説明

表示装置、および、プログラム

【課題】リスト項目枠に情報を適切に表示可能な表示装置、および、プログラムを提供する。
【解決手段】リストをスクロールし(S100)、リストに含まれるリスト項目が選択されたとき、リスト項目が選択される直前にリストがスクロールされていた方向である直前スクロール方向を取得する(S200)。取得された直前スクロール方向に基づき、選択されたリスト項目に係るリスト項目情報が表示されるリスト項目枠の表示態様を決定する(S300)。そして、決定された表示態様でリスト項目枠を表示する(S400)。これにより、直前スクロール方向に基づいて決定された表示態様のリスト項目枠に情報を適切に表示することができ、ユーザによるリスト項目の選択に係る利便性が向上する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リストを表示する表示装置、および、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数のデータを表示する方法として、リスト表示が知られている。従来のリスト表示では、リスト項目を表示するリスト項目枠の大きさが固定されているため、リスト項目枠に表示する文字数が多い場合、リスト項目枠内に表示しきれないことがある。そこで、特許文献1では、サブ表示欄を消去することにより文字表示欄に表示できる文字数を増やしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−32628号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、サブ表示欄を消去したとしても、リスト項目枠内に表示可能な文字数には依然として限りがあった。リスト項目枠内に表示すべき情報を表示しきれない場合、例えばリスト項目枠内の表示範囲をスクロールしたり、別画面に遷移したりすることができる。リスト項目枠内の表示範囲をスクロールする場合、表示すべき情報の一部が消えてしまい、全体を見ることができなかった。また、表示すべき情報の全体を表示すべく別画面に遷移する場合、他のリスト項目が見えなくなってしまうという問題点があった。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、リスト項目枠に情報を適切に表示可能な表示装置、および、プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の表示装置は、リストをスクロールするスクロール手段と、リストに含まれるリスト項目が選択されたとき、リスト項目が選択される直前にリストがスクロールされていた方向である直前スクロール方向を取得するスクロール方向取得手段と、直前スクロール方向に基づき、リスト項目に係るリスト項目情報が表示されるリスト項目枠の表示態様を決定する決定手段と、決定された表示態様でリスト項目枠を表示する表示手段と、を備える。これにより、直前スクロール方向に基づいて決定された表示態様でリスト項目枠が表示されるので、リスト項目枠に情報を適切に表示することができ、ユーザによるリスト項目の選択に係る利便性が向上する。
【0006】
請求項2に記載の発明では、表示態様は、選択されたリスト項目に係るリスト項目情報が表示されるリスト項目枠を拡大して表示する態様である。また、直前スクロール方向に基づき、選択されたリスト項目枠を拡大する拡大方向を決定する拡大方向決定手段をさらに備える。これにより、直前スクロール方向に基づいて決定された拡大方向にリスト項目枠を拡大するので、決定された拡大方向と反対方向のリスト項目枠の表示を維持しつつ、リスト項目枠にリスト項目情報を適切に表示することができ、ユーザによるリスト項目の選択に係る利便性が向上する。
【0007】
請求項3に記載の発明では、拡大方向決定手段は、直前スクロール方向と反対方向に拡大方向を決定する。これにより、直前スクロール方向のリスト項目枠の表示を維持しつつ、リスト項目枠にリスト項目情報を適切に表示することができ、ユーザによるリスト項目の選択に係る利便性が向上する。
【0008】
請求項4に記載の発明では、リスト項目情報に基づき、選択されたリスト項目枠の拡大サイズを決定する拡大サイズ決定手段と、拡大サイズとなるように拡大方向に選択されたリスト項目枠を拡大したとき、拡大方向において選択されたリスト項目枠が表示可能領域を超えるか否かを判断する超過判断手段と、をさらに備える。決定手段は、拡大方向において選択されたリスト項目枠が表示可能領域を超えると超過判断手段により判断された場合、拡大方向と反対方向にも選択されたリスト項目枠を拡大するようにリスト項目枠の表示態様を決定する。これにより、拡大方向において表示可能領域を超えないようにリスト項目枠を適切に表示することができ、ユーザによるリスト項目の選択に係る利便性が向上する。
【0009】
請求項5に記載の発明では、決定手段は、選択されたリスト項目枠が拡大されたとき、選択されたリスト項目枠の拡大方向の反対側において隣り合って表示されるリスト項目枠を、拡大されたリスト項目枠と重複しない位置にずらす。これにより、選択項目枠が拡大されたとき、拡大方向と反対方向に表示されるリスト項目の順番が維持されるので、ユーザによるリスト項目の選択に係る利便性が向上する。
【0010】
以上、表示装置の発明として説明してきたが、次に示すようなプログラムの発明として実現することもできる。
すなわち、リストをスクロールするスクロール手段、リストに含まれるリスト項目が選択されたとき、リスト項目が選択される直前にリストがスクロールされていた方向である直前スクロール方向を取得するスクロール方向取得手段、直前スクロール方向に基づき、リスト項目に係るリスト項目情報が表示されるリスト項目枠の表示態様を決定する決定手段、および、決定された表示態様で前記リスト項目枠を表示する表示手段、としてコンピュータを機能させるプログラム。このようなプログラムを実行することで、上述の表示装置と同様の効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1実施形態によるナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1実施形態のディスプレイに表示されるリストを説明する説明図である。
【図3】本発明の第1実施形態による項目枠可変処理を説明するフローチャートである。
【図4】本発明の第1実施形態による表示態様決定処理を説明するフローチャートである。
【図5】具体例1のリスト項目枠の表示態様を説明する説明図である。
【図6】具体例2のリスト項目枠の表示態様を説明する説明図である。
【図7】本発明の第2実施形態による表示態様決定処理を説明するフローチャートである。
【図8】具体例3のリスト項目枠の表示態様を説明する説明図である。
