説明

表示装置及び表示モジュール

【課題】 外部からの力が加わっても壊れにくい高い堅牢性を有する表示装置及び表示モジュールを提供する。
【解決手段】 カバープレート3の左側部に、封止基板23の左側端部30aよりも左側の領域に対応した画素基板6(ガラス基板S)に接触しないように凸形状に盛り上った形状をした非接触部31aを設けた。また、カバープレート3の右側部に、封止基板23の右側端部30bよりも右側の領域に対応した画素基板6(ガラス基板S)に接触しないように光出射方向に凸形状に盛り上った形状を成した非接触部31bを設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置及び表示モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車等の車両のインストルメントパネルに搭載される車両情報の表示装置として、液晶ディスプレイを備えた表示装置が知られている(たとえば、特許文献1)。この種の表示装置は、そのディスプレイ部に、自動車の車速をアナログ表示するスピードメータやエンジン回転数をアナログ表示するタコメータ等を表示させるようになっている。
【特許文献1】特開2004−291731号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、一般に、表示装置のディスプレイ部は、画素領域を備えた画素基板と画素領域を封止して画素の劣化を抑制する封止基板とが互いに重なり合うように積層されて構成されている。そして、ディスプレイ部の表面に、カバープレートを取り付けるとともに、このカバープレートを介して各種インジケータ等が備え付けられた化粧板に取り付けられることで、インストルメントパネルが構成されている。
【0004】
しかしながら、ディスプレイ部が、所謂ボトムエミッションタイプのディスプレイである場合、上記表示装置は、画素基板の光出射面上にカバープレートを取り付けるとともに、その反対側の面上に封止基板が配置されるような構造となる。そして、この場合、画素基板は、光透過性を有する、例えばガラス基板で構成される。
【0005】
従って、化粧板をカバープレートに取り付ける場合やインストルメントパネルを車両に取り付ける場合、カバープレートを介して画素基板に力が加わる虞がある。このとき、画素基板のサイズが封止基板のサイズよりも大きいと、その力の作用点が封止基板の端によりも外側にある画素基板上に位置するため、封止基板の端で画素基板が割れてしまうという問題があった。
【0006】
本発明は、このような従来の問題点に着目してなされたもので、その目的は、外部からの力が加わっても壊れにくい高い堅牢性を有する表示装置及び表示モジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明における表示装置は、電気光学素子を有する画素が複数形成された画素形成領域を備えた画素基板と、前記画素形成領域を封止する封止基板と、前記画素基板を覆うカバープレートとを備えた表示装置において、前記カバープレートは、前記封止基板が配置された領域の外側の領域では、前記画素基板と接触しない非接触部を有した。
【0008】
これによれば、カバープレートに加わる力の作用点が、封止基板の端部よりも外側にある画素基板上に位置せずに、画素基板と封止基板とが重なり合った強固な位置に保持される。従って、その力によって画素基板が破損することはない。この結果、堅牢な表示装置を実現することができる。
【0009】
この表示装置において、前記非接触部は、前記画素基板の左右側に対応した位置に形成されていてもよい。
これによれば、画素基板の上下左右側に対応した位置に非接触部を形成するのではないので、カバープレートの加工が簡単になる。
【0010】
この表示装置において、前記画素基板は、ガラスで構成されていてもよい。
これによれば、画素形成領域上に表示された画像が、画素基板を透過して封止基板側と反対側の面、つまり、カバープレート側に表示される、所謂ボトムエミッション型の表示装置の堅牢性を向上させることができる。
【0011】
この表示装置において、前記電気光学素子は、エレクトロルミネッセンス素子であってもよい。
これによれば、画素領域に表示される画像は、高輝度・高精彩なものになる。
【0012】
この表示装置において、前記カバープレートは、前記画素形成領域に対応する位置に前記電気光学素子にて発せられた光を外部へ導く開口部を備えていてもよい。
これによれば、開口部を通して画素領域に表示される画像を視認させることができる。
【0013】
本発明の表示モジュールは、上記記載の表示装置を備えている。
