説明

複合チューブ、複合チューブの製造方法、および複合チューブの使用

例えば、水熱分解のような、特別な適用領域において課される、特定の要求に特によく合うチューブを提供するために、本発明は、第1の部分チューブと第2の部分チューブとを有する複合チューブを提案し、本発明の複合チューブにおいて、一方の部分チューブは、もう一方の部分チューブの内部に配置され、第1の部分チューブは、遠心成形チューブであり、そして、第2の部分チューブは、加圧処理により粉末から製造されたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合チューブ、複合チューブの製造方法、および複合チューブの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
炭化水素/蒸気の混合物が、排気ガスにおける酸化もしくはスケーリングに対する高い抵抗性と、炭化に対する高い抵抗性とを有する、耐熱性クロム−ニッケル−スチール合金から製造された、一連の個別のチューブまたは蛇行したチューブ(クラッキング環状コイル)を通って、750℃より上の温度で通過する環状炉は、炭化水素(粗製の油状誘導体)の高温での熱分解に対して安定であることが分かっている。環状コイルは、例えば、U字形状のチューブ屈曲部を介して互いに接続された、縦に走る、真っ直ぐなチューブセクションを備え;これらは、通常、側壁にあるバーナーを用いて、そして、いくつかの場合には、底部にあるバーナーを用いて、加熱され、それゆえ、バーナーに面するバーナーの当たる側面(Sonnenseite)と、バーナーに対して90°ずらされた(すなわち、チューブの列の方向に走る)バーナーの当たらない側面(Schattenseite)とを有する。いくつかの場合において、平均チューブ金属温度(TMT)は、1000℃を超える。
【0003】
クラッキングチューブの耐用年数は、非常に有意な程度まで、その炭化耐性に依存し、この炭化耐性は、今度は、コークス化速度に依存する。コークス化速度にとって重要な因子、すなわち、チューブの内壁の炭素堆積物(熱分解コークス)層の増大は、使用される炭化水素の型に加えて、内壁領域内のクラッキング気体の温度、ならびに、システムの圧力およびチューブシステムにおける滞留時間の、エチレンの収量に対する影響を隠す、作業のシビアリティに依存する。作業のシビアリティは、クラッキング気体の平均排気口温度(例えば、850℃)に基づいて設定される。チューブの内壁付近の気体の温度が、この温度を超えて高くなればなる程、熱分解コークス層の増大の程度はより高くなり、そして、この層の絶縁作用は、チューブ金属温度が、なおさらに高くなることを可能にする。チューブ材料として使用される、0.4%の炭素、25%以上のクロム、および20%以上のニッケル(例えば、35%のクロム、45%のニッケル)、ならびに、適切な場合には、1%のニオブを含有するクロム−ニッケル−スチール合金は、炭化に対して高い抵抗性を有し、そして、酸化物層において欠陥を生じたときに、炭素がチューブの壁内に拡散し、これが、多量の炭化(0.5〜3mmの壁の深さにおいて、1%〜3%の炭素含量に達し得る)をもたらす。これは、チューブ材料のかなりの脆化を伴い、特に、炉が起動およびシャットダウンされるときに、熱負荷が上下する事象において、亀裂を形成する危険を伴う。
【0004】
チューブの内壁の炭素の沈着物(コークス化)を壊すために、クラッキング作業が経時的に中断され、そして、熱分解コークスが、蒸気/空気混合物によって燃焼されることが必要である。このことは、作業が、36時間まで中断されることを必要とし、それゆえ、プロセスの経済性に対してかなりの有害な影響を与える。
【0005】
特許文献1は、内部フィンを有するクラッキングチューブの使用を開示する。この型の内部フィンは、対応して熱伝達が改善した、良好な割合(例えば、10%)だけ大きい内部表面積をもたらすが、これらはまた、チューブの内面積の増大による摩擦が原因で、滑らかなチューブと比較して、圧力損失がかなり増加するという欠点を伴う。圧力の損失が増えると、より高いシステムの圧力が必要となり、それゆえ、収量に対して有害な影響を与える。さらなる要因は、高い含量の炭素およびクロムを含む公知のチューブ材料が、もはや、冷間加工(例えば、コールドプレス)により削ることができないということである。これらは、引張り強さ、ならびに、炭化および酸化に対する抵抗性が増えるにつれ、その変形能が減少するという欠点を有する。これは、例えば、1050℃までの高いチューブ金属温度(エチレンの収量という観点では、望ましい)をもたらし、遠心成形チューブの使用を必要とする。
【0006】
遠心成形において、溶融した合金が、環状の鋳型の端部に注入され、この鋳型が、溶融した合金が鋳型の内面に液状の合金層を形成するような高速で回転する。合金が固化した後、鋳型の回転が停止され、そして、このようにして形成したチューブが、排出され得る。このチューブは、必要な内径を得るために、その長さにわたってドリルで穴をあけられる。あらゆる酸化物の不純物は、常に、合金よりも軽く、それゆえ、チューブの内側に「浮いて」おり、その結果、これらは、穴あけによって取り除かれる。
【0007】
しかし、遠心成形チューブは、円筒状の壁を有するように製造され得るのみであるので、内部にフィンを有するチューブを製造するためには、特別な切断作業または電気分解的な材料除去加工作業が必要とされる。
【0008】
