説明

複数の反応装置を用いるメタン化アセンブリ

水供給部(108)と、メタン化対象のガスを含んでいるガス供給部(101)とを使用するメタン化アセンブリであって、反応装置アセンブリ(114)と、ガス配送冷却アセンブリとを含み、反応装置アセンブリ(114)は、複数のメタン化反応装置(114A、114B、114C)を有し、各メタン化反応装置は、反応装置アセンブリへ流入されたガスをメタン化する装置であり、ガス配送冷却アセンブリは、ガス供給部から各メタン化反応装置へガスを配送するとともに、供給部から供給された水と、次のメタン化反応装置に搬送される各メタン化反応装置から排出された排出物とを混合し、その混合物を次のメタン化反応装置に運ぶように適合されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、合成ガスのメタン化に関し、特に、メタン化を制御するための複数の反応装置を用いるメタン化アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
メタン化反応は、70年以上前から良く知られており、アンモニア合成、水素化プラントの精製、様々な原料油からの天然ガスの代替物の生産を含む、様々な工業プロセスで適用されてきた。メタン化は、一般的に、合成ガス(syngas)のようなガスから微量の酸化炭素を取り除くというガスの精製プロセスで用いられている。加えて、メタン化は、合成天然ガス(メタン)を生産するために使用されてきており、また、従来の燃料電池に適したメタンを含む合成ガスを生産するために、合成ガスを変化させるという使い道もある。
【0003】
特に、合成ガスのメタン化は、一酸化炭素や二酸化炭素等の酸化炭素と、合成ガス中の水素とからメタンと水を作り出す以下の反応を含む。
【0004】
CO+3H→CH+HO (1)
CO+4H→CH+2HO (2)
メタン化反応(1)と(2)は、ニッケルを含む触媒で満たされたメタン化反応装置中において約300℃で行われる。一般的に、水素化プラントで用いられる典型的なメタンを生成するガスの組成においては、一酸化炭素を1%変化させる毎に約74℃、二酸化炭素を1%変化させる毎に約60℃、温度は上昇する。
【特許文献1】米国特許番号3967936号明細書
【特許文献2】米国特許番号4205961号明細書
【特許文献3】米国特許番号4298694号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
メタン化反応(1)と(2)は、発熱する性質があるため、合成ガスのメタン化の間、メタン化反応装置中の温度は、反応装置の触媒のオーバーヒートを防ぐため制御されなければならない。また、高温は、平衡の観点から望ましくなく、メタンの形成は低温が好ましいため、合成ガスのメタンへの変化量が減少する。反応装置の触媒の煤の形成もまた懸念され、合成ガスへの水を加えることが要求される。さらに、ある種の燃料電池の用途においては、その燃料電池は、その燃料電池スタックの中で、メタンの改良が行われることを要求する。熱を改良した吸熱性のメタンは、スタック熱の管理を促進し、新鮮な空気の必要性を緩和し、全体的な発電装置の効率を向上させる。
【0006】
このため、従来、メタン化反応の温度を制御するための様々な方法が提案されている。特に、直列に接続された複数のメタン化反応装置を用いる従来のアセンブリは、発熱性のメタン化反応の間の温度上昇を制限するために使用されてきた。例えば、米国特許番号3967936は、2またはそれ以上の直列に接続されたメタン化反応領域と、反応領域の間に複数の急冷領域を配置し、各々の反応領域から現れる流出ガスを急冷するために、急冷領域に給送ガスと冷たい再利用されたガスとの混合ガスが配送される使用について示している。加えて、米国特許番号4205961は、直列に接続された2の低温メタン化反応装置に先行して、直列に接続された2の高温メタン化反応装置を有する、合成ガスのメタン化のためのメタン化アセンブリを開示している。ここでは、ボイラーと水が給送される熱交換器が、1の反応装置から出て別の反応装置に給送される流出物を、熱交換によって冷やすために用いられる。
【0007】
