誘導加熱を使用してプラスチック容器の一部分を再形成するための方法および装置
プラスチックパッケージの一部分を誘導加熱を使用して再形成するための装置および機械。この装置および機械は、このプラスチック容器を係合する枠、および導電性ワークピースを有するワークピース支持体を備える。誘導ワークヘッドは、交流電源を誘導素子に提供する。この誘導素子は、このワークピース支持体のワークピースの近くに配置され、そして誘導によってこのワークピースを加熱する。機構が、プラスチックパッケージを加熱されたワークピースの近くに配置し、これによって、このワークピースが、このプラスチックパッケージの一部分に熱を移動させ、これによって、この部分を軟化させる。このフレームに支持された形成ダイが、この部分を係合して、この部分を再形成する。この装置および機械を形成して、プラスチックパッケージの一部分を誘導加熱を使用して再形成するプロセスもまた、提供される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本願は、2009年4月7日に出願された米国仮特許出願番号61/167,344の利益および優先権を主張する。この米国仮特許出願の内容は、本願に参考として援用される。
【0002】
(技術分野)
本発明は、一般に、プラスチック容器に関し、そしてより特定すると、プラスチック容器、および最も特定すると、ブロー成形されたプラスチック容器の一部分を再形成するための方法(すなわちプロセス)および装置に関する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
プラスチック容器のキャップ付けプロセスは代表的に、その容器の上側部分(例えば、口栓部)が、厳密な寸法公差に合うことを必要とする。この必要な公差を達成するために、これらの容器の上側部分は通常、射出成形プロセスを使用して(例えば、これらの容器を射出ブロー成形することにより)製造される。しかし、他の型のブロー成形(例えば、押し出しブロー成形)と比較すると、射出ブロー成形プロセスは、空洞に対する生産高が非常に不利である。さらに、射出ブロー成形はしばしば、高価な注入マニホールドを必要とし、そして繊細な注入プロセスを包含する。
【0004】
容器を作製する別の方法によれば、予め構成された上側部分(例えば、口栓部)を有する予備成形品が、射出成形により作製される。引き続いて、この予備成形品の下部から、容器がブロー成形される。しかし、この上側部分は、この予備成形品に付与される熱に起因して、ブロー成形中にひずみ得る。このことは、予め構成された上側部分を公差外にし得る。
【0005】
プラスチック容器を押し出しブロー成形するプロセスは代表的に、単層または複数層のプラスチック材料の管を押し出す工程、対向する金型部分間にこの管を挟む工程、この管に気体を吹き込んでこの金型キャビティの輪郭にする工程、この型を開く工程、この容器を取り出す工程、およびこの容器の口栓部の端部をトリミングする工程を包含する。このトリミング操作は、この口栓部からのばりまたはモイルの除去を包含し得る。このトリミングされた材料は、廃棄され得るか、あるいはプロセス粉砕再生可能材料として再利用され得る。
【0006】
別の例示的な押し出しブロー成形操作において、トリミング操作は、端と端とを付けて成形された2つの容器の分離を包含し得る。いずれの場合においても、トリミング操作は、後に容器の蓋との密封係合のための、不均一な端部表面を残し得る。さらに、容器の口栓部の端部表面は、金型型割線の継ぎ目を有し得、これは、容器の蓋との密封係合に有害な影響を与え得る。これらの不均一または一貫しない端部表面の特徴はまた、誘導シールに影響を与え得る。誘導シールは代表的に、容器を満たした後に金属の真っ直ぐな円板を容器の端部表面に誘導溶接して、満足な容器シールを得ることを包含し得る。
【0007】
これらの欠点に取り組む目的で、この容器の口栓部の端部表面を加熱された磨き工具と接触させることによって、この口栓部の端部表面を磨くことが提唱されている。この容器の口栓部の端部表面と接触すると、この工具は同時に、この口栓部の端部を、そのプラスチック材料の特定の軟化温度まで加熱し、そしてこの端部表面を改変して、金型型割線の継ぎ目、不均一なトリミング、および他の成形後の不完全さを排除する。このプロセスもまた、特定の欠点を有する。
【0008】
例えば、容器の口栓部の加熱されたプラスチックは、加熱された磨き工具に粘着する傾向を有し得る。所望の温度をこの工具の磨き表面において得るように、この磨き工具の温度を制御することもまた困難である。さらに、効果的な磨きはしばしば、容器または磨き工具のうちの一方が他方に対して回転させられて、所望の効果を達成することを必要とする。このような回転は、さらなるプロセス変数を誘導し、その結果として、製造速度に影響を与える。したがって、加熱されたプラスチックが磨き工具に粘着する傾向は、しばしば必要とされる回転工程および工具の磨き表面温度を制御することの困難性と一緒になって、工具と表面との最適な接触時間(すなわち、滞留時間)を決定および制御することを困難にする。滞留時間(この間に、磨き工具が口栓部の端部と接触する)、およびさらなるプロセス変数は、所望の製造速度を達成するために、最小にされるべきである。それにもかかわらず、多くの用途において、磨きは、実用的な製造サイクル時間を達成するために充分なプラスチックを操作することができない。
【0009】
上に概説した欠点に対する別の提唱された解決策は、容器が最初に形成された後に、口栓部を再形成することである。この解決策において、この容器は加熱されて、再形成を必要とする容器の部分を軟化させ、次いで、工具がこの軟化した部分と接触させられる。代表的に、赤外線(IR)加熱ランプトンネルまたはヒーターバンドを使用して、熱が付与される。IR放射線は、可視光の波長(400nm〜700nm)より長いがテラヘルツ放射線の波長(100μm〜1mm)およびマイクロ波の波長(約30,000μm)より短い波長の、電磁放射線である。赤外放射線は、およそ3桁(750nm〜100μm)にわたる。
【0010】
このIR再形成プロセスもまた、特定の欠点を有する。IRランプは一般に、容器の上側部分シール表面(すなわち、TSS)のみを加熱する。このことは、このネックの内径を形作る目的で、熱がこの口栓部を通って移動しなければならないことを意味する。この加熱プロセス中に、この口栓部は変形し、そして設計仕様外の容器を与え得る。局所化した加熱のために特殊な形状にされたIRランプ(円形、正方形など)を製造することが可能である。これを行うことの欠点は、その費用である。あつらえのランプは、非常に高価である。ランプはまた、繊細であり、このことは、製造環境における主要な問題である。壊れたランプは、ランプの交換に起因するライン停止時間を生じ、割れたガラスを掃除することを必要とし、そしてガラスが製品に混入する場合、製品回収を促し得る。IRランプ加熱はまた、比較的長いサイクル時間を必要とし、高い機械費用を課す。
【0011】
要約すると、従来の押し出しブロー成形技術を使用して所望の許容レベルを達成する目的で、容器は代表的に、何らかの型の切断、打ち抜き、またはトリミングの操作を受けなければならない。これらの操作は、必要とされる寸法公差を生じさせるために信頼性があることは示されてもいない。これらの操作および他の操作(例えば、再形成)は、最近の費用効果的な製造プロセスにおいて要求される、短縮されたサイクル時間のための必要性を満たしていない。切断、打ち抜き、またはトリミングの別の欠点は、破片の生成である。破片を生成する操作を受けたあらゆるパッケージは、一連の洗浄工程を受けなければならない。このことは、そのラインにおける余剰な設備をもたらす。これはまた、全てのプラスチック破片がそのパッケージから除去されていない場合、顧客の不満および製品回収をもたらす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
