説明

認証装置及びプログラム

【課題】生体情報を用いた個人認証の認証精度の向上を図ること。
【解決手段】認証センサ部60は、フィルム61及び67と、ITO膜63及び65と、温度センサ62と、湿度センサ64と、圧力センサ66とを備えて構成される。指紋センサ90は、指紋読取部50のフィルム52上に認証センサ部60を重畳して一体的に形成することで、認証対象者が指紋認証時に認証センサ部60に指先Fを当接すると、指紋読取部50により指先Fの指紋が読み取られて読取指紋データが生成されると共に、認証センサ部60によりその読み取り時の温度、湿度及び圧力といった読取条件が取得される。そして、その取得した読取条件と、認証用指紋データを予め読み取ったときの読取条件とを比較して、その比較結果に基づいて、指紋読取部50の読み取り感度を補正する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、認証装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータへのログイン、クレジットカードやキャッシュカードを利用した商取引、各種ネットワークへのアクセス、建物や部屋への入室管理等、利用者の個人認証が行われる場面が増えている。個人認証は、主として、入力されたパスワードの正否によって行われることが一般的であったが、近年はセキュリティ性を高めるためにも、指紋、網膜、声紋、顔形等の個人識別性の高い生体情報に基づいて行われる傾向にある。
【0003】
このような生体情報を用いた個人認証は、予め認証対象者から生体情報を読み取って記憶しておき、認証時に読み取った生体情報と比較することで行われる。例えば、指紋認証の場合には、指紋センサに当接された指先の指紋の画像を読み取り、予め採取した指紋と比較することで個人認証を行う。この指紋の読み取り時の指先が湿り気の状態によっては、指紋の画像が潰れたり擦れたりすることがあり、指紋が読み取り難くなってしまう。
【0004】
そこで、温度や湿度等の周辺環境を計測して、その計測した環境信号に従って、指紋センサのアンプゲインを設定、又は画像処理や抽出におけるパラメータを設定することで、高温多湿による指紋画像の潰れや擦れを生じ難くする指紋照合装置が開発されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2000−353236号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、認証対象者は生体であるが故に、体温や皮膚の乾湿状態、センサへの押圧力等に個人差があり、同じ環境の下で例えば、指紋を採取したとしても、体質的に体温の高い人や発汗が多い人、体温の低い人、汗をかきにくい人等によって指紋の画像の潰れや擦れの度合いは異なる。
【0006】
特許文献1の指紋照合装置のように、計測した周辺環境の環境信号に従って指紋センサのアンプゲインを設定したとしても、そのアンプゲインの補正範囲は認証対象者が異なっても同じであるため、認証対象者の個人差によって読み取った指紋の画像には潰れや擦れが生じてしまう可能性があった。このように、生体情報を用いた個人認証においては、認証対象者毎の個体差(特質)が生体情報の読み取りに影響を与えてしまい、認証精度の低下を招いてしまった。
【0007】
本発明は、上述した課題に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、生体情報を用いた個人認証の認証精度の向上を図ることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以上の課題を解決するために、請求項1に記載の認証装置は、
認証対象者から予め読み取った生体情報と、その読み取り時に当該認証対象者から取得した読取条件とを対応付けて記憶する記憶手段と、
前記認証対象者から生体情報を読み取る読取手段と、
認証時における前記読取手段の読取条件を前記認証対象者から取得する取得手段と、
この取得手段により取得された読取条件と、前記記憶手段に記憶された読取条件とを比較する比較手段と、
この比較手段による比較の結果に基づいて、前記記憶手段に記憶された生体情報と、前記読取手段により読み取られた生体情報とが一致するか否かを判定する判定処理を実行する認証手段と、
を備えることを特徴としている。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記比較手段による比較の結果、前記取得手段により取得された読取条件と、前記記憶手段に記憶された読取条件とが一致しなかった場合、その比較の結果に基づいて前記読取手段の読み取り感度を補正する補正手段を更に備えることを特徴としている。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、
前記認証手段は、
前記比較手段による比較の結果、前記取得手段により取得された読取条件と、前記記憶手段に記憶された読取条件とが略一致した場合に前記判定処理を実行し、一致しなかった場合に、前記補正手段による読み取り感度の補正後に前記読み取られた生体情報と、前記記憶手段に記憶された生体情報とが一致するか否かを判定する判定処理を実行することを特徴としている。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、
