説明

表示パネルの駆動電圧出力回路

【課題】 動作速度の向上を図ることができることができる表示パネルの駆動電圧出力回路を提供する。
【解決手段】 ソースドライバの低圧側及び高圧側の電圧フォロワ各々は、差動入力段と、制御段と、出力段と、を備え、出力段は、差動入力段の非反転入力の第1電位と反転入力の第2電位とが供給され、低圧側の電圧フォロワでは低圧側電源電位の供給端子と基準電位の供給端子との間に、高圧側の電圧フォロワでは高圧側電源電位の供給端子と基準電位の供給端子との間に直列に接続された同一チャンネルの2つのトランジスタからなる。更に、第1電位と第2電位との差に応じて第3電位が生成され、低圧側の電圧フォロワでは出力端子と高圧側電源電位の供給端子との間に出力補助用のトランジスタが設けられ、高圧側の電圧フォロワでは出力端子と低圧側電源電位の供給端子との間に出力補助用のトランジスタが接続され、第3電位がその出力補助用のトランジスタに供給される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクティブマトリックス型の液晶パネル等の表示パネルの駆動電圧出力回路に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶パネルの長期信頼性を確保するために、交流駆動する必要があることが知られている。このため、従来のアクティブマトリックス型の液晶表示装置においては、液晶パネルの各セル(画素)の液晶素子の電極間にソースドライバによって印加される駆動電圧を映像信号のフレーム毎に基準電位に対して反転して非反転の高圧駆動電圧及び反転の低圧駆動電圧を得ることが行われている(特許文献1参照)。例えば、高圧側電源電位をVdd、低圧側電源電位をVss、基準電位をVdm(=(Vdd−Vss)/2)、非反転の高圧駆動電圧をVout1、反転の低圧駆動電圧をVout2とすると、Vout1はVdd〜Vdmの範囲の電圧となり、Vout2はVdm〜Vssの範囲の電圧となる。このように3電源を用いたソースドライバにおいては、液晶駆動ドライバ特有のγカーブに応じた出力範囲に合わせた回路構成及び電圧範囲とすることができ、これにより消費電力を抑えることができる。
【0003】
また、その交流駆動においては、液晶パネルの全てのセルを同時に同極性にするのではなく、列及び行各々において隣り合うセルが互いに反転駆動になるようにしたドット反転駆動方式、或いは列において隣り合うセルが互いに反転駆動になり、行においては2ライン毎に反転するようにした2ラインドット反転方式が採用されている。
【0004】
そのような駆動電圧を生成するためにソースドライバには液晶パネルの奇数番目のソース信号ラインと偶数番目のソース信号ラインとを1組として差動増幅回路を用いた駆動電圧出力回路が設けられている(特許文献1の図9及び図10参照)。このような駆動電圧出力回路では奇数番目のソース信号ライン及び偶数番目のソース信号ラインに個別に供給する駆動電圧として高圧駆動電圧Vout1と低圧駆動電圧Vout2とが各々生成される。
【特許文献1】特開平10−62744号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、かかる特許文献1に示された従来の駆動電圧出力回路においては、トランジスタと電流源とを用いたソース接地回路からなる出力段が用いられているためにソース接地のトランジスタと電流源との間に能力差によりそのトランジスタのゲートへの入力電圧が変化しても所望の出力電圧を生成するまでの動作が遅いという問題があった。また、出力段において高圧駆動電圧Vout1の出力のためには電源電圧Vdd〜Vdmが印加され、低圧駆動電圧Vout2の出力のためには電源電圧Vdm〜Vssが印加されるので、電流源としてトランジスタを用いた構成にした場合にトランジスタを応答性よく動作させる構成にすることが難しいという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、その主な目的は、動作速度の向上を図ることができることができる表示パネルの駆動電圧出力回路を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の表示パネルの駆動電圧出力回路は、高圧側電源電位と低圧側電源電位との中間の基準電位に対して低圧側の駆動電圧と高圧側の駆動電圧とを表示データに応じて生成してそれらの駆動電圧をマトリックス型の表示パネルの複数の列ライン各々に対して少なくともフレーム毎に交互に供給するソースドライバの低圧側及び高圧側の電圧フォロワからなる駆動電圧出力回路であって、低圧側及び高圧側の電圧フォロワ各々は、入力端子をなす非反転入力の第1トランジスタ及び反転入力の第2トランジスタからなる差動増幅回路と前記第2トランジスタの被制御端間を流れる電流に等しい電流を前記第1トランジスタの一方の被制御端に供給する第1電流ミラー回路とを有し、前記第1トランジスタの前記一方の被制御端と前記第1電流ミラー回路との接続点の電位を第1電位として生成し、前記第2トランジスタの一方の被制御端と前記第1電流ミラー回路との接続点の電位を第2電位として生成する差動入力段と、前記高圧側電源電位の供給端子と前記低圧側電源電位の供給端子との間に第3トランジスタと電流源との直列回路を有し、前記第3トランジスタの制御端に前記第1電位を供給して前記第3トランジスタの一方の被制御端と前記電流源との接続点から制御電位を出力する制