説明

複数の撮像体の画像から裸眼立体視可能な立体画像を生成する簡易撮像装置

【課題】複数のカメラにて裸眼立体視可能となるような画像を取得する場合、被写体に対して離れた位置に配置されたカメラほど、立体画像の生成には不要な部分が大きくなり、レンズや撮像デバイスの性能を十分に生かしきることができないという問題があった。
【解決手段】本発明の立体画像製造装置では、被写体から遠ざかる位置にある撮像デバイス(0102)ほど、レンズ(0101)に対してシフトさせて配置することで、撮像デバイスの性能を十分に生かすことができ、従来よりも低コストで同様の複数の画像を取得することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の撮像体の画像からレンチキュラ方式あるいはパララックスバリア方式にて裸眼立体視可能な立体画像を生成し、ユーザーに提供する立体画像製造装置及び立体画像製造方法の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
人物を立体的に撮影してレンチキュラ方式やパララックスバリア方式により立体的に表現することができれば、エンターテインメント用途として楽しい個人向けコンテンツとなり、セキュリティ用途としてより正確な人定評価の材料となる。しかしながら、その目的のために複数のカメラを正しい位置に必要な数だけ配置するのは困難なことであった。
【0003】
まず、物体を立体的に撮影するための装置について記載する。物体を立体的に撮影する装置では、物体を複数の方向から撮影するために、複数台のカメラを配置するか、一台のカメラを複数の位置に配置するか、一台のカメラの前で物体を移動させる必要がある。
【0004】
まず、一台のカメラの前で物体を移動させる方法について述べる。一台のカメラにて被写体を複数の方向から撮影するには、一般にレンチキュラシートにて立体視可能となるように物体を撮影する場合、被写体が一個のまとまった形であるときには、被写体をカメラの前で少しずつ回転させながら複数枚の写真を撮影して複数枚の撮影画像を取得する。この撮影方法を回転型とする。しかしながら、複数の被写体が横一列に並んでいるような場合や被写体群が或る一定以上の奥行きを持っている場合などでは、各写真間での回転中心から離れた部分の変移が大きくなりやすく立体画像を構築したときに非常に見にくいものになってしまいやすい。これを回避する為、このようなケースではカメラに対して被写体を回転するのではなく、カメラの前を被写体が横切るような水平方向に少しずつ移動しながら撮影する方法が望ましい。この方法を水平移動型とする。
【0005】
上記説明では、いずれも一台のカメラの前で被写体を少しずつ動かしていくのであるが、どちらの方法でも、被写体に対してカメラの配置位置を動かして撮影しても同じことである。更にカメラを移動して撮影するのではなく、予め複数のカメラを所定の位置に配置しておいて同時に撮影する場合には、上記の場合と同等の写真が得られるだけでなく、刻々変わる人間の表情なども或る一瞬のものを複数の方向から捉えることができる。この複数台のカメラの配置にも、上記の回転型に対応した配置と水平移動型に対応した配置がある。
【0006】
まず回転型のカメラ配置について述べる。回転型では元々カメラの前で被写体を回転するのであるから、これを複数のカメラの配置で実現しようとすれば、図17に示すように、カメラは被写体の中心から等距離の円弧上に配置されることになる。ここでは簡単のためにカメラA(1701)からカメラD(1704)まで4台のカメラで撮影することとし、それぞれのカメラの撮影範囲を撮影範囲a、b、c、dとする。この4台のカメラで得られた写真の撮影した面をそれぞれ撮影面a’、b’、c’、d’とする。
【0007】
このようにして得られた撮影面a’、b’、c’、d’の画像は、鑑賞時には図18に示すように、立体視可能となるように合成されて一枚の平坦なスクリーン(1801)に印刷することになるのである。二つの図を比較すればわかるとおり、図17における撮影面a’、b’、c’、d’は互いに交わる平面であるのに対して、図18における撮影面a’、b’、c’、d’の画像の配置は単一の平面に含まれている。これが意味することは、回転型の配置では正確な立体視は提供されず、鑑賞者の脳が近似的に立体感を感じているに過ぎないということである。
【0008】
例えば、図17で人物を撮影するときのカメラB(1702)とカメラC(1703)が図18での鑑賞者の左眼(1802)と右眼(1803)に(たまたま)対応している場合を考えると、図17における撮影面b’と撮影面c’はあまり大きな角度で交わらない方が良いことが判る。これは即ちカメラBとカメラCがあまり離れないほうが良いことを意味する。そしてその事はまた図18における両目の間隔が狭いこと即ち印刷された面からある程度離れて見る設定の方が良いことを示す。
【0009】
次に水平移動型のカメラ配置について述べる。水平移動型では元々カメラの前で被写体を横方向に移動するのであるから、これを複数のカメラの配置で実現しようとすれば、図19に示すように、カメラは被写体の前に横一直線に等間隔に配置されることになる。
【0010】
この配置は図18に示す画像の配置と相似であり、回転型配置より水平移動型配置のほうが立体視を提供するのに都合がよい理由がここにある。これらの技術は、例えば、特許文献1においても開示されている。
【0011】
また、特許文献2では、3D製版による背景画像をあらかじめ用意して、その背景に二次元の人物写真画像を合成することで、3D効果を奏する3D画像物に関する発明が開示されている。この人物写真画像を3D製版による印刷画像である場合には、3D画像物全体から3D効果を有する画像物を取得できる。
【特許文献1】特開2005−45824
【特許文献2】特開2004−246033
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、上記の水平移動型の配置の場合であっても、特有の不都合な部分が図19から看取できる。例えば、図19のカメラAに着目してみる。通常のレンズと撮像デバイス(フィルムやCCD)の関係を当て嵌めると、図20に示すように、撮影した画像のうち、被写体の立体画像を生成するために必要な範囲はP-R間のみであるにも関わらず、S-R間が撮像デバイスに結像することになる。実際にはS-P間に当たる画像は立体画像の生成には寄与しない不要な部分である。このように、被写体に対して離れた位置に配置されたカメラほど、立体画像の生成には不要な部分が大きくなり、カメラの性能を十分に生かしきることができないという問題があった。
【0013】
また、これらの複数の撮像画像を得るためには、複数のカメラを用意して配置するか、一台のカメラを正確な位置に次々に移動して配置していかなければならない。複数のカメラを用意する場合には、かなりの費用を要し、これらの撮影を専門に行っている業者ではない一般の人には用意することが困難である。したがって、結局は専門店にて撮影しなければいけないなど、気軽に立体画像を楽しむことはできなかった。一方、一台のカメラを次々に移動して配置する場合には、カメラ位置を正確に配置するための高度の技術が必要であり、やはり一般の人が気軽に立体が画像を楽しむことは難しかった。また、被写体が人物などの場合には、カメラを移動している間に僅かに動いてしまい、精密な立体画像を生成するための撮像画像が得られなかった。
【0014】
