説明

複数の画素を含むディスプレパネル及びディスプレイ装置

ディスプレイパネルは、複数の画素(1−4;22;57)を含む。各画素は、画素領域内にそれぞれの連続的なサブ画素素子領域を占める複数のサブ画素素子(5−9;31−46;48−56)を含む。少なくとも2つの非隣接サブ画素素子(5,7;45,46;52,53)が、実質的に同一の駆動信号を受信するよう結合される。導体(21)を介して或いは少なくとも2つの非隣接サブ画素素子5,7;45,46;52,5)を実質的に同一の入力信号を受信するそれぞれのドライバ回路に結合することによって、結合を達成し得る。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の画素を含むディスプレパネルに関する。本発明は、ディスプレイ装置にも関する。
【背景技術】
【0002】
米国特許第5,208,689号は、2つの支持板の間に位置付けられた電気光学的媒体を含むディスプレイ装置を示しており、そこでは、複数のサブ画素に分割された画素が画像電極によって支持板の少なくとも1つの上に定められている。1つのサブ画素は、最大でも他のサブ画素の表面領域と等しく且つ複数の透過レベルで調節可能な表面領域を有するのに対し、他のサブ画素は、2つの極限透過状態の間で切換可能である。1つの実施態様において、行電極及び列電極はサブ電極に分割され、それらの幅は4:2:1:1の比率にある。電極の交差領域に、サブ電極の適切な駆動によって、その電気光学的特性を全体的又は部分的に変更し得るセルが定められる。電極はサブ電極に分割されるので、ディスプレイセルの一部分だけを駆動することが可能である。このようにして、異なる比率の光透過性/光不透明領域、換言すれば、異なるグレイスケールが得られるよう、ディスプレイセルの異なる表面領域を駆動し得る。
【0003】
既知のディスプレイ装置の問題は、特に、行内の多数のセル内の最大サイズのサブ電極のみが駆動されるが他は駆動されないときに、ラスタパターンが現れることである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
より均一な画像が達成されることを可能にする上述の種類のディスプレイパネル及びディスプレイ装置を提供することが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、本発明に従ったディスプレイパネルによって達成され、ディスプレイパネルは複数の画素を含み、各画素は画素領域内にそれぞれの連続的なサブ画素素子領域を占める複数のサブ画素素子を含み、少なくとも2つの非隣接サブ画素素子が実質的に同一の駆動信号を受信するよう結合される。
【0006】
よって、サブ画素素子を、実質的に同一の駆動信号を受信する少なくとも2つの非隣接サブ画素素子に理論上分割することによって、これらの少なくとも2つのサブ画素素子によて占められる領域は、画素領域に亘って「拡散」される。これはパターンが知覚され得ないより均一な画像をもたらす。加えて、画像と複数の画素との間の空間的干渉に起因する画素マトリックスのような画像アーチファクトの可能性が低減される。
【0007】
好適実施態様において、各画素は、同一の駆動信号を受信するよう結合された少なくとも2つのサブ画素素子又は特異な駆動信号を受信するよう結合されたサブ画素素子のいずれかによって形成されたサブ画素要素を含み、それぞれのサブ画素要素によって占められる領域のそれぞれのサイズは一連の増大するサイズを形成する。
【0008】
これはグレースケールレベルの数を増大し、それは単にサブ画素セット要素をオン又はオフに切り換えることによって達成され得る。
【0009】
好ましくは、連続は序数xを有し、序数x又は下方を備える要素のサイズの累積値は序数xの冪乗則に従って増大する。
【0010】
この実施態様は、冪乗則を用いた増大の故にディスプレイパネルが内蔵ガンマ補正を有するという具体的な利点を有する。駆動電子工学におけるガンマ補正は、例えば、透過システムに存在するガンマ事前補正を補償するために、或いは、知覚される画像品質を向上するよう表示されるべき画像のガンマを適合させるために、本実施態様のためには不要であるか、或いは、限定的な範囲でのみ必要である。
【0011】
