説明

被検部厚の検査方法及び装置

【課題】X線の透過特性を利用することによって、被検部が可視光線を透過させ難い場合にも高精度な残厚計測結果を得ることができる被検部厚の検査装置を提供する。
【解決手段】被検体6に対して照射するX線3を放射するためのX線源2と、被検体にX線を照射するための検査空間8を存してX線源に相対して配設されるX線の輝度を計測するためのX線輝度計測装置5と、被検体を検査空間内で所定の速度で通過させるための移送手段7と、移送手段,X線輝度計測装置及びX線源を制御すると共に、計測されたX線の輝度から被検部の厚さを算出して被検部の厚さが所望の範囲内にあるか否かを判定する制御装置12とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検部の厚さを検査する方法及び装置に関し、特に、X線を用いて、所謂インストルメントパネルと呼ばれる自動車の合成樹脂製内装品のインビジブル加工部の厚みを検査する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車内装部品の1つであるインストルメントパネルの品質検査には、該パネルに溝状に形成された、所謂インビジブル加工部、即ち溝状部の残厚測定という項目が含まれる。現状実施されている残厚測定の方法は、図8に示すように、被検部23に光源24からの可視光線25を照射し、被検部23である溝状部22を透過した光を受光装置26で捉え、その光量に応じて溝状部22の残厚或いは品質を判定するようにしている。
【0003】
図9に示す被検体27の溝状部22の断面を、X線CTで実際に撮影すると、溝状部22としては、図10(A)〜(C)に示すように適正な深さに溝が形成され且つ断面形状も崩れていないものがある他に、図10(D)〜(F)に示すように適正な深さに溝が形成されていても断面形状が崩れているものが存在することがわかる。
【0004】
このため、可視光線を使用する現行方法においては、被検部23の溝状部残厚が適正であっても断面崩れ等によって可視光線25が上手く透過し得ない状態の場合、図11(B)に示すように、透過光量が不十分となって不良品と判定されてしまうという問題、或いは、検査結果の信頼性が低下するという問題がある。一方、図11(A)は、断面が崩れていない部位の輝度グラフである。なお、図11は横軸に位置、縦軸にその部位の透過光量をとったものである。また、可視光線25は物質透過性が低いので、被検部23が肉厚の場合や、可視光線25を透過し難い素材から成る場合や不透明色の場合には、高精度の検査を行なうことができないという問題がある。
【0005】
他方、被検部に照射するエネルギー線として、X線を用いる異物検出装置が、特許文献1に開示されている。この特許文献1に記載の異物検出装置は、被検部がX線の経路上を通過し得るように配置され、該被検部の通過時に該被検部に向けてX線をパルス状に放射し、その透過X線をX線面センサによって検出し、被検体の形状や大きさを視覚的に捉えて異物を検出するように構成されている。
【0006】
また、エネルギー線としてX線を用いる別の例としては、特許文献2に記載の選果装置を挙げることができる。この特許文献2に記載の選果装置は、移送手段によってX線の経路上を通過する果実を挟むように対向配置されたX線源とX線検出器を備え、該果実を透過したX線の検出レベルに応じて被検体である該果実の良否を判定するように構成されている。
【特許文献1】特開平9−269380号公報
【特許文献2】特開昭62−273087号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1に記載の装置には、以下の如くの問題点がある。第1に、特許文献1に記載の装置は、被検部の厚さを計測することができるように構成されていないため、被検部の厚さを知り得ないこと。第2に、特許文献1に記載の装置では、パルス状X線が使用されるため、被検部が連続的な場合やこれに準ずるものである場合、若しくは、連続的に被検部を検査する必要がある場合などには不向きであること。第3に、X線の経路上を被検体が通過することを確認する手段と、その検知信号によってパルス状X線の放射制御を行なう制御手段の両手段を必要とし、構造が複雑化すること。第4に、X線を遮蔽する構成がなく、線Xが周囲に散乱する危険性があるという問題などが挙げられる。特許文献1に記載の装置同様に、特許文献2に記載の装置の構成では、X線を遮蔽する構成がなく、X線が周囲に散乱するおそれも考えられる。
