説明

表示装置および電子機器

【課題】低コスト化を図りつつ高画質化を実現することが可能な表示装置を提供する。
【解決手段】各画素11に接続された2つの発光制御線DSL1,DSL2に対して制御パルスを印加し、各色に対応する3つのサブピクセル11R,11B,11Gの発光動作および消光動作をそれぞれ制御する。各画素11において、各サブピクセル11R,11B,11Gには、2つの発光制御線DSL1,DSL2のうちの一の発光制御線が割り当てられて接続されている。2つの発光制御線DSL1,DSL2のうちの少なくとも1つが、3つのサブピクセル11R,11Bのうちの一部である2つのサブピクセルに対して共通して接続されている。各サブピクセル11R,11B,11Gでの構造や電流密度を各色同士で共通化すると共に、使用する発光制御線の数を削減しつつ、色ごとの劣化速度の相違に起因した経時的な色ずれが抑制される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に有機EL(Electro Luminescence)素子を用いて構成された表示装置、およびそのような表示装置を備えた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、画像表示を行う表示装置の分野では、発光素子として、流れる電流値に応じて発光輝度が変化する電流駆動型の光学素子、例えば有機EL素子を用いた表示装置(有機EL表示装置)が開発され、商品化が進められている。
【0003】
有機EL素子は、液晶素子などと異なり自発光素子である。そのため、有機EL表示装置では光源(バックライト)が必要ないことから、光源を必要とする液晶表示装置と比べ、画像の視認性が高く、消費電力が低く、かつ素子の応答速度が速い。
【0004】
有機EL表示装置では、液晶表示装置と同様に、その駆動方式として、単純(パッシブ)マトリクス方式とアクティブマトリクス方式とが挙げられる。前者は、構造が単純であるものの、大型かつ高精細の表示装置の実現が難しいなどの問題がある。そのため、現在では、後者のアクティブマトリクス方式の開発が盛んに行なわれている。この方式では、画素ごとに配した有機EL素子に流れる電流を、有機EL素子ごとに設けた駆動回路内の能動素子(一般にはTFT(Thin Film Transistor;薄膜トランジスタ))によって制御するようになっている。
【0005】
ところで、このような有機EL表示装置では、有機EL素子の電流−電圧(I−V)特性が、時間の経過に従って劣化(経時劣化)することが知られている。有機EL素子を電流駆動する画素回路では、有機EL素子のI−V特性が経時変化すると、駆動トランジスタに流れる電流値が変化することから、有機EL素子自身に流れる電流値も変化し、それに応じて発光輝度も変化してしまう。
【0006】
また、有機EL表示装置では、各画素は、R(赤),G(緑),B(青)の3原色に対応する3つのサブピクセル(サブ画素)、あるいはこれにW(白)の色に対応するサブピクセルを加えた4つのサブピクセルにより構成されることが一般的である。この場合、各色のサブピクセルごとに、上記した有機EL素子の劣化の速度が異なることが知られており、これにより、各画素において経時的な色ずれが生じて表示画質が低下してしまうことになる。
【0007】
このように各色のサブピクセルごとに劣化速度が異なる要因としては、まず、有機EL素子における発光材料の特性(発光効率)が色ごとに異なることが主要因として挙げられる。ただし、この他にも、ホワイトバランスの調整を図るため、各色のサブピクセルごとに有機EL素子に流れる電流の密度(電流密度)が異なることも要因の1つとなっている。これは、一般に、有機EL素子における発光効率が相対的に低い色に対応するサブピクセルでは、他の色のサブピクセルと比べて電流密度を高く設定する必要があることから、劣化速度が早まってしまうためである。
【0008】
そこで、後者の要因(電流密度の相違)に起因した経時的な色ずれを抑制するため、例えば以下の2つの手法が提案されている。第1の手法は、各色のサブピクセルごとに開口率の大きさを異ならせることにより、上記のように電流密度を色ごとに異ならせることなく、色ごとの劣化速度の均一化を図るというものである(例えば、特許文献1参照)。また、第2の手法は、各画素において1つの色に対して複数個のサブピクセルを設けることにより、第1の手法と同様に電流密度を色ごとに異ならせることなく、色ごとの劣化速度の均一化を図るというものである(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2006−215559号公報
【特許文献2】特開2004−311440号公報
【特許文献3】特開2001−60076号公報
【特許文献4】特開2007−156383号公報
【特許文献5】特開2008−224853号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところが、上記第1の手法では、例えばシャドーマスクを用いた蒸着によって有機EL素子を形成する場合、開口率の大きさを色ごとに変えるには、各色に応じたシャドーマスクが必要となる。このため、各色で開口率の大きさを同一とした場合(各色で共通のシャドーマスクを用いる場合)と比べて製造工程が増えてしまうことになり、コストアップの要因となる。
【0011】
一方、上記第2の手法では、1つの色に対して複数個のサブピクセルがあることに起因して、例えば1画素分の幅の白色線などの表示の際に、精細度の高い画像では、色がにじんで見えたり凸凹に見えたりする場合があった。すなわち、この第2の手法では、表示画質が低下してしまう場合が生じることになる。
【0012】
そこで、これら2つの手法のようにサブピクセルの構造(開口率の大きさや個数)を色ごとに異ならせることなく、かつ電流密度も色ごとに異ならせずに、色ごとの劣化速度の均一化を図るようにした手法も提案されている。具体的には、各色のサブピクセルごとに発光期間の長さを調整することにより、色ごとの劣化速度の均一化を図るようにしたものである(例えば、特許文献3〜5参照)。
【0013】
しかしながら、この手法を用いる場合、発光期間を調整するための制御線を、各色のサブピクセルごとに個別に設ける必要が生じる。これにより、色ごとの制御線が多数配線されることに起因して、各画素の開口率の低下や、配線間のクリアランスの減少による製造不良の増加等が引き起こされ、総合的に低コスト化を図るのが困難となってしまう。
【0014】
このようにして従来の手法では、各画素が複数の色に対応するサブピクセル(サブ画素)により構成されている場合において、低コスト化を図りつつ高画質化を実現することが困難であり、改善の余地があった。なお、これまで説明した問題は、有機EL表示装置には限られず、他の種類の自発光素子を用いた表示装置においても生じ得るものである。
【0015】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、低コスト化を図りつつ高画質化を実現することが可能な表示装置および電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の表示装置は、複数の画素と、各画素に接続された複数の発光制御線と、発光制御線駆動回路とを備えたものである。ここで、各画素は、各々が各色用発光素子を含む複数の各色用サブ画素からなる。上記発光制御線駆動回路は、複数の発光制御線に対して、各色用発光素子の発光動作および消光動作をそれぞれ制御するための制御パルスを印加するようになっている。また、各画素において、複数の各色用サブ画素にはそれぞれ、複数の発光制御線のうちの一の発光制御線が割り当てられて接続されると共に、複数の発光制御線のうちの少なくとも1つが、複数の各色用サブ画素のうちの一部である2以上の各色用サブ画素に対して共通して接続されている。
【0017】
本発明の電子機器は、上記本発明の表示装置を備えたものである。
【0018】