前記認証手段は、
前記補正手段による読み取り感度の補正後に前記読み取られた生体情報と、前記記憶手段に記憶された生体情報とが一致するか否かを判定する判定処理を行って、一致したと判定した場合、前記取得された読取条件で前記記憶手段に記憶された読取条件を記憶更新することを特徴としている。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の何れか一項に記載の発明において、
前記読取手段は、前記認証対象者の指紋を読み取る指紋読取手段を有し、
前記取得手段は、
指紋認証時における前記認証対象者の体温、湿度及び押圧力の少なくとも何れか一つを読取条件として取得する指紋読取条件取得手段を有することを特徴としている。
【0013】
請求項6に記載のプログラムは、コンピュータを、
認証対象者から予め読み取った生体情報と、その読み取り時に当該認証対象者から取得した読取条件とを対応付けて記憶する記憶手段、
認証対象者から生体情報の読み取る読取手段、
認証時における前記読取手段の読取条件を前記認証対象者から取得する取得手段と、
この取得手段により取得された読取条件と、前記記憶手段に記憶された読取条件とを比較する比較手段、
この比較手段による比較の結果に基づいて、前記記憶手段に記憶された生体情報と、前記読取手段により読み取られた生体情報とが一致するか否かを判定する判定処理を実行する認証手段、
として機能させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
請求項1及び6に記載の発明によれば、認証時に認証対象者から取得した読取条件と、生体情報を予め読み取った際に取得した読取条件とを比較し、その比較の結果に基づいて判定処理を実行する。このため、例えば、比較の結果、読取条件が一致した場合には、認証用の生体情報を予め読み取った際と同等の読取条件の下で生体情報を読み取って判定処理を行うことができる。従って、生体情報を用いた個人認証の認証精度の向上を図ることができる。
【0015】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明と同様の効果が得られるのは無論のこと、認証対象者から取得した読取条件と、生体情報を予め読み取った際に取得した読取条件とを比較した結果、その読取条件が一致しなかった場合には、読取手段の読み取り感度を補正する。このため、認証対象者毎の個体差(特質)が生体情報の読み取りに影響を与えることを防止でき、個人認証の認証精度の向上を図ることができる。
【0016】
請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明と同様の効果が得られるのは無論のこと、認証対象者から取得した読取条件と、生体情報を予め読み取った際に取得した読取条件とが一致した場合には判定処理を実行し、一致しなかった場合には、読取手段の読み取り感度の補正後に判定処理を実行する。このため、認証対象者毎の個体差(特質)が生体情報の読み取りに影響を与えることを防止でき、個人認証の認証精度の向上を図ることができる。
【0017】
請求項4に記載の発明によれば、請求項3に記載の発明と同様の効果が得られるのは無論のこと、補正補正後に読み取った生体情報と、予め読み取って記憶した生体情報とが一致すると判定した場合、取得した読取条件で記憶手段に記憶された読取条件を記憶更新するため、生体情報が一致した際に取得した読取条件に逐次更新していくことができる。このため、例えば、季節の変化等により読取条件が変化したとしても、その変化に対応して個人認証の認証精度を確保することができる。
【0018】
請求項5に記載の発明によれば、認証対象者の指紋読み取り時における当該認証対象者の体温、湿度及び押圧力の少なくとも何れか一つを読取条件として取得するため、認証対象者固有の体温、湿度及び押圧力に基づいて読取手段の読み取り感度を補正することができる。従って、認証対象者毎の個体差が生体情報の読み取りに影響を与えることを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
〔実施形態〕
以下、本発明の認証装置を図1の指紋認証装置1に、生体情報読取装置を図2の指紋センサ90に適用した場合の実施形態について図1〜図6を参照して説明する。尚、本実施形態において、指紋認証装置1は、各種コンピュータと一体的に構成され、種々のアプリケーションプログラムの起動前に、指紋認証を行うこととして説明するが、例えば、当該コンピュータと通信ケーブル等を介して接続可能に構成されて、コンピュータからの指示に従って認証処理を行うこととしてもよく、その構成の態様は適宜変更可能である。
【0020】
先ず、指紋認証装置1の機能構成について説明する。図1は、指紋認証装置1の機能構成の一例を示すブロック図である。図1に示すように、指紋認証装置1は、CPU(Central Processing Unit)10、入力部20、表示部30、伝送制御部40、指紋読取部50、認証センサ部60、記憶部70及びRAM(Random Access Memory)80を備えて構成される。