【0008】
本発明は、以上の点に鑑みて創作されたものであり、X線の透過特性を利用することによって、被検部が可視光線を透過させ難い場合にも高精度な残厚計測結果を得ることができる被検部厚の検査方法及びそれを用いた装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の被検部厚の検査方法は、被検体の被検部にX線を照射し、該被検体を透過した透過X線量を検出し、各被検部に対応した透過X線量の測定値によって被検部の厚さを算出し、被検部の厚さが所望の範囲内にあるか否かを判定することを特徴としている。
【0010】
本発明の被検部厚の検査方法は、好ましくは、前記透過X線量の測定値として、被検部を透過したX線の輝度を利用する。
本発明の被検部厚の検査方法は、前記透過X線の輝度の測定値をxとして、被検部の残厚zを、1次関数z=ax+b(但し、aはX線を照射する物質に固有の係数であり、bは物質固有の定数である)から算出することが望ましい。
【0011】
上記目的を達成するために、本発明の被検部厚の検査方法は、被検体を移送しつつ該被検体の被検部に対してX線を照射する第1工程と、被検部を透過したX線をX線ラインセンサによって検出する第2工程と、この検出結果から被検部を透過したX線量の輝度を求める第3工程と、X線量の輝度に基づいて被検部の厚さを算出して該被検部の厚さが所望の範囲内にあるか否かを判定する第4工程と、を含むことを特徴としている。
【0012】
上記目的を達成するために、本発明の被検部厚の検査装置は、被検体に対して照射するX線を放射するためのX線源と、被検体にX線を照射するための検査空間を存してX線源に相対して配設されるX線の輝度を計測するためのX線輝度計測装置と、被検体を検査空間内で所定の速度で通過させるための移送手段と、移送手段,X線輝度計測装置及びX線源を制御すると共に、計測されたX線の輝度から被検部の厚さを算出して該被検部の厚さが所望の範囲内にあるか否かを判定する制御装置と、を備えたことを特徴としている。
本発明の被検部厚の検査装置は、好ましくは、X線の輝度をxとして、被検部の残厚zを、1次関数z=ax+b(但し、aはX線を照射する物質に固有の係数であり、bは物質固有の定数である)から算出する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、第1に、X線の透過特性を利用することによって、被検部が可視光線を透過させ難い場合にも高精度な残厚計測結果を得ることができるという効果がある。
【0014】
第2に、連続的にX線を放射しつつ被検体を移送手段を用いて、検査空間内を連続的に通過させるように構成したことによって、被検部を連続的或いは断続的に検査することができるという効果がある。これによって、合成樹脂製のインストルメントパネルに、断続的に形成された一連の溝状部全体に渡る連続的な残厚計測結果を得ることができるという効果がある。また更に、連続的に計測できることによって、被検部に対して断続的に形成された溝状部の形成ピッチを確認することもできるという効果がある。
【0015】
第3に、検査空間をX線遮蔽性を有するX線遮蔽手段で覆うことによって、単純な構成でありながら、安全性高く残厚計測或いは溝状部のピッチ計測を行なうことができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の好ましい実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の実施形態に係る被検部厚の検査装置1の構成を示す図である。図2は本発明の実施形態に係る検査装置1によって検品される被検体6の断面図である。図3は図1に示した検査装置1の制御及び動作に関するフローチャートの一実施形態を示したものである。
【0017】
図1に示すように、被検部厚の検査装置1は、X線源2と、このX線源2から放射されるX線3を適当に絞るためのスリット4と、このスリット4を通過して直進してきたX線3を検出するためのX線ラインセンサ5と、X線3の経路上に被検体6を通過させるためのコンベヤ7と、X線源2とX線ラインセンサ5の間に被検体6を通過させつつ被検体6に対してX線3を照射するための検査空間8と、この検査空間8を囲繞するX線遮蔽箱9と、X線源2,X線ラインセンサ5及びコンベヤ7を制御し且つX線ラインセンサ5によって検出された透過X線輝度に基づいて被検部10の残厚z’と溝状部11のピッチpの正否の判定を自在に行なうことができるコンピュータ12を備えている。
