説明

製袋包装機

【課題】筒状の包材の縦方向の重なり部分が横に開いてしまうのを防ぐことができる製袋包装機を提供する。
【解決手段】製袋包装機1は、チューブ31と、セーラ部32と、縦シール機構15とを備える。セーラ部32は、シート状のフィルムFをその両端部が重なるようにチューブ31に巻き付ける。縦シール機構15は、シート状のフィルムFの両端部の重なり部分を縦方向に超音波シールする。縦シール機構15は、振動体50と、ローラ54とを有する。振動体50は、超音波を発生させる。ローラ54は、フィルムFの進行方向に沿って振動体50の下流側に配置される。ローラ54は、フィルムFの進行方向に回転しながら、振動体50を通過した後のフィルムFを押さえる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筒状の包材の重なり部分を縦方向に超音波シールする製袋包装機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、筒状の包材の重なり部分を縦方向に超音波シールする製袋包装機が存在する(例えば、特許文献1の特開2009−280258号広報)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
超音波シールされる前後で、筒状の包材に何らかの外力が加わると、筒状の包材の縦方向の重なり部分が横に開いてしまう虞がある。包材の重なり部分が開いてしまうと、適切な縦シールが形成されない。製袋包装機では、包材が搬送されつつ加工されるため、包材に摩擦力等の外力が加わることが十分に考えられる。特に、超音波を発生させる振動体との間で、包材の重なり部分を挟み込むアンビルの存在は、包材の重なり部分を開く原因となり得る。
【0004】
ところで、可動式のアンビルを筒状部に配置すると、筒状部の内部に様々な問題が引き起こされる可能性がある。例えば、アンビルに差された潤滑油が袋の内容物に触れる、ベアリングの玉が脱落し袋に混入する、筒状部の内部を落下する袋の内容物がアンビルに引っかかる等の問題である。
【0005】
本発明の課題の1つは、筒状の包材の縦方向の重なり部分が横に開いてしまうのを防ぐことができる製袋包装機を提供することにある。
【0006】
あるいは、本発明の別の課題は、筒状部の内部に様々な問題が生じるのを抑制することができる製袋包装機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1観点に係る製袋包装機は、筒状部と、セーラ部と、縦シール部とを備える。セーラ部は、シート状の包材をその両端部が重なるように筒状部に巻き付ける。縦シール部は、シート状の包材の両端部の重なり部分を縦方向に超音波シールする。縦シール部は、振動体と、ローラとを有する。振動体は、超音波を発生させる。ローラは、包材の進行方向に沿って振動体の下流側に配置される。ローラは、包材の進行方向に回転しながら、振動体を通過した後の包材を押さえる。
【0008】
ここでは、縦シールが超音波シールにより行われる。そして、包材の進行方向に沿って振動体の下流側に、包材の進行方向に回転しながら包材を押さえるローラが配置される。その結果、筒状の包材の縦方向の重なり部分が横に開いてしまうのを防ぐことができる。なお、筒状の包材の縦方向の重なり部分が横に開く態様としては、超音波シールされる前に開く場合と、超音波シールされた後に開く場合の両方が考えられる。
【0009】
第2観点に係る製袋包装機は、第1観点に係る製袋包装機であって、セーラ部は、折り返し部位を有する。折り返し部位は、包材の進行方向を略鉛直下方に変化させる。筒状部は、包材が、折り返し部位で折り返された後、ローラに達するまで略鉛直下方に搬送されるように、略鉛直方向に延びている。
【0010】
ここでは、シート状の包材が、セーラ部で略鉛直下方に向かって折り返されつつ、筒状に成形される。筒状に成形された包材は、略鉛直下方に向かって搬送されつつ、縦シールされ、その後、ローラに達する。その結果、包材は、セーラ部の折り返し部位と、ローラとから圧力を受ける。つまり、包材には、縦シールが行われる前後で、略上下に引っ張る力が加わる。従って、筒状の包材の縦方向の重なり部分が横に開いてしまうのを防ぐことができる。
【0011】
第3観点に係る製袋包装機は、第1観点又は第2観点に係る製袋包装機であって、筒状部は、包材の進行方向に延びるフラット面を有する。ローラは、包材の進行方向に回転しながら、フラット面に対し、振動体を通過した後の包材を押さえる。
【0012】
ここでは、ローラが、筒状部のフラット面に対し包材を押さえる。従って、シンプルな構成で、縦シール後の包材を押さえることができる。
【0013】
第4観点に係る製袋包装機は、第1観点から第3観点のいずれかに係る製袋包装機であって、ローラの外周面には、包材の超音波シールされた部分とローラとが接触する面積が小さくなるように、凹部が形成されている。
【0014】
超音波により溶かされた包材が、再び固まる前にローラにより押さえられると、包材が伸び、縦シールの強度が弱まる虞がある。ここでは、ローラの外周面に、凹部が形成されている。その結果、超音波シール時に加熱された包材の縦シールの部分のうち、ローラの外周面に押さえられる面積が低減される。従って、縦シールの強度が向上する。
【0015】
第5観点に係る製袋包装機は、第4観点に係る製袋包装機であって、凹部は、ローラの全周に沿って形成されている。
【0016】
