説明

診察業務支援装置

【課題】複数の検査結果の時間的な変化を容易に確認できる診察業務支援装置を提供する。
【解決手段】最新のカルテを含む一連の複数診察日のカルテが日付順に並んで一挙に表示されるため、紙のカルテやこれを模した従来の電子カルテのようにクリックやスクロール等の操作を行うことなく、一目で患者の状態の経過を把握することができる。また、診察において必ず必要となる最新のカルテの表示を固定した状態で過去のカルテの表示を変更できるようにしているため、必要なカルテを画面に表示させるためのクリックやスクロール等の操作を減らすことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、病院での診察業務を支援する診察業務支援装置に係り、例えば、診察に係る種々の情報を表示したり記録したりできる電子カルテとして診察業務を支援する診察業務支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在でも、多くの病院では紙のカルテを用いて日々の診察業務に係る情報を記録している。しかし、紙のカルテには種々の問題があり、以前より改善の必要性が認識されている。例えば、多忙な業務の中で紙のカルテに書き込む文字は乱雑になり易く、他人には読み取れない場合がしばしばある。また、諸々の情報について記入すべきか否かの規準が個人の判断に委ねられてしまうことが多く、管理上必須の情報が記録されずに医師の記憶だけが頼りになる場合がある。更に、保管のためのスペースが必要な点や、診察・治療・手術の度に現場へ持ち運ばなければならない点、医学上の研究や調査等の目的でカルテの情報を活用することが難しい点などがある。
【0003】
このような紙カルテの問題を解決するため、紙カルテを電子化する種々の提案が従来よりなされており、実際の業務用に実用化されている電子カルテシステムの例もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平07−334586号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、カルテに記載されるべき情報は多種多様であり、ペンで記入される文字だけでなく、検査結果の写真や連絡用の紙片などが貼り付けられたりしている。このようなカルテを単純に電子化してディスプレイ上に表示させようとすると、画面上に非常に多くのウィンドウが作られてしまうので、内容が見難くなる。また、メニューの階層構造が深くなると、必要な情報を得るまでのクリック等の操作が多くなってしまい、作業効率が低下するとともに操作の習熟が難しくなる。
【0006】
現実に、従来の電子カルテは必要な場面で必要な情報を適切に閲覧できなず、そのためクリックやスクロール等の操作が非常に多く面倒であり、しかもメニューや使用方法が複雑でなかなか習熟できない、といった多くの問題点が現場から指摘されている。
【0007】
例えば、同一患者の前回、前々回の検査結果や処方・指示の内容を参照しつつ今回の診察を行うという作業は、診察業務で一般的に行われている。従来の紙カルテの場合は、指を紙に挟みながら該当するページをめくり返して見ることにより、複数の診察日におけるカルテの内容を比較・参照している。
【0008】
一方、従来の一般的な電子カルテは、紙のカルテと同様に1診察日ずつウィンドウ内に情報が配置されているので、複数診察日の情報を比較・参照するには、各診察日の情報をその都度選択して前面に表示させたり、ページ全体を診察日ごとに切り替えたり、上下左右に画面をスクロールさせたりする操作が必要になる。このような操作は結果的に従来の紙カルテよりも面倒であり、電子カルテを採用した場合に業務効率が低下する一因となっている。
【0009】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数の診察日における診察業務の情報を容易に比較・参照できる診察業務支援装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る診察業務支援装置は、診察日に関連付けて、少なくとも患者の識別データと、患者の診察のために実施された検査の結果を示す検査結果データを含んだ診察業務データとを記憶するデータベース部と、入力される表示信号に応じた画面を表示する表示部と、利用者による所定の指示入力操作に応じた指示信号を生成する指示入力部と、一の前記患者識別データに関連づけられた前記診察業務データに関する画面を前記表示部に表示するように指示する前記指示信号が前記指示入力部において生成されると、当該一の患者識別データに関連付けられた前記診察業務データを前記データベース部から取得する第1処理部と、前記第1処理部により取得された各診察日の前記診察業務データを記憶するメモリと、前記第1処理部により取得された少なくとも1診察日分の前記診察業務データを前記メモリから読み出し、当該読み出した診察業務データの内容を前記画面に表示する前記表示信号を生成する第2処理部とを有する。
前記診察業務データは、各検査結果データの検査の種別を示す種別コードを含み、前記メモリは、関連性のある複数の検査種別に係る複数の前記種別コードを含んだ関連検査種別データを記憶する。
前記第2処理部は、前記画面に表示中の一の検査結果データを指定して複数回分の検査結果データを表示するように指示する前記指示信号が前記指示入力部において生成された場合、当該一の検査結果データに関連付けられた前記種別コードを含む前記関連検査種別データを前記メモリにおいて検索し、当該検索の結果として、前記メモリから前記関連検査種別データを取得した場合、前記取得した関連検査種別データに含まれる複数の種別コードに対応した複数の種別のそれぞれについて、一連のK回分の検査結果データが存在すればそれを前記メモリから読み出し、当該読み出した1つ若しくは複数の種別についてのK回分(Kは1より大きい自然数を示す。)の検査結果データの内容を診察日順に並べて表示する前記表示信号を生成する。
【0011】
好適に、前記関連検査種別データは、その関連検査種別データに含まれる複数の種別コードにおける優先順位の情報を含んでおり、前記第2処理部は、前記関連検査種別データに含まれる複数の種別コードに対応した複数種別の検査結果データの内容を診察日順に並べて前記画面に表示する場合、同一の種別コードに関連付けれた一群の前記検査結果データの内容を前記画面上の所定の方向に診察日順に並べ、かつ、同一の前記診察業務データに含まれる複数種別の前記検査結果データの内容を前記所定の方向と垂直な方向に前記優先順位の情報に応じた順序で並べて表示する前記表示信号を生成する。
【0012】
好適に、前記診察業務データは、医師の診察の所見に関する所見データを含んでおり、前記メモリは、前記所見データにおいて病名を示す病名コードと前記関連検査種別データとを関連付けて記憶しており、前記第2処理部は、前記画面に表示中の一の検査結果データを指定して複数回分の検査結果データを表示するように指示する前記指示信号が前記指示入力部において生成された場合、当該一の検査結果データと同じ前記診察業務データに含まれた前記所見データの前記病名コードと関連付けられており、かつ、当該一の検査結果データに関連付けられた前記種別コードを含んだ前記関連検査種別データを前記メモリにおいて検索する。
【0013】
好適に、前記診察業務データは、医師の診察の所見に関する所見データを含んでおり、前記メモリは、前記所見データにおいて病名を示す病名コードと前記関連検査種別データとを関連付けて記憶しており、前記第2処理部は、前記メモリから少なくとも1回分の前記診察業務データを読み出して、当該診察業務データに含まれる複数の前記検査結果データの内容を前記画面に表示する場合、当該診察業務データの前記所見データに含まれる前記病名コードと関連付けられた前記関連検査種別データを前記メモリから読み出し、前記読み出した関連検査種別データに含まれる複数の種別コードにおける前記優先順位の情報と、前記複数の検査結果データにそれぞれ関連付けられた前記種別コードとに基づいて、前記複数の検査結果データにおける順序を決定し、当該決定した順序に従って、前記画面の所定の配列パターン上に各検査結果データの内容を並べて表示する前記表示信号を生成する。
【0014】
好適に、前記データベース部は、前記患者識別データと前記関連検査種別データとを関連付けて記憶しており、前記第1処理部は、一の患者識別データに関連付けられた前記診察業務データを前記データベース部から取得する場合、前記一の患者識別データに関連付けられた前記関連検査種別データを前記データベース部から取得して前記メモリに格納する。
【0015】
好適に、前記データベース部は、利用者の識別データと前記関連検査種別データとを関連付けて記憶しており、前記第1処理部は、一の前記利用者識別データの利用者により操作されていることを示す前記指示信号が前記指示入力部において生成された場合、前記指示信号において指示された前記利用者識別データに関連付けられた前記関連検査種別データを前記データベース部から取得して前記メモリに格納する。
【0016】
好適に、前記診察業務データは、前記関連検査種別データを含んでおり、前記第2処理部は、前記画面に表示中の一の検査結果データを指定して複数回分の検査結果データを表示するように指示する前記指示信号が前記指示入力部において生成された場合、前記一の検査結果データと同じ前記診察業務データに含まれる前記関連検査種別データを前記メモリから取得し、前記取得した関連検査種別データに含まれる複数の種別コードに対応した複数の種別のそれぞれについて、一連のK回分の検査結果データが存在すればそれを前記メモリから読み出し、当該読み出した1つ若しくは複数の種別についてのK回分の検査結果データの内容を診察日順に並べて表示する前記表示信号を生成する。
【0017】
好適に、前記指示入力部は、前記表示部の前記画面の表面に物体が接触若しくは近接した場合にその接触位置若しくは近接位置を示す前記指示信号を生成し、前記第2処理部は、前記画面に表示中の一の検査結果データの表示領域において所定の時間内にL回(Lは任意の自然数を示す。)物体が接触若しくは近接したことを示す前記指示信号が前記指示入力部において生成された場合、前記画面において当該一の検査結果データの内容を拡大若しくは縮小する前記表示信号を生成する。
【0018】
好適に、前記メモリは、前記拡大又は縮小の倍率を設定する倍率データと前記種別コードとを関連付けて記憶しており、前記第2処理部は、前記一の検査結果データの内容を拡大若しくは縮小する場合、前記一の検査結果データの前記種別コードと関連付けられた前記倍率データを前記メモリから取得し、当該倍率データに応じた倍率で拡大若しくは縮小する。
【0019】
好適に、前記第2処理部は、前記拡大若しくは縮小した前記検査結果データの表示領域において所定の時間内にL回(Lは任意の自然数を示す。)物体が接触若しくは近接したことを示す前記指示信号が前記指示入力部において生成された場合、前記画面において当該査結果データの内容を更に拡大若しくは縮小する前記表示信号を生成する。
【0020】
好適に、前記第2処理部は、前記指示信号に応じて前記画面における前記検査結果データの内容を拡大若しくは縮小して表示するとその表示サイズが所定の上限値を超える若しくは所定の下限値を下回る場合は、当該検査結果データの表示サイズが前記上限値若しくは下限値となるように前記表示信号を生成する。
【0021】
好適に、前記メモリは、前記上限値に関する情報及び/又は前記下限値に関する情報と前記種別コードとを関連付けて記憶しており、前記第2処理部は、前記検査結果データの表示サイズを前記上限値まで拡大する場合、当該検査結果データの検査種別を示す前記種別コードと関連付けて前記メモリに記憶される前記上限値に関する情報に応じた上限値まで拡大し、かつ/又は、前記検査結果データの表示サイズを前記下限値まで縮小する場合、当該検査結果データの検査種別を示す前記種別コードと関連付けて前記メモリに記憶される前記下限値に関する情報に応じた下限値まで縮小する。
【0022】
好適に、前記診察業務データは、少なくとも1つの前記検査結果データを含む検査データ、医師の診察の所見に関する所見データ、及び、患者に処方する薬に関する処方データ(以下、検査データ、所見データ及び処方データを総称して「個別データ」という)を含んでおり、前記指示入力部は、前記表示部の前記画面の表面に物体が接触若しくは近接した場合にその接触位置若しくは近接位置を示す前記指示信号を生成し、前記第2処理部は、前記画面における前記個別データの表示領域内で前記接触位置が水平方向に対し所定範囲内の角度で傾いた方向にスライドしたことを示す前記指示信号が前記指示入力部において生成された場合、前記スライドの始点から終点までの長さに応じた倍率で、前記接触位置がスライドした表示領域に含まれる前記個別データの内容を拡大若しくは縮小する前記表示信号を生成する。
【0023】
好適に、前記第2処理部は、前記指示信号に応じて前記画面における前記個別データの内容を拡大若しくは縮小して表示するとその表示サイズが所定の上限値を超える若しくは所定の下限値を下回る場合は、当該個別データの表示サイズが前記上限値若しくは下限値となるように前記表示信号を生成する。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、複数の診察日における診察業務の情報を画面上に並べて容易に比較・参照できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施形態に係る診察業務支援装置において医師が利用する電子化されたカルテの表示画面の一例を示す図である。
【図2】本実施形態に係る診察業務支援装置の全体構成の一例を示す図である。
【図3】サーバ装置の構成の一例を示す図である。
【図4】職員データベース部に記憶される各医師のカルテ画面の表示設定に関するデータ構造を説明するための図である。
【図5】特定の医師がカルテを見る場合に適用される表示設定データの構造を説明するための図である。
【図6】検査表示設定データの構造を説明するための図である。
【図7】関連検査種別データの構造を説明するための図である。
【図8】倍率設定データの構造を説明するための図である。
【図9】特定の医師が特定の患者のカルテを見る場合に適用される表示設定データの構造を説明するための図である。
【図10】患者データベース部に記憶される診察業務データの構造を説明するための図である。
【図11】検査データの構造を説明するための図である。
【図12】特定の診察日における特定の患者のカルテを見る場合に適用される表示設定データの構造を説明するための図である。
【図13】端末装置の構成の一例を示す図である。
【図14】本実施形態に係る診察業務支援装置においてカルテ画面を表示する場合の処理を説明するためのフローチャートである。
【図15】カルテ画面を形成する処理について説明するためのフローチャートである。
【図16】カルテ画面のレイアウトのバリエーションについて説明するための第1の図である。
【図17】カルテ画面のレイアウトのバリエーションについて説明するための第2の図である。
【図18】個別データの表示領域のカスタマイズ例について説明するための第1の図である。
【図19】個別データの表示領域のカスタマイズ例について説明するための第2の図である。
【図20】各個別データの表示領域のサイズを決定する処理について説明するためのフローチャートである。
【図21】個別データの表示領域におけるテキストデータと画像データの表示形式について説明するための図である。
【図22】個別データの表示領域を自動調節する処理について説明するためのフローチャートである。