さらに、特許文献2では、予め用意された背景画像と人物画像を両方とも立体画像とすることで、全体から3D効果を有する画像物を取得することができるとされているが、人物などの被写体の立体画像を容易に取得する方法についてはなんら開示されていない。人物と背景との双方が立体視可能となるような画像を取得する場合、背景については既存の3DCG技術を用いて予め装置に記憶させておくことができるが、実際に人物や物体をその場で撮影した写真から立体画像を合成する場合には、被写体を様々な方向から撮影して複数の画像を取得する必要がある。しかし、このような複数の画像を取得するためには、上記のとおり、様々な課題が生じていた。特許文献2では、この点における課題は未だ解決しておらず、依然として残存している。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決するために、第一発明では、並列に配置される複数のレンズと、各レンズに対応して並列に配置される複数の撮像デバイスと、からなり、複数の撮像デバイスは、全ての撮像デバイスにおいて対応するレンズを介して共通する一の被写体領域が略中心に投影される位置に配置される立体画像製造装置を提供する。第二発明では、第一発明に記載の立体画像製造装置であって、前記複数のレンズと、それに対応して配置される複数の撮像デバイスとは、それぞれ直線状に並列配置されている立体画像製造装置を提供する。 第三発明では、第一発明に記載の立体画像製造装置であって、前記複数のレンズと、それに対応して配置される複数の撮像デバイスとは、それぞれ曲線状に並列配置されている立体画像製造装置を提供する。
【0016】
第四発明では、第一発明から第三発明に記載の立体画像製造装置であって、前記複数のレンズと、複数の撮像デバイスとの相対的な配置は調整可能であり、前記配置を一の被写体領域をどこに定めるかに応じて調整するための調整部を有する立体画像製造装置を提供する。第五発明では、第四発明に記載の立体画像製造装置であって、調整部は、前記複数のレンズ又は/及び複数の撮像デバイスを載置した、一又は二以上の伸縮調整可能なパンタグラフである立体画像製造装置を提供する。第六発明では、第四発明又は第五発明に記載の立体画像製造装置であって、調整部は、複数のレンズと、複数の撮像デバイスとの間隔を調整するための撮像間隔調整用スクリューを有する立体画像製造装置を提供する。
【0017】
第七発明では、第一発明から第六発明のいずれか一に記載の立体画像製造装置であって、前記撮像デバイスにより撮像された画像をレンチキュラ方式又はパララックスバリア方式にて裸眼立体視可能となるように合成するための合成部をさらに有することを特徴とする立体画像製造装置を提供する。第八発明では、第七発明に記載の立体画像製造装置であって、前記調整部は、撮像画像に対して位置補正、歪み補正、色補正を含む補正を行うための補正手段を有することを特徴とする立体画像製造装置を提供する。第九発明では、第七発明または第八発明に記載の立体画像製造装置であって、前記合成部は、3Dデータを記憶するための記憶手段と、合成画像と3Dデータとを合成するための3Dデータ合成手段とを有することを特徴とする立体画像製造装置を提供する。
【0018】
第十発明では、被写体としての人が入るための撮影ボックスと、撮影ボックスの人を3D画像として撮影するための3D画像撮影部と、撮影された3D画像をプリント出力するプリント出力部と、を有する3D写真製造装置を提供する。第十一発明では、第十発明に記載の3D写真製造装置であって、3D画像撮影部として、第一発明から第九発明のいずれか一に記載の立体画像製造装置を用いた3D写真製造装置を提供する。
【0019】
第十二発明では、複数のレンズを並列に配置するレンズ配置ステップと、前記レンズ配置ステップにて配置された各レンズに対応した複数の撮像デバイスを、全ての撮像デバイスにおいて対応するレンズを介して共通する一の被写体領域が略中心に投影される位置に配置する撮像デバイス配置ステップと、前記撮像デバイス配置ステップにより配置された撮像デバイスによって撮像された画像を裸眼立体視可能となるように合成するための合成ステップと、からなる立体画像製造方法を提案する。
【発明の効果】
【0020】
以上のような構成をとる本発明の立体画像製造装置によると、被写体が存在する部分のみを効率的に撮像することが可能であり、撮像体の性能を十分に生かすことが可能である。このため、低コストのレンズ及び撮像デバイスを用いた場合であっても、従来技術と同様の精度で立体画像を生成することが可能である。したがって、立体画像製造装置全体を低コストで製造することができる。
【0021】
また、複数のレンズと複数の撮像デバイスとが一体形成されているため、同時に複数の撮像画像を取得することができ、被写体が人物などの動く場合であっても、撮影する瞬間のみ静止していれば、高精度の立体画像を容易に生成することが可能である。
【0022】
さらに、本発明の立体画像製造装置を組み込んだ3D写真製造装置では、調整部により専門業者でなくともレンズと撮像デバイスの配置位置を容易に調整することが可能であるため、一般の人でも簡単に立体画像生成のための複数画像を取得することができ、気軽に立体画像を生成してこれを楽しむことができる。このため、生成した立体画像をエンターテイメント用途として個人向けに楽しむことや、セキュリティ用途として人物認証等に幅広く使うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下に、図を用いて本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明はこれら実施の形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施しうる。なお、実施形態1は主に請求項1、2、12について説明する。実施形態2は主に請求項3について説明する。実施形態3は主に請求項4について説明する。実施形態4は主に請求項5について説明する。実施形態5は主に請求項6について説明する。実施形態6は主に請求項7、8、12について説明する。実施形態7は主に請求項9について説明する。実施形態8は主に請求項10、11について説明する。
【0024】
≪実施形態1≫
【0025】
(実施形態1の概念)本実施形態の立体画像製造装置は、複数のレンズと複数の撮像デバイスからなり、これらが独立して配置されることにより、一の被写体領域を略中心に投影することができる。図17乃至図20に示した通常のカメラでは、図19に示すように一のレンズと一のフィルムなどの撮像デバイスとが全てのレンズの光軸とこれに対応する撮像デバイスの中心における法線とが一致するように、レンズ及び撮像デバイスが配置されている。しかし、本実施形態における複数のレンズと複数の撮像デバイスとは、レンズの光軸と撮像デバイスの中心における法線とが必ずしも一致せず、全ての撮像デバイスにおいて対応するレンズを介して共通する一の被写体領域が略中心となるように配置されている。すなわち、本実施形態における立体画像製造装置では、図21に示すように、各撮像デバイスにて図20における立体画像の生成に必要な領域であるP‐R間を中心に撮影することが可能となる。
【0026】
(実施形態1の構成)図1に示すのは、本実施形態の立体画像製造装置の構成を示す平面図である。この図1にあるように、本実施形態の立体画像製造装置(0100)は、「複数のレンズ」(0101)と、「複数の撮像デバイス」(0102)と、を有する。
【0027】
(実施形態1の構成の説明)「立体画像製造装置」(0100)は、「複数のレンズ」(0101)と「複数の撮像デバイス」(0102)とを有し、立体画像を生成するために必要な複数の撮像画像を撮影することができる。撮像画像とは、撮像デバイスにて撮像される画像であり、静止画像及び動画像などを含む。立体画像とは、レンチキュラ方式又はパララックスバリア方式などにより、立体視可能となるように複数の撮像画像を合成したものである。なお、立体画像は3D画像ともいう。以下の実施形態においても同様である。なお、立体画像製造装置には、これらの構成のほかに、実施形態2乃至実施形態8の機能を有する場合には、適宜必要な構成を有する。
【0028】
