説明

表示装置

【課題】複数の表示手段を用いた表示装置において、簡単な構成で非表示領域を低減することができる表示装置を提供する。
【解決手段】表示部112を備えた表示パネル11と、表示部122と当該表示部122の外周に位置する非表示部123とを備えた表示パネル12とを有し、表示パネル11の表示部112の表示面の一部は、表示パネル12の非表示部123と対向し、表示パネル12の非表示部123のうち、表示部112の表示面と対向する部分に、表示部112からの光を透過する透過部124とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば表示パネル等の複数の表示手段を組み合わせて構成される表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶ディスプレイや有機EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、さらにはペーパーライクディスプレイいわゆる電子ペーパーと呼ばれるフラットディスプレイの研究開発が盛んに行われている。
【0003】
特に液晶ディスプレイは既に様々な用途で幅広く実用化されている。
例えば屋内ではCRT(Cathode Ray Tube)に替わるテレビとしてのディスプレイとして普及しつつある。屋外においても、ノートPC(パーソナルコンピュータ)、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯電話、ビデオカメラ、デジタルカメラ、電子辞書等モバイル機器で幅広く使用されている。
さらに、有機ELディスプレイは一部のモバイル機器で既に実用化されており、電子ペーパーにおいても、電子書籍として実用化の目処がついている。
【0004】
これらのディスプレイはフラットであるというメリットを生かして、モバイル機器への用途には欠かせないものとなっている。
一方、近年の記録メディアの大容量化、信号処理プロセッサの高速化や、インターネット、電話、放送等の通信の高速化等による技術の発展により大量の情報の送受信が可能となり、出力ヒューマンインターフェースとしてのディスプレイは、一度に多くの情報を閲覧できるように、高解像度や大型化が望まれている。
【0005】
しかしながら、モバイル機器のディスプレイとして大型化を追求した場合、機器そのものが大型化してしまうことから、機器の小型化とディスプレイの大型化を両立させるためには、ディスプレイをコンパクトに収納できることが必要となる。例えば、折り畳むことによってコンパクト化を図る方法がある。
しかし、表示エリアの縁部が、折り畳みの境界部分に位置するため、この部分の情報が失われる。これに対して境界部分の非表示領域を低減させる表示装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−229485号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した表示装置では、光ファイバー等の導光部が必要となり、折り畳み状態で、導光部の厚みの分だけ体積が大きくなり重くなる。また、この導光部を形成するという煩雑な工程が必要である。
【0007】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数の表示手段を用いた表示装置において、簡単な構成で非表示領域を低減することができる表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、本発明の表示装置は、第1の表示部を備えた第1の表示手段と、第2の表示部と当該第2の表示部の外周に位置する非表示部とを備えた第2の表示手段とを有し、前記第1の表示手段の前記第1の表示部の表示面の一部は、前記第2の表示手段の前記非表示部と対向し、前記第2の表示手段の前記非表示部のうち、前記第1の表示部の前記表示面と対向する部分に、前記第1の表示部からの光を透過する透過部を備える。
【0009】
本発明の表示装置では、第1の表示部からの光は、前記第2の表示手段の前記非表示部のうち、第1の表示部の前記表示面と対向する部分に形成された透過部を介して透過する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の表示装置によれば、複数の表示手段を用いた表示装置において、簡単な構成で非表示領域を低減することができる表示装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1は、複数のパネルを有する一般的な表示装置の正面図である。図1に示すように、一般的な表示装置1zでは、パネルAとパネルBの2つのパネルが並べて配置され、パネルA,Bの境界部分付近で額縁部分が非表示エリアとなり、このエリアで映像情報が失われてしまう。