従って、従来の解決策の欠点を克服する、改善された方法、装置および容器が、当該分野において依然として必要とされている。プラスチック容器を形成および再形成するために適用される現在の解決策の欠点を克服するために、新たな装置、機械、およびプロセスが提供される。本発明の目的は、プラスチックパッケージ(例えば、容器)を製造するために必要とされるサイクル時間を短縮する(すなわち、製造生産の速度を増大させる)ことである。関連する目的は、切断操作、打ち抜き操作、トリミング操作、または磨き操作を排除するか、または少なくとも最小にすることである。別の目的は、実用的なサイクル時間で操作され得るプラスチックの量を増大させ、これによって、この技術の可能な用途を拡張することである。
【0013】
本発明のなお別の目的は、プラスチックパッケージを製造するために使用される機械の費用および複雑さを低下させることである。さらなる目的は、従来の解決策において見出されるIRランプおよびヒーターバンドの代用品を見つけることである。本発明のなお別の目的は、パッケージの正確な領域を非常に迅速に加熱して、この領域が効率的なサイクル時間で再変形し得るようにすること(すなわち、熱エネルギーの方向付けまたは集束)である。関連する目的は、加熱の正確な領域の調節を可能にして、特定の用途の特定の要件に合うことである。なお別の目的は、広範な種々の容器および他のプラスチックパッケージを、誘導加熱を使用して再形成することに適用するために充分な融通性を有する装置、機械、および方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
(発明の簡単な要旨)
これらおよび他の目的を達成するため、ならびにこれらおよび他の要件を満たすため、その目的を考慮して、本発明は、プラスチックパッケージの一部分を誘導加熱を使用して再形成するための装置および機械を提供する。この装置および機械は、このプラスチック容器を係合する枠、および導電性ワークピースを有するワークピース支持体を備える。誘導ワークヘッドは、交流電源を誘導素子(例えば、コイルまたはロッド)に提供する。この誘導素子は、このワークピース支持体のワークピースの近くに配置され、そして誘導によってこのワークピースを加熱する。機構が、プラスチックパッケージを加熱されたワークピースの近くに配置し、これによって、このワークピースが、このプラスチックパッケージの一部分に熱を移動させ、これによって、この部分を軟化させる。このフレームに支持された形成ダイが、この部分を係合して、この部分を再形成する。
【0015】
本発明はまた、この装置および機械を使用して、プラスチックパッケージの一部分を誘導加熱を使用して再形成する方法を提供する。この方法は、以下の工程を包含する。最初に、再形成されるべき部分に不連続性を有するプラスチックパッケージが提供される。誘導ワークヘッドが活性化されて、交流電流を、ワークピースの近くに配置された誘導素子に送達し、これによって、このワークピースを誘導により加熱する。プラスチックパッケージが、この加熱されたワークピースの近くに配置され、その結果、このワークピースが、このプラスチックパッケージの一部分に熱を移動させ、これによって、この部分を軟化させる。最後に、形成ダイがこの軟化した部分を係合して、この不連続性を補正する。
【0016】
本発明はまた、この方法を使用して再形成されたプラスチックパッケージ(代表的に、容器)を包含する。このプラスチックパッケージの再形成されるべき部分は、しばしば、このプラスチックパッケージの口栓部である。この口栓部は、種々の可能な口栓部(弾丸型、目盛り付き、PET(頭字語PETは、プラスチックのポリエチレンテレフタレートを表し、しばしば、瓶などの容器を製造するために使用される)、平坦なTSS、家庭用薬品−自動車(HCA)アセンブリ、または内側に折り曲げられた注ぎ口が挙げられる)のうちの任意のものであり得る。
【0017】
上記一般的な説明と、以下の詳細な説明との両方は、本発明の例示であり、限定ではないことが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本発明は、添付の図面と一緒に読むと、以下の詳細な説明から最良に理解される。一般的な慣習に従い、図面の種々の特徴は縮尺で製図していないことが強調される。逆に、種々の特徴の寸法は、明瞭さのために、自由裁量によって拡大または縮小される。図面には、以下の図面が含まれる。
【図1】図1は、本発明に従う例示的な実施形態の主要な構成要素を図示する、試験装置の概念図である。
【図2】図2は、ワークピースが円板である本発明の一実施形態を示す。
【図3】図3は、本発明に従う例示的な実施形態の主要な構成要素を図示する、製造装置の概念図である。
【図4】図4Aは、本発明に従う、プラスチック容器の一部を再形成するためのプロセスの第一の例示的な実施形態の第一工程を示す。図4Bは、本発明に従う、プラスチック容器の一部を再形成するためのプロセスの第一の例示的な実施形態の第二工程を示す。図4Cは、本発明に従う、プラスチック容器の一部を再形成するためのプロセスの第一の例示的な実施形態の第三工程を示す。図4Eは、本発明に従う、プラスチック容器の一部を再形成するためのプロセスの第一の例示的な実施形態の第四工程を示す。図4Eは、本発明に従う、プラスチック容器の一部を再形成するためのプロセスの第一の例示的な実施形態の第五工程を示す。
【図5A】図5Aは、本発明に従う、プラスチック容器の一部を再形成するための第二の例示的な実施形態の第一工程を示す。
【図5B】図5Bは、本発明に従う、プラスチック容器の一部を再形成するための第二の例示的な実施形態の第二工程を示す。
【図5C】図5Cは、本発明に従う、プラスチック容器の一部を再形成するための第二の例示的な実施形態の第三工程を示す。
【図5D】図5Dは、本発明に従う、プラスチック容器の一部を再形成するための第二の例示的な実施形態の第四工程を示す。
【図6】図6は、本発明に組み込まれる磁気ヒステリシス誘導加熱の原理を示す。
【図7】図7Aおよび7Bは、誘導(磁)場に供された磁性物体に対する異なる誘導周波数の影響を示す。
【図8】図8は、例示的な素材(ニッケル)に特徴的な磁気が、温度が上昇するにつれて、どのようにゼロ(非磁性)に近付くかを示す。
【図9】図9は、異なる素材が異なるキュリー点を有することを示す。
【図10】図10Aは、本発明のプロセスの四つの基本工程の各々を完了するために必要とされる時間の長さを示す時間割である。図10Bは、(a)本発明のプラスチック容器のコンベヤによる送り出し、(b)本発明のプロセスの四つの基本工程の各々を完了するために必要とされる装置の完全(360°)回転の量、および(c)再形成されたプラスチック容器のコンベヤへの装置による送り出しを示す概略図である。
【図11】図11は、本発明の別の実施形態に従う、連続動作再形成機械の上面から見た配置図を示す。
【図12】図12は、図11に示される再形成機械の再形成ステーションによって移動される経路における第一遷移点を詳細に示す。
【図13】図13は、図11に示される再形成機械の再形成ステーションによって移動される経路における第二遷移点を詳細に示す。
【図14】図14は、図11に示される再形成機械の再形成ステーションによって移動される経路における第三遷移点を詳細に示す。
【図15】図15は、導入軌道を強調した、図11に示される再形成機械の斜視図である。
【図16】図16は、冷却システムを強調した、図11に示される再形成機械の斜視図である。
【図17】図17は、本発明のなお別の実施形態に従う、連続動作再形成機械の正面から見た配置図を示す。
【図18】図18Aは、再形成されるべき容器の方向に熱を発する、図17に示される再形成機械のプレートを図示する概略図である。図18Bは、容器を係合した、図17に示される再形成機械の形成ダイを図示する概略図である。