【0021】
CPU10は、指紋認証装置1を構成する各機能部を統括的に制御・管理する機能部である。CPU10は、入力部20から出力される操作信号に基づいて記憶部70に記憶されたプログラムを読み出し、当該プログラムに従った処理を実行する。そして、その処理結果に応じた表示画面を表示部30に表示させたり、各機能部間のデータ通信を制御したりする。
【0022】
また、CPU10は、各種アプリケーションプログラムの起動前に、指紋認証を行う。この指紋認証の具体的な処理内容の詳細については後述するが、簡単に説明すると次のようになる。先ず、指紋読取部50に指先を当接・押圧する指示を表示部30に表示し、その後、指紋読取部50から入力される指紋データを読取指紋データ82としてRAM80に一時的に記憶する。そして、当該読取指紋データ82と、予め認証対象者から読み取った認証用の指紋データとが一致するか否かの判定処理を実行することにより、指紋認証を行う。
【0023】
入力部20は、キーボードやテンキー、ファンクションキー等の各種キー群を備えて構成され、ユーザによって押下されたキーに対応する操作信号をCPU10に出力する。また、入力部20は、タッチパネルやマウス等のポインティングデバイスを備えて構成されることとしてもよく、ユーザによって指定された表示画面上の位置を示す位置情報を操作信号としてCPU10に出力する。
【0024】
表示部30は、LCD(Liquid Crystal Display)等により構成され、CPU10の指示に従って指紋認証装置1に係る各種情報や表示画面等の表示を行う。
【0025】
伝送制御部40は、モデム、ターミナルアダプタ、ルータ、シリアルインターフェイス等により構成され、ネットワーク上に接続された他機とのデータ通信や、通信用ケーブル等で電気的に接続された外部機器とのデータ通信を行う。
【0026】
指紋読取部50は、認証対象者の指紋を光学的に読み取って、画像データに変換する機能部であり、A/D変換回路や画像処理回路等を備えて構成される。認証センサ部60は、指紋認証時において指紋読取部50が指紋を読み取る際の読取条件を認証対象者から取得する機能部であり、温度センサ62、湿度センサ64及び圧力センサ66を備えて構成される。
【0027】
温度センサ62は、温度変化による金属酸化物や半導体等のインピーダンス出力の変化から温度を測定・検出する。湿度センサ64は、半導体式湿度センサや高分子膜湿度センサ等により構成され、例えば、高分子膜に含まれる水分により変化する誘電率から相対的な湿度を測定・検出する。圧力センサ66は、半導体式圧力センサや圧電式圧力センサ等により構成され、例えば、ピエゾ素子等の圧電素子に加えられた力により生じる電圧から圧力を測定・検出する。
【0028】
尚、認証センサ部60の各センサの検出方法は、上述したものに限られず、例えば、温度センサ62は、赤外線温度センサやサーモグラフィー等による非接触式で温度検出を行ってもよいし、圧力センサ66は、ストレインゲージにより圧力を検出することとしてもよい。また、ストロークキー上に指紋読取部50を設け、当該ストロークキーのストロークの深さを圧力に置き換えて、圧力を測定・検出することとしてもよい。
【0029】
温度センサ62、湿度センサ64及び圧力センサ66は、測定・検出した温度、湿度及び圧力を電気信号に変換してCPU10に出力する。CPU10は、各センサから出力される電気信号に基づいて測定・検出された温度、湿度及び圧力をデータ変換し、温度データ85、湿度データ87及び圧力データ89としてRAM80に記憶する。
【0030】
図2は、指紋読取部50及び認証センサ部60により構成される指紋センサ90の断面図の一例である。図2(a)に示すように、指紋センサ90は、指紋読取部50と認証センサ部60とを一体的にして形成され、認証対象者の指先F側に認証センサ部60が設けられて、当該指先Fと接触可能に構成される。
【0031】
図2(b)は、指紋読取部50の断面図の一例である。図2(b)に示すように、指紋読取部50は、透過性の高いフィルム52及びTFT(Thin Film Transistor)基板54と、撮像素子58と、バックライト56とを備えて構成される。
【0032】
図2(b)に示すように、フィルム52、TFT基板54及びバックライト56は、三層に重ね合わされて一体的に形成され、TFT基板54の内部に複数の撮像素子58が埋め込まれている。撮像素子58は、リニア型CCD(Charge Coupled Diode)イメージセンサ、リニア型CMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)イメージセンサ等により構成され、入射した光を光電変換する。
【0033】
指紋読取部50は、CPU10の指示に従ってバックライト56からTFT基板54を介して光を照射させる。指先Fに照射された光は、指紋の凹凸によって散乱する。指紋読取部50は、指先Fから反射した散乱光を撮像素子58によって読み取って光電変換して得られた電気信号をA/D変換して指紋の画像データを生成する。このとき、CPU10は、指紋読取部50から入力された画像データを読取指紋データ82としてRAM80に記憶する。