【0012】
本発明に係る表示装置は、例えば、第1の表示部を備えた第1の表示手段と、第2の表示部と当該第2の表示部の外周に位置する非表示部とを備えた第2の表示手段とを有し、第1の表示手段の第1の表示部の表示面の一部は、第2の表示手段の非表示部と対向し、第2の表示手段の非表示部のうち、第1の表示部の表示面と対向する部分に、第1の表示部からの光を透過する透過部を設ける。
つまり、複数のパネルで構成される表示装置において、パネルの額縁部分を重ね合わせることによって、境界部の非表示エリアを低減させる。
【0013】
以下、本発明に係る表示装置の一実施形態を図面を参照しながら説明する。
〔第1実施形態〕
図2は、本発明の第1実施形態に係る表示装置の正面図である。図3は、図2に示した表示装置の断面図である。
本実施形態に係る表示装置1は、例えば図2,3に示すように、表示盤(表示パネル)11、および表示盤(表示パネル)12を有する。
【0014】
表示パネル11は本発明に係る第1の表示手段の一例に相当し、表示パネル11は本発明に係る第2の表示手段の一例に相当する。
【0015】
表示パネル11は、例えば図2,3に示すように、基板111、表示部112、および非表示部113を有する。
本実施形態では、表示パネル11において、基板111の上面側、つまり表示パネル12と対向する面側、中央部に表示部112が形成されている。
非表示部113は、表示部112の外周部に形成されている。
【0016】
表示パネル12は、表示パネル11の表示面側に位置する。つまり表示パネル12は、表示パネル11の表示面側に重ね合うように保持される。
【0017】
表示パネル12は、例えば図2,3に示すように、基板121、表示部122、非表示部123、および透過部124を有する。
基板121は、例えば光を透過する部材、詳細にはガラスや、プラスチック、フィルム等の部材により構成されることが好ましい。
【0018】
本実施形態では、表示パネル12において、図2,3に示すように、基板121の上側、つまり表示パネル11と対向する面の他方の面側、中央部に表示部122が形成されている。
上述した表示部112や表示部122は、例えば液晶表示装置や、有機エレクトロルミネッセンス(EL)表示装置等の表示装置により構成される。
また、表示部112や表示部122は、液晶表示装置を採用した場合、透過型、反射透過型、または半透過型液晶表示装置であってもよい。この際、表示部112や表示部122は、アクティブ駆動型またはパッシブ駆動型表示装置等の所望の駆動方式により表示する表示装置でもよい。
【0019】
非表示部123は、例えば表示部122の外周部(周辺部)に形成されている。
透過部124は、表示パネル12の非表示部123のうち、表示パネル11の表示部112の表示面と対向する部分に形成され、表示部112からの光を透過する。
【0020】
詳細には、透過部124は、表示パネル11と表示パネル12とが重なり状態において、表示パネル11の表示部112の重なった領域からの光を、表示装置1と対向する面から、他方の対向する面の方向に透過する。
【0021】
この透過部124は、例えば光を透過する部材、詳細にはガラスや、プラスチック、フィルム等の部材により構成されることが好ましい。また、透過部124の透過率は高いほど好ましく、例えば50%〜100%程度であることが好ましい。
また、透過部124は、基板121と一体形成されていてもよいし、別に基板121に隣接して形成してもよい。透過部124と基板121とを一体形成した場合には、より簡単な構成となり好ましい。
【0022】
また、非表示部123のうち透過部124以外に、表示部122の表示に係る回路が形成されている。
例えば透過部124には、基板の配線やアイランドパターンが形成されていない。
こうすることにより表示部112からの光が配線やアイランドパターンに邪魔されることなく出射することで、透過部124の表面に高画質の画像を表示することができる。
【0023】
また、表示パネル11と表示パネル12は、例えば図2,3に示すように水平方向に並べて配置する。
詳細には、表示パネル11と表示パネル12の境界部分BD付近では、表示部112の端部112Lと表示部122の端部122L、例えば図2,3に示すように、表示面側の正面hから視認した場合に重なるように配置することが好ましい。こうすることにより、境界部分BDの非表示エリアを低減、さらには非表示エリアをなくすことができる。
【0024】
以上の構成により、例えば表示パネル11の表示部112の表示面の一部分112aは、表示パネル12の非表示部123と対向する。
表示パネル11の表示部112の表示面の一部分112aから出射される光は、表示パネル12の非表示部123と重ね合った透過部124を介して表示面側に出射する。