御段と、前記低圧側の電圧フォロワでは前記低圧側電源電位の供給端子と前記基準電位の供給端子との間に、前記高圧側の電圧フォロワでは前記高圧側電源電位の供給端子と前記基準電位の供給端子との間に直列に接続された同一チャンネルの第4及び第5トランジスタからなり、前記低圧側電源電位の供給端子又は前記高圧側電源電位の供給端子に接続された前記第4トランジスタの制御端に前記第1電位を供給し、前記基準電位の供給端子に接続された前記第5トランジスタの制御端に前記制御電位を供給し、前記第4及び第5トランジスタの被制御端の接続点が出力端子となり、前記出力端子が前記差動入力段の反転入力に接続された出力段と、前記第1電位と前記第2電位との差に応じて第3電位を生成する電位生成手段と、前記低圧側の電圧フォロワでは前記出力端子と前記高圧側電源電位の供給端子との間に、前記高圧側の電圧フォロワでは出力端子と前記低圧側電源電位の供給端子との間に接続され、前記第3電位が制御端に供給される第6トランジスタと、を備えたことを特徴とすることを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
本発明の駆動電圧出力回路によれば、第5トランジスタの出力補助用として第6トランジスタを設けたことにより、特に出力端子の電位が基準電位にほぼ等しくなるとき第5トランジスタを流れるべき電流の一部は第6トランジスタを介して高圧側の電圧フォロワでは低圧側電源電位の供給端子に流れ、低圧側の電圧フォロワでは高圧側電源電位の供給端子から流れ込むので、第5トランジスタの負荷は減少される。よって、第5トランジスタとしては小サイズのトランジスタで済むことになり、また、十分な応答速度を確保することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施例について図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0010】
図1は本発明の駆動電圧出力回路が適用された液晶表示装置を示している。この液晶表示装置は、タイミングコントローラ1、複数のソースドライバ2、複数のゲートドライバ3、駆動電源4及びTFT液晶パネル5を備えている。
【0011】
TFT液晶パネル5は列方向に延びた複数のソース信号ライン52と行方向に延びた複数のゲート信号ライン53とを備え、ソース信号ライン52とゲート信号ライン53との交差部分にセル(画素)が各々形成されている。各セルは図1では概略的に示されているが、TFT(薄膜トランジスタ)51及び液晶素子56を備えている。TFT51のソースはソース信号ライン52に接続され、ゲートはゲート信号ライン53に接続されている。また、TFT51のドレインに液晶素子56の一端(素子電極)54が接続され、液晶素子56の他端(共通電極)55は共通電極電位、すなわち、基準電位Vdmの接続ラインに共通接続されている。
【0012】
タイミングコントローラ1はグラフィックプロセッサ等の外部回路から供給された映像信号を受け取り、その映像信号に応じてゲートドライバ3各々へ垂直同期信号を出力し、ソースドライバ2には垂直同期信号に同期して水平同期信号及びソース制御信号を出力する。ソース制御信号として後述する交流駆動制御信号POL(2値制御信号)が含まれる。タイミングコントローラ1は映像信号を表示ライン毎のディジタル化してRGBの表示データ(輝度を示すデータ)とし、その表示データをソースドライバ2に順次供給し、また走査信号を生成するためのゲート制御信号をゲートドライバ3へ出力する。
【0013】
ゲートドライバ3各々は同一のICチップからなり、ゲート制御信号に応じて液晶パネル5の複数のゲート信号ライン53のいずれか1を選択し、その選択ゲート信号ラインに駆動電源4の出力電圧に基づいた走査信号を出力する。
【0014】
ソースドライバ2各々は同一のICチップからなり、駆動電源4から得た基準電圧を元に生成し、表示データに応じた階調表示用電圧を選択して液晶パネル5のソース信号ライン52に印加することにより、ゲートドライバ3で走査信号が供給されたライン53上のセルのTFT51をオン駆動して液晶素子56に電圧を印加させ、これにより液晶素子56の光透過率が変化する。その変化がセル毎の液晶素子56において生じることにより液晶パネル4に画像を映し出すことが行われる。
【0015】
液晶素子56に印加される電圧は、素子電極54と共通電極55の電位差であり、液晶パネル5は長期信頼性を確保するために、液晶素子56に対して、交流に電圧を印加する必要がある。すなわち、各ゲートドライバ3の出力はTFT51をオンさせ、ソースドライバ2の出力は素子電極54へ共通電極55の基準電位Vdmに対して正極性(高圧側)又は負極性(低圧側)の駆動電圧が印加される。このように、液晶素子56に加わる電圧を交流化して駆動することが可能となる。
【0016】
各ソースドライバ2は、図2に示すように、シフトレジスタ8、表示データラッチ9、第1ラッチ10、第2ラッチ11、第1スイッチ16、レベルシフタ12、D/Aコンバータ13、駆動電圧出力回路15及び第2スイッチ17によって構成されている。
【0017】