【図9】具体例4のリスト項目枠の表示態様を説明する説明図である。
【図10】具体例4のリスト項目枠の表示態様を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態による表示装置を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による表示装置は、車両に搭載されるナビゲーション装置に適用される。図1は、本発明の第1実施形態による表示装置としてのナビゲーション装置1の全体構成を示すブロック図である。ナビゲーション装置1は、制御部10を中心に構成され、この制御部10に、操作スイッチ群20と、地図データ記憶部30と、画像データ記憶部35と、現在位置算出部40と、スピーカ50と、ディスプレイ60と、が接続されている。
【0013】
制御部10は、CPU、ROM、RAM、I/O及びこれらを接続するバスラインを備えたコンピュータとして構成されており、システム全体の制御を司る。
操作スイッチ群20は、ディスプレイ60と一体になったタッチスイッチもしくはメカニカルなスイッチやリモコン装置等で構成され、各種入力に使用される。
【0014】
地図データ記憶部30は、例えばハードディスク装置(HDD)として実現される記憶装置である。なお、ここではHDDを用いたが、DVD−ROMや、メモリカード等の他の媒体を用いても差し支えない。
地図データ記憶部30は、位置検出の精度向上のためのいわゆるマップマッチング用データ、経路を探索するための地図データ、およびディスプレイ60に地図を描画するための画像データを記憶している。地図データには、各種データが含まれるが、その一つとして施設に関する施設情報が含まれる。施設情報は、具体的には施設を特定するIDと関連付けられて記憶されているPOI(Point Of Interest)情報である。POI情報には、施設名称、施設ID、位置座標、種別(ジャンル)、住所、電話番号、営業時間を示す情報などが含まれる。
【0015】
画像データ記憶部35は、検索画面等をディスプレイ60に表示するための画像データを記憶するものであり、地図データ記憶部30と同一のHDDで構成されている。もちろん、メモリカード等の他の媒体を用いてもよい。
現在位置算出部40は、車両の現在位置を算出するものである。例えば、地磁気センサ、ジャイロスコープ、距離センサ、および、衛星からの電波を受信するGPS(Global Positioning System)受信機等を有している。これらは、各々が性質の異なる誤差を持っているため、相互に補完しながら使用される。この現在位置算出部40によって、リアルタイムに自車位置を算出することができる。
【0016】
スピーカ50は、音声を出力するためのものであり、例えば経路の案内等を音声で行う場合に使用される。また、ディスプレイ60は、液晶などを用いて構成されるカラーディスプレイ装置である。ディスプレイ60を介して地図や施設情報などが表示される。
【0017】
ここで、ディスプレイ60に表示されるリストについて図2に基づいて説明する。
ディスプレイ60には、例えば施設等が検索され、検索された施設が複数ある場合、検索された施設がリストとして表示される。なお、本実施形態では検索された施設のリストを表示する例を説明しているが、表示されるリストはどのようなリストであってもよい。
ディスプレイ60にリストを表示する場合、ディスプレイ60は、リスト以外の情報が表示される固定領域610、およびリストが表示される表示可能領域としてのリスト領域620から構成される。なお、固定領域610は、図2(b)中に二点鎖線にて示す領域である。また、リスト領域620は、図2(c)中に二点鎖線にて示す領域である。
【0018】
なお、本実施形態では、リスト領域620を「表示可能領域」としているが、表示可能領域は、ディスプレイ60内のどのような領域としてもよい。例えば図2(c)のリスト領域620をディスプレイの上方向に拡大し、ディスプレイ60の上端までを表示可能領域としてもよい。
【0019】
固定領域610には、検索された施設をエリアで絞るためのエリアボタン611、検索された施設をジャンルで絞るためのジャンルボタン612、および前の画面に戻るための戻るボタン613が表示される。また、固定領域610には、検索条件や検索件数等の情報が表示される。
【0020】
また、固定領域610内であってリスト領域620の左側には、スクロールバー615が表示されている。操作スイッチ群20がディスプレイ60と一体となったタッチパネルとして具現化されている場合、このスクロールバー615を下方向にスライドすることによりリストが下方向にスクロールされ、スクロールバー615を上方向にスライドすることによりリストが上方向にスクロールされる。また、操作スイッチ群20がリモコン装置として具現化されている場合、操作スイッチ群20を構成する図示しないリモコン装置の下方向ボタンを操作することにより、リストが下方向にスクロールされ、これに伴ってスクロールバー615が下方向へ移動する。同様に図示しないリモコン装置の上方向ボタンを操作することにより、リストが上方向にスクロールされ、これに伴ってスクロールバー615が上方向へ移動する。
【0021】
リスト領域620には、5つのリスト項目枠621〜625が表示される。5つのリスト項目枠621〜625には、リストに含まれるリスト項目がリストの先頭から1つずつ表示され、スクロールされることにより順にリスト項目がリスト項目枠621〜625に表示される。
【0022】
ここで、リストのスクロールについて説明する。この例では、5つのリスト項目である「ABC」、「DEF」、「GHI」、「JKL」、「MNO」がリスト項目枠621〜625に表示されている場合を例に説明する。なお、図2中には示されていないが、リスト項目「MNO」の末尾方向に続くリスト項目が「PQR」であるものとする。また、リスト項目「ABC」、「DEF」、「GHI」、「JKL」、「MNO」、「PQR」は、いずれも施設名称である。
【0023】
リストが下方向にスクロールされると、一番上のリスト項目枠621に表示されていたリスト項目である「ABC」が表示されなくなり、リスト項目枠622に表示されていたリスト項目である「DEF」がリスト項目枠621に表示され、リスト項目枠623に表示されていたリスト項目である「GHI」がリスト項目枠622に表示され、リスト項目枠624に表示されていたリスト項目である「JKL」がリスト項目枠623に表示され、リスト項目枠625に表示されていたリスト項目である「MNO」がリスト項目枠624に表示される。また、リスト項目枠625には、リスト項目「MNO」の末尾方向に続くリスト項目である「PQR」が表示される。このように、リストが下方向にスクロールされると、ディスプレイ60に表示されるリスト項目が先頭方向から末尾方向へ遷移する。
