表示塔
【課題】表示シールがそれぞれ付された複数の側面表示部を有する表示塔において、表示シールの剥離を適切に防止する。
【解決手段】本発明に係る表示塔A1は、表示シール14がそれぞれ付された複数の側面表示部10、およびこれら側面表示部10のそれぞれの上端とつながる頂部11を有する表示塔本体1と、表示シール14の剥離を防止するための保護シール2と、を備える。保護シール2は、頂部11を覆う中央シート部21と、この中央シート部21の周囲から延出し、先端部が表示シール14の上端部に重なる複数の周辺シート部22とを有する。
【解決手段】本発明に係る表示塔A1は、表示シール14がそれぞれ付された複数の側面表示部10、およびこれら側面表示部10のそれぞれの上端とつながる頂部11を有する表示塔本体1と、表示シール14の剥離を防止するための保護シール2と、を備える。保護シール2は、頂部11を覆う中央シート部21と、この中央シート部21の周囲から延出し、先端部が表示シール14の上端部に重なる複数の周辺シート部22とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、路上や店頭に設置して使用され、交通規制や、店舗案内・広告等を表示するための表示塔に関する。
【背景技術】
【0002】
路上や店頭に設置して使用される表示塔として、たとえば図11に示すものが知られている(たとえば、特許文献1を参照)。図示された表示塔Xは、概略四角錐台状とされており、4つの側面表示部90と、これら側面表示部90のそれぞれの上端とつながる略矩形状の頂部91とを有している。各側面表示部90の所定領域には、表示シール94が貼着されている。表示シール94は、たとえば表面側に所望の文字や図柄が印刷等によって表されている。側面表示部90における表示シール94を貼る領域は、たとえばその周囲に僅かな段差が設けられることにより凹んでいる。これにより、表示シール94の貼着の位置決めが図られ、また、貼着された表示シール94を剥がれ難くするという効果も期待できる。
【0003】
上記構成の表示塔Xは、たとえば人の腰と同程度の高さを有する。このため、表示塔Xが路上等に置かれると、表示シール94のうち表示塔Xの高さ方向の上端部付近(上向きの縁)は、人や外物が接触する、あるいは指で故意に引っ掻かれるなどにより、他の部分に比べて剥がれ易いという不都合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−184805号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、表示シールがそれぞれ付された複数の側面表示部を有する表示塔において、表示シールの剥離を適切に防止することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
【0007】
本発明によって提供される表示塔は、表示シールがそれぞれ付された複数の側面表示部、およびこれら側面表示部のそれぞれの上端とつながる頂部を有する表示塔本体と、上記表示シールの剥離を防止するための保護シールと、を備える表示塔であって、上記保護シールは、上記頂部を覆う中央シート部と、この中央シート部の周囲から延出し、先端部が上記表示シールの上端部に重なる複数の周辺シート部とを有することを特徴としている。
【0008】
このような構成の表示塔によれば、表示塔本体に貼着された保護シールは、表示塔本体の頂部を覆いつつこの頂部から側面表示部にかけて下向きに延びており、各周辺シート部の先端部は、各表示シールの上端部に重なっている。このため、表示シールの上端部に人や外物が直接接触することはなく、上向きの縁を有する上端部からの表示シールの剥離を防止することができる。
【0009】
本発明の一つの実施の形態においては、上記表示塔本体は、3以上の上記側面表示部を有する角錐台状または角柱状とされており、上記複数の周辺シート部は、上記側面表示部の配置と対応した放射状に配されている。
【0010】
本発明の他の実施の形態においては、上記表示塔本体は、上記頂部を挟んでその両側に位置する2つの上記側面表示部を有し、上記複数の周辺シート部は、上記中央シート部を挟んで相対向するように配されている。
【0011】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記保護シールは、透明な基材シートの片面に粘着剤が設けられた透明シールによって構成されている。
【0012】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る表示塔の一例を示す斜視図である。
【図2】図1に示す表示塔の平面図である。
【図3】図1の部分拡大図である。
【図4】図1に示す表示塔の部分拡大正面図である。
【図5】図2のV−V線に沿う部分拡大断面図である。
【図6】保護シールの展開平面図である。
【図7】本発明に係る表示塔の他の例を示す斜視図である。
