説明

製造装置

【課題】材料利用効率よく、または作業効率よく発光層などの有機薄膜を成膜し、発光装置を作製する製造装置を提供する。
【解決手段】ロード室、該ロード室に連結された共通室、および該共通室に連結された複数の処理室と、レーザ光源とを有し、予め処理室で第2の基板に材料層を形成しておき、共通室で第2の基板と第1の基板の位置合わせを行った後、第2の基板にレーザ光の走査を行い、第1の基板に選択的に成膜を行う。本製造装置は、共通室内で第1の基板に選択的な成膜を複数回行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は蒸着により成膜可能な材料(以下、蒸着材料という)の成膜に用いられる成膜装置を備えた製造装置および該製造装置を用いた有機化合物を含む層を発光層とする発光装置、およびその作製方法に関する。特に、積層成膜を行う製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自発光型の発光素子としてEL素子を有した発光装置の研究が活発化している。この発光装置は有機ELディスプレイ、又は有機発光ダイオードとも呼ばれている。これらの発光装置は、動画表示に適した速い応答速度、低電圧、低消費電力駆動などの特徴を有しているため、新世代の携帯電話や携帯情報端末(PDA)をはじめ、次世代ディスプレイとして大きく注目されている。
【0003】
有機化合物を含む層を発光層とするEL素子は、有機化合物を含む層(以下、EL層と記す)が陽極と、陰極との間に挟まれた構造を有し、陽極と陰極とに電場を加えることにより、EL層からルミネッセンス(Electro Luminescence)が発光する。またEL素子からの発光は、一重項励起状態から基底状態に戻る際の発光(蛍光)と三重項励起状態から基底状態に戻る際の発光(リン光)とがある。
【0004】
上記のEL層は「正孔輸送層、発光層、電子輸送層」に代表される積層構造を有している。また、EL層を形成するEL材料は低分子系(モノマー系)材料と高分子系(ポリマー系)材料に大別され、低分子系材料は、蒸着装置を用いて成膜される。
【0005】
従来の蒸着装置は基板ホルダに基板を設置し、EL材料、つまり蒸着材料を封入したルツボと、昇華するEL材料の上昇を防止するシャッターと、ルツボ内のEL材料を加熱するヒータとを有している。そして、ヒータにより加熱されたEL材料が昇華し、回転する基板に成膜される。このとき、大面積基板に対して均一に成膜を行うため、基板とルツボとの間の距離は、例えば1m以上離す必要がある。
【0006】
また、従来の蒸着装置は、均一な膜を得るため、基板と蒸着源との間隔をある程度離す必要があった。そのため、蒸着装置自体が大型化し、蒸着装置の各成膜室の排気に要する時間も長時間となってしまう。さらに、蒸着装置は基板を回転させる構造であるため、大面積基板を目的とする蒸着装置には限界があった。
【0007】
これらの点から蒸着装置(特許文献1、特許文献2)が提案されている。
【0008】
また、共通室に複数の処理室を設け、基板をある処理室から他の処理室に順次移動させて、複数の処理を行う製造装置(特許文献3)が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2001−247959号公報
【特許文献2】特開2002−60926号公報
【特許文献3】特開2001−102170号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、赤、緑、及び青の発光色を発光する有機EL素子を用いてフルカラーのフラットパネルディスプレイを作製することを考えた場合、選択的に成膜する成膜位置精度がそれほど高くないため、発光色の異なる画素間の間隔を広く設計している。本発明は、選択的に成膜する成膜位置精度を高くすることができ、発光色の異なる画素間の間隔を狭く設計することができる成膜装置を備えた製造装置を提供するものである。
【0011】
また、本発明は、例えば、基板サイズが、320mm×400mm、370mm×470mm、550mm×650mm、600mm×720mm、680mm×880mm、1000mm×1200mm、1100mm×1250mm、1150mm×1300mmのような大面積基板に対して、材料利用効率よく、または作業効率よく発光層などの有機薄膜を成膜し、発光装置を作製する製造装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
従来の製造装置は、共通室に複数の処理室を連結して設け、被成膜基板をある処理室から共通室を介して他の処理室に順次搬送させて、複数の処理を行う。フルカラーのフラットパネルディスプレイを作製する場合、例えば、被成膜基板は、第1の成膜室で赤色の発光層を選択的に形成した後、共通室を介して第2の成膜室に搬入され、第2の成膜室で青色の発光層を選択的に形成し、さらにその後、共通室を介して第3の成膜室に搬入され、第3の成膜室で緑色の発光層を選択的に形成する。この場合、被成膜基板は、共通室から少なくとも3回搬出される。また、一つの成膜室には、少なくとも蒸着源、膜厚モニタ、蒸着マスクと基板の位置合わせ機構、及び基板回転機構などが設けられている。また、従来の製造装置は、蒸着速度が一定になるまでの所要時間が長く、各成膜室で蒸発させ続けており、成膜を行っていない成膜室も蒸発させ続けている。また、基板に成膜を行っている間だけでなく、成膜室に基板を搬入している間、位置合わせを行っている間、及び成膜室から基板を搬出している間も蒸発させ続けている。従って、従来の製造装置は材料利用効率や作業効率が優れているとは言えなかった。なお、抵抗加熱法を用いる従来の製造装置は材料利用効率が5%未満とされている。
【0013】
本製造装置においては、被成膜基板は、共通室へ搬入した後、共通室で積層成膜を終え、共通室から少なくとも1回搬出が行われる。共通室に連結された処理室内で材料層を有する基板を用意し、材料層を有する基板を共通室内に搬入し、共通室内で材料層を有する基板と被成膜基板との位置合わせを行い、一対の基板を重ねて固定させた状態とし、共通室に設けられた窓からレーザ光を照射して、被成膜基板に選択的に成膜を行う。
【0014】
即ち、成膜のために共通室に搬送させるのは、被成膜基板(第1の基板)ではなく、成膜のために予め材料層が形成された基板である。フルカラーのフラットパネルディスプレイを作製する場合、例えば、被成膜基板は、搬入された共通室で赤色の発光層を有する第2の基板と重ねられ、レーザ光照射により赤色の発光層が選択的に形成される。第2の基板上には光吸収層が選択的に設けられており、さらにその上に赤色の発光材料を有する材料層が設けられ、第2の基板を通過したレーザ光を光吸収層に照射し、間接的に材料層を加熱することで対向している被成膜基板面に成膜を行う。次いで、共通室で青色の発光層を有する第3の基板と重ねられ、レーザ光照射により青色の発光層が選択的に形成される。次いで、共通室で緑色の発光層を有する第4の基板と重ねられ、レーザ光照射により緑色の発光層が選択的に形成される。第2の基板、第3の基板、及び第4の基板は、共通室に連結された処理室でそれぞれ成膜され、共通室に順次搬入され、被成膜基板と位置合わせが行われる。予め材料層を形成した第2の基板を複数枚用意しておけば、作業効率よく成膜を行うことができる。