【0025】
詳細には、透過部124において、表示パネル11と対向する面から他方の対抗する面の方向に、表示パネル11の表示部112の表示面の一部分112aからの光が出射する。
【0026】
さらに、表示面側の正面hから視認した場合に、表示パネル11と表示パネル12の境界部分BD付近では、表示部112の端部112Lと表示部122の端部122Lが重なるように配置しているので、表示パネル11の表示部112の表示面と、表示パネル12の表示部122の表示面と、透過部124による表示面とにより連続した大きな表示画面となる。
【0027】
以上、説明したように、複数の表示パネル11,12を用いた表示装置において、簡単な構成で非表示エリアを低減することができる。
【0028】
また、例えば表示部112や表示部122の表面に偏光フィルム等の導光部を設けることがないので、表示パネルの厚みを低減することができる。
【0029】
〔第2実施形態〕
本発明の第2実施形態に係る表示装置1aは、第1実施形態と略同様の構成であり、相違点は透過部124による光の透過率分の輝度低下を補正する点である。以下、一具体例を図面を参照しながら説明する。
【0030】
図4は、本発明の第2実施形態に係る表示装置の電気的な機能ブロック図である。
本実施形態に係る表示装置1aは、例えば図4に示すように、表示パネル11,12、電源回路15、記憶部(メモリ)16、位置検出センサ17、および映像信号処理部(制御部)18を有する。
位置検出センサ17は本発明に係る検出手段の一例に相当し、映像信号処理部18は本発明に係る制御手段の一例に相当する。
【0031】
表示パネル11,12は、上述した実施形態と同じ構成なので説明を省略する。
電源回路15は、例えばバッテリから供給される電流や電圧を、表示パネル11や表示パネル12に、所定の電圧や電流に変換して供給する。
【0032】
メモリ16は、例えばRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等の記憶装置である。
メモリ16は、例えば、本発明に係る機能を有するプログラムPRGや設定情報DT等を記憶する。
設定情報DTは、例えば透過部124の透過率や、基板111、基板121等の透過率などの表示パネル11や表示パネル12に関する情報である。
プログラムPRGや設定情報DTは、例えば不図示のユーザにより操作される入力部からの信号に応じて変更や設定が可能である。
【0033】
位置検出センサ17は、例えば表示パネル11と表示パネル12の重なりを検出し、検出結果を示す信号S17を出力する。
位置検出センサ17は、例えばポテンショメータや光センサ等の検出素子により構成され、検出結果を示す信号S17を電源回路15や映像信号処理部18に出力する。
【0034】
映像信号処理部18は、例えばメモリ16に記憶されているプログラムPRGや設定情報DTに基づいて、表示パネル11や表示パネル12に映像信号を出力する。
【0035】
例えば映像信号処理部18は、透過部の透過率を示す設定情報DTに基づいて、表示パネル11や表示パネル12に出力する映像信号の表示処理や補正処理等を行う。
【0036】
本実施形態では、映像信号処理部18は、入力された映像信号に、透過部の透過率を示す設定情報DTに基づいて、表示パネル11の表示面の一部112aから透過部124を介して出射する光の輝度と、透過部124を介さずに出射する表示部112からの光の輝度、または表示部122の表示面からの光の輝度が略一定となるように表示処理を行う。
【0037】
以上の構成によれは、映像信号処理部18は、透過部124の透過率に基づいて、表示部112または表示部122に出力する映像信号の補正処理を行い、表示部112および表示部122は、映像信号処理部18により補正処理が施された映像信号に応じた表示を行うので、透過部124による透過率分の輝度の低下が補正される。また、表示部112、透過部124、および表示部122により構成された表示画面は略一定の輝度となる。
【0038】
〔第3実施形態〕
本発明の第3実施形態に係る表示装置1bは、検出手段による検出結果に基づいて、表示パネル11や表示パネル12の表示部の表示処理を行う。
その他の構成は上述した実施形態と略同様であるので説明を省略し、相違点のみ説明する。
【0039】
例えば映像信号処理部18は、位置検出センサ17による検出結果に基づいて表示パネル11や表示パネル12の表示部112,122の表示処理を行う。
具体的には、映像信号処理部18は、位置検出センサ17による検出結果に基づいて、表示エリアの大きさやアスペクト比に適合した画像を表示部112や表示部122に表示させる。
【0040】