特許文献2は、遠心成形チューブのこの型の電気分解加工を記載する。この目的のために、空のチューブが保持デバイス内に導入され、その開放端の周りがあらゆる方向で密封される。この密封は、電解質が流出入すること、そして、端部に電極が取り付けられた電極バーが通過することのみを可能にし;この電極は、電極バーによって、加工されたチューブの内側に沿って、チューブの軸方向に動かされ得る。その外面では、電極は、一連の頂部および谷間を有する。チューブの内面の材料は、チューブに沿って間隔を空けて配置された電気端子を介して、そして、電極バーの端部にある電流接続ブロックを介して、電極とチューブとの間に印加される電圧の差により電気分解的に除去される。このようにして、チューブの内側には、電極の外面の幾何学形状のプロフィールが提供される。しかし、このプロセスは、行なうには複雑であることが分かっている。
【0009】
別々の加工工程において部分チューブが製造され、互いに金属接合される、遠心成形による複合チューブの製造は、特許文献3から公知であり、この文献は、固形物を輸送するためのパイプラインのためのチューブ屈曲部を記載する。屈曲チューブのための出発製品として使用される複合チューブは、遠心成形により製造される。まず初めに、外側のチューブを形成する材料が、鋳型内に溶融状態で注がれ、この鋳型が、高速で回転し、その結果、溶融した合金が、鋳型の内側に液状の合金層を形成する。合金が完全に固化する直前か、または、完全に固化した直後に、内側のチューブを形成する溶融した合金が、同様にして、回転する鋳型内に注がれ、その結果、第2の溶融した合金が、実質的に固化した第1の合金の内側に、液状の合金層を形成する。2つの材料が、外側のチューブと内側のチューブとの間の遷移領域において混合され、それによって、2つのチューブの間に金属接合をもたらす。特許文献3に記載される合金は、高温での熱分解における使用には適さない。さらなる欠点は、遠心成形に適する合金のみが、内側のチューブおよび外側のチューブに使用され得るということである。
【0010】
さらに、特許文献4から、外側のチューブと内側のチューブとを有し、この内側のチューブが、2つの粉末からの熱間静水圧圧縮成形(HIP)によって外側のチューブに接合されているチューブを製造することが公知である。しかし、この文献に記載されるオーステナイトスチール合金またはオーステナイトニッケル合金もまた同様に、高温での熱分解における使用には適さない。
【特許文献1】英国特許第969796号明細書
【特許文献2】欧州特許第0980729号明細書
【特許文献3】米国特許第6,406,800号明細書
【特許文献4】米国特許第5,069,866号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上記の背景を鑑みて、本発明は、例えば、水熱分解のような、特別な適用領域において課される、特定の要求に特によく合うチューブを提案するという問題に基づく。さらに、本発明は、内側のチューブと外側のチューブとを有するチューブを製造するためのプロセスを提案することを意図する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記問題は、添付の特許請求の範囲において、独立請求項の主題によって解決されるが、有利な構成は、従属請求項に示されている。
【0013】
本発明は、第1の部分チューブと第2の部分チューブとを有する複合チューブを形成するという根底にある概念に基づき、ここで、一方の部分チューブは、もう一方の部分チューブの内側に配置されており、第1の部分チューブは、遠心成形チューブであり、そして、第2の部分チューブは、加圧処理によって粉末から製造される。2つの部分チューブを組み合せることによって、本発明に従うチューブを、例えば、水熱分解のような、特別な適用領域において課される要求に対して特に合わせることが可能である。
【0014】
第2の部分チューブは、特に、1200℃までの温度においてもなお、腐食特性、耐摩耗性、エチレンクラッカーにおいて使用される場合の炭化およびコークス化の挙動、ならびに遠心成形チューブの熱伝達を改善するために使用され得る。
【0015】
高度に腐食性の媒体を運ぶ際に使用するために、例えば、制限された機械的特性を有する耐腐食性材料から作製され、壁の厚みの残りは、良好な機械的特性を有する安価な材料から作製されている、遠心成形チューブを使用することが可能である。
【0016】
その均一な微小構造と、クロム−ニッケルスチールを用いる可能性に起因して、遠心成形チューブは、特に、炭化水素の熱分解に適している。しかし、例えば、熱間静水圧圧縮成形によって粉末から製造された第2の部分チューブを形成することにより、このようなチューブ自体によっては達成できない、さらなる特性をこの遠心成形チューブに与えることが可能となる。例えば、第2の部分チューブは、遠心成形プロセスには適さないが、粉末形態で製造され得る材料から作製され得る。さらに、第2の部分チューブは、粉末の加圧処理の間に、幾何学(例えば、表面プロフィール)が提供され得る。純粋な遠心成形チューブでは、この型の幾何学は、この方法以外では、複雑な再加工工程(例えば、切断作業、または、電気分解的な材料除去再加工作業)によってのみ達成され得る。しかし、本発明に従う複合チューブはまた、滑らかな表面も有し得る。この場合、粉末の使用によって可能となる、材料のより広い選択肢を有するという利点が、顕著になる。特定の状況下では、複合材料において使用される遠心成形チューブについて、費用のかかる遠心成形チューブのさらなる処理(例えば、穴あけ作業)なしですますことも可能である。
【0017】