ここでは、ローラの外周面に、全周に沿って凹部が形成されている。その結果、超音波シール時に加熱された包材の縦シールの部分のうち、ローラの外周面に押さえられる面積がさらに低減される。従って、縦シールの強度がさらに向上する。
【0017】
第6観点に係る製袋包装機は、第1観点から第5観点のいずれかに係る製袋包装機であって、搬送部をさらに備える。搬送部は、包材を筒状部に沿って搬送する。
【0018】
ここでは、筒状の包材が滑らかに搬送される。
【0019】
第7観点に係る製袋包装機は、第6観点に係る製袋包装機であって、振動制御部をさらに備える。振動制御部は、振動体から発生する超音波の振幅を、搬送部による包材の搬送速度に応じて変化させる。
【0020】
包材は、搬送部の搬送速度が遅いと、振動体付近をゆっくりと通過し、速いと、すばやく通過する。つまり、搬送部の搬送速度は、縦シールの強度に影響する。ここでは、超音波の振幅が、搬送部の搬送速度に応じて制御される。超音波の振幅は、縦シールの強度に影響を与える要因である。従って、搬送部の搬送速度の変動に関わらず、縦シールの強度のバラツキを抑制することができる。
【0021】
第8観点に係る製袋包装機は、第6観点又は第7観点に係る製袋包装機であって、加圧部と、圧力制御部とをさらに備える。加圧部は、振動体を包材に対して加圧する。圧力制御部は、加圧部による圧力を、搬送部による包材の搬送速度に応じて変化させる。
【0022】
包材は、搬送部の搬送速度が遅いと、振動体付近をゆっくりと通過し、速いと、すばやく通過する。つまり、搬送部の搬送速度は、縦シールの強度に影響する。ここでは、振動体が包材を押す圧力が、搬送部の搬送速度に応じて制御される。振動体が包材を押す圧力は、縦シールの強度に影響を与える要因である。従って、搬送部の搬送速度の変動に関わらず、縦シールの強度のバラツキを抑制することができる。
【0023】
第9観点に係る製袋包装機は、第6観点から第8観点のいずれかに係る製袋包装機であって、縦シール部は、ローラ駆動部をさらに有する。ローラ駆動部は、ローラによる包材の搬送速度が、搬送部による包材の搬送速度より速くなるように、ローラを回転駆動する。
【0024】
ここでは、ローラの搬送速度が、搬送部の搬送速度よりも速い。従って、ローラは、容易に包材に略鉛直方向の引っ張り力を加えることができる。
【0025】
第10観点に係る製袋包装機は、筒状部と、セーラ部と、縦シール部とを備える。セーラ部は、シート状の包材をその両端部が重なるように筒状部に巻き付ける。縦シール部は、シート状の包材の両端部の重なり部分を縦方向に超音波シールする。縦シール部は、振動体と、非可動式のアンビルとを有する。振動体は、超音波を発生させる。アンビルは、振動体に対面する態様で、筒状部に配置される。
【0026】
上記のとおり、可動式のアンビルを筒状部に配置すると、筒状部の内部に様々な問題が引き起こされる可能性がある。ここでは、縦シールが超音波シールにより行われる。そして、アンビルが筒状部に配置されるものの、非可動式である。従って、筒状部の内部に様々な問題が生じるのを抑制することができる。
【0027】
第11観点に係る製袋包装機は、第10観点に係る製袋包装機であって、アンビルは、筒状部の外表面から外側に突出するように筒状部に配置される。
【0028】
ここでは、アンビル(アンビルを筒状部に固定するための部材等は除く)が、筒状部の内側ではなく、外側に突出している。従って、筒状部の内部に様々な問題が生じるのをさらに抑制することができる。
【0029】
第12観点に係る製袋包装機は、第10観点又は第11観点に係る製袋包装機であって、アンビルは、筒状部に対し着脱式である。
【0030】
ここでは、アンビルが着脱式である。従って、アンビルが磨耗しても、筒状部をそのままに、アンビルのみを交換することができる。
【0031】
第13観点に係る製袋包装機は、第10観点又は第11観点に係る製袋包装機であって、縦シール部は、ローラをさらに有する。ローラは、包材の進行方向に沿って振動体およびアンビルの下流側に配置される。ローラは、包材の進行方向に回転しながら、振動体およびアンビルを通過した後の包材を押さえる。
【0032】
包材とアンビルとの接触抵抗が増すと、筒状の包材の縦方向の重なり部分が横に開いてしまう虞が増す。筒状の包材の縦方向の重なり部分が横に開く態様としては、超音波シールされる前に開く場合と、超音波シールされた後に開く場合の両方が考えられる。包材とアンビルとの接触抵抗を減らすには、例えば、アンビルを、包材の進行方向に沿って回転する回転式にすることが考えられる。しかし、上記のとおり、そのようなアンビルは、筒状部の内部に様々な問題を引き起こす可能性がある。ここでは、アンビルが非可動式である。また、ここでは、包材の進行方向に沿って振動体およびアンビルの下流側に、包材の進行方向に回転しながら包材を押さえるローラが配置される。従って、筒状部の内部に上記問題が生じるのを抑制しつつ、筒状の包材の縦方向の重なり部分が横に開いてしまうのを防ぐことができる。
【発明の効果】
【0033】
本発明のある観点によれば、縦シールが超音波シールにより行われる。そして、包材の進行方向に沿って振動体の下流側に、包材の進行方向に回転しながら包材を押さえるローラが配置される。その結果、筒状の包材の縦方向の重なり部分が横に開いてしまうのを防ぐことができる。
【0034】
本発明の別の観点によれば、縦シールが超音波シールにより行われる。そして、アンビルが筒状部に配置されるものの、非可動式である。従って、筒状部の内部に様々な問題が生じるのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】一実施形態に係る製袋包装機の斜視図。
