説明

表面光沢組成物

【課題】表面光沢組成物
【解決手段】ポリビニルアルコール、蛍光増白剤からなる群から選択される少なくとも一種の化合物及び少なくとも一種の界面活性剤を含み、様々な表面に増白効果及び光沢効果を与えるために使用される表面洗浄組成物が記載されている。前記組成物は表面に直接使用可能であり、或いは、前処理された雑巾又はふき取り手段を用いて適用され得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面洗浄組成物、特に、ポリビニルアルコール、少なくとも一種の蛍光増白剤及び適当な界面活性剤を含む水性の表面洗浄組成物に関する。本発明はまた、前記組成物を含浸させた、再利用可能又は使い捨ての雑巾又はパッドに関する。該組成物は表面により一層の増白効果及び光沢効果を提供する。
【背景技術】
【0002】
表面洗浄組成物は既知であり、特定用途や使用に応じて多くの異なる配合物が提示されている。表面洗浄組成物は、例えば、液体スプレー可能な配合物、クリーム配合物、又は使い捨て雑巾の形態のように、すぐに使用できる組成物又は使用前に希釈される濃縮物として、提供され得る。表面洗浄剤は、例えば、台所、風呂場又はその他屋内及び屋外において表面を洗浄するために使用され得る。表面とは、床、タイル、ガラス、セラミック、エナメル、機器、石、レンガ、プラスチック、ビニール、塗装表面等を含み得る。
【0003】
蛍光増白剤(optical brighteners)(又は蛍光増白剤(fluorescent whitening agents)、FWA’s)は織物、紙又はその他材料に沈着する染料であり、紫外領域のスペクトルを吸収してそれを可視スペクトルの青色領域において可視光として再放出する能力により、表面に白さ及び/又は光沢のさらなる増加をもたらす。FWA’sは家庭用洗剤組成物の成分として広範囲に使用されているが、表面洗浄配合物では用途が限られていた。
【0004】
英国第2,359,818号明細書は、FWA’sの硬質表面洗浄配合物への組み入れを開示する。
【0005】
米国特許第5,234,617号明細書は、FWA及びポリビニルピロリドンを含有する液体漂白組成物を教示する。
【0006】
国際公開第99/07636号パンフレットは、FWA’sの漂白剤含有組成物への組み入れを特許請求する。
【0007】
水溶液中でポリビニルアルコール及び適当な界面活性剤と組み合わせた蛍光増白剤は、様々な表面に改善された白さや光沢を提供することが現在見出されている。
【特許文献1】英国第2,359,818号明細書
【特許文献2】米国特許第5,234,617号明細書
【特許文献3】国際公開第99/07636号パンフレット
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、水性表面洗浄組成物であって、水並びに、該組成物全体の質量に基づいて、
a)平均分子量約5,000乃至約200,000、加水分解度約70乃至約100%の可溶性ポリビニルアルコール(PVOH)約0.1質量%乃至約20質量%、
b)蛍光増白剤からなる群から選択される少なくとも一種の化合物約0.01質量%乃至約10質量%、及び
c)界面活性剤からなる群から選択される少なくとも一種の化合物約0.001質量%乃至約10質量%、
を含み、a):b)の質量:質量比率が約20:1乃至約1:10であり、該組成物のpHが約1乃至約11である、水性表面洗浄組成物に関する。
【0009】
上記組成物の残余容量は水である。組成物はまた、界面活性剤、ビルダー、ポリマー、溶剤、アルコール、グリコール、金属塩、酸、塩基、レオロジー調整剤、香料、染料、研磨剤、漂白剤、殺生剤、殺菌剤などの、表面洗浄又はつや出し配合物にて使用されることが知られている、様々な他の所望の成分をも含み得る。
【0010】
