説明

認証処理回路、送信器、並びに認証処理方法及びプログラム

【課題】HDCP認証処理の実行効率をより向上させる。
【解決手段】認証処理回路100を構成する認証部110は、コンテンツデータ40の送信先となる受信器32、又はコンテンツデータ40を受信器32へ中継する中継器をHDCP方式に則して認証すると共に、前記認証に成功するまで前記認証に係る待ち時間を増加させる。記憶部120は、前記認証に成功した受信器又は中継器の識別情報511と、当該成功時に用いられた待ち時間512とを対応付けて、不揮発性メモリ500に記憶する。また、認証部110は、識別情報512に対応する受信器又は中継器の再認証に際して、不揮発性メモリ500に記憶された待ち時間512を用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、認証処理回路、送信器、並びに認証処理方法及びプログラムに関し、特にHDCP(High−bandwidth Digital Content Protection)方式に則して、コンテンツデータの送信先を認証する回路、送信器、並びに方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、DVD(Digital Versatile Disk)プレイヤ、DVDレコーダ、STB(Set Top Box)等の再生装置からディスプレイ等の受像装置へAV(Audio & Visual)データを含むディジタル形式のコンテンツデータを送信するためのインタフェースとして、HDMI(High Definition multimedia Interface)やDVI(Digital Visual Interface)を用いるのが主流となっている。
【0003】
このようなインタフェースにおいては、HDCP方式に対応する機能の搭載が必須となっている。ここで、HDCP方式は、大略、ディジタル信号を暗号化して伝送し、以てコンテンツデータが不正にコピーされるのを防止する著作権保護技術である。なお、以降の説明においては、HDCP方式に対応する機能を搭載するインタフェースを、HDCP対応インタフェースと呼称することがある。
【0004】
一方、再生装置は、HDCP方式に則して受像装置を認証し、認証に成功した場合に、暗号化したコンテンツデータを、HDCP対応インタフェースを介して受像装置に送信する。この際の伝送方式には、一般にTDMS(Transition Minimized Differential Signaling)方式が採用されており、再生装置−受像装置間においてディジタル信号が非圧縮で伝送される。
【0005】
以下、HDCP方式で規定される認証処理(以下、HDCP認証処理と呼称することがある)の概要を説明する。なお、以降の説明においては、上記の再生装置のように、コンテンツデータの送信元であり且つ認証を主導する装置を、送信器(トランスミッタ)と呼称することがある。一方、上記の受像装置のように、コンテンツデータの送信先であり且つ送信器による認証の対象となる装置を、受信器(レシーバ)と呼称することがある。また、AVアンプ等のように、コンテンツデータを送信器から受信器へ中継し且つ送信器による認証の対象となる装置を、中継器(リピータ)と呼称することがある。
【0006】
HDCP認証処理は、下記の第1〜第3認証処理に大別される。ここで、送信器−受信器間では、第1及び第3認証処理のみが行われる。一方、送信器−中継器間では、第1〜第3認証処理の全てが行われる。
【0007】
[第1認証処理]
本処理は、大略、送信器と受信器又は中継器との間で、認証用データを交換するための処理である。
【0008】
まず送信器は、HDCP対応インタフェースを介して、TDMS方式に則したコンテンツデータの出力を開始する。そして、送信器は、コンテンツデータの出力が安定するのを所定の時間(以下、認証開始待ち時間と呼称する)だけ待機した後、受信器又は中継器との認証用データの交換を開始する。
【0009】
具体的には、送信器は、自身が保持する秘密鍵AKSV(KSVは"Key Selection Vector"の略)及び疑似乱数値Anを、受信器又は中継器へ送信する。これに応じて、受信器又は中継器は、自身が保持する秘密鍵BKSVと、自身が中継器であるか否かを示すREPEATERビットとを、送信器へ返信する。
【0010】
そして、送信器は、受信器又は中継器と共通の暗号文関数を用いて、自身の認証用データ及び受信した認証用データから、認証用データの交換が成功したか否か(各機器に予め割り当てられた正当な認証用データが交換されたか否か)を照合するための情報R0を生成する。一方、受信器又は中継器は、当該暗号文関数を用いて、自身の認証用データ及び受信した認証用データから、送信器に認証用データの交換が成功したか否かを照合させるための情報R0'を生成する。
【0011】
この時、送信器は、受信器又は中継器において情報R0'の生成が完了するのを、所定の時間(以下、R0'生成待ち時間と呼称する)だけ待機する。ここで、R0'生成待ち時間には、通常100msecが設定される。
【0012】
R0'生成待ち時間が経過した後、送信器は、受信器又は中継器から情報R0'を取得する。そして、送信器は、自身が生成した情報R0と、取得した情報R0'とを比較する。この結果、両情報が一致した場合、送信器は、認証用データの交換に成功したと判断する。この後、認証用データの交換を受信器と行った場合(上記のREPEATERビットが中継器を示さない場合)であれば、送信器は、下記の第3認証処理を実行する。一方、認証用データの交換を中継器と行った場合(上記のREPEATERビットが中継器を示す場合)であれば、送信器は、下記の第2認証処理を実行する。
【0013】
[第2認証処理]
本処理は、大略、中継器に、当該中継器に接続される全ての受信器の認証用データを収集及び報告させるための処理である。