【図2】製袋包装機の右側面図。
【図3】製袋包装ユニットの斜視図。
【図4】製袋包装機の制御系統のブロック図。
【図5】ピロー型の袋の外観図。
【図6】製袋包装ユニットを正面右上方から見た斜視図。
【図7】製袋包装ユニットを右後ろから見た斜視図。
【図8】製袋包装ユニットを正面右から見た斜視図。
【図9】アンビルの周辺を正面右から見た斜視図。
【図10】ローラの正面図。
【図11】(a)変形例に係るアンビルを示す図。(b)変形例に係るアンビルを示す 別の図。(c)変形例に係るアンビルを示す別の図。(d)変形例に係るアンビルを示 す別の図。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態に係る製袋包装機1について説明する。なお、製袋包装機1の説明における「前(正面)」、「後(背面)」、「上」、「下」、「左」、「右」は、図3のとおり定義する。「上流」、「下流」は、フィルムFの搬送方向を基準とする。
【0037】
(1)全体構成
製袋包装機1は、スナック菓子等の内容物Cを袋詰めした商品を製造する機械である。図1〜図4に示すように、製袋包装機1は、内容物Cの袋詰めを行う製袋包装ユニット5と、製袋包装ユニット5に対し商品の袋部分の素材となるフィルムFを供給するフィルム供給ユニット6と、製袋包装機1全体の動作を制御する制御ユニット7と、ユニット5,6,7を直接的又は間接的に支持する本体フレーム10とを有する。製袋包装ユニット5で袋詰めされる内容物Cは、製袋包装ユニット5の上方に配置された組合せ計量機2で計量される。製袋包装ユニット5は、組合せ計量機2から内容物Cが供給されるタイミングに合わせて、内容物Cの袋詰めを行う。
【0038】
製袋包装ユニット5の前面には、右側を向いた操作パネル8が配置されている。操作パネル8は、液晶ディスプレイと、液晶ディスプレイを覆うタッチパネルとを有する。操作パネル8は、操作者に対し製袋包装機1の動作の状態を示す情報を表示したり、製袋包装機1に対する様々な設定の入力を受け付けたりする。
【0039】
製袋包装機1は、図5に示すピロー型の袋B1(以下、ピロー袋B1)を製造する。ピロー袋B1には、縦方向に延びる縦シール部位V1と、横方向に延びる横シール部位H1,H2とが形成されている。縦シール部位V1および横シール部位H1,H2は、超音波シールにより形成される。
【0040】
(2)詳細構成
(2−1)フィルム供給ユニット
フィルム供給ユニット6は、ピロー袋B1の素材となるシート状のフィルムFを製袋包装ユニット5に供給する。フィルム供給ユニット6は、シート状のフィルムFが巻かれたフィルムロール6aを有する。制御ユニット7は、製袋包装ユニット5の動作と同期させつつ、フィルムロール6aからフィルムFを繰り出させる。
【0041】
フィルムロール6aの回転軸は、図示されないモータにより駆動される。また、フィルムFには、後述するプルダウンベルト機構40,40により搬送力が加えられる。フィルムロール6aおよびプルダウンベルト機構40,40の駆動速度は、制御ユニット7により制御される。
【0042】
(2−2)製袋包装ユニット
製袋包装ユニット5は、成形機構13と、搬送機構14と、縦シール機構15と、横シール機構16と、ヒンジ固定機構17と、クランプ固定機構18とを有する。成形機構13は、フィルムロール6aから搬送されてくるシート状のフィルムFを円筒状に成形する。搬送機構14は、成形機構13により円筒状に成形されたフィルムF(以下、筒状フィルムFcという。)を下方へと搬送する。縦シール機構15は、筒状フィルムFcの重なり部分を縦方向(上下方向)に超音波シールし、縦シール部位V1を形成する。筒状フィルムFcの重なり部分とは、シート状のフィルムFcの両端部が縦方向に重なり合った部分である。横シール機構16は、筒状フィルムFcの所定の部分を横方向(左右方向)に超音波シールし、横シール部位H1,H2を形成する。ヒンジ固定機構17は、本体フレーム10に縦シール機構15の主要部を固定する。クランプ固定機構18は、成形機構13と縦シール機構15の主要部とを固定する。
【0043】
(2−2−1)成形機構
図6および図7に示すように、成形機構13は、チューブ31と、セーラ部32と、支持フレーム33とを有する。支持フレーム33は、チューブ31とセーラ部32とを直接的に支持する。
【0044】
チューブ31は、略上下方向に延びる略円筒状の部材であるが、その正面側には、部分的にフラット面31aが形成されている(図8参照)。フラット面31aは、略鉛直方向に延びている。チューブ31は、上下端に開口を有する。チューブ31の上部は、漏斗形状になっている。組合せ計量機2(図1参照)から所定量ずつ落下してくる内容物Cは、図3に示すように、チューブ31の上端の開口からチューブ31の内部に投入され、チューブ31の内部を通過して落下する。なお、組合せ計量機2は、フィーダ、プールホッパ、軽量ホッパおよび集合排出シュートを有する。
【0045】
セーラ部32は、チューブ31を取り囲むように配置されている。セーラ部32は、シート状のフィルムFをチューブ31に巻き付けるように、フィルムFを案内する。セーラ部32は、斜面32aを有する。フィルムロール6aから繰り出されたシート状のフィルムFは、斜面32aに接触しつつ、斜面32aに沿って斜め上方に搬送される。
【0046】