【図23】表示領域の自動調節を行わない場合のカルテ画面の表示例を示す図である。
【図24】表示領域の自動調節を行う場合のカルテ画面の表示例を示す図である。
【図25】検査データの表示領域にスクロールバーを設ける場合の例を示す図である。
【図26】図20のフローチャートに診察業務データの表示領域を自動調節する処理を追加したフローチャートである。
【図27】診察業務データの表示サイズを決定する処理について説明するためのフローチャートである。
【図28】診察業務データの表示サイズの自動調節を行う場合のカルテ画面の表示例を示す図である。
【図29】診察業務データの表示領域の第1方向における幅を決定する第2の変形例の処理について説明するためのフローチャートである。
【図30】診察業務データの表示領域の第1方向における幅を決定する第3の変形例の処理について説明するための第1のフローチャートである。
【図31】診察業務データの表示領域の第1方向における幅を決定する第3の変形例の処理について説明するための第2のフローチャートである。
【図32】各個別データの表示領域のサイズを決定する第4の変形例の処理について説明するためのフローチャートである。
【図33】各個別データの画像サイズを決定する第4の変形例の処理について説明するための第1のフローチャートである。
【図34】各個別データの画像サイズを決定する第4の変形例の処理について説明するための第2のフローチャートである。
【図35】個別データの表示領域のサイズに合わせて画像を自動的に縮小する場合のカルテ画面の表示例を示す図である。
【図36】個別データの表示領域のサイズに合わせて画像を自動的に拡大する場合のカルテ画面の表示例を示す図である。
【図37】画面に表示する検査結果の配列を決定する処理について説明するためのフローチャートである。
【図38】画面に表示されるカルテを診察日単位でシフトさせる処理について説明するためのフローチャートである。
【図39】画面に表示されるカルテの診察日単位でシフトさせる場合の操作の一例を示す第1の図である。
【図40】画面に表示されるカルテの診察日単位でシフトさせる場合の操作の一例を示す第2の図である。
【図41】個別データの内容を拡大または縮小させる処理について説明するためのフローチャートである。
【図42】個別データの内容を拡大または縮小させる場合の操作の一例を示す第1の図である。
【図43】個別データの内容を拡大または縮小させる場合の操作の一例を示す第2の図である。
【図44】個別データの内容を拡大または縮小させる場合の操作の一例を示す第3の図である。
【図45】個別データの内容を拡大または縮小させる場合の操作の一例を示す第4の図である。
【図46】検査結果の画像を拡大または縮小させる処理について説明するためのフローチャートである。
【図47】検査結果を拡大または縮小させる場合の操作の一例を示す第1の図である。
【図48】検査結果を拡大または縮小させる場合の操作の一例を示す第2の図である。
【図49】検査結果を拡大または縮小させる場合の操作の一例を示す第3の図である。
【図50】検査結果を時系列に表示する処理について説明するためのフローチャートである。
【図51】検査結果を時系列に表示する場合の画面の表示例を示す第1の図である。
【図52】検査結果を時系列に表示する場合の画面の表示例を示す第2の図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は、本発明の実施形態に係る診察業務支援装置において医師が利用する電子化されたカルテの表示画面の一例を示す図である。本実施形態に係る診察業務支援装置においては、図1に示すように、同一患者の複数診察日のカルテを日付順に並べて画面上に表示する。
【0027】
図1において、「A1」及び「A1−1」,「A1−2」はそれぞれ1回の診察に係るカルテの表示領域を示す。領域A1が今回(最新)のカルテを示し、領域A1−1が前回(1回前)のカルテを示し、領域A1−2が前々回(2回前)のカルテを示す。最新のカルテを含む一連の3日分のカルテが横方向に並んで表示される。
そして、各カルテの表示領域(A1,A1−1,A1−2)には、検査結果に関する情報が表示される領域(A11,A11−1,A11−2)と、医師の診察所見に関する情報が表示される領域(A12,A12−1,A12−2)と、処方薬の情報や医師の指示に関する情報が表示される領域(A13,A13−1,A13−2)がそれぞれ設けられている。
また、このカルテ表示領域の上側には、患者に関する固有の情報(患者ID、氏名、年齢、性別、住所、禁忌薬剤、アレルギーなど)を表示するための横長に延びた表示領域A2が設けられている。
更に、領域A2の右側には、他の情報の画面(手術歴の画面、処方歴の画面、関係連絡先の画面など)へ遷移するためのボタン等が配置される領域A3が設けられている。
このように、最新のカルテを含む一連の複数診察日のカルテが日付順に並んで一挙に表示されるため、紙のカルテやこれを模した従来の電子カルテのようにクリックやスクロール等の操作を行うことなく、一目で患者の状態の経過を把握することができる。
【0028】
上記のようなカルテ画面を表示する本実施形態に係る診察業務支援装置について、図面を参照して詳しく説明する。
【0029】
図2は、本実施形態に係る診察業務支援装置の全体構成の一例を示す図である。
図2に示す診察業務支援装置は、サーバ装置1と、通信ネットワーク3を介してサーバ装置1と接続された複数の端末装置2を有する。
【0030】
[サーバ装置1]
サーバ装置1は、診察業務支援装置において各端末装置2が共通に利用・参照するデータを管理する装置であり、職員データベース部11と患者データベース部12を有する。
職員データベース部11及び患者データベース部12は、本発明におけるデータベース部の一実施形態である。なお本明細書では、職員データベース部11及び患者データベース部12を総称して「データベース部」と記す場合がある。
【0031】
図3は、サーバ装置1の構成の一例を示す図である。
図3に示すサーバ装置は、処理部101と、通信部102と、表示部103と、指示入力部104と、記憶部105と、作業メモリ106とを有する。
【0032】
通信部102は、通信ネットワーク3を介して端末装置2と通信を行うための回路であり、例えばイーサネット(登録商標)などの所定の規格に適合した通信を行うための信号処理や制御、有線や無線で伝送される信号の変調・復調、データの符号化・復号化、パケットの処理、送受信のタイミングの調整などを行う。
【0033】
表示部103は、処理部101から入力される表示信号に応じた画面を表示する。例えば表示部103は、液晶ディスプレイ、ELパネルディスプレイ、CRTなどの表示デバイスと、表示デバイスに供給する画像信号の処理を行うグラフィック・コントローラを含む。
【0034】
指示入力部104は、利用者の指示を入力するための装置であり、所定の指示入力操作に応じた指示信号を生成する。例えばキーボード、マウス、操作ボタン、キーパッド、タッチパネルセンサーなどを含む。
【0035】
記憶部105は、処理部101及び周辺ハードウェア(102〜104)の初期化・制御等に使用される低レベルのプログラム(BIOS等)や、ファイル・オペレーティング・システム、アプリケーション・プログラムなどを格納するとともに、これらのプログラムで利用されるデータを格納する。記憶部205には、例えばハードディスク、フラッシュ・メモリ等の不揮発性メモリ、DVD等の光ディスク、MO等の光磁気ディスク、磁気テープ、プログラマブルROM、マスクROMなどが用いられる。
【0036】
記憶部105は、職員データベース部11と患者データベース部12の記憶領域としてそれぞれ利用される。
【0037】
作業メモリ106は、処理部101のプロセッサがアクセスしてプログラムやデータを一時的に格納する比較的高速なメモリであり、例えばダイナミックRAMやスタティックRAMなどの半導体メモリを含む。
【0038】
処理部101は、サーバ装置1の全体的な動作を制御する。すなわち、通信部102における端末装置2との通信や、表示部103における画面の表示、指示入力部104における利用者からの指示の入力等を、記憶部105や作業メモリ106に格納されるプログラムに基づいて制御する。例えば処理部101は、プログラムに基づいて処理を行うプロセッサ(CPU)や、周辺ハードウェア(102〜106)とデータをやり取りするためのバス、バス制御回路(バスブリッジ回路)、キャッシュメモリなどを含む。
【0039】
この処理部101は、機能的なブロックとして、職員データベース部11に関わる処理を実行する職員データベース処理部111と、患者データベース部12に関わる処理を実行する患者データベース処理部112を有する。
職員データベース処理部111は、職員に関する種々のデータを記憶部105に所定のデータ構造で格納するとともに、職員のデータへのアクセスを求める端末装置2からの要求が通信部102において受信されると、要求に応じてデータの検索、読み出し、書き込み、並び替え等を実行する。
同様に、患者データベース処理部112は、患者に関する種々のデータを記憶部105に所定のデータ構造で格納するとともに、患者のデータへのアクセスを求める端末装置2からの要求が通信部102において受信されると、この要求に応じた検索等の処理を実行する。
【0040】
図4は、職員データベース部11に記憶される各医師のカルテ画面の表示設定に関するデータ構造を説明するための図である。
職員データベース部11は、医師を含む病院の職員に関する種々の情報を記憶しており、その一部として、カルテ画面の表示の設定に関わる表示設定データ61(第1表示設定データ)及び表示設定データ62(第2表示設定データ)を記憶している。表示設定データ61は、医師の識別データ41に関連付けられ、表示設定データ62は、医師識別データ41と患者識別データ42に関連付けられている。
表示設定データ61は、医師識別データ41に対応する特定の医師がカルテを見る場合、患者と関係なく一律に適用される。一方、表示設定データ62は、医師識別データ41に対応する特定の医師が、患者識別データ42に対応する特定の患者のカルテを見る場合に適用される。
なお、職員データベース部11は、医師以外の職員についても、図4に示すようなデータ構造によって、その職員の識別データと表示設定データ61,62とを関連付けて記憶してもよい。
【0041】
図5は、特定の医師がカルテを見る場合に適用される表示設定データ61の構造を説明するための図である。
共通の表示設定データ61は、領域サイズ設定データ601と、レイアウト設定データ602と、画面操作設定データ603と、検査表示設定データ604と、倍率設定データ605と、全般設定データ606とを含む。
【0042】
領域サイズ設定データ601は、画面上における各データの表示領域のサイズを設定する。すなわち、領域サイズ設定データ601は、1回分(1診察日分)のカルテの表示領域(A1)に含まれる検査結果(A11),診察所見(A12),処方・指示(A13)の各表示領域の幅(若しくは幅の割合)を設定するとともに、画面上における各診察日のカルテの表示領域の幅(若しくは幅の割合)を設定する。また、領域サイズ設定データ601は、カルテの各表示領域における画像や文のサイズを設定する。
【0043】
レイアウト設定データ602は、複数回分のカルテを画面内に配列する方向(縦方向または横方向)とその配列順序(診察日の並び方)、最新のカルテとともに表示する過去のカルテの数Nを設定する。また、レイアウト設定データ602は、1回分のカルテの各表示領域(A11,A12,A13)におけるデータの配列パターン(図21)を設定する。
【0044】
画面操作設定データ603は、ペン等のスライド操作により過去の診察日のカルテを前後にシフトさせる後述の処理(図30〜図32)において、1回の操作でシフトさせる日数M(カルテの枚数)を設定する。また、画面操作設定データ603は、ペン等のクリック操作により検査結果の画像を拡大若しくは縮小させる後述の処理(図38〜図41)において、処理の実行を指示するクリックの回数Lを設定する。
【0045】
検査表示設定データ604は、複数の検査種別の検査結果を1回分の表示領域(A11)に複数表示させるとき(図24〜図26)の設定情報や、後述する時系列表示モードにおいて複数の検査種別の検査結果を並べて表示させる場合(図44)の設定情報を含む。
【0046】
図6は、検査表示設定データ604の構造を説明するための図である。
検査表示設定データ604は、例えば図6に示すように、時系列表示設定データ621と単独表示設定データ622を有する。
【0047】
時系列表示設定データ621は、時系列表示モードにおいて一の検査種別について時系列の検査結果が表示される場合、これと一緒に並べて時系列の検査結果が表示されるべき他の検査種別を指定する。例えば「検査種別A」について時系列の検査結果が表示される場合、この「検査種別A」と関連性が高い「検査種別B」,「検査種別C」を指定する。
時系列表示設定データ621は、関連性の高い一群の検査種別を、例えば図7に示す構造を持った関連検査種別データ611によって指定する。関連検査種別データ611は、検査種別を表す検査種別コード71を複数含んでおり、各検査種別コード71に優先順位が割り当てられている。優先順位は、複数の検査種別について時系列の検査結果を並べて表示する際の順番を決定する場合に参照される。
【0048】
時系列表示設定データ621は、例えば図6に示すように、病名コード72と関連付けられた関連検査種別データ611と病名コードに関連付けられていない(病名不定の)関連検査種別データ611を含む。
病名コード72は、医師が診断する病名を示しており、後述する診察業務データ52の所見データ54(図10)に含まれる。
病名コード72に関連付けられた関連検査種別データ611は、その病名と関連性の高い検査種別群を指定する。また、病名不定の関連検査種別データ611は、病名と無関係に関連性の高い検査種別群を指定する。
【0049】
単独表示設定データ622は、1診察日の表示領域(A11)において検査結果を1診察分だけ表示するとき(単独表示モード若しくは通常モード)、この表示領域(A11)内で複数種別の検査結果をどのような順序で配列するかを設定する。単独表示設定データ622も、時系列表示設定データ621と同様に、病名コード72と関連付けられた関連検査種別データ611と病名不定の関連検査種別データ611を含む。
【0050】
倍率設定データ605は、ペン等のクリック操作によって検査結果の画像を拡大若しくは縮小させる後述の処理(図38〜図41)において、1回の操作により拡大若しくは縮小する倍率を検査種別に応じて設定する。また、カルテにおける検査結果等の画像を拡大若しくは縮小する場合におけるその表示サイズの上限値や下限値を検査種別に応じて設定する。倍率設定データ605は、例えば図8に示すように、検査種別コード71と関連付けられた倍率データ613を含む。倍率データ613は、1回の操作によって画像を拡大若しくは縮小させる倍率や、画像の表示サイズの上限値,下限値を含む。
【0051】
全般設定データ606は、画面表示に関する全般的な設定情報を含む。
例えば、全般設定データ61は、カルテ画面の表示に関わる複数の表示設定データをそれぞれ有効にするか無効にするか、有効にする表示設定データが複数ある場合にそれらをどのような優先順位で参照するかといった情報を含む。本実施形態においては、特定の医師がカルテを見る場合に適用される表示設定データ61(図5)や、特定の医師が特定の患者のカルテを見る場合に適用される表示設定データ62(図9)の他に、後述するように、特定の診察日における特定の患者のカルテを見る場合に適用される表示設定データ63(図12)が存在する。全般設定データ606は、これらの表示設定データの中から処理に使用すべき表示設定データを決定する場合に参照される。