これによれば、表示装置は、その画素基板が破損しにくいので、堅牢性に優れた表示モジュールを実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明を具体化した各実施形態を、図面に基づいて説明する。なお、各実施形態の説明において同様の部位には同一の符号を付して重複した説明を省略する。
(第1実施形態)
第1実施形態に係る表示装置を図1〜図6に従って説明する。
【0015】
図1は、表示装置1の分解斜視図であり、図2は、表示装置1の上面図である。
図1及び図2に示すように、表示装置1は、表示パネル2と、該表示パネル2の光出射面(パネル表面)2A側に取り付けられるカバープレート3とを備えている。
【0016】
図1に示すように、表示パネル2は、ディスプレイ部4とプリント回路基板(PCB)(以下、単に「プリント基板」という)5とから構成されている。
図3は、ディスプレイ部4をプリント基板5側から見たときの正面図である。図3に示すように、ディスプレイ部4は、画素基板6と4個のフレキシブル回路基板7とから構成されている。
【0017】
画素基板6は、その中央に略四角形状の画素形成領域としての発光エリア8を備えている。一方、発光エリア8以外の領域(以下、「非発光エリア」という)10には、前記フレキシブル回路基板7の他に一対の走査線ドライバ11が形成されている。
【0018】
図4は、発光エリア8の詳細を説明するための図である。
図4に示すように、発光エリア8には、行方向(図4中X矢印方向)にm本の走査線12が、また、列方向(図4中Y矢印方向)にn本のデータ線13が延設されている。そして、各走査線12とデータ線13とが交差する交差部に対応する位置には、画素9が設けられている。即ち、発光エリア8内には、m×n個の画素9がマトリクス状に配置されている。
【0019】
各画素9には、図4中の拡大部50に示すように、電気光学素子としての有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、「有機EL素子」という)14、及び該有機EL素子14を制御するための駆動回路15が形成されている。
【0020】
図5は、拡大部50中a−a線断面図である。
図5に示すように、有機EL素子14は、ガラス基板S上に形成された回路形成層Sa上に形成されている。この回路形成層Saは、各有機EL素子14に駆動電力を供給する薄膜トランジスタ(TFT)16といった前記駆動回路15を構成する各種回路素子や非発光エリア10に形成される走査線ドライバ11等を構成する回路素子の一部または全部が形成された層である。
【0021】
また、画素9内の領域には、画素電極17が形成されている。画素電極17上には、本実施形態においては、正孔輸送層18、発光層19が積層されてなる機能層20が形成されている。そして、各画素電極17は、対応する薄膜トランジスタ16とコンタクトホールHを介して電気的に接続されている。
【0022】
また、機能層20上には、隣接する他の領域の機能層20上に渡って陰極21が形成されている。そして、前記した画素電極17、正孔輸送層18、発光層19及び陰極21が積層されて有機EL素子14が構成される。尚、本実施形態においては、有機EL素子14は、隣接する他の有機EL素子14とバンク22によって区画されている。このバンク22は、機能層20を、その各層18,19を構成する材料を所定の溶媒に溶解または分散して作られた液状組成物を塗布して形成するようにした、所謂インクジェット法を採用した場合、その各液状組成物が隣接する他の画素電極17上に流れ込まないようにするための隔壁として機能するものである。即ち、ガラス基板S上に回路形成層Sa及び画素電極17を形成した後に、各画素電極17の外周を囲うようにしてバンク22を形成し、その後に、図示しない公知のインクジェットヘッドを使用して各画素電極17上に正孔輸送層材料が溶媒に溶解または分散された液状組成物を吐出する。そして、その後、吐出された液状組成物を乾燥することで正孔輸送層18を形成する。その後、再び、公知のインクジェットヘッドを使用して各正孔輸送層18上に、発光層材料が溶媒に溶解または分散された液状組成物を吐出し、その後に、その液状組成物を乾燥することで発光層19を形成するようにしている。
【0023】
さらに、陰極21上には、四角形状の封止基板23が形成されている。この封止基板23は、図1に示すように、ガラス基板S(画素基板6)に比べて小さく、発光エリア8及びその周囲のみを覆うように形成されている。従って、封止基板23の4つの端部30a〜30dは、ガラス基板S(画素基板6)上にある。言い換えると、ガラス基板S(画素基板6)の周囲の領域は、封止基板23によって覆われていない。ここで、以下、説明の便宜上、ディスプレイ部4をカバープレート3側から見た場合の封止基板23の左側の端部を符号「30a」で示し、右側の端部を符号「30b」で示している。また、上側の端部30を符号「30c」で示し、下側の端部30を符号「30d」で示している。また、以下の説明では、封止基板23の左側の端部30aを、単に、「左側端部30a」と記し、右側の端部30bを、単に、「右側端部30b」と記す。