【0014】
上記の第1認証処理の後、送信器は、中継器において、当該中継器に接続される全ての受信器からの秘密鍵KSVsの収集が完了するのを待機する。より具体的には、送信器は、中継器からの秘密鍵KSVsの収集完了を示すREADYビットの受信を、所定の時間(以下、READYビット受信待ち時間と呼称する)だけ待機する。ここで、READYビット受信待ち時間には、通常5000msecが設定される。
【0015】
READYビット受信待ち時間が経過する迄にREADYビットを受信した場合、送信器は、中継器から秘密鍵KSVsのリストをさらに受信する。そして、送信器は、中継器と共通のハッシュ関数を用いて、受信したリストに対するハッシュ演算を行う。一方、中継器は、READYビットの送信に先立ち、当該ハッシュ関数を用いて、収集した秘密鍵KSVsのリストに対するハッシュ演算を行う。送信器は、中継器からハッシュ演算結果V'を取得する。
【0016】
送信器は、自身のハッシュ演算により得たハッシュ演算結果Vと、中継器から取得したハッシュ演算結果V'とを比較する。この結果、両ハッシュ演算結果が一致した場合、送信器は、秘密鍵KSVsのリストが正当なリストであると判断する。さらに、送信器は、当該リストと、過去に発見された、HDCP対応機器になりすましてコンテンツデータの暗号化を不正に解除しようとする違反機器の秘密鍵KSVを含む"取消リスト"とを比較する。この結果、両リストに同一の秘密鍵KSVが含まれない場合、送信器は、下記の第3認証処理を実行する。
【0017】
[第3認証処理]
本処理は、大略、コンテンツデータの暗号化が正常に行われているか否かを確認するための処理である。
【0018】
上記の第1又は第2認証処理の後、送信器は、受信器又は中継器と共通の暗号文関数を用いて、コンテンツデータを形成するフレーム毎の完全性を検証するための情報Riを生成する。一方、受信器又は中継器は、当該暗号文関数を用いて、送信器に、受信したコンテンツデータを形成するフレーム毎の完全性を検証させるための情報Ri'を生成する。送信器は、或る一定のタイミング毎(通常、128フレーム毎)に、受信器又は中継器から情報Ri'を取得する。
【0019】
送信器は、自身が生成した情報Riと、受信器又は中継器から取得した情報Ri'とを比較する。この結果、両情報が一致しなかった場合、送信器は、同期が外れたと判断してコンテンツデータの暗号化を停止すると共に、HDCP認証処理の実行も停止する。
【0020】
ところで、メーカは、HDCPコンプライアンステストにおいて、開発した送信器、受信器、又は中継器がHDCP方式に準拠して動作することの認定を受けなければならない。但し、HDCPコンプライアンステストは、あくまで基本的な動作を検査するものに過ぎない。このため、認定を受けた機器同士を接続しても、上記のHDCP認証処理に失敗するケースが発生している。
【0021】
このようなケースの軽減を目的として、"HDMI plugfest(フラグフェスタ)"と呼ばれる接続検証のためのイベントが定期的に開催されている。この"HDMI plugfest"におけるHDCP認証処理の失敗要因として、送信器と受信器又は中継器との間における上記の各種待ち時間の相違が検出されることが多い。当該待ち時間の相違は、送信器の開発担当者と受信器又は中継器の開発担当者の間で規格書の理解が異なることや、その時間値が規格書に規定されていないことに因り発生する。
【0022】
例えば、上記の認証開始待ち時間の時間値は、HDCP規格書、HDMI規格書、及びHDCPコンプライアンステストの仕様書のいずれにも規定されていない。また、上記のR0'生成待ち時間の時間値は、HDCP規格書において通常100msecであることが規定されているが、当該時間値の解釈は、最大で100msec或いは最小で100msecといった具合に開発担当者毎に異なるものとなる。同様に、READYビット受信待ち時間の時間値(HDCP規格書では通常5000msec)の解釈についても開発担当者毎に異なる。
【0023】
この問題に対処する関連技術が、例えば特許文献1に記載されている。
【0024】
図7に、特許文献1に記載されるディスク再生装置10の構成を示す。このディスク再生装置10は、HDMIケーブル20を介して受像装置30に接続されている。ここで、HDMIケーブル20は、図示の如くコンテンツデータ40を伝送するためのデータライン21と、DDC(Display Data Channel、再生装置10−受像装置30間で各種制御情報を送受信するためのチャネル)用の制御ライン22と、HDMIケーブル20の接続検出に用いるホットプラグライン23とから成る。
【0025】
また、ディスク再生装置10は、HDMIケーブル20を接続するためのHDMIコネクタ11と、ディスク50に対するアクセスを行うディスクアクセス部12と、ディスク50からの読出データをデコードして、Audioデータ60及びVideoデータ70を得るAVデコーダ13と、Audioデータ60及びVideoデータ70から成るコンテンツデータ40を、HDMIコネクタ11を介して送出する送信器14xとで構成される。
【0026】
さらに、送信器14xは、受像装置30を構成する受信器32を認証する認証処理回路100xと、この認証処理回路100xでの認証が成功した場合に、コンテンツデータ40をHDMIコネクタ11を介して送出するHDMI送信回路200と、上記の認証開始待ち時間を計時するためのタイマ300と、認証処理回路100xの作業領域として使用されるメモリ400とを備えている。ここで、認証処理回路100xは、図示の如くI2Cバスを介してHDMI送信回路200に接続し、以てHDMI送信回路200を経由してDDC用の各種制御情報を送受信する。また、認証処理回路100xは、ホットプラグライン23からの入力電圧を監視することにより、HDMIケーブル20の接続(すなわち、受信器32の接続)を検出する。