【0052】
図9は、特定の医師が特定の患者のカルテを見る場合に適用される表示設定データ62の構造を説明するための図である。
図9の例において、表示設定データ62は、領域サイズ設定データ601、レイアウト設定データ602、画面操作設定データ603、検査表示設定データ604及び倍率設定データ605を有する。これらの設定データは、図5において示す同一符号のデータと同じである。
【0053】
図10は、患者データベース部12に記憶される診察業務データの構造を説明するための図である。
患者データベース部12は、患者に関する種々の情報を記憶しており、その一部として、患者の診察業務に関わる診察業務データ52を記憶している。診察業務データ52は、診察を行った患者の識別データ42とその診察日51に関連付けられている。
診察業務データ52は、例えば図10に示すように、診察を担当した医師の識別データ41と、検査結果に関する検査データ53と、医師の診察所見に関する所見データ54と、医師が処方した薬剤と医師の指示に関する処方データ55と、カルテ画面の表示設定に関する表示設定データ63(第3表示設定データ)とを含んでいる。
なお本明細書では、検査データ53、所見データ54、処方データ55を総称して「個別データ」と記す場合がある。また、1回分(1診察日分)のカルテに対応する1つの診察業務データ52の内容を単に「カルテ」と記す場合がある。
【0054】
図11は、検査データ53のデータ構造を説明するための図である。
検査データ53は、患者に対して実施された検査結果のデータ532を含む。検査結果のデータ532は、例えば文字や画像などのデータであり、検査種別コード71と付帯情報531に関連付けられている。検査種別コード71は、患者に実施された検査の種別を示す。付帯情報531は、検査日、検査の担当者を示す識別データ、その担当者が記載した連絡事項などの付帯的な情報を含む。
【0055】
表示設定データ63は、患者識別データ41と診察日51に関連付けられており、特定の診察日における特定の患者のカルテを見る場合に適用される。表示設定データ63は、例えば図12に示すように、図5における同一符号と同様な設定データ(領域サイズ設定データ601、レイアウト設定データ602、倍率設定データ605)を有するとともに、検査表示設定データ604Aとウィンドウ状態記録データ607を含んでいる。
【0056】
検査表示設定データ604Aは、時系列表示モードにおいて参照される病名不定の関連検査種別データ611と、単独表示モード(通常モード)において参照される病名不定の関連検査種別データ611を含む。時系列表示モードの関連検査種別データ611は、単独表示モードにおいて任意の診察日の検査結果をクリック等することにより時系列表示モードへ移行する場合(図43)に適用される設定を記録する。単独表示モードの関連検査種別データ611は、単独表示モードにおいて特定の診察日の表示領域(A11)に適用される設定を記録する。
【0057】
ウィンドウ状態記録データ607は、後述するペンのクリック操作(図39〜図41)によって拡大若しくは縮小された検査結果の画像のウィンドウ状態を記録する。この表示設定を有効にした場合、例えば、あるカルテの検査画像を拡大させた状態でログオフした後、再びログオンしてこのカルテを表示させた場合に、ウィンドウ状態記録データ607に記録されるウィンドウ状態の情報に基づいて、ログオフ前の検査画像の拡大状態が復元される。
【0058】
[端末装置2]
図13は、端末装置2の構成の一例を示す図である。
図13に示す端末装置2は、処理部201と、通信部202と、表示部203と、指示入力部204と、記憶部205と、作業メモリ206とを有する。
表示部203は、本発明における表示部の一実施形態である。
指示入力部204は、本発明における指示入力部の一実施形態である。
【0059】
通信部202は、通信ネットワーク3を介してサーバ装置1と通信を行うための回路であり、例えば上述した通信部102と同様の構成を有する。
【0060】
表示部203は、処理部201から入力される表示信号に応じた画面を表示する装置であり、例えば上述した表示部103と同様の構成を有する。
【0061】
指示入力部204は、利用者の指示を入力するための装置であり、例えば上述した指示入力部104と同様の構成を有する。
【0062】
記憶部205は、処理部201及び周辺ハードウェア(202〜204)の初期化・制御等に使用される低レベルのプログラム(BIOS等)や、ファイル・オペレーティング・システム、アプリケーション・プログラムなどを格納するとともに、これらのプログラムで利用されるデータを格納する。記憶部205は、例えば上述した記憶部105と同様の構成を有する。
【0063】
作業メモリ206は、処理部201のプロセッサがアクセスしてプログラムやデータを一時的に格納する比較的高速なメモリであり、例えば上述した作業メモリ106と同様の構成を有する。
【0064】
処理部201は、端末装置2の全体的な動作を制御する回路であり、記憶部205や作業メモリ206に格納されるプログラムに基づいて周辺ハードウェア(202〜204)の制御やデータ処理を行う。例えば処理部201は、例えば上述した処理部101と同様の構成を有する。
【0065】
この処理部201は、機能的なブロックとして、データベース要求処理部211と表示処理部212を有する。
データベース要求処理部211は、本発明における第1処理部の一実施形態である。
表示処理部212は、本発明における第2処理部の一実施形態である。
【0066】
データベース要求処理部211は、指示入力部204において入力される利用者の指示に応じて、サーバ装置1の職員データベース部11や患者データベース部12にアクセスして、データの検索や読み出し、書き込み等を行う。データベース要求処理部211は、職員データベース部11や患者データベース部12から読み出されたデータを、一時的に作業メモリ206や記憶部205の一方若しくは両方に格納する。
表示処理部112は、指示入力部204において入力される利用者の指示に応じて、職員データベース部11や患者データベース部12から読み出されたデータを用いて表示部203の表示信号を生成し、カルテ等の画面を形成する。
【0067】
ここで、上述した構成を有する本実施形態に係る診察業務支援装置の動作について説明する。
【0068】
図14は、本実施形態に係る診察業務支援装置においてカルテ画面を表示する場合の処理を説明するためのフローチャートである。
医師は、患者の電子カルテを開く場合、まず端末装置2の指示入力部204においてサーバ装置1にログインするための操作を行う。処理部201は、この操作に応じた指示信号を入力すると、サーバ装置1へログインする処理を行う(ステップST100)。この際、処理部201は、指示入力部204から医師のID(医師識別データ41)を入力し、記憶部205若しくは作業メモリ206(以下、これらを総称して「メモリ」と記す場合がある)に格納する。
【0069】
サーバ装置1にログインすると、データベース要求処理部211は、メモリに格納した医師識別データ41をサーバ装置1の職員データベース部11に対して送信し、この医師識別データ41に関連付けられた表示設定データ61を職員データベース部11から読み出す(ステップST105)。
【0070】
表示処理部212は、職員データベース部11から取得した表示設定データ61の全般設定データ606を参照し、表示設定データ61〜63のどれをカルテ画面の表示処理に使用するか、若しくは、それらをどのような優先順位で使用するかに関する情報を取得し、カルテ画面の表示に必要な表示設定データを特定する。
【0071】
また、ログイン後、表示処理部212は、患者を特定するための情報(例えば患者識別データ42)の入力を求める画面を表示部203に表示する。この画面に促されて、患者を特定する情報が指示入力部204に入力されると(ステップST110)、データベース要求処理部211は、入力した情報に基づいて、患者の固有の情報(氏名、年齢、性別等)と診察業務データ52を患者データベース部12に要求し、要求に応じて取得したデータをメモリに格納する。
またこのとき、データベース要求処理部211は、表示設定データ61の全般設定データ606に基づいて特定された必要な表示設定データ(62,63)を患者データベース部12から取得する(ステップST115)。
【0072】
なお、患者データベース部12から取得する診察業務データ52は、該当する患者についての全データを取得しても良いし、一部に限定してもよい。より多くの診察業務データ52をメモリに格納しておくことで、患者データベース部12からの読み出し処理に伴う遅延を減らせるので、表示部203における表示処理を高速化できる。ただし、メモリの容量に制限がある場合は、例えば取得する診察日の日数に上限を設定して、最新の診察業務データ52を含んだ上限日数以下の診察業務データ52を取得するようにしてもよい。また、全般設定データ606において表示設定データ62が無効にされている場合は、診察業務データ52を取得する際に表示設定データ62を除いてもよい。
【0073】
表示処理部212は、患者データベース部12から必要なデータを取得すると、取得したデータに基づいて図1に示すようなカルテ画面を表示部203に表示する。
すなわち、表示処理部212は、メモリに格納した診察業務データ52から、最新の診察日の診察業務データ52とこれより古い一連のN回分(図1の例では2日分)の診察業務データ52を読み出し、読み出した診察業務データ52の内容を表示部203の画面の横方向若しくは縦方向へ診察日順に並べて表示する。
【0074】
また、表示処理部212は、一の診察日の診察業務データ52に含まれる個別データ(検査データ53,所見データ54,処方データ55)の内容を、診察業務データ52の内容が配列される方向(第1方向)に対して垂直な方向(第2方向)へ並べ、かつ、その並び順を全診察日において共通の順序に統一して表示する。
例えば図1に示すように診察業務データ52の内容(1日分のカルテの内容)を横方向に並べて配列する場合、表示処理部212は、各診察業務データ52に含まれる検査データ53,所見データ54,処方データ55の内容を縦方向に並べ、かつ、その並び順を全ての診察日において共通の順序に揃えるように画面を構成する。
その結果、図1に示すように、各診察日の同一種類の個別データ(検査/所見/処方)が画面上で横方向に一列に並んだ状態となる。そのため、関連性の高いカルテの情報の時間的な変遷を、クリックやスクロール等の操作なしに、一目で簡単に把握できる。
【0075】
カルテ画面を表示部203において表示すると、表示処理部212は、指示入力部204において利用者の指示入力操作により生成される指示信号の入力を待つ(ステップST125)。指示信号が入力されると、表示処理部212はこれに応じてカルテ画面を更新する処理やデータベース部(11,12)へのデータ記録処理などを実行し(ステップST130)、実行後に再び指示入力待ち状態となる(ステップST125)。ログオフを指示する信号が生成された場合、表示処理部212は所定のログオフ処理を実行して動作を終了する(ステップST135)。
【0076】
次に、カルテ画面を形成する処理(ステップST120)について、図15を参照しながら更に詳しく説明する。
【0077】
カルテ画面を形成する場合、表示処理部212は、画面構成に関する領域サイズ設定データ601,レイアウト設定データ602を参照して、診察業務データ52の内容を診察日順に並べるその配列方向と順序、並べて表示する診察業務データ52の数、診察業務データ52の表示領域内における各個別データの表示領域のサイズを決定する(ステップST200)。
この場合、表示処理部212は、全般設定データ606(図5)に規定された内容に従って、表示設定データ61〜63の何れかを選択し、選択した表示設定データの領域サイズ設定データ601及びレイアウト設定データ602を参照する。
【0078】
図16,図17は、レイアウト設定データ602に応じたカルテ画面のレイアウトのバリエーションについて説明するための図である。
図1の例では右側から順に新しい診察業務データ52の内容(カルテ)が表示されているが、図16(A)の例では逆に左側から順に新しいカルテが表示される。
また、図1の例では横方向にカルテが並んで表示されているが、図16(B)の例では縦方向にカルテが並んで表示される。
他方、図17の例では、1画面に表示するカルテの数が図1の例(3日分)より1つ少なくなっている。図17(A),(B)の例では2つのカルテを横方向に並べており、図17(C)では縦方向に並べている。また、図17(A)の例では右側から順に新しいカルテが配列され、図17(B)の例では左側から順に新しいカルテが配列される。
【0079】
図18,図19は、個別データの表示領域のカスタマイズ例について説明するための図である。
図1の例では、検査データ53,所見データ54,処方データ55の各表示領域がほぼ同じサイズとなっているが、図18の例では、検査データ53の表示領域のサイズが最も大きくなっており、所見データ54の表示領域のサイズが最も小さくなっている。
他方、図1及び図18の例では、カルテ内に占める各個別データの表示領域の割合が全てのカルテにおいて同じになっている。これに対し、図19の例では、各個別データの表示領域の割合がカルテごとに異なっている。図19のようにカルテ毎に異なる場合は、診察業務データ52中の表示設定データ63(図10,図12)に含まれるレイアウト設定データ602が参照される。
なお、全般設定データ606において表示領域のサイズの自動調節を有効にしている場合は、後述のステップST305によって表示領域の第1方向の幅や第2方向の幅が変更される。
【0080】
図15に戻る。
カルテの画面構成に関する表示設定が決定すると(ステップST200)、処理部201は、この表示設定において各個別データが占める表示領域のサイズを決定する(ステップST205)。
すなわち、表示処理部212は、個別データ(検査データ53、所見データ54、処方データ55)に含まれるデータ量に基づいて、個別データの内容(画像,文)を所定の大きさで画面に表示するために必要な領域の第2方向における幅(図1の例では縦方向の幅)を算出する。具体的には、表示処理部212は、画面に表示する画像の枚数の情報や画面に表示する1以上の文のそれぞれの文字数に関する情報を個別データから取得し、この取得した情報に基づいて、当該個別データの第2方向における幅を算出する。そして、表示処理部212は、一の診察業務データ52に属する各個別データについて第2方向の幅を算出すると、当該一の診察業務データ52に属する各個別データの第2方向の幅を、上記算出した幅に応じて設定する。
例えば、表示処理部212は、一の診察業務データ52に属する各個別データについて予め割り当てた第2方向の幅(例えば領域サイズ設定データ601において設定した標準の幅)と、当該一の診察業務データに属する各個別データについて算出した第2方向の幅とを比較する。比較の結果、算出した幅が予め割り当てた幅より大きい(予め割り当てた幅が表示に必要な幅より狭い)個別データがある場合、表示処理部212は、当該個別データの表示領域の第2方向における幅を、予め割り当てた幅から算出した幅へ拡大するとともに、当該個別データと同じ診察業務データに属する他の少なくとも1つの個別データの表示領域の第2方向における幅を、前記拡大分が相殺されるように縮小する。