従来のメタン化方法はまた、2つ以上の給送ガスの流れを処理するために直列及び並列に接続された複数のメタン化反応装置を用いてきた。例えば、米国特許番号4298694は、第1の部分の流れは、第1のメタン化反応装置でメタン化されるように、第1の反応装置からの冷却された流出物は、第2の部分の流れと混合されて第2のメタン化反応装置でメタン化されるように、酸化炭素を豊富に含む給送ガスが2の部分の流れに分けられる触媒メタン化方法を開示している。その‘694特許で開示される方法は、第1の反応装置から出る流出物を冷やすために、飽和蒸気を供給する熱交換器を使用する。
【0008】
従来のメタン化反応中の温度制御方法は、複数の熱交換器と、流出ガスを冷却してメタン化反応装置のオーバーヒートを防止するガス再利用のための構成材とを含む複雑な装置の使用が要求される。加えて、従来のメタン化反応は、第1の反応装置の反応体に蒸気を加えることによって、メタン化反応装置内のメタン化触媒に煤の形成の制御をしていた。
【0009】
従って、望ましい温度とメタンの組成となるガスを作り出すために温度の制御が改良された、複数の反応装置を用いるメタン化アセンブリを提供するということが、本発明の目的である。
【0010】
また、複数の反応装置と、メタン化触媒の煤の堆積を防止し、メタン化反応装置の温度を制御するための冷却媒体としての水を直接注入する注入部とを用いるメタン化アセンブリを供給するということが、本発明のさらなる目的である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の原理によれば、上記または他の目的は、水供給部と、メタン化対象のガスを含んでいるガス供給部とを使用するメタン化アセンブリであって、反応装置アセンブリと、ガス配送冷却アセンブリとを含み、反応装置アセンブリは、複数のメタン化反応装置を有し、各メタン化反応装置は、反応装置アセンブリへ流入されたガスをメタン化する装置であり、ガス配送冷却アセンブリは、ガス供給部から各メタン化反応装置へガスを配送するとともに、供給部から供給された水と、次のメタン化反応装置に搬送される各メタン化反応装置から排出された排出物とを混合し、その混合物を次のメタン化反応装置に運ぶように適合されているメタン化アセンブリで実現される。本発明ではさらに、ガス配送冷却アセンブリは、さらに、水供給部から供給された水と、複数のメタン化反応装置うちの、第1のメタン化反応装置に配送されるガス供給部からのガスとを混合するように適合している。
【0012】
本発明の実施例は以下に開示される。すなわち、3つのメタン化反応装置が用いられ、ガス配送冷却アセンブリは、1つ以上の水注入部と1つ以上のガス分割部と1つ以上の水の経路指定部とこれらの部分を繋ぐ接続ラインとを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1は、本発明の本質であるメタン化アセンブリ100を説明する。合成ガス供給部101と冷却液体である水の供給部108は、合成ガスと水とをメタン化アセンブリ100に配送し、その後、アセンブリ100は、燃料電池システム120に配送するためのメタン化された合成ガスを生成する。
【0014】
図示されるように、アセンブリ100は、連続する3つの断熱性を有するメタン化反応装置114A、114Bと114Cを含む、メタン化反応装置アセンブリ114を含んでいる。それぞれのこれら反応装置は、上述の(1)と(2)の反応に従って、メタンと水を作り出すため、触媒存在下で合成ガスに含まれる酸化炭素と水素を反応させるように構成される。
【0015】
図1でまた示すように、本発明によれば、メタン化アセンブリ100は、さらに、反応装置に投入される流れ(ストリーム)及び反応装置から排出される流れを所定の温度に保つために、合成ガス供給部101から供給される合成ガスと水供給部108から供給される水とを、3のメタン化反応装置114A−114Cへ配送するように適合した、ガス配送冷却アセンブリ100Aを含む。特に、アセンブリ100Aは、合成ガス供給部101からの合成ガスを複数の部分または複数の流れに分割し、それぞれの流れをメタン化反応装置114A−114Cのうち異なるメタン化反応装置に搬送するように適合している。加えて、アセンブリ100Aは、さらに、水供給部108からの水と、排出物を冷却するために次の反応装置に搬送されるそれぞれの反応装置の排出物とを混合し、その混合物を次の反応装置に運ぶように適合している。