本発明は如何なる種類の透過型、反射型、半透過型、又は、アクティブ発光ディスプレイにも適用可能であるが、時間変調が肉眼に可視的であるよう、ロールブラインドディスプレイ、例えば、電気高分子シャッターディスプレイのような、サブ画素素子の切換速度が比較的低速な実施態様において特に有用である。そのようなディスプレイを製造するために、基板が透明な列電極によって被覆される。列電極を電気的に絶縁するために、これらの電極は薄い誘電体で被覆される。フォイルが蒸着され、それは伝導性行電極で被覆される。このフォイルは画素のあらゆる列の一側面上の誘電体に接着される。行電極は誘電体とフォイルとの間にある。反射モードでは、周囲光を反射するために、フォイルの正面は白色又は有色層で被覆される。3つの側面上に長方形切断がなされ、その後、フォイルを収縮するために、それは加熱され、次いで、フォイルは巻き上がる。これは画素を広げ、透過モードにおいて白色画素を付与し、反射モードにおいて暗い画素を付与する。特定の電圧差が行列間に印加されると、静電力がフォイルを基板に巻き戻し、それによって、画素を被覆し、透過モードでは暗い画素を生成し、反射モードでは白色画素を生成する。さらなる詳細は、とりわけ、米国特許第3,989,357号及び米国特許第5,519,565号に提供されている。
【0012】
そのようなディスプレイは概して大きく、大きなディスプレイ領域を備える画素を有するので、サブ画素素子によって占められるより小さな領域にサブ分割をもたらすことは比較的容易である。電気機械ディスプレイは、増幅変容による強度制御に対して全く敏感でない。さらに、比較的大きな切換時間の故に、時間変調は問題である。画素のディスプレイ領域の部分の選択的な切換えによって強度を変更することは、これらの不利点を克服する。
【0013】
ディスプレイパネルの1つの実施態様において、複数の画素の各々は、異なる色の光をもたらすための第一サブ画素及び第二サブ画素を含み、第一サブ画素に属するサブ画素素子によって占められるディスプレイ領域の部分は、第二サブ画素に属するサブ画素素子によって占められるディスプレイ領域の部分で分散される。
【0014】
これは、ラスタパターンの可視性を低減することによって、より良好な色混合及びより均一なディスプレイを可能にする。特に、1つの色だけが行(の区画)の上に表示されるとき、ラスタパターンの可視性は低減される。
【0015】
少なくとも2つの非隣接サブ画素素子は、導体を介して結合され得るか、或いは、実質的に同一の入力信号を受信するそれぞれのドライバに結合され得る。
【0016】
双方の実施態様において、少なくとも2つの非隣接サブ画素素子が同時に点灯されるとき、光は画素領域の分散された部分から放射するので、ラスタパターンが知覚可能である可能性は減少される。
【0017】
本発明の他の特徴によれば、本発明に従ったディスプレイ装置は本発明に従ったディスプレイパネルと、サブ画素素子に駆動信号をもたらすドライバ回路とを含む。
【0018】
添付の図面を参照して本発明をさらに詳細に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明のディスプレイパネルの第一実施態様の一区画が図1に示されている。ディスプレイパネルは、行列に配置された画素1乃至4のマトリックスを含む。図1及び2は、ディスプレイパネルの一区画のみを示している。本発明をより代表するディスプレイパネルは、例えば、832×624、1024×768、1280×960、又は、1600×1200画素の一般的な規格解像度におけるより多くの画素を含むのが一般的である。図1は、使用時に光が放射するディスプレイパネルの側面の平面図である。各画素1乃至4は、光が放射する、即ち、画像を形成するのに使用可能な特定領域を占める。第一画素1に関して述べられるように、第一画素1は、複数のサブ画素素子5乃至9を含み、各サブ画素素子は、画像を形成するために使用可能な第一画素1の領域の一部を形成する連続的なサブ画素領域を占める。
【0020】
ここに提示されるディスプレイパネルと共に使用可能な種類のディスプレイ技術を以下により詳細に述べる。それらは、少なくとも反射型、透過型、半透過型、及び、アクティブ発光型画素を含む。反射型ディスプレイの場合には、光は、各サブ画素素子5乃至9に供給される駆動信号に比例する程度まで、サブ画素素子5乃至9の使用可能な領域に反射する。透過型ディスプレイの場合には、背後から発生する光は、各サブ画素素子5乃至9に供給される駆動信号に比例する程度まで、サブ画素素子5乃至9を通過する。半透過型ディスプレイの場合には、画素光の一部は、各サブ画素素子5乃至9に供給される駆動信号に比例する程度まで、サブ画素素子5乃至9の使用可能な領域に反射する。パネルの背後から或いは側部から発生する同一画素光の他の部分は、各サブ画素素子5乃至9に供給される駆動信号に比例する程度まで、サブ画素素子5乃至9を通過する。アクティブ発光ディスプレイの場合には、光は、各サブ画素素子5乃至9に供給される駆動信号に比例する程度まで、各サブ画素素子の内側で生成される。