【0034】
尚、指紋読取部50は、光学的に指紋の画像データを読み取ることとして説明したが、その読取方式は適宜公知技術を採用可能であり、例えば、静電容量方式や電解強度測定方式、感圧式、感熱式により指紋の画像データを読み取ることとしてもよい。
【0035】
図2(c)は、認証センサ部60の断面図の一例である。図2(c)に示すように、認証センサ部60は、透過性の高いフィルム61及び67と、ITO(Indium Tin Oxide:インジウム錫酸化物)膜63及び65と、温度センサ62と、湿度センサ64と、圧力センサ66とを備えて構成される。フィルム61及び67と、ITO膜63及び65とは、それぞれが一枚ずつ重畳され、二層構造となるように一体的に形成される。
【0036】
そして、その一体化されたフィルム61及びITO膜63と、フィルム67及びITO膜65とのの何れか一方に、温度センサ62、湿度センサ64及び圧力センサ66を等間隔に配して、ITO膜63及び65が対向するように重ね合わされる。
【0037】
図3は、各センサの配置例を示す認証センサ部60の正面図の一例である。図3に示すように、認証センサ部60のパネル全体に、温度センサ62、湿度センサ64及び圧力センサ66が等間隔に分布するように配されている。
【0038】
また、ITO膜63及び65の間に各センサが挟まってセンサの高さ分の空間が形成される。これにより、例えば、認証対象者が指先を認証センサ部60上に当接した際には、ITO膜63及び65が接触するため、その当接された位置の検出が可能になる。
【0039】
尚、ITO膜63及び65を重ね合わせた所謂感圧式のタッチパネルと同等の構成により認証センサ部60を構成して、指先Fが当接された位置を検出することとしたが、光学式のタッチパネルや静電式のタッチパネルにより指先Fが当接された位置を検出することとしてもよい。この場合もタッチパネルに温度センサ62、湿度センサ64及び圧力センサ66を設けることで、その検出した位置の温度、湿度及び圧力を測定・検出することができる。
【0040】
また、図2(c)に示すように、湿度センサ64の上に重なるフィルム61及びITO膜63には、貫通孔69を形成する。この貫通孔69は、湿度センサ64が外気に触れるための孔であり、この孔により湿度の検出が可能になる。尚、湿度センサ64をITO膜65上に配設して貫通孔69を設けることとするが、例えば、フィルム61上に埋め込んで当該フィルム61と一体的に形成することで、外気に触れるように構成してもよい。
【0041】
指紋センサ90は、指紋読取部50のフィルム52上に認証センサ部60を重畳して一体的に形成することで、指先Fの指紋の読み取りと、その読み取り時の読取条件の取得とを行う。即ち、認証対象者が指紋認証時に認証センサ部60に指先Fを当接すると、指紋読取部50により指先Fの指紋が読み取られて読取指紋データ82が生成されると共に、認証センサ部60によりその読み取り時の温度、湿度及び圧力といった読取条件が取得される。
【0042】
RAM80は、CPU10が実行するプログラムの実行に係る動的なデータ等を一時的に保持する記憶領域である。図1に示すようにRAM80は、指紋読取部50により読み取られ生成された指紋の画像データである読取指紋データ82と、検出データ84とを記憶する。検出データ84は、温度データ85、湿度データ87及び圧力データ89とを含み、温度センサ62、湿度センサ64及び圧力センサ66により取得された温度、湿度及び圧力のデータが記憶される。
【0043】
CPU10は、認証対象者の指先Fが当接された位置を、ITO膜63及び65が歪んで接触した位置から検出し、その位置に配された温度センサ62、湿度センサ64及び圧力センサ66から温度データ85、湿度データ87及び圧力データ89を取得して記憶する。これにより、認証対象者が指先Fの温度やその近傍の湿度、当該指先Fの押圧力を取得することとなる。
【0044】
記憶部70は、ROM(Read Only Memory)やフラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)等により構成され、初期プログラムやアプリケーションプログラム等の各種プログラム、当該プログラムの実行に係るデータ等を記憶する。
【0045】
図1によれば、記憶部70は、認証マスタファイル72を記憶している。認証マスタファイル72は、認証対象者から予め読み取った認証用指紋データ78を記憶するデータファイルであり、図4にそのデータ構成の一例を示す。図4によれば、認証マスタファイル72は、認証対象者毎に認証基準データ74と、認証用指紋データ78とを対応付けて記憶している。
【0046】
認証用指紋データ78は、予め読取条件の良い環境下(例えば、春や秋等の人が過ごし易い環境下)で採取した指紋の画像データある。認証基準データ74は、認証用指紋データ78の読み取り時に認証対象者から取得される当該認証対象者固有のデータである。CPU10は、認証基準データ74を基準として、撮像素子58の駆動する素子数の調整、或いは露出調整やゲイン調整を行って指紋読取部50の読み取り感度の補正を行う。