【0024】
また、5つのリスト項目「DEF」、「GHI」、「JKL」、「MNO」、「PQR」がリスト項目枠621〜625にそれぞれ表示されているとき、リストが上方向にスクロールされると、一番下のリスト項目枠625に表示されていたリスト項目である「PQR」が表示されなくなり、リスト項目枠624に表示されていたリスト項目である「MNO」がリスト項目枠625に表示され、リスト項目枠623に表示されていたリスト項目である「JKL」がリスト項目枠624に表示され、リスト項目枠622に表示されていたリスト項目である「GHI」がリスト項目枠623に表示され、リスト項目枠621に表示されていたリスト項目である「DEF」がリスト項目枠622に表示される。また、リスト項目枠621には、リスト項目「DEF」に先頭方向に続くリスト項目である「ABC」が表示される。このように、リストが上方向にスクロールされると、ディスプレイ60に表示されるリスト項目が末尾方向から先頭方向に遷移する。
【0025】
また、図2に示す例では、リスト項目枠623が選択状態となっている。選択状態となっているリスト項目枠623の右上には、リスト項目枠623に表示されているリスト項目に関する詳細情報を表示するための詳細情報表示ボタン626が表示されている。この詳細情報表示ボタン626が選択されると、リスト項目枠623が拡大し、詳細情報が表示される。なお、リスト項目枠623が拡大されているとき、リスト項目枠623の右上にはリスト項目枠623を元のサイズに戻す復帰ボタン627が表示される(図5(b)等参照)。この復帰ボタン627が選択されると、リスト項目枠623は、図5(a)に示すサイズに復帰する。本実施形態では、「選択されたリスト項目の詳細情報」が「選択されたリスト項目に係るリスト項目情報」に対応している。なお、リスト項目情報は、リスト項目のみにより構成されていてもよい。
【0026】
本実施形態では、リストに含まれるリスト項目に係るリスト項目情報を表示するリスト項目枠を可変にすることにより、一覧性を確保しつつ、選択されたリスト項目に係るリスト項目情報を表示する。そこで、図3に示すフローチャートに基づいて項目枠可変処理を説明する。
【0027】
本実施形態において、ディスプレイ60に表示されるリストは、施設情報に関するものであり、リスト項目として施設名称が表示され、詳細情報として施設の住所および電話番号が施設名称とともに表示される。すなわち、本実施形態では、施設名称、住所、電話番号が「リスト項目情報」に対応している。また、図3に示す項目枠可変処理は、ユーザが操作スイッチ群20を操作することにより施設が検索され、検索された施設のリストがディスプレイ60に表示されたときに実行される処理である。なお、詳細情報を表示するボタンが選択されることなく、例えばリスト表示が中止される等、別の処理が行われた場合、図3に示す項目枠可変処理を終了するものとする。
【0028】
最初のステップS100(以下、「ステップ」を省略し、単に記号「S」で示す。)では、ユーザによる操作スイッチ群20を介した操作に基づき、ディスプレイ60に表示されているリストをスクロールする。
【0029】
S200では、ユーザにより操作スイッチ群20を介し、ディスプレイ60に表示されているリストに含まれるリスト項目のうちのいずれかが選択され、詳細情報を表示するボタン、具体的には図2中の詳細情報表示ボタン626、が選択された場合、詳細情報を表示するボタンが選択される直前にリストがスクロールされていた方向である直前スクロール方向を取得する。本実施形態では、ディスプレイ60の上下方向にリストがスクロールされるように構成されているので、取得される直前スクロール方向は、上または下となる。
S300では、S200にて取得された直前スクロール方向に基づき、ディスプレイ60に表示されるリストの表示態様を決定する。
【0030】
リストの表示態様を決定する表示態様決定処理を図4に基づいて説明する。本実施形態における表示態様は、選択されたリスト項目に係るリスト項目情報が表示されるリスト項目枠を拡大して表示する態様である。なお、「選択されたリスト項目に係るリスト項目情報が表示されるリスト項目枠」が「選択された項目枠」であって、以下、「選択項目枠」という。
S301では、選択されたリスト項目に係るリスト項目情報に基づき、選択項目枠を拡大する拡大サイズを決定する。本実施形態では、リスト項目情報として、施設名称、住所、および電話番号が表示されるので、これらの項目数、文字数、およびフォントサイズや行間等の書式事項に基づいて、拡大サイズが決定される。
【0031】
S302では、図3中のS200で取得された直前スクロール方向が上方向か否かを判断する。直前スクロール方向が上方向ではない場合(S302:NO)、S308へ移行する。直前スクロール方向が上方向である場合(S302:YES)、S303へ移行する。
【0032】
S303では、選択項目枠を拡大する拡大方向を下方向に決定する。すなわち、直前スクロール方向と反対方向に拡大方向を決定する。なお、選択項目枠を下方向に拡大する場合、拡大前における選択項目枠の上端を基準として下方向に拡大するものとする。
【0033】
S304では、S301にて決定した拡大サイズとなるように、選択項目枠を下方向に拡大したとき、下方向において選択項目枠がリストを表示可能な表示可能領域を超えるか否かを判断する。選択項目枠を下方向に拡大したとき、下方向において選択項目枠が表示可能領域を超えると判断された場合(S304:YES)、S306へ移行する。選択項目枠を下方向に拡大したとき、下方向において選択項目枠が表示可能領域を超えないと判断された場合(S304:NO)、S305へ移行する。
【0034】
S305では、選択項目枠を下方向のみに拡大するものとし、ディスプレイ60に表示されるリスト項目枠の表示態様を決定する。
選択項目枠を下方向に拡大したとき、下方向において選択項目枠がリストを表示可能な表示可能領域を超えると判断された場合(S304:YES)に移行するS306では、選択項目枠を上方向にも拡大するものとし、ディスプレイ60に表示されるリスト項目枠の表示態様を決定する。
【0035】
S307では、S303にて拡大方向として決定された下方向だけでなく上方向にも選択項目枠が拡大されたとき、選択項目枠の上側において隣り合って表示されるリスト項目枠に、選択されたリスト項目と上側にて隣り合うリスト項目が表示されるように、選択されたリスト項目よりも上側のリストを上方向にずらす。
【0036】
直前スクロール方向が上方向でないと判断された場合(S302:NO)、すなわち直前スクロール方向が下方向である場合に移行するS308では、選択項目枠を拡大する拡大方向を上方向に決定する。すなわち、直前スクロール方向と反対方向に拡大方向を決定する。なお、選択項目枠を上方向に拡大する場合、拡大前におけるリスト項目枠の下端を基準として上方向に拡大するものとする。
