表示ユニットおよびこれを用いた画像表示装置
【課題】各画素に、発光色が互いに異なる複数の発光素子が１つのパッケージ内に搭載されたランプを有する表示ユニットにおいて、視認位置の変化による色変わりを低コストで抑制する。
【解決手段】各画素の３ｉｎ１ＬＥＤランプ４の実装方向を、表示面内で規則的に回転させ、各画素における３つのＬＥＤチップ５、６、７の相対位置を規則的に変化させることにより、上下左右方向の視認位置の変化によって１種類のＬＥＤチップからの光だけが遮られることがないようにした。これにより、従来と同様の３ｉｎ１ＬＥＤランプ４を用い、また、その他の構成部材を変更あるいは増加することなく、視認位置の変化による色変わりを低コストで抑制することが可能である。
【解決手段】各画素の３ｉｎ１ＬＥＤランプ４の実装方向を、表示面内で規則的に回転させ、各画素における３つのＬＥＤチップ５、６、７の相対位置を規則的に変化させることにより、上下左右方向の視認位置の変化によって１種類のＬＥＤチップからの光だけが遮られることがないようにした。これにより、従来と同様の３ｉｎ１ＬＥＤランプ４を用い、また、その他の構成部材を変更あるいは増加することなく、視認位置の変化による色変わりを低コストで抑制することが可能である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、各画素に、発光色が互いに異なる複数の発光素子が１つのパッケージ内に搭載されたランプを有する表示ユニット、およびこの表示ユニットを縦方向および横方向に複数配列してなる画像表示装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
大型画像表示装置は、複数の画素を有する表示ユニットを、縦方向および横方向に複数配列することにより構成される。近年、各画素に配置される発光素子として発光ダイオード（以下ＬＥＤと記す）が主流となっており、赤色を発光するＲ−ＬＥＤ、緑色を発光するＧ−ＬＥＤ、および青色を発光するＢ−ＬＥＤを格子状に配置することにより、フルカラー映像を実現している。
【０００３】
ところで、特許文献１に示されるように、屋外に設置される画像表示装置においては、日射の影響を少なくするために各画素の上側に庇を設けることが一般的である。しかし、Ｒ、Ｇ、Ｂ単一色を発光するＬＥＤが規則的に配置されている場合、Ｒ、Ｇ、ＢいずれかのＬＥＤが庇の直下に配置される割合が高くなることがある。このような場合、画像表示装置の表示部に対する視認位置（視認角度）が上下方向に変化すると、庇直下に配置されたＬＥＤからの発光が庇で遮られるため視認できず、色変わりが発生する。
【０００４】
このような問題を解決するため、例えば特許文献２では、発光色が互いに異なる２つの発光素子（Ｒ−ＬＥＤとＧ−ＬＥＤ）をその上下方向に有する表示ドット（画素）と、上下方向に互いに隣り合う２つの表示ドット間に配設された遮光フード（庇）を備えた表示装置において、縦方向の２表示ドット間で隣接するＬＥＤを同一の発光色をもつＬＥＤとし、横方向の２表示ドット間で隣接するＬＥＤを異なる発光色をもつＬＥＤによって構成している。これにより、遮光フードで遮られるＲ−ＬＥＤとＧ−ＬＥＤの数を均等にし、視認位置が上下方向に変化した場合の色変わりを抑制している。
【０００５】
ただし、単一色を発光するＬＥＤを用いた従来の画像表示装置では、基本的に、各ＬＥＤに対して庇を設けることで、視認位置の変化による色変わりを抑制することができる。特許文献２に示されたような１つの画素内に複数のＬＥＤを有する画像表示装置においても同様である。
【０００６】
一方、近年、１つのパッケージ内にＲ−ＬＥＤ、Ｇ−ＬＥＤ、およびＢ−ＬＥＤの３種類のＬＥＤチップが搭載された３ｉｎ１と呼ばれるＬＥＤランプが登場し、画像表示装置に採用されている。３ｉｎ１ＬＥＤランプは、特許文献３に示されるように、樹脂成型体の側壁と底面に囲まれた凹部を有しており、この底面にＲ、Ｇ、Ｂ３種類のＬＥＤチップを搭載し、凹部を透光性樹脂で封止したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００７】
【特許文献１】特開昭５７−６７９７８号公報
【特許文献２】特開平２−５９７９０号公報
【特許文献３】特開２００８−４１６９９号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００８】
上記のような３ｉｎ１ＬＥＤランプを用いた画像表示装置においては、視認位置が上下
左右方向に変化した場合、ＬＥＤチップが搭載された底面を囲む側壁によってＲ、Ｇ、ＢいずれかのＬＥＤチップの光が遮られ、色変わりが発生するという問題がある。この色変わりを抑制する方法として、３ｉｎ１ＬＥＤランプ内のＲ、Ｇ、ＢそれぞれのＬＥＤチップの周りに壁面を設け、各チップの光が遮られる量を同等にする方法が考えられるが、この方法ではランプ内に設けられた壁面により各チップ間の距離が長くなり混色効果が低下するという問題や、壁面により配光範囲が狭まるという問題が発生するため、現実的でない。
【０００９】
さらに、Ｒ、Ｇ、ＢそれぞれのＬＥＤチップは、大きさ、高さ、発光部位が互いに異なっているため、各ＬＥＤチップからの光が同等に遮られるように管理することは難しく、そのような３ｉｎ１ＬＥＤランプを設計、製造することはコスト高となる。
【００１０】
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、各画素に、発光色が互いに異なる複数の発光素子が１つのパッケージ内に搭載されたランプを有する表示ユニットにおいて、視認位置の変化による色変わりを低コストで抑制することを目的とする。
【００１１】
また、上記表示ユニットを用いた信頼性の高い画像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【００１２】
本発明に係る表示ユニットは、表示面内に複数の画素からなる画素列が縦方向および横方向に配置された表示ユニットであって、各画素は、発光色が互いに異なる複数の発光素子が１つのパッケージ内に搭載されたランプを有し、各画素のランプの実装方向を表示面内で規則的に所定の角度回転させ、各画素における複数の発光素子の相対位置を規則的に変化させたものである。
【００１３】