【図8】保護シールの展開平面図である。
【図9】本発明に係る表示塔の他の例を示す斜視図である。
【図10】保護シールの展開平面図である。
【図11】従来の表示塔の一例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。なお、説明の便宜上、図1を基準として上下の方向を特定することにする。
【0015】
図1〜図5は、本発明に係る表示塔の一例を示している。本実施形態の表示塔A1は、表示塔本体1と、この表示塔本体1の上部付近に貼られた保護シール2とを備える。なお、保護シール2の貼着領域が明瞭となるように、図中の保護シール2には左下がりのハッチングを付している。
【0016】
表示塔本体1は、複数の側面表示部10と、頂部11と、コーナー部12と、ベース部13と、表示シール14とを備えて構成されており、概略四角錐台状の外形形状を有している。なお、表示シール14の貼着領域が明瞭となるように、図中の表示シール14には右下がりのハッチングを付している。
【0017】
側面表示部10は、四角錐台形の側面を構成する4つの略平面部分であり、略等脚台形状である。各側面表示部10は、表示シール14を貼り付けるための部位であり、その上端が頂部11につながる一方、その下端がベース部13につながっている。隣り合う側面表示部10は、コーナー部12を介して連結されている。複数の側面表示部10は、いずれも所定の厚みを有する板状に形成されており、これら側面表示部10に囲まれた表示塔本体1の内部は、空洞となっている。なお、本実施形態では、互いに対向する一組の側面表示部10には、複数の表示塔A1をパーティションとして利用する場合にロープやチェーンを係止するための開口10aが形成されている。
【0018】
頂部11は、各頂点が丸みを帯びた概略正方形の平面視形状を有している。頂部11は、所定の厚みを有する板状に形成されており、表示塔本体1の高さ方向の最上部に位置している。なお、表示塔本体1の高さは、たとえば90cm程度とされる。
【0019】
コーナー部12は、側面表示部10の側縁どうしを連結する部分であり、高さ方向の略全長にわたり、各側面表示部10の外面よりも膨出している。
【0020】
ベース部13は、表示塔本体1の起立姿勢での安定化を図るためのものであり、側面表示部10およびコーナー部12よりも外側に突き出す外向フランジ状とされている。
【0021】
表示シール14は、たとえば、表面側に文字や図柄が印刷などによって表された不透明な粘着シールなどからなり、側面表示部10の所定領域に貼着されている。表示シール14は、側面表示部10に対応した略等脚台形状とされている。なお、図面には明瞭に表れていないが、各側面表示部10において、表示シール14を貼る領域の周囲に僅かな段差を設け、この段差により表示シール14の貼着の位置決めを図るようにしてもよい。このような構成の表示塔本体1は、表示シール14を除き、たとえばポリプロピレンなどの合成樹脂により一体形成される。
【0022】
保護シール2は、たとえば塩化ビニルからなる透明な基材シートの裏面側に粘着剤が設けられた透明シールによって構成されており、図2および図6によく表れているように、中央シート部21と、この中央シート部21の周囲から延出する複数の周辺シート部22とを備えている。中央シート部21は、表示塔本体1の頂部11を覆う部分であり、頂部11の形状に対応させて概略正方形とされている。複数の周辺シート部22は、側面表示部10の配置と対応した放射状に配されており、頂部11から側面表示部10に向けて下方に降ろすように貼ることにより、先端部22aが表示シール14の上端部141に重ねられている。より具体的には、図3〜図5に表れているように、表示シール14の上端部141は、横方向に延びる縁部141aと、この縁部141aの両端に位置する隅部141bとを有しており、周辺シート部22における先端部22aは、少なくとも両隅部141bを覆っている。
【0023】
次に、上記した表示塔A1の作用について説明する。
【0024】
上記構成の表示塔A1は、たとえば路上や店頭に設置して使用される。本実施形態において、表示塔本体1に貼着された保護シール2は、表示塔本体1の頂部11を覆いつつこの頂部11から側面表示部10にかけて下向きに延びており、各周辺シート部22の先端部22aは、各表示シール14の上端部141に重なっている。このため、表示シール14の上端部141に人や外物が直接接触することはなく、上向きの縁を有する上端部141からの表示シール14の剥離を防止することができる。
【0025】
保護シール2は、表示塔本体1の上から被せるようにして、頂部11および側面表示部10に跨って貼着されている。このため、保護シール2の縁に着目すると、縁は、いずれも下向きまたは横向きとなっており、上向きの部分が存在しない。その結果、保護シール2そのものが剥がれ難くなっている。このことは、表示シール14の剥離を防止するうえで好適である。
