説明

表示装置

【課題】表示装置における表示映像が、人体や物体により遮られた場合でも、ユーザが必要な情報を得ることができる表示装置を提供する。
【解決手段】表示装置1は、映像を表示する表示パネル10と、表示パネル10における表示映像を遮蔽する物体等を検知するセンサと、前記センサにより検知された物体等により表示パネル10における前記表示映像が遮られる遮蔽領域10a、又は、遮られない非遮蔽領域10bの位置情報を検知する領域検知部と、前記位置情報に基づき、非遮蔽領域10bに表示中の映像を縮小表示する表示制御部を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示パネルの表示領域を分割し、当該分割した領域に映像を表示する表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インフォメーションディスプレイ等の情報表示装置は、宣伝効果の高い表示媒体として注目されている。インフォメーションディスプレイの一形態として、例えば、表示装置をテーブルに組み込んだテーブルディスプレイがある。
特許文献1には、テーブルの天板を液晶ディスプレイ(LCD)や有機EL(Electro-Luminescence)等の表示パネル(表示装置)から構成したテーブルディスプレイが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−339007号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようなテーブルディスプレイを使用するユーザは、書類等を表示パネル(天板)上に置くことがある。すると、この書類等により表示パネルにおける表示映像が遮られてしまう。その結果、ユーザは全映像を見ることができなり、必要な情報を得られない。
垂直型のディスプレイ、例えば、歩道に面した店舗の壁面に設けられ、ニュース等を表示する表示装置の場合も同様に、物体等の遮蔽物によって、ユーザの映像視聴が遮られることがある。
【0005】
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、表示装置における表示映像が、人体や物体(以下、これらを物体と略記する)により遮られた場合でも、ユーザが必要な情報を得ることができる表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の技術手段は、映像を表示する表示パネルと、前記表示パネルにおける表示映像を遮蔽する物体等を検知するセンサと、前記センサにより検知された物体等により前記表示パネルにおける前記表示映像が遮られる遮蔽領域、又は、遮られない非遮蔽領域の位置情報を検知する領域検知部と、前記位置情報に基づき、非遮蔽領域に表示中の映像を縮小表示する表示制御部を備えたことを特徴とする表示装置である。
【0007】
第2の技術手段は、第1の技術手段の表示装置において、少なくとも前記表示中の映像に関連する映像データを入力する映像データ入力部を備え、前記表示制御部は、非遮蔽領域を複数の四角形の領域に分割し、分割した複数の領域の中の最大面積の領域に表示中の映像を縮小表示すると共に、他の領域に前記映像データ入力部から入力された映像データに係る映像を表示することを特徴とするものである。
【0008】
第3の技術手段は、第1又は第2の技術手段の表示装置において、前記表示制御部は、遮蔽領域、又は、非遮蔽領域の位置情報の変化を検知し、前記変化後の位置情報に基づき、非遮蔽領域に表示中の映像を再表示することを特徴とするものである。
【0009】
第4の技術手段は、第3の技術手段の表示装置において、前記表示制御部は、前記変化後の状態が所定時間継続すると、前記変化後の位置情報に基づき、非遮蔽領域に表示中の映像を再表示することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、表示装置における表示映像の一部が物体により遮られた場合であっても、非遮蔽領域に映像を表示するので、ユーザは必要な情報を得ることができる。また、遮蔽領域には映像を表示しないので、省エネとなる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係る表示装置の映像表示処理を説明する図である。
