説明

計時装置及びこれを用いた電子時計

【課題】 環境の変化に強く外部からのメンテナンスも必要としない、長期間動作可能な計時装置を提供すること。
【解決手段】 固定部と自由端部とを有する弾性体のレバー101に電荷を蓄積可能な電荷蓄積部材103と出力端子を有する圧電部材104とが設けられ、電荷蓄積部材103に放射線を放射する放射性物質102を配置して、電荷蓄積部材103に蓄積される電荷で電荷蓄積部材103に発生する静電力で生じる前記レバー101の撓みと、レバー101が撓んだ状態で蓄積電荷の放電で生じるレバー101の撓みの開放とが繰り返されることにより、出力端子から交流電流を出力可能な原子力電池1を用い、出力される交流電流を波形整形して計時パルスを出力する波形整形回路5と、計時パルスから計時動作を行う計時カウンタ7と、交流電流により蓄電されるとともに、波形整形回路5と計時カウンタ7とに電力を供給する蓄電手段3とを設けて計時装置を構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射性物質を用いた計時装置及びこれを用いた電子時計に関するものである。
【背景技術】
【0002】
原子力電池は、主にプルトニウムやトリチウムといった放射性同位体等の放射性物質から、数年から数百年の長期に渡って、核崩壊に際して継続的に発せられる放射線を、熱電素子や光電変換素子によって電力に変えることで起電力を得る電池である。
【0003】
これらの原子力電池は半減期の長い放射性同位体を使用することで数十年という非常に長い間電力を得られることや、化学反応を利用しないために低温時でも動作するという特徴を活かして、主に、極地での観測計の電源や人工衛星の電力源として用いられてきた。
【0004】
近年のMEMS技術を用いて、放射性同位体から放射されるベータ線と圧電素子を用いて電力源として使用することを提唱する技術がある(特許文献1参照)。
【0005】
図12は、特許文献1に示した従来技術を説明するための図であって、説明しやすいようにその主旨を逸脱しないように書き直したものである。図12において、101はカンチレバー、102は放射性同位体、103は電荷を蓄積する部材である蓄電部材、104は圧電部材、105は導線である。
【0006】
カンチレバー101は弾性体からなり、一端側(図12の左側の端部)は固定部として図示しない固定部材に固定され、他端側(図12の右側)は自由端部となっている。蓄電部材103はその自由端部の先端に固定されている。圧電部材104はカンチレバー101の根元、すなわち、一端側に貼り付けられており、導線105が繋がれている。放射性同位体102は放射線としてベータ線(電子線)を放射する物質であり、例えばニッケル63などがある。放射性同位体102は蓄電部材103と離間して対向配置されている。
【0007】
図12において、放射性同位体102から放射線(ベータ線)が放射されると、対向した蓄電部材103に電荷が蓄積されていく。すると、蓄電部材103は負に帯電し、放射性同位体102は正に帯電していくため、お互いの間に静電引力が生じて、カンチレバー101は撓んで曲がっていく。蓄電部材103に蓄積された電荷量が増大するに従い静電引力も増大するためカンチレバー101はより大きく曲がることになる。
【0008】
ある程度曲がると蓄電部材103と放射性同位体102が接触して電流が流れて放電され、両者に蓄えられた電荷は打ち消しあい、弾性体からなるカンチレバー101は引力を受けなくなるため元の位置へと反発的に戻ることになる。このとき、カンチレバー101の根元に貼り付けられた圧電部材104からカンチレバー101の急激な振動に連動して電圧が生ずる。この電圧を出力端子である導線を通じて外部に取り出して電力とするのである。
【0009】
以降、このカンチレバー101の撓みと、撓みの開放との周期的な繰り返しによって導線105からパルス状の電力が定期的に得られることとなる。すなわち、出力端子から周期性を有する交流電流を出力することが可能である。
【0010】
カンチレバー101の長さや弾性、放射性同位体102の放射線の量、放射線同位体102と蓄電部材103の距離、さらに、放射性物質の種類などを様々に変えることで、電
力パルスの間隔やその大きさを調整することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許出願公開第2003/0006668号明細書(第3頁、第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
特許文献1に示した従来技術は、長期にわたってパルス状の電力を定期的に出力するものであるが、得られる電力は極めて低く、効率よく平滑化して蓄電するなどしても、腕時計や計時装置などの電力源として直接使用することはできない。
【0013】
その理由として、確からしい計時基準を得るためには数十kHz以上の周波数を得ることのできる水晶振動子や圧電振動子などを用いるのが一般的であるが、それらを発振させ計時基準信号を得るには、従来技術により得られる電力よりも、より多い電力を必要とするためである。