【0037】
S309では、S301にて決定した拡大サイズとなるように、選択項目枠を上方向に拡大したとき、上方向において選択項目枠がリストを表示可能な表示可能領域を超えるか否かを判断する。選択項目枠を上方向に拡大したとき、上方向において選択項目枠が表示可能領域を超えると判断された場合(S309:YES)、S311へ移行する。選択項目枠を上方向に拡大したとき、上方向において選択項目枠が表示可能領域を超えないと判断された場合(S309:NO)、S310へ移行する。
【0038】
S310では、選択項目枠を上方向のみに拡大するものとし、ディスプレイ60に表示されるリスト項目枠の表示態様を決定する。
選択項目枠を上方向に拡大したとき、上方向においてリストを表示可能な表示可能領域を超えると判断された場合(S309:YES)に移行するS311では、選択項目枠を下方向にも拡大するものとし、ディスプレイ60に表示されるリスト項目枠の表示態様を決定する。
【0039】
S312では、S308にて拡大方向として決定された上方向だけでなく下方向にも選択項目枠が拡大されたとき、選択項目枠の下側において隣り合って表示されるリスト項目枠に、選択されたリスト項目と下側にて隣り合うリスト項目が表示されるように、選択されたリスト項目よりも下側のリストを下方向にずらす。本実施形態では、リスト項目枠が固定されているので、「選択されたリスト項目枠が拡大されたとき、拡大されたリスト項目枠と重複しない位置に表示されるリスト項目枠に、選択されたリスト項目と拡大方向の反対側にて隣り合うリスト項目に係るリスト項目情報を移動して表示する」ともいえる。ここで、リスト項目枠自体が移動すると捉えた場合、「選択されたリスト項目枠が拡大されたとき、選択されたリスト項目枠の拡大方向の反対側において隣り合って表示されるリスト項目枠を、選択されたリスト項目枠と重複しない位置にずらしている」ともいえる。すなわち、ここでは、「拡大されたリスト項目枠と重複しないように隣り合うリスト項目を移動する」ことを旨としており、リスト項目枠自体を移動するように構成してもよいし、リスト項目の表示箇所を移動するように構成してもよい。上述のS307における処理も同様である。
【0040】
図3に戻り、表示態様決定処理の後に移行するS400では、決定されたリスト項目枠の表示態様に基づき、各リスト項目枠を表示するとともに、各リスト項目枠に該当するリスト項目を表示する。また、選択されたリスト項目に係るリスト項目情報を拡大された選択項目枠に表示する。
【0041】
ここで、項目枠可変処理の具体例を図5および図6に基づいて説明する。
(具体例1−1)
図5(a)に示すように、ディスプレイ60に検索された施設のリストが表示され、リストがスクロールされ(図3中のS100)、リスト項目枠621〜625にはリスト項目として、施設名称である「ABC」、「DEF」、「GHI」、「JKL」、「MNO」が表示されたとする。ここで、リスト項目枠623に表示されている施設「GHI」が選択されると、選択項目枠であるリスト項目枠623の右上には当該施設の詳細情報を表示するための詳細情報表示ボタン626が表示される。この詳細情報表示ボタン626が選択されると、詳細情報表示ボタン626が選択される直前にリストがスクロールされていた方向である直前スクロール方向を取得し(S200)、取得された直前スクロール方向に基づいてリスト項目枠の表示態様を決定する(S300)。
【0042】
リスト項目枠の表示態様の決定処理について説明する。まず、施設「GHI」の詳細情報に基づき、拡大サイズを決定する(図4中のS301)。具体例1−1では、詳細情報として、施設名称、住所、電話番号を表示するので、拡大サイズを3行に決定する。また、具体例1−1では、直前スクロール方向が下方向であるとき(S302:NO)、拡大方向を上方向に決定する(S308)。リスト項目枠623を上方向に拡大するとき、リスト領域620(図2(c)参照)内にリスト項目枠623の下端を基準として上方向に3行分のスペースがある。拡大サイズは3行であるので、拡大サイズとなるようにリスト項目枠623を上方向に拡大したとき、リスト項目枠623をリスト領域620内に表示可能である(S309:NO)。したがって、リスト項目枠623を上方向のみに拡大するものとし、図5(b)に示すように、ディスプレイ60に表示されるリスト項目枠の表示態様を決定する(S310)。そして、拡大されたリスト項目枠623に施設「GHI」の詳細情報を表示する(S400)。
【0043】
これにより、直前スクロール方向が下方向であるとき(S302:NO)、リスト項目枠623を上方向のみに拡大するようにリスト項目枠の表示態様が決定されるので(S310)、リスト項目枠623よりも下側にあるリスト項目枠624、625の表示が維持される。したがって、リスト項目枠624、625に表示されるリスト項目である施設「JKL」、「MNO」を表示しつつ、施設「GHI」の詳細情報を表示することができる。
【0044】
同様に、直前スクロール方向が上方向であるとき(S302:YES)、リスト項目枠623を下方向のみに拡大するようにリスト項目枠の表示態様が決定されるので(S305)、リスト項目枠623よりも上側にあるリスト項目枠621、622の表示が維持される。したがって、リスト項目枠621、622に表示されるリスト項目である施設「ABC」、「DEF」を表示しつつ、施設「GHI」の詳細情報を表示することができる。
これにより、リストの一覧性を確保しつつ、選択されたリスト項目に係るリスト項目情報を表示することができる。
なお、拡大されたリスト項目枠623の右上には、復帰ボタン627が表示されており、この復帰ボタン627が選択されるか、スクロール操作等の他の操作がされると、図5(a)に示す状態に復帰する。
【0045】
(具体例1−2)
上述の具体例1−1では、詳細情報として、施設名称、住所、電話番号を表示したが、具体例1−2では、これに加え、営業時間を詳細情報として表示する場合について、図5(c)に基づいて説明する。
リスト項目枠623に表示されている施設「GHI」が選択され、詳細情報表示ボタン626が選択されると、詳細情報表示ボタン626が選択される直前にリストがスクロールされていた方向である直前スクロール方向を取得し(S200)、取得された直前スクロール方向に基づいてリスト項目枠の表示態様を決定する(S300)。
【0046】