【図2】本発明に係る表示装置の機能ブロック図である。
【図3】表示パネルの全表示領域を四角形に区画した状態を模式的に示す図である。
【図4】ユーザパラメータ設定処理を説明するフロー図である。
【図5】本発明の映像表示処理を説明するフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、本発明に係る表示装置の映像表示処理を説明する図である。ここでは、表示装置1は、テーブルの天板部(図示しない)に組み込まれ、表示装置1の表示パネル10がテーブルの天板として用いられているとする。また、表示装置1は、飲食店等のテーブルディスプレイとして使用され、表示パネル10には、飲食店のメニュー映像が表示されているとする。このメニュー映像は、料理の写真、当該料理のカロリー、価格等である。
【0013】
図1(A)に示すように、ユーザ(客)が、書類等の遮蔽物(物体)を表示パネル10の右側に置くとする。すると、表示装置1は、表示パネル10における表示映像が書類により遮られる遮蔽領域10a、表示映像が前記書類により遮られない非遮蔽領域10bの位置情報を検知する。ここでは、遮蔽領域10a、非遮蔽領域10bの形状は四角形であるとする。
表示装置1は、非遮蔽領域10bに表示中のメニュー映像を縮小表示し、遮蔽領域10aには映像を表示しない。この非遮蔽領域10bは、主画面領域に対応する。
【0014】
図1(B)に示すように、ユーザが、図1(A)よりも小さい書類を表示パネル10の右側に置くとする。この場合、非遮蔽領域10bは、四角形ではない。そこで、表示装置1は、非遮蔽領域10bを、2つの四角形の領域に分割し、最大面積の領域(主画面領域101b)にメニュー映像を縮小表示すると共に、他の領域(サブ画面領域102b)にメニュー映像に関連する映像を表示する。
【0015】
前記メニュー映像に関連する映像としては、例えば、メニュー表示切替用の映像、お勧めメニュー映像、飲食店内のレイアウト映像がある。なお、前記レイアウト映像としては、トイレの場所を説明する映像、飲食店内でバイキングを提供している場合には、食器の置いてある位置や提供している料理等の位置を説明する映像がある。
【0016】
図1(B)に示した状態から、ユーザが、図1(C)に示すように、表示パネル10の左側に書類を置くとする。この場合も、非遮蔽領域10bは、四角形ではない。そこで、非遮蔽領域10bを、3つの四角形の領域に分割し、最大面積の領域(主画面領域103b)にメニュー映像を縮小表示すると共に、サブ画面領域104b、105bにメニュー映像に関連する映像を表示する。
このように複数の分割領域がある場合には、最大面積の分割領域を主画面領域として、以下、主画面領域以外の分割領域を面積が大きい順にサブ画面領域1、2、3と順次定義し、このサブ画面領域に各種映像を表示する。
【0017】
なお、図1(A)〜図1(C)においては、主画面領域、サブ画面領域に表示する映像のアスペクト比を変更しているが、図1(D)に示すように、図1(A)の状態で主画面領域(非遮蔽領域10b)に表示する映像のアスペクト比を変更しなくてもよい。アスペクト比を変更していないのでグレー部分Gには映像は表示されていない。同じく、図1(E)は、図1(B)の状態で、主画面領域、サブ画面領域に表示する映像のアスペクト比を変更していない表示映像を示している。他にも、図1(C)の状態で、図1(F)に示すように、非遮蔽領域を分割することもできる。
【0018】
図2は、図1に示した映像表示を実行する、本発明に係る表示装置1の機能ブロック図である。
表示装置1は、表示パネル10、映像データ入力部11、映像表示制御部12、記憶部13、電極駆動部14、センサ15、領域検知部16、リモコン受信部17、制御部18を備える。図1で説明したように、表示装置1は、テーブルの天板部(図示しない)に組み込まれ、表示パネル10が天板として用いられているとする。
