説明

触媒CVD法及びその装置

【課題】表面保護層の形成中、円筒状基体の温度を、電荷注入阻止層及び光導電層の形成時の温度よりも十分に低くして表面保護層に亀裂を生じさせないようにした触媒CVD方法及び装置を提供する。
【解決手段】反応室内に、高温度に加熱されるタングステンの線状触媒体27とアルミニウム製の円筒状基体15とを並列に配置し、真空状態の反応室内にSiH4とB2H6の混合ガス、SiH4とH2の混合ガス、及びSiH4とNH3の混合ガスを順次導入して、加熱された触媒体と触媒反応を起こさせ、その反応により分解生成した反応生成物を基体に到達させてアモルファスシリコン系膜を、電荷注入阻止層、光導電層及び表面保護層として順次堆積させる触媒CVD法において、表面保護層の形成に先立って、線状触媒体からの輻射熱の影響を少なくして基体の温度を十分に低下させるために線状触媒体を基体の表面から遠ざける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルミニウム製の円筒状基体上にアルモファスシリコン系膜を形成するための触媒CVD法及びその装置に関する。
【背景技術】
【0002】
触媒CVD装置によるアモルファスシリコン系膜の成膜技術は、プラズマCVD法に匹敵する技術として或いはより硬質の膜が得られることからそれを凌ぐ技術として盛んに研究されている。その代表的な触媒CVD装置は、特許文献1に開示されている。かかるCVD装置は、反応室内に、通電により1500℃乃至1800℃のような極めて高い温度に加熱されるタングステンの触媒体と250℃乃至260℃に加熱される円筒状基体とを並列に配置し、真空ポンプにより真空状態にした反応室内にSiH4とH2の混合ガスなどの原料ガスを導入し、かかるガスを、加熱された触媒体を通過させて触媒反応を起こさせ、その反応により分解生成した反応生成物を基体に到達させてアモルファスシリコン系膜を堆積させる。もっと厳密にいえば、SiH4とB26の混合ガスで始まり、SiH4とH2の混合ガスに切換え、最後にSiH4とNH3の混合ガスを導入して、電荷注入阻止層、光導電層、表面保護層を基体上に順次堆積形成する。
【0003】
特許文献1に記載の触媒体は、ガスが透過する構造のものであるが、触媒体としてタングステン線を利用した発明も特許文献2及び3で知られている。いずれの場合にも、電荷注入阻止層及び光導電層の形成は、基体内に挿入した電気加熱手段により基体を250℃乃至260℃に加熱しながら行われるが、表面保護層の形成は基体の温度をそれよりも低くして行われることが望ましく、そのため電気加熱手段を切り、基体内に挿入した冷却装置を働かせるようになっている。しかし高温に加熱された触媒体を基体の近くに配置するため、基体が触媒体からの輻射熱の影響を受け、所望な温度に制御することは不可能であった。それにもかかわらず、アルモファスシリコン系膜の厚さが20μ程度の場合には、熱応力の影響を受けにくいため、表面保護層に亀裂は生じないが、商業的な電子写真感光ドラムが要求している厚さ30μの膜を形成しようとすると熱応力の影響により表面保護層に亀裂が起こることが研究の結果分かった。
【0004】
【特許文献1】特許第3145536号明細書
【特許文献2】特開2009−215618号公報
【特許文献3】特開2009−287065号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者は、更なる研究を重ねた結果、アルモファスシリコン系膜の厚さが30μの場合でも、基体の温度を十分に低くしてその温度を保ちながら表面保護層を形成することにより表面保護層に亀裂が起こらないことを突き止めた。しかし基体のそのような温度の維持は、基体内の冷却装置を働かせても、高温に加熱された触媒体からの輻射熱のために不可能であることも分かった。
【0006】