【図19】図19は、容器が本発明に従って再形成される前(左)および再形成された後(右)の両方の容器を拡大図で示す。
【図20】図20は、2つの容器が頭部を付き合わせて一緒に単一のプラスチックユニットへと成型される、従来の容器成型装置によって作製された代表的な中間プラスチック製品を示す。
【図21】図21は、図20に示される単一のプラスチックユニットから切断して、分離された容器への誘導加熱の適用を示す概略図である。
【図22】図22A〜22Iは、本発明の装置、機械および方法によって可能となる、再形成技術の発展させた実現可能な用途のいくつかを示す。
【図23】図23は、6つの異なる容器の口栓部(neck finish)に対する再形成機械の実施形態のうちの2つの適用を示す図表である。
【図24】図24Bは、容器が本発明に従って再形成される前の弾丸型の容器の口栓部の拡大図であり、図24Aは、容器が本発明に従って再形成された後の同じ弾丸型の容器の口栓部の拡大図である。
【図25】図25Bは、容器が本発明に従って再形成される前の、平らなTSSの容器の口栓部の拡大図であり、図25Aは、容器が本発明に従って再形成された後の同じ平らなTSSの容器の口栓部の拡大図である。
【図26】図26Bは、容器が本発明に従って再形成される前の、目盛付きの容器の口栓部の拡大図であり、図26Aは、容器が本発明に従って再形成された後の同じ目盛付きの容器の口栓部の拡大図である。
【図27】図27Bは、容器が本発明に従って再形成される前の、PETの容器の口栓部の拡大図であり、図27Aは、容器が本発明に従って再形成された後の同じPETの容器の口栓部の拡大図である。
【図28】図28は、スピントリムスタイル(spin trim style)で仕上げられた容器の上側部分を示す。
【図29】図29は、本発明に従う再形成技術の第一の代替法を適用した後の、図28に示される容器の上側部分へと取り付けられた注ぎ口(spout)の断面図である。
【図30】図30Aは、本発明に従う再形成技術の第二の代替法の適用の間に上側部分が柔らかくされた後の、図28に示される容器の上側部分への取り付け直前の注ぎ口の断面図である。図30Bは、本発明に従う再形成技術の第二の代替法に従って構成要素が組み立てられた後の、図30Aに示される注ぎ口と容器の上側部分とを示す断面図である。
【図31】図31Aは、内側に折り曲げられた注ぎ口(inverted spout)を有する容器を作製するために使用される、本発明に従う再形成技術の第三の代替法の第一工程を示す。図31Bは、本発明に従う再形成技術の第三の代替法の第二工程を示す。図31Cは、本発明に従う再形成技術の第三の代替法の第三工程を示す。図31Dは、本発明に従う再形成技術の第三の代替法の最終工程を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(発明の詳細な説明)
ある文において、本発明は、プラスチックパッケージの一部分を誘導加熱を使用して加熱して再成形する。わずかに敷衍すると、本発明は、パッケージの口栓部(TSS、内部表面、または外部表面)、ハンドル、あるいは他の特定の領域を、再形成を必要とする表面を高温(約1,400°F〜2,000°F)に上昇させた金属ワークピースに暴露することによって、再形成することに適用され得る。このワークピースは、高周波数磁場を使用して加熱される(誘導加熱)。
【0020】
本発明の装置およびプロセスの種々の実施形態が、以下に詳細に記載される。これらの装置およびプロセスは、誘導加熱の付与を考慮するので、誘導加熱の原理の議論が次に続く。例示的なプロセスが記載されて、本発明により達成されるサイクル時間の有利な短縮を強調する。連続再形成機械の数個の実施形態が記載される。最後に、本発明の装置およびプロセスは、再形成技術の可能な用途を拡張する。このような用途の数個の例が要約される。
【0021】
(A.装置)
ここで図面を参照すると、図面において、同じ参照番号は、図面を構成する種々の図にわたって同じ要素を表し、図1は、本発明の主要な構成要素を図示する、試験装置10の単純な図示である。プラスチック容器50は、上側部分52および本体54を備える。示される例示的な実施形態において、プラスチック容器50は、容器(例えば、飲料容器)の形状であり、そして上側部分52と本体54とは、ネック56により分離されている。上側部分52は、蓋(例えば、金属蓋、フィルムの層(例えば、熱シールまたは接着されるフィルム)、スナップオン蓋、または二重巻締金属蓋)を受容するように適合および構成され得るが、他の構成が可能である。
【0022】
当業者は、プラスチック容器50、上側部分52、またはこれらの両方が、他の形態をとり得ることを知り、理解する。例えば、プラスチック容器50は、代替的に、ボール(例えば、スープ皿)であり得、そして上側部分52は、代替的に、ねじ切りされた口栓部を備え得るか、もしくはシール用途のための他の幾何学的形状を特徴とし得る。本発明はまた、シール用途に限定されない。むしろ、本発明は、整列または組み立てのための特徴を備える。本発明の利点の1つは、あつらえの特徴が、パッケージ全体の機能を補助する他の構成要素(注入される注ぎ口、ポンプ、投薬量計量デバイスなど)の整列または組み立てのために製造され得ることである。この融通性は、新たな用途を広げる。なぜなら、本発明は、厳密な公差およびこれらのデバイスと相互作用することが必要とされる特徴を提供し得るからである。特徴のいくつかの例は、とりわけ、めねじ、スナップビーズ、回転防止特徴、および整列のための溝である。しかし、説明の目的で、上側部分52が強調される。
【0023】
上側部分52は代表的に、プラスチック容器50のブロー成形中(例えば、押し出しブロー成形中)に形成される。上側部分52は、さらにかまたは代替的に、例えばプラスチック容器50がブロー成形された後に行われるトリミング中または他の操作中に、形成または改変され得る。あるいは、上側部分52は、再加熱ブロー成形プロセスまたは射出/押し出し/ブロー成形プロセスを使用して作製されたプラスチック容器50に対して、例えば射出成形プロセスまたは圧縮成形プロセスに関連して形成され得る。あるいは、上側部分52は、射出成形された予備成形品に関連して形成され得、この場合、上側部分52は、この予備成形品の射出成形中に予め構成される。
【0024】
本発明は、プラスチック容器50の一部分(例えば、上側部分52)を再形成する方法および装置10を提供する。上側部分52は、例えば、キャップ付けプロセスまたはシールプロセスのために必要とされる形状および寸法公差を提供するように、再形成され得る(再形成の工程を、容器50の切断、打ち抜きまたはトリミングの工程(これらの工程は代表的に、処分されるべき材料の破片を生成する)、あるいは磨きの工程(この工程は、ある量のプラスチック材料を、効率的な製造プロセスのために充分に迅速に操作しない)から区別すること)。この方法は、プラスチック容器50の再形成されるべき部分を、誘導加熱を使用して加熱することにより軟化させて、元の熱源を生成する工程を包含る。
【0025】
装置10は、ネッククランプ22を有する枠20を備える。ネッククランプ22は、プラスチック容器50を係合し、そしてプラスチック容器50を固定された位置に保持しても、プラスチック容器50を操作(例えば、上昇もしくは下降)しても、いずれでもよい。枠20は、形成ダイ30を支持し、この形成ダイは、水冷され得る。形成ダイ30は、静止していてもよく、ワークピース支持体40に沿って(上下に)移動してもよい。ワークピース支持体40は、ヘッド42およびフット44を有する。設計の選択事項として、ワークピース支持体40は、静止していて(プラスチック容器50がワークピース支持体40に対して移動させられて)もよく、またはワークピース支持体40は、プラスチック容器50に近付く方向および離れる方向に移動してもよい。セラミックスリーブ32が、形成ダイ30とワークピース支持体40との間の絶縁体として提供される。