また、本発明に係る画像表示装置は、上記の表示ユニットを、縦方向および横方向に複数配列してなるものである。
【発明の効果】
【００１４】
本発明に係る表示ユニットによれば、各画素のランプの実装方向を表示面内で規則的に所定の角度回転させ、各画素における複数の発光素子の相対位置を規則的に変化させることにより、視認位置が上下左右方向に変化した場合に、１種類の発光素子からの光だけが遮られることがないようにしたので、従来と同様のランプを用い、また、その他の構成部材を変更あるいは増加することなく、視認位置の変化による色変わりを低コストで抑制することが可能である。
【００１５】
また、上記の表示ユニットを縦方向および横方向に複数配列することにより、視認位置の変化による色変わりが発生しない信頼性の高い画像表示装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【００１６】
【図１】本発明の実施の形態１に係る画像表示装置を示す斜視図である。
【図２】本発明の実施の形態１に係る画像表示装置を構成する表示ユニットを示す正面図である。
【図３】本発明の実施の形態１に係る画像表示装置に用いられる３ｉｎ１ＬＥＤランプの構造を示す平面模式図および断面図である。
【図４】本発明の実施の形態１における３ｉｎ１ＬＥＤランプの実装方向の例を説明する図である。
【図５】比較例における３ｉｎ１ＬＥＤランプの実装方向を説明する図である。
【図６】本発明の実施の形態２に係る画像表示装置に用いられる３ｉｎ１ＬＥＤランプの構造を示す平面模式図である。
【図７】本発明の実施の形態２における３ｉｎ１ＬＥＤランプの実装方向の例を説明する図である。
【図８】本発明の実施の形態２における３ｉｎ１ＬＥＤランプの実装方向の他の例を説明する図である。
【図９】本発明の実施の形態３に係る画像表示装置に用いられる３ｉｎ１ＬＥＤランプの構造を示す平面模式図である。
【図１０】本発明の実施の形態３における３ｉｎ１ＬＥＤランプの実装方向の例を説明する図である。
【図１１】本発明の実施の形態３における３ｉｎ１ＬＥＤランプの実装方向の他の例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【００１７】
実施の形態１．
以下、本発明の実施の形態１について図面に基づいて説明する。図１は、本実施の形態１に係る画像表示装置を示す斜視図、図２は、本実施の形態１に係る画像表示装置を構成する表示ユニットを示す正面図である。本実施の形態１に係る画像表示装置１の表示部２は、その表示面内に複数の表示ユニット３を縦方向および横方向に配列して構成される。なお、図１では表示ユニット３を縦方向に４個、横方向に６個配列しているが、表示部２のサイズにより使用される表示ユニット３の数は異なる。
【００１８】
表示ユニット３は、表示面内に複数の画素からなる画素列が縦方向および横方向に配置されたものである。本実施の形態１では、図２に示すように、６４（８×８）画素のそれぞれに３ｉｎ１ＬＥＤランプ４を有しており、３ｉｎ１ＬＥＤランプ４が正方格子状に配置されている。
【００１９】
本実施の形態１に係る画像表示装置１に用いられる３ｉｎ１ＬＥＤランプ４の構造について、図３を用いて説明する。図３（ａ）は、３ｉｎ１ＬＥＤランプを示す平面模式図、図３（ｂ）は、図３（ａ）のＢ−Ｂ線における断面図である。図３（ａ）に示すように、３ｉｎ１ＬＥＤランプ４には、発光色が互いに異なる３つのＬＥＤチップが直線状に配置されており、上段が青色を発光するＢ−ＬＥＤチップ５、中段が緑色を発光するＧ−ＬＥＤチップ６、下段が赤色を発光するＲ−ＬＥＤチップ７である。
【００２０】
また、図３（ｂ）に示すように、３ｉｎ１ＬＥＤランプ４は、不透明な樹脂成型体９の側壁９ａと底面９ｂに囲まれた凹部８を有し、この底面９ｂにＢ−ＬＥＤチップ５、Ｇ−ＬＥＤチップ６、Ｒ−ＬＥＤチップ７を搭載した後、凹部８を透明あるいは半透明の透光性樹脂で封止したものである。これらのＬＥＤチップから発せられた光は、凹部８に充填された透光性樹脂を通して放出される。
【００２１】
図３に示す３ｉｎ１ＬＥＤランプ４においては、上下（縦）方向の視認位置の変化により色変わりが発生する。すなわち、図３（ｂ）中、矢印Ｃの方向（正面方向）から見た場合には、３つのＬＥＤチップからの光はいずれも遮られることなく正常に視認されるが、矢印Ｄの方向（上方向）から見た場合、樹脂成型体９の側壁９ａによりＢ−ＬＥＤチップ５からの光が遮られ、映像は黄色方向に色変わりする。
【００２２】
また、矢印Ｅの方向（下方向）から見た場合には、Ｒ−ＬＥＤチップ７からの光が遮られ、映像はシアン方向に色変わりする。ただし、このタイプの３ｉｎ１ＬＥＤランプ４は、左右（横）方向の視認位置の変化に対しては、樹脂成型体９の側壁９ａにより赤色、青色および緑色の光がほぼ等量に遮られるため、色変わりは発生しにくい。
【００２３】
このような３ｉｎ１ＬＥＤランプ４の構造に起因する、視認位置の変化による色変わりを抑制する方法として、各画素の３ｉｎ１ＬＥＤランプ４の実装方向を表示面内で規則的に所定の角度回転させ、各画素における３つのＬＥＤチップ５、６、７の相対位置を規則的に変化させることが有効である。
【００２４】
ここで、所定の角度とは、任意の画素における３ｉｎ１ＬＥＤランプ４の実装方向を０度としたとき、９０度、１８０度、２７０度のいずれか１つ以上を含むものである。また、各画素の３ｉｎ１ＬＥＤランプ４の実装方向は、縦方向および横方向に隣接する２画素間において、ランプ内の３つのＬＥＤチップの相対位置が互いに異なるように、その回転角度が決定される。
【００２５】
本実施の形態１における３ｉｎ１ＬＥＤランプ４の実装方向の例を図４に示す。図４は、図２中Ａで示す部分を拡大したものである。なお、図中の矢印は３ｉｎ１ＬＥＤランプ４の実装方向を示しており、図４に示す例では、実装方向０度の３ｉｎ１ＬＥＤランプ４ａと、実装方向１８０度の３ｉｎ１ＬＥＤランプ４ｂを含んでいる。
【００２６】
実装方向０度の３ｉｎ１ＬＥＤランプ４ａは、上段がＢ−ＬＥＤチップ５、中段がＧ−ＬＥＤチップ６、下段がＲ−ＬＥＤチップ７である。また、実装方向１８０度の３ｉｎ１ＬＥＤランプ４ｂは、３ｉｎ１ＬＥＤランプ４ａを表示面内で１８０度回転させたものであり、上段がＲ−ＬＥＤチップ７、中段がＧ−ＬＥＤチップ６、下段がＢ−ＬＥＤチップ５となる。
【００２７】