【0019】
映像データ入力部11は、図示しないチューナや外部記録装置から出力される映像データを表示装置1に入力し、映像表示制御部12、記憶部13に出力する。この映像データとしては、表示装置1の使用形態によって様々なデータがある。例えば、図1で説明したように、表示装置1を飲食店等のテーブルディスプレイとして使用する場合には、映像データとしては飲食店のメニューデータ、お勧めメニューデータ、飲食店の宣伝用データ等があり、この場合、記憶部13に映像データを出力する。また、テレビ番組の映像データの場合には、映像表示制御部12に映像データを出力する。
【0020】
映像表示制御部12は、映像データ入力部11又は記憶部13から映像データを取得し当該映像データに対して各種データ処理を実行する。そして、前記映像データに基づき電極駆動部14の駆動制御を実行して、1つ以上の映像を表示パネル10に表示する処理を制御する。
【0021】
また、映像表示制御部12は、制御部18から入力された遮蔽領域10a、非遮蔽領域10bの位置情報に基づき、非遮蔽領域10bに表示中の映像を縮小表示し、遮蔽領域10aに映像を表示しない処理を実行する。
【0022】
映像表示制御部12は、非遮蔽領域10bの位置情報に基づき、非遮蔽領域10bを複数の四角形の領域に分割し、複数の領域の中の最大面積の領域に表示中の映像を縮小表示すると共に、他の領域に映像データ入力部11又は記憶部13から入力された映像データに係る映像を表示する。
【0023】
映像表示制御部12は、遮蔽領域10a、又は、非遮蔽領域10bの位置情報の変化を検知し、位置情報が変化すると、前記変化後の位置情報に基づき、非遮蔽領域10bに表示中の映像を再表示する。この際、前記変化後の状態が所定時間継続すると、前記再表示が実行される。なお、詳細については後述する。
【0024】
映像表示制御部12は、映像データ生成部12aを備える。映像データ生成部12aは、図1で説明した映像表示を実行するため、主画面領域に表示する映像(データ)、サブ画面領域に表示する映像(データ)が含まれる1フレーム分の映像データを生成する。映像表示制御部12は、前記映像データに基づき電極駆動部14の駆動制御を実行する。なお、詳細については、後述する。
【0025】
記憶部13は、映像データ13a、ユーザパラメータ13b等の各種データを記憶する。映像データ13aは、例えば、メニュー映像の映像データ、当該メニュー映像に関連する映像の映像データである。なお、ユーザパラメータ13bについては後述する。
【0026】
電極駆動部14は、映像表示制御部12からの制御に基づき表示パネル10の走査電極及びデータ電極を駆動し、表示パネル10に映像を表示する。
表示パネル10は、液晶層と当該液晶層に走査信号及びデータ信号を印加する電極とを有するアクティブマトリクス型の液晶パネルである。なお、液晶パネル以外にも有機ELパネル等を利用することができる。
【0027】
センサ15は、表示パネル10における表示映像を遮蔽する物体を検知する。具体的には、表示パネル10に物体(遮蔽物)が置かれたこと、又は、表示パネル10に置かれた物体が取り除かれたことを検知する。
【0028】
領域検知部16は、センサ15により検知された物体により表示パネル10における表示映像が遮られる遮蔽領域10aの位置情報、又は、遮られない非遮蔽領域10bの位置情報を検知し、制御部18に出力する。この検知方法については従来から提案されている様々な方法を用いることができる。
【0029】
例えば、表示パネル10に、センサ15として機能するタッチパネルセンサを設け、表示パネル10の表示領域を図3に示すように区画する。
図3は、表示パネル10の全表示領域を四角形に区画した状態を模式的に示す図で、符号Bは、1区画を示す。