【0016】
図1に示されるように、3つの合成ガスの流れが生成され、それぞれが、異なるメタン化反応装置114A−114Cに運ばれる。水供給部からの一部と第1のメタン化反応装置114Aに給送される合成ガスは、最初に、交換機(合成ガスヒータ)で加熱され、第1のメタン化反応装置114Aからの一部メタン化された合成ガス排出物は、水とさらなる合成ガスと混合され、その混合物は、第2のまたは次の反応装置114Bに運ばれ、その間に、第2のメタン化反応装置114Bからの一部メタン化された合成ガス排出物が、水とさらなる合成ガスと混合され、そして、その混合物は第3のまたは次の反応装置114Cに運ばれる。
【0017】
メタン化反応装置114A−114Cのそれぞれは、合成ガス中の酸化炭素と水素とのメタン化反応を促進するために触媒を含んでいる。ニッケル触媒は、少なくとも、熱的及び化学的に焼結するという欠点があるが、この触媒は、メタン化反応を促進するのに最も一般的に使われる。このため、メタン化アセンブリ100の性能を効果的にするために、すなわち50%よりも高い、高ニッケル濃度の触媒が114A−114Cの反応装置には好ましい。このような触媒は、普通、希釈されていない合成ガスの流れで、メタン化処理を行っている際、熱的及び化学的な焼結に対して安定である。代わりに、メタン化に向けて活性及び選択的にする他の安定な触媒をメタン化反応で使うこともできる。
【0018】
ガス配送冷却アセンブリ100Aは、上記のとおり、合成ガスヒータ102、合成ガスの流れに分割する第1及び第2のユニット104と106、水の経路を決定する第1及び第2のユニット110と112、第1及び第2の注水ユニット116と118、接続するための導管またはライン122−146を、アセンブリに設けることによって機能する。図1に示されるように接続ライン122は、供給部101から第1の合成ガスの流れの分割ユニット104まで合成ガスに含まれる酸化炭素を運ぶ。また、図示されるように、接続ライン131は、水供給部108から水の経路を決めるユニット110まで水を運ぶ。
【0019】
水の経路を決めるユニット110では、受け取った水は、すなわち、第1の水の流れがライン132の経路となり第2の水の流れがライン134の経路となるように、2つの水の流れに分割される。同様に、合成ガス供給部101からの合成ガスは、第1の合成ガスの流れの分割ユニット104によって2つの合成ガスの流れに分割される。第1の合成ガスの流れは、ライン124を通って誘導され、一方、第2の合成ガスの流れは、合成ガスを分割する第2のユニット106と結合しているライン126を通って誘導される。
【0020】
合成ガスを分割する第2のユニット106が受け取った第2の合成ガスの流れは、さらに、このユニットによって、すなわち第3及び第4の合成ガスの流れであるさらなる2つの流れに分割される。第3及び第4の合成ガスの流れは、その分割するユニットによって、ライン128及び130にそれぞれつながる。
【0021】
同様に、第1の水の経路を決めるユニット110からの第2の水の流れは、ライン134によって、第2の水の経路を決めるユニット112に運ばれる。第2の水の経路を決めるユニット112は、さらに、第2の水の流れをそれぞれライン135及び138につながる第3及び第4の水の流れに分割する。
【0022】
ライン124を通って移動する第1の合成ガスの流れに戻ると、それは、ライン132を通って運ばれた第1の水の流れを受け取る。この流れの水の量は、給送された流れまたは合成ガスの流れの組成物における炭素に対する蒸気の比率が、煤の形成を防止し続け、一次関数となるように、決定される。第1の合成ガスの流れと第1の水の流れとの混合物は、それから、熱交換器102を通り、そこで約500°Fに加熱され、合成ガスと蒸気の混合物を形成する。図1に記載されているように、もし、メタン化アセンブリ100が燃料電池システム120とともに使用されのであれば、燃料電池のカソードによる排気(不図示)からの熱は、熱交換器102で合成ガスと水の混合物を加熱するのに使用されてもよい。
【0023】
得られた合成ガスと蒸気の混合物は、さらに、ライン124を通って第1のメタン化反応装置114Aに運ばれ、ここで、触媒存在下、合成ガス中の酸化炭素と水素の一部を反応させることによって、合成ガスは、一部、メタン化される。第1の反応装置114Aでの合成ガスのメタン化発熱反応の結果として、一部メタン化された合成ガスの排出物は、約1000°Fの温度で、ライン136を通って反応装置114Aから排出される。