図5は、本発明の第3実施形態に係る表示装置を小型化(コンパクト化)した状態の断面図である。図6(A)は、図5に示した表示装置の小型化した状態の正面図、図6(B)は、図3に示したように展開時の表示装置の正面図である。
【0041】
本実施形態の表示装置1bは、展開時に表示パネル11および表示パネル12を、例えば図2,3、6(B)に示すような状態に設定し、コンパクト化時には、図5,6(A)に示すように、重ね合わせることにより小型化状態に設定することができる。
【0042】
映像信号処理部18は、例えば図5〜6に示すように、位置検出センサ17による検出結果に基づいて、表示部112および表示部122の表示エリアの大きさやアスペクト比に適した画像の大きさやアスペクト比となるように表示処理を行う。
また、映像信号処理部18は、例えば同じ映像信号に対して、図6(A)に示すように、表示パネル12に表示させる画像を90度回転させて、さらにアスペクト比をそれぞれの状態に合うように調節して表示処理を行う。
【0043】
図7(A)は、図6(A),(B)に示した表示装置の展開中の状態を示す図である。図7(B)は、図6(B)に示した展開時の表示装置の正面図である。
例えば図7(A)は、アスペクト比が4対3であり、図7(B)は、例えばアスペクト比が16対9のワイド表示である。
映像信号処理部18は、入力された映像信号に、上述したように位置検出センサ17による検出結果に基づいて、表示パネル11と表示パネル12によるアスペクト比に応じた表示画面となるように表示処理を行う。
【0044】
この際、例えば映像信号処理部18は、表示パネル11の表示部112の表示面のうち、表示部122と対向する領域AR112の画像表示を抑止する。つまり、表示部112の表示画面のうち、表示部122と重なる部分の画像表示を抑止(非表示)する。
【0045】
図8は、本発明の第3実施形態に係る表示装置の動作の一具体例を説明するためのフローチャートである。図8を参照しながら、表示装置の動作を、映像信号処理部18の動作を中心に説明する。
【0046】
ステップST1において、映像信号処理部18は、位置検出センサ17から出力された、可動する2つの表示パネル11,12の重なりを示す検出信号S17に基づいて、コンパクト化されているか否かを判別する。
【0047】
ステップST1の判別において、コンパクト化されていると判別した場合には、つまり表示パネル11と表示パネル12が重なり合い最小の表示画面状態である場合には、映像信号処理部18は、表示パネル11の表示部112を非点灯とする(ST2)。
詳細には、例えば映像信号処理部18は、表示パネル11の表示部112に出力する映像信号を抑止する。また、電源回路15は、位置検出センサ17からの検出信号S17に基づいて表示パネル11の表示部112に供給する電圧を抑止して、表示部112を非点灯とする。
【0048】
また、映像信号処理部18は、映像信号に90度回転表示処理を施して、表示パネル12の表示部122に、90度回転した画像を表示させる。
【0049】
一方、ステップST1において、コンパクト化されていないと判別した場合には、表示パネル11と表示パネル12の重なり状態に応じた表示処理を行う。
詳細には、ステップST3において、例えば映像信号処理部18は、位置検出センサ17からの検出信号に基づいて、表示部112、透過部124、および表示部122により構成される表示画面が所定のアスペクト比、例えば4:3であるか否かを判別し、アスペクト比が4:3であと判別した場合は、そのアスペクト比に適した表示処理を施して、表示部112および表示部122に例えば図7(A)に示すような表示を行わせる(ST4)。
この際、映像信号処理部18は、上述したように、表示パネル11の表示部112の表示面のうち、表示部122と対向する領域AR112の画像表示を抑止する。
【0050】
一方、ステップST3において、表示部112、透過部124、および表示部122により構成される表示画面のアスペクト比が4:3ではなく、より重なり領域が小さい状態、例えば図7(B)に示すようにワイド状態の場合には、映像信号処理部18はワイド表示を行う(ST5)。
【0051】
以上、説明したように本実施形態では、映像信号処理部18は、表示部112と表示部122の重なりを検出する位置検出センサ17からの検出結果を示す信号に基づいて、表示部112と表示部122の表示処理、詳細には表示部112、透過部124、および表示部122により構成される表示画面の大きさやアスペクト比に応じた表示処理を行うので、表示パネルの重なりに応じた表示を行うことができる。
【0052】
〔第4実施形態〕
図9は、本発明の第4実施形態に係る表示装置を示す正面図である。
