複合構造物の製造方法および装置
複数のテープを基板上にレイアップする複合テープ付与機械によって、複合部品を形成する。該テープの横向き位置は、テープがレイアップされている際に調整することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、複合テープをレイアップするための自動化された機械および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車、海運および航空宇宙産業において用いられるような複合構造物は、一般に自動繊維配置(AFP)機械と呼ばれる自動化された複合材料付与機械により製造することができる。航空機産業においてAFP機械を用いて、例えば、より幅広のバンドへと平行化される複合テープの比較的幅の狭い帯状片または「トウ」を製造工具上にレイアップすることにより、構造的形状およびスキンアセンブリを製造することができる。AFP機械は、典型的には6枚以上の複数のテープ帯状片を、単一の等角バンドを形成する連続的に縁部同士が接触した状態に位置合わせ、かつ、配置し、該バンドは、工具上に配置され、工具に押し付けられる。
【0003】
大型の複雑な積層アセンブリを製造するために、繊維配置ヘッドを用いた現在のAFP機械は、比較的動作自由度が高くてもよい。例えば、現在の配置ヘッドは、各テープ帯状片に対して別個の独立制御可能な切断器を設けることにより、隣接するテープ帯状片のいずれかまたはすべてをその他すべての帯状片から独立して付加したり、外したり、切断する能力を有していてもよい。
【0004】
非常に自由度および有効性が高い一方で、現在のAFP機械は、その生産性の点において制約があるかもしれない。例えば、現在のAFP機械は、位置合わせされたテープ連続体(courses)を縁部同士を突き合わせてレイダウンして単一のバンド幅を形成する複数のテープ供給部を有する単一のヘッドを使用している。ヘッドスピードが最適化されているような用途においては、生産性、すなわち、単位時間当たりにレイダウンされるテープの量のさらなる増加には、バンド幅を広げるためにさらなるテープ供給部をヘッドに設ける必要があるかもしれない。テープ供給部を追加することにより、より大型かつ複雑なヘッドとなるだけでなく、例えばより大型のヘッドは操縦が困難であることからいくつかの用途において自由度が制限される可能性もある。
【0005】
したがって、依然として、複合テープのレイダウン率を高める改善された方法および装置が必要とされている。
【発明の概要】
【0006】
数多くの開示されている実施形態にしたがって、テープを布設して複合部品を形成する方法を提供する。該方法は、複数のテープ制御モジュールのうちの少なくとも1つのテープ制御モジュールの横向き位置を、モジュールによりテープが布設されている際に調整することを含む。テープ制御モジュールの横向き位置は、隣り合うテープ間の距離が変更されるように調整し、横向き位置は、複数のテープ制御モジュールの進行方向に対して実質的に直交するよう向けられている。テープ制御モジュールの横向き位置は、予めプログラムされた命令のセットにしたがって自動的に調整されてもよい。
【0007】
数多くの他の実施形態にしたがって、複数の複合テープをレイアップすることにより複合部品を形成する方法を提供する。これらテープの少なくとも1本の横向き位置は、自動的に調整され、かつ、これらテープは、レイアップ中に集合してあるバンド幅のテープとなる。横向き位置の自動的調整は、プログラムされた制御システムを用いて行われる。調整工程は、2本の隣り合うテープの横向き位置を調整することを含んでもよい。
【0008】
さらに他の実施形態にしたがって、複合テープのバンドを基板の上方に付与する方法を提供する。該方法は、基板の上方でテープ付与ヘッドを移動させ、ヘッドの進行方向において互い違いになったヘッド位置から基板上に複合テープの複数の連続体をレイダウンすることを含む。連続体の少なくともいくつかの横向き位置は、ヘッドが基板の上方を移動している際に調整される。連続体の横向き位置の調整は、予めプログラムされた命令のセットにしたがって自動的に、かつ、テープ付与ヘッド上のテープ制御モジュールの横向き位置を調整することによって行われる。
【0009】
その他の実施形態にしたがって、複合部品を形成するためのテープレイアップ機械を提供する。該機械は、テープをレイアップするための複数のテープ制御モジュールと、モジュールのうちの少なくともいくつかの横向き位置を調整するための、モジュールと結合された手段とを含む。該機械は、制御システムと、制御システムにより用いられて、少なくともいくつかのモジュールの横向き位置をモジュールによりテープがレイアップされている際に調整するプログラムとをさらに含む。
【0010】
別の実施形態にしたがって、基板上に複合テープをレイアップするためのテープ付与機械を提供する。該機械は、進行方向に沿って基板の上方を移動可能なヘッドと、ヘッド上に取り付けられた搬送台とを含む。複数のテープ制御モジュールは、基板上にテープの連続体をレイアップするために搬送台上に取り付けられる。モータは、ヘッド上に取り付けられ、かつ、モータとモジュールとの間に結合された駆動装置は、ヘッド上の少なくともいくつかのモジュールの横向き位置を調整するために動作可能である。
【0011】
本発明のその他の特徴および利点は、添付の図面とともに解釈した以下に示す詳細な説明を考慮することにより、当業者にとって明らかとなるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、複合積層体を製造するためのシステムの全体ブロック図である。
【図2】図2は、自動制御ガントリー上に取り付けられた一対のテープ付与ヘッドの斜視図である。
【図3】図3は、図2に示した種類のガントリーを用いて積層体を製造するためのシステムの機能ブロック図である。
【図4】図4は、付与ヘッドのテープ制御モジュールとその他の構成部品との間の関係を示した機能ブロック図である。
【図5】図5は、幅の狭いテープ帯状片のバンドをレイダウンするためのテープ制御モジュールの代替形態を含むテープ制御モジュールのセットの斜視図である。
【図6】図6は、テープ制御モジュールの互い違いの群間のオフセットを示した、単一バンドを形成するテープ連続体の平面図である。
【図7】図7は、図6と同様の図であるが、幅の狭いテープの帯状片から形成されたバンドをレイダウンしているテープモジュールの追加を示した図である。
【図8】図8は、互い違いのテープ制御モジュールを有するテープ付与ヘッドの斜視図である。
【図9】図9は、16個のテープ制御モジュールを有する付与ヘッドによりレイダウンされるテープ連続体を示す平面図である。