【0014】
本発明の技術的な課題は、原子力電池を利用し、実際に広く利用可能な計時装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記した目的を達するため、本発明の計時装置及び電子時計は、以下に示す構成を採用する。
【0016】
(1)固定部と自由端部とを有する弾性体からなるレバーと、前記レバーに設けられて放射線が放射されることにより電荷を蓄積可能な電荷蓄積部材と、前記電荷蓄積部と離間して配置されて前記放射線を放射する放射性物質と、前記レバーに設けられて出力端子を有する圧電部材とを含み、前記電荷蓄積部材に蓄積される電荷によって該電荷蓄積部材に発生する静電力によって生じる前記レバーの撓みと、前記レバーが撓んだ状態で前記電荷蓄積部材に蓄積された電荷が放電されることによって生じる前記レバーの撓みの開放とが周期的に繰り返されることにより、前記出力端子から交流電流を出力可能な原子力電池と、前記出力端子から出力される前記交流電流を波形整形して計時パルスを出力する波形整形回路と、前記計時パルスから計時動作を行う計時カウンタと、前記交流電流により蓄電されるとともに、前記波形整形回路と前記計時カウンタとに電力を供給する蓄電手段とを有する計時装置。
【0017】
(2)前記計時装置は、さらに、前記計時カウンタのカウント値に基づいて、前記放射性物質の経年による前記放射線量の低下に伴う前記計時パルスの周期の変化を補償して計時するための補償回路を有し、前記補償回路は、前記蓄電手段によって電力が供給される計時装置。
【0018】
(3)前記補償回路は、前記計時パルスを入力して前記計時カウンタに出力する可変分周回路と、前記計時カウンタのカウント値に基づいて、前記可変分周回路の分周比を設定するための補正テーブルを有する分周比設定回路とを有する計時装置。
【0019】
(4)前記(1)〜(3)の計時装置を有する電子時計であって、当該電子時計は、電源と、不揮発性メモリと、時刻情報を計時する時刻情報計時手段と、前記時刻情報を表示する表示手段とを有し、前記時刻情報計時手段は、当該時刻情報計時手段の時刻情報を前記不揮発性メモリに記憶する第1の動作と、当該第1の動作を行った時点から前記計時カ
ウンタによって計時されたカウント値と、前記不揮発性メモリに記憶された前記時刻情報とに基づいて現在時刻情報を演算する第2の動作とを実行する電子時計。
【0020】
(5)前記時刻情計時手段は、日付情報を計時することを特徴とする請求項4に記載の電子時計。
【0021】
(6)前記日付情報は、年月日情報を含み、前記時刻情報計時手段は、月末の非存日を排除して前記日付情報を含む前記現在時刻情報を演算する電子時計。
【0022】
(7)前記日付情報は、さらに、閏年に関する情報を含み、前記時刻情報計時手段は、閏年に基づく月末の非存日を排除して、前記日付情報を含む前記現在時刻情報を演算する電子時計。
【0023】
(8)前記電子時計は、さらに、前記電源の電圧を測定する電圧測定手段を有し、前記制御手段は、前記電圧測定手段の測定結果に基づいて、前記第1の動作と前記第2の動作とを実行する電子時計。
【0024】
(9)前記(1)〜(3)に記載の計時装置を有する電子時計であって、当該電子時計は、発振素子を有する発振回路と、前記計時装置における前記計時カウンタのカウント値に基づいて、前記発振回路の発振周波数の変化を補償する周波数補償回路とを有する電子時計。
【0025】
(10)前記(1)〜(3)に記載の計時装置を有する電子時計であって、当該電子時計は、所定情報を表示する表示手段と、前記計時装置における前記計時カウンタのカウント値が所定値に達したことに基づいて、前記表示手段に前記所定情報を表示させる制御を行う表示制御手段とを有する電子時計。
【発明の効果】
【0026】
本発明の計時装置は、計時装置の外部から供給される電力を必要とせず、計時装置の内部で発電した電力によって、極めて長期間にわたって計時情報を保持し、更新していくことができる。
したがって、特別に発振回路などを設ける電力的余裕の無い小型の電子機器や、長期間交換する必要の無い機器などの時刻情報源として使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の計時装置を説明する為のブロック図である。
【図2】原子力電池から出力される波形の様子を示す模式図である。
【図3】整流後波形の様子を示す模式図である。
【図4】平滑波形の様子を示す模式図である。
【図5】計時パルス(半減期補正前)の様子を示す模式図である。
【図6】プリスケーラを説明する為のブロック図である。
【図7】本発明の計時装置を時計に応用した場合のシステムを説明する為のブロック図である。
【図8】計時停止処理を説明する為のフローチャートである。
【図9】計時再開処理を説明する為のフローチャートである。
【図10】本発明の計時装置を高精度水晶時計に応用した場合のシステムを説明する為の図である。
【図11】水晶周波数補正処理を示したフローチャートである。