【0027】
また、図8に示すように、メモリ400には、認証処理回路100xでの認証試行回数411と、認証開始待ち時間412とを対応付けたテーブル410が予め格納されている。このテーブル410は、1回目の認証試行時に時間値200msecを設定し、2回目の認証試行時に時間値1000msecを設定し、3回目の認証試行時に時間値2000msecを設定すべきことを示している。
【0028】
また、図9に示すように、認証処理回路100xは、認証処理部701と、ダミーデータ生成部702と、ホットプラグ検出部703と、スクランブル部704と、送信処理部705と、受信処理部706と、決定部707と、待ち時間設定部708と、これらのブロック701〜708を制御する中央制御部709とを有する。
【0029】
認証処理部701は、上記のHDCP認証処理を実行する。ダミーデータ生成部702は、HDCP認証処理の開始トリガとなるダミーデータを生成する。ホットプラグ検出部703は、ホットプラグライン23からの入力電圧を監視し、以て受信器32の接続を検出する。スクランブル部704は、コンテンツデータ40に対する暗号化を行う。送信処理部705は、上記のダミーデータ、及び受信器32に対するEDID(Extended Display Identification Data)要求を送信する。受信処理部706は、受信器32からEDIDを受信する。決定部707は、EDIDに含まれる、表示装置33(図7参照)に関する解像度及びアスペクト比等の仕様情報に基づき、コンテンツデータ40及びダミーデータの解像度を決定する。また、決定部707は、ホットプラグ検出部703での接続検出に応じて、HDCP対応インタフェースの種別(接続検出されたコネクタの種別)を判定する。さらに、決定部707は、当該判定結果に基づき、コンテンツデータ40及びダミーデータの送信レートを決定する。
【0030】
待ち時間設定部708は、中央制御部709から受けた認証試行回数411をキーとして、テーブル410から認証開始待ち時間412を検索する。また、待ち時間設定部708は、当該検索により得た認証開始待ち時間412を、中央制御部709に与える。
【0031】
中央制御部709は、認証処理部701における認証の成功可否を判定すると共に、認証試行回数411を計数する。また、中央制御部709は、ダミーデータの送信をトリガとして上記のタイマ300を制御し、以て認証開始待ち時間412を計時する。さらに、中央制御部709は、認証開始待ち時間412が経過した場合、認証処理部701にHDCP認証処理を実行させる。
【0032】
図7に戻って、受像装置30は、HDMIコネクタ31と、このコネクタ31を介してコンテンツデータ40を受信する受信器32と、コンテンツデータ40中のVideoデータ70の表示、及びAudioデータ60の出力(再生)を行う表示装置33とで構成される。
【0033】
この内、受信器32は、コンテンツデータ40を、HDMIコネクタ31を介して受信するHDMI受信回路601と、コンテンツデータ40からAudioデータ60及びVideoデータ70を分離する映像/音声処理部602と、これらのブロック601及び602を制御する、CPU(Central Processing Unit)等の制御部603と、この制御部603の作業領域として使用されるメモリ604とを備えている。ここで、制御部603は、図示の如くI2Cバスを介してHDMI受信回路601に接続し、以てHDMI受信回路601を経由してDDC用の各種制御情報を送受信する。また、制御部603は、HDMIコネクタ31へのHDMIケーブル20の接続に応じて、ホットプラグライン23へ所定の電圧を出力する。
【0034】
以下、上記の送信器14x及び受信器32の動作を、図10及び図11を参照して説明する。
【0035】
図10に示すように、送信器14x内のホットプラグ検出部703は、ホットプラグライン23からの入力電圧を常に監視している。HDMIケーブル20によりHDMIコネクタ11と31とが接続された場合、ホットプラグ検出部703は、受信器32内の制御部603からの電圧信号の入力を検出する(ステップS1)。
【0036】
この時、送信器14x内の中央制御部709は、認証試行回数411をカウントするための一時的な変数CTの値を"1"に初期化する(ステップS2)。そして、中央制御部709は、送信処理部705を制御し、以てEDID要求を受信器32へ送信する(ステップS3)。
【0037】
受信器32内の制御部603は、EDID要求を受信すると(ステップT1)、メモリ604に予め格納しておいた表示装置33のEDIDを読み出し、送信器14xへ送信する(ステップT2)。
【0038】
送信器14x内の受信処理部706は、EDIDを受信する(ステップS4)。これを検知した決定部707は、HDCP対応インタフェースの種別を判定する(ステップS5)。この例では、決定部707は、当該種別がHDMIであると判定し、コンテンツデータ40及びダミーデータの送信レートをHDMIに則したレートに決定する(ステップS6)。また、決定部707は、EDIDに含まれる仕様情報に基づき、コンテンツデータ40及びダミーデータの解像度を決定する(ステップS7)。
【0039】
この時、中央制御部709は、ダミーデータ生成部702に対し、決定部707により決定された解像度に則したダミーデータを生成するよう指示する。また、中央制御部709は、送信処理部705を制御し、以てダミーデータを受信器32へ送信する(ステップS8)。
【0040】
受信器32内の制御部603は、ダミーデータを受信すると(ステップT3)、上記の第1認証処理で説明した秘密鍵AKSV及び疑似乱数値Anの受信を待機する。
【0041】