「複数のレンズ」(0101)は、図1に示すように、並列に配置される。「並列に配置される複数のレンズ」とは、レンズの光軸が全て略平行となるように複数のレンズが並べられていることをいう。なお、全てのレンズにおいて厳密に光軸が平行となるように配置されることが望ましいが、配置されるスペースの大きさなどの条件により、被写体方向に光軸を僅かに傾けて配置されること等は許容される。また、並列とは、図1に示すように、レンズが横に直線状に並べられている状態のみならず、曲線状に並べられている状態をも含む概念である。本実施形態における複数のレンズは、図1に示すように、直線状に配置される。
【0029】
「複数の撮像デバイス」(0102)は、図1に示すように、各レンズに対応して並列に配置される。「並列に配置される複数の撮像デバイス」とは、撮像デバイスの平面の法線が全て略平行となるように複数の撮像デバイスが並べられていることをいう。なお、撮像デバイスについても、上記レンズと同様に、全ての撮像デバイスにおいて厳密に法線が平行となるように配置されることが望ましいが、配置されるスペースの大きさなどの条件により、法線を被写体方向に僅かに傾けて配置されること等は許容される。また、並列とは、図1に示すように、撮像デバイスが横に直線状に並べられている状態のみならず、曲線状に並べられている状態をも含む概念である。本実施形態における複数の撮像デバイスは、図1に示すように、直線状に配置される。
【0030】
複数の撮像デバイスは、前記複数のレンズに1対1に対応して配置されるため、レンズの数と撮像デバイスの数は同数となる。レンズと撮像デバイスの数は、図1ではそれぞれ5個であるが、実際に裸眼立体視可能となるような複数の画像を取得するために、さらに多数のレンズと撮像デバイスの組を設けても良い。一例としては、レンズと撮像デバイスの組を10組乃至20組などとすることができる。撮像デバイスは、アナログカメラを用いる場合にはフィルムが該当し、デジタルカメラを用いる場合にはCCDなどの撮像素子が該当する。撮像デバイスにて取得される画像は、静止画であっても良いし、動画であっても良い。
【0031】
この複数の撮像デバイス(0102)は、全ての撮像デバイスにおいて対応するレンズ(0101)を介して共通する一の被写体領域(0103)が略中心に投影される位置に配置される。「被写体領域」(0103)とは、撮影面(0106)における被写体(0104)が撮影される範囲の領域である。被写体(0104)は、一の物体に限らず、複数の物体であっても良い。被写体が複数の物体からなる場合には、物体が異なる奥行きで存在していても良いし、被写体領域において重なり合っていても良い。また、撮影面(0106)における複数の撮像デバイスにて撮影する範囲を撮影領域(0105)とすると、被写体領域(0103)が撮影領域(0105)の略中心になるように各撮像デバイス(0102)が配置されると言い換えることもできる。また、撮影領域全体に被写体が存在する場合には、撮影面(0106)における撮影領域(0105)と被写体領域(0103)が略同一となる。
【0032】
(実施形態1の具体例)図2に示すように、一の撮像デバイス(0102a)が対応する一のレンズ(0101a)を介して撮影する一の領域を撮影領域(0105a)とすると、被写体領域(0103)が撮影領域の略中央になるように一のレンズ(0101a)が配置され、該レンズに対応する一の撮像デバイス(0102a)が配置される。全ての並列に配置された複数の各レンズ(0101)に対応して複数の撮像デバイス(0102)がこの関係を保って並列に配置されると、図1に示すように、全ての撮像デバイス(0102)における撮影領域(0105)の略中央に共通する一の被写体領域(0103)が投影されるように撮像デバイス(0102)を配置することができる。
【0033】
なお、撮像デバイス(0102)が配置される位置に応じて大きさが異なる撮像デバイスを用いることにより、全ての撮影領域が同一の大きさの領域となるようにすることも可能であるが、撮影領域に被写体領域が含まれていれば、撮像デバイス毎の撮影領域の大きさの差異は被写体の立体画像の合成には問題ない。
【0034】
このようにレンズと撮像デバイスを配置することで撮像デバイスを不必要に大きくしなくても、様々な位置から立体画像を生成するために必要な画像を撮像することができる。図2のような配置での投影方法を斜投影という。斜投影を起こすための撮像デバイスのシフト量はレンズと撮像デバイスのそれぞれの配置位置により異なり、レンズ光軸と撮影領域の中心との距離に比例する。これを図3を用いてより詳細に説明する。
【0035】
図3に示すように、レンズ(0101)と撮像デバイス(0102)が、撮影面(0106)に対して全て平行となるように配置する。そして、レンズ(0101)の中心Aを通るレンズの光軸を示す直線Lと撮影面との交点をO、撮像デバイスが存在する面との交点をO’とする。撮像デバイスをP’‐R’間に配置し、P’‐R’間の中心をQ’とする。このとき、撮影領域はP‐R間となり、P‐R間の中心Qとすると、三角形AOQと三角形AO’Q’とは相似となる。したがって、撮像デバイスは、レンズ光軸(直線L)と撮影領域(0105)の中心との距離(O‐Q間)に比例してシフトすることにより(O’‐Q’間のシフト)、適切な位置に配置することができる。また、撮影領域(0105)は、レンズ(0101)と撮像デバイス(0102)との距離A−O’間やレンズ(0101)と撮影面(0106)との距離A‐O間に応じて変化する。以上より、斜投影により、レンズを介して投影される領域のうち、被写体が投影される領域のみが撮像デバイスに投影されるように、撮像デバイスを配置することができる。
【0036】
上記のレンズと撮像デバイスは、双方を可動としても良いし、一方のみを可動とし、もう一方を固定しても良い。また、例えば、本実施形態における立体画像製造装置をプリクラ(登録商標)や証明写真用に用いる場合には、撮影領域及び被写体領域が筺体などにより限られるため、撮像デバイスがシフトした状態でレンズと撮像デバイスの両方を固定しても良い。
【0037】
レンズと撮像デバイスの配置位置を可動とする場合には、例えば、個々のレンズ及び撮像デバイスをそれぞれ別々のアクチュエータに乗せ、このアクチュエータを適切な位置に配置することでレンズ等を配置することができる。アクチュエータは、コンピュータなどにて電圧や磁界を制御することで、容易に特定の位置に配置することができる。また、レンズと撮像デバイスの配置は、パンフォーカスあるいはオートフォーカスとなるように、被写体に応じて適切な位置に配置されるように制御することが望ましい。
【0038】
(実施形態1の効果)以上のような構成をとる本実施形態の立体画像製造装置によると、レンズを介して投影される領域のうち、被写体が投影される領域のみが撮像デバイスに投影されるように、撮像デバイスを配置することが可能であり、立体画像の生成に不要な部分が投影される撮像デバイスを省略することができる。このため、撮像デバイスの性能を十分に生かすことが可能であるとともに、低コストのレンズ及び撮像デバイスを用いた場合であっても、従来技術と同様の立体画像を生成することが可能である。したがって、立体画像製造装置全体を低コストで製造することもできる。
【0039】
《実施形態2》
【0040】
(実施形態2の概要)実施形態1の立体画像製造装置では、レンズから被写体までの距離が近い場合には、中心から離れた撮像デバイスは左右に大きくシフトする必要がある。例えば、図4に示すように、撮像デバイスのシフト量に限界がある場合には、端部のレンズ(0401a)を介して対応する撮像デバイス(0402a)に投影される撮影面(0406)における撮影領域(0403a)の略中心に被写体領域(0403)を投影することが困難な場合がある。本実施形態の立体画像製造装置では、このような場合であっても被写体領域が撮影領域の略中心に投影されるように、複数のレンズと複数の撮像デバイスを曲線状に配置することとした。
【0041】
