説明

装着式動作補助装置

【課題】本発明は両腕で運搬物を抱えながら安定的に移動できることを課題とする。
【解決手段】動作補助装置10は、装着者12の上肢に装着される上肢フレーム14と、装着者12の下肢に装着される下肢フレーム19と、装着者12の腰に装着される腰フレーム30と有する。上肢フレーム14は、腰フレーム30の上方に形成され、腰フレーム30の前側より上方に延在する垂直フレーム15と、垂直フレーム15の上端より肩幅方向に横架された肩フレーム16A、16Bとを有する。肩フレーム16A、16Bには、運搬物を持ち上げる際に両腕の動作をアシストする上肢駆動部17A,17Bが前後方向に回動可能に設けられている。従って、肩フレーム16A、16Bに支持される上肢駆動部17A,17Bの質量は、上肢フレーム14に支持されるため、装着者12には上肢フレーム14及び上肢駆動部17A,17Bの重さを感じることなく、作業が行える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は装着式動作補助装置に係り、特に運搬物を運搬するのに好適な装着式動作補助装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、工場や工事現場等においては、フォークリフトやクレーンなどの運搬用機械を用いて重量物を運搬している。しかしながら、狭い場所で運搬用機械が移動できない場合には、作業者が金属や石などの運搬物を持ち上げて運ぶ場合がある。
【0003】
このような、作業者による運搬作業を支援する装着式動作補助装置としては、歩行動作を補助するように構成された装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−296391号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の装着式動作補助装置は、装着者の足の動作を補助するようにモータトルクを発生させるため、装着者の歩行支援や階段の昇り降りを支援することが可能であるものの、装着者が運搬物を両腕で抱えるように持ち上げた状態で移動する場合には、上体を後側に反るようにしてバランスを保つ姿勢となるため、両腕に掛かる荷重が大きくなると、荷重によるモーメントを支えることが難しく、腰の負担を軽減することが難しいという問題があった。
【0006】
また、従来の装着式動作補助装置では、装置前側から装着者の背中に装着する方式のため、装着操作に手間がかかっていた。
【0007】
そこで、本発明は上記事情に鑑み、上記課題を解決した装着式動作補助装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明は以下のような手段を有する。
(1)本発明は、装着者に装着されるフレームと、
該フレームの各関節に設けられた駆動部と、
前記フレームに設けられた締結部材と、
前記装着者の各生体信号を検出する複数の生体信号検出部と、
前記複数の生体信号検出部により検出された各生体信号に基づいて前記駆動部を制御する制御部と、
を備えた装着式動作補助装置において、
前記フレームは、後側から前記装着者に装着可能に形成され、
前記締結部材は、後側から締結されることを特徴とする。
(2)本発明は、装着者の腰に装着される腰フレームと、
該腰フレームの開口部に設けられた腰締結部材と、
前記腰フレームより下方に形成された下肢フレームと、
該下肢フレームの各関節に設けられた下肢駆動部と、
前記下肢フレームに設けられた下肢締結部材と、
前記腰フレームより上方に形成された上肢フレームと、
該上肢フレームの各関節に設けられた上肢駆動部と、
前記上肢フレームに設けられた上肢締結部材と、
前記装着者の各生体信号を検出する複数の生体信号検出部と、
前記複数の生体信号検出部により検出された各生体信号に基づいて前記下肢駆動部及び前記上肢駆動部を制御する制御部と、
を備えた装着式動作補助装置において、
前記腰フレーム、前記下肢フレーム、前記上肢フレームは、それぞれが後側から前記装着者に装着可能に形成され、
前記腰締結部材、前記下肢締結部材、前記上肢締結部材は、後側から締結されることを特徴とする。
(3)本発明の前記上肢フレームは、
前記腰フレームの前側より上方に延在する垂直フレームと、
該垂直フレームの上端より肩幅方向に横架された肩フレームと、を有し、
前記上肢駆動部は、前記肩フレームの両端に回動可能に設けられ、運搬物を持ち上げる動作を補助することを特徴とする。
(4)本発明の前記垂直フレームは、前記腕部駆動機構により持ち上げられた運搬物を載置する載置台を有することを特徴とする。
(5)本発明は、前記載置台に前記運搬物を検出する検出センサを設け、
前記検出センサの検出信号に基づいて前記載置台を上下方向に移動させる昇降機構を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、フレームが装着者の前側に配置されることになるため、両腕で運搬物を持ち上げて歩行する場合、上体が前かがみになるが、フレームが運搬物に近い位置にあるので、当該運搬物の質量を直接的に支えることが可能になると共に、両腕にかかるモーメントを小さくなるように抑制できるので、運搬動作時のバランスがとりやすくなり、重量物を運搬する場合でも安定した動作が可能となる。
【0010】
