説明

装着具

【課題】 特定方向からの入光を検知するように固定配置された光センサを有するゲームコントローラを、光センサを特定方向外に向けて使用しても利用可能にすること。
【解決手段】ゲームコントローラ1230にコントローラ装着具100を装着する。コントローラ装着具100は、コントローラ収容部102にゲームコントローラ1230を収容し挟持腕部118で挟持・固定する。コントローラ収容部102の先端に光路変更部106が備えられている。光路変更部106内には、ゲームコントローラ1230の長手方向に対して斜め45°を成すミラー120が設置されており、ミラー120で反射し光路が変更されることによって、撮像素子1256は、ゲームコントローラ1230の先端方向以外からの光も撮影する事が可能になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームコントローラに装着する装着具に関する。
【背景技術】
【0002】
家庭用ゲーム装置の多くは、様々なゲームジャンルに用いることができる汎用のゲームコントローラを備えている。ゲームコントローラは、ゲームパッドとも呼ばれることもある。通常、プレーヤは、ゲームコントローラを持ってディスプレイモニタの前に座り、ゲームコントローラに装備されたプッシュボタンやレバーと言った入力素子を指先で操作し、各種のゲーム操作を入力して使用する。
【0003】
また、こうした汎用のゲームコントローラとは別に、例えばガンシューティングゲームに特化した銃型ゲームコントローラも良く知られるところである(例えば、特許文献1)。銃型ゲームコントローラは、例えば、銃を模した外観を有し、射撃方向を検知するための光センサを備える。プレーヤが銃型コントローラを構え、ディスプレイモニタに映し出された標的を狙ってトリガーを操作すると、光センサでゲーム画面から発せられた光を検出することによってディスプレイモニタの画面内の何所を狙っていたかを検知できる。
【特許文献1】特開2004−94653号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
さて、上述の銃型ゲームコントローラのように、光センサを用いてゲームコントローラがゲーム画面のどこを指しているかといった、ゲームコントローラとディスプレイモニタとの相対位置に係る情報を取得・利用する為には、検出基準となる光信号を発するディスプレイモニタの画面の方向に光センサを向ける必要がある。換言すれば、光センサがゲームコントローラに固定されている以上、ディスプレイモニタに対するゲームコントローラの使用可能な相対姿勢が制限されることになる。
【0005】
使用姿勢の制限は、銃型ゲームコントローラのように特定ゲームでの使用を前提とした場合には問題無いが、例えば家庭用ゲーム装置に付属する様な汎用のゲームコントローラでは本来の汎用性を損なうことになる。
【0006】
すなわち、ゲームコントローラに固定された光センサを用いて、ゲームコントローラとディスプレイモニタとの相対位置に係る情報を取得・利用するには大きな制限が伴うからである。本発明は、こうした事情を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、特定方向からの入光を検知するように固定配置された光センサを有するゲームコントローラを、光センサを特定方向外に向けて使用しても利用可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する第1の発明は、特定方向から入光する光を検出する光検出部(例えば、図2の撮像素子1256)と、前記光検出部により検出された結果の信号をゲーム装置本体に出力する検出信号出力部(例えば、図2のコントローラ制御ユニット1260、近距離無線通信モジュール1252)とを備えたゲームコントローラに装着される装着具(例えば、図4のコントローラ装着具100)であって、前記光検出部に対する所定位置に位置することで、光路を屈曲させて前記特定方向外からの光を前記光検出部に入光させる光路変更部(例えば、図4の光路変更部106、ミラー120)と、前記ゲームコントローラに着脱自在に係合して前記光路変更部を前記所定位置に固定させる係合部(例えば、図4のコントローラ収容部102、挟持腕部118)と、を備える装着具である。
【0008】
ここで言う「光路」とは、直進する光の進む道筋を意味する。
第1の発明によれば、ゲームコントローラに装着具を装着することによって、ゲームコントローラの光検出部の所定位置に、光路を屈曲させて前記特定方向外からの光を前記光検出部に入光させる光路変更部を固定することができる。そして、光検出部の出力信号は検出信号出力部によってゲーム装置本体に出力され、これをゲーム実行に係る演算処理に利用する事が可能となる。つまり、特定方向外からの光であっても、その進行方向を変化させて光検出部に導くことで、ゲームコントローラを特定方向に向けていなければ光検出部を利用できないといった制限を解消することができる。
【0009】
第2の発明は、前記光路変更部は、前記光検出部への入光可能角度を拡大する光学素子(例えば、図9のレンズ128、V字ミラー130)でなる第1の発明の装着具である。
【0010】
光学素子とは、レンズ、プリズム、ミラーといった光学系を形成する素子であって、固体や液体と言った相状態、平坦や曲面と言った表面形状、個数は問わない。
第2の発明によれば、第1の発明と同様の効果を奏するとともに、光検出部への入光可能な角度を拡大し、より広範囲からの光を光検出部に導く事ができる。したがって、光検出部を利用可能な使用時姿勢の幅をより一層広めることができる。
【0011】
第3の発明は、前記光学素子が曲面鏡または多面鏡でなる第2の発明の装着具である。
【0012】
第3の発明によれば、第2の発明と同様の効果を奏するとともに、入光可能角度を拡大する光学素子を安価に製造し、装着具の製造コストを低減できる。
【0013】
また、第4の発明として、前記光学素子が凹レンズでなる第2の発明の装着具を構成するとしてもよい。
【0014】
第5の発明は、前記係合部により前記所定位置に固定された際の前記光検出部に対する前記光路変更部の姿勢を微調整する調整部(例えば、図9の軸134、可動ミラー136、リターンスプリング138、調節ネジ140)を更に備えた第1〜第4の発明の何れかの装着具である。
【0015】