【0026】
誘導コイル60が、ワークピース支持体40のフット44に隣接して配置される。誘導コイル60は、誘導ワークヘッド62に接続される。他の構成要素のうちで、全て当業者の知識の範囲内であるので図示されないが、誘導ワークヘッド62は、交流(AC)電源を有する。誘導ワークヘッド62は、装置10の枠20に支持され得る。プログラム可能な論理制御装置(PLC)64は、装置10を操作するための電子部品を提供する。例えば、PLC 64は、装置10の操作中のタイミング順序を制御する。プラスチック容器50は、熱移動を5秒間受け得、次いで、形成ダイ30は、プラスチック容器50を3秒間係合し得る。これらのパラメータは、材料の型および操作を必要とする材料の量の関数として変動し得る。
【0027】
誘導コイル60は、図1に示されるように、ワークピース支持体40のフット44自体を加熱し得る(図4A〜図4Eもまた参照のこと)。この実施形態において、ワークピース(すなわち、誘導コイル60により加熱されるべき材料)は、ワークピース支持体40のロッド様の部分である。ロッド46は、好ましくは、金属から作製される。あるいは、ワークピースは、図2に示されるような円板48であり得る。円板48もまた、好ましくは、金属から作製され、そして有利には、熱がプラスチック容器50の再形成を最も効率的かつ迅速に可能にするような位置に、正確な量の熱を正確に配置するような形状にされ得る。
【0028】
図示される実施形態において、誘導コイル60は、ワークピース46、48を囲む。しかし、あつらえの形状の誘導コイル60を、ワークピース46、48を完全に囲むのではなく、ワークピース46、48の片側に配置することが可能である。このような配置は、ワークピース46、48を通る熱の伝導に起因して、ワークピース46、48が均一な温度になることに依存し得る。ワークピース46、48が大きいかまたは片側だけの形状である場合、ワークピース46、48は、均一な温度を達成することを確実にするために、回転され得る。ワークピース46、48の周囲ではなく横への誘導コイル60の配置は、製造機械の費用を低下させる。なぜなら、誘導コイル60は、回転する機械の部品(回転式タレット)にではなく、地面に(静止して)配置され得るからである。回転式タレットへの電気設備の配置は、電力および電気信号をこのタレットに移動させるために、回転結合器を必要とする。これらの結合器は、製造機械の複雑さおよび費用を増大させる。
【0029】
ワークピース46、48は、一旦、プラスチック容器50に近く近接させられると、放射加熱および対流加熱によって、プラスチック容器50に熱を移動させる。プラスチック容器50が熱を吸収するにつれて、このプラスチック容器は軟化する。このプラスチックが最適な温度に達した後に、形成ダイ30がこのプラスチックに接触する。形成ダイ30は、加熱されたプラスチックの最終的な形状を作製する。
【0030】
形成ダイ30は、冷却器(図16を参照のこと)による冷却を組み込み得、そしてまた、整列システム(図示せず)を組み込み得る。この整列システムは、形成ダイ30をワークピース支持体40に沿って配向させる。形成ダイ30に必要な仕上げ品質を与えるために、種々の技術(例えば、ポリシングおよびサンドブラスト)が使用され得る。形成ダイ30はまた、開始タイマーを組み込み得、これらの開始タイマーは、形成ダイ30の位置に基づいて、PLC 64に信号を送る。
【0031】
ワークピースを形成するために使用される材料は(このワークピースがロッド46であっても、円板48であっても、別の構成であっても)、注意深く選択されなければならない。種々の適切な材料が、以下で議論される。ワークピース46、48の幾何学的形状(例えば、外径、幅、長さ、厚さ)もまた重要であり、以下に議論される理由により、注意深く選択されなければならない。形成ダイ30と同様に、ワークピース46、48もまた、開始タイマーを組み込み得、これらの開始タイマーは、ワークピース46、48の位置に基づいて、PLC 64に信号を送る。
【0032】
図3は、本発明の製造装置10’の1つの実施形態を図示する。装置10’の枠20全体は、中心線24の周りで回転し得る。このような回転は、装置10’へのプラスチック容器50の効率的な給送、装置10’におけるプラスチック容器50の加工、および装置10’からのプラスチック容器50の取り出しを容易にする。容器整列ホルダ58が、プラスチック容器50を枠20に対して整列させて保持する。
【0033】
第一のカム26a、第二のカム26b、および第三のカム26cが、装置10’の種々の構成要素を動かすために提供される。例えば、第一のカム26aは、ネッククランプ22をプラスチック容器50と係合させたり脱係合させたりするように動かし得る。第二のカム26bは、形成ダイ30をプラスチック容器50と係合させたり脱係合させたりするように動かし得る。最後に、第三のカム26cは、ワークピース支持体40を、プラスチック容器50に近接させたり離間させたりするように動かし得る。第一のスライド28aおよび第二のスライド28bが提供される。カム26a、26b、および26cは、スライド28aおよび28bに沿って移動する。
【0034】
(B.プロセス)
本発明の装置10、10’を使用してプラスチック容器50を再形成するプロセスの2つの例示的な実施形態が、それぞれ図4A〜図4Eの5工程、および図5A〜図5Dの4工程で説明される。この5工程の実施形態において、プラスチック容器50は静止している。この4工程の実施形態において、ワークピース支持体40および誘導コイル60が静止しており、そしてプラスチック容器50が、装置10、10’の構成要素と係合および脱係合するように移動する。
【0035】
この5工程の実施形態の工程1が、図4Aに示されている。この工程において、プラスチック容器50は、装置10、10’の枠20に、従来の機構(例えば、コンベヤベルトおよび漏斗または取り上げアーム)を使用して装填される。工程2は、図4Bに図示される。工程2において、誘導コイル60にエネルギーが付与されて磁場を発生させ、この磁場が、誘導加熱によりワークピース(例えば、ロッド46)を加熱する。
【0036】
工程3は、図4Cに図示されている。工程3において、ワークピース支持体40が、プラスチック容器50の上側部分52内の位置まで下降させられ、その結果、ロッド46により放出される熱が上側部分52を軟化させる。参照番号53は、上側部分52の軟化した領域を図示する。図4Cに示されるように、ロッド46は、上側部分52の全長を加熱する。しかし、誘導コイル60およびロッド46(または円板48)は、プラスチック容器50の正確な領域(例えば、上側部分52の上4分の1のみ)を加熱するように設計されてもよい。
【0037】
工程4は、図4Dに図示されている。工程4において、形成ダイ30が、プラスチック容器50の上側部分52内の位置まで下降させられ、そして形成ダイ30が活性化される。形成ダイ30は、プラスチック容器50の上側部分52を形作り、プラスチック容器50に所望の口栓部を与える。ワークピース支持体40は、工程4において動かない。示される実施形態において、形成ダイ30は冷却され、その結果、形成ダイ30は、上側部分52を形成すると同時に上側部分52を冷却する。形成工程と冷却工程とを別々のプロセス操作に分離することが、もちろん可能である。
【0038】
工程5は、図4Eに図示されている。工程5において、形成ダイ30およびワークピース支持体40は、形成ダイ30およびワークピース支持体40を上昇させることによって、プラスチック容器50の上側部分52から取り除かれる。次いで、再形成されたプラスチック容器50は、装置10、10’から取り外され得る。次いで、装置10、10’は、別のプラスチック容器50を受け入れてこの容器に作用する準備ができている。