【0047】
また、認証基準データ74は、基準温度75、基準湿度76及び基準圧力77を含み、認証用指紋データ78の読み取り時に予め取得される。CPU10は、予め認証用指紋データ78を読み取ったときの温度データ、湿度データ及び圧力データを予め温度センサ62、湿度センサ64及び圧力センサ66から取得して、各データを基準として一定範囲の温度、湿度及び圧力を認証基準データ74の基準温度75、基準湿度76及び基準圧力77として記憶する。
【0048】
例えば、認証対象者Aの認証用指紋データ78の読み取り時に取得した温度データに対して一定範囲(例えば、±1℃)の範囲の温度(Ta1〜Ta2)を基準温度75として記憶し、また、取得した湿度データに対して一定範囲(例えば、±10%)の湿度(Ha1〜Ha2)を基準湿度76として記憶する。また、認証用指紋データ78の読み取り時に取得した湿度データに対して一定範囲(例えば、±0.5mbar)の圧力(Pa1〜Pa2)を基準圧力77として記憶する。そして、実際に指紋認証を行う際には、検出データ84と認証基準データ74とを比較し、その比較結果に基づいて指紋読取部50の読み取り時の感度の補正や、認証マスタファイル72に記憶している認証用指紋データ78と読取指紋データ82とが一致するか否かの判定処理を実行する。
【0049】
〔指紋認証装置の具体的な動作〕
次に、指紋認証装置1の具体的な動作について図5及び6を参照して説明する。図5及び6は、指紋認証装置1が記憶部70に記憶されたプログラムに従って実行する処理内容を示すフローチャートである。
【0050】
先ず、指紋認証装置1のCPU10は、入力部20の操作によりアプリケーションプログラムの起動開始の指示が入力されるまで待機し、当該起動開始の指示が入力されたことを検知した場合には(ステップS1;Yes)、図6に示す認証処理を開始する(ステップS3)。尚、認証処理の開始に伴って、指紋読取部50によってユーザの指紋を読み取るよう要求すると共に、ユーザにログイン名の入力を要求し、入力部20の操作により入力されたログイン名に基づいて認証対象者を特定する。また、このとき、指紋読取部50の撮像素子58を構成するCCD等のイメージセンサの素子数を半分だけ駆動して当該指紋読取部50の読み取り感度を設定する。
【0051】
図6に示す認証処理において、CPU10は、認証マスタファイル72に記憶された認証対象者の基準温度75を読み出し、温度センサ62によって取得された温度データ85(検出温度)がその基準温度75内であるか否かを判別する(ステップS11)。
【0052】
そして、検出温度が基準温度75内であると判別した場合には(ステップS11;Yes)、認証マスタファイル72に記憶された認証対象者の基準湿度76を読み出し、湿度センサ64によって取得された湿度データ87(検出湿度)が当該基準湿度76内であるか否かを判別する(ステップS15)。
【0053】
CPU10は、検出湿度が基準湿度76内であると判別した場合に(ステップS15;Yes)、更に、認証マスタファイル72に記憶された認証対象者の基準圧力77を読み出し、圧力センサ66によって取得された圧力データ89(検出圧力)が当該基準圧力77内であるか否かを判別する(ステップS19)。
【0054】
そして、検出圧力が基準圧力77内であると判別した場合には(ステップS19;Yes)、認証対象者の認証用指紋データ78を認証マスタファイル72から読み出し、この認証用指紋データ78と読取指紋データ82とが一致するか否かを判定する判定処理を実行する(ステップS23)。
【0055】
このように、検出温度、検出湿度及び検出圧力が、認証用指紋データ78の読み取り時に予め取得した基準温度75、基準湿度76及び基準圧力77それぞれの基準内であった場合、即ち、当該認証用指紋データ78の読み取り時と略同一の環境化で指紋認証を行う場合には、そのまま読取指紋データ82が認証用指紋データ78と一致するか否かの判定処理を実行する。
【0056】
一方、ステップS11において、検出温度が基準温度75内ではないと判別した場合(ステップS11;No)、CPU10は、基準温度75と検出温度との差分に基づいて指紋読取部50の読み取り感度を補正(ステップS13)した後に、ステップS15に処理を移行する。また、ステップS15において、検出湿度が基準湿度76内ではないと判別した場合には(ステップS15;No)、基準湿度76と検出湿度との差分に基づいて指紋読取部50の読み取り感度を補正(ステップS17)した後に、ステップS19に処理を移行する。
【0057】
例えば、ステップS13では、認証対象者Aから取得した検出温度がTa3(<Ta1)であった場合や、検出湿度がHa3(<Ha1)であった場合、指紋認証時の温度及び湿度が認証用指紋データ78の読み取り時の温度及び湿度よりも低くなる。この場合、認証対象者Aの指先Fの乾燥等により指紋認証時に読み取った指紋に擦れが生じている可能性があるため、CPU10は、図7に示すように検出温度から基準温度75を減算した差分や、検出湿度から基準湿度76を減算した差分を求める(ステップS131)。
【0058】