【0024】
ライン136は、その熱せられ一部メタン化された合成ガスの排出物を、メタン化反応装置114Aから、ライン135から第3の水の流れも受け取る第1の注水ユニット116まで運ぶ。このユニットで、その熱い合成ガスの排出物は、第3の水の流れが気化することにより冷却され、その一部メタン化された合成ガスと蒸気の混合物を含む冷却された排出物は、接続ライン128からの第3のガスの流れも受け取る接続ライン140を通過する。煤の形成を防止するための水の注入後に、次の段階の合成ガスが加えられることが重要である。その第3のガスの流れは、より多くの合成ガスの反応をもたらし、さらに、この排出物及び冷却された一部メタン化された合成ガスと蒸気と新たな合成ガスとの混合物を結果として約450°Fの温度に冷却し、それから、ライン140によって第2のメタン化反応装置114Bへつながる。
【0025】
この反応装置では、メタン化された合成ガスと蒸気と新たな合成ガスとの混合物は、さらに、触媒存在下、一部、メタン化される。さらに、一部メタン化された合成ガスの排出物は、それから、約1000°Fの温度で、ライン142を通って第2のメタン化反応装置114Bから排出される。
【0026】
図1に示すように、第2のメタン化反応装置114Bからの排出物と、第2の水の経路を決めるユニット112からの第4の水の流れは、それぞれライン142及び138によって、第2の注水ユニット118に運ばれる。第2の注水ユニット118では、第2の反応装置からの排出物と第4の水の流れとがその排出物を冷却するために混合され、ライン144に配送される一部メタン化された合成ガスと蒸気との混合物の温度をさらに下げることとなる。このラインはまた、さらなる反応と冷却をもたらすライン130からの第4の合成ガスも受け取り、ライン144中に、約450°Fの温度の一部メタン化された合成ガスと蒸気と新たな合成ガスの排出物の流れをもたらす。
【0027】
第3のメタン化反応装置114Cでは、合成ガスと蒸気の混合物は、合成ガス中に存在するさらなる酸化炭素と水素をメタンと水に変換させるために、触媒の存在下、さらにメタン化される。メタンと未変換の合成ガスとを含むメタン化された合成ガスは、約900°Fの温度で、ライン146を通って反応装置114Cから排出される。第3の反応装置114Cから排出されるメタン化された合成ガスは、それから、燃料電池システム120に給送され、そこで、それは、そのシステムの燃料電池が備えるアノード用の燃料ガスに変換される。
【0028】
図1のシステム100では、第3及び第4の合成ガスの流れは、反応装置114B及び114Cに給送するライン140及び144につながっていた。代わりに、その流れは、点線で示されるライン128A及び130Aによって、注水ユニット116及び118のそれぞれに直接給送されてもよい。
【0029】
上記から理解でき、また下記の実施例で示されるように、メタン化反応装置114A−114Cに入出する流れの投入口(インレット)及び排出口(アウトレット)での温度は、反応装置114A−114Cのそれぞれに配送される新たな合成ガスの合計の比率と、水の経路を決めるユニット110及び112によって注水ユニット116及び118に送られる水の合計の比率を変えることによって制御できる。
【実施例1】
【0030】
本実施例では、合成ガス供給部101から配送される合計の約3分の1の合成ガスと、水供給部108からの合計の約55%の水が、500°Fの温度、35psiaの圧力で、混合され、第1のメタン化反応装置114Aに給送される。
【0031】
第1のメタン化反応装置114Aから排出される一部メタン化された合成ガスは、乾燥量基準で約7モルパーセントのメタンを含み、約1014°Fの温度である。この一部メタン化された合成ガスは、注水ユニット116で、アセンブリ100に配送される合計の量の約22.5%の水を含む第3の水の流れと混合される。一部メタン化された合成ガスと水との混合結果物は、注水ユニット116で冷却され、その後、第2の合成ガス分割ユニット106から運ばれる第3の合成ガスの流れと混合される。第3の合成ガスの流れは、合計の約3分の1の合成ガスを含む。合成ガスと上記の混合結果物は、約467°Fの温度であり、第2の反応装置114Bに運ばれる。