この区画内において前記タッチパネルが押圧を検知した場合、当該区画内に遮蔽物が有ると検知し、当該区画内を遮蔽領域とみなす。例えば、符号B1に示す領域の全区画において前記タッチパネルが押圧を検知した場合、符号B1に示す領域を遮蔽領域とみなす。この場合、符号B2に示す領域は、非遮蔽領域である。
【0030】
また、特開2007−25796号公報、特開2007−52497号公報に開示されているように、表示パネルの上下左右辺部等に、発光素子(発光ダイオード等)と、受光素子(フォトトランジスタ等)を組み合わせたセンサを配置し、発光素子から照射された赤外線が、物体(遮蔽物)に反射して受光素子に入射することを検知して、遮蔽物の位置を検知してもよい。このようにすると、1枚の紙等の軽い物体が置かれた場合でも、その位置を検知することができる。
【0031】
なお、表示パネル10にタッチパネルを設け、メニュー映像を表示する場合、このタッチパネルを利用して、メニューを選択し、注文するようにしてもよい。
【0032】
領域検知部16は、センサ15が、表示パネル10に物体が置かれたこと、表示パネル10に置かれた物体が取り除かれたことを検知すると、遮蔽領域10a、非遮蔽領域10bの位置情報を制御部18に出力する。遮蔽領域10aの位置情報としては、図3に示した例では、物体が検知された区画の座標情報であり、非遮蔽領域10bの位置情報としては、物体が検知されていない区画の座標情報である。座標情報だけでなく、区画を識別する識別番号であってもよい。なお、遮蔽領域10a又は非遮蔽領域10bの位置情報だけを出力してもよい。何れか一方の位置情報が決まれば、片方の位置情報も決定できるからである。
【0033】
リモコン受信部17は、表示装置1を遠隔操作するリモコン装置2が出力する制御信号を受信し、制御部18に出力する。
制御部18は、ユーザパラメータの設定処理を実行するパラメータ設定制御部18a、計時機能を有するタイマ18bを備え、各機能ブロックを制御する処理等を実行する。
【0034】
以下に、ユーザパラメータの設定について説明する。
ユーザが、リモコン装置2を操作して、表示装置1にユーザパラメータ設定画面の表示を指示する。前記指示を受けた制御部18のパラメータ設定制御部18aは、当該指示を映像表示制御部12に通知する。前記通知を受けた映像表示制御部12は、記憶部13に記憶されているユーザパラメータ設定画面データ(OSDデータ)に基づき、ユーザパラメータ設定画面を表示パネル10に表示する。
【0035】
ユーザパラメータとしては、最小表示範囲、最大映像表示数、複数表示の情報、アスペクト比変更の有無、物体検知時間、非検知時間がある。ここで最小表示範囲とは、非遮蔽領域10bに映像表示をする際の最小映像表示面積を意味する。この表示面積とは、図3に示したように表示パネル10の表示領域を区画した場合には、非遮蔽領域10bに対応する区画数(ブロック数)を意味する。例えば、最小表示範囲を50に設定すると、図1(C)に示したサブ画面領域105bの区画数が50未満の場合、映像表示制御部12は、サブ画面領域105bに映像を表示しない。他にも、表示面積をインチ数等で示してもよい。
【0036】
最大映像表示数とは、非遮蔽領域10bに表示する映像の最大数を意味する。例えば、最大映像数を“2”に設定した場合、図1(C)に示したサブ画面領域105bには映像を表示せず、主画面領域103b、サブ画面領域104bにのみ映像を表示する。
複数表示の情報とは、表示パネル10に複数の映像を表示する場合、これら複数映像に係る各種情報を意味する。アスペクト比変更の有無は、非遮蔽領域10bに映像を表示する際に、アスペクト比を変更するか否かを設定するパラメータを意味する。物体検知時間、非検知時間については後述する。
【0037】
前記パラメータ設定画面を介して行うパラメータ設定が終了すると、パラメータ設定制御部18aは、設定されたパラメータを記憶部13にユーザパラメータ13bとして記憶する。
【0038】
次に、本発明の映像表示処理の詳細について図1〜図3を適宜参照しながら説明する。以下の説明では、映像表示制御部12は、記憶部13の映像データ13aに含まれているメニュー映像データに基づき、電極駆動部14を駆動制御し、メニュー映像を表示パネル10の全面に表示しているとする。