一方、送信器14x内の中央制御部709は、変数CTを認証試行回数411として待ち時間設定部708に与える。待ち時間設定部708は、変数CTをキーとして、テーブル410から認証開始待ち時間412を検索する。今、変数CT="1"であるため、1回目の認証試行に対応する時間値200msecが、認証開始待ち時間412として検索される。待ち時間設定部708は、認証開始待ち時間412="200msec"を中央制御部709に与える。中央制御部709は、タイマ300に認証開始待ち時間412を計時させ(ステップS9)、認証開始待ち時間412の経過を待機する(ステップS10)。
【0042】
認証開始待ち時間412が経過すると、中央制御部709は、認証処理部701に、秘密鍵AKSV及び疑似乱数値Anを受信器32へ送信させる。これにより、送信器14xと受信器32の協調動作による上記の第1及び第3認証処理が実行されることとなる(ステップS11及びT4)。
【0043】
この結果、認証処理部701が受信器32の認証に成功した場合、中央制御部709は、スクランブル部704及びHDMI送信回路200を制御し、以てコンテンツデータ40を暗号化して受信器32へ送信する(ステップS13)。コンテンツデータ40の受信を検知した受信器32内の映像/音声処理部602は、コンテンツデータ40を復号し、以てAudioデータ60及びVideoデータ70を得る。そして、映像/音声処理部602は、表示装置33に、Videoデータ70の表示及びAudioデータ60の出力を行わせる(ステップT5及びT6)。
【0044】
一方、認証処理部701が受信器32の認証に失敗した場合、中央制御部709は、変数CT≧"3"が成立するか否かを判定する(ステップS14)。今、変数CT="1"であるため、中央制御部709は、変数CTを"1"だけインクリメントし(ステップS15)、上記のステップS8に戻る。
【0045】
これにより、上記のステップS10及びS11で、2回目の認証試行に対応する認証開始待ち時間412="1000msec"を待機した後、上記のステップS12で、HDCP認証処理が再実行されることとなる。この結果、受信器32の認証に成功した場合、上記のステップS13で、コンテンツデータ40が受信器32へ送信されることとなる。一方、受信器32の認証に再び失敗した場合には、3回目の認証試行に対応する認証開始待ち時間412="2000msec"を待機した後、HDCP認証処理が再実行されることとなる。なお、3回目のHDCP認証処理を実行しても受信器32の認証に失敗した場合(すなわち、上記のステップS14で変数CT≧"3"が成立した場合)、送信器14xは、コンテンツデータ40を送信せず、処理を終了する。
【0046】
このように、認証開始待ち時間を増加させることは、HDCP認証処理を成功させる1つの要素となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0047】
【特許文献1】特開2008−219796号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0048】
しかしながら、上記の送信器14xには、HDCP認証処理の実行効率が低いという課題があった。これは、送信器14xが認証試行回数411に応じて認証開始待ち時間412を決定するためである。一度認証に成功した受信器の接続を外し、当該受信器を再接続した場合、HDCP認証処理は、当該成功に至った試行回数分だけ失敗を繰り返すこととなる。この失敗の繰り返しは、受信器を再接続する度に発生する。
【0049】
また、上記の課題は、中継器をHDCP認証処理の実行対象とした場合も同様に発生する。
【課題を解決するための手段】
【0050】
本発明の一態様に係る認証処理回路は、コンテンツデータの送信先となる受信器、又は前記コンテンツデータを前記受信器へ中継する中継器をHDCP方式に則して認証すると共に、前記認証に成功するまで前記認証に係る待ち時間を増加させる認証部と、前記認証に成功した受信器又は中継器の識別情報と、当該成功時に用いられた待ち時間とを対応付けて記憶する記憶部とを備える。前記認証部は、前記識別情報に対応する受信器又は中継器の再認証に際して、前記記憶された待ち時間を用いる。
【0051】
また、本発明の一態様に係る送信器は、前記認証処理回路と、前記コンテンツデータを、前記認証に成功した受信器又は中継器に対してHDCP対応インタフェースを介して送信する送信回路とを備える。
【0052】
また、本発明の一態様に係る認証処理方法は、コンテンツデータの送信先となる受信器、又は前記コンテンツデータを前記受信器へ中継する中継器をHDCP方式に則して認証する認証処理方法を提供する。この認証処理方法は、前記認証に成功するまで前記認証に係る待ち時間を増加させ、前記認証に成功した受信器又は中継器の識別情報と、当該成功時に用いた待ち時間とを対応付けて記憶し、前記識別情報に対応する受信器又は中継器の再認証に際して、前記記憶した待ち時間を用いる。
【0053】
さらに、本発明の一態様に係る認証処理プログラムは、コンテンツデータの送信先となる受信器、又は前記コンテンツデータを前記受信器へ中継する中継器をHDCP方式に則して認証するコンピュータに、前記認証に成功するまで前記認証に係る待ち時間を増加させる処理と、前記認証に成功した受信器又は中継器の識別情報と、当該成功時に用いた待ち時間とを対応付けて記憶する処理と、前記識別情報に対応する受信器又は中継器の再認証に際して、前記記憶した待ち時間を用いる処理とを実行させる。
【0054】
すなわち、本発明では、一度認証に成功した受信器又は中継器の再接続に伴う再認証に際し、当該成功時に用いた待ち時間を用いる。このため、当該受信器又は中継器の再接続時には、そのHDCP認証処理を、失敗すること無く1回で終了させることが可能である。
【発明の効果】