例えば図2に示した第1実施形態では図に向かって縦方向に表示パネル11,12を配置したが、本実施形態に係る表示装置1cは、図に向かって横方向に表示パネル11,12を配置することによって1つの大きな表示画面を構成する点である。
また、第1実施形態と同様に表示パネル11と表示パネル12は可動して重なる領域の大きさを可変することができる。その他は同様なので説明を省略する。
こうすることにより折り畳み時(コンパクト化時)には、第1実施形態と比べて長手方向に長くなり、アスペクト比が大きくなる。
【0053】
〔第5実施形態〕
図10は、本発明の第5実施形態に係る表示装置を示す正面図である。
本実施形態に係る表示装置1dは、複数の表示パネル、例えば3つの表示パネル11〜13が、図に向かって水平方向に並べて配置されることによって、1つの大きな表示画面を構成する。
【0054】
詳細には、第5実施形態と第1実施形態との相違点は、第5実施形態は表示パネル13をさらに設けた点である。
表示パネル13は、基板131、表示部132、非表示部133、および透過部134を有する。
各構成要素それぞれは、表示パネル12と略同様な構成であるので説明を省略する。
また、表示パネル11〜13それぞれは、第1実施形態と同様に可動して重なる領域の大きさを可変することができる。
【0055】
上述したように表示装置を複数の表示パネルにより構成してもよい。こうすることによりコンパクト化時には、より表示画面が小さく、展開時にはより大きな表示画面となる。
【0056】
〔第6実施形態〕
図11は、本発明の第6実施形態に係る表示装置の断面図である。
本実施形態に係る表示装置1eは、反射防止部19を有する。その他の構成は、第1実施形態と略同様であるので、説明を省略する。
反射防止部19は、本発明に係る反射防止手段の一例である。
【0057】
例えば表示部112と透過部124との間に隙間等があると、その隙間の空気等による屈折率の変化により、その境界部で外光や表示部112からの光の乱反射等が生じて、透過部124を介した表示部112の画像の画質が低下する場合がある。
【0058】
このため、本実施形態に係る表示装置1eは、少なくとも表示部112と透過部124との間に反射防止部19を設ける。
反射防止部19は、例えば図11に示すように、境界付近の重なり部分の外光反射を軽減するために、表示部112と透過部124との間、好ましくは表示パネル11と表示パネル12との重なり領域に形成する。
反射防止部19は、例えば図11に示すように光を透過する透明シリコンゴムや反射防止フィルム等の光を透過する反射防止部材により構成される。
【0059】
また、反射防止部19は、例えば表示部112と透過部124との間の領域、好ましくは表示パネル11と表示パネル12との重なり領域に、表示パネル11または表示パネル12のどちらか一方に反射防止処理を施してもよい。
【0060】
上述したように表示部112と透過部124との間に反射防止部19を設けることにより、外光や表示部112からの光の乱反射等を軽減することができ、透過部124を介した表示部112の画像の画質が低下することがない。
また、映像信号処理部18は、上述した反射防止部19による表示部112からの光の低減を補うように表示処理を行うことで、より高画質の画像を表示することができる。
【0061】
〔第7実施形態〕
図12は、本発明の第7実施形態に係る表示装置の断面図である。
本実施形態に係る表示装置1fは、表示パネル11f、および表示パネル12fを有する。
表示パネル11fは、基板111の、表示面側と対向する面に表示部112が形成されている。
表示パネル12fは、基板121の、表示面側と対向する面に表示部122が形成されている。
【0062】
また、この際基板111,121は、光を透過する部材、例えば光を透過するガラス、プラスチック、またはフィルム等の部材により形成されている。
【0063】
本実施形態の映像信号処理部18は、表示部112,122が形成された基板111,121の透過率に基づいて、表示部112,122に出力する映像信号の補正処理を行う。
詳細には、本実施形態の映像信号処理部18は、メモリ16が記憶する、表示部112,122が形成された基板111,121の透過率を示す設定情報に基づいて、表示部112,122に出力する映像信号の補正処理を行う。
【0064】
具体的には、映像信号処理部18は、基板111および透過部124を介した表示部112からの光の輝度と、基板111を介した表示部112からの光の輝度、または基板121を介した表示部122からの光の輝度が、略一定となるように表示処理を行う。
【0065】
こうすることで、表示面側の正面hから視認した場合に、表示パネル11と表示パネル12および透過部124による表示画面の輝度が略一定となり、高画質に表示することができる。
【0066】
〔第8実施形態〕
図13は、本発明の第8実施形態に係る表示装置の断面図である。
