説明

観察光学系付き撮像装置

【課題】 焦点調節に掛かる時間を短縮して撮影することが可能な観察光学系付き撮像装置を提供する。
【解決手段】 カメラ付き双眼鏡2は、双眼光学系15及び撮像部16を備えている。双眼光学系15はフォーカスダイヤル23の回転操作に応じて焦点位置が調節される。撮像部16は、撮像レンズ17、CCD40、AF処理部50、フォーカスレンズ駆動部54を備える。フォーカスダイヤル23を回転操作すると、AF処理部50が粗調整で撮像レンズ17のフォーカスレンズ42を焦点調節するようにフォーカスレンズ駆動部54を制御し、双眼鏡2のレリーズ操作を行うと、微調整でフォーカスレンズ42を焦点調節するようにAF処理部50の制御が切り替わる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、観察光学系を有する撮像装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、観察光学系を有する撮像装置、例えばカメラ付き双眼鏡(撮影機能付き双眼鏡)が知られている。このカメラ付き双眼鏡は、スポーツ観戦や、野鳥観察のときなどに携帯し、観察の対象となるものを双眼鏡で観ている際中に、カメラ機能を使用して観察対象を撮影し、記録するものである。
【0003】
最近では、CCDイメージセンサなどの固体撮像素子のローコスト化、構造の簡易化が進み、デジタルカメラが普及してきており、上述したカメラ付き双眼鏡でも、カメラ機能としてCCDイメージセンサを内蔵したデジタルカメラ機能を有するものが提案されている。このデジタルカメラ機能を有するものとしては、例えば特許文献1や特許文献2に記載されているカメラ付き双眼鏡では、双眼観察を可能する双眼光学系と、CCDとともに撮影系を構成する撮影光学系とをそれぞれ別に設けている。これにより、高品位な像観察を行うことができるという双眼鏡としての本来の機能を持ち、且つ像の観察を行ないながらその像の撮影が可能となり、光学系を共用していないので、光路の分割による光量の低下などが発生しないという利点もある。
【0004】
一方、双眼光学系の観察視野は狭く、この双眼光学系の観察視野に撮影光学系の撮影範囲を合わせようとすると、例えば焦点距離が250mm相当(35版カメラ換算)もの超望遠撮影となってしまうため、被写界深度が非常に浅くなってしまうので、焦点調節を行うことが必要となる。そこで、特許文献1記載の撮影機能付き双眼鏡では、デジタルスチルカメラなどに組み込まれているAF(自動焦点整合)機構を設けており、CCDイメージセンサから出力された画像信号から、AF信号を生成し、撮影光学系のフォーカスレンズを移動させて焦点調節を行うことができる。
【0005】
さらに、特許文献2記載のカメラ付き双眼鏡では、双眼光学系の焦点調節動作と、撮影光学系の焦点調節動作を連動させる構成、すなわち、双眼鏡の焦点調節を手動で行うフォーカスダイヤルを操作することに連動して双眼光学系の観察フォーカスレンズが光軸方向に移動して焦点調節動作を行ない、さらにこの観察フォーカスレンズの移動に連動する連動部材を介して撮影光学系のフォーカスレンズも同時に光軸方向に移動して焦点調節動作を行うというものである。これにより、観察中に撮影光学系の焦点調節も同時に行うことができる。なお、さらにこの特許文献2では、双眼光学系の焦点調節動作と、撮影光学系の焦点調節動作を連動させる構成にAF機構を組み合わせており、観察中には、手動で行うフォーカスダイヤルの操作に連動して撮影光学系の焦点調節をマニュアルフォーカスで行うとともに、撮影時には、AF機構が動作し、さらに高精度な焦点調節を行うようにしている。
【特許文献1】特開2001−281555号公報
【特許文献2】特開2002−182272号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1記載の撮影機能付き双眼鏡では、撮影時にAF機構を動作させると、実際に起動して焦点調節動作を行うまでに時間が掛かってしまうため、焦点の合った撮影が可能となるまでの時間が長くなるので、シャッターチャンスを逃したり、ピンぼけの画像を撮影してしまったりする。
【0007】
また、上記特許文献2記載のカメラ付き双眼鏡では、双眼光学系の焦点調節機構と、撮影光学系の焦点調節機構とを連動させているが、これらを連動させる構成としてマニュアルフォーカスのみを設けている場合は、大まかな焦点調節しかできず、ピンぼけの可能性が高い。特に視力の低い使用者などでは、双眼光学系の接眼レンズ鏡筒に設けられた視度調整部を操作して視度調整を行うため、使用者の眼には双眼光学系の焦点が合っていても、これに連動する撮影光学系の焦点は合っていない状態となり、ピンぼけの画像が撮影されてしまう。さらに、上記特許文献2では、撮影時にAF機構が動作するようになっているが、AF機構が起動して焦点調節を行うまでに時間が掛かってしまうので、焦点の合った撮影をすることが難しい。
【0008】