【0021】
駆動信号は、行線10及び多数の列線11乃至15を通じて、第一画素1内のサブ画素素子5乃至9に供給される。行線10上の信号は行ドライバ16によって生成され、列線11乃至15上の信号は列ドライバ17乃至20によって生成される。この実施例において、行線10が行ドライバ16によって適当な電圧に設定され、且つ、適当な電圧が列線11乃至15の1つの上に設定されるとき、駆動信号が、例えば、行線10及び列線の交差点でサブ画素素子5に供給される。信号は、サブ画素5が動作状態又は非動作状態に切り換えられるか否かを決定し、動作状態では、光はそのサブ画素素子5によって占められるサブ画素素子領域から放射する。切換という用語は、サブ画素5乃至9が2つの別個の状態の間でのみ切り換え可能であり得るという印象を伝達することを意図しないことが留意される。そのような実施態様は可能であり、特定の種類のディスプレイ技術にとっては正に可能な唯一のものであるが、サブ画素素子領域から放射する光の強度が追加的に増幅変調されることも可能である。実際に、これはより多数の階調をもたらすという利点を付与する。
【0022】
図1に描写されるような本発明によれば、第一サブ画素素子5及び第三サブ画素素子7は、サブ画素素子群を構成する。第一及び第三サブ画素素子5,7は、サブ画素素子群に属さない第二サブ画素素子6によって占められる領域によって分離される、第一画素1の全使用可能領域内の領域を占める。サブ画素素子5乃至9が同一のサブ画素素子群に属するか否かは、それらが同一の駆動信号に従って駆動されるよう構成されているか否かによって決定される。図1の実施例では、接続伝導性リード線21が、第三列線13を第一列線11に接続するので、第一及び第三サブ画素素子5,7によって占められる領域から放射される光の強度は、第一列ドライバ17によって提供される信号によって決定される。
【0023】
実際上、第一及び第三サブ画素素子5,7は、それらがあたかも1つのサブ画素素子であるかのように動作する。しかしながら、それらは1つの単一の連続的領域を占めない。マトリックスディスプレイ全体において、よって、各画素1によって放出される光の強度は、多かれ少なかれ、サブ画素素子を、光がそれらから放射する状態に切り換えることによって制御される。別個の分散したサブ画素素子領域を占めるサブ画素素子の群を用いることによって、マトリックス全体に現れるラスタ効果なしに、大きな領域をこの状態に変え得る。
【0024】
図6に示される対応する実施態様によって同一の効果を達成され、単一群に属するサブ画素素子間の連結は、第一及び第三列線11,13を同一の列ドライバ17に接続することによるのではなく、むしろドライバ回路の適切な結合によって達成される。図6に示されるような実施態様では、図1と比較すると、接続伝導性リード線21は不要とされている。むしろ、第三列線13上に信号を提供するために、追加的な列ドライバ18aが用いられている。追加的な列ドライバ18aは、第一サブ画素素子5に提供されるのと同一の駆動信号を第三サブ画素素子7に提供するために用いられる。これは、同一の入力信号をドライバ17及び追加的ドライバ18aに提供することによって達成され得る。代替的に、それらが共通の入力信号に由来するという点で、2つの駆動信号の値の間の固定的な従属性があり得る。
【0025】
図1に示される実施態様は、他の例証される実施態様と全く同様に、本発明の原理のより容易な説明のために、単色ディスプレイである。しかしながら、カラーディスプレイ実施態様では、画素は、少なくとも2つ、通常は3つのサブ画素から成る。そのような画素中の各画素は、サブ画素毎に異なる特定の色範囲内の光のみが、各サブ画素によって占められたサブ画素領域から放射することを可能にする。適切なフィルタによって或いは特定色の光を活性に放射するサブ画素素子によって、この適用を達成し得る。反射型ディスプレイにおいて、反射領域は、選択的に或いは追加的に、各サブ画素のために異なる色であり得る。カラーディスプレイでは、各サブ画素を図1に示される画素1乃至4の1つと同様に構成し得る。代替的に、第一サブ画素に属するサブ画素素子によって占められる1つの画素の領域の部分、例えば、緑色のものを、サブ画素の異なる1つに属する画素の使用可能領域の部分、例えば、赤色のもので散在し得る。これは、ラスタリングに起因する画像アーチファクトの数の減少にさらに寄与し、並びに、異なるサブ画素範囲間の色が表示されるべきときに良好な色混合をもたらす。