入力されたディジタル信号の表示データ(R、G、B)は、シフトレジスタ8の動作に基づいて時分割で、順次に第1ラッチ10に記憶される。シフトレジスタ8の動作は、タイミングコントローラ1からのスタートパルス及びクロックに基づいている。第2ラッチ11は、第1ラッチ10からの表示データを保持し、水平同期信号に応答して、一斉に第1スイッチ16を介してD/Aコンバータ13に出力する。D/Aコンバータ13は、ディジタル表示データに対応する階調表示用電圧を出力回路15に出力させる。出力回路15は交流駆動制御信号に応じてその階調表示用電圧を第2スイッチ17を介して液晶駆動出力端子に与え、その電圧はソース信号ライン52、そしてTFT51を介して素子電極54に印加される。この液晶駆動出力端子に生成される電圧を交流化する。電圧の交流化としてはフレーム毎に第1スイッチ16及び第2スイッチ17によって高電圧と低電圧とが交互に切り替えられる。
【0018】
図3及び図4はソースドライバ2内の1つの奇数番目の出力端子181及びその隣の1つの偶数番目の出力端子182に関する部分を具体的に示している。奇数番目の出力端子181側には、第2ラッチ111、第1スイッチ161、レベルシフタ121、高圧側D/Aコンバータ131、ソースアンプ151及び第2スイッチ171が配置されている。偶数番目の出力端子182側には、第2ラッチ112、第1スイッチ162、レベルシフタ122、低圧側D/Aコンバータ132、シンクアンプ152及び第2スイッチ172が配置されている。
【0019】
なお、第2ラッチ111,112は図2の第2ラッチ11に対応し、第1スイッチ161,162は図2の第1スイッチ16に対応し、レベルシフタ121,122は図2のレベルシフタ12に対応し、高圧側D/Aコンバータ131及び低圧側D/Aコンバータ132は図2のD/Aコンバータ13に対応し、ソースアンプ151及びシンクアンプ152は図2の駆動電圧出力回路15に対応し、第2スイッチ171,172は図2の第2スイッチ17に対応する。
【0020】
図3及び図4に示された部分において、交流駆動制御信号POLに応じて第1スイッチ161,162は連動し、第2スイッチ171,172も連動する。図3に示すように、交流駆動制御信号POLが低レベルLであるため第1スイッチ161が第2ラッチ111の出力データをレベルシフタ121に中継供給するとき第1スイッチ162は第2ラッチ112の出力データをレベルシフタ122に中継供給する。同時に第2スイッチ171はソースアンプ151の高圧側の駆動電圧を奇数番目の出力端子181に中継供給し、第2スイッチ172はシンクアンプ152の低圧側の駆動電圧を偶数番目の出力端子182に中継供給する。すなわち、図3に破線で示すようにデータ又は電圧が供給される。
【0021】
一方、図4に示すように、交流駆動制御信号POLが高レベルHであるため第1スイッチ161が切り換えられて第2ラッチ112の出力データをレベルシフタ121に中継供給するとき第1スイッチ162は第2ラッチ111の出力データをレベルシフタ122に中継供給する。同時に第2スイッチ171はシンクアンプ152の低圧側の駆動電圧を奇数番目の出力端子181に中継供給し、第2スイッチ172はソースアンプ151の高圧側の駆動電圧を偶数番目の出力端子182に中継供給する。すなわち、図4に破線で示すようにデータ又は電圧が供給される。
【0022】
このように、図3の状態と図4の状態とを第1スイッチ161,162及び第2171,172を用いて交互に切り替えることにより、液晶パネル5を交流駆動することができる。
【0023】
図5は駆動電圧出力回路15のソースアンプ151を示しており、図6は駆動電圧出力回路15のシンクアンプ152を示している。ソースアンプ151は高圧側の駆動電圧Vout1を生成し、駆動電圧Vout1は基準電位Vdm〜電源電位Vddの範囲の電圧である。シンクアンプ152は低圧側の駆動電圧Vout2を生成し、駆動電圧Vout2は接地電位Vss〜基準電位Vdmの範囲の電圧である。例えば、Vss=0V,Vdm=5V,Vdd=10Vである。
【0024】
ソースアンプ151は図5に示すように、差動入力段1a、制御段2a及び出力段3aから構成される電圧フォロワである。差動入力段1aは、差動増幅回路構成のNチャンネルの電界効果トランジスタMN1,MN2(第1及び第2トランジスタ)と、第1電流ミラー回路を構成するPチャンネルの電界効果トランジスタMP1,MP2と、電流源I1とを備えている。
【0025】
トランジスタMN1のゲート(制御端)が非反転の入力端子Vinであり、トランジスタMN2のゲート(制御端)が電圧フォロワの帰還入力となる反転入力端子であり、後述の出力段3aの出力端子Voutに接続されている。トランジスタMN1,MN2各々のソース(被制御端)は電流源I1を介して接地電位Vssの端子に接続されている。トランジスタMP1,MP2各々のソースは電源電位Vddの端子に接続され、トランジスタMP1のドレイン(被制御端)はトランジスタMN1のドレイン(被制御端)に接続され、その接続点が図5では符号Aで表されている。接続点Aの電位が第1電位である。トランジスタMP2のドレインはトランジスタMN2のドレインに接続され、その接続点が図5では符号Bで表されている。接続点Bの電位が第2電位である。トランジスタMP1,MP2のゲートは互いに接続され、トランジスタMP2のゲートとドレインとが接続されている。
【0026】