【0026】
保護シール2において、周辺シート部22は側面表示部10の配置に対応した放射状に配されており、隣り合う周辺シート部22の間は空所となっている。このため、表示塔本体1に貼着された保護シール2において、その周辺シート部22どうしが重なることはなく、保護シール2全体を表示塔本体1の表面にピッタリと密着させることができる。かかる観点においても、保護シール2は表示塔本体1から剥がれ難くなっている。
【0027】
また、表示塔本体1に貼着された保護シール2は、透明シールによって構成されているため、目立たない。したがって、表示塔A1の外観体裁を良好に維持するとともに、保護シール2が故意に引っ掻かれるなどの不都合を抑制することができる。
【0028】
図7および図9は、本発明に係る表示塔の他の例を示している。なお、図7以降の図面においては、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付しており、適宜説明を省略する。
【0029】
図7に示された表示塔A2においては、表示塔本体1の外形形状が概略三角錐台状とされている。表示塔本体1は、3つの側面表示部10を有し(図7においては2つの側面表示部10のみが表れている)、これら側面表示部10の上端とつながる頂部11は、概略正三角形とされている。なお、本実施形態においては、上記実施形態の表示塔A1に比べて、表示塔本体1の上部が先細り状とされており、頂部11のサイズが比較的に小さくなっている。また、表示塔本体1の下部には、転倒防止用のゴム製の重し3が装着されている。
【0030】
図8は、表示塔A2の保護シール2の展開平面図である。中央シート部21は、頂部11の形状に対応させて概略正三角形とされており、複数の周辺シート部22は、側面表示部10の配置と対応した放射状に配されている。周辺シート部22は、頂部11から側面表示部10に向けて下方に降ろすように貼ることにより、先端部22aが表示シール14の上端部141に重ねられている。本実施形態の表示塔A2においても、上記実施形態に係る表示塔A1と同様の効果を享受することができる。
【0031】
図9に示された表示塔A3においては、表示塔本体1は、2つの側面表示部10を有している。より具体的には、これら側面表示部10は、頂部11を挟んで両側に位置している(図9においては手前側の側面表示部10のみが表されている)。本実施形態では、表示シール14は、概略正方形とされている。頂部11は、その長手方向中央において開口からなる持ち手部11aを有している。また、表示塔本体1の下部には、転倒防止用のゴム製の重し3が装着されている。
【0032】
本実施形態の表示塔A3は、2つの保護シール2を有している。図10に表れているように、中央シート部21は、矩形状とされており、周辺シート部22は、中央シート部21を挟んで相対向するように配されている。保護シール2は、頂部11の長手方向両端部付近に貼着される。保護シール2の周辺シート部22は、頂部11から側面表示部10に向けて下方に降ろすように貼ることにより、各表示シール14の上端部の片方の隅部141bを覆っている。本実施形態の表示塔A3においても、上記実施形態に係る表示塔A1と同様の効果を享受することができる。
【0033】
以上、本発明の具体的な実施形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、発明の思想から逸脱しない範囲内で種々な変更が可能である。本発明に係る表示塔の各部の具体的な形状や材質なども、上記実施形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0034】
A1,A2,A3 表示塔
1 表示塔本体
10 側面表示部
10a 開口
11 頂部
12 コーナー部
13 ベース部
14 表示シール
141 上端部
141a 縁部
141b 隅部
2 保護シール
21 中央シート部
22 周辺シート部
22a 先端部
【技術分野】
【0001】
本発明は、路上や店頭に設置して使用され、交通規制や、店舗案内・広告等を表示するための表示塔に関する。
【背景技術】
【0002】
路上や店頭に設置して使用される表示塔として、たとえば図11に示すものが知られている(たとえば、特許文献1を参照)。図示された表示塔Xは、概略四角錐台状とされており、4つの側面表示部90と、これら側面表示部90のそれぞれの上端とつながる略矩形状の頂部91とを有している。各側面表示部90の所定領域には、表示シール94が貼着されている。表示シール94は、たとえば表面側に所望の文字や図柄が印刷等によって表されている。側面表示部90における表示シール94を貼る領域は、たとえばその周囲に僅かな段差が設けられることにより凹んでいる。これにより、表示シール94の貼着の位置決めが図られ、また、貼着された表示シール94を剥がれ難くするという効果も期待できる。
【0003】