施設「GHI」の詳細情報に基づき、拡大サイズを決定する(S301)。具体例1−2では、詳細情報として、施設名称、住所、電話番号、営業時間を表示するので、拡大サイズを4行に決定する。また、具体例1−2では、直前スクロール方向が下方向であるとき(S302:NO)、拡大方向を上方向に決定する(S308)。リスト項目枠623を上方向に拡大するとき、リスト領域620内にはリスト項目枠623の下端を基準として上方向に3行分のスペースしかないので、リスト項目枠623を上方向に4行分拡大すると、上方向においてリスト領域620を超えてしまう(S309:YES)。そこで、上方向においてリスト領域620を超える1行分を下方向にも拡大するものとし、図5(c)に示すように、ディスプレイ60に表示されるリスト項目枠の表示態様を決定する(S311)。また、リスト項目枠623を下方向に拡大してリスト項目枠624に重ねて表示すると、リスト項目枠624に表示されていたリスト項目である「JKL」が隠れてしまう。リスト表示において、ユーザは、選択したリスト項目とより近接したリスト項目とを比較したいと所望する蓋然性が高い。そこで、S308にて決定された拡大方向と反対方向である下方向にて拡大されたリスト項目枠623と隣り合うリスト項目枠625に、施設「GHI」と下方向において隣り合うリスト項目である施設「JKL」が表示されるように、リストを下方向にずらす(S312)。そして、拡大されたリスト項目枠623に施設「GHI」の詳細情報を表示する(S400)。
【0047】
同様に、直前スクロール方向が上方向であるとき(S302:YES)、拡大方向を下方向に決定する(S303)。リスト項目枠623の上端を基準としてリスト項目枠623を下方向に4行分拡大すると、下方向においてリスト領域620を超えてしまう(S304:YES)。そこで、下方向においてリスト領域620を超える1行分を上方向にも拡大するものとして、ディスプレイ60に表示されるリスト項目枠の表示態様を決定する(S306)。また、拡大方向と反対方向である上方向にて拡大されたリスト項目枠623と隣り合うリスト項目枠621に、施設「GHI」と上方向において隣り合うリスト項目である施設「DEF」が表示されるように、リストを上方向にずらす(S307)。そして、拡大されたリスト項目枠623に施設「GHI」の詳細情報を表示する(S400)
これにより、リストの一覧性を確保しつつ、選択されたリスト項目に係るリスト項目情報を表示することができる。また、拡大方向と反対方向、すなわちスクロール方向において、表示されるリスト項目の順番が維持される。
【0048】
なお、図5(c)にて説明した具体例1−2においても、図5(b)に示した具体例1−1と同様、拡大して表示されたリスト項目枠623の右上には、復帰ボタン627が表示されており、この復帰ボタン627が選択されるか、スクロール操作等の他の操作がされると、図5(a)に示す状態に復帰する。
具体例1においては、選択項目枠であるリスト項目枠623が「選択されたリスト項目枠」に対応している。
【0049】
(具体例2−1)
具体例1では、ディスプレイ60に表示される5つのリスト項目枠は、同じ大きさであった。具体例2では、図6(a)に示すように、ディスプレイ60の上下方向における中心に表示されるリスト項目枠633が大きく表示され、その両側のリスト項目枠632、634がリスト項目枠633より小さく表示され、端部に表示されるリスト項目枠631、635がさらに小さく表示されるように構成し、スクロールによりリストが回転しているが如く見えるように表示してもよい。このとき、リスト項目枠632、634のフォントを標準フォントとすると、リスト項目枠631、635では標準フォントよりも小さいフォントで表示され、リスト項目枠633では標準フォントよりも大きいフォントで表示されている。また、ディスプレイ60の上下方向における中心に表示されるリスト項目枠633が常に選択状態となっており、選択項目枠であるリスト項目枠633の右上に詳細情報表示ボタン636が表示されている。
【0050】
具体例2−1では、詳細情報表示ボタン636が選択されると、直前スクロール方向を取得し(S200)、取得された直前スクロール方向に基づいてリスト項目枠の表示態様を決定する(S300)。
施設「あいうえおかきくけこさしすせそ水族館」の詳細情報に基づき、拡大サイズを決定する(S301)。具体例2−1では、リスト項目枠633に表示されるリスト項目は標準よりも大きいフォントで表示されていたが、詳細情報を表示する際には、図6(b)に示すように、標準サイズのフォントが用いられる。また、詳細情報の表示において、住所と電話番号との間の行間を小さく設定している。このように、詳細情報を表示する際の書式事項を加味し、選択項目枠の拡大サイズが決定される。なお、上記具体例1では、拡大サイズを行数によって決定していたが、図6(b)に示すように、具体例2−1では、拡大サイズを行数ではなく、ディスプレイ60に表示されるピクセル数等によって決定している。
【0051】
直前スクロール方向が下方向であり(S302:NO)、リスト項目枠633を決定された拡大サイズとなるように上方向に拡大したとき、リスト領域620内にリスト項目枠633を表示可能であるとすると(S309:NO)、リスト項目枠633を上方向のみに拡大するものとし、図6(b)に示すように、ディスプレイ60に表示されるリスト項目枠の表示態様を決定する(S310)。そして、拡大されたリスト項目枠633に施設「あいうえおかきくけこさしすせそ水族館」の詳細情報を表示する(S400)。
【0052】
なお、拡大されたリスト項目枠633の右上には、上記具体例1と同様、復帰ボタン637が表示されており、この復帰ボタン637が選択されるか、スクロール操作等の他の操作がされると、図6(a)に示す状態に復帰する。
【0053】
(具体例2−2)
図6(a)に示すように、施設「あいうえおかきくけこさしすせそ水族館」は施設名称が長いため、拡大前のリスト項目枠633にリスト項目である施設名称の全体を表示することができない。
【0054】
そこで具体例2−2では、リスト項目の全体を表示すべく、直前スクロール方向に基づいて、リスト項目枠633を拡大する。すなわち、リスト項目の文字数等に基づいて拡大サイズを決定する(S301)。直前スクロール方向が下方向であり(S302:NO)、リスト項目枠633を決定された拡大サイズとなるように上方向に拡大したとき、リスト領域620内にリスト項目枠633を表示可能であるとすると(S309:NO)、リスト項目枠633を上方向のみに拡大するものとし、図6(c)に示すように、ディスプレイ60に表示されるリスト項目枠の表示態様を決定する(S310)。そして、拡大されたリスト項目枠633にリスト項目である「あいうえおかきくけこさしすせそ水族館」を表示する(S400)。
【0055】
なお、具体例2−2では、常にリスト項目枠633が選択状態になっているので、リスト項目枠633に表示されるリスト項目の全体を表示できない場合、リスト項目の全体を表示可能なように自動的にリスト項目枠633を拡大するように構成してもよい。なおこの場合、施設名称が「リスト項目」および「リスト項目情報」に対応している。換言すると、「リスト項目に係るリスト項目情報」が「リスト項目」のみから構成されていてもよい。