【0039】
図1(A)に示したように、ユーザが、何も置かれていない状態の表示パネル10の上に物体を置くと、センサ15は、物体が表示パネル10の上に置かれたことを検知する。そして、領域検知部16は、遮蔽領域10a、非遮蔽領域10bの位置情報を検知し、制御部18に出力する。
【0040】
制御部18が、領域検知部16からの位置情報を受信すると、タイマ18bは、時間計測を開始する。タイマ18bが計測した時間が所定時間Xを過ぎても、物体が表示パネル10に置かれている場合、即ち、所定時間Xが経過しても位置情報に変化が無い場合、遮蔽領域10a、非遮蔽領域10bの位置情報を映像表示制御部12に出力する。所定時間Xは、パラメータ設定画面を介して設定する物体検知時間であり、例えば、秒単位又は分単位で設定することが可能である。
【0041】
映像表示制御部12は、制御部18からの遮蔽領域10a、非遮蔽領域10bの位置情報を受信すると、領域検知部16が検知した非遮蔽領域10bに対応する表示パネル10の領域に表示中のメニュー映像を縮小表示する処理を実行する。ここでは、映像データ生成部12aは、メニュー映像データに各種映像処理を実行し、表示パネル10の非遮蔽領域10bに表示する縮小映像を含む1フレーム分の映像データを生成する。
【0042】
そして、映像表示制御部12は、前記映像データに基づき電極駆動部14の駆動制御を実行、即ち、縮小映像が表示パネル10の非遮蔽領域10bに表示されるように電極駆動部14の駆動制御を実行する。その結果、表示パネル10の非遮蔽領域10bに縮小映像が表示される。映像表示制御部12は、前記映像処理を実行すると、映像表示数等の映像処理に係る各種情報を記憶部13に記憶する。
【0043】
このように、映像表示制御部12は、所定時間Xを過ぎても物体が表示パネル10に置かれたままの場合にのみ、縮小映像の表示処理を実行するが、物体が一時的に表示パネル10に置かれ、すぐに取り除かれた場合には、縮小映像の表示処理は実行しない。それ故、映像表示範囲の変化が頻発しないのでユーザが不快に感じることがない。
【0044】
次に、図1(B)に示したように、ユーザが、物体を表示パネル10の上に置くと、領域検知部16は、遮蔽領域10a、非遮蔽領域10bの位置情報を制御部18に出力する。前述したように、制御部18は、タイマ18bが計測した時間が所定時間Xを過ぎても、未だ物体が表示パネル10に置かれている場合に、遮蔽領域10a、非遮蔽領域10bの位置情報を映像表示制御部12に出力する。
【0045】
映像表示制御部12は、制御部18からの遮蔽領域10a、非遮蔽領域10bの位置情報を受信すると、非遮蔽領域10bが四角形でない場合には、領域検知部16が検知した非遮蔽領域10bに対応する表示パネル10の領域を複数の四角形の領域に分割する。このとき、各領域の形状を、正方形ではなく、長方形にすることが好ましい。
【0046】
分割方法としては、様々な方法がある。例えば、非遮蔽領域10bにおいて、領域の幅と高さの比(領域アスペクト比)が16:9である最大面積の四角形領域を分割し、これを主画面領域とする。そして、主画面領域以外の領域を領域アスペクト比が16:9の四角形に分割し、面積が大きい順にサブ画面領域1、2、3とする。
図1(B)の例では、主画面領域101b、サブ画面領域102bの2つの領域に分割する。
【0047】
そして、映像表示制御部12は、分割した複数の領域の中から最大面積の領域を選択し、当該選択した最大面積の領域に表示中のメニュー映像を縮小表示する。ここでは、主画面領域101bに、表示中のメニュー映像を縮小表示する処理を実行する。
【0048】
そして、他の領域であるサブ画面領域102bにメニュー映像に関連する映像、又は、操作用画面を表示する。
【0049】
ここでは、映像表示制御部12の映像データ生成部12aは、記憶部13の映像データ13aから、主画面領域101bに表示するメニュー映像に関連する映像データを取得する。そして、主画面領域101bに表示するメニュー映像(縮小映像)、サブ画面領域102bに表示する当該メニュー映像に関連する映像を含む1フレーム分の映像データを生成する。