本発明の目的は、表面保護層の形成中、円筒状基体の温度を、電荷注入阻止層及び光導電層の形成時の温度よりも十分に低くして表面保護層に亀裂を生じさせないようにした触媒CVD方法及び装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的は、本発明によれば、反応室内に、通電により1500℃乃至1800℃のような極めて高い温度に加熱されるタングステンの線状触媒体と250℃乃至260℃に加熱されるアルミニウム製の円筒状基体とを並列に配置し、真空ポンプにより真空状態にした反応室内にSiH4とB26の混合ガス、SiH4とH2の混合ガス、及びSiH4とNH3の混合ガスを順次導入して、加熱された触媒体と触媒反応を起こさせ、その反応により分解生成した反応生成物を基体に到達させてアモルファスシリコン系膜を、電荷注入阻止層、光導電層及び表面保護層として順次堆積させる触媒CVD法において、表面保護層の形成に先立って、線状触媒体からの輻射熱の影響を少なくして基体の温度を十分に低下させるために線状触媒体を基体の表面から遠ざけることを特徴とする触媒CVD法を提供することによって達成される。
【0008】
本発明はまた、反応室と、反応室を真空にするための真空ポンプと、複数の支持体の各々にセットされ、250℃乃至260℃に加熱されるアルミニウム製の円筒状基体と、円筒状ホルダーによって保持された円筒状基体を回転させるための装置と、円筒状基体内に挿入され、基体を加熱制御するための加熱・冷却装置と、円筒状基体と並んで配置され、通電により1500℃乃至1800℃のような極めて高い温度に加熱されるタングステンの線状触媒体と、前記反応室にSiH4とB26、2及びNH3の混合ガスを順次導入するための装置と、反応室から排ガスを排気するための装置と、を含む触媒CVD装置において、電極支持枠と、その上下の電極にセットされた複数本のタングステンの線状触媒体と、電極支持枠を円筒状基体の長手方向軸線と垂直な方向に移動可能に且つハウジングの天井から懸垂支持する装置と、線状触媒体を円筒状基体に近づけたり遠ざけたりするために電極支持枠を円筒状基体に対して移動させるための装置と、を含む触媒CVD装置を提供する。
【0009】
本発明によれば、円筒状基体はステンレス製のスペーサを介して2本ずつ重ねて配置され、重ねられた円筒状基体は上下からステンレス製の押さえ筒で保持されて支持体の各々状にセットされる。反応室は、前面に開口を有するハウジングと該開口を閉じるドアと、で構成され、ドアは、その下方位置と上方位置でドアの内面から反応室内へ延びる、前記支持体のための支持ブラケットと、円筒状基体及び円筒状ホルダーからなる筒集合体を受け入れるための孔を有する保持板とを備え、ドアを開けるのに伴って支持ブラケット支持体に円筒状ホルダーを介してセットされている円筒状基体が引き出され、或いは、反応室の外で円筒状ホルダーを介して円筒状基体を支持体にセットした後ドアを閉めるのに伴って円筒状基体が反応室内に収納される。
【0010】
本発明の好ましい実施形態では、円筒状基体を回転させるための装置は、ブラケットで回転自在に支持され、支持体と連結された歯車列と、ドアの閉鎖により歯車列の1つと噛み合い、ドアの解放により外れるピニオンを有し、且つハウジングの底壁に外付けされたモータと、を含む。
【0011】
更に本発明によれば、電極支持枠を円筒状基体の長手方向軸線と垂直な方向に移動可能に且つハウジングの天井から懸垂支持する装置は、電極支持枠に固定された移動枠と、天井に固定された一対の取り付け部材と、移動枠をスライド軸受けを介して取り付け部材に装着するための手段と、を含む。電極支持枠を円筒状基体に対して移動させるための装置は、電極支持枠に固定された移動枠に固定されたラックと、該ラックと噛み合ったピニオンを有し、且つハウジングの天井壁に外付けされたモータと、を含む。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、モータを作動してピニオン・ラックにより移動枠、従って電極支持枠を前進させて線状触媒体を円筒状基体に近づけ、線状触媒体を通電により加熱させ、真空にした反応室にSiH4とB26 及びH2の混合ガスを導入して加熱された線状触媒体との触媒反応によりガスを熱分解させて、加熱された円筒状基体に電荷注入阻止層及び光導電層を形成し、引き続いてモータを作動してピニオン、ラックにより移動枠・電極支持枠を後退させて線状触媒体を円筒状基体から遠ざけ、円筒状基体が受ける線状触媒体からの輻射熱の影響を少なくして基体の温度を十分低下させる。その温度は180°ないし150°であるのがよい。次いでSiH4とNH3の混合ガスを反応室に導入し、線状触媒体との触媒反応によりガスを熱分解させ、それによって硬い表面保護層が円筒状基体の層上に亀裂を起こすことなく形成される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明による触媒CVD法を実施するための装置の断面側面図である。