上記構成の表示塔Xは、たとえば人の腰と同程度の高さを有する。このため、表示塔Xが路上等に置かれると、表示シール94のうち表示塔Xの高さ方向の上端部付近(上向きの縁)は、人や外物が接触する、あるいは指で故意に引っ掻かれるなどにより、他の部分に比べて剥がれ易いという不都合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−184805号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、表示シールがそれぞれ付された複数の側面表示部を有する表示塔において、表示シールの剥離を適切に防止することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
【0007】
本発明によって提供される表示塔は、表示シールがそれぞれ付された複数の側面表示部、およびこれら側面表示部のそれぞれの上端とつながる頂部を有する表示塔本体と、上記表示シールの剥離を防止するための保護シールと、を備える表示塔であって、上記保護シールは、上記頂部を覆う中央シート部と、この中央シート部の周囲から延出し、先端部が上記表示シールの上端部に重なる複数の周辺シート部とを有することを特徴としている。
【0008】
このような構成の表示塔によれば、表示塔本体に貼着された保護シールは、表示塔本体の頂部を覆いつつこの頂部から側面表示部にかけて下向きに延びており、各周辺シート部の先端部は、各表示シールの上端部に重なっている。このため、表示シールの上端部に人や外物が直接接触することはなく、上向きの縁を有する上端部からの表示シールの剥離を防止することができる。
【0009】
本発明の一つの実施の形態においては、上記表示塔本体は、3以上の上記側面表示部を有する角錐台状または角柱状とされており、上記複数の周辺シート部は、上記側面表示部の配置と対応した放射状に配されている。
【0010】
本発明の他の実施の形態においては、上記表示塔本体は、上記頂部を挟んでその両側に位置する2つの上記側面表示部を有し、上記複数の周辺シート部は、上記中央シート部を挟んで相対向するように配されている。
【0011】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記保護シールは、透明な基材シートの片面に粘着剤が設けられた透明シールによって構成されている。
【0012】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る表示塔の一例を示す斜視図である。
【図2】図1に示す表示塔の平面図である。
【図3】図1の部分拡大図である。
【図4】図1に示す表示塔の部分拡大正面図である。
【図5】図2のV−V線に沿う部分拡大断面図である。
【図6】保護シールの展開平面図である。
【図7】本発明に係る表示塔の他の例を示す斜視図である。
【図8】保護シールの展開平面図である。
【図9】本発明に係る表示塔の他の例を示す斜視図である。
【図10】保護シールの展開平面図である。
【図11】従来の表示塔の一例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。なお、説明の便宜上、図1を基準として上下の方向を特定することにする。
【0015】
図1〜図5は、本発明に係る表示塔の一例を示している。本実施形態の表示塔A1は、表示塔本体1と、この表示塔本体1の上部付近に貼られた保護シール2とを備える。なお、保護シール2の貼着領域が明瞭となるように、図中の保護シール2には左下がりのハッチングを付している。
【0016】
表示塔本体1は、複数の側面表示部10と、頂部11と、コーナー部12と、ベース部13と、表示シール14とを備えて構成されており、概略四角錐台状の外形形状を有している。なお、表示シール14の貼着領域が明瞭となるように、図中の表示シール14には右下がりのハッチングを付している。
【0017】
側面表示部10は、四角錐台形の側面を構成する4つの略平面部分であり、略等脚台形状である。各側面表示部10は、表示シール14を貼り付けるための部位であり、その上端が頂部11につながる一方、その下端がベース部13につながっている。隣り合う側面表示部10は、コーナー部12を介して連結されている。複数の側面表示部10は、いずれも所定の厚みを有する板状に形成されており、これら側面表示部10に囲まれた表示塔本体1の内部は、空洞となっている。なお、本実施形態では、互いに対向する一組の側面表示部10には、複数の表示塔A1をパーティションとして利用する場合にロープやチェーンを係止するための開口10aが形成されている。
【0018】
頂部11は、各頂点が丸みを帯びた概略正方形の平面視形状を有している。頂部11は、所定の厚みを有する板状に形成されており、表示塔本体1の高さ方向の最上部に位置している。なお、表示塔本体1の高さは、たとえば90cm程度とされる。
【0019】