本発明の表示装置および電子機器では、各画素に接続された複数の発光制御線に対して制御パルスが印加されることにより、各色用発光素子の発光動作および消光動作がそれぞれ制御される。また、各画素において、複数の各色用サブ画素にはそれぞれ、複数の発光制御線のうちの一の発光制御線が割り当てられて接続されている。これにより、各色用サブ画素における構造(例えば、開口率の大きさや個数)および電流密度を色ごとに異ならせることなく、複数の発光制御線を用いて各色用サブ画素における発光期間を2種類以上に調整することが可能となる。すなわち、各色用サブ画素での構造や電流密度を各色同士で共通化しつつ、色ごとの劣化速度の相違に起因した経時的な色ずれを抑えることが可能となる。更に、複数の発光制御線のうちの少なくとも1つが、複数の各色用サブ画素のうちの一部である2以上の各色用サブ画素に対して共通して接続されていることにより、複数の各色用サブ画素に対して発光制御線が個別に接続されている従来の場合と比べ、使用する発光制御線の数が少なくて済む。
【発明の効果】
【0019】
本発明の表示装置および電子機器によれば、各画素に接続された複数の発光制御線に対して制御パルスを印加することによって、各色用発光素子の発光動作および消光動作をそれぞれ制御すると共に、各画素において、複数の各色用サブ画素にはそれぞれ、複数の発光制御線のうちの一の発光制御線が割り当てられて接続されているようにしたので、各色用サブ画素での構造や電流密度を各色同士で共通化しつつ、色ごとの劣化速度の相違に起因した経時的な色ずれを抑えることができる。また、複数の発光制御線のうちの少なくとも1つが、複数の各色用サブ画素のうちの一部である2以上の各色用サブ画素に対して共通して接続されているようにしたので、従来と比べて使用する発光制御線の数を削減しつつ、そのような経時的な色ずれの抑制を実現することができる。よって、低コスト化を図りつつ高画質化を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施の形態に係る表示装置の一例を表すブロック図である。
【図2】図1に示した各画素内のサブピクセル構造および各配線の接続構造の一例を表す模式図である。
【図3】図2に示した各サブピクセルの内部構成の一例を表す回路図である。
【図4】比較例1に係る画素内の各サブピクセルに対する発光制御線の接続構造およびその発光制御線に印加される制御パルスを表す図である。
【図5】比較例2に係る画素内の各サブピクセルに対する発光制御線の接続構造を表す模式図である。
【図6】実施の形態に係る各発光制御線に印加される制御パルスの一例を表すタイミング波形図である。
【図7】実施の形態に係る各発光制御線に印加される制御パルスの他の例を表すタイミング波形図である。
【図8】実施の形態に係る各発光制御線に印加される制御パルスの他の例を表すタイミング波形図である。
【図9】変形例1〜4に係る各画素内のサブピクセル構造および発光制御線の接続構造を表す模式図である。
【図10】実施の形態および各変形例の表示装置を含むモジュールの概略構成を表す平面図である。
【図11】実施の形態および各変形例の表示装置の適用例1の外観を表す斜視図である。
【図12】(A)は適用例2の表側から見た外観を表す斜視図であり、(B)は裏側から見た外観を表す斜視図である。
【図13】適用例3の外観を表す斜視図である。
【図14】適用例4の外観を表す斜視図である。
【図15】(A)は適用例5の開いた状態の正面図、(B)はその側面図、(C)は閉じた状態の正面図、(D)は左側面図、(E)は右側面図、(F)は上面図、(G)は下面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.実施の形態(各画素がRGBのサブピクセル構造である場合の例)
2.変形例(変形例1〜4:各画素がRGBWのサブピクセル構造である場合の例)
3.モジュールおよび適用例
4.その他の変形例
【0022】
<1.実施の形態>
[表示装置の構成]
図1は、本発明の一実施の形態に係る表示装置1の概略構成をブロック図で表したものである。この表示装置1は、表示パネル10(表示部)および駆動回路20を備えている。
【0023】
(表示パネル10)
表示パネル10は、複数の画素11がマトリクス状に配置された画素アレイ部13を有しており、外部から入力される映像信号20Aおよび同期信号20Bに基づいて、アクティブマトリクス駆動により画像表示を行うものである。各画素11は、後述する複数の色に対応する複数のサブピクセル(各色用サブ画素)を含んで構成されている。
【0024】
画素アレイ部13は、行状に配置された複数の走査線WSLと、列状に配置された複数の信号線DTLと、走査線WSLに沿って行状に配置された複数の発光制御線DSLとを有している。これらの走査線WSL、信号線DTLおよび発光制御線DSLの一端側はそれぞれ、後述する駆動回路20に接続されている。また、上記した各画素11は、各走査線WSLと各信号線DTLとの交差部に対応して、行列状に配置(マトリクス配置)されている。なお、図1では、以下説明する複数の色に対応する複数の信号線(各色用信号線)DTLr,DTLg,DTLbを、簡略化して1つの信号線DTLとして示している。また、同様に以下説明する2つの発光制御線DSL1,DSL2を、簡略化して1つの発光制御線DSLとして示している。
【0025】
図2は、各画素11の内部構成を各配線と共に模式的に表したものである。
【0026】
各画素11は、例えば図2(A)に示したように、赤(R)、青(B)、および緑(G)の3原色に対応する3つのサブピクセル11R,11B,11Gにより構成されている。ここでは、サブピクセル11Rには、信号線DTLr、走査線WSLおよび発光制御線DSL1が接続されている。サブピクセル11Bには、信号線DTLb、走査線WSLおよび発光制御線DSL1が接続されている。サブピクセル11Gには、信号線DTLg、走査線WSLおよび発光制御線DSL2が接続されている。
【0027】
すなわち、各サブピクセル11R,11B,11Gには、各色に対応する信号線DTLr,DTLb,DTLgがそれぞれ個別に接続されている一方、走査線WSLは共通して接続されている。また、ここでは、2つのサブピクセル11R,11Bに対し、2つの発光制御線DSL1,DSL2のうちの一方の発光制御線DSL1が共通して接続され、残りの1つのサブピクセル11Gに対して他方の発光制御線DSL2が接続されている。換言すると、各画素11において、サブピクセル11R,11B,11Gにはそれぞれ、2つの発光制御線DSL1,DSL2のうちの一方が割り当てられて接続されている。そして、これら2つの発光制御線DSL1,DSL2のうちの少なくとも1つ(ここでは、1つの発光制御線DSL1のみ)が、3つのサブピクセル11R,11B,11Gのうちの2以上(ここでは2つ)のサブピクセル11R,11Bに対して共通して接続されている。
【0028】
なお、図2(B)は、図2(A)に示した配線構造を簡略化して表したものであり、信号線DTL、走査線WSLおよび発光制御線DSLのうち、便宜上、発光制御線DSLのみを示している。以下に示す同様の配線構造の図では、図2(B)と同様にして配線構造を簡略化して示す(発光制御線DSLのみを示す)ものとし、他の配線(信号線DTLおよび走査線WSL)については、基本的には図2(A)と同様の構造になっているものとする。
【0029】
ここで、各画素11のサブピクセル11R,11B,11Gに対する発光制御線DSL1,DSL2の接続構造については、図2(A),(B)に示したものには限られず、他の組み合わせであってもよい。すなわち、例えば図2(C)に示したように、1つのサブピクセル11Rに対して一方の発光制御線DSL1が接続されていると共に、残りの2つのサブピクセル11B,11Gに対して他方の発光制御線DSL2が共通して接続されていてもよい。
【0030】