図7に示すように、チューブ31の外表面とセーラ部32との間には、狭小の隙間S1が形成されている。隙間S1は、チューブ31の全周に沿って存在する。斜面32aを登り切ったフィルムFは、隙間S1に挿入される。フィルムFは、隙間S1を通り抜ける間に、チューブ31の外表面に巻き付けられる。その結果、フィルムFは、シート状から円筒状に成形される。シート状のフィルムFが円筒状に成形されると、フィルムFの左の縁と右の縁とが重なり合う。その後、筒状フィルムFcは、チューブ31を包み込むような態様で、チューブ31の外表面に沿って下方に搬送される。
【0047】
セーラ部32の、斜面32aの頂上付近の部位を、折り返し部位35と呼ぶ。折り返し部位35は、チューブ31の全周に沿って存在する。斜面32aに沿って進んできたフィルムFは、折り返し部位35で、略鉛直下方に向かって急激に折り返される。つまり、折り返し部位35は、斜面32aの頂上付近で、フィルムFの進行方向を略鉛直下方に急激に変化させる。フィルムFは、折り返し部位35で急激に折り返された後、直ちに隙間S1に挿入される。隙間S1の幅は、フィルムFがチューブ31にしっかりと巻き付けられる程度に狭小である。従って、折り返し部位35付近では、フィルムFに加わる負荷(摩擦)が比較的大きくなる。
【0048】
図6に示すように、支持フレーム33は、板部材36と、左右一対のハンドル37,37と、梁37aと、左右一対の梁37b,37bと、梁37cとを有する。板部材36と、ハンドル37,37と、梁37a,37b,37b,37cとは、適宜固定されており、互いの位置関係は、一定である。
【0049】
板部材36は、平面視において略矩形形状の部材である。板部材36の中央には、平面視において略円形の開口36aが形成されている。チューブ31は、開口36aを上下に貫通するように配置される。ハンドル37,37は、板部材36の正面左右付近から上方に延びるように配置される。梁37aは、ハンドル37,37の略中央間に架けられている。梁37b,37bは、ハンドル37,37の上端とチューブ31との間に架けられている。梁37cは、梁37aの中央とチューブ31との間に架けられている。チューブ31は、梁37b,37b,37cに固定されている。その結果、チューブ31は、支持フレーム33に固定されている。
【0050】
図示されないが、セーラ部32も、支持フレーム33に固定されている。その結果、支持フレーム33を介し、チューブ31とセーラ部32との位置関係が固定されている。
【0051】
板部材36の左右には、スライドレール36b,36bが前後に延びるように形成されている。スライドレール36b,36bは、本体フレーム10の一部である前後に延びる軸を、前後にスライド可能に受け取る。製袋包装機1の正面に立ったユーザは、ハンドル37,37を握り、本体フレーム10の上記軸をスライドレール36b,36bに沿ってスライドさせることにより、成形機構13全体を交換することができる。チューブ31およびセーラ部32の形状およびサイズは、製造される袋の形状およびサイズに応じて異なる。ユーザは、製造される袋に対応する成形機構13を容易に製袋包装機1に取り付けることができる。
【0052】
(2−2−2)搬送機構
搬送機構14は、左右一対のプルダウンベルト機構40,40を有する。図3に示すように、プルダウンベルト機構40,40は、チューブ31を挟んで左右対称に配置される。プルダウンベルト機構40,40は、それぞれチューブ31に沿って上下方向に延びている。
【0053】
プルダウンベルト機構40,40は、それぞれ駆動ローラ40b,40bと、従動ローラ40c,40cと、ベルト40a,40aとを有する。駆動ローラ40b,40bは、図示されないモータにより駆動される。従動ローラ40c,40cは、それぞれ駆動ローラ40b,40bの回転に応じて回転する。ベルト40a,40aは、筒状フィルムFcを吸着する。その結果、プルダウンベルト機構40,40は、筒状フィルムFcを吸着しながら、チューブ31の外表面に沿って下方に搬送する。
【0054】
(2−2−3)縦シール機構
図8に示すように、縦シール機構15は、振動体50と、アンビル51と、振動体50を往復動させるエアシリンダ部52と、エア噴出部53と、ローラ54と、ローラ54を回転させるローラ駆動部55(図4参照)とを有する。
【0055】
振動体50は、圧電素子50aと、ホーン50bと、ブースタ50cとを有する。ホーン50bと、圧電素子50aとは、背面側から正面側に向かって略水平方向に、この順番で配置される。エアシリンダ部52は、ブースタ50cおよび圧電素子50aの直ぐ上に配置される。圧電素子50aは、図示されない高周波電源に接続されている。圧電素子50aは、高周波電源から高周波電圧を印加されることにより、超音波を発生させる。ホーン50bは、圧電素子50aが発生させた超音波を増幅させる。ブースタ50cは、圧電素子50aが発生させた超音波を増幅させるとともに、振動体50のユニットを保持する役割を果たす。振動体50の挙動は、制御ユニット7(より具体的には、後述される振動制御部7a)により制御される。
【0056】
図9に示すように、アンビル51は、チューブ31のフラット面31aから正面側に突出するように、チューブ31に固定されている。アンビル51は、金属製である。アンビル51は、正面視において略正方形の板51aと、板51aの中央から正面側に突出する突起部51bとを有する。アンビル51は、非可動式である。突起部51bは、ホーン50bに対面するように配置される。筒状フィルムFcの重なり部分は、ホーン50bとアンビル51との間に挟まれつつ、略鉛直下方へと搬送される。筒状フィルムFcの重なり部分は、ホーン50bとアンビル51との間を通過する間に、ホーン50bから伝播する超音波による振動により融合し、縦方向に超音波シールされる。その結果、筒状フィルムFcの正面中央に縦シール部位V1が形成される。