また、フレーム(腰フレーム、下肢フレーム、上肢フレーム)をそれぞれ後ろ側から装着できるので、装着者の前側に装着式動作補助装置が配置された状態から、フレームを装着者の体に合わせていくことになり、装着作業がしやすくなる。
【0011】
また、垂直フレームが前側に配されるため、フレームの強度に対して重い運搬物でも保持できるようになるとともに、駆動部から与えるアシストトルクを抑えても重い運搬物を保持できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明による装着式動作補助装置の一実施例を示す正面図である。
【図2】本発明による装着式動作補助装置の一実施例を示す背面図である。
【図3】上肢フレーム、腰フレーム、右脚の下肢駆動部、右腕の上肢駆動部を左斜め上方からみた斜視図である。
【図4】上肢フレーム、腰フレーム、右脚の下肢駆動部、右腕の上肢駆動部を右斜め上方からみた斜視図である。
【図5】装着式動作補助装置の右側面図である。
【図6】装着式動作補助装置の平面図である。
【図7】装着式動作補助装置の制御系を示すブロック図である。
【図8】下肢駆動系、各センサの制御機器を示すブロック図である。
【図9】上肢駆動系、各センサの制御機器を示すブロック図である。
【図10A】角度センサの検出信号を用いて制御装置100が実行する制御処理のフローチャートである。
【図10B】生体信号センサの検出信号を用いて制御部が実行する制御処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。
【実施例1】
【0014】
〔装着式動作補助装置の構成〕
図1は本発明による装着式動作補助装置の一実施例を示す正面図である。図2は本発明による装着式動作補助装置の一実施例を示す背面図である。図3は上肢フレーム、腰フレーム、右脚の下肢駆動部、右腕の上肢駆動部を左斜め上方からみた斜視図である。図4は上肢フレーム、腰フレーム、右脚の下肢駆動部、右腕の上肢駆動部を右斜め上方からみた斜視図である。図5は装着式動作補助装置の右側面図である。図6は装着式動作補助装置の平面図である。(尚、図3及び図4において、装着者12の左脚を駆動する下肢駆動部300Bの図示を省略してある。)
図1乃至図6に示されるように、装着式動作補助装置10(以下「動作補助装置」と称する)は、装着者12の動作を支援(アシスト)する装置であり、脳からの信号により筋力を発生させる際に生じる生体信号(表面筋電位)及び/又は当該装着者の関節の動作角度や重心位置などを検出し、この検出信号に基づいて駆動部からの駆動力を付与するように作動する。
【0015】
動作補助装置10を装着した装着者12は、自らの意思で歩行動作を行うと、その際に発生した生体信号及び/又は当該装着者の膝関節の動作角度に応じた駆動トルクがアシスト力として動作補助装置10から付与され、例えば、通常歩行で必要とされる筋力の半分の力で歩行することが可能になる。従って、装着者12は、自身の筋力と駆動部(本実施例では、電動式の駆動モータを用いる)からの駆動トルクとの合力によって歩行することができる。
【0016】
その際、動作補助装置10は、歩行動作に伴う重心の移動に応じて付与されるアシスト力(モータトルク)が装着者12の意思を反映するように制御している。そのため、動作補助装置10の駆動部は、装着者12の意思に応じて動作をアシストするように制御される。
【0017】
また、動作補助装置10は、歩行動作以外にも、例えば、装着者12が椅子に座った状態から立ち上がる際の動作、あるいは立った状態から椅子に腰掛ける際の動作も補助することができる。さらには、装着者12が階段を上がったり、階段を下りる場合にもパワーアシストすることができる。特に装着者12が重量物を運搬する場合には、階段の上り動作や、歩行動作を行う場合でも、装着者12は、自らの意思に応じて動作補助装置10から駆動トルクを付与されて動作することが可能になる。
〔フレーム構造〕
ここで、動作補助装置10のフレーム構造について説明する。動作補助装置10は、後側より装着者12に装着されるフレーム構造18に各関節の駆動部を設けたものである。
【0018】
フレーム構造18は、装着者12の上肢に装着される上肢フレーム14と、装着者12の下肢に装着される下肢フレーム19と、装着者12の腰に装着される腰フレーム30とからなる。
〔上肢フレームの構成〕
上肢フレーム14は、腰フレーム30の上方に形成され、腰フレーム30の前側より上方に延在する垂直フレーム15と、垂直フレーム15の上端より肩幅方向に横架された肩フレーム16A、16Bとを有する。垂直フレーム15は、チタン又はステンレスなどの金属材料からなり、下端が腰フレーム30に固定された垂直部15Aと、垂直部15Aの上端より左右方向に分岐するU字状に形成されたU字状部15Bとを有する。
U字状部15Bの各上端には、肩フレーム16A、16Bが連結されている。肩フレーム16A、16Bには、運搬物を持ち上げる際に両腕の動作をアシストする上肢駆動部17A,17Bが前後方向に回動可能に設けられている。従って、肩フレーム16A、16Bに支持される上肢駆動部17A,17Bの質量は、上肢フレーム14に支持されるため、装着者12には上肢フレーム14及び上肢駆動部17A,17Bの重さを感じることなく、作業が行える。
【0019】
