説明

表示装置及びこれを搭載した画像形成装置

【課題】低消費電力化に加えて、操作性の向上が図られた表示装置を提供する。
【解決手段】表示装置である操作パネル30は、画面上に複数の設定項目54aを表示するとともに、設定項目54aの選択を受け付ける操作表示部37と、操作表示部37に向かって光を照射する複数の光源38aで構成され、光源38a各々に対して第1輝度での発光、第1輝度より明るさを低下させた第2輝度での発光、及び消灯の少なくとも3段階での点灯及び消灯が可能な光源部38と、複数の設定項目54a各々の選択履歴を記憶する記憶部40と、記憶部40に記憶された複数の設定項目54a各々の選択履歴に基づき予め設定された所定回数以上の選択回数の設定項目54aに対応する光源38aを第1輝度で発光させ、所定回数未満の選択回数の設定項目54aに対応する光源38aを第2輝度で発光させる操作制御部39と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネル機能を有し、その操作によって項目選択やキー入力が可能な表示装置に関する。また、この表示装置を搭載した画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯型情報機器に代表される多くの電化製品に、前面にタッチパネル部を備えた表示装置が搭載されている。複写機やプリンタ、ファクシミリ、スキャナといった画像形成装置も同様に、その装置正面に表示装置を備えているものがある。このような表示装置は一般的にタッチパネル部が設けられ、液晶などで構成された画面上に様々な設定項目や入力キーを表示するとともに、それら設定項目や入力キーに手で直接、或いはタッチペンなどの入力補助具で触れることにより、文字入力や命令実行などの操作を受け付ける。
【0003】
また、表示装置は蛍光ランプやLEDなどで構成されるバックライトを備えている。そして、このバックライトが多くの電力を消費するので、表示装置の低消費電力化に関連する様々な技術が提案され、その一例を特許文献1に見ることができる。特許文献1に記載された液晶表示装置は画面の一部分だけを表示状態に、残りの部分を非表示状態にすることができる機能を有しており、非表示部分の輝度調整をして非表示部分に見られる違和感を解消している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−311981号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された液晶表示装置は表示領域の表示/非表示の切り替えや輝度調整のみに注目しており、表示装置としてのユーザの使い勝手を考慮しているわけではない。すなわち、様々な機器に搭載される表示装置としては、その低消費電力化を図りながら、優先的に設定すべき項目や既に設定済みの項目を分かり易く画面上に表示させるようにする工夫を凝らすことが望まれる。
【0006】
本発明は上記の点に鑑みなされたものであり、低消費電力化に加えて、操作性の向上が図られた表示装置を提供することを目的とする。また、このような表示装置を搭載し、良好な使い勝手を備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明は表示装置において、画面上に複数の設定項目を表示するとともに、前記設定項目の選択を受け付けるタッチパネル部を有する操作表示部と、前記操作表示部に向かって光を照射する複数の光源で構成され、前記光源各々に対して第1輝度での発光、前記第1輝度より明るさを低下させた第2輝度での発光、及び消灯の少なくとも3段階での点灯及び消灯が可能な光源部と、前記複数の設定項目各々の選択履歴を記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された前記複数の設定項目各々の選択履歴に基づき前記操作表示部に表示されている前記複数の設定項目のうち予め設定された所定回数以上の選択回数の前記設定項目に対応する前記光源を前記第1輝度で発光させ、前記所定回数未満の選択回数の前記設定項目に対応する前記光源を前記第2輝度で発光させる制御部と、を備えることとした。
【0008】
この構成によれば、操作表示部に表示される数多くの設定項目のうち使用頻度が比較的高い設定項目が比較的明るく表示され、使用頻度が比較的低い設定項目が比較的暗く表示される。したがって、使用頻度が比較的低い設定項目に関して光源部の電力消費が抑制され、且つ優先的に設定すべき重要な設定項目をユーザが一見して把握でき、操作上の混乱を回避できる。
