、プロジェクター3Cに出力される出力画像P4の表示画像設定領域A1に設定する(ステップS52)。
【0082】
この後、制御信号判定部234が、操作手段22から制御信号が入力されたか否かを判定する(ステップS53)。
ここで、制御信号判定部234により、制御信号が入力されていないと判定されると、制御手段23Cは、処理をステップS56に移行する。このステップS56では、画像出力部238Cが、ステップS52にて生成された出力画像P4、すなわち、撮像画像が表示画像設定領域A1に設定され、コード設定領域A21には2次元コードが設定されていない出力画像P4を、プロジェクター3Cに出力する(ステップS56)。この後、制御手段23Cは、処理をステップS51に戻す。
【0083】
一方、制御信号判定部234により、制御信号が入力されたと判定されると、制御情報生成部235が、当該制御信号の内容に基づく制御情報として2次元コードを生成する(ステップS54)。
そして、出力画像生成部239が、ステップS52にて撮像画像が設定された出力画像P4のコード設定領域A21に、ステップS54にて生成された2次元コードを設定する(ステップS55)。
次に、出力制御部237Cによる制御下で、画像出力部238Cが、ステップS55にて2次元コードが設定された出力画像P4をプロジェクター3Cに出力する(ステップS56)。この後、制御手段23Cは、処理をステップS51に戻す。
以上のステップS51〜S56は、書画カメラ2Cにより繰り返し実行される。
【0084】
〔プロジェクターの処理〕
一方、プロジェクター3Cでは、まず、画像処理部321が、画像信号入力部3332を介して書画カメラ2Cから入力される画像信号を処理して、当該画像信号に応じた画像を図示しないフレームメモリーに描画する(ステップS61)。
次に、制御情報判定部323Cが、描画された画像に2次元コードが設定されているか否かを判定する(ステップS62)。
ここで、制御情報判定部323Cにより、2次元コードが設定されていないと判定されると、制御手段32Cは、処理をステップS65に移行する。
【0085】
一方、制御情報判定部323Cにより、2次元コードが設定されていると判定されると、制御情報取得部324Cが、当該2次元コードを取得及び解析して、当該2次元コードにより示される制御情報を取得する(ステップS63)。そして、駆動制御部325Cが、取得された制御情報に応じた処理を実行する(ステップS64)。
この後、駆動制御部325Cが、フレームメモリーに描画された画像のうち、表示画像設定領域A1に応じた領域の画像を取得して、当該画像に応じた駆動信号を表示手段31に出力する(ステップS65)。これにより、当該画像(表示画像)が表示手段31により表示される。
以上のステップS61〜S65は、プロジェクター3Cにより繰り返し実行される。
【0086】
以上説明した本実施形態に係る表示システム1Cによれば、前述の表示システム1と同様の効果を奏することができるほか、以下の効果を奏することができる。
書画カメラ2Cは、プロジェクター3Cにより表示される表示画像と、当該プロジェクター3Cを制御するための2次元コードとが設定された出力画像P4を出力する。これによれば、前述の表示システム1,1Aのように表示画像のフレーム間に制御画像を出力する場合に比べ、プロジェクター3Cに入力されるフレームのレート(フレームレート)を低減することができ、逆に、書画カメラ2Cからプロジェクター3Cに入力される表示画像のフレームレートを高めることも可能となる。また、前述の表示システム1Bのように表示画像を制御画像に置き換える場合に比べ、表示画像を確実にプロジェクター3Cに入力させることができる。従って、書画カメラ2Cによりプロジェクター3Cを制御できるとともに、生成された表示画像を、プロジェクター3Cにより一層適切に表示することができる。
【0087】
〔5.実施形態の変形〕
本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
前記第1実施形態では、ダミー画像及び制御画像を含む挿入画像は、表示画像の各フレーム間にそれぞれ挿入されるとしたが、本発明はこれに限らない。すなわち、所定の周期で当該フレーム間に挿入画像が挿入されてもよい。例えば、表示画像を10フレーム出力した直後に、挿入画像を1フレーム出力するように構成してもよい。
【0088】
前記各実施形態では、制御情報生成部235は、操作手段22から入力される制御信号に基づく制御情報を符合化した2次元コードを生成するとしたが、本発明はこれに限らない。すなわち、プロジェクター3,3A,3Cにより抽出及び解析が可能な形態であれば、どのような形態の情報であってもよい。例えば、当該制御情報は、1次元コードでもよく、更に他のコードを用いてもよい。また、プロジェクター3,3A,3Cが文字列認識可能に構成されていれば、制御情報を文字列で生成し、当該文字列を含む制御画像及び出力画像を生成及び出力するように構成してもよい。更に、2次元コード等の制御情報を符合化した画像は、1つの画像(制御画像及び出力画像)中に複数設定されていてもよい。加えて、2次元コードの大きさも適宜設定してよく、当該2次元コードの種別も適宜設定可能である。
【0089】
前記各実施形態では、操作手段22から制御信号が入力されるごとに、制御画像の生成及び出力が行われるとしたが、本発明はこれに限らない。例えば、操作手段22に配設されたキーが連続して入力された場合には、当該キーの入力回数及び入力時間に基づいて、当該入力回数を所定の割合で減算又は除算した数の制御画像を出力するように構成してもよい。
【0090】
前記第1実施形態では、周期判定部322が、画像の入力周期に基づいて、入力された画像が表示画像か否かを判定するとしたが、本発明はこれに限らない。例えば、周期判定部322に代えて、入力された画像のフレーム数をカウントし、当該フレーム数に基づいて、表示画像か否かを判定する画像判定部を採用してもよい。この場合、例えば、画像判定部は、当該フレーム数が奇数であるか偶数であるかにより、入力された画像が表示画像であるのか、制御画像又はダミー画像であるのかを判定するようにしてもよい。
【0091】
前記第1実施形態では、制御画像生成部236により生成され、かつ、ダミー画像及び制御画像により構成される挿入画像には、パターンPTのような所定のパターンを設定していないが、本発明はこれに限らない。すなわち、当該挿入画像に所定のパターンを設定して、当該挿入画像と表示画像とを明確に区分するようにしてもよい。
【0092】
前記第2及び第3実施形態では、制御画像は、表示画像と区別されるための星型のパターンPTを有するとしたが、本発明はこれに限らない。すなわち、パターンPTの形状は、適宜設定してよい。また、当該パターンは、特定の図柄等に限らず、例えば、表示画像の平均輝度レベルを所定値分だけ増加或いは減少させた画像を生成し、当該画像に制御情報を含めることで制御画像を生成してもよい。この場合、プロジェクターが、入力される画像の平均輝度レベルを入力フレームごとに算出し、当該平均輝度レベルに基づいて、入力された画像が表示画像であるのか、制御画像であるのかを判定すればよい。
【0093】
前記第4実施形態では、出力画像P4において、表示画像設定領域A1を当該画像P4の中央に設定し、非表示領域A2のコード設定領域A21を当該画像P4の左下に設定したが、本発明はこれに限らない。すなわち、プロジェクターが、表示画像と2次元コード等の制御情報とを区別できれば、これらの位置は問わない。
【0094】
前記各実施形態では、画像出力装置及び画像表示装置として、書画カメラ2,2A〜2C及びプロジェクター3,3A,3Cをそれぞれ挙げたが、本発明はこれに限らない。すなわち、他の画像出力装置及び他の画像表示装置を採用した表示システムにも、本発明を適用可能である。例えば、画像出力装置として、DVD等のディスク型記録媒体を再生して、画像信号を出力する再生装置や、PC(Personal Computer)を挙げることができ、画像表示装置として、各種ディスプレイを挙げることができる。
【0095】
前記各実施形態では、書画カメラ2,2A〜2Cに前述の制御処理を実行させる制御プログラム、及び、プロジェクター3,3A,3Cに前述の制御処理を実行させる制御プログラムは、メモリーに記憶されているとしたが、本発明はこれに限らない。例えば、当該各制御プログラムが、CD及びDVD等のディスク型記録媒体、並びに、磁気ディスク装置等に記憶され、前述の制御処理を実行する際に、制御手段が当該制御プログラムを適宜読み出すように構成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0096】
本発明は、画像出力装置及び画像表示装置を備える表示システムに好適に利用できる。
【符号の説明】
【0097】
1,1A〜1C…表示システム、2,2A〜2C…書画カメラ(画像出力装置)、3,3A,3C…プロジェクター(画像表示装置)、22…操作手段(操作部)、31…表示手段(表示部)、232…撮像画像処理部(表示画像生成部)、234…制御信号判定部、235…制御情報生成部、236,236A…制御画像生成部、238,238A〜238C…画像出力部、239…出力画像生成部(表示画像生成部、制御画像生成部)、324,324C…制御情報取得部、325,325C…駆動制御部、C1,C3…挿入画像(ダミー画像)、C2…挿入画像(制御画像)、CA…制御画像、P11〜P13,P21〜P23,P31〜P34…表示画像、P4(P41〜P44)…出力画像(表示画像、制御画像)、PT…パターン、S11,S31,S52…ステップ(表示画像生成ステップ、画像出力ステップ)、S15,S34,S55…ステップ(制御画像生成ステップ)、S16,S35,S56…ステップ(画像出力ステップ)、S23,S43,S65…ステップ(表示ステップ)、S25,S44,S63…ステップ(制御情報取得ステップ)、S26,S45,S64…ステップ(駆動制御ステップ)。