【0055】
本発明によれば、HDCP認証処理の実行効率を大幅に向上させることが可能である。また、実行効率の向上に伴い、HDCP認証処理に際しての消費電力や必要リソース量等を低減させることも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の実施の形態に係る認証処理回路及び送信器の構成例を示したブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る認証処理回路に用いるテーブルの一の構成例を示した図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る認証処理回路に用いる認証部の構成例を示したブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る認証処理回路及び送信器の一の動作例を示したフローチャート図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る認証処理回路に用いるテーブルの他の構成例を示した図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る認証処理回路及び送信器の他の動作例を示したフローチャート図である。
【図7】本発明の関連技術に係る送信器の構成例を示したブロック図である。
【図8】本発明の関連技術に係る認証処理回路に用いるテーブルの構成例を示した図である。
【図9】本発明の関連技術に係る認証処理回路の構成例を示したブロック図である。
【図10】本発明の関連技術に係る認証処理回路及び送信器の動作例を示したフローチャート図である。
【図11】本発明の関連技術に係る受信器の動作例を示したフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0057】
以下、本発明に係る認証処理回路及びこれを適用する送信器の実施の形態を、図1〜図6を参照して説明する。なお、各図面において同一要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略される。
【0058】
図1に示すように、本実施の形態に係る送信器14は、図7に示した送信器14xに代えて、ディスク再生装置10に適用することができる。送信器14は、認証処理回路100と、図7と同様のHDMI送信回路200、タイマ300、及びメモリ400と、不揮発性メモリ500とで構成される。
【0059】
なお、送信器14は、コンテンツデータ40を、HDMIに限らず、DVI、UDI(Unified Display Interface)、GVIF(Giga−bit Video Interface)等の種々のHDCP対応インタフェースを介して送信することができる。この場合、HDMI送信回路200に代えて、各インタフェースに適合する送信回路を設ければ良い。また、送信器14には、Audioデータ60及びVideoデータ70を、ディスク装置(ディスク50、ディスクアクセス部12、及びAVデコーダ13)に限らず、種々の装置から入力しても良い。
【0060】
また、認証処理回路100は、認証部110と、記憶部120とを備えている。
【0061】
この内、認証部110は、タイマ300を制御してHDCP認証処理に係る待ち時間を計時すると共に、メモリ400を作業領域として使用する。また、認証部110は、コンテンツデータ40の送信先となる受信器32、又はコンテンツデータ40を受信器32へ中継する中継器を、HDCP認証処理の実行対象とする。さらに、認証部110は、受信器32又は中継器の認証に成功するまで当該待ち時間を増加させる。
【0062】
一方、記憶部120は、認証部110での認証が成功した受信器又は中継器の識別情報511と、当該成功時に用いられた待ち時間512とを対応付けて不揮発性メモリ500に記憶する。例えば図2に示すように、記憶部120は、識別情報511と上述した認証開始待ち時間512aとを対応付けたテーブル510を、不揮発性メモリ500中に形成する。なお、識別情報511には、EDIDに含まれる受信器又は中継器の固有情報(ベンダ情報や製品情報等)をそのまま利用することができる。この場合、送信器14−受信器32間を伝送する信号系統には、何ら改修が発生しない。
【0063】
また、認証部110は、識別情報511に対応する受信器又は中継器の再認証(すなわち、一度認証に成功した受信器又は中継器の再接続)に際して、待ち時間512を用いる。
【0064】
これにより、認証部110は、一度認証に成功した受信器又は中継器に対するHDCP認証処理を、以降失敗すること無く1回で終了させることができる。また、識別情報511及び待ち時間512を不揮発性メモリ500に記憶するため、送信器14への電源供給を一旦停止した後に再開した場合であっても、認証部110は、一度認証に成功した受信器又は中継器に対するHDCP認証処理を、失敗すること無く1回で終了させることができる。
【0065】
また、図3に示すように、認証部110は、中央制御部111と、図9と同様の認証処理部701、ダミーデータ生成部702、ホットプラグ検出部703、スクランブル部704、送信処理部705、受信処理部706、及び決定部707とを用いて簡易に構成することができる。
【0066】
ここで、中央制御部111は、本実施の形態に特有の処理として、大略、下記(A)〜(C)に示す処理を実行する。
【0067】
(A)記憶部120の制御による、不揮発メモリ500に対する識別情報511及び待ち時間512の書込処理、又は不揮発メモリ500からの識別情報511及び待ち時間512の読出処理。
(B)受信器又は中継器から受信したEDIDに含まれる識別情報と、不揮発性メモリ500から読み出した識別情報511とを比較し、以てHDCP認証処理の実行対象となる受信器又は中継器が、一度認証に成功した受信器又は中継器であるか否かを判定する処理。
