説明

表示素子

【課題】湾曲部を有する表示素子において、視点と表示素子とのなす角が表示素子内の表示領域によって大きく変化する問題を解決し、表示素子の湾曲部においても映像が見やすく、かつ、信頼性の高い表示素子が提供。
【解決手段】本発明に係る表示素子は、積層体50の湾曲方向に対応する凸面51上の第1領域50Aに設けられた樹脂層60は、凸面51上の第2領域50Bに設けられた樹脂層60よりも厚く形成されており、かつ、凸面51上における第1領域50Aの樹脂層は、母線5に向かって厚さが漸増している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示素子に関し、特に、樹脂フィルムなどの可撓性材料を基板として用いた表示素子に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、薄膜トランジスタ(以下、TFTという)を用いた表示装置は、その高品質な表示や動画表示能力などにより、パソコン用モニタをはじめ携帯電話などの情報端末向けの表示装置として広く用いられている。
【0003】
さらに、最近では、更なる形状自由度を与えるべく、表示装置自体に柔軟性を付与した、可撓性を備えた表示装置の研究開発が進んでいる(例えば、特許文献1、2)。
【特許文献1】特開平11−38395号公報
【特許文献2】特開2004−46792公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような可撓性を有する表示装置は、表示素子を湾曲状態で固定した場合には、視点を中心に半球体状になっている場合を除き、視点と表示素子とのなす角が表示素子内の表示領域によって大きく変化するという問題がある。そのため、視点によって情報の密度が異なったり、表示素子としての視野角の狭さから表示領域が狭くなったり、表示素子としての視野角依存性により暗くなったり色が変化するなどの問題がある。また、可撓性を有する表示素子を実現するために、液晶等を挟持する基板にプラスチックフィルムなどのプラスチック基板を用いて曲面表示装置を形成する場合は、そのプラスチック基板の湾曲部において、水や酸素の透過が起こり、その湾曲部で映像を表示する場合は、表示画像等が乱れてしまうという問題があり、表示装置の信頼性が低下するといった問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、湾曲部を有する表示素子において、視点と表示素子とのなす角が表示素子内の表示領域によって大きく変化する問題を解決し、表示素子の湾曲部においても映像が見やすく、かつ、信頼性の高い表示素子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る表示素子は、第1基板と、第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に設けられた液晶層と、を備える積層体と、前記積層体を覆う樹脂層と、を有し、前記積層体は前記第1基板と前記第2基板とが対向するいずれか一方の面を凸面、他方の面を凹面とするように湾曲した第1領域と、前記第1領域に隣接し、前記第1領域より曲率半径が大きい第2領域とを備え、前記第1領域の前記凸面上に設けられた樹脂層は、前記第2領域の前記凸面上に設けられた樹脂層より厚く形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、湾曲部を有する表示素子において、視点と表示素子とのなす角が表示素子内の表示領域によって大きく変化する問題を解決し、表示素子の湾曲部においても映像が見やすく、かつ、信頼性の高い表示素子が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。以下の図面の記載において、同一の部分には同一の符号を付し、重複する記載は省略する。また、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものと異なる。更に、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている。
【0009】
(第1の実施形態)
図1は第1の実施形態に係る表示素子を示す斜視図であり、図2は第1の実施形態に係る表示素子の断面構造を示す断面図である。
【0010】
本実施形態に係る表示素子10は、図1及び図2に示すように、アレイ基板20と、アレイ基板20に対向する対向基板30と、アレイ基板20と対向基板30との間に設けられた液晶層40と、アレイ基板20、対向基板30及び液晶層40とを含む積層体50を覆う樹脂層60と、を備えており、全体が柱面形状に湾曲している。図1中、80は表示領域である。
【0011】
図3は、本発明に採用可能なアレイ基板20上の画素領域の一例を示す平面図であり、図4は、図3のA−A線で切った断面図である。また、図5は、本発明に採用可能な表示素子の一例を示す部分断面図である。
【0012】
表示素子10は、アレイ基板20と対向基板30とを含んでいる。また、アレイ基板20の外面上には図示しない偏光板が順次配置されており、同様に、対向基板30の外面上には図示しない偏光板が順次配置されている。
【0013】