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像出力装置と画像表示装置とを備える表示システム、当該画像出力装置、画像表示装置の制御方法、及び、制御プログラムが記録された記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像出力装置と、当該画像出力装置から入力される画像を表示する画像表示装置とを備えた表示システムが知られている。このような表示システムでは、画像出力装置と画像表示装置とは、画像信号が伝送される画像ケーブルによって接続されることが一般的である。しかしながら、このような接続形式では、画像出力装置から画像表示装置へは画像しか送信することができない。このため、画像出力装置により画像表示装置を制御する場合には、制御ケーブルを別途設けて、画像出力装置から画像表示装置に制御信号を送信する必要がある。
【0003】
これに対し、画像表示装置を制御するための制御情報を画像中に設定し、当該画像を画像表示装置に出力する表示システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に記載の表示システムでは、画像出力装置(画像供給装置)であるPCと、画像表示装置であるプロジェクターとは画像ケーブルにより接続される。そして、PCは、制御画面を表示し、当該制御画面に対する入力操作に応じてプロジェクターを制御するための2次元コードを生成する。そして、当該2次元コードを含めた画像を生成し、当該画像を画像表示装置に出力する。一方、プロジェクターは、入力された画像から2次元コードを検出及び解析することで、当該2次元コードにより示される制御情報に基づく制御を行う。これにより、通信ケーブルを用いることなく、PCによりプロジェクターを制御することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−92999号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前述の特許文献1に記載の表示システムでは、プロジェクターにより表示される画像中に、当該プロジェクターを制御するための2次元コードが設定されているため、観察者が違和感を生じ易いという問題がある。
【0006】
本発明の目的は、制御情報が表示されることなく画像表示装置を制御できる表示システム、画像出力装置、制御方法及び記録媒体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記した目的を達成するために、本発明の表示システムは、画像出力装置及び画像表示装置を備えた表示システムであって、前記画像出力装置は、前記画像表示装置に表示させる画像である表示画像を生成する表示画像生成部と、前記画像表示装置を制御するための制御情報を含む画像である制御画像を生成する制御画像生成部と、前記表示画像及び前記制御画像を前記画像表示装置に出力する画像出力部とを有し、前記画像表示装置は、入力される前記表示画像を表示する表示部と、入力される前記制御画像に含まれる前記制御情報を取得する制御情報取得部と、取得された前記制御情報に基づいて、当該画像表示装置の駆動を制御する駆動制御部とを有することを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、画像表示装置を制御するための制御情報は、制御画像に含まれた形式で、画像出力装置から画像表示装置に入力される。これによれば、画像信号が伝送される画像ケーブルの他に通信ケーブルを設ける必要がない。従って、画像出力装置と画像表示装置との接続を簡易に行うことができる。
また、画像表示装置では、画像出力装置から出力される表示画像及び制御画像のうち、表示画像は、表示部により表示される。一方、制御画像は、制御情報取得部による制御情報の取得に供され、駆動制御部が、当該制御情報に応じた制御を行う。これによれば、制御情報が含まれる制御画像は表示されることがない。従って、制御情報が画像表示装置により表示されることなく、画像出力装置により画像表示装置を制御できる。
【0009】
本発明では、前記表示画像生成部は、前記表示画像を所定のタイミングで生成し、前記画像出力部は、前記所定のタイミングに基づいて、前記制御画像を出力することが好ましい。
本発明によれば、制御画像は、表示画像が生成されるタイミングに基づいて、画像出力部により出力される。これによれば、例えば、表示画像のフレーム間(先に出力されるフレームが出力されてから、次に出力されるフレームが出力されるまでの期間)に出力される場合には、当該表示画像の出力が滞ることがない。また、表示画像のフレームと制御画像とが置き換えられて出力される場合には、画像表示装置には一定の入力周期で表示画像及び制御画像のいずれかが入力されるので、当該画像表示装置に対する入力フレームレートを高めることができ、より多くの表示画像を画像表示装置に出力することができる。更に、画像表示装置に出力されるフレームのうちの一部を表示画像とし、残りの一部を制御画像として出力される場合には、当該表示画像の入力が滞ることなく、制御画像を画像表示装置に入力させることができるほか、当該表示画像の入力レートを容易に高めることができる。従って、画像表示装置による画像表示を適切に行いつつ、画像出力装置により当該画像表示装置を制御できる。
【0010】
本発明では、前記画像出力装置は、入力操作に応じて前記画像表示装置を制御する制御信号を出力する操作部と、前記制御信号が入力されたか否かを判定する制御信号判定部と、前記制御信号が入力されたと判定されると、当該制御信号に応じた前記制御情報を生成する制御情報生成部とを有し、前記制御画像生成部は、前記制御信号判定部により、前記制御信号が入力されたと判定されると、前記制御情報を含む前記制御画像を生成することが好ましい。
【0011】
本発明によれば、入力操作に応じて操作部から制御信号が入力されると、当該制御信号に基づく制御情報が、制御情報生成部により生成され、当該制御情報を含む制御画像が、制御画像生成部により生成される。これによれば、操作部に対する入力操作が行われたタイミングで制御画像が画像表示装置に出力されることにより、当該入力操作に応じた画像表示装置の制御を行うことができる。
【0012】
本発明では、前記制御画像生成部は、前記制御信号判定部により、前記制御信号が入力されていないと判定されると、前記制御情報を含まないダミー画像を生成し、前記画像出力部は、前記制御信号判定部により、前記制御信号が入力されたと判定されると、前記表示画像が出力されるタイミングとは異なるタイミングで前記制御画像を出力し、前記制御信号が入力されていないと判定されると、前記表示画像が出力されるタイミングとは異なるタイミングで前記ダミー画像を出力することが好ましい。
【0013】
本発明によれば、表示画像が出力されるタイミングとは異なるタイミングで、操作部から入力される制御信号に基づく制御情報を含む制御画像か、或いは、当該制御画像を含まないダミー画像のいずれかが出力される。これによれば、画像表示装置への表示画像の出力を中断することなく、当該画像表示装置の制御を確実に実行できる。また、このように表示画像と、ダミー画像及び制御画像とを交互に出力することにより、これらの画像の出力タイミングがずれることなく、当該画像出力を周期的に実行できる。従って、画像出力装置及び画像表示装置の間の画像入出力の同期を取り易くすることができる。
【0014】
或いは、本発明では、前記制御画像生成部は、所定のパターンと前記制御情報とを含む前記制御画像を生成し、前記画像表示装置は、入力される画像に前記所定のパターンが含まれると、当該画像が前記制御画像であると判定し、前記所定のパターンが含まれないと、当該画像が前記表示画像であると判定する画像判定部を有することが好ましい。
【0015】
本発明によれば、所定のパターンを指標として、入力された画像が表示画像か制御画像かを画像表示装置が簡易に判定することができるので、制御情報が含まれる制御画像を確実に認識させることができ、当該制御情報に基づく処理を確実に実行させることができる。また、画像出力装置は、制御信号が入力されたタイミングで制御画像の生成及び出力を行えばよいため、前述のダミー画像を生成する場合に比べ、当該画像出力装置により生成及び出力される画像のフレーム数を削減できる。従って、画像出力装置における処理負担を軽減できる。
【0016】
また、本発明の画像出力装置は、画像を出力する画像出力装置であって、画像表示装置に表示させる画像である表示画像を生成する表示画像生成部と、前記画像表示装置を制御するための制御情報を含む画像である制御画像を生成する制御画像生成部と、前記表示画像及び前記制御画像を前記画像表示装置に出力する画像出力部とを有することを特徴とする。
本発明によれば、入力される表示画像を表示し、かつ、入力される制御画像から取得された制御情報に基づく制御を実行する画像表示装置と当該画像出力装置と組み合わせることにより、前述の表示システムと同様の効果を奏することができる。
【0017】
また、本発明の制御方法は、画像出力装置により、当該画像出力装置に接続された画像表示装置を制御する制御方法であって、前記画像表示装置に表示させる画像である表示画像を生成する表示画像生成ステップと、前記画像表示装置を制御するための制御情報を含む画像である制御画像を生成する制御画像生成ステップと、前記表示画像及び前記制御画像を前記画像表示装置に出力する画像出力ステップとを有することを特徴とする。
本発明によれば、当該制御方法を適用した画像出力装置と、前述の画像表示装置とを組み合わせることにより、前述の表示システムと同様の効果を奏することができる。
【0018】
また、本発明の記録媒体は、画像出力装置に接続された画像表示装置を制御する制御プログラムが前記画像出力装置により読取可能に記録された記録媒体であって、前記画像出力装置に、前記画像表示装置に表示させる画像である表示画像を生成する表示画像生成ステップと、前記画像表示装置を制御するための制御情報を含む画像である制御画像を生成する制御画像生成ステップと、前記表示画像及び前記制御画像を前記画像表示装置に出力する画像出力ステップとを実行させる前記制御プログラムが記録されたことを特徴とする。
【0019】
本発明によれば、当該制御プログラムを実行させた画像出力装置と、前述の画像表示装置とを組み合わせることで、前述の表示システムと同様の効果を奏することができる。
なお、このような制御プログラムを、DAT(Digital Audio Tape)等の磁気テープ、FD(Flexible Disc)等の磁気ディスク、CD(Compact Disc)及びDVD(Digital Versatile Disc)等の光ディスク、光磁気ディスク、HDD(Hard Disk Drive)、並びに、半導体メモリー等の記録媒体に記録することで、当該記録媒体を利用して、制御プログラムを画像出力装置にてインストール及び実行できるほか、当該制御プログラムの配布を容易に行うことができる。
