説明

触媒およびその製造方法

本発明は、炭化水素変換用の貴金属触媒、気相技術に基づくその製造方法、開環、異性化、アルキル化、炭化水素改質、乾式改質、水素化および脱水素化反応のような反応における該触媒の使用、および中間留分の製造方法に関する。前記貴金属触媒は、支持体上に白金、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、またはその組合せの混合物から選択される第VIII族金属を含み、該触媒は323K未満の温度で一酸化炭素を活性化する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貴金属触媒、気相技術に基づくその製造方法、開環、異性化、アルキル化、炭化水素改質、乾式改質、水素化および脱水素化反応のような反応における該触媒の使用、および中間留分(middle distillate)の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
技術水準において、貴金属の触媒は、炭化水素改質、異性化、イソ脱ワックス(isodewax)、脱水素化および水素化反応において活性であることはよく知られている。商業的に入手可能な貴金属触媒は、典型的には、白金、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、イリジウムまたはその混合物からなる。
【0003】
支持された貴金属触媒は、伝統的には含浸またはイオン交換技術によって液相中で調製される。不均一触媒の調製における気相からの多孔性支持体材料への貴金属の蒸着については、小数の報告が文献から知られているに過ぎない。気化された貴金属前駆体は、最も普通には、通常、物理的収着/凝縮によって、支持体表面にそのままで蒸着し、その後、分解して金属粒子を形成するか、あるいは蒸着の間に熱的または化学的に分解する。
【0004】
Dossi et al.(J. Catal. 145(1994)377-383)は、揮発性有機金属前駆体の還元的分解をゼオライト内部に導入した。これは2工程のプロセスであり、そこでは、最初に有機金属前駆体をそのままゼオライトケージに蒸着させ、次いで、制御された還元条件下で金属粒子に分解する。Pt/KL触媒を白金ヘキサフルオロアセチルアセトネートから調製した場合、小さな金属粒子(最大直径7〜8Å)がゼオライトケージ内部に形成される。Pd(C35)(C55)から調製されたPd/NaY触媒においては、ゼオライトスーパーケージを充填する大きなPd粒子が形成される(J. Catal. 149(1994)92-99)。この有機金属化学的気相蒸着(CVD)手法の利点は、イオン交換手法と比較した場合、還元に際してゼオライトに酸性部位(acidic sites)が形成されないことである。
【0005】
CVDプロセスによるPd/Auシェル触媒の製造方法は、WO99/67022に開示されている。蒸発可能なPd/Au前駆体は、熱的または化学的還元による蒸着の間またはその後に、支持体表面に金属粒子を形成する。金属粒子を含有するシェルの厚さは、プロセスパラメーターによって制御される。
【0006】
Lashdaf et al.(Appl. Catal. A241(2003)51-63)は、異なるアプローチを提供している。それは、気化されたPdおよびRuベータ−ジケトネートを、気体−固体反応においてアルミナおよびシリカ支持体に蒸着させるというものである。この技術においては、反応温度を、金属前駆体の化学的収着を確実にするように十分に高く維持し、表面の飽和が達成されるまで反応を進行させる。支持体表面とのこの反応性相互作用が、一般には、よく分散された種(well-dispersed species)へと導く。気化可能な貴金属前駆体と支持体との反応性相互作用はまた、Mu et al.(Appl. Catal. A248(2003)85-95)によって利用されている。
【0007】
不均一触媒の製造のために気相プロセスにおける飽和気体―個体反応を使用することが、WO91/10510に開示されている。このプロセスは、任意の前処理工程を含んでいる。そこでは、支持体に結合させる触媒的に活性な成分のための望ましい結合部位を与えるために、アルミナまたはシリカ、またはゼオライトのような無機酸化物であってもよい支持体を、熱的におよび/または化学的に処理する。次いで、表面活性化された支持体を接触させ、飽和気体−固体反応が起こることを確保する条件、すなわち、支持体上の結合部位の量に対して過剰な前駆体を提供し、反応温度を支持体の結合部位への前駆体の化学的収着を達成するのに十分に高いレベルに維持して、触媒的に活性な種またはその前駆体を含有する蒸気と相互作用させる。次いで、任意の後工程が続く。これは、酸化または還元条件で行われる熱処理工程を含んでいてもよい。ゼオライト支持亜鉛(Zeolite-supported zinc)、アルミナ支持レニウム(Almina-supported rhenium)、およびシリカ支持クロム(silica-supported chromium)は主な群といわれる。
【0008】
不均一触媒の製造のために、同様に改良された飽和気体−固体反応に基づく気相方法が、FI913438に提案されている。それには、活性な金属種の所望の含有量を達成するために、飽和反応で用いることができる制御方法が開示されている。このプロセスは任意の前処理工程を含んでいる。そこでは、支持体が熱的および/または化学的に処理される。化学的処理には、利用可能な表面結合部位の一部を脱活性化するヘキサメチルジシラザンのような阻害試薬、または、利用可能な表面結合部位の数を増加させる水のような試薬で、支持体を処理することを含んでいてもよい。