第5の発明によれば、更に、光路変更部の姿勢を微調整することができるので、光路の変更具合をユーザレベルで、より実際の使い勝手に適合させるといったことが可能になる。
【0016】
第6の発明は、所定の器具または用具を具象する具象部(例えば、図4のコントローラ収容部102、ダミーヘッド104、図10のハンドル202、図15のコントローラ収容部302)を備えた第1〜第5の発明の何れかの装着具である。
【0017】
第6の発明によれば、第1〜第5の発明の何れかと同様の効果を奏するとともに、所定の器具または用具を具象する部位を設けることで、ゲームコントローラを使用しているにも係わらず、あたかも別の器具又は用具を使っているかのような感覚をもたらすことができる。特に、具象部がゲーム内のキャラクタを操作するための器具や用具、或いはゲーム内のキャラクタが使用する器具または用具を具象するとするならばその効果はより一層高くなる。
【0018】
第7の発明は、前記具象部は、把持部を有する器具又は用具の一部又は全部を具象した形状を成し、前記係合部は、前記具象部の前記把持部相当部位に設けられ、前記ゲームコントローラの全体又は一部を前記具象部内に収容することで前記係合部が前記ゲームコントローラを係合する第6の発明の装着具である。
【0019】
第7の発明によれば、第6の発明と同様の効果を奏するとともに、プレーヤは、収容されたゲームコントローラごと装着具を把持してゲームプレイすることになる。したがって、例えば具象部がラケットやバットなどの一部を具象し、プレーヤが振り回すようにして使用する場合であっても、装着具だけがゲームコントローラから分離されて放り出されるといった事態を防ぐことができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、特定方向からの入光を検出する光センサを有するゲームコントローラに、特定方向外からの光を光センサに導く光路変更部を装着することで、光センサを特定方向外に向けて使用しても光センサを利用できるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
〔第1実施形態〕
以下、本発明を適用した第1実施形態として、家庭用ゲーム装置においてテニスゲームをプレイするのに適したコントローラ装着具の例を挙げて説明する。尚、本実施形態が適用可能なゲームジャンルはテニスに限らず、バトミントンやスカッシュ、卓球などラケットに相当する用具を用いるゲームに適用することができる。また、釣りのように棒状用具を振ったり揺すったりする動作を要求するゲームに適用することができる。
【0022】
[ゲーム装置の構成]
図1は、本実施形態における家庭用ゲーム装置の構成例を説明するシステム構成図である。ここで説明する家庭用ゲーム装置は、例えば任天堂製の「Wii(ウィー:登録商標)」などで実現されている。
【0023】
同図に示すように、家庭用ゲーム装置1200のゲーム装置本体1201は、例えばCPUや画像処理用LSI、ICメモリ等が実装された制御ユニット1210と、光学ディスク1202やメモリカード1204といった情報記憶媒体の読み取り装置1206,1208を備える。そして、家庭用ゲーム装置1200は、光学ディスク1202やメモリカード1204からゲームプログラム及び各種設定データを読み出し、ゲームコントローラ1230に為される操作入力に基づいて制御ユニット1210が各種のゲーム演算を実行し、所与のビデオゲームを実行する。
【0024】
制御ユニット1210は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)及びDSP(Digital Signal Processor)などの各種マイクロプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、ICメモリなどの電気電子機器を備え、演算処理等を行って家庭用ゲーム装置1200の各部を制御する。本実施形態では、制御ユニット1210は、インターネットやLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)といった通信回線1と接続して外部装置との間でデータ通信を実現する通信装置1212と近距離無線通信モジュール1214とを備える。
【0025】
近距離無線通信モジュール1214は、近距離無線を介して複数のゲームコントローラ1230それぞれから送信される操作入力信号を受信する。近距離無線の形式としては、例えばBluetooth(登録商標)やUWB(超広帯域無線)、無線LANなどが適宜適用可能である。
【0026】
ゲーム装置本体1201の制御ユニット1210は、ゲームコントローラ1230から受信した検出信号や操作入力信号に基づいてゲーム画像やゲーム音を生成してビデオゲームを実行する。生成されたゲーム画像やゲーム音は、信号ケーブル1209で接続されたディスプレイモニタ1220に出力される。ディスプレイモニタ1220には、画像を表示する画像表示部1222と、音声を出力するスピーカ1224とが備えられており、プレーヤは画像表示部1222に映し出されるゲーム画像を見ながら、スピーカ1224から放音されるゲーム音を聞きつつゲームをプレイする。
【0027】
図2は、本実施形態において用いられるゲームコントローラ1230の外観の一例を示す図である。同図(a)が正面図、同図(b)が右側面図、同図(c)が下面図に相当する。
【0028】
同図に示すように、ゲームコントローラ1230の外形としては、左右下端が面取りされた断面を有する略四角の棒状を成している。棒状の下側には把持部1232が形成され、中央よりもやや上方位置から断面が小さく絞られて主操作部1234が形成されている。
【0029】
把持部1232の左右側面には下端から長手方向中程に至るまでガイド溝1236が形成されている。ガイド溝1236の上端寄りには、部分的に溝が深くなった凹部1237が形成されている。ゲームコントローラ1230を単独で使用する場合、棒を掴む要領でプレーヤは把持部1232を持ち、持ち手の親指や人差し指で主操作部1234や把持部1232に設けられた各種入力デバイスを操作する。
【0030】
入力デバイスとしては、把持部1232の正面側に、プッシュボタンスイッチなどで実現される複数の操作ボタン1240が設けられている。主操作部1234の正面側には、方向を入力する方向入力キー1242と、操作ボタン1244とが設けられており、更に裏面側にはプッシュボタンスイッチなどで実現されるトリガー1246が設けられている。