本実施形態に係る表示装置1gは、表示パネル11g、および表示パネル12gを有する。
【0067】
表示パネル11gは、基板111において、表示部122と対向する面に表示部112が形成されている。
表示パネル12gは、基板121において、表示部112と対向する面に表示部122が形成されている。
【0068】
つまり、2つのパネルの表示画面の段差が低減し、基板111や基板121の厚みによる影響を低減することができる。
【0069】
また、本実施形態に係る映像信号処理部18は、表示部112からの光の輝度、透過部124を介した表示部112からの光の輝度、基板121を介した表示部122からの光の輝度を略一定とするように表示処理を行う。
【0070】
具体的には、表示パネル11g,12gで基板111,121に対して光の方向が異なるため、例えば表示部112,122のアノードもしくはカソード電極の透過率や基板の透過率、デバイス構造などにより表示パネル11g,12gは同じ映像信号に対して輝度が異なる場合が生じる。
この場合は、上述したように映像信号処理部18は、表示パネル11g,12gの発光効率の差分を、表示部112,122を信号レベルで補正する。
【0071】
例えば発光素子を備えた表示部112,122の場合には、映像信号処理部18は、同じ映像信号レベルに対して、表示部112,122内部、例えば画素回路内の発光素子の駆動トランジスタの電圧電流変換効率を、基板111,121、透過部124の透過率に応じた発光輝度で発光させる。
【0072】
こうすることにより、よりそれぞれの構成要素により構成される表示画面において輝度が略一定となり、表示装置1gは、より高画質の画像を表示することができる。
【0073】
次に、表示パネル11,12の重なる領域の大きさを変化させる可動部30を有する表示装置の一具体例を説明する。
〔第9実施形態〕
図14は、本発明の第9実施形態に係る表示装置の側面図である。図14(A)は表示装置の小型化した状態の一具体例を示す側面図である。図14(B)は、図14(A)に示した表示装置の展開中の状態を示す側面図である。図14(C)は、図14(A)に示した表示装置の展開時の装置の側面図である。
【0074】
可動部30は、例えば支持部31、支持部31を保持する保持部32を有する。
具体的には、支持部31は、例えば図14(A)〜(C)に示すように、表示パネル11,12それぞれに一つもしくは複数の支持部311〜314が設けられている。
【0075】
また、保持部32は、例えば図14(A)〜(C)に示すように、表示パネル11に設けられた支持部311、および表示パネル12に設けられた支持部313とを保持する保持部321と、表示パネル11に設けられた支持部312、および表示パネル12に設けられた支持部314とを保持する保持部322とを有する。
【0076】
上述した構成により、例えば支持部311〜314を軸として、保持部321,322が回動することにより、図14(A)〜(C)に示すように、表示パネル11,12が平行に移動して小型化状態(コンパクト化)および展開状態となる。
【0077】
以上、説明したように可動部30を設けることにより、簡単な構成で表示パネル11,12の重なり領域の大きさを変えることができる。
【0078】
〔第10実施形態〕
図15(A)〜(E)は、本発明の第10実施形態に係る表示装置の側面図である。
図15(A)は、表示パネル11の側面図、図15(B)は、表示パネル12の側面図、図15(C)は、中継部の側面図である。図15(D)は表示装置の小型化した状態の一具体例を示す側面図である。図15(E)は、図15(D)に示した表示装置の展開時の側面図である。
【0079】
本実施形態の表示装置1iは、可動部30として、表示パネル11,12を相対的に移動可能に保持する移動保持部34を備える。
移動保持部34は、例えば図15(A),(B)に示すように、表示パネル11,12の側面部に突起部33を備える。詳細には、図15(A)に示すように、表示パネル12の側面部の端部に突起部331、側面部の中央部に突起部332を設け、図15(B)に示すように、表示パネル11の側面部の中央部に突起部333、側面部の端部に突起部334を設ける。
【0080】
また、移動保持部34は、例えば図15(C)に示すように、表示パネル11,12の突起部33に係合する溝部が形成された中継部340を有する。
【0081】
中継部340には、例えば図15(C)に示すように溝部341、および溝部342が形成されている。
【0082】
以上の構成の表示装置1iは、例えば図15(D)に示すように、小型化(コンパクト化)状態では、溝部341に突起部331および突起部332が係合し、溝部342に突起部333および突起部334が係合する。