【図10】図10は、図8に示されたテープ付与ヘッドの一部をなしていてもよい3つのテープ制御モジュールの正面図である。
【図11】図11は、テープ制御モジュールの横向き位置を調整するためのシステムのブロック図である。
【図12】図12は、複合テープをレイアップする方法の工程を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図面の図1および図2に特に言及して、数多くの実施形態は、工具59またはその他の基板の上方で複合テープ86のバンド87を付与することにより、複合構成部品または構造物、例えば、積層構造物57を製造するための、全体として番号50で示される装置に関する。多くの実施形態において、複合体製造装置50は、場合によってはここで「部品」57とも呼ばれる複合構造物を、製造されている部品57の輪郭(図示せず)に応じてテープ位置を調整することにより製造するよう構成されていてもよい。
【0014】
装置50は、1つ以上のテープ付与ヘッド58を含んでいてもよく、付与ヘッド58の各々は、少なくとも第1および第2のテープ制御モジュール群60a、60bを含む。付与ヘッド58の各々は、テープのバンドが付与される方向を導くために、1本以上の軸に沿って対応するヘッド58を移動させることのできるマニピュレータ52上に取り付けられている。マニピュレータ52は、複数の軸に沿った移動のために工作機械システム54上に取り付けられていてもよく、該システム54は、複数の軸に沿った工具の変位に一般的に用いられるさまざまな公知のシステムのいずれかを含んでいてもよい。マニピュレータ52、工作機械システム54および付与ヘッド58は、例えばNCまたはCNC制御装置に限定されないがこれらを含んでいてもよい1つ以上の制御システム56により制御されてもよい。
【0015】
ここで特に図2を参照して、装置50は、高置レール68上を直線移動するために対向端が該レール上に取り付けられたガントリービーム62を含むガントリーシステム55に限定されないが例えばこれを含んでいてもよい。ガントリービーム62は、レール68に沿ってガントリービーム62に動力供給するための歯車付駆動装置(図示せず)を備えたモータ70を含んでいてもよい。1つ以上のマニピュレータ52は、ガントリービーム62上に動作可能かつ移動可能に取り付けられていてもよく、各マニピュレータ52は、テープ付与ヘッド58を備えている。図2に示されている実施例において、2つのマニピュレータ52およびヘッド58は、単一のガントリービーム62の対向する側に取り付けられている。マニピュレータ52は、ガントリービーム62に沿ってマニピュレータ52を駆動するモータ(図示せず)により動力供給されていてもよい。モータ、マニピュレータ52および付与ヘッド58を図1の制御システム56および/またはその他のシステム(図示せず)に接続するために、さまざまな電気およびその他の線やケーブル(図示せず)が管(図示せず)内に封入されていてもよい。
【0016】
ここで、装置50のさらなる構成部品をブロック図の形態で図示する図3に注目する。多くの実施形態において、付与ヘッド58は、材料送り出しシステム58aおよびテープ位置合わせおよび付与ヘッド58bを広義に含むことができる。材料送り出しシステム58aは、テープまたはトウとして知られる細長いテープをテープ位置合わせおよび付与ヘッド58bへ送り出し、該テープ位置合わせおよび付与ヘッド58bが、細長いテープを基板へ付与することにより、積層体バンド幅を形成する74。ここで用いられているように、「複合繊維テープ」、「繊維テープ」、「テープ」および「テープ帯状片」は、さまざまな幅の広範なテープおよびトウを含むよう意図されている。複合テープは、適切な原材料供給部76から材料送り出しシステム58aへと供給される。上に述べたように、ガントリーシステム54aおよびテープ位置合わせおよび付与ヘッド58bの動作は、制御システム56(図1)により制御されている。
【0017】
テープ位置合わせおよび付与ヘッド58bのさらなる詳細を図4に示す。テープ位置合わせおよび付与ヘッド58bの各々は、基板(図示せず)上にテープ連続体86(図6参照)を出力する複数のテープ制御モジュール84を含んでいてもよい。下により詳細に説明するように、テープ制御モジュール84の各々は、テープ位置合わせおよび付与ヘッド58b上に取り外し可能に取り付けられることにより、モジュール84からの迅速な変更を可能としてもよい。モジュール84の各々は、あらゆる適切な手段により適切な動力、制御およびセンサ接続94に結合されていてもよい。テープ制御モジュール84の各々はまた、材料送り出しシステム58aにより供給されるテープをモジュール84に再装着するよう機能する再装着駆動装置88または独立したサーボ駆動装置に連結器96により接続されていてもよい。テープ制御モジュール84の例は、米国特許第4,699,683号明細書および米国特許公開No.2007/0029030A1に記載されており、これら両方の内容全体は、参照によりここに含まれる。
【0018】
ここで図5、図6および図7を参照して、下でより詳細に説明するように、開示されている実施形態によると、テープ制御モジュール84は、付与ヘッド58(図2参照)の進行方向110において互い違いになって、または、オフセットされている2つの交互の群84a、84bに配置されている。図5に示されているように、群84a内のモジュール84は、進行方向110を横切る方向126に延在する第1軸121に沿って実質的に位置合わせされている一方、群84b内のモジュール84は、第1軸121に実質的に平行に延在する第2軸123に沿って実質的に位置合わせされている。図6にもっともよく表されているように、この位置合わせおよび2つのモジュール84群間のオフセット関係の結果、対応するモジュール84a、84bに関連付けられた圧縮ロール112a、112bの中心線「A」および「B」は、進行方向110における距離「d」だけ離間されている。隣り合うテープ制御モジュール84間のオフセットまたは互い違いの量(距離「d」)は、予めプログラムされた値を用いて上に説明した制御システム56(図1)により自動的に調整されてもよい。
【0019】
モジュール群84a、84bは、実質的に縁部同士が突き合わされた配置となっているテープ連続体86a、86bを付与して、バンド幅「W」を有するテープバンド87(図7)を形成することができる。テープ制御モジュール84の群84a、84bを互い違いとした結果、いくつかの前に出たテープ連続体86aは、いくつかの後続のテープ連続体86bから空間的に前に出てレイアップされており、テープのバンド幅87は、上記いくつかの後続のテープ連続体86の後端119において複数のテープ連続体86の集合としてレイアップされている。