【0031】
また、ゲームコントローラ1230は、3軸加速度センサ1248と、接続端子1250と、近距離無線通信モジュール1252と、スピーカ1254と、撮像素子1256と、内蔵バッテリー1258と、コントローラ制御ユニット1260とを備える。
【0032】
3軸加速度センサ1248は、ゲームコントローラ1230の長手方向(図の上下方向)をX軸、左右方向(図の左右方向)をY軸、表裏方向をZ軸とする3軸方向の加速度を検出することによって、ゲームコントローラ1230の姿勢変化や動きを検出し、コントローラ制御ユニット1260に出力する。尚、3軸加速度センサ1248は、直交するXYZ軸方向の加速度を検出する3軸加速度センサによって実現できる。更にこれにジャイロスコープを加えることによって、更にXYZの3軸廻りの角速度を検出可能とした6軸加速度センサとすることもできる。また、3軸分の加速度がゲーム操作上必要ない場合には、適宜検出可能な加速度の要素を省略しても良い。
【0033】
接続端子1250は、外部からの信号ケーブルを電気的に接続する端子であり、外部からの信号をコントローラ制御ユニット1260へ伝える。接続端子1250は、例えばゲームコントローラ1230の下部に設けられており、ケーブル等をつなげて他のコントローラ等と電気的・物理的に接続することができる。
【0034】
近距離無線通信モジュール1252は、ゲーム装置本体1201の近距離無線通信モジュール1214と無線通信し、ゲームコントローラ1230とゲーム装置本体1201との間でデータ通信を実現する。例えば、入力デバイスに為された操作入力に応じた操作入力信号や、3軸加速度センサ1248による検出結果に基づく検出信号、或いは接続端子1250から入力された信号をゲーム装置本体1201へ出力し、反対にゲーム音のデータをゲーム装置本体1201から受信する。
【0035】
スピーカ1254は、把持部1232の正面側に向かって放音する姿勢で設けられ、コントローラ制御ユニット1260から出力された音信号に従ってゲーム音を放音する。
【0036】
撮像素子1256は、受光した光の強さに応じて撮像信号を出力する光センサであって、例えばCCDセンサやCMOSセンサといったイメージセンサ及びそれらのドライバ回路などによって実現される。撮影素子1256は、ゲームコントローラ1230の長手方向先端部に固定されている。受光面は、上端面に向けられており、ゲームコントローラ1230の先端方向からの光を所定の画角範囲θvy,θvzで受光・撮影し、撮像信号(画像データ)をコントローラ制御ユニット1260に出力する。
【0037】
コントローラ制御ユニット1260は、例えば各種マイクロチップやICメモリなどの電子部品を実装し、主に近距離無線通信モジュール1252を介したゲーム装置1200とのデータ通信に係る処理を実行するとともに、ゲームコントローラ1230の各部を制御する。データ通信の対象としては、例えば、操作ボタン1240,1244や方向入力キー1242などの入力デバイスへ為された操作入力に応じた操作入力信号、3軸加速度センサ1248で検出した加速度検出信号、接続端子1250を介して外部から入力された各種の信号、スピーカ1254から出力するための音データ、撮像素子1256で撮影された撮像信号或いは撮影された画像の画像データ、およびゲーム実行に係る各種信号やデータが含まれる。
【0038】
また、図1に示すように、本実施形態における家庭用ゲーム装置1200は、ディスプレイモニタ1220の近傍に、画像表示部1222の画像表示方向(画像表示部1222が表示用の光を発する方向)に光信号を出力する光信号出力装置1226を備える。そして、光信号出力装置1226から発せられる光信号をゲームコントローラ1230の撮像素子1256で撮影し、撮影した画像に基づいて、ゲームコントローラ1230とディスプレイモニタ1220との相対位置などの情報を取得し、例えばゲーム画面内にポインタ7を表示させることができる。
【0039】
図3は、本実施形態におけるゲームコントローラ1230とディスプレイモニタ1220との相対位置情報を取得する原理を説明するための概念図である。
図3(a)に示すように、本実施形態における光信号出力装置1226は、左右両端にそれぞれ特定波長の光(例えば赤外線)を前面に投光する複数の発光素子を備える。そして、発光素子の投光方向を画像表示部1222の前方すなわちプレーヤ2の側に向け、更に左右方向を画像表示部1222の左右方向に合わせ且つ左右中心を表示画面の左右中心に合わせて、ディスプレイモニタ1220の上に配置され、ゲーム装置本体1201に有線接続される。
【0040】
プレーヤ2は、ディスプレイモニタ1220の正面で、ゲームコントローラ1230を画像表示部1222から、ゲームプレイに適した距離(例えば1m〜3m程度)だけ離した状態で使用する。尚、ここではゲームコントローラ1230は、操作ボタン1240,1244が備えられたコントローラの正面を鉛直上向きにして使用することを前提として説明する。
【0041】
さて、ゲームコントローラ1230に備えられている撮像素子1256は、ゲームプレイに適した距離離れた状態で、光信号出力装置1226から発せられた特定波長の光を効率よく受光・撮影するのに適した画角範囲やフィルタ等が設定されている。ゲームコントローラ1230の先端を、ディスプレイモニタ1220に向けることで、光信号出力装置1226から発せられた光は撮像素子1256で撮像される。撮影された画像の情報は、撮像素子1256の各素子の出力信号、或いはコントローラ制御ユニット1260で形成された画像データとして、近距離無線通信モジュール1252を介してゲーム装置本体1201に送信される。
【0042】
図3(b)は、撮像素子1256で撮影された画像5の例を示す概念図である。
撮影された画像5には、光信号出力装置1226の両端から発せられた光が2つの光点P1,P2となって写る。ゲーム装置本体1201の制御ユニット1210は、撮影した画像5を画像処理し、光点P1,P2を結ぶ線分の中間点P3で直交する直交線L1を求める。そして、中間点P3から画像上で所定距離Dyだけ離れた点を求める。この点を、撮影された画像5におけるゲーム画面6(図中の二点鎖線の矩形)の仮想中心点P6に相当する位置とする。
【0043】
所定距離Dyは、予め家庭で使用されるディスプレイモニタの標準的なサイズを想定し、想定されたサイズのディスプレイモニタの上に光信号出力装置1226が設置されたと仮定した場合に、表示画面の中央に合致するように予め決定されている。