【0009】
貴金属触媒は化学的に安定であり、貯蔵および取り扱いが容易である。機械的安定性および形成性は、主として、触媒で用いられる支持体にある。貴金属触媒は、油精製、および化学および医薬産業において、炭化水素改質、異性化、イソ脱ワックス、脱水素化、水素化および乾式改質プロセスのようないくつかの反応で広く用いられる。
【0010】
前記反応は、一般には以下のように定義される。炭化水素改質反応は、典型的には、芳香族および水素の形成、ならびに異性化を含む。オレフィン異性化プロセスにおいては、クラッキングおよびダイマー化のような副反応に加えて、二重結合異性化および骨格異性化が起こる。n−パラフィン異性化プロセスにおける所望の反応は、n−パラフィンのイソパラフィンへの異性化である。イソ脱ワックスプロセスは、ワックス分子を異性化することを含む。脱水素化反応においては、オレフィンはパラフィンから製造される。水素化プロセスは分子への水素付加を含み、かくして、オレフィンおよびジオレフィンはパラフィンおよびオレフィンへ各々水素化され、芳香族はナフテンに水素化される。乾式改質反応においては、メタンおよび二酸化炭素が反応して、水素および一酸化炭素を生じる。
【0011】
一酸化炭素は、フィッシャー−トロピッシュ(Fischer-Tropsch)合成およびメタノールの製造プロセスなどの多くのプロセスにおいて重要な反応体である。必要な一酸化炭素および水素は、反応体として二酸化炭素およびパラフィンを利用する乾式改質技術、および反応体として水およびパラフィンを用いる蒸気改質技術によって調製することができ、該一酸化炭素活性化反応のための触媒は、支持体上のニッケル、ロジウム、ルテニウム、パラジウム、白金またはその混合物からなる。
【0012】
種々の開環触媒およびプロセスが技術水準において提案されている。環状有機化合物の開環反応用の触媒が、US6,235,962に提案されている。前記触媒は、白金、パラジウム、ロジウム、レニウム、イリジウム、ルテニウム、ニッケル、コバルトおよびその混合物または組合せから選択される触媒的に活性な金属、タングステン、モリブデン、ランタンおよび稀土類金属およびその混合物および組合せから選択される金属モディファイヤー(modifier)を、アルミナ、シリカ、ジリコニアおよびその混合物から選択される担体上に含む。前記触媒は、水素の存在下における環状化合物の開環反応において、効率的な不均一触媒である。環状化合物は、ディーゼル燃料に存在するシクロペンタン、シクロヘキサン、デカリン、インダン、インデン、ベンゼンおよびナフタレンの誘導体を含む。
【0013】
高度な線状パラフィンを有する高セタン価留分を形成するためのナフタレン開環触媒が、WO00/08156に開示されている。前記触媒は、イリジウムと有効量の白金、ロジウムおよび/またはルテニウムのような第VIII族の金属とを含む。この触媒組成物は、少なくとも一つの第三級炭素を担うC6ナフテン環からC5ナフテン環を含有する化合物を開環するのに特に効果的である。
【0014】
WO00/08157には、ナフテン環異性化触媒(50〜90%)およびナフテン開環触媒(50〜10%)を含む触媒系が開示されている。前記異性化触媒は、C6ナフテン環〜C5ナフテン環を含有する化合物を異性化するために、第一の触媒支持体に支持された特定の金属、好ましくは白金またはパラジウムをアルミナ上に含有する。ナフテン開環触媒は、ナフテン環を含有する化合物を開環するために、第二の触媒支持体上にもう一つの特定の金属、好ましくはイリジウムをアルミナ上に含有する。
【0015】
WO00/08158は、留分のナフテン開環のために、触媒を使用することを教示している。それは、第IB、IIBおよびIVA族金属の少なくとも一つを、メタンを形成するためのナフテン環含有供給物のクラッキングを緩和するのに有効な量で有する基材(例えば、マグネシウムで修飾されたアルミナ)上に支持された第VIII族金属、例えば、イリジウム、白金、パラジウム、ロジウムおよび/またはルテニウムを含む。前記触媒は、また、環構造に所望により存在するペンダント置換基の脱アルキル化を抑制する。前記触媒は所望の三次結合(tertiary bond)切断活性を呈する。前記方法は、比較的高い含有量の直鎖状およびあまり分岐していないパラフィンを提供し、好ましい開環触媒組成物は、Ir−Cu、Ir−Sn、Pt−Ir−Sn、Pt−CuおよびPt−Snである。
【0016】
イリジウムを含む触媒組成物の使用について、WO02/07881に開示されている。前記触媒組成物は、ナフテンまたはナフテン環含有留分における第三級炭素部位の範囲(range)を変化させて、より高度な線状パラフィン機能を持つ生成物を形成するのに有用である。特に、この組成物は、少なくとも一つの第三級炭素を担うC5およびC6ナフテン環を含有する化合物を開環するのに効果的である。この触媒組成物は、アルミナ成分と酸性シリカアルミナモレキュラーシーブ(molecular sieve)成分との複合支持体上に支持されているイリジウムを含む。あるいは、少なくとも一つの他のもの、または白金、ルテニウムおよびロジウムから選択される第二の第VIII族金属を、前記イリジウム含有触媒に加えることができる。