この例では、縦方向の画素列には、実装方向０度の３ｉｎ１ＬＥＤランプ４ａと実装方向１８０度の３ｉｎ１ＬＥＤランプ４ｂが交互に配置され、また、横方向の画素列にも、実装方向０度の３ｉｎ１ＬＥＤランプ４ａと実装方向１８０度の３ｉｎ１ＬＥＤランプ４ｂが交互に配置されている。これにより、縦方向および横方向に隣接する２画素間において、３つのＬＥＤチップ５、６、７の相対位置は互いに異なるものとなっている。
【００２８】
このように、３ｉｎ１ＬＥＤランプ４の実装方向を規則的に回転させることにより、上下左右方向の視認位置の変化によって１種類のＬＥＤチップからの光だけが遮られることがないようにしている。本実施の形態１では、上下方向の視認位置の変化により光が遮られるＢ−ＬＥＤチップ５とＲ−ＬＥＤチップ７の相対位置を、縦方向および横方向の画素列で交互に入れ替えている。これにより、画像表示装置１の表示部２全体として見た場合の視認位置の変化による色変わりが抑制される。
【００２９】
比較例として、縦方向および横方向の画素列を、実装方向０度の３ｉｎ１ＬＥＤランプ４ａのみで構成した例を図５に示す。この例では、上方向から見た場合、Ｂ−ＬＥＤチップ５からの光が遮られ、下方向から見た場合、Ｒ−ＬＥＤチップ７からの光が遮られる。このため、画像表示装置１の表示部２全体として見た場合、上下方向の視認位置の変化による色変わりが発生する。
【００３０】
以上のように、本実施の形態１によれば、表示面内に複数の画素からなる画素列が縦方向および横方向に配置された表示ユニット３において、各画素の３ｉｎ１ＬＥＤランプ４の実装方向を表示面内で規則的に回転させ、各画素における複数の発光素子の相対位置を規則的に変化させることにより、上下左右方向の視認位置の変化によって１種類のＬＥＤチップからの光だけが遮られることがないようにした。
【００３１】
これにより、従来と同様の３ｉｎ１ＬＥＤランプ４を用い、また、その他の構成部材を変更あるいは増加することなく、視認位置の変化による色変わりを低コストで抑制するこ
とが可能な表示ユニット３が得られる。さらに、本実施の形態１における表示ユニットを縦方向および横方向に複数配列することにより、視認位置の変化による色変わりが発生しない信頼性の高い画像表示装置が得られる。
【００３２】
実施の形態２．
図６は、本発明の実施の形態２に係る画像表示装置に用いられる３ｉｎ１ＬＥＤランプの構造を示す平面模式図である。なお、本実施の形態２に係る表示ユニットおよび画像表示装置の構成は、上記実施の形態１と同様であるので説明を省略する。また、図６中、図３と同一、相当部分には同一符号を付している。
【００３３】
図６に示すように、３ｉｎ１ＬＥＤランプ４１には、赤色を発光するＲ−ＬＥＤチップ７、緑色を発光するＧ−ＬＥＤチップ６、および青色を発光するＢ−ＬＥＤチップ５が上下２段に配置されている。このような３ｉｎ１ＬＥＤランプ４１においては、上下左右方向の視認位置の変化により色変わりが発生する。
【００３４】
すなわち、上方向から見た場合には、樹脂成型体９の側壁によりＲ−ＬＥＤチップ７からの光が遮られ、映像はシアン方向に色変わりする。また、下方向から見た場合、Ｇ−ＬＥＤチップ６からの光とＢ−ＬＥＤチップ５からの光が遮られ、映像は赤色方向に色変わりする。また、左方向から見た場合、Ｒ−ＬＥＤチップ７からの光とＧ−ＬＥＤチップ６からの光が遮られ、映像は青色方向に色変わりする。さらに、右方向から見た場合、Ｂ−ＬＥＤチップ５からの光が遮られ、映像は黄色方向に色変わりする。
【００３５】
このような３ｉｎ１ＬＥＤランプ４１の構造に起因する、視認位置の変化による色変わりを抑制するため、各画素の３ｉｎ１ＬＥＤランプ４１の実装方向を表示面内で規則的に所定の角度回転させ、各画素における３つのＬＥＤチップ５、６、７の相対位置を規則的に変化させる。なお、回転角度の決定方法については、上記実施の形態１と同様であるので説明を省略する。
【００３６】
本実施の形態２における３ｉｎ１ＬＥＤランプ４１の実装方向の例を図７および図８に示す。図７および図８は、図２中Ａで示す部分を拡大したものである。なお、図中の矢印は３ｉｎ１ＬＥＤランプ４１の実装方向を示している。図７に示す例では、実装方向０度の３ｉｎ１ＬＥＤランプ４１ａと、実装方向１８０度の３ｉｎ１ＬＥＤランプ４１ｂを含み、図８に示す例ではさらに、実装方向９０度の３ｉｎ１ＬＥＤランプ４１ｃと、実装方向２７０度の３ｉｎ１ＬＥＤランプ４１ｄを含んでいる。
【００３７】
図７に示す例では、縦方向の画素列には、実装方向０度の３ｉｎ１ＬＥＤランプ４１ａと実装方向１８０度の３ｉｎ１ＬＥＤランプ４１ｂが交互に配置され、また、横方向の画素列にも、実装方向０度の３ｉｎ１ＬＥＤランプ４１ａと実装方向１８０度の３ｉｎ１ＬＥＤランプ４１ｂが交互に配置されている。
【００３８】
また、図８に示す例では、一段目（奇数段目）の横方向の画素列に、実装方向０度の３ｉｎ１ＬＥＤランプ４１ａと実装方向１８０度の３ｉｎ１ＬＥＤランプ４１ｂが交互に配置され、この画素列に隣接する２段目（偶数段目）の横方向の画素列には、実装方向９０度の３ｉｎ１ＬＥＤランプ４１ｃと実装方向２７０度の３ｉｎ１ＬＥＤランプ４１ｄが交互に配置されている。
【００３９】
一方、縦方向には、実装方向０度の３ｉｎ１ＬＥＤランプ４１ａと実装方向９０度の３ｉｎ１ＬＥＤランプ４１ｃが交互に配置された画素列と、実装方向１８０度の３ｉｎ１ＬＥＤランプ４１ｂと実装方向２７０度の３ｉｎ１ＬＥＤランプ４１ｄが交互に配置された画素列が交互に配列されている。図７および図８に示す例では、縦方向および横方向に隣
接する２画素間において、３つのＬＥＤチップ５、６、７の相対位置は互いに異なるものとなり、画像表示装置の表示部全体として見た場合の視認位置の変化による色変わりが抑制される。
【００４０】
以上のように、本実施の形態２においても、上記実施の形態１と同様に、視認位置の変化による色変わりを低コストで抑制することが可能な表示ユニットが得られる。さらに、本実施の形態２における表示ユニットを縦方向および横方向に複数配列することにより、視認位置の変化による色変わりが発生しない信頼性の高い画像表示装置が得られる。
【００４１】
実施の形態３．
図９は、本発明の実施の形態３に係る画像表示装置に用いられる３ｉｎ１ＬＥＤランプの構造を示す平面模式図である。なお、本実施の形態３に係る表示ユニットおよび画像表示装置の構成は、上記実施の形態１と同様であるので説明を省略する。また、図９中、図３と同一、相当部分には同一符号を付している。