【0020】
また、本発明の制御方法は、入力される画像を表示する画像表示装置を制御する制御方法であって、入力された画像に、当該画像表示装置を制御するための制御情報が含まれるか否かを判定する制御情報判定ステップと、前記制御情報が含まれないと判定されると、前記入力された画像を表示する表示ステップと、前記制御情報が含まれると判定されると、前記入力された画像に含まれる制御情報を取得する制御情報取得ステップと、取得された前記制御情報に基づいて、当該画像表示装置の駆動を制御する駆動制御ステップとを有することを特徴とする。
本発明によれば、前述の画像出力装置と、当該制御方法を適用した画像表示装置とを組み合わせることで、前述の表示システムと同様の効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1実施形態に係る表示システムの構成を示すブロック図。
【図2】前記実施形態における書画カメラを示す斜視図。
【図3】前記実施形態における書画カメラを示す斜視図。
【図4】前記実施形態における画像出力部により出力される画像を示す図。
【図5】前記実施形態におけるプロジェクターを示す斜視図。
【図6】前記実施形態におけるプロジェクターを示す斜視図。
【図7】前記実施形態における書画カメラ及びプロジェクターにより行われる制御処理を示すフローチャート。
【図8】本発明の第2実施形態に係る表示システムの構成を示すブロック図。
【図9】前記実施形態における画像出力部により出力される画像を示す図。
【図10】前記実施形態における書画カメラ及びプロジェクターにより行われる制御処理を示すフローチャート。
【図11】本発明の第3実施形態に係る表示システムの構成を示すブロック図。
【図12】前記実施形態における画像出力部により出力される画像を示す図。
【図13】本発明の第4実施形態に係る表示システムの構成を示すブロック図。
【図14】前記実施形態における出力画像を示す図。
【図15】前記実施形態における出力画像の遷移を示す図。
【図16】前記実施形態における書画カメラ及びプロジェクターにより行われる制御処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0022】
〔1.第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
〔表示システムの全体構成〕
図1は、本実施形態に係る表示システム1の構成を示すブロック図である。
本実施形態に係る表示システム1は、図1に示すように、所定の領域を撮像した画像を表示画像として出力する書画カメラ2と、当該表示画像を表示するプロジェクター3とを備える。そして、当該表示システム1では、詳しくは後述するが、当該表示画像をプロジェクター3が表示しつつ、操作手段22に対する入力操作に応じた制御情報を含む制御画像が書画カメラ2からプロジェクター3に出力され、当該プロジェクター3が、当該制御情報に応じた動作を行う。なお、これら書画カメラ2及びプロジェクター3は、画像信号が伝送される画像ケーブルVCにより接続されており、当該画像ケーブルVCとしては、D−sub(D-subminiature)、DVI(Digital Visual Interface)、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)、コンポジットビデオ、コンポーネントビデオ及びUSB(Universal Serial Bus)等の各種ケーブルを採用できる。また、UTP(Unshielded Twisted Pair)形式をはじめとする各種のLAN(Local Area Network)ケーブルを画像ケーブルVCとして採用することもできる。なお、本実施形態では、書画カメラ2とプロジェクター3とはUSBケーブルにより接続されている。
【0023】
〔書画カメラの構成〕
図2及び図3は、書画カメラ2を示す斜視図である。
書画カメラ2は、図1〜図3に示すように、撮像手段21、操作手段22、制御手段23(図1)及び筐体24を備える。
このうち、筐体24は、合成樹脂により形成され、当該筐体24は、図2及び図3に示すように、筐体本体241と、撮像手段21を支持する支持部242とを有する。
筐体本体241は、平面視略長方形状を有する。この筐体本体241は、上方に向かって開口する凹部2411を有する。
【0024】
筐体本体241の天面2412には、操作手段22が設けられている。この操作手段22は、複数のキー221が配設された操作パネルとして構成され、当該キー221の入力操作に応じた制御信号を制御手段23に出力する。このようなキー221として、操作手段22は、スタンバイキー、映像ソースの切替キー、ズームキー及び画質調整キー等を備えている。
更に、筐体本体241における一方の側面には、プロジェクター3に接続される前述の画像ケーブル(USBケーブル)が接続される端子2413が設けられている。
【0025】
支持部242は、第1腕部243と、第2腕部244とを有し、これら腕部243,244の内部には、第2腕部244に取り付けられた撮像手段21と筐体本体241内に設けられる制御手段23とを接続するケーブル(図示省略)が設けられている。
第1腕部243は、凹部2411内における長手方向の一方の端部に、当該凹部2411に対して傾倒自在で、かつ、軸方向に沿って回動自在に設けられた第1軸状部2431と、当該第1軸状部2431の軸方向に沿って第1軸状部2431に突没自在に設けられた第2軸状部2432とを有する。これら各軸状部2431,2432により、第1腕部243は、伸縮自在に構成されている。
【0026】
第2腕部244は、回動部2441と、保持部2442とを有する。
回動部2441は、第1腕部243(詳述すると、第2軸状部2432)の先端(筐体本体241とは反対側の端部)に取り付けられている。この回動部2441は、第2軸状部2432の軸方向を中心として回動自在で、かつ、当該軸方向に対する直交方向に屈曲自在に取り付けられている。
保持部2442は、回動部2441における第2軸状部2432との接続部位とは反対側に、第2軸状部2432からの当該回動部2441の延出方向を中心として回動自在に取り付けられている。この保持部2442は、撮像手段21と、当該撮像手段21により撮像される撮像対象を照明するLED(Light Emitting Diode)等の照明手段(図示省略)とを保持する。
【0027】
このような支持部242は、図3に示すように、第2軸状部2432を第1軸状部2431に没入させた状態で、第1腕部243を凹部内2411内に傾倒させ、かつ、第2腕部244を第1腕部243に対して回動させることで、当該凹部2411内に折り畳まれて収納される。この際、筐体24は、全体略直方体形状となる。
【0028】
撮像手段21は、撮像領域内の撮像対象を撮像した画像を制御手段23に出力する。この撮像手段21は、3CCDデバイスにより構成された撮像素子と、複数のレンズにより構成された光学ユニットとを備える。なお、撮像手段21に採用される撮像素子は、CCD(Charge Coupled Device)に限らず、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)デバイス等、他の撮像素子を採用してもよい。
【0029】
図1に戻り、制御手段23は、筐体本体241(図2及び図3)内に収納される。この制御手段23は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)等が実装された回路基板として構成され、書画カメラ2全体を制御する。この制御手段23は、撮像制御部231、撮像画像処理部232、画像記憶部233、制御信号判定部234、制御情報生成部235、制御画像生成部236、出力制御部237及び画像出力部238を備える。
【0030】
撮像制御部231は、撮像手段21に所定のタイミングで撮像領域を撮像させ、撮像画像を制御手段23に出力させる。なお、本実施形態では、撮像制御部231は、撮像手段21に後述する表示画像の生成周期で繰り返し撮像させる。
撮像画像処理部232は、本発明の表示画像生成部に相当する。この撮像画像処理部232は、撮像手段21から入力される撮像画像を処理して、プロジェクター3に表示させる表示画像をフレームごとに生成し、当該表示画像を画像記憶部233に記憶させる。
画像記憶部233は、撮像画像処理部232により生成された表示画像を一時的に記憶する。
【0031】
制御信号判定部234は、操作手段22から制御信号が入力されたか否かを判定することで、当該操作手段22に対して使用者による入力操作が行われたか否かを判定する。
制御情報生成部235は、制御信号判定部234により制御信号が入力されたと判定されると、当該制御信号に応じた制御情報を生成する。具体的に、制御情報生成部235は、当該制御信号の内容を符合化した画像を制御情報として生成する。なお、本実施形態では、制御情報生成部235は、当該画像として2次元コードを生成する。
【0032】
制御画像生成部236は、表示画像のフレーム間に挿入する画像(挿入画像)を生成する。この際、制御画像生成部236は、制御信号判定部234により制御信号が入力されたと判定された場合には、挿入画像として、制御情報生成部235により生成された制御情報(2次元コード)を所定のテンプレート画像に設定した制御画像を生成する。また、制御画像生成部236は、制御信号が入力されていないと判定された場合には、挿入画像として、当該テンプレート画像、すなわち、制御情報が設定されていないダミー画像を生成する。
【0033】
具体的に、上記の挿入画像を制御画像生成部236が生成するのに必要なテンプレート画像を表す画像データと、後述する所定のパターンPTを表す画像データとは、それぞれ図示しない不揮発性記憶手段に記憶されており、必要に応じて図示しないRAMに割り付けられた所定の領域に転送される。そして、制御画像生成部236は、当該所定の領域から読み出した画像データを用いて、制御画像とダミー画像とを、それぞれ所定のタイミングで生成する。なお、当該不揮発性記憶手段は、各種半導体メモリー(ROM等)やHDD(Hard Disk Drive)等により構成することができる。
【0034】
図4は、出力制御部237の制御下で画像出力部238により出力される画像を示す図である。