(C)待ち時間512の経過を待機する処理、又は認証処理部701に待ち時間512の経過を待機させる処理。
【0068】
次に、上記の認証処理回路100及び送信器14の動作を説明するが、まず不揮発性メモリ500中に図2に示したテーブル510を形成した場合の動作例(1)を、図4を参照して説明する。そして、不揮発性メモリ500中に図5に示すテーブル510aを形成する場合の動作例(2)を、図6を参照して説明する。なお、受信器32(又は中継器)の動作は図11と同様であるため、その説明を省略する。
【0069】
[動作例(1)]
図4に示すように、本動作例においては、図10に示した上記のステップS2、S9、S10、S14、及びS15に代えて、ステップS16〜S23に示す処理が実行される。
【0070】
具体的には、上記のステップS1に示したホットプラグ検出処理において受信器32又は中継器の接続が検出されると、認証処理回路100内の中央制御部111は、認証開始待ち時間の設定に用いる一時的な変数WTaに、初期時間値800a(例えば"200msec")を設定する(ステップS16)。そして、中央制御部111は、送信処理部705及び受信処理部706を制御し、以て上記のステップS3及びS4に示したEDID受信処理を実行する。また、中央制御部111は、ダミーデータ生成部702及び決定部707を制御し、以て上記のステップS5〜S7に示したダミーデータ設定処理を実行する。
【0071】
この後、中央制御部111は、受信器32又は中継器から受信したEDIDに含まれる識別情報が不揮発性メモリ500に記憶されているか否かを判定する(ステップS17)。
【0072】
今、受信器32又は中継器が送信器14に初めて接続されたとすると、中央制御部111は、EDIDに含まれる識別情報が不揮発性メモリ500に記憶されていないと判定する。この時、中央制御部111は、ダミーデータ生成部702及び送信処理部705を制御し、以て上記のステップS8に示したダミーデータ送信処理を実行する。また、中央制御部111は、タイマ300を制御し、以て変数WTaが示す時間(初期時間値800a)の経過を待機する(ステップS18)。変数WTaが示す時間の経過後、中央制御部111は、認証処理部701を制御し、以て認証処理部701に、上記のステップS11に示した、受信器32又は中継器との協調動作によるHDCP認証処理を実行させる。
【0073】
この結果、上記のステップS12で認証処理部701が受信器32又は中継器の認証に成功した場合、中央制御部111は、変数WTa≠初期時間値800aが成立するか否かを判定する(ステップS19)。今、変数WTa=初期時間値800aが成立するため、中央制御部111は、スクランブル部704及びHDMI送信回路200を制御し、以て上記のステップS13に示したコンテンツデータ40の送信処理を実行する。
【0074】
一方、認証処理部701が受信器32又は中継器の認証に失敗した場合、中央制御部111は、変数WTa≧上限時間値900a(例えば、2000msec)が成立するか否かを判定する(ステップS20)。今、変数WTa<上限時間値900aが成立するため、中央制御部111は、変数WTaを、所定の増分時間値1000a(例えば、200msec)だけ増加させる(ステップS21)。そして、中央制御部111は、上記のステップS8及びS18を経由して増加後の変数WTaが示す時間の経過を待機した後、上記のステップS11へ進み、以て認証処理部701に、HDCP認証処理を再実行させる。
【0075】
この結果、受信器32又は中継器の認証に成功した場合には、上記のステップS19で変数WTa≠初期時間値800aが成立するため、中央制御部111は、記憶部120を制御し、以て不揮発メモリ500に、識別情報511(EDIDに含まれる識別情報)及び待ち時間512a(変数WTaが示す時間)を書き込む(ステップS22)。そして、中央制御部111は、上記のステップS13に進んでコンテンツデータ40の送信処理を実行する。
【0076】
このように、不揮発メモリ500には、認証に成功した受信器又は中継器の識別情報511と、当該成功時に用いた認証開始待ち時間512aとが記憶されることとなる。
【0077】
また、一度認証に成功した受信器又は中継器が再接続された場合、中央制御部111は、上記のステップS17で、EDIDに含まれる識別情報と同一の識別情報511が不揮発性メモリ500に記憶されていると判定する。この時、中央制御部111は、変数WTaに、不揮発性メモリ500に記憶された認証開始待ち時間512aを設定する(ステップS23)。
【0078】
これにより、再接続された受信器又は中継器は、失敗すること無く1回のHDCP認証処理で認証されることとなる。
【0079】
また、上記のステップS20で変数WTa≧上限時間値900aが成立すると判定した場合、中央制御部111は、コンテンツデータ40の送信処理を実行せず、全ての処理を終了する。このため、認証に成功し得ない受信器又は中継器に対するHDCP認証処理の過度な実行を回避することができる。
【0080】
なお、本動作例では、認証開始待ち時間512aを制御対象としたが、認証処理回路100は、上述したR0'生成待ち時間又はREADYビット受信待ち時間を制御対象とすることもできる。この場合、認証処理回路100は、不揮発性メモリ500に認証に成功した際のR0'生成待ち時間又はREADYビット受信待ち時間を記憶すると共に、当該記憶したR0'生成待ち時間又はREADYビット受信待ち時間をHDCP認証処理中に用いれば良い。
【0081】
[動作例(2)]
本動作例において、認証処理回路100内の認証部110は、不揮発性メモリ500中に、図5に示す如く識別情報511と、認証開始待ち時間512a及びREADYビット受信待ち時間512bとを対応付けたテーブル510aを形成するよう、記憶部120を制御する。