【0081】
以下、表示領域サイズを決定する処理(ST205)について詳しく説明する。
【0082】
図20は、各個別データの表示領域のサイズを決定する処理(ステップST205)について説明するためのフローチャートである。
表示処理部212は、メモリに記憶される診察業務データ52の中から画面に表示すべき診察業務データ52を選択し、その個別データに含まれる画像の枚数をカウントするとともに、当該個別データに含まれる1又は2以上の文の文字数をそれぞれカウントする。そして表示処理部212は、カウントした画像の枚数と文の文字数に基づいて、個別データの内容(画像,文)を所定の大きさで表示部203の画面に表示させるのに必要な領域の第2方向における幅を算出する(ステップST305)。
【0083】
表示処理部212は、個別データの表示領域内において画像や文を一定の形式で配置する。すなわち、表示処理部212は、領域内で画像や文を配置する際のその配置パターン、画像のサイズ、文字のフォントサイズ、文字間隔、段落間隔などを定めている。
そのため、個別データに含まれる画像の数や文の各文字数が決まると、この一定の配置形式が要請する一定の対応関係に従って、個別データの表示領域のサイズが決まる。表示処理部212は、この一定の対応関係を利用して、個別データに含まれる画像の数や文の文字数から表示領域のサイズを算出する。
【0084】
図21は、個別データの表示領域におけるテキストデータと画像データの表示形式の一例を示す図である。
図21の例では、検査データの表示領域A11に、テキストデータTX1,TX2,…と画像データIMG1,IMG2,…が表示される。テキストデータTX1,TX2,…は、表示領域A11の内側の上端から下方へ順に配列されている。画像データIMG1,IMG2,…は、それぞれサイズが同じであり、マトリクス状のパターンにおいて左上隅から横方向へ順に詰めて配置される。
このような表示形式が規定されていると、テキストデータの文に含まれる文字の数から文の行数が算出されるので、これにより、文の表示に必要な矩形領域の第2方向の幅(図21の例では縦方向の幅)が算出される。全ての文について矩形領域の第2方向の幅を算出して合わせることにより、全ての文を表示するために必要な矩形領域A4の第2方向の幅が算出される。
また画像については、画像の数に応じてマトリクス状のパターンの列数と行数が決まるので、この行数と画像の第2方向の幅により、全画像を表示するために必要な矩形領域A5の第2方向の幅が算出される。
矩形領域A4、A5の最小サイズを合わせることにより、検査データの表示領域A11の最小サイズが算出される。
【0085】
上記のようにして各個別データの表示領域の第2方向における幅を算出すると、表示処理部212は、各個別データについて、領域サイズ設定データ601により設定された第2方向の標準の幅とステップST305で算出した幅とを比較し、算出した第2方向の幅が標準の幅より大きい個別データを特定する(ステップST310)。ここで特定した個別データは、そのままの表示設定では、表示領域内に全ての内容を表示しきれない状態にある。
【0086】
算出した第2方向の幅が予め設定された標準の幅より大きい個別データを特定した場合、表示処理部212は、この特定した個別データを含む診察業務データ52の表示領域内において、各個別データの表示領域の第2方向における幅を自動調節する(ST330)。算出した第2方向の幅が標準の幅より大きい個別データが存在しない場合や、全般設定データ606において表示領域の自動調節を無効にしている場合、表示処理部212は自動調節(ST330)を行わずにステップST210(図15)へ移行する。
【0087】
個別データの表示領域を自動調節する場合、表示処理部212は、ステップST310で特定した個別データの表示領域の幅を算出した幅より拡大するとともに、この個別データと同じ診察業務データ52に属する他の少なくとも1つの個別データの表示領域を、前記の拡大分が相殺されるように縮小する。
【0088】
図22は、個別データの表示領域を自動調節する処理(ステップST330)について説明するためのフローチャートである。
まず表示処理部212は、画面に表示する各診察業務データ52の内容を所定のサイズで表示するために必要な領域の第2方向における幅を算出する(ステップST400)。すなわち、表示処理部212は、画面に表示する各診察業務データ52について、ステップST305で算出した個別データの第2方向の幅を合算することによって、診察業務データ52の表示に必要な領域の幅を算出する。
【0089】
各診察業務データ52の表示領域の幅を算出すると、表示処理部212は、各診察業務データ52について、診察業務データの表示領域の第2方向における幅の設定値とステップST400で算出した幅とを比較し、算出した第2方向の幅がこの設定値より大きい診察業務データ52を特定する(ステップST405)。ここで特定した診察業務データ52は、そのままの表示設定では、予め定められた範囲内に全ての内容を表示しきれない状態にある。
【0090】
そこで表示処理部212は、ステップST405において特定した診察業務データ52を除く他の診察業務データ52(全ての内容を画面に表示しきれる診察業務データ52)について、個別データの表示領域のサイズを調節するステップST420〜ST430の処理を行う。
【0091】
ステップST420:
表示処理部212は、ステップ400において算出した診察業務データ52の第2方向の幅と予め定められた第2方向の幅の設定値との差(第2方向の余りの幅)を算出する。ステップST425:
表示処理部212は、ステップST420で算出した第2方向の余りの幅を、各個別データの表示領域(「検査」,「所見」,「処方・指示」)に配分する。例えば、表示処理部212は、ステップST420で算出した余り幅を3等分して3つの個別データの表示領域にそれぞれ配分してもよい。あるいは、表示処理部212は、ステップST310(図20)で特定された個別データの表示領域への配分をゼロとし、他の個別データの表示領域に対して上記の余り幅を(例えば均等に)配分してもよい。後者の場合、自動調節がされない場合における第2方向の標準の幅と自動調節がされた場合における第2方向の幅との誤差が小さくなるので、自動調節によるレイアウトの変化を小さくすることができる。ステップST430:
表示処理部212は、ステップST305(図20)で算出した個別データの表示領域第2方向における幅と、ステップST425で配分した幅との和に応じて、各個別データの表示領域の第2方向における幅を決定する。
【0092】
なお、ステップST405において特定した診察業務データ52は、個別データの表示領域のサイズを調節しても全ての内容を表示しきれないので、上述したステップST420〜ST430の処理は行わない(ステップST415)。
【0093】
図23は、表示領域の自動調節を行わない場合のカルテ画面の表示例を示す図である。
図23の例においては、図1に示すレイアウトがデフォルト状態である。このデフォルト状態のままで、検査データの表示領域A11の中に文(テキスト)の矩形領域A4と画像の矩形領域(A5)が収まっている。
他方、図24は、表示領域の自動調節を行う場合のカルテ画面の表示例を示す図である。
図24の例では、検査結果の画像が多くてデフォルト状態の検査データの表示領域A11に入りきらないため、検査データ53の表示領域A11が拡大されている。これに伴い、所見データ54及び処方データ55の表示領域A12,A13がそれぞれ縮小されている。
【0094】
これに対して、図25は、検査データの表示領域にスクロールバーを設ける場合の例を示す図である。
図25の例では、検査結果の画像が図24の場合より更に多く、他の表示領域(A12,A13)を表示に必要な最小サイズ(ステップST305:図20)まで縮小しても画像が表示領域A11に収まりきらない。このような場合、例えば表示処理部212は、図26に示すように領域A5(若しくは領域A11)にスクロールバーB1を追加して、画面からはみ出した画像をスクロールバーB1の操作によって見られるようにしている。
【0095】
次に、表示領域サイズを決定する処理(ST205)に関する幾つかの変形例について説明する。
【0096】
(第1の変形例)
図25の例は、ステップST415(図22)において診察業務データ52の表示領域の第2方向における幅の算出値が設定値より大きいと判断され、ステップST420〜ST430の自動調節処理が実行されない場合に相当する。すなわち、診察業務データ52の表示領域の第2方向における幅が、診察業務データ52に含まれるデータ量に対して小さいため、スクロールバー等を設けなければ、診察業務データ52の内容を全て表示することができない。このような場合、診察業務データ52の表示領域(1回分のカルテの表示領域)の第1方向における幅(図25の例では横方向の幅)を拡大することによって、スクロールバー等を設けなくても、診察業務データ52の中に含まれる各個別データの内容を表示できる可能性がある。
そこで、第1の変形例では、診察業務データ52の表示領域の第1方向における幅を自動調節する処理を更に実行する。
【0097】
図26は、図20のフローチャートに診察業務データ52の表示領域を自動調節する処理(ステップST320,ST325)を追加したフローチャートである。
この場合、表示処理部212は、個別データの表示領域サイズ決定処理(ステップST330)を実行する前に、診察業務データ52の表示領域を自動調節する処理(ステップST320,ST325)を実行する。
【0098】
ステップST320において、表示処理部212は、診察業務データ52の表示領域の自動調節を行うか否か判定する。すなわち表示処理部212は、全般設定データ606の設定内容を参照し、この設定内容において診察業務データ52の自動調節を有効にしているか否か判定する。表示処理部212は、全般設定データ606において自動調節が有効の場合、次のステップST325において各診察業務データ52の表示領域を決定し、自動調節が無効の場合は、ステップST325を行わずにステップST330へ移行する。
【0099】
ステップST325において、表示処理部212は、各診察業務データ52に含まれるデータ量に応じて、画面に表示する各診察業務データ52の表示領域の第1方向における幅(図25の例では横方向の幅)を設定する。例えば、表示処理部212は、各診察業務データに含まれる画像の枚数や、1以上の文のそれぞれの文字数などに応じて、それらの数量が多いほど広い表示領域が与えられるように、各診察業務データ52の表示領域の第1方向における幅を設定する。
【0100】
図27は、診察業務データ52の表示領域の第1方向における幅を決定する第1の変形例の処理(ステップST325:図26)について説明するためのフローチャートである。
まず表示処理部212は、画面に表示する各診察業務データ52の表示領域の最小サイズを算出する(ステップST600)。すなわち、表示処理部212は、ステップST305で算出した個別データの表示領域を診察業務データ52ごとに合算することによって、診察業務データ52の内容を所定のサイズで表示するために必要な領域の第2方向の幅を算出する。
【0101】
各診察業務データ52の表示領域の最小サイズが算出されると、次に表示処理部212は、各診察業務データについて算出した第2方向の幅に応じて、各診察業務データ52の表示領域の第1方向における幅を決定する(ステップST605)。
例えば、表示処理部212は、3つの診察業務データ52について算出した第2方向の幅がそれぞれ「R1」,「R2」,「R3」の場合、この3つの診察業務データ52に「R1:R2:R3」の比で第1方向の幅を設定する。すなわち、表示処理部212は、各診察業務データに割り当てる第1方向の幅を、第2方向の幅の算出結果に応じて案分する。これにより、表示内容の多い診察業務データ52は第1方向の幅が広くなり、表示内容の少ない診察業務データ52は第1方向の幅が狭くなる。
【0102】
各診察業務データ52の表示領域の第1方向における幅を決定したら、次に表示処理部212は、この決定した第1方向の幅を有する条件のもとで、各診察業務データ52に含まれる各個別データの表示に必要な領域の第2方向における幅を再度算出する(ステップST640)。この算出の方法は、ステップST305(図20)と同様である。また、表示処理部212は、各個別データについて、領域サイズ設定データ601により設定された第2方向の標準の幅とステップST640で算出した幅とを比較し、この比較結果に基づいて、算出した第2方向の幅が標準の幅より大きい個別データを再度特定する(ステップST645)。
【0103】
以上により、各診察業務データ52の表示領域のサイズを調節した後、表示処理部212は、既に説明したステップST330の処理(図20,図22)によって、各個別データの表示領域のサイズを決定する。
【0104】
図28は、診察業務データ52の表示領域の第1方向における幅を自動的に調節する場合のカルテ画面の表示例を示す図である。
先述した図25の例では、検査データの表示領域A11に画像を表示しきれないためスクロールバーB1を設けている。これに対し、図28では、右端にある最新のカルテの領域A1を他のカルテの領域(A1−1,A1−2)に比べて拡張させて、全ての画像が領域A11内に表示されるように調節している。その結果、スクロールバーB1が不要になっている。
このように、できるだけスクロールバー等の付加的な操作をすることなく内容を確認できるようにカルテを構成することで、診察業務をより効率化できる。
【0105】
(第2の変形例)
上述した第1の変形例では、図27のフローチャートにおいて示すように、各診察業務データ52の表示領域の第2方向における幅が算出され(ステップST600)、その算出された第2方向の幅に応じて(例えば算出した幅の比に応じて)第1方向の幅が決定されている(ステップST605)。この方法では、決定した第1方向の幅において診察業務データの全内容を表示できるか否かを確かめていないため、場合によっては、スクロールバー等を設ける必要が生じる。そこで、第2の変形例では、各診察業務データ52の内容を所定の大きさで画面に表示するために必要な領域の第1方向における幅が算出され、その算出結果に応じて、各診察業務データ52の表示領域の第1方向における幅が決定される。
【0106】
すなわち、第2の変形例において、表示処理部212は、診察業務データ52の各個別データのデータ量(画像の枚数、1以上の文のそれぞれの文字数など)に基づいて、当該診察業務データ52の内容を所定の大きさで画面に表示するために必要な領域の第1方向における幅を算出する。
具体的には、表示処理部212は、診察業務データ52の表示領域が第1方向において所定の幅(最小幅)を有する条件において、当該診察業務データに属する各個別データの第2方向における幅を算出して合算し、その合算値が診察業務データ52の表示領域の第2方向における幅の設定値を超える場合は、当該診察業務データ52の表示領域の第1方向における幅を所定の幅(最小幅)より段階的に拡大させながら前記の合算値を求める処理を繰り返す。そして、表示処理部212は、この合算値が第2方向の幅の設定値を下回った場合における当該診察業務データ52の第1方向の幅を、当該診察業務データ52の表示に必要な第1方向の幅として取得する。
表示処理部212は、上記のようにして各診察業務データ52の表示に必要な第1方向の幅を取得すると、各診察業務データ52に割り当てる表示領域の第1方向における幅を、当該取得した第1方向の幅に応じて設定する。