本発明の組成物は、様々な硬い表面、柔らかい表面(例えば織物など)、または他の基材の洗浄、増白、光沢に有用である。該組成物は、すぐに使用できるスプレー、液体又はペーストとして、表面に直接適用され得、そしてペーパータオル、スポンジ、布、モップ又は他の適当なふき取り手段を用いてふき取られる。あるいは、該組成物は、最初にふき取り手段に、それから表面に適用され得る。該組成物は希釈可能な形態にて使用され得、すなわち、本洗浄組成物まで濃縮物が水で希釈され得る。好ましい用途において、該組成物は再利用可能な又は使い捨ての何れかの雑巾又はパッドに加えられ得、そして表面のふき取り処理に使用される。該組成物は雑巾又はパッドの中に吸収又は上に吸着され、すなわち、雑巾又はパッドは水性洗浄組成物を含浸する。そのような雑巾は、天然又は合成繊維、例えば、セルロース系、ポリオレフィン、織布又は不織布繊維、又はその他材料、又は当業者によって既知とされる雑巾を作るのに好適な材料の組み合わせで構成され得る。そのような雑巾は、一般に、不織タイプの材料で構成される。ポリオレフィンは例えばポリプロピレン又はポリプロピレンコポリマー又はブレンドである。セルロース系はセルロースベースを意味する。
【0011】
したがって、本開示はまた、表面洗浄のための再利用可能な又は使い捨ての雑巾又はパッドであり、該雑巾又はパッドは、水性表面洗浄組成物であって、水並びに該組成物全体の質量に基づいて、
a)平均分子量約5,000乃至約200,000、加水分解度約70乃至約100%の可溶性ポリビニルアルコール(PVOH)約0.1質量%乃至約20質量%、
b)蛍光増白剤からなる群から選択される少なくとも一種の化合物約0.01質量%乃至約10質量%、及び
c)界面活性剤からなる群から選択される少なくとも一種の化合物約0.001質量%乃至約10質量%、
を含み、a):b)の質量:質量比率が約20:1乃至約1:10であり、該組成物のpHが約1乃至約11であるところの組成物を、それらの中に吸収又はそれらに吸着して有する。
【0012】
雑巾及びパッドは当技術分野で既知である。それらは例えば、米国特許第3,965,519号明細書、米国特許第3,967,623号明細書、米国特許第4,077,410号明細書、米国特許第4,154,883号明細書及び米国特許第5,895,504号明細書に教示され、それらの開示は参照することにより本明細書に含まれる。他のふき取り手段、例えばスポンジ、モップなども本発明の範囲内である。
【0013】
開示は洗浄組成濃縮物であって、該濃縮物全体の質量に基づいて、
a)平均分子量約5,000乃至約200,000、加水分解度約70乃至約100%の可溶性ポリビニルアルコール(PVOH)約0.25質量%乃至約50質量%、
b)蛍光増白剤からなる群から選択される少なくとも一種の化合物約0.025質量%乃至約25質量%、及び
c)界面活性剤からなる群から選択される少なくとも一種の化合物約0.0025質量%乃至約25質量%、
を含み、a):b)の質量:質量比率が約20:1乃至約1:10である、濃縮物である。
【0014】
また開示は、表面により一層の増白効果及び光沢効果を提供するための方法であって、該方法は、本水性表面洗浄組成物を前記表面に適用すること又は該洗浄組成物をふき取り手段に適用し続いて表面に適用すること、並びに、ふき取り手段を用いて表面をふき取ることを含む。
【0015】
開示は、表面により一層の増白効果及び光沢効果を提供するための方法であって、該方法は、濃縮物を本水性洗浄組成物になるまで水を用いて希釈すること、前記表面に該洗浄組成物を適用すること又は該洗浄組成物をふき取り手段に適用し続いて表面に適用すること、並びに、ふき取り手段を用いて表面をふき取ることを含む。
【0016】
開示は、表面により一層の増白効果及び光沢効果を提供するための方法であって、該方法は、本洗浄組成物を中に吸収又は表面に吸着して有する、再利用可能な又は使い捨ての雑巾又はパッドを用いて表面をふき取ることを含む方法である。
【0017】
開示は、表面により一層の増白効果又は光沢効果を提供するのに有用な、再利用可能な又は使い捨ての雑巾又はパッドを製造する方法であって、該方法は、本水性洗浄組成物を雑巾又はパッドに含浸させること又は塗布することを含む。
【発明の効果】
【0018】
理論に制約されることを望まないが、本発明は、洗浄する表面に沈着したFWAのPVOH膜全体への均一分布によって、表面への最適化された増白効果又は光沢効果を生み出すと考えられる。界面活性剤は、より均一な膜を表面上に形成させることにより、増白効果を増加させる。三成分全ての組み合わせ効果は、FWA単独、又はFWA及びPVOHのみよりも顕著に優れている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