(実施形態2の構成)図5に示すのは、本実施形態における立体画像製造装置(0500)の構成を示す平面図である。本実施形態における立体画像製造装置(0500)の構成は、実施形態1における立体画像製造装置と同様であるが、複数のレンズ(0501)に対応して配置される複数の撮像デバイス(0502)が、曲線状に並列配置されていることを特徴とする。
【0042】
(実施形態2の構成の説明)本実施形態におけるレンズ(0501)と撮像デバイス(0502)とは、実施形態1と同様に対応して並列に配置されているが、図5に示すように、撮像デバイスが同一直線状ではなく、曲線状に配置されている。また、図示していないが、撮像デバイスを直線状に配置してレンズのみを曲線状に配置しても良いし、双方を曲線状に配置しても良い。なお、レンズ又は撮像デバイスの配置は、フォーカスを合わせるために被写体方向への必要な傾きがあっても良い。
【0043】
(実施形態2の具体例)図5を用いて本実施形態に係る立体画像製造装置の具体例を説明する。図5では、複数のレンズ(0501)を直線状に配置し、撮像デバイス(0502)のみを略階段状に配置している。このように撮像デバイスの配置位置をレンズに近づけることにより、例えば、左端の撮像デバイス(0502a)では、図4に示した場合よりも撮影領域(0505a)が広がり、被写体領域(0503)を撮影領域(0505a)の略中心に投影することができる。
【0044】
本実施形態における複数のレンズと複数の撮像デバイスとは、実施形態1に記載のレンズと撮像デバイスが直線状に配置されている状態から、撮像デバイス及びレンズを移動させることで必要に応じて曲線状に配置することとしても良い。例えば、通常時には実施形態1に記載したとおり、レンズと撮像デバイスを直線状に配置しておき、図4に示すように、被写体領域(0403)が撮影領域(0405a)の略中心とならない場合にのみ、レンズ等をアクチュエータなどにて移動させ、曲線状に配置することとしても良い。
【0045】
なお、本実施形態における立体画像製造装置では、一人撮影用途に特化した人物の証明写真など被写体領域が限られる場合において、レンズと撮像デバイスを曲線状に配置して最適なポジションで固定することができる。
【0046】
(実施形態2の効果)以上のような構成をとる本実施形態の立体画像製造装置によると、撮像デバイスの左右方向への移動範囲が限られており、レンズと撮像デバイスを直線状に配置した場合には被写体領域が撮影領域の略中心とならない場合であっても、特定のレンズまたは撮像デバイスの配置形状を変化させることで撮影領域を調整し、被写体領域を撮影領域の略中心とすることができる。このため、撮像デバイスやレンズの左右方向への移動が限られるスペースにおいても立体画像製造装置を提供することができる。
【0047】
《実施形態3》
【0048】
(実施形態3の概要)本実施形態における複数のレンズと複数の撮像デバイスは、被写体領域をどこに定めるかに応じてその配置位置を調整することができることを特徴とする。例えば、図6に示すように、レンズや撮像デバイスの配置位置を調整する調整部の概略を示す。図6に示す調整部(0603)は、リニアアクチュエータにて構成されている例である。図6(1)に示すように、コイルにより磁極が転換可能なレール(0601)と、レール(0601)の上に一定の間隔を隔ててNとSの磁極を有する磁石(0602)を用意する。この磁石の上にレンズあるいは撮像デバイス(0604)を乗せる。図6(1)の状態では、磁石はつりあい状態であり、停止している。この状態から図6(2)に示すように、レールの磁極の一部を転換すると、磁石(0601)に反発力と吸引力が生じ、矢印にて示す方向へ移動し、図6(3)に示す状態にて停止する。このようにして、一のレール上に、レンズを載置した磁石を複数配置し、レールに生じる磁極を調節することで、レンズを適切な位置に配置することができる。同様に、上記とは別の一のレール上に、撮像デバイスを載置した磁石を複数配置し、レールに生じる磁極を調節することで、撮像デバイスを適切な位置に配置することができる。また、レンズと撮像デバイスとが配置された各レールの間隔を調整することによっても被写体領域を調整することができる。
【0049】
(実施形態3の構成)図7に示すのは、本実施形態の立体画像製造装置の構成を示す平面図である。この図7にあるように、本実施形態の立体画像製造装置(0700)は、「複数のレンズ」(0701)と、「複数の撮像デバイス」(0702)と、を有し、さらに、「調整部」(0703)を有することを特徴とする。「調整部」(0703)以外は実施形態1にて説明済みであるため、説明を省略する。
【0050】
(実施形態3の構成の説明)「調整部」(0703)は、一の被写体領域をどこに定めるかに応じて、複数のレンズ(0701)と複数の撮像デバイス(0702)との相対的な配置を調整するように構成されている。調整部(0703)は、図6に示すようなリニアアクチュエータにて構成されていても良いし、圧電アクチュエータなどから構成されていても良い。図7では、レンズ(0701)及び撮像デバイス(0702)の両方を調整可能に調整部(0703)が設けられているが、レンズのみあるいは撮像デバイスのみを調整部に配置して調整可能としても良い。
【0051】
図3を用いて実施形態1にて既に説明したとおり、撮像デバイスのレンズに対するシフト量や、レンズと撮像デバイスとの距離が変わると、被写体領域の位置や大きさが変化する。図8を用いて以下の具体例において、これを詳細に説明する。
【0052】
(実施形態3の具体例)図8(a)は、撮影面(0804)における被写体領域(0802)が撮影領域(0803)の略中心となるようにレンズ(0701)と撮像デバイス(0702)が配置された場合である。図8(b)、(c)は、複数のレンズ(0701)が配置されている面から被写体(0801)までの距離が図8(a)よりも短い場合である。図8(a)に配置された被写体(0801)を複数のレンズ(0701)が配置されている面に近づけ、図8(a)の破線で示す位置(0801aに示す被写体の位置)に移動したとする。この場合には、左右両端に近い撮像デバイス(0702)に、対応するレンズ(0701)を介して投影される被写体領域(0802a)は、撮影領域(0803a)の左右に偏って投影されてしまう。このずれ量は、被写体の位置から離れた撮像デバイスほど大きくなる。
【0053】
そこで、図8(b)に示すように、複数のレンズ(0701)及び複数の撮像デバイス(0702)のどちらか一方あるいは双方の位置を調整することにより、被写体領域(0802a)を撮影領域(0803a)の略中心にすることができる。図8(b)では、被写体(0801b)から離れた左右両端のレンズ(0701)の位置を中央側へ水平移動させることにより、対応する撮像デバイス(0702)における被写体領域(0802b)が撮影領域(0803b)の略中心に投影されるように調整している。
【0054】
また、図8(c)では、図8(a)の破線で示す位置に被写体(0801c)が移動した場合に、複数のレンズが配置されている面(0805)と、複数の撮像デバイスが配置されている面(0806)とを近づけることにより、複数の撮像デバイスにおける被写体領域(0802c)が、撮影領域(0803c)の略中心に投影されるように調整している。
【0055】
さらに、調整部では、立体画像製造装置そのものを前後させて、被写体との距離を調整することができる。例えば、上述の図8の例では、立体画像製造装置は固定されているとして、レンズ又は撮像デバイスを調整した場合について述べているが、図8(b)、(c)では、レンズと撮像デバイスの方が被写体(0801)に近づいていると捉えることもできる。したがって、図8(a)において被写体(0801)が0801aに示す位置に近づいた場合には、その移動距離だけレンズと撮像デバイスを被写体から遠ざけることにより、被写体領域を撮影領域の略中心になるように調整することもできる。このため、調整部では、レンズと撮像デバイスとの間隔が保たれたまま前後に移動可能となるように構成されていても良い。