【0107】
図29は、診察業務データ52の表示領域の第1方向における幅を決定する第2の変形例の処理(ステップST325:図26)について説明するためのフローチャートである。
図29に示すフローチャートは、図27に示すフローチャートにおけるステップST600〜ST605を次に述べるステップST610〜ST622に置き換えたものである。
【0108】
まず、表示処理部212は、画面に表示する一の診察業務データ52の一つを選択し(ステップST610)、当該診察業務データ52の内容を所定のサイズで表示するために必要な領域の第2方向における幅を算出する(ステップST612)。この処理は、既に説明したステップST600(図27)と同様である。ただし、この場合、表示処理部212は、当該診察業務データ52の表示領域の第1方向における幅が所定の最小幅になっているものとして、当該診察業務データ52に含まれる各個別データの表示領域の第2方向における幅を算出し、それらを合算することによって、当該診察業務データ52の表示領域の第2方向における幅を算出する。
【0109】
次に、表示処理部212は、ステップST612で算出した第2方向の幅が、予め決められた設定値を超えるか否か判定する(ステップST614)。算出した幅が設定値を超える場合(当該診察業務データ52の内容を画面に表示しきれない場合)、表示処理部212は、当該診察業務データ52の表示領域の第1方向における幅を上記の最小幅から所定の増分値だけ拡大し(ステップST616)、その拡大した第1方向の幅を有するものとして、当該診察業務データ52の内容を所定のサイズで表示するために必要な領域の第2方向における幅を再び算出する(ステップST618)。そして、表示処理部212は、ステップST614に戻り、算出した第2方向の幅が設定値を超えるか否か判定する。表示処理部212は、ステップST618で算出した第2方向の幅が設定値を超えるまで、該診察業務データ52の表示領域の第1方向における幅を所定の増分値ずつ拡大する。
【0110】
当該診察業務データ52について算出した第2方向の幅が設定値を下回った場合、表示処理部212は、その第2方向の幅の算出条件とした第1方向の幅を、当該診察業務データ52の表示に必要な第1方向の幅として取得する(ステップST620)。表示処理部212は、画面に表示する全ての診察業務データ52についてステップST612〜ST620の処理を行い、各診察業務データ52の表示に必要な第1方向の幅を取得する。
【0111】
画面に表示する全ての診察業務データ52について第1方向の幅を取得すると、表示処理部212は、各診察業務データ52について取得した第1方向の幅に応じて、各診察業務データ52の第1方向の幅を設定する(ステップST630)。
例えば、表示処理部212は、図27のステップST605の場合と同様に、各診察業務データ52について取得した第1方向の幅の比に応じて、各診察業務データ52の第1方向の幅を設定してもよい。
あるいは、表示処理部212は、図22におけるステップST420〜ST430の場合と同様の方法によって、各診察業務データ52の第1方向の幅を設定してもよい。すなわち、表示処理部212は、各診察業務データ52について取得した第1方向の幅の合算値と、全診察業務データ52の第1方向における幅の設定値との差を第1方向の余りの幅として算出する。表示処理部212は、この算出した余りの幅を各診察業務データ52に配分し、配分した幅とステップST620で取得した幅との和に応じて第1方向の幅を決定する。余りの幅の配分方法としては、例えば、全ての診察業務データ52に対して均等に配分してもよい。または、ステップST620で取得した第1方向の幅が領域サイズ設定データ601で設定される第1方向の標準の幅を超えている診察業務データ52に対して配分をゼロとし、その他の診察業務データ52に対して余りの幅を(例えば均等に)配分するようにしてもよい。後者の場合、自動調節がされない場合における第1方向の標準の幅と自動調節がされた場合における第1方向の幅との誤差が小さくなるので、自動調節によるレイアウトの変化を小さくすることができる。
【0112】
表示処理部212は、各診察業務データ52の表示領域の第1方向における幅を決定したら、既に説明した図27の場合と同様に、各診察業務データ52に含まれる各個別データの表示に必要な領域の第2方向における幅を再度算出し(ステップST640)、算出した第2方向の幅が標準の幅より大きい個別データを再度特定する(ステップST645)。
【0113】
(第3の変形例)
第2の変形例では、画面に表示する全ての診察業務データ52について、その内容を所定の大きさで表示するために必要な領域の第1方向における幅が算出される。この算出された幅の合算値が、全診察業務データ52の第1方向における幅の設定値より大きくなると、第1方向の幅をどのように調節しても全診察業務データ52の内容を画面に表示しきれなくなる。そこで、第3の変形例では、診察業務データ52における画像のサイズを縮小することによって、全診察業務データ52の内容が画面に表示されるようにする。
【0114】
すなわち、第3の変形例において、表示処理部212は、各診察業務データ52の表示に必要な第1方向の幅の算出結果を合算した値が全診察業務データ52の第1方向における幅の設定値を超える場合、各診察業務データ52に含まれる画像のサイズを段階的に縮小させながら、この第1方向の幅の合算値を求める処理を繰り返す。そして、表示処理部212は、第1方向の幅の合算値が第1方向の幅の設定値を下回った場合における各診察業務データ52の表示領域の第1方向における幅を、各診察業務データの表示に必要な第1方向の幅として取得する。表示処理部212は、画面に表示する各診察業務データ52の表示領域の第1方向における幅を、各診察業務データ52について取得した第1方向の幅に応じて設定する。
【0115】
図30,図31は、診察業務データ52の表示領域の第1方向における幅を決定する第3の変形例の処理(ステップST325:図26)について説明するためのフローチャートである。
図30,図31に示すフローチャートは、図29に示すフローチャートにおけるステップST622とステップST630の間にステップST623〜ST628を追加したものである。
【0116】
表示処理部212は、ステップST610〜ST622の処理によって各診察業務データ52の表示に必要な領域の第1方向における幅を取得すると、この取得した第1方向の幅を合算し(ステップST623)、その合算値が全診察業務データ52の第1方向における幅の設定値を超えるか否か判定する(ステップST624)。合算値が設定値を超える場合、表示処理部212は、全般設定データ606において画像サイズの自動調節を有効であれば(ステップST625)、画面に表示する画像のサイズを所定の割合だけ縮小する(ステップST626)。この場合、全診察業務データ52に含まれる全画像を一律に縮小してもよいし、一部の画像のみ(例えば検査結果データなどの特定の個別データに含まれる画像のみ)を縮小してもよい。
【0117】
次いで表示処理部212は、縮小後の画像のサイズが所定の下限値より大きいか否か判定し(ステップST627)、下限値より大きい場合、ステップST610に戻る。表示処理部212は、画像を縮小した条件のもとでステップST610〜ST622の処理を再び実行し、各診察業務データ52の表示に必要な領域の第1方向における幅を取得する。そして、表示処理部212は、再度取得した第1方向の幅の合算値が依然として設定値を超えているならば、画像のサイズを再び所定の割合だけ縮小させて(ステップST626)、ステップST610以降の処理を行う。表示処理部212は、第1方向の幅の合算値が設定値を下回るまで、画像のサイズを所定の割合ずつ段階的に縮小する。第1方向の幅の合算値が設定値を下回ると、表示処理部212は、図29と同様にステップST630〜ST645の処理を行う。
【0118】
他方、ステップST626で縮小した画像のサイズが所定の下限値より小さくなった場合(ステップST627)、表示処理部212は画像のサイズを縮小前の状態に戻して、ステップST630〜ST645の処理に移行する。これにより、画像のサイズが著しく小さくなることを防止できる。
【0119】
なお、画像のサイズの下限値は、例えば倍率データ605(図8)に含まれており、検査種別コード71と関連付けられている。表示処理部212は、検査結果データ532に含まれる画像を縮小する場合、この検査結果データ532と同一の検査種別コード71に関連付けられた下限値を倍率データ605から取得し、この下限値より画像を縮小しないようにする。これにより、検査の種別に応じて画像サイズの下限値を適切に設定することが可能となる。
【0120】
(第4の変形例)
上述した表示領域サイズの決定方法では、標準のサイズの表示領域ではその内容を表示しきれない場合に、第1方向の幅や第2方向の幅を拡大することによって、個別データの全内容が表示されるようにする。これに対し、第4の変形例では、個別データの表示領域のサイズを固定した状態で、画像等のサイズを縮小することにより、個別データの全内容が表示されるようにすることが可能となる。また、第4の変形例では、表示領域に余裕がある場合に画像サイズを拡大することも可能となる。
【0121】
図32は、各個別データの表示領域のサイズを決定する第4の変形例の処理(ステップST205)について説明するためのフローチャートである。図32に示すフローチャートは、図26に示すフローチャートに画像サイズの自動調節に関する処理(ステップST335,ST340)を追加したものである。
表示処理部212は、全般設定データ606において個別データのサイズの自動調節が無効状態に設定されている場合(ステップST315)、全般設定データ606において画像サイズの自動調節が有効状態に設定されているか確認し(ステップST335)、これが有効状態の場合は、各個別データの画像サイズを決定するステップST340の処理を実行する。
【0122】
ステップST340において、表示処理部212は、第2方向の幅の算出結果が標準の幅より大きい個別データ(ステップST310で特定した個別データ)の全内容が標準の幅の表示領域において表示されるように、当該個別データに含まれる画像の表示サイズを所定の大きさ(領域サイズ設定データ601において設定された標準サイズ)より縮小する。例えば、表示処理部212は、当該個別データに含まれる画像の表示サイズを段階的に縮小させながら、当該個別データの表示に必要な領域の第2方向における幅を算出する処理を繰り返し、第2方向の幅の算出結果が標準の幅を超えない最大の幅になるまで画像のサイズを縮小する。
ただし、表示処理部212は、個別データの全内容が標準の幅の表示領域において表示されるように当該個別データに含まれる画像のサイズを縮小すると当該縮小後の画像の表示サイズが所定の下限値より小さくなる場合には、当該個別データに含まれる画像の表示サイズを下限値まで縮小する。そして、この場合、表示処理部212は、下限値まで縮小した画像を含む当該個別データの全内容が表示されるように、当該個別データの表示領域の第2方向における幅を拡大するとともに、当該個別データと同じ診察業務データに属する他の少なくとも1つの個別データの表示領域の第2方向における幅を、前記拡大分が相殺されるように縮小する。
【0123】
また、表示処理部212は、第2方向の幅の算出結果が標準の幅より大きい個別データ(ステップST310で特定された個別データを除く他の個別データ)について、その画像サイズを拡大する処理を行う。すなわち、表示処理部212は、当該個別データに含まれる画像の表示サイズを段階的に拡大させながら、当該個別データの表示に必要な領域の第2方向における幅を算出する処理を繰り返し、第2方向の幅の算出結果が標準の幅を超えない最大の幅になるまで画像の表示サイズを拡大する。
ただし、表示処理部212は、第2方向の幅の算出結果が標準の幅を超えない最大の幅になるまで画像の表示サイズを拡大させると当該拡大後の画像の表示サイズが所定の上限値を超える場合には、当該個別データの画像を上限値まで拡大する。
【0124】
図33,図34は、各個別データの画像サイズを決定する第4の変形例の処理(ステップST340)について説明するためのフローチャートである。
表示処理部212は、全般設定データ606において画像サイズの縮小と拡大の何れをを行うように設定されているか確認する(ステップST700)。
全般設定データ606において画像サイズの縮小を行うように設定されている場合、表示処理部212は、ステップST310(図32)で特定された個別データの全内容が標準の幅の表示領域において表示されるように、当該個別データに含まれる画像のサイズを縮小する(ステップST705)。具体的には、表示処理部212は、当該個別データに含まれる画像の表示サイズを段階的に縮小させながら、当該個別データの表示に必要な領域の第2方向における幅を算出する処理を繰り返し、第2方向の幅の算出結果が標準の幅を超えない最大の幅になるまで画像のサイズを縮小する。
【0125】
画像のサイズを縮小すると、表示処理部212は、その縮小後の画像が所定の下限値を下回っているか判定する(ステップST710)。下限値を下回っている場合、表示処理部212は、全般設定データ606において画像サイズの下限を制限するように指定されているか確認し(ステップST715)、下限サイズを制限するように指定されている場合には、画像サイズを下限値に設定する(ステップST720)。
【0126】
ステップST720において画像サイズを下限値に制限する場合、個別データの全内容を画面上に表示できない状態にある。そこで、表示処理部212は、画像サイズの下限値を制限する場合に表示領域のサイズを自動調節することが全般設定データ606において設定されているか確認し(ステップST725)、自動調節をするように設定されている場合には、ステップST730〜ST740の処理を実行する。ステップST730〜ST740の処理は、図26におけるステップST320〜ST330と同じである。これにより、画像サイズを下限値に設定した状態で、各個別データの内容が表示されるように、各個別データの表示領域のサイズ(第1方向の幅,第2方向の幅)が調節される。
【0127】
他方、全般設定データ606において画像サイズの拡大を行うように設定されている場合、表示処理部212は、ステップST310(図32)で特定された個別データ以外の他の個別データに含まれる画像を拡大する(ステップST750)。具体的には、表示処理部212は、当該個別データに含まれる画像の表示サイズを段階的に拡大させながら、当該個別データの表示に必要な領域の第2方向における幅を算出する処理を繰り返し、第2方向の幅の算出結果が標準の幅を超えない最大の幅になるまで画像のサイズを拡大する。これにより、各個別データの表示領域のサイズを変更することなく、各個別データの画像を自動的に拡大することができる。
【0128】
画像のサイズを拡大すると、表示処理部212は、その拡大後の画像が所定の上限値を超えているか判定する(ステップST755)。上限値を超えている場合、表示処理部212は、全般設定データ606において画像サイズの上限を制限するように指定されているか確認し(ステップST760)、上限サイズを制限するように指定されている場合には、画像サイズを上限値に設定する(ステップST765)。
【0129】