【0024】
また、図3に示すように、一対の走査線ドライバ11は、発光エリア8を介して非発光エリア10上の上下に設けられている。各走査線ドライバ11は、走査線12を介して各画素9の前記駆動回路15(図4参照)に電気的に接続されている。各走査線ドライバ11は、m本の走査線12のうちの一本の走査線12に選択信号(走査信号)を出力するとともに他の走査線12には非選択信号を出力することで、その選択信号(走査信号)が供給された走査線12に対応したm個の画素9を選択する。そして、各走査線ドライバ11は、選択信号(走査信号)を、順次、他の走査線12に出力することで、全ての走査線12を順次選択する。
【0025】
フレキシブル回路基板7は、発光エリア8を介して非発光エリア10上の左右側に2個ずつ、合計4個設けられている。各フレキシブル回路基板7上には、データ線ドライバ24が実装されている。各フレキシブル回路基板7は、画素基板6の光出射面2Aと反対側の面(プリント基板5側の面)2Bの左右両側部にて、その基端部24aが異方性導電フィルム(ACF)によって接続されている。そして、各フレキシブル回路基板7は、ディスプレイ部4がカバープレート3に取り付けられている状態においては、図2に示すように、画素基板6の左右端に沿ってプリント基板5側に、同プリント基板5上に載るように折り返されている。
【0026】
データ線ドライバ24は、その基端部24a及びデータ線13を介して各画素9の前記駆動回路15(図4参照)に電気的に接続されている。
そして、データ線ドライバ24は、走査線ドライバ11が出力した選択信号(走査信号)によって選択された行の画素9に対して、その各有機EL素子14のデータ信号を出力する。このデータ信号は、データ線13を介して薄膜トランジスタ16(図5参照)に供給され、前記画素電極17から正孔輸送層18を介して各発光層19に注入されるキャリア密度を決定する信号である。そして、このデータ信号によって、各有機EL素子14の発光輝度が決定される。
【0027】
また、各走査線ドライバ11及びデータ線ドライバ24は、図示しない制御回路に電気的に接続され、該制御回路から出力される制御信号によってその駆動が制御されるようになっている。そして、前記制御回路から出力される各種制御信号によって所定のタイミングで走査線ドライバ11から走査信号が出力されるとともに、データ線ドライバ24からデータ信号が出力される。その結果、各画素9が駆動されて、有機EL素子14がデータ信号に基づいた輝度で発光することで、発光エリア8上にデータ信号に基づいた所望の画像が表示される。そして、その画像がガラス基板Sを透過してカバープレート3側に出射される。つまり、ディスプレイ部4は、所謂ボトムエミッション型の有機ELディスプレイであって、そのガラス基板Sのカバープレート3側が光出射面2Aである(図5参照)。
【0028】
図1に示すように、プリント基板5は、略長方形状を成しており、ディスプレイ部4とほぼ同じ大きさである。放熱板25は、熱伝導性の優れた材料で構成されており、本実施形態では、アルミニウムで構成されている。放熱板25は、ディスプレイ部4にて発せられた熱を吸収し外部に放出するためのものである。放熱板25は、封止基板23の全面に密着するように、(図示しない)熱伝導性の高い両面テープ等により連結されている。
【0029】
図1及び図2に示すように、カバープレート3は、画素基板6の表面を覆うようにして取り付けられている。カバープレート3は、その略中央に開口部27を備えている。この開口部27は、ディスプレイ部4の発光エリア8とほぼ同じ大きさである。開口部27は、有機EL素子14にて発せられた光を外部へ導くための開口部である。つまり、発光エリア8上に表示された画像は、開口部27内に視認される。そして、この開口部27の周辺のカバープレート3は、画素基板6(ガラス基板S)の光出射面2Aに直接接触するようにして(図示しない)両面テープ等により取り付けられている。
【0030】
また、カバープレート3は、開口部27を介して封止基板23の左側端部30aよりも左側の領域、及び、右側端部30bよりも右側領域では、それぞれ画素基板6(ガラス基板S)の光出射面2Aに接触していない一対の非接触部31a,31bを備えている。
【0031】