【0026】
それらはカラーディスプレイ実施態様を提供するようにも構成され得るとの理解の中で、本記載は他の単色実施態様を記載し続ける。
【0027】
光が放射する画素の総領域は部分に分割され、各部分はサブ画素セットの要素によって占められていると考え得る。共有される駆動信号に従って切り換えられるサブ画素素子又はサブ画素素子の群は、そのようなサブ画素セットの要素を構成する。セットの要素によって占められる各領域は、各さらなるサブ画素セット要素で増大する、即ち、それらは小から大に整列され得るのが好ましい。よって、内蔵ガンマ補正を備えるパネルを提供し得る。もしiサブ画素セット要素によって占められる総領域が冪乗則に従ってiで増大するならば、このガンマ補正は最良である。
【0028】
図2は、冪乗則に従った増大する使用可能領域の要件と一致した第一実施態様における単一画素22を示している。この実施態様には、画素22の各列のために4つの列線23乃至26があり、画素22の各行のために4つの行線27乃至30がある。画素22は16個のサブ画素素子31乃至46に分割され、それらは15個のサブ画素セット要素を形成する。小から大へ数えて最初の14個のサブ画素素子31乃至44は、それぞれ単独にサブ画素素子セットの要素である。2つのサブ画素素子45,46は、サブ画素素子が最大領域を占めるサブ画素セット要素を共に形成する。これらの2つのサブ画素素子45,46は、共有される駆動信号に従って、即ち、信号が第三列線25及び第一行線27の双方に提供されるときに、共に切り換えられるよう構成される。2つのサブ画素素子45,46が同一の駆動信号に従って駆動されるのを保証するために、接続伝導性リード線47が用いられる。
【0029】
画素22によって放射される光の強度を代表する信号値は、各フレーム時間に収容される。図示の実施態様において、活性電気回路が設けられているため或いは固有の物理的効果の故に、各サブ画素素子31乃至46はメモリを有するので、サブ画素素子31乃至46は行毎に動作状態又は非動作状態に切り換えられ得る。入力信号値は、便利に0〜15の間の個別の値を有すべきである。値xは、サブ画素素子31乃至46の動作状態への切り換えを招き、画素22内のx最小領域を占めるxサブ画素セット要素を形成する。よって、その結果、5の入力信号値は、5個の最小サブ画素セット要素31乃至34を、光がこれらのサブ画素セット要素31乃至34によって占められる領域から放射する状態に切り換える。よって、光はこれらの領域のサイズの累積値と比例する。
【0030】
図3は、光が放射する動作状態にあるサブ画素素子によって占められる画素22のディスプレイ領域の分数が、入力信号値と共にどのように変化するかを示している。0から1に冪乗則で増大するのが分かる。図2の実施例において、ディスプレイは、2.5の内蔵ガンマ因数を有する。これは表1に従って総使用可能領域の分数を多様なサブ画素素子に割り当てることによって達成される。前述のように、サブ画素素子45,46は、最大領域を備えるサブ画素セット要素を共に形成し、分数0.1584を占める。
【0031】
【表1】

【0032】
よって、画素22は、一組の15個のサブ画素セット要素を含む。カラーディスプレイにおいて、サブ画素セット要素の組は、サブ画素、即ち、1つの明確な色範囲内の光を放射するよう構成された全てのサブ画素セット要素に対応する。
【0033】
全てのサブ画素セット要素の組は、2つのサブセットの第1のサブセット内のサブ画素セット要素だけが動作状態にある状態で、配列された連続のパーティションを2つのサブセットにするのを可能にするよう構成され得る。配列された連続のパーティションは、連続内のそれぞれのさらなるパーティション内の第一のサブセットが、1つ又はそれ以上のサブ画素セット要素を含む一連のパーティションである。第1のサブセットの要素によって占められる総領域は、連続内のパーティションの序数の冪乗則に従って近似的に増大する。全てのサブ画素セット要素、よって、全てのサブ画素素子31乃至46が、第1のサブセットに含まれるとき、それは最大に達する。Nパーティションがあると想定しよう。入力信号は所定範囲内にある。入力信号と比例する序数を有するパーティションが選択される。図示の実施例において、序数は数値的に入力信号値xと等しい。入力信号が所定範囲の一端或いはその上にあるとき、例えば、最大にあるとき、xはその最大Nに達する。この場合には、サブ画素素子31乃至46によって占められる最大領域の分数は以下の通り増大する。