【0009】
なお、上記「所定回数」は使用頻度が比較的低い設定項目を識別するための基準となる予め設定された選択回数であり、例えば5回、10回、30回などといった任意の回数に設定することができる。後述する実施形態ではこの「所定回数」を例えば「10回」としているが、この回数に限定されるわけではない。
【0010】
また、上記構成の表示装置において、前記制御部は、対応する前記光源を前記第1輝度で発光させる前記設定項目のうち前記記憶部に記憶された前記複数の設定項目各々の選択履歴に基づき選択回数最多設定項目に対応する前記光源のみを前記第1輝度で発光させ、前記選択回数最多設定項目以外の設定項目に対応する前記光源を前記第2輝度で発光させることとした。
【0011】
この構成によれば、選択回数最多設定項目、すなわち使用頻度が最も高い設定項目が他の設定項目より明るく表示される。したがって、表示装置の操作性、低消費電力化がより一層高められる。
【0012】
また、上記構成の表示装置において、前記制御部は、一の表示ジョブ中において前記第1輝度で発光させた前記光源に対応する前記設定項目が選択されたことを条件としてその設定項目に対して前記記憶部に記憶された選択履歴に基づき次に選択回数が多い前記設定項目に対応する前記光源を前記第1輝度で発光させることとした。
【0013】
この構成によれば、設定項目の選択に従って設定すべき設定項目が次々と比較的明るく表示されるので、ユーザは表示装置の操作に迷うことがなくスムーズに使用することが可能になる。
【0014】
また、上記構成の表示装置において、前記制御部は、一の表示ジョブ中において前記設定項目が選択されたことを条件として選択された前記設定項目に対応する前記光源を前記第2輝度で発光させるとともに、選択された前記設定項目の色彩を選択前と変更させることとした。
【0015】
この構成によれば、選択されて設定が済んだ設定項目を比較的暗く表示させて他とは異なる色彩にすることができ、設定済みの設定項目が分かり易くなる。したがって、表示装置の操作性、低消費電力化が一層高められる。
【0016】
また本発明では、上記構成の表示装置を画像形成装置に搭載することとした。
【0017】
この構成によれば、画像形成装置において表示装置の電力消費が抑制され、且つ優先的に設定すべき項目をユーザが一見して把握でき、表示装置の操作上の混乱を回避できる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の構成によれば、低消費電力化に加えて、操作性の向上が図られた表示装置を提供することができる。また、このような表示装置を搭載し、良好な使い勝手を備えた画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態に係る表示装置を搭載した画像形成装置の模型的垂直断面正面図である。
【図2】図1の画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示す画像形成装置の操作パネル(表示装置)の正面図である。
【図4】図3の操作パネルの操作表示部の光源の配置を示す正面図である。
【図5】図3に示す操作パネルの操作表示部の正面図である。
【図6】図5と同様の操作表示部の正面図にして、設定項目のみを表示した状態を示すものである。
【図7】図6と同様の操作表示部の正面図にして、図6で第1輝度対象設定項目が選択され、変更された状態を示すものである。
【図8】図7と同様の操作表示部の正面図にして、図7でさらに第1輝度対象設定項目が選択され、変更された状態を示すものである。
【図9】図8と同様の操作表示部の正面図にして、図8でさらに第1輝度対象設定項目が選択され、変更された状態を示すものである。
【図10】図6と同様の操作表示部の正面図にして、図6で第1輝度対象設定項目以外の設定項目が選択された状態を示すものである。
【図11】コピー時の操作表示部の表示に係る動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態を図1〜図11に基づき説明する。
【0021】