上肢駆動部17Aは、右肩より下の右上腕を駆動する肩駆動部200Aと、右肘より下の右下腕を駆動する腕駆動部210Aとを有する。上肢駆動部17Bは、左肩より下の左上腕を駆動する肩駆動部200Bと、左肘より下の左下腕を駆動する腕駆動部210Bとを有する。
肩駆動部200A、200Bは、肩関節に対応する位置に設けられた駆動モータ320,322(図9参照)と、駆動モータ320,322の駆動トルクにより回動する第1腕フレーム(隠れてみえない)と、肘関節に対応する位置に設けられた駆動モータ324,326(図9参照)と、駆動モータ324,326の駆動トルクにより回動する第2腕フレーム334,336とを有する。
これらの駆動モータ320,322,324,326は、制御装置(制御部)100からの制御信号により駆動トルクを制御されるDCモータまたはACモータなどからなる電動モータからなる。また、各駆動モータ320,322,324,326は、モータ回転を所定の減速比で減速する減速機構(駆動部に内蔵)を有しており、小型ではあるが十分な駆動力を付与することができる。
【0020】
第2腕フレーム334,336には、装着者12の腕が当接する上肢締結部材330,331が取り付けられている。上肢締結部材330,331は、断面形状が円弧状に形成され、上方から腕を収納するように装着され、且つ腕の上方を跨ぐように締結されるベルトとバックルなどからなる上肢締結ベルト350,352が設けられている。
【0021】
装着者12は、装置後側から上肢締結部材330,331に両腕を載置した状態で、上肢締結ベルト350,352の締結操作により、両腕が上肢締結部材330,331に締結される。
〔腰フレームの構成〕
腰フレーム30は、上方からみると後側に装着者12が出入りするための後側開口31を有するC字形状に形成された腰締結部30Aを有する。この後側開口31には、装着者12の腰を締結するベルト及びバックルなどからなる腰締結ベルト360が取り付けられている。腰締結部材360は、装着者12の腰が後側開口31から腰フレーム30の腰締結部30A内側に挿入された後、腰締結ベルト360により後側から締結される。このように、装着者12の腰は、腰締結部30Aの後側開口31から進入した状態で、後側から腰締結ベルト360により固定されるので、装着作業が容易に行える。
【0022】
また、装着者12の腰の周囲に装着される腰フレーム30には、各駆動モータ及び制御装置100を駆動させるための電源として機能するバッテリ32,34(図8参照)が取り付けられている。
【0023】
また、装着者12の後側となる腰支持部30の前側には、制御ユニット36が取り付けられている。
〔垂直フレームの構成〕
垂直フレーム15は、装着者12の前側に起立するようにして設けられているので、重量物を持ち上げる際の質量を安定的に支持することができる。そして、垂直フレーム15には、両腕で持ち上げた運搬物を載置するための載置台260が設けられている。
【0024】
載置台260は、運搬物を検出する一対の検出センサ270が設けられ、検出センサ270の検出信号に基づいて昇降する昇降機構280が設けられている。尚、検出センサ270としては、光センサなどの非接触式センサが用いられる。
【0025】
また、昇降機構280は、両腕により持ち上げられた運搬物が載置台260の所定以下の距離に近づくと、自動的に載置台260を上昇させて運搬物に当接させて両腕が支える荷重を軽減し、上肢駆動部17A,17Bの負担を軽減する。
【0026】
また、上記腰フレーム30、上肢フレーム14、上肢駆動部17A,17Bが装着者12の前側に配置されることになるため、両腕で運搬物を持ち上げて抱えながら歩行する場合、上体が前かがみになるが、上肢フレーム14の垂直フレーム15が運搬物に近い位置にあるので、当該運搬物の質量を直接的に支えることが可能になると共に、両腕にかかるモーメントを小さくなるように抑制できるので、運搬動作時のバランスがとりやすくなり、重量物を運搬する場合でも安定した動作で歩行できる。
〔生体信号検出センサについて〕
図8に示されるように、動作補助装置10は、装着者12の右腿の動きに伴う生体電位を検出する生体信号検出センサ38a,38bと、装着者12の左腿の動きに伴う生体電位を検出する生体信号検出センサ40a,40bと、右膝の動きに関わる生体電位を検出する生体信号検出センサ42a,42bと、左膝の動きに関わる生体電位を検出する生体信号検出センサ44a,44bとを有する。
【0027】
これらの各下肢生体信号検出センサ38a,38b,40a,40b,42a,42b,44a,44bは、下肢駆動部300A,300Bを制御するための筋電位信号や神経伝達信号などの生体電位信号(生体信号)を皮膚を介して検出する生体信号検出部であり、微弱電位を検出するための電極(図示せず)を有する。尚、本実施例では、各下肢生体信号検出センサ38a,38b,40a,40b,42a,42b,44a,44bは、電極の周囲を覆う粘着シールにより装着者12の皮膚表面に貼着するように取り付けられる。
【0028】
図9に示されるように、上肢駆動部17A,17Bの各駆動モータ320,322,324,326は、当該装着者12の上体の各位置に貼り付けられた上肢生体信号検出センサ338a,338b,340a,340b,342a,342b,344a,344b,346a,346b,348a,348bによって検出された生体信号に基づいて駆動電流を制御される。