なお、上述した画像サイズの下限値と上限値は、例えば図8に示す倍率設定データ605において検査種別コードと関連付けられている。表示処理部212は、検査結果データ532に含まれる画像を縮小または拡大する場合、この検査結果データ532と同一の検査種別コード71に関連付けられた下限値または上限値を倍率データ605から取得し、この下限値または上限値より画像を縮小または拡大しないようにする。これにより、例えば、検査結果を把握するには画像のサイズをある程度大きくする必要のある検査については下限値を大きめに設定するなど、検査の種別に応じて画像サイズの表示サイズの範囲を適切に設定することが可能となる。
【0130】
図35は、個別データの表示領域のサイズに合わせて画像を自動的に縮小する場合のカルテ画面の表示例を示す図である。図35の例では、検査データの表示領域A11のサイズ(第1方向の幅、第2方向の幅)を標準のサイズに保った状態で、検査結果の画像のサイズを縮小している。
他方、図36は、個別データの表示領域のサイズに合わせて画像を自動的に拡大する場合のカルテ画面の表示例を示す図である。図35の例では、検査データの表示領域A11のサイズを標準のサイズに保った状態で、検査結果の画像のサイズを拡大している。
以上が、表示領域サイズを決定する処理(ST205)についての説明である。
【0131】
図15に戻る。
上記のようにして個別データの表示領域のサイズを決定したら、次に表示処理部212は、表示領域内における検査結果の配列を決定する(ステップST210)。
ここで検査結果の配列とは、例えば図21に示すマトリクス状のパターンにおける画像(IMG1,IMG2,…)の配列や文(TXT1,TXT2,…)の配列を指す。表示処理部212は、この配列を、上述した関連検査種別データ611(図7)に基づいて決定する。
【0132】
関連検査種別データ611(図7)は、先に説明したように、検査表示設定データ(604,604A)に含まれている。検査表示設定データ(604,604A)には、次の三種類がある。
<1> 医師識別データ41に関連付けられたもの
この検査表示設定データ604(図6)は、表示設定データ61(図5)に含まれる。
<2> 医師識別データ41と患者識別データ42に関連付けられたもの
この検査表示設定データ604(図6)は、表示設定データ62(図9)に含まれる。
<3> 患者識別データ42と診察日51に関連付けられたもの
この検査表示設定データ604A(図12)は、表示設定データ63(図12)に含まれる。
【0133】
3つの表示設定データ(61〜63)の何れを有効にするか(優先するか)については、既にステップST105(図14)において全般設定データ606に基づいて決定している。表示処理部212は、この有効な(優先度の高い)表示設定データに含まれる検査表示設定データ(604,604A)の中から関連検査種別データ611を取得し、取得した関連検査種別データ611を参照して検査結果の配列を決定する。
【0134】
図37は、この検査結果の配列決定処理(ステップST210)について説明するためのフローチャートである。
表示処理部212は、画面に表示する全ての診察業務データ52について、ステップST500〜ST520の処理をそれぞれ実行する。
【0135】
まず表示処理部212は、病名コード72に応じて関連検査種別データ611を選択するか否かについて判定する(ステップST505)。
表示設定データ61,62が無効になっているため検査表示設定データ604(図6)を参照できない場合(病名コード72に関連付けられた関連検査種別データ611を読み出せない場合)や、病名コード72に応じた関連検査種別データ611の選択動作が全般設定データ606で無効されている場合、表示処理部212は、関連検査種別データ611の選択に病名コード72を用いない。この場合、表示処理部212は、病名不定の関連検査種別データ611を取得する(ステップST515)。
【0136】
一方、表示設定データ61,62の検査表示設定データ604(図6)に含まれた関連検査種別コード611を用いる場合であって、病名コード72に応じた関連検査種別データ611の選択動作が全般設定データ606で有効にされている場合、表示処理部212は、病名コード72に応じて関連検査種別データ611を選択する。この場合、表示処理部212は、診察業務データ52の所見データ54から病名コードを取得する(ステップST505)。そして表示処理部212は、取得した病名コード72と関連付けられた関連検査種別データ611を検査表示設定データ604(図6)から取得する(ステップST510)。なおこの場合、表示処理部212は、単独表示設定データ622の中から関連検査種別データ611を取得する。
【0137】
ステップST510若しくはST515において関連検査種別データ611を取得すると、表示処理部212は、取得した関連検査種別データ611に含まれる複数の検査種別コード71に割り当てられた優先順位の情報(図7)と、検査結果データ532(図11)にそれぞれ関連付けられた検査種別コード71とに基づいて、検査データ53に含まれる各検査結果データ532の順序を決定する。例えば、表示処理部212は、検査種別コード71に基づいて、検査結果データ532と優先順位の情報とを関連付ける。表示処理部212は、この検査結果データ532を優先順位の情報に従ってソートすることにより、検査結果データ532の順序付けを行う。
そして、表示処理部212は、決定した検査結果データ532の順序付けに従って、検索結果の所定の配列パターン(図21)上に検査結果データ532の内容を順に配列するようにして、各検査結果データ532の表示位置を決定する(ステップST520)。
【0138】
再び図15に戻る。
上記のようにして各表示領域のサイズを決定し(ステップST205)、表示領域内の検査結果の配列を決定すると(ステップST210)、次に表示処理部212は、この決定した内容に応じてカルテ画面を形成する表示信号を生成し、表示部203に入力する(ステップST215)。
【0139】
なお、表示処理部212は、上述したサイズ決定処理の結果として個別データの内容を表示しきれない表示領域については、例えばスクロールバーやページめくり用ボタンなどを追加して、表示しきれない内容を所定の操作によって見られるようにする。
以上、カルテ画面を形成する処理(図15)についてについて説明した。
【0140】
次に、利用者(医師)の操作に応じて画面の表示状態を柔軟に変更することができる各種の処理(ページめくり、個別データの内容の拡大・縮小、画像の拡大・縮小、検査結果の時系列表示)について説明する。
【0141】
まず、カルテの表示を診察日単位でシフトさせる処理(ページめくり処理)について説明する。
【0142】
本実施形態では、図1に示すように予め複数のカルテが画面に並んで表示されているので、カルテの枚数が比較的少ない場合は、画面をスクロールさせる等の特別な操作が不要である。しかしながら、より多くのカルテを見る必要がある場合、利用者は、所望のカルテが画面に現れるように指示入力部204を操作する。
表示部203の画面に表示されるカルテを変更するように指示する指示信号が指示入力部204において生成されると、表示処理部212は、最新のカルテの表示を固定した状態で、そのとき画面に表示される他の一連のN回分のカルテを更新する。すなわち、表示処理部212は、最新カルテ以外のN回分のカルテを、これよりM回だけ前若しくは後にシフトしたN回分のカルテに置換し、置換したカルテを診察日順に並べて表示部203の画面に表示する。1回の操作でシフトするカルテの枚数Mは、画面操作設定データ603に基づいて設定される。
上述したページめくりの指示は、できるだけ簡易な操作で入力できることが望ましい。そのため本実施形態では、例えば、指示入力部204にタッチパネルセンサーが用いられる。指示入力部204は、表示部203の画面の表面にペンや指等の物体が接触若しくは近接すると、その接触位置若しくは近接位置を示すセンサー信号を生成する。
【0143】
以下、図38のフローチャートを参照して、ページめくり処理を具体的に説明する。
指示入力待ちの状態(ステップST125、図14)において指示入力部204が上述したセンサー信号を生成した場合、表示処理部212は、センサー信号が示す接触位置若しくは近接位置の変化に基づいて、ページめくりの指示が入力されたか否か判定する。
例えば、表示処理部212は、指示入力部204のセンサー信号が示すペン等の接触位置若しくは近接位置(指示位置)がカルテの表示領域の境界を越えてスライドし、そのスライド方向が斜めに傾いておらず(すなわち水平方向又は垂直方向)、スライド方向がカルテの配列方向に沿っており、かつ、スライドの時間が一定時間内である場合、ページめくり処理を実行するように指示が入力されたと判定する(ステップST800〜ST815)。
【0144】
カルテの表示領域の境界を越えて指示位置がスライドしたか否かの判定は、例えば、スライドの始点と終点により行われる。すなわち、表示処理部212は、隣接するカルテの一方の表示領域にスライドの始点があり、他方の表示領域にスライドの終点がある場合、カルテの表示領域の境界を越えて指示位置がスライドしたと判定する。
カルテの表示領域の境界を超えることをページめくり処理の指示条件にしているため、カルテの表示領域内における通常のスライド操作がページめくり処理の指示として判定されることを防ぐことができる。
【0145】
また、スライド方向が斜めか否かの判定は、例えば、スライドの開始位置と終了位置の座標に基づいて行われる。
例えば表示処理部212は、スライドの開始位置を始点とし終了位置を終点とするベクトルが水平方向(カルテの境界線に対して垂直な方向)に対してなす角度が所定値より小さい場合は水平方向へのスライドと判定する。また、表示処理部212は、上記のベクトルが垂直方向(カルテの境界線と平行な方向)に対してなす角度が所定値より小さい場合は垂直方向へのスライドと判定し、その他の場合は斜め方向へのスライドと判定する。
あるいは、表示処理部212は、垂直方向(カルテの境界線と平行な方向)における始点と終点の位置のずれが所定値より短い場合、水平方向にスライドしたと判定してもよい。
【0146】
また、スライド方向がカルテの配列方向に沿っているか否かの判定は、レイアウト設定データ602に含まれるカルテの配列方向の情報に基づいて行われる。すなわち、表示処理部212は、レイアウト設定データ602においてカルテの配列が水平方向に設定されており、かつ、上述したスライド方向の判定結果が水平方向の場合、又は、レイアウト設定データ602においてカルテの配列が垂直方向に設定されており、かつ、上述したスライド方向の判定結果が垂直方向の場合、スライド方向がカルテの配列方向に沿っていると判定する。
スライドの時間が一定時間内であるか否かの判定は、例えば、画面への接触若しくは近接が開始してから終了するまでの時間を計測し、その計測結果が所定の時間に達したか否かを判定することにより行う。
【0147】
ステップST800〜ST815においてページめくり処理の指示が入力されたと判定した場合、表示処理部212は、表示されるカルテの診察日を前又は後の何れにシフトさせるか判定する(ステップST820)。
カルテの診察日をシフトさせる向きの判定は、レイアウト設定データ602に含まれるカルテの配列順序の情報に基づいて行われる。例えば、表示処理部212は、上述のようにしてベクトルの角度により判定したスライド方向(上,下,左,右)とレイアウト設定データ602に含まれるカルテの配列順序の情報とに基づいて、接触位置が前の診察日のカルテから後の診察日のカルテへ移動したのか、それとも後の診察日のカルテから前の診察日のカルテへ移動したのかを判定する。
接触位置が前の診察日のカルテから後の診察日のカルテへ移動している場合、表示処理部212は、カルテをM回分だけ前にシフトさせることを判定する。逆に、接触位置が後の診察日のカルテから前の診察日のカルテへ移動している場合、表示処理部212は、カルテの診察日をM回分だけ後にシフトさせることを判定する。
【0148】
ステップST820においてカルテの診察日を前にシフトさせると判定した場合、表示処理部212は、現在表示中のN回分のカルテ(最新カルテを除く)に対してM回分だけ前にずれたN回分のカルテのデータ(診察業務データ52)をメモリから読み出す(ステップST825)。
他方、ステップST820において診察日を後にシフトさせると判定した場合、表示処理部212は、現在表示中のN回分のカルテ(最新カルテを除く)に対してM回分だけ後にずれたN回分のカルテのデータ(診察業務データ52)をメモリから読み出す(ステップST830)。
【0149】
表示処理部212は、最新のカルテの表示を固定した状態で、ステップST825又はST830において読み出したN回分のカルテを現在表示中のN回分のカルテに置き換えるように表示部203の画面を更新する(ステップST835)。すなわち、表示処理部212は、新たに読み出したN日分のカルテと最新のカルテとを診察日順に並べて表示部203の画面に表示する表示信号を生成する。
【0150】
図39,図40は、ページめくり処理における操作の一例を示す図である。
図39,図40の例は、カルテが横方向に配列されたレイアウトにおいてカルテの診察日をシフトさせる例を示す。図の例では、ペン221の接触位置が前々回の所見の表示領域A12−2から前回の所見の表示領域A12−1へ移動しているので、この場合、ペン221のスライド方向と同じ方向へカルテが移動するように、カルテの診察日が前にシフトしている。また、この例では、1回のペン操作でカルテの診察日が1回分だけ前へシフトしており、前回及び前々回の2回分のカルテが、前々々回及び前々回の2回分のカルテに置換されている。
【0151】
次に、個別データの内容を拡大または縮小させる処理について説明する。
【0152】
上述したように、本実施形態に係る診察業務支援装置では、個別データの表示領域のサイズを自動調節することにより、なるべくスクロール等の操作をしなくてもカルテの内容を閲覧できるようにしている。しかしながら、例えばある個別データの内容を更に拡大して詳しく見たい場合、利用者は、その個別データの内容を拡大表示するように指示入力部204を操作する。この操作を行うための指示入力部204としては、例えば前述のページめくり処理と同様に、タッチパネルセンサーが用いられる。
具体的には、表示処理部212は、個別データの表示領域内でペン等の接触位置が水平方向に対し所定範囲内の角度で傾いた方向にスライドしたことを示すセンサー信号が指示入力部204において生成された場合、個別データの内容の拡大若しくは縮小を行う。
例えば、表示処理部212は、スライド方向が水平方向に対して所定範囲内の角度で傾いている場合、スライドの始点にあたる表示領域の個別データの内容を、スライドの始点から終点までの長さ(スライド距離)に応じた倍率で拡大するように表示信号を生成する。
また、表示処理部212は、スライド方向が上記拡大時と逆方向の場合(スライド方向の角度が上記拡大時の角度範囲に対して180°ずれた角度範囲に含まれる場合)、スライドの始点にあたる表示領域の個別データの内容をスライド距離に応じた倍率で縮小するように表示信号を生成する。
【0153】
以下、図41のフローチャートを参照して、個別データの内容拡大・縮小処理を具体的に説明する。
表示処理部212は、指示入力待ちの状態(ステップST125、図14)において、指示入力部204のセンサー信号が示す接触位置(近接位置)の変化に基づいて、個別データの表示領域を拡大または縮小させる指示が入力されたか否か判定する。
すなわち、表示処理部212は、指示入力部204のセンサー信号が示すペン等の接触位置(近接位置)が水平方向に対して所定の範囲内の角度で傾いてスライドしている場合、個別データの表示領域を拡大または縮小させる指示が入力されたと判定する(ステップST900)。