【００４２】
図９に示すように、３ｉｎ１ＬＥＤランプ４２には、青色を発光するＢ−ＬＥＤチップ５、緑色を発光するＧ−ＬＥＤチップ６、および赤色を発光するＲ−ＬＥＤチップ７が三角形の各頂点上に配置されている。このような３ｉｎ１ＬＥＤランプ４２においては、上下左右方向の視認位置の変化により色変わりが発生する。
【００４３】
このような３ｉｎ１ＬＥＤランプ４２の構造に起因する、視認位置の変化による色変わりを抑制するため、各画素の３ｉｎ１ＬＥＤランプ４２の実装方向を表示面内で規則的に所定の角度回転させ、各画素における３つのＬＥＤチップ５、６、７の相対位置を規則的に変化させる。なお、回転角度の決定方法については、上記実施の形態１と同様であるので説明を省略する。
【００４４】
本実施の形態３における３ｉｎ１ＬＥＤランプ４２の実装方向の例を図１０および図１１に示す。図１０および図１１は、図２中Ａで示す部分を拡大したものである。なお、図中の矢印は３ｉｎ１ＬＥＤランプ４２の実装方向を示している。図１０に示す例では、実装方向０度の３ｉｎ１ＬＥＤランプ４２ａと、実装方向１８０度の３ｉｎ１ＬＥＤランプ４２ｂを含み、図１１に示す例ではさらに、実装方向９０度の３ｉｎ１ＬＥＤランプ４２ｃと、実装方向２７０度の３ｉｎ１ＬＥＤランプ４２ｄを含んでいる。
【００４５】
図１０に示す例では、縦方向の画素列には、実装方向０度の３ｉｎ１ＬＥＤランプ４２ａと実装方向１８０度の３ｉｎ１ＬＥＤランプ４２ｂが交互に配置され、また、横方向の画素列にも、実装方向０度の３ｉｎ１ＬＥＤランプ４２ａと実装方向１８０度の３ｉｎ１ＬＥＤランプ４２ｂが交互に配置されている。
【００４６】
また、図１１に示す例では、一段目（奇数段目）の横方向の画素列に、実装方向０度の３ｉｎ１ＬＥＤランプ４２ａと実装方向１８０度の３ｉｎ１ＬＥＤランプ４２ｂが交互に配置され、この画素列に隣接する２段目（偶数段目）の横方向の画素列には、実装方向９０度の３ｉｎ１ＬＥＤランプ４２ｃと実装方向２７０度の３ｉｎ１ＬＥＤランプ４２ｄが交互に配置されている。
【００４７】
一方、縦方向には、実装方向０度の３ｉｎ１ＬＥＤランプ４２ａと実装方向９０度の３ｉｎ１ＬＥＤランプ４２ｃが交互に配置された画素列と、実装方向１８０度の３ｉｎ１ＬＥＤランプ４２ｂと実装方向２７０度の３ｉｎ１ＬＥＤランプ４２ｄが交互に配置された画素列が交互に配列されている。図１０および図１１に示す例では、縦方向および横方向に隣接する２画素間において、３つのＬＥＤチップ５、６、７の相対位置は互いに異なるものとなり、画像表示装置の表示部全体として見た場合の視認位置の変化による色変わり
が抑制される。
【００４８】
以上のように、本実施の形態３においても、上記実施の形態１および実施の形態２と同様に、視認位置の変化による色変わりを低コストで抑制することが可能な表示ユニットが得られる。さらに、本実施の形態３における表示ユニットを縦方向および横方向に複数配列することにより、視認位置の変化による色変わりが発生しない信頼性の高い画像表示装置が得られる。
【００４９】
なお、上記実施の形態１〜実施の形態３では、各画素を構成するランプとして３ｉｎ１ＬＥＤランプを用いたが、本発明は３ｉｎ１ＬＥＤランプに限らず、発光色が互いに異なる複数の発光素子が１つのパッケージ内に搭載されたランプを用いた表示ユニットおよび画像表示装置に適用可能である。また、３ｉｎ１ＬＥＤランプの外形やランプ内の各ＬＥＤチップの配置は特に限定されるものではなく、適宜変更可能である。
【産業上の利用可能性】
【００５０】
本発明は、各画素に発光色が互いに異なる複数の発光素子が１つのパッケージ内に搭載されたランプを有する表示ユニットと、この表示ユニットを用いた画像表示装置に利用することができる。
【符号の説明】
【００５１】
１ 画像表示装置、２ 表示部、３ 表示ユニット、
４、４１、４２ ３ｉｎ１ＬＥＤランプ、
４ａ、４１ａ、４２ａ 実装方向０度の３ｉｎ１ＬＥＤランプ、
４ｂ、４１ｂ、４２ｂ 実装方向１８０度の３ｉｎ１ＬＥＤランプ、
４１ｃ、４２ｃ 実装方向９０度の３ｉｎ１ＬＥＤランプ、
４１ｄ、４２ｄ 実装方向２７０度の３ｉｎ１ＬＥＤランプ、
５ Ｂ−ＬＥＤチップ、６ Ｇ−ＬＥＤチップ、７ Ｒ−ＬＥＤチップ、
８ 凹部、９ 樹脂成型体、９ａ 側壁、９ｂ 底面。
【技術分野】
【０００１】
本発明は、各画素に、発光色が互いに異なる複数の発光素子が１つのパッケージ内に搭載されたランプを有する表示ユニット、およびこの表示ユニットを縦方向および横方向に複数配列してなる画像表示装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
大型画像表示装置は、複数の画素を有する表示ユニットを、縦方向および横方向に複数配列することにより構成される。近年、各画素に配置される発光素子として発光ダイオード（以下ＬＥＤと記す）が主流となっており、赤色を発光するＲ−ＬＥＤ、緑色を発光するＧ−ＬＥＤ、および青色を発光するＢ−ＬＥＤを格子状に配置することにより、フルカラー映像を実現している。
【０００３】
ところで、特許文献１に示されるように、屋外に設置される画像表示装置においては、日射の影響を少なくするために各画素の上側に庇を設けることが一般的である。しかし、Ｒ、Ｇ、Ｂ単一色を発光するＬＥＤが規則的に配置されている場合、Ｒ、Ｇ、ＢいずれかのＬＥＤが庇の直下に配置される割合が高くなることがある。このような場合、画像表示装置の表示部に対する視認位置（視認角度）が上下方向に変化すると、庇直下に配置されたＬＥＤからの発光が庇で遮られるため視認できず、色変わりが発生する。
【０００４】
このような問題を解決するため、例えば特許文献２では、発光色が互いに異なる２つの発光素子（Ｒ−ＬＥＤとＧ−ＬＥＤ）をその上下方向に有する表示ドット（画素）と、上下方向に互いに隣り合う２つの表示ドット間に配設された遮光フード（庇）を備えた表示装置において、縦方向の２表示ドット間で隣接するＬＥＤを同一の発光色をもつＬＥＤとし、横方向の２表示ドット間で隣接するＬＥＤを異なる発光色をもつＬＥＤによって構成している。これにより、遮光フードで遮られるＲ−ＬＥＤとＧ−ＬＥＤの数を均等にし、視認位置が上下方向に変化した場合の色変わりを抑制している。
【０００５】