出力制御部237は、生成された表示画像及び挿入画像の画像出力部238による出力を制御し、当該画像出力部238は、表示画像及び挿入画像をプロジェクター3に出力する。具体的に、出力制御部237は、図4に示すように、表示画像P11〜P13(印刷物を撮像した画像)のフレームが順次出力される出力タイミングの合間に、制御画像生成部236により生成された挿入画像C1〜C3をそれぞれ出力するように、画像出力部238を制御する。すなわち、各表示画像P11〜P13の間に、挿入画像C1〜C3がそれぞれ挿入され、これら表示画像P11〜P13及び挿入画像C1〜C3が出力される。
【0035】
これら挿入画像C1〜C3のうち、挿入画像C1,C3は、前述のダミー画像であり、挿入画像C2は、制御情報である2次元コードが含まれる制御画像(換言すると、操作手段22に対する入力操作に応じて生成された制御画像)である。
このような出力制御部237による制御下で、画像出力部238は、表示画像と挿入画像とを交互にプロジェクター3に出力する。そして、これら出力制御部237及び画像出力部238により、操作手段22に対して入力操作が行われたタイミングで、制御情報が設定された制御画像生成され、当該制御画像がプロジェクター3に出力される。
【0036】
〔プロジェクターの構成〕
図5及び図6は、プロジェクター3の外観を示す斜視図である。具体的に、図5及び図6は、プロジェクター3を正面上方側及び背面上方側から見た斜視図である。
プロジェクター3は、書画カメラ2から入力される画像のうち、表示画像を表示するとともに、制御画像に応じた処理を行う。このプロジェクター3は、図1、図5及び図6に示すように、当該プロジェクター3の外装を構成する外装筐体33と、当該外装筐体33内に収納される表示手段31及び制御手段32(ともに図1)とを有する。
外装筐体33は、合成樹脂製の筐体であり、当該外装筐体33は、図5及び図6に示すように、上部を構成するアッパーケース33Uと、下部を構成するロアーケース33Lとが組み合わされて構成される。この外装筐体33は、天面部331、前面部332、背面部333、左側面部334、右側面部335及び底面部336を有する。
【0037】
天面部331には、プロジェクター3の起動及び調整操作を実施するための操作部としての操作パネル3311が左右方向に延びるように設けられている。この操作パネル3311には、押釦スイッチで構成された複数の操作ボタン3312が配設されている。そして、当該操作ボタン3312が押下されると、操作パネル3311内部に配置された図示しない回路基板に実装されたタクトスイッチに当該操作ボタン3312が接触し、当該回路基板が、押下された操作ボタン3312に応じた操作信号を制御手段32に出力する。
背面部333の右下角隅部分には、図6に示すように、図示しない電源ケーブルが挿し込まれる電源コネクター3331が設けられている。
また、背面部333における右側で、かつ、天面部331に近接する側の位置には、前述の各種画像ケーブルが接続される各種端子3333が配設された入力端子群である画像信号入力部3332が設けられている。
【0038】
図1に戻り、表示手段31は、本発明の表示部に相当し、制御手段32から入力される駆動信号に応じた画像を生成及び投射する。この表示手段31は、光源装置311、光変調装置312及び投射光学装置313を備える。
光源装置311は、高圧水銀ランプ等の光源ランプ及び反射鏡であるリフレクター、或いはLED等の固体光源を備え、光変調装置312に光束を照射する。
【0039】
光変調装置312は、図示を省略するが、光源装置311から出射された光束を変調して画像を形成する液晶パネルと、入力される駆動信号に応じて液晶パネルを駆動させるドライバーとを備える。なお、光変調装置312は、液晶パネルを備える構成に限定されるものではなく、マイクロミラーを用いたデバイス等、液晶以外の構成を採用してもよい。
投射光学装置313は、光変調装置312により形成された画像を拡大投射する。この投射光学装置313は、鏡筒と、当該鏡筒内に収納される複数のレンズとを備えた組レンズとして構成されている。
【0040】
制御手段32は、プロジェクター3全体を制御する回路基板として構成されており、例えば、制御手段32は、書画カメラ2から入力される画像を処理して、前述の表示画像に応じた駆動信号を表示手段31に出力する。このような制御手段32は、画像処理部321、周期判定部322、制御情報判定部323、制御情報取得部324及び駆動制御部325を有する。
【0041】
画像処理部321は、画像信号入力部3332を介して書画カメラ2から入力される画像を、図示しないフレームメモリー上に描画する。
周期判定部322は、書画カメラ2から入力された画像の入力周期が、表示画像が入力される周期と一致しているか否かを判定する。すなわち、周期判定部322は、入力された画像が、表示画像であるか否かを判定する。
制御情報判定部323は、周期判定部322により、表示画像が入力される周期と一致していないと判定された際に、画像処理部321により描画された画像を参照して、入力された画像(挿入画像)に制御情報が含まれるか否かを判定する。
【0042】
制御情報取得部324は、制御情報判定部323により制御情報が含まれると判定されると、当該制御情報を取得する。なお、本実施形態では、制御情報取得部324は、前述の2次元コードを取得し、当該2次元コードを解析することで、制御情報を取得する。
駆動制御部325は、書画カメラ2により表示画像が出力されるタイミングで入力され、かつ、画像処理部321によりフレームメモリー上に描画された表示画像に応じた駆動信号を表示手段31に出力して、当該表示画像を表示させる。また、駆動制御部325は、制御情報取得部324により取得された制御情報に基づいて、プロジェクター3の駆動を制御する。例えば、前述の画質調整キーの入力操作に応じて生成された制御情報が取得された場合には、駆動制御部325は、当該制御情報に基づいて、画像処理部321に画質調整処理を実行させる。また、前述のズームキーの入力操作に応じて生成された制御情報が取得された場合には、当該制御情報に基づいて、図示しないズーム機構に、投射画像のズームイン/ズームアウトを実行させる。
【0043】
〔書画カメラの処理〕
図7は、書画カメラ2及びプロジェクター3により行われる制御処理を示すフローチャートである。
書画カメラ2及びプロジェクター3は、それぞれ図示しないメモリーに記憶された制御プログラムを読み込んで、上記の構成により、以下の制御処理を実行する。
当該制御処理において、書画カメラ2では、図4に示すように、まず、撮像画像処理部232が、撮像制御部231の制御下で撮像手段21により撮像された撮像画像を取得して、表示画像を生成する。そして、画像出力部238が、出力制御部237の制御下で、生成された表示画像をプロジェクター3に出力する(ステップS11)。
この後、制御信号判定部234が、操作手段22から制御信号が入力されたか否かを判定する(ステップS12)。
【0044】
ここで、制御信号が入力されていないと判定されると、制御画像生成部236が、挿入画像としてダミー画像を生成する(ステップS13)。そして、制御手段23は、処理をステップS16に移行する。
一方、制御信号が入力されたと判定されると、制御情報生成部235が、当該制御信号に基づく制御情報(2次元コード)を生成し(ステップS14)、制御画像生成部236が、当該制御情報が含まれる制御画像を挿入画像として生成する(ステップS15)。この後、制御手段23は、処理をステップS16に移行する。
【0045】
ステップS16では、出力制御部237の制御下、画像出力部238が、生成された挿入画像をプロジェクター3に出力する(ステップS16)。これにより、挿入画像としてダミー画像が生成されている場合には、画像出力部238により当該ダミー画像が出力され、また、制御画像が生成されている場合には、画像出力部238により当該制御画像が出力される。
この後、制御手段23は、処理をステップS11に戻し、撮像制御部231が、撮像手段21による撮像を再度実行させ、当該撮像画像に基づく表示画像が、画像出力部238により出力される。このため、表示画像の各フレーム間には、ダミー画像又は制御画像がプロジェクター3に出力されることとなる。
【0046】
〔プロジェクターの処理〕
プロジェクター3では、画像処理部321が、入力される画像をフレームメモリーに描画し(ステップS21)、周期判定部322が、当該入力された画像の入力周期が、表示画像の入力周期と一致するか否かを判定する(ステップS22)。
ここで、当該画像の入力周期が表示画像の入力周期と一致すると判定されると、制御手段32は、表示画像が入力したと認識する。そして、駆動制御部325が、フレームメモリーに描画された画像に基づく駆動信号を表示手段31に出力し、当該画像を表示させる(ステップS23)。この後、制御手段32は、処理をステップS21に戻す。
【0047】
一方、画像の入力周期が表示画像の入力周期と一致しないと判定されると、制御手段32は、挿入画像が入力したと認識する。そして、制御情報判定部323が、当該挿入画像に制御情報(2次元コード)が含まれるか否かを判定する(ステップS24)。
ここで、制御情報が含まれていないと判定されると、制御手段32は、ダミー画像が入力したと認識して、処理をステップS21に戻す。すなわち、ダミー画像が入力された場合には、制御手段32は何もせずに、処理をステップS21に戻す。
【0048】
一方、制御情報が含まれていると判定されると、制御情報取得部324が当該制御情報(2次元コード)を取得して解析する(ステップS25)。
そして、駆動制御部325が、取得された制御情報に応じた制御を行う(ステップS26)。この後、制御手段32は、処理をステップS21に戻す。
これにより、書画カメラ2から出力された表示画像は、プロジェクター3により処理されて表示される一方で、当該書画カメラ2から出力された挿入画像は、プロジェクター3により表示されることなく処理され、制御画像に含まれる制御情報に応じた処理が当該プロジェクター3により実行される。
【0049】
以上説明した本実施形態に係る表示システム1によれば、以下の効果がある。