さらにまた、双眼光学系の焦点調節機構と、撮影光学系の焦点調節機構とを連動させる機構とした場合、構成が複雑となり、部品点数の増加や装置の大型化を招くことや、双眼光学系の焦点調節機構と、撮影光学系の焦点調節機構のAF機構とを非連動にした場合、観察対象範囲に観察対象と異なる距離の物体が存在していると、双眼光学系で観察対象に対して焦点調節を行っても、AF機構ではこの異なる距離の物体に焦点調節してしまうおそれがあるという問題もある。
【0009】
本発明は上記問題点を解決するためのものであり、高品位な像の観察を行ないながら、その像の撮影を可能とし、且つ撮影時に焦点調節に掛かる時間を短縮して焦点の合った画像を撮影することが可能な観察光学系付き撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の観察光学系付き撮像装置は、観察対象の像を観察可能な観察光学系と、フォーカス操作部材を操作することにより前記観察光学系のフォーカスレンズを連動させて焦点調節を行う焦点調節機構と、前記観察光学系とは別に設けられた撮像光学系と、この撮像光学系により結像された画像を光電変換して画像データを得る撮像部と、この撮像部により得られた画像データを記録する操作を行う撮像操作部材と、前記撮像部により得られた画像データから焦点評価値を検出する焦点評価値検出手段と、前記焦点評価値検出手段によって検出した焦点評価値が最大となる位置に前記撮像光学系のフォーカスレンズを移動させて焦点調節を行う自動焦点調節手段とからなる観察光学系付き撮像装置において、前記自動焦点調節手段は、前記撮像光学系の焦点調節を粗調整で行う粗調モードと、撮像光学系の焦点調節を前記粗調モードよりも微調整で行う微調モードとを備えており、これら粗調モード及び微調モードを切り換えて焦点調節を行うことを特徴とする。
【0011】
なお、前記自動焦点調節手段は、前記フォーカス操作部材の操作に連動して粗調モードでの焦点調節を行うことが好ましい。また、前記観察光学系の合焦位置を検出する観察光学系合焦位置検出手段と、前記撮像光学系の合焦位置を検出する撮像光学系合焦位置検出手段と、これらの検出手段により検出された観察光学系合焦位置と撮像光学系合焦位置とを比較する合焦位置比較手段とを備えており、前記粗調モードのとき、前記合焦位置比較手段により比較した合焦位置の差が所定値以内のときには、前記自動焦点調節手段による焦点調節を停止し、前記合焦位置の差が所定値を超えるときには、前記粗調モードでの焦点調節を続行することが好ましい。さらにまた、前記自動焦点調節手段は、前記撮像操作部材の操作により画像記録または画像記録準備の入力が行われたとき、この入力操作に連動して前記微調モードでの焦点調節を開始することが好ましい。あるいは、前記撮像操作部材は、2段階操作の入力を行うスイッチであり、前記自動焦点調節手段は、前記撮像操作部材による第1段階の入力が行われたとき、この入力操作に連動して前記微調モードでの焦点調節を開始することが好ましい。
【0012】
また、前記微調モード下での焦点調節は、前記粗調モード下の焦点調節よりも前記撮像光学系のフォーカスレンズの調整範囲が狭く設定されていることが好ましい。さらにまた、前記微調モード下での焦点調節を行っているときに、予め設定された前記調整範囲を超えた位置に前記撮像光学系のフォーカスレンズが位置している場合、前記粗調モードに切り替えることを促す表示を行う表示手段を設けていることが好ましい。
【0013】
なお、前記微調モード下での焦点調節は、前記粗調モード下での焦点調節よりも前記撮像光学系の合焦精度が高く設定されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明の観察光学系付き撮像装置は、前記自動焦点調節手段は、前記撮像光学系の焦点調節を粗調整で行う粗調モードと、撮像光学系の焦点調節を前記粗調モードよりも微調整で行う微調モードとを備えており、これら粗調モード及び微調モードを切り換えて焦点調節を行うので、自動焦点調節手段が焦点を合わせるまでの時間を短縮可能であり、焦点の合った画像を迅速に記録することができる。
【0015】
さらに、本発明では、フォーカス操作部材の手動操作に連動して粗調モードでの焦点調節を行うようにしたり、粗調モードのときに、合焦位置比較手段により比較した観察光学系合焦位置と撮像光学系合焦位置との差が所定値以内のときには、自動焦点調節手段による焦点調節を停止し、合焦位置の差が所定値を超えるときには、粗調モードでの焦点調節を続行するようにしたり、撮像操作部材の操作により画像記録または画像記録準備の入力が行われたとき、この入力操作に連動して微調モードでの焦点調節を開始するようにしたり、撮像操作部材を2段階操作の入力を行うスイッチで構成し、撮像操作部材による第1段階の入力が行われたとき、この入力操作に連動して微調モードでの焦点調節を開始するようにしているので、状況にあったモード下で自動焦点調節手段を動作させることが可能であり、焦点調節に掛かる時間をさらに短縮し、合焦精度の高い撮影を行うことができる。
【0016】