最初に、本発明の実施形態に係る表示装置を搭載した画像形成装置について、図1及び図2を用いてその構造の概略を説明しつつ、画像出力動作を説明する。図1は画像形成装置の模型的垂直断面正面図、図2は画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【0022】
画像形成装置1は、図1に示すように本体2の内部下方に給紙カセット3を備えている。給紙カセット3はその内部に印刷前のカットペーパーなどの用紙Pを積載して収容している。そして、この用紙Pは図1において給紙カセット3の左上方に向け、1枚ずつ分離されて送り出される。給紙カセット3は本体2の正面側から水平に引き出すことが可能である。
【0023】
本体2の内部であって給紙カセット3の左方には第1用紙搬送部4が備えられている。第1用紙搬送部4は本体2の左側面に沿って略垂直に形設されている。そして、第1用紙搬送部4は給紙カセット3から送り出された用紙Pを受け取り、本体2の左側面に沿って垂直上方に二次転写部5まで搬送する。
【0024】
給紙カセット3の上方であって第1用紙搬送部4が形設された本体2の左側面とは反対側の側面である右側面の箇所には手差し給紙部6が備えられている。手差し給紙部6には給紙カセット3に入っていないサイズの用紙や、厚紙、OHPシートのように1枚ずつ手で送り込みたいものが載置される。
【0025】
手差し給紙部6の左方には第2用紙搬送部7が備えられている。第2用紙搬送部7は給紙カセット3のすぐ上方にあって、手差し給紙部6から第1用紙搬送部4まで略水平に延びて第1用紙搬送部4に合流している。そして、第2用紙搬送部7は手差し給紙部6から送り出された用紙を受け取り、略水平に第1用紙搬送部4まで搬送する。
【0026】
一方、画像形成装置1の本体2の上面には原稿搬送装置8が、その下方の本体2内部には画像読取部9が備えられている。ユーザが原稿の複写を行う場合には、文字や図形、模様などの画像が描かれた原稿を、原稿搬送装置8に積載したり、画像読取部9上面の図示しないコンタクトガラス上に載置したりする。原稿搬送装置8では1枚或いは複数枚の原稿が1枚ずつ分離して送り出され、画像読取部9によってその画像が読み取られる。コンタクトガラス上の原稿に対しては、画像読取部9内で光を走査させることによって画像が読み取られる。
【0027】
原稿画像の読み取り、すなわち画像形成の開始は本体2の上部であって画像読取部9の正面側に備えられた表示装置である操作パネル30を用いて指示される。操作パネル30はユーザによる印刷に使用する用紙の種類やサイズ、拡大縮小、両面印刷の有無といった印刷条件設定などを受け付ける。なお、操作パネル30の詳細な構成は後述する。
【0028】
原稿の画像データの情報は後述する本体制御部20等を経由して画像処理が施された後、第2用紙搬送部7の上方であって、本体2の中央部に配置された露光部10に送られる。露光部10により、画像データに基づいて制御されたレーザ光Lが画像形成部11に向かって照射される。
【0029】
露光部10の上方には計4台の画像形成部11が、さらにそれら各画像形成部11の上方には中間転写体を無端ベルトの形で用いた中間転写ベルト12が備えられている。中間転写ベルト12は複数のローラに巻き掛けられて支持され、図示しない駆動装置により図1において時計方向に回転する。
【0030】
4台の画像形成部11は、図1に示すように中間転写ベルト12の回転方向に沿って回転方向上流側から下流側に向けて一列にして配置された所謂タンデム方式である。4台の画像形成部11とは、上流側から順にイエロー用の画像形成部11Y、マゼンタ用の画像形成部11M、シアン用の画像形成部11C、及びブラック用の画像形成部11Bである。これらの画像形成部11には、各色に対応する現像剤供給容器及び搬送手段(図示せず)により現像剤(トナー)が補給される。なお、以下の説明において、特に限定する必要がある場合を除き、画像形成部11の「Y」「M」「C」「B」の識別記号は省略するものとする。
【0031】
各画像形成部11では、露光部10によって照射されたレーザ光Lにより原稿画像の静電潜像が形成され、この静電潜像からトナー像が現像される。トナー像は、各画像形成部11の上方に備えられた一次転写部13で、中間転写ベルト12表面に一次転写される。そして、中間転写ベルト12の回転とともに所定のタイミングで各画像形成部11のトナー像が中間転写ベルト12に転写されることにより、中間転写ベルト12表面にはイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナー像が重ね合わされたカラートナー像が形成される。