また、光信号出力装置1226の発光素子間の距離は規定値であるから、撮影画像5における光点P1,P2間の距離から、撮影画像5における距離と実際のゲーム画面における距離との対応づけができる。例えば、撮影画像5における1ピクセル分の距離が、ゲーム画面における1ピクセル分の距離に相当するといった具合である。
【0044】
したがって、ゲーム装置本体1201は、仮想中心点P6と撮影画像5の撮影中心点P5とのズレに応じたゲーム画面の中心点から所与の位置にポインタ7を表示させることができる。そして、プレーヤ2は、画面にポインタ7が表示されるのを見て、自身が指し示したい位置にポインタ7を移動させるようにゲームコントローラ1230の先端の向きを変える操作をすると、これに伴って撮影画像5では光点P1,P2の位置が変わる。すると、ゲーム装置本端1201では仮想中心点P6の新たな位置を求め、新たな仮想中心点P6に対する撮影中心点P5に相当するゲーム画面座標にポインタ7を移動させるように表示制御する。これを繰り返すことで、あたかもゲームコントローラ1230でゲーム画面上の一点を指し示しているかのような機能を実現することができる。
【0045】
また、光点P1,P2を結ぶ線分の撮影画像5の左右方向に対する傾きから、ゲームコントローラ1230の長手方向軸(X軸)廻りの捻りを検出することができる。
【0046】
尚、画像表示部1222やその周辺をゲームコントローラ1230に備えた撮像素子で撮影することで画像表示部1222とゲームコントローラ1230の相対距離や相対姿勢を求める方法は、その他の公知技術を用いることで実現するとしても良いのは勿論である。
【0047】
[構造の説明]
次に、本実施形態におけるコントローラ装着具の構造について説明する。
図4は、本実施形態におけるコントローラ装着具の一例を示す外観図であって、(a)正面図、(b)左側面図、(c)部分背面図、(d)下面図に相当する。図5は、図4(a)に示すA−A断面における縦断面図である。
【0048】
これらの図に示すように、本実施形態のコントローラ装着具100は、全体としてテニスで用いるラケットの外観を模して樹脂等で形成されている。ただし、大きさは実際のそれよりも小さくて良い。
【0049】
コントローラ装着具100は、大きく分けて3つの部位から成る。すなわち、グリップおよびシャフトに相当する部位を具象したコントローラ収容部102と、ラケットのヘッドを具象したダミーヘッド部104と、図で言うところのコントローラ収容部102の上端、すなわちコントローラ収容部102とダミーヘッド部104との結合部近傍に設けられた光路変更部106とを備える。
【0050】
コントローラ収容部102は、断面が略コの字状或いはC字状の筒状を成しており、ゲームコントローラ1230を長手方向に挿入し収容することのできる収容空間を画成する。その内側上端には、ゲームコントローラ1230を収容した際にその先端を突き当てる突当壁108を備える(図5参照)。突当壁108は、外周から空間中央に向かって突設されており、収容空間の中央部分は上端開口部109となる。上端開口部109は、撮像素子1256(図2参照)の受光面の面積よりも大きくなるように設定されている。
【0051】
また、コントローラ収容部102は、収容されたゲームコントローラ1230の下面の接続端子1250にアクセス可能な下端開口部110を下端に備え、更に収容されたゲームコントローラ1230の正面に設けられた入力デバイスを外部から操作可能とする正面開口部112を備える。また、コントローラ収容部102の底壁には、トリガー挿通孔116が設けられており、ゲームコントローラ1230を収容した際にトリガー1246が挿通され、コントローラ収容部102の外部から操作可能となる。
【0052】
コントローラ収容部102の左右の側壁は、ラケットのシャフト部分とハンドル部分とを分ける位置近傍に底壁方向に切り欠かれた切欠部114を備える。
【0053】
切欠部114より下方側は、収容されたゲームコントローラ1230を挟持する挟持腕部118として機能する。挟持腕部118の内壁面には、ゲームコントローラ1230の左右側面に形成されたガイド溝1236(図2参照)に嵌合可能な畝状の嵌合突起部118aが突設され。更に挟持腕部118の正面側の先端部には、やや内側向きに上面係合爪部118bが延設されている。正面開口部112の切欠部114より下方側は、この上面係合爪部118bが延設されている分だけ左右の開口幅が小さくなっている。また、切欠部114より下方側の外周には、滑り防止用のラバーグリップ117が形成されている。
【0054】
挟持腕部118は、適度な弾性を有し、ゲームコントローラ1230を挿入する際に左右に撓ませて開口幅を広げることができる。そして、ゲームコントローラ1230をコントローラ収容部102へ収容すると弾性によって閉じ、ゲームコントローラ1230を左右から挟持する。この際、嵌合突起部118aがゲームコントローラ1230のガイド溝1236に嵌着され、上面係合爪部118bがゲームコントローラ1230の上面下方の左右端に被さるようにして係合し、収容されたゲームコントローラ1230の固定を助ける。
【0055】
ダミーヘッド部104は、コントローラ収容部102の先端と一体成形されており、ラケットのヘッドを模した外形を有している。ガットに相当する部位は、外周のフレーム部分と一体成形の網目としても良いし、薄板に絵柄をプリントして網目があるように見せるとしても良い。
【0056】
光路変更部106は、コントローラ収容部102の上端に一体成形されており、上端開口部109の更に先端側の位置にミラー120が固定されている。
ミラー120は、反射面をコントローラ装着具100の正面方向に向けるようにして、コントローラ収容部102の長手方向に対して斜め45°を成して固定されている。より好適には、コントローラ収容部102に収容された状態におけるゲームコントローラ1230の撮像素子1256の撮影方向に対して斜め45°を成すようにする。ミラー120の正面側には光進入口122が開口しており、コントローラ収容部102の正面方向から進入した光は、ミラー120で光路を90°屈曲されて上端開口部109に到達することができるようになっている。
【0057】
[装着方法の説明]
図6は、本実施形態におけるコントローラ装着具100をゲームコントローラ1230へ装着する装着方法を示す図である。図6は、図5と同様のコントローラ装着具100の縦断面図として示している。