さらにまた、微調モード下の焦点調節では、粗調モード下の焦点調節よりも撮像光学系のフォーカスレンズの調整範囲を狭く設定し、微調モード下での焦点調節を行っているときに、予め設定された前記調整範囲を超えた位置に前記撮像光学系のフォーカスレンズが位置している場合、前記粗調モードに切り替えることを促す表示を行う表示手段を備えているので、焦点調節に掛かる時間をさらに短縮することができる。
【0017】
あるいは、微調モード下での焦点調節は、粗調モード下での焦点調節よりも撮像光学系の合焦精度が高く設定されているので、焦点の合った撮影をさらに確実に行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1及び図2に本発明の観察光学系付き撮像装置の適用例であるカメラ付き双眼鏡(以下、単に双眼鏡と称する。)の正面側及び背面側の外観を示す。この双眼鏡2は、双眼鏡本体11と、LCDモニタ12とからなる。双眼鏡本体11は、2つの円の間を直線で繋いだ長円状の断面を持つ柱状のケーシング13を備え、そのケーシング13の内部に、後述する双眼光学系15、及び撮像部16を内蔵している。ケーシング13の前面からは、撮像レンズ17、及び一対の対物レンズ19,20が、背面からは接眼レンズ21,22が露呈している。さらにケーシング13の上面には、フォーカスダイヤル23及び操作部24が、一方の側方部には、メモリカードスロット25が、また、下面には、電池装填蓋26が設けられている。フォーカスダイヤル23は、回転操作されることにより双眼光学系15のピント調整が行われる。電池装填蓋26を開き位置にすると、電池室(図示せず)が露呈し、この電池室に双眼鏡2の電源と成る電池27(図3参照)を装填することができる。操作部24は、電源スイッチ24a,レリーズボタン24bなどからなり、双眼鏡2の各種操作を行うことができる。
【0019】
LCDモニタ12は、回転軸12aを介し、双眼鏡本体11に対して開き位置及び閉じ位置の間で回動自在に取り付けられており、LCDモニタ12を開き位置にすると、ビューファインダや画像再生用モニタ等として使用されるLCDパネル12bが露呈される。
【0020】
図3に双眼鏡2の内部構成の概略を示す。双眼鏡2は、対物レンズ19,20と、接眼レンズ21,22と、対物レンズ19,20及び接眼レンズ21,22の間に位置する一対の正立プリズム28,29とを備えており、対物レンズ19、接眼レンズ21、及び正立プリズム28は、右側観察光学系30を構成し、対物レンズ20、接眼レンズ22、及び正立プリズム29は、左側観察光学系31を構成している。さらにこの右側観察光学系30、及び左側観察光学系31が双眼光学系15を構成している。
【0021】
本実施形態においては、対物レンズ19,20と、正立プリズム28,29とは、ケーシング13に対して固定されるが、接眼レンズ21,22は、双眼光学系15のフォーカスレンズとして、光軸方向に沿って移動可能となっている。また、ケーシング13には、接眼レンズ21,22を、フォーカスダイヤル23の回転操作に連動して進退移動させるための連動機構35が組み込まれている。連動機構35は、フォーカスダイヤル23の回転を伝達する伝達ギヤ及びこの伝達ギヤの回転を直進移動に変換するリードスクリューなどからなり、直進移動が接眼レンズ21,22に伝達される。これにより、上記双眼光学系15の接眼レンズ21,22は、フォーカスダイヤル23の回転操作に連動して光軸方向に移動し、双眼光学系15のピント調整が行われる。
【0022】
撮像部16は、撮像レンズ17、及びこの撮像レンズ17の背後に位置するCCD40を備える。撮像光学系としての撮像レンズ17は、第1及び第2レンズ41,42とから構成され、上述した左右一対の観察光学系30,31の中間に配置されている。第1及び第2レンズ41,42のうち、第1レンズ41が対物側に位置し、第2レンズ42が結像側に位置しており、これらのうち、第1レンズ41は、ケーシング13に対して固定されるが、第2レンズ42は、撮像レンズ17のフォーカスレンズとして、光軸方向に沿って移動可能となっている。双眼光学系15の光軸と撮像レンズ17の光軸とは互いに略平行に配置され、且つ撮像レンズ17は双眼光学系15の焦点距離に合わせた超望遠撮影が可能となっており、双眼光学系15の観察視野に、撮像部16の撮像範囲が合わされている。
【0023】
CCD40は、撮像レンズ17により結像された被写体像を光電変換し、画像信号として出力する。なお、このCCD40は、CPU45に接続されたCCD駆動部46により制御される。CCD40からの画像信号は、A/D変換器47に送られ、画像データに変換される。
【0024】
CPU45は、操作部24及びフォーカスダイヤル23からの操作信号に応じて双眼鏡2の各部を所定のシーケンスに応じて制御する。このCPU45は、CCD駆動部46、A/D変換器47、及び操作部24、フォーカスダイヤル23の他に、画像処理部48,AE処理部49、AF処理部50、メディアI/F51、及びLCDドライバ52がデータバス53を介して接続されており、相互間でのデータの授受が可能になっている。さらにCPU45には、フォーカスレンズ駆動部54、及びRAM55、ROM56が接続されている。ROM56には、双眼鏡2の各種動作を制御するためのプログラムが記憶されており、CPU45は、そのプログラムに従って各部を制御する。RAM56は、プログラム実行時に必要な各種変数が一時的に書き込まれるワークメモリとして使用される。また、電源部61は、電池27を電源として双眼鏡2の各部に電力を供給する。