【0029】
人体においては、脳からの指令によって骨格筋を形成する筋肉の表面にシナプス伝達物質のアセチルコリンが放出される結果、筋線維膜のイオン透過性が変化して活動電位が発生する。そして、活動電位によって筋線維の収縮が発生し、筋力を発生させる。そのため、骨格筋の電位を検出することにより、歩行動作の際に生じる筋力を推測することが可能になり、この推測された筋力に基づく仮想トルクから歩行動作に必要なアシスト力(駆動トルク)を求めることが可能になる。
【0030】
従って、動作補助装置10の制御装置100では、これらの下肢生体信号検出センサ38a,38b,40a,40b,42a,42b,44a,44b及び上肢生体信号検出センサ338a,338b,340a,340b,342a,342b,344a,344b,346a,346b,348a,348bによって検出された生体信号に基づいて各駆動モータ20,22,24,26,320,322,324,326に供給する駆動電流を求め、この駆動電流で駆動モータ20,22,24,26,320,322,324,326を駆動することで、必要なアシスト力(駆動トルク)が付与されて装着者12の歩行動作を補助するように構成されている。
〔床反力センサについて〕
また、歩行動作による重心移動をスムーズに行うため、脚の裏にかかる荷重を検出する必要がある。そのため、装着者12の左右脚の裏には、床反力センサ50a,50b,52a,52bが設けられている。
【0031】
また、床反力センサ50aは、右脚前側の荷重に対する反力を検出し、床反力センサ50bは、右脚後側の荷重に対する反力を検出する。床反力センサ52aは、左脚前側の荷重に対する反力を検出し、床反力センサ52bは、左脚後側の荷重に対する反力を検出する。各床反力センサ50a,50b,52a,52bは、例えば、印加された荷重に応じた電圧を出力する圧電素子、又は、荷重に応じて静電容量が変化するセンサなどからなり、体重移動に伴う荷重変化、及び装着者12の脚と地面との接地の有無を夫々検出することができる。また、左右の足裏に係る荷重のバランスから、重心位置を求めることができる。
〔下肢駆動部及び下肢フレームについて〕
下肢駆動部300Aは、装着者12の右側股関節に位置する右腿駆動モータ20と、装着者12の右膝関節に位置する右膝駆動モータ24とを有する。また、下肢駆動部300Bは、装着者12の左側股関節に位置する左腿駆動モータ22と、装着者12の左膝関節に位置する左膝駆動モータ26とを有する。これらの駆動モータ20,22,24,26は、制御装置(制御部)100からの制御信号により駆動トルクを制御されるDCモータまたはACモータなどからなる電動モータからなる。また、各駆動モータ20,22,24,26は、モータ回転を所定の減速比で減速する減速機構(駆動部に内蔵)を有しており、小型ではあるが十分な駆動力を付与することができる。
【0032】
さらに、下肢駆動部300A,300Bは、腰フレーム30の下方に設けられ、股関節に対応する第1関節64と、膝関節に相当する第2関節66と、足首に対応する第3関節68とを有する。
この第1関節64は、腰フレーム30と第1下肢フレーム58との間に設けられている。また、第1関節64は、駆動モータ20,22が内蔵されたモータユニットを構成しており、第1関節64と駆動モータ20,22とは外観上一体化されている。
【0033】
また、第1下肢フレーム58の下端と第2下肢フレーム60の上端との間には、軸受構造とされた第2関節66が介在しており、第1下肢フレーム58と第2下肢フレーム60とを回動可能に連結している。この第2関節66は、膝関節と一致する高さ位置に設けられており、第1下肢フレーム58が第2関節66の支持側に締結され、第2下肢フレーム60が第2関節66の回動側に締結されている。また、第2関節66には、駆動モータ24,26が内蔵されたモータユニットを構成しており、第2関節66と駆動モータ24,26とは外観上一体化されている。
【0034】
また、第2下肢フレーム60の下端と第3下肢フレーム62の上端との間には、軸受構造とされた第3関節68が介在しており、第2下肢フレーム60と第3下肢フレーム62とを回動可能に連結している。そして、第3下肢フレーム62の内側には、装着者12の靴を装着する靴保持部84が固定されている。
【0035】
従って、第1下肢フレーム58及び第2下肢フレーム60は、腰支持体30に対して第1関節64及び第2関節66を回動支点とする歩行動作を行えるように取り付けられている。すなわち、第1下肢フレーム58及び第2下肢フレーム60は、装着者12の脚と同じ動作を行えるように構成されている。また、第3関節68は、装着者12の足首の側方に位置するように設けられている。そのため、靴保持部84は、第3関節68の回動動作により歩行動作に応じて装着者12の足首と同じように床面(または地面)に対する角度が変化する。また、靴保持部84は、床反力センサ50a,50b,52a,52bが設けられている。
【0036】
また、第1関節64及び第2関節66は、駆動モータ20,22,24,26の回転軸が、ギヤを介して被駆動側となる第1下肢フレーム58、第2下肢フレーム60に駆動トルクを伝達するように構成されている。
【0037】