複合チューブは、その断面に基づいて、製造される方法が互いに異なる、少なくとも2つの領域(部分チューブ)を有するチューブを意味するものとして理解されるべきである。
【0018】
粉末の加圧処理は、適切な場合、粉末の加熱と組み合せて、粉末もしくは予め圧縮した粉末から凝集性の固形物を製造する、粉末のあらゆる圧縮を意味するものとして理解されるべきである。第2の部分チューブは、熱間静水圧圧縮成形(HIP)によって製造されるのが特に好ましい。
【0019】
好ましい実施形態において、第1の部分チューブは、複合チューブの半径方向に見て、第2の部分チューブに直接隣接するように配置され、その表面の一方は、第2の部分チューブの表面にしっかりと接合されている。しかし、さらなる部分チューブ(特に、さらなる遠心成形チューブ、または、粉末から加圧処理により製造されたさらなる部分チューブ)を提供することもまた可能である。このようにして、チューブの断面におけるその特定の位置に、好ましい特性を有する、多様な層の複合チューブを製造することが可能である。
【0020】
好ましい実施形態において、第2の部分チューブは、プロフィール(特に、1つ以上の内部フィン)を有し、そのプロフィールはまた、外部プロフィールでもあり得る。プロフィールは、例えば、これらを渦巻かせることによって、本発明に従う複合チューブの内側を流れる媒体、または、この複合チューブの外側に沿って流れる媒体に影響を与えるために使用され得る。内部フィンを有する、特に好ましい実施形態は、蒸気の存在下での炭化水素の熱分解のためのプロセスにおいて使用するために極めて適している。
【0021】
第2の部分チューブ(外側/内側)によって特定の特性が提供された遠心成形チューブの側面によって、第1の部分チューブの内側、または、第1の部分チューブの周囲に、部分チューブを製造することが可能である。
【0022】
内部フィンを有する本発明に従う複合チューブ内での、コアの流れおよび渦流を構成する好ましい流れのプロフィールは、好ましくは、チューブの出発点からチューブの端部まで連続している、フィンのフランク角(すなわち、フィンフランクと、チューブの半径との間の外角)が、16°〜20°(好ましくは、17.5°〜18.5°)の複合チューブを用いて達成され得る;それゆえ、このフランク角は、ベンチュリ角(すなわち、流れの方向にあるベンチュリノズルの開口部の角度で、通常は、15°を超えない)よりも大きい。この型のフランク角は、特に、20°〜40°(好ましくは、22.5°〜32.5°)のフィンの傾斜と組み合せて、フィンの谷間(Rippentaler)に戻り、フィンフランクを越えて、フィンの谷間に、望ましくないねじり(すなわち、乱流の閉じたひだ)を形成する、多少の連続する渦流が、フィンの谷間においては生成されないことを保証する。むしろ、フィンの谷間で形成された乱流は、フィンフランクから分離して、渦流により取り込まれる。フィンにより引き起こされるこの渦巻エネルギーは、それゆえ、実質的に保持され、ほとんどは、フィンの谷間において消耗されない。このことにより、チューブ金属温度が低下して、より均一になり、そしてまた、チューブの断面全体にわたる温度がより均一になる。
【0023】
フィンと、フィンの間に位置するフィンの谷間とは、断面が鏡面対称となり、互いに隣接するように設計されても、いずれの場合にも同じ曲率半径を有する、らせん状の線を形成してもよい。次いで、フランク角が、フィンの谷間/フィンの遷移点の接線と、複合チューブの半径との間に生じる。この場合、フィンは、比較的浅い;それゆえ、フィンの高さ(すなわち、フィンの谷間とフィンの頂部との間の半径距離)は、外円内のフィンの表面積と、空の断面との比からもたらされる。この比は、0.06と0.01との間(好ましくは、0.08と0.1との間)であるべきである。それゆえ、フィンの高さは、直径が増加するにつれ増加し、その結果、渦流が、真っ直ぐに、そして、プロフィールの作用に必要とされる方向に保持される。
【0024】
言い換えると、プロフィールの外円(Hullkreis des Profils)と同じ直径を有する滑らかなチューブに基づいた、空の領域の減少は、せいぜい3%であり、そして好ましくは1.5%〜2.5%である。
【0025】
流速が速くなるとフィンの谷間が生じ、自己洗浄作用が生まれ、それゆえ、熱分解コークスの堆積が少なくなる。
【0026】
試験は、チューブの内径とは無関係に、本発明に従う流れのプロフィールを達成するためには、合計6〜20個、好ましくは8個のフィンで十分であることを示している。
【0027】
本発明に従う内部フィンを有する複合チューブにおいて、水試験における、熱伝達係数の商Q/Qの、圧力損失の商ΔP/ΔPに対する比は、類似の法則を適用および順守し、そして、ナフサ/蒸気混合物について決定されたレイノルド数を用いると、好ましくは1.4〜1.5であり、ここで、Rは、フィンを有する複合チューブを示し、そして、0は、滑らかなチューブを示す。
【0028】
本発明に従う複合チューブ(プロフィール3)の、滑らかなチューブ(プロフィール0)および軸方向に平行なフィンを有するフィン有りのチューブ(プロフィール1)と比較した場合の優位性を、以下の表中のデータにより示す。フィンの谷間とフィンの頂部との間の半径距離は、4.8mmである。フィン有りのチューブは全て、8つのフィンを有し、そして、同じ外円を有した。
【0029】
【表2】

上記の表において、水力直径(hydraulische Durchmesser)は、以下のように規定される:
hydr=4×(空の断面)/内周;