ただし、例えば、後述する各色光を発する有機EL素子(有機EL素子12R,12G,12B)における発光効率の値が相対的に近いサブピクセル同士で、発光制御線DSL1または発光制御線DSL2が共通して接続されているようにするのが望ましい。具体的には、例えば図2(B)に示したように、赤色に対応するサブピクセル11Rと緑色に対応するサブピクセル11Gとに対して一の発光制御線が共通して接続されると共に、青色に対応するサブピクセル11Bに対して他の発光制御線が単独で接続されている場合が挙げられる。このように構成した場合、後述する各サブピクセル11R,11B,11Gでの発光期間の制御の際に、発光効率の大きさに応じた効果的な制御が可能となる。
【0031】
あるいは、例えば、R,G,Bの各色に固有の視感度(視認性)の値が相対的に近いサブピクセル同士で、発光制御線DSL1または発光制御線DSL2が共通して接続されているようにするのが望ましい。具体的には、この場合も例えば図2(B)に示したように、赤色に対応するサブピクセル11Rと緑色に対応するサブピクセル11Gとに対して一の発光制御線が共通して接続されると共に、青色に対応するサブピクセル11Bに対して他の発光制御線が単独で接続されている場合が挙げられる。このように構成した場合、上記と同様の発光期間の制御の際に、視感度(視認性)の大きさに応じた効果的な制御が可能となる。
【0032】
図3は、各サブピクセル11R,11G,11Bの内部構成(回路構成)の一例を表したものである。各サブピクセル11R,11G,11B内には、有機EL素子12R,12G,12B(各色用発光素子)と、画素回路14とが設けられている。なお、以下では、有機EL素子12R,12G,12Bの総称として、有機EL素子12を適宜用いるものとする。
【0033】
画素回路14は、書き込み(サンプリング用)トランジスタTr1(第1のトランジスタ)、駆動トランジスタTr2(第2のトランジスタ)、発光制御トランジスタTr3(第3のトランジスタ)および保持容量素子Csを用いて構成されている。すなわち、この画素回路14は、いわゆる「3Tr1C」の回路構成となっている。ここで、書き込みトランジスタTr1、駆動トランジスタTr2および発光制御トランジスタTr3はそれぞれ、例えば、nチャネルMOS(Metal Oxide Semiconductor)型のTFTにより形成されている。なお、TFTの種類は特に限定されるものではなく、例えば、逆スタガー構造(いわゆるボトムゲート型)であってもよいし、スタガー構造(いわゆるトップゲート型)であってもよい。
【0034】
画素回路14では、書き込みトランジスタTr1のゲートが走査線WSLに接続され、ドレインが信号線DTL(DTLr,DTLg,DTLb)に接続され、ソースが、駆動トランジスタTr2のゲートおよび保持容量素子Csの一端に接続されている。発光制御トランジスタTr3のドレインは固定電源VDDに接続され、ゲートは発光制御線DSL(DSL1,DSL2)に接続され、ソースは駆動トランジスタTr2のドレインに接続されている。また、駆動トランジスタTr2のソースは、保持容量素子Csの他端および有機EL素子12のアノードに接続され、有機EL素子12のカソードは固定電位VSS(例えば、接地電位)に設定されている。なお、この有機EL素子12のカソードは、各有機EL素子12の共通電極として機能しており、例えば、表示パネル10の表示領域全体に渡って連続して形成され、平板状の電極となっている。
【0035】
(駆動回路20)
駆動回路20は、画素アレイ部13(表示パネル10)を駆動する(表示駆動を行う)ものである。具体的には、画素アレイ部13における複数の画素11を順次選択しつつ、選択された画素11内の各サブピクセル11R,11B,11Gに対して映像信号20Aに基づく映像信号電圧を書き込むことにより、複数の画素11に対する表示駆動を行っている。この駆動回路20は、図1に示したように、映像信号処理回路21、タイミング生成回路22、走査線駆動回路23、信号線駆動回路24および発光制御線駆動回路25を有している。
【0036】
映像信号処理回路21は、外部から入力されるデジタルの映像信号20Aに対して所定の補正を行うと共に、補正した後の映像信号21Aを信号線駆動回路24に出力するものである。この所定の補正としては、例えば、ガンマ補正や、オーバードライブ補正などが挙げられる。
【0037】
タイミング生成回路22は、外部から入力される同期信号20Bに基づいて制御信号22Aを生成し出力することにより、走査線駆動回路23、信号線駆動回路24および発光制御線駆動回路25がそれぞれ、連動して動作するように制御するものである。
【0038】
走査線駆動回路23は、制御信号22Aに従って(同期して)複数の走査線WSLに対して選択パルスを順次印加することにより、複数の画素11を順次選択するものである。具体的には、書き込みトランジスタTr1をオン状態に設定するときに印加する電圧Vonと、書き込みトランジスタTr1をオフ状態に設定するときに印加する電圧Voffとを選択的に出力することにより、上記した選択パルスを生成するようになっている。ここで、電圧Vonは、書き込みトランジスタTr1のオン電圧以上の値(一定値)となっており、電圧Voffは、書き込みトランジスタTr1のオン電圧よりも低い値(一定値)となっている。
【0039】
信号線駆動回路24は、制御信号22Aに従って(同期して)、映像信号処理回路21から入力される映像信号21Aに対応するアナログの映像信号を生成し、各信号線DTL(DTLr,DTLg,DTLb)に印加するものである。具体的には、この映像信号21Aに基づく各色用のアナログの映像信号電圧を、各信号線DTLr,DTLg,DTLbに対して個別に印加する。これにより、走査線駆動回路23により選択された画素11内の各サブピクセル11R,11B,11Gに対して、映像信号の書き込みを行うようになっている。なお、映像信号の書き込みとは、補助容量素子Csに対して上記映像信号電圧をプログラムし、駆動トランジスタTr2のゲート−ソース間に所定の電圧を印加することを意味している。
【0040】
発光制御線駆動回路25は、制御信号22Aに従って(同期して)複数の発光制御線DSL(DSL1,DSL2)に対して制御パルスを順次印加することにより、各画素11内の各サブピクセル11R,11B,11Gにおける有機EL素子12の発光(点灯)動作および消光(消灯)動作の制御を行うものである。言い換えると、上記制御パルスの幅(パルス幅)を調整することにより、各画素11内の各サブピクセル11R,11B,11Gにおける発光期間および消光期間の長さを制御する(PWM(Pulse Width Modulation)と同様の制御を行う)ようになっている。具体的には、発光制御トランジスタTr3をオン状態に設定するときに印加する電圧VHと、発光制御トランジスタTr3をオフ状態に設定するときに印加する電圧VLとを選択的に出力することにより、上記した選択パルスを生成している。ここで、電圧VHは、発光制御トランジスタTr3のオン電圧以上の値(一定値)となっており(「H(ハイ)状態」に対応する電圧)、電圧VLは、発光制御トランジスタTr3のオン電圧よりも低い値(一定値)となっている(「L(ロー)状態」に対応する電圧)。なお、このような発光制御線駆動回路25による各サブピクセル11R,11B,11Gでの発光期間の制御動作の詳細については、後述する。
【0041】
[表示装置の作用・効果]
続いて、本実施の形態の表示装置1の作用および効果について説明する。
【0042】
(表示動作)
この表示装置1では、図1〜図3に示したように、駆動回路20が、表示パネル10(画素アレイ部13)内の各画素11(各サブピクセル11R,11B,11G)に対し、映像信号20Aおよび同期信号20Bに基づく表示駆動を行う。これにより、各サブピクセル11R,11B,11G内の有機EL素子12へ駆動電流が注入され、正孔と電子とが再結合して発光が起こる。その結果、表示パネル10において、映像信号20Aに基づく画像表示がなされる。
【0043】