【0015】
また、順次搬入することに限定されず、第2の基板、第3の基板、及び第4の基板をほぼ同時に共通室内に搬送する機構とすれば、例えば、第2の基板を用いて成膜を行っている間、共通室で第3の基板、及び第4の基板を待機させておき、成膜を終えた第2の基板と第3の基板を交換し、被成膜基板と位置合わせを作業効率よく行うことができる。また、第2の基板、第3の基板、及び第4の基板に加え、被成膜基板である第1の基板もほぼ同時に共通室に搬送する機構とすれば、共通室の真空度を保つことができる。基板の搬送は、ゲート弁を間に有する2つの処理室の真空度をほぼ同じに調節した後、そのゲート弁を開き、搬送ロボットで基板を搬出した後、ゲート弁を閉じるという一連の動作を少なくとも含んでいる。従って、ほぼ同時に複数のゲート弁を開き、複数の基板を共通室に搬入することは被成膜基板の待機時間を削減することができる。また、共通室で積層成膜を行う際、被成膜基板の成膜終了から次ぎの成膜開始までの時間を短縮することができ、その間に露呈している膜表面への不純物の付着を低減することができる。
【0016】
従来のマルチチャンバー方式の製造装置は、共通室は基板の搬送として用いられていたが、本発明では、共通室で被成膜基板、例えば、薄膜トランジスタが設けられている基板に対して材料層を成膜する。さらには共通室で積層成膜を行うことで作業効率を改善することができる。
【0017】
従来の蒸着装置(抵抗加熱法を用いた蒸着装置)は、蒸着源から気化させた材料がチャンバー内壁やチャンバー内部に設けた部品に付着することを防ぐことが困難であった。チャンバー内壁やチャンバー内部に設けた部品に付着した場合、何らかの原因で再度チャンバー内に拡散し、意図せずに被成膜基板に付着する恐れがある。特に従来の蒸着装置を用いてフルカラーのフラットパネルディスプレイを作製する場合、赤色の発光層、青色の発光層、及び緑色の発光層をそれぞれ異なる成膜室で順次成膜し、それぞれ異なる蒸着マスクを用いられていた。それぞれ異なる蒸着マスクを用いるのは、発光色の異なる材料層を蒸着する場合、発光材料の混色をふせぐためである。
【0018】
また、従来の蒸着装置は、選択的に成膜を行う場合には開口部を有する蒸着マスクを被成膜基板と蒸着源との間に配置していた。従って、成膜室毎に位置合わせ手段が設けられ、蒸着マスクと被成膜基板との位置合わせが行われていた。また、従来の蒸着マスクは、加工技術の点で開口のサイズが限定されており、薄いため大面積の蒸着マスクを撓みなく基板と位置合わせを行うことは困難である。蒸着マスクが撓むと蒸着マスクの開口よりも大きな領域に蒸着が行われてしまう回り込みの問題が顕著に現れてしまう。
【0019】
また、従来の蒸着装置では膜厚モニタを用いて蒸着速度が一定になるまで蒸着を行い、一定になった後に被成膜基板に成膜を行うため、被成膜基板に成膜する材料に比べて多い量を蒸着源に用意する必要があった。即ち、蒸着速度が一定になるまでの時間は長時間である。また、抵抗加熱法で材料を収納するルツボは、アルミナなどのセラミック材料で形成されており、熱しにくく、一旦高温に加熱された後は冷めにくい。
【0020】
また、従来の蒸着装置は、蒸着源からの意図しない蒸着を防ぐためのシャッターを成膜室内に設け、閉じることで意図しない蒸着を防いでいる。しかし、シャッターとルツボの間隔が狭く、シャッターを閉じた状態で蒸着されるとシャッターとルツボの間隔が蒸着物で埋まり、シャッターがルツボに固着してしまい、シャッターが開かなくなる恐れがある。そのため、ある程度間隔を空けてシャッターが設けられることとなり、隙間から僅かな材料がチャンバー内に飛散することは黙認していた。
【0021】
本発明では、蒸着速度を一定とするための膜厚モニタを設けず、予め材料層が形成された基板と被成膜基板とを狭い基板間隔で保持した状態でレーザ光を照射するため、チャンバー内壁やチャンバー内部に設けた部品に成膜されることを低減することができる。また、レーザ光のオンオフの切り替えによって、成膜の開始及び停止を制御することができる。また、レーザ照射後、レーザ光が照射された領域と重なる材料層は消失し、ほとんどロスすることなく、被成膜基板面に成膜が行われる。
【0022】
また、共通室で材料層が設けられた基板を成膜に用いた後、成膜を終えた基板を異なる材料層が設けられた基板に取り替え、被成膜基板と位置合わせを行って積層成膜を行う。従って、共通室に設けられた同じ位置合わせ手段を用いるため、選択的に成膜する成膜位置精度を高くすることができる。また、製造装置が有するトータルの位置合わせ手段の部品数を削減することができる。
【0023】
発光装置の高精細化(画素数の増大)及び小型化に伴う各表示画素ピッチの微細化を進める上で大きな問題となるのは、成膜位置精度である。従って、選択的に成膜を行う場合、同じ位置合わせ手段を用いて成膜位置精度を向上させることは有用である。
【0024】
本明細書で開示する発明の構成は、ロード室、該ロード室に連結された共通室、および該共通室に連結された複数の処理室と、レーザ光源とを有する製造装置であり、共通室のチャンバー壁は、レーザ光源からのレーザ光を通過する窓を下部に有し、共通室は、真空排気手段と、基板の位置合わせ手段と、基板を前記処理室から搬入する搬送手段とを有する製造装置である。
【0025】
なお、レーザ光の走査は、窓の上方で重なる基板をレーザ光に対して相対的に移動させ、窓を通過して基板に照射されるレーザビーム照射領域を移動させることによって走査する。基板の位置合わせ時間と、レーザの走査にかかる時間との合計が成膜時間と言える。
【0026】
本発明は、上記課題の少なくとも一つを解決する。
【0027】
また、少なくとも電極や薄膜トランジスタが形成された第1の基板と、材料層が形成された第2の基板との位置合わせを行い、レーザ光を第2の基板に照射して材料層を加熱し、第1の基板上に成膜を行う。従って、位置合わせ手段は、第2の基板における材料層が形成された面と第1の基板の被成膜面とが対向するように位置合わせして基板間隔を固定する。本発明の他の構成は、ロード室、該ロード室に連結された共通室、および該共通室に連結された複数の処理室と、レーザ光源とを有する製造装置であり、共通室のチャンバー壁には、レーザ光源からのレーザ光を通過する窓を下部に有し、共通室は、真空排気手段と、第1の基板と第2の基板の位置合わせ手段と、第1の基板及び第2の基板を固定した状態で窓の一辺に対して平行または垂直な方向移動させる基板移動手段とを有し、複数の処理室の一つは、前記第2の基板上に材料層を形成する手段を有し、位置合わせ手段は、第2の基板における材料層が形成された面と第1の基板の被成膜面とが対向するように位置合わせして基板間隔を固定する製造装置である。
【0028】
上記構成において、さらに、共通室は、材料層が形成された第2の基板を処理室から搬入する搬送手段を有する。搬送手段は、搬送ロボットまたは搬送ローラである。処理室にて第2の基板に行われる成膜が成膜面を上とする成膜方法(例えばスピンコート法など)、所謂フェイスアップ方式で成膜を行うのであれば、共通室に設けられた搬送手段によって搬入し、電極形成面が下面にセットされた第1の基板と位置合わせを行う。また、処理室にて第2の基板に行われる成膜が成膜面を下とする成膜方法(例えば蒸着法など)、所謂フェイスダウン方式で成膜を行うのであれば、共通室に設けられた搬送手段によって搬入した後、基板面を反転させ、電極形成面が下面にセットされた第1の基板と位置合わせを行う。なお、基板面を反転させる機構は搬送ロボットに備えさせることができる。