【0032】
中間転写ベルト12が用紙搬送路に懸かる箇所には二次転写部5が配置されている。中間転写ベルト12表面のカラートナー像は第1用紙搬送部4によって同期をとって送られてきた用紙Pに、二次転写部5に形成される二次転写ニップ部で転写される。
【0033】
二次転写後、中間転写ベルト12表面に残留するトナーなどの付着物は中間転写ベルト12に対してイエロー用の画像形成部11Yの回転方向上流側に設けられた中間転写ベルト12用のクリーニング部14によってクリーニングされ、回収される。
【0034】
二次転写部5の上方には定着部15が備えられている。二次転写部5にて未定着トナー像を担持した用紙Pは定着部15へと送られ、熱ローラと加圧ローラとによりトナー像が加熱、加圧されて定着される。
【0035】
定着部15の上方には用紙案内部16が備えられている。定着部15から排出された用紙Pは両面印刷を行わない場合、用紙案内部16から画像形成装置1の上部に設けられた胴内用紙排出部17に排出される。
【0036】
用紙案内部16から胴内用紙排出部17に向かって用紙Pが排出されるその排出口部分はスイッチバック部18としての機能を果たす。両面印刷を行う場合にはこのスイッチバック部18において定着部15から排出された用紙Pの搬送方向が切り替えられる。そして、用紙Pは用紙案内部16を通過し、定着部15の左方、及び二次転写部5の左方に設けられた両面印刷用用紙搬送路19を通して下方に送られ、再度第1用紙搬送部4を経て二次転写部5へと送られる。
【0037】
また、画像形成装置1は装置全体の動作制御のため、図2に示すようにその本体2内にCPU21やその他の図示しない電子部品で構成された本体制御部20を備えている。本体制御部20はCPU21を中央演算処理装置として使用し、記憶部22などに記憶、入力されたプログラム、データに基づき画像読取部9、画像形成部11、中間転写ベルト12、定着部15などといった構成要素を制御して一連の画像形成動作を実現する。本体制御部20はユーザによる画像形成装置1の動作に係る条件設定を操作パネル30から受け付ける。
【0038】
続いて、表示装置である操作パネル30の詳細な構成について、図2に加えて、図3〜図6を用いて説明する。図3は画像形成装置1の操作パネル30の正面図、図4は操作パネル30の操作表示部の光源の配置を示す正面図、図5は操作表示部の正面図、図6は図5と同様の操作表示部の正面図にして、設定項目のみを表示した状態を示すものである。
【0039】
操作パネル30は、図2及び図3に示すようにテンキー31、スタートキー32、ストップキー33、リセットキー34、エンターキー35、クリアキー36、操作表示部37、光源部38、操作制御部(制御部)39、及び記憶部40を備えている。
【0040】
テンキー31、スタートキー32、ストップキー33、リセットキー34、エンターキー35、及びクリアキー36は、図3に示すように操作パネル30の右側の領域に配置されている。テンキー31は数字入力を受け付けるキーであって、0から9までの数字及び「*」「#」が記されている。スタートキー32は各種動作の開始指示を受け付けるキーである。ストップキー33は各種動作の停止指示を受け付けるキーである。リセットキー34は各種設定のリセット指示を受け付けるキーである。エンターキー35は各種設定を許諾する所謂「OK」の指示と同様の働きをするキーである。クリアキー36は入力した数字や文字、記号を消去するキーである。
【0041】
操作表示部37は図3に示すように操作パネル30の中央部に配置されている。そして、操作表示部37は図2に示すように液晶表示部37a、タッチパネル部37b、及び光源部38を備えている。液晶表示部37aは設定、入力、指示などの複数の項目やキー、情報を、液晶を用いて表示している。タッチパネル部37bは液晶表示部37aの上方に重ねて配置され、ユーザが指などで接触することにより液晶表示部37aに表示された設定項目の選択やキーの入力を受け付ける。
【0042】