具体的には、図2および図3を参照すると、各サブピクセル11R,11B,11Gでは、以下のようにして映像信号の書き込み動作が行われる。まず、信号線DTLの電圧が映像信号電圧となっており、かつ発光制御線DSLの電圧が電圧VH(「H」状態)となっている期間中に、走査線駆動回路23が、走査線WSLの電圧を電圧Voffから電圧Vonに上げる。これにより、書き込みトランジスタTr1がオン状態となるため、駆動トランジスタTr2のゲート電位Vgが、このときの信号線DTLの電圧に対応する映像信号電圧へと上昇する。その結果、補助容量素子Csに対して映像信号電圧が書き込まれ、保持される。また、発光制御線DSLの電圧が電圧VH(「H」状態)であるため、発光制御トランジスタTr3もオン状態となっている。
【0044】
このとき、有機EL素子12のアノード電圧は、この段階ではまだ、有機EL素子12における閾値電圧Velとカソード電圧Vca(=VSS)とを足し合わせた電圧値(Vel+Vca)よりも小さく、有機EL素子12はカットオフ状態となっている。すなわち、この段階では、有機EL素子12のアノード−カソード間には電流が流れない(有機EL素子12が発光しない)。したがって、駆動トランジスタTr2から供給される電流Idは、有機EL素子12のアノード−カソード間に並列に存在する素子容量(図示せず)へと流れ、この素子容量が充電される。
【0045】
次に、信号線DTLおよび発光制御線DSLの電圧がそれぞれ、映像信号電圧および電圧VH(「H」状態)のまま保持されている期間中に、走査線駆動回路23が、走査線WSLの電圧を電圧Vonから電圧Voffへと下げる。これにより、書き込みトランジスタTr1がオフ状態となるため、駆動トランジスタTr2のゲートがフローティングとなる。すると、この駆動トランジスタTr2のゲート−ソース間電圧Vgsが一定に保持された状態で、駆動トランジスタTr2のドレイン−ソース間に電流Idが流れる。その結果、この駆動トランジスタTr2のソース電位Vsが上昇すると共に、駆動トランジスタTr2のゲート電位Vgもまた、保持容量素子Csを介した容量カップリングにより、連動して上昇する。そして、これにより、有機EL素子12のアノード電圧が、この有機EL素子12における閾値電圧Velとカソード電圧Vcaとを足し合わせた電圧値(Vel+Vca)よりも大きくなる。よって、有機EL素子12のアノード−カソード間には、補助容量素子Csに保持された映像信号電圧、すなわち発光制御トランジスタTr3におけるゲート−ソース間電圧に応じた電流Idが流れ、有機EL素子12が所望の輝度で発光する。
【0046】
次に、駆動回路20は、所定の期間が経過したのち、有機EL素子12の発光期間を終了させる。具体的には、発光制御線駆動回路25が、発光制御線DSLの電圧を電圧VHから電圧VLへと下げる(「H」状態から「L」状態へと移行させる)。すると、発光制御トランジスタTr3がオフ状態となるため、駆動トランジスタTr2のソース電位Vsが下降していく。これにより、有機EL素子12のアノード電圧が、この有機EL素子12における閾値電圧Velとカソード電圧Vcaとを足し合わせた電圧値(Vel+Vca)よりも小さくなり、アノード−カソード間に電流Idが流れなくなる。その結果、これ以降は有機EL素子12が消光する(消光期間へと移行する)。このようにして、発光制御線DSLに対して印加する制御パルスの幅(ここでは、「H」状態の期間の長さ)に応じて、各画素11内の各サブピクセル11R,11B,11Gにおける発光期間の長さを制御することが可能となっている。
【0047】
なお、その後は、駆動回路20は、これまで説明した発光動作および消光動作がフレーム期間(1垂直期間、1V期間)ごとに周期的に繰り返されるように、表示駆動を行う。また、それと共に、駆動回路20は、例えば1水平期間(1H期間)ごとに、発光制御線DSLに印加する制御パルスおよび走査線WSLに印加する選択パルスをそれぞれ、行方向に走査させる。以上のようにして、表示装置1における表示動作(駆動回路20による表示駆動)がなされる。
【0048】
(特徴的部分の作用)
次に、本実施の形態の表示装置1における特徴的部分の作用について、比較例(比較例1,2)と比較しつつ詳細に説明する。
【0049】
(比較例1)
図4(A)は、比較例1に係る画素11内の各サブピクセル11R,11B,11Gに対する発光制御線(発光制御線DSL101)の接続構造を模式的に表したものである。また、図4(B)は、この比較例1に係る発光制御線DSL101に印加される制御パルスのタイミング波形の一例を表したものである。
【0050】
比較例1では、まず、図4(A)に示したように、画素11内の3つ(全て)のサブピクセル11R,11Bに対し、1つ(単一)の発光制御線DSL101が共通して接続されている。そして、例えば図4(B)に示したように、1つの発光制御線DSL101に対して制御パルスを順次印加することにより、各サブピクセル11R,11B,11Gにおける有機EL素子12の発光(点灯)動作および消光(消灯)動作の制御が可能となっている。言い換えると、図中に示した制御パルスの幅(パルス幅)を調整することにより、各サブピクセル11R,11B,11Gにおける発光期間および消光期間の長さの制御(PWM制御)が可能となっている。具体的には、例えば図中に示した「H」期間(点灯期間)のパルス幅と「L」期間(消灯期間)のパルス幅との比率を制御することにより、発光期間および消灯期間の長さ(比率)の制御が可能となっている。
【0051】
ところが、この比較例1では、以下説明するような問題が生じ得る。
【0052】
すなわち、まず、有機EL表示装置では一般に、有機EL素子の電流−電圧(I−V)特性が、時間の経過に従って劣化(経時劣化)することが知られている。有機EL素子を電流駆動する画素回路(例えば、図3に示した画素回路14)では、有機EL素子のI−V特性が経時変化すると、駆動トランジスタ(例えば、図3に示した駆動トランジスタTr2)に流れる電流値Idが変化する。したがって、この電流値Idの変化に応じて有機EL素子自身に流れる電流値も変化し、それに応じて発光輝度も変化してしまう。
【0053】
また、有機EL表示装置では一般に、各色のサブピクセルごとに、このような有機EL素子の劣化の速度が異なることも知られている。したがって、例えば比較例1のように、画素11が3つの色に対応するサブピクセル11R,11B,11Gにより構成されている場合、画素11において経時的な色ずれが生じて表示画質が低下してしまうことになる。
【0054】
このように、例えば各色のサブピクセル11R,11B,11Gごとに劣化速度が異なる要因としては、まず、有機EL素子(例えば、図3中の有機EL素子12R,12G,12B)における発光効率が色ごとに異なることが主要因として挙げられる。ただし、この他にも、比較例1を含めた従来例では、ホワイトバランスの調整を図るため、各色のサブピクセル(例えば、サブピクセル11R,11B,11G)ごとに、有機EL素子に流れる電流の密度(電流密度)が異なるように設定されることも要因の1つとなっている。一般に、有機EL素子における発光効率が相対的に低い色に対応するサブピクセルでは、他の色のサブピクセルと比べて電流密度を高く設定する必要があることから、劣化速度が早まってしまうためである。
【0055】
そこで、このような電流密度の相違に起因した経時的な色ずれを抑制するため、比較例1において、例えば以下の2つの手法を適用することが考えられる。第1の手法は、各色のサブピクセル11R,11B,11Gごとに開口率の大きさを異ならせることにより、上記のように電流密度を色ごとに異ならせることなく、色ごとの劣化速度の均一化を図るというものである。また、第2の手法は、各画素11において1つの色に対して複数個のサブピクセルを設けることにより、第1の手法と同様に電流密度を色ごとに異ならせることなく、色ごとの劣化速度の均一化を図るというものである。
【0056】
ところが、第1の手法では、例えばシャドーマスクを用いた蒸着によって有機EL素子12を形成する場合、開口率の大きさを色ごとに変えるには、各色に応じたシャドーマスクが必要となる。このため、各色で開口率の大きさを同一とした場合(各色で共通のシャドーマスクを用いる場合)と比べて製造工程が増えてしまうことになり、コストアップの要因となる。