【0020】
図7は、モジュール群84a、84bのいずれかと位置合わせされたテープ位置合わせおよび付与ヘッド58b上に1つ以上のテープ制御モジュール84c(図5)が取り付けられていてもよい代替の実施形態を示している。テープ制御モジュール84cは、各々がテープ連続体86a、86bより幅の狭いテープ片116のバンド幅114を付与する。より幅の狭い個々のテープ片116により、テープバンド87のいずれの端においてもより高い解像度の外形117を達成することができる。
【0021】
集合バンド幅を制御することによってテープ連続体86の「誘導」を助けるか、または、その他の目的のために、「ピッチ」とも呼ばれる2つ以上のテープ制御モジュール84の中心線125間の距離を調整してもよいテープ付与ヘッド58の代替形態を示す図8にここで注目する。図示されている実施形態において、付与ヘッド58は、ヘッド58の進行方向110において互い違いとなっており、かつ、それぞれが図5に示されているテープ制御モジュール84の群84a、84bと同様のテープ連続体86a、86bを付与するテープ制御モジュール84の2つの群84a、84bを含む。付与ヘッド58は、制御システム56(図1)により制御および動作されてもよいテープ制御モジュール84の1つ以上に接続された適切なテープモジュール調整システム120を含んでいてもよい。下に説明するように、テープモジュール調整システム120は、横方向126において1つ以上のテープ制御モジュール84を横向きに変位させ、これにより、テープ連続体86の1つ以上の横方向位置を調整するよう機能するさまざまな公知の機械的および/または電気機械的装置および/またはアセンブリのいずれかを含んでいてもよく、ここで、横方向126は、付与ヘッド58の進行方向110に実質的に直交する。1つ以上のテープ制御モジュール84の横向き変位により、これに応じて、テープ連続体86a、86bの横向き位置が変化する。いくつかの実施形態のうちの1つでは、テープ制御モジュール84の群84a、84bは、制御システム56(図1)の一部をなす予めプログラムされた命令のセットに基づいて、調整機構120により互いに対して自動的に横向きに調整可能である一方、他の実施形態では、群84a、84bのいずれかまたは両方のテープ制御モジュール84は、別々に横向きに調整可能である。テープモジュール84間のピッチは、バンド幅87がレイダウンされる前に自動的に調整されてもよく、かつ/または、バンド幅87がレイダウンされている際に「その場で」動的に調整されてもよい。
【0022】
上に触れたように、テープ制御モジュール84の横向き位置を自動的に調整できることにより、各バンド87における対応するテープ連続体86a、86bの横向き位置を比較的正確に制御可能である。例えば、図9に示されているように、テープモジュール84間のピッチは、テープ連続体86a、86bの縁部同士が本質的に隣接するように隣り合うテープ連続体86a、86bの中心線127間の距離を調整するために、自動調整してもよい。テープモジュール84間のピッチの動的調整を通じて隣り合うテープ連続体86a、86bの横向き位置を自動的に制御することにより、特に複雑な輪郭を有する表面の上方でバンド87を「誘導する」能力が向上する可能性がある。したがって、レイアップされている部品57の輪郭に適合するため、または、さまざまなその他の目的のために、テープ制御モジュール84の横向きまたは横方向位置を調整してもよい。圧縮ロール112を通じてテープ制御モジュール84により印加される圧縮力は、予め設定されていてもよい一方で、他の実施形態においては、テープ連続体86がレイダウンされている基板の1つ以上の輪郭に基づいて圧力を調整してもよい。
【0023】
図10は、テープ制御モジュール84を自動的かつ独立して調整することができる方向を示している。第1群84bの一部をなすある1つのテープ制御モジュール84bは、第2群84aの一部をなす2つのテープ制御モジュール84aに対して軸方向にオフセットしている、または、互い違いになっている。モジュール84aは、第1共通X軸122に沿っていずれかの方向(X、−X)において横向きに調整可能である一方で、モジュール84bは、テープ付与ヘッド58(図8)の進行方向110においてX軸122からオフセットされたXX軸124に沿っていずれかの方向(XX、−XX)において横向きに変位可能である。上に触れたように、テープ制御モジュール84は、付与されるテープバンド87(図5)の誘導の助けとなり、かつ/または、複雑な基板形状および/または輪郭に対応するために、テープ連続体86が付与されている際にその場で動的に横向きに調整してもよい。
【0024】
ここで、テープ制御モジュール84の横向き位置の自動調整に用いられるシステムのさらなる詳細を示す図11に注目する。図示されている実施例では、テープ制御モジュール84の2つの互い違いの群84a、84bが示されているが、他の実施形態では、単一の群のテープ制御モジュール84しか用いられていない場合、テープモジュール84間のピッチの自動横向き調整を使用すると有利かもしれない。
【0025】
テープ制御モジュール84の各群84a、84bは、対応する搬送台128a、128b上の横向き調整のためにヘッド58(図1および図2)上に取り付けられている。搬送台128a、128bの各々は、限定されないが、ヘッド58の進行方向110(図5)を実質的に横切る方向へのヘッド58の横向き移動のためのテープ制御モジュールを取り付けかつ支持するさまざまな公知の種類の機械的支持体、トレイ、トラック、レールまたは類似の装置のいずれかを含んでいてもよい。テープモジュール調整システム120a、120bの各々は、ヘッド58上に取り付けられ、かつ、対応する機械的駆動装置132a、132bと結合されたモータ130a、130bを含む。モータ130a、130bの各々は、限定されないが、ステッパモータまたはサーボモータ(図示せず)のような空気式、油圧式または電気式であってもよい。機械的駆動装置132a、132bの各々は、限定されないが、ネジ駆動、歯車駆動、連結アセンブリまたはさまざまなその他の公知の機械的駆動機構のいずれかを含んでいてもよい。モータ130a、130bは、制御システム56またはその他のプログラムされた制御装置(図示せず)により制御および動作されてもよい。
【0026】