【0039】
本発明の装置10、10’を使用してプラスチック容器50を再形成するプロセスの4工程の実施形態が、図5A〜図5Dに図示されている。工程1は、図5Aに図示されている。工程1において、プラスチック容器50は、装置10、10’の枠20に、従来の機構(例えば、コンベヤベルトおよび漏斗または取り上げアーム)を使用して装填される。プラスチック容器50は、基部支持体34上に載り得、そして整列ホルダ58によって整列させられ得る。プラスチック容器50が装填されると、ワークピース支持体40の円板48が、誘導コイル60を使用して、誘導によりその所定の温度まで加熱される。「所定の」とは、プロセスの開始前に所定の温度が決定(すなわち、選択されるかまたは少なくとも既知である)されなければならないように、予め決定されることを意味する。空気シリンダ36が提供されて、種々のカム(例えば、第二のカム26b)を種々のスライド(例えば、第一のスライド28a)に沿って駆動し得る。
【0040】
工程2は、図5Bに図示される。工程2において、プラスチック容器50は、プラスチック容器50の加熱されるべき部分(例えば、上側部分52)が円板48に隣接して位置するまで(矢印Aの方向に)上昇させられる。このように位置すると、円板48により放出される熱が、プラスチック容器50の再形成されることが望まれる部分を軟化させる。
【0041】
工程3は、図5Cに図示されている。工程3において、形成ダイ30が、プラスチック容器50の上側部分52内の位置まで(矢印Bの方向に)下降させられ、そして形成ダイ30が活性化される。形成ダイ30は、プラスチック容器50の上側部分52を形作り、プラスチック容器50に所望の口栓部を与える。示される実施形態において、形成ダイ30は冷却され、その結果、形成ダイ30は、上側部分52を形成すると同時に上側部分52を冷却する。
【0042】
工程4は、図5Dに図示されている。工程4において、形成ダイ30が上昇させられ、一方でプラスチック容器50が下降させられ、その結果、形成ダイ30およびワークピース支持体40は、プラスチック容器50の上側部分52から取り除かれる。次いで、再形成されたプラスチック容器50は、装置10、10’から取り外され得る。次いで、装置10、10’は、別のプラスチック容器50を受け入れてこの容器に作用する準備ができている。
【0043】
(C.誘導加熱の付与)
上で議論されたように、本発明は、誘導加熱の原理を組み込む。誘導加熱とは、製造用途のために、迅速かつ一貫した熱を提供する方法であり、金属または他の導電性物質の特性を変化させることを包含する。このプロセスは、材料内の誘導電流が熱を発生させることに依存する。誘導の基本的な原理は周知であるが、固相技術の最近の進歩は、誘導加熱を、加熱が関与する用途のための、顕著に単純な、費用効果のある方法にした。一般に、Scottsville,NY,USAのAmeritherm Inc.のウェブサイトwww.ameritherm.comを参照のこと。
【0044】
誘導加熱を使用して、導電性物体(通常は金属)は、電磁誘導により加熱され得る。2つの別々の加熱プロセス(渦電流および磁気ヒステリシス)が、活動し始め得る。渦電流は、金属内で発生し、そして抵抗が、この金属のジュール加熱をもたらす。誘導ヒーター(任意の目的のもの)は、電磁石からなり、この電磁石を通して、高周波数のACが流れる。熱はまた、有意な比透磁率を有する材料における磁気ヒステリシスの損失により発生し得る。使用されるACの周波数は、物体のサイズ、材料の型、(誘導コイルと加熱されるべき物体との間の)カップリング、および浸入深さに依存する。鉄およびその合金は、その強磁性の性質に起因して、誘導加熱に最もよく応答する。しかし、渦電流は、任意の導体において発生し得、そして磁気ヒステリシスは、任意の磁性材料において発生し得る。
【0045】
磁気ヒステリシス誘導加熱の原理が、図6に図示されている。図6は、縦座標軸(垂直軸または「Y」軸)に沿った材料の磁化(M)および横座標軸(水平軸または「X」軸)に沿った印加磁場強度(H)を有するグラフである。H軸に沿って配置された四角形により示されるように、電子(矢印により表される)は、磁場の付与がない場合、無作為に配向する。開始の際に、誘導電磁場(磁場)は、正電荷を発生させ、この正電荷は、正に荷電した電子をこの電磁場から強制的に離す(図6の右上の四角形内の配向した電子を参照のこと)。誘導電磁場を負電荷に反転させると、このグラフの左下において、正に荷電した電子はこの電磁場に引き付けられる(図6の左下の四角形内の配向した電子を参照のこと)。誘導電磁場の電荷(正および負)を連続的に変化させることによって、電子の動き(押される動きから引かれる動きへ)は、原子レベルで摩擦熱を発生させる。このグラフにより図示され、電磁場の逆転により形成されるループは、ヒステリシスループである。
【0046】
誘導加熱システムの基本的な構成要素は、AC電源(誘導ワークヘッド62に組み込まれる)、誘導コイル60、およびワークピース(すなわち、加熱されるべき材料であり、例えば、ロッド46または円板48)である。誘導ワークヘッド62の電源は、誘導コイル60を通して交流電流を送り、磁場を発生させる。AC電源は、低電圧であるが非常に高い電流および高い周波数の電気を提供する。ワークピース46、48が誘導コイル60(これは、電源により駆動される)内に配置されると、磁場がワークピース46、48内に渦電流を誘導し、誘導コイル60とワークピース46、48との間での物理的接触が全くなしで、正確な量の、クリーンな局所化した熱を発生させる。
【0047】
磁場の周波数とこの磁場がワークピース46、48に浸入する深さとの間に、関係が存在する。低い周波数(5kHz〜30kHz)が、深い熱浸入を必要とするより厚いワークピース材料に対して効果的である。高い周波数(100kHz〜400kHz)は、より小さいワークピース材料または浅い浸入に対して効果的である。最も高い周波数(例えば、480kHz)は、微視的ワークピース材料に対して効果的である。周波数が高いほど、加熱速度が高くなる。従って、プロセス設計者は、容器50の特定の部分の厚さを改変して、その厚さを再形成プロセスパラメータに調和させ得、そして所望の結果を得ることができる。
【0048】
図7Aおよび図7Bは、誘導(磁)場に供される磁性物体に対する異なる誘導周波数の影響を示す。ヒステリシスループ内の総面積は、その物体(例えば、ワークピース46、48)により吸収されるエネルギー(熱)の量を表す。誘導磁場の周波数を最適化することによって、ワークピース46、48に入る熱の量が増大し得る。その結果は、励起所要時間の短縮であり、より小さい誘導ワークヘッド62の使用を可能にし、費用を低下させる。
【0049】
ヒステリシスの影響に起因して、磁性材料は、誘導加熱により、非磁性材料より容易に加熱される。磁性材料は、当然、誘導コイル60内で迅速に変化する磁場に抵抗する。得られる摩擦は、渦電流加熱に加えて、ヒステリシス加熱を生じる。高い抵抗を有する金属は、高い透磁率を有するといわれ、透磁率は、磁性材料について、100から500まで変動し得る。非磁性材料は、1の透磁率を有する。
【0050】
図8は、例示的な材料(ニッケル)の磁性特徴が、温度が上昇するにつれて0(非磁性)にどのように近付くかを図示する。磁性材料がその磁性特性を失い、非磁性になる温度は、その材料の「キュリー」点として公知である。ヒステリシス加熱は、材料の「キュリー」点未満の温度で起こる。図9は、異なる材料が異なるキュリー点を有することを示す。ワークピース46、48について、高いキュリー点を有する材料を選択することによって、本発明の再形成プロセスのサイクル時間が短縮され得る(もちろん、このことは、加熱されるべきプラスチック材料によって決定される特定の温度まで当てはまる。一旦、この温度を超えると、その材料は軟化するよりむしろ、火がつき得る)。