アレイ基板20は、例えば、プラスチックフィルムなどの可撓性を有する有機材料、又は、ガラス等の可撓性を有する無機材料で構成されている支持基板100を含んでいる。支持基板100上には、走査線101と、図示しない補助容量線とが配置されている。走査線101と補助容量線は、各々がX方向に延びており、X方向と交差するY方向(図4では紙面方向、以下、同じ)に交互に配列している。この走査線101と補助容量線とは、同一の工程で形成することができる。また、これらの材料としては、例えば、Al、Ta、Mo、Tiなどの金属や、Mo−W、Mo−Ta、Al−Ndなどの合金の薄膜またはその積層膜を用いればよく、スパッタ法などにより成膜後、パターニングして形成することができる。走査線101の一部は、薄膜トランジスタ(TFT:thin film transistor)の領域内において、薄膜トランジスタのゲート電極102として使用される。
【0014】
走査線101、ゲート電極102及び補助容量線を覆うように、支持基板100上に、例えば、シリコン酸化膜やシリコン窒化膜などからなる絶縁膜103が設けられている。この絶縁膜103は、例えば、プラズマCVD法により形成することができる。
【0015】
ゲート電極102に対応する領域の絶縁膜103上には、例えば、アモルファスシリコン等で構成された半導体層104が設けられている。この半導体層104と、ゲート電極102と、絶縁膜103のうちゲート電極102と半導体層104との間に位置する部分(ゲート絶縁膜)とで、薄膜トランジスタ(TFT)を形成している。これら薄膜トランジスタは、画素スイッチ105として利用される。更に、半導体層104上のゲート電極に対応する位置には、例えば、シリコン窒化膜で構成されたチャネル保護膜106が設けられている。
【0016】
また、絶縁膜103上には、更に、信号線110とドレイン電極120が配置されている。信号線110は、各々がY方向に延びており、画素スイッチ105が設けられている列に対応してX方向に交互に配列している。信号線110の一部は、画素スイッチ105に接続されたソース電極115として使用される。これら信号線110及びドレイン電極120は、同一の工程で形成することができ、例えば、絶縁膜103上に設けられた半導体層104と、半導体層104上に設けられたn型半導体層111と、n型半導体層111上に設けられた金属薄膜113とで構成されている。n型半導体層111は、例えば、アモルファスシリコンに燐をドープした半導体層で構成されている。また、金属薄膜113は、例えば、Al、Ta、Mo、Tiなどの金属や、Mo−W、Mo−Ta、Al−Ndなどの合金の薄膜またはその積層膜で構成されている。n型半導体層111及び金属薄膜113は、スパッタ法などにより成膜後、パターニングして形成することができる。
【0017】
ソース電極115、ドレイン電極120及びチャネル保護層106を含む絶縁膜103上には、例えば、シリコン酸化膜で構成された保護層125が配置されている。保護層125上には、例えば、ITO(indium tin oxide)で構成された画素電極130が設けられ、画素電極130は、保護層125に形成された貫通孔を介してドレイン電極120に接続されている。
【0018】
画素電極130は、配向膜140で被覆されている。配向膜140は、その近傍で、液晶分子を、比較的大きなプレチルト角,例えば5°乃至10°で傾斜配向させる。配向膜140は、例えば、アクリル、ポリイミド、ナイロン、ポリアミド、ポリカーボネート、ベンゾシクロブテンポリマー、ポリアクリルニトリル、ポリシランなどからなる有機膜にラビングなどの配向処理を施すことにより得られる。或いは、配向膜140は、例えばシリコン酸化物を斜方蒸着することにより得られる。これらの中でも、成膜の容易さや化学的安定性の点では、ポリイミド、ポリアクリルニトリル、及びナイロンが優れている。
【0019】
また、絶縁膜103上には、走査信号入力端子群(図示せず)と、映像信号入力端子群(図示せず)が配置されている。これら走査信号入力端子及び映像信号入力端子は、それぞれ、走査線101及び信号線110に接続されている。これら端子の材料としては、例えば金属又は合金を使用することができる
対向基板30は、例えば、プラスチックフィルムなどの柔軟性を有する有機材料、又は、ガラス等の可撓性を有する無機材料で構成されている支持基板200を含んでいる。
【0020】
支持基板200上には、対向電極210、カラーフィルタ220がこの順で積層して設けられている。対向電極210は、画素電極130と向き合った共通電極である。対向電極210の材料としては、例えばITOを使用することができる。
【0021】
カラーフィルタ220は、配向膜230で被覆されている。配向膜230としては、配向膜140と同様の膜を使用することができる。
【0022】
なお、ここでは、支持基板200上に、対向電極210、カラーフィルタ220がこの順で積層された構成を有しているが、対向電極210と、カラーフィルタ220が逆、すなわち、支持基板200上に、カラーフィルタ220、対向電極210がこの順で積層された構成を備えていてもよい。
【0023】
アレイ基板20と対向基板30とは、それらの配向膜140及び230同士を向き合わせている。アレイ基板20と対向基板30との間には、枠状のシール層300が介在している。前述した走査信号入力端子と映像信号入力端子は、シール層が形成する枠の外側に位置している。シール層300は、アレイ基板20と対向基板30とを互いに貼り合せている。シール層300の材料としては、エポキシ系やアクリル系の接着剤を使用することができる。
【0024】