制御システム56またはその他の制御装置は、制御プログラム134の一部をなすプログラムされた命令のセットに基づいてテープ制御モジュール84の横向き位置を制御および調整する。これらのプログラムされた命令は、製造されている複合構造物57(図1)の幾何学形状および/または層構成に部分的に基づいていてもよい。機械的駆動装置132a、132bの各々は、対応する群84a、84bのテープ制御モジュール84に結合されている。調整システム120a、120bの各々は、群84a、84bのテープ制御モジュール84の1つ以上の横向き位置を個別にまたはまとめて調整してもよい。上に触れたように、テープ制御モジュール84の1つ以上の横向き位置は、テープ連続体86のバンド幅87がレイダウンされている際に動的に調整されてもよい。
【0027】
図12は、上に説明した技術を用いて複合テープをレイアップする方法の工程を示している。136において、上記テープ制御モジュール84を用いてテープの連続体86をレイアップする。138において、テープ連続体が布設されている際にモジュール84の少なくとも1つの横向き位置を調整し、これにより、テープ連続体86の少なくとも1つの横向き位置を調整する。
【0028】
本開示の実施形態は、例えば航空宇宙、海運および自動車用途を含む輸送産業において特にさまざまな適用可能性のある用途があるかもしれない。当業者は、本発明の前出の実施形態が、本発明に対する数多くの代替案および変更の基礎を提供していることを理解するであろう。これらその他の変更もまた、本発明の範囲内である。よって、本発明は、本発明において正確に示され、かつ、説明されたものに限定されない。
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、複合テープをレイアップするための自動化された機械および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車、海運および航空宇宙産業において用いられるような複合構造物は、一般に自動繊維配置(AFP)機械と呼ばれる自動化された複合材料付与機械により製造することができる。航空機産業においてAFP機械を用いて、例えば、より幅広のバンドへと平行化される複合テープの比較的幅の狭い帯状片または「トウ」を製造工具上にレイアップすることにより、構造的形状およびスキンアセンブリを製造することができる。AFP機械は、典型的には6枚以上の複数のテープ帯状片を、単一の等角バンドを形成する連続的に縁部同士が接触した状態に位置合わせ、かつ、配置し、該バンドは、工具上に配置され、工具に押し付けられる。
【0003】
大型の複雑な積層アセンブリを製造するために、繊維配置ヘッドを用いた現在のAFP機械は、比較的動作自由度が高くてもよい。例えば、現在の配置ヘッドは、各テープ帯状片に対して別個の独立制御可能な切断器を設けることにより、隣接するテープ帯状片のいずれかまたはすべてをその他すべての帯状片から独立して付加したり、外したり、切断する能力を有していてもよい。
【0004】
非常に自由度および有効性が高い一方で、現在のAFP機械は、その生産性の点において制約があるかもしれない。例えば、現在のAFP機械は、位置合わせされたテープ連続体(courses)を縁部同士を突き合わせてレイダウンして単一のバンド幅を形成する複数のテープ供給部を有する単一のヘッドを使用している。ヘッドスピードが最適化されているような用途においては、生産性、すなわち、単位時間当たりにレイダウンされるテープの量のさらなる増加には、バンド幅を広げるためにさらなるテープ供給部をヘッドに設ける必要があるかもしれない。テープ供給部を追加することにより、より大型かつ複雑なヘッドとなるだけでなく、例えばより大型のヘッドは操縦が困難であることからいくつかの用途において自由度が制限される可能性もある。
【0005】
したがって、依然として、複合テープのレイダウン率を高める改善された方法および装置が必要とされている。
【発明の概要】
【0006】
数多くの開示されている実施形態にしたがって、テープを布設して複合部品を形成する方法を提供する。該方法は、複数のテープ制御モジュールのうちの少なくとも1つのテープ制御モジュールの横向き位置を、モジュールによりテープが布設されている際に調整することを含む。テープ制御モジュールの横向き位置は、隣り合うテープ間の距離が変更されるように調整し、横向き位置は、複数のテープ制御モジュールの進行方向に対して実質的に直交するよう向けられている。テープ制御モジュールの横向き位置は、予めプログラムされた命令のセットにしたがって自動的に調整されてもよい。
【0007】
数多くの他の実施形態にしたがって、複数の複合テープをレイアップすることにより複合部品を形成する方法を提供する。これらテープの少なくとも1本の横向き位置は、自動的に調整され、かつ、これらテープは、レイアップ中に集合してあるバンド幅のテープとなる。横向き位置の自動的調整は、プログラムされた制御システムを用いて行われる。調整工程は、2本の隣り合うテープの横向き位置を調整することを含んでもよい。
【0008】
さらに他の実施形態にしたがって、複合テープのバンドを基板の上方に付与する方法を提供する。該方法は、基板の上方でテープ付与ヘッドを移動させ、ヘッドの進行方向において互い違いになったヘッド位置から基板上に複合テープの複数の連続体をレイダウンすることを含む。連続体の少なくともいくつかの横向き位置は、ヘッドが基板の上方を移動している際に調整される。連続体の横向き位置の調整は、予めプログラムされた命令のセットにしたがって自動的に、かつ、テープ付与ヘッド上のテープ制御モジュールの横向き位置を調整することによって行われる。
【0009】
その他の実施形態にしたがって、複合部品を形成するためのテープレイアップ機械を提供する。該機械は、テープをレイアップするための複数のテープ制御モジュールと、モジュールのうちの少なくともいくつかの横向き位置を調整するための、モジュールと結合された手段とを含む。該機械は、制御システムと、制御システムにより用いられて、少なくともいくつかのモジュールの横向き位置をモジュールによりテープがレイアップされている際に調整するプログラムとをさらに含む。
【0010】
別の実施形態にしたがって、基板上に複合テープをレイアップするためのテープ付与機械を提供する。該機械は、進行方向に沿って基板の上方を移動可能なヘッドと、ヘッド上に取り付けられた搬送台とを含む。複数のテープ制御モジュールは、基板上にテープの連続体をレイアップするために搬送台上に取り付けられる。モータは、ヘッド上に取り付けられ、かつ、モータとモジュールとの間に結合された駆動装置は、ヘッド上の少なくともいくつかのモジュールの横向き位置を調整するために動作可能である。
【0011】
本発明のその他の特徴および利点は、添付の図面とともに解釈した以下に示す詳細な説明を考慮することにより、当業者にとって明らかとなるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、複合積層体を製造するためのシステムの全体ブロック図である。