【0029】
なお、上記各構成において窓は矩形、または正方形を指しているが、特に窓の形状は円形や楕円形などであってもよい。窓は石英などの光透過する材料を用い、チャンバー内に導入させるレーザ光の光学系の一として機能させてもよい。また、誤操作によりレーザ光が被成膜基板に照射されることを防ぐため、或いは塵が付着することを防止するためのシャッターをチャンバー内に設けることが好ましい。シャッターを設けた場合、例えば、成膜開始時にシャッターを開き、レーザ光をチャンバー内に導入し、成膜終了時にシャッターを閉じる。チャンバー壁の下部に設けられる窓を円形または楕円形とする場合には、基板移動手段は、基板を窓の直径または長径に対して平行または垂直な方向に移動させる構造とする。共通室内に設置される基板移動手段は、最大速度1m/secで移動できる移動手段であり、搬送ロボットや、ボールねじを利用した移動装置などである。
【0030】
本発明は、上記課題の少なくとも一つを解決する。
【0031】
また、上記各構成において、レーザ光源は、Arレーザ、Krレーザ、エキシマレーザなどの気体レーザ、単結晶のYAG、YVO、フォルステライト(MgSiO)、YAlO、GdVO、若しくは多結晶(セラミック)のYAG、Y、YVO、YAlO、GdVOに、ドーパントとしてNd、Yb、Cr、Ti、Ho、Er、Tm、Taのうち1種または複数種添加されているものを媒質とするレーザ、ガラスレーザ、ルビーレーザ、アレキサンドライトレーザ、Ti:サファイアレーザ、ファイバーレーザ等の固体レーザのうち一種または複数種から発振されるものを用いることができる。また、上記固体レーザから発振される第2高調波や第3高調波、さらに高次の高調波を用いることもできる。なお、レーザ媒体が固体である固体レーザを用いると、メンテナンスフリーの状態を長く保てるという利点や、出力が比較的に安定している利点を有している。
【0032】
また、レーザ光は、周波数10MHz以上、パルス幅100fs以上10ns以下であるため、短時間のレーザ光の照射が可能であるため、熱の拡散を抑制することができ、微細なパターンの成膜が可能となる。また、周波数10MHz以上、パルス幅100fs以上10ns以下のレーザ光は、高出力が可能であるため、大面積を一度に処理することができ、成膜に要する時間を短縮することができる。よって、生産性を向上させることができる。このようにパルス幅が非常に小さいレーザ光を用いることにより、光吸収層における熱変換が効率よく行われ、材料を効率よく加熱することができる。
【0033】
また、レーザ光を熱変換するための光吸収層を第2の基板と材料層との間に設けることが好ましい。光吸収層としては、窒化金属物、例えば窒化チタン、窒化タングステンを用いる。また、第2の基板は光透過性の高い硬質基板、例えばガラス基板または石英基板を用いる。光吸収層は、所望のアイランド形状またはライン形状に形成され、選択的に設けられる。光吸収層と重なる材料層を蒸発させることで、第1の基板に選択的な成膜を行うことができる。光吸収層はガラス基板上にフォトリソグラフィ法により形成することができ、従来の蒸着マスクの製造方法に比べて格段に精細なパターンを形成することができる。
【0034】
また、基板を移動させるのではなく、被成膜基板を固定した状態でレーザ光を走査してもよく、本発明の他の構成は、ロード室、該ロード室に連結された共通室、および該共通室に連結された複数の処理室と、レーザ光源とを有する製造装置であり、共通室のチャンバー壁は、レーザ光源からのレーザ光を通過する窓を下部に有し、共通室は、真空排気手段と、基板の位置合わせ手段とを有し、レーザ光源からのレーザ光を基板の一辺に対して平行または垂直な方向に照射する走査手段を有する製造装置である。
【0035】
本発明は、上記課題の少なくとも一つを解決する。
【0036】
ただし、被成膜基板を固定した状態でレーザ光を走査させる場合、共通室のチャンバー壁に設けられる窓のサイズは、基板を移動させる製造装置の窓よりも大きくする必要がある。
【0037】
また、レーザ光の照射による成膜は、減圧雰囲気下で行うことが好ましく、例えば、共通室内を5×10−3Pa以下、好ましくは10−4Pa以下10−6Pa以上の雰囲気とすることが好ましい。共通室を上記圧力範囲とすることで、スパッタ法の成膜も可能である。
【0038】
さらに、上記各構成において、電極を形成する手段を共通室に設けてもよい。電極を形成する方法は、スパッタ法、電子ビーム蒸着法などを用いることができる。スパッタ法により共通室で電極を形成する場合、共通室は、少なくともプラズマ発生手段を有し、スパッタリングターゲットと、材料ガスを導入する手段とを有する。予め電極が形成された第1の基板に対して、レーザ光の照射により成膜し、さらにスパッタ法によりもう一方の電極を形成する。スパッタ法で電極を形成することにより、共通室内で発光ダイオードを作業効率よく作製することができる。第1の基板を共通室から搬出することなく、共通室で発光層などの有機層上に電極を形成すれば、有機層が露呈される時間を短くすることができ、不純物の混入も抑えることができるため、優れた発光ダイオードを作製することができる。
【0039】
また、共通室は、連結した別室に保存されているスパッタリングターゲットを共通室内に移動させる手段を有する構成としてもよい。スパッタリングターゲットを共通室内に移動させる手段は、搬送ロボット、またはボールねじを利用した移動装置、または搬送クレーンである。この場合、第1の基板への発光層などの成膜を終えた後、スパッタ法による成膜を行う前に共通室にスパッタリングターゲットを移動させることができる。なお、スパッタ法による成膜において、被成膜基板をフェイスアップ方式で配置する場合には、基板を反転させる機構を製造装置に具備させる。
【0040】
また、発光ダイオードをマトリクス状に配置して形成された発光装置には、パッシブマトリクス駆動(単純マトリクス型)とアクティブマトリクス駆動(アクティブマトリクス型)といった駆動方法を用いることが可能である。本発明はどちらの駆動方法を用いる発光装置にも適用することができる。
【発明の効果】
【0041】
共通室内で発光ダイオードを作業効率よく作製することができる。選択的に成膜する成膜位置精度を高くすることができ、発光色の異なる画素間の間隔を狭く設計することができる。また、有機薄膜を成膜し、発光装置を作製する上で材料利用効率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】製造装置の模式上面図。
【図2】レーザ光の走査時における模式斜視図。
【図3】レーザ光の走査時における模式断面図。
【図4】発光装置の構造を示す図。
【図5】電気器具の例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0043】
本発明の実施形態について、以下に説明する。
【0044】
図1は、製造装置の概要の一例を示す上面図である。
【0045】