そして、図15(D),(E)に示すように、溝部341,342に沿って、突起部331〜334が係合した状態でスライドすることにより、2つの表示パネル11,12が相対移動(スライド)することにより、小型化(コンパクト化)状態や、展開状態に変形させることができる。
【0083】
以上、説明したように、表示パネル11,12を相対的に移動可能に保持する移動保持部34を設けたことにより、簡単な構成で表示パネル11,12の重なる領域の大きさを変化させることができる。
【0084】
〔第11実施形態〕
図16(A)〜(C)は、本発明の第11実施形態に係る表示装置の側面図である。
図16(A)は、小型化(コンパクト化)時の表示装置の側面図である。図16(B)は、図16(A)に示した表示装置の展開中の状態の側面図、図16(C)は、図16(A)に示した表示装置の展開時の側面図である。
【0085】
本実施形態に係る表示装置1jは、例えば表示パネル11,12に設けられ、当該表示パネル11,12を回動自在に支持する回転支持部40を含み、当該回転支持部40を軸として表示パネル11,12を折り畳み可能である。
【0086】
具体的には、回転支持部40は、例えば図16(A)に示すように、表示パネル11の端部に設けられた支持部41と、表示パネル12の端部付近に設けられ、支持部41と回動自在に係合する連結部42とを有する。
【0087】
上述した構成の表示装置1jは、例えば図16(A)に示すように、支持部41と連結部42とが係合して表示パネル11,12が折り畳まれた状態から、図16(B),(C)に示すように、支持部41を軸として表示パネル11,12を展開することが可能である。また、逆に小型化(コンパクト化)可能である。
【0088】
以上説明したように、本実施形態では、回動自在に表示パネル11,12とを支持する回転支持部40を設けたので、簡単な構成で表示パネル11,12の重なる大きさを変化させることができる。
【0089】
なお、本発明は本実施形態に限られるものではなく、任意好適な改変が可能である。
例えば、上述した実施形態を組み合わせて実施してもよい。
また、映像信号処理部18の動作フローは、上述した形態に限られるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0090】
例えば、表示パネル等の複数の表示手段を組み合わせて構成される表示装置に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】複数のパネルを有する一般的な表示装置の正面図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る表示装置の正面図である。
【図3】図2に示した表示装置の断面図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係る表示装置の電気的な機能ブロック図である。
【図5】本発明の第3実施形態に係る表示装置を小型化(コンパクト化)した状態の断面図である。
【図6】(A)は、図5に示した表示装置の小型化した状態の正面図、(B)は、図3に示したように展開時の表示装置の正面図である。
【図7】(A)は、図6(A),(B)に示した表示装置の展開中の状態を示す図である。(B)は、図6(B)に示した展開時の表示装置の正面図である。
【図8】本発明の第3実施形態に係る表示装置の動作の一具体例を説明するためのフローチャートである。
【図9】本発明の第4実施形態に係る表示装置を示す正面図である。
【図10】本発明の第5実施形態に係る表示装置を示す正面図である。
【図11】本発明の第6実施形態に係る表示装置の断面図である。
【図12】本発明の第7実施形態に係る表示装置の断面図である。
【図13】本発明の第8実施形態に係る表示装置の断面図である。
【図14】本発明の第9実施形態に係る表示装置の側面図である。(A)は表示装置の小型化した状態の一具体例を示す側面図である。(B)は(A)に示した表示装置の展開中の状態を示す側面図である。(C)は(A)に示した表示装置の展開時の装置の側面図である。
【図15】(A)〜(E)は、本発明の第10実施形態に係る表示装置の側面図である。(A)は、表示パネル11の側面図、(B)は、表示パネルの側面図、(C)は中継部の側面図である。(D)は表示装置の小型化した状態の一具体例を示す側面図である。(E)は(D)に示した表示装置の展開時の側面図である。
【図16】(A)〜(C)は、本発明の第11実施形態に係る表示装置の側面図である。(A)は、小型化(コンパクト化)時の表示装置の側面図である。(B)は(A)に示した表示装置の展開中の状態の側面図、(C)は(A)に示した表示装置の展開時の側面図である。
【符号の説明】
【0092】