これはおそらく、匹敵する滑らかなチューブの内径に相当し、1.425の均一度を与える。
【0030】
水試験において、本発明に従う複合チューブは、滑らかなチューブと比較して、2.56だけ係数が高い熱伝達(Q)を与え、圧力損失(ΔP)は、わずか1.76だけ係数が増加した。
【0031】
好ましい実施形態において、第1の部分チューブは、以下:
【0032】
【表3】

に示される分析結果を有する材料から構成され、そして、この第1の部分チューブは、DIN EN 10027 Part 1材料である、GX40CrNiSi25−20、GX40NiCrSiNb35−25、GX45NiCrSiNbTi35−25、GX35CrNiSiNb24−24、GX45NiCrSi35−25、GX43NiCrWSi35−25−4、GX10NiCrNb32−20、GX50CrNiSi30−30、G−NiCr28W、G−NiCrCoW、GX45NiCrSiNb45−35、GX13NiCrNb45−35、GX13NiCrNb37−25、GX55NiCrWZr33−30−04のうちの1つから構成されることが特に好ましい。これらの材料は、炭化水素の熱分解のためのプロセスにおいて、高温にて使用するのに特に適していることが分かっている。
【0033】
好ましい実施形態において、第2の部分チューブは、第1の部分チューブと同じ材料から構成される。しかし、特別な特性を設けるためには、第2の部分チューブは、セラミック材料、2種以上の金属から成る材料、またはODS材料から構成されることもまた可能である。2種以上の金属から成る材料は、攻撃的な(aggressiven)雰囲気下では不活性にされ得、一方で、ODS材料は、微細に分散された酸化物を用いることによって、良好なクリープ破断強度を可能にする。
【0034】
複合チューブを製造するための本発明に従うプロセスは、遠心成形チューブの内面または外面と接するよう粉末を提供し、そして、この粉末を、加圧処理によって圧縮して、第2の部分チューブを形成し、そして、具体的には、金属接合により遠心成形チューブに接合させる。第2の部分チューブを製造するために粉末を用いることにより、遠心成形には適さないか、または、かなりの費用(例えば、不活性な雰囲気)を伴ってのみ製造され得る材料もしくは材料の組み合わせから、部分チューブを製造することが可能となる。さらに、その幾何学形状(例えば、内側のチューブが、わずか2〜3mmの壁の厚みを有する)に起因して、遠心成形することができないチューブを製造することが可能である。このことは、特に、遠心成形される材料が、特別な保護(例えば、腐食またはコークス化に対する保護)を必要とするような用途の領域に、特定の材料から作製された遠心成形チューブの外面または内面を適合させる可能性を生じる。
【0035】
粉末は、遠心成形チューブの表面上に噴霧され得、この表面上に、第2の部分チューブが隣接する。これは、遠心成形チューブが、高温にある場合に、特に有利に実行される。この目的のために、遠心成形チューブは、チューブの成形直後に粉末が噴霧されても、粉末の塗布のために特別に再度加熱されてもよい。
【0036】
粉末は、複合チューブの製造の間に、加熱されることが特に好ましい。これは、特に好ましくは、例えば、特に好んで使用される熱間静水圧圧縮成形による加圧処理と同時に生じ得る。しかし、粉末の加熱が、加圧処理の前に行なわれることもまた可能である。加圧処理および粉末の加熱が同時に行なわれる場合、高密度で、孔性が低く、かつ、良好な金属結合を有する第2の部分チューブが生じる。
【0037】
粉末の加熱は、例えば、遠心成形チューブを加熱することによってか、または、粉末の上を流れる気体流によってか、または、粉末と接する加熱要素によって、外側から達成され得る。しかし、粉末は、誘導的に加熱されることもまた可能である。
【0038】
粉末は、加圧処理の前に予め圧縮され得る。これは、特に好ましくは、振盪させることによってなされる。粉末の取り扱いを向上するために、粉末は、成形本体(例えば、チューブまたはシリンダ)を形成するために、遠心成形チューブの外側で予め圧縮され得る。この事前の圧縮は、成形本体が、取り扱いに適する(すなわち、例えば、自立している)のに十分な程度まで行なわれ得る。次いで、成形本体の形状内の予め圧縮された粉末は、遠心成形チューブ内に容易に導入される。
【0039】
加えて、もしくは代替的には、粉末の取り扱い特性は、例えば、成形本体を形成するために、粉末が結合剤を用いて結合される場合に、改善され得る。結合剤は、好ましくは、加圧処理の間、特に、加熱を伴う加圧処理の間に、投入される。
【0040】
遠心成形チューブ内にコアを挿入し、遠心成形チューブの内面とコアとの間に残る空の空間に粉末を充填し、コアおよび粉末と一緒に遠心成形チューブを圧力チャンバ内に導入し、そして、この粉末を同時に加熱しながら、圧力チャンバを圧力下に置き、加圧処理が完了した後に、コアを、このようにして製造された複合チューブから取り除く工程を包含するプロセスによって、第1の部分チューブ内に配置された第2の部分チューブを有する複合チューブを製造することが、特に好ましい。遠心成形チューブの内面とコアとの間に残る空の空間に粉末を導入することは、特に、直立した遠心成形チューブの場合に、取り扱いに有利であることが分かっている。空間的な条件に依存して、遠心成形チューブを先に圧力チャンバ内に入れてから、コアの導入および/または粉末の充填を行なうことが可能である。
【0041】