コーナー部12は、側面表示部10の側縁どうしを連結する部分であり、高さ方向の略全長にわたり、各側面表示部10の外面よりも膨出している。
【0020】
ベース部13は、表示塔本体1の起立姿勢での安定化を図るためのものであり、側面表示部10およびコーナー部12よりも外側に突き出す外向フランジ状とされている。
【0021】
表示シール14は、たとえば、表面側に文字や図柄が印刷などによって表された不透明な粘着シールなどからなり、側面表示部10の所定領域に貼着されている。表示シール14は、側面表示部10に対応した略等脚台形状とされている。なお、図面には明瞭に表れていないが、各側面表示部10において、表示シール14を貼る領域の周囲に僅かな段差を設け、この段差により表示シール14の貼着の位置決めを図るようにしてもよい。このような構成の表示塔本体1は、表示シール14を除き、たとえばポリプロピレンなどの合成樹脂により一体形成される。
【0022】
保護シール2は、たとえば塩化ビニルからなる透明な基材シートの裏面側に粘着剤が設けられた透明シールによって構成されており、図2および図6によく表れているように、中央シート部21と、この中央シート部21の周囲から延出する複数の周辺シート部22とを備えている。中央シート部21は、表示塔本体1の頂部11を覆う部分であり、頂部11の形状に対応させて概略正方形とされている。複数の周辺シート部22は、側面表示部10の配置と対応した放射状に配されており、頂部11から側面表示部10に向けて下方に降ろすように貼ることにより、先端部22aが表示シール14の上端部141に重ねられている。より具体的には、図3〜図5に表れているように、表示シール14の上端部141は、横方向に延びる縁部141aと、この縁部141aの両端に位置する隅部141bとを有しており、周辺シート部22における先端部22aは、少なくとも両隅部141bを覆っている。
【0023】
次に、上記した表示塔A1の作用について説明する。
【0024】
上記構成の表示塔A1は、たとえば路上や店頭に設置して使用される。本実施形態において、表示塔本体1に貼着された保護シール2は、表示塔本体1の頂部11を覆いつつこの頂部11から側面表示部10にかけて下向きに延びており、各周辺シート部22の先端部22aは、各表示シール14の上端部141に重なっている。このため、表示シール14の上端部141に人や外物が直接接触することはなく、上向きの縁を有する上端部141からの表示シール14の剥離を防止することができる。
【0025】
保護シール2は、表示塔本体1の上から被せるようにして、頂部11および側面表示部10に跨って貼着されている。このため、保護シール2の縁に着目すると、縁は、いずれも下向きまたは横向きとなっており、上向きの部分が存在しない。その結果、保護シール2そのものが剥がれ難くなっている。このことは、表示シール14の剥離を防止するうえで好適である。
【0026】
保護シール2において、周辺シート部22は側面表示部10の配置に対応した放射状に配されており、隣り合う周辺シート部22の間は空所となっている。このため、表示塔本体1に貼着された保護シール2において、その周辺シート部22どうしが重なることはなく、保護シール2全体を表示塔本体1の表面にピッタリと密着させることができる。かかる観点においても、保護シール2は表示塔本体1から剥がれ難くなっている。
【0027】
また、表示塔本体1に貼着された保護シール2は、透明シールによって構成されているため、目立たない。したがって、表示塔A1の外観体裁を良好に維持するとともに、保護シール2が故意に引っ掻かれるなどの不都合を抑制することができる。
【0028】
図7および図9は、本発明に係る表示塔の他の例を示している。なお、図7以降の図面においては、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付しており、適宜説明を省略する。
【0029】
図7に示された表示塔A2においては、表示塔本体1の外形形状が概略三角錐台状とされている。表示塔本体1は、3つの側面表示部10を有し(図7においては2つの側面表示部10のみが表れている)、これら側面表示部10の上端とつながる頂部11は、概略正三角形とされている。なお、本実施形態においては、上記実施形態の表示塔A1に比べて、表示塔本体1の上部が先細り状とされており、頂部11のサイズが比較的に小さくなっている。また、表示塔本体1の下部には、転倒防止用のゴム製の重し3が装着されている。
【0030】
図8は、表示塔A2の保護シール2の展開平面図である。中央シート部21は、頂部11の形状に対応させて概略正三角形とされており、複数の周辺シート部22は、側面表示部10の配置と対応した放射状に配されている。周辺シート部22は、頂部11から側面表示部10に向けて下方に降ろすように貼ることにより、先端部22aが表示シール14の上端部141に重ねられている。本実施形態の表示塔A2においても、上記実施形態に係る表示塔A1と同様の効果を享受することができる。