【0057】
アンビル51は、チューブ31のフラット面31aの上端付近にビス止めされる。アンビル51は、チューブ31に対し着脱式である。従って、アンビル51が磨耗しても、チューブ31をそのままに、アンビル51のみを交換することができる。
【0058】
エアシリンダ部52は、振動体50を、アンビル51に対して略水平方向に往復動させる。その結果、エアシリンダ部52は、ホーン50bを筒状フィルムFcの重なり部分およびアンビル51に対して加圧する。エアシリンダ部52は、制御ユニット7(より具体的には、後述される圧力制御部7b)により制御される。
【0059】
エア噴出部53は、振動体50の直ぐ下方、すなわち、筒状フィルムFcの進行方向に沿って振動体50およびアンビル51の直ぐ下流側に配置される。エア噴出部53は、エア噴出口からエアを噴出する。エアは、ホーン50bおよびアンビル51を通過した直後の筒状フィルムFcの重なり部分に向けて噴出される。その結果、ホーン50bからの超音波により熱溶着された筒状フィルムFcの重なり部分が冷え固まるのが促進される。エア噴出部53によるエアの噴出量および噴出のタイミングは、制御ユニット7により制御される。
【0060】
ローラ54は、エア噴出部53の直ぐ下方、すなわち、筒状フィルムFcの進行方向に沿ってエア噴出部53の直ぐ下流側に配置される。ローラ54は、筒状フィルムFcの進行方向に回転しながら、チューブ31のフラット面31aに対し、筒状フィルムFcの重なり部分を押さえる。かかるローラ54の動作は、ホーン50b、アンビル51およびエア噴出部53を通過した直後の筒状フィルムFcに対し、略下向きの力を与える。一方、上記のとおり、フィルムFには、セーラ部32の折り返し部位35付近において摩擦による圧力が加わる。フィルムFは、折り返し部位35で折り返された後、ローラ54に達するまで略鉛直下方に真っ直ぐ搬送される。その結果、筒状フィルムFcの重なり部分は、超音波シールされる前後で、略上下から引っ張られる。かかる引っ張り力は、筒状フィルムFcの縦方向に延びる重なり部分が、超音波シールされる前後で横に開いてしまうのを防ぐ。
【0061】
また、ローラ54が筒状フィルムFcの進行方向に回転することは、筒状フィルムFcの重なり部分に余分な摩擦が加わるのを防いでいる。その結果、筒状フィルムFcは、傷付くことなく滑らかに搬送される。
【0062】
図10に示すように、ローラ54の外周面には、ローラ54の全周に沿って凹部54aが形成されている。凹部54aの溝幅(ローラ54の厚み方向の幅)は、筒状フィルムFcの重なり部分の横方向の幅に概ね等しい。従って、筒状フィルムFcの重なり部分のうち、超音波シールされた部分は、凹部54aに逃げ込み、ローラ54の外周面に接触しない。従って、筒状フィルムFcの縦シールされた部分は、十分に冷え固まる前に、ローラ54およびチューブ31のフラット面31aからの圧力により伸びて変形してしまうことがない。その結果、縦シールの強度が十分に維持されるようになっている。
【0063】
ローラ駆動部55は、ローラ54を回転駆動するモータを有する。ローラ駆動部55は、制御ユニット7により制御される。ローラ駆動部55は、ローラ54による筒状フィルムFcの搬送速度が、搬送機構14による筒状フィルムFcの搬送速度より少しだけ速くなるように、ローラ54を回転駆動する。従って、筒状フィルムFcは、ローラ54に接触する付近において、他の位置よりも速く搬送される。従って、ローラ54の周辺においては、筒状フィルムFcの重なり部分に縦方向の引っ張り力が確実に加えられる。つまり、筒状フィルムFcの重なり部分が超音波シールされる前後で横に開いてしまう事態が、より確実に防がれる。
【0064】
(2−2−4)横シール機構
図3に示すように、横シール機構16は、前後一対のシールジョー60,60と、シールジョー60,60を駆動する駆動装置(図示されない)とを有する。シールジョー60,60は、筒状フィルムFcを挟んで前後対称に配置される。シールジョー60,60は、それぞれ左右方向に延びている。シールジョー60,60は、それぞれ振動体とアンビルとを1つずつ有する。振動体およびアンビルは、それぞれ左右方向に延びている。
【0065】
シールジョー60,60は、互いに同期を取りながら、それぞれ左又は右側面視においてD字状に旋回しつつ、筒状フィルムFcに対し前後対称に近づいたり離れたりする。同じシールジョー60に取り付けられた振動体とアンビルとは、そのシールジョー60の回転中心に対し、略180°離れた位置に配置される。シールジョー60,60は、互いに最も近づいた時に、一方のシールジョー60に取り付けられた振動体のホーンと、他方のシールジョー60に取り付けられたアンビルとの間で、筒状フィルムFcを挟み込む。筒状フィルムFcの、シールジョー60,60のホーンとアンビルとに挟み込まれた部分は、左右方向に超音波シールされる。一回の挟み込み動作により、先行するピロー袋B1の上部の横シール部位H1と、その次に製造されるピロー袋B1の下部の横シール部位H2とが同時に形成される。一方のシールジョー60には、カッターが内蔵される。カッターは、シールジョー60,60が筒状フィルムFcを挟み込んでいる間に、筒状フィルムFcを左右方向に切断する。その結果、ピロー袋B1が切り離される。
【0066】
(2−2−5)ヒンジ固定機構17