そして、その算出して求めた差分に基づいて段階的に変化する感度補正値を求め(ステップS132)、その感度補正値に応じて指紋読取部50の読み取りの感度を高めるように補正する(ステップS133)。読み取りの感度を高めるためには撮像素子58を構成するCCD等のイメージセンサの使用する素子数を増やすよう制御していく。例えば、基準温度75に対して検出温度が1℃高い場合は、駆動する撮像素子58の素子数を全体の素子数に対する3%ずつ増やし、基準湿度76に対して検出湿度が1%高い場合は、その素子数を全体の素子数に対する1%ずつ増やしていくことで、感度補正を行っていく(ステップS133)。尚、算出した差分に基づいた度合いで撮像素子58の露出の調整や、ゲイン調整により感度補正を行うこととしてもよい。
【0059】
また、認証対象者Aから取得した検出温度がTa4(>Ta2)であった場合や、検出湿度がHa4(>Ha2)であった場合、指紋認証時の温度及び湿度が認証用指紋データ78の読み取り時の温度及び湿度よりも高くなる。この場合、認証対象者Aの発汗等により指紋認証時に読み取った指紋に潰れが生じている可能性があるため、CPU10は、基準温度75から検出温度を減算した差分、基準湿度76から検出湿度を減算した差分に基づいて指紋読取部50の読み取りの感度を低めるように補正する。尚、指紋読取部50の読み取り感度を低める感度補正は、ステップS133の例として説明した処理内容と同様に駆動する撮像素子58の素子数を減らしていくことで実現可能であるため、その詳細な説明は省略する。
【0060】
このように、認証用指紋データ78を読み取った時点に認証対象者から取得しておいた認証基準データ74の温度及び湿度に基づいて、認証対象者毎の個体差に合わせて指紋読取部50の読み取り感度を適切に補正することができる。
【0061】
一方、ステップS19において、検出圧力が基準圧力77内ではないと判別した場合(ステップS19;No)、CPU10は、基準圧力77と検出圧力との差分に基づいて指紋読取部50の読み取り感度を補正した後に、ステップS23に処理を移行する。
【0062】
例えば、認証対象者Aから取得した検出圧力がPa3(<Pa1)であった場合、指紋認証時の指先Fの押圧力が認証用指紋データ78の読み取り時の押圧力よりも弱いと判別できるため、読み取った指紋に擦れが生じている可能性がある。このため、CPU10は、基準圧力77から検出圧力を減算した差分に基づいて指紋読取部50の読み取りの感度を高めるように補正する。この場合、差分となった圧力に基づいて駆動する撮像素子58の素子数を上述のステップS13と同様に増やしていくことで感度補正を行う。
【0063】
また、認証対象者Aから取得した検出圧力がPa4(>Pa2)であった場合、指紋認証時の指先Fの押圧力が認証用指紋データ78の読み取り時の押圧力よりも高いと判別できるため、読み取った指紋に潰れが生じている可能性がある。このため、CPU10は、検出圧力から基準圧力77を減算した差分に基づいて指紋読取部50の読み取りの感度を低めるように補正する。この場合、差分となった圧力に基づいて駆動する撮像素子58の素子数を減らしていくことで感度補正を行う。
【0064】
このように、認証用指紋データ78を読み取った時点に認証対象者から取得しておいた認証基準データ74の圧力に基づいて、認証対象者毎の個体差に合わせて適切に指紋読取部50の読み取り感度の補正を行うことができる。
【0065】
ステップS23において、認証用指紋データ78と読取指紋データ82とが一致しないと判定した場合(ステップS23;No)、CPU10は、指紋認証に失敗した旨のエラー報知を表示部30に表示させて(ステップS25)、図5のステップS1に処理を移行し、アプリケーションプログラムの起動開始の指示入力を待機する。
【0066】
また、認証用指紋データ78と読取指紋データ82とが一致すると判定した場合(ステップS23;Yes)、CPU10は、現在の日時が季節の変わり目であるか否かを判別する(ステップS27)。具体的には、例えば、予め3〜5月を春、6〜8月を夏、9〜11月を秋、12〜2月をと設定しておき、現在の日付が各季節の始め5日間内、又は終わり5日間内であった場合には、季節の変わり目であると判別する。
【0067】
CPU10は、季節の変わり目であると判別した場合は、RAM80に記憶している検出データ84で、認証マスタファイル72に記憶している認証対象者の認証基準データ74を上書きして更新する。具体的には、検出データ84の温度データ85で基準温度75を、湿度データ87で基準湿度76を、圧力データ89で基準圧力77をそれぞれ更新した後に(ステップS29)、認証処理を終了する。
【0068】
例えば、冬から春、春から夏にかけては指紋読取部50の補正の基準とする温度や湿度は高くなり、夏から秋、秋から冬にかけてはその基準となる温度や湿度は低くなる。このため、季節の変わり目であると判別した場合には、指紋読取部50の補正の基準を季節の変化に応じて更新していく。これにより、季節の変化により温度や湿度に変化が起きても、指紋認証の精度を保持することができる。
【0069】