【0082】
これに対応して、図6に示すように、認証部110は、図4に示した処理に加えて、ステップS24〜S28に示す処理を実行し、上記のS19及びS22に代えて、ステップS29及びS30に示す処理を実行する。
【0083】
具体的には、上記のステップS16に示した変数WTaの初期設定処理の後、認証処理回路100内の中央制御部111は、READYビット受信待ち時間の設定に用いる一時的な変数WTbに、初期時間値800b(例えば"5000msec")を設定する(ステップS24)。変数認証処理部701は、上述した第2認証処理中、中継器からの秘密鍵KSVsの収集完了を示すREADYビットの受信を、変数WTbが示す時間だけ待機する。
【0084】
この結果、上記のステップS12で認証処理部701が中継器の認証に失敗した場合、中央制御部111は、その失敗要因を判定する(ステップS26)。
【0085】
失敗要因が変数WTaにある場合(すなわち、認証開始待ち時間が短い場合)、中央制御部111は、上記のステップS20及びS21で変数WTaが示す時間値を増加させ、上記のステップS8及びS18を経由して増加後の変数WTaが示す時間の経過を待機する。この後、中央制御部111は、上記のステップS11へ進み、以て認証処理部701に、HDCP認証処理を再実行させる。
【0086】
一方、失敗要因が変数WTbにある場合(すなわち、READYビット受信待ち時間が短い場合)、中央制御部111は、変数WTb≧上限時間値900b(例えば、6000msec)が成立するか否かを判定する(ステップS27)。この結果、変数WTb<上限時間値900bが成立する場合、中央制御部111は、変数WTbを、所定の増分時間値1000b(例えば、200msec)だけ増加させる(ステップS28)。これにより、増加後の変数WTbが示す時間を用いて、上記のステップS11に示したHDCP認証処理が再実行されることとなる。
【0087】
この結果、上記のステップS12で中継器の認証に成功した場合、中央制御部111は、変数WTa≠初期時間値800a又は変数WTb≠初期時間値800bが成立するか否かを判定する(ステップS29)。
【0088】
変数WTa≠初期時間値800a又は変数WTb≠初期時間値800bが成立する場合、中央制御部111は、認証開始待ち時間又はREADYビット受信待ち時間の増加により中継器の認証に成功したと判断する。そして、中央制御部111は、記憶部120を制御し、以て不揮発メモリ500に、識別情報511(EDIDに含まれる識別情報)、待ち時間512a(変数WTaが示す時間)、及び待ち時間512b(変数WTbが示す時間)を書き込む(ステップS30)。
【0089】
このように、不揮発メモリ500には、認証に成功した中継器の識別情報511と、当該成功時に用いた認証開始待ち時間512a及びREADYビット受信待ち時間512bとが記憶されることとなる。
【0090】
また、一度認証に成功した中継器が再接続された場合、中央制御部111は、上記のステップS17で、EDIDに含まれる識別情報と同一の識別情報511が不揮発性メモリ500に記憶されていると判定する。この時、中央制御部111は、上記のステップS23で、変数WTaに不揮発性メモリ500に記憶された認証開始待ち時間512aを設定すると共に、変数WTbに不揮発性メモリ500に記憶されたREADYビット受信待ち時間512bを設定する(ステップS25)。
【0091】
これにより、再接続された中継器は、失敗すること無く1回のHDCP認証処理で認証されることとなる。
【0092】
また、上記のステップS27で変数WTb≧上限時間値900bが成立すると判定した場合、中央制御部111は、上記のステップS20と同様に全ての処理を終了する。このため、認証に成功し得ない中継器に対するHDCP認証処理の過度な実行を回避する効果が、認証開始待ち時間及びREADYビット受信待ち時間の両者について得られる。
【0093】
なお、本動作例では、認証開始待ち時間512a及びREADYビット受信待ち時間512bを制御対象としたが、認証処理回路100は、上述したR0'生成待ち時間も制御対象とすることもできる。この場合、認証処理回路100は、認証の失敗要因がR0'生成待ち時間が短いことにあると判定した場合に、R0'生成待ち時間を増加させ、不揮発性メモリ500に認証に成功した際のR0'生成待ち時間を記憶すると共に、当該記憶したR0'生成待ち時間をHDCP認証処理中に用いれば良い。
【0094】
また、同様にして、認証処理回路100は、HDCP方式の仕様変更に伴って将来追加され得る待ち時間も制御対象とすることができる。
【0095】
なお、上記の実施の形態によって本発明は限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づき、当業者によって種々の変更が可能なことは明らかである。例えば、上記の実施の形態に示した認証処理回路100の各処理を、コンピュータに実行させるためのプログラムとして提供することもできる。この場合、当該プログラムを、コンピュータ内のプロセッサが実行可能なようにメモリ等の記憶媒体に格納すると好適である。或いは、当該プログラムは、既存の再生装置や送信器等に組み込まれたファームウェアへのプラグインとして提供しても良い。
【符号の説明】
【0096】
10 ディスク再生装置
11, 31 HDMIコネクタ
12 ディスクアクセス部
13 AVデコーダ
14 送信器
20 HDMIケーブル
21 データライン
22 制御ライン
23 ホットプラグライン
32 受信器
40 コンテンツデータ
50 ディスク
60 Audioデータ
70 Videoデータ
100 認証処理回路
110 認証部
111 中央制御部