【0056】
さらに、詳細情報表示ボタン636が選択されると、上述の具体例2−1と同様にディスプレイ60に表示されるリスト項目枠の表示態様を決定し(S300)、拡大されたリスト項目枠633に詳細情報を表示する(S400)。
具体例2においては、選択項目枠であるリスト項目枠633が「選択されたリスト項目枠」に対応している。
【0057】
以下、本実施形態の表示装置が発揮する効果について説明する。
(1)リストをスクロールし(S100)、リストに含まれるリスト項目が選択されたとき、リスト項目が選択される直前にリストがスクロールされていた方向である直前スクロール方向を取得する(S200)。取得された直前スクロール方向に基づき、選択されたリスト項目に係るリスト項目情報が表示されるリスト項目枠の表示態様を決定する(S300)。そして、決定された表示態様でリスト項目枠を表示する(S400)。これにより、直前スクロール方向に基づいて決定された表示態様でリスト項目枠が表示されるので、リスト項目枠に情報を適切に表示することができ、ユーザによるリスト項目の選択に係る利便性が向上する。
【0058】
(2)本実施形態における表示態様は、選択されたリスト項目枠を拡大して表示する態様である。本実施形態では、直前スクロール方向に基づき、リスト項目枠を拡大する拡大方向を決定する(S303、S308)。これにより、直前スクロール方向に基づいて決定された拡大方向と反対方向のリスト項目枠の表示を維持しつつ、リスト項目枠にリスト項目情報を適切に表示することができる。また、リストの一覧性を確保しつつ、選択されたリスト項目に係るリスト項目情報を適切に表示することができるので、ユーザによるリスト項目の選択に係る利便性が向上する。
【0059】
(3)また、本実施形態では、直前スクロール方向と反対方向に拡大方向を決定する(S303、S308)。例えば、スクロール方向が下方向である場合、選択項目枠は上方向に拡大されるので、選択項目枠よりも下方向のリスト項目枠の表示が維持される、といった具合に、直前スクロール方向のリスト項目枠の表示を維持しつつ、リスト項目枠にリスト項目情報を適切に表示することができる。また、リストの一覧性を確保しつつ、選択されたリスト項目に係るリスト項目情報を適切に表示することができるので、ユーザによるリスト項目の選択に係る利便性が向上する。
【0060】
(4)リスト項目情報に基づき、選択項目枠の拡大サイズを決定し(S301)、拡大サイズとなるように拡大方向に選択項目枠を拡大したとき、拡大方向において選択項目枠が表示可能領域を超えるか否かを判断する(S304、S309)。選択項目枠を拡大したとき、選択項目枠が表示可能領域を超えると判断された場合(S304:YES、S309:YES)、拡大方向とは反対方向にも選択項目枠を拡大するようにリスト項目枠の表示態様を決定する(S306、S311)。これにより、拡大方向において表示可能領域内を超えないようにリスト項目枠を適切に表示することができ、ユーザによるリスト項目の選択に係る利便性が向上する。
【0061】
(5)選択項目枠が拡大されたとき、選択項目枠の拡大方向の反対側において隣り合って表示されるリスト項目枠を、拡大されたリスト項目枠と重複しない位置にずらす(S307、S312)。これにより、選択項目枠が拡大されたとき、拡大方向と反対方向に表示されるリスト項目の順番が維持されるので、ユーザによるリスト項目の選択に係る利便性が向上する。
【0062】
なお、本実施形態では、制御部10が「スクロール手段」、「スクロール方向取得手段」、「決定手段」、「表示手段」、「拡大方向決定手段」、「拡大サイズ決定手段」、「超過判断手段」を構成する。また、図3中のS100が「スクロール手段」の機能としての処理に相当し、S200が「スクロール方向取得手段」の機能としての処理に相当し、図4中のS305、S306、S307、S310、S311、S312が「決定手段」の機能としての処理に相当し、S400が「表示手段」の機能としての処理に相当する。また、S301が「拡大サイズ決定手段」の機能としての処理に相当し、S303、S308が「拡大方向決定手段」の機能としての処理に相当し、S304、S309が「超過判断手段」の機能としての処理に相当する。なお、「決定手段」を構成するS307、S312はなくてもよい。また、「決定手段」を構成するS305、S306、S310、S311に替えて、S304およびS309の判断処理を行わず、直前スクロール方向のみに基づいてリスト項目枠の表示態様を決定してもよい。
【0063】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態による表示装置を図7〜図10に基づいて説明する。なお、本発明の第2実施形態による表示装置は、図3中のS300における表示態様決定処理のみが第1実施形態と異なっている。そこで、表示態様決定処理を中心に説明し、全体構成等の説明は省略する。
【0064】
上記実施形態では、直前スクロール方向に基づき、選択されたリスト項目に係るリスト項目情報が表示されるリスト項目枠の表示態様は、リスト項目枠を拡大して表示する態様であった。リスト項目枠の表示態様は、選択されたリスト項目枠を拡大して表示する態様に限らない。例えば、本実施形態のように、選択されたリスト項目枠の表示位置をシフトする表示態様としてもよい。
【0065】
上記実施形態では、リスト項目枠が固定されており、リストがスクロールされると固定されたリスト項目枠に表示されるリスト項目が遷移するように構成されていた。本実施形態では、図8等に示すように、リストがスクロールされると、リスト項目枠の表示位置が移動するものとする。また、上記具体例2と同様、ディスプレイ60の上下方向における中心に表示されるリスト項目枠が選択状態になっている。このリスト項目枠が「選択されたリスト項目枠」に対応している。また、リスト項目枠の大きさは、左右方向は一定であり、上下方向はリスト項目に応じて予め決められている。標準フォントで1行表示可能なリスト項目枠の大きさをリスト項目枠の標準サイズとする。
【0066】
本実施形態によるリストの表示態様を決定する表示態様決定処理を図7に基づいて説明する。図7に示す表示態様決定処理は、上記実施形態の図3中のS300にて実行される処理である。
【0067】
S351では、選択されたリスト項目枠である選択項目枠のサイズが標準サイズより大きいか否かを判断する。選択項目枠のサイズが標準サイズより大きいと判断された場合(S351:YES)、S353へ移行する。選択項目枠のサイズが標準サイズ以下であると判断された場合(S351:NO)、S352へ移行する。
S352では、基準位置から選択項目枠をシフトしない。なお、本実施形態では、ディスプレイ60の上下方向における中心を「基準位置」とする。