【図12】カンチレバーを用いた原子力電池を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
〔第1の実施の形態〕
以下図面を用いて本発明の計時装置について説明する。図1は、本発明の計時装置のシステムを説明するものであり、図2は原子力電池から発せられる電流の様子を示す模式図、図3は整流手段から出力される電圧の様子を示す模式図、図4はLPFから出力される電圧の様子を示す模式図、図5は波形整形回路から出力される電圧の様子を示す模式図である。
【0029】
図1において、1は原子力電池、2は整流回路、3は蓄電手段、4はLPF(ローパスフィルタ)、5は波形整形手段、6はプリスケーラ、7は計時カウンタ、11は本発明の計時装置である原子力計時ブロックである。
図1において、蓄電手段3は原子力電池1によって生ずる電力を蓄積して平滑化する為のものであり、微小な電力でも蓄積できて長期耐久性のあるものが望ましい。しかしながら、原子力電池1からの入力は数秒から数分おきに行われ、本装置において使用する電力も変動は無いため、マージンを前提とした大きな容量は必要ではない。
また、計時カウンタ7はプリスケーラ6からのパルス入力によって、内部に保持したカウント値を加算更新していくが、内部で保持している値を、原子力計時ブロック11の外部に出力する、図示しない出力手段を持つ。
【0030】
従来技術として既に図12示したように、原子力電池1は、カンチレバー101、放射性物質としての放射性同位体102、蓄電部材103、圧電部材104、導線105を有し、図2のように定期的にパルス状の電流を生ずる。原子力電池1から生じた電力は整流回路2へと入力され、一方向に全波整流される。整流回路2から出力された電流は図3のように出力され、蓄電手段3とLPF(ローパスフィルタ)4へと分岐する。
【0031】
蓄電手段3は整流電流を電力として蓄積・平滑して、LPF4、波形整形手段5、プリスケーラ6、計時カウンタ7へと電力を恒常的に供給する。
従って、原子力計時ブロック11の外部から電力が供給されなくても、蓄電手段3から供給される電力だけで、LPF4、波形整形手段5、プリスケーラ6、計時カウンタ7が動作する。
【0032】
LPF4は図3に示すような整流回路2から出力された電圧波形を、図4に示すような平滑波形へと変換する。平滑波形はその後、波形整形手段(A/D変換回路)5を経て更に図5に示すようなデジタル化された計時パルス(半減期補正前)へと変換され、プリスケーラ6へと入力される。
[プリスケーラの説明:図6]
【0033】
〔第1の実施形態におけるプリスケーラの動作〕
図6はプリスケーラ6を説明するための図であり、プリスケーラ6のシステムを示す図である。図6において、8は分周比可変分周器、9は分周比設定回路、10は半減期補正テーブルである。
【0034】
放射性同位体102は年月に伴い放射線量が減衰するため、従来技術に示した構成の原子力電池では、カンチレバー101が放射性同位体102に接触するまで曲がるのに必要な電荷量を蓄積するのに必要な時間がそれに反比例して増大していく。すなわち、原子力電池1からのパルス波形のパルス間隔は年月に伴い増大していく。そのため、プリスケーラ6でパルス間隔の増大を補正するのである。
【0035】
図6に示すように、波形整形回路5から出力された半減期補正前の計時パルスは、分周比可変分周器8に入力される。分周比設定回路9は、計時カウンタ7からのカウント値を
半減期補正データとして得る。このカウント値は、原子力電池1に内蔵された放射性同位体102の時間経過による放射線の減少、すなわち原子力電池1からのパルス間隔に応じて増加した値となる。また、分周比設定回路9内の半減期補正テーブル10には、計時カウンタ7のカウント値と分周比データとが対応付けられたかたちで記憶されている。分周比設定回路9は計時カウンタ7より得られた半減期補正データと、半減期補正テーブル10に記憶された分周比データを参照し、原子力電池1からのパルス間隔に応じた適切な分周比データを、分周比可変分周器8に出力する。分周比可変分周器8は、この分周比データに応じた分周比で計時パルスの分周を行う。
【0036】
たとえば、半減期が約100年のニッケル63の場合、1年間に凡そ0.7%放射線量が低下するから、プリスケーラ6は、1年目は1000回の計時パルスの入力に対して計時パルスを1回出力し、2年目は993回の計時パルスの入力に対して計時パルスを1回出力する。
このように、プリスケーラ6は、放射同位体102の経年による放射線量の減衰に伴う計時パルスの周期の変化を補償して計時するための補償回路として設けられている。
【0037】
図6に示す例においては半減期補正テーブル10を用いているが、放射性崩壊に伴う放射線量の減衰は指数関数的に減衰していくことが分っているため、これを分周比設定回路9が半減期補正データに基づいて計算して出力するようにしてもよい。
【0038】
プリスケーラ6から出力された計時パルスは計時カウンタ7へと入力され、計時カウンタ7は、保持されている値を加算して更新する。