【図2】図1に示す触媒CVD装置の断面平面図である。
【図3】上下からステンレス製押さえ筒で保持された円筒状基体とタングステンの線状触媒体との位置関係を示す概略断面図である。
【図4】電極支持枠に装着される移動枠の斜視図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
今、図面を参照して、本発明による触媒CVD法を実施するための装置を説明する。図1及び2から分かるように、反応室1は、前面に開口2を有するハウジング3と該開口2を閉じるドア4と、で構成される。ハウジング3は、一対の側壁5、後壁6、天井壁7及び底壁8を有し、ドア4はハウジング3の側壁5の外面に設けられた案内ブロック9の穴10にドア4から延びるスライドロッド11を通すことにより、ハウジング3に対して前後に移動して開口2を開閉し得るようになっている。ドア4は、その下方位置に、ドアの内面から反応室1内へ延びる支持ブラケット12を有している。支持ブラケット12は、複数(本例では3つ)の支持体13と、該支持体に円筒状ホルダー14を介してセットされる、円筒状基体15を回転させるための装置16を備え、該装置16は、支持ブラケット12で回転自在に支持され、かつ支持体13と連結された歯車列17と、ドア4の閉鎖により歯車列17の1つと噛み合い、ドア4の解放により外れるピニオン18を有し、且つハウジングの底壁8に外付けされたモータ19と、を含む。ドア4はまた、その上方位置にドア4の内面から支持ブラケット12と平行に反応室内へ延びる、円筒状基体15及び円筒状ホルダー14からなる筒集合体20を通すための穴21を有する保持板22を備えている。
【0015】
円筒状基体15は、アルミニウム製のものであり、円筒状ホルダー14は、図3に示すように、ステンレス製のスペーサ23を介して2本ずつ重ねて配置し、重ねられた円筒状基体15を上下から保持するステンレス製の押さえ筒24,24を含む。厳密に言えば、円筒状基体15は、当業界で周知のように、その中空部25の両端に座ぐり26を有し、スペーサ23及び押さえ筒24は円筒状基体14の座ぐり26に嵌まる環状突出部27を有する。この構成により、円筒状基体15及び円筒状ホルダー14を含む筒集合体20は、整合して垂直状態に保持される。ドア4が解放されて支持ブラケット12及び保持板22が外に引き出された状態で、支持ブラケット12の支持体13に筒集合体20がセットされ、保持板22の穴21に受け入れられてその垂直状態が維持される。かくして、ドアを閉めるのに伴って円筒状基体15を含む筒集合体20は反応室1内に収納され、ドアを開けるのに伴って支持体にセットされている筒集合体20が引き出されることになる。
【0016】
複数本(本例では4本)のタングステンの線状触媒体27が円筒状基体15と並んで、電極支持枠28の上下の電極29に垂直にセットされる。本発明によれば、電極支持枠28を円筒状基体15の長手方向軸線と垂直な方向に移動可能に且つハウジング3の天井壁7から懸垂支持する装置30が設けられ、該装置30は、電極支持枠28に固定された移動枠31と、天井壁7に固定された一対の取り付け部材32と、移動枠31をスライド軸受け33を介して取り付け部材32に移動可能に装着するための手段と、を含む。本発明によれば、更に電極支持枠28を円筒状基体15に対して移動させるための装置34が設けられ、該装置34は、電極支持枠28に固定された移動枠31に固定されたラック35と、該ラック35と噛み合ったピニオン36を有し、且つハウジング3の天井壁7に外付けされたモータ37と、を含む。
【0017】
反応室1は、その側壁5のそれぞれに隣接してガス供給室39、それと向かい合ったガス排気室40を構成する仕切り壁41、42を備え、ガス供給室39にはガス導入管43が、またガス排気室40には排気管44が接続されている。ガス室39の仕切り壁41にはガスを反応室に供給するための多数の穴45が、またガス排気室40の仕切り壁42には、排ガスを反応室からガス排気室40に導く多数の穴46が設けられている。