【0018】
X線源2は、コンピュータ12によってオン/オフのタイミングが制御される。オンの状態においては、所定の方向に向けて、X線3が連続的に放射される。放射されるX線3は、被検体6の最大厚部分を透過させた場合に、その透過X線3の輝度が適当な値となる程度まで低減したエネルギーレベルのものを用いることができる。
スリット4は、X線源2から放射されるX線3を適当に絞るためのものである。勿論、このスリット4は、予めX線源2に内蔵してもよい。
【0019】
X線ラインセンサ5は、スリット4によって絞り込まれたX線3の進行方向前方に、X線源2に相対して配設される。この配設位置は、コンベヤ7の無端帯における被検体6を載置する側の帯部13aとその逆側の帯部13bとの間の位置である。このような配置にすることによって、被検体6に向けて放射されるX線3が、X線ラインセンサ5に届くまでに、なるべく被検体6以外の物質を透過しないように構成し、エネルギーロスや被爆部の減少をはかることができる。X線ラインセンサ5には、従来公知のものを用いることができる。
【0020】
コンベヤ7は、X線3を透過させ得るほぼ均質な材質から成る所定の幅の帯の両端を結合した円環状の無端帯14を有する。さらに、コンベヤ7は、無端帯14の内周面に密着して無端帯14を回転させる一対のローラ15を有する。ローラ15の動作(その回動のタイミングや回動速度)の制御は、前記コンピュータ12によってなされるようになっている。
【0021】
検査空間8は、スリット4と、コンベヤ7の無端帯14における上側の帯部13aとの間に、該帯部13aに載置された被検体6を通過させ得る適当な大きさの空間として画成されている。被検体6は、この検査空間8内を通過する際にX線3が照射されるように構成される。
【0022】
X線遮蔽箱9は、X線遮蔽性を有する鉛などの素材から成っていて、検査空間8全体及びこの直下に位置するコンベヤ7及びスリット4、X線源2、X線ラインセンサ5全体を囲繞するように箱状に形成されている。
【0023】
コンピュータ12は、X線源2及びX線ラインセンサ5及びコンベヤ7を制御するように構成される。また、このコンピュータ12は、X線ラインセンサ5によって検出された透過X線輝度に基づいて、被検部10の残厚z’と溝状部11のピッチpの正否の判定を所定の判定基準に基づいて自在に行なうことができるように構成される。
【0024】
被検体6は、合成樹脂製で図2に示すように、所定のピッチpで断続的に形成されたほぼ一定の長さLを有する複数の溝状部11を有している。被検部10は、前記被検体6に形成された一連の溝状部11全体に渡るものである。
【0025】
以上のように構成された被検部厚の検査装置1の動作手順の一例を図3に示すフローチャートを用いて説明する。
図3に示すように、先ず、ステップS1において被検部厚の検査装置1全体が起動し、コンベヤ7の始端部16に被検体6が存在するか否かが判断される(ステップS2)。始端部16に被検体6が存在する場合、ステップS3にてコンベヤ7がコンピュータ12によって起動され、コンベヤ7が回動して始端部16上の被検体6をX線遮蔽箱9内の検査空間8へ向けて移送する。ステップS4にて、移送された被検体6が、検査空間8の検査位置に存在することが確認される。その存在が確認された場合、ステップS5においてコンピュータ12によってX線源2が始動してX線3が被検体6に向けて照射される。このX線3照射の開始とほぼ同時に、コンピュータ12によってX線ラインセンサ5が起動され(ステップS6)、被検体6を透過したX線3の検出が開始される。なお、X線3の照射中も被検体6は、コンベヤ7の始端部16から始端部17に向かって所定の速度で移送され続ける。
【0026】
このようにして、被検体6の被検部10全体に渡ってその各部位を透過した一連の透過X線の輝度値のデータを得て、被検部10の位置データxとそれに対応した輝度値データyからなるデータ(x,y)をコンピュータ12に随時集積する。このデータ(x,y)と同時に、X線ラインセンサ5による透過X線の撮像画像18を得る(ステップS7)。このようにして得た撮像画像18の一例を示したのが図4(A)である。
【0027】
次いで、ステップS8においてX線遮蔽箱9内からコンベヤ7の始端部17に向かって被検体6が搬出され、該X線遮蔽箱9内に被検体6が存在しないことが確認される。X線遮蔽箱9内に被検体6が存在しないことが確認された場合、撮像画像18の取得及びデータ(x、y)の取得が終了され(ステップS9)、同時にX線3の照射及びX線ラインセンサ5によるX線3の検出も終了される(ステップS10,S11)。