ただし、単一色を発光するＬＥＤを用いた従来の画像表示装置では、基本的に、各ＬＥＤに対して庇を設けることで、視認位置の変化による色変わりを抑制することができる。特許文献２に示されたような１つの画素内に複数のＬＥＤを有する画像表示装置においても同様である。
【０００６】
一方、近年、１つのパッケージ内にＲ−ＬＥＤ、Ｇ−ＬＥＤ、およびＢ−ＬＥＤの３種類のＬＥＤチップが搭載された３ｉｎ１と呼ばれるＬＥＤランプが登場し、画像表示装置に採用されている。３ｉｎ１ＬＥＤランプは、特許文献３に示されるように、樹脂成型体の側壁と底面に囲まれた凹部を有しており、この底面にＲ、Ｇ、Ｂ３種類のＬＥＤチップを搭載し、凹部を透光性樹脂で封止したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００７】
【特許文献１】特開昭５７−６７９７８号公報
【特許文献２】特開平２−５９７９０号公報
【特許文献３】特開２００８−４１６９９号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００８】
上記のような３ｉｎ１ＬＥＤランプを用いた画像表示装置においては、視認位置が上下
左右方向に変化した場合、ＬＥＤチップが搭載された底面を囲む側壁によってＲ、Ｇ、ＢいずれかのＬＥＤチップの光が遮られ、色変わりが発生するという問題がある。この色変わりを抑制する方法として、３ｉｎ１ＬＥＤランプ内のＲ、Ｇ、ＢそれぞれのＬＥＤチップの周りに壁面を設け、各チップの光が遮られる量を同等にする方法が考えられるが、この方法ではランプ内に設けられた壁面により各チップ間の距離が長くなり混色効果が低下するという問題や、壁面により配光範囲が狭まるという問題が発生するため、現実的でない。
【０００９】
さらに、Ｒ、Ｇ、ＢそれぞれのＬＥＤチップは、大きさ、高さ、発光部位が互いに異なっているため、各ＬＥＤチップからの光が同等に遮られるように管理することは難しく、そのような３ｉｎ１ＬＥＤランプを設計、製造することはコスト高となる。
【００１０】
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、各画素に、発光色が互いに異なる複数の発光素子が１つのパッケージ内に搭載されたランプを有する表示ユニットにおいて、視認位置の変化による色変わりを低コストで抑制することを目的とする。
【００１１】
また、上記表示ユニットを用いた信頼性の高い画像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【００１２】
本発明に係る表示ユニットは、表示面内に複数の画素からなる画素列が縦方向および横方向に配置された表示ユニットであって、各画素は、発光色が互いに異なる複数の発光素子が１つのパッケージ内に搭載されたランプを有し、各画素のランプの実装方向を表示面内で規則的に所定の角度回転させ、各画素における複数の発光素子の相対位置を規則的に変化させたものである。
【００１３】
また、本発明に係る画像表示装置は、上記の表示ユニットを、縦方向および横方向に複数配列してなるものである。
【発明の効果】
【００１４】
本発明に係る表示ユニットによれば、各画素のランプの実装方向を表示面内で規則的に所定の角度回転させ、各画素における複数の発光素子の相対位置を規則的に変化させることにより、視認位置が上下左右方向に変化した場合に、１種類の発光素子からの光だけが遮られることがないようにしたので、従来と同様のランプを用い、また、その他の構成部材を変更あるいは増加することなく、視認位置の変化による色変わりを低コストで抑制することが可能である。
【００１５】
また、上記の表示ユニットを縦方向および横方向に複数配列することにより、視認位置の変化による色変わりが発生しない信頼性の高い画像表示装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【００１６】
【図１】本発明の実施の形態１に係る画像表示装置を示す斜視図である。
【図２】本発明の実施の形態１に係る画像表示装置を構成する表示ユニットを示す正面図である。
【図３】本発明の実施の形態１に係る画像表示装置に用いられる３ｉｎ１ＬＥＤランプの構造を示す平面模式図および断面図である。
【図４】本発明の実施の形態１における３ｉｎ１ＬＥＤランプの実装方向の例を説明する図である。
【図５】比較例における３ｉｎ１ＬＥＤランプの実装方向を説明する図である。
【図６】本発明の実施の形態２に係る画像表示装置に用いられる３ｉｎ１ＬＥＤランプの構造を示す平面模式図である。
【図７】本発明の実施の形態２における３ｉｎ１ＬＥＤランプの実装方向の例を説明する図である。
【図８】本発明の実施の形態２における３ｉｎ１ＬＥＤランプの実装方向の他の例を説明する図である。
【図９】本発明の実施の形態３に係る画像表示装置に用いられる３ｉｎ１ＬＥＤランプの構造を示す平面模式図である。
【図１０】本発明の実施の形態３における３ｉｎ１ＬＥＤランプの実装方向の例を説明する図である。
【図１１】本発明の実施の形態３における３ｉｎ１ＬＥＤランプの実装方向の他の例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【００１７】
実施の形態１．
以下、本発明の実施の形態１について図面に基づいて説明する。図１は、本実施の形態１に係る画像表示装置を示す斜視図、図２は、本実施の形態１に係る画像表示装置を構成する表示ユニットを示す正面図である。本実施の形態１に係る画像表示装置１の表示部２は、その表示面内に複数の表示ユニット３を縦方向および横方向に配列して構成される。なお、図１では表示ユニット３を縦方向に４個、横方向に６個配列しているが、表示部２のサイズにより使用される表示ユニット３の数は異なる。
【００１８】
表示ユニット３は、表示面内に複数の画素からなる画素列が縦方向および横方向に配置されたものである。本実施の形態１では、図２に示すように、６４（８×８）画素のそれぞれに３ｉｎ１ＬＥＤランプ４を有しており、３ｉｎ１ＬＥＤランプ４が正方格子状に配置されている。
【００１９】