【0017】
増大したセタン価をもつディーゼル燃料を生産するため、および、特に選択的ナフテン開環反応のための2段階プロセスが、US2002/0121457に開示されている。前記プロセスにおいては、第一の段階は供給物から硫黄を除去するための水素処理段階からなり、第二の段階は選択的開環段階である。開環触媒は、高度に分散された白金を含有する中間留分に対して高い選択性を有し、極端に酸性度が低い触媒である。前記触媒は、結晶性モレキュラーシーブ材料成分および第VIII族貴金属成分を含有することが好ましい。この結晶性モレキュラーシーブ成分は、1未満のアルファ−酸性度を有する大細孔ゼオライトであり、ゼオライトUSYが、好ましい結晶性モレキュラーシーブ材料として記載されている。前記第VIII族貴金属成分は、白金、パラジウム、イリジウム、ロジウムまたはその組合せであり得る。前記超低酸性度の触媒は、ディーゼル燃料において、二次的クラッキングおよび所望のパラフィンのヒドロ異性化を生じずに、炭素−炭素結合のみのクラッキングを可能とする。
【0018】
ディーゼル燃料に関連する技術水準から、ナフテンの開環によって質を改良すること、および容量を増加させることができ、さらに、ナフテン粗製油からのディーゼル燃料の生産を増加させることができることが知られている。ナフテンをパラフィンへ変換するための一般的反応を、ここでは開環反応という。ディーゼル領域において、n−パラフィンおよびわずかに分岐したパラフィン成分のセタン価はより高く、密度は対応するナフテン成分よりも低い。中間留分の芳香族の水素化は、セタン価および粒子放出に対するある程度の効果を顕著に増大させるが、ナフテン環の開環はさらなる利点をもたらす。
【0019】
中間留分は、典型的には炭素数C9〜C21を持つ分子を含む異なった炭化水素の混合物であって、中間留分の典型的な沸騰範囲は、432〜623Kの間である。中間留分は、通常、芳香族、パラフィンおよびナフテンを含有する。
【0020】
ナフテンからパラフィンへの反応もまた、基油(based oil)の生産および溶媒の質の改良に適応することができる。基油の生産において、油精製で用いられる粗製の質は、得られる製品の粘度指数および粘度に影響する。ナフテン環の開環によって、潤滑油の粘度指数も増加させることができる。さらに、ナフテン成分は溶媒中に望まない臭いを引き起こしかねないので、ナフテン環を開環することによって、溶媒の臭いを減少させることができ、溶媒の質を改良することができる。
【0021】
WO00/40676は、炭化水素供給材料から増大したセタン価をもつディーゼル燃料の製造プロセスを教示している。前記プロセスは、フォージャサイト構造(faujasite structure)および1未満のアルファ酸性度を有する大細孔結晶性モレキュラーシーブ材料成分を有する触媒と、前記供給材料とを接触させることを含む。前記触媒は、供給材料中の芳香族およびナフテン種の水素化/ヒドロクラッキングを触媒する分散した第VIII族貴金属成分を含有し、好ましい触媒組合せは、白金/USYである。477Kを超えて沸騰する画分のセタン価は、63から65〜69に改良された。
【0022】
WO02/07877は、イリジウム、白金、ロジウムおよびルテニウムから選択される少なくとも一つの第VIII族金属を含む触媒で、ナフテン環含有化合物のナフテン環を開環する方法を開示しており、そこでは、これらの金属はアルカリ金属またはアルカリ土類金属で修飾された支持体に支持されている。前記触媒により、生成物流(product stream)中に減少した数の環構造を供すること、環構造に任意に存在するペンダント置換基の脱アルキル化を最小化すること、および、生成物の量を増加させることができる。前記触媒は、C6ナフテン環含有組成物を含有するナフテン供給源(ここで、前記C6環は少なくとも一つの第三級炭素部位を含有する)を、実質的な量の線状および分岐の低いパラフィン化合物を含有する製品に変換するのに特に有益である。第VIII族金属は、有効量のアルカリ金属またはアルカリ土類金属を含有する基材で支持され、該基材は、アルミナのような、好ましくはより低い酸性度をもつ耐火性(refractory)無機酸化物であることが望ましい。
【0023】
支持体材料上の金属粒子の分布および分散は重要な特徴であり、これは、炭化水素反応における貴金属触媒の挙動に影響する。適当な支持体材料上にかなり高度に分散した金属粒子は、高度に活性な貴金属触媒に対する必要要件である。しかしながら、よく分散した金属粒子は、それらの電子的および/または幾何学的特性における変動のため、異なった挙動を示し得る。貴金属は、通常は、不均一触媒中に非常に低い濃度で存在するので、このような特性を直接的に測定するのは困難である。
【0024】
プローブ分子を用いる間接的な測定は、多くの場合において、より影響を受けやすく、それらは、金属粒子の特性の小さな変動でさえをモニターするのに用いることができる。Bourane and Bianchi(J. Catal. 218(2003)447-452)によって確認されたように、300K未満の温度での一酸化炭素の吸着の間における二酸化炭素の形成は、これまで貴金属触媒において活性化することが観察されていない反応である。
【0025】
技術水準からは、ナフテン環内部の炭素―炭素結合の切断は容易な反応でないことが理解でき、それは、二次的なクラッキング反応に非常に容易に至る。かくして、ナフテン環内の炭素−炭素結合の切断に関与するプロセスにおいて、改良された性能を持つ選択的貴金属触媒が、明らかに必要とされている。また、低毒性および生分解性であることから生起するパラフィン性溶媒に対する要望が、増大しつつある。