【0032】
第2のメタン化反応装置114Bから排出される、さらにメタン化された合成ガスは、乾燥量基準で約12モルパーセントのメタンを含み、排出口での温度は約964°Fである。この一部メタン化された合成ガスは、アセンブリ100に配送される合計量の約22.5%の水を含む第2の注水ユニット118で冷却される。第3のメタン化反応装置114Cに入る前に、一部メタン化された合成ガスと水との混合物は、そのアセンブリに配送される合計の合成ガスのうちの残り、すなわち合計の約3分の1の合成ガスが含まれる第4の合成ガスの流れと混合される。第3のメタン化反応装置114Cに投入されるガス混合物の投入口での温度は、約584°Fである。第3の反応装置114Cでのメタン化を経た後、メタン化された合成ガスは、乾燥量基準で約14モルパーセントのメタンを含み、約947°Fの温度で反応装置114Cから排出される。この合成ガスは、それから燃料電池システム120に運ばれ、ここで、そのシステムの燃料電池が備えるアノード用燃料として使用される。
【実施例2】
【0033】
本実施例では、合成ガス供給部101から配送される合成ガスは、合計の約40%の合成ガスが第1のメタン化反応装置114Aに配送されるように、第1の合成ガス分割ユニット104によって分割される。第2の合成ガス分割ユニット106は、さらに、第2のメタン化反応装置114Bに運ぶための合成ガスを合計の30%に、第3のメタン化反応装置114Cに運ぶための合成ガスを合計の30%になるように、残りの60%の合成ガスを均等に分割する。水供給部108から配送される水は、(一酸化炭素及びメタンからの)炭素に対する水のモル比が3.2以上に保たれるように、水の経路を決めるユニット110及び112によって分割される。本実施例では、メタン化反応装置114A−114Cの動作中の最大温度1002°Fであり、最終的なメタンの含有量は、15.1体積%(乾燥量基準)である。
【0034】
上述した合成ガスと水の配分の実施例は、注水ユニット116及び118に続く接続ラインに合成ガスが配送される場合と、直接注水ユニットに合成ガスが配送される場合の両方の、図1のメタン化アセンブリの配置で使用できる。加えて、供給部101からメタン化アセンブリ100に配送される合成ガスは、アセンブリ100に投入される前に含硫黄化合物を除去する前処理が実施されていてもよい。
【0035】
上述した実施例のシステムは、燃料電池における低圧と一致した低い圧力で動作されたことに注意すべきである。しかしながら、本発明のシステムは、高い圧力でも同様に動作できることは意図されている。高い圧力での動作は、高い圧力下でメタンの生産が有利となる平衡であるような状況では、好ましい。
【0036】
図1のシステムが3のメタン化反応装置の使用を示す一方、本発明は、2またはそれ以上の反応装置が使われるシステムもまた対象とすることを意図することに、さらに注意すべきである。使用された反応装置の数、ガス及び水を供給する供給部の望ましい区分は、もちろん、システムの要求及び個々の用途によるものである。
【0037】
一般的に、反応装置の数が増加すれば、メタンへの変換を増やす、反応装置排出口の平均温度を下げ、第1の反応装置に投入される反応物質の余熱に必要となる熱量を削減する。また、加えられる水の合計量は、煤の形成を防止するのに必要な水の量によって決められる。特に、煤の形成を防止するために、適切な比率で、反応ガスに水が加えられなければならない。熱いガスが、煤によって非活性化されているかもしれない触媒中を通る場合、これは特に重要である。そのため、合成ガスの全てを、第1の反応装置に加えることはできないが、冷却のために付加的に水が加えられた後、合成ガスの一部が、加えられなければならない。
【0038】
一般的に、合成ガスは、均等にそれぞれの反応装置に分割される。加えて、水もまた、おおよそ均等にそれぞれの反応装置に分割されるが、反応装置の温度を好ましい範囲で制御するため、少量だけ多い水が第1の反応装置に加えられてもよい。
【0039】