図1に示す製造装置は、ロード室501と、該ロード室と連結する共通室502と、該共通室に連結する複数の処理室511〜518を有している。各処理室は共通室502とゲート弁531〜538を介してそれぞれ連結されている。
【0046】
図1に示す製造装置は、共通室502において被成膜基板に成膜を行う構成であるので、水分などが混入しないように、真空排気手段を設け、真空排気して共通室502を真空にしておくことが好ましい。共通室502の内壁に用いる材料としては、その表面積を小さくすることで酸素や水等の不純物の吸着性を小さくすることができるので、電解研磨を施して鏡面化させたアルミニウムやステンレス(SUS)等を内部壁面に用いる。これにより、共通室502内部の真空度を10−4Pa〜10−6Paの範囲に維持することができる。また、気孔がきわめて少なくなるように処理されたセラミックス等の材料を内部部材に用いる。なお、これらは、中心線平均粗さが3nm以下となる表面平滑性を有するものが好ましい。
【0047】
また、共通室502のメンテナンスのため、不活性ガス(窒素など)を導入して共通室内を大気圧にする不活性ガス導入系と連結されている。
【0048】
また、共通室502には、レーザ光源から射出されたレーザ光を共通室内部に導入するための窓120を下部に有している。
【0049】
ここで成膜時における窓120とレーザ発振装置103との位置関係を示す模式図を図2に示す。
【0050】
まず、第1の基板101である被成膜基板をロード室501からゲート弁530を介して共通室502に搬入し、第1の基板101の被成膜面が下になるように配置する。ロード室には、ゴミの付着を低減するため、第1の基板101の被成膜面が下になるように基板カセットなどに複数枚セットされる。第1の基板101を予め真空ベークを行うことが好ましいため、ロード室に真空ベーク機構を具備させる。第1の基板に付着している水分などを除去するための真空ベーク室をロード室501と共通室502との間に設置することが好ましい。
【0051】
また、予め選択的に設けられた光吸収層114と、第1の材料層115とを有する第2の基板132を第1の基板101と対向して間隔dを維持して配置する。光吸収層114は、耐熱性金属を用いることが好ましく、例えばチタンやタングステンやタンタルやモリブデンなどを用い、単層またはそれらの積層を用いる。ここでは金属窒化物である窒化チタンを用いる。図2においては光吸収層114の形状はライン形状とした例を示したが特に限定されず、ドット状であってもよいし、第1の基板に設けられた第1の電極の形状と同じ形状でもよい。また、ここでは第2の基板132に第1の材料層115と光吸収層114とを設けた例を示すが特に限定されず、選択的に断熱層や、選択的に反射層を設けてもよい。なお、第2の基板132の第1の材料層が設けられた面を上となるようにし、第1の基板101の被成膜面と対向させる。位置合わせ手段により第1の基板101と第2の基板132は位置合わせ(アライメント)が行われ、一定の間隔d、少なくとも5mm以下あけて保持する。位置合わせ手段は、撮像素子と基板の位置を移動させる制御装置とを少なくとも有する。本明細書で一対の基板の間隔dとは対向する2つの基板平面の距離であり、基板面に設けられた第1の電極や材料層などの構造物を含まない距離とする。
【0052】
また、第1の基板101には予め複数の第1の電極が設けられているが、さらに第1の電極間を電気的に絶縁するための隔壁となる絶縁物が設けられている場合には、絶縁物と第1の材料層115を接触させて配置してもよい。
【0053】
また、一定の間隔dに保持したまま、一対の基板を移動させてレーザ光を走査する。ここでは、基板移動手段522により、長方形の窓の長辺方向または短辺方向に一対の基板を移動させる。基板移動手段522により、一対の基板の移動速度は、最大1m/secで移動できる。ここでは基板を移動してレーザ光を走査する例を示すが、特に限定されず、基板を固定し、レーザ光を移動させて走査を行ってもよい。基板移動手段522は、上述した位置合わせ手段の一部、即ち基板の位置を移動させる制御装置とも連動させる。
【0054】
また、第2の基板132には、光吸収層114と同じ材料で位置マーカ112が設けられており、位置マーカ112を認識するための撮像素子108によって走査の基準位置を認識させる。CCDなどの撮像素子108の視野を遮らないような装置構成とすることが好ましい。なお、第2の基板の下方からの認識となるため、補助するための照明光を第2の基板132に照射してもよい。撮像素子108は、窓120を介して位置マーカ112を認識している例を示したが特に限定されず、別途窓を設けてもよいし、チャンバー内部に撮像素子を設ける構成としてもよい。
【0055】
射出されるレーザ光はレーザ発振装置103から出力され、ビーム形状を矩形状とするための第1の光学系104と、整形するための第2の光学系105と、平行光線にするための第3の光学系106とを通過し、反射ミラー107で光路が第2の基板132に対して垂直となる方向に曲げられる。その後、光透過する窓120及び第2の基板132にレーザビームを通過させて、レーザビームを光吸収層114に照射する。窓120をレーザビーム幅と同じまたはそれより小さいサイズとしてスリットとして機能させることもできる。
【0056】
レーザ発振装置103は、周波数10MHz以上、かつ、パルス幅100fs以上10ns以下のレーザ光を射出する。周波数10MHz以上、かつ、パルス幅100fs以上10ns以下のレーザ光は光干渉がなく、短時間のレーザ光の照射が可能であるため、熱の拡散を抑制することができ、レーザ照射前の光吸収層114と重なる第2の材料層の領域サイズと、レーザ照射後の第1の基板に成膜される領域サイズをほぼ同じにすることができ、成膜パターン周縁に薄い膜が形成され、実施者が所望する成膜パターンよりも拡大してしまうことを低減することができる。成膜パターン周縁に薄い膜が形成されると成膜パターンの輪郭がぼけることとなり、パルス幅100fs以上10ns以下のレーザ光は、この輪郭のぼけを低減することができると言える。レーザ光の波長は特に限定されず、様々な波長のレーザ光を用いることができる。例えば、355、515、532、1030、1064nmなどの波長のレーザ光を用いることができる。また、レーザ光には、Arレーザ、Krレーザ、エキシマレーザなどの気体レーザ、単結晶のYAG、YVO、フォルステライト(MgSiO)、YAlO、GdVO、若しくは多結晶(セラミック)のYAG、Y、YVO、YAlO、GdVOに、ドーパントとしてNd、Yb、Cr、Ti、Ho、Er、Tm、Taのうち1種または複数種添加されているものを媒質とするレーザ、ガラスレーザ、ルビーレーザ、アレキサンドライトレーザ、Ti:サファイアレーザ、ファイバーレーザ等の固体レーザのうち一種または複数種から発振されるものを用いる。また、上記固体レーザから発振される第2高調波や第3高調波、さらに高次の高調波を用いることもできる。なお、レーザ媒体が固体である固体レーザを用いると、メンテナンスフリーの状態を長く保てるという利点や、出力が比較的に安定している利点を有している。
【0057】