【図2】図2は、自動制御ガントリー上に取り付けられた一対のテープ付与ヘッドの斜視図である。
【図3】図3は、図2に示した種類のガントリーを用いて積層体を製造するためのシステムの機能ブロック図である。
【図4】図4は、付与ヘッドのテープ制御モジュールとその他の構成部品との間の関係を示した機能ブロック図である。
【図5】図5は、幅の狭いテープ帯状片のバンドをレイダウンするためのテープ制御モジュールの代替形態を含むテープ制御モジュールのセットの斜視図である。
【図6】図6は、テープ制御モジュールの互い違いの群間のオフセットを示した、単一バンドを形成するテープ連続体の平面図である。
【図7】図7は、図6と同様の図であるが、幅の狭いテープの帯状片から形成されたバンドをレイダウンしているテープモジュールの追加を示した図である。
【図8】図8は、互い違いのテープ制御モジュールを有するテープ付与ヘッドの斜視図である。
【図9】図9は、16個のテープ制御モジュールを有する付与ヘッドによりレイダウンされるテープ連続体を示す平面図である。
【図10】図10は、図8に示されたテープ付与ヘッドの一部をなしていてもよい3つのテープ制御モジュールの正面図である。
【図11】図11は、テープ制御モジュールの横向き位置を調整するためのシステムのブロック図である。
【図12】図12は、複合テープをレイアップする方法の工程を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図面の図1および図2に特に言及して、数多くの実施形態は、工具59またはその他の基板の上方で複合テープ86のバンド87を付与することにより、複合構成部品または構造物、例えば、積層構造物57を製造するための、全体として番号50で示される装置に関する。多くの実施形態において、複合体製造装置50は、場合によってはここで「部品」57とも呼ばれる複合構造物を、製造されている部品57の輪郭(図示せず)に応じてテープ位置を調整することにより製造するよう構成されていてもよい。
【0014】
装置50は、1つ以上のテープ付与ヘッド58を含んでいてもよく、付与ヘッド58の各々は、少なくとも第1および第2のテープ制御モジュール群60a、60bを含む。付与ヘッド58の各々は、テープのバンドが付与される方向を導くために、1本以上の軸に沿って対応するヘッド58を移動させることのできるマニピュレータ52上に取り付けられている。マニピュレータ52は、複数の軸に沿った移動のために工作機械システム54上に取り付けられていてもよく、該システム54は、複数の軸に沿った工具の変位に一般的に用いられるさまざまな公知のシステムのいずれかを含んでいてもよい。マニピュレータ52、工作機械システム54および付与ヘッド58は、例えばNCまたはCNC制御装置に限定されないがこれらを含んでいてもよい1つ以上の制御システム56により制御されてもよい。
【0015】
ここで特に図2を参照して、装置50は、高置レール68上を直線移動するために対向端が該レール上に取り付けられたガントリービーム62を含むガントリーシステム55に限定されないが例えばこれを含んでいてもよい。ガントリービーム62は、レール68に沿ってガントリービーム62に動力供給するための歯車付駆動装置(図示せず)を備えたモータ70を含んでいてもよい。1つ以上のマニピュレータ52は、ガントリービーム62上に動作可能かつ移動可能に取り付けられていてもよく、各マニピュレータ52は、テープ付与ヘッド58を備えている。図2に示されている実施例において、2つのマニピュレータ52およびヘッド58は、単一のガントリービーム62の対向する側に取り付けられている。マニピュレータ52は、ガントリービーム62に沿ってマニピュレータ52を駆動するモータ(図示せず)により動力供給されていてもよい。モータ、マニピュレータ52および付与ヘッド58を図1の制御システム56および/またはその他のシステム(図示せず)に接続するために、さまざまな電気およびその他の線やケーブル(図示せず)が管(図示せず)内に封入されていてもよい。
【0016】
ここで、装置50のさらなる構成部品をブロック図の形態で図示する図3に注目する。多くの実施形態において、付与ヘッド58は、材料送り出しシステム58aおよびテープ位置合わせおよび付与ヘッド58bを広義に含むことができる。材料送り出しシステム58aは、テープまたはトウとして知られる細長いテープをテープ位置合わせおよび付与ヘッド58bへ送り出し、該テープ位置合わせおよび付与ヘッド58bが、細長いテープを基板へ付与することにより、積層体バンド幅を形成する74。ここで用いられているように、「複合繊維テープ」、「繊維テープ」、「テープ」および「テープ帯状片」は、さまざまな幅の広範なテープおよびトウを含むよう意図されている。複合テープは、適切な原材料供給部76から材料送り出しシステム58aへと供給される。上に述べたように、ガントリーシステム54aおよびテープ位置合わせおよび付与ヘッド58bの動作は、制御システム56(図1)により制御されている。
【0017】
テープ位置合わせおよび付与ヘッド58bのさらなる詳細を図4に示す。テープ位置合わせおよび付与ヘッド58bの各々は、基板(図示せず)上にテープ連続体86(図6参照)を出力する複数のテープ制御モジュール84を含んでいてもよい。下により詳細に説明するように、テープ制御モジュール84の各々は、テープ位置合わせおよび付与ヘッド58b上に取り外し可能に取り付けられることにより、モジュール84からの迅速な変更を可能としてもよい。モジュール84の各々は、あらゆる適切な手段により適切な動力、制御およびセンサ接続94に結合されていてもよい。テープ制御モジュール84の各々はまた、材料送り出しシステム58aにより供給されるテープをモジュール84に再装着するよう機能する再装着駆動装置88または独立したサーボ駆動装置に連結器96により接続されていてもよい。テープ制御モジュール84の例は、米国特許第4,699,683号明細書および米国特許公開No.2007/0029030A1に記載されており、これら両方の内容全体は、参照によりここに含まれる。
【0018】