【0051】
ワークピース46、48内での誘導電流の流れは、表面において最も強く、そして表面より下では急激に衰える。従って、外側は、内側より速く加熱される。ワークピース46、48において生成する熱のうちの約80%が、外側「スキン」において生成する。これは、ワークピース46、48の「スキン深さ」と記載される。スキン深さは、抵抗が低下する場合、透磁率が増加する場合、または周波数が増加する場合に、減少する。
【0052】
要約すると、ワークピース46、48における高い透磁率およびキュリー温度未満の温度が、有用である。温度差、質量、および比熱もまた、ワークピース46、48の加熱に影響を与える。誘導加熱のエネルギー移動は、誘導コイル60とワークピース46、48との間の距離と結び付けられる。エネルギー損失は、ワークピース46、48からワークピース支持体40への熱伝導、自然な対流、および熱放射によって、起こる。特定の用途について考慮されなければならない特徴のうちでもとりわけ、必要とされる温度変化の程度;ワークピース46、48の質量、厚さ、比熱、および電気的特性;誘導コイル60の設計のカップリング効率;ならびにワークピース支持体40への熱伝導、対流、および放射に起因する熱損失である。特定の用途のために適切な誘導コイル60は、3.175m1〜4.7625mmの直径の銅チュービングから作製され得、そして流体で冷却され得る。直径、形状、および巻き数は、効率および電磁場パターンに影響を与える。
【0053】
広範な材料が、特定の用途に依存して、ワークピース46、48を形成するために適切であり得る。鉄は、1つの適切な材料である。いくつかの用途において、ハイブリッドまたは複合ワークピース46、48(鉄などの金属のバンドまたはコアを有する、プラスチックまたはセラミックのワークピース46、48)を作製することもまた可能であり得る。
【0054】
本発明の装置10、10’は、従来の再形成機械のIRランプおよびヒーターバンドを、誘導加熱で置き換える。このような置き換えは、再形成機械の費用および複雑さをかなり減少させる。具体的には、本発明の誘導加熱プロセスを実行するために使用される装置10、10’の費用は、IRランプまたはヒーターバンドを組み込む従来の機械の費用の、約半分である。
【0055】
(D.プロセスの最適化)
多量のプラスチックを高速で移動させることは、困難である。長いサイクル時間は、従来、最近のブロー成形製造設備に遅れないようにするために、大きい高費用の機械をもたらす。従って、上記のように、本発明の目的は、パッケージ(例えば、プラスチック容器50)を再形成するために必要とされる全体のサイクル時間を、加熱プロセスおよび冷却プロセスを短縮することによって、改善することである。この加熱プロセスは、加熱されるワークピース46、48の最高温度を(もちろん、上記のようにある点まで)上昇させることにより、短縮される。この冷却プロセスは、形成ダイ30の温度を低下させることにより、短縮される。その結果、製造出力の速度が増大する。
【0056】
図10Aおよび図10Bは、1つの特定の用途において、本発明を使用して達成されるサイクル時間を図示する。図10Aは、本発明のプロセスの4つの基本的な工程(プラスチック容器50の給送、誘導によるワークピース46、48の加熱、次いで、プラスチック容器50の再形成されるべき部分の加熱、プラスチック容器50の再形成および冷却、ならびに再形成されたプラスチック容器50の送り出し)の各々を完了するために必要とされる時間の長さを示す、時間割である。図10Bは、(a)コンベヤ70によるプラスチック容器50の本発明の装置10、10’への送達、(b)このプロセスの4つの基本的な工程の各々を完了するために必要な、装置10、10’の全(360°)回転の量、および(c)装置10、10’による再形成されたプラスチック容器50のコンベヤ70への送達を示す概略図である。
【0057】
図10Aおよび図10Bは、この特定の用途について、このサイクルの約20%でありちょうど2秒間が、給送、冷却、および送り出しの工程の各々を完了するために必要であったことを示す。このサイクルのちょうど40%より多く、約5秒間が、このプロセスの加熱プロセスを完了するために必要とされた。この例において、ちょうど12秒未満の全サイクル時間が達成された。より具体的には、約7秒間が、プラスチックを加熱し、これを所望の形状に再形成し、そして冷却するために必要とされた。
【0058】
誘導加熱はまた、熱がパッケージの正確な領域に移動され、この領域が効率的なサイクル時間以内で再形成され得るので、サイクル時間を短縮する。誘導は、金属ワークピース(例えば、ロッド46または円板48)を、1,400°Fより高い温度まで迅速に加熱し得る。次いで、この金属ワークピースは、その熱を、放射または対流によって、プラスチック容器50に移動させる。誘導加熱は、熱エネルギーが、パッケージの正確な領域に方向付けられるか、集束されるか、または指向されることを可能にして、この領域を加熱し、一方で、このパッケージの残りの部分を比較的加熱されない状態のままにする。加熱されるべき正確な領域は、他の事項のうちでもとりわけ、ワークピース46、48の設計(例えば、厚さまたは幾何学的形状)を変化させることによって、調節され得る。あるいは、またはさらに、熱反射マスクまたは絶縁体が容器50に付けられて、容器50のマスクされたかまたは絶縁された特定の領域の加熱を妨げ得るか、または最少にし得る。
【0059】
最後に、本発明の焦点は、容器50を再形成する際に、特定の加工工程後の容器の特徴である不連続性112および他の傷を解消することであるが、本発明は、このように限定されない。例えば、本発明の誘導加熱は、容器50の一部分を選択的に加熱して、その部分の材料特性を規定し得る。このような材料特性としては、結晶性、硬度、堅さなどが挙げられ得る。従って、容器50の1つの部分の材料特性は、同じ容器50の他の部分の材料特性と異なり得る。
【0060】
(E.連続再形成機械)
図11には、本発明の別の実施形態に従う連続動作再形成機械100の配置図が示される。機械100は、複数のプラスチック容器50を再形成するために、商業的な製造環境において使用されるために適合される。機械100は、定置枠20上に配置された移動キャリア74上に配置された複数の再形成ステーション72を有する。図11には、28個の再形成ステーション72が示される;製造用途に依存して、より多いか、またはより少ない数の再形成ステーション(例えば、14個の再形成ステーション)が適切である。再形成ステーション72は、キャリア74に対して位置が固定される。この実施形態では、各再形成ステーション72は、ネッククランプ22、形成ダイ30、ワークピース支持体40および(例えば、円板48として示される)ワークピースを備える。
【0061】
ユーザまたはオペレータ12は、機械100の機能を制御し得る。図11に示されるように、オペレータ12は、インターフェース66と相互に作用(interact)し、次いで、このインターフェース66がPLC 64に接続される。オペレータ12は、タッチスクリーンモニタ68を通じて、PLCへの指令を入力し、そして、PLCから情報を受け取ることができる。
【0062】
PLC 64は、機械100の機能操作を制御する常駐ソフトウェアを実行する、マイクロプロセッサベースのデバイスである。(パーソナルコンピュータのようなPLC 64についての適切な代替物は当業者に公知である。)種々の機械要素とPLC 64との間の通信は、有線、無線、または、有線通信と無線通信の両方の組み合わせによるものであり得る。無線通信は、機械100のような回転する機械上の構成要素の制御には特に有益である。なぜなら、これらの通信は、構成要素が互いに対して移動する、回転式インターフェースを通して電気信号を伝えるための、複雑な回転式の接触子の必要性を回避するからである。PLC 64へのフィードバックは、位置情報および他の状態に関連する情報を提供するために必要に応じて配置および位置決めされた、マイクロスイッチおよび光学センサのような種々のセンサによって提供される。