ポリビニルアルコール
本発明におけるポリビニルアルコール(PVOH)は、一般に50−95℃で10−120分間加熱されることによって水に溶解する、水溶性ポリマーである。好適なグレードのポリビニルアルコールとしては、分子量約5,000乃至約200,000、並びに、加水分解度約70乃至約100%の物質が挙げられる。本発明において、増白効果は、高分子量且つ低加水分解度のPVOHを使用して増加することが見出された。したがって、好ましいグレードは、平均分子量約50,000乃至約200,00、並びに加水分解度約70乃至約95%を有する。特に好ましい実施態様において、PVOHは平均分子量約85,000乃至約200,000、並びに、加水分解度約75乃至約90%を有する。
【0020】
増白効果の増加に加えて、上記に記載された本グレードのPVOHは光、酸化又は他の劣化プロセスによって引き起こされる劣化に関して、他のグレードのPVOHに比べてより安定である増白効果をもたらすことが見出されている。
【0021】
上述の組成物の増白効果及び光沢効果に対して悪影響を与えない限りにおいて、何れの構造タイプ又は量の他のポリマーも本組成物に加えられ得る。
【0022】
PVOH成分は、組成物全体の質量に基づいて、約0.1質量%乃至約20質量%で存在する。たとえば、PVOH成分は組成物全体の質量に基づいて、約0.2質量%乃至約15質量%、約0.3質量%乃至約12質量%、約0.5質量%乃至約10質量%、又は約0.6質量%乃至約9%質量%で存在する。たとえば、PVOH成分は組成物全体の質量に基づいて、約0.6質量%乃至約5質量%、約0.6質量%乃至約4質量%、又は約0.6質量%乃至約3質量%で存在する。
【0023】
蛍光増白剤(FWA’s)
当技術分野で既知の様々なFWA’s、又は蛍光増白剤の何れも本発明において使用され得る。二つ又はそれ以上のFWA’sが所定の組成物に組み合わせられ得る。本発明において使用され得るFWA’sの例は、4,4’−ビス(トリアジン−2−イルアミノ)スチルベン−2,2’−ジスルホン酸、モノ(アゾール−2−イル)スチルベン及びビス(アゾール−2−イル)スチルベンなどのスチルベン誘導体;1,4−ビス(スチリル)ベンゼン、4,4’−ビス(スチリル)ベンゼン、4,4’−ビス−(スチリル)ビフェニル、4,4’−ビス(2−スルホスチリル)ビフェニルナトリウム塩などのベンゼン及びビフェニルのスチリル誘導体;1,3−ジフェニル−2−ピラゾリンなどのピラゾリン類;ビス(ベンゼン−2−イル)誘導体;ビス(ベンズオキサゾール−2−イル)誘導体及びビス(ベンズイミダゾール−2−イル)誘導体;2−(ベンゾフラン−2−イル)ベンズイミダゾール;4−メチル−7−ヒドロキシ−クマリン又は4−メチル−7−ジエチルアミノクマリンなどのクマリン類;カルボスチリル類;ナフタルイミド類;ジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド;ピレン;又はピリドトリアゾール誘導体、などである。
【0024】
FWA成分は組成物全体の質量に基づいて、約0.01質量%乃至約10質量%で存在する。例えば、FWA成分は組成物全体の質量に基づいて、約0.05質量%乃至約8質量%、約0.1質量%乃至約7質量%、約0.3質量%乃至約5質量%で存在する。例えば、FWA成分は組成物全体の質量に基づいて、約0.3質量%乃至約4質量%、約0.3質量%乃至約3質量%、約0.3質量%乃至約2質量%、又は約0.3質量%乃至約1質量%で存在する。
【0025】
界面活性剤
界面活性剤は、好適な膜形成性をもたらして、処理される表面上にPVOH及びFWAの均一な膜を形成させる。
【0026】
界面活性剤は水溶性又は水分散性である。界面活性剤は当技術分野において既知である。
【0027】
本発明において使用される界面活性剤は、アニオン性、カチオン性、非イオン性、両性又は両性イオン界面活性剤であり得る一種以上の界面活性剤から選択され得る。
【0028】