このため、同時に計時カウント値から得られる半減期補正データも、時間の経過に応じて更新される。
【0039】
計時カウンタ7の値は、図示しない出力手段によって、原子力ブロック11の外部の機器から読み出すことが可能である。
このため、第2の実施の形態や、第3の実施の形態で説明するように、外部の機器で計時カウンタ7のカウント値を利用することができる。
【0040】
尚、本実施の形態においては原子力計時ブロック11にプリスケーラ6が内蔵されているが、必ずしも内蔵する必要は無い。すなわち、波形整形手段5から出力される計時パルスによって計時カウンタ7のカウント値を直接更新する形式としてもよい。この場合、計時カウンタ7の更新頻度は放射性同位体の放射線強度の減衰に伴って減少していくが、計時カウンタ7のカウント値と、実際の経過時間との間には一対一の対応をつけることが可能である。なぜならば、減衰に伴って計時パルスの発生頻度がどのように低下するかは、放射性同位体102の種類や、それ以外の原子力電池1の構成によって、予め分っているのだから、計時カウンタ7に積算されたカウント値がどれだけ時間が経ったときにどれだけの値となっているかは予測可能だからである。
【0041】
すなわち、プリスケーラ6がある場合は、計時カウンタ7のカウント値と、計時カウンタ7のカウント値の更新周期との積が現在までの経過時間となるが、プリスケーラ6が無い場合でも、計時カウンタ7のカウント値を読み出して経過時間を計算することは可能であり、本発明の原子力計時ブロック11を利用する機器に半減期を補正するような機能を持たせておけばよい。
【0042】
すなわち、プリスケーラ6を原子力計時ブロック11に搭載するか、半減期を補正する機能を、原子力計時ブロック11を利用する機器に搭載するのかは、両者の使用形態を鑑みて決定すればよいのである。たとえば原子力計時ブロック11を様々な機器に繋いで使いまわすことが想定されていればプリスケーラ6を幾つも用意するのは無駄であるから、
原子力計時ブロック11に内蔵するのがよい。対して、原子力計時ブロック11と大きな演算処理能力を持つ機器をセットで使う場合は、機器の側で半減期の補正を含む、計時カウンタ7のカウント値の処理を一括して行ったほうがスムースであるということも考えられよう。
【0043】
〔第1の実施の形態の効果〕
以上の構成とすると、原子力電池1からの電力だけで計時カウンタ7のカウント値が定期的に更新されることとなり、他に何らのメンテナンスやエネルギー源をも必要としないため、小型軽量で長期信頼性の高い計時装置を得ることができるのである。
【0044】
〔第2の実施の形態〕
次に、第1の実施の形態で示した計時装置の利用の形態について説明する。図7は第1の実施の形態で説明した計時装置を利用した電子時計のブロック図である。原子力電池ブロック11は第1の実施の形態で説明した物と同一であるが、原子力計時ブロック11の計時カウンタ7と計時ブロック31の計時・カレンダ制御回路23との間にカウント値を参照するための連絡線が追加されている。
【0045】
図7において、21は発振回路、22は分周回路、23は計時・カレンダ制御回路、24は不揮発性メモリ、25はモータ駆動回路、26は時刻情報を表示する表示手段である時刻表示指針およびカレンダ表示板、27は二次電池等の電源、31は計時ブロックである。なお、図1と同じ構成には同一の番号を付与しているため、説明は省略している。
【0046】
発振回路21、分周回路22、計時・カレンダ制御回路23、モータ駆動回路25の電力は電源27から供給されている。不揮発性メモリ24は時刻情報を保持している。発振回路21によって生じた高周波パルスは、分周回路22によって分周され、その分周された計時基準信号によって計時・カレンダ制御回路23は現在時刻の計時を行うとともに、不揮発性メモリ24に格納された時刻データを更新する。また、計時・カレンダ制御回路23はモータ駆動回路25を通じて時刻表示指針・カレンダ表示板26を駆動し、現在の時刻および日付を表示するようになっている。また、計時・カレンダ制御回路23は、電源27の電圧を測定する図示しない電圧測定手段を含み、電源電圧が所定値未満になったことや所定値以上になったことを検出して、計時ブロック31の動作を制御する。
【0047】
図8と9は、それぞれ、計時停止処理と計時再開処理の処理フローを説明する為の図である。本実施の形態の構成においては、計時ブロック31の電源27が計時ブロック31に電力を供給している間は、原子力電池ブロック11と計時ブロック31とはお互いに関連することなく独立に動作している。すなわち、連絡線上での信号のやり取りはされていない。このとき、計時ブロック31は普通の時計の一部として動作している。
【0048】
しかしながら、計時ブロック31の電源電力が低下し、計時ブロック31での計時続行が不可能な状況、例えば、電源27の電圧が所定値以下になると、計時・カレンダ制御回路23は図8に示したような計時停止処理を行う。計時停止処理としてはまず最初に、計時ブロック31で保持している現在の年月日や時分の情報を不揮発性メモリ24に書き込む(S101)。次に原子力計時ブロック11の計時カウンタ7からカウント値を読み出して(S102)、不揮発性メモリ24に追加書き込みする(S103)。その後計時ブロック31を停止して(S104)、計時停止処理は終了する。