複合チューブの内側にできるフィンのプロフィールの逆の形状であるプロフィールを有するコアを、遠心成形チューブ内に挿入することが好ましい。複合チューブは、それゆえ、内部プロフィールを有する第2の部分チューブを受容し、これは、特に好ましくは、蒸気の存在下での炭化水素を熱分解するためのプロセスにおいて使用され得る。
【0042】
コアは、少なくとも部分的に、エッチングまたは機械加工プロセスによって、複合チューブから除去され得る。これは、コアが、部分的に、第2の部分チューブに金属接合されている場合でさえ、製造される複合チューブからコアを放出させることを容易にする。
【0043】
さらに、もしくは代替的には、粉末の加圧処理の間、特に、加熱の間に、コアもしくは鋳型に金属接合されることを防止する、スペーサー材料(例えば、特別な結合剤)を含有する粉末を、コアもしくは鋳型に面する面に提供することが可能である。これは、好ましくは、粉末からコアもしくは鋳型への移行部において、スペーサー材料を蒸発させることによって、行なわれる。
【0044】
好ましい実施形態によれば、遠心成形チューブの外側に第2のチューブが提供された複合チューブを製造するために、遠心成形チューブを鋳型内に挿入し、遠心成形チューブの外面と鋳型との間に残る空の空間に粉末を充填し、遠心成形チューブを圧力チャンバに導入し、同時に粉末を加熱しながら、圧力チャンバを圧力下に置き、そして、加圧処理が完了した後に、第1の部分チューブおよび第2の部分チューブを用いてこのようにして製造された複合チューブを、鋳型から取り外す。
【0045】
コアと遠心成形チューブとの間の空の空間にある粉末、または、鋳型と遠心成形チューブとの間の空の空間にある粉末は、振盪させることによって圧縮され得る。
【0046】
鋳型と遠心成形チューブとの間、または、コアと遠心成形チューブとの間の空の空間内に粉末が導入された遠心成形チューブの取り扱いを改善するために、空の空間は、好ましくは、一方の端部が閉鎖されている。これは、特に、空の空間から粉末を落とすことなく、直立したチューブの取り扱いを可能にする。
【0047】
加圧処理は、特に、少なくとも450バール(特に、1000バール以上)の圧力下で行なわれる。加熱の間に、粉末は、特に好ましくは、少なくとも450℃(特に、1000℃以上)の温度まで加熱される。
【0048】
加圧処理の間の粉末の圧縮は、不活性な雰囲気下で行なわれ得る。これは、特に、第2の部分チューブの製造の間に、粉末が酸化されることを防止する。圧力チャンバには、不活性な気体が充填されることが特に好ましい。
【0049】
本発明に従う複合チューブの特に効率的な製造は、1つの圧力チャンバ内で、複数の複合チューブが製造される場合に達成され得る。
【0050】
内部にフィンがらせん状に走る複合チューブを製造する場合、このらせんの形状は、フィンが真っ直ぐに並んだ複合チューブを製造し、次いで、製造後に、この複合チューブの端部を、互いに関してねじることによって作製され得る。
【0051】
チューブを外側から加熱した場合の、環状炉内での炭化水素の熱分解の経済性は、複合チューブを使用することによって改善され得る。なぜならば、異なる製造形状、および、複合チューブの部分チューブに使用される異なる材料によって、部分チューブの特定の位置に、好ましい特性が配置され得るからである。第1の部分チューブが遠心成形チューブであり、第2の部分チューブが、加圧処理により粉末から製造されたものである、本発明に従う複合チューブを使用することが特に好ましい。
【0052】
本発明に従う複合チューブは、特に、渦流がフィンの中間付近で生じ、そして、コアゾーン内で変換されて、フィンから半径方向に遠ざかるにつれて軸方向の流れが優性になるような様式で設計および使用され得る。渦流が存在する外側ゾーンと、軸方向の流れが優性なコアゾーンとの間の移行部が、次第に(例えば、指数関数的に)形成される。
【0053】
本発明に従う使用において、渦流は、フィンフランクにおいて分離する乱流を取り込み、その結果、乱流は、フィンの谷間内へと、連続した円形の(kreisformingen)流れの形状で局所的には再循環されない。これに伴い、平均滞留時間が、10%〜20%(例えば、15%)増加する。これにより、特に、フィンの領域にある渦流またはフィン自体が、チューブの軸に関して20°〜40°(例えば、32°まで、好ましくは、22.5°〜32.5°)の角度になることが保証される。
【0054】
本発明に従う使用において、チューブの壁内およびチューブの内部への熱の供給(これは、必然的にバーナーの当たる側面とバーナーの当たらない側面との間ではチューブの外周全体にわたり相違する)は、補正され、迅速にコアゾーンへと内向きに分散される。これに伴い、チューブ壁においてプロセスガスが局所的に過熱される危険性が減少し、その結果、熱分解コークスが形成する。さらに、チューブ材料の熱応力は、バーナーの当たる側面とバーナーの当たらない側面との間での温度の補正によって減少し、耐用年数を延長させる。最終的に、本発明に従う使用において、チューブの断面全体にわたる温度がまたより均一にされ、その結果、良好なエチレン収量または良好な作業のシビアリティとがもたらされる。これは、チューブ内部での本発明に従う半径方向の温度補正なしで、熱いチューブ壁において亀裂を生じ、チューブの中心で再結合を生じさせる、クラッキング反応の可逆性が原因である。
【0055】
さらに、渦流を特徴とする、熱伝達が大幅に減少された層流層が、滑らかなチューブの場合、そして、内周が10%以上増加したフィンプロフィールの場合にはかなり大規模に形成される。この層流は、乏しい熱伝導率と共に、熱分解コークスの形成の増加をもたらす。2つの層は、共に、より大きな熱の導入、または、より高いバーナーの能力を必要とする。これにより、チューブ金属温度(TMT)が上昇し、相応して、耐用年数を短縮させる。