いずれにせよ、上記の構成が、本発明の装置を示す、多くの考えうる特定の具体例の単なる実施例であるということを理解できよう。例えば、メタン化アセンブリに追加されるメタン化反応装置へ合成ガスと水の流れを供給するために、合成ガスと水の流れをさらに分割するようにしてもよい。さらに、反応装置間での合成ガスと水の分割は、メタン化反応装置の温度を好ましい温度に保ち、一部メタン化された合成ガスの組成を保つために変更されてもよい。多種多様なその他の構成は、本発明の精神及び範囲から離れることなく、本発明の本質に従って容易に考え出せる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】図1は、本発明の本質であるメタン化アセンブリを示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水供給部とメタン化対象のガスを備えているガス供給部とに対応したメタン化アセンブリであって、
反応装置アセンブリと、
ガス配送冷却アセンブリと
を含み、
前記反応装置アセンブリは、該反応装置アセンブリに流入するガスをそれぞれメタン化する複数のメタン化反応装置を含み、
前記ガス配送冷却アセンブリは、前記ガス供給部から各メタン化反応装置へガスを配送し、前記水供給部から供給された水と、次のメタン化反応装置に搬送されることになっている各メタン化反応装置の排出物とを混合し、その混合物をそれぞれ次のメタン化反応装置に運ぶように適合していることを特徴とするメタン化アセンブリ。
【請求項2】
前記配送冷却アセンブリは、さらに、前記水供給部から供給された水と、前記複数のメタン化反応装置のうちの、第1のメタン化反応装置に配送される前記ガス供給部からのガスとを混合するように適合していることを特徴とする請求項1に記載のメタン化アセンブリ。
【請求項3】
前記配送冷却アセンブリは、さらに、水とガスの前記混合物を加熱するように適合していることを特徴とする請求項1に記載のメタン化反応装置。
【請求項4】
前記ガス配送冷却アセンブリは、ガスを、前記次のメタン化反応装置に搬送される混合物に、前記混合物の生成後または前記混合物の生成中のいずれかに、加えることによって、前記ガス供給部からそれぞれの次のメタン化反応装置までガスを配送することを特徴とする請求項1に記載のメタン化アセンブリ。
【請求項5】
前記ガス配送冷却アセンブリは、1つまたは複数の注水ユニットを有し、各注水ユニットは、前記水供給部から供給された水を、次のメタン化反応装置に搬送される混合物を冷却するための前記メタン化反応装置の排出物と混合することを特徴とする請求項4に記載のメタン化アセンブリ。
【請求項6】
前記ガス配送冷却アセンブリは、さらに、前記ガス供給部からのガスを複数のガスの流れに分割するための1つまたは複数のガス分割ユニットを有し、分割されてなる各ガスの流れは、それぞれ異なる前記メタン化反応装置に配送されることを特徴とする請求項5に記載のメタン化アセンブリ。
【請求項7】
前記ガス配送冷却アセンブリは、さらに、1つまたは複数の接続ラインを有し、各接続ラインは、それぞれ前記注水ユニットと各メタン化反応装置を接続することを特徴とする請求項6に記載のメタン化アセンブリ。
【請求項8】
複数の前記ガスの流れは、それぞれ前記接続ラインの1つへと配送されることによって、各メタン化反応装置に搬送されることを特徴とする請求項7に記載のメタン化アセンブリ。
【請求項9】
前記ガス配送冷却アセンブリは、さらに、前記複数のメタン化反応装置うち、第1のメタン化反応装置に接続されるさらなる接続ラインを有し、前記複数のガスの流れのうちの1つの流れを前記さらなる接続ラインへと配送することによって該1つの流れを前記第1のメタン化反応装置に搬送し、
前記ガス配送冷却アセンブリは、さらに、前記水供給部から前記さらなる接続ラインへ水を搬送するよう適合していることを特徴とする請求項8に記載のメタン化アセンブリ。
【請求項10】
前記ガス配送冷却アセンブリは、さらに、前記さらなる接続ライン中の水とガスの混合物を加熱するための熱交換器を有することを特徴とする請求項9に記載のメタン化アセンブリ。
【請求項11】
前記メタン化反応装置の数が3であることを特徴とする請求項10に記載のメタン化アセンブリ。
【請求項12】
複数の前記流れのそれぞれは、異なる1つの前記配送冷却アセンブリへと配送されることによって、前記メタン化反応装置に搬送されることを特徴とする請求項7に記載のメタン化アセンブリ。
【請求項13】