ここで図5、図6および図7を参照して、下でより詳細に説明するように、開示されている実施形態によると、テープ制御モジュール84は、付与ヘッド58(図2参照)の進行方向110において互い違いになって、または、オフセットされている2つの交互の群84a、84bに配置されている。図5に示されているように、群84a内のモジュール84は、進行方向110を横切る方向126に延在する第1軸121に沿って実質的に位置合わせされている一方、群84b内のモジュール84は、第1軸121に実質的に平行に延在する第2軸123に沿って実質的に位置合わせされている。図6にもっともよく表されているように、この位置合わせおよび2つのモジュール84群間のオフセット関係の結果、対応するモジュール84a、84bに関連付けられた圧縮ロール112a、112bの中心線「A」および「B」は、進行方向110における距離「d」だけ離間されている。隣り合うテープ制御モジュール84間のオフセットまたは互い違いの量(距離「d」)は、予めプログラムされた値を用いて上に説明した制御システム56(図1)により自動的に調整されてもよい。
【0019】
モジュール群84a、84bは、実質的に縁部同士が突き合わされた配置となっているテープ連続体86a、86bを付与して、バンド幅「W」を有するテープバンド87(図7)を形成することができる。テープ制御モジュール84の群84a、84bを互い違いとした結果、いくつかの前に出たテープ連続体86aは、いくつかの後続のテープ連続体86bから空間的に前に出てレイアップされており、テープのバンド幅87は、上記いくつかの後続のテープ連続体86の後端119において複数のテープ連続体86の集合としてレイアップされている。
【0020】
図7は、モジュール群84a、84bのいずれかと位置合わせされたテープ位置合わせおよび付与ヘッド58b上に1つ以上のテープ制御モジュール84c(図5)が取り付けられていてもよい代替の実施形態を示している。テープ制御モジュール84cは、各々がテープ連続体86a、86bより幅の狭いテープ片116のバンド幅114を付与する。より幅の狭い個々のテープ片116により、テープバンド87のいずれの端においてもより高い解像度の外形117を達成することができる。
【0021】
集合バンド幅を制御することによってテープ連続体86の「誘導」を助けるか、または、その他の目的のために、「ピッチ」とも呼ばれる2つ以上のテープ制御モジュール84の中心線125間の距離を調整してもよいテープ付与ヘッド58の代替形態を示す図8にここで注目する。図示されている実施形態において、付与ヘッド58は、ヘッド58の進行方向110において互い違いとなっており、かつ、それぞれが図5に示されているテープ制御モジュール84の群84a、84bと同様のテープ連続体86a、86bを付与するテープ制御モジュール84の2つの群84a、84bを含む。付与ヘッド58は、制御システム56(図1)により制御および動作されてもよいテープ制御モジュール84の1つ以上に接続された適切なテープモジュール調整システム120を含んでいてもよい。下に説明するように、テープモジュール調整システム120は、横方向126において1つ以上のテープ制御モジュール84を横向きに変位させ、これにより、テープ連続体86の1つ以上の横方向位置を調整するよう機能するさまざまな公知の機械的および/または電気機械的装置および/またはアセンブリのいずれかを含んでいてもよく、ここで、横方向126は、付与ヘッド58の進行方向110に実質的に直交する。1つ以上のテープ制御モジュール84の横向き変位により、これに応じて、テープ連続体86a、86bの横向き位置が変化する。いくつかの実施形態のうちの1つでは、テープ制御モジュール84の群84a、84bは、制御システム56(図1)の一部をなす予めプログラムされた命令のセットに基づいて、調整機構120により互いに対して自動的に横向きに調整可能である一方、他の実施形態では、群84a、84bのいずれかまたは両方のテープ制御モジュール84は、別々に横向きに調整可能である。テープモジュール84間のピッチは、バンド幅87がレイダウンされる前に自動的に調整されてもよく、かつ/または、バンド幅87がレイダウンされている際に「その場で」動的に調整されてもよい。
【0022】
上に触れたように、テープ制御モジュール84の横向き位置を自動的に調整できることにより、各バンド87における対応するテープ連続体86a、86bの横向き位置を比較的正確に制御可能である。例えば、図9に示されているように、テープモジュール84間のピッチは、テープ連続体86a、86bの縁部同士が本質的に隣接するように隣り合うテープ連続体86a、86bの中心線127間の距離を調整するために、自動調整してもよい。テープモジュール84間のピッチの動的調整を通じて隣り合うテープ連続体86a、86bの横向き位置を自動的に制御することにより、特に複雑な輪郭を有する表面の上方でバンド87を「誘導する」能力が向上する可能性がある。したがって、レイアップされている部品57の輪郭に適合するため、または、さまざまなその他の目的のために、テープ制御モジュール84の横向きまたは横方向位置を調整してもよい。圧縮ロール112を通じてテープ制御モジュール84により印加される圧縮力は、予め設定されていてもよい一方で、他の実施形態においては、テープ連続体86がレイダウンされている基板の1つ以上の輪郭に基づいて圧力を調整してもよい。
【0023】
図10は、テープ制御モジュール84を自動的かつ独立して調整することができる方向を示している。第1群84bの一部をなすある1つのテープ制御モジュール84bは、第2群84aの一部をなす2つのテープ制御モジュール84aに対して軸方向にオフセットしている、または、互い違いになっている。モジュール84aは、第1共通X軸122に沿っていずれかの方向(X、−X)において横向きに調整可能である一方で、モジュール84bは、テープ付与ヘッド58(図8)の進行方向110においてX軸122からオフセットされたXX軸124に沿っていずれかの方向(XX、−XX)において横向きに変位可能である。上に触れたように、テープ制御モジュール84は、付与されるテープバンド87(図5)の誘導の助けとなり、かつ/または、複雑な基板形状および/または輪郭に対応するために、テープ連続体86が付与されている際にその場で動的に横向きに調整してもよい。
【0024】
ここで、テープ制御モジュール84の横向き位置の自動調整に用いられるシステムのさらなる詳細を示す図11に注目する。図示されている実施例では、テープ制御モジュール84の2つの互い違いの群84a、84bが示されているが、他の実施形態では、単一の群のテープ制御モジュール84しか用いられていない場合、テープモジュール84間のピッチの自動横向き調整を使用すると有利かもしれない。
【0025】