本発明において使用され得る非イオン性界面活性剤は、エトキシ化及びプロポキシ化アルコール、並びに、エトキシ化及びプロポキシ化アルキルフェノールなどのアルコキシ化アルコールを含むがそれらに限定されない。他の種類としては、不飽和アルコールのソルビタン脂肪エステル及び脂肪酸がある。他の種類としては、デュポン社のゾニール(ZONYL)類などのフッ素系界面活性剤、又はゼネラルエレクトリック社のシルウェット(SILWET)類及びコートシル(COATOSIL)類などのシリコンベースの界面活性剤が挙げられる。ゾニール、シルウェット及びコートシル型の界面活性剤は、本発明において効果的であるアニオン性及びカチオン性バージョンもまた使用可能である。ダイノール(DYNOL)604(2,5,8,11−テトラメチル−6−ドデシン−5,8−ジオールエトキシレート、CAS#169117−72−0)は有用な界面活性剤である。
【0029】
本発明において使用され得るアニオン性界面活性剤の例としては、一種以上の以下の化合物のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩、アミノアルコール塩、又はマグネシウム塩:アルキルサルフェート、アルキルエーテルサルフェート、アルキルアミドエーテルサルフェート、モノグリセリドサルフェート、アルキルスルホネート、アルキルアミドスルホネート、アルキルアリールスルホネート、オレフィンスルホネート、パラフィンスルホネート、アルキルスルホサクシネート、アルキルエーテルスルホサクシネート、アルキルホスフェート、アルキルエーテルホスフェート及び類似化合物、が挙げられるがそれらに限定されるものではない。
【0030】
両性及びベタイン界面活性剤は、当業者に既知であるように、本発明において使用され得る。
【0031】
本発明において使用され得るカチオン性界面活性剤としては、たとえばアルキルアンモニウムハライド、アルキルアリールアンモニウムハライド、N−アルキルピリジニウムハライド及び関連物質などの第4級アンモニウム化合物及びそれらの塩が挙げられる。二種以上の界面活性剤の混合物もまた使用され得る。上記に特には示されていない他の既知の界面活性剤もまた使用され得る。
【0032】
有用な界面活性剤は、例えば米国特許第6,372,702号明細書に記載され、参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0033】
界面活性剤成分は組成物全体の質量に基づいて、約0.001質量%乃至約10質量%で存在する。例えば、界面活性剤成分は組成物全体の質量に基づいて、約0.005質量%乃至約8質量%、約0.01質量%乃至約7質量%、約0.05質量%乃至約6質量%、約0.07質量%乃至約5質量%、又は約0.8質量%乃至約4質量%で存在する。例えば、界面活性剤成分は組成物全体の質量に基づいて、約0.1質量%乃至約3質量%で存在する。
【0034】
PVOH:FWA、すなわち成分a)と成分b)の質量:質量比率は、約20:1乃至約1:10である。例えばPVOH:FWAの質量:質量比率は、約10:1乃至約1:5、約5:1乃至約1:1、又は約4:1乃至約2:1である。
【0035】
本発明の組成物のpHは、例えば約1乃至約11であり、例えば約2乃至約10、約3乃至約9、約4乃至約8、又は約5乃至約7である。
【実施例】
【0036】
以下の実施例において、セラミックタイルの白色度をハンターラボラトリーズLabScan XE 比色計を用いて測定した。白色度は、Y+800(xn−x)+1700(
n−y)(式中、Yは三刺激値、並びに、x及びyは色度座標を表す)として定義され
る、CIE白色度インデックスで表現した。処理された各タイルに対して、白色度インデックス(WI)を処理面と非処理面(対照)において測定し、差異を記録した。WI値は一般に、観察者が白色度又は明度として理解するものに、よく対応することが知られている。他に指示のない限り、量は配合物全体に基づく質量%である。
【0037】
FWAはジスチリルビフェニル型漂白剤、4,4’−ビス(2−スルホスチリル)ビフェニルナトリウム塩である。
【化1】

【0038】
実施例1