プロジェクター3を制御するための制御情報は、2次元コードとして画像化され、当該2次元コードが設定された制御画像が、書画カメラ2からプロジェクター3に入力される。これによれば、画像ケーブルVCの他に、制御信号が伝送される通信ケーブルを別途設ける必要がない。従って、書画カメラ2とプロジェクター3との接続を簡易に行うことができる。
【0050】
プロジェクター3の表示手段31は、入力された表示画像を表示する。また、制御情報取得部324は、入力された制御画像から制御情報を取得し、駆動制御部325が、当該制御情報に応じたプロジェクター3の制御を行う。これによれば、制御情報が含まれる制御画像が表示されることがない。従って、当該制御画像が観察者に観察されることなく、書画カメラ2によりプロジェクター3を制御できる。
また、制御画像は、表示画像のフレーム間に出力されるので、当該表示画像の出力が滞ることがない。従って、プロジェクター3による画像表示を行いつつ、書画カメラ2により当該プロジェクター3の制御を行うことができる。
【0051】
制御信号判定部234により、操作手段22から制御信号が入力されたと判定されると、制御情報生成部235が当該制御信号に基づく制御情報を生成し、制御画像生成部236が、当該制御情報を含む制御画像を生成する。これによれば、操作手段22に対して入力操作が行われたタイミングで制御画像を生成及び出力することができる。従って、操作手段22に対する入力操作に応じたプロジェクター3の制御を迅速に行うことができる。
【0052】
表示画像のフレーム間には、制御画像又はダミー画像が挿入されて出力される。これによれば、書画カメラ2からは、各画像が順次出力されることとなるので、当該画像の出力タイミングがずれることなく、画像出力を周期的に行うことができる。従って、書画カメラ2及びプロジェクターの間の画像入出力の同期を取り易くすることができる。
【0053】
〔2.第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
本実施形態に係る表示システムは、前述の表示システム1と同様の構成を備える。ここで、表示システム1では、表示画像のフレーム間には常に挿入画像のフレームが挿入され、当該表示画像及び挿入画像が交互にプロジェクター3に出力される構成であった。これに対し、本実施形態に係る表示システムでは、操作手段に対する入力操作が行われたタイミングで制御画像が生成され、当該制御画像が表示画像のフレーム間に挿入されてプロジェクターに出力される。この点で、本実施形態に係る表示システムと、表示システム1とは相違する。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一または略同一である部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0054】
〔表示システムの構成〕
図8は、本実施形態に係る表示システム1Aの構成を示すブロック図である。
本実施形態に係る表示システム1Aは、前述の表示システム1と同様に、図8に示すように、書画カメラ2A及びプロジェクター3Aを備え、書画カメラ2Aから入力される表示画像をプロジェクター3Aが表示しつつ、当該書画カメラ2Aから入力される制御画像に含まれる制御情報に応じた処理をプロジェクター3Aが実行する。
このような書画カメラ2Aは、制御手段23に代えて制御手段23Aを有するほかは、書画カメラ2と同様の構成を有する。また、制御手段23Aは、制御画像生成部236、出力制御部237及び画像出力部238に代えて、制御画像生成部236A、出力制御部237A及び画像出力部238Aを有するほかは、前述の制御手段23と同様の構成を有する。
【0055】
制御画像生成部236Aは、制御信号判定部234により、操作手段22から制御信号が入力されたと判定された際に、制御画像を生成する。詳述すると、制御画像生成部236Aは、所定のパターンが設定されたテンプレート画像に、制御情報生成部235により生成された制御情報である2次元コードを設定した制御画像を生成する。このパターンは、表示画像と制御画像とを区別するためのものである。なお、制御画像生成部236Aは、制御画像生成部236とは異なり、前述のダミー画像の生成を行わない。
【0056】
出力制御部237Aは、画像記憶部233に記憶されたフレームごとの表示画像と、制御画像生成部236Aにより生成された制御画像とを、画像出力部238Aによりプロジェクター3Aに出力させる。詳述すると、出力制御部237Aは、表示画像の各フレームを所定の周期で出力させるが、制御信号判定部234により制御信号が入力されたと判定された場合に、制御画像生成部236Aにより生成された制御画像を当該フレーム間に挿入して、プロジェクター3Aに出力させる。
【0057】
図9は、出力制御部237Aの制御下で画像出力部238Aにより出力される画像を示す図である。
例えば、図9に示すように、画像出力部238Aにより、表示画像P21のフレームが出力されると、その後にダミー画像は出力されず、所定の時間間隔を隔てて表示画像P22のフレームが出力される。この表示画像P22のフレームが出力される際に、操作手段22が操作されて制御信号が入力されると、制御情報生成部235による制御信号に応じた制御情報(2次元コード)が生成され、当該制御情報を含む制御画像CAが生成される。この制御画像CAには、所定のパターンPT(本実施形態では星のマーク)が設定されている。そして、画像出力部238Aは、出力制御部237Aの制御の下、当該制御画像CAを出力し、次の表示画像出力タイミングで、表示画像P23のフレームを出力する。この際、制御信号が入力されない場合には、制御画像が生成されないので、当該制御画像及び前述のダミー画像は出力されない。このように、制御画像は、操作手段22から制御信号が入力された際に生成され、当該制御信号の入力タイミングで、表示画像のフレーム間に挿入されて出力される。
【0058】
図8に戻り、プロジェクター3Aは、制御手段32に代えて制御手段32Aを有するほかは、プロジェクター3と同様の構成を有する。また、制御手段32Aは、周期判定部322及び制御情報判定部323に代えてパターン判定部322Aを有するほかは、制御手段32と同様の構成を有する。
パターン判定部322Aは、画像処理部321によりフレームメモリー上に描画された画像に前述のパターンPTが含まれているか否かを判定する。そして、当該パターン判定部322Aにより、当該画像にパターンPTが含まれていると判定されると、当該画像は制御画像であると認識され、制御情報取得部324により、当該画像に設定された制御情報が取得される。また、パターン判定部322Aにより、描画された画像にパターンPTが含まれていないと判定されると、当該画像は表示画像であると認識され、駆動制御部325による当該画像に応じた駆動信号の出力が行われる。
【0059】
〔書画カメラの処理〕
図10は、書画カメラ2A及びプロジェクター3Aにおいて行われる制御処理を示すフローチャートである。
書画カメラ2A及びプロジェクター3Aは、それぞれ図示しないメモリーに記憶された制御プログラムを読み込んで、上記の構成により、以下の制御処理を実行する。
この制御処理において、書画カメラ2Aでは、図10に示すように、まず、撮像制御部231の制御下で撮像手段21により撮像された撮像画像を、撮像画像処理部232が取得して表示画像を生成する。そして、出力制御部237Aの制御下で、画像出力部238Aが、当該表示画像をプロジェクター3Aに出力する(ステップS31)。
【0060】
この後、制御信号判定部234が、操作手段22が操作されたか否か、すなわち、当該操作手段22から制御信号が入力されたか否かを判定する(ステップS32)。
ここで、制御信号判定部234により、制御信号が入力されていないと判定されると、制御手段23Aは、処理をステップS31に戻す。そして、再び、撮像手段21による撮像が行われ、次の表示画像出力タイミングで、撮像画像処理部232により生成された撮像画像に基づく表示画像が、プロジェクター3Aに出力される。
【0061】
一方、制御信号判定部234により、制御信号が入力されたと判定されると、制御情報生成部235が、当該制御信号に基づく制御情報(2次元コード)を生成する(ステップS33)。そして、制御画像生成部236Aが、当該制御情報を前述のテンプレート画像に設定した制御画像を生成し(ステップS34)、画像出力部238Aが、当該制御画像をプロジェクター3Aに出力する(ステップS35)。
この後、制御手段23Aは、処理をステップS31に戻し、次の表示画像出力タイミングで、撮像画像処理部232により生成された撮像画像に基づく表示画像が、プロジェクター3Aに出力される。
【0062】
〔プロジェクターの処理〕
一方、プロジェクター3Aでは、図10に示すように、まず、画像処理部321が、入力される画像を処理して、当該画像をフレームメモリー上に描画する(ステップS41)。
この後、パターン判定部322Aが、当該画像に前述のパターンPTがあるか否かを判定する(ステップS42)。
ここで、パターンPTがないと判定されると、制御手段32Aは、入力された画像は表示画像であると認識し、駆動制御部325が、当該表示画像に基づく駆動信号を表示手段31に出力して、当該表示画像を表示させる(ステップS43)。この後、制御手段32Aは、処理をステップS41に戻す。
【0063】
一方、パターンPTがあると判定されると、制御情報取得部324が、描画された画像から2次元コードを取得及び解析して、当該2次元コードにより示される制御情報を取得する(ステップS44)。
そして、駆動制御部325が、取得された制御情報に応じた処理を実行する(ステップS45)。この後、制御手段32Aは、処理をステップS41に戻し、次に入力される画像の処理に備える。
【0064】
以上説明した本実施形態に係る表示システム1Aによれば、前述の表示システム1と同様の効果を奏することができるほか、以下の効果を奏することができる。
プロジェクター3Aは、パターンPTを指標として、入力された画像が表示画像か制御画像かを判定するので、表示画像と制御画像とを確実かつ簡易に区分することができる。従って、当該制御画像に含まれる制御情報に基づく制御を確実に実行できる。
また、書画カメラ2Aは、操作手段22から制御信号が入力されたタイミングで、制御画像の生成及び出力を行えばよいため、前述のダミー画像を生成する場合に比べ、書画カメラ2Aにより生成及び出力される画像のフレーム数を削減できる。従って、書画カメラ2Aの処理負担を軽減できる。
【0065】
〔3.第3実施形態〕