詳しくは、図2に示すように、カバープレート3は、封止基板23の左側端部30aに対応した画素基板6(ガラス基板S)の光出射面2A上の位置Pa、及び、右側端部30bに対応した画素基板6の光出射面2A上の位置Pbにて、光出射面2Aから離間するように、図2中矢印で示した光出射方向に向かって屈曲している。この光出射方向とは、光出射面2Aに対して垂直な方向である。
【0032】
そして、カバープレート3は、その光出射面2A上の位置Paよりも左側、及び、位置Pbよりも右側では、それぞれ光出射面2Aから一定の距離だけ離間した状態を維持するように、光出射面2Aと平行になるようにそれぞれ左右外側方向に向かって屈曲している。そして、さらに、画素基板6(ガラス基板S)の左右両端部では、カバープレート3は、表示パネル2の左右両端部をカバーするようにプリント基板5に向かって屈曲している。つまり、カバープレート3は、封止基板23の端部30a,30bよりも左右外側に対応した位置にて、画素基板6(ガラス基板S)に直接接触せずに、光の出射方向に凸形状に盛り上った形状を成している。
【0033】
次に、以上のように構成された表示装置1の作用について図6に従って説明する。
図6(a)は、封止基板23の左側端部30aに対応して設けられたカバープレート3の非接触部31a周辺付近の表示装置1の上面図であり、図6(b)は、カバープレート3に外部からプリント基板5に向かう力Fが加えられた場合の非接触部31a周辺付近の表示装置1の上面図である。
【0034】
図6(a)に示した表示装置1は、カバープレート3に外部から力が加えられていない場合である。従って、位置Paよりも左側の光出射面2Aでは、カバープレート3は、画素基板6(ガラス基板S)に接触せずに、光出射面2Aと一定の距離だけ離間した状態のまま、つまり、光出射面2Aと平行に画素基板6(ガラス基板S)の左端部に向かって延設している。そして、カバープレート3は、画素基板6(ガラス基板S)の左端部にてプリント基板5に向かって垂直に屈曲している。
【0035】
そして、カバープレート3に、外部からプリント基板5に向かう力Fが加えられると、図6(b)に示すように、カバープレート3は、非接触部31aと画素基板6(ガラス基板S)の光出射面2Aとの間の間隙に入り込むようにして撓む。このとき、前記と同様に、位置Paよりも左外側の光出射面2Aにカバープレート3は接触しない。このため、力Fのカバープレート3に対する作用点は、光出射面2A上の位置Paのままである。
【0036】
尚、封止基板23の右側端部30bに対応して設けられたカバープレート3の非接触部31bにおいても、前記と同様であり、外部からプリント基板5に向かう力Fが加えられた場合であっても、その位置Pbよりも右外側の光出射面2Aにカバープレート3が接触することはない。従って、力Fのカバープレート3に対する作用点は、光出射面2A上の位置Pbのままである。
【0037】
以上のように構成された表示装置1によれば、以下のような効果を奏する。
(1) 本実施形態では、カバープレート3は、封止基板23の左側端部30aよりも左側の領域に対応した画素基板6(ガラス基板S)に接触しないように凸形状に盛り上った形状をした非接触部31aを設けた。従って、カバープレート3に外部から力Fが加えられても、力Fの作用点は光出射面2A上の位置Paのままである。そして、この作用点が位置する画素基板6(ガラス基板S)の光出射面2A上の位置Paは、画素基板6(ガラス基板S)と封止基板23とが重なり合った位置であるので強固である。その結果、画素基板6(ガラス基板S)の、封止基板23の左側端部30aよりも左側の領域が破損するのを防止することができる。
(2) 本実施形態では、カバープレート3は、封止基板23の右側端部30bよりも右側の領域に対応した画素基板6(ガラス基板S)に接触しないように凸形状に盛り上った形状をした非接触部31bを設けた。従って、カバープレート3に外部から力Fが加えられても、力Fの作用点は光出射面2A上の位置Pbのままである。そして、この作用点が位置する画素基板6(ガラス基板S)の光出射面2A上の位置Pbは、画素基板6(ガラス基板S)と封止基板23とが重なり合った位置であるので強固である。その結果、画素基板6(ガラス基板S)の、封止基板23の右側端部30bよりも右側の領域が破損するのを防止することができる。
(3) 従って、本実施形態では、カバープレート3に外部からプリント基板5に向かう力Fが加えられても、画素基板6(ガラス基板S)の左右両側が破損するのを防止することができるので、堅牢な表示装置1を実現することができる。