【0028】
その後、ステップS12では、取得された撮像画像18の処理が行なわれる。この処理の際に、データ(x,y)を関数y(x)に対応させ、横に位置データxの軸を、縦に輝度値データyの軸をとった直交x−y座標に各データをプロットし、前記撮像画像18に対応させたグラフAを作成する。このグラフAの一例を示したのが図4(B)である。
【0029】
この結果に基づいて、被検部厚を視覚化して画像出力する。ただし、この被検部厚zの可視化の処理の際に、関数データy(x)に所定の演算処理を施して、被検部10の位置xと被検部厚zとを対応させてもよい。これは、後述の実施例1に示す輝度値yと被検部厚zとの相関性に基づいて対応させるものである。つまり、被検部厚zと輝度値yとの間に、解析的関数z(y)が成り立つことを前提としている。関数z(y)=z(y(x))であるから、被検部10の位置xと被検部厚zとの対応関係が成り立ち、前記図4(B)のグラフAの縦軸を被検部厚zに変換することができる。
【0030】
ステップS13及びS14では、x−z座標上において、適当な数値処理或いは画像処理を施し、被検部10の残厚z’と各溝状部11の長さLや各溝状部11間のピッチpが適正な範囲内にあるかを判断する。このような処理判断は、勿論、z(y)によってx−y座標上においても行なうことができる。
【0031】
被検部10の残厚z’の判定は、例えば実施例1に示すように、透過X線3の輝度値yと被検部厚zとの間に一次関数z=z(y)=ay+bという関係が成り立つ場合、次のように行なう。被検体6の材質によって固有の値a及びbを予め決定しておく。各被検部10の輝度値yを順次ay+bに代入して演算を行なって各被検部厚zを算出する。被検部の厚さが薄い程、透過X線量が大きく、逆に透過X線量が大きい程、被検部10の厚さが薄いことになる。これは、透過X線量に対する被検部10の断面形状による影響が、被検部10の厚さ若しくは残厚z’の違いによる影響に比べて十分に小さいという実験事実に基づくものである。算出された被検部厚zの値が最大となる箇所は、被検部10における隣接する溝状部11間の部位に相当し、それに比べて被検部厚が適当に小さな値となる箇所が溝状部11の残厚を示している。この残厚z’が十分に小さくない場合、或いは小さ過ぎる場合などのように、被検部厚zが適正な範囲外にある場合には、不良と判断し、被検部残厚の検査結果としてNGを出力する(ステップS15)。
【0032】
各溝状部11の長さLの判定は、x−z座標におけるグラフB(図示せず)の各凹状に落した部分(凹落部という)の幅を算出することによってなされる。勿論この長さが短いことは、被検部10における溝状部11の長さLが短いことに対応するのであり、この長さLが短過ぎたり、長過ぎた場合には被検部10の溝状部11の長さLの検査結果としてNGを出力する(ステップS15)。
【0033】
各溝状部11間のピッチpの判定は、x−z座標におけるグラフBの隣接した凹落部間の幅を算出することによってなされる。この間隔が短いことは、被検部10における隣接した溝状部11間の間隔が小さいことに対応し、この間隔が小さ過ぎたり、大き過ぎた場合には被検部10の溝状部11のピッチpの検査結果としてNGを出力する。
【実施例1】
【0034】
被検部の輝度値yとその部位の被検部厚zとの相関性を調べるため、以下のような実験を行なった。図5に示すように、ほぼ均質の合成樹脂製のシートの面上に、平面形状が長円形の凹落部19を4つ併設し、それらの底部20の厚さを0.3mm、0.4mm、0.5mm、0.6mmと順次厚く残して構成したもの(図6参照)を被検体試料21とした。この被検体試料21を上記実施の形態において説明した被検部厚の検査装置1を用いて、この被検体試料21各部の輝度値を測定した。図5に示すような試料のX線3による透過画像を取得し、測定の結果取得したデータから前記底部20の基準厚さの部分の輝度値yの平均値を取得する。ただし、底部20の平均輝度値y’は、図5における斜線枠Wに示した範囲内のものである。その取得した平均輝度値y’とその部位の被検部厚zのデータを、y−z座標にプロットしてそのグラフCの近似式を導出する。
【0035】