前記ガス配送冷却アセンブリは、さらに、前記複数のメタン化反応装置うちの、第1のメタン化反応装置に接続されるさらなる接続ラインを有し、前記複数のガスの流れのうちの1つの流れを前記さらなる接続ラインへ配送することによって、該1つの流れを前記第1のメタン化反応装置に搬送し、
前記ガス配送冷却アセンブリは、さらに、前記水供給部から前記さらなる接続ラインへ水を搬送するよう適合していることを特徴とする請求項12に記載のメタン化アセンブリ。
【請求項14】
前記ガス配送冷却アセンブリは、さらに、前記さらなる接続ライン中の水とガスの混合物を加熱するための熱交換器を有することを特徴とする請求項13に記載のメタン化反応装置。
【請求項15】
前記メタン化反応装置の数が3であることを特徴とする請求項14に記載のメタン化アセンブリ。
【請求項16】
前記ガスが合成ガスであることを特徴とする請求項1に記載のメタン化アセンブリ。
【請求項17】
前記メタン化反応装置は、それぞれ、触媒を含むことを特徴とする請求項1に記載のメタン化アセンブリ。
【請求項18】
前記触媒は、ニッケルを有することを特徴とする請求項17に記載のメタン化アセンブリ。
【請求項19】
前記触媒は、50%より高濃度のニッケルを有することを特徴とする請求項18に記載のメタン化アセンブリ。
【請求項20】
前記メタン化アセンブリは、前記メタン化反応装置を3つ有することを特徴とする請求項1に記載のメタン化アセンブリ。
【請求項21】
水供給部及びメタン化対象のガスを備えているガス供給部とともに使用するためのメタン化アセンブリを有し、
前記メタン化アセンブリは、反応装置アセンブリと、
ガス配送冷却アセンブリと
を含み、
前記反応装置アセンブリは、該反応装置アセンブリに流入されるガスをそれぞれメタン化する複数のメタン化反応装置を含み、
前記ガス配送冷却アセンブリは、前記ガス供給部から各メタン化反応装置へガスを配送し、前記水供給部から供給された水と、次のメタン化反応装置に搬送されることになっている各メタン化反応装置の排出物とを混合し、その混合物をそれぞれ次のメタン化反応装置に運ぶように適合しており、
前記メタン化アセンブリからの排出物を受け取るための燃料電池システムを有することを特徴とする装置。
【請求項22】
前記ガス配送冷却アセンブリは、さらに、前記水供給部から供給された水を、前記複数のメタン化反応装置うちの、第1のメタン化反応装置に配送される前記ガス供給部からのガスと混合するように適合していることを特徴とする請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記ガス配送冷却アセンブリは、さらに、水とガスの前記混合物を加熱するように適合していることを特徴とする請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記メタン化反応装置の数が3であることを特徴とする請求項23に記載の装置。
【請求項25】
前記ガスが合成ガスであることを特徴とする請求項21に記載の装置。
【請求項26】
前記メタン化反応装置は、それぞれ、触媒を含むことを特徴とする請求項21に記載の装置。
【請求項27】
前記触媒は、ニッケルを有することを特徴とする請求項26に記載の装置。
【請求項28】
前記触媒は、50%より高濃度のニッケルを有することを特徴とする請求項27に記載の装置。

【図1】
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【公表番号】特表2007−533662(P2007−533662A)
【公表日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−507299(P2007−507299)
【出願日】平成16年11月2日(2004.11.2)
【国際出願番号】PCT/US2004/036525
【国際公開番号】WO2005/103211
【国際公開日】平成17年11月3日(2005.11.3)
【出願人】(502197161)フュエルセル エナジー, インコーポレイテッド (44)
【氏名又は名称原語表記】FUELCELL ENERGY, INC.
【住所又は居所原語表記】3 Great Pasture Road, Danbury, CT 06813, U.S.A.
【Fターム(参考)】