アレイ基板20と対向基板30との間であってシール層300が形成する枠の外側には、図示しないトランスファ電極が配置されている。トランスファ電極は、対向電極210及びアレイ基板20に接続している。
【0025】
アレイ基板20と対向基板30との間隙、すなわち液晶層40の厚さは、この間隙に配設されたプラスチック等からなる球状のスペーサ310により保持されている。或いは、アレイ基板20と対向基板30の間隙に、設けられた図示しない柱状スペーサで構成されていてもよい。これらスペーサは、アレイ基板20と対向基板30との間であって画素電極130に対応した位置にほぼ一定の隙間を形成している。
【0026】
液晶層40は、例えば、高分子材料とこれよりも低分子量の低分子液晶材料とを含んだ混合物で構成されている。高分子材料は、5000以上の平均分子量を有している。なお、ここで言う「平均分子量」は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィで測定した数平均分子量である。高分子材料は、液晶層40中で、高分子マトリクス又は高分子ネットワークを形成している。低分子材料は、1000以下の分子量を有している。低分子液晶材料は、例えば、誘電率異方性が正のネマティック液晶材料である。
【0027】
図示しない偏光板は、例えば、それらの透過軸が互いに略直交するように配置する。また、各偏光板は、例えば、その透過軸がX方向及びY方向に対して約45°の角度を為すように配置する。
【0028】
走査線ドライバ2及び信号線ドライバ3は、それぞれ、走査信号入力端子及び映像信号入力端子に接続されている。この例ではドライバ2及び3をCOG(chip on glass)実装しているが、その代わりにTCP(tape carrier package)実装してもよい。
【0029】
本実施形態に係る表示素子10は、アレイ基板20と対向基板30とが対向する方向に湾曲している。すなわち、本実施形態に係る表示素子10は、図2に示すように、アレイ基板20と対向基板30と液晶層40とで構成される積層体50のアレイ基板20と対向基板30とが対向するいずれか一方の面を凸面(本実施形態では図中51)、他方の面を凹面(本実施形態では図中52)とするように湾曲した第1領域50Aと、第1領域50Aに隣接し、第1領域50Aより曲率半径が大きい第2領域50Bとを備える。本実施形態に係る表示素子10の表示領域80は、図1に示すように、凸面51上に設けられている。
【0030】
詳しくは、第2領域50Bは、第1領域50Aに隣接し、第1領域50Aより曲率半径が大きい第2a領域50B1と、第2a領域50B1を介して第1領域50Aに隣接し、積層体50の外端50Cを含み、第1領域50A及び第2a領域50B1より曲率半径が大きい第2b領域50B2とで構成されている。
【0031】
本実施形態に係る表示素子10は、第1領域50Aの凸面51上に設けられた樹脂層は、第2領域50Bの凸面51上に設けられた樹脂層より厚く形成されている。より詳しくは、凸面51上に設けられた樹脂層は、積層体50の外端50Cから第1領域50Aに向かって、厚さが漸増している。
【0032】
このような構成とすることで、第1領域50A内における表示領域80の視点と表示素子10とのなす角を調整することができる。
【0033】
この効果を、図面を用いて説明する。図6は、従来の表示素子における積層体から出た光の樹脂層からの出射する光の様子を模式的に示した断面模式図であり、(a)は表示素子全体の断面図、(b)は、(a)のβの部分における部分断面図である。
【0034】
図6に示すように、従来の表示素子10’は、表示領域内の樹脂層60’の厚さはほぼ均一に構成されているため、積層体50から垂直に出た光が樹脂層60’から空気中に出射する場合は、そのまま垂直に出光する(図6(b))。そのため、使用者が表示素子10’の表示領域80を凸方向から見たときには、表示領域80の第1領域50Aでは光が分散されてしまうため、使用者にとって見ずらいという問題がある。
【0035】
図7は、本実施形態に係る表示素子における積層体から出た光の樹脂層からの出射する光の様子を模式的に示した断面模式図であり、(a)は表示素子全体の断面図、(b)は、(a)のβの部分における部分断面図である。
【0036】
本実施形態に係る表示素子の凸面51上に設けられた樹脂層60は、積層体50の外端50Cから第1領域50Aに向かって(第1領域50Aの母線5に向かって)厚さが漸増しているため、第1領域50A内の樹脂層60の厚さは均一ではない。このため、積層体50から垂直に出た光は、樹脂層60と空気との界面が垂直ではないため、樹脂層60と空気との屈折率の違いと入射角に依存した屈折が起こる。これは、樹脂層60の積層体50の表面に対する傾きをθ、樹脂層60、空気の屈折率をそれぞれn、nとすると、出射角はθoutとなり、一般的に、n>nであるので、積層体50から垂直に出た光は、樹脂層60の厚い側に光が屈折する。つまり、図7(b)に示す部分では、表示素子10の母線5方向に向かって光が屈折する。そのため、表示素子10の第1領域50Aを凸方向から見たときには、表示領域80の第1領域50Aでは光が分散されず、均一に表示素子10から出光するため、使用者にとって第1領域50Aの部分が非常に見やすくなるという効果が生じる。
【0037】
更に、凸面51上の第1領域50Aの樹脂層60は、凸面51上の第2領域50Bの樹脂層60より厚く設けられているため、対向基板30の第1領域50Aにおける水や酸素の透過を抑制することができる。このため、第1領域50Aにおける表示画像等の乱れを防止することができる。