制御段2aは、Pチャンネルの電界効果トランジスタMP3,MP6,MP7、Nチャンネルの電界効果トランジスタMN3,MN4,MN6,MN7及び電流源I2からなる。トランジスタMP6のソース及びトランジスタMN6のドレインは共に差動入力段1a内の接続点Bに接続されている。トランジスタMP6のドレイン及びトランジスタMN6のソースは共にトランジスタMN3(第3トランジスタ)のドレイン・ソースを介して接地電位Vssの端子に接続されている。トランジスタMP7のソース及びトランジスタMN7のドレインは共に差動入力段1a内の接続点Aに接続されている。トランジスタMP7のドレイン及びトランジスタMN7のソースは共にトランジスタMN4のドレイン・ソースを介して接地電位Vssの端子に接続されている。トランジスタMN4のドレインの接続点は図5では符号Eで表されている。トランジスタMN3,MN4のゲートは互いに接続され、トランジスタMN3のドレインとゲートとは接続されている。この接続点は図5では符号Dで表されている。トランジスタMN3,MN4は第2電流ミラー回路を構成している。トランジスタMP6,MP7各々のゲートには第1所定バイアス電位BIAS1が供給され、トランジスタMN6,MN7各々のゲートには第2所定バイアス電位BIAS2が供給される。接続点Eの電位が第3電位であり、上記のトランジスタMP6,MP7及びトランジスタMN3,MN4,MN6,MN7の構成により接続点Aの電位と接続点Bの電位との差に応じた電位となる。すなわち、接続点Aの電位が接続点Bの電位より大となれば、接続点Eの電位は上昇し、逆に接続点Aの電位が接続点Bの電位より小となれば、接続点Eの電位は低下する。
【0027】
トランジスタMP3のソースは電源電位Vddの端子に接続され、ゲートは差動入力段1a内の接続点Aに接続され、ドレインは電流源I2を介して接地電位Vssの端子に接続されている。トランジスタMP3のドレインと電流源I2との接続点が制御段2aの出力となり、図5では符号Fで表されている。接続点Fの電位が制御電位である。
【0028】
出力段3aはPチャンネルの電界効果トランジスタMP4(第4トランジスタ),MP5(第5トランジスタ)、Nチャンネルの電界効果トランジスタMN8(第6トランジスタ)及び位相補償用のコンデンサC1,C2からなる。トランジスタMP4のソースは電源電位Vddの端子に接続され、ゲートは接続点Aに接続されている。トランジスタMP5のドレインは基準電位Vdmの端子に接続され、ゲートは接続点Fに接続されている。トランジスタMP4のドレインはトランジスタMP5のソース及びトランジスタMN8のドレインに接続され、この接続点が駆動電圧の出力端子Voutである。コンデンサC1はトランジスタMP4のゲート・ドレイン間に接続され、コンデンサC2はトランジスタMP5のゲート・ソース間に接続されている。
【0029】
トランジスタMN8のゲートは接続点Eに接続され、ソースは接地電位Vssの端子に接続されている。トランジスタMN8は出力補助用のトランジスタとしてトランジスタMP5に並列に接続されており、トランジスタMP5のソース・ドレイン間を流れるべき電流の一部がトランジスタMN8のドレイン・ソース間を流れるようにされている。
【0030】
かかる構成のソースアンプ151においては、非反転入力端子Vinには電源電位Vdd〜基準電位Vdmの電位が供給される。入力端子Vinの電位が電源電位Vdd側に変化すると、トランジスタMN1のドレイン・ソース間はオン側に変化するので、接続点Aの電位レベルは低下する。接続点Aの電位はトランジスタMP3及びMP4のゲートに供給されるので、トランジスタMP3及びMP4各々のソース・ドレイン間を流れる電流を増加させる。接続点Fの電位レベルは電源電位Vdd側に上昇することになるので、その接続点Fの電位がゲートに印加されているトランジスタMP5のソース・ドレイン間を流れる電流は減少する。また、接続点Aの電位レベルの低下はトランジスタMP7及びトランジスタMN7を介して接続点Eの電位、すなわちトランジスタMN8のゲート電位を低下させるので、トランジスタMN8のドレイン・ソース間を流れる電流は減少する。よって、出力端子Voutの電位は電源電位Vdd側に変化する。
【0031】
また、出力端子Voutの電位は反転入力端子であるトランジスタMN2のゲートに印加されるので、そのゲート電位に応じてトランジスタMN2のドレイン・ソース間を流れる電流が増加し、これにより、そのドレイン、すなわち接続点Bの電位レベルは低下する。更に、電流ミラー回路を構成するトランジスタMP1,MP2によりトランジスタMP1のソース・ドレイン間を流れる電流を増加させる。接続点Aの電位レベルは上昇することになる。これにより接続点Fの電位レベルは接地電位Vss側に低下することになるので、その接続点Fの電位がゲートに印加されているトランジスタMP5のソース・ドレイン間を流れる電流は増加する。また、接続点Bの電位レベル低下はトランジスタMP6及びトランジスタMN6各々を介してトランジスタMN3のドレイン・ソース間を流れる電流を減少させる。接続点Dの電位レベルが低下するので、トランジスタMN3,MN4のミラー電流効果によりトランジスタMP7及びトランジスタMN7各々を介してトランジスタMN4のドレイン・ソース間を流れる電流が減少される。これにより接続点Eの電位、すなわちトランジスタMN8のゲート電位が上昇するので、トランジスタMN8のドレイン・ソース間を流れる電流は増加する。
【0032】
結果として上記の動作が繰り返されて各接続点A,B,D,E,Fの電位レベルが収束することになり、出力端子Voutの電位は入力端子Vinの電位に等しくなる。
【0033】