(4) 本実施形態では、非接触部31a,31bを、カバープレート3の左右両側にのみ設けるようにした。そして、この非接触部31a,31bは、それぞれ光出射方向に凸形状に盛り上った形状である。従って、各非接触部31a,31bは、例えば、プレス加によって簡単に形成することができる。この結果、複雑な加工を施すことなく、簡単に、堅牢な表示装置1を製造することができる。
(5) 本実施形態では、電気光学素子として、有機エレクトロルミネッセンス素子14を使用した。従って、発光エリア8内に表示される各種画像を高輝度・高精彩なものにすることができる。
(6) 本実施形態では、電気光学素子として有機エレクトロルミネッセンス素子14をインクジェット法により形成するようにした。従って、材料の使用量を少なくして高品位の画像を表示させることができる。
【0038】
(第2実施形態)
次に、上記第1の実施形態の表示装置1を、移動体としての自動車等の車両の表示モジュールとしてのインストルメントパネルに適応した場合について、図7及び図8に従って説明する。
【0039】
図7及び図8は、それぞれ、表示装置1を、移動体としての自動車等の車両40に搭載されたインストルメントパネル41に設けた場合の様子である。この場合、上記したカバープレート3上に、図7に示すような化粧板42が取り付けられている。
【0040】
詳しくは、図7に示すように、化粧板42は、その中央に円形状の貫通孔43が形成されている。そして、図8に示すように、この貫通孔43に対向した位置に上記した表示装置1の開口部27が位置するように、カバープレート3を化粧板42に取り付けられている。つまり、カバープレート3の非接触部31a,31bが化粧板42の裏面に接するようにして表示装置1が化粧板42に固定される。
【0041】
また、本実施形態においては、図示しない制御回路から各データ線ドライバ24に対して車両40の情報データとしての車速データが供給されるようになっている。そして、データ線ドライバ24は、その車速データに基づいて作成された画像データを作成し、その画像データをデータ信号としてデータ線13(図3参照)を介して有機EL素子14に供給されるようになっている。
【0042】
このように構成されたインストルメントパネル41は、発光エリア8上には、前記画像データに基づいて車速をアナログ表示するスピードメータの画像81が表示される。そして、そのスピードメータの画像81が貫通孔43を介して視認される。
【0043】
以上のように構成された第3実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
(1) 本実施形態では、カバープレート3に化粧板42に取り付けるようにしてインストルメントパネル31を構成した。従って、インストルメントパネル31を介してカバープレート3に力が加わっても、表示装置1の画素基板6(ガラス基板S)が破損することはない。この結果、例えば、インストルメントパネル41を車両40に取り付ける場合において、インストルメントパネル41に力を加えてもその表示装置1を破損させることなく、インストルメントパネル41を車両40に取り付けることができる。
(2) 本実施形態では、電気光学素子として有機EL素子14を使用したので、発光エリア8内に表示されるスピードメータの画像を高輝度・高精彩なものにすることができる。
【0044】
尚、この発明は以下のように変更して具体化することもできる。
・上記第1実施形態では、電気光学素子として有機エレクトロルミネッセンス素子14を用いたが、無機エレクトロルミネッセンス素子(無機EL素子)を用いた場合であってもよい。また、無機エレクトロルミネッセンス素子(無機EL素子)は、例えば、蒸着法やスパッタ法を用いて形成されたものであってもよい。このようにすることで、信頼性を向上させることが出来る。
【0045】
・上記第1実施形態では、非接触部をカバープレート3の左右両側にのみ設けるようにしたが、カバープレート3の上側、下側、左側及び右側にそれぞれ設けるようにしてもよい。詳しくは、カバープレート3上の、開口部27を介して封止基板23の上側の端部30cよりも上側の領域、及び、封止基板23の下側の端部30dよりも下側の領域にて対応する位置に非接触部を設けるようにする。
【0046】
このようにすることで、加えられた力Fによって、画素基板6(ガラス基板S)の、封止基板23の上側端部30cよりも上側、及び下側端部30dよりも下側の領域にあるガラス基板Sが破損するのを防止することができる。
・上記第1実施形態では、1枚のカバープレートを用いて、カバープレート3を屈曲させることにより、光出射面2Aから一定の距離だけ離間した状態を維持するようにしているが、2枚以上のカバープレートを組み合わせ、離間した空間を作ってもよい。
【0047】