【発明の開示】
【0026】
本発明の目的は、開環、異性化、アルキル化、炭化水素改質、乾式改質、水素化および脱水素化反応のような炭化水素変換反応、特に、ナフテン分子の開環のための選択的貴金属触媒を提供することにある。
【0027】
本発明のさらなる目的は、開環、異性化、アルキル化、炭化水素改質、乾式改質、水素化および脱水素化反応のような炭化水素変換反応、特に、ナフテン分子の開環のための選択的貴金属触媒の製造方法である。
【0028】
本発明のさらなる目的は、開環、異性化、アルキル化、炭化水素改質、乾式改質、水素化および脱水素化反応のような炭化水素変換反応、特に、ナフテン分子の開環における選択的貴金属触媒の使用である。
【0029】
本発明のなおさらなる目的は、特に、中間留分領域において対応するイソパラフィン、n−パラフィンおよびモノナフテンを製造するための、中間留分中に2つ以上の環(two and multiple rings)を持つナフテンの開環用の選択的貴金属触媒を用いる中間留分ディーゼル燃料の製造方法である。
【0030】
触媒、該触媒の製造方法、該触媒の使用、および中間留分ディーゼル燃料の製造方法の特徴的な構成要件は、特許請求の範囲で提供される。
【0031】
発明の概要
本発明は、支持体上の貴金属触媒を含む選択的貴金属触媒に関し、ここで、該貴金属および支持体が活性であるか、または該貴金属が活性である。前記選択的貴金属触媒の製造方法は、気相技術の使用を含む。本発明による選択的貴金属触媒は、開環、異性化、アルキル化、炭化水素改質、乾式改質、水素化および脱水素化反応のような炭化水素変換反応における触媒として用いることができる。中間留分ディーゼル燃料の製造方法は、そのプロセスにおいて選択的貴金属触媒を使用することを含む。
【0032】
発明の詳細な説明
驚くべきことに、気相技術を用いて、支持体上の貴金属触媒を含む選択的貴金属触媒を得ることができることが判明し、そこでは、貴金属および支持体が活性であるか、あるいは貴金属が活性である。本発明によると、選択的貴金属触媒は、支持体上にある白金、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、イリジウムまたはその混合物または組合せから選択される第VIII族金属を含み、該触媒は323K未満の温度において一酸化炭素を活性化する。
【0033】
支持体はゼオライト、無機酸化物、炭素関連材料およびその混合物および組合せから選択される。酸性支持体材料も触媒的に活性である。
【0034】
ゼオライトは、酸部位(acid sites)を有する中細孔ゼオライト(medium pore zeolites)または大細孔ゼオライト(large pore zeolites)、好ましくは、弱いまたは中程度の強度の酸部位を有する大細孔ゼオライトから選択される。特に適当なゼオライト材料は、MCM−41のようなメソポーラスアルミノシリケート、Y−およびベータ−ゼオライトのような結晶性アルミノシリケート、およびモルデナイト、AlPO−5およびAlPO−11のような結晶性アルミノホスフェート、ならびにSAPO−5およびSAPO−11のような結晶性アルミノシリコホスフェートである。
【0035】
前記無機酸化物は、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化タングステン、酸化マグネシウムおよびそのいずれかの混合物、好ましくは、酸化ケイ素および酸化アルミニウムから選択される。
【0036】
炭素関連材料は、活性炭、グラファイトおよびカーボンナノチューブから選択される。
【0037】
貴金属触媒の製造方法は、以下の工程:
a)423〜1173Kの間の温度における支持体の前処理、および支持体の任意の修飾;
b)貴金属前駆体の気化を含む貴金属の蒸着、および支持体との反応;および
c)最終処理;
を含む。
【0038】
貴金属は、気相蒸着技術によって支持体上に蒸着される。好ましい態様として、前記気相技術は気体−固体反応に基づくものである。前記貴金属前駆体は、気化の間に熱的に分解せず、反応温度までの加熱に耐えるのに十分安定でなければならないため、貴金属前駆体の選択は重要な構成要件である。気相製造における前駆体として用いられる揮発性金属化合物は、金属塩化物、オキシ塩化物、ベータ−ジケトネート、(CH33(CH354)Ptのようなメタロセン、および酸化物を含めた広い範囲の化合物から選択される。前記前駆体は、室温で液体、固体、または気体である。
【0039】
従って、金属は、対応する金属前駆体を用いて気相蒸着によって支持体上に蒸着される。この処理は、窒素、ヘリウム、アルゴン、メタンなどのような不活性キャリアガスの存在下で、前駆体に応じて雰囲気圧力または減圧において行われる。
【0040】
第一のプロセス工程において、支持体を423〜1175Kの温度にて前処理する。雰囲気圧力ないし減圧の範囲における圧力を用いることができる。飽和気相反応を利用する場合、支持体上の利用可能な表面部位の一部をブロックすることによって、蒸着した金属の量を任意の修飾工程で最小化することができる。
【0041】