【0154】
スライド方向が所定の範囲内の角度で傾いているか否かの判定は、例えば、スライドの開始位置から終了位置へ向かう上述のベクトルの角度に基づいて行われる。すなわち、表示処理部212は、上述のベクトルの角度が所定の角度範囲内にあるか否かを判定する。この所定の角度範囲としては、例えば、斜め上方向(右斜め上方向,左斜め上方向)の角度範囲と、これと逆の斜め下方向(右斜め下方向、左斜め下方向)の角度範囲の2通りが設定されている。表示処理部212は、算出したベクトルの角度がこの2通りの角度範囲の何れかに含まれている場合、スライド方向が所定の範囲内の角度で傾いていると判定する。
【0155】
スライド方向が所定の範囲内の角度で傾いていると判定した場合、表示処理部212は、そのスライド方向に応じて拡大か縮小かを判定する(ステップST905)。例えば、表示処理部212は、ベクトルの角度が斜め下方向の角度範囲に含まれる場合には拡大と判定し、斜め下方向の角度範囲に含まれる場合には縮小と判定する。
【0156】
ステップST905において拡大と判定した場合、表示処理部212は、スライドの開始位置にあたる表示領域の個別データに含まれた画像をメモリから読み出し、その画像をスライド距離に応じた倍率で拡大する(倍率は1倍より大きい)。例えば、表示処理部212は、上述のベクトルの長さをスライド距離として算出し、この算出結果に所定の係数を乗じた値を倍率として使用する。この場合、スライド距離に比例して倍率が大きくなる(ステップST910)。
他方、ステップST905において縮小と判定した場合、表示処理部212は、スライドの開始位置にあたる表示領域の個別データに含まれた画像をメモリから読み出し、その画像をスライド距離に応じた倍率で縮小する(倍率は1倍より小さい)。例えば、表示処理部212は、スライド距離(ベクトルの長さ)に所定の係数を乗じた値の逆数を倍率として使用する。この場合、スライド距離に反比例して倍率が小さくなる(ステップST915)。
スライド距離に乗ぜられる所定の係数は、例えば画面操作設定データ603に含まれており、利用者が好みの値にカスタマイズできる。
【0157】
なお、表示処理部212は、スライド距離に比例して画像を拡大若しくは縮小して表示すると、その表示サイズが所定の上限値を超える若しくは所定の下限値を下回る場合は、画像の表示サイズが上限値若しくは下限値となるように表示信号を生成してもよい。これにより、画像サイズが極端に大きくなったり極端に小さくなってしまうことを防止できる。
また、この場合、検査結果データ532の画像のサイズを拡大・縮小する場合の上限値と下限値は、例えば図8に示す倍率設定データ605において検査種別コードと関連付けられていてもよい。表示処理部212は、検査結果データ532に含まれる画像を縮小または拡大する場合、この検査結果データ532と同一の検査種別コード71に関連付けられた下限値または上限値を倍率データ605から取得し、この下限値または上限値によって画像のサイズを制限する。これにより、検査の種別に応じて画像サイズの表示サイズの範囲を適切に設定することが可能となる。
【0158】
ステップST910又はステップST915において画像を拡大または縮小した後、表示処理部212は、スライドの開始位置にあたる表示領域を上記の倍率に応じて拡大若しくは縮小し、その表示領域の中に拡大若しくは縮小した画像を配置するように表示信号を生成する(ステップST920)。このとき、表示処理部212は、拡大若しくは縮小する表示領域に含まれる画像以外の文字データについては、拡大若しくは縮小せずにそのまま表示しても良いし、又は、上記の倍率に応じてフォントを変更することにより全体を拡大若しくは縮小して表示しても良い。
【0159】
図42〜図45は、個別データの表示領域を拡大または縮小させる場合の操作の例を示す図である。
検査データの表示領域A11を始点として、ペン221の接触位置が左斜め下方向にスライドすると(図42)、表示領域A11の検査データの表示が拡大される(図43)。また、検査データの表示領域A11を始点として、ペン221の接触位置が右斜め上方向にスライドすると(図44)、表示領域A11の検査データの表示が縮小される(図45)。図42〜図45の例では、検査データに含まれる画像のみが拡大・縮小されており、文字の大きさはそのままになっている。
【0160】
次に、特定の検査結果を拡大または縮小させる処理について説明する。
【0161】
個別データの内容を拡大・縮小する上記の処理では、個別データの内容が一律に拡大・縮小されるが、本実施形態に係る診察業務支援装置では、検査データに含まれる任意の一つの検査結果を選んで好みの大きさに変更できる。この場合、検査結果を選択するための指示入力部204としては、例えば前述のページめくり処理と同様に、タッチパネルセンサーが用いられる。
具体的には、表示処理部212は、画面に表示中の一の検査結果データ532の表示領域において所定の時間内にL回物体が接触若しくは近接したことを示す指示信号が指示入力部204において生成された場合(すなわちL回のクリックを示す指示信号が生成された場合)、この検査結果データ532の内容を拡大若しくは縮小する表示信号を生成する。
また、表示処理部212は、検査結果データ532の内容を拡大若しくは縮小する際の倍率を、この検査結果データ532の検査種別コード71(図11)と関連付けられた倍率データ613(図8)に応じて設定する。
【0162】
以下、図46を参照して、検査結果の拡大・縮小処理を具体的に説明する。
表示処理部212は、指示入力待ちの状態(ステップST125、図14)において、指示入力部204の上述したセンサー信号が示す接触位置の変化に基づいて、検査結果を拡大または縮小させる指示が入力されたか否か判定する(ステップST950)。
すなわち、表示処理部212は、一の検査結果データ532の表示領域がペン等でL回クリックされたことを示す指示信号が生成された場合、この検査結果データ532の内容を拡大若しくは縮小するように指示が入力されたと判定する。
例えば、表示処理部212は、表示領域が所定時間内に1回クリックされたことを示す指示信号が生成された場合に拡大の指示と判定し、表示領域が所定時間内に2回クリックされたことを示す指示信号が生成された場合に縮小の指示と判定する。
【0163】
一の検査結果データ532の内容を拡大若しくは縮小する指示が入力されると、表示処理部212は、この検査結果データ532と関連付けられた検査種別コード71(図11)をメモリから読み出す。そして、表示処理部212は、読み出した検査種別コード71と関連付けられた倍率データ613を倍率設定データ605(図8)から読み出す(ステップST955)。
なお、倍率設定データ605は3種類の表示設定データ(61,62,63)にそれぞれ含まれているが(図5,図12)、ここでは全般設定データ606(図5)により指定された表示設定データに含まれる倍率設定データ605を参照する。
【0164】
倍率データ613を取得すると、表示処理部212は、クリックされた検査結果データ532に含まれる画像を倍率データ613に応じた倍率で拡大または縮小する(ステップST960)。
このとき、表示処理部212は、倍率データ613に応じた倍率で画像を拡大若しくは縮小して表示すると、その表示サイズが所定の上限値を超える若しくは所定の下限値を下回る場合は、画像の表示サイズが上限値若しくは下限値となるように表示信号を生成してもよい。これにより、画像サイズが極端に大きくなったり極端に小さくなってしまうことを防止できる。
また、この場合、検査結果データ532の画像のサイズを拡大・縮小する場合の上限値と下限値は、例えば図8に示す倍率設定データ605において検査種別コードと関連付けられていてもよい。表示処理部212は、検査結果データ532に含まれる画像を縮小または拡大する場合、この検査結果データ532と同一の検査種別コード71に関連付けられた下限値または上限値を倍率データ605から取得し、この下限値または上限値によって画像のサイズを制限する。これにより、検査の種別に応じて画像サイズの表示サイズの範囲を適切に設定することが可能となる。
【0165】
表示処理部212は、ステップST960において検査結果データ532の画像を拡大又は縮小すると、その拡大又は縮小した画像を表示するように表示部203の画面を更新する(ステップST965)。
【0166】
図47〜図49は、検査結果を拡大または縮小させる場合の操作の一例を示す図である。
検査データの表示領域A11に含まれる検査結果の画像の一つがペン221によって例えば1回クリックされると(図47)、この画像を所定の倍率で拡大表示するウインドウA6がカルテの前面に表示される(図48)。拡大された画像の表示領域をまた1回クリックすると、この画像が更に所定の倍率で拡大される(図49)。
【0167】
次に、複数の検査結果を時系列に表示する処理について説明する。
【0168】
図1に示す通常モードでは、検査結果を1診察日分ずつ単独に表示しているが、実際の診察では、同一種別の検査結果の経過を観察することにより患者の状態を判断する場合がある。そこで、本実施形態に係る診察業務支援装置では、通常モード時に所定の指示が指示入力部204において入力されると、複数の検査結果を時間順に並べて画面に表示する時系列表示モードへ移行する。
表示処理部212は、複数診察日分の検査結果データ532を表示するように指示する所定の指示信号が指示入力部204において生成された場合、画面に表示中の少なくとも1つの検査結果データ532を含む一連のK回分の検査結果データをメモリから読み出し、読み出した検査結果データ532の内容を診察日順に並べて表示する表示信号を生成する。
【0169】
また、時系列表示において同一の検査種別に属した複数の検査結果データ532を並べて表示する場合、表示処理部212は、検査結果データ532に関連付けられた検査種別コード71を参照する。すなわち、表示処理部212は、画面に表示中の一の検査結果データ532を指定して複数診察日分の検査結果データ532を時系列に表示するように指示する指示信号が生成された場合、この指定された検査結果データ532と同じ検査種別コード71に関連付けられた一連のK日分の検査結果データ532をメモリから読み出し、読み出したK日分の検査結果データ532の内容を診察日順に並べて表示する表示信号を生成する。
【0170】
更に、表示処理部212は、指示入力部204において指定された一の検査結果データ532について時系列表示を行う場合、この検査結果データ532と関連性が高い別の検査種別の検査結果データ532についても併せて時系列表示を行う。すなわち、表示処理部212は、指示入力部204において指定された一の検査結果データ532に関連付けられた検査種別コード71を含む関連検査種別データ611をメモリにおいて検索し、検索の結果、メモリから関連検査種別データ611を取得した場合、取得した関連検査種別データ611に含まれる複数の種別コードに対応した複数種別の検査結果データ532をメモリからそれぞれK日分読み出し、読み出した複数種別の検査結果データ532の内容を診察日順に並べて表示する表示信号を生成する。
【0171】
以下、図50のフローチャートを参照して、検査結果の時系列表示処理を具体的に説明する。
表示処理部212は、指示入力待ちの状態(ステップST125、図14)において、画面に表示中の一の検査結果を時系列表示するように指示する所定の指示信号が指示入力部204において生成されたか否か判定する(ステップST1000)。
例えば表示処理部212は、指示入力部204としてタッチパネルセンサーが用いられている場合、画面に表示中の検査結果の表示領域をペン等で所定回数クリックする操作や、このクリックと同時に別のボタン等を押す操作などが行われた場合、時系列表示をするように指示が入力されたと判定する。
【0172】
時系列表示をするように指示が入力されたと判定した場合、表示処理部212は、病名コード72に応じて関連検査種別データ611を選択するか否かについて判定する(ステップST1005)。
全般設定データ606において表示設定データ61または63(図5)を参照することが設定されており、かつ、全般設定データ606において病名コード72に応じた関連検査種別データ611の選択動作が有効にされている場合、表示処理部212は、病名コード72に応じて関連検査種別データ611を選択する(ステップST1005)。この場合、表示処理部212は、ステップST1010〜ST1015を実行する。
ステップST1010において、表示処理部212は、診察業務データ52の所見データ54から病名コードを取得する。次いで、ステップST1015において、表示処理部212は、表示設定データ61または63の検査表示設定データ604(図6)から、ステップST1010で取得した病名コード72と関連付けられており、かつ、ステップST1000において選択された検査結果データ532の検査種別コード71を含んだ関連検査種別データ611を検索する。この場合、表示処理部212は、時系列表示設定データ621の中から関連検査種別データ611を検索する。
【0173】
一方、全般設定データ606において表示設定データ61,62が無効になっているため検査表示設定データ604(図6)を参照できない場合(病名コード72に関連付けられた関連検査種別データ611を読み出せない場合)、または、全般設定データ606において病名コード72に応じた関連検査種別データ611の選択動作が無効されている場合、表示処理部212は、関連検査種別データ611の選択に病名コード72を用いない(ステップST1005)。この場合、表示処理部212は、ステップST1020を実行する。
ステップST1020において、表示処理部212は、病名コード72と関連付けられていない関連検査種別データ611(病名不定の関連検査種別データ611)であって、かつ、ステップST1000において指定された検査結果データ532の検査種別コード71を含んでいる関連検査種別データ611を検索する。
【0174】
ステップST1015またはST1020の検索において該当する関連検査種別データ611を取得した場合、表示処理部212は、取得した関連検査種別データ611に含まれる検査種別コード611に対応した1以上の検査種別のそれぞれについて、一連のK回分の検査結果データ532が存在すればそれをメモリから読み出す(ステップST1025,ST1030)。
一方、ST1015またはST1020の検索において該当する関連検査種別データ611を取得できなかった場合、表示処理部212は、ステップST1000において指定された検査結果データ532と同じ検査種別コード71に関連付けられた最新のK回分の検査結果データ532をメモリから読み出す(ステップST1025,ST1035)。
【0175】
ステップST1025またはST1030においてメモリから一連の検査結果データ532を読み出すと、表示処理部212は、読み出した検査結果データ532の内容を診察日順に並べて表示する表示信号を生成する(ステップST1040)。
表示処理部212は、関連する複数種別の検査結果データ532の内容を時系列表示する場合、同一の検査種別コード71に関連付けれた一群の検査結果データ532の内容を画面上の所定の方向に診察日順に並べ、かつ、同一の診察業務データ52に含まれる一群の検査結果データ532の内容を前記所定の方向と垂直な方向に並べて表示する表示信号を生成する。例えば、表示処理部212は、同じ検査種別の検査結果が画面上の縦方向に並び、同じ診察日のカルテに属する検査結果が画面上の横方向に並ぶように表示信号を生成する。