CPU10は、認証処理を終了すると、ステップS23の判定処理に基づいて指紋認証がOKであっか否かを判別し(ステップS5)、認証OKであると判別した場合には(ステップS5;Yes)、ステップS1において起動開始の指示が入力されたアプリケーションプログラムを記憶部70から読み出して、当該プログラムに従った処理の起動を開始する(ステップS7)。また、認証NGであると判別した場合には(ステップS5;No)、ステップS1に処理を移行する。
【0070】
以上、本実施形態によれば、指紋読取部50と一体的に認証センサ部60を形成することで、指紋認証時に、認証対象者固有のデータとして温度、湿度及び圧力の取得が可能であるため、これらのデータと、認証用指紋データ78を読み取った時点の認証基準データ74とに基づいて、指紋読取部50の読み取り感度を適切に補正することができる。
【0071】
また、認証対象者毎に認証基準データ74を予め取得しておき、当該認証基準データ74と検出データ84とに基づいて指紋読取部50の読み取り感度を補正するため、認証対象者毎の体温や指先Fの押圧力等の個人差が指紋認証に影響を与えることを防止できる。従って、指紋データを用いた個人認証の認証精度の向上を図ることができる。
【0072】
また、特に光学式に指紋を読み取る指紋読取部50は、指紋との間に水が入ると光の散乱が変わるため、濡れた指先Fの指紋の読み取り精度は低下するが、湿度センサ64によって取得された湿度データ87に基づいて当該指紋読取部50の読み取り感度を補正することができるため、その読み取り精度の低下を防止することができる。
【0073】
尚、上述した実施形態は本発明を適用した一例であり、その適用可能な範囲は上述したものに限られない。例えば、生体情報を用いた個人認証を、指紋データを用いて行うこととして説明したが、CCDカメラや赤外線カメラ等により網膜を読み取って行う網膜認証や、認証対象者の顔の特徴を抽出して行う顔認証、声の音声データを読み取って行う声紋認証に適用することとしてもよい。
【0074】
例えば、顔形による個人認証、いわゆる顔認識を行う場合は、CCDカメラ等により認証対象者の顔画像を撮影して画像データを生成し、当該画像データにエッジ検出等の画像処理を施すことで顔の特徴を抽出して顔形のデータを読み取る。また、顔認証を行う際に、温度センサにより気温を測定・検出し、この検出温度と、認証用のデータを予め取得した際の温度とをカメラの読み取り感度を補正する。
【0075】
例えば、検出温度が高い場合には、認証対象者の顔色が赤らんでいたり、日焼けにより色黒になっている可能性があるため、撮影して読み取った画像データのホワイトバランスを調整する画像処理を施すことで、その画像データを補正した後に顔形のデータを読み取る。これにより、顔認識の認証精度の向上を図ることができる。
【0076】
また、例えば、声紋認証の際に、認証対象者から取得した温度及び湿度が低かった場合に、認証対象者の声が風邪などで擦れたり荒れたりしている推測して、マイクから入力した音声データの雑音除去等の補正を加えることとしてもよい。また、網膜認証の際に、認証対象者から取得した温度及び湿度が低かった場合に、認証対象者の眼が乾燥して充血していると推測して、CCDカメラで読み取った眼の画像データに充血を除去する画像処理で補正を加えることとしてもよい。このように、様々な生体情報を用いた個人認証において、認証対象者から取得した読取条件と、認証用に生体情報を予め読み取った際の読取条件とを比較することで、認証対象者毎の個体差に応じた各種補正を行うことで、認証精度を高めることができる。
【0077】
また、検出圧力と基準圧力77とを比較し、その比較結果に応じて、指先Fの押圧力を強めたり弱めたりするよう認証対象者に指示することとしてもよい。例えば、検出圧力が基準圧力77よりも一定レベル以上大きかった場合には、指紋読取部50の読み取り感度を補正したとしても、潰れた指紋データを読み取る可能性があるため、認証対象者に指先Fの力を弱めるようメッセージを表示部30に表示する。
【0078】
また、検出圧力が基準圧力77よりも一定レベル以上小さかった場合には、指紋読取部50の読み取り感度を補正したとしても、擦れた指紋データを読み取る可能性があるため、認証対象者に指先Fの力を強めるようにメッセージを表示部30に表示する。これにより、より適切な指紋データを読み取ることができるようになるため、指紋認証の精度を高めることができる。
【0079】
また、ステップS13、S17及びS21の各ステップにおいて、指紋読取部50の読み取り感度を補正することとしたが、例えば、検出温度、検出湿度及び検出圧力それぞれと、基準温度75、基準湿度76及び基準圧力77とを比較した結果の組み合わせに基づいて指紋読取部50の読み取り感度を補正することとしてもよい。
【0080】
具体的には、基準温度75、基準湿度76及び基準圧力77それぞれと比較して基準以上となった検出温度、検出湿度及び検出圧力の数に応じて指紋読取部50の読み取り感度を段階的に低めることとしてもよい。また、基準温度75、基準湿度76及び基準圧力77それぞれと比較して基準以下となった検出温度、検出湿度及び検出圧力の数に応じて指紋読取部50の読み取り感度を段階的に高めることとしてもよい。
【0081】