【0049】
このように、計時ブロック31の動作は停止することがあるものの、原子力電池1のみで動いている計時カウンタ7は停止することが無いため、計時ブロック31の停止中も何ら変わることなく動作し続け、計時カウンタ7の値を更新し続けている。
【0050】
その後、電源電力が回復し、電源27の電圧が所定値以上になると、図9に示したような計時再開処理を行うように、計時・カレンダ制御回路23が計時ブロック31の各部を制御する。計時再開処理においては、まず最初に前回停止時の年月日や時分の情報を不揮発性メモリ24から読み出し(S201)、次に前回停止時の計時カウンタ7のカウント値を不揮発性メモリ24から読み出し(S202)、次に停止せずに動き続けてきている原子力計時ブロック11の計時カウンタ7から現在のカウント値を読み出す(S203)。
【0051】
時計・カレンダ制御回路23は、不揮発性メモリ24に書き込まれていた原子力計時ブロック11のカウント値と現在の計時カウンタ7のカウント値とを比較することで、停止期間中に原子力計時ブロック11がカウントしたカウント値を算出し、この停止期間中のカウント値に基づいて、停止期間中の経過時間を演算する(S204)。
【0052】
このようにして得られた経過時間を停止時の年月日と時分に加算することで現在の年月日を求める(S205)。次に、この現在の年月日を基準として計時ブロック31の動作を開始することで(S206)、計時再開処理は終了となる。
【0053】
第1の実施の形態においてすでに示したように、本発明の計時装置は周囲環境に依存せずに長期間にわたって計時情報を保持・更新し続けることができるが、原子力電池1の電力では計時情報の書き換え、保持をすることはできても、その情報を表示することはできない。
【0054】
また、放射性同位体102からの放射線量の減衰は環境の影響を受けないものの、カンチレバー101の弾性や、接触のタイミングは周囲温度や振動の影響を受けるため、原子力電池1から出力されるパルス状の電流の出力間隔は環境の影響を受けるのである。また、このパルス状の電流が出力される周期が数秒から数分と長いため、腕時計の時刻標準としては精度が不足するため、これだけでは普通の時計としての満足な精度を出すことはできない。
【0055】
しかしながら、このような構成とすれば、原子力計時ブロック11による精度の低い計時情報を使用するのは腕時計の停止期間中に限られるため、腕時計の動作が停止することのない平常時においては精度に問題は生じない。
【0056】
腕時計の停止時においても、停止期間中の計時のみに原子力計時ブロック11を用いることになるため、時間精度の低下を抑えることが可能である。
【0057】
本実施の形態に示す腕時計はカレンダー機能を有しているが、カレンダー機能を有していない腕時計においても本発明は有効である。既に述べたように、原子力計時ブロック11は精度は低いが、計時ブロック31による計時の停止期間が短時間ならば大幅な誤差となることは無いし、長期間であっても腕時計がそのまま停止していたと仮定した場合よりは現在時刻に近い時刻を表示することができる。
そのため、一時的な電力停止に対して有効であるのは勿論、長期間の停止に際しても、復帰したときに大雑把な時刻を知ることができ、また、計時ブロック31の計時再開後のユーザーによる時刻修正を簡略化できるという利点がある。
【0058】
本実施の形態に記載の構成においては、原子力計時ブロック11は計時ブロック31とは独立に動作しているが、原子力時計ブロック11に、計時ブロック31の停止からカウントを開始する専用のカウンタを設ける構成としてもよい。すなわち、本実施の形態に記載の構成においては、計時ブロック31の停止時における原子力ブロック11のカウント値と再開時のカウント値から停止期間中の経過時間を算出するが、計時ブロック31の停止とともにカウントを開始するカウンタを原子力計時ブロック11に設けておけば、電源復
帰時には停止時の計時ブロック31の時刻情報に、このカウンタの値を加算することで直接現在時刻を得ることができるのである。
【0059】
多くの場合、計時ブロック31が停止するのは電源27の出力が低下して停止させざるを得ない状況であるが、それ以外でも、腕時計の通常のメンテナンスをする場合などは、何らかの停止措置を行って運針を停止させる。しかしながら、このように、何らかの停止処置を行った場合でも、本発明の方法を用いれば、電源27の停止状態からの復帰と同様に、復帰操作をするだけで現在の時刻および日付が表示され、復帰後ただちに腕時計を使用するように構成することができるのである。
また、ユーザが長時間時計を使用していないことを、操作状態や、携帯状態等の検出によって判断して、電力を節約するために腕時計を停止させる技術がある。