様々な分子量と加水分解度の5種類一組のポリビニルアルコール試料を1.5(質量)%溶液の調製に使用した。適当量のPVOH固体を脱イオン水に加え、完全に溶解するまで約80度で約30分間固体ポリマースラリーを加熱することにより、溶液を調製した。使
用したPVOHの種類を以下に示す。続いて溶液を冷却した。各PVOH溶液9.95gにFWA0.050g(0.5質量%)を加え、混合物を完全に溶解するまで撹拌した。水中FWAのみを用いて追加試料が調製された。
【0039】
同一溶液の二組目が、非イオン性ジェミニ型界面活性剤(スルフィノール(登録商標:Surfynol)485W及びダイノール(登録商標:Dynol)604の1:1混合物、エアープロダクツアンドケミカルズ社から入手可能な市販のエトキシ化アルキンジオール界面活性剤)0.5質量%をさらに添加して調製された。光沢のある白色セラミックタイル(10cm×10cm)の半分を、上記溶液を0.75mLをタイル表面に滴下し、折り畳まれたペーパータオルで溶液がタイル表面の半分上にむらなく分散するまで20秒間ふくことによって、処理した。溶液をそれから風乾させ、両面を比色計を用いて測定した。各タイルの処理面と非処理面の白色度インデックス(WI)値の差異を測定した。K=1000である。
【表1】

【0040】
高分子量のPVOH試料は、低分子量のものと比べて、優れた増白性能を与えた。加えて、同じような分子量のPVOH試料に対して、低加水分解度のものが優れた増白効果を与えた。そして、非イオン性界面活性剤の添加が、界面活性剤を含まない同じ溶液に対して、効果の点で顕著な改善をもたらすことが分り得る。
【0041】
実施例2
レイヨン50%及びポリエステル50%からなり、厚さ28mmの不織布1ピース(15cm×15cm)に、実施例1で調製した、PVOH(分子量85,000−146,000、加水分解度87−89%)1.5%、FWA0.5%、及び非イオン性ジェミニ型界面活性剤0.5%の溶液3mLを加えた。溶液が完全にむらなく布を濡らすまで不織布を静かにゆり動かした。布をそれからセラミックタイルの表面をふくことに使用し、タイル表面の半分を20秒間前後に吹いた。表面をそれから風乾させ、タイルを比色計を用いて測定した。
【0042】
含浸雑巾を用いたタイルの処理は、顕著で目だった白色度の増加をもたらし、対照面と比較して白色度インデックス48.9ユニットの測定値の増加をもたらした。
【0043】
実施例3
PVOH(平均分子量120,000;加水分解度99.3%)1.5%及びFWA0.5%の溶液一組に3つの異なるシリコンベース界面活性剤を0.1%の水準で加えた。光沢のあるセラミックタイルを実施例1に記載されたように処理し、WI値(白色度)を各タイルの処理面と非処理面について、以下の表に示されるように測定した。
【表2】

【0044】
シリコンベースの界面活性剤の添加は、界面活性剤を含まない溶液と比べて、タイルの処理面の白色度における顕著な増加をもたらした。
【0045】
コートシル及びシルウェット製品(GEケミカルズ社)は、有効成分としてジメチルポリシロキサン、並びにアルキレングリコールのブロック又はグラフトポリマーを含むシリコン湿潤剤である。
【0046】
実施例4
PVOH(分子量85,000−146,000、加水分解度87−89%)1.5%、FWA0.5%、ダイノール(商標登録:Dynol)604(エアープロダクツ社)又はコートシル(商標登録:Coatsil)1301(GEシリコン社)0.2質量%で2種の溶液を調製した。白色ビニールフロアタイル(7cm×14cm、アームストロングタイル社)の半分を、上記溶液の0.50mLをタイル表面に滴下し、溶液がタイル表面の半分にむらなく分散するまで20秒間折り畳まれたペーパータオルを用いてふくことによって処理した。溶液をそれから風乾させた。その後、各タイルの処理面及び非処理面の白色度インデックス(WI)値の差異を測定した。
【表3】

【0047】
タイルの処理面は明らかに白くなり、非処理面に比べて大幅に高いWI値を有した。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
水性表面洗浄組成物であって、水、並びに、該組成物全体の質量に基づいて、