また、季節の変わり目であった場合に、認証マスタファイル72の認証基準データ74を更新することとしたが、例えば、月単位で更新することとしてもよいし、その更新のタイミングを認証対象者が指定することとしてもよい。認証対象者が指定する場合には、ステップS27において、認証対象者の更新指示が入力部20の操作により入力された際に、認証基準データ74を更新する。これにより、指紋読み取り時の指先Fの力加減の変化や、指先Fの指紋の状態の変化(例えば、薬品による指紋の摩耗)に合わせて認証基準データ74を更新することができる。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】指紋認証装置の機能構成の一例を示すブロック図。
【図2】指紋センサの機能構成の一例を示す図。
【図3】温度センサ、湿度センサ及び圧力センサの配置例を示す図。
【図4】認証マスタファイルのデータ構成の一例を示す図。
【図5】指紋認証装置の具体的な動作を説明するためのフローチャート。
【図6】認証処理の処理内容を説明するためのフローチャート。
【図7】指紋読取部の感度を補正する処理を説明するためのフローチャート。
【符号の説明】
【0083】
1 指紋認証装置
10 CPU
50 指紋読取部
58 撮像素子
60 認証センサ部
62 温度センサ
63 ITO膜
64 湿度センサ
66 圧力センサ
70 記憶部
72 認証マスタファイル
74 認証基準データ
75 基準温度
76 基準湿度
77 基準圧力
78 認証用指紋データ
80 RAM
82 読取指紋データ
84 検出データ
85 温度データ
87 湿度データ
89 圧力データ
90 指紋センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
認証対象者から予め読み取った生体情報と、その読み取り時に当該認証対象者から取得した読取条件とを対応付けて記憶する記憶手段と、
前記認証対象者から生体情報を読み取る読取手段と、
認証時における前記読取手段の読取条件を前記認証対象者から取得する取得手段と、
この取得手段により取得された読取条件と、前記記憶手段に記憶された読取条件とを比較する比較手段と、
この比較手段による比較の結果に基づいて、前記記憶手段に記憶された生体情報と、前記読取手段により読み取られた生体情報とが一致するか否かを判定する判定処理を実行する認証手段と、
を備えることを特徴とする認証装置。
【請求項2】
前記比較手段による比較の結果、前記取得手段により取得された読取条件と、前記記憶手段に記憶された読取条件とが一致しなかった場合、その比較の結果に基づいて前記読取手段の読み取り感度を補正する補正手段を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の認証装置。
【請求項3】
前記認証手段は、
前記比較手段による比較の結果、前記取得手段により取得された読取条件と、前記記憶手段に記憶された読取条件とが略一致した場合に前記判定処理を実行し、一致しなかった場合に、前記補正手段による読み取り感度の補正後に前記読み取られた生体情報と、前記記憶手段に記憶された生体情報とが一致するか否かを判定する判定処理を実行することを特徴とする請求項2に記載の認証装置。
【請求項4】
前記認証手段は、
前記補正手段による読み取り感度の補正後に前記読み取られた生体情報と、前記記憶手段に記憶された生体情報とが一致するか否かを判定する判定処理を行って、一致したと判定した場合、前記取得された読取条件で前記記憶手段に記憶された読取条件を記憶更新することを特徴とする請求項3に記載の認証装置。
【請求項5】
前記読取手段は、
前記認証対象者の指紋を読み取る指紋読取手段を有し、
前記取得手段は、
指紋認証時における前記認証対象者の体温、湿度及び押圧力の少なくとも何れか一つを読取条件として取得する指紋読取条件取得手段を有することを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の認証装置。
【請求項6】
コンピュータを、
認証対象者から予め読み取った生体情報と、その読み取り時に当該認証対象者から取得した読取条件とを対応付けて記憶する記憶手段、
認証対象者から生体情報の読み取る読取手段、
認証時における前記読取手段の読取条件を前記認証対象者から取得する取得手段と、
この取得手段により取得された読取条件と、前記記憶手段に記憶された読取条件とを比較する比較手段、
この比較手段による比較の結果に基づいて、前記記憶手段に記憶された生体情報と、前記読取手段により読み取られた生体情報とが一致するか否かを判定する判定処理を実行する認証手段、
として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−264958(P2007−264958A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−88226(P2006−88226)
【出願日】平成18年3月28日(2006.3.28)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】