一方、入力端子Vinの電位が基準電位Vdm側に変化すると、トランジスタMN1のドレイン・ソース間はオフ側に変化するので、接続点Aの電位レベルは上昇する。接続点Aの電位はトランジスタMP3及びMP4のゲートに供給されるので、トランジスタMP3及びMP4各々のソース・ドレイン間を流れる電流を減少させる。接続点Fの電位レベルは接地電位Vss側に低下することになるので、その接続点Fの電位がゲートに印加されているトランジスタMP5のソース・ドレイン間を流れる電流は増加する。また、接続点Aの電位レベルの上昇はトランジスタMP7及びトランジスタMN7を介して接続点Eの電位、すなわちトランジスタMN8のゲート電位を上昇させるので、トランジスタMN8のドレイン・ソース間を流れる電流は増加する。よって、出力端子Voutの電位は電源電位Vdm側に変化する。
【0034】
また、出力端子Voutの電位レベルの低下はトランジスタMN2のゲートに印加されるので、そのゲート電位に応じてトランジスタMN2のドレイン・ソース間を流れる電流が減少し、これにより、そのドレイン、すなわち接続点Bの電位レベルは上昇する。更に、電流ミラー回路を構成するトランジスタMP1,MP2によりトランジスタMP1のソース・ドレイン間を流れる電流を減少させる。接続点Aの電位レベルは低下することになる。これにより接続点Fの電位レベルは電源電位Vdd側に上昇することになるので、その接続点Fの電位がゲートに印加されているトランジスタMP5のソース・ドレイン間を流れる電流は減少する。また、接続点Bの電位レベル上昇はトランジスタMP6及びトランジスタMN6各々を介してトランジスタMN3のドレイン・ソース間を流れる電流を増加される。よって、接続点Dの電位レベルが上昇するので、トランジスタMN3,MN4のミラー電流効果によりトランジスタMP7及びトランジスタMN7各々を介してトランジスタMN4のドレイン・ソース間を流れる電流が増加される。これにより接続点Eの電位、すなわちトランジスタMN8のゲート電位が低下するので、トランジスタMN8のドレイン・ソース間を流れる電流は減少する。
【0035】
結果として上記の動作が繰り返されて各接続点A,B,D,E,Fの電位レベルが収束することになり、出力端子Voutの電位は入力端子Vinの電位に等しくなる。
【0036】
トランジスタMP5に対して出力補助用のトランジスタMN8が設けられていない場合には、大きなバックバイアスが掛かるので、十分の応答速度を確保するためには大きなサイズのトランジスタを用いる必要があるが、上記のように出力補助用のトランジスタMN8を設けたことにより、特に出力端子Voutの電位がVdmにほぼ等しくなるような出力変動時にはトランジスタMP5を流れるべき電流の一部はトランジスタMN8を介して接地電位Vssの端子に流れるので、トランジスタMP5の負荷は減少される。よって、トランジスタMP5としては小サイズのトランジスタで済むことになる。
【0037】
また、駆動電圧変動時にはトランジスタMP5及び出力補助用のトランジスタMN8に電流が流れ、駆動電圧が安定すると、トランジスタMN8に電流が流れてトランジスタMP5には電流が流れないように制御することにより差動入力段1aと出力段3aの電圧関係がVdd〜Vssの如く合うのでシステマオフセットが減少する。
【0038】
シンクアンプ152は図6に示すように、差動入力段1b、制御段2b及び出力段3bから構成される電圧フォロワである。差動入力段1bは、差動増幅回路構成のPチャンネルの電界効果トランジスタMP11,MP12(第1及び第2トランジスタ)と、第1電流ミラー回路を構成するNチャンネルの電界効果トランジスタMN11,MN12と、電流源I11とを備えている。
【0039】
トランジスタMP11のゲートが非反転の入力端子Vinであり、トランジスタMP12のゲートが電圧フォロワの帰還入力となる反転入力端子であり、後述の出力段3bの出力端子Voutに接続されている。トランジスタMP11,MP12各々のソースは電流源I11を介して電源電位Vddの端子に接続されている。トランジスタMN11,MN12各々のソースは接地電位Vssの端子に接続され、トランジスタMN11のドレインはトランジスタMP11のドレインに接続され、その接続点が図6では符号A1で表されている。接続点A1の電位が第1電位である。トランジスタMN12のドレインはトランジスタMP12のドレインに接続され、その接続点が図6では符号B1で表されている。接続点こ1の電位が第2電位である。トランジスタMN11,MN12のゲートは互いに接続され、トランジスタMN12のゲートとドレインとが接続されている。
【0040】
制御段2bは、Nチャンネルの電界効果トランジスタMN13,MN16,MN17、Pチャンネルの電界効果トランジスタMP13,MP14,MP16,MP17及び電流源I12からなる。トランジスタMN16のソース及びトランジスタMP16のドレインは共に差動入力段1b内の接続点B1に接続されている。トランジスタMP16のドレイン及びトランジスタMN16のソースは共にトランジスタMP13(第3トランジスタ)のドレイン・ソースを介して電源電位Vddの端子に接続されている。トランジスタMN17のソース及びトランジスタMP17のドレインは共に差動入力段1b内の接続点A1に接続されている。トランジスタMN17のドレイン及びトランジスタMP17のソースは共にトランジスタMP14のドレイン・ソースを介して電源電位Vddの端子に接続されている。トランジスタMP13,MP14のゲートは互いに接続され、トランジスタMP13のドレインとゲートとは接続されている。この接続点は図6では符号D1で表されている。トランジスタMP13,MP14は第2電流ミラー回路を構成している。トランジスタMP14のドレインの接続点は図6では符号E1で表されている。トランジスタMP16,MP17各々のゲートには第1所定バイアス電位BIAS1が供給され、トランジスタMN16,MN17各々のゲートには第2所定バイアス電位BIAS2が供給される。接続点E1の電位が第3電位であり、トランジスタMN16,MN17及びトランジスタMP13,MP14,MP16,MP17の構成により接続点Aの電位と接続点Bの電位との差に応じた電位となる。すなわち、接続点A1の電位が接続点B1の電位より大となれば、接続点E1の電位は上昇し、逆に接続点A1の電位が接続点B1の電位より小となれば、接続点E1の電位は低下する。