【0058】
図6(a)に示すように、先ずゲームコントローラ1230の正面と、コントローラ装着具100の正面とを同じ方向に合わせる。そして、ゲームコントローラ1230の先端を、正面開口部112の切欠部114よりも先端側に挿し込み、ゲームコントローラ1230の先端を突当壁108に突き当てるようにして押し込む。この際、挟持腕部118を左右に広げつつゲームコントローラ1230の先端を支点にするようにして挟持腕部118の間にゲームコントローラ1230の把持部1232を嵌めこむ。
【0059】
すると、図6(b)に示すように、ゲームコントローラ1230がコントローラ収容部102の収容空間に収容されて、挟持腕部118は弾性で閉じた状態となり、嵌合突起部118aがゲームコントローラ1230のガイド溝1236に嵌着され、上面係合爪部118bがゲームコントローラ1230の上面下方の左右端に被さるようにして係合する。
【0060】
[使用方法の説明]
図7は、ゲームコントローラ1230にコントローラ装着具100を装着した状態を示す外観図であって、(a)正面図、(b)部分背面図、(c)下面図に相当する。
同図に示すように、プレーヤは、トリガー挿通孔116より突出したトリガー1246に人差し指を掛け、親指を操作ボタン1244に沿えて、あたかも本物のラケットを握る要領でラバーグリップ117を把持する。この際、ゲームコントローラ1230に振り抜け防止のストラップなどが装備されている場合にはこれを予め手首に掛けておくのは勿論である。
【0061】
図8は、本実施形態におけるプレースタイルの一例を示す概念図である。同図に示すように、プレーヤ2は、図7で示したようにコントローラ装着具100ごとゲームコントローラ1230を把持し、その正面を画像表示部1222に向けて構える。画像表示部1222には、例えば、テニスコートを斜め俯瞰したテニスゲームのゲーム画面が表示される。尚、テニスゲームそのものについては公知のゲームを利用可能であるので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0062】
そして、プレーヤ2は、例えば方向入力キー1242でコート上のプレーヤキャラクタの位置を変更し、テニスボールがプレーヤキャラクタに近づいたタイミングを見計らってラケットを振るように、ゲームコントローラ1230を振る。
【0063】
ゲーム装置本体1201の制御ユニット1210では、ゲームコントローラ1230から受信した信号に基づいてプレーヤキャラクタが打球を打つタイミングを決定し、プレーヤキャラクタが球を打ち返すように制御する。球を打ち返すタイミングの決定に際しては、公知の技術を適宜用いることができる。例えば、3軸加速度センサ1248の加速度検出信号からゲームコントローラ1230の振り始めを検出してテニスボールを打つタイミングとしても良い。勿論、プレーヤキャラクタがテニスボールとの相対位置関係や打球を打つタイミングが所定の基準と比較して不適当と判断される場合には、空振りするといった具合に制御する。
【0064】
ここで、コントローラ装着具100を装着しないでゲームコントローラ1230を使用した場合を考えると、撮像素子1256の受光面はゲームコントローラ1230の先端方向を向いているので、球を打つタイミングではプレーヤの右側(図8(a)で言うところの手前側)を向き、撮像素子1256には光信号出力装置1226から発せられる光は写らない。つまり、撮像素子1256をテニスボールの打ち返しに係る制御に利用することができない。
【0065】
しかし、本実施形態では、コントローラ装着具100の光路変更部106の作用によって、撮像素子1256の撮影可能な方向は、実質的にゲームコントローラ1230の正面を向くことになる。したがって、図8のようなプレースタイルを採ることによって、テニスボールの打ち返す動作の前後で、撮像素子1256に光信号出力装置1226から発せられた光が写るのでこれを利用することができる。
【0066】
具体的な利用形態としては、制御ユニット1210は、プレーヤキャラクタによる球を打つタイミングを演算処理して監視しており、球を打ち返すタイミングであると判定したそのタイミングにおいて、例えば図8(a)の吹き出し囲み内に示す撮影画面のように、撮影された画像5の撮影中心点P5(図8(a)参照)の、仮想中心点P6近傍に設けられた基準領域8に対する画面左右方向のズレを求める。そして、右方(撮影画像で言うところの上方)にずれている場合には、ズレ量に応じた角度で振り遅れたと判定する。逆に撮影中心点P5(図3参照)が仮想中心点P6よりも左方(撮影画像で言うところの下方)にずれている場合には、ズレ量に応じた角度で振りが早かったと判定する。そして、ズレ量に応じた角度で打球の軌道を算出する。また、図8(a)では基準領域8を撮影画像5の全高を有する縦長の領域としたが、撮影画像5の全幅を有する横長の領域を別途設定して、この領域に対する画像上下方向のズレを求めるとしてもよい。その場合には、ラケットのヘッドが上向きであったか、下向きであったかを判定することができる。
【0067】
また、別の利用形態としては、例えば打ち返す直前の相対位置の変化、つまり撮影中心点P5の仮想中心点P6に対する上方(撮影画像で言うところの右方)或いは下方(撮影画像で言うところの左方)への移動速度に応じて、実際のテニスと同様に打ち返すテニスボールにスピンを発生させると言った制御を行うとしても良い。
スピンの発生制御に利用する形態は、3軸加速度センサ1248で検出される加速度から打ち返す直前の相対位置の変化を求めることも可能であるが、通常、3軸加速度センサ1248で検出される加速度には動きによる加速度だけでなく重力加速度も含まれており、少なからずゲーム操作として不適当な場面がある。しかし、本実施形態のように撮像素子1256を用いたゲームコントローラ1230の画像表示部1222に対する相対位置変化の算出は、時間当たりの分解能が高く、フィルタ処理の影響も小さいので微細な動作をすばやく検知するのに適している。したがって、同じようにスピンを発生させる制御を行うにしても、加速度を利用する場合に比べて、より本物に近い細やかな操作が可能になると言える。
【0068】
[変形例の説明]
尚、コントローラ装着具100の形態は、適宜構成要素の追加・削除・変更を行うことができる。
【0069】