【0025】
CCD40から出力され、A/D変換器47で変換された画像データは、画像処理部48に送られる。画像処理部48は、A/D変換器からの画像データにホワイトバランス補正、γ補正、データ圧縮・伸張などの各種補正処理を施す。
【0026】
画像処理部48で処理された画像データは、LCDドライバ52に送られ、LCDドライバ52は、この画像データに基づいて、LCDパネル12bに画像をスルー表示する。LCDモニタ12を開き位置にしたときには、接眼レンズ21,22を観察する方向と近似する方向にLCDパネル12bが露呈されるので、このLCDパネル12bをビューファインダとして使用することができる。
【0027】
メディアI/F51は、メモリスロット25に装着されたメモリカード58への書き込み、読み出しを行う。レリーズボタン24bが押圧操作に応答して得られた画像データは、画像処理部48で処理された後に、このメディアI/F51に送られ、所定のファイル名が付与されてメモリカード58に書き込まれる。
【0028】
AE処理部49は、画像データに基づき、撮像中の被写体輝度に応じたAE信号を出力しCPU45に送る。CPU45は、AE信号に基づき、適正な露光量となるように、CCD45の電子シャッタのシャッタ速度及び絞りをフィードバック制御する。
【0029】
AF処理部50は、いわゆるコントラスト方式のAF制御を行うためのものであり、例えば、ハイパスフイルタ(HPF)、加算器などからなる構成である。このような構成からなるAF処理部50では、HPFは画像データに含まれる高周波成分を抽出する。この抽出された高周波成分は、画像の鮮鋭度が高いほど画像データに含まれているため、この高周波成分を積分することによって積分範囲での平均的な画像の鮮鋭度の高低を数値化することができる。そして、HPFを通過した高周波成分は、加算器に入力され、積算される。この積算された値は画像の鮮鋭度を示す焦点評価値として、CPU45に入力される。
【0030】
フォーカスレンズ駆動部54は、CPU45に制御されて、図示しないモータの駆動により撮像レンズ17のフォーカスレンズ42を光軸方向に進退し、自動焦点調節動作を行う。このフォーカスレンズ駆動部54は、フォーカスレンズ42の位置を検出する位置検出センサ57に接続されており、そのフォーカスレンズ位置の情報をCPU45に送る。そして、CPU45は、AF処理部50で検出された焦点評価値が最大となる位置にフォーカスレンズ42を移動させる。これにより、フォーカスレンズ42は、自動焦点調節が行われる。この焦点評価値が最大となるフォーカスレンズ位置に移動させて自動焦点調節を行う判定方式としては、例えば山登り方式と、全スキャン方式とがある。
【0031】
なお、本実施形態においては、このCPU45が制御し、フォーカスレンズ駆動部54が行うフォーカスレンズ42の自動焦点調節は、いわゆる山登り方式によるもので、さらに、自動焦点調節を粗調整に行う粗調モードと、この粗調モードよりも微調整に、自動焦点調節を行う微調モードとからなる2つのモードを選択的に使用して自動焦点調節を行うように設定がなされている。以下では、この粗調モード及び微調モードによる山登り方式の自動焦点調節動作について説明する。
【0032】
粗調モードでは、図4(A)に示すようなパターンでフォーカスレンズ42の自動焦点調節が行われる。横軸は、フォーカスレンズ42の位置を示し、縦軸は、フォーカスレンズ42の各位置における焦点評価値の変化を示す。なお、この図において、フォーカスレンズ42の移動する位置の一方の端点である無限遠側端点では、無限遠を合焦し、他方の端点である至近側端点は、至近位置を合焦するレンズ位置を示している。この粗調モード下における自動焦点調節では、CPU45は、まず、フォーカスレンズ駆動部54の位置検出センサ57によって現在のフォーカスレンズ42の位置を検出する。本実施形態においては、このフォーカスレンズ初期位置Pr0にあるとき、フォーカスレンズ42は無限縁側端点に位置するように設定されている(図4参照)。なお、このフォーカスレンズ初期位置としては、至近側端点に位置するように設定してもよい。そして、フォーカスレンズ42が無限縁側端点にあることを検出すると、この無限縁側端点から至近側端点に向かって所定の送り量L1 で移動を開始する。そして、移動した時点でCPU45は、AF処理部50が検出した焦点評価値が、移動前と移動後とで、どちらが大きいかを判定し、移動後の焦点評価値がより大きくなる方向を移動方向と判断し、次の移動を開始する。その移動方向に送り量L1 ずつ移動しながら、焦点評価値が最大となる位置の検出を行う。つまり、移動後の焦点評価値が移動前のものより小さくなる(山の頂上を降り始める) 位置(図中Pr6)まで送り量L1 で移動を繰り返す。そして焦点評価値が移動前のものより小さくなる位置を検出することで、その移動前の位置(図中Pr5)が焦点評価値が最大となる位置であると検出される。焦点評価値が最大となる位置が検出されたら、次にその合焦位置にフォーカスレンズ42を移動させる。つまり、フォーカスレンズ42の移動方向が逆転(図中では、無限縁側端点の方向に移動)し、焦点評価値が最大となる位置(図中Pr5)にフォーカスレンズ42が移動して焦点調節が行われる。