【0041】
トランジスタMN13のソースは接地電位Vssの端子に接続され、ゲートは差動入力段1b内の接続点A1に接続され、ドレインは電流源I12を介して電源電位Vddの端子に接続されている。トランジスタMN13のドレインと電流源I12との接続点が図6では符号F1で表されている。接続点F1は制御段2bの出力である制御電位を生成する。
【0042】
出力段3bはNチャンネルの電界効果トランジスタMN14(第4トランジスタ),MN15(第5トランジスタ)、Pチャンネルの電界効果トランジスタMP18(第6トランジスタ)及び位相補償用のコンデンサC11,C12からなる。トランジスタMN14のソースは接地電位Vssの端子に接続され、ゲートは接続点A1に接続されている。トランジスタMN15のドレインは基準電位Vdmの端子に接続され、ゲートは接続点F1に接続されている。トランジスタMN14のドレインはトランジスタMP15のソース及びトランジスタMP18のドレインに接続され、この接続点が駆動電圧の出力端子Voutである。コンデンサC11はトランジスタMN15のゲート・ソース間に接続され、コンデンサC12はトランジスタMN14のゲート・ドレイン間に接続されている。
【0043】
トランジスタMP18のゲートは接続点E1に接続され、ソースは電源電位Vddの端子に接続されている。トランジスタMP18は出力補助用のトランジスタとしてトランジスタMN15に並列に接続されており、トランジスタMN15のドレイン・ソース間を流れるべき電流の一部がトランジスタMP1のソース・ドレイン間を流れるようにされている。
【0044】
かかる構成のシンクアンプ152においては、非反転入力端子Vinには基準電位Vdm〜接地電位Vssの電位が供給される。入力端子Vinの電位が接地電位Vss側に変化すると、トランジスタMP11のソース・ドレイン間はオン側に変化するので、接続点A1の電位レベルは上昇する。接続点A1の電位はトランジスタMN13及びMN14のゲートに供給されるので、トランジスタMN13及びMN14各々のドレイン・ソース間を流れる電流を増加させる。また、接続点A1の電位レベルの上昇はトランジスタMN17及びトランジスタMP17を介して接続点E1の電位、すなわちトランジスタMP18のゲート電位を上昇させるので、トランジスタMP18のソース・ドレイン間を流れる電流は減少する。トランジスタMN13のドレイン・ソース間電流の増加により接続点F1の電位レベルは接地電位Vss側に低下することになるので、その接続点F1の電位がゲートに印加されているトランジスタMN15のソース・ドレイン間を流れる電流は減少する。よって、出力端子Voutの電位は電源電位Vss側に変化する。
【0045】
また、出力端子Voutの電位は反転入力端子であるトランジスタMP12のゲートに印加されるので、そのゲート電位に応じてトランジスタMP12のドレイン・ソース間を流れる電流が増加し、これにより、そのドレイン、すなわち接続点B1の電位レベルは上昇する。更に、電流ミラー回路を構成するトランジスタMN11,MN12によりトランジスタMN11のドレイン・ソース間を流れる電流を増大させる。接続点A1の電位レベルは低下することになる。これにより接続点F1の電位レベルは電源電位Vdd側に上昇することになるので、その接続点F1の電位がゲートに印加されているトランジスタMN15のソース・ドレイン間を流れる電流は増加する。また、接続点B1の電位レベル上昇はトランジスタMN16及びトランジスタMP16各々を介してトランジスタMP13のソース・ドレインス間を流れる電流を減少させる。よって、接続点D1の電位レベルが上昇するので、トランジスタMP13,MP14のミラー電流効果によりトランジスタMN17及びトランジスタMP17各々を介してトランジスタMP14のソース・ドレイン間を流れる電流が減少される。これにより接続点E1の電位、すなわちトランジスタMP18のゲート電位が低下するので、トランジスタMP18のソース・ドレイン間を流れる電流は増加する。
【0046】
結果として上記の動作が繰り返されて各接続点A1,B1,D1,E1,F1の電位レベルが収束することになり、出力端子Voutの電位は入力端子Vinの電位に等しくなる。
【0047】