【0056】
渦流は、層流をかなり減らす;さらに、これに伴い、速度ベクトルがチューブの中心に向かい、そして、熱いチューブ壁におけるクラッキングラジカルまたはクラッキング生成物の滞留時間と、これらの熱分解コークスへの化学的変換および触媒的変換とが、減少する。さらに、内部に高いフィンを有するプロフィールのチューブの場合には重要ではないフィンの谷間とフィンとの間の温度差は、本発明に従う渦流によって補正される。これは、2回のコークス除去作業を必要とする時間の間の時間間隔を増加させる。コークス化する傾向を有するクラッキング生成物の最小滞留時間は、内部にフィンが提供されたクラッキングチューブの場合に改善される。本発明に従う渦流なしでは、フィンの頂部とフィンの谷間との間にかなりの温度差が生じるので、これは特に重要である。
【0057】
本発明に従う使用において、フィンの谷間への気流の外周部の速度は、フィンの頂部における速度よりも速いことが好ましい。
【0058】
図1に示す図は、8つのフィンと、30°のフィンの勾配とを有する本発明に従うフィン有りのチューブ(プロフィール3)、および2つの比較チューブ(プロフィール4およびプロフィール6;各々、16°のフィンの勾配を有し、それぞれ、3つもしくは8つのフィンを有する)における、チューブの断面全体にわたる渦の速度または外周部の速度の比較を含む。曲線は、2つの比較チューブの縁部ゾーンにおいては、わずか約1.5m/秒の最大速度であるのに比べ、本発明に従う複合チューブの縁部ゾーンにおいては、多くて約2.75m/秒または3m/秒の、有意に高い外周部の速度を示している。
【0059】
図2に示す図は、本発明に従う複合チューブのプロフィール3についての、チューブの半径全体にわたる、外周部の速度の分布を示す。2つの一致する上側の曲線は、各々、バーナーの当たる側面およびバーナーの当たらない側面においてフィンの谷間を通って走る半径上で測定されたものであり、一方で、2つの下側の曲線は、各々、バーナーの当たる側面およびバーナーの当たらない側面においてフィンの頂部を通って走る半径に沿って測定されたものである。
【0060】
図3は、本発明に従うプロフィール3を含めて、3つの試験チューブを断面で示す(データを含む)。各図は、バーナーの当たらない側面とバーナーの当たる側面とでのチューブの半径に沿った温度のプロフィールを示す。図を比較すると、本発明に従うプロフィール3の場合には、チューブの壁とチューブの中心との温度差がより低く、そして、チューブ金属温度がより低いことが明らかである。
【0061】
本発明に従う複合チューブを使用して生成される渦流は、平行した列に慣習的に配置された環状炉の環状コイルが、反対側にのみある側壁のバーナーを用いて、燃焼ガスにより加熱されるか、もしくは、これにより影響を受けて、それゆえ、チューブが、バーナーに面するバーナーの当たる側面と、バーナーに対して90°ずらされたバーナーの当たらない側面とを有する場合でさえ、チューブの外周部全体にわたる(すなわち、バーナーの当たる側面とバーナーの当たらない側面との間の)内壁の温度におけるばらつきが、12℃未満であることを保証する。平均のチューブ金属温度(すなわち、バーナーの当たる側面とバーナーの当たらない側面でのチューブ金属温度の差)は、内部応力をもたらし、それゆえ、チューブの耐用年数を決定する。それゆえ、図4に示される図から分かるように、平均5年の耐用年数に基づくと、本発明に従う8つのフィンを有する複合チューブ(38.8mmのチューブ内径と、50.8mmのチューブ外径とを有し、同じ直径の滑らかなチューブでは11°の勾配であるのに対し、30°の勾配をする;すなわち、フィンの谷間とフィンの頂部との間の高さの差が2mmである)の平均チューブ金属温度の低下は、1050℃の作業温度において、約8年までの耐用年数の予測される増加をもたらす。
【0062】
図3に示される3つのプロフィールについての、バーナーの当たる側面とバーナーの当たらない側面との間の温度分布が、図5に示す図に見られる。滑らかなチューブ(プロフィール0)と比較すると、プロフィール3についての温度曲線の温度レベルが低く、そして、プロフィール1の曲線と比較すると、プロフィール3の曲線についてのばらつきの範囲がかなり狭いことに気付く。
【0063】
特に好都合な温度分布は、等温線がコアゾーン内で円形に走り、渦ゾーンにおいてのみ複合チューブの内部プロフィールに従う場合に確立される。
【0064】
渦流の速度(Geschwindigkeit)が、チューブの長さ1メートルあたり1.8m/秒〜20m/秒だけ増加する場合、そして、プロフィールを有するチューブへの気体混合物の流入から計算して、空の断面の7%〜8%を占める場合に、特に、断面全体にわたる温度のより均一な分布が得られる。
【0065】
本発明に従う複合チューブを使用した場合、比較的短いチューブの長さで高いエチレン収量を達成するという観点から、断面全体にわたる温度の均一度と、水力直径に関する温度の均一度とが、滑らかなチューブの均一度に対して、1を超えるべきである。この文脈において、均一度は、以下のように規定される:
【0066】
【数1】

本発明に従う複合チューブは、チューブが、特にその外側が、例えば、800℃〜1000℃の高温に曝されているプロセスのような、全ての高温プロセスにおいて特に首尾よく使用され得る。特に、本発明に従う複合チューブは、例えば、化学産業もしくは薬学産業からの物質の燃焼のための管状の回転炉(Drehrohrofen)において、または、廃棄物焼却プラントにおいて、有色の色素を製造するのに使用され得る。