光源部38は操作表示部37の液晶表示部37aに向かって光を照射するバックライトである。光源部38は、図4に示すように複数、例えば25個の点光源であるLED38aで構成されている。各々のLED38aは液晶表示部37aの区分された一定の領域(面)に光を照射する。操作制御部39は各々のLED38aを個別に制御して点灯させることができる。例えば、各々のLED38aは、液晶表示部37aに表示させる設定項目や入力キーを比較的はっきりと視認できる明るさを有する第1輝度での発光、この第1輝度より明るさを低下させた第2輝度での発光、及び消灯の少なくとも3段階での点灯及び消灯が可能である。なお、LED38aに代えて複数のランプを用いても構わない。
【0043】
操作制御部39は図示しないICなどの電子部品で構成され、本体制御部20による制御に基づき操作パネル30を制御する制御装置である。操作制御部39は本体制御部20からの制御指令により、記憶部22や記憶部40などに記憶されたプログラム、データに基づいて表示する設定項目や入力キーの種類、レイアウトを設定することで操作表示部37を表示制御する。また、操作制御部39はテンキー31、スタートキー32などの各キーやタッチパネル部37bからの情報に基づいてユーザが操作した入力キーを特定してユーザの操作指示として受け付け、その指示を必要に応じて本体制御部20に送信する。
【0044】
ここで、操作パネル30は図5に示すコピー設定画面50を操作表示部37に表示することができる。コピー設定画面50にはメッセージ表示部51、部数表示部52、プレビュー部53、設定表示部54、及びタブ部55が配置されている。
【0045】
メッセージ表示部51はコピー設定画面50の上端部左側に設けられている。メッセージ表示部51には、例えば現在コピーが可能であったり、コピー中であったり、エラーが発生している状態であったりといったユーザに対するメッセージが表示される。
【0046】
部数表示部52はコピー設定画面50の上端部右側に設けられている。部数表示部52にはコピーを行う際の印刷部数が表示される。印刷部数はテンキー31により変更が可能である。
【0047】
プレビュー部53はコピー設定画面50の上下方向中央部左側に設けられている。プレビュー部53には画像読取部9で読み取った原稿の画像データのプレビューや選択された印刷用紙Pのサイズや向きなどが表示される。
【0048】
設定表示部54はコピー設定画面50の略中央部に、タブ部55はコピー設定画面50の下部に設けられている。設定表示部54には、例えば選択した印刷用紙のサイズや拡大縮小、濃度などといったコピーに関する各種設定項目54aやその設定項目選択キー54bが表示される。設定表示部54に表示される設定項目54aはタブ部55の各種タブ55aを選択することにより切り替えることができる。例えば、図5に示す設定表示部54には「簡単設定」タブ55aの設定項目54aが表示されている。タブ55aは横方向に、例えば5個並べられている。
【0049】
そして、操作表示部37に表示させる設定項目や入力キーは、図5に示すコピー設定画面50全体として表示する方法のほか、図6に示すように一部に限定して表示する方法もある。図6では限定表示内容として、例えば各種設定項目54aやその設定項目選択キー54bが表示されている。このように限定表示される設定項目54aは予め定められ、記憶部22や記憶部40などに記憶されている。操作表示部37に設定項目54aを限定して表示するとき、操作制御部39は光源部38の、設定項目54aに対応する箇所のみLED38aを点灯させる。
【0050】
また、図5に示すコピー設定画面50全体表示と、図6に示す限定表示とを切り替えるタイミングや切り替え方法も予め定められ、記憶部22や記憶部40などに記憶されている。予め定められたタイミングでコピー設定画面50全体表示から限定表示へと切り替えられた後、操作表示部37の設定項目54aやその設定項目選択キー54b以外の箇所を押下することによりコピー設定画面50全体表示へと戻すことにしても良い。
【0051】
さらに、操作制御部39は複数の設定項目54a各々がユーザによって選択された回数を選択履歴として記憶部40に記憶させている。また、記憶部40は複数の設定項目54a各々に対応するLED38aを第1輝度で発光させるか、或いは第2輝度で発光させるかの判定基準となる選択回数に関する所定回数と選択回数最多設定項目とを記憶している。選択回数に関する所定回数は使用頻度が比較的低い設定項目54aを識別するための基準でもあり、例えば10回に予め設定されている。なお、この所定回数は画像形成装置1の累積稼働時間などを考慮して、操作パネル30で適宜設定することができる。選択回数最多設定項目は設定項目54a各々がユーザによって選択されるたびに更新される。