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
本実施形態に係る表示システムは、前述の表示システム1と同様の構成を備える。ここで、表示システム1Aは、一定の周期で出力される表示画像のフレーム間に制御画像を挿入し、当該表示画像及び制御画像をプロジェクターに出力する構成であった。これに対し、本実施形態に係る表示システムは、制御画像を表示画像に置き換えて出力する。この点で、本実施形態に係る表示システムと表示システム1とは相違する。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一または略同一である部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0066】
〔表示システムの構成〕
図11は、本実施形態に係る表示システム1Bの構成を示すブロック図である。
本実施形態に係る表示システム1Bは、前述の表示システム1と同様に、図11に示すように、書画カメラ2B及びプロジェクター3Aを備え、書画カメラ2Bから入力される表示画像をプロジェクター3Aが表示しつつ、当該書画カメラ2Bから入力される制御画像に含まれる制御情報に応じた処理をプロジェクター3Aが実行する。
このような書画カメラ2Bは、制御手段23Aに代えて、制御手段23Bを有するほかは、書画カメラ2Aと同様の構成を有する。また、制御手段23Bは、出力制御部237A及び画像出力部238Aに代えて、出力制御部237B及び画像出力部238Bを有するほかは、制御手段23Aと同様の構成を有する。
【0067】
出力制御部237Bは、撮像画像処理部232により生成され、画像記憶部233に記憶された表示画像を所定の周期でプロジェクター3Aに出力するように、画像出力部238Bを制御する。この際、出力制御部237Bは、制御信号判定部234により制御信号が入力されたと判定されると、制御画像生成部236Aにより生成された制御画像を、表示画像に代えて、プロジェクター3Aに出力させる。
【0068】
図12は、出力制御部237Bの制御下で画像出力部238Bにより出力される画像を示す図である。
例えば、画像出力部238Bは、出力制御部237Bの制御下で、図12に示すように、表示画像P31〜P34のフレームを所定の周期で順次プロジェクター3Aに出力する。
ここで、表示画像P32が出力された後、操作手段22に対して入力操作が行われた場合には、当該入力操作に応じて入力される制御信号に基づいて、制御画像生成部236Aにより制御画像CAが生成される。この制御画像CAは、表示画像P32の後の出力タイミングで出力される表示画像P33に代えてプロジェクター3Aに出力される。そして、この制御画像CAの次の出力タイミングで、表示画像P34が出力される。すなわち、本実施形態では、制御画像は、表示画像の出力タイミングに応じたタイミングで、かつ、当該表示画像に代えてプロジェクターに出力される。
以上のように、書画カメラ2Bは、表示画像の出力タイミングで制御画像を出力する他は、前述の書画カメラ2Aの各ステップS31〜S35と同様のステップを経て、プロジェクター3Aに表示画像及び制御画像の各フレームを出力する。
【0069】
以上説明した本実施形態に係る表示システム1Bによれば、前述の表示システム1Aと同様の効果を奏することができるほか、以下の効果を奏することができる。
書画カメラ2Bが制御画像を出力する際には、1フレーム分の表示画像に代えて、当該制御画像を出力する。これによれば、表示画像の各フレームが出力される間に、制御画像のフレームが出力される期間を設ける必要がない。従って、表示画像の各フレームの出力周波数を高めることができる。一方、表示画像の各フレームの出力周波数が十分に高い場合には、1つの表示画像のフレームが制御画像のフレームに替えられた場合でも、当該1つの表示画像のフレームの欠落を目立たなくすることができる。従って、書画カメラ2Bが動体を撮像する場合でも、当該動体をプロジェクター3Aにより円滑に表示できる。
【0070】
〔4.第4実施形態〕
次に、本発明の第4実施形態について説明する。
本実施形態に係る表示システムは、前述の表示システム1と同様の構成を備える。ここで、当該各表示システム1では、書画カメラ2が、表示画像のフレーム間に制御画像を出力する構成であった。これに対し、本実施形態に係る表示システムでは、書画カメラが、表示画像と制御画像とが1フレーム内に設定された画像を出力する。この点で、本実施形態に係る表示システムと表示システム1とは相違する。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一または略同一である部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0071】
〔表示システムの構成〕
図13は、本実施形態に係る表示システム1Cの構成を示すブロック図である。
本実施形態に係る表示システム1Cは、図13に示すように、書画カメラ2C及びプロジェクター3Cを備え、当該書画カメラ2Cから入力される表示画像をプロジェクター3Cが表示しつつ、当該書画カメラ2Cから入力される制御画像に含まれる制御情報に応じた処理をプロジェクター3Cが実行する。
【0072】
〔書画カメラの構成〕
書画カメラ2Cは、制御手段23に代えて、制御手段23Cを有するほかは、書画カメラ2と同様の構成を有する。また、制御手段23Cは、制御画像生成部236、出力制御部237及び画像出力部238に代えて、出力画像生成部239、出力制御部237C及び画像出力部238Cを有するほかは、制御手段23と同様の構成を有する。
【0073】
図14は、出力画像生成部239により生成される出力画像P4を示す図である。
出力画像生成部239は、撮像画像処理部232により処理されて画像記憶部233に記憶された撮像画像である表示画像と、入力される制御信号に応じた制御情報を示す2次元コードとが設定された出力画像P4を生成する。この出力画像P4は、図14に示すように、当該表示画像が設定される表示画像設定領域A1と、プロジェクター3Cにより表示されない領域である非表示領域A2とを有する。このうち、非表示領域A2は、前述の制御信号の内容を符合化した画像である2次元コードが設定されるコード設定領域A21を有する。
【0074】
具体的に、制御信号判定部234により制御信号が入力されていないと判定された場合には、出力画像生成部239は、表示画像(撮像画像)を表示画像設定領域A1に設定し、コード設定領域A21には何も設定しない出力画像P4を生成する。
一方、制御信号判定部234により制御信号が入力されたと判定された場合には、出力画像生成部239は、同様に、表示画像(撮像画像)を表示画像設定領域A1に設定し、更に制御情報生成部235により生成された2次元コードをコード設定領域A21に設定した出力画像P4を生成する。
すなわち、コード設定領域A21に設定された2次元コードを含む非表示領域A2の画像が、本発明の制御画像に相当し、表示画像設定領域A1に設定された撮像画像である表示画像が、本発明の表示画像に相当する。そして、出力画像生成部239は、本発明の表示画像生成部及び制御画像生成部に相当する。
【0075】
出力制御部237Cは、出力画像生成部239により生成された出力画像P4の画像出力部238Cによる出力を制御する。具体的に、出力制御部237Cは、所定のタイミング(例えば、24Hzの周波数)で、画像出力部238Cに当該出力画像P4を出力させる。
画像出力部238Cは、出力制御部237Cによる制御の下、生成された出力画像P4をプロジェクター3Cに出力する。
【0076】
図15は、出力画像P4(P41〜P44)の遷移を示す図である。
上記構成により、書画カメラ2Cは、撮像画像である表示画像を出力画像P4に含めて出力するとともに、操作手段22が操作されたタイミングで生成された制御情報である2次元コードを当該出力画像P4に含めて出力する。
詳述すると、書画カメラ2Cは、図15に示すように、操作手段22が操作されていない状態では、2次元コードが設定されていない出力画像P4(P41,P42)が順に、プロジェクター3Cに出力される。
【0077】
ここで、出力画像P42の出力後に、操作手段22に対する入力操作が行われ、当該入力操作に応じた制御信号が制御手段23Cに入力されると、出力画像生成部239により、2次元コードがコード設定領域A21に設定された出力画像P4(P43)が生成される。この出力画像P43は、出力画像P42の後の画像出力タイミングで、画像出力部238Cによりプロジェクター3Cに出力される。
そして、出力画像P43の出力後に、操作手段22に対する入力操作が行われていない場合には、出力画像P43の後の画像出力タイミングで、2次元コードが設定されていない出力画像P4(P44)が、画像出力部238Cにより出力される。
【0078】
〔プロジェクターの構成〕
図13に戻り、プロジェクター3Cは、制御手段32に代えて制御手段32Cを備えるほかは、プロジェクター3と同様の構成を有する。この制御手段32Cは、当該制御手段32と同様に、プロジェクター3C全体を制御する回路基板として構成されており、画像処理部321、制御情報判定部323C、制御情報取得部324C及び駆動制御部325Cを有する。
【0079】
このうち、制御情報判定部323Cは、書画カメラ2Cから入力され、かつ、画像処理部321により処理された画像(出力画像P4)のコード設定領域A21に、2次元コードが設定されているか否かを判定する。
制御情報取得部324Cは、制御情報判定部323Cにより、2次元コードが設定されていると判定された場合に、当該2次元コードを取得する。そして、制御情報取得部324Cは、取得された2次元コードを解析して、当該2次元コードに設定された制御情報を取得する。
【0080】
駆動制御部325Cは、画像処理部321により描画された画像(出力画像P4)のうち、前述の表示画像設定領域A1に対応する領域に設定された画像(表示画像)を取得する。そして、駆動制御部325Cは、取得された表示画像に応じた駆動信号を表示手段31に出力し、当該表示画像を表示手段31に表示させる。なお、駆動制御部325Cは、入力される画像において表示画像設定領域A1に応じた領域を示す情報を予め保持していてもよく、前述の2次元コードから当該情報を取得するようにしてもよい。