さらに、駆動モータ20,22,24,26は、関節回動角度を検出する角度センサ(図8参照)を有する。この角度センサは、例えば、第1関節64及び第2関節66の関節角度に比例したパルス数をカウントするロータリエンコーダなどからなり、関節回動角度に応じたパルス数に対応した電気信号をセンサ出力として出力する。
【0038】
第1関節64の角度センサは、装着者12の股関節の関節角度に相当する腰支持体30と第1下肢フレーム58との間の回動角度を検出する。また、第2関節66の角度センサは、装着者12の膝関節の関節角度に相当する第1下肢フレーム58の下端と第2下肢フレーム60との間の回動角度を検出する。
【0039】
また、第1下肢フレーム58の長手方向の中間位置には、装着者12の腿に締結される下肢締結部材78及び締結用ベルト79が取り付けられている。また、第2フレーム60の長手方向の中間位置には、装着者12の膝下の脛に締結される下肢締結部材80及び締結用ベルト81が取り付けられている。
【0040】
下肢駆動部300A,300Bの下肢締結部材78,80は、装着者12の腿、脛の前側に当接するように断面が半円形に形成されており、後側から締結用ベルト79,81により装着者12の脚に締結される。このように、下肢駆動部300A,300Bの下肢締結部材78,80は、前述した腰フレーム30と同様に後側から装着者12に装着可能な構成であるので、例えば動作補助装置10をハンガーなどにより上方から吊下状態でメンテナンスすると共に、メンテナンス後に装着者12が装置後側からそのまま着るように装着することが可能になる。
【0041】
駆動モータ20,22,24,26で発生された駆動トルクは、ギヤを介して第1下肢フレーム58、第2下肢フレーム60に伝達され、さらに下肢締結部材78,80及び締結用ベルト79,81を介して装着者12の脚にアシスト力として伝達される。
【0042】
また、第2下肢フレーム60の下端には、第3関節軸68を介して靴84が回動可能に連結されている。尚、第1下肢フレーム58及び第2下肢フレーム60は、装着者12の脚の長さに応じた長さに調整可能とされている。
【0043】
各フレーム58,60,62は、夫々ジュラルミン等の軽量化された金属材の周囲を弾性を有する樹脂材で覆うように構成されており、腰フレーム30及び上肢フレーム14、上肢駆動部17A,17b、バッテリ32,34、制御ユニット36等の質量を支えることができる。すなわち、動作補助装置10は、腰フレーム30、上肢フレーム14、上肢駆動部17A,17b、バッテリ32,34、制御ユニット36の質量が装着者12に作用しないように構成されている。
〔制御システムの構成〕
図7は制御部のシステム構成を示すブロック図である。図7に示されるように、動作補助装置10の制御系システムは、装着者12に対してアシスト力を付与する駆動部140と、装着者12の動作に応じた関節角度(物理現象)、及び、装着者12の重心位置(物理現象)を検出する物理現象検出部142と、装着者12の筋肉の活動に伴って発生する筋電位等を含む(生体信号)を検出する生体信号検出部144とを備えている。尚、上記駆動部140は、駆動モータ20,22,24,26,320,322,324,326からなる。物理現象検出部142は、上記関節回動角度を検出する角度センサ70,72,74,76(図6参照)及び床反力センサ50a,50b,52a,52bからなる。生体信号検出部144は、下肢生体信号検出センサ38a,38b,40a,40b,42a,42b,44a,44b及び上肢生体信号検出センサ338a,338b,340a,340b,342a,342b,344a,344b,346a,346b,348a,348bからなる。
【0044】
データ格納部146には、基準パラメータデータベース148と、指令信号データベース150とが格納されている。
【0045】
随意的制御部154は、生体信号検出部の検出信号に応じた指令信号を電力増幅部158に供給する。随意的制御部154は、生体信号検出部144に所定の指令関数f(t)またはゲインPを適用して指令信号を生成する。このゲインPは予め設定された値又は関数でも良く、ゲイン変更部156を介して調整することができる。
【0046】
また、装着者12の皮膚が汗で濡れることが予想される場合には、生体信号検出部144からの生体信号の入力が得られないときに、物理現象検出部142により検出された各データ(角度センサ70,72,74,76(図6参照)により検出された関節角度データ又は反力センサ50a,50b,52a,52bにより検出された重心移動データ)に基づいて各駆動モータ20,22,24,26の駆動トルクを制御する方法を選択することも可能である。
【0047】
物理現象検出部142によって検出された関節角度(θknee,θhip)や重心位置は、基準パラメータデータベース148に入力される。フェーズ特定部152では、物理現象検出部142により検出された関節角度及び重心位置を基準パラメータデータベース148に格納された基準パラメータの関節角度及び重心位置と比較することにより、装着者12の動作のフェーズを特定する。
【0048】
そして、自律的制御部160では、フェーズ特定部152により特定されたフェーズの制御データを得ると、このフェーズの制御データに応じた指令信号を生成し、この動力を駆動部140に発生させるための指令信号を電力増幅部158に供給する。