a)平均分子量約5,000乃至約200,000、加水分解度約70乃至約100%の可溶性ポリビニルアルコール(PVOH)約0.1質量%乃至約20質量%、
b)蛍光増白剤からなる群から選択される少なくとも一種の化合物約0.01質量%乃至約10質量%、及び
c)界面活性剤からなる群から選択される少なくとも一種の化合物約0.001質量%乃至約10質量%、
を含み、a):b)の質量:質量比率が約20:1乃至約1:10であり、該組成物のpHが約1乃至約11であることを特徴とする、水性表面洗浄組成物。
【請求項2】
前記ポリビニルアルコールが平均分子量約50,000乃至約200,000、加水分解度約70%乃至約95%を有することを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記ポリビニルアルコールが平均分子量約85,000乃至約200,000、加水分解度約75%乃至約90%を有することを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記ポリビニルアルコールが前記組成物全体の質量に基づいて約0.5質量%乃至約10質量%で存在することを特徴とする、請求項1記載の組成物。
【請求項5】
前記ポリビニルアルコールが前記組成物全体の質量に基づいて約0.6質量%乃至約4質量%で存在することを特徴とする、請求項1記載の組成物。
【請求項6】
前記蛍光増白剤がスチルベン誘導体、ベンゼン及びビフェニルのスチリル誘導体、ピラゾリン類、ビス(ベンゼン−2−イル)誘導体、ビス(ベンズオキサゾール−2−イル)誘導体及びビス(ベンズイミダゾール−2)−イル誘導体、2−(ベンゾフラン−2−イル)ベンズイミダゾール、クマリン類、カルボスチリル類、ナフタルイミド類、ジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、ピレン及びピリドトリアゾール誘導体からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1記載の組成物。
【請求項7】
前記蛍光増白剤が、4,4’−ビス(トリアジン−2−イルアミノ)スチルベン−2,2’−ジスルホン酸、モノ(アゾール−2−イル)スチルベン、ビス(アゾール−2−イル)スチルベン、1,4−ビス(スチリル)ベンゼン、4,4’−ビス(スチリル)ベンゼン、4,4’−ビス(スチリル)ビフェニル、4,4’−ビス(2−スルホスチリル)ビフェニルナトリウム塩、1,3−ジフェニル−2−ピラゾリン、2−(ベンゾフラン−2−イル)ベンズイミダゾール、4−メチル−7−ヒドロキシ−クマリン、4−メチル−7−ジエチルアミノクマリン、ジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド及びピレンからなる群から選択されることを特徴とする、請求項1記載の組成物。
【請求項8】
前記蛍光増白剤が、4,4’−ビス(トリアジン−2−イルアミノ)スチルベン−2,2’−ジスルホン酸、4,4’−ビス(スチリル)ベンゼン、4,4’−ビス−(スチリル)ビフェニル及び4,4’−ビス(2−スルホスチリル)ビフェニルナトリウム塩からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1記載の組成物。
【請求項9】
前記蛍光増白剤が、前記組成物全体の質量に基づいて、約0.1質量%乃至約7質量%で存在することを特徴とする、請求項1記載の組成物。
【請求項10】
前記蛍光増白剤が、前記組成物全体の質量に基づいて、約0.3質量%乃至約2質量%で存在することを特徴とする、請求項1記載の組成物。
【請求項11】
前記界面活性剤が、アニオン性、カチオン性、非イオン性、両性及び両イオン性界面活性剤からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1記載の組成物。
【請求項12】
前記界面活性剤が、
アルコキシ化アルコール類、アルコキシ化アルキルフェノール類、ソルビタン脂肪エステル、不飽和アルコールの脂肪酸、フッ素系界面活性剤、シリコンベースの界面活性剤、