このようにして得た実験結果を基にして作成したグラフCを図7に示す。ただし、本実施例に示す実験は、被検体試料21の合成樹脂材料として顔料濃度が2%のポリプロピレンを用いたものである。図7に示すグラフCに基づいて求めた近似式は、被検部10の平均輝度値をy’、その部位の被検部厚をzとして、z=−0.0023y’+7.045である。つまりこの近似式を用いて、実際の被検体6を上記被検部厚の検査装置1によって検査して得た平均輝度値y’を近似式に代入すれば、平均の残厚z’を計測できる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の実施形態に係る被検部厚の検査装置の構成を示す図である。
【図2】図1の検査装置によって検品される被検体の断面図である。
【図3】図1の検査装置の制御及び動作の一例を示すフローチャートである。
【図4】(A)は図1の検査装置による被検体の透過画像を示す図であり、(B)は透過画像に対応させてx−y座標に測定データをプロットしてなるグラフである。
【図5】図1の検査装置による被検体試料を示す図である。
【図6】図5に示す被検体試料のA−A断面図である。
【図7】図5の被検体試料の実測した平均輝度値y’とその部位の被検部厚zのデータを、y−z座標にプロットして得たグラフである。
【図8】従来の被検部厚の検査装置の模式図である。
【図9】被検体の斜視図である。
【図10】(A)〜(F)は、被検体のインビジブル加工部の断面を示す図である。
【図11】(A)及び(B)は従来の検査装置に関する透過光量と被検部の位置との関係のグラフである。
【符号の説明】
【0037】
1 被検部厚の検査装置
2 X線源
3 X線
4 スリット
5 X線ラインセンサ
6 被検体
7 コンベヤ
8 検査空間
9 X線遮蔽箱
10 被検部
11 溝状部
12 コンピュータ
13a 帯
13b 帯
14 無端帯
15 ローラ
16 始端部
17 終端部
18 撮像画像
19 凹落部
20 底部
21 被検体試料
z’ 残厚
L 溝状部の長さ
p ピッチ
W 斜線枠

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体の被検部にX線を照射し、該被検体を透過した透過X線量を検出し、各被検部に対応した透過X線量の測定値によって被検部の厚さを算出し、該被検部の厚さが所望の範囲内にあるか否かを判定することを特徴とする、被検部厚の検査方法。
【請求項2】
前記透過X線量の測定値として、前記被検部を透過したX線の輝度を利用することを特徴とする、請求項1に記載の被検部厚の検査方法。
【請求項3】
前記透過X線の輝度の測定値をxとして、被検部の残厚zを、1次関数z=ax+b(但し、aはX線を照射する物質に固有の係数であり、bは物質固有の定数である)から算出することを特徴とする、請求項2に記載の被検部厚の検査方法。
【請求項4】
被検体を移送しつつ該被検体の被検部に対してX線を照射する第1工程と、上記被検部を透過したX線をX線ラインセンサによって検出する第2工程と、この検出結果から上記被検部を透過したX線量の輝度を求める第3工程と、上記X線量の輝度に基づいて上記被検部の厚さを算出して該被検部の厚さが所望の範囲内にあるか否かを判定する第4工程とを含むことを特徴とする、被検部厚の検査方法。
【請求項5】
前記被検部がミシン目状の溝状部であることを特徴とする、請求項1乃至4の何れかに記載の被検部厚の検査方法。
【請求項6】
被検体に対して照射するX線を放射するためのX線源と、上記被検体にX線を照射するための検査空間を存して上記X線源に相対して配設されるX線の輝度を計測するためのX線輝度計測装置と、上記被検体を上記検査空間内で所定の速度で通過させるための移送手段と、上記移送手段,上記X線輝度計測装置及び上記X線源を制御すると共に、計測されたX線の輝度から被検部の厚さを算出して該被検部の厚さが所望の範囲内にあるか否かを判定する制御装置とを備えたことを特徴とする、被検部厚の検査装置。
【請求項7】
前記X線の輝度をxとして、被検部の残厚zを、1次関数z=ax+b(但し、aはX線を照射する物質に固有の係数であり、bは物質固有の定数である)から算出することを特徴とする、請求項6に記載の被検部厚の検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−212366(P2007−212366A)
【公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−34555(P2006−34555)
【出願日】平成18年2月10日(2006.2.10)
【出願人】(000157083)関東自動車工業株式会社 (1,164)
【Fターム(参考)】