【0018】
本発明によれば、触媒CVD法及び装置の操作に際し、まずモータ37を作動してピニオン・ラック(36・35)により移動枠30、従って電極支持枠28を前進させて電極支持枠28の電極29にセットされたタングステンの線状触媒体27を円筒状基体15に近づける。円筒状基体15は、ハウジングの天井壁の穴(図示せず)を通して円筒状集合体20内に挿入された加熱・冷却装置38の電気ヒータ(図示せず)によって250乃至260℃に加熱される。真空ポンプにより反応室1を真空にし、モータ19を同じく作動してそのピニオン18と噛み合った歯車列17により円筒状基体15を回転させる。線状触媒体27を通電により1600℃乃至1800℃、好ましくは1750℃に加熱し、真空にした反応室に、ガス導入管43、ガス供給室39から穴45を通してSiH4とB26及びH2の混合ガスを順次導入し、加熱された線状触媒体27との触媒反応によりガスを熱分解させて、加熱された円筒状基体15に電荷注入阻止層及び光導電層を順次形成する。排ガスは穴56からガス排気室40、排気管44を経て除害装置(図示せず)に導かれる。引き続いて、モータ37を作動してピニオン、ラック(36・35)により移動枠30及び電極支持枠28を後退させて線状触媒体を円筒状基体から遠ざける。併せて、電気ヒータの通電を切り、冷却空気を吹き込むなどして円筒状基体15が線状触媒体からの輻射熱によってのみ加熱されるようにする。線状触媒体の後退位置は、基体の温度が180℃又はそれ以下にまで低下するような位置である。次いでSiH4とNH3の混合ガスを先に述べたのと同じ方法で反応室に導入し、線状触媒体との触媒反応によりガスを熱分解させ、それによって硬い表面保護層を円筒状基体の層上に形成する。排ガスは先に述べたのと同じ方法で除害装置に導かれる。
【実施例】
【0019】
本発明によれば、円筒状基体に30μのアモルファスシリコン系膜を形成することを前提とする。成膜中反応室の真空度を106パスカルとし、線状触媒体の加熱温度を1750℃とした。線状触媒体は直径0.7ミリまたは0.6ミリ、長さ75cmのタングステン線からなり、その本数を4本とした。電荷注入阻止層及び光導電層の成膜中、線状触媒体を円筒状基体から9cmの距離に設定し、円筒状基体の加熱温度を250℃とした。表面保護層の成膜に当たって、線状触媒体を円筒状基体から22cmの距離に後退させ、加熱・冷却装置を制御して円筒状基体の温度を180℃ないし150℃にした。
【0020】
電荷注入阻止層を形成するSiH4とB26の流量比を100cc/分対50cc/分、光導電層を形成するSiH4 とH2の流量比を100cc/分対20cc/分、表面保護層を形成するSiH4とNH3の流量比を9cc/分対900cc/分とした。成膜にかけた時間として、電荷注入阻止層1.5時間、光導電層20時間、表面保護層1時間とした。以上により、円筒状基体状には亀裂のないアルモファスシリコン系膜が形成された。
【0021】
本例において、直径0.8ミリのタングステン線を使用しても良い。この場合には、タングステン線の発熱量が大きいため、線状触媒体を上記のように後退させてもその輻射熱により基体の温度が所望温度以上に上昇することから、表面保護層に亀裂の発生が起こることがある。これを回避するため、線状触媒体の後退位置においてタングステン線の何本か(本例では2本)の電源を切って輻射熱による影響を減少させ、それにより基体の温度を設定温度に維持することが望ましい。
【符号の説明】
【0022】
1 反応室
2 開口
3 ハウジング
4 ドア
5 側壁
6 後壁
7 天井壁
8 底壁
12 支持ブラケット
13 支持体
14 円筒状ホルダー
15 円筒状基体
16 回転装置
17 歯車列
18 ピニオン
19 モータ
20 筒集合体
21 穴
22 保持板
23 スペーサ
24 押さえ筒
25 中空部
26 座ぐり
27 タングステンの線状触媒体
28 電極支持枠
29 電極
30 懸垂支持装置
31 移動枠
32 取り付け部材
33 スライド軸受け
34 移動させる装置
35 ラック
36 ピニオン
37 モータ
38 加熱・冷却装置
39 ガス供給室