テープ制御モジュール84の各群84a、84bは、対応する搬送台128a、128b上の横向き調整のためにヘッド58(図1および図2)上に取り付けられている。搬送台128a、128bの各々は、限定されないが、ヘッド58の進行方向110(図5)を実質的に横切る方向へのヘッド58の横向き移動のためのテープ制御モジュールを取り付けかつ支持するさまざまな公知の種類の機械的支持体、トレイ、トラック、レールまたは類似の装置のいずれかを含んでいてもよい。テープモジュール調整システム120a、120bの各々は、ヘッド58上に取り付けられ、かつ、対応する機械的駆動装置132a、132bと結合されたモータ130a、130bを含む。モータ130a、130bの各々は、限定されないが、ステッパモータまたはサーボモータ(図示せず)のような空気式、油圧式または電気式であってもよい。機械的駆動装置132a、132bの各々は、限定されないが、ネジ駆動、歯車駆動、連結アセンブリまたはさまざまなその他の公知の機械的駆動機構のいずれかを含んでいてもよい。モータ130a、130bは、制御システム56またはその他のプログラムされた制御装置(図示せず)により制御および動作されてもよい。
【0026】
制御システム56またはその他の制御装置は、制御プログラム134の一部をなすプログラムされた命令のセットに基づいてテープ制御モジュール84の横向き位置を制御および調整する。これらのプログラムされた命令は、製造されている複合構造物57(図1)の幾何学形状および/または層構成に部分的に基づいていてもよい。機械的駆動装置132a、132bの各々は、対応する群84a、84bのテープ制御モジュール84に結合されている。調整システム120a、120bの各々は、群84a、84bのテープ制御モジュール84の1つ以上の横向き位置を個別にまたはまとめて調整してもよい。上に触れたように、テープ制御モジュール84の1つ以上の横向き位置は、テープ連続体86のバンド幅87がレイダウンされている際に動的に調整されてもよい。
【0027】
図12は、上に説明した技術を用いて複合テープをレイアップする方法の工程を示している。136において、上記テープ制御モジュール84を用いてテープの連続体86をレイアップする。138において、テープ連続体が布設されている際にモジュール84の少なくとも1つの横向き位置を調整し、これにより、テープ連続体86の少なくとも1つの横向き位置を調整する。
【0028】
本開示の実施形態は、例えば航空宇宙、海運および自動車用途を含む輸送産業において特にさまざまな適用可能性のある用途があるかもしれない。当業者は、本発明の前出の実施形態が、本発明に対する数多くの代替案および変更の基礎を提供していることを理解するであろう。これらその他の変更もまた、本発明の範囲内である。よって、本発明は、本発明において正確に示され、かつ、説明されたものに限定されない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複合テープ(86)を布設して複合部品(57)を形成する方法であって、複数のテープ制御モジュール(84a、84b)のうちの少なくとも1つのテープ制御モジュール(84)の横向き位置を、モジュール(84a、84b)によりテープ(86)が布設されている際に調整することを含む方法。
【請求項2】
前記調整工程が、隣り合うテープ(86)の中心線(127)間の距離が変更されるようにテープ制御モジュール(84)の横向き位置を調整することを含み、前記横向き位置が、複数のテープ制御モジュール(84a、84b)の進行方向(110)を実質的に横切る(126)請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つのテープ制御モジュール(84)の位置の調整が、プログラムされた命令(134)のセットにしたがって自動的に行われる請求項1に記載の方法。
【請求項4】
隣り合うテープ制御モジュール(84)の互い違いの配置を調整することをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項5】
テープ制御モジュール(84)の第1および第2の互い違いの群(84a、84b)の位置を、テープ制御モジュール(84)の進行方向(110)を実質的に横切る方向(126)において互いに対して調整することをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項6】
複数のテープ制御モジュール(86a、86b)により布設されたテープ(86)を集合させてバンド幅(87)とすることをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項7】
いくつかの前に出た(86a)テープ(86)が、いくつかの後続の(86b)テープ(86)から進行方向(110)において空間的に前に出て(d)レイアップされるようにテープ(86)をレイアップすることをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項8】
複合部品(57)を形成するためのテープレイアップ機械(50)であって、
テープ(86)をレイアップするための複数のテープ制御モジュール(84)と、
モジュール(84)のうちの少なくともいくつかの横向き位置を調整するための、モジュール(84)と結合された手段(120a、120b)と、
制御システム(56)と、
テープ(86)がモジュール(84)によりレイアップされている際に、前記少なくともいくつかのモジュール(84)の横向き位置を調整するために制御システム(56)により用いられるプログラム(134)と、
を含む機械。
【請求項9】
前記テープ制御モジュール(84)が、モジュール(84)の進行方向(110)において互いに対して互い違いになった第1および第2のモジュール群(84a、84b)を含む請求項8に記載の機械(50)。
【請求項10】
第1および第2の互い違いのモジュール群(84a、84b)におけるテープ制御モジュール(84)が、モジュール(84)の進行方向(110)を実質的に横切る方向(126)において交互に配置されている請求項8に記載の機械(50)。
【請求項11】
前記調整手段(120a、120b)が、
モータ(130a、130b)と、
前記モータ(130a、130b)を前記少なくともいくつかのモジュール(84)と結合する駆動装置(132a、132b)と、
前記モータ(130a、130b)の動作を制御するためのプログラムされた制御システム(56)と
を含む請求項8に記載の機械(50)。
【請求項12】
前記テープ制御モジュール(84)が、モジュール(84)の進行方向(110)において互いに対して互い違いとなっている第1および第2の群(84a、94b)に配置されている請求項8に記載の機械(50)。
【請求項13】
第1および第2のモジュール群(84a、84b)におけるテープ制御モジュール(84)が、モジュール(84)の進行方向(110)を実質的に横切る方向(126)において交互に配置されている請求項12に記載の機械(50)。