【0067】
図6は、本発明に従う複合チューブの例示的な実施形態を示す。このチューブは、第1の部分チューブ10と、フィン30を有する第2の部分チューブ20とを有し、このフィン30は、加圧処理により、粉末から製造されたものである。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】記載なし
【図2】記載なし
【図3】記載なし
【図4】記載なし
【図5】記載なし
【図6】記載なし

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の部分チューブ(10)と第2の部分チューブ(20)とを有する複合チューブであって、
一方の部分チューブは、もう一方の部分チューブの内部に配置され、
該第1の部分チューブ(10)は、遠心成形チューブであり、そして
該第2の部分チューブ(20)は、加圧処理により粉末から製造されている、
複合チューブ。
【請求項2】
前記第1の部分チューブ(10)が、前記第2の部分チューブ(20)に金属接合されている、請求項1に記載の複合チューブ。
【請求項3】
前記第2の部分チューブ(20)が、あるプロフィールを有する、請求項1または2に記載の複合チューブ。
【請求項4】
前記第2の部分チューブ(20)が、前記第1の部分チューブ(10)の内部に配置されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の複合チューブ。
【請求項5】
前記第2の部分チューブ(20)が、少なくとも1つの内部フィン(30)を有する、請求項3または4に記載の複合チューブ。
【請求項6】
前記内部フィンが、らせん状に取り付けられている、請求項5に記載の複合チューブ。
【請求項7】
前記フィンのフランク角が、16°〜20°である、請求項5または6に記載の複合チューブ。
【請求項8】
前記フィンの勾配の角度が、20°〜40°である、請求項5〜7のいずれか1項に記載の複合チューブ。
【請求項9】
複数のフィンと、該フィンの間に位置するフィンの谷間とが、断面が鏡面対称となるように設計されている、請求項5〜8のいずれか1項に記載の複合チューブ。
【請求項10】
前記複数のフィンのフィンの頂部と、フィンの谷間とが、いずれの場合にも、互いに隣接している、請求項5〜9のいずれか1項に記載の複合チューブ。
【請求項11】
前記複数のフィンのフィンと、フィンの谷間とが、同じ曲率半径を有する、請求項5〜10のいずれか1項に記載の複合チューブ。
【請求項12】
合計6〜20個のフィンを備える、請求項5〜11のいずれか1項に記載の複合チューブ。
【請求項13】
プロフィールの外円内の前記フィンの表面積の、該プロフィールの空の断面に対する比が、0.06〜0.1未満である、請求項5〜12のいずれか1項に記載の複合チューブ。
【請求項14】
請求項5〜13のいずれか1項に記載の複合チューブであって、水試験における、熱伝達係数の商Q/Qの、圧力損失の商ΔP/ΔPに対する比が、1.4〜1.5であり、ここで、Rは、前記フィンを有する複合チューブを示し、そして、0は、滑らかなチューブを示す、複合チューブ。
【請求項15】
水力直径が、匹敵する滑らかなチューブの内径に対応する、請求項5〜14のいずれか1項に記載の複合チューブ。
【請求項16】
前記第1の部分チューブ(10)が、以下:
【表1】

に示される分析結果を有する材料から構成され、特に、DIN EN 10027 Part 1材料である、GX40CrNiSi25−20、GX40NiCrSiNb35−25、GX45NiCrSiNbTi35−25、GX35CrNiSiNb24−24、GX45NiCrSi35−25、GX43NiCrWSi35−25−4、GX10NiCrNb32−20、GX50CrNiSi30−30、G−NiCr28W、G−NiCrCoW、GX45NiCrSiNb45−35、GX13NiCrNb45−35、GX13NiCrNb37−25、GX55NiCrWZr33−30−04のうちの1つから構成される、請求項1〜15のいずれか1項に記載の複合チューブ。
【請求項17】
前記第2の部分チューブが、前記第1の部分チューブと同じ材料から作製されるか、そして/または、セラミック材料、2種以上の金属から成る材料、もしくはODS材料から作製される、請求項1〜16のいずれか1項に記載の複合チューブ。
【請求項18】
粉末が、遠心成形チューブの内面または外面と接触し、そして、該粉末が、加圧処理により圧縮されて前記第2の部分チューブを形成し、該遠心成形チューブに接合される、請求項1〜17のいずれか1項に記載の複合チューブの製造方法。
【請求項19】
前記粉末が加熱される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記粉末が、加圧処理の前に予め圧縮されている、請求項18または19に記載の方法。
【請求項21】
前記粉末が、振盪によって予め圧縮されている、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
請求項19〜21のいずれか1項に記載の方法あって、以下:
コアを遠心成形チューブ内に挿入する工程;
該遠心成形チューブの内面と、該コアとの間に残る空の空間に、粉末を充填する工程;
該粉末を同時に加熱しながら、該遠心成形チューブを圧力下に置く工程;および