・上記第1及び第2実施形態では、画素基板6は、ガラス基板Sで構成されていたが、ガラス以外の、例えば、酸化マグネシウム(MgO)で構成された基板であってもよい。
・上記第3実施形態では、発光エリア8上には、車両40のスピードメータの画像が表示されるようになっているが、そうではなく、例えば、エンジン回転数をアナログ表示するタコメータの画像が表示されるようになっていてもよい。また、カーナビゲーション装置の地図情報等の画像が表示されるようになっていてもよい。
【0048】
・上記第1及び第2実施形態では、ディスプレイ部4は、電気光学素子として有機EL素子14を使用した、所謂有機ELディスプレイであるが、これに限定されるものではなく、他の電気光学素子を使用したものであってもよい。たとえば、ディスプレイ部4は、放電を用いた蛍光型のプラズマディスプレイに用いるディスプレイ、電子放出素子を用いたディスプレイ(FED)やSED(Surface−Conduction Electron−Emitter Display)に用いるディスプレイであってもよい。また、ディスプレイ部4は、電気光学素子として液晶素子を使用した、所謂液晶ディスプレイであってもよい。
【0049】
・上記第1及び第2実施形態では、エレクトロルミネッセンス素子として有機EL素子14を用いた画素基板6について説明したが、無機EL素子を用いた画素基板、及びこれを用いた移動体のインストルメントパネルにも適用可能である。
【0050】
・上記第3実施形態では、移動体といして自動車等の車両40を一例として説明したが、本発明は、自動車等の車両40以外に、航空機、船舶、電車等の移動体のインストルメントパネルや計器盤に搭載して、各種のメータ等の計器を画像表示するのに広く適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】表示装置の分解斜視図。
【図2】表示装置の上面図。
【図3】ディスプレイ部の正面図。
【図4】発光エリアの詳細を説明するための図。
【図5】画素のa−a線断面図。
【図6】(a)及び(b)は、それぞれ、表示装置の作用を説明するための図。
【図7】インストルメントパネルが搭載された車両内部を示す斜視図。
【図8】インストルメントパネルの上面図。
【符号の説明】
【0052】
1…表示装置、3…カバープレート、6…画素基板、8…画素形成領域としての発光エリア、9…画素、14…電気光学素子としての有機エレクトロルミネッセンス素子、23…封止基板、27…開口部、30a,30b,30c,30d…封止基板の端部、31a,31b…非接触部、41…移動体の表示モジュールとしてインストルメントパネル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気光学素子を有する画素が複数形成された画素形成領域を備えた画素基板と、前記画素形成領域を封止する封止基板と、前記画素基板を覆うカバープレートとを備えた表示装置において、
前記カバープレートは、前記封止基板が配置された領域の外側の領域では、前記画素基板と接触しない非接触部を有することを特徴とする表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の表示装置において、
前記非接触部は、前記画素基板の左右側に対応した位置に形成されていることを特徴とする表示装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の表示装置において、
前記画素基板は、ガラスで構成されていることを特徴とする表示装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一つに記載の表示装置において、
前記電気光学素子は、エレクトロルミネッセンス素子であることを特徴する表示装置。
【請求項5】
請求項1乃至4に記載の表示装置において、
前記カバープレートは、前記画素形成領域に対応する位置に前記電気光学素子にて発せられた光を外部へ導く開口部を備えていることを特徴とする表示装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一つに記載の表示装置を備えたことを特徴とする表示モジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−323145(P2006−323145A)
【公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−146462(P2005−146462)
【出願日】平成17年5月19日(2005.5.19)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】