また、駆動制御部325Cは、制御情報取得部324Cにより取得された制御情報に基づいて、プロジェクター3Cの駆動を制御する。例えば、前述の駆動制御部325と同様に、前述の画質調整キーの入力操作に応じて生成された制御情報が取得された場合には、駆動制御部325Cは、当該制御情報に基づいて、画像処理部321に画質調整処理を実行させる。
【0081】
〔書画カメラの処理〕
図16は、書画カメラ2C及びプロジェクター3Cにより行われる制御処理を示すフローチャートである。
書画カメラ2C及びプロジェクター3Cは、それぞれ図示しないメモリーに記憶された制御プログラムを読み込んで、上記の構成により、以下の制御処理を実行する。
当該制御処理において、書画カメラ2Cでは、図16に示すように、まず、撮像画像処理部232が、撮像制御部231の制御下で撮像手段21により撮像された撮像画像を取得して、表示画像を生成する(ステップS51)。
この後、出力画像生成部239が、取得された撮像画像を表示画像として、プロジェクター3Cに出力される出力画像P4の表示画像設定領域A1に設定する(ステップS52)。
【0082】
この後、制御信号判定部234が、操作手段22から制御信号が入力されたか否かを判定する(ステップS53)。
ここで、制御信号判定部234により、制御信号が入力されていないと判定されると、制御手段23Cは、処理をステップS56に移行する。このステップS56では、画像出力部238Cが、ステップS52にて生成された出力画像P4、すなわち、撮像画像が表示画像設定領域A1に設定され、コード設定領域A21には2次元コードが設定されていない出力画像P4を、プロジェクター3Cに出力する(ステップS56)。この後、制御手段23Cは、処理をステップS51に戻す。
【0083】
一方、制御信号判定部234により、制御信号が入力されたと判定されると、制御情報生成部235が、当該制御信号の内容に基づく制御情報として2次元コードを生成する(ステップS54)。
そして、出力画像生成部239が、ステップS52にて撮像画像が設定された出力画像P4のコード設定領域A21に、ステップS54にて生成された2次元コードを設定する(ステップS55)。
次に、出力制御部237Cによる制御下で、画像出力部238Cが、ステップS55にて2次元コードが設定された出力画像P4をプロジェクター3Cに出力する(ステップS56)。この後、制御手段23Cは、処理をステップS51に戻す。
以上のステップS51〜S56は、書画カメラ2Cにより繰り返し実行される。
【0084】
〔プロジェクターの処理〕
一方、プロジェクター3Cでは、まず、画像処理部321が、画像信号入力部3332を介して書画カメラ2Cから入力される画像信号を処理して、当該画像信号に応じた画像を図示しないフレームメモリーに描画する(ステップS61)。
次に、制御情報判定部323Cが、描画された画像に2次元コードが設定されているか否かを判定する(ステップS62)。
ここで、制御情報判定部323Cにより、2次元コードが設定されていないと判定されると、制御手段32Cは、処理をステップS65に移行する。
【0085】
一方、制御情報判定部323Cにより、2次元コードが設定されていると判定されると、制御情報取得部324Cが、当該2次元コードを取得及び解析して、当該2次元コードにより示される制御情報を取得する(ステップS63)。そして、駆動制御部325Cが、取得された制御情報に応じた処理を実行する(ステップS64)。
この後、駆動制御部325Cが、フレームメモリーに描画された画像のうち、表示画像設定領域A1に応じた領域の画像を取得して、当該画像に応じた駆動信号を表示手段31に出力する(ステップS65)。これにより、当該画像(表示画像)が表示手段31により表示される。
以上のステップS61〜S65は、プロジェクター3Cにより繰り返し実行される。
【0086】
以上説明した本実施形態に係る表示システム1Cによれば、前述の表示システム1と同様の効果を奏することができるほか、以下の効果を奏することができる。
書画カメラ2Cは、プロジェクター3Cにより表示される表示画像と、当該プロジェクター3Cを制御するための2次元コードとが設定された出力画像P4を出力する。これによれば、前述の表示システム1,1Aのように表示画像のフレーム間に制御画像を出力する場合に比べ、プロジェクター3Cに入力されるフレームのレート(フレームレート)を低減することができ、逆に、書画カメラ2Cからプロジェクター3Cに入力される表示画像のフレームレートを高めることも可能となる。また、前述の表示システム1Bのように表示画像を制御画像に置き換える場合に比べ、表示画像を確実にプロジェクター3Cに入力させることができる。従って、書画カメラ2Cによりプロジェクター3Cを制御できるとともに、生成された表示画像を、プロジェクター3Cにより一層適切に表示することができる。
【0087】
〔5.実施形態の変形〕
本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
前記第1実施形態では、ダミー画像及び制御画像を含む挿入画像は、表示画像の各フレーム間にそれぞれ挿入されるとしたが、本発明はこれに限らない。すなわち、所定の周期で当該フレーム間に挿入画像が挿入されてもよい。例えば、表示画像を10フレーム出力した直後に、挿入画像を1フレーム出力するように構成してもよい。
【0088】
前記各実施形態では、制御情報生成部235は、操作手段22から入力される制御信号に基づく制御情報を符合化した2次元コードを生成するとしたが、本発明はこれに限らない。すなわち、プロジェクター3,3A,3Cにより抽出及び解析が可能な形態であれば、どのような形態の情報であってもよい。例えば、当該制御情報は、1次元コードでもよく、更に他のコードを用いてもよい。また、プロジェクター3,3A,3Cが文字列認識可能に構成されていれば、制御情報を文字列で生成し、当該文字列を含む制御画像及び出力画像を生成及び出力するように構成してもよい。更に、2次元コード等の制御情報を符合化した画像は、1つの画像(制御画像及び出力画像)中に複数設定されていてもよい。加えて、2次元コードの大きさも適宜設定してよく、当該2次元コードの種別も適宜設定可能である。
【0089】
前記各実施形態では、操作手段22から制御信号が入力されるごとに、制御画像の生成及び出力が行われるとしたが、本発明はこれに限らない。例えば、操作手段22に配設されたキーが連続して入力された場合には、当該キーの入力回数及び入力時間に基づいて、当該入力回数を所定の割合で減算又は除算した数の制御画像を出力するように構成してもよい。
【0090】
前記第1実施形態では、周期判定部322が、画像の入力周期に基づいて、入力された画像が表示画像か否かを判定するとしたが、本発明はこれに限らない。例えば、周期判定部322に代えて、入力された画像のフレーム数をカウントし、当該フレーム数に基づいて、表示画像か否かを判定する画像判定部を採用してもよい。この場合、例えば、画像判定部は、当該フレーム数が奇数であるか偶数であるかにより、入力された画像が表示画像であるのか、制御画像又はダミー画像であるのかを判定するようにしてもよい。
【0091】
前記第1実施形態では、制御画像生成部236により生成され、かつ、ダミー画像及び制御画像により構成される挿入画像には、パターンPTのような所定のパターンを設定していないが、本発明はこれに限らない。すなわち、当該挿入画像に所定のパターンを設定して、当該挿入画像と表示画像とを明確に区分するようにしてもよい。
【0092】
前記第2及び第3実施形態では、制御画像は、表示画像と区別されるための星型のパターンPTを有するとしたが、本発明はこれに限らない。すなわち、パターンPTの形状は、適宜設定してよい。また、当該パターンは、特定の図柄等に限らず、例えば、表示画像の平均輝度レベルを所定値分だけ増加或いは減少させた画像を生成し、当該画像に制御情報を含めることで制御画像を生成してもよい。この場合、プロジェクターが、入力される画像の平均輝度レベルを入力フレームごとに算出し、当該平均輝度レベルに基づいて、入力された画像が表示画像であるのか、制御画像であるのかを判定すればよい。
【0093】
前記第4実施形態では、出力画像P4において、表示画像設定領域A1を当該画像P4の中央に設定し、非表示領域A2のコード設定領域A21を当該画像P4の左下に設定したが、本発明はこれに限らない。すなわち、プロジェクターが、表示画像と2次元コード等の制御情報とを区別できれば、これらの位置は問わない。
【0094】
前記各実施形態では、画像出力装置及び画像表示装置として、書画カメラ2,2A〜2C及びプロジェクター3,3A,3Cをそれぞれ挙げたが、本発明はこれに限らない。すなわち、他の画像出力装置及び他の画像表示装置を採用した表示システムにも、本発明を適用可能である。例えば、画像出力装置として、DVD等のディスク型記録媒体を再生して、画像信号を出力する再生装置や、PC(Personal Computer)を挙げることができ、画像表示装置として、各種ディスプレイを挙げることができる。
【0095】
前記各実施形態では、書画カメラ2,2A〜2Cに前述の制御処理を実行させる制御プログラム、及び、プロジェクター3,3A,3Cに前述の制御処理を実行させる制御プログラムは、メモリーに記憶されているとしたが、本発明はこれに限らない。例えば、当該各制御プログラムが、CD及びDVD等のディスク型記録媒体、並びに、磁気ディスク装置等に記憶され、前述の制御処理を実行する際に、制御手段が当該制御プログラムを適宜読み出すように構成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0096】
本発明は、画像出力装置及び画像表示装置を備える表示システムに好適に利用できる。
【符号の説明】
【0097】
1,1A〜1C…表示システム、2,2A〜2C…書画カメラ(画像出力装置)、3,3A,3C…プロジェクター(画像表示装置)、22…操作手段(操作部)、31…表示手段(表示部)、232…撮像画像処理部(表示画像生成部)、234…制御信号判定部、235…制御情報生成部、236,236A…制御画像生成部、238,238A〜238C…画像出力部、239…出力画像生成部(表示画像生成部、制御画像生成部)、324,324C…制御情報取得部、325,325C…駆動制御部、C1,C3…挿入画像(ダミー画像)、C2…挿入画像(制御画像)、CA…制御画像、P11〜P13,P21〜P23,P31〜P34…表示画像、P4(P41〜P44)…出力画像(表示画像、制御画像)、PT…パターン、S11,S31,S52…ステップ(表示画像生成ステップ、画像出力ステップ)、S15,S34,S55…ステップ(制御画像生成ステップ)、S16,S35,S56…ステップ(画像出力ステップ)、S23,S43,S65…ステップ(表示ステップ)、S25,S44,S63…ステップ(制御情報取得ステップ)、S26,S45,S64…ステップ(駆動制御ステップ)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像出力装置及び画像表示装置を備えた表示システムであって、