【0050】
映像表示制御部12は、前記映像データに基づき電極駆動部14の駆動制御を実行、即ち、メニュー映像が主画面領域101bに表示され、当該メニュー映像に関連する映像がサブ画面領域102bに表示されるように電極駆動部14の駆動制御を実行する。
このように、映像表示制御部12は、物体が新たに置かれたことにより遮蔽領域10a、非遮蔽領域10bの位置情報が変化し、変化後の状態が所定時間継続すると、変化後の位置情報に基づき、非遮蔽領域10bに表示中のメニュー映像を再表示する。
【0051】
その結果、主画面領域101bにメニュー映像が表示され、サブ画面領域102bにメニュー映像に関連する映像が表示される。
【0052】
また、図1(B)に示した状態から、図1(C)に示したように、ユーザが、他の物体を表示パネル10の左側に置いた場合も、前述のようにして、映像表示制御部12は、主画面領域103bに、表示中のメニュー映像を縮小表示する処理を実行し、他の領域であるサブ画面領域104b、105bに当該縮小表示した映像に関連する映像や、操作用画面を表示する。
【0053】
図1(C)に示した状態から、ユーザが、表示パネル10の左側に置かれた物体を取り除くと、センサ15は、当該物体が表示パネル10の上から取り除かれたことを検知する。領域検知部16は、遮蔽領域10a、非遮蔽領域10bの位置情報を検知し、制御部18に出力する。
【0054】
制御部18が、領域検知部16から位置情報を受信すると、タイマ18bは、時間計測を開始する。タイマ18bが計測した時間が所定時間Yを過ぎても、前記物体がそのまま取り除かれている場合(表示パネル10に再び置かれていない場合)、即ち、所定時間Yが経過しても位置情報に変化が無い場合、遮蔽領域10a、非遮蔽領域10bの位置情報を映像表示制御部12に出力する。所定時間Yは、パラメータ設定画面を介して設定する非物体検知時間であり、例えば、秒単位又は分単位で設定することが可能である。
【0055】
以後は、前述したように、映像表示制御部12は、制御部18からの遮蔽領域10a、非遮蔽領域10bの位置情報を受信すると、非遮蔽領域10bに対応する表示パネル10の領域に表示中のメニュー映像を縮小表示する処理等を実行する。なお、全ての物体が表示パネル10から取り除かれた場合、表示パネル10の全表示領域に映像を表示する。
【0056】
所定時間Yが経過するまでに物体が元の位置に戻された場合には、前記した映像表示処理は実行しない。それ故、映像表示範囲の変化が頻発しないのでユーザが不快に感じることがない。
【0057】
前述した映像表示制御部12の映像表示制御は、記憶部13に記憶されたユーザパラメータ13bの内容を参照しながら実行される。例えば、ユーザパラメータ設定画面を介して最小表示範囲を“50”と設定し、図1(C)に示したサブ画面領域105bの面積(区画数)が“40”の場合を想定する。この場合、設定された最小表示範囲(50)よりもサブ画面領域105bの面積(40)が小さいので、映像表示制御部12は、映像をサブ画面領域105bに表示しない。
【0058】
また、例えば、ユーザパラメータ設定画面を介して最大映像数を“2”に設定した場合を想定する。この場合、図1(C)に示した状態では、3つの映像を主画面領域103b、2つのサブ画面領域104b、105bに表示できるが、設定された最大映像数は“2”なので、サブ画面領域105bには映像を表示しない。他にも、アスペクト比変更無しに設定するとアスペクト比の変更を実行せずに映像表示を行う。
【0059】
図4のフロー図を用いてユーザパラメータ設定処理を説明する。
ユーザが、リモコン装置2を操作して、表示装置1にユーザパラメータ設定画面の表示を指示する。制御部18のパラメータ設定制御部18aは、前記指示に基づき、ユーザパラメータ設定画面を表示パネル10に表示する(ステップS1)。
【0060】