従来は時計を再度使用する場合に現在時刻に復帰させるため、腕時計が停止中であっても、発振回路21や分周回路22、計時・カレンダ制御回路23などには電力を供給して時刻を計時する必要があったが、本発明を用いることで、腕時計が停止中の場合には、計時ブロック31全体への電力供給を止め、計時カウンタ7のカウント値を用いて現在時刻に復帰させることができるため、より効果の高い節電機能を提供することが可能となる。
【0060】
〔第2の実施の形態の効果〕
このような構成とすることで、たとえ電源電力が低下して時計が長期間停止してしまったとしても、電源が復帰すれば大幅な時刻合わせを行うことなく、時計を使用することができるのである。
【0061】
〔第2の実施の形態の応用例〕
本構成は以下に示すように、パーペチュアルカレンダーを搭載した時計において特にその恩恵が大きい。
【0062】
腕時計は、たとえそれが太陽電池などの半恒久的な発電手段を備えるものであっても、暗所に長期間放置してしまうなどの原因により電池切れによる動作停止の可能性は避けられず、また、ひとたび動作停止が起きてしまうと時計内部に保持していた時刻情報が失われるという問題点があった。
【0063】
特にこの問題点はパーペチュアルカレンダーを持つ時計において甚大である。カレンダー機能を持つ時計の中には、小の月や大の月、閏年などでも日にちの修正の必要が無い、非常に長期に渡る年月日のデータを持つパーペチュアルカレンダー(月末無修正カレンダ)機能を持つものが存在する。
【0064】
このようなパーぺチュアルカレンダーを持つ時計は、図7の時計・カレンダ制御回路23が現在の月が何月か、本年が閏年かどうかといった情報を記憶し、月毎に異なる1ヶ月の日数を演算することで、月末の存在しない日付(2月30日などの非存日)を飛ばして表示する機能を有している。
【0065】
これらのパーペチュアルカレンダー機能を持つ腕時計は、電池が切れることなく動き続けていれば正確な日にちを常に表示するのではあるが、ひとたび電池切れとなってしまうと、内部の時刻情報が失われ、年月日の修正が非常に面倒であるという欠点があった。
すなわち、腕時計そのものは年月日のデータを保持しているにもかかわらず、腕時計の日にちを表示する表示部材には日または月までしか表示されない製品が大半であり、ユーザーは腕時計が内部で西暦何年または何月であると認識しているかを知る手段が無いか、又は、それを表示する操作が煩雑である。
【0066】
このため、時刻情報が失われてしまった後に再度動作を開始した場合、ユーザは表示部
材に表示される情報(日・時・分・秒など)を修正しても、腕時計内部に記憶されている年や月の情報までは修正を行わないため、その機能が十分に働かないおそれがあった。例えば、現在が6月であるにもかかわらず、再度動作を開始した腕時計内部の月情報が1月であり、ユーザーが腕時計の日の情報だけを修正したことにより、6月の月末に31日の非存日が表示されてしまう場合などである。
【0067】
また、不揮発性メモリ等を用いて腕時計が動作停止している場合でも内部の時刻情報を保持し続けるものもあるが、数ヶ月以上の長期にわたって腕時計が停止していた場合は、不揮発性メモリ内部の時刻情報と、現在の時刻との乖離が大きくなり、同様の問題が起きる恐れがある。
【0068】
しかしながらこの実施の形態に示した構成とすれば、たとえ腕時計側の電池が切れてしまったとしても、原子力電池1によって計時カウンタ7は動作し続けるため、復帰時において大幅な時刻のずれが生じることはなく、ユーザーは表示部材に表示される情報(日・時・分・秒など)のみを修正すればよい。
【0069】
〔第3の実施の形態〕
次に、本発明を高精度の時計に適用する例を説明する。
図10は第1の実施の形態で説明した計時システムを利用した高精度水晶時計のブロック図である。本実施の形態においても、原子力計時ブロック11は第1の実施の形態で説明したものと同一であるが、原子力計時ブロック11の計時カウンタ7と計時ブロック41の経年特性補償回路292との間にカウント値を参照するための連絡線が追加されている。
【0070】
図10において、28はサーミスタや熱電対等の感温素子を用いて構成され、腕時計内部の温度を測定する温度測定回路であり、29は分周回路22に与える周波数補正データを記憶・演算する周波数補正回路となっていて、これらの構成が、図7に示した計時ブロック31とは異なる。
周波数補正回路29には、温度測定回路28より得られた腕時計内部の温度情報から、発振回路21に用いられる発振素子である水晶振動子の温度による周波数変化量を演算するための温度特性補償回路291が設けられている。
また、周波数補正回路29には、発振回路21に用いられる水晶振動子の経年による周波数変化量を演算するための経年特性補償回路292が設けられている。
さらに、周波数補正回路29には、温度特性や経年特性を演算するための情報および、水晶振動子固有のずれ量などを記憶しておくための不揮発性メモリ24が設けられている。
なお、図7と同じ構成には同一の番号を付与しているため、これら以外の構成の説明は省略している。
【0071】