ヒンジ固定機構17は、本体フレーム10に縦シール構造体を固定する。縦シール構造体とは、縦シール機構15の主要部からなる構造体である。より具体的には、縦シール構造体とは、縦シール機構15の上述した構成要素のうち、アンビル51を除く構成要素からなる。縦シール構造体は、その構成要素が適宜固定されることにより構成される。
【0067】
ヒンジ固定機構17は、フレームケース17aと、各種ヒンジとからなる。フレームケース17aは、本体フレーム10に固定される。フレームケース17aは、縦シール構造体を部分的に収容する。縦シール構造体は、フレームケース17aにビス等で固定される。縦シール構造体は、一体的にフレームケース17aに対し着脱自在である。各種ヒンジは、フレームケース17aの折り曲げ可能部分に配置される。各種ヒンジが開閉することにより、フレームケース17aが折り曲げ可能部分で水平方向に折り曲がる。フレームケース17aが折り曲げ可能部分で折り曲げられると、縦シール構造体が高さ位置を変えることなくチューブ31に対して移動する。ユーザは、各種ヒンジの開閉の度合いを調整することにより、縦シール構造体に含まれる振動体50ホーン50bと、チューブ31に固定されているアンビル51との位置関係を調整することができる。図示されないが、ヒンジ固定機構17は、調整後の各種ヒンジの開閉の度合いを保持するための固定具を有する。
【0068】
(2−2−6)クランプ固定機構18
クランプ固定機構18は、フォーマ構造体と縦シール構造体とを固定する。フォーマ構造体とは、成形機構13とアンビル51とからなる構造体である。フォーマ構造体は、その構成要素が適宜固定されることにより構成される。フォーマ構造体は、一体的に本体フレーム10に対し着脱可能である。かかる着脱は、フォーマ構造体の一部であるスライドレール36b,36bに、本体フレーム10の一部である軸をスライドさせることより実現される。
【0069】
クランプ固定機構18は、爪型フック18aと、環状フック18bと、レバー18cとを有する。図8に示すように、爪型フック18aは、フォーマ構造体に含まれる支持フレーム33の板部材36の正面中央に固定されている。環状フック18bは、縦シール構造体に固定されている。環状フック18bを爪型フック18aに引っ掛けた状態で、レバー18cを締めると、フォーマ構造体と縦シール構造体との位置関係が固定される。つまり、クランプ固定機構18により、縦シール構造体に含まれる振動体50のホーン50bと、チューブ31に固定されているアンビル51との位置関係を固定することができる。
【0070】
クランプ固定機構18は、ヒンジ固定機構17により固定されたフォーマ構造体と縦シール構造体との位置関係を補強するように固定する。ヒンジ固定機構17は、フォーマ構造体と縦シール構造体との位置関係を、主として水平方向に変化しないように固定する。クランプ固定機構18は、フォーマ構造体と縦シール構造体との位置関係を、主として鉛直方向に変化しないように固定する。従って、ヒンジ固定機構17およびクランプ固定機構18により、振動体50のホーン50bとアンビル51との位置関係が適切に維持される。
【0071】
なお、ヒンジ固定機構17およびクランプ固定機構18がフォーマ構造体と縦シール構造体とを固定している状態では、エアシリンダ部52は、ホーン50bからアンビル51に略向かう方向に振動体50を移動し、筒状フィルムFcを加圧する。つまり、縦シール構造体は、振動体50がホーン50bからアンビル51に略向かう方向に移動するのを許容している。一方、ヒンジ固定機構17およびクランプ固定機構18がフォーマ構造体と縦シール構造体とを固定している状態では、振動体50は、ホーン50bからアンビル51に略向かう方向以外の方向には固定されている。つまり、縦シール構造体は、振動体50を、ホーン50bからアンビル51に略向かう方向以外の方向には移動できないように支持している。
【0072】
(3)制御ユニット
制御ユニット7は、CPU、ROM、RAMおよびフラッシュメモリを有する。制御ユニット7は、フラッシュメモリ内のプログラムを読み出して実行することにより、製袋包装機1の各部の動作を制御する。図4に示すように、制御ユニット7は、振動制御部7aおよび圧力制御部7bとして動作する。制御ユニット7は、フィルム供給ユニット6と、搬送機構14と、縦シール機構15と、横シール機構16と、操作パネル8とに接続されている。制御ユニット7は、組合せ計量機2にも接続されている。
【0073】
振動制御部7aは、高周波電源を制御することにより、振動体50から発生する超音波の属性(振動数、振幅および超音波を発生させるタイミングを含む)を制御する。振動制御部7aは、超音波の振幅を、搬送機構14による筒状フィルムFcの搬送速度に応じて変化させる。より具体的には、振動制御部7aは、超音波の振幅を、搬送機構14による筒状フィルムFcの搬送速度が速ければ速いほど、大きくする。
【0074】
圧力制御部7bは、エアシリンダ部52を制御することにより、ホーン50bが筒状フィルムFcおよびアンビル51を押す圧力を、搬送機構14による筒状フィルムFcの搬送速度に応じて変化させる。より具体的には、圧力制御部7bは、ホーン50bが筒状フィルムFcおよびアンビル51を押す圧力を、搬送機構14による筒状フィルムFcの搬送速度が速ければ速いほど、大きくする。
【0075】