〔各制御機器の接続系統〕
図8は下肢駆動部の各制御機器の接続を示すブロック図である。図9は上肢駆動部の各制御機器を示すブロック図である。図8及び図9に示されるように、バッテリ32,34は、電源回路86に電源供給しており、電源回路86では所定電圧に変換して入出力インターフェイス88に定電圧を供給する。また、バッテリ32,34の充電容量は、バッテリ充電警告部90によって監視されており、バッテリ充電警告部90は、予め設定された残量に低下すると、警告を発して装着者12にバッテリ交換または充電を報知する。
【0049】
各駆動モータ20,22,24,26,320,322,324,326を駆動する第1乃至第8モータドライバ92〜95,392〜395は、入出力インターフェイス88を介して制御装置100からの制御信号に応じた駆動電圧を増幅して各駆動モータ20,22,24,26,320,322,324,326に出力する。
【0050】
各下肢生体信号検出センサ38a,38b,40a,40b,42a,42b,44a,44b及び上肢生体信号検出センサ338a,338b,340a,340b,342a,342b,344a,344b,346a,346b,348a,348bから出力された生体電位信号の検出信号は、電力増幅部158の第1乃至第20差動増幅器101〜108,301〜312によって増幅され、A/D変換器(図示せず)によってデジタル信号に変換されて入出力インターフェイス88を介して制御装置100に入力される。尚、装着者12の皮膚表面で検出される生体電位信号は、微弱である。そのため、第1乃至第8差動増幅器101〜108,301〜312で例えば、30μVの検出信号をコンピュータが判別可能な3V程度に増幅するには、10倍となる100dBの増幅率が必要になる。
【0051】
また、角度センサ70,72,74,76から出力された角度検出信号は、夫々第1乃至第4角度検出部111〜114に入力される。第1乃至第4角度検出部111〜114は、ロータリエンコーダによって検出されたパルス数を角度に相当する角度データ値に変換しており、検出された回動角度データは入出力インターフェイス88を介して制御装置100に入力される。
【0052】
反力センサ50a,50b,52a,52bから出力された反力検出信号は、夫々第1乃至第4反力検出部121〜124に入力される。第1乃至第4反力検出部121〜124は、圧電素子によって検出された電圧を力に相当するデジタル値に変換しており、検出された反力データは入出力インターフェイス88を介して制御装置100に入力される。
【0053】
データ格納部146のメモリ130は、各データを格納する格納部であり、起立動作、歩行動作や着席動作など各動作パターン(タスク)毎に設定されたフェーズ単位の制御データが予め格納されたデータベース格納領域130Aと、各モータを制御するための制御プログラムが格納された制御プログラム格納領域130Bなどが設けられている。データベース格納領域130Aには、図7に示す基準パラメータデータベース148と指令信号データベース150が格納されている。
【0054】
また、制御装置100から出力された制御データは、入出力インターフェイス88を介してデータ出力部132あるいは通信ユニット134に出力され、例えば、モニタ(図示せず)に表示したり、あるいはデータ監視用コンピュータ(図示せず)などにデータ通信で転送することもできる。
【0055】
また、制御装置100は、前述した自律的制御部160と、フェーズ特定部152と、差分導出部154と、ゲイン変更部156とを備えている。
〔角度センサの検出信号を用いて制御装置100が実行する制御処理〕
ここで、制御装置100が実行する制御処理の手順について図10Aのフローチャートを参照して説明する。図10Aに示されるように、制御装置100は、ステップS11(以下「ステップ」を省略する)で装着者12の動作に伴う物理現象検出部142(角度センサ70,72,74,76)により検出された関節角度(θknee,θhip)を取得する。次にS12に進み、生体信号検出部144(下肢生体信号検出センサ38a,38b,40a,40b,42a,42b,44a,44b及び上肢生体信号検出センサ338a,338b,340a,340b,342a,342b,344a,344b,346a,346b,348a,348b)によって検出された筋電位信号(EMGknee,EMGhip)を取得する。
【0056】
次のS12aでは、生体信号検出部144からの生体検出信号が検出できているか否かをチェックする。S12aにおいて、生体信号検出部144からの生体検出信号が検出できていない場合(NOの場合)(例えば、生体信号センサが装着者12の汗で剥がれている場合、あるいは生体信号センサを装着していない場合、生体信号検出部144からの筋電位信号が得られない。)、S13に進み、上記S11、S12で取得された関節角度(θknee,θhip)及び重心位置を基準パラメータデータベース148と照合して装着者12の各動作種別に対応するタスクのフェーズ(動作段階)を特定する。
【0057】
次のS14では、上記S13で特定されたフェーズ(動作段階)に応じた指令関数f(t)及びゲインPを選択する。
【0058】