40 ガス排気室
41 仕切り壁
42 仕切り壁
43 ガス導入管
44 排気管
45 穴
46 穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
反応室内に、通電により1500℃乃至1800℃のような極めて高い温度に加熱されるタングステンの線状触媒体と250℃乃至260℃に加熱されるアルミニウム製の円筒状基体とを並列に配置し、真空ポンプにより真空状態にした反応室内にSiH4とB26の混合ガス、SiH4とH2の混合ガス、及びSiH4とNH3の混合ガスを順次導入して、加熱された触媒体と触媒反応を起こさせ、その反応により分解生成した反応生成物を基体に到達させてアモルファスシリコン系膜を、電荷注入阻止層、光導電層及び表面保護層として順次堆積させる触媒CVD法において、表面保護層の形成に先立って、状触媒体からの輻射熱の影響を少なくして基体の温度を十分に低下させるために線状触媒体を基体の表面から遠ざけることを特徴とする触媒CVD法。
【請求項2】
反応室と、反応室を真空にするための真空ポンプと、複数の支持体の各々にセットされ、250℃乃至260℃に加熱されるアルミニウム製の円筒状基体と、円筒状ホルダーによって保持された円筒状基体を回転させるための装置と、円筒状基体内に挿入され、基体を加熱制御するための加熱・冷却装置と、円筒状基体と並んで配置され、通電により1500℃乃至1800℃のような極めて高い温度に加熱されるタングステンの線状触媒体と、前記反応室にSiH4とB26、2及びNH3の混合ガスを順次導入するための装置と、反応室から排ガスを排気するための装置と、を含む触媒CVD装置において、電極支持枠と、その上下の電極にセットされた複数本のタングステンの線状触媒体と、電極支持枠を円筒状基体の長手方向軸線と垂直な方向に移動可能に且つハウジングの天井から懸垂支持する装置と、線状触媒体を円筒状基体に近づけたり遠ざけたりするために電極支持枠を円筒状基体に対して移動させるための装置と、を含む触媒CVD装置。
【請求項3】
円筒状基体はステンレス製のスペーサを介して2本ずつ重ねて配置され、重ねられた円筒状基体は上下からステンレス製の押さえ筒で保持されて支持体の各々状にセットされる。反応室は、前面に開口を有するハウジングと該開口を閉じるドアと、で構成され、ドアは、その下方位置と上方位置でドアの内面から反応室内へ延びる、前記支持体のための支持ブラケットと、円筒状基体及び円筒状ホルダーからなる筒集合体を受け入れるための孔を有する保持板とを備え、ドアを開けるのに伴って支持ブラケット支持体に円筒状ホルダーを介してセットされている円筒状基体が引き出され、或いは、反応室の外で円筒状ホルダーを介して円筒状基体を支持体にセットした後ドアを閉めるのに伴って円筒状基体が反応室内に収納される、請求項2に記載の触媒CVD装置。
【請求項4】
円筒状基体を回転させるための装置は、ブラケットで回転自在に支持され、支持体と連結された歯車列と、ドアの閉鎖により歯車列の1つと噛み合い、ドアの解放により外れるピニオンを有し、且つハウジングの底壁に外付けされたモータと、を含む、請求項2に記載の触媒CVD装置。
【請求項5】
電極支持枠を円筒状基体の長手方向軸線と垂直な方向に移動可能に且つハウジングの天井から懸垂支持する装置は、電極支持枠に固定された移動枠と、天井に固定された一対の取り付け部材と、移動枠をスライド軸受けを介して取り付け部材に装着するための手段と、を含む。電極支持枠を円筒状基体に対して移動させるための装置は、電極支持枠に固定された移動枠に固定されたラックと、該ラックと噛み合ったピニオンを有し、且つハウジングの天井壁に外付けされたモータと、を含む、請求項2に記載の触媒CVD装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−95942(P2013−95942A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−237663(P2011−237663)
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【出願人】(511262821)株式会社ハシモト商会 (1)
【Fターム(参考)】