支持体表面を修飾するための任意の修飾は、気相技術、または有機溶液からの含浸(impregmation)のような液相技術、好ましくは気相技術を用いて、ブロッキング剤を支持体上に蒸着させることによって行うことができる。当該分野で知られたいずれのブロッキング剤も用いることができ、適当なものは、最終処理の間に支持体表面から完全に除去することができる化合物であり、好ましくは、アルコール、アセチルアセトン(acacH)または2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオン(thdH)のような化合物から選択されるか、あるいはブロッキング剤は、好ましくは、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化タングステンおよび酸化マグネシウムの前駆体のような、支持体材料それ自身と同様に、支持体の表面に元素を残すことができる。好ましい酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化タングステンおよび酸化マグネシウム前駆体は以下において示される。
【0042】
酸化ケイ素
好ましいケイ素化合物は、例えば、四塩化ケイ素 SiCl4、テトラメトキシシラン Si(OMe)4およびテトラエトキシシラン Si(OEt)4のようなケイ素アルコキシド、およびヘキサメチルジシラザン(HMDS) (CH33Si−NH−Si(CH33またはヘキサメチルジシロキサン(HMDSO) (CH33Si−O−Si(CH33のような、ケイ素および有機化合物によって形成される化合物である。
【0043】
酸化アルミニウム
好ましいアルミニウム化合物は、例えば、塩化アルミニウム AlCl3またはアルミニウムエトキシド Al(OEt)3、アルミニウム(III)アセチルアセトネート Al(C5723、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナート)アルミニウム Al(C111923のような金属有機化合物、またはトリメチルアルミニウム(TMA) Al(CH33およびトリエチルアルミニウム Al(C253のような有機金属化合物である。
【0044】
酸化チタン
好ましいチタン化合物は、四塩化チタン TiCl4およびチタンイソプロポキシド Ti(OCH(CH324である。
【0045】
酸化ジルコニウム
好ましいジルコニウム化合物は、四塩化ジルコニウムZrCl4である。
【0046】
酸化タングステン
好ましいタングステン化合物は、オキシ塩化タングステン WOCl4および六塩化タングステン WCl6である。
【0047】
酸化マグネシウム
好ましいマグネシウム化合物は、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)マグネシウム Mg(C111922である。
【0048】
第二のプロセス工程において、揮発性金属化合物から選択される前駆体、好ましくは、(トリメチル)メチルシクロペンタジエニル白金 (CH33(CH354)Ptを323〜573K、好ましくは343〜473Kの温度で気化させ、それを、好ましくは支持体の固定床または流動床としての支持体と反応させ、該支持体を323〜573K、好ましくは373〜573Kの温度で安定化する。前記前駆体は、支持体上に所望の貴金属含有量を確保するのに十分高い量で気化させる。支持体上に蒸着された貴金属の量は、0.01〜20重量%、好ましくは0.01〜5重量%の間で変化する。
【0049】
第三のプロセス工程において、最後処理は、酸化または還元条件で行われる熱処理によって行われる。
【0050】
最終処理の後、担体および/またはバインダーとの触媒材料の処方(formulation)は、粉砕、錠剤化、顆粒化または押し出しのような技術水準で知られた方法を用いて行うことができる。
【0051】
触媒材料の気相処理は、慣用的な固定床リアクター、流動床リアクター、または技術水準において知られた他のリアクターで行うことができる。気相反応は、クローズリアクターシステム、またはオープンリアクターシステムで行うことができる。
【0052】
得られた貴金属触媒は、以下の特徴的な様相を呈する:触媒は、323K未満の温度で一酸化炭素を活性化し、それは高度に分散される。これは実施例19で示される。本発明によれば、触媒中の貴金属含有量は低い。
【0053】
本発明による触媒は、開環、異性化、アルキル化、炭化水素改質、乾式改質および脱水素化反応のような炭化水素変換反応でよく実行され、特に、ナフテン分子の開環に適している。
【0054】
本発明による貴金属触媒は、いくつかのさらなる利点を有する。それは、開環、異性化、アルキル化、炭化水素化異質、乾式改質、水素化および脱水素化反応のような反応において、安定、より効果的かつ選択的であって、また、それは少量の使用で高い変換を達成することができる。加えて、それは技術水準による触媒よりもクラッキングをあまり引き起こさず、容易に再生することができる。
【0055】
貴金属触媒の製造のための本発明による方法はより単純であり、それは慣用的な液相方法よりもプロセス工程をあまり必要とせず、単一装置で実行することができ、より少量の貴金属しか必要ないので安価に製造できる。さらに、初期の触媒(earlier catalysts)は気相技術によって調製されなかったので、これは開環触媒の新規な製造方法である。
【0056】