例えば、ミラー120の反射面の方向は、コントローラ装着具100の正面からの光を反射するように設定しているが、コントローラ装着具100の側面からの光を反射するように設定しても良い。
【0070】
また、図9(a)のコントローラ装着具100Bのように、光路変更部106のミラー120に代えてプリズム126やレンズ128などの光透過型の光学素子を用いることで光路を変更し、撮像素子1256の撮影方向の向きを変える構成としても良い。より具体的には、光路変更部106の光進入口122にレンズ128として凹レンズを設けると、撮像素子1256でより広範囲を撮影することができるようになる。あるいはプリズムの表面を凹面としても良い。すると、例えばテニスゲームで言えば、スイング操作の早期から後期に掛けて比較的長期間の間、撮像素子1256で光信号出力装置1226からの光を撮影し利用することが可能になる。尚、レンズ128は固定に限らず、例えばその外周に光路変更部106の躯体部分と螺合するネジ部を設け、レンズ128を回転させることで撮像素子1256からの距離を微調整可能な構成としても良い。
【0071】
また、コントローラ装着具100の例では、単体のミラー120の反射面を一方向のみに向けた構成としているがこれに限らない。例えば、図9(b)のコントローラ装着具100Cのように、V字ミラー130(多面鏡)を、V字の屈曲部を上端開口部109に向けて配置することによって、コントローラ装着具100Cの正面側(図の右側)と裏面側(図の左側)との両方からの光を上端開口部109に導く構成としても良い。この場合、ダミーヘッド部104の両面、つまりラケットの両面を使うことができるので、フォアハンドスイングのみならずバックハンドスイングも可能になる。
【0072】
更には、V字ミラー130の代わりとして、円錐状の全方位ミラー(曲面鏡)を設け、光路変更部106の外周を光透過性の透明樹脂カバー132で支持・固定する構成としても良い。この場合、コントローラ装着具100Cの長手方向を軸として全周方向から上端開口部109に光を導くことができるので、より一層広範囲な領域を撮像素子1256で撮影できるようになる。
【0073】
また更には、ミラー120の傾斜角度は固定に限らず、可変機構を設けるとしても良い。例えば、図9(c)のコントローラ装着具100Dに示すように、光路変更部106の上部に左右方向に軸134を設け、可動ミラー136を軸134に揺動可能に枢支する。そして、リターンスプリング138で一方向(図で言うところの上方へ跳ね上がるように)へ付勢するとともに、付勢方向側に位置調整可能な調整ネジ140を設けて付勢方向への揺動限界を規定する。つまり、調整ネジ140を進退させることによって可動ミラー126の設置角度を変えることができる。この様な構成とすることで実質的に撮像素子1256が撮影可能な方向をプレーヤの持ち方の特徴など様々な要因に応じてユーザレベルで微調整できる。
【0074】
また、上記第1実施形態及びその変形例では、ミラー120やV字ミラー130、可動ミラー136を平坦な鏡として図示してきたが、適宜曲面鏡とすることができる。例えば、ミラー120を反射面方向(図5の例で言えば右下方向)に凸状に湾曲させた凸面鏡とするならば、より広範囲からの上端開口部109への光の進入を可能にし、撮像素子1256で撮影可能な範囲を拡大することができる。凸面鏡の代わりに、凹レンズを装着するとしても良い。
【0075】
また例えば、コントローラ装着具100では、ダミーヘッド104を樹脂一体成形としたが、これに限らず着脱自在な構成としても良いし、見映えを不要と判断するならばダミーヘッド104を省略することもできる。
【0076】
また、ミラー120の固定角度は斜め45°に限らず、用途に応じて適宜設定する。例えば、コントローラ装着具100を、釣竿を模した外形とし、釣りゲームに使用する場合には、釣竿を持つようにしてゲームコントローラ1230を斜めに支えた状態で使用されるので、ミラー120の固定角度を45°より大きくし、長手方向に対して寝かせるべきである。
【0077】
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態として、家庭用ゲーム装置でカーレースゲームをプレイするのに適したハンドル型のコントローラ装着具の例を挙げて説明する。尚、本実施形態が適用可能なゲームジャンルはカーレースに限らず、船舶や航空機、宇宙船の操縦などおよそ操舵輪が用いられるシチュエーションを題材にしたゲームに適用できる。
【0078】
図10は、本実施形態におけるコントローラ装着具200の一例を示す外観図であって、(a)正面図、(b)ハンドルの右部分を一部断面(B−B断面)とした右側面図に相当する。
【0079】
同図に示すように、コントローラ装着具200では、ハンドル202が台座204に対して軸206で回動自在に枢支されている。尚、従来のハンドル型のゲームコントローラと同様に、回動数の制限機構や、回動時の反力発生機構、振動発生機構、それらを電子制御する制御ユニットを適宜設けることができるが、本明細書ではそれらの説明は省略する。
【0080】
ハンドル202は、硬質樹脂や硬質ウレタンなどで形成され、プレーヤが右手で把持するであろう把持相当位置に、ゲームコントローラ1230を嵌着するコントローラ収容部208を備える。
【0081】
コントローラ収容部208は、略バスタブ状の収容空間である。正面側には、ゲームコントローラ1230の正面をハンドル202の正面と同方向に向けた状態で嵌めこみ可能な正面開口部210を備え、下端には、嵌め込まれたゲームコントローラ1230を取り出す際に指を入れてゲームコントローラ1230の下端を持ち上げるための取り出し穴212を備える。また、背面にはゲームコントローラ1230を嵌め込んだ際にトリガー1246が当る位置にトリガー1246を挿通させるトリガー挿通孔214が設けられ、上端面にはゲームコントローラ1230を嵌め込んだ際に撮像素子1256の正面に当る位置に、撮像素子1256の受光面よりもやや大きい上端開口部216が設けられている。
【0082】
上端開口部216の先(=図10(b)で言うところの上方)に、光路変更部220が設けられている。光路変更部220は、ハンドル202の裏面から上端開口部216を結ぶ屈曲空間222内にミラー224を備える。
【0083】
ミラー224は、ハンドル202の上下方向に対して斜め45°を成して固定されている。ミラー224は、ハンドル202の裏面から屈曲空間222の開口部を通って進入する光を反射して上端開口部216に導く。つまり、ミラー224は、第1実施形態におけるミラー120に相当する。