【0057】
一方、第2の手法では、1つの色に対して複数個のサブピクセルがあることに起因して、例えば1画素分の幅の白色線などの表示の際に、精細度の高い画像では、色がにじんで見えたり凸凹に見えたりする場合が生じ得る。すなわち、この第2の手法では、表示画質が低下してしまうことになる。
【0058】
そこで、これらの手法とは別の手法として、比較例1において、前述した制御パルスの幅(パルス幅)(図4(B))を調整して各サブピクセル11R,11B,11Gにおける発光期間の長さを調整することにより、色ごとの劣化速度の均一化を図ることが考えられる。しかしながら、この比較例1では前述したように(図4(A))、画素11内の3つのサブピクセル11R,11Bに対し、1つの発光制御線DSL101が共通して接続されている。したがって、比較例1では、この発光制御線DSL101を用いて各サブピクセル11R,11B,11Gごとに発光期間の長さを調整することはできない。すなわち、各サブピクセル11R,11B,11Gでは、全て同一(共通)のタイミングで発光(点灯)動作および消光(消灯)動作を行わざるを得ないことになる。
【0059】
(比較例2)
一方、図5に示した比較例2に係る画素11内の各サブピクセル11R,11B,11Gでは、上記比較例1とは異なり、画素11内の3つのサブピクセル11R,11Bに対し、3つの発光制御線DSL201,DSL202,DSL203が個別に接続されている。これにより、比較例2では比較例1とは異なり、これら3つの発光制御線DSL201,DSL202,DSL203を用いて各サブピクセル11R,11B,11Gごとに発光期間の長さを調整し、色ごとの劣化速度の均一化を図ることが可能となる。すなわち、この比較例2では、サブピクセルの構造(開口率の大きさや個数)を色ごとに異ならせることなく、かつ電流密度も色ごとに異ならせずに、色ごとの劣化速度の均一化を図ることが可能となっている。
【0060】
ところが、この比較例2では上記のように、発光期間を調整するための発光制御線(ここでは、3つの発光制御線DSL201,DSL202,DSL203)を、各色のサブピクセル11R,11B,11Gごとに個別に設ける必要がある。このため、色ごとの発光制御線DSL201,DSL202,DSL203が多数配線されることに起因して、各画素11の開口率の低下や、配線間のクリアランスの減少による製造不良の増加等が引き起こされ、総合的に低コスト化を図るのが困難となってしまう。
【0061】
(実施の形態)
これに対して、本実施の形態の表示装置1では、例えば図2(B),(C)に示したように、まず上記比較例1とは異なり、各画素11に対して複数の発光制御線(ここでは、2つの発光制御線DSL1,DSL2)が設けられている。そして、各画素11において、3つの色に対応する各サブピクセル11R,11Bにはそれぞれ、これら発光制御線DSL1,DSL2のうちの一の発光制御線が割り当てられて接続されている。
【0062】
これにより、本実施の形態では上記比較例2と同様に、各サブピクセル11R,11Bにおける構造(例えば、開口率の大きさや個数)および電流密度を色ごとに異ならせることなく、色ごとの劣化速度の均一化を図ることが可能となる。具体的には、2つの発光制御線DSL1,DSL2を用いて、各サブピクセル11R,11Bにおける発光期間を2種類以上(ここでは2種類)に調整することが可能となる。すなわち、サブピクセル11R,11Bでの構造や電流密度を各色同士で共通化しつつ、色ごとの劣化速度の相違に起因した経時的な色ずれを抑えることが可能となる。
【0063】
また、本実施の形態では上記比較例2とは異なり、2つの発光制御線DSL1,DSL2のうちの少なくとも1つが、3つのサブピクセル11R,11Bのうちの一部である2以上(ここでは2つ)のサブピクセルに対して共通して接続されている。具体的には、例えば図2(B)では、発光制御線DSL1が、2つのサブピクセル11R,11Bに対して共通して接続されている。また、例えば図2(C)では、発光制御線DSL2が、2つのサブピクセル11B,11Gに対して共通して接続されている。
【0064】
これにより、本実施の形態では、3つのサブピクセル11R,11Bに対して発光制御線DSL201,DSL202,DSL203が個別に接続されている比較例2と比べ、使用する発光制御線の数が少なくて済む。すなわち、この場合、比較例2では3つの発光制御線DSL201,DSL202,DSL203を用いているのに対し、本実施の形態では2つの発光制御線DSL1,DSL2を用いれば済むことになる。
【0065】
ここで、本実施の形態では、上記したような、2つの発光制御線DSL1,DSL2を用いた各サブピクセル11R,11B,11Gでの発光期間の調整(制御)動作は、具体的には以下のようにして行う。
【0066】
すなわち、例えば図6(A)〜(C)に示したようにして、発光制御線駆動回路25において、各発光制御線DSL1,DSL2に印加される制御パルスの幅をそれぞれ調整する。具体的には、有機素子12における発光効率が相対的に高い色に対応するサブピクセルでは、有機EL素子12における発光効率が相対的に低い色に対応するサブピクセルと比べて発光期間が短くなるように、制御パルスの幅をそれぞれ調整する。例えば、ここでは、発光制御線DSL2が接続されているサブピクセル(図2(B)ではサブピクセル11G、図2(C)ではサブピクセル11B,11G)では、発光制御線DSL1が接続されているサブピクセル(図2(B)ではサブピクセル11R,11B、図2(C)ではサブピクセル11R)と比べ、発光期間が短くなっている。なお、図6(A)に示した垂直同期信号(Vsync)は、例えば図1中に示した制御信号22Aのうちの1つに相当する信号であり、1V期間(1垂直期間)を示す信号である。
【0067】
ただし、この図6に示した例では、発光制御線DSL1,DSL2における「H」期間の開始タイミングが同一となっているため、図中に示した発光期間(点灯期間)ΔT1のように、発光制御線DSL1のみが「H」状態となっている期間が長くなっている。すなわち、3つのサブピクセル11R,11B,11Gのうちの一部のサブピクセルのみが発光状態となっている発光期間ΔT1が、連続して長く続くように設定されている。この場合、発光時間が相対的に短いサブピクセルと相対的に長いサブピクセルとの間での発光時間差が大きいことに起因して、動画表示において、画像の輪郭部に発光時間が長い色の残色が視認されてしまうおそれがある。具体的には、コントラストが高い色の境界部分において、発光時間が短いサブピクセルに対して発光時間が長いサブピクセルの色がにじんで見えてしまうおそれがある。
【0068】
そこで、本実施の形態では、例えば図7(A)〜(C)に示したようにして、各発光制御線DSL1,DSL2に印加される制御パルスの幅をそれぞれ調整するようにするのが望ましい。具体的には、発光期間が相対的に短くなるように設定されたサブピクセルにおける発光期間全体およびその前後に、発光期間が相対的に長くなるように設定されたサブピクセルにおける発光期間が設けられることとなるように、制御パルスの幅をそれぞれ調整する。言い換えると、発光期間が相対的に短くなるように設定されたサブピクセルにおける発光期間全体が、発光期間が相対的に長くなるように設定されたサブピクセルにおける発光期間内に包含されるように調整する。例えば、ここでは、発光制御線DSL1の「H」状態により規定される発光期間全体およびその前後に、発光制御線DSL2の「H」状態により規定される発光期間が設けられている。
【0069】
これにより、3つのサブピクセル11R,11B,11Gのうちの一部のサブピクセルのみが発光状態となっている発光期間(発光期間ΔT21,ΔT22)が、発光制御線DSL2の「H」期間(相対的に短いほうの発光期間)の前後の2つに分割される。これにより、図6に示した場合と比べ、発光制御線DSL1のみが連続して「H」状態となっている期間が短くなるため、動画表示時における画像の輪郭部の残色が軽減される。なお、この場合において、更に、図7中に示したタイミングt21,t22のように、相対的に長いほうの発光期間の中心タイミングと、相対的に短いほうの発光期間の中心タイミングとが、互いに一致するようにするのがより望ましい。このように設定した場合に、発光制御線DSL1のみが連続して「H」状態となっている期間が最も短くなり、動画表示時における画像の輪郭部の残色が更に軽減されるからである。