また、レーザスポットの形状は、線状または矩形状とすることが好ましい。線状または矩形状とすることにより、処理基板にレーザ光を効率よく走査することができる。よって、成膜に要する時間(タクトタイム)が短くなり、生産性が向上する。
【0058】
また、制御装置116は、一対の基板を移動させる基板移動手段522を制御できるようにすることが好ましい。さらに、制御装置116は、レーザ発振装置103も制御できるようにすることが好ましい。さらに、制御装置116は、位置マーカ112を認識するための撮像素子108を有する位置アライメント機構を制御できるようにすることが好ましい。
【0059】
レーザ光の走査が終わると、第2の基板132においては、光吸収層114と重なる第1の材料層115が消失し、対向して配置されていた第1の基板101に選択的に成膜が行われる。なお、第2の基板132において、光吸収層114と重ならない第1の材料層115は残存したままである。レーザ光の走査を終えた第2の基板132は回収し、残存した第1の材料層を除去すれば、再度使用することができる。
【0060】
次いで、積層を行う手順を図1を用いて説明する。例えば、第2の基板に設けられた第1の材料層を加熱することによって第1の基板の第1の電極上に得られる層が正孔注入層である場合、上述した手順でレーザ光の走査を行って第1の基板101に選択的に正孔注入層を形成した後、予め第2の材料層が形成された第3の基板133と第1の基板101とを位置合わせを行い、一定の間隔で保持する。この位置合わせは、第2の基板と第1の基板とを位置合わせする装置と同一装置を用いて行う。同じ位置合わせ装置を用いるため、位置ズレを抑えることができる。
【0061】
共通室502に連結した処理室511は、第2の基板上に第1の材料層を成膜する成膜処理室とする。また、共通室502に連結した処理室512は、第3の基板133に第2の材料層を成膜する成膜処理室とする。第3の基板133にも第2の材料層と基板面との間に光吸収層を設ける。第3の基板133に設けられた第2の材料層を加熱することによって第1の基板の正孔注入層と重なる位置に得られる層は正孔輸送層とする。
【0062】
なお、共通室502には搬送ロボットアームなどの搬送ユニット520、521が設けられており、第1の基板や第2の基板などを搬送する搬送ユニットを用いて、共通室と各処理室との間の搬送を行う。
【0063】
第3の基板133と第1の基板101とを位置合わせを行った後、レーザ光の走査を行い、第1の基板の正孔注入層と重なる位置に正孔輸送層が積層される。なお、第3の基板133において、光吸収層と重ならない第2の材料層は残存したままである。レーザ光の走査を終えた第3の基板133は回収し、残存した第2の材料層を除去すれば、再度使用することができる。
【0064】
以上の手順で積層を行うことができる。正孔注入層の成膜終了と、正孔輸送層の成膜開始の間の時間を短縮したい場合、共通室にレーザ光の走査を終えた第2の基板を一時的に置いておく場所、例えば基板カセットなどを設けておけば、正孔輸送層が露呈している時間を短縮することができる。第2の基板と第3の基板をほぼ同時に共通室に搬入しておき、1回目のレーザ光の走査を行い、レーザ光の走査を終えた第2の基板を基板カセットに移動し、予め搬入されている第3の基板を第1の基板と位置合わせを行って2回目のレーザ光の走査を行うことができる。この場合、2層の成膜処理間に共通室のゲート弁の開閉が行われないため、共通室の真空度を維持し、不純物の汚染も防止できる。
【0065】
さらに、フルカラーの発光装置を作製するため、赤色発光層、緑色発光層、及び青色発光層をそれぞれ間隔を空けて選択的に成膜する。この手順を図3を用いて説明する。
【0066】
上述した工程により、第2の基板132と第3の基板133を用いて2回のレーザ走査を行うことで、第1の基板101に設けられた第1の電極121に正孔注入層123、及び正孔輸送層124が積層される。なお、第1の基板101には第1の電極121の端部を覆い、隣り合う第1の電極間の絶縁性を確保するための隔壁122が設けられる。
【0067】
この第1の基板101と第4の基板134の位置合わせを行い、第4の基板134と第1の基板101を対向して配置し、一定の基板間隔を保持したまま3回目のレーザ走査を行う途中の断面模式図が図3(A)に相当する。
【0068】
第4の基板134には予め、選択的に形成された光吸収層604と、第3の材料層605が形成されている。この第3の材料層605は、処理室513で第4の基板134に成膜を行い、共通室に搬入される。
【0069】
図3(A)に示すように、レーザ光の照射により、第3の材料層605が部分的に加熱され、正孔輸送層124と重なる位置に赤色の発光層125が選択的に成膜される。
【0070】
次いで、レーザ光の走査を終えた第4の基板134を移動し、第1の基板101と第5の基板135の位置合わせを行い、第5の基板135と第1の基板101を対向して配置する。そして、一定の基板間隔を保持したまま4回目のレーザ走査を行う途中の断面模式図が図3(B)に相当する。
【0071】
第5の基板135には予め、選択的に形成された光吸収層614と、第4の材料層615が形成されている。この第4の材料層615は、処理室514で第5の基板135に成膜を行い、共通室に搬入される。
【0072】
図3(B)に示すように、レーザ光の照射により、第4の材料層615が部分的に加熱され、正孔輸送層124と重なる位置に緑色の発光層126が選択的に成膜される。
【0073】
次いで、レーザ光の走査を終えた第5の基板135を移動し、第1の基板101と第6の基板136の位置合わせを行い、第6の基板136と第1の基板101を対向して配置する。そして、一定の基板間隔を保持したまま5回目のレーザ走査を行う途中の断面模式図が図3(C)に相当する。
【0074】
第6の基板136には予め、選択的に形成された光吸収層624と、第5の材料層625が形成されている。この第5の材料層625は、処理室515で第6の基板136に成膜を行い、共通室に搬入される。
【0075】
図3(C)に示すように、レーザ光の照射により、第5の材料層625が部分的に加熱され、正孔輸送層124と重なる位置に青色の発光層127が選択的に成膜される。
【0076】
以上の手順で、赤色発光層、緑色発光層、及び青色発光層をそれぞれ間隔を空けて選択的に成膜することができる。
【0077】
発光層の成膜終了と、次の発光層の成膜開始の間の時間を短縮したい場合、共通室にレーザ光の走査を終えた第4の基板、第5の基板、及び第6の基板を一時的に置いておく場所、例えば基板カセットなどを設けておけば、各発光層が露呈している時間を短縮することができる。第4の基板、第5の基板、及び第6の基板をほぼ同時に共通室に搬入しておき、3回目のレーザ光の走査を行い、レーザ光の走査を終えた第4の基板を基板カセットに移動し、予め搬入されている第5の基板を第1の基板と位置合わせを行って4回目のレーザ光の走査を行うことができる。さらに、レーザ光の走査を終えた第5の基板を基板カセットに移動し、予め搬入されている第6の基板を第1の基板と位置合わせを行って5回目のレーザ光の走査を行うことができる。この場合、3層の成膜処理間に共通室のゲート弁の開閉が行われないため、共通室の真空度を維持し、不純物の汚染も防止できる。
【0078】