【0031】
図9に示された表示塔A3においては、表示塔本体1は、2つの側面表示部10を有している。より具体的には、これら側面表示部10は、頂部11を挟んで両側に位置している(図9においては手前側の側面表示部10のみが表されている)。本実施形態では、表示シール14は、概略正方形とされている。頂部11は、その長手方向中央において開口からなる持ち手部11aを有している。また、表示塔本体1の下部には、転倒防止用のゴム製の重し3が装着されている。
【0032】
本実施形態の表示塔A3は、2つの保護シール2を有している。図10に表れているように、中央シート部21は、矩形状とされており、周辺シート部22は、中央シート部21を挟んで相対向するように配されている。保護シール2は、頂部11の長手方向両端部付近に貼着される。保護シール2の周辺シート部22は、頂部11から側面表示部10に向けて下方に降ろすように貼ることにより、各表示シール14の上端部の片方の隅部141bを覆っている。本実施形態の表示塔A3においても、上記実施形態に係る表示塔A1と同様の効果を享受することができる。
【0033】
以上、本発明の具体的な実施形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、発明の思想から逸脱しない範囲内で種々な変更が可能である。本発明に係る表示塔の各部の具体的な形状や材質なども、上記実施形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0034】
A1,A2,A3 表示塔
1 表示塔本体
10 側面表示部
10a 開口
11 頂部
12 コーナー部
13 ベース部
14 表示シール
141 上端部
141a 縁部
141b 隅部
2 保護シール
21 中央シート部
22 周辺シート部
22a 先端部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示シールがそれぞれ付された複数の側面表示部、およびこれら側面表示部のそれぞれの上端とつながる頂部を有する表示塔本体と、上記表示シールの剥離を防止するための保護シールと、を備える表示塔であって、
上記保護シールは、上記頂部を覆う中央シート部と、この中央シート部の周囲から延出し、先端部が上記表示シールの上端部に重なる複数の周辺シート部とを有することを特徴とする、表示塔。
【請求項2】
上記表示塔本体は、3以上の上記側面表示部を有する角錐台状または角柱状とされており、
上記複数の周辺シート部は、上記側面表示部の配置と対応した放射状に配されている、請求項1に記載の表示塔。
【請求項3】
上記表示塔本体は、上記頂部を挟んでその両側に位置する2つの上記側面表示部を有し、
上記複数の周辺シート部は、上記中央シート部を挟んで相対向するように配されている、請求項1に記載の表示塔。
【請求項4】
上記保護シールは、透明な基材シートの片面に粘着剤が設けられた透明シールによって構成されている、請求項1ないし3のいずれかに記載の表示塔。
【請求項1】
表示シールがそれぞれ付された複数の側面表示部、およびこれら側面表示部のそれぞれの上端とつながる頂部を有する表示塔本体と、上記表示シールの剥離を防止するための保護シールと、を備える表示塔であって、
上記保護シールは、上記頂部を覆う中央シート部と、この中央シート部の周囲から延出し、先端部が上記表示シールの上端部に重なる複数の周辺シート部とを有することを特徴とする、表示塔。
【請求項2】
上記表示塔本体は、3以上の上記側面表示部を有する角錐台状または角柱状とされており、
上記複数の周辺シート部は、上記側面表示部の配置と対応した放射状に配されている、請求項1に記載の表示塔。
【請求項3】
上記表示塔本体は、上記頂部を挟んでその両側に位置する2つの上記側面表示部を有し、
上記複数の周辺シート部は、上記中央シート部を挟んで相対向するように配されている、請求項1に記載の表示塔。
【請求項4】
上記保護シールは、透明な基材シートの片面に粘着剤が設けられた透明シールによって構成されている、請求項1ないし3のいずれかに記載の表示塔。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−221275(P2011−221275A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−90208(P2010−90208)
【出願日】平成22年4月9日(2010.4.9)
【出願人】(000133928)株式会社テラモト (62)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月9日(2010.4.9)
【出願人】(000133928)株式会社テラモト (62)
【Fターム(参考)】
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