【0052】
続いて、コピー時の操作表示部37の表示に係る動作について、図5及び図6に加えて図7〜図11を使用し、図11に示すフローに沿って説明する。図7は図6と同様の操作表示部の正面図にして、図6で第1輝度対象設定項目が選択され、変更された状態を示すもの、図8は図7と同様の操作表示部の正面図にして、図7でさらに第1輝度対象設定項目が選択され、変更された状態を示すもの、図9は図8と同様の操作表示部の正面図にして、図8でさらに第1輝度対象設定項目が選択され、変更された状態を示すもの、図10は図6と同様の操作表示部の正面図にして、図6で第1輝度対象設定項目以外の設定項目が選択された状態を示すもの、図11はコピー時の操作表示部37の表示に係る動作を示すフローチャートである。
【0053】
画像形成装置1を起動させてコピーが可能な状態にあるとき、操作パネル30の操作表示部37には、図5に示すように画面全体に設定項目、入力キー、その他情報等が表示されている。そして、画像形成装置1をこのようなコピーが可能な状態にさせると(図11のスタート)、操作制御部39は操作表示部37に表示された複数の設定項目54aに関して記憶部40に記憶された選択履歴を参照し、複数の設定項目54aのうち選択回数が所定回数である10回以上である設定項目と選択回数最多設定項目とを確認する(ステップ#101)。なおここでは、例えば選択回数が所定回数以上の選択回数最多設定項目を「用紙選択」としている。
【0054】
そして、本体制御部20が原稿搬送装置8などに原稿が載置されたことを検知すると、その指令に基づき操作制御部39は、図6に示すように操作表示部37に各種設定項目54aやその設定項目選択キー54bを限定して表示させる。さらに、操作制御部39は選択回数最多設定項目である「用紙選択」に対応するLED38aを第1輝度で発光させ、「用紙選択」以外の設定項目54aに対応するLED38aを第2輝度で発光させる(ステップ#102)。このように、操作制御部39はコピー時の操作表示部37における一の表示ジョブをスタートさせる。そして、これにより操作表示部37に表示される数多くの設定項目54aのうち選択回数最多設定項目、すなわち使用頻度が比較的高い「用紙選択」が他の設定項目54aより明るく表示される。したがって、これら他の設定項目54aに関して光源部38の電力消費が抑制され、且つ優先的に設定すべき「用紙選択」をユーザが一見して把握でき、操作上の混乱を回避できる。
【0055】
次に、操作制御部39はユーザがスタートキー32を押下したか否かを判定する(ステップ#103)。スタートキー32が押下された場合(ステップ#103のYes)、その情報が操作制御部39から本体制御部20へと送られ、コピーが実行される(ステップ#104)。そして、コピー時の操作表示部37における一の表示ジョブが終了する(図11のエンド)。
【0056】
一方、ステップ#103においてスタートキー32が押下されない場合(ステップ#103のNo)、操作制御部39はユーザが設定項目選択キー54bに触れることで設定項目54aを選択したか否かを判定する(ステップ#105)。操作制御部39はスタートキー32が押下されるか、いずれかの設定項目54aが選択されるまで待機する(ステップ#105のNo)。
【0057】
いずれかの設定項目54aが選択されると(ステップ#105のYes)、操作制御部39は操作表示部37またはその他の操作パネル30上の入力キーから設定の入力を受け付ける(ステップ#106)。そして、操作制御部39はステップ#105で選択され、ステップ#106で設定された設定項目54aが選択回数最多設定項目、すなわち対応するLED38aを第1輝度で発光させた第1輝度対象設定項目であるか否かを判定する(ステップ#107)。
【0058】
選択、設定された設定項目54aが「用紙選択」、すなわち第1輝度対象設定項目である場合(ステップ#107のYes)、操作制御部39は記憶部40に記憶された選択履歴に基づき「用紙選択」の次に選択回数が多い第1輝度対象設定項目の候補を確認する(ステップ#108)。そして、操作制御部39は第1輝度対象設定項目となる設定個目54aの次候補が存在するか否かを判定する(ステップ#109)。このとき、操作制御部39は第1輝度対象設定項目の次候補となり得る設定項目54aの選択回数が所定回数である10回より多いか少ないかを判定条件とする。