また、表示処理部212は、関連する複数種別の検査結果データ532の内容を時系列表示する場合、関連検査種別データ611に含まれる検査種別コード71の優先順位の情報(図7)に応じて、複数種別の検査結果の配列順序を設定する。すなわち、表示処理部212は、同一の診察業務データ52に含まれる複数種別の検査結果データ532の内容を、関連検査種別データ611に含まれる優先順位の情報に応じた順序で上記所定の方向と垂直な方向に並べて表示する表示信号を生成する。
【0176】
図51,図52は、検査結果を時系列に表示する場合の画面の表示例を示す図である。
図51の例では、ペン221により指定された検査結果の検査種別についてのみウィンドウA7に検査結果が時系列表示されている。他方、図52の例では、ペン221により指定された検査結果の検査種別とこれに関連する2つの検査種別について、ウィンドウA7に検査結果が時系列表示されている。ウィンドウA7においては、同一検査種別の複数の検査結果が縦方向へ時間順に配列され、同一カルテの複数の検査結果が横方向へ優先順位に応じた順番で配列される。
【0177】
以上説明したように、本実施形態に係る診察業務支援装置によれば、複数のカルテを診察日順に並べて表示することから、複数のカルテを参照する際にクリックやスクロール等の特別な操作が不要になるので、診察業務の効率を高めることができる。
【0178】
また、本実施形態に係る診察業務支援装置によれば、診察において必ず必要となる最新のカルテの表示を固定した状態で過去のカルテの表示を変更できるようにしているため、必要なカルテを画面に表示させるためのクリックやスクロール等の操作を減らすことができる。
【0179】
また、本実施形態に係る診察業務支援装置によれば、種々の条件で画面の表示の設定をカスタマイズできるように、表示設定データ61,62,63が設けられている。すなわち、特定の医師識別データ41の医師について有効な表示設定データ61と、特定の医師識別データ41の医師が特定の患者識別データ42の患者のカルテを見る場合に有効な表示設定データ62と、特定の患者識別データ42の患者に関する特定の診察日のカルテを見る場合に有効な表示設定データ63とが設けられている。従って、画面のレイアウト、各表示領域のサイズ、表示領域内でのデータの配列、時系列表示の際の検査結果の配列などについて、カルテの表示の設定を利用者の好み応じた柔軟な条件でカスタマイズできるため、作業性を高めることができる。
【0180】
また、本実施形態に係る診察業務支援装置によれば、個別データのサイズに応じて表示領域を自動調節することにより、カルテの情報ができるだけ画面に表示されるようにしているので、画面からはみ出した情報を見るためのスクロール等の操作を減らすことができる。
【0181】
また、本実施形態に係る診察業務支援装置によれば、病名ごとに定められた検査種別の優先順位に基づいて、カルテ内に表示される検査結果の配列の順序を設定することから、病名に対応する適切な検査結果を直観的に見易く表示できる。
【0182】
また、本実施形態に係る診察業務支援装置によれば、画面に表示される一連のカルテをペン等の操作によって前後にシフトできるため、必要なカルテを容易に表示できる。
【0183】
また、本実施形態に係る診察業務支援装置によれば、カルテの個別データの表示をペン等の操作によって簡単に拡大・縮小できる。これにより、カルテの内容を複数ページに分けて表示する方式に比べてクリックやスクロール等の操作を減らせるとともに、必要な情報を簡単に拡大して見ることができる。
【0184】
また、本実施形態に係る診察業務支援装置によれば、カルテに含まれる個々の画像をペン等の操作によって簡単に拡大・縮小できる。これにより、高解像度の画像が含まれる場合でも容易に詳細を確認できる。
また、検査結果の画像を拡大・縮小する場合の倍率を検査種別に応じて設定できる。例えば低解像度の画像が得られる検査では拡大時の倍率を小さめに設定し、高解像度の画像が得られる検査では拡大時の倍率を大きめに設定することができる。そのため、検査種別に応じた適切なサイズの画像を表示できるとともに、拡大・縮小等の操作を減らすことができる。
【0185】
また、本実施形態に係る診察業務支援装置によれば、複数の検査結果を時間順に並べて表示させることができる。これにより、複数の検査結果を表示させるためにウィンドウを幾つも開いて並べるといった面倒な操作が不要になるので、診察業務の効率を高めることができる。
また、一の検査結果を指定して時系列表示するように指示した場合、当該一の検査結果の種別に関連する別の種別の検査結果も併せて時系列表示することができる。これにより、関連する複数種別の検査結果をまとめて時系列表示できるため、患者の状態をより直観的に把握し易くなり、診察業務の効率を高めることができる。また、病名ごとに定めた関連性の高い検査種別群を自動的に時系列表示できるので、利用者が時系列表示する検査種別群を自ら1つ1つ選択する場合に比べて、操作を大幅に簡易化できる。
【0186】
なお、本発明は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、他の種々のバリエーションを含んでいる。
上述した実施形態では、個別データに含まれる画像のサイズを変更する例を挙げているが、本発明はこれに限定されない。本発明の他の実施形態では、個別データに含まれる文のサイズ(フォントの大きさ,文字の間隔,行の間隔など)も変更してよい。その場合、予め定められた上限値、下限値によって文のサイズの変化範囲を制限してもよい。
【0187】
上述した実施形態ではサーバ装置にデータベース部を設けているが、本発明はこれに限定されない。本発明の他の実施形態では、データベース部を端末装置に設けてもよく、その場合はサーバ装置を省略してよい。
【0188】
また、サーバ装置は、通信ネットワークにより接続された複数のコンピュータで構成してもよい。例えば、職員データベース部11と患者データベース部12をそれぞれ別のコンピュータで構成してもよい。
【符号の説明】
【0189】
1…サーバ装置、2…端末装置、11…職員データベース部、12…患者データベース部、101,201…処理部、102,202…通信部、103,203…表示部、104,204…指示入力部、105,205…記憶部、106,206…作業メモリ、211…データベース要求処理部、212…表示処理部、41…医師識別データ、42…患者識別データ、52…診察業務データ、53…検査データ、54…所見データ、55…処方データ、61,62,63…表示設定データ、71…検査種別コード、72…病名コード、601…領域サイズ設定データ、602…レイアウト設定データ、603…画面操作設定データ、604,604A…検査表示設定データ、605…倍率設定データ、606…全般設定データ、611…関連検査種別データ、613…倍率データ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
診察日に関連付けて、少なくとも患者の識別データと、患者の診察のために実施された検査の結果を示す検査結果データを含んだ診察業務データとを記憶するデータベース部と、
入力される表示信号に応じた画面を表示する表示部と、
利用者による所定の指示入力操作に応じた指示信号を生成する指示入力部と、
一の前記患者識別データに関連づけられた前記診察業務データに関する画面を前記表示部に表示するように指示する前記指示信号が前記指示入力部において生成されると、当該一の患者識別データに関連付けられた前記診察業務データを前記データベース部から取得する第1処理部と、
前記第1処理部により取得された各診察日の前記診察業務データを記憶するメモリと、
前記第1処理部により取得された少なくとも1診察日分の前記診察業務データを前記メモリから読み出し、当該読み出した診察業務データの内容を前記画面に表示する前記表示信号を生成する第2処理部と
を有し、
前記診察業務データは、各検査結果データの検査の種別を示す種別コードを含んでおり、
前記メモリは、関連性のある複数の検査種別に係る複数の前記種別コードを含んだ関連検査種別データを記憶しており、
前記第2処理部は、前記画面に表示中の一の検査結果データを指定して複数回分の検査結果データを表示するように指示する前記指示信号が前記指示入力部において生成された場合、当該一の検査結果データに関連付けられた前記種別コードを含む前記関連検査種別データを前記メモリにおいて検索し、当該検索の結果として、前記メモリから前記関連検査種別データを取得した場合、前記取得した関連検査種別データに含まれる複数の種別コードに対応した複数の種別のそれぞれについて、一連のK回分(Kは1より大きい自然数を示す。)の検査結果データが存在すればそれを前記メモリから読み出し、当該読み出した1つ若しくは複数の種別についてのK回分の検査結果データの内容を診察日順に並べて表示する前記表示信号を生成する、
診察業務支援装置。
【請求項2】
前記関連検査種別データは、その関連検査種別データに含まれる複数の種別コードにおける優先順位の情報を含んでおり、
前記第2処理部は、前記関連検査種別データに含まれる複数の種別コードに対応した複数種別の検査結果データの内容を診察日順に並べて前記画面に表示する場合、同一の種別コードに関連付けれた一群の前記検査結果データの内容を前記画面上の所定の方向に診察日順に並べ、かつ、同一の前記診察業務データに含まれる複数種別の前記検査結果データの内容を前記所定の方向と垂直な方向に前記優先順位の情報に応じた順序で並べて表示する前記表示信号を生成する、
請求項1に記載の診察業務支援装置。
【請求項3】
前記診察業務データは、医師の診察の所見に関する所見データを含んでおり、
前記メモリは、前記所見データにおいて病名を示す病名コードと前記関連検査種別データとを関連付けて記憶しており、
前記第2処理部は、前記画面に表示中の一の検査結果データを指定して複数回分の検査結果データを表示するように指示する前記指示信号が前記指示入力部において生成された場合、当該一の検査結果データと同じ前記診察業務データに含まれた前記所見データの前記病名コードと関連付けられており、かつ、当該一の検査結果データに関連付けられた前記種別コードを含んだ前記関連検査種別データを前記メモリにおいて検索する、
請求項2に記載の診察業務支援装置。
【請求項4】
前記診察業務データは、医師の診察の所見に関する所見データを含んでおり、
前記メモリは、前記所見データにおいて病名を示す病名コードと前記関連検査種別データとを関連付けて記憶しており、
前記第2処理部は、前記メモリから少なくとも1回分の前記診察業務データを読み出して、当該診察業務データに含まれる複数の前記検査結果データの内容を前記画面に表示する場合、当該診察業務データの前記所見データに含まれる前記病名コードと関連付けられた前記関連検査種別データを前記メモリから読み出し、前記読み出した関連検査種別データに含まれる複数の種別コードにおける前記優先順位の情報と、前記複数の検査結果データにそれぞれ関連付けられた前記種別コードとに基づいて、前記複数の検査結果データにおける順序を決定し、当該決定した順序に従って、前記画面の所定の配列パターン上に各検査結果データの内容を並べて表示する前記表示信号を生成する、
請求項2又は3に記載の診察業務支援装置。
【請求項5】
前記データベース部は、前記患者識別データと前記関連検査種別データとを関連付けて記憶しており、
前記第1処理部は、一の患者識別データに関連付けられた前記診察業務データを前記データベース部から取得する場合、前記一の患者識別データに関連付けられた前記関連検査種別データを前記データベース部から取得して前記メモリに格納する、
請求項2乃至4の何れか一項に記載の診察業務支援装置。
【請求項6】
前記データベース部は、利用者の識別データと前記関連検査種別データとを関連付けて記憶しており、
前記第1処理部は、一の前記利用者識別データの利用者により操作されていることを示す前記指示信号が前記指示入力部において生成された場合、前記指示信号において指示された前記利用者識別データに関連付けられた前記関連検査種別データを前記データベース部から取得して前記メモリに格納する、
請求項2乃至4の何れか一項に記載の診察業務支援装置。
【請求項7】
前記診察業務データは、前記関連検査種別データを含んでおり、
前記第2処理部は、前記画面に表示中の一の検査結果データを指定して複数回分の検査結果データを表示するように指示する前記指示信号が前記指示入力部において生成された場合、前記一の検査結果データと同じ前記診察業務データに含まれる前記関連検査種別データを前記メモリから取得し、前記取得した関連検査種別データに含まれる複数の種別コードに対応した複数の種別のそれぞれについて、一連のK回分の検査結果データが存在すればそれを前記メモリから読み出し、当該読み出した1つ若しくは複数の種別についてのK回分の検査結果データの内容を診察日順に並べて表示する前記表示信号を生成する、
請求項2乃至4の何れか一項に記載の診察業務支援装置。
【請求項8】
前記指示入力部は、前記表示部の前記画面の表面に物体が接触若しくは近接した場合にその接触位置若しくは近接位置を示す前記指示信号を生成し、
前記第2処理部は、前記画面に表示中の一の検査結果データの表示領域において所定の時間内にL回(Lは任意の自然数を示す。)物体が接触若しくは近接したことを示す前記指示信号が前記指示入力部において生成された場合、前記画面において当該一の検査結果データの内容を拡大若しくは縮小する前記表示信号を生成する、
請求項2乃至7の何れか一項に記載の診察業務支援装置。
【請求項9】
前記診察業務データは、少なくとも1つの前記検査結果データを含む検査データ、医師の診察の所見に関する所見データ、及び、患者に処方する薬に関する処方データ(以下、検査データ、所見データ及び処方データを総称して「個別データ」という)を含んでおり、
前記指示入力部は、前記表示部の前記画面の表面に物体が接触若しくは近接した場合にその接触位置若しくは近接位置を示す前記指示信号を生成し、
前記第2処理部は、前記画面における前記個別データの表示領域内で前記接触位置が水平方向に対し所定範囲内の角度で傾いた方向にスライドしたことを示す前記指示信号が前記指示入力部において生成された場合、前記スライドの始点から終点までの長さに応じた倍率で、前記接触位置がスライドした表示領域に含まれる前記個別データの内容を拡大若しくは縮小する前記表示信号を生成する、
請求項2乃至8の何れか一項に記載の診察業務支援装置。
【請求項10】
前記第2処理部は、前記指示信号に応じて前記画面における前記個別データの内容を拡大若しくは縮小して表示するとその表示サイズが所定の上限値を超える若しくは所定の下限値を下回る場合は、当該個別データの表示サイズが前記上限値若しくは下限値となるように前記表示信号を生成する、
請求項9に記載の診察業務支援装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【公開番号】特開2011−233161(P2011−233161A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−153881(P2011−153881)
【出願日】平成23年7月12日(2011.7.12)
【分割の表示】特願2010−270955(P2010−270955)の分割
【原出願日】平成22年12月3日(2010.12.3)
【出願人】(599030633)有限会社 杉浦技術士事務所 (8)
【出願人】(510088480)医療法人明和会宮田眼科病院 (8)
【Fターム(参考)】