該加圧処理が完了した後に、該コアを、上記工程により製造された該複合チューブから取り除く工程
を包含する、方法。
【請求項23】
前記複合チューブの内側にできるフィンのプロフィールの逆の形状であるプロフィールを有するコアを、前記遠心成形チューブ内に挿入する工程を包含する、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記コアを、エッチングによって少なくとも部分的に前記複合チューブから取り除く工程を包含する、請求項22または23に記載の方法。
【請求項25】
請求項19〜21のいずれか1項に記載の方法であって、以下:
遠心成形チューブを鋳型内に挿入する工程;
該遠心成形チューブの外面と、該鋳型との間に残る空の空間に、粉末を充填する工程;
該粉末を同時に加熱することによって、該遠心成形チューブを圧力下に置く工程;および
該加圧処理が完了した後に、該鋳型を、上記工程により製造された該複合チューブから取り除く工程
を包含する、方法。
【請求項26】
前記空の空間が、前記チューブの少なくとも一方の端部において閉じている、請求項22〜25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
前記加圧処理のために、少なくとも450バールの圧力が生成される、請求項18〜26のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項28】
前記粉末が、少なくとも450°の温度まで加熱される、請求項19〜27のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項29】
前記粉末が、不活性な雰囲気下で加熱される、請求項19〜28のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項30】
前記加圧処理が、不活性な雰囲気下で行なわれる、請求項18〜29のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項31】
前記複数のチューブが、1つの圧力チャンバ内で生成される、請求項20〜30のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項32】
第1の部分チューブと第2の部分チューブとを用いて生成された、軸方向に平行なフィンを有する複合チューブの端部が、互いに関してねじれている、請求項18〜31のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項33】
蒸気の存在下で炭化水素を熱分解するための、複合チューブの使用。
【請求項34】
蒸気の存在下で炭化水素を熱分解するための、請求項1〜17のいずれか1項に記載の複合チューブの使用。
【請求項35】
蒸気の存在下で炭化水素を熱分解するための、請求項1〜17のいずれか1項に記載の複合チューブの使用であって、充填される混合物が、外部から加熱されたらせん状の内部フィンを有する前記チューブを通過し、渦流が、該フィンの中間付近で生じ、そして、コアゾーン内で変換されて、該フィンから半径方向に遠ざかるにつれて、軸方向の流れが優性になる、使用。
【請求項36】
前記渦流が、前記フィンフランクにおいて分離する乱流を取り込む、請求項35に記載の使用。
【請求項37】
前記フィンの谷間内における気体の流れの外周部での速度が、該フィンの頂部における速度よりも大きい、請求項35または36に記載の使用。
【請求項38】
前記フィンにおける渦流が、前記チューブの軸に対して、20°〜40°、好ましくは22.5°〜32.5°の角度で生じる、請求項35〜37のいずれか1項に記載の使用。
【請求項39】
前記チューブの外周部全体にわたる内壁の温度のばらつきが、12℃未満である、請求項35〜38のいずれか1項に記載の使用。
【請求項40】
前記コアゾーン内の等温線が、円形である、請求項35〜39のいずれか1項に記載の使用。
【請求項41】
前記渦流の速度が、前記チューブの長さ1メートルあたり、1.8m/秒〜2.0m/秒だけ増加する、請求項35〜40のいずれか1項に記載の使用。
【請求項42】
前記渦流の速度が、前記チューブの長さ1メートルあたり、前記空の断面の7%〜8%を覆う、請求項35〜41のいずれか1項に記載の使用。
【請求項43】
前記断面全体にわたる温度の均一度と、前記水力直径に関する温度の均一度とが、滑らかなチューブの均一度に対して、1を超える、請求項35〜42のいずれか1項に記載の使用。
【請求項44】
高温における用途での、特に、管状の回転炉または廃棄物焼却プラントにおける、請求項1〜17のいずれか1項に記載の複合チューブの使用。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公表番号】特表2008−509285(P2008−509285A)
【公表日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−525268(P2007−525268)
【出願日】平成17年8月12日(2005.8.12)
【国際出願番号】PCT/EP2005/008813
【国際公開番号】WO2006/018251
【国際公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【出願人】(505030568)シュミット + クレメンス ゲーエムベーハー + ツェーオー.カーゲー (4)
【Fターム(参考)】