【0038】
図8は、本実施形態に係る表示素子における積層体から出た光の樹脂層からの出射する光の様子を模式的に示した断面模式図であり、(a)は表示素子全体の断面図、(b)は、(a)のβの部分における部分断面図である。
【0039】
このように、凸面51において、積層体50の曲率半径が小さくなるにつれて(湾曲の程度が大きくなるにつれて)、凸面51における樹脂層60の厚さを漸増させた構成を備えることで、凸面51の表示領域80の全面において光を分散させずに、均一化することができるため、表示領域80全体において、画像が見やすくなるという効果を得ることができる。
【0040】
次に、本実施形態に係る表示素子10の製造方法の一例を説明する。
【0041】
最初に、柔軟性を有するプラスチックフィルムにコロナ処理やUVオゾン処理などの表面処理を行った後、プラスチックフィルムの表面に、スパッタ法により、シリコン酸化膜(SiOx)、シリコン窒化膜(SiNx)、又は、シリコン酸窒化膜(SiOxNy)等の絶縁膜を形成する。次に、スパッタ法を用いて、MoやAlなどの金属、あるいは、MoTa、MoWSなどの合金の薄膜を例えば300nm形成する。この薄膜を、フォトリソグラフィ法を用いて選択的にエッチングすることにより走査線及びゲート電極等を形成する。次に、走査線及びゲート電極上に、絶縁膜、半導体層、チャネル保護膜をCVD法でこの順で積層する。絶縁膜としては、シリコン酸化膜(SiOx)、シリコン窒化膜(SiNx)、又は、シリコン酸窒化膜(SiOxNy)の単層あるいは積層の膜を例えば300nm形成する。半導体層としては、アモルファスシリコン層を例えば50nm形成する。チャネル保護膜としては、シリコン酸化膜(SiOx)で例えば300nm形成する。次に、チャネル保護層をフォトリソグラフィ法で選択エッチングした後、燐をドープしたアモルファスシリコンをCVD法で形成してn型半導体層とする。次に、AlやMoなどの金属薄膜を300nm程度形成する。そして、半導体層、n型半導体層及び金属薄膜の積層構造に対して、フォトリソグラフィ法を用いて選択的にエッチングすることにより、信号線、ソース電極及びドレイン電極を形成する。その後、CVD法などにより、シリコン酸化膜(SiOx)、シリコン窒化膜(SiNx)等の保護層を形成し、その後、フォトリソグラフィ法を用いてドレイン電極部にコンタクトホールを形成する。そして、ITO等の透明電極をスパッタ法を用いて成膜して、フォトリソグラフィ法でパターニングすることで画素電極を形成する。次に、ポリイミドなどの樹脂で配向膜を形成し、ラビング処理を行う。
【0042】
対向する基板として柔軟性を有するプラスチックフィルムにコロナ処理やUVオゾン処理などの表面処理を行った後、プラスチックフィルムの表面に、ITOなどの透明電極をスパッタ法を用いて成膜する。その後、カラーフィルタを貼り合わせ、その表面上に、次に、ポリイミドなどの樹脂で配向膜を形成し、ラビング処理を行う。
【0043】
次に、両方のプラスチックフィルムの配向膜を対向するように、配置させて、それぞれのプラスチックフィルム間の間隙を均一に保つ球状のスペーサを形成し、更に、プラスチックフィルムの外周端部には、シール剤を設け、2枚のプラスチックフィルムを貼り合わせる。そして、2枚のプラスチックフィルム間の間隙に、液晶を注入して封止することで積層体が完成する。
【0044】
次に、この積層体を所望の母線を支点として湾曲させた状態で、湾曲させた凸部を下にしてUV硬化エポキシ樹脂の入ったポートに入れ、全面を樹脂で覆った後に引き上げ、凸部を下にした状態で一定時間保持する。これにより、重力によって積層体の凸部に厚く樹脂層を形成することができる。なお、この樹脂層の形成の際、粘度によって形成時間は異なるが、例えば、300cpの粘度の樹脂の場合は、1時間程度放置すればよい。その後、コートした樹脂に対してUV照射することで、樹脂層を形成する。この際、部分的に、UVを照射するタイミングをずらすことでさらに細かく樹脂層の膜厚を制御することができる。
【0045】
なお、樹脂層の材料は、上述したUV硬化エポキシ樹脂に限定されず、アクリル(PMMA)、エポキシ、PVC、COP、PA、PE、PC、PEN、PET、PI、PAI、シリコーン、フッ素樹脂などさまざまな材料を用いることが可能である。また、UV硬化でなくても、可視光硬化、2液性硬化、熱硬化など他の硬化方法を用いることができる。また、コート方法もインクジェット法などの塗布方法も用いることが可能である。これらの樹脂は表示装置表面を覆うため透明であることが好ましく、また屈折率が大きい方がレンズ効果も大きくなるために好ましい。
【0046】
また、樹脂材料にPCTFEなどの防湿性を優れた材料を使用すると、可撓性基板を用いた曲面表示の欠点であった湿度による信頼性の低下を防止することが出来る。
【0047】
また、上述した実施形態では、積層体全面に樹脂層を形成した例で説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、前述した第一面のみに、樹脂層を形成した場合でも、同様な効果を得ることが出来る。
【0048】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について図面を用いて説明する。
【0049】