【0059】
第1輝度対象設定項目の次候補が存在するとき(ステップ#109のYes)、操作制御部39は、図7に示すようにステップ#105で選択されたこれまでの第1輝度対象設定項目、すなわち「用紙選択」に対応するLED38aを第2輝度で発光させるとともに、「用紙選択」の色彩を選択前と変更させる(ステップ#110)。これにより、選択されて設定が済んだ設定項目54aである「用紙選択」を比較的暗く表示させて他とは異なる色彩にすることができ、設定済みの設置項目54aが分かり易くなる。したがって、操作パネル30の操作性、低消費電力化が一層高められる。
【0060】
そして、操作制御部39は次の第1輝度対象設定項目、例えば図7に示すように「濃度」に対応するLED38aを第1輝度で発光させ、その他の設定項目54aに対応するLED38aの発光状態を現状維持する。これにより、設定項目54aの選択に従って設定すべき設定項目54aが次々と比較的明るく表示されるので、ユーザは操作パネル30の操作に迷うことがなくスムーズに使用することが可能になる。例えば、「用紙選択」、「濃度」に続いて第1輝度対象設定項目が「ページ集約」である場合、操作制御部39は、図8に示すように「ページ集約」の設定項目54aに対応するLED38aを第1輝度で発光させる。「用紙選択」、「濃度」の各設定項目54aは対応するLED38aが第2輝度で発光され、色彩も選択前と変更されている。
【0061】
なお、設定項目54aが選択されて表示が変更されるたびにステップ#103に戻り、スタートキー32が押下されたか否かが判定される。
【0062】
次に、ステップ#109において第1輝度対象設定項目の次候補が存在しない、すなわち次に選択回数が多い設定項目54aの選択回数が所定回数10回より少ない場合(ステップ#109のNo)、操作制御部39はこれまでの第1輝度対象設定項目に対応するLED38aを第2輝度で発光させて色彩を選択前と変更させ、その他の設定項目54aに対応するLED38aの発光状態を現状維持する(ステップ#111)。例えば、図8に示す第1輝度対象設定項目である「ページ集約」の次に第1輝度対象設定項目が存在しない場合、図9に示すようにすべての設定項目54aに対応するLED38aが第2輝度で発光する。このように、使用頻度が比較的低く、重要でない設定項目54aがすべて比較的暗く表示されるので、操作パネル30の操作性、低消費電力化がより一層高められる。
【0063】
なお、図9では「拡大/縮小」、「両面/分割」、「原稿の画質」の各設定項目54aは選択前の色彩を、「用紙選択」、「濃度」、「ページ集約」の各設定項目54aは選択後の色彩をなしている。
【0064】
また、ステップ#107において選択、設定された設定項目54aが「用紙選択」、すなわち第1輝度対象設定項目でない、例えば「拡大/縮小」であった場合(ステップ#107のNo)、操作制御部39は選択、設定された設定項目54aである「拡大/縮小」に対応するLED38aを第2輝度で発光させて色彩を選択前と変更させ、その他の設定項目54aに対応するLED38aの発光状態を現状維持する(ステップ#112)。すなわち、「用紙選択」の設定項目54aに対応するLED38aは第1輝度のまま発光している。
【0065】
このように上記実施形態の構成によれば、低消費電力化に加えて、操作性の向上が図られた表示装置である操作パネル30を提供することができる。また、このような操作パネル30を搭載し、良好な使い勝手を備えた画像形成装置1を提供することができる。
【0066】
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
【0067】
例えば、本発明の上記実施形態では画像形成装置1に搭載された操作パネル30(表示装置)を例に掲げて説明したが、発明の適用対象となる機器は画像形成装置に限定されるわけではなく、画像形成装置以外の携帯電話、PDAなどといった他の電子機器に本発明の表示装置を搭載することにしても構わない。
【0068】
また、操作パネル30を搭載した画像形成装置1は中間転写ベルトを用いてトナー像を用紙に転写するカラー印刷用の画像形成装置であるが、発明の適用対象となる画像形成装置がこのような種類に限定されるわけではなく、中間転写ベルトを用いない画像形成装置や白黒印刷用の画像形成装置であっても構わない。