【0034】
【数2】

【0035】
指数ガンマγは、2〜3の間にあるのが好ましい。何故ならば、これはTVシステムにおいて用いられ得る特性を補償するからである。それは、この範囲内では、そのようなディスプレイパネルを備えるディスプレイ装置内の他の場所でさらなるガンマ補正が不要であることを意味する。
【0036】
図4は、より少数の行線及び行ドライバを必要とするディスプレイパネルの代替的な実施態様の一部を示す平面図である。それは冪乗則に従った増大するディスプレイ領域の同一の特性を有するが、この場合には、配列された連続内の各パーティションの第一サブセット内のサブ画素素子48乃至56の数は、パーティションの序数と共に線形に増大しない。代わりに、各パーティション内の2つのサブセットの第一サブセット内のサブ画素素子48乃至56の異なる組み合わせ、サブ画素素子48乃至56によって形成されるサブセットは、動作状態において切り換え可能である。この場合にも、これは単色ディスプレイであるので、パーティションは、1つの画素57内に含まれる全てのサブ画素素子48乃至56の組の上にある。この実施例においても、2つのサブ画素素子52,53が、共有される駆動信号に従って共に切り換えられるよう構成されていることに留意すべきである。図2の実施例におけると同様に、接続伝導性リード線58がそうであることを保証している。2つのサブ画素素子52,53によって占められる領域は、2つの異なるサブ画素素子50,51によって占められる画素57の総領域の一部によって分離されている。
【0037】
図2の実施態様と比較すると、図4の画素57は、より少数のサブ画素素子48乃至56、即ち、16個の代わりに9個を含む。よって、「オン」に切り換えられる総領域の分数は、正確にではなく、パーティションの序数で冪乗則に従って近似的にのみ増大する。しかしながら、この実施態様では、より少数の列線59乃至62、列ドライバ63乃至66、行線67及び68、並びに、行ドライバ69及び70、即ち、8個の異なるサブ画素素子が別個にアドレス指定されるのを可能にする限られた数が必要とされる。接続伝導性リード線58の故に、2つのサブ画素素子52及び53は常に共にアドレス指定されることを思い起こすべきである。
【0038】
表2は、各サブ画素素子48乃至56によて占められる総使用可能領域の分数を示している。表3は、画素57内の全てのサブ画素素子48乃至56の配列された連続のパーティションを示している。
【0039】
図5は、オンに切り換えられる画素によって占められる領域の分数が、パーティションの序数の冪乗則に従ってどのように近似的に増大するかを示している。
【0040】
【表2】

【0041】
【表3】

【0042】
上述のように、ここに例証されたディスプレイパネルは、透過型、反射型、半透過型、又は、アクティブ発光型であり得る。極めて大きなディスプレイ(例えば、ビルの正面全体を占める並びに窓内にシャッターを使用するディスプレイ)から比較的小さなディスプレイ(例えば、携帯情報端末又は携帯電話のスクリーン)に至るまで図示の技法を適用可能である。ここに例証される画素構造及びディスプレイパネルの駆動方法は、ゆっくり切り換わるサブ画素素子を含むディスプレイパネル、例えば、電気機械ディスプレイに特に適している。後者の種類のディスプレイは、大型、例えば、数メートル×数メートルであることが多い。それらは、増幅変調を用いるよりも、切換えを用いる駆動により敏感に反応する。ここに例証される画素構造を用いて、十分な数の強度レベル及び十分に高い周波数のディスプレイ(即ち、十分に短いフレーム時間)を達成し得る。同じ理由から、本発明をロールブラインド(roll blind)ディスプレイに使用し得る。
【0043】
本発明をガス放電ディスプレイ、エレクトロクロミックディスプレイ、液晶ディスプレイと共にも、さらには、口語的に電子ペーパーとして知られる静電帯電又は磁気的ボール又は粒子を用いるディスプレイと共にも用い得る。
【0044】