図9は第2の実施形態に係る表示素子の断面構造を概略的に示す断面図である。
【0050】
本実施形態に係る表示素子10Aは、積層体50の凸面51上の第1領域50Aと、凸面51上の第2b領域50B2の樹脂層60の厚さを厚く形成した構成であり、第2b領域50B2では、積層体50の外周端部50Cに向かって樹脂層60が漸増した構成を備えている。他の部分は、第1の実施形態と同様なため説明を省略する。
【0051】
本実施形態に係る表示素子10Aの樹脂層60の形成は、第1の実施形態で説明した方法に加え、凸部を上にして、積層体50の外周部をUV硬化エポキシ樹脂の入ったポート内に入れて一定時間保持することで形成することができる。また、他にもインクジェット法などの塗布法を用いて塗布量を制御しながら形成してもよい。
【0052】
なお、本実施形態に係る第2b領域50B2上の樹脂層60は、図10に示すように、樹脂層60上に第2の樹脂層60Aを備えた2層構造としても良い。本実施形態では、2層構造の例で説明する。第2b領域50B2上の樹脂層を2層構造とする場合は、第1の実施形態で説明した方法に加え、インクジェット法などの塗布法を使用することで形成することができる。
【0053】
このように、第1の実施形態の構成に加え、第2b領域50B2上の樹脂層も積層体50の外周端部(表示領域の外周部)に向かってその厚さが漸増しているため、表示素子として、凸方向から見た場合に加え、側面方向(横方向)から見た場合でも画像が見やすくなり、凸面51のあらゆる方向において視野の広い液晶表示素子を提供することができる。
【0054】
この効果を、図面を用いて説明する。図11は、本実施形態に係る表示素子における積層体から出た光の樹脂層からの出射する光の様子を模式的に示した断面模式図であり、(a)は表示素子全体の断面図、(b)は、(a)のβの部分における部分断面図である。
【0055】
本実施形態に係る表示素子10Aの積層体50から垂直に出射した第2b領域50B2の光の出射は、図11に示すようになる。
【0056】
すなわち、積層体50の第2b領域50B2の凸面51上における1層目の樹脂層60を樹脂1として、2層目の樹脂層60Aを樹脂2とし、樹脂1と樹脂2との界面を界面1とし、樹脂2と空気層との界面を界面2とし、また、界面1と積層体50表面とのなす角をθ1、界面2と積層体50表面とのなす角をθ2とする。また、樹脂1と樹脂2の屈折率をそれぞれn、nとする。また、界面1に対する入射角をθ1in、出射角をθ1outとし、界面2への入射角をθ2in出射角をθ2outとする。そして、界面1で屈折した角度をα1、界面2で屈折した角度をα2とする。図11はθ1out ≦ θ1 + θ2を仮定している。
【0057】
スネルの法則から
n1sinθ1=n2 sinθ1out
n2 sinθ2out=n0 sinθ2out
また、
幾何学的にα11out1, θ2in = θ2 - α1
が成り立つ。
【0058】
このとき
【数1】

なお、θ1out > θ1 + θ2の時は、図11(b)のようになり、出射光は左に屈折される。
【0059】
このとき
【数2】

となる
θ1=3°、θ2=10°、n1=1.55、n2=1.44、n0=1.00の時
θ1out ~3.23(<θ12)となり図11(b)のような屈折を起こす。このときα2=4.1度となり表示素子10Aの側面方向に光線が屈折する。そのため、表示素子10Aの表示領域80の側面方向から見たときでも、使用者にとって見やすくなるという効果が生じる。
【0060】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について図面を用いて説明する。
【0061】
図12及び図13は第3の実施形態に係る表示素子の断面構造を概略的に示す断面図である。
【0062】
本実施形態に係る表示素子10Bは、第1の実施形態に係る樹脂層60がプラスチックフィルム等の柔軟性を有するプラスチックフィルム70に置き換えられ、このプラスチックフィルム70と積層体50の凸面51との間に液体層75が設けられている構成を備えている。その他の構成は第1の実施形態と同様なため説明を省略する。
【0063】
このプラスチックフィルム70の厚さは、全面においてほぼ均一の厚さを有している。また、プラスチックフィルム70と積層体50とのそれぞれの端面はシール剤300Aが設けられており、プラスチックフィルム70と積層体50とを固定すると共に、プラスチックフィルム70と積層体50との間に液体(例えば、水)を封止している。プラスチックフィルム70と積層体50との間の液体層75には、図示しない球状のスペーサが設けられており、プラスチックフィルム70と積層体50が図示しない球状のスペーサの大きさで規定される間隙以下には小さくならない構成となっている。また、液体層75内に封止する液体の量を調整することで、一部はスペーサ規定の間隙(図12中T部)になり、他の一部は液体により間隙が広がった状態(図12中T部)となっている。
【0064】
例えば、図12に示すように、積層体50の凸面51を上においた場合は、液体層75の液体は、重力により表示素子10Bの側面部(積層体50の第2b領域50B2上)に溜まることになる。この場合は、第2の実施形態で説明したのと同様な効果を得ることができる。
【0065】
一方、例えば、図13に示すように、積層体50の凸面51の凸部を下においた場合は、液体層75の液体は、重力により表示素子10Bの凸部(積層体50の第1領域50A上)に溜まることになる。この場合は、第1の実施形態で説明したのと同様な効果を得ることができる。