【0084】
図11は、本実施形態のコントローラ装着具200の使用形態を示す外観図であって、(a)正面図、(b)ハンドル部分を一部断面(C−C断面)とした右側面図に相当する。
同図に示すように、本実施形態では、ゲームコントローラ1230の先端を上に向け、正面をハンドル202の正面に向けた状態で、コントローラ収容部208に押し込んで嵌着させる。
【0085】
使用時には、コントローラ装着具200を、例えば画像表示部1222のほぼ正面位置で、背面を画像表示部1222に向けて設置する。そして、プレーヤは従来のハンドル型ゲームコントローラと同様にしてあたかも本物のハンドルを握るようにして操作するとともに、右手人差し指でハンドル202の裏面に露出したトリガー1246を操作し、右手親指をハンドル202の正面に露出した方向キー1242や操作ボタン1244を操作してゲームプレイする。
【0086】
このとき、ゲームコントローラ1230がハンドル202に嵌着された状態では、撮像素子1256の受光面が上端開口部216から屈曲空間222に面している。したがって、ハンドル202の裏面から屈曲空間222の開口部を通って進入してきた光がミラー224で反射して撮像素子1256に入光する。撮像素子1256の立場で説明すると、ミラー224に写るハンドル前方の様子を撮影することとなる。
したがって、例えばゲーム装置本体1201の制御ユニット1210で、撮像素子1256で撮影した画像を画像処理して、光信号出力装置1226から発せられる光が写った光点P1,P2(図3)間を結ぶ線分の傾きから軸206を中心に回転したゲームコントローラ1230の光信号出力装置1226に対する姿勢変化を求め、更にハンドル202の操舵角を求めることで操舵方向入力として利用することが可能となる。
【0087】
ゲームコントローラ1230の姿勢変化を検出する方法としては、3軸加速度センサ1248の加速度検出結果を用いる方法も考えられるが、検出される加速度は操舵による加速度と重力加速度が混ざったものであるため操舵量を正しく検出しきれず所謂操舵の「ダイレクト感」「リニア感」を得ることが難しい。しかし、本実施形態によれば、撮像素子1256で撮影した画像に基づいてゲームコントローラ1230の姿勢変化を検出することが可能になるので、ダイレクト感のある運転操作を実現することができるようになる。
【0088】
尚、本実施形態では台座204を設けているが、これを省略した形態とすることもできる。具体的には、例えば、図12のコントローラ装着具200Bに示すように、ハンドル202の下端部分を円弧状に形成し、テーブル等にこの円弧部分を当てて左右に転がすようにして転舵操作して使用する。
【0089】
〔第3実施形態〕
次に、本発明の第3実施形態として、家庭用ゲーム装置でフライトシミュレーションゲームをプレイするのに適した操縦桿型のコントローラ装着具の例を挙げて説明する。尚、本実施形態が適用可能なゲームジャンルはフライトシミュレーションゲームに限らず、船舶や自動車、宇宙船の操縦など操縦桿が用いられるシチュエーションを題材にしたゲームに適用できる。
【0090】
本実施形態におけるコントローラ装着具は、大きく、コントローラ収容部と光路変更部の2つの部材で構成される。図13は、本実施形態におけるコントローラ装着具300のコントローラ収容部302の外観図と断面図である。(a)正面図、(b)右側面図、(c)縦断面図(D−D断面)に相当する。
【0091】
同図に示すように、コントローラ収容部302は、揺動自在な操縦桿の支持部を具象しており、台座304の上面中央に前後左右の任意方向に傾倒自在に枢支されたケース部306を備える。台座304とケース部306とは、例えば公知のジョイスティックなどと同様に、無操作時において台座304から垂直上方に向けて中立するように付勢する公知の中立位置の復帰機構で連結されており、ケース部306を前後左右に倒すように操作すると同機構によって反力が生じ、操作を止めると中立状態に自然に戻る。
【0092】
ケース部306は、上面に開口した有底の収容空間を形成し、ゲームコントローラ1230の把持部1232を嵌着し収容する。左右の内壁には、ゲームコントローラのガイド溝1236と嵌着する上下に長い畝状の嵌合突起部308を備える。正面の内壁には、上端から底面方向に切り抜かれた正面開口部310を備え、下端から挿し込むようにして嵌着されたゲームコントローラ1230の操作ボタン1240(図2参照)等を外部から操作できるようになっている。
【0093】
図14は、本実施形態におけるコントローラ装着具300の光路変更部320の一例を示す外観図と断面図である。(a)正面図、(b)右側面図、(c)縦断面図(E−E断面)に相当する。
【0094】
同図に示すように、光路変更部320は、操縦桿の先端部(=ハット部)を具象しており、下方に向けて開口する有底のキャップ形状を成している。その開口形状は、光路変更部320をゲームコントローラ1230の先端に被せることができるように、ゲームコントローラ1230の先端(つまり主操作部1234の先端)の先端側から見た形状に合わせて成形されている。
【0095】
上部内壁には、光路変更部320をゲームコントローラ1230の先端に被せた際にゲームコントローラ1230の先端が突き当たる突当壁322が、内側に向けて突設されており、中央部分には上端開口部324が形成される。突当壁322の突設寸法は、光路変更部320が被着された状態において、ゲームコントローラ1230の撮像素子1256の受光面を塞がないように設定されている。
【0096】
突当壁322より上方側には、略L字状に屈曲して裏面側に開口する屈曲空間326が形成されている。屈曲空間326の裏面側上部には、左右方向に軸328が備えられ、可動ミラー330が軸328に揺動可能に枢支される。また可動ミラー330は、リターンスプリング332で一方向(図で言うところの上方へ跳ね上がるように)へ付勢されるとともに、付勢方向側に位置調整可能な調整ネジ334によって付勢方向への揺動限界が規定される。つまり、調整ネジ334を進退させることによって可動ミラー330の設置角度を変えることができる。尚、可動ミラー330の標準角度は、第1実施形態と同様に斜め45°に設定されており、ゲームコントローラ1230に光路変更部320が被されると、撮像素子1256の撮像方向前方(=図で言うところの上方)に対して斜め45°を成す。そして、裏面側から屈曲空間326に入った光は、可動ミラー330で反射して撮像素子1256の受光面へ導かれる。