一方、入力端子Vinの電位が基準電位Vdm側に変化すると、トランジスタMP11のソース・ドレイン間はオフ側に変化するので、接続点A1の電位レベルは低下する。接続点A1の電位はトランジスタMN13及びMN14のゲートに供給されるので、トランジスタMN13及びMN14各々のドレイン・ソース間を流れる電流を減少させる。また、接続点A1の電位レベルの低下はトランジスタMN17及びトランジスタMP17を介して接続点E1の電位、すなわちトランジスタMP18のゲート電位を低下させるので、トランジスタMP18のソース・ドレイン間を流れる電流は増加する。トランジスタMN13のドレイン・ソース間電流の減少により接続点F1の電位レベルは電源電位Vdd側に上昇することになるので、その接続点F1の電位がゲートに印加されているトランジスタMN15のソース・ドレイン間を流れる電流は増加する。よって、出力端子Voutの電位は基準電位Vdm側に変化する。
【0048】
また、出力端子Voutの電位は反転入力端子であるトランジスタMP12のゲートに印加されるので、そのゲート電位に応じてトランジスタMP12のドレイン・ソース間を流れる電流が減少し、これにより、そのドレイン、すなわち接続点B1の電位レベルは低下する。更に、電流ミラー回路を構成するトランジスタMN11,MN12によりトランジスタMN11のドレイン・ソース間を流れる電流を減少させる。接続点A1の電位レベルは上昇することになる。これにより接続点F1の電位レベルは接地電位Vss側に低下することになるので、その接続点F1の電位がゲートに印加されているトランジスタMN15のソース・ドレイン間を流れる電流は減少する。また、接続点B1の電位レベル低下はトランジスタMN16及びトランジスタMP16各々を介してトランジスタMP13のソース・ドレインス間を流れる電流を増加させる。よって、接続点D1の電位レベルが低下するので、トランジスタMP13,MP14のミラー電流効果によりトランジスタMN17及びトランジスタMP17各々を介してトランジスタMP14のソース・ドレイン間を流れる電流が増加される。これにより接続点E1の電位、すなわちトランジスタMP18のゲート電位が上昇するので、トランジスタMP18のソース・ドレイン間を流れる電流は減少する。
【0049】
結果として上記の動作が繰り返されて各接続点A1,B1,D1,E1,F1の電位レベルが収束することになり、出力端子Voutの電位は入力端子Vinの電位に等しくなる。
【0050】
トランジスタMN15に対して出力補助用のトランジスタMP18が設けられていない場合には、トランジスタMN15には大きなバックバイアスが掛かるので、十分の応答速度を確保するためには大きなサイズのトランジスタを用いる必要があるが、上記のように出力補助用のトランジスタMP18を設けたことにより、特に出力端子Voutの電位がVdmにほぼ等しくなるような出力変動時にはトランジスタMN15を流れるべき電流の一部はトランジスタMP18を介して電源電位Vddの端子に流れるので、トランジスタMN15の負荷は減少される。よって、トランジスタMN15としては小サイズのトランジスタで済むことになる。
【0051】
また、駆動電圧変動時にはトランジスタMN15及び出力補助用のトランジスタMP18に電流が流れ、駆動電圧が安定すると、トランジスタMP18に電流が流れてトランジスタMN15には電流が流れないように制御することにより差動入力段1bと出力段3bの電圧関係がVdd〜Vssの如く合うのでシステマオフセットが減少する。
【0052】
なお、上記した実施例におけるソースアンプ151の制御部2aの電流源I2を図7に示すように、Nチャンネルの電界効果トランジスタMN5と置き換え、またシンクアンプ152の制御部2bの電流源I12を図8に示すように、Pチャンネルの電界効果トランジスタMP15と置き換えても良い。トランジスタMN5はトランジスタMP3とプッシュプル接続され、接続点Eの電位に応じて動作してトランジスタMN5とトランジスタMP3との接続点Fから制御電位をトランジスタMP5のゲートに供給する。トランジスタMP15はトランジスタMN13とプッシュプル接続され、接続点E1の電位に応じて動作してトランジスタMP15とトランジスタMN13との接続点F1から制御電位をトランジスタMN15のゲートに供給する。
【0053】
図7のソースアンプ151及び図8のシンクアンプ152によれば、制御段2a,2bにはプッシュプル接続されたPチャンネル及びNチャンネルの電界効果トランジスタ各々がソース接地回路を構成しているので、ゲインが高い上に常に電流を流しており、応答速度が早い。よって、駆動電圧が接地電位Vss又は電源電位Vddから基準電位Vdm側に変化する際に電位変化の早いゲート電位を出力段3a,3bのトランジスタのゲートに供給することができるので、出力駆動電圧を表示データに応じた所望電圧に直ちに収束させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の駆動電圧出力回路が適用された液晶表示装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1の装置中のソースドライバの構成を示すブロック図である。
【図3】図2のソースドライバの奇数番目の端子及び偶数番目の出力端子に関係する部分の具体的な構成及びPOL=L時の電流及びデータの流れを示すブロック図である。
【図4】図2のソースドライバの奇数番目の端子及び偶数番目の出力端子に関係する部分の具体的な構成及びPOL=H時の電流及びデータの流れを示すブロック図である。
【図5】ソースアンプの構成を示す回路図である。
【図6】シンクアンプの構成を示す回路図である。
【図7】ソースアンプの他の構成を示す回路図である。
【図8】シンクアンプの他の構成を示す回路図である。
【符号の説明】
【0055】
1a,1b 差動入力段