【0069】
また、上記実施形態では原稿搬送装置8などに原稿が載置されたことに基づき操作表示部37に各種設定項目54aやその設定項目選択キー54bを限定して表示させることとしているが、設定項目54aやその設定項目選択キー54bのみを操作表示部37に表示させるタイミングついてはこれに限定されるわけではなく、他のタイミングで表示させても構わない。例えば、基本的に常時設定項目54aやその設定項目選択キー54bのみを操作表示部37に表示させることにしても良い。
【0070】
また、図11に示すフローに沿ったコピー時の操作表示部37の表示に係る動作についての説明では、最初にLED38aを第1輝度で発光させた設定項目54aを選択回数最多設定項目(例えば「用紙選択」)の1個に限定したが、選択回数最多設定項目以外の選択回数が所定回数(例えば10回)以上の設定項目54aもLED38aを第1輝度で発光させても良い。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明は、タッチパネル機能を有し、その操作によって項目選択やキー入力が可能な表示装置において利用可能である。
【符号の説明】
【0072】
1 画像形成装置
20 本体制御部
22 記憶部
30 操作パネル(表示装置)
31 テンキー
32 スタートキー
37 操作表示部
37a 液晶表示部
37b タッチパネル部
38 光源部
38a 光源
39 操作制御部(制御部)
40 記憶部
50 コピー設定画面
54 設定表示部
54a 設定項目
54b 設定項目選択キー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画面上に複数の設定項目を表示するとともに、前記設定項目の選択を受け付けるタッチパネル部を有する操作表示部と、
前記操作表示部に向かって光を照射する複数の光源で構成され、前記光源各々に対して第1輝度での発光、前記第1輝度より明るさを低下させた第2輝度での発光、及び消灯の少なくとも3段階での点灯及び消灯が可能な光源部と、
前記複数の設定項目各々の選択履歴を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された前記複数の設定項目各々の選択履歴に基づき前記操作表示部に表示されている前記複数の設定項目のうち予め設定された所定回数以上の選択回数の前記設定項目に対応する前記光源を前記第1輝度で発光させ、前記所定回数未満の選択回数の前記設定項目に対応する前記光源を前記第2輝度で発光させる制御部と、
を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記制御部は、対応する前記光源を前記第1輝度で発光させる前記設定項目のうち前記記憶部に記憶された前記複数の設定項目各々の選択履歴に基づき選択回数最多設定項目に対応する前記光源のみを前記第1輝度で発光させ、前記選択回数最多設定項目以外の設定項目に対応する前記光源を前記第2輝度で発光させることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記制御部は、一の表示ジョブ中において前記第1輝度で発光させた前記光源に対応する前記設定項目が選択されたことを条件としてその設定項目に対して前記記憶部に記憶された選択履歴に基づき次に選択回数が多い前記設定項目に対応する前記光源を前記第1輝度で発光させることを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記制御部は、一の表示ジョブ中において前記設定項目が選択されたことを条件として選択された前記設定項目に対応する前記光源を前記第2輝度で発光させるとともに、選択された前記設定項目の色彩を選択前と変更させることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の表示装置を搭載したことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−47980(P2012−47980A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−190108(P2010−190108)
【出願日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】