【0033】
一方、微調モードでは、基本的には、粗調モードと同様の山登り方式での自動焦点調節が行われるが、まず、図4(B)の示すように、この微調モードでの自動焦点調節では、粗調モードから微調モードに切り替わったとき、最後にフォーカスレンズ42が停止した位置(図中Ps0=Pr5)から移動を開始し、且つ最後にフォーカスレンズ42が移動した方向(図中では、無限遠側端点の方向)とは逆の方向(図中では、至近側端点の方向)へ移動する。さらに、この微調モード時の送り量L2 は、粗調モード時の送り量L1 より小さい。この小さい送り量L2 で移動を繰り返すので、微調モード時には、粗調モード時よりも微調整で、焦点評価値が最大となる点を検出することになる。これにより、焦点評価値が最大となる位置(図中Ps2)は、上述した粗調モード下の自動焦点調節よりも、焦点評価値の極大点Pmax に近くなる。すなわち、より精度が高く、より適正な合焦位置に焦点調節が行われることになる。さらに、粗調モード時の焦点調節では、焦点評価値の極大点Pmax を通過し、この極大点Pmax の近傍から離れてしまっている可能性が高い。そこで、上述したように、粗調モード時に最後に移動した方向とは逆の方向にフォーカスレンズ42の移動を開始して、微調モード下の自動焦点調節を行っていることから、より焦点評価値の極大点Pmax に近づいていく可能性が高いので、迅速な自動焦点調節動作を行うことができる。
【0034】
なお、CPU45には、さらに、フォーカスダイヤル23の回転操作を検出する回転検出センサ60が接続されている。回転検出センサ60としては、例えばフォトセンサなどの光電式センサ、回転量に応じて抵抗値が変化する可変抵抗センサ、センサ側に設けられた接点と、フォーカスダイヤル23側に設けられた接点とが回転中に接触して電気信号を送る接点式センサなど、フォーカスダイヤル23が回転操作中であることを検出できるセンサであればよい。
【0035】
そして、この双眼鏡2では、フォーカスダイヤル23の回転操作を行うことによって、回転検出センサ60から回転操作信号がCPU45に送られると、粗調モード下での自動焦点調節が開始される。さらに、レリーズボタン24bの押圧操作が行われると、粗調モードから微調モードに切り替わり、微調整な自動焦点調節が行われるようになる。
【0036】
上記構成の作用を図5に示すフローチャートを用いて以下に説明する。先ず使用者は、観察をするにあたり観察視野内に設けられた指標(レチクル等)に焦点が合うように、接眼部に設けられた視度調整機構により、あらかじめ視度調整を行っておく。そして、双眼鏡2の電源スイッチ24aを押圧操作して電源をオン状態とし、観察対象の観察を開始する。電源がオン状態となると、AF処理部50及びフォーカスレンズ駆動部54を含む撮像部16が起動状態となる。そして、使用者が双眼光学系を通して観察対象の観察を行ないながら、フォーカスダイヤル23を回転操作して、双眼光学系15の焦点調節動作を行う。そしてCPU45は、このフォーカダイヤル23の回転操作が検出されると、フォーカスレンズ駆動部54を駆動させて、粗調モード下での撮像レンズ17のフォーカスレンズ42の自動焦点調節を行う。
【0037】
そして、使用者が観察対象を記録したいと思うときには、接眼レンズ21,22を覗いたまま、もしくはLCDパネル12bを見ながら観察対象をフレーミングする。そしてレリーズボタン24bを全押し操作する。レリーズボタン24bの全押し操作を検出したCPU45は、粗調モードから微調モードへと切り替えて、より微調整なフォーカスレンズ42の自動焦点調節が行われる。このとき、AF処理部50及びフォーカスレンズ駆動部54はすでに起動状態となっており、全押し操作に応答して微調モード下の自動焦点調節が開始するまでに待ち時間を必要とせず、短時間で且つ精度良く合焦位置に撮像レンズ17のフォーカスレンズ42を移動させることができる。さらに、上述したように、粗調モード時に最後に移動した方向とは逆の方向にフォーカスレンズ42の移動を開始して、微調モード下の自動焦点調節を行っていることから、さらに迅速な焦点調節動作を行うことができる。そして、本実施形態で、レリーズボタン24bの全押し操作で微調モード下での自動焦点調節が行われ、焦点が合った後には、そのままの位置で待機し、観察対象の画像がメモリカード58に記録される。
【0038】