貴金属触媒は、中間留分の製造方法に特に適している。中間留分ディーゼル燃料の製造プロセスにおいて、中間留分供給材料をリアクターに移し、そこで、本発明による貴金属触媒の存在下にて、283〜673Kの温度、10〜200バールの圧力下で水素と反応して、2つ以上の環をもつナフテンの開環を行い、中間留分領域においてイソパラフィン、n−パラフィン、およびモノナフテンを製造することができる。中間留分ディーゼル燃料の量を増加させることができ、本発明の触媒を多環ナフテンをモノ環ナフテンおよびパラフィンに変換する反応で用いる場合、より高いセタン価を達成することができる。
【0057】
以下の実施例により、本発明をより詳細に説明するが、本発明の範囲を限定するものではない。
【実施例】
【0058】
含浸(比較例)および気相技術(本発明による例)による貴金属触媒の製造では、支持体である市販のベータ−ゼオライトおよびÅbo Akademie University, Finlandによって供給されたMCM−41を、75〜150μmの粒子サイズに分級し、423Kにおいて一晩乾燥した。触媒の白金含有量は、ICP(誘導結合プラズマ発光)によって測定した。調製された触媒は、CO吸着分析によって測定された分散(dispersion)によって特徴付けた。この分析において、試料(100〜200mg)を石英U−チューブに挿入し、H2気流で還元した(20ml/分)。10K/分のランプ速度を適用し、温度を直線的に573Kの最終温度まで上昇させ、そこで120分間保持した。次いで、流動He(純度99.9999%)下で検体を300Kまで冷却し、ベースラインが安定となったときに、実験を開始した。吸着が飽和するまで、CO(純度99.997%)のパルスを反復した。排気ガスを赤外分光分析(IR)および質量分析(MS)で分析した。
【0059】
実施例1(比較例)
慣用的な初期の湿潤含浸(incipient wetness impregnation)による白金負荷ベータ−ゼオライト触媒(Pt−ベータ−1)の製造
白金負荷ベータ−ゼオライト触媒(Pt−ベータ−1)を、標準化された金属溶液の慣用的初期湿潤含浸によって調製した。白金前駆体は、テトラアンミン白金(II)硝酸塩[Pt(NH34](NO32]であった。触媒を空気中で623Kにてか焼(calcined)し、573Kにて水素下で還元した。白金含有量は0.5重量%であった。CO吸着によって測定した分散は45%であった。
【0060】
実施例2(比較例)
慣用的初期湿潤含浸による白金負荷ベータ−ゼオライト触媒(Pt−ベータ−2)の製造
白金負荷ベータ−ゼオライト触媒(Pt−ベータ−2)は、標準化された金属溶液の慣用的初期湿潤含浸によって調製した。白金前駆体は、テトラアンミン白金(II)硝酸塩[Pt(NH34](NO32]であった。触媒を空気中で623Kにてか焼し、573Kにおいて水素下で還元した。白金含有量は4.7重量%であった、CO吸着によって測定された分散は24%であった。
【0061】
実施例3(比較例)
慣用的初期湿潤含浸による白金負荷ベータ−ゼオライト触媒(Pt−ベータ−3)の製造
白金負荷ベータ−ゼオライト触媒(Pt−ベータ−3)を、標準化された金属溶液の慣用的初期湿潤含浸によって調製した。白金前駆体は、テトラアンミン白金(II)塩化物[Pt(NH34]Cl2]であった。触媒を空気中で623Kでか焼し、573Kにおいて水素下で還元した。白金含有量は0.5重量%であった。
【0062】
実施例4(比較例)
慣用的イオン交換手法による白金負荷ベータ−ゼオライトの製造
白金負荷ベータ−ゼオライトを、以下のようにイオン交換手法によって調製した。10gのH−ベータ−ゼオライトを2リットルのフラスコに秤量し、1リットルのイオン交換水を加えた。52mlの0.01M Pt溶液を滴下漏斗に測定し、343Kの温度にて、振盪しつつ、Pt溶液をゆっくりとフラスコに滴下した(約15滴/分)。その混合物を濾過した。含浸されたゼオライトをイオン交換水で洗浄し、再度濾過して、16時間、353Kの温度のオーブンに入れた。得られた触媒を573Kのオーブン中でか焼した。触媒の白金含有量は0.11重量%であった。
【0063】
実施例5〜7
本発明による気相蒸着技術によるベータ−ゼオライトおよびメソポーラスMCM−41上での白金触媒の製造
前駆体として(トリメチル)メチルシクロペンタジエニル白金(IV)(純度99%)を用いて、気相蒸着によって、ベータ−ゼオライトおよびメソポーラスMCM−41上に白金触媒を調製した。処理は、キャリアガスとしての窒素とともに、約5〜10kPaの減圧下にてフロータイプのリアクター中で行った。蒸着前に、支持体を、マッフル(muffle)炉中、673K、雰囲気圧力下で16時間予備加熱した。加えて、それらをリアクター中にて473〜673Kで3時間in situで加熱して、リアクターへの移送中に吸着した水を除去した。前駆体(CH33(CH354)Ptを343Kにて気化させ、同一温度に安定化されている支持体の固定床を用いて373Kで反応させた。この反応を、反応温度にて窒素置換(purge)により完了した。最終処理工程において、触媒を空気中で623Kでか焼した。
【0064】
以下の表1において、(CH33(CH354)Ptを用いて気相から調製された白金触媒の特性を示す(実施例5〜7)。表中の飽和蒸着は、金属前駆体を支持体上の全ての利用可能な吸着部位と反応させたことを意味する。
【0065】
【表1】

【0066】
実施例8〜11
本発明によるPt(acac)2を用いて気体−固体反応を飽和させることによるPt/Al23触媒の製造、およびブロッキングの効果
【0067】