筒状フィルムFcは、搬送機構14の搬送速度が遅いと、振動体50付近をゆっくりと通過し、速いと、すばやく通過する。つまり、搬送機構14の搬送速度は、縦シールの強度に影響する。本実施形態では、超音波の振幅が、搬送機構14の搬送速度に応じて制御される。超音波の振幅は、縦シールの強度に影響を与える要因である。また、本実施形態では、ホーン50bが筒状フィルムFcおよびアンビル51を押す圧力が、搬送機構14の搬送速度に応じて制御される。従って、搬送機構14の搬送速度の変動に関わらず、縦シールの強度のバラツキを抑制することができる。
【0076】
(4)製袋包装機の動作
搬送機構14およびフィルムロール6aが駆動されると、シート状のフィルムFがフィルムロール6aから繰り出される。フィルムロール6aから繰り出されたシート状のフィルムFは、成形機構13に達する。成形機構13は、シート状のフィルムFを筒状フィルムFcへと成形する。このとき、シート状のフィルムFの左右の縁が上下方向に重なり合った状態となる。
【0077】
続いて、上下方向に重なり合った部分を有する筒状フィルムFcは、チューブ31に沿って縦シール機構15へと降りていく。縦シール機構15は、筒状フィルムFcの上下方向に重なり合った部分を超音波シールすることにより、縦シール部位V1を形成する。
【0078】
続いて、縦シール部位V1を有する筒状フィルムFcは、チューブ31を抜けて横シール機構16へと降りていく。このタイミングで、筒状フィルムFcの内部へと、組合せ計量機2からチューブ31の内部を通って内容物Cが落下してくる。なお、制御ユニット7は、適当なタイミングで、組合せ計量機2の制御部(図示されない)に内容物Cの落下を命じる。横シール機構16は、筒状フィルムFc内に内容物Cが充填されている状態で、筒状フィルムFcの所定の位置を左右方向に超音波シールする。同時に、横シール機構16は、筒状フィルムFcの超音波シールされた部分の周辺を左右方向に切断する。その結果、筒状フィルムFcからピロー袋B1が切り離される。
【0079】
(5)特徴
(5−1)
上記実施形態では、縦シールが超音波シールにより行われる。そして、フィルムFの進行方向に沿って振動体50の下流側に、フィルムFの進行方向に回転しながらフィルムFを押さえるローラ54が配置される。その結果、筒状フィルムFcの縦方向の重なり部分が横に開いてしまうのを防ぐことができる。なお、筒状フィルムFcの縦方向の重なり部分が横に開く態様としては、超音波シールされる前に開く場合と、超音波シールされた後に開く場合の両方が考えられる。
【0080】
(5−2)
上記実施形態では、シート状のフィルムFが、セーラ部32で略鉛直下方に向かって折り返されつつ、筒状に成形される。筒状フィルムFcは、略鉛直下方に向かって搬送されつつ、縦シールされ、その後、ローラ54に達する。その結果、フィルムFは、セーラ部32の折り返し部位35と、ローラ54とから圧力を受ける。つまり、フィルムFには、縦シールが行われる前後で、略上下に引っ張る力が加わる。従って、筒状フィルムFcの縦方向の重なり部分が横に開いてしまうのを防ぐことができる。
【0081】
(5−3)
超音波により溶かされたフィルムFが、再び固まる前にローラ54により押さえられると、フィルムFが伸び、縦シールの強度が弱まる虞がある。上記実施形態では、ローラ54の外周面に、全周に沿って凹部54aが形成されている。その結果、超音波シール時に加熱されたフィルムFの縦シールの部分のうち、ローラ54の外周面に押さえられる面積が低減される。従って、縦シールの強度が向上する。
【0082】
(5−4)
上記実施形態では、アンビル51がチューブ31に配置されるものの、非可動式である。また、アンビル51が、チューブ31の内側ではなく、外側に突出している。従って、チューブ31の内部に様々な問題が生じるのを抑制することができる。
【0083】
(5−5)
フィルムFとアンビル51との接触抵抗が増すと、筒状フィルムFcの縦方向の重なり部分が横に開いてしまう虞が増す。フィルムFとアンビル51との接触抵抗を減らすには、例えば、アンビル51を、フィルムFの進行方向に沿って回転する回転式にすることが考えられる。しかし、そのようなアンビル51は、チューブ31の内部に様々な問題を引き起こす可能性がある。上記実施形態では、アンビル51が非可動式である。また、フィルムFの進行方向に沿って振動体50およびアンビル51の下流側に、フィルムFの進行方向に回転しながらフィルムFを押さえるローラ54が配置される。従って、筒状部の内部に様々な問題が生じるのを抑制しつつ、筒状のフィルムFの縦方向の重なり部分が横に開いてしまうのを防ぐことができる。
【0084】
(6)変形例
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、以下のような変更が考えられる。
【0085】
(6−1)
上記実施形態では、ピロー袋B1が製造される例を示したが、本発明は、他のタイプの袋、例えば、角型の袋、フラットボトム型の袋、ヘムシール型の袋などにも適用可能である。
【0086】
(6−2)
上記実施形態では、ローラ54の全周に沿って凹部54aが形成されていた。しかし、凹部54aは、ローラ54の周方向に不連続に形成されてもよい。この場合も、筒状フィルムFcの超音波シールされた部分とローラ54とが接触する面積が小さくなり、超音波シールが損なわれる可能性が低減される。
【0087】
あるいは、凹部54aが形成されていなくてもよい。特に、エア噴出部53等により、超音波シール直後の筒状フィルムFcを十分に冷却できる場合には、不要である。
【0088】
(6−3)