本実施の形態１に係る画像表示装置１に用いられる３ｉｎ１ＬＥＤランプ４の構造について、図３を用いて説明する。図３（ａ）は、３ｉｎ１ＬＥＤランプを示す平面模式図、図３（ｂ）は、図３（ａ）のＢ−Ｂ線における断面図である。図３（ａ）に示すように、３ｉｎ１ＬＥＤランプ４には、発光色が互いに異なる３つのＬＥＤチップが直線状に配置されており、上段が青色を発光するＢ−ＬＥＤチップ５、中段が緑色を発光するＧ−ＬＥＤチップ６、下段が赤色を発光するＲ−ＬＥＤチップ７である。
【００２０】
また、図３（ｂ）に示すように、３ｉｎ１ＬＥＤランプ４は、不透明な樹脂成型体９の側壁９ａと底面９ｂに囲まれた凹部８を有し、この底面９ｂにＢ−ＬＥＤチップ５、Ｇ−ＬＥＤチップ６、Ｒ−ＬＥＤチップ７を搭載した後、凹部８を透明あるいは半透明の透光性樹脂で封止したものである。これらのＬＥＤチップから発せられた光は、凹部８に充填された透光性樹脂を通して放出される。
【００２１】
図３に示す３ｉｎ１ＬＥＤランプ４においては、上下（縦）方向の視認位置の変化により色変わりが発生する。すなわち、図３（ｂ）中、矢印Ｃの方向（正面方向）から見た場合には、３つのＬＥＤチップからの光はいずれも遮られることなく正常に視認されるが、矢印Ｄの方向（上方向）から見た場合、樹脂成型体９の側壁９ａによりＢ−ＬＥＤチップ５からの光が遮られ、映像は黄色方向に色変わりする。
【００２２】
また、矢印Ｅの方向（下方向）から見た場合には、Ｒ−ＬＥＤチップ７からの光が遮られ、映像はシアン方向に色変わりする。ただし、このタイプの３ｉｎ１ＬＥＤランプ４は、左右（横）方向の視認位置の変化に対しては、樹脂成型体９の側壁９ａにより赤色、青色および緑色の光がほぼ等量に遮られるため、色変わりは発生しにくい。
【００２３】
このような３ｉｎ１ＬＥＤランプ４の構造に起因する、視認位置の変化による色変わりを抑制する方法として、各画素の３ｉｎ１ＬＥＤランプ４の実装方向を表示面内で規則的に所定の角度回転させ、各画素における３つのＬＥＤチップ５、６、７の相対位置を規則的に変化させることが有効である。
【００２４】
ここで、所定の角度とは、任意の画素における３ｉｎ１ＬＥＤランプ４の実装方向を０度としたとき、９０度、１８０度、２７０度のいずれか１つ以上を含むものである。また、各画素の３ｉｎ１ＬＥＤランプ４の実装方向は、縦方向および横方向に隣接する２画素間において、ランプ内の３つのＬＥＤチップの相対位置が互いに異なるように、その回転角度が決定される。
【００２５】
本実施の形態１における３ｉｎ１ＬＥＤランプ４の実装方向の例を図４に示す。図４は、図２中Ａで示す部分を拡大したものである。なお、図中の矢印は３ｉｎ１ＬＥＤランプ４の実装方向を示しており、図４に示す例では、実装方向０度の３ｉｎ１ＬＥＤランプ４ａと、実装方向１８０度の３ｉｎ１ＬＥＤランプ４ｂを含んでいる。
【００２６】
実装方向０度の３ｉｎ１ＬＥＤランプ４ａは、上段がＢ−ＬＥＤチップ５、中段がＧ−ＬＥＤチップ６、下段がＲ−ＬＥＤチップ７である。また、実装方向１８０度の３ｉｎ１ＬＥＤランプ４ｂは、３ｉｎ１ＬＥＤランプ４ａを表示面内で１８０度回転させたものであり、上段がＲ−ＬＥＤチップ７、中段がＧ−ＬＥＤチップ６、下段がＢ−ＬＥＤチップ５となる。
【００２７】
この例では、縦方向の画素列には、実装方向０度の３ｉｎ１ＬＥＤランプ４ａと実装方向１８０度の３ｉｎ１ＬＥＤランプ４ｂが交互に配置され、また、横方向の画素列にも、実装方向０度の３ｉｎ１ＬＥＤランプ４ａと実装方向１８０度の３ｉｎ１ＬＥＤランプ４ｂが交互に配置されている。これにより、縦方向および横方向に隣接する２画素間において、３つのＬＥＤチップ５、６、７の相対位置は互いに異なるものとなっている。
【００２８】
このように、３ｉｎ１ＬＥＤランプ４の実装方向を規則的に回転させることにより、上下左右方向の視認位置の変化によって１種類のＬＥＤチップからの光だけが遮られることがないようにしている。本実施の形態１では、上下方向の視認位置の変化により光が遮られるＢ−ＬＥＤチップ５とＲ−ＬＥＤチップ７の相対位置を、縦方向および横方向の画素列で交互に入れ替えている。これにより、画像表示装置１の表示部２全体として見た場合の視認位置の変化による色変わりが抑制される。
【００２９】
比較例として、縦方向および横方向の画素列を、実装方向０度の３ｉｎ１ＬＥＤランプ４ａのみで構成した例を図５に示す。この例では、上方向から見た場合、Ｂ−ＬＥＤチップ５からの光が遮られ、下方向から見た場合、Ｒ−ＬＥＤチップ７からの光が遮られる。このため、画像表示装置１の表示部２全体として見た場合、上下方向の視認位置の変化による色変わりが発生する。
【００３０】
以上のように、本実施の形態１によれば、表示面内に複数の画素からなる画素列が縦方向および横方向に配置された表示ユニット３において、各画素の３ｉｎ１ＬＥＤランプ４の実装方向を表示面内で規則的に回転させ、各画素における複数の発光素子の相対位置を規則的に変化させることにより、上下左右方向の視認位置の変化によって１種類のＬＥＤチップからの光だけが遮られることがないようにした。
【００３１】
これにより、従来と同様の３ｉｎ１ＬＥＤランプ４を用い、また、その他の構成部材を変更あるいは増加することなく、視認位置の変化による色変わりを低コストで抑制するこ
とが可能な表示ユニット３が得られる。さらに、本実施の形態１における表示ユニットを縦方向および横方向に複数配列することにより、視認位置の変化による色変わりが発生しない信頼性の高い画像表示装置が得られる。
【００３２】
実施の形態２．
図６は、本発明の実施の形態２に係る画像表示装置に用いられる３ｉｎ１ＬＥＤランプの構造を示す平面模式図である。なお、本実施の形態２に係る表示ユニットおよび画像表示装置の構成は、上記実施の形態１と同様であるので説明を省略する。また、図６中、図３と同一、相当部分には同一符号を付している。
【００３３】
図６に示すように、３ｉｎ１ＬＥＤランプ４１には、赤色を発光するＲ−ＬＥＤチップ７、緑色を発光するＧ−ＬＥＤチップ６、および青色を発光するＢ−ＬＥＤチップ５が上下２段に配置されている。このような３ｉｎ１ＬＥＤランプ４１においては、上下左右方向の視認位置の変化により色変わりが発生する。
【００３４】
すなわち、上方向から見た場合には、樹脂成型体９の側壁によりＲ−ＬＥＤチップ７からの光が遮られ、映像はシアン方向に色変わりする。また、下方向から見た場合、Ｇ−ＬＥＤチップ６からの光とＢ−ＬＥＤチップ５からの光が遮られ、映像は赤色方向に色変わりする。また、左方向から見た場合、Ｒ−ＬＥＤチップ７からの光とＧ−ＬＥＤチップ６からの光が遮られ、映像は青色方向に色変わりする。さらに、右方向から見た場合、Ｂ−ＬＥＤチップ５からの光が遮られ、映像は黄色方向に色変わりする。