ユーザが、前記ユーザパラメータ設定画面を介して最小表示範囲、最大映像表示数等のパラメータを設定してOKボタンを操作した場合(ステップS2/設定)、映像表示制御部12は、設定された最小表示範囲等を表示パネル10にサンプル表示する(ステップS3)。
【0061】
サンプル表示を確認したユーザが、リモコン装置2の決定ボタンを操作すると(ステップS4/決定ボタン)、パラメータ設定制御部18aは、設定されたパラメータをユーザパラメータ13bとして記憶部13に記憶する(ステップS5)。ステップS4において、ユーザが、リモコン装置2のキャンセルボタンを操作すると(ステップS4/キャンセルボタン)、ステップS2に戻る。
【0062】
なお、前記ユーザパラメータ設定画面を介して最小表示範囲、最大映像表示数等を設定せずにOKボタンを操作した場合(ステップS2/非設定)、デフォルト値の最小表示範囲等を表示パネル10にサンプル表示して(ステップS6)、ステップS4に移る。
【0063】
次に、図5のフロー図を用いて本発明の映像表示処理を説明する。
映像表示制御部12は、記憶部13の映像データ13aに含まれているメニュー映像データに基づき、電極駆動部14を駆動制御し、メニュー映像を表示パネル10の全面に表示する(ステップS11)。
【0064】
その後、センサ15が、表示パネル10に物体が置かれたこと、又は、表示パネル10に置かれた物体が取り除かれたことを検知すると(ステップS12/検知有)、更に、表示パネル10に物体が置かれたか、又は、表示パネル10に置かれた物体が取り除かれたかを判定する(ステップS13)。表示パネル10に物体が置かれていない場合、又は、表示パネル10に置かれた物体が取り除かれていない場合には(ステップS12/検知無)、ステップS11の処理が継続される。
【0065】
表示パネル10に物体が置かれた場合(ステップS13/物体が置かれた)、領域検知部16は、遮蔽領域10a、非遮蔽領域10bの位置情報を検知し(ステップS14)、制御部18は、所定時間Xを過ぎても、物体が表示パネル10に置かれているか、即ち、ステップS12の検知から所定時間Xが経過しても位置情報に変化が無いか否かを判定する(ステップS15)。
【0066】
所定時間Xが経過しても位置情報に変化が無い場合(ステップS15/YES)、制御部18は、遮蔽領域10a、非遮蔽領域10bの位置情報を映像表示制御部12に出力し、映像表示制御部12は、制御部18から入力された遮蔽領域10a、非遮蔽領域10bの位置情報に基づき、非遮蔽領域10bに縮小映像を表示し、遮蔽領域10aに映像を表示しない処理を実行する(ステップS16)。
【0067】
表示パネル10から物体が取り除かれた場合(ステップS13/物体が取り除かれた)、領域検知部16は、遮蔽領域10a、非遮蔽領域10bの位置情報を検知し(ステップS18)、制御部18は、所定時間Yを過ぎても、前記物体が表示パネル10から取り除かれたままか、即ち、ステップS12の検知から所定時間Yが経過しても位置情報に変化が無いか否か否かを判定する(ステップS19)。
【0068】
所定時間Yが経過しても位置情報に変化が無い場合(ステップS19/YES)、ステップS16の処理を実行する。なお、全ての物体が表示パネル10から取り除かれた場合、表示パネル10の全表示領域に映像を表示する。
所定時間X/所定時間Yが経過する前に、位置情報が変化した場合(ステップS15/NO)/(ステップS19/NO)、ステップS12に戻る。
【0069】
表示装置1の電源がオンの状態では(ステップS17/YES)、ステップS2に戻り、表示装置1の電源がオフされると(ステップS17/NO)、処理を終了する。
【0070】
前記実施例では、メニュー映像について説明したが、他にもテレビ番組の映像等、様々な映像を表示することができる。この場合、主画面領域にテレビ番組の映像を縮小表示し、サブ画面領域に当該テレビ番組に関連する映像、例えば、主演者等の情報映像を表示してもよい。他にも、サブ画面領域に、前記テレビ番組を更に縮小した映像を表示してもよいし、前記映像の字幕情報、天気予報、コマーシャル、地理情報等、各種情報を表示しても良い。