【0070】
また、本実施の形態では、例えば図8(A)〜(C)に示したように、図7に示した場合を前提として、更に、発光期間が相対的に短くなるようにサブピクセルにおける発光期間が、互いに分離された複数の期間に分割して設けられているようにするのが望ましい。具体的には、ここで、相対的に短いほうの発光期間(発光制御線DSL2の「H」期間)が、相対的に長いほうの発光期間(発光制御線DSL1の「H」期間)内において、2つに分割されている。これにより、発光制御線DSL1のみが連続して「H」状態となっている期間(発光期間ΔT31,ΔT32,ΔT33)が、図7に示した場合と比べて更に短くなるため、動画表示時における画像の輪郭部の残色が更に軽減される。このことから、相対的に短いほうの発光期間における分割数は、できるだけ大きくなるように設定するのが好ましいと言える。
【0071】
更に、本実施の形態では、例えば図7および図8に示したように、発光制御線DSL1における「H」期間は、連続して設けられているようにすることが望ましい。このように構成した場合、発光制御線DSL1における「L」期間も連続することになる。これにより、結果的に1V期間中において発光制御線DSL1,DSL2の双方が連続して「L」状態となっている期間、すなわち、サブピクセル11R,11B,11Gのいずれもが連続して非発光状態となっている期間(黒表示の期間)を、長く確保することができる。したがって、残像を軽減して動画特性を向上させることができる。
【0072】
なお、この場合、複数に分割された各発光期間は、図8の場合における3つの発光期間ΔT31,ΔT32,ΔT33のように、それぞれの長さが互いに均等(同一)となっていることが望ましい。このように設定した場合に、発光制御線DSL1のみが連続して「H」状態となっている期間が最も短くなり、動画表示時における画像の輪郭部の残色が更に軽減されるからである。また、更に好ましくは、1V期間において、発光制御線DSL1,DSL2がそれぞれ「H」状態となっている期間について、各々の時間軸上の重心が互いに一致しているようにするとよい。
【0073】
以上のように本実施の形態では、各画素11に接続された2つの発光制御線DSL1,DSL2に対して制御パルスを印加することによって、各色に対応する3つのサブピクセル11R,11B,11Gの発光動作および消光動作をそれぞれ制御すると共に、各画素11において、各サブピクセル11R,11B,11Gにはそれぞれ、2つの発光制御線DSL1,DSL2のうちの一の発光制御線が割り当てられて接続されているようにしたので、各サブピクセル11R,11B,11Gでの構造や電流密度を各色同士で共通化しつつ、色ごとの劣化速度の相違に起因した経時的な色ずれを抑えることができる。また、2つの発光制御線DSL1,DSL2のうちの少なくとも1つが、3つのサブピクセル11R,11Bのうちの一部である2つのサブピクセルに対して共通して接続されているようにしたので、使用する発光制御線の数を削減しつつ、そのような経時的な色ずれの抑制を実現することができる。よって、低コスト化を図りつつ高画質化を実現することが可能となる。なお、以上説明した各サブピクセルにおける発光期間の調整(制御)動作は、発光制御線が3本以上ある構成においても、同様の考え方に基づき行うことが効果的である。
【0074】
また、各画素11における開口率の向上による素子信頼性の向上や、発光制御線の配線間のクリアランスの拡大による不良率の低下、駆動回路20の規模の縮小によって有効画面外サイズが縮小されることによるデザイン性の向上、ならびに駆動回路20に外部集積回路を用いる場合には出力数削減によるサイズおよびコストの抑制を図ることが可能となる。
【0075】
更に、各画素11において外光反射を抑制するために開口率を小さくした場合にも、同一の輝度を得るために電流密度を上げるのではなく、サブピクセル11R,11B,11Gごとに発光時間を長くすることによって、同一の輝度を得ることができる。すなわち、外光反射の抑制と素子の劣化の抑制とを両立させることが可能となる。
【0076】
<2.変形例>
続いて、上記実施の形態の変形例(変形例1〜4)について説明する。これらの変形例では、以下説明するように、各画素が、赤(R)、青(B)、緑(G)および白(W)の4色に対応する4つのサブピクセル(サブピクセル11R,11B,11G,11W)により構成されるようになっている。なお、上記実施の形態における構成要素と同一のものには同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0077】
(変形例1)
図9(A)は、変形例1に係る画素(画素11−1)内の各サブピクセル11R,11B,11G,11Wに対する発光制御線(発光制御線DSL1,DSL2)の接続構造を模式的に表したものである。
【0078】
この図9(A)では発光制御線以外については図示していないが、本変形例では、サブピクセル11Rには、信号線DTLr、走査線WSLおよび発光制御線DSL1が接続されている。同様に、サブピクセル11Bには、信号線DTLb、走査線WSLおよび発光制御線DSL1が接続されている。サブピクセル11Gには、信号線DTLg、走査線WSLおよび発光制御線DSL2が接続されている。また、サブピクセル11Wには、信号線DTLw、走査線WSLおよび発光制御線DSL2が接続されている。
【0079】
すなわち、各サブピクセル11R,11B,11G,11Wには、各色に対応する信号線DTLr,DTLb,DTLg,DTLwがそれぞれ個別に接続されている一方、走査線WSLは共通して接続されている。また、ここでは、2つのサブピクセル11R,11Bに対し、2つの発光制御線DSL1,DSL2のうちの一方の発光制御線DSL1が共通して接続され、残りの2つのサブピクセル11G,11Wに対して他方の発光制御線DSL2が接続されている。換言すると、各画素11において、サブピクセル11R,11B,11G,11Wにはそれぞれ、2つの発光制御線DSL1,DSL2のうちの一方が割り当てられて接続されている。そして、これら2つの発光制御線DSL1,DSL2のうちの少なくとも1つ(ここでは、発光制御線DSL1,DSL2の双方)が、4つのサブピクセル11R,11B,11G,11Wのうちの2以上(ここでは2つずつ)のサブピクセルに対して共通して接続されている。
【0080】
(変形例2)
図9(B)は、変形例2に係る画素11−1内の各サブピクセル11R,11B,11G,11Wに対する発光制御線DSL1,DSL2,DSL3の接続構造を模式的に表したものである。
【0081】
本変形例においても、各サブピクセル11R,11B,11G,11Wには、各色に対応する信号線DTLr,DTLb,DTLg,DTLwがそれぞれ個別に接続されている一方、走査線WSLは共通して接続されている。また、本変形例では、2つのサブピクセル11R,11Bに対し、3つの発光制御線DSL1〜DSL3のうちの発光制御線DSL1が共通して接続され、1つのサブピクセル11Gに対して発光制御線DSL2が接続され、1つのサブピクセル11Wに対して発光制御線DSL3が接続されている。
【0082】
このように、各サブピクセル11R,11B,11G,11Wに対して接続される発光制御線の数は、上記変形例1のような2つには限られず、本変形例のような3つであってもよい。また、各サブピクセル11R,11B,11G,11Wに対する発光制御線DSL1,DSL2,DSL3の接続構造は、本変形例で説明したものには限られず、他の接続構造としてもよい。
【0083】
(変形例3)
図9(C)は、変形例3に係る画素11−1内の各サブピクセル11R,11B,11G,11Wに対する発光制御線DSL1,DSL2の接続構造を模式的に表したものである。