【0056】
以上のようにして、調整部を有することにより、一の被写体領域を撮影領域のどこに定めるかに応じて、複数のレンズと、複数の撮像デバイスとの相対的な配置を調整することができる。したがって、大きさが異なる被写体や被写体の数が複数の場合、被写体の配置位置が変化する場合であっても、全ての撮像デバイスにおいて対応するレンズを介して共通する一の被写体領域が略中心に投影されるように撮像デバイスを配置しすることができる。
【0057】
なお、本実施形態の立体画像製造装置を人物撮影用途と限定した場合、予め撮影する構図を決定し、個々のレンズと撮像デバイスの配置位置の組み合わせがパンフォーカスになるレンズ絞り値と照明の光量を考慮する事などよって、調整部にて必要となる調整を最小限のものとなるように、複数のレンズと複数の撮像デバイスを予め配置しておくことができる。また、被写体の位置に応じて複数のレンズと複数の撮像デバイスが配置される位置の組み合わせを予め立体画像製造装置に記憶しておき、撮影時に被写体に応じてその記憶された配置位置に複数のレンズと複数の撮像デバイスを配置することとしても良い。
【0058】
(実施形態3の効果)以上のような構成をとる本実施形態の立体画像製造装置によると、調整部にて複数のレンズと複数の撮像デバイスとの相対的な配置を調整することができる。このため、大きさが異なる被写体や、被写体の配置位置が異なる場合であっても、全ての撮像デバイスにおいて対応するレンズを介して共通する一の被写体領域が略中心に投影されるように撮像デバイスを配置することができる。
【0059】
《実施形態4》
【0060】
(実施形態4の概要)本実施形態における複数のレンズと複数の撮像デバイスは、図9に示すように、一又は二以上の伸縮調整可能なパンタグラフに載置される。図9は複数のレンズ(0901)と複数の撮像デバイス(0902)がパンタグラフ(0903a、0903b)に配置された状態における平面図である。このパンタグラフを伸縮することにより、複数のレンズや複数の撮像デバイスの隣り合う間隔を調整すると、容易に被写体領域を撮影領域の略中心にすることができる。
【0061】
(実施形態4の構成)図9に示すのは、本実施形態の立体画像製造装置の構成を示す平面図である。この図9にあるように、本実施形態の立体画像製造装置(0900)は、「複数のレンズ」(0901)と、「複数の撮像デバイス」(0902)と、「調整部」(0903a、0903b)と、を有し、さらに、「調整部」(0903a、0903b)が伸縮調整可能なパンタグラフ(0904)からなることを特徴とする。「パンタグラフ」(0904)以外は実施形態1にて説明済みであるため、説明を省略する。
【0062】
(実施形態4の構成の説明)「パンタグラフ」(0904)は、複数のレンズ(0901)又は/及び複数の撮像デバイス(0902)を載置し、伸縮調整可能となるように構成されている。図9に示すように、パンタグラフ(0904)は、複数の棒状体(0905)が両端と中央にて交互に結合されたものである。棒状体が結合されている箇所を結合部(0906)とする。なお、両端の棒状体の端は結合部(0906)を有さなくても良い。図9では、複数のレンズ(0901)や複数の撮像デバイス(0902)は、パンタグラフ(0904)の中央の結合部(0906)に一つ置きに配置されている。なお、レンズや撮像デバイスの配置はこのような形態には限られず、レンズや撮像デバイスとパンタグラフの大きさを考慮して、全ての中央の結合部に配置しても良いし、結合部に二つおきに配置するなどしても良い。また、複数のレンズを配置するパンタグラフと複数の撮像デバイスを配置するパンタグラフの双方を用いても良いし、どちらか一方のみをパンタグラフに載置し、もう一方を固定して配置しても良い。レンズと撮像デバイスの双方をパンタグラフに載置する場合には、双方のパンタグラフが連動して動作しても良いし、別々に動作しても良い。
【0063】
パンタグラフ(0904)は、その両端の中央の結合部において目ねじにてスクリュー(0907)と結合することで、その伸縮を行うことができる。スクリューは、中央を境に左右に異なるねじれ方向の溝を有し、回転させることで目ねじを介してパンタグラフ(0904)を伸縮させることができる。スクリューは、モーターなどにて回転させる。
【0064】
このようにして、パンタグラフに複数のレンズ又は/及び複数の撮像デバイスが配置されると、該パンタグラフを伸縮することで実施形態3にて説明したようなレンズと撮像デバイスの位置調整を容易に行うことができる。したがって、大きさが異なる被写体や、被写体の配置位置が異なる場合であっても、全ての撮像デバイスにおいて対応するレンズを介して共通する一の被写体領域が略中心に投影されるように容易に撮像デバイスを配置することができる。
【0065】
(実施形態4の効果)以上のような構成をとる本実施形態の立体画像製造装置によると、パンタグラフを有する調整部にて複数のレンズと複数の撮像デバイスとの相対的な配置を容易に調整することができる。このため、大きさが異なる被写体や、被写体の配置位置が異なる場合であっても、全ての撮像デバイスにおいて対応するレンズを介して共通する一の被写体領域が略中心に投影されるように複数のレンズや複数の撮像デバイスを配置することができる。
【0066】
《実施形態5》(実施形態5の概要)本実施形態における複数のレンズと複数の撮像デバイスは、図10に示すように、複数のレンズ(1001)が載置されたパンタグラフと、複数の撮像デバイス(1002)が載置されたパンタグラフとが、撮像間隔調整用スクリュー(1004)にて結合されている。この撮像間隔調整用スクリュー(1004)にて複数のレンズが並列された面と複数の撮像デバイスが並列された面との間隔を調整することができ、これにより、被写体にピントを的確に合わせることが可能となる。
【0067】
(実施形態5の構成)図10に示すのは、本実施形態の立体画像製造装置の構成を示す平面図である。この図10にあるように、本実施形態の立体画像製造装置(1000)は、「複数のレンズ」(1001)と、「複数の撮像デバイス」(1002)と、「調整部」(1003)と、を有し、さらに、「調整部」(1003)が「撮像間隔調整用スクリュー」(1004)を有することを特徴とする。「撮像間隔調整用スクリュー」(1004)以外は実施形態1にて説明済みであるため、説明を省略する。
【0068】
(実施形態5の構成の説明)「撮像間隔調整用スクリュー」(1004)は、複数のレンズが並列された面(1005)と、複数の撮像デバイスが並列された面(1006)との間隔を調整するように構成されている。図10に示すように、調整部(1003a、1003b)がそれぞれパンタグラフ(1007)にて形成されている場合には、これら2つのパンタグラフを撮像間隔調整用スクリュー(1004)に結合する。また、撮像間隔調整用スクリューと並んで装置全体を前後に動かして立体画像製造装置全体と被写体間との間隔を調整するためのスクリュー(1008)を設けても良い。なお、図10は、実施形態4にて示した調整部がパンタグラフの場合にスクリューを結合しているが、実施形態3にて示したような他の形態の調整部にスクリューを結合しても良い。
【0069】
このようにして、撮像間隔調整用スクリュー(1004)にて複数のレンズが並列された面と複数の撮像デバイスが並列された面との間隔が調整可能であると、実施形態3にて説明したような撮影範囲の微調整やフォーカスの調整を容易に行うことができる。また、装置全体を前後に動かして立体画像製造装置全体と被写体間との間隔を調整するためのスクリュー(1008)を設けた場合には、さらに、フォーカス調整等を容易に行うことができ、最適な状態にて被写体を撮影することができる。
【0070】