【００３５】
このような３ｉｎ１ＬＥＤランプ４１の構造に起因する、視認位置の変化による色変わりを抑制するため、各画素の３ｉｎ１ＬＥＤランプ４１の実装方向を表示面内で規則的に所定の角度回転させ、各画素における３つのＬＥＤチップ５、６、７の相対位置を規則的に変化させる。なお、回転角度の決定方法については、上記実施の形態１と同様であるので説明を省略する。
【００３６】
本実施の形態２における３ｉｎ１ＬＥＤランプ４１の実装方向の例を図７および図８に示す。図７および図８は、図２中Ａで示す部分を拡大したものである。なお、図中の矢印は３ｉｎ１ＬＥＤランプ４１の実装方向を示している。図７に示す例では、実装方向０度の３ｉｎ１ＬＥＤランプ４１ａと、実装方向１８０度の３ｉｎ１ＬＥＤランプ４１ｂを含み、図８に示す例ではさらに、実装方向９０度の３ｉｎ１ＬＥＤランプ４１ｃと、実装方向２７０度の３ｉｎ１ＬＥＤランプ４１ｄを含んでいる。
【００３７】
図７に示す例では、縦方向の画素列には、実装方向０度の３ｉｎ１ＬＥＤランプ４１ａと実装方向１８０度の３ｉｎ１ＬＥＤランプ４１ｂが交互に配置され、また、横方向の画素列にも、実装方向０度の３ｉｎ１ＬＥＤランプ４１ａと実装方向１８０度の３ｉｎ１ＬＥＤランプ４１ｂが交互に配置されている。
【００３８】
また、図８に示す例では、一段目（奇数段目）の横方向の画素列に、実装方向０度の３ｉｎ１ＬＥＤランプ４１ａと実装方向１８０度の３ｉｎ１ＬＥＤランプ４１ｂが交互に配置され、この画素列に隣接する２段目（偶数段目）の横方向の画素列には、実装方向９０度の３ｉｎ１ＬＥＤランプ４１ｃと実装方向２７０度の３ｉｎ１ＬＥＤランプ４１ｄが交互に配置されている。
【００３９】
一方、縦方向には、実装方向０度の３ｉｎ１ＬＥＤランプ４１ａと実装方向９０度の３ｉｎ１ＬＥＤランプ４１ｃが交互に配置された画素列と、実装方向１８０度の３ｉｎ１ＬＥＤランプ４１ｂと実装方向２７０度の３ｉｎ１ＬＥＤランプ４１ｄが交互に配置された画素列が交互に配列されている。図７および図８に示す例では、縦方向および横方向に隣
接する２画素間において、３つのＬＥＤチップ５、６、７の相対位置は互いに異なるものとなり、画像表示装置の表示部全体として見た場合の視認位置の変化による色変わりが抑制される。
【００４０】
以上のように、本実施の形態２においても、上記実施の形態１と同様に、視認位置の変化による色変わりを低コストで抑制することが可能な表示ユニットが得られる。さらに、本実施の形態２における表示ユニットを縦方向および横方向に複数配列することにより、視認位置の変化による色変わりが発生しない信頼性の高い画像表示装置が得られる。
【００４１】
実施の形態３．
図９は、本発明の実施の形態３に係る画像表示装置に用いられる３ｉｎ１ＬＥＤランプの構造を示す平面模式図である。なお、本実施の形態３に係る表示ユニットおよび画像表示装置の構成は、上記実施の形態１と同様であるので説明を省略する。また、図９中、図３と同一、相当部分には同一符号を付している。
【００４２】
図９に示すように、３ｉｎ１ＬＥＤランプ４２には、青色を発光するＢ−ＬＥＤチップ５、緑色を発光するＧ−ＬＥＤチップ６、および赤色を発光するＲ−ＬＥＤチップ７が三角形の各頂点上に配置されている。このような３ｉｎ１ＬＥＤランプ４２においては、上下左右方向の視認位置の変化により色変わりが発生する。
【００４３】
このような３ｉｎ１ＬＥＤランプ４２の構造に起因する、視認位置の変化による色変わりを抑制するため、各画素の３ｉｎ１ＬＥＤランプ４２の実装方向を表示面内で規則的に所定の角度回転させ、各画素における３つのＬＥＤチップ５、６、７の相対位置を規則的に変化させる。なお、回転角度の決定方法については、上記実施の形態１と同様であるので説明を省略する。
【００４４】
本実施の形態３における３ｉｎ１ＬＥＤランプ４２の実装方向の例を図１０および図１１に示す。図１０および図１１は、図２中Ａで示す部分を拡大したものである。なお、図中の矢印は３ｉｎ１ＬＥＤランプ４２の実装方向を示している。図１０に示す例では、実装方向０度の３ｉｎ１ＬＥＤランプ４２ａと、実装方向１８０度の３ｉｎ１ＬＥＤランプ４２ｂを含み、図１１に示す例ではさらに、実装方向９０度の３ｉｎ１ＬＥＤランプ４２ｃと、実装方向２７０度の３ｉｎ１ＬＥＤランプ４２ｄを含んでいる。
【００４５】
図１０に示す例では、縦方向の画素列には、実装方向０度の３ｉｎ１ＬＥＤランプ４２ａと実装方向１８０度の３ｉｎ１ＬＥＤランプ４２ｂが交互に配置され、また、横方向の画素列にも、実装方向０度の３ｉｎ１ＬＥＤランプ４２ａと実装方向１８０度の３ｉｎ１ＬＥＤランプ４２ｂが交互に配置されている。
【００４６】
また、図１１に示す例では、一段目（奇数段目）の横方向の画素列に、実装方向０度の３ｉｎ１ＬＥＤランプ４２ａと実装方向１８０度の３ｉｎ１ＬＥＤランプ４２ｂが交互に配置され、この画素列に隣接する２段目（偶数段目）の横方向の画素列には、実装方向９０度の３ｉｎ１ＬＥＤランプ４２ｃと実装方向２７０度の３ｉｎ１ＬＥＤランプ４２ｄが交互に配置されている。
【００４７】
一方、縦方向には、実装方向０度の３ｉｎ１ＬＥＤランプ４２ａと実装方向９０度の３ｉｎ１ＬＥＤランプ４２ｃが交互に配置された画素列と、実装方向１８０度の３ｉｎ１ＬＥＤランプ４２ｂと実装方向２７０度の３ｉｎ１ＬＥＤランプ４２ｄが交互に配置された画素列が交互に配列されている。図１０および図１１に示す例では、縦方向および横方向に隣接する２画素間において、３つのＬＥＤチップ５、６、７の相対位置は互いに異なるものとなり、画像表示装置の表示部全体として見た場合の視認位置の変化による色変わり
が抑制される。
【００４８】
以上のように、本実施の形態３においても、上記実施の形態１および実施の形態２と同様に、視認位置の変化による色変わりを低コストで抑制することが可能な表示ユニットが得られる。さらに、本実施の形態３における表示ユニットを縦方向および横方向に複数配列することにより、視認位置の変化による色変わりが発生しない信頼性の高い画像表示装置が得られる。
【００４９】