この後、第6の材料層が形成された第7の基板137を用いて、6回目のレーザ走査を行い、それぞれの発光層に重なる電子輸送層を選択的に形成する。この第6の材料層は、処理室516で第7の基板137に成膜を行い、共通室に搬入される。
【0079】
さらに第7の材料層が形成された第8の基板138を用いて、7回目のレーザ走査を行い、電子輸送層に重なる電子注入層を選択的に形成する。この第7の材料層は、処理室517で第8の基板138に成膜を行い、共通室に搬入される。
【0080】
勿論、電子輸送層の成膜終了と、次の電子注入層の成膜開始の間の時間を短縮したい場合、共通室にレーザ光の走査を終えた第7の基板137及び第8の基板138を一時的に置いておく場所、例えば基板カセットなどを設けておけば、各発光層が露呈している時間を短縮することができる。
【0081】
被成膜基板とは異なる基板に予め成膜した材料層をレーザ光で加熱する成膜方法は、成膜に必要な量を制限し、従来の抵抗加熱法よりも蒸発する材料の量を少なく抑えているため、成膜を行う共通室に複数の搬送ロボットや位置合わせ手段や基板移動手段などを設置することができる。また、被成膜基板とは異なる基板に予め成膜した材料層をレーザ光で加熱する成膜方法は、異なる発光層を同一の処理室で成膜しても異なる発光材料が混ざることを防止することができる。
【0082】
また、第2乃至第8の基板を一時的に置いておく場所、例えば基板カセットなどを設けておけば、第1の基板を共通室に搬入する際、ほぼ同時に共通室内に第2乃至第8の基板を搬入することができる。成膜しようとする層と同じ枚数の基板を用意すれば、短時間に成膜を行うことができる。
【0083】
次いで、上述した積層を行った第1の基板に第2の電極を形成することで、少なくとも第1の電極と第2の電極とそれらの間に発光層を有する発光ダイオードを作製する。なお、第2の電極は、スパッタ法または電子ビーム法などを用いて成膜を行う。この第2の電極の形成も共通室で行うことが好ましく、スパッタ法を用いる場合、共通室にはさらにプラズマ発生手段を有し、スパッタリングターゲットと、材料ガスを導入する手段を設ける。また、第2の電極形成時に窓120に成膜されるのを防ぐためのシャッター機構を設けておくことが好ましい。
【0084】
また、処理室518にスパッタリングターゲットをストックしておき、第2の電極の形成前に共通室にスパッタリングターゲットを移動し、共通室でスパッタ成膜を可能とする構成としてもよい。その場合、共通室にスパッタリングターゲットを移動させる手段を設ける。
【0085】
また、第2の電極を形成した後、搬送ユニット521を用いてゲート弁540を介し受渡室503へ搬入し、さらにゲート弁541を介して封止室504に搬送する。封止室504で封止を終えた基板は、ゲート弁542を介してアンロード室505に搬送され、製造装置外に取り出すことができる。以上の手順で発光ダイオード(EL素子とも呼ぶ)を作製することができる。
【0086】
また、ここでは第1の電極と第2の電極の間に設けるEL層を5層、即ち、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層の積層とする例を示したが、特に限定されず、正孔輸送層、発光層、電子輸送層の積層としてもよく、実施者が発光材料や発光効率などを考慮して適宜設計すればよい。
【0087】
また、処理室518は、レーザ光照射後の基板をストックするためのストック室としてもよい。処理室518は、レーザ光照射後の基板をストックするためのストック室とし、第2の電極を形成した第1の基板を受渡室503に搬入すると同時に、レーザ光照射後の基板を共通室502から搬出して処理室518に移動させることが好ましい。こうすることによって共通室に搬入される次の第1の基板への成膜がスムーズに行える。
【0088】
また、処理室518は、レーザ照射前の第2乃至第8の基板をストックしておくストック室としてもよい。
【0089】
また、上記手順では、共通室で第2の電極を形成する例を示したが、処理室518を第2の電極形成のための成膜処理室としてもよい。
【0090】
なお、図1では共通室に搬送ユニットを2つしか図示していないが、特に限定されず、第2乃至第8の基板を効率よく搬送するためにさらに増設してもよい。また、処理室511〜518内に搬送ユニットを設けてもよい。
【0091】
また、図1ではロード室501から基板を入れ、アンロード室505から搬出する製造装置となっているが、特に限定されず、各処理室511〜517にゲート弁を介してロード室を設けてもよい。光吸収層を設けた基板(第2乃至第8の基板)を各処理室に設けられたロード室から搬入してもよい。
【0092】
また、各処理室511〜517でスピンコート法、キャスト法などにより塗布法(湿式法とも呼ぶ)で材料層の成膜を行う場合、焼成を行うためのベーク室を共通室と処理室の間に設けることが好ましい。スピンコート法はフェイスアップ方式で材料層の成膜が行われ、基板を反転することなく、共通室に搬入し、第1の基板と位置合わせが行えるため、作業効率がよい。
【0093】
また、各処理室511〜517でフェイスダウン方式での蒸着法で材料層の成膜を行う場合、搬送ユニットに反転機構を具備させればよいが、処理室518に基板反転ユニットを設け、反転室として機能させてもよい。
【実施例1】
【0094】
本実施例では、図1の製造装置を用いて形成されたアクティブマトリクス型の発光装置について図4を用いて説明する。なお、図4(A)は発光装置を示す上面図、図4(B)は図4(A)をA−A’で切断した断面図である。点線で示された1701は駆動回路部(ソース側駆動回路)、1702は画素部、1703は駆動回路部(ゲート側駆動回路)である。また、1704は封止基板、1705はシール材であり、シール材1705で囲まれた内側である1707は、空間になっている。
【0095】
なお、1708はソース側駆動回路1701及びゲート側駆動回路1703に入力される信号を伝送するための配線であり、外部入力端子となるFPC(フレキシブルプリントサーキット)1709からビデオ信号、クロック信号、スタート信号、リセット信号等を受け取る。なお、ここではFPCしか図示されていないが、このFPCにはプリント配線基板(PWB)が取り付けられていても良い。本明細書における発光装置には、発光装置本体だけでなく、それにFPCもしくはPWBが取り付けられた状態をも含むものとする。
【0096】
次に、断面構造について図4(B)を用いて説明する。素子基板1710上には駆動回路部及び画素部が形成されているが、ここでは、駆動回路部であるソース側駆動回路1701と、画素部1702が示されている。
【0097】
なお、ソース側駆動回路1701はnチャネル型TFT1723とpチャネル型TFT1724とを組み合わせたCMOS回路が形成される。また、駆動回路を形成する回路は、公知のCMOS回路、PMOS回路もしくはNMOS回路で形成しても良い。また、本実施例では、同一の基板上に駆動回路を形成したドライバー一体型を示すが、必ずしもその必要はなく、基板上ではなく外部に駆動回路を形成することもできる。
【0098】
また、画素部1702はスイッチング用TFT1711と、電流制御用TFT1712とそのドレインに電気的に接続された陽極1713とを含む複数の画素により形成される。なお、陽極1713の端部を覆って絶縁物1714が形成されている。ここでは、ポジ型の感光性アクリル樹脂膜を用いることにより形成する。