(実施形態5の効果)以上のような構成をとる本実施形態の立体画像製造装置によると、撮像間隔調整用スクリューを有する調整部にて複数のレンズが並列された面と複数の撮像デバイスが並列された面との間隔を容易に調整することができる。このため、大きさが異なる被写体や、被写体の配置位置が異なる場合であっても、全ての撮像デバイスにおいて対応するレンズを介して共通する一の被写体領域が略中心に投影されるように複数のレンズや複数の撮像デバイスを極めて容易に配置することができる。
【0071】
《実施形態6》
【0072】
(実施形態6の概念)本実施形態における立体画像製造装置は、実施形態1から5のいずれか一に記載の複数の撮像デバイスにて撮像された画像をレンチキュラ方式又はパララックスバリア方式にて裸眼立体視可能となるように合成する合成部を有する。このため、一の装置にて、被写体の撮像から立体画像の合成まで行うことができる。
【0073】
(実施形態6の構成)図11に示すのは、本実施形態の立体画像製造装置を表す模式図である。この図11にあるように、本実施形態の立体画像製造装置(1100)は、「複数のレンズ」(1101)と、「複数の撮像デバイス」(1102)と、「調整部」(1103)と、を有し、さらに、「合成部」(1104)を有することを特徴とする。「合成部」(1104)以外は実施形態1から5にて説明済みであるため、説明を省略する。
【0074】
(実施形態6の構成の説明)「合成部」(1104)は、複数の撮像デバイス(1102)により撮像された画像をレンチキュラ方式又はパララックスバリア方式にて裸眼立体視可能となるように合成するように構成されている。撮像デバイスがCCDである場合には、デジタルデータにて撮像画像を取得することができるため、合成部は、コンピュータなどにて構成することができる。コンピュータを用いる場合には、CPU(Central Processing Unit)、HDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDDに格納された立体画像を作成するためのプログラム等にて合成部が構成される。合成部では、複数のデジタルデータが取得されると、HDDに格納されたプログラムを起動して、裸眼立体視可能な合成画像を作成するように処理する。
【0075】
合成部では、図12(a)に示すレンチキュラ方式のレンチキュラシート(1201)の凸形状(1202)又は図12(b)に示すパララックスバリア方式のパララックスバリアシート(1203)のスリット(1204)の間隔に応じて複数の撮像画像を短冊状に加工して適切な位置に配置し、スクリーン(1205)上に配置する立体視可能な画像を合成して生成することができる。この合成部にて合成した画像を出力し、この上からレンチキュラシートあるいはパララックスバリアシートを重ねると、撮像デバイスにて撮像された被写体を立体視することができる。
【0076】
(実施形態6の具体例)合成部(1104)では、人物などの物体を撮像デバイス(1102)にて撮像した複数枚の画像が正しく立体に合成できるように、各画像に対して位置補正や歪み補正を行う必要がある。想定される補正項目としては、立体画像製造装置の組み付け時における位置ずれ、複数のレンズ(1101)や複数の撮像デバイス(1102)の配置誤差による位置ずれ、レンズの収差による歪みや色ずれなどがある。調整部(1103)にて、レンズと撮像デバイスとの相対的な位置関係などを調整することにより、合成部にてこれらずれを補正することができる。以下、この仕組みを述べる。
【0077】
補正は立体画像製造装置(1100)の運用時に作業者が随時複数の画像を取得することでずれを確認し、その度にレンズ(1101)や撮像デバイス(1102)の配置を調整することとしても良いが、望ましくは立体画像製造装置の設置時に、必要となるレンズ(1101)と撮像デバイス(1102)の全ての取りうる相対的な位置関係においてどのような画像上のずれが生じるかについてのデータを予め収集しておき、個々の装置の補正データとして立体画像製造装置に記憶しておくと良い。この場合には、立体画像製造装置には、補正データを記憶しておくための記憶領域を設ける。このようにして、予め補正データを記憶していると、合成部(1104)ではこの補正データと取得した撮像画像とのずれから補正量を算出し、生じたずれを適宜補正することができる。なお、記憶領域に記憶された補正データは定期的に更新することがより望ましい。
【0078】
補正データの収集は次の方法で行う。まず、図13に示すように、正方格子状に規則正しく黒い丸を配置した白色の板(1302)を用意して垂直に立てる。板の大きさは想定される撮影領域とほぼ同じとする。例えば撮影領域を一人から三人の人物までの、胸から頭までの範囲をカバーするものと設定すれば、板の大きさは三人の人物の胸から頭までとほぼ同等の大きさである必要がある。立体画像製造装置(1301)は上記の板に正対して配置し、この状態にて撮影領域を撮像デバイスにて撮像する。なお、図13に示す状態においては、被写体を配置しないため、被写体領域は撮影領域として設定した板の大きさと同一と仮定する。
【0079】
そして、撮影領域が一人の人物が撮影されると想定される範囲になるような位置に複数のレンズと複数の撮像デバイスを配置してから、順次一定の間隔を以って撮影領域が三人の人物が撮影されると想定される範囲になるような位置まで移動させる。このとき、立体画像製造装置は、被写体から順次遠ざかる方向に移動することになる。撮像デバイスでは、各位置において白板を撮像して画像を取得する。このようにして、全ての想定される位置において撮影を繰り返せば、上述した全てのずれや歪みに対しての補正を行いうる情報を得ることになる。また、実施形態2にて示したようなレンズと撮像デバイスが曲線状に並列された場合であっても、一人の人物が略中心に撮影されるように撮影領域と被写体領域を調整して、然るべき位置にレンズと撮像デバイスを配置して装置を組んだ後、想定される人物と立体画像製造装置との距離だけ白板から離れて撮影することにより補正データを得ることができる。合成部では、このようにして予め記憶された補正データにより、立体画像の合成時に適切な位置補正や歪み補正を行うことができる。
【0080】
実際の撮影を行う場合には、まず、図11に示す複数のレンズ(1101)及び複数の撮像デバイス(1102)を調整部(1103)にて位置の調整を行い、配置された位置にて撮像デバイス(1102)は被写体の複数の撮像画像を取得する。撮像デバイス(1102)がCCDなどである場合には、取得した撮像画像はデジタルデータであり、合成部にて画像データをレンチキュラ方式又はパララックスバリア方式にて立体視可能となるような処理を行い、立体画像を生成する。このとき、合成部では、撮影時に調整部にて行った配置調整では補正できなかったずれや歪みの補正を上述の補正データを用いて行い、合成された画像が立体感を得られるように複数の画像を一枚の立体画像に合成していく。
【0081】
立体画像の合成方法は、一般的な3DCG手法に従って作成することができる。この合成された画像をインクジェットプリンタなどにてインクジェット紙などに出力し、この上からレンチキュラシート又はパララックスバリアシートを適切な位置に重ね合わせて貼り付けることで、裸眼立体視可能な3D画像を作成することができる。
【0082】
(実施形態6の効果)本実施形態に係る立体画像製造装置では、撮像デバイスにて取得した撮像画像を、合成部にてレンチキュラ方式又はパララックスバリア方式にて裸眼立体視可能となるような画像を合成することができる。したがって、一の装置にて被写体の撮像から立体画像の合成までを行うことができるため、容易に被写体から立体画像を生成することができる。
【0083】
また、調整部にて被写体と立体画像製造装置との距離を調整することにより、立体画像製造装置の組み立て時における位置ずれ、複数のレンズや複数の撮像デバイスの配置誤差による位置ずれ、レンズの収差による歪みや色ずれなどを補正することもできる。したがって、立体画像を生成するために良好な複数の画像を取得することができる。