前記画像出力装置は、
前記画像表示装置に表示させる画像である表示画像を生成する表示画像生成部と、
前記画像表示装置を制御するための制御情報を含む画像である制御画像を生成する制御画像生成部と、
前記表示画像及び前記制御画像を前記画像表示装置に出力する画像出力部とを有し、
前記画像表示装置は、
入力される前記表示画像を表示する表示部と、
入力される前記制御画像に含まれる前記制御情報を取得する制御情報取得部と、
取得された前記制御情報に基づいて、当該画像表示装置の駆動を制御する駆動制御部とを有することを特徴とする表示システム。
【請求項2】
請求項1に記載の表示システムにおいて、
前記表示画像生成部は、前記表示画像を所定のタイミングで生成し、
前記画像出力部は、前記所定のタイミングに基づいて、前記制御画像を出力することを特徴とする表示システム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の表示システムにおいて、
前記画像出力装置は、
入力操作に応じて前記画像表示装置を制御する制御信号を出力する操作部と、
前記制御信号が入力されたか否かを判定する制御信号判定部と、
前記制御信号が入力されたと判定されると、当該制御信号に応じた前記制御情報を生成する制御情報生成部とを有し、
前記制御画像生成部は、前記制御信号判定部により、前記制御信号が入力されたと判定されると、前記制御情報を含む前記制御画像を生成することを特徴とする表示システム。
【請求項4】
請求項3に記載の表示システムにおいて、
前記制御画像生成部は、前記制御信号判定部により、前記制御信号が入力されていないと判定されると、前記制御情報を含まないダミー画像を生成し、
前記画像出力部は、前記制御信号判定部により、前記制御信号が入力されたと判定されると、前記表示画像が出力されるタイミングとは異なるタイミングで前記制御画像を出力し、前記制御信号が入力されていないと判定されると、前記表示画像が出力されるタイミングとは異なるタイミングで前記ダミー画像を出力することを特徴とする表示システム。
【請求項5】
請求項3に記載の表示システムにおいて、
前記制御画像生成部は、所定のパターンと前記制御情報とを含む前記制御画像を生成し、
前記画像表示装置は、入力される画像に前記所定のパターンが含まれると、当該画像が前記制御画像であると判定し、前記所定のパターンが含まれないと、当該画像が前記表示画像であると判定する画像判定部を有することを特徴とする表示システム。
【請求項6】
画像を出力する画像出力装置であって、
画像表示装置に表示させる画像である表示画像を生成する表示画像生成部と、
前記画像表示装置を制御するための制御情報を含む画像である制御画像を生成する制御画像生成部と、
前記表示画像及び前記制御画像を前記画像表示装置に出力する画像出力部とを有することを特徴とする画像出力装置。
【請求項7】
画像出力装置により、当該画像出力装置に接続された画像表示装置を制御する制御方法であって、
前記画像表示装置に表示させる画像である表示画像を生成する表示画像生成ステップと、
前記画像表示装置を制御するための制御情報を含む画像である制御画像を生成する制御画像生成ステップと、
前記表示画像及び前記制御画像を前記画像表示装置に出力する画像出力ステップとを有することを特徴とする制御方法。
【請求項8】
画像出力装置に接続された画像表示装置を制御する制御プログラムが前記画像出力装置により読取可能に記録された記録媒体であって、
前記画像出力装置に、
前記画像表示装置に表示させる画像である表示画像を生成する表示画像生成ステップと、
前記画像表示装置を制御するための制御情報を含む画像である制御画像を生成する制御画像生成ステップと、
前記表示画像及び前記制御画像を前記画像表示装置に出力する画像出力ステップとを実行させる前記制御プログラムが記録されたことを特徴とする記録媒体。
【請求項9】
入力される画像を表示する画像表示装置を制御する制御方法であって、
入力された画像に、当該画像表示装置を制御するための制御情報が含まれるか否かを判定する制御情報判定ステップと、
前記制御情報が含まれないと判定されると、前記入力された画像を表示する表示ステップと、
前記制御情報が含まれると判定されると、前記入力された画像に含まれる制御情報を取得する制御情報取得ステップと、
取得された前記制御情報に基づいて、当該画像表示装置の駆動を制御する駆動制御ステップとを有することを特徴とする制御方法。
【請求項1】
画像出力装置及び画像表示装置を備えた表示システムであって、
前記画像出力装置は、
前記画像表示装置に表示させる画像である表示画像を生成する表示画像生成部と、
前記画像表示装置を制御するための制御情報を含む画像である制御画像を生成する制御画像生成部と、
前記表示画像及び前記制御画像を前記画像表示装置に出力する画像出力部とを有し、
前記画像表示装置は、
入力される前記表示画像を表示する表示部と、
入力される前記制御画像に含まれる前記制御情報を取得する制御情報取得部と、
取得された前記制御情報に基づいて、当該画像表示装置の駆動を制御する駆動制御部とを有することを特徴とする表示システム。
【請求項2】
請求項1に記載の表示システムにおいて、
前記表示画像生成部は、前記表示画像を所定のタイミングで生成し、
前記画像出力部は、前記所定のタイミングに基づいて、前記制御画像を出力することを特徴とする表示システム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の表示システムにおいて、
前記画像出力装置は、
入力操作に応じて前記画像表示装置を制御する制御信号を出力する操作部と、
前記制御信号が入力されたか否かを判定する制御信号判定部と、
前記制御信号が入力されたと判定されると、当該制御信号に応じた前記制御情報を生成する制御情報生成部とを有し、
前記制御画像生成部は、前記制御信号判定部により、前記制御信号が入力されたと判定されると、前記制御情報を含む前記制御画像を生成することを特徴とする表示システム。
【請求項4】
請求項3に記載の表示システムにおいて、
前記制御画像生成部は、前記制御信号判定部により、前記制御信号が入力されていないと判定されると、前記制御情報を含まないダミー画像を生成し、
前記画像出力部は、前記制御信号判定部により、前記制御信号が入力されたと判定されると、前記表示画像が出力されるタイミングとは異なるタイミングで前記制御画像を出力し、前記制御信号が入力されていないと判定されると、前記表示画像が出力されるタイミングとは異なるタイミングで前記ダミー画像を出力することを特徴とする表示システム。
【請求項5】
請求項3に記載の表示システムにおいて、
前記制御画像生成部は、所定のパターンと前記制御情報とを含む前記制御画像を生成し、
前記画像表示装置は、入力される画像に前記所定のパターンが含まれると、当該画像が前記制御画像であると判定し、前記所定のパターンが含まれないと、当該画像が前記表示画像であると判定する画像判定部を有することを特徴とする表示システム。
【請求項6】
画像を出力する画像出力装置であって、
画像表示装置に表示させる画像である表示画像を生成する表示画像生成部と、
前記画像表示装置を制御するための制御情報を含む画像である制御画像を生成する制御画像生成部と、
前記表示画像及び前記制御画像を前記画像表示装置に出力する画像出力部とを有することを特徴とする画像出力装置。
【請求項7】
画像出力装置により、当該画像出力装置に接続された画像表示装置を制御する制御方法であって、
前記画像表示装置に表示させる画像である表示画像を生成する表示画像生成ステップと、
前記画像表示装置を制御するための制御情報を含む画像である制御画像を生成する制御画像生成ステップと、
前記表示画像及び前記制御画像を前記画像表示装置に出力する画像出力ステップとを有することを特徴とする制御方法。
【請求項8】
画像出力装置に接続された画像表示装置を制御する制御プログラムが前記画像出力装置により読取可能に記録された記録媒体であって、
前記画像出力装置に、
前記画像表示装置に表示させる画像である表示画像を生成する表示画像生成ステップと、
前記画像表示装置を制御するための制御情報を含む画像である制御画像を生成する制御画像生成ステップと、
前記表示画像及び前記制御画像を前記画像表示装置に出力する画像出力ステップとを実行させる前記制御プログラムが記録されたことを特徴とする記録媒体。
【請求項9】
入力される画像を表示する画像表示装置を制御する制御方法であって、
入力された画像に、当該画像表示装置を制御するための制御情報が含まれるか否かを判定する制御情報判定ステップと、
前記制御情報が含まれないと判定されると、前記入力された画像を表示する表示ステップと、
前記制御情報が含まれると判定されると、前記入力された画像に含まれる制御情報を取得する制御情報取得ステップと、
取得された前記制御情報に基づいて、当該画像表示装置の駆動を制御する駆動制御ステップとを有することを特徴とする制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2011−128190(P2011−128190A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−283738(P2009−283738)
【出願日】平成21年12月15日(2009.12.15)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月15日(2009.12.15)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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