【0099】
また、膜被覆性を良好なものとするため、絶縁物1714の上端部または下端部に曲率を有する曲面が形成されるようにする。例えば、絶縁物1714の材料としてポジ型の感光性アクリルを用いた場合、絶縁物1714の上端部に曲率半径(0.2μm〜3μm)を有する曲面を持たせることが好ましい。また、絶縁物1714として、感光性の光によってエッチャントに不溶解性となるネガ型、或いは光によってエッチャントに溶解性となるポジ型のいずれも使用することができ、有機化合物に限らず無機化合物、例えば、酸化珪素、酸窒化珪素等、の両者を使用することができる。
【0100】
陽極1713上には、有機化合物を含む積層1700および陰極1716がそれぞれ形成されている。ここで、有機化合物を含む積層1700は、第1の陽極、ホール注入層、ホール輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層、または第2の陰極等を適宜、積層した構成とすればよい。また、陽極1713に用いる材料としては、仕事関数の大きい材料を用いることが望ましい。例えば、インジウムスズ酸化物膜、シリコンを含むインジウムスズ酸化物膜、インジウム亜鉛酸化物膜、窒化チタン膜、クロム膜、タングステン膜、亜鉛膜、白金膜などの単層膜の他、窒化チタンとアルミニウムを主成分とする膜との積層、窒化チタン膜とアルミニウムを主成分とする膜と窒化チタン膜との3層構造等を用いることができる。また、陽極1713をインジウムスズ酸化物膜とし、陽極1713と接続する電流制御用TFT1712の配線を、窒化チタン、アルミニウムを主成分とする膜との積層構造、または窒化チタン膜、アルミニウムを主成分とする膜、窒化チタン膜との積層構造とすると、配線としての抵抗も低く、インジウムスズ酸化物膜との良好なオーミックコンタクトがとれる。また、陽極1713は、有機化合物を含む積層1700における第1の陽極と同一の物質で形成されていても良い。もしくは、陽極1713は有機化合物を含む積層1700の第1の陽極と接して積層されていても良い。
【0101】
また、発光素子1715は、陽極1713と有機化合物を含む積層1700と陰極1716とを積層した構成であり、具体的には、ホール注入層、ホール輸送層、発光層、電子輸送層、または電子注入層を適宜、積層する。実施の形態に示す被成膜基板とは異なる基板に予め成膜した材料層をレーザ光で加熱する成膜方法を用いて形成すればよい。
【0102】
さらに、陰極1716に用いる材料としては、仕事関数の小さい材料(Al、Ag、Li、Ca、またはこれらの合金MgAg、MgIn、AlLi、フッ化カルシウム、または窒化カルシウム)を用いればよいが、これらに限定されることはなく、適切な電子注入材料を選択することにより、多様な導電膜を適用することができる。なお、発光素子1715からの発光を陰極1716を透過させる場合には、陰極1716として、膜厚を薄くした金属薄膜と、透明導電膜である酸化インジウム酸化スズ合金、酸化インジウム酸化亜鉛合金、酸化亜鉛等)との積層を用いる手法がある。また、陰極1716は、有機化合物を含む積層1700における第2の陰極と同一の物質で形成されていても良い。もしくは、陰極1716は有機化合物を含む積層1700の第2の陰極と接して積層されていても良い。
【0103】
さらにシール材1705で封止基板1704を素子基板1710と貼り合わせることにより、素子基板1710、封止基板1704、およびシール材1705で囲まれた空間1707に発光素子1715が備えられた構造になっている。なお、空間1707には、不活性気体(窒素やアルゴン等)が充填される場合の他、シール材1705で充填される構成も含むものとする。
【0104】
なお、シール材1705にはエポキシ系樹脂を用いるのが好ましい。また、これらの材料はできるだけ水分や酸素を透過しない材料であることが望ましい。また、封止基板1704に用いる材料としてガラス基板や石英基板の他、FRP(Fiberglass−Reinforced Plastics)、PVF(ポリビニルフロライド)、ポリエステルまたはアクリル等からなるプラスチック基板を用いることができる。
【0105】
以上のようにして、本発明の製造装置を用いて、発光素子を有する発光装置を得ることができる。アクティブマトリクス型の発光装置は、TFTを作製するため、1枚あたりの製造コストが高くなりやすいが、膜厚モニタを用いない製造装置である図1に示す製造装置に大面積基板を用いて基板1枚当りの成膜処理時間を大幅に短縮し、発光装置1つ当たりの大幅な低コスト化を図ることができる。また、図1に示す製造装置は、従来よりも発光材料などの利用効率を上げることができるため、製造コストの低コスト化を図ることができる。
【0106】
さらに本実施例に示す発光装置は、必要に応じてカラーフィルター等の色度変換膜を用いてもよい。
【0107】
また、画素部1702に配置されるTFTの活性層としては、非晶質半導体膜、結晶構造を含む半導体膜、非晶質構造を含む化合物半導体膜などを適宜用いることができる。さらにTFTの活性層として、非晶質と結晶構造(単結晶、多結晶を含む)の中間的な構造を有し、自由エネルギー的に安定な第3の状態を有する半導体であって、短距離秩序を持ち格子歪みを有する結晶質な領域を含んでいるセミアモルファス半導体膜(微結晶半導体膜、マイクロクリスタル半導体膜とも呼ばれる)も用いることができる。セミアモルファス半導体膜は、少なくとも膜中の一部の領域には、0.5〜20nmの結晶粒を含んでおり、ラマンスペクトルが520cm−1よりも低波数側にシフトしている。また、セミアモルファス半導体膜は、X線回折ではSi結晶格子に由来するとされる(111)、(220)の回折ピークが観測される。また、セミアモルファス半導体膜は、未結合手(ダングリングボンド)を終端させるため水素またはハロゲンを少なくとも1原子%またはそれ以上含ませている。セミアモルファス半導体膜の作製方法としては、材料ガス、例えばSiH、その他にもSi、SiHCl、SiHCl、SiCl、SiFなどをグロー放電分解(プラズマCVD)して形成する。これらの材料ガスをH、又は、HとHe、Ar、Kr、Neから選ばれた一種または複数種の希ガス元素で希釈しても良い。その希釈率は2〜1000倍の範囲とする。圧力は0.1Pa〜133Paの範囲、電源周波数は1MHz〜120MHz、好ましくは13MHz〜60MHzとする。基板加熱温度は300℃以下でよく、好ましくは100〜250℃とする。膜中の不純物元素として、酸素、窒素、炭素などの大気成分の不純物は1×1020/cm以下とすることが望ましく、特に、酸素濃度は5×1019/cm以下、好ましくは1×1019/cm以下とする。なお、セミアモルファス半導体膜を活性層としたTFTの電界効果移動度μは、1〜10cm/Vsecである。
【0108】
また、本実施例ではアクティブマトリクス型の表示装置を例としたが、実施の形態に示す製造装置を用いてパッシブマトリクス型の表示装置を作製することもできる。パッシブマトリクス型において、従来は隔壁を積層して設け、隔壁を複雑な形状、例えば逆テーパ形状とすることで全面に蒸着を行い、隔壁により蒸着膜を分離させることで選択的にEL層を形成していたが、図1に示す製造装置を用いれば、複雑な隔壁を形成することなく、選択的にEL層を形成することができるため、有用である。