【0084】
《実施形態7》
【0085】
(実施形態7の概要)実施形態6の立体画像製造装置では、人物などの被写体を複数の撮像デバイスにて撮影するため、被写体を立体的に表した画像を合成することができる。しかし、撮像した被写体の背景までを立体的に合成することは困難である。そこで、本実施形態にかかる立体画像製造装置では、複数の撮像画像を合成して被写体を立体視できるように合成した後、その被写体の合成画像を予め記憶していた背景の3Dデータと重ね合わせることで、合成画像全体が立体視可能となるような画像を生成することができる。
【0086】
(実施形態7の構成)図14に示すのは、本実施形態における立体画像製造装置を表す模式図である。この図14にあるように、本実施形態の立体画像製造装置(1400)は、「複数のレンズ」(1401)と、「複数の撮像デバイス」(1402)と、「調整部」(1403)と、「合成部」(1404)とを有し、さらに、「合成部」(1404)が「記憶手段」(1405)と「3Dデータ合成手段」(1406)とを有することを特徴とする。「記憶手段」(1405)及び「3Dデータ合成手段」(1406)以外は実施形態1から6にて説明済みであるため、説明を省略する。
【0087】
(実施形態7の構成の説明)「記憶手段」(1405)は、3Dデータを記憶する機能を有する。3Dデータとは、静止画像あるいは動画像などのデジタルデータであり、予めレンチキュラ方式あるいはパララックスバリア方式などにて立体視できるように合成されているデータである。3Dデータとしては、一例として、観光地や街角などの風景や、有名人の肖像、アニメのキャラクター、植物、動物などが、立体視可能に合成されたものなどが含まれる。記憶手段はHDDなどの記憶領域を備え、これらの3Dデータを記憶しておく。
【0088】
「3Dデータ合成手段」(1406)は、合成画像と3Dデータとを合成する機能を有する。合成画像とは、複数の撮像デバイスにて取得した被写体の撮像画像を立体視可能となるように合成した画像である。3Dデータ合成手段では、この合成画像と、記憶手段(1405)の記憶領域に記憶された3Dデータとをさらに合成することができる。したがって、3Dデータ合成手段では、被写体と背景画像の双方が立体視可能な画像を合成することができる。
【0089】
(実施形態7の具体例)図15を用いて本実施形態に係る立体画像製造装置の具体例を説明する。本実施形態に係る複数のレンズ及び複数の撮像デバイスでは、まず、実施形態1から6に記載の方法にて、複数の被写体の撮像画像を取得する。このとき、撮像する被写体の背景に青色のスクリーンや緑色のスクリーンなどを配置し、被写体の背景が単一の色となるように撮影すると、合成部にてクロマキー方式などの画像処理を施して被写体のみの画像を取り出すことができる。
【0090】
このようにして複数の撮像画像を取得したら、合成部では、被写体領域に撮像された被写体がレンチキュラ方式又はパララックスバリア方式にて立体視可能となるように合成して、図15(a)に示すような撮影した被写体の一の合成画像を取得する。被写体の合成画像が取得されたら、3Dデータ合成手段では、図15(b)に示すような記憶手段にて記憶されている3Dデータを合成画像と合成する。このとき、前述のとおり、被写体のみの画像を取り出すことができれば、3Dデータと合成して、図15(c)に示すようにあたかも人物がその立体画像の空間内に存在しているかのように見せることができる。また、利用者が合成する3Dデータを任意に選択できるようにすると、利用者は様々な場面に登場する自分の立体画像を楽しむことができる。また、被写体を背景となる3Dデータの前面に配置するのみならず、被写体の立体感と奥行きとが然るべき位置となるように被写体の合成画像と3Dデータとを合成することもできる。
【0091】
さらに、撮像デバイスにて撮像される画像を連続的に撮像して被写体の立体画像を動画像とし、3Dデータも動画像とすると、映像の中に被写体を登場させたような動画像を生成することも可能である。
【0092】
(実施形態7の効果)以上のような構成をとる本実施形態の立体画像製造装置によると、被写体と背景画像が双方とも立体視可能な画像を合成することができ、被写体が、あたかも背景画像の中に存在するかのような立体画像を容易に生成することができる。したがって、本実施形態に係る立体画像製造装置では、利用者はより立体画像を楽しむことができる。
【0093】
《実施形態8》
【0094】
(実施形態8の概要)本実施形態の3D写真製造装置は、プリクラ(登録商標)や証明写真用などの簡易写真撮影装置において、3D画像をプリントしたシートを利用者に提供することができる。
【0095】
(実施形態8の構成)図16に示すのは、本実施形態の3D写真製造装置を表す模式図である。この図16にあるように、本実施形態の3D写真製造装置(1600)は、「撮影ボックス」(1601)と、「3D画像撮影部」(1602)と、「プリント出力部」(1603)とを有する。
【0096】
(実施形態8の構成の説明)「撮影ボックス」(1601)は、被写体として人が入ることができるように構成されている。図16に示す撮影ボックスでは、被写体として人が1人から3人程度が入ることができるようなスペースが設けられている。撮影ボックスには、適宜椅子などを備えても良いし、撮影ボックス内部に外部の光が入り込まないように、入り口が遮光カーテンなどで仕切られていても良い。
【0097】
「3D画像撮影部」(1602)は、前記撮影ボックスに入った人を3D画像として撮影するように構成されている。3D画像とは、レンチキュラ方式又はパララックスバリア方式などにて立体視可能な画像をいう。3D画像撮影部には、複数のレンズ(1604)や複数の撮像デバイス(1605)が備えられ、撮影した画像を3D画像に合成する。3D画像撮影部には、例えば、実施形態1から7に記載の立体画像製造装置などにて構成することができる。立体画像製造装置を用いる場合には、図16に示すように、複数のレンズ(1604)と複数の撮像デバイス(1605)に加えて、調整部や合成部を備えることにより3D画像撮影部を構成する。
【0098】
「プリント出力部」(1603)は、前記3D画像撮影部にて撮影された3D画像をプリント出力するように構成されている。プリント出力部は、インクジェットプリンタなどにて構成される。プリント出力部で3D画像を出力することで、一の3D写真製造装置にて3D画像の撮影からプリント出力まで行うことができる。
【0099】
(実施形態8の具体例)本実施形態における3D写真製造装置は、上記のとおり、一の装置にて立体視可能な3D画像を出力することができる。このため、例えば、証明写真用の装置としてや、アミューズメント施設などにおけるいわゆるプリクラ(登録商標)の代わりの装置として利用することができる。図16に示す3D写真製造装置(1600)では、撮影ボックス(1601)に一人乃至三人程度の利用者が入るスペースが備えられている。3D画像取得部(1602)には、実施形態1から7のいずれか一に記載の立体画像製造装置を用いる。立体画像製造装置の複数のレンズ(1604)及び複数の撮像デバイス(1605)は、撮影ボックスの被写体に対面する位置に配置される。また、合成部にて取得した撮像画像をクロマキー方式などにて3Dデータと合成するため、被写体の背景は模様のない無地であることが望ましい。なお、クロマキー方式などの画像処理を施す場合には、一般的に(1)スクリーンが完全に単一の色になるように撮影するのは困難であること、(2)被写体の色がスクリーンと同じ色である場合には、その部分は穴が空いたように写ること、などの問題点がある。これらの問題を解決するためには、できるだけ色の純度の高い背景を得る必要がある。このため、被写体の背景としては、高輝度青色発光LED等を使用して、スクリーンそのものが単一の色で発光するようにすることが望ましい。