飽和気体−固体反応を利用する場合、必要な金属の量は、利用可能な表面部位の一部をブロッキングすることによって低下させることができた。ブロッキング剤の性質はブロッキングの程度に影響した。これは、以下の表2から見ることができ、そこでは、ブロッキング反応条件、および、得られたPt触媒のPt含有量が示されている(実施例8〜11)。触媒は、Pt(acac)2を用いた気体−固体反応を飽和させることによって調製した。
【0068】
【表2】

【0069】
thdH=2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオン (CAS−nro 1118−71−4)
HMDS=ヘキサメチルジシラザン、(CH33Si−NH−Si(CH33 (CAS−nro 999−97−3)
Al(acac)3=アルミニウムアセチルアセトネート、Al(C5723 (CAS−nro 13963−57−0)
Pt(acac)2=白金アセチルアセトネート、Pt(C5722 (CAS−nro 15170−57−7)
【0070】
処理は、キャリアガスとしての窒素とともに、約5〜10kPaの減圧下でフロータイプのリアクター中で行った。蒸着の前に、支持体(ゼオライト)を、マッフル炉中、雰囲気圧力下、873Kで16時間予備加熱した。加えて、それらを453〜473Kのリアクター中でin situにて3時間加熱して、リアクターへの移送の間に吸着した水を除去した。ブロッキング試薬の反応およびPt(acac)2の反応を連続反応として行い、各反応工程は、関係する反応温度にて窒素置換により完了した。ブロッキング試薬の気化および反応温度を表2に示す。白金前駆体Pt(acac)2を気化させ、453Kにおいて修飾された支持体と反応させた。気化したブロッキング/白金試薬の量は、表面の飽和を確保するために十分に高く保った。配位子(ligands)は、673〜723Kにおける合成空気中での後処理によって除去した。ブロッキング試薬は、完全に除去されるか(thdH)、(HMDSから)形成された酸化ケイ素または(Al(acac)3から)形成された酸化アルミニウムが支持体表面に残った。
【0071】
実施例12〜17
貴金属触媒を用いたデカリン開環反応
デカリン開環反応における触媒の性能を、20バール水素圧力下、523Kにて、50mlオートクレーブ中でテストした。室温で、523Kの還元された触媒1gを含有するリアクターにデカリン(10ml〜9.0g)を加えた。圧力を水素で10バールまで増加させた。リアクターを523Kの油浴に入れ、リアクターの温度が523Kに到達した後、水素圧力を20バールに調整した。反応時間は5時間であった。次いで、リアクターを迅速に263Kの温度まで冷却し、冷却後にリアクターを秤量した。オートクレーブ中の圧力を開放し、触媒と共に生成物をGCテスト用の試料容器に採取した。テストランの結果を以下の表3にまとめる。変換、選択性および収率を以下の式に従って計算した:
【0072】
【数1】

【0073】
【表3】

【0074】
実施例18
本発明による触媒での二酸化炭素の形成
300KでのCO吸着の間に、実施例6に従って調製された触媒にて二酸化炭素を形成した。
【0075】
実施例19
触媒の脱活性化
実施例6および7からの触媒の脱活性化を、ヒドロ脱硫精製供給源試料(合計芳香族含有量30.6重量%、硫黄<10ppm)でテストした。以下の表4における結果は、本発明による方法によって製造された触媒(6.4Pt/H−ベータ 実施例6および4.9Pt/MCM−41 実施例9)の脱活性化が、乾式含浸方法によって調製された比較触媒Pt−ベータ−1(実施例1)よりもかなり遅いことを示す。
【0076】
【表4】

【0077】
実施例20
生成物の分析
先の実施例19からの、4.9Pt/MCM−41(実施例7から)および6.4Pt/H−ベータ(実施例6から)でのテストランの供給源と比較した生成物分析を以下の表5に示す。ガソリン画分(沸点<180℃)を分析前に蒸留して除去した。蒸留した画分の量は、各々、553Kでの4.9Pt/MCM−41では2.2重量%、573Kでの4.9Pt/MCM−41では2.6重量%、503Kでの6.4Pt/H−ベータでは2.5重量%であった。結果は、芳香族はほとんど完全に水素化が達成されたことを明らかにする。生成物の質における他の変化は、テストした双方の触媒で非常に似ていた。
【0078】
【表5】

【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】CO吸着における排気ガスのマススペクトルを示す。x−軸は質量数であって、y−軸は成分の豊富さ(abundance)である。
【図2】CO吸着における排気ガスのIRスペクトルを示す。x−軸は波数であって、y−軸はシグナルの強度である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の工程:
a)酸性部位を有する中細孔ゼオライトおよび大細孔ゼオライトから選択されるゼオライトを含む支持体を、423〜1173Kの間の温度で前処理し、次いで、所望により該支持体を修飾する工程、
b)β−ジケトネートおよびメタロセンから選択される貴金属前駆体を気化させることを含む気相蒸着技術によって、白金、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、イリジウムおよびその混合物および組合せから選択される貴金属を蒸着し、次いで、支持体と反応させる工程、および