1…表示装置、11,12…表示パネル、15…電源回路、16…記憶部(メモリ)、17…位置検出センサ、18…映像信号処理部(制御部)、19…反射防止部、30…可動部、111…基板、112…表示部、113…非表示部、121…基板、122…表示部、123…非表示部、124…透過部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の表示部を備えた第1の表示手段と、
第2の表示部と当該第2の表示部の外周に位置する非表示部とを備えた第2の表示手段と
を有し、
前記第1の表示手段の前記第1の表示部の表示面の一部は、前記第2の表示手段の前記非表示部と対向し、
前記第2の表示手段の前記非表示部のうち、前記第1の表示部の前記表示面と対向する部分に、前記第1の表示部からの光を透過する透過部を備える
表示装置。
【請求項2】
前記透過部の透過率に基づいて、前記第1の表示部または第2の表示部に出力する映像信号の補正処理を行う制御手段を有し、
前記第1または第2の表示部は、当該制御手段により補正処理が施された映像信号に応じた表示を行う
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記第1または第2の表示部が形成された基板の透過率に基づいて、前記第1または第2の表示部に出力する映像信号の補正処理を行う
請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記透過部を介した前記第1の表示部からの光の輝度と、前記第1の表示部からの光の輝度、または前記第2の表示部からの光の輝度が略一定となるように表示処理を行う
請求項2に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第1および第2の表示手段の重なりを検出する検出手段とを有し、
前記制御手段は、前記検出手段による検出結果に基づいて前記第1または第2の表示部の表示処理を行う
請求項2に記載の表示装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記第1の表示手段の第1の表示部の表示面のうち、前記第2の表示部と対向する領域の画像表示を抑止する
請求項2に記載の表示装置。
【請求項7】
前記非表示部のうち前記透過部以外に、前記第2の表示部の表示に係る回路が形成されている
請求項1に記載の表示装置。
【請求項8】
少なくとも前記第1の表示部と前記透過部との間に反射防止手段を有する
請求項1に記載の表示装置。
【請求項9】
前記第2の表示手段は、基板の第1の表示手段と対向する面に前記第2の表示部が形成されている
請求項1に記載の表示装置。
【請求項10】
前記第1の表示手段は、基板の第2の表示手段と対向する面に前記第1の表示部が形成されている
請求項1に記載の表示装置。
【請求項11】
前記第1および第2の表示手段の重なる領域の大きさを変化させる可動手段を備える
請求項1に記載の表示装置。
【請求項12】
前記可動手段は、前記第1および第2の表示手段を相対的に移動可能に保持する移動保持部を含む
請求項11に記載の表示装置。
【請求項13】
前記可動手段は、
前記第1および第2の表示手段を回動自在に支持する回転支持部を含み、
当該回転支持部を軸として前記第1および第2の表示手段を折り畳み可能である
請求項11に記載の表示装置。
【請求項14】
前記可動手段は、
前記第1および第2の表示手段に設けられた一つもしくは複数の支持部と、
前記第1の表示手段に設けられた支持部および前記第2の表示手段に設けられた支持部とを保持する保持部と
を有する請求項11に記載の表示装置。
【請求項15】
前記透過部は、光を透過するガラス、プラスチック、またはフィルムにより形成されている
請求項1に記載の表示装置。
【請求項16】
前記第1または第2の表示手段は、アクティブ駆動型またはパッシブ駆動型表示装置である
請求項1に記載の表示装置。
【請求項17】
前記第1または第2の表示手段は、液晶表示装置または有機エレクトロルミネッセンス表示装置である
請求項1に記載の表示装置。
【請求項18】
前記第1または第2の表示手段は、透過型、反射透過型、または半透過型液晶表示装置である
請求項1に記載の表示装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate


【公開番号】特開2006−10811(P2006−10811A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−184695(P2004−184695)
【出願日】平成16年6月23日(2004.6.23)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】