【0066】
更に、例えば、積層体50の凸面51を上においた場合でも、使用者が表示素子10Bの側面部に外力を加えることで、図14に示すように、液体層75の液体は、表示素子10Bの凸部(積層体50の第1領域50B上)に溜まることになる。この場合は、第1の実施形態で説明したのと同様な効果を得ることができる。
【0067】
このように、積層体50の表示領域80の凸面51に間隙を有して柔軟性を有するプラスチックフィルム70を配置し、この間隙に液体を封止することで、表示領域80の見やすい部分を使用者が自由に制御することができる表示素子10Bを得ることができる。
【0068】
なお、表示素子10Bの側面部に外力を与える手段は、図15に示すように、着脱可能な固定部材400を備えても良い。なお、この固定部材400は、その固定部における画像を見るという観点から透明部材で構成されていることが好ましい。
【0069】
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態について図面を用いて説明する。
【0070】
図16は第4の実施形態に係る表示素子の断面構造を概略的に示す断面図である。
【0071】
本実施形態に係る表示素子10Cは、第1の実施形態と比較して、図4に示すアレイ基板20上のTFT、画素電極等が可撓性、柔軟性を有するガラス基板100上に配置され、対向電極等が同様に可撓性、柔軟性を有するガラス基板200上に配置され、それぞれアレイ基板20及び対向基板30を構成している。TFT、画素電極等が設けられたガラス基板100の面に対向する面には接着層410を介してガラス基板100よりも可撓性、柔軟性が大きいプラスチックフィルム430が設けられ、対向電極等が設けられたガラス基板200の面に対向する面には接着層420を介してガラス基板200よりも可撓性、柔軟性が大きいプラスチックフィルム440が設けられている。ここでいう可撓性、柔軟性を有するガラス基板とは、例えば、厚さが150μm以下の薄い厚さを備えたガラス基板のことをいう。その他の構成は、第1の実施形態と同様なため説明を省略する。
【0072】
なお、上述したプラスチック基板の材料としては、PA、PE、PC、PEN、PET、PI、PAI、シリコーン、フッ素樹脂などさまざまな材料が使用できる。
【0073】
なお、上述した接着剤としては、エポキシ系やアクリル系の接着剤を使用することができる。
【0074】
このように、樹脂層60内において液晶層30を挟持する一対の基板を、柔軟性を有するガラス基板と、ガラス基板よりも柔軟性の高いプラスチック基板との2層構造とすることで、第1の実施形態で説明した効果に加え、湾曲しやすく、戻りにくい表示素子を得ることができる。
【0075】
(第5の実施形態)
前述した第1から第4の実施形態では、液晶を挟持した表示装置について説明しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、有機EL、電気泳動等で構成された表示素子にも適用することが可能である。
【0076】
有機EL、電気泳動等を用いる表示素子の表示部は従来の一般的な公知の構成を用いることができる。
【0077】
例えば、表示素子の表示部は、図17に示すように、例えば、柔軟性を有するプラスチックフィルムで構成された支持基板500と、支持基板500上に設けられたTFT510と、前記支持基板500上に設けられTFT510に接続され、例えば、ITO(indium tin oxide)で構成された画素電極520と、TFT510を覆い、例えば、シリコン酸化膜(SiOx)、シリコン窒化膜(SiNx)等で構成された層間絶縁膜530と、層間絶縁膜530の間に設けられた有機EL、電気泳動等で構成された発光層540と、層間絶縁膜530の間及び発光層540上に設けられ、例えば、ITO(indium tin oxide)で構成された対向電極550と、層間絶縁膜530と、対向電極550を覆い、例えば、シリコン酸化膜(SiOx)、シリコン窒化膜(SiNx)等で構成された保護層560とで構成されている。また、基板上には図示しない信号線と電源線が平行に配置され、更に、信号線及び電源線と垂直する方向に図示しない走査線が配置されており、信号線と電源線、及び、垂直する走査線に囲まれた領域を1画素として、この画素がマトリクス状に配置されている。
【0078】
画素電極520は、画素駆動回路570に接続されている。画素駆動回路570は、例えば、図18に示すように、駆動TFT580と電流制御用TFT590の2つのトランジスタを有している。駆動TFT580のドレイン電極は、電流制御用TFT590のゲート電極と接続されている。駆動TFT580のソース電極は信号線600に、駆動TFT580のゲート電極はゲート線610にそれぞれ接続されている。また、電流制御用TFT590のソース電極は電源線620と、ドレイン電極は画素電極(発光層630)に接続されている。
【0079】
本実施形態に係る表示素子10Dでは、例えば、図19(a)に示すように、上述した構成を有する表示部700を覆うように樹脂層60が設けられており、樹脂層60は、第1実施形態で説明したと同様な構成を備えている。
【0080】
また、本実施形態に係る表示素子10Eでは、図19(b)に示すように、上述した表示部700を覆うように樹脂層60が設けられ、樹脂層60は、第2実施形態で説明したと同様な構成を備えている。