【0063】
枠20上に保持されると、キャリア74は、閉鎖経路Pの周りを時計回りの方向に(すなわち、矢印Cの方向に沿って)再形成ステーション72を移動させる。好ましくは、経路Pは、円形またはいくつかの他の形状ではなく、楕円形である。円形または他の形状は可能であるが、楕円形構造の1つの利点は、機械100上の再形成ステーション72の数が、特定の生産量(output)を達成するために、比較的容易に増減され得る点である。生産量は、加熱調整時間および冷却時間によって決定される。楕円形の経路Pを使用することにより、機械100の長さは、ほとんど設計を改めることなく、再形成ステーション72を追加するために増加させられ得る。経路Pが円形(round or circular)であった場合、このような修正はさらなる設計の時間を必要とする。なぜなら、より多くの再形成ステーション72を追加することが、経路Pの直径、および経路Pの画定するタレットを増加させるからである。タレットがより大きいということは、荷重がより大きいということを意味し、ベアリングおよび枠組みがそれに応じて設計を改める必要があるということを意味する。
【0064】
入力コンベヤ70は、再形成されることが望ましい容器50を送りねじ76に送り出す。送りねじ76は、コンベヤ70から容器50を移動させ、そして、再形成ステーション72が経路Pの周りを回転するにつれ、容器50を、次の利用可能な再形成ステーション72によって掴まれるように位置決めする。具体的には、次の利用可能な再形成ステーション72のネッククランプ22は、容器50を係合し、そして掴んで、容器50を送りねじ76から移動させる。
【0065】
経路Pは、遷移点P1、P2およびP3によって、(物理的ではなく概念的に)セクションに分けられ得る。遷移点P1の直前では、経路Pは、導入軌道80によって形成される導入セクションを含む。導入軌道80は、一連のブロック84によって所定の位置に保持された、一対の曲線状の平行な軌道壁82を有する(図15を参照のこと)。壁82は、好ましくは、銅管によって形成され、そして、壁82の内部の開口部を通って流れる冷却水を有し得る。ブロック84もまた、好ましくは銅から形成される。ブロック84は、軌道80をガラス繊維ボード86上の所定の位置に保持し、軌道80によって生成される磁場が、軌道80に近い他の金属物体を加熱することを防止する。誘導ワークヘッド(workhead)62は、導入軌道80に接続され、そして、AC電源を有する。上述したように、誘導ワークヘッド62は、軌道80内に磁場を生じ、その結果、円板48は、軌道80の磁場を通過する際に加熱される(図15を参照のこと)。注目すべきことは、軌道80が、インデックス(indexing)コイルではないことである;むしろ、軌道80は、円板48が加熱されるにつれて、連続的に移動することを可能にする。
【0066】
図12に詳細に示される遷移点P1では、再形成ステーション72およびその円板48は、円板48が加熱された状態(すなわち、約1,400〜1,500°Fの温度)で軌道80を出る。下側カム機構88は、ネッククランプ22を起動させ、その結果、ネッククランプ22が、送りねじ76から容器50を掴み、そして、容器50を、加熱された円板48の近くに位置決めする。次に、上側カム機構90が、加熱(柔らかく)され、そして再形成されるべき容器50の部分に近接する位置に加熱された円板48を下降させる。遷移点P1と遷移点P2との間(ここは、経路Pの「加熱」セクションと呼ばれ得る)では、円板48は、容器50を加熱するために所定の位置に留まる。代表的には、再形成ステーション72は、遷移点P1から遷移点P2まで移動するのに約3秒かかるが、この時間は、用途に依存して変動し得る。
【0067】
図13に詳細に示される遷移点P2では、上側カム機構90が、形成ダイ30を、容器50の柔らかくされた部分と接するように下降させる。この動作はまた、円板48を容器50の本体54内へとさらに下降させる。(あるいは、別の実施形態では、円板48は、形成ダイ30が容器50と接触するように下降させられる前に、容器50の上方に、容器50から離れるように動かされ得る。)遷移点P2と遷移点P3との間(ここは、経路Pの「再形成」セクションと呼ばれ得る)では、形成ダイ30は、容器50を再形成するために所定の位置に留まる。代表的には、再形成ステーション72は、遷移点P2から遷移点P3まで移動するのに約1.5秒かかるが、この時間は、用途に依存して変動し得る。円板48および容器50はともに、再形成セクションに沿って移動するときに、熱を失い、そして、冷え始める。
【0068】
再形成ステーション72が、図14に詳細に示される経路Pの遷移点P3に到達すると、上側カム機構90は、形成ダイ30、円板48およびワークピース支持体40を容器50から外に上昇させる。同時に、下側カム機構88が、ネッククランプ22を開いて容器50を出力コンベヤ70上に解放し、そして、誘導再形成プロセスを完了する。第二の送りねじ(図示されず)は、容器50がネッククランプ22から取り外されることを保証し、そして、容器50のピッチを約22.9cm(9インチ)から約11.4cm(4.5インチ)まで狭め得る。経路Pのこのセクションは、出力セクションと呼ばれ得る。
【0069】
図14に示されるように、容器50が出力コンベヤ70上に配置された後、再形成ステーション72は、出力セクションを離れ、そして、再度、経路Pの導入セクションへと向かう。円板48が経路Pの導入セクションに再度入るときには、円板48は、代表的に、円板48が導入軌道80から出て経路Pの加熱セクションに入ったときに獲得した約1,400〜1,500°Fの温度から、約1,200°Fの温度まで冷却されている。代表的には、再形成ステーション72は、導入セクションを移動するのに約0.6秒かかる、すなわち、導入軌道80が円板48を約1,200°Fから約1,400〜1,500°Fまで再度加熱するためには約0.6秒かかる。(円板48は、本発明の誘導加熱を用いた場合、最初に、約15〜60秒で室温から約1,400〜1,500°Fまで加熱され得る。)。
【0070】
まとめると、経路Pのセクションは、ワークピース(例えば、円板48)を加熱するための導入セクション、再形成されるべき容器の部分を柔らかくするための加熱セクション、形成ダイが再形成されるべき部分を係合する再形成セクション、そして、再形成された容器が機械100を離れ、再形成ステーション72が導入セクションに戻る出力セクションを含む。経路Pの周りでの再形成ステーション72の連続的な絶え間のない閉鎖ループの循環的な動きは、実用的で、費用効率の高い再形成プロセスを実現する。
【0071】
機械100はまた、再形成ステーション72の各々に冷却剤(好ましくは、水)を運ぶ冷却システムを備える。図16に示されるように、冷却システムは、冷却剤の供給源を提供する冷却塔92を備える。冷却システムはまた、複数の可撓性の管94(4つが図示される)を備える:この管94のうちの2つが、冷却剤を再形成ステーション72へと運び、そして、この管のうちの2つが、再形成ステーション72から冷却剤を除去する。管94は、経路Pの周りでの再形成ステーション72の動きを可能にするために可撓性である。再形成ステーション72の各々には、冷却剤を形成ダイ30へと運び、そして、形成ダイ30から冷却剤を除去するために複数のホース96が設けられる。ホース96もまた、ホース96が取り付けられる構成要素の動きを可能にするために可撓性である。
【0072】