【実施例2】
【0109】
本実施例では、本発明の製造装置を用いて形成された発光素子を有する発光装置を用いて完成させた様々な電気器具について、図5を用いて説明する。
【0110】
本発明の製造装置を用いて形成された電気器具として、テレビジョン、ビデオカメラ、デジタルカメラ等のカメラ、ゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、オーディオコンポ等)、ノート型パーソナルコンピュータ、ゲーム機器、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話、携帯型ゲーム機または電子書籍等)、記録媒体を備えた画像再生装置(具体的にはデジタルビデオディスク(DVD)等の記録媒体を再生し、その画像を表示しうる表示装置を備えた装置)、照明器具などが挙げられる。これらの電気器具の具体例を図5に示す。
【0111】
図5(A)は表示装置であり、筐体8001、支持台8002、表示部8003、スピーカー部8004、ビデオ入力端子8005等を含む。本発明を用いて形成される発光装置をその表示部8003に用いることにより作製される。なお、表示装置は、パーソナルコンピュータ用、TV放送受信用、広告表示用などの全ての情報表示用装置が含まれる。本発明の製造装置により大幅な製造コストの低減を図ることができ、安価な表示装置を提供することができる。
【0112】
図5(B)はノート型パーソナルコンピュータであり、本体8101、筐体8102、表示部8103、キーボード8104、外部接続ポート8105、ポインティングデバイス8106等を含む。本発明の製造装置を用いて形成された発光素子を有する発光装置をその表示部8103に用いることにより作製される。本発明の製造装置により大幅な製造コストの低減を図ることができ、安価なノート型パーソナルコンピュータを提供することができる。
【0113】
図5(C)はビデオカメラであり、本体8201、表示部8202、筐体8203、外部接続ポート8204、リモコン受信部8205、受像部8206、バッテリー8207、音声入力部8208、操作キー8209、接眼部8210等を含む。本発明の製造装置を用いて形成された発光素子を有する発光装置をその表示部8202に用いることにより作製される。本発明の製造装置により大幅な製造コストの低減を図ることができ、安価なビデオカメラを提供することができる。
【0114】
図5(D)は卓上照明器具であり、照明部8301、傘8302、可変アーム8303、支柱8304、台8305、電源8306を含む。本発明の製造装置を用いて形成される発光装置を照明部8301に用いることにより作製される。なお、照明器具には天井固定型の照明器具または壁掛け型の照明器具なども含まれる。本発明の製造装置により大幅な製造コストの低減を図ることができ、安価な卓上照明器具を提供することができる。
【0115】
ここで、図5(E)は携帯電話であり、本体8401、筐体8402、表示部8403、音声入力部8404、音声出力部8405、操作キー8406、外部接続ポート8407、アンテナ8408等を含む。本発明の製造装置を用いて形成された発光素子を有する発光装置をその表示部8403に用いることにより作製される。本発明の製造装置により大幅な製造コストの低減を図ることができ、安価な携帯電話を提供することができる。
【0116】
以上のようにして、本発明の製造装置を用いて形成された発光素子を用いた電気器具や照明器具を得ることができる。本発明の製造装置を用いて形成された発光素子を有する発光装置の適用範囲は極めて広く、この発光装置をあらゆる分野の電気器具に適用することが可能である。
【0117】
なお、本実施例に示す発光装置は、実施の形態、または実施例1と自由に組み合わせて実施することが可能である。
【符号の説明】
【0118】
101:第1の基板
103:レーザ発振装置
104:第1の光学系
105:第2の光学系
106:第3の光学系
108:撮像素子
112:位置マーカ
114:光吸収層
115:第1の材料層
116:制御装置
120:窓
132:第2の基板
133:第3の基板
134:第4の基板
135:第5の基板
136:第6の基板
137:第7の基板
138:第8の基板
502:共通室

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロード室、該ロード室に連結された共通室、および該共通室に連結された複数の処理室と、レーザ光源とを有する製造装置であり、
前記共通室のチャンバー壁は、レーザ光源からのレーザ光を通過する窓を下部に有し、
前記共通室は、真空排気手段と、基板の位置合わせ手段と、基板を前記処理室から搬入する搬送手段とを有する製造装置。
【請求項2】
ロード室、該ロード室に連結された共通室、および該共通室に連結された複数の処理室と、レーザ光源とを有する製造装置であり、
前記共通室のチャンバー壁には、レーザ光源からのレーザ光を通過する窓を下部に有し、
前記共通室は、真空排気手段と、第1の基板と第2の基板の位置合わせ手段と、前記第1の基板及び前記第2の基板を固定した状態で前記窓の一辺に対して平行または垂直な方向に移動させる基板移動手段とを有し、
前記複数の処理室の一つは、前記第2の基板上に材料層を形成する手段を有し、
前記位置合わせ手段は、前記第2の基板における前記材料層が形成された面と第1の基板の被成膜面とが対向するように位置合わせして基板間隔を固定する製造装置。
【請求項3】
請求項2において、さらに、前記共通室は、材料層が形成された前記第2の基板を前記処理室から搬入する搬送手段を有する製造装置。
【請求項4】
請求項2または請求項3において、前記第1の基板の一方の面には、電極または薄膜トランジスタが形成されている製造装置。
【請求項5】
請求項2乃至4のいずれか一において、前記第2の基板の前記材料層が形成された面は、該基板面と前記材料層との間に、レーザ光を吸収する光吸収層を選択的に有する製造装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一において、前記レーザ光は、周波数10MHz以上、パルス幅100fs以上10ns以下である製造装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか一において、前記共通室は、少なくともプラズマ発生手段を有し、スパッタリングターゲットと、材料ガスを導入する手段とを有する製造装置。
【請求項8】
請求項1乃至6のいずれか一において、さらに、前記共通室は、スパッタリングターゲットを移動させる手段を有する製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−231277(P2009−231277A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−40618(P2009−40618)
【出願日】平成21年2月24日(2009.2.24)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】