上記第1の実施形態においては、フォーカスダイヤル23の回転操作を検出し、この回転操作信号を検出して粗調モード下での自動焦点調節を開始し、その後レリーズボタン24bの押圧操作により微調モード下の自動焦点調節に切り替わる構成としているが、本発明はこれに限るものではない。以下に説明する本発明の第2の実施形態では、上記第1の実施形態の構成に加えて、双眼光学系と撮像部との合焦位置のずれを少なくする構成としている。なお、上記第1の実施形態と同様の部品及び部材を使用するときには、同符号を図面に付し、説明を省略する。
【0039】
本実施形態における双眼鏡70では、図6に示すように、上記第1の実施形態で説明した構成に加えて合焦位置比較部71が設けられており、この合焦位置比較部71は、CPU45と、フォーカスダイヤル23の回転を検出する回転検出センサ60との間に接続されている。この合焦位置比較部71は、回転検出センサ60から出力される信号からフォーカスダイヤル23の回転量を検出し、このフォーカスダイヤル23の回転量から、双眼光学系15の合焦位置、すなわち、フォーカスレンズ21,22の位置を検出する。さらに合焦位置比較部71には、撮像レンズ17のフォーカスレンズ42の位置を検出する位置検出センサ57が接続されており、この位置検出センサ57から出力される信号から撮像レンズ17の合焦位置を検出することができる。そしてこれらの検出信号から合焦位置比較部71は、双眼光学系15と、撮像部16との合焦位置の比較を行う。なお、回転検出センサ60としては、上記第1の実施形態と同様に、光電式センサ、可変抵抗センサ、及び接点式センサなど、フォーカスダイヤル23がの回転量を検出できるセンサであればよい。
【0040】
さらに本実施形態においては、上記第1の実施形態における粗調モードでのパターンに加えて以下に説明する動作を加えた粗調モードとして自動焦点調節を行う。そしてこの粗調モード下での自動焦点調節を行うとき、上述した合焦位置比較部71が双眼光学系15と、撮像レンズ17との合焦位置の比較を行う。この粗調モードでは、先ず上記第1の実施形態と同様に、山登り方式で粗調整、すなわち、大きい送り量L1 でフォーカスレンズ42を移動し、焦点評価値が最大となる合焦位置にフォーカスレンズ42を移動して焦点調節を行う。そして、その撮像レンズ17の合焦位置がとともに、双眼光学系15の合焦位置が合焦位置比較部71に送られる。そして、合焦位置比較部71はこのとき、双眼光学系15の合焦位置と、撮像レンズ17の合焦位置との差を求める。そして、合焦位置の差が、所定の距離幅、例えば、±0.5m-1(ディオプタ;焦点距離の逆数)に相当する範囲内の差であれば、そこで自動焦点調節は一旦停止することになるが、合焦位置の差が、±0.5m-1(ディオプタ)に相当する範囲を超えている場合には、再び山登り方式による粗調整での自動焦点調節を繰り返す。これによって、上記第1の実施形態における効果に加えて、粗調モード下における双眼光学系と、撮像部との合焦位置のずれを小さくすることができる。また、微調モード下での自動焦点調節は、上記第1の実施形態と同様のパターンで行われる。
【0041】
上記構成の作用について、図7に示すフローチャートを用いて以下に説明する。先ず双眼鏡70の電源をオン状態とし、AF処理部50及びフォーカスレンズ駆動部54を含む撮像部16を起動状態とする。そして、使用者が双眼光学系を通して観察対象の観察を行ないながら、フォーカスダイヤル23を回転操作して、双眼光学系15の焦点調節動作を行う。そして、CPU45は、このフォーカダイヤル23の回転操作が検出されると、フォーカスレンズ駆動部54を駆動させて、粗調モードによる撮像レンズ17のフォーカスレンズ42の自動焦点調節を行う。そして、粗調整でフォーカスレンズ42を合焦位置に移動させると、上述したように、この撮像レンズ17の合焦位置と双眼光学系15の合焦位置との比較を合焦位置比較部71で行う。そして、合焦位置の差が±0.5m-1(ディオプタ)以内であれば、粗調モード下での自動焦点調節は一旦停止し、合焦位置の差が±0.5m-1(ディオプタ)を超えていれば、再び粗調モード下でフォーカスレンズ42を合焦位置に移動させ、合焦位置の差が±0.5m-1(ディオプタ)以内となるまでこれを繰り返す。
【0042】
そして、使用者が観察対象を記録したいと思うときには、先ずLCDパネル12bを見ながら観察対象をフレーミングする。そしてレリーズボタン24bを全押し操作する。レリーズボタン24bの全押し操作を検出したCPU45は、粗調モードから微調モードへと切り替えて、微調整でのフォーカスレンズ42の自動焦点調節が行われる。このとき、AF処理部50及びフォーカスレンズ駆動部54はすでに起動状態となっており、全押し操作に応答して微調モード下での自動焦点調節で焦点が合うまでに待ち時間を必要とせず、短時間で且つ精度良く撮像レンズ17の焦点を合わせることができる。さらに上述したように、粗調モード下での自動焦点調節で、双眼光学系15と、撮像部16との合焦位置の差を所定値以内に抑えているので、より迅速な焦点調節動作を行うことができる。もし、粗調モードで双眼光学系15と、撮像部16との合焦位置の差が大きい状態であれば、撮像レンズ17の合焦位置は、双眼光学系で使用者が観察していた合焦位置とは、全く異なる位置となり、撮影時における微調モード下での自動焦点調節に時間がかかってしまうことになるが、本実施形態では、そのようなことがない。そして、本実施形態で、レリーズボタン24bの全押し操作で微調モード下での自動焦点調節が行われ、焦点が合った後には、そのままの位置で待機し、観察対象の画像がメモリカード58に記録される。