そして、S15では、選択されたゲインPにより生成された指令信号(制御信号)が、電力増幅部158(モータドライバ92〜95,392〜395)に供給される。これにより、駆動部140(駆動モータ20,22,24,26,320,322,324,326)は、駆動トルクを発生することになる。
【0059】
その結果、駆動部140(駆動モータ20,22,24,26,320,322,324,326)は、装着者12から検出した関節角度及び重心位置に基づいて選択されたフェーズに応じた駆動トルクを発生し、この駆動トルクを第1下肢フレーム58、第2下肢フレーム60及び下肢締結部材78,80及び締結ベルト79,81を介して装着者12の脚にアシスト力として伝達する。
【0060】
このように、装着者12の関節角度と重心位置に基づいてアシストを行うので、装着者12は、生体検出信号が得られなくても駆動部140(駆動モータ20,22,24,26,320,322,324,326)からの駆動トルクによるアシスト力を付与されて労力が軽減される。
【0061】
例えば、装着者12が運搬物を両腕で持ち上げたままの状態で階段を上る場合には、指令関数f(t)に応じた駆動力を発生させてアシストする。このような場合には、上の段についた脚は、股関節及び膝関節の角度が平地を歩行する場合よりも屈曲した状態で着地することになる、従って、例えば股関節及び/又は膝関節の屈折角度が80°〜100°の時に、床半力センサの検出値が所定の値以上になったら、階段を上るフェーズであると判断し、膝関節及び股関節の角度の伸展に合わせて駆動トルクを発生させる。
【0062】
また、階段を下りるフェーズ、立ち上がりのフェーズ、座りのフェーズであると判断した場合にも、所定の指令関数f(t)に従って駆動力を発生させてアシストをする。
【0063】
なお、装着者12が、平地を歩行している場合には負担が比較的小さいので、駆動部140(駆動モータ20,22,24,26,320,322,324,326)によるアシストが無くても作業効率は低下しない。従って、一般的な歩行のフェーズであると判断したときには、駆動部140(駆動モータ20,22,24,26,320,322,324,326)は装着者12の動作を阻害しないように、駆動モータ自体の粘性を補償するように駆動される。
【0064】
S16では、当該タスクの最終フェーズに対する制御処理が行われてかどうかを確認する。S16において、当該タスクの最終フェーズに対する制御処理が残っている場合には、上記S11に戻り、次のフェーズに対する制御処理(S11〜S16)を行う。また、S16において、当該タスクの最終フェーズに対する制御処理を行ったときは、今回の制御処理を終了する。
【0065】
このように、動作補助装置10は、運搬物を両腕で持ち上げて運搬する場合、駆動部140(駆動モータ20,22,24,26,320,322,324,326)からの駆動トルクが第1下肢フレーム58、第2下肢フレーム60及び下肢締結部材78,80及び締結ベルト79,81を介して装着者12の脚に伝達されるため、装着者12は例えば階段を上る際でも通常の半分以下の力で動作することが可能になる。
【0066】
このように、生体信号センサが装着者12の汗で剥がれているような場合、あるいは生体信号センサを装着していない場合には、角度センサ70,72,74,76によって検出された関節回動角度に基づいて装着者12が階段や段差を上っている場合に駆動部140(駆動モータ20,22,24,26,320,322,324,326)からの駆動トルクを付与することで装着者12の労力を軽減して、作業効率を高めることができる。また、制御装置100が装着者12の動作に応じて駆動部140の駆動トルクを制御するため、装着者12が歩行する際にも運搬物の質量を感じることなく、歩行することが可能になり、体力の消耗を抑制できる。
〔生体信号を用いて制御装置100が実行する制御処理〕
図10Bは生体信号センサの検出信号を用いて制御部が実行する制御処理を説明するためのフローチャートである。図10Bに示されるように、S12aにおいて、例えば、装着者12が生体信号センサを適正に装着している場合、生体信号検出部144からの生体電位信号を得ることができる。その場合(YESの場合)、S18に進み指令関数f(t)及びゲインPに基づいて、生体電位信号に応じた指令信号を生成する。
【0067】
次のS19では、指令信号を電力増幅部158(モータドライバ92〜95,392〜395)に送出する。これにより、装着者12には、生体検出信号に応じたアシスト力を付与されて労力が軽減される。
【0068】
S20では、ゲイン変更部による入力があったかどうか確認する。S20において、ゲイン変更部による入力があった場合には、上記S18に戻り、変更後のゲインPにより制御処理(S18〜S20)を行う。また、S20において、ゲイン変更部による入力が無かったときは、今回の制御処理を終了する。
【0069】
このように、生体信号センサにより生体電位信号が検出できる場合には、生体電位信号に基づいて装着者12の意思に応じて駆動トルクを付与することで装着者12の労力を軽減して、作業効率を高めることができる。また、制御装置100が装着者12の動作に応じて駆動部140の駆動トルクを制御するため、運搬物を両腕で持ち上げた状態でのバランスを取りやすく、スムーズに歩行することが可能になる。
【産業上の利用可能性】