【0071】
主画面領域に、ニュース番組、映画、広告、ライブ映像等複数の映像が表示され、これを切り替えボタン(コントロールパネル)により順次切り替え表示できる場合には、サブ画面領域に、切り替えボタンを表示して、このボタン操作に基づき切り替え表示を実行しても良い。
【0072】
主画面領域に、広告映像を表示し、サブ画面領域に、広告する商品の名称や当該商品の製造会社名等を表示しても良い。
【0073】
(変形例)
本発明は、テーブルディスプレイだけでなく、歩道に面した店舗の壁面に設けられ、ニュース等を表示する垂直型表示装置(ディスプレイ)についても適用できる。この場合、センサ15として、特開2007−108842号公報等に開示されている近接センサ(非接触センサとも言う)を用いて、領域検知部16が、遮蔽領域10a、非遮蔽領域10bの位置情報を検知すればよい。このようにすることで、表示パネルの前に物体(遮蔽物)が置かれ、映像表示が遮られても、非遮蔽領域10bに映像が表示される。
【0074】
本発明によれば、非遮蔽領域に映像を表示し、遮蔽領域に映像を表示しないので、ユーザは全映像を視聴することができる。また、遮蔽領域に映像を表示しないので省電になる。
表示装置1が液晶表示装置であり、ローカルディミング機能を有するバックライトを備えている場合には、遮蔽領域に対応するバックライトの発光素子を消灯することにより、更なる省電が可能になる。
【符号の説明】
【0075】
1…表示装置、10…表示パネル、10a…遮蔽領域、10b…非遮蔽領域、101b,103b…主画面領域、102b,104b,105b…サブ画面領域、11…映像データ入力部、12…映像表示制御部、12a…映像データ生成部、13…記憶部、13a…映像データ、13b…ユーザパラメータ、14…電極駆動部、15…センサ、16…領域検知部、17…リモコン受信部、18…制御部、18a…パラメータ設定制御部、18b…タイマ、2…リモコン装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像を表示する表示パネルと、
前記表示パネルにおける表示映像を遮蔽する物体等を検知するセンサと、
前記センサにより検知された物体等により前記表示パネルにおける前記表示映像が遮られる遮蔽領域、又は、遮られない非遮蔽領域の位置情報を検知する領域検知部と、
前記位置情報に基づき、非遮蔽領域に表示中の映像を縮小表示する表示制御部を備えたことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の表示装置において、
少なくとも前記表示中の映像に関連する映像データを入力する映像データ入力部を備え、
前記表示制御部は、非遮蔽領域を複数の四角形の領域に分割し、分割した複数の領域の中の最大面積の領域に表示中の映像を縮小表示すると共に、他の領域に前記映像データ入力部から入力された映像データに係る映像を表示することを特徴とする表示装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の表示装置において、
前記表示制御部は、遮蔽領域、又は、非遮蔽領域の位置情報の変化を検知し、前記変化後の位置情報に基づき、非遮蔽領域に表示中の映像を再表示することを特徴とする表示装置。
【請求項4】
請求項3に記載の表示装置において、
前記表示制御部は、前記変化後の状態が所定時間継続すると、前記変化後の位置情報に基づき、非遮蔽領域に表示中の映像を再表示することを特徴とする表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−232979(P2011−232979A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−103222(P2010−103222)
【出願日】平成22年4月28日(2010.4.28)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】