【0084】
本変形例においても、各サブピクセル11R,11B,11G,11Wには、各色に対応する信号線DTLr,DTLb,DTLg,DTLwがそれぞれ個別に接続されている一方、走査線WSLは共通して接続されている。また、本変形例では、3つのサブピクセル11R,11B,11Gに対し、2つの発光制御線DSL1,DSL2のうちの一方の発光制御線DSL1が共通して接続され、残りの1つのサブピクセル11Wに対して他方の発光制御線DSL2が接続されている。
【0085】
このように、各サブピクセル11R,11B,11G,11Wに対する発光制御線DSL1,DSL2の接続構造は、上記変形例1で説明したものには限られず、他の接続構造としてもよい。
【0086】
(変形例4)
図9(D)は、変形例4に係る画素11−1内の各サブピクセル11R,11B,11G,11Wに対する発光制御線DSL1,DSL2の接続構造を模式的に表したものである。
【0087】
本変形例においても、各サブピクセル11R,11B,11G,11Wには、各色に対応する信号線DTLr,DTLb,DTLg,DTLwがそれぞれ個別に接続されている一方、走査線WSLは共通して接続されている。ただし、本変形例では、上記変形例1〜3とは異なり、画素11−1内において、2つのサブピクセル11R,11Bが上側の領域に配置されると共に、2つのサブピクセル11G,11Wが下側の領域に配置されている。そして、上側の2つのサブピクセル11R,11Bに対し、2つの発光制御線DSL1,DSL2のうちの一方の発光制御線DSL1が共通して接続され、下側の2つのサブピクセル11G,11Wに対し、他方の発光制御線DSL2が共通して接続されている。
【0088】
このようにして本変形例では、発光制御線DS1,DS2の延在方向(ここでは図中の左右方向)に沿って配置されているサブピクセル同士を組にして共通接続しているため、発光制御線DS1,DSL2の配線構造を簡略化することができる。このように、サブピクセル同士の位置関係に着目して共通に接続する組合せを選択するようにすれば、発光制御線の配線構造を簡略化することができ、歩留まりの向上や開口率の向上に寄与することができる。
【0089】
以上のような上記変形例1〜4においても、上記実施の形態と同様の作用により同様の効果を得ることが可能である。すなわち、低コスト化を図りつつ高画質化を実現することが可能となる。
【0090】
なお、これらの変形例1〜4においても、発光制御線を共通して接続させるサブピクセルの組み合わせについては、上記実施の形態と同様のことが言える。すなわち、例えば、有機EL素子12R,12G,12B,12W(有機EL素子12Wは図示せず)における発光効率の値が相対的に近いサブピクセル同士で、発光制御線が共通して接続されているようにするのが望ましい。具体的には、例えば、白色,赤色,緑色に対応するサブピクセル11W,11R,11Gに対して一の発光制御線が共通して接続されると共に、青色に対応するサブピクセル11Bに対して他の発光制御線が単独で接続されている場合が挙げられる。また、例えば、赤色,緑色,青色に対応するサブピクセル11R,11G,11Bに対して一の発光制御線が共通して接続されると共に、白色に対応するサブピクセル11Wに対して他の発光制御線が単独で接続されている場合が挙げられる。
【0091】
あるいは、例えば、R,G,B,Wの各色に固有の視感度(視認性)の値が相対的に近いサブピクセル同士で、発光制御線が共通して接続されているようにするのが望ましい。具体的には、白色,緑色に対応するサブピクセル11W,11Gに対して一の発光制御線が共通して接続されると共に、赤色,青色に対応するサブピクセル11R,11Bに対して他の発光制御線が共通して接続されている場合が挙げられる。
【0092】
<3.モジュールおよび適用例>
続いて、図10〜図15を参照して、上記実施の形態および各変形例で説明した表示装置1の適用例について説明する。上記実施の形態等の表示装置1は、テレビジョン装置,デジタルカメラ,ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話等の携帯端末装置あるいはビデオカメラなどのあらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。言い換えると、この表示装置1は、外部から入力された映像信号あるいは内部で生成した映像信号を、画像あるいは映像として表示するあらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。
【0093】
(モジュール)
表示装置1は、例えば、図10に示したようなモジュールとして、後述する適用例1〜5などの種々の電子機器に組み込まれる。このモジュールは、例えば、基板31の一辺に、封止用基板32から露出した領域210を設け、この露出した領域210に、駆動回路20の配線を延長して外部接続端子(図示せず)を形成したものである。この外部接続端子には、信号の入出力のためのフレキシブルプリント配線基板(FPC;Flexible Printed Circuit)220が設けられていてもよい。
【0094】
(適用例1)
図11は、表示装置1が適用されるテレビジョン装置の外観を表したものである。このテレビジョン装置は、例えば、フロントパネル310およびフィルターガラス320を含む映像表示画面部300を有しており、この映像表示画面部300が表示装置1により構成されている。
【0095】
(適用例2)
図12は、表示装置1が適用されるデジタルカメラの外観を表したものである。このデジタルカメラは、例えば、フラッシュ用の発光部410、表示部420、メニュースイッチ430およびシャッターボタン440を有しており、この表示部420が表示装置1により構成されている。
【0096】
(適用例3)
図13は、表示装置1が適用されるノート型パーソナルコンピュータの外観を表したものである。このノート型パーソナルコンピュータは、例えば、本体510,文字等の入力操作のためのキーボード520および画像を表示する表示部530を有しており、この表示部530が表示装置1により構成されている。
【0097】
(適用例4)
図14は、表示装置1が適用されるビデオカメラの外観を表したものである。このビデオカメラは、例えば、本体部610,この本体部610の前方側面に設けられた被写体撮影用のレンズ620,撮影時のスタート/ストップスイッチ630および表示部640を有している。そして、この表示部640が表示装置1により構成されている。
【0098】
(適用例5)
図15は、表示装置1が適用される携帯電話機の外観を表したものである。この携帯電話機は、例えば、上側筐体710と下側筐体720とを連結部(ヒンジ部)730で連結したものであり、ディスプレイ740,サブディスプレイ750,ピクチャーライト760およびカメラ770を有している。そして、これらのうちのディスプレイ740またはサブディスプレイ750が、表示装置1により構成されている。
【0099】
<4.その他の変形例>
以上、実施の形態、変形例および適用例を挙げて本発明を説明したが、本発明はこれらの実施の形態等に限定されず、種々の変形が可能である。
【0100】
例えば、上記実施の形態等では、例えば図2,図9に示したように、複数の発光制御線のうちの少なくとも1つが、複数のサブピクセルのうちの一部である2つ以上のサブピクセルに対して共通して接続されている場合を前提として説明したが、この場合には限られない。すなわち、このような発光制御線の共通接続を前提としないで、例えば図7または図8に示したような、複数の発光制御線を用いた各サブピクセルでの発光期間の調整(制御)動作を行うようにしてもよい。
【0101】