【0100】
3D画像取得部(1602)には、撮影を開始するボタンなどを備えておき、利用者がこのボタンを押して3D画像取得部を構成する立体画像製造装置に撮影を開始する指示を送る。すると、立体画像製造装置では、被写体とレンズや撮像デバイスとの距離、撮影領域における被写体領域の位置、被写体のピント調整などを行った後に複数の撮像デバイスにて利用者の画像を複数取得する。例えば、撮像デバイスがCCDなどである場合には、取得した画像はデジタルデータであり、合成部にて画像データをレンチキュラ方式又はパララックスバリア方式にて裸眼立体視可能となるように合成する。合成部が、実施形態7に記載の記憶手段と3Dデータ合成手段を備えている場合には、合成画像と3Dデータを合成して、全体が立体視可能な画像をさらに合成しても良い。なお、撮影を開始する指示は、3D写真製造装置に備えられたディスプレイ(1607)などに撮影を開始するボタンを表示し、タッチパネルにてそのディスプレイに表示されたボタンを押すことで3D画像取得部へ伝達するなどしても良い。
【0101】
合成された画像は、プリント出力部(1603)を構成するインクジェットプリンタなどにて印刷して出力される。出力された画像は、さらに、レンチキュラシート又はパララックスバリアシートを適切な位置に重ね合わせて貼り付ける。印刷を行う紙やプラスチックフィルムなどの印刷シートの裏側を接着面とすることで、立体視可能な画像をそのまま他の台紙の上に貼って鑑賞することができる。また、裏側の接着面を覆っている剥離紙についても半透明のフィルムなどとしておくことが望ましい。この場合には、出来上がった立体視可能な画像を他の台紙に貼り付けることなく、印刷シートの背面から光を供給してそのまま鑑賞することができるためである。
【0102】
また、印刷シートへのレンチキュラシート等の貼り付けは、透明な液体糊などを用いることが望ましい。このようにして立体画像製造装置にて、これらの処理を行うように構成すると、利用者は、自らの写真を手軽に立体画像として楽しむことができるばかりか、証明写真として利用する場合には、製造された立体画像にてより個人の特徴が捉えられるため、人物認証用に用いることができる。
【0103】
(実施形態8の効果)本実施形態に係る3D写真製造装置では、一の装置にて被写体の複数の方向からの撮像画像の取得、取得した撮像画像の合成、合成された画像の出力までを行うことができるため、利用者は、自分の3D画像を容易に製造することができる。したがって、本実施形態の3D写真製造装置をアミューズメント施設等に設置すると、より遊興性の高いプリクラ(登録商標)を提供することができる。また、本実施形態の3D写真製造装置を人物認証用に用いた場合には、人物を立体的に表示することができ、従来の証明写真装置と同様の操作にて、より個人の特徴を捉えた証明写真を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】実施形態1の立体画像製造装置を説明する図
【図2】被写体領域と撮影領域を説明する図
【図3】撮像デバイスのシフト量を説明する図
【図4】実施形態2の概要を説明する図
【図5】実施形態2のレンズと撮像デバイスの配置を説明する図
【図6】実施形態3の概要を説明する図
【図7】実施形態3の調整部を説明する図
【図8】調整部による調整方法を説明する図
【図9】実施形態4のパンタグラフを説明する図
【図10】実施形態5の撮像間隔調整用スクリューを説明する図
【図11】実施形態6の立体画像製造装置を説明する図
【図12】図レンチキュラシート及びパララックスバリアシートを説明する図
【図13】補正データの収集方法を説明する
【図14】実施形態7の立体画像製造装置を説明する図
【図15】合成画像と3Dデータを合成する様子を説明する図
【図16】実施形態8の立体画像製造装置を説明する図
【図17】従来技術における複数の画像の取得方法を説明する図
【図18】取得した画像をスクリーンに配列する様子を模式的に表す図
【図19】従来技術のカメラ配置による複数の画像の取得方法を説明する図
【図20】従来技術における一のカメラの撮影範囲を説明する図
【図21】本発明における撮影範囲を説明する図
【符号の説明】
【0105】
0100 立体画像製造装置
0101 レンズ
0102 撮像デバイス
0703 調整部
1104 合成部
1600 3D写真製造装置
1601 撮影ボックス
1602 3D画像撮影部
1603 プリント出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
並列に配置される複数のレンズと、
各レンズに対応して並列に配置される複数の撮像デバイスと、
からなり、
複数の撮像デバイスは、全ての撮像デバイスにおいて対応するレンズを介して共通する一の被写体領域が略中心に投影される位置に配置される
立体画像製造装置。
【請求項2】
前記複数のレンズと、それに対応して配置される複数の撮像デバイスとは、それぞれ直線状に並列配置されている請求項1に記載の立体画像製造装置。
【請求項3】
前記複数のレンズと、それに対応して配置される複数の撮像デバイスとは、それぞれ曲線状に並列配置されている請求項1に記載の立体画像製造装置。
【請求項4】
前記複数のレンズと、複数の撮像デバイスとの相対的な配置は調整可能であり、
前記配置を一の被写体領域をどこに定めるかに応じて調整するための調整部を有する請求項1から3のいずれか一に記載の立体画像製造装置。
【請求項5】
調整部は、前記複数のレンズ又は/及び複数の撮像デバイスを載置した、一又は二以上の伸縮調整可能なパンタグラフである請求項4に記載の立体画像製造装置。
【請求項6】
調整部は、複数のレンズと、複数の撮像デバイスとの間隔を調整するための撮像間隔調整用スクリューを有する請求項4又は5に記載の立体画像製造装置。
【請求項7】
前記撮像デバイスにより撮像された画像をレンチキュラ方式又はパララックスバリア方式にて裸眼立体視可能となるように合成するための合成部をさらに有することを特徴とする請求項1から6のいずれか一に記載の立体画像製造装置。
【請求項8】
前記合成部は、撮像画像に対して位置補正、歪み補正、色補正を含む補正を行うための補正手段を有することを特徴とする請求項7に記載の立体画像製造装置。
【請求項9】
前記合成部は、
3Dデータを記憶するための記憶手段と、
合成画像と3Dデータとを合成するための3Dデータ合成手段と
を有することを特徴とする請求項7または請求項8に記載の立体画像製造装置。
【請求項10】
被写体としての人が入るための撮影ボックスと、
撮影ボックスの人を3D画像として撮影するための3D画像撮影部と、
撮影された3D画像をプリント出力するプリント出力部と、
を有する3D写真製造装置。
【請求項11】
3D画像撮影部として、請求項1から9のいずれか一に記載の立体画像製造装置を用いた請求項10に記載の3D写真製造装置。
【請求項12】
複数のレンズを並列に配置するレンズ配置ステップと、
前記レンズ配置ステップにて配置された各レンズに対応した複数の撮像デバイスを、全ての撮像デバイスにおいて対応するレンズを介して共通する一の被写体領域が略中心に投影される位置に配置する撮像デバイス配置ステップと、
前記撮像デバイス配置ステップにより配置された撮像デバイスによって撮像された画像を立体視可能となるように合成するための合成ステップと、
からなる立体画像製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2007−286521(P2007−286521A)
【公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−116096(P2006−116096)
【出願日】平成18年4月19日(2006.4.19)
【出願人】(505344720)株式会社アイデンティファイ (7)
【Fターム(参考)】