【0043】
上記第1及び第2の実施形態では、レリーズボタンの全押し操作に応答して粗調モードから微調モードに切り替えて自動焦点調節を行っているが、本発明はこれに限るものではなく、レリーズボタンの半押し操作に応答して微調モード下での自動焦点調節へ切り替えるようにしても、上記第1及び第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。以下で説明する本発明の第3及び第4の実施形態では、レリーズボタンの半押し操作に応答して微調モードに切り替える構成とする。
【0044】
本発明の第3の実施形態では、レリーズボタンとして2段階操作の入力を行うスイッチで構成し、その他の構成としては、上記第1の実施形態と同様とする。この第3の実施形態の作用を図8に示すフローチャートを用いて説明する。使用者は、先ず電源オン状態とし、双眼光学系を通して観察対象の観察を行ないながら、フォーカスダイヤル23を回転操作して、双眼光学系15の焦点調節動作が行われ、これに連動して粗調モード下での自動焦点調節が行われる。使用者が観察対象を記録するときには、先ずレリーズボタン24bを半押し操作する。レリーズボタン24bの半押し操作を検出したCPU45は、粗調モードから微調モードへと切り替えて、微調整でのフォーカスレンズ42の自動焦点調節が行われる。そして、レリーズボタン24bの半押し操作で微調モード下での自動焦点調節が行われ、焦点が合った後には、そのままの位置で待機し、レリーズボタン24bの全押し操作で観察対象の画像がメモリカード58に記録される。また、レリーズボタン24bの半押し操作で焦点が合った後、一定時間が経過してもレリーズボタンが全押しされなければ、フォーカスレンズ42を初期位置(一方の端点)に復帰するようにしてもよいし、一定時間経過後、再び半押し操作で微調モード下での自動焦点調節が行ないやすいように、所定距離だけフォーカスレンズ42をオフセットした位置に移動させるようにしてもよい。
【0045】
本発明の第4の実施形態では、レリーズボタンとして2段階操作の入力を行うスイッチで構成し、その他の構成としては、上記第2の実施形態と同様とする。この第4の実施形態の作用を図9に示すフローチャートを用いて説明する。使用者は、先ず電源オン状態とし、双眼光学系を通して観察対象の観察を行ないながら、フォーカスダイヤル23を回転操作して、双眼光学系15の焦点調節動作が行われ、これに連動して粗調モード下での自動焦点調節が行われる。そして、合焦位置の差が±0.5m-1(ディオプタ)以内であれば、粗調モード下での自動焦点調節は一旦停止し、合焦位置の差が±0.5m-1(ディオプタ)を超えていれば、粗調モード下でフォーカスレンズ42を合焦位置に移動させ、合焦位置の差が±0.5m-1(ディオプタ)以内となるまでこれを繰り返す。使用者が観察対象を記録するときには、先ずレリーズボタン24bを半押し操作する。レリーズボタン24bの半押し操作を検出したCPU45は、粗調モードから微調モードへと切り替えて、微調整でのフォーカスレンズ42の自動焦点調節が行われる。以下、上記第3の実施形態と同様に、微調モード下での自動焦点調節が行われ、焦点が合った後には、そのままの位置で待機し、レリーズボタン24bの全押し操作で観察対象の画像がメモリカード58に記録される。
【0046】
なお、上記第1〜4の実施形態においては、レリーズボタンの押圧操作に応答して、微調モードへの切り替えを行ない、この微調モード下での自動焦点調節を行うようにしているが、これに限るものではなく、フォーカシング用の操作ボタンを設け、これに連動させるようにしてもよいし、AEロック操作など他の撮影操作に応答して微調モード下での自動焦点調節を行うようにしてもよい。
【0047】
また、上記第1〜4の実施形態において、微調モード下での焦点調節では、粗調モード下での焦点調節よりも撮像光学系のフォーカスレンズの調整範囲を狭くするように設定し、このように設定されている微調モード下で自動焦点調節を行っているときにフォーカスレンズの位置が前記調整範囲を超える場合には、粗調モード下での焦点調節に切り替えることを促す旨の表示を行う表示手段を設けるようにしてもよい。これによって、より状況に合ったモード下での焦点調節を行うことが可能となる。なお、表示手段としては、LCDモニタ12に粗調モード下での焦点調節に切り替えることを促す文章や図柄を表示したり、切り替えが必要なときに点灯又は点滅する発光部を設けたりすればよい。
【0048】