また、上記実施の形態等では、表示装置1がアクティブマトリクス型である場合について説明したが、アクティブマトリクス駆動のための画素回路14の構成は、上記実施の形態等で説明したものに限られない。すなわち、画素回路14の構成は、上記実施の形態等で説明した「3Tr1C」の回路構成には限られず、例えば必要に応じて、容量素子やトランジスタ等を画素回路14に追加したり置き換えたりするようにしてもよい。その場合、画素回路14の変更に応じて、上述した走査線駆動回路23、信号線駆動回路24および発光制御線駆動回路25の他に、必要な駆動回路を追加するようにしてもよい。
【0102】
更に、上記実施の形態等では、走査線駆動回路23、信号線駆動回路24および発光制御線駆動回路25における駆動動作を、タイミング生成回路22が制御する場合について説明したが、他の回路がこれらの駆動動作を制御するようにしてもよい。また、このような走査線駆動回路23、信号線駆動回路24および発光制御線駆動回路25に対する制御は、ハードウェア(回路)で行われるようにしてもよいし、ソフトウェア(プログラム)で行われるようにしてもよい。
【0103】
加えて、上記実施の形態等では、書き込みトランジスタTr1、駆動トランジスタTr2および発光制御トランジスタTr3がそれぞれ、nチャネルトランジスタ(例えば、nチャネルMOS型のTFT)により形成されている場合について説明したが、この場合には限られない。すなわち、書き込みトランジスタTr1、駆動トランジスタTr2および発光制御トランジスタTr3がそれぞれ、pチャネルトランジスタ(例えば、pチャネルMOS型のTFT)により形成されていてもよい。
【符号の説明】
【0104】
1…表示装置、10…表示パネル、11,11−1…画素、11R,11G,11B,11W…サブピクセル、12,12R,12G,12B…有機EL素子、13…画素アレイ部、14…画素回路、20…駆動回路、20A,21A…映像信号、20B…同期信号、21…映像信号処理回路、22…タイミング生成回路、22A…制御信号、23…走査線駆動回路、24…信号線駆動回路、25…発光制御線駆動回路、WSL…走査線、DTL,DTLr,DTLg,DTLb…信号線、DSL,DSL1〜DSL3…発光制御線、Tr1…書き込みトランジスタ、Tr2…駆動トランジスタ、Tr3…発光制御トランジスタ、Cs…保持容量素子、Id…電流、Vg…ゲート電位、Vs…ソース電位、Vgs…ゲート−ソース間電圧、VDD…固定電源、VSS…固定電位、ΔT1,ΔT21,ΔT22,ΔT31〜ΔT33…発光期間(点灯期間)、t21,t22…タイミング。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画素と、
各画素に接続された複数の発光制御線と、
発光制御線駆動回路と
を備え、
各画素は、各々が各色用発光素子を含む複数の各色用サブ画素からなり、
前記発光制御線駆動回路は、前記複数の発光制御線に対して、前記各色用発光素子の発光動作および消光動作をそれぞれ制御するための制御パルスを印加し、
各画素において、
前記複数の各色用サブ画素にはそれぞれ、前記複数の発光制御線のうちの一の発光制御線が割り当てられて接続されると共に、
前記複数の発光制御線のうちの少なくとも1つが、前記複数の各色用サブ画素のうちの一部である2以上の各色用サブ画素に対して共通して接続されている
表示装置。
【請求項2】
前記発光制御線駆動回路は、前記制御パルスの幅に応じて、前記複数の各色用サブ画素における発光期間および消光期間の長さをそれぞれ制御する
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記発光制御線駆動回路は、各色用発光素子における発光効率が相対的に高い各色用サブ画素では、各色用発光素子における発光効率が相対的に低い各色用サブ画素と比べて発光期間が短くなるように、各発光制御線に印加される制御パルスの幅をそれぞれ調整する
請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記発光制御線駆動回路は、発光期間が相対的に短くなるように設定された各色用サブ画素における発光期間全体およびその前後に、発光期間が相対的に長くなるように設定された各色用サブ画素における発光期間が設けられることとなるように、各発光制御線に印加される制御パルスの幅をそれぞれ調整する
請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記発光期間が相対的に短くなるように設定された各色用サブ画素における発光期間が、互いに分離された複数の期間に分割して設けられている
請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
各色用発光素子における発光効率の値が相対的に近い各色用サブ画素同士で、前記発光制御線が共通して接続されている
請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項7】
各色に固有の視感度の値が相対的に近い各色用サブ画素同士で、前記発光制御線が共通して接続されている
請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項8】
各画素が、赤(R),緑(G),青(B)の3色に対応する3つの各色用サブ画素により構成されている
請求項1に記載の表示装置。
【請求項9】
各画素が、赤(R),緑(G),青(B),白(W)の4色に対応する4つの各色用サブ画素により構成されている
請求項1に記載の表示装置。
【請求項10】
各画素において、前記複数の各色用サブ画素に共通して接続された走査線と、
各画素において、前記複数の各色用サブ画素に個別に接続された複数の各色用信号線と、
前記走査線に対して、前記複数の画素を順次選択するための選択パルスを印加する走査線駆動回路と、
前記複数の各色用信号線に対して各色用の映像信号電圧を個別に印加することにより、前記走査線駆動回路により選択された画素内の前記複数の各色用サブ画素に対してそれぞれ映像信号の書き込みを行う信号線駆動回路とを備えた
請求項1に記載の表示装置。
【請求項11】
前記複数の各色用サブ画素はそれぞれ、前記各色用発光素子としての有機電界発光素子と、第1ないし第3のトランジスタと、保持容量素子とを含み、
前記第1のトランジスタのゲートが前記走査線に接続され、
前記第1のトランジスタにおけるドレインおよびソースのうち、一方が前記各色用信号線に接続されると共に、他方が前記第2のトランジスタのゲートおよび前記保持容量素子の一端に接続され、
前記第3のトランジスタのゲートが前記発光制御線に接続され、
前記第3のトランジスタにおけるドレインおよびソースのうち、一方が固定電源に接続されると共に、他方が前記第2のトランジスタにおけるドレインおよびソースのうちの一方に接続され、
前記第2のトランジスタにおけるドレインおよびソースのうちの他方が、前記保持容量素子の他端および前記有機電界発光素子のアノードに接続され、
前記有機電界発光素子のカソードが固定電位に設定されている
請求項10に記載の表示装置。
【請求項12】
表示装置を備え、
前記表示装置は、
複数の画素と、
各画素に接続された複数の発光制御線と、
発光制御線駆動回路と
を有し、
各画素は、各々が各色用発光素子を含む複数の各色用サブ画素からなり、
前記発光制御線駆動回路は、前記複数の発光制御線に対して、前記各色用発光素子の発光動作および消光動作をそれぞれ制御するための制御パルスを印加し、
各画素において、
前記複数の各色用サブ画素にはそれぞれ、前記複数の発光制御線のうちの一の発光制御線が割り当てられて接続されると共に、
前記複数の発光制御線のうちの少なくとも1つが、前記複数の各色用サブ画素のうちの一部である2以上の各色用サブ画素に対して共通して接続されている
電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−133811(P2011−133811A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−295331(P2009−295331)
【出願日】平成21年12月25日(2009.12.25)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】