120 記憶部
200 HDMI送信回路
300 タイマ
400 メモリ
500 不揮発性メモリ
510, 510a テーブル
511 識別情報
512 待ち時間
512a 認証開始待ち時間
512b READYビット受信待ち時間
701 認証処理部
702 ダミーデータ生成部
703 ホットプラグ検出部
704 スクランブル部
705 送信処理部
706 受信処理部
707 決定部
800a, 800b 初期時間値
900a, 900b 上限時間値
1000a, 1000b 増分時間値
WTa, WTb 変数

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツデータの送信先となる受信器、又は前記コンテンツデータを前記受信器へ中継する中継器をHDCP(High−bandwidth Digital Content Protection)方式に則して認証すると共に、前記認証に成功するまで前記認証に係る待ち時間を増加させる認証部と、
前記認証に成功した受信器又は中継器の識別情報と、当該成功時に用いられた待ち時間とを対応付けて記憶する記憶部と、を備え、
前記認証部が、前記識別情報に対応する受信器又は中継器の再認証に際して、前記記憶された待ち時間を用いる、認証処理回路。
【請求項2】
請求項1において、
前記記憶部が、前記識別情報及び待ち時間を、不揮発性の記憶媒体に記憶することを特徴とした認証処理回路。
【請求項3】
請求項1又は2において、
前記記憶部が、前記待ち時間として、前記認証の開始を待機した時間、及び前記認証中に前記受信器又は中継器における予め定めた処理の完了を待機した時間の少なくとも一方を記憶することを特徴とした認証処理回路。
【請求項4】
請求項3において、
前記認証部は、前記認証に失敗した場合、当該失敗の要因となった待ち時間を増加させることを特徴とした認証処理回路。
【請求項5】
請求項3又は4において、
前記予め定めた処理が、前記受信器又は中継器における、自回路に認証用データの交換が成功したか否かを照合させるための情報の生成処理、及び前記中継器における、前記受信器からの認証用データの収集処理の少なくとも一方であることを特徴とした認証処理回路。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項において、
前記識別情報が、EDID(Extended Display Identification Data)に含まれる、前記受信器又は中継器の固有情報であることを特徴とした認証処理回路。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項において、
前記認証部が、前記待ち時間を予め定めた上限時間内で増加させることを特徴とした認証処理回路。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の認証処理回路と、
前記コンテンツデータを、前記認証に成功した受信器又は中継器に対してHDCP対応インタフェースを介して送信する送信回路と、
を備えた送信器。
【請求項9】
コンテンツデータの送信先となる受信器、又は前記コンテンツデータを前記受信器へ中継する中継器をHDCP方式に則して認証する認証処理方法であって、
前記認証に成功するまで前記認証に係る待ち時間を増加させ、
前記認証に成功した受信器又は中継器の識別情報と、当該成功時に用いた待ち時間とを対応付けて記憶し、
前記識別情報に対応する受信器又は中継器の再認証に際して、前記記憶した待ち時間を用いる、認証処理方法。
【請求項10】
請求項9において、
前記識別情報及び待ち時間を、不揮発性の記憶媒体に記憶することを特徴とした認証処理方法。
【請求項11】
請求項9又は10において、
前記待ち時間として、前記認証の開始を待機した時間、及び前記認証中に前記受信器又は中継器における予め定めた処理の完了を待機した時間の少なくとも一方を記憶することを特徴とした認証処理方法。
【請求項12】
請求項11において、
前記認証に失敗した場合、当該失敗の要因となった待ち時間を増加させることを特徴とした認証処理方法。
【請求項13】
請求項11又は12において、
前記予め定めた処理を、前記受信器又は中継器における、前記認証の実行主体に認証用データの交換が成功したか否かを照合させるための情報の生成処理、及び前記中継器における、前記受信器からの認証用データの収集処理の少なくとも一方とすることを特徴とした認証処理回路。
【請求項14】
請求項9〜13のいずれか一項において、
前記識別情報として、EDIDに含まれる、前記受信器又は中継器の固有情報を用いることを特徴とした認証処理方法。
【請求項15】
請求項9〜14のいずれか一項において、
前記待ち時間を予め定めた上限時間内で増加させることを特徴とした認証処理方法。
【請求項16】
コンテンツデータの送信先となる受信器、又は前記コンテンツデータを前記受信器へ中継する中継器をHDCP方式に則して認証するコンピュータに、
前記認証に成功するまで前記認証に係る待ち時間を増加させる処理と、
前記認証に成功した受信器又は中継器の識別情報と、当該成功時に用いた待ち時間とを対応付けて記憶する処理と、
前記識別情報に対応する受信器又は中継器の再認証に際して、前記記憶した待ち時間を用いる処理と、
を実行させるための認証処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−61568(P2011−61568A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−210035(P2009−210035)
【出願日】平成21年9月11日(2009.9.11)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】