c)酸化または還元条件で熱処理する工程
を含むことを特徴とする炭化水素変換用の貴金属触媒の製造方法。
【請求項2】
前記貴金属が白金であることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
【請求項3】
前記ゼオライトが、弱いまたは中程度の強度の酸性部位を有する大細孔ゼオライトから選択されることを特徴とする請求項1または2記載の製造方法。
【請求項4】
前記ゼオライトが、メソポーラスアルミノシリケート、結晶性アルミノシリケート、結晶性アルミノホスフェートおよび結晶性アルミノシリコホスフェートから選択されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項5】
前記ゼオライトが、MCM−41、Y−およびベータ−ゼオライト、モルデナイト、AIPO−5およびAIPO−11、SAPO−5およびSAPO−11から選択されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項6】
前記支持体が、さらに、無機酸化物、炭素関連材料またはその混合物または組合せを含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項7】
前記無機酸化物が、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化タングステンおよび酸化マグネシウム、好ましくは、酸化ケイ素および酸化アルミニウムから選択されることを特徴とする請求項6記載の製造方法。
【請求項8】
前記炭素関連材料が、活性炭、グラファイトおよびカーボンナノチューブから選択されることを特徴とする請求項6記載の製造方法。
【請求項9】
前記貴金属前駆体が、(CH33(CH354)Ptであることを特徴とする請求項1請求項1〜8のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項10】
前記ゼオライトが、MCM−41であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項11】
第一のプロセス工程a)において、支持体を423〜1173Kの温度で前処理し、第二の工程b)において、不活性キャリアガスの存在下で蒸着を行うことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項12】
前記不活性キャリアガスが、窒素、ヘリウム、アルゴンまたはメタンであることを特徴とする請求項11記載の製造方法。
【請求項13】
第一の工程a)における修飾が、アルコール、アセチルアセトン、2,2,6,6−テトラメチル−3、5−ヘプタンジオン、酸化ケイ素前駆体、酸化アルミニウム前駆体、酸化チタン前駆体、酸化ジルコニウム前駆体、酸化タングステン前駆体および酸化マグネシウム前駆体、および硝酸塩から選択されるブロッキング剤で、支持体上の利用可能な表面部位の一部をブロックすることによって行われることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項14】
前記ブロッキング剤が、四塩化ケイ素、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサメチルジシロキサン、塩化アルミニウム、アルミニウムエトキシド、アルミニウム(III)アセチルアセトネート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナート)アルミニウム、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、四塩化チタン、チタンイソプロポキシド、四塩化ジルコニウム、オキシ塩化タングステン、六塩化タングステンまたはトリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナート)マグネシウムであることを特徴とする請求項13記載の製造方法。
【請求項15】
開環、異性化、アルキル化、炭化水素改質、乾式改質、水素化および脱水素化反応、好ましくは、ナフテン分子の開環における請求項1〜14のいずれか1項に記載の製法に従って製造される貴金属触媒の使用。
【請求項16】
請求項1〜14のいずれか1項に記載の製造方法に従って製造された貴金属触媒の存在下で、283〜673Kの温度、10〜200バールの圧力下で水素と反応させて2以上の環を持つナフテンの開環を達成し、中間留分領域においてイソパラフィン、n−パラフィンおよびモノナフテンを生じさせることができるリアクターに、中間留分供給材料を移送することを特徴とする中間留分ディーゼル燃料の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公表番号】特表2007−512127(P2007−512127A)
【公表日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−540490(P2006−540490)
【出願日】平成16年11月24日(2004.11.24)
【国際出願番号】PCT/FI2004/000713
【国際公開番号】WO2005/051535
【国際公開日】平成17年6月9日(2005.6.9)
【出願人】(505081261)
【Fターム(参考)】