一般的に、水晶振動子には温度による周波数変化(温度特性)と、経年による周波数変化(経年特性・エージング特性)の2つの周波数変化要因があることが知られている。
このため、本実施の形態の計時ブロック41は水晶振動子固有の周波数ずれの他に、水晶振動子の温度特性および経年特性の双方を補償する温度特性補償回路291および経年特性補償回路292を内蔵し、それらに起因する周波数変化を補償することで、年差数秒(±0.1ppm程度)レベルの高精度な計時を行うことができる。
【0072】
このうち、温度特性については腕時計内部の温度を測定することで、容易にその周波数変化量を求めることができる。
しかし、経年特性を求めるには水晶振動子の製造時からの経過時間を知る必要がある。
【0073】
通常、腕時計が動作している場合は水晶発振器等の計時手段によって時間の経過を測定することができる。
しかし、第2の実施の形態でも述べたように電子時計においては電池切れの恐れがある。
水晶振動子はその発振が止まっていても経年変化し続けるため、仮に、水晶発信器等により経過時間を計時する構成にしたとしても、電池切れの間に計時していた経過時間が失われてしまったり、経過時間の測定が長期間止まってしまうと、経年特性を正しく求めることができない恐れがあった。
【0074】
また、不揮発性メモリ等を用いて水晶振動子の製造時期の情報を記憶させ、現在の日付との演算によって経過時間を求めることも可能である。しかし、現在の日付を正確に保持し続けるには第2の実施の形態に述べたように困難が伴う。
このため従来、水晶振動子の経年特性を正確に求めることは難しかった。
【0075】
本実施の形態では、水晶振動子の経年特性を求めるための水晶振動子の製造時からの経過時間を、原子力計時ブロック11の計時カウンタ7から得ていることを特徴としている。
【0076】
図11は本実施の形態における発振周波数補償処理のフローを説明する為の図である。
本実施の形態の周波数補正回路29が動作すると、まず不揮発性メモリ24に記憶された水晶振動子固有の周波数ずれ量を読み出す(S301)。
また、温度特性補償回路291が温度測定回路28を動作させ現在の温度を計測する(S302)。計測された温度と、不揮発性メモリ24に記憶された水晶振動子の温度特性より、温度特性補償回路291は温度特性による周波数ずれ量を演算する(S303)。
さらに、経年特性補償回路292が原子力計時ブロック11の計時カウンタ7からカウント値を読み出し(S304)、不揮発性メモリ24に記憶された水晶振動子の製造時期情報から水晶振動子製造時からの経過時間(経過日数)を求める(S305)。原子力計時ブロック11の計時カウンタ7の値より得られた経過時間と、不揮発性メモリ24に記憶された水晶振動子の経年特性より、経年特性補償回路292は経年特性による周波数ずれ量を演算する(S306)。
これら3つの周波数ずれ量を周波数補正回路29が合算することによって、現在の水晶振動子から得られる周波数の正確なずれ量と、このずれ量に基づく周波数補正量を求めることができる(S307)。そして、求めた周波数補正量により、分周回路22に周波数補正データを出力して、周波数変化を補正する(S308)。
この実施の形態では発振素子として、水晶振動子を用いて説明したが、発振素子は、水晶振動子に限らず、他の発振素子にも適用可能である。
【0077】
〔第3の実施形態の効果〕
以上の構成とすることで、腕時計が途中停止状態にあった場合でも水晶振動子等の発振素子の経年特性を正確に求める事ができる。このため、正確なずれ量に基づき発振周波数の緩急調整を行うことができ、より高精度な時計を提供することができる。
【0078】
原子力計時ブロック11により得られる計時情報(発振素子の製造時からの経過時間)は一般的な計時手段に比べ不正確であるが、通常発振素子の経年特性は数日程度では大きく変化しないため、発振素子の経年特性の補償であれば問題は生じない。
【0079】
同様にして、図1に示した電子力時計ブロック11を、何らかの機能の経年劣化を生ずる機器において、その警告をユーザーに報知するためのシステムとして使用することも可能である。例えばダイバー用腕時計の場合、裏蓋のパッキンは防水性能を大きく左右する部品であるが、経年劣化は避けられないために定期的に交換する必要がある。例えば、第
2の実施の形態の腕時計に、さらに、計時カウンタ7のカウント値が所定値になったときにモータ駆動回路25を駆動する制御を行う表示制御手段を追加し、時刻表示指針・カレンダ表示板26の時刻表示指針により、パッキンの交換時期を促す表示をするように構成することも可能である。このような構成により、腕時計が電源27の電圧の低下等で停止することがあっても、腕時計の製造時からの年月を計時カウンタ7が保持し続けることができるため、腕時計が動作しているときには、常に適切な期間でパッキンの交換をユーザーに報知することができてその安全性の向上に資するところは大きい。
【符号の説明】
【0080】
1 原子力電池
2 整流回路
3 蓄電手段
4 LPF
5 波形整形手段
6 プリスケーラ
7 計時カウンタ
8 分周比可変分周器
9 分周比設定回路