【0068】
選択項目枠のサイズが標準サイズより大きいと判断された場合(S351:YES)に移行するS353では、図3中のS200で取得された直前スクロール方向が上方向か否かを判断する。直前スクロール方向が上方向ではない場合(S353:NO)、S355へ移行する。直前スクロール方向が上方向である場合(S353:YES)、S354へ移行する。
【0069】
S354では、基準位置から選択項目枠をシフトするシフト方向を下方向に決定する。
直前スクロール方向が上方向ではない場合(S353:NO)に移行するS355では、基準位置から選択項目枠をシフトするシフト方向を上方向に決定する。
S356では、S352、S354、S355にて決定されたシフト方向に基づき、ディスプレイ60に表示されるリスト項目枠の表示態様を決定する。
【0070】
すなわち、本実施形態では、直前スクロール方向に基づき、選択されたリスト項目枠を基準位置からシフトするシフト方向を決定している。また、選択されたリスト項目枠を基準位置からシフトするシフト方向を、直前スクロール方向と反対方向に決定している。
【0071】
ここで、直前スクロール方向に基づき、リスト項目枠をシフトする表示態様の具体例3を図8、具体例4を図9および図10に基づいて説明する。
(具体例3)
ディスプレイ60の上下方向中心には、カーソル700が表示されており、このカーソル700にて指し示されるリスト項目枠が選択状態となる。なお、カーソル700の上下方向の大きさは、リスト項目枠の標準サイズの上下方向の大きさと一致している。
【0072】
図8(a)では、リスト項目枠710〜714が表示され、リスト項目枠712が選択状態となっている。このとき、選択項目枠であるリスト項目枠712が標準サイズであるとすると(図7中のS351:NO)、ディスプレイ60の上下方向における中心にリスト項目枠712が表示されるようにリスト項目枠の表示態様を決定する(S352、S356)。
【0073】
ここで、図8(a)の状態からリストを下方向に1つスクロールすると、図8(b)に示すように、リスト項目枠711〜716が表示され、標準サイズより大きいリスト項目枠713が選択状態となる。図8(b)に示すように、選択項目枠であるリスト項目枠713のサイズが標準サイズより大きい場合(S351:YES)、直前スクロール方向が下方向であるので(S353:NO)、リスト項目枠713のシフト方向を上方向に決定し(S355)、リスト項目枠713をディスプレイ60の上下方向中心から上方向にシフトするようにリスト項目枠の表示態様を決定する(S356)。具体的には、カーソル700の下端とリスト項目枠713の下端とが一致するように、リスト項目枠713を表示している。これにより、選択されたリスト項目枠である選択項目枠の大きさに関わらず、他のリスト項目枠を表示するための領域を下方向に確保している。
【0074】
また、図8(a)の状態からリストを上方向に1つスクロールすると、図8(c)に示すように、リスト項目枠708〜713が表示され、標準サイズより大きいリスト項目枠711が選択状態となる。図8(c)に示すように、選択項目枠であるリスト項目枠711のサイズが標準サイズより大きい場合(S351:YES)、直前スクロール方向が上方向であるので(S353:NO)、リスト項目枠711のシフト方向を下方向に決定し(S354)、リスト項目枠711をディスプレイ60の上下方向中心から下方向にシフトするようにリスト項目枠の表示態様を決定する(S356)。具体的には、カーソル700の上端とリスト項目枠711の上端とが一致するように、リスト項目枠711を表示している。これにより、選択項目枠の大きさに関わらず、他のリスト項目枠を表示するための領域を上方向に確保している。
【0075】
(具体例4)
具体例4では、具体例3と同様、リスト項目に応じてリスト項目枠のサイズが予め決められており、リストがスクロールされることにより、リスト項目枠の位置が移動する。具体例4では、ディスプレイ60の上下方向における中心に表示されるリスト項目枠が最も左側に表示されるように、ディスプレイ60の左側に凸となるような曲線上にリスト項目枠の左右方向における中心が位置するように表示される。
【0076】
具体例4におけるリスト項目枠およびカーソル700の大きさは、具体例3と同様である。具体例4においては、リスト項目枠の大きさが標準サイズより大きい場合、図9および図10に示すように、他のリスト項目枠と重ねて表示される。
【0077】
図9(a)では、リスト項目枠810〜816が表示され、リスト項目枠813が選択状態となっている。このとき、選択項目枠であるリスト項目枠813が標準サイズであるとすると(S351:NO)、ディスプレイ60の上下方向中心にリスト項目枠813が表示されるようにリスト項目枠の表示態様を決定する(S352、S356)。
【0078】
ここで、図9(a)の状態からリストを下方向に1つスクロールすると、図9(b)に示すように、リスト項目枠811〜817が表示され、標準サイズより大きいリスト項目枠814が選択状態となる。図9(b)に示すように、選択項目枠であるリスト項目枠814のサイズが標準サイズより大きい場合(S351:YES)、直前スクロール方向が下方向であるので(S353:NO)、リスト項目枠814のシフト方向を上方向に決定し(S355)、リスト項目枠814をディスプレイ60の上下方向中心から上方向にシフトするようにリスト項目枠の表示態様を決定する(S356)。具体的には、カーソル700の下端とリスト項目枠814の下端とが一致するように、リスト項目枠814を表示し、上方向にて隣り合うリスト項目枠813の上に重ねて表示されている。これにより、選択されたリスト項目枠の大きさに関わらず、選択されたリスト項目枠が下方向のリスト項目枠と重ならないようにし、他のリスト項目枠を表示するための領域を下方向に確保している。
【0079】
また、図10(a)では、リスト項目枠812〜818が表示され、リスト項目枠815が選択状態となっている。このとき、選択項目枠であるリスト項目枠815が標準サイズであるとすると(S351:NO)、ディスプレイ60の上下方向中心にリスト項目枠815が表示されるようにリスト項目枠の表示態様を決定する(S352、S356)
【0080】
ここで、図10(a)の状態からリストを上方向に1つスクロールすると、図10(b)に示すように、リスト項目枠811〜817が表示され、標準サイズより大きいリスト項目枠814が選択状態となる。図10(b)に示すように、選択項目枠であるリスト項目枠814のサイズが標準サイズより大きい場合(S351:YES)、直前スクロール方向が上方向であるので(S353:YES)、リスト項目枠814のシフト方向を下方向に決定し(S354)、リスト項目枠814をディスプレイ60の上下方向中心から下方向にシフトするようにリスト項目枠の表示態様を決定する(S356)。具体的には、カーソル700の上端とリスト項目枠814の上端とが一致するように、リスト項目枠814を表示し、下方向にて隣り合うリスト項目枠815の上に重ねて表示されている。これにより、選択されたリスト項目枠の大きさに関わらず、選択されたリスト項目枠が上方向のリスト項目枠と重ならないようにし、他のリスト項目枠を表示するための領域を上方向に確保している。