2 ソースドライバ
2a,2b 制御段
3a,3b 出力段
5 液晶パネル
15 駆動電圧出力回路
151 ソースアンプ
152 シンクアンプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高圧側電源電位と低圧側電源電位との中間の基準電位に対して低圧側の駆動電圧と高圧側の駆動電圧とを表示データに応じて生成してそれらの駆動電圧をマトリックス型の表示パネルの複数の列ライン各々に対して少なくともフレーム毎に交互に供給するソースドライバの低圧側及び高圧側の電圧フォロワからなる駆動電圧出力回路であって、
低圧側及び高圧側の電圧フォロワ各々は、
入力端子をなす非反転入力の第1トランジスタ及び反転入力の第2トランジスタからなる差動増幅回路と前記第2トランジスタの被制御端間を流れる電流に等しい電流を前記第1トランジスタの一方の被制御端に供給する第1電流ミラー回路とを有し、前記第1トランジスタの前記一方の被制御端と前記第1電流ミラー回路との接続点の電位を第1電位として生成し、前記第2トランジスタの一方の被制御端と前記第1電流ミラー回路との接続点の電位を第2電位として生成する差動入力段と、
前記高圧側電源電位の供給端子と前記低圧側電源電位の供給端子との間に第3トランジスタと電流源との直列回路を有し、前記第3トランジスタの制御端に前記第1電位を供給して前記第3トランジスタの一方の被制御端と前記電流源との接続点から制御電位を出力する制御段と、
前記低圧側の電圧フォロワでは前記低圧側電源電位の供給端子と前記基準電位の供給端子との間に、前記高圧側の電圧フォロワでは前記高圧側電源電位の供給端子と前記基準電位の供給端子との間に直列に接続された同一チャンネルの第4及び第5トランジスタからなり、前記低圧側電源電位の供給端子又は前記高圧側電源電位の供給端子に接続された前記第4トランジスタの制御端に前記第1電位を供給し、前記基準電位の供給端子に接続された前記第5トランジスタの制御端に前記制御電位を供給し、前記第4及び第5トランジスタの被制御端の接続点が出力端子となり、前記出力端子が前記差動入力段の反転入力に接続された出力段と、
前記第1電位と前記第2電位との差に応じて第3電位を生成する電位生成手段と、
前記低圧側の電圧フォロワでは前記出力端子と前記高圧側電源電位の供給端子との間に、前記高圧側の電圧フォロワでは出力端子と前記低圧側電源電位の供給端子との間に接続され、前記第3電位が制御端に供給される第6トランジスタと、を備えたことを特徴とすることを特徴とする駆動電圧出力回路。
【請求項2】
前記電位生成手段は、制御端に第1所定バイアス電位が印加された第7トランジスタと、前記第7トランジスタと並列に接続され制御端に第2所定バイアス電位が印加された前記第7トランジスタとは異なるチャンネルの第8トランジスタとを有し前記第7及び第8トランジスタの一方の被制御端に前記第2電位が印加される第1電流供給回路と、
制御端に前記第1所定バイアス電位が印加され前記第7トランジスタとは同一のチャンネルの第9トランジスタと、前記第9トランジスタと並列に接続され制御端に前記第2所定バイアス電位が印加された前記第9トランジスタとは異なるチャンネルの第10トランジスタとを有し前記第9及び第10トランジスタの一方の被制御端に前記第1電位が印加される第2電流供給回路と、
前記第1電流供給回路に流れる電流に等しい電流を前記第2電流供給回路に供給する第2電流ミラー回路と、を備え、前記第2電流供給回路と前記第2電流ミラー回路との接続点の電位を前記第3電位として生成し、
前記低圧側の電圧フォロワでは前記第2電流ミラー回路に電源電位として前記高圧側電源電位が印加され、前記高圧側の電圧フォロワでは前記第2電流ミラー回路に電源電位として前記低圧側電源電位が印加されることを特徴とする請求項1記載の駆動電圧出力回路。
【請求項3】
前記高圧側の電圧フォロワでは前記第1、第2、及び第6トランジスタはNチャンネルの電界効果トランジスタであり、前記第3、第4、及び第5トランジスタはPチャンネルの電界効果トランジスタであり、
前記低圧側の電圧フォロワでは前記第1、第2、及び第6トランジスタはPチャンネルの電界効果トランジスタであり、前記第3、第4、及び第5トランジスタはNチャンネルの電界効果トランジスタであることを特徴とする請求項1記載の駆動電圧出力回路。
【請求項4】
前記電流源として前記第3トランジスタとは異なるチャンネルの第11トランジスタを有し、前記第11トランジスタは前記高圧側電源電位の供給端子と前記低圧側電源電位の供給端子との間に前記第3トランジスタにプッシュプル接続され、前記第11トランジスタの制御端に前記第3電位が供給されて前記第3及び第11トランジスタの被制御端の接続点から前記制御電位を出力することを特徴とする請求項1記載の駆動電圧出力回路。
【請求項5】
前記電位生成手段は前記制御段に含まれ、前記第6トランジスタは前記出力段に含まれることを特徴とする請求項1記載の駆動電圧出力回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−122588(P2010−122588A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−297935(P2008−297935)
【出願日】平成20年11月21日(2008.11.21)
【出願人】(308033711)OKIセミコンダクタ株式会社 (898)
【Fターム(参考)】