10 半減期補正テーブル
11 原子力計時ブロック
21 発振回路
22 分周回路
23 計時・カレンダ制御回路
24 不揮発性メモリ
25 モータ駆動回路
26 時刻表示指針
27 電源
28 温度測定回路
29 周波数補正回路
291 温度特性補償回路
292 経年特性補償回路
31 計時ブロック
101 カンチレバー
102 放射性同位体
103 蓄電部材
104 圧電部材
105 導線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定部と自由端部とを有する弾性体からなるレバーと、前記レバーに設けられて放射線が放射されることにより電荷を蓄積可能な電荷蓄積部材と、前記電荷蓄積部と離間して配置されて前記放射線を放射する放射性物質と、前記レバーに設けられて出力端子を有する圧電部材とを含み、前記電荷蓄積部材に蓄積される電荷によって該電荷蓄積部材に発生する静電力によって生じる前記レバーの撓みと、前記レバーが撓んだ状態で前記電荷蓄積部材に蓄積された電荷が放電されることによって生じる前記レバーの撓みの開放とが周期的に繰り返されることにより、前記出力端子から交流電流を出力可能な原子力電池と、
前記出力端子から出力される前記交流電流を波形整形して計時パルスを出力する波形整形回路と、
前記計時パルスから計時動作を行う計時カウンタと、
前記交流電流により蓄電されるとともに、前記波形整形回路と前記計時カウンタとに電力を供給する蓄電手段とを有することを特徴とする計時装置。
【請求項2】
前記計時装置は、さらに、前記計時カウンタのカウント値に基づいて、前記放射性物質の経年による前記放射線量の低下に伴う前記計時パルスの周期の変化を補償して計時するための補償回路を有し、
前記補償回路は、前記蓄電手段によって電力が供給されることを特徴とする請求項1に記載の計時装置。
【請求項3】
前記補償回路は、前記計時パルスを入力して前記計時カウンタに出力する可変分周回路と、前記計時カウンタのカウント値に基づいて、前記可変分周回路の分周比を設定するための補正テーブルを有する分周比設定回路とを有することを特徴とする請求項2に記載の計時装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の計時装置を有する電子時計であって、当該電子時計は、電源と、不揮発性メモリと、時刻情報を計時する時刻情報計時手段と、前記時刻情報を表示する表示手段とを有し、
前記時刻情報計時手段は、当該時刻情報計時手段の時刻情報を前記不揮発性メモリに記憶する第1の動作と、当該第1の動作を行った時点から前記計時カウンタによって計時されたカウント値と、前記不揮発性メモリに記憶された前記時刻情報とに基づいて現在時刻情報を演算する第2の動作とを実行することを特徴とする電子時計。
【請求項5】
前記時刻情計時手段は、日付情報を計時することを特徴とする請求項4に記載の電子時計。
【請求項6】
前記日付情報は、年月日情報を含み、前記時刻情報計時手段は、月末の非存日を排除して前記日付情報を含む前記現在時刻情報を演算することを特徴とする請求項5に記載の電子時計。
【請求項7】
前記日付情報は、さらに、閏年に関する情報を含み、前記時刻情報計時手段は、閏年に基づく月末の非存日を排除して、前記日付情報を含む前記現在時刻情報を演算することを特徴とする請求項6に記載の電子時計。
【請求項8】
前記電子時計は、さらに、前記電源の電圧を測定する電圧測定手段を有し、前記制御手段は、前記電圧測定手段の測定結果に基づいて、前記第1の動作と前記第2の動作とを実行することを特徴とする請求項4〜7のいずれか1項に記載の電子時計。
【請求項9】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の計時装置を有する電子時計であって、当該電子時
計は、発振素子を有する発振回路と、前記計時装置における前記計時カウンタのカウント値に基づいて、前記発振回路の発振周波数の変化を補償する周波数補償回路とを有することを特徴とする電子時計。
【請求項10】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の計時装置を有する電子時計であって、当該電子時計は、所定情報を表示する表示手段と、前記計時装置における前記計時カウンタのカウント値が所定値に達したことに基づいて、前記表示手段に前記所定情報を表示させる制御を行う表示制御手段とを有することを特徴とする電子時計。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2011−203190(P2011−203190A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−72737(P2010−72737)
【出願日】平成22年3月26日(2010.3.26)
【出願人】(000001960)シチズンホールディングス株式会社 (1,939)
【出願人】(307023373)シチズン時計株式会社 (227)
【Fターム(参考)】