【0081】
また、本実施形態に係る表示素子10Fでは、図19(c)に示すように、上述した表示部700の表示方向(図中紙面上方向)に対向する面に、可撓性、柔軟性を有するガラス基板710と、ガラス基板710の表示部700が設けられた面に対向する面に、接着層720を介してガラス基板710よりも柔軟性が大きいプラスチックフィルム730とを備えた構成(第4の実施形態に類似する構成)を備えている。
【0082】
以上の構成を備えることで、有機EL、電気泳動等で構成された表示素子においても前述した第1、第2、第4実施形態で説明した構成を備えることで、各実施形態と同様な効果を得ることができる。
【0083】
また、前述した画素電極520をITO電極で構成し、前述した支持基板500を透明材料で構成させた基板を備えると、表示部の湾曲した凸方向と、その反対の面の両面から光を取り出すことができる表示素子を備えることができる。
【0084】
この場合は、図20に示すように、表示部700の湾曲した凸方向の凸面51の樹脂層60は、第1の実施形態で説明したのと同様な構成を備え、前記凸面51の反対方向、すなわち、表示部の湾曲した凹方向の凹面52の樹脂層60は、凹面52の外周端部から第1領域700Aに向かって漸減して構成されていることが好ましい。
【0085】
このような構成とすることで、前述した第1の実施形態と同様な効果が得られると共に、表示素子の湾曲した凹方向においても、同様に使用者が見やすい構成の表示素子を得ることができる。
【0086】
(その他の実施形態)
前述した第1〜第4の実施形態に係る表示素子は、表示領域が凸方向に湾曲した構成で説明されているが、表示領域が凹方向に湾曲していた場合は、第5実施形態で説明したように、詳しくは、図21に示すように、表示領域80を覆う樹脂層60は、前記積層体50の母線(図示せず)に向かって、凸面51の外周端部50Cから漸減して構成することが好ましい。
【0087】
このような構成とすることで、前述した第1の実施形態と同様な効果により、表示領域の湾曲した凹方向においても、使用者が見やすい構成の表示素子を得ることができる。
【0088】
なお、本実施形態に係る構成は、前述した第2〜第4の構成にも応用できることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】第1の実施形態に係る表示素子を示す斜視図。
【図2】第1の実施形態に係る表示素子の断面構造を示す断面図。
【図3】本発明に採用可能なアレイ基板20上の画素領域の一例を示す平面図。
【図4】A−A線で切った断面図。
【図5】本発明に採用可能な表示素子の一例を示す部分断面図。
【図6】従来の表示素子における積層体から出た光の樹脂層からの出射する光の様子を模式的に示した断面模式図。
【図7】第1の実施形態に係る表示素子における積層体から出た光の樹脂層からの出射する光の様子を模式的に示した断面模式図。
【図8】第1の実施形態に係る表示素子における積層体から出た光の樹脂層からの出射する光の様子を模式的に示した断面模式図。
【図9】第2の実施形態に係る表示素子の断面構造を概略的に示す断面図。
【図10】第2の実施形態に係る表示素子の断面構造を概略的に示す断面図。
【図11】第2の実施形態に係る表示素子における積層体から出た光の樹脂層からの出射する光の様子を模式的に示した断面模式図。
【図12】第3の実施形態に係る表示素子の断面構造を概略的に示す断面図。
【図13】第3の実施形態に係る表示素子の断面構造を概略的に示す断面図。
【図14】第3の実施形態に係る表示素子の断面構造を概略的に示す断面図。
【図15】第3の実施形態に係る表示素子の断面構造を概略的に示す断面図。
【図16】第4の実施形態に係る表示素子の断面構造を概略的に示す断面図。
【図17】第5の実施形態に係る表示部の断面構造を概略的に示す断面図。
【図18】第5の実施形態に係る表示部の画素駆動回路を概略的に示す回路図。
【図19】第5の実施形態に係る表示素子の断面構造を概略的に示す断面図。
【図20】第5の実施形態に係る表示素子の断面構造を概略的に示す断面図。
【図21】他の実施形態に係る表示素子の断面構造を概略的に示す断面図。
【符号の説明】
【0090】
2 走査線ドライバ
3 信号線ドライバ
5 母線
10 表示素子
20 アレイ基板
30 対向基板
40 液晶層
50 積層体
50A 第1領域
50B 第2領域
50B1 第2a領域
50B2 第2b領域
51 凸面
52 凹面
60 樹脂層
60 第2の樹脂層
70 プラスチックフィルム
75 液体層
80 表示領域
100 支持基板
101 走査線
102 ゲート電極
103 絶縁膜
104 半導体層
105 画素スイッチ
106 チャネル保護膜
110 信号線
111 n型半導体層
113 金属薄膜
115 ソース電極
120 ドレイン電極
125 保護層
130 画素電極
140 配向膜
200 支持基板
210 対向電極
220 カラーフィルタ
230 配向膜
300 シール層
300A シール剤
310 スペーサ
400 固定部材
410 接着層
420 接着層
430 プラスチックフィルム
440 プラスチックフィルム
500 支持基板
510 TFT
520 画素電極
530 層間絶縁膜
540 発光層
550 対向電極
560 保護膜
570 画素駆動回路
580 駆動TFT
590 電流制御用TFT