【0081】
以上詳述したように、本実施形態による表示装置は、上記(1)と同様の効果を奏する。
また、直前スクロール方向に基づき、リスト項目枠をシフトするシフト方向を決定する(S354、S355)。これにより、直前スクロール方向に基づいて決定されたシフト方向と反対側のリスト項目枠の表示を維持しつつ、リスト項目枠にリスト項目情報を適切に表示することができ、ユーザによるリスト項目の選択に係る利便性が向上する。
【0082】
さらにまた、直前スクロール方向と反対方向にシフト方向を決定する(S354、S355)。例えば、スクロール方向が下方向である場合、選択項目枠は上方向にシフトされるので、選択項目枠よりも下方向のリスト項目枠の表示が維持される、といった具合に、直前スクロール方向のリスト項目枠の表示を維持しつつ、リスト項目枠にリスト項目情報を適切に表示することができ、ユーザによるリスト項目の選択に係る利便性が向上する。
なお、本実施形態では、図7中のS356が「決定手段」の機能としての処理に相当する。
【0083】
以上、本発明は、上記実施形態になんら限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。
(ア)上記実施形態では、スクロール方向は上下方向であったが、左右方向としてもよい。また、上記実施形態では、スクロール方向と反対方向に選択項目枠を拡大したが、スクロール方向と同じ方向に選択項目枠を拡大してもよい。
【0084】
(イ)上記実施形態では、表示装置はナビゲーション装置として具現化され、車両に搭載されていた。他の実施形態では、ナビゲーション装置に限らず、例えば音楽プレーヤー等、リスト表示可能な各種装置とすることができる。また、表示装置は、車両に搭載されていなくてもよい。なお、上記実施形態の表示装置における「地図データ記憶部」、「現在位置算出部」、「スピーカ」は、なくてもよい。また、ディスプレイは、制御部を有する表示装置とは別の装置として構成してもよい。
【0085】
(ウ)上記実施形態では、制御部が「スクロール手段」、「スクロール方向取得手段」、「決定手段」、「表示手段」、「拡大方向決定手段」、「拡大サイズ決定手段」、「超過判断手段」を構成していた。他の実施形態では、「スクロール手段」、「スクロール方向取得手段」、「決定手段」、「表示手段」、「拡大方向決定手段」、「拡大サイズ決定手段」、「超過判断手段」としてコンピュータを機能させるプログラムであってもよいし、当該プログラムを記憶する記憶媒体としてもよい。
【符号の説明】
【0086】
1・・・ナビゲーション装置(表示装置)
10・・・制御部(スクロール手段、スクロール方向取得手段、決定手段、表示手段、拡大方向決定手段、拡大サイズ決定手段、超過判断手段)
20・・・操作スイッチ群
30・・・地図データ記憶部
35・・・画像データ記憶部
40・・・現在位置算出部
50・・・スピーカ
60・・・ディスプレイ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リストをスクロールするスクロール手段と、
前記リストに含まれるリスト項目が選択されたとき、前記リスト項目が選択される直前に前記リストがスクロールされていた方向である直前スクロール方向を取得するスクロール方向取得手段と、
前記直前スクロール方向に基づき、前記リスト項目に係るリスト項目情報が表示されるリスト項目枠の表示態様を決定する決定手段と、
決定された前記表示態様で前記リスト項目枠を表示する表示手段と、
を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記表示態様は、選択された前記リスト項目に係るリスト項目情報が表示されるリスト項目枠を拡大して表示する態様であって、
前記直前スクロール方向に基づき、選択された前記リスト項目枠を拡大する拡大方向を決定する拡大方向決定手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記拡大方向決定手段は、前記直前スクロール方向と反対方向に前記拡大方向を決定することを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記リスト項目情報に基づき、前記選択されたリスト項目枠の拡大サイズを決定する拡大サイズ決定手段と、
前記拡大サイズとなるように前記拡大方向に前記選択されたリスト項目枠を拡大したとき、前記拡大方向において前記選択されたリスト項目枠が表示可能領域を超えるか否かを判断する超過判断手段と、
をさらに備え、
前記決定手段は、
前記拡大方向において前記選択されたリスト項目枠が前記表示可能領域を超えると前記超過判断手段により判断された場合、前記拡大方向と反対方向にも前記選択されたリスト項目枠を拡大するように前記リスト項目枠の表示態様を決定することを特徴とする請求項2または3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記決定手段は、前記選択されたリスト項目枠が拡大されたとき、前記選択されたリスト項目枠の前記拡大方向の反対側において隣り合って表示される前記リスト項目枠を、拡大された前記リスト項目枠と重複しない位置にずらすことを特徴とする請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
リストをスクロールするスクロール手段、
前記リストに含まれるリスト項目が選択されたとき、前記リスト項目が選択される直前に前記リストがスクロールされていた方向である直前スクロール方向を取得するスクロール方向取得手段、
前記直前スクロール方向に基づき、前記リスト項目に係るリスト項目情報が表示されるリスト項目枠の表示態様を決定する決定手段、
および、決定された前記表示態様で前記リスト項目枠を表示する表示手段、
としてコンピュータを機能させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−18468(P2012−18468A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−154006(P2010−154006)
【出願日】平成22年7月6日(2010.7.6)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】