さらにまた、上記第1〜4の実施形態においては、双眼光学系を有する撮像装置を例に上げて説明しているが、これに限らず、単眼光学系など、焦点距離の長い観察光学系であれば、どのようなものでも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】カメラ付き双眼鏡の正面斜視図である。
【図2】カメラ付き双眼鏡の背面斜視図である。
【図3】カメラ付き双眼鏡の構成を示すブロック図である。
【図4】カメラ付き双眼鏡における粗調モード及び微調モード下での焦点評価値と、フォーカスレンズ移動量の関係を示すグラフである。
【図5】カメラ付き双眼鏡で撮像を行うときのシーケンスを示すフローチャートである。
【図6】第2の実施形態におけるカメラ付き双眼鏡の構成を示すブロック図である。
【図7】第2の実施形態におけるカメラ付き双眼鏡で撮像を行うときのシーケンスを示すフローチャートである。
【図8】第3の実施形態におけるカメラ付き双眼鏡で撮像を行うときのシーケンスを示すフローチャートである。
【図9】第4の実施形態におけるカメラ付き双眼鏡で撮像を行うときのシーケンスを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0050】
2 カメラ付き双眼鏡
15 双眼光学系
16 撮像部
17 撮像レンズ
23 フォーカスダイヤル
24b レリーズボタン
30 右側観察光学系
31 左側観察光学系


【特許請求の範囲】
【請求項1】
観察対象の像を観察可能な観察光学系と、フォーカス操作部材を操作することにより前記観察光学系のフォーカスレンズを連動させて焦点調節を行う焦点調節機構と、前記観察光学系とは別に設けられた撮像光学系と、この撮像光学系により結像された画像を光電変換して画像データを得る撮像部と、この撮像部により得られた画像データを記録する操作を行う撮像操作部材と、前記撮像部により得られた画像データから焦点評価値を検出する焦点評価値検出手段と、前記焦点評価値検出手段によって検出した焦点評価値が最大となる位置に前記撮像光学系のフォーカスレンズを移動させて焦点調節を行う自動焦点調節手段とからなる観察光学系付き撮像装置において、
前記自動焦点調節手段は、前記撮像光学系の焦点調節を粗調整で行う粗調モードと、撮像光学系の焦点調節を前記粗調モードよりも微調整で行う微調モードとを備えており、これら粗調モード及び微調モードを切り換えて焦点調節を行うことを特徴とする観察光学系付き撮像装置。
【請求項2】
前記自動焦点調節手段は、前記フォーカス操作部材の操作に連動して粗調モードでの焦点調節を行うことを特徴とする請求項1記載の観察光学系付き撮像装置。
【請求項3】
前記観察光学系の合焦位置を検出する観察光学系合焦位置検出手段と、前記撮像光学系の合焦位置を検出する撮像光学系合焦位置検出手段と、これらの検出手段により検出された観察光学系合焦位置と撮像光学系合焦位置とを比較する合焦位置比較手段とを備えており、前記粗調モードのとき、前記合焦位置比較手段により比較した合焦位置の差が所定値以内のときには、前記自動焦点調節手段による焦点調節を停止し、前記合焦位置の差が所定値を超えるときには、前記粗調モードでの焦点調節を続行することを特徴とする請求項1又は2記載の観察光学系付き撮像装置。
【請求項4】
前記自動焦点調節手段は、前記撮像操作部材の操作により画像記録または画像記録準備の入力が行われたとき、この入力操作に連動して前記微調モードでの焦点調節を開始することを特徴とする請求項1ないし3いずれか記載の観察光学系付き撮像装置。
【請求項5】
前記撮像操作部材は、2段階操作の入力を行うスイッチであり、前記自動焦点調節手段は、前記撮像操作部材による第1段階の入力が行われたとき、この入力操作に連動して前記微調モードでの焦点調節を開始することを特徴とする請求項1ないし3いずれか記載の観察光学系付き撮像装置。
【請求項6】
前記微調モード下での焦点調節は、前記粗調モード下の焦点調節よりも前記撮像光学系のフォーカスレンズの調整範囲が狭く設定されていることを特徴とする請求項1ないし5いずれか記載の観察光学系付き撮像装置。
【請求項7】
前記微調モード下での焦点調節を行っているときに、予め設定された前記調整範囲を超えた位置に前記撮像光学系のフォーカスレンズが位置している場合、前記粗調モードに切り替えることを促す表示を行う表示手段を設けたことを特徴とする請求項6記載の観察光学系付き撮像装置。
【請求項8】
前記微調モード下での焦点調節は、前記粗調モード下での焦点調節よりも前記撮像光学系の合焦精度が高く設定されていることを特徴とする請求項1ないし7いずれか記載の観察光学系付き撮像装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−91659(P2006−91659A)
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−279344(P2004−279344)
【出願日】平成16年9月27日(2004.9.27)
【出願人】(000005201)富士写真フイルム株式会社 (7,609)
【出願人】(000005430)フジノン株式会社 (2,231)
【Fターム(参考)】