600 信号線
610 ゲート線
620 電源線
630 発光層
700 表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板と、第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に設けられた液晶層と、を備える積層体と、
前記積層体を覆う樹脂層と、を有し、
前記積層体は前記第1基板と前記第2基板とが対向するいずれか一方の面を凸面、他方の面を凹面とするように湾曲した第1領域と、前記第1領域に隣接し、前記第1領域より曲率半径が大きい第2領域とを備え、
前記第1領域の前記凸面上に設けられた樹脂層は、前記第2領域の前記凸面上に設けられた樹脂層より厚く形成されていることを特徴とする表示素子。
【請求項2】
第1基板と、第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に設けられた液晶層と、を備える積層体と、
前記積層体を覆う樹脂層と、を有し、
前記積層体は前記第1基板と前記第2基板とが対向するいずれか一方の面を凸面、他方の面を凹面とするように湾曲した第1領域と、前記第1領域に隣接し、前記第1領域より曲率半径が大きい第2領域と、前記第2領域を介して前記第1領域に隣接し、前記積層体の外端を含み、前記第1領域及び前記第2領域より曲率半径が大きい第3領域とを備え、
前記凸面上に設けられた樹脂層は、前記外端から前記第1領域に向かって、厚さが漸増していることを特徴とする表示素子。
【請求項3】
第1基板と、第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に設けられた液晶層と、を備える積層体と、
前記積層体を覆う樹脂層と、を有し、
前記積層体は前記第1基板と前記第2基板とが対向するいずれか一方の面を凸面、他方の面を凹面とするように湾曲した第1領域と、前記第1領域に隣接し、前記第1領域より曲率半径が大きい第2領域と、前記第2領域を介して前記第1領域に隣接し、前記積層体の外端を含み、前記第1領域及び前記第2領域より曲率半径が大きい第3領域とを備え、
前記凸面上に設けられた樹脂層は、前記第2領域から前記第1領域に向かって厚さが漸増しており、かつ、前記第2領域から前記第3領域に向かって厚さが漸増していることを特徴とする表示素子。
【請求項4】
第1基板と、第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に設けられた液晶層と、を備える積層体と、
前記積層体を覆う樹脂層と、を有し、
前記積層体は前記第1基板と前記第2基板とが対向するいずれか一方の面を凸面、他方の面を凹面とするように湾曲した第1領域と、前記第1領域に隣接し、前記第1領域より曲率半径が大きい第2領域と、前記第2領域を介して前記第1領域に隣接し、前記積層体の外端を含み、前記第1領域及び前記第2領域より曲率半径が大きい第3領域とを備え、
前記凸面における前記積層体と前記樹脂層との間には液晶層が設けられ、前記液晶層は、その厚さが可変可能に構成されていることを特徴とする表示素子。
【請求項5】
前記液体層内には、前記凸面における前記積層体と前記樹脂層との間隙を所定の厚さに保持するスペーサが設けられ、前記積層体に外的手段を付加することで、前記液体層内の液体が移動して厚さを可変させることを特徴とする請求項4に記載の表示素子。
【請求項6】
前記外的手段は、着脱自在な固定治具であることを特徴とする請求項5に記載の表示素子。
【請求項7】
第1基板と、第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に設けられた液晶層と、を備える積層体と、
前記積層体を覆う樹脂層と、を有し、
前記積層体は前記第1基板と前記第2基板とが対向するいずれか一方の面を凸面、他方の面を凹面とするように湾曲した第1領域と、前記第1領域に隣接し、前記第1領域より曲率半径が大きい第2領域と、前記第2領域を介して前記第1領域に隣接し、前記積層体の外端を含み、前記第1領域及び前記第2領域より曲率半径が大きい第3領域とを備え、
前記凹面上に設けられた樹脂層は、前記外端から前記第1領域に向かって、厚さが漸減していることを特徴とする表示素子。
【請求項8】
第1基板と、前記第1基板上に設けられた表示部、前記表示部上に設けられた保護層と、を備える積層体と、
前記積層体を覆う樹脂層と、を有し、
前記積層体は前記第1基板と前記保護層とが対向するいずれか一方の面を凸面、他方の面を凹面とするように湾曲した第1領域と、前記第1領域に隣接し、前記第1領域より曲率半径が大きい第2領域とを備え、
前記第1領域の前記凸面上に設けられた樹脂層は、前記第2領域の前記凸面上に設けられた樹脂層より厚く形成されていることを特徴とする表示素子。
【請求項9】
前記表示部は、有機EL又は電気泳動で構成されていることを特徴とする請求項8に記載の表示素子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2008−89884(P2008−89884A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−269771(P2006−269771)
【出願日】平成18年9月29日(2006.9.29)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】