上述の実施態様は、本発明を限定するというより、むしろ例証するものであること、及び、当業者であれば、添付の請求項の範囲から逸脱することなく多くの代替的な実施態様を設計し得るであろうことが留意されるべきである。請求項において、括弧内に配置された如何なる参照記号も請求項を限定するものと解釈されるべきではない。「含む」という動詞及びその活用形は、請求項中に述べられている素子又はステップ以外の素子又はステップの存在を排除しない。素子に先行する不定冠詞は、そのような素子が複数存在することを排除しない。幾つかの別個の素子からなるハードウェアを用いて並びに適切にプログラム化されたコンピュータを用いて本発明を実施し得る。幾つかの手段を列挙する装置の請求項では、ハードウェアの1つ及び同一のアイテムによって、これらの手段の幾つかを実現し得る。特定の手段が相互に異なる従属項に列挙されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせを有利に用い得ないことを示さない。
【0045】
例えば、図2及び4に実証されているような内蔵ガンマ補正を備えるディスプレイパネルを生成するために他の寸法を用い得る。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】ディスプレイパネルの第一実施態様における4つの画素を示す概略図である。
【図2】内蔵ガンマ補正を備える図1のディスプレイパネルの変形における画素を示す概略図である。
【図3】サブ画素素子に亘る表示に有用な図2の実施態様における画素の領域の分布を示すグラフである。
【図4】ディスプレイパネルの第三実施態様における4つの画素を示す概略図である。
【図5】図4に示されるディスプレイパネルを駆動する好適な方法におけるディスプレイのために用いられる領域の入力信号値への従属性を示すグラフである。
【図6】第一実施態様のための代替を示す概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画素を含むディスプレイパネルであって、各画素は、画素領域内にそれぞれの連続的なサブ画素素子領域を占める複数のサブ画素素子を含み、少なくとも2つの非隣接サブ画素素子が、実質的に同一の駆動信号を受信するよう結合されているディスプレイパネル。
【請求項2】
前記画素の各々は、同一の駆動信号を受信するよう結合された前記少なくとも2つのサブ画素素子又は特異な駆動信号を受信するよう結合されたサブ画素素子のいずれかによって形成されたサブ画素要素を含み、前記それぞれのサブ画素要素によって占められる領域のそれぞれのサイズは、一連の増大するサイズを形成する、請求項1に記載のディスプレイパネル。
【請求項3】
前記連続は序数xを有し、該序数x又は下方を備える前記要素の前記サイズの累積値は前記序数xの冪乗則に従って増大する、請求項2に記載のディスプレイパネル。
【請求項4】
前記連続はN要素を有し、x=Nのための前記累積値の分数としての前記サイズの前記累積値は、
【数1】

のような序数で実質的に増大し、ここで、γは、1≦γ≦4を備える指数である、請求項3に記載のディスプレイパネル。
【請求項5】
当該ディスプレイパネルは電気機械ディスプレイパネルである、請求項1に記載のディスプレイパネル。
【請求項6】
前記少なくとも2つの非隣接サブ画素素子は、導体を介して結合される、請求項1に記載のディスプレイパネル。
【請求項7】
前記少なくとも2つの非隣接サブ画素素子は、実質的に同一の入力信号を受信するそれぞれのドライバに結合される、請求項1に記載のディスプレイパネル。
【請求項8】
前記複数の画素の各々は、相互に異なる色の光をもたらすための第一サブ画素及び第二サブ画素を含み、前記第一サブ画素に属するサブ画素素子によって占められるディスプレイ領域の部分は、前記第二サブ画素に属するサブ画素素子によって占められる前記ディスプレイ領域の部分で分散される、請求項1に記載のディスプレイパネル。
【請求項9】
請求項1に記載のディスプレイパネルと、駆動信号をサブ画素素子にもたらすためのドライバとを含むディスプレイ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2007−522487(P2007−522487A)
【公表日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−544609(P2006−544609)
【出願日】平成16年11月24日(2004.11.24)
【国際出願番号】PCT/IB2004/052530
【国際公開番号】WO2005/059875
【国際公開日】平成17年6月30日(2005.6.30)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】