なお、上記実施の形態１〜実施の形態３では、各画素を構成するランプとして３ｉｎ１ＬＥＤランプを用いたが、本発明は３ｉｎ１ＬＥＤランプに限らず、発光色が互いに異なる複数の発光素子が１つのパッケージ内に搭載されたランプを用いた表示ユニットおよび画像表示装置に適用可能である。また、３ｉｎ１ＬＥＤランプの外形やランプ内の各ＬＥＤチップの配置は特に限定されるものではなく、適宜変更可能である。
【産業上の利用可能性】
【００５０】
本発明は、各画素に発光色が互いに異なる複数の発光素子が１つのパッケージ内に搭載されたランプを有する表示ユニットと、この表示ユニットを用いた画像表示装置に利用することができる。
【符号の説明】
【００５１】
１ 画像表示装置、２ 表示部、３ 表示ユニット、
４、４１、４２ ３ｉｎ１ＬＥＤランプ、
４ａ、４１ａ、４２ａ 実装方向０度の３ｉｎ１ＬＥＤランプ、
４ｂ、４１ｂ、４２ｂ 実装方向１８０度の３ｉｎ１ＬＥＤランプ、
４１ｃ、４２ｃ 実装方向９０度の３ｉｎ１ＬＥＤランプ、
４１ｄ、４２ｄ 実装方向２７０度の３ｉｎ１ＬＥＤランプ、
５ Ｂ−ＬＥＤチップ、６ Ｇ−ＬＥＤチップ、７ Ｒ−ＬＥＤチップ、
８ 凹部、９ 樹脂成型体、９ａ 側壁、９ｂ 底面。
【特許請求の範囲】
【請求項１】
表示面内に複数の画素からなる画素列が縦方向および横方向に配置された表示ユニットであって、前記各画素は、発光色が互いに異なる複数の発光素子が１つのパッケージ内に搭載されたランプを有し、前記各画素の前記ランプの実装方向を表示面内で規則的に所定の角度回転させ、前記各画素における前記複数の発光素子の相対位置を規則的に変化させたことを特徴とする表示ユニット。
【請求項２】
請求項１に記載の表示ユニットであって、前記ランプは、前記発光素子として、赤色、緑色および青色のＬＥＤチップを有することを特徴とする表示ユニット。
【請求項３】
請求項１に記載の表示ユニットであって、前記ランプの実装方向は、縦方向および横方向に隣接する２画素間において、前記発光素子の相対位置が互いに異なるように決定されることを特徴とする表示ユニット。
【請求項４】
請求項１に記載の表示ユニットであって、前記所定の角度とは、任意の前記画素における前記ランプの実装方向を０度としたとき、９０度、１８０度、２７０度のいずれか１つ以上を含むことを特徴とする表示ユニット。
【請求項５】
請求項４に記載の表示ユニットであって、前記縦方向の画素列には、実装方向０度の前記ランプと実装方向１８０度の前記ランプが交互に配置され、また、前記横方向の画素列には、実装方向０度の前記ランプと実装方向１８０度の前記ランプが交互に配置されていることを特徴とする表示ユニット。
【請求項６】
請求項４に記載の表示ユニットであって、任意の前記横方向の画素列には、実装方向０度の前記ランプと実装方向１８０度の前記ランプが交互に配置され、この画素列に隣接する横方向の画素列には、実装方向９０度の前記ランプと実装方向２７０度の前記ランプが交互に配置されていることを特徴とする表示ユニット。
【請求項７】
請求項１〜請求項６のいずれか一項に記載の表示ユニットを、縦方向および横方向に複数配列してなる画像表示装置。
【請求項１】
表示面内に複数の画素からなる画素列が縦方向および横方向に配置された表示ユニットであって、前記各画素は、発光色が互いに異なる複数の発光素子が１つのパッケージ内に搭載されたランプを有し、前記各画素の前記ランプの実装方向を表示面内で規則的に所定の角度回転させ、前記各画素における前記複数の発光素子の相対位置を規則的に変化させたことを特徴とする表示ユニット。
【請求項２】
請求項１に記載の表示ユニットであって、前記ランプは、前記発光素子として、赤色、緑色および青色のＬＥＤチップを有することを特徴とする表示ユニット。
【請求項３】
請求項１に記載の表示ユニットであって、前記ランプの実装方向は、縦方向および横方向に隣接する２画素間において、前記発光素子の相対位置が互いに異なるように決定されることを特徴とする表示ユニット。
【請求項４】
請求項１に記載の表示ユニットであって、前記所定の角度とは、任意の前記画素における前記ランプの実装方向を０度としたとき、９０度、１８０度、２７０度のいずれか１つ以上を含むことを特徴とする表示ユニット。
【請求項５】
請求項４に記載の表示ユニットであって、前記縦方向の画素列には、実装方向０度の前記ランプと実装方向１８０度の前記ランプが交互に配置され、また、前記横方向の画素列には、実装方向０度の前記ランプと実装方向１８０度の前記ランプが交互に配置されていることを特徴とする表示ユニット。
【請求項６】
請求項４に記載の表示ユニットであって、任意の前記横方向の画素列には、実装方向０度の前記ランプと実装方向１８０度の前記ランプが交互に配置され、この画素列に隣接する横方向の画素列には、実装方向９０度の前記ランプと実装方向２７０度の前記ランプが交互に配置されていることを特徴とする表示ユニット。
【請求項７】
請求項１〜請求項６のいずれか一項に記載の表示ユニットを、縦方向および横方向に複数配列してなる画像表示装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【公開番号】特開２０１１−２５３１５８（Ｐ２０１１−２５３１５８Ａ）
【公開日】平成２３年１２月１５日（２０１１．１２．１５）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１０−１２８８２３（Ｐ２０１０−１２８８２３）
【出願日】平成２２年６月４日（２０１０．６．４）
【出願人】（０００００６０１３）三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】（５１０１５７３７３）株式会社ゴーズ (1)
【出願人】（５０８１３３０４２）株式会社ホームメディア (1)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２３年１２月１５日（２０１１．１２．１５）
【国際特許分類】
【出願日】平成２２年６月４日（２０１０．６．４）
【出願人】（０００００６０１３）三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】（５１０１５７３７３）株式会社ゴーズ (1)
【出願人】（５０８１３３０４２）株式会社ホームメディア (1)
【Ｆターム（参考）】
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