【0097】
図15は、本実施形態におけるコントローラ装着具300をゲームコントローラ1230に装着した状態を示す図であって、(a)正面図、(b)右側面図、(c)縦断面図(F−F断面)に相当する。
【0098】
組み立て手順であるが、先ず、コントローラ収容部302をディスプレイモニタ1220の正面に設置する。この際、コントローラ収容部302の正面側をプレーヤ側に向け、背面側をディスプレイモニタ1220に向ける。そして、ゲームコントローラ1230の正面をコントローラ収容部302の正面と同じ方向に向けて、ゲームコントローラ1230の下端をケース部306に挿入・嵌着する。
【0099】
次いで、光路変更部320の正面とゲームコントローラ1230の正面とを同じ方向に向け、光路変更部320をゲームコントローラ1230の先端に被せる。そして、ゲームコントローラ1230の先端が突当壁322に当るまで押し込んで組み立て完了となる。全て組み立てると、全体として操縦桿を模した外形を成す。
【0100】
プレーヤは、これを右手(或いは左手)で操縦桿を握る要領で握り、操縦桿を前後左右に倒すようにして操作する。この際、人差し指でトリガー1246を操作し、親指で方向入力キー1242並びに操作ボタン1244を操作する。
【0101】
光信号出力装置1226から発せられた光信号は、屈曲空間326に入り、可動ミラー330で反射して光路が屈曲され、ゲームコントローラ1230の撮像素子1256で撮影される。したがって、ゲーム装置本体1201の制御ユニット1210で、撮像素子1256で撮影された画像を適当に画像処理し、光信号出力装置1226から発せられる光信号が写った光点P1,P2(図3参照)を結ぶ線分の移動から、ゲームコントローラ1230の傾き変化を求め、これを操舵制御に用いることが可能になる。したがって、専用の操縦桿型ゲームコントローラを用いずとも、操縦桿を操作するようにして汎用のゲームコントローラを用いてフライトシミュレーションを楽しむことが可能になる。
【0102】
尚、本実施形態におけるコントローラ装着具300は、上記構成に限らず適宜構成要素の追加・省略・変更を施すことができる。
例えば、コントローラ収容部302を省略し光路変更部320のみの構成としても良い。この場合、光路変更部320を先端に被せたゲームコントローラ1230を机上に立て、その下端を支点にレバーを倒すように操作する。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】家庭用ゲーム装置の構成例を示すシステム構成図。
【図2】ゲームコントローラの外観の一例を示す外観図。
【図3】ゲームコントローラとディスプレイモニタとの相対位置情報を取得する原理を説明するための概念図。
【図4】第1実施形態におけるコントローラ装着具の一例を示す外観図。
【図5】第1実施形態におけるコントローラ装着具の縦断面図。
【図6】第1実施形態におけるコントローラ装着具をゲームコントローラへ装着する装着方法を示す図。
【図7】第1実施形態におけるゲームコントローラにコントローラ装着具を装着した状態を示す外観図。
【図8】第1実施形態におけるプレースタイルの一例を示す概念図。
【図9】第1実施形態におけるコントローラ装着具の変形例を示す図。
【図10】第2実施形態におけるコントローラ装着具の一例を示す外観図。
【図11】第2実施形態のコントローラ装着具の使用形態を示す外観図。
【図12】第2実施形態の変形例を示す図。
【図13】第3実施形態におけるコントローラ装着具のコントローラ収容部の一例を示す外観図。
【図14】第3実施形態におけるコントローラ装着具の光路変更部の一例を示す外観図と断面図。
【図15】第3実施形態におけるコントローラ装着具をゲームコントローラに装着した状態を示す図。
【符号の説明】
【0104】
100 コントローラ装着具
102 コントローラ収容部
104 ダミーヘッド
106 光路変更部
108 突当壁
118 挟持腕部
120 ミラー
200 コントローラ装着具
202 ハンドル
208 コントローラ収容部
220 光路変更部
224 ミラー
300 コントローラ装着具
302 コントローラ収容部
306 ケース部
308 嵌合突起部
320 光路変更部
330 可動ミラー
334 調整ネジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定方向から入光する光を検出する光検出部と、前記光検出部により検出された結果の信号をゲーム装置本体に出力する検出信号出力部とを備えたゲームコントローラに装着される装着具であって、
前記光検出部に対する所定位置に位置することで、光路を屈曲させて前記特定方向外からの光を前記光検出部に入光させる光路変更部と、
前記ゲームコントローラに着脱自在に係合して前記光路変更部を前記所定位置に固定させる係合部と、
を備える装着具。
【請求項2】
前記光路変更部は、前記光検出部への入光可能角度を拡大する光学素子でなる請求項1に記載の装着具。
【請求項3】
前記光学素子は、曲面鏡または多面鏡でなる請求項2に記載の装着具。
【請求項4】
前記光学素子は、凹レンズでなる請求項2に記載の装着具。
【請求項5】
前記係合部により前記所定位置に固定された際の前記光検出部に対する前記光路変更部の姿勢を微調整する調整部を更に備えた請求項1〜4の何れか一項に記載の装着具。
【請求項6】
所定の器具または用具を具象する具象部を備えた請求項1〜5の何れか一項に記載の装着具。
【請求項7】
前記具象部は、把持部を有する器具又は用具の一部又は全部を具象した形状を成し、
前記係合部は、前記具象部の前記把持部相当部位に設けられ、
前記ゲームコントローラの全体又は一部を前記具象部内に収容することで前記係合部が前記ゲームコントローラを係合する請求項6に記載の装着具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2008−206638(P2008−206638A)
【公開日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−45232(P2007−45232)
【出願日】平成19年2月26日(2007.2.26)
【出願人】(000134855)株式会社バンダイナムコゲームス (1,157)
【Fターム(参考)】