上記実施形態では、ローラ54は、ローラ駆動部55により回転駆動された。しかし、ローラ駆動部55を省略し、ローラ54を非駆動式としてもよい。この場合も、ローラ54の回転により、筒状フィルムFcに加わる摩擦が低減される。ローラ54は、搬送される筒状フィルムFcに引っ張られて回転する。
【0089】
(6−4)
アンビル51は、駆動式であってもよい。例えば、アンビル51の突起部51bを、筒状フィルムFcの進行方向に沿って回転するローラに変更してもよい。
【0090】
(6−5)
アンビル51の形状は、上記のものに限定されない。例えば、図11(a)および図11(b)に示すように、突起部が複数存在する形状であってもよい。あるいは、図11(c)に示すように、波形であってもよい。あるいは、図11(d)に示すように、緩やかに突出する突起部が複数存在する形状であってもよい。
【0091】
(6−6)
振動体50の直ぐ上方に、ローラ54と同様のローラを配置してもよい。
【0092】
(6−7)
ローラ54との間で筒状フィルムFcを挟み込む受け台は、チューブ31のフラット面31aでなくてもよいし、チューブ31そのものでなくてもよい。例えば、チューブ31の正面側に板金等を固定してもよい。
【符号の説明】
【0093】
1 製袋包装機
7 制御ユニット
7a 振動制御部
7b 圧力制御部
13 成形機構
14 搬送機構(搬送部)
15 縦シール機構(縦シール部)
31 チューブ(筒状部)
31a フラット面
32 セーラ部
35 折り返し部位
50 振動体
51 アンビル
52 エアシリンダ部(加圧部)
54 ローラ
54a 凹部
55 ローラ駆動部
F フィルム(包材)
Fc 筒状フィルム(包材)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0094】
【特許文献1】特開2009−280258号広報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状部と、
シート状の包材をその両端部が重なるように前記筒状部に巻き付けるセーラ部と、
前記両端部の重なり部分を縦方向に超音波シールする縦シール部と、
を備え、
前記縦シール部は、
超音波を発生させる振動体と、
前記包材の進行方向に沿って前記振動体の下流側に配置され、前記包材の進行方向に回転しながら、前記振動体を通過した後の前記包材を押さえるローラと、
を有する、
製袋包装機。
【請求項2】
前記セーラ部は、前記包材の進行方向を略鉛直下方に変化させる折り返し部位を有し、
前記筒状部は、前記包材が、前記折り返し部位で折り返された後、前記ローラに達するまで略鉛直下方に搬送されるように、略鉛直方向に延びている、
請求項1に記載の製袋包装機。
【請求項3】
前記筒状部は、前記包材の進行方向に延びるフラット面を有し、
前記ローラは、前記包材の進行方向に回転しながら、前記フラット面に対し、前記振動体を通過した後の前記包材を押さえる、
請求項1又は2に記載の製袋包装機。
【請求項4】
前記ローラの外周面には、前記包材の超音波シールされた部分と前記ローラとが接触する面積が小さくなるように、凹部が形成されている、
請求項1から3のいずれかに記載の製袋包装機。
【請求項5】
前記凹部は、前記ローラの全周に沿って形成されている、
請求項4に記載の製袋包装機。
【請求項6】
前記包材を前記筒状部に沿って搬送する搬送部、
をさらに備える、
請求項1から5のいずれかに記載の製袋包装機。
【請求項7】
前記振動体から発生する超音波の振幅を、前記搬送部による前記包材の搬送速度に応じて変化させる振動制御部、
をさらに備える、
請求項6に記載の製袋包装機。
【請求項8】
前記振動体を前記包材に対して加圧する加圧部と、
前記加圧部による圧力を、前記搬送部による前記包材の搬送速度に応じて変化させる圧力制御部と、
をさらに備える、
請求項6又は7に記載の製袋包装機。
【請求項9】
前記縦シール部は、
前記ローラによる前記包材の搬送速度が、前記搬送部による前記包材の搬送速度より速くなるように、前記ローラを回転駆動するローラ駆動部、
をさらに有する、
請求項6から8のいずれかに記載の製袋包装機。
【請求項10】
筒状部と、
シート状の包材をその両端部が重なるように前記筒状部に巻き付けるセーラ部と、
前記両端部の重なり部分を縦方向に超音波シールする縦シール部と、
を備え、
前記縦シール部は、
超音波を発生させる振動体と、
前記振動体に対面する態様で、前記筒状部に配置される非可動式のアンビルと、
を有する、
製袋包装機。
【請求項11】
前記アンビルは、前記筒状部の外表面から外側に突出するように前記筒状部に配置される、
請求項10に記載の製袋包装機。
【請求項12】
前記アンビルは、前記筒状部に対し着脱式である、
請求項10又は11に記載の製袋包装機。
【請求項13】
前記縦シール部は、
前記包材の進行方向に沿って前記振動体および前記アンビルの下流側に配置され、前記包材の進行方向に回転しながら、前記振動体および前記アンビルを通過した後の前記包材を押さえるローラ、
をさらに有する、
請求項10から12のいずれかに記載の製袋包装機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−236620(P2012−236620A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−106071(P2011−106071)
【出願日】平成23年5月11日(2011.5.11)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【Fターム(参考)】