【0070】
上記実施例の説明では、重量物を運搬する場合について説明したが、重量物としては、金属や石などに限らず、例えば、災害現場などで負傷者を運搬する場合にも適用できるのは勿論である。
また、上記実施例では、上肢フレームと腰フレームと下肢フレームを組み合わせたフレーム構造を一例として挙げたが、これに限らず、腰フレームと下肢フレームを組み合わせたフレーム構造のものにも本発明が適用できるのは勿論である。
【符号の説明】
【0071】
10 装着式動作補助装置
12 装着者
14 上肢フレーム
15 垂直フレーム
16A、16B 肩フレーム
17A,17B 上肢駆動部
18 フレーム構造
19 下肢フレーム
20,22,24,26,320,322,324,326 駆動モータ
30 腰フレーム
30A 腰締結部
31 後側開口
36 制御ユニット
38a,38b,40a,40b,42a,42b,44a,44b 下肢生体信号検出センサ
50a,50b,52a,52b 床反力センサ
58 第1下肢フレーム
60 第2下肢フレーム
62 第3下肢フレーム
64 第1関節
66 第2関節
68 第3関節
70,72,74,76 角度センサ
78,80 下肢締結部材
79,81 締結用ベルト
84 靴保持部
86 電源回路
88 入出力インターフェイス
90 バッテリ充電警告部
92〜95,392〜395 モータドライバ
100 制御装置
101〜108,301〜312 差動増幅器
111〜114 角度検出部
121〜124 反力検出部
130 メモリ
130A データベース格納領域
130B 制御プログラム格納領域
140 駆動部
142 物理現象検出部
144 生体信号検出部
146 データ格納部
148 基準パラメータデータベース
150 指令信号データベース
152 フェーズ特定部
154 随意的制御部
156 ゲイン変更部
158 電力増幅部
160 自律的制御部
200A,200B 肩駆動部
210A,210B 腕駆動部
260 載置台
270 検出センサ
280 昇降機構
300A,300B 下肢駆動部
334,336 第2腕フレーム
330,331 上肢締結部材
338a,338b,340a,340b,342a,342b,344a,344b,346a,346b,348a,348b 上肢生体信号検出センサ
350,352 上肢締結ベルト
360 腰締結ベルト


【特許請求の範囲】
【請求項1】
装着者に装着されるフレームと、
該フレームの各関節に設けられた駆動部と、
前記フレームに設けられた締結部材と、
前記装着者の各生体信号を検出する複数の生体信号検出部と、
前記複数の生体信号検出部により検出された各生体信号に基づいて前記駆動部を制御する制御部と、
を備えた装着式動作補助装置において、
前記フレームは、後側から前記装着者に装着可能に形成され、
前記締結部材は、後側から締結されることを特徴とする装着式動作補助装置。
【請求項2】
装着者の腰に装着される腰フレームと、
該腰フレームの開口部に設けられた腰締結部材と、
前記腰フレームより下方に形成された下肢フレームと、
該下肢フレームの各関節に設けられた下肢駆動部と、
前記下肢フレームに設けられた下肢締結部材と、
前記腰フレームより上方に形成された上肢フレームと、
該上肢フレームの各関節に設けられた上肢駆動部と、
前記上肢フレームに設けられた上肢締結部材と、
前記装着者の各生体信号を検出する複数の生体信号検出部と、
前記複数の生体信号検出部により検出された各生体信号に基づいて前記下肢駆動部及び前記上肢駆動部を制御する制御部と、
を備えた装着式動作補助装置において、
前記腰フレーム、前記下肢フレーム、前記上肢フレームは、それぞれ後側から前記装着者に装着可能に形成され、
前記腰締結部材、前記下肢締結部材、前記上肢締結部材は、後側から締結されることを特徴とする装着式動作補助装置。
【請求項3】
前記上肢フレームは、
前記腰フレームの前側より上方に延在する垂直フレームと、
該垂直フレームの上端より肩幅方向に横架された肩フレームと、を有し、
前記上肢駆動部は、前記肩フレームの両端に回動可能に設けられ、運搬物を持ち上げる動作を補助することを特徴とする請求項2に記載の装着式動作補助装置。
【請求項4】
前記垂直フレームは、前記腕部駆動機構により持ち上げられた運搬物を載置する載置台を有することを特徴とする請求項3に記載の装着式動作補助装置。
【請求項5】
前記載置台に前記運搬物を検出する検出センサを設け、
前記検出センサの検出信号に基づいて前記載置台を上下方向に移動させる昇降機構を設けたことを特徴とする請求項4に記載の装着式動作補助装置。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10A】
image rotate

【図10B】
image rotate


【公開番号】特開2013−22091(P2013−22091A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−157248(P2011−157248)
【出願日】平成23年7月15日(2011.7.15)
【出願人】(504171134)国立大学法人 筑波大学 (510)
【出願人】(506310865)CYBERDYNE株式会社 (3)
【Fターム(参考)】