【請求項14】
前記少なくともいくつかのモジュール(84)の横向き位置を調整するための制御システム(56)により用いられるプログラム(134)をさらに含む請求項11に記載の機械(50)。
【請求項15】
モジュール(84)の進行方向(110)を実質的に横切る方向(126)における横向き調整のために自らの上に取り付けられたモジュール(84)を有する搬送台(128a、128b)をさらに含む請求項8に記載の機械(50)。
【請求項1】
複合テープ(86)を布設して複合部品(57)を形成する方法であって、複数のテープ制御モジュール(84a、84b)のうちの少なくとも1つのテープ制御モジュール(84)の横向き位置を、モジュール(84a、84b)によりテープ(86)が布設されている際に調整することを含む方法。
【請求項2】
前記調整工程が、隣り合うテープ(86)の中心線(127)間の距離が変更されるようにテープ制御モジュール(84)の横向き位置を調整することを含み、前記横向き位置が、複数のテープ制御モジュール(84a、84b)の進行方向(110)を実質的に横切る(126)請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つのテープ制御モジュール(84)の位置の調整が、プログラムされた命令(134)のセットにしたがって自動的に行われる請求項1に記載の方法。
【請求項4】
隣り合うテープ制御モジュール(84)の互い違いの配置を調整することをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項5】
テープ制御モジュール(84)の第1および第2の互い違いの群(84a、84b)の位置を、テープ制御モジュール(84)の進行方向(110)を実質的に横切る方向(126)において互いに対して調整することをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項6】
複数のテープ制御モジュール(86a、86b)により布設されたテープ(86)を集合させてバンド幅(87)とすることをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項7】
いくつかの前に出た(86a)テープ(86)が、いくつかの後続の(86b)テープ(86)から進行方向(110)において空間的に前に出て(d)レイアップされるようにテープ(86)をレイアップすることをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項8】
複合部品(57)を形成するためのテープレイアップ機械(50)であって、
テープ(86)をレイアップするための複数のテープ制御モジュール(84)と、
モジュール(84)のうちの少なくともいくつかの横向き位置を調整するための、モジュール(84)と結合された手段(120a、120b)と、
制御システム(56)と、
テープ(86)がモジュール(84)によりレイアップされている際に、前記少なくともいくつかのモジュール(84)の横向き位置を調整するために制御システム(56)により用いられるプログラム(134)と、
を含む機械。
【請求項9】
前記テープ制御モジュール(84)が、モジュール(84)の進行方向(110)において互いに対して互い違いになった第1および第2のモジュール群(84a、84b)を含む請求項8に記載の機械(50)。
【請求項10】
第1および第2の互い違いのモジュール群(84a、84b)におけるテープ制御モジュール(84)が、モジュール(84)の進行方向(110)を実質的に横切る方向(126)において交互に配置されている請求項8に記載の機械(50)。
【請求項11】
前記調整手段(120a、120b)が、
モータ(130a、130b)と、
前記モータ(130a、130b)を前記少なくともいくつかのモジュール(84)と結合する駆動装置(132a、132b)と、
前記モータ(130a、130b)の動作を制御するためのプログラムされた制御システム(56)と
を含む請求項8に記載の機械(50)。
【請求項12】
前記テープ制御モジュール(84)が、モジュール(84)の進行方向(110)において互いに対して互い違いとなっている第1および第2の群(84a、94b)に配置されている請求項8に記載の機械(50)。
【請求項13】
第1および第2のモジュール群(84a、84b)におけるテープ制御モジュール(84)が、モジュール(84)の進行方向(110)を実質的に横切る方向(126)において交互に配置されている請求項12に記載の機械(50)。
【請求項14】
前記少なくともいくつかのモジュール(84)の横向き位置を調整するための制御システム(56)により用いられるプログラム(134)をさらに含む請求項11に記載の機械(50)。
【請求項15】
モジュール(84)の進行方向(110)を実質的に横切る方向(126)における横向き調整のために自らの上に取り付けられたモジュール(84)を有する搬送台(128a、128b)をさらに含む請求項8に記載の機械(50)。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公表番号】特表2011−527648(P2011−527648A)
【公表日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−517527(P2011−517527)
【出願日】平成21年7月7日(2009.7.7)
【国際出願番号】PCT/US2009/049850
【国際公開番号】WO2010/005996
【国際公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【出願人】(500520743)ザ・ボーイング・カンパニー (773)
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月7日(2009.7.7)
【国際出願番号】PCT/US2009/049850
【国際公開番号】WO2010/005996
【国際公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【出願人】(500520743)ザ・ボーイング・カンパニー (773)
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
【Fターム(参考)】
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