アルキルサルフェート、アルキルエーテルサルフェート、アルキルアミドエーテルサルフェート、モノグリセリドサルフェート、アルキルスルホネート、アルキルアミドスルホネート、アルキルアリールスルホネート、オレフィンスルホネート、パラフィンスルホネート、アルキルスルホサクシネート、アルキルエーテルスルホサクシネート、アルキルホスフェート又はアルキルエーテルホスフェートのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩、アミノアルコール塩、又は、マグネシウム塩、
アルキルアンモニウムハライド、アルキルアリールアンモニウムハライド、及びN−アルキルピリジニウムハライド、
からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1記載の組成物。
【請求項13】
前記界面活性剤が、前記組成物全体の質量に基づいて、約0.01質量%乃至約7質量%で存在することを特徴とする、請求項1記載の組成物。
【請求項14】
前記界面活性剤が、前記組成物全体の質量に基づいて、約0.05質量%乃至約6質量%で存在することを特徴とする、請求項1記載の組成物。
【請求項15】
ポリビニルアルコール:蛍光増白剤の質量:質量比率が約10:1乃至約1:5であることを特徴とする、請求項1記載の組成物。
【請求項16】
ポリビニルアルコール:蛍光増白剤の質量:質量比率が約5:1乃至約1:1であることを特徴とする、請求項1記載の組成物。
【請求項17】
表面洗浄のための再利用可能な又は使い捨ての雑巾又はパッドであって、該雑巾又はパッドは、水性表面洗浄組成物であって、水、並びに、該組成物全体の質量に基づいて、
a)平均分子量約5,000乃至約200,000、加水分解度約70乃至約100%の可溶性ポリビニルアルコール(PVOH)約0.1質量%乃至約20質量%、
b)蛍光増白剤からなる群から選択される少なくとも一種の化合物約0.01質量%乃至約10質量%、及び
c)界面活性剤からなる群から選択される少なくとも一種の化合物約0.001質量%乃至約10質量%、
を含み、a):b)の質量:質量比率が約20:1乃至約1:10であり、該組成物のpHが約1乃至約11であるところの組成物を、それらの中に吸収又はそれらに吸着して有することを特徴とする、雑巾又はパッド。
【請求項18】
セルロース系、ポリオレフィン、織布又は不織布繊維を含むことを特徴とする、請求項17記載の雑巾又はパッド。
【請求項19】
セルロース系又はポリオレフィン不織布繊維を含むことを特徴とする、請求項7記載の雑巾又はパッド。
【請求項20】
水性洗浄組成濃縮物であって、該濃縮物全体の質量に基づいて、
a)平均分子量約5,000乃至約200,000、加水分解度約70乃至約100%の可溶性ポリビニルアルコール(PVOH)約0.25質量%乃至約50質量%、
b)蛍光増白剤からなる群から選択される少なくとも一種の化合物約0.025質量%乃至約25質量%、及び
c)界面活性剤からなる群から選択される少なくとも一種の化合物約0.0025質量%乃至約25質量%、
を含み、a):b)の質量:質量比率が約20:1乃至約1:10であることを特徴とする、濃縮物。
【請求項21】
表面により一層の増白効果及び光沢効果を提供するのに有用な再利用可能な又は使い捨ての雑巾またはパッドの製造方法であって、請求項1記載の水性洗浄組成物を雑巾又はパッドに含浸させること、又は塗布することからなる方法。


【公表番号】特表2007−511628(P2007−511628A)
【公表日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−538842(P2006−538842)
【出願日】平成16年11月3日(2004.11.3)
【国際出願番号】PCT/EP2004/052766
【国際公開番号】WO2005/049781
【国際公開日】平成17年6月2日(2005.6.2)
【出願人】(396023948)チバ スペシャルティ ケミカルズ ホールディング インコーポレーテッド (530)
【氏名又は名称原語表記】Ciba Specialty Chemicals Holding Inc.
【Fターム(参考)】