図17は、本発明の機械100の別の実施形態の配置図を示す。示される実施形態では、平らな誘導加熱プレート102が、円板48に取って代わる。再形成ステーション72は、これより前に記載した実施形態と同様に、経路Pの周りを移動する。容器50は、矢印Dの方向に沿って、給送(infeed)タレット108まで送り出される。給送タレット108は、次いで、容器50をトリミングタレット110へと送り出し、このトリミングタレット110では、容器50がトリミングされる。代表的には、トリミングタレット110は、連続動作トリマー、裁断機の刃、または、トリミング操作を行う別の従来の機構(図示されず)を含む。トリミング操作はしばしば、容器50のTSSに不連続部112(例えば、図19に図示されるような、突出部、鋭利な縁など)を残す;言い換えると、容器50のTSSは平らではない。TSSは平らであることが望ましい。
【0073】
機械100によって実施される再形成操作は、この不連続部112を取り除き、TSSを平らにすることによって、この問題を解消し得る。フット44も円板48も、平らでないTSSの問題を解消するために、容器50のTSSの下の部分を加熱するために必要とされない;むしろ、プレート102で十分である。図17に示されるように、プレート102は、経路Pの所定の距離に沿って提供される。プレート102の長さは、プレート102から容器50のTSSへと所望される量の熱の移動が達成されるに十分な時間、各容器50がプレート102の下を移動するように選択される。プレート102は、約1,400〜1,500°Fの温度まで熱くなり、そして、熱の比較的均一もしくは一様な分布を有する材料から作製される。プレート102は、プレート102内に形成された穴に挿入された、複数の加熱ロッド104(1つのみが示される)を有する。ロッド104は、誘導ワークヘッド62に接続され、そして、誘導ワークヘッド62から交流を受容し、それによって磁場を生じ、この磁場が、誘導によってプレート102(すなわち、この実施形態におけるワークピース)を加熱する。プレート102は、約2.5〜3.1cm(すなわち、1.0〜1.25インチ)の厚みを有し、長方形の形状である。一度再形成されると、容器50は、出力コンベヤ70上で機械100を出る。
【0074】
図18Aおよび18Bは、不連続部112を解消する際のプレート102の操作を、概略的な形式で示す。図18Aでは、プレート102は、矢印Eの方向に、容器50のTSSに向けて熱を発する。一度TSSが柔らかくなると、形成ダイ30は、容器50のTSSを係合して、TSSを図18Bに示されるように再形成する。図19は、容器50が再形成される前(左)および容器50が再形成された後(右)の両方の、容器50のTSSに焦点を当てる(示される拡大図の円を参照のこと)ことによって、その解消策を示す。図19の左側は、容器50が不連続部112を有することを示し;図19の右側は、不連続部112が克服され、所望されるとおりの平らなTSS 144を生じていることを示す。
【0075】
図20は、従来の容器成型装置によって作製された、代表的な中間プラスチック製品を示す。最初に、2つの容器50が、頭部を付き合わせて一緒に単一のプラスチックユニット120へと成型される。本発明に従う機械100の一実施形態を使用すると、(a)ユニット120を切って2つの別個の容器50にし;そして(b)容器50を再形成して、望ましくない不連続部112を除去するために必要とされる二つの工程は、誘導加熱を使用して、1つの機械100上で連続して実施され得る。
【0076】
図21を参照すると、単一のプラスチックユニット120は、機械100へと送り出される。次に、単一のプラスチックユニット120は、トリミングタレット110(または、当業者によって知られる同様のデバイス)において、その別々の容器50へと切断される。次に、誘導加熱された円板48が容器50の各々に近接するように動かされると、別々のネッククランプ22が、それぞれの容器50を掴む(図21に示されるように)。一対のスライド122が、円板48を、それぞれ矢印FおよびGの方向に沿って、容器50と近接するように動かし、次いで、逆の動きによって、近接位から離れるように動かす。一度容器50が柔らかくされると、形成ダイ30は、(上述したように)容器50を係合し、そして、再形成し得る。
【0077】
特定の用途においては、形成ダイ30は、容器50を再形成するために必要ではない可能性がある。例えば、不連続部112は、切断操作の間に生成される鋭利な縁であり得る。容器50に向けられた熱の適用は、さらなる再形成構造を用いることなく、鋭利な縁を球状にビーディングさせ得る。
【0078】
他の用途においては、成型プロセスを本発明の再形成プロセスとを組み合わせることが可能であり得る。代表的には、容器50(再形成を必要とするもの)は、容器50の成型プロセスの間に加えられた潜在性の熱を保持した状態で型を出る。このような潜在性の熱は、容器50がその型を出た後直ぐに再形成プロセスが開始する場合、効率の増大と、サイクル時間の減少を助長するために使用され得る。具体的には、誘導加熱されたワークピース(例えば、円板48)は、型から出た直後の加熱された容器50について、容器50を所定の再形成温度まで至らせるのに、冷却された容器50よりも短い時間を要する。
【0079】
例えば、1つの用途において、再形成プロセスは、容器50が約200〜230°Fの温度を有することを必要とする。この温度範囲は、プラスチックの迅速な移動を可能にするに十分であり、処理をスピードアップする。しかしながら、この範囲は、プラスチックが変形する温度より低く、そして、プラスチックが器具に張り付く傾向のある温度よりも低い。容器50が200°Fでその型を出た場合、ワークピースからのさらなる熱はほとんど必要とされないか、または全く必要とされない。
【0080】
(F.例示的な用途)
本発明の装置10、10’および本発明の再形成機械100の誘導加熱、ならびに、本発明の方法は、実用的なサイクル時間で操作され得るプラスチックの量を増加させる。この利点は、かなりの量のプラスチックを迅速に操作することができない従来の研磨(burnishing)プロセスとは対照的である。さらに、研磨は、代表的に、円形のパッケージに限定されており、そして、プラスチックパッケージの口栓部のみに集中している。本発明は、非円形の口栓部の形を作り変え、円形の口を非円形の口に変え、そして、パッケージの他の領域を操作することが可能である(すなわち、本発明は、パッケージの口栓部領域に限定されない)。それゆえ、本発明の装置10、10’、本発明の再形成機械100、および、本発明の方法は、再形成技術の実現可能な用途を拡大する。以下の用途の例は、本発明の全体的な性質をより明確に実証するために含まれる。これらの例は、本発明を例示するものであり、本発明を限定するものではない。
【0081】
図22Aおよび22Bは、それぞれ、本発明の装置10、10’、本発明の再形成機械100、および、本発明の方法が、滑らかなTSSまたは弾丸型の口を形成するためにスピントリムを容易にし得ることを示している。図22Cによって示されるように、本発明の装置10、10’、本発明の再形成機械100、および、本発明の方法は、プラグシールのための、目盛り付きの口栓部をブロー成形されたパッケージに適用し得る。図22Dおよび22Eは、本発明の形成ダイ30が、プラスチックパッケージ上に任意の所望されるオーダーメードの特徴(例えば、図22Dに示される注ぎ口の特徴)をおよそ形成し得ることを示す。このような形成は、切断操作および切断されたプラスチックのトリミング屑(trim)の除去を排除する。
【0082】
いくつかの特定のオーダーメードの特徴は強調表示(highlighting)を認める。本発明の装置10、10’、本発明の再形成機械100、および、本発明の方法は、成形されたプラスチックパッケージの修正の間に、形成ダイ30の接触面上に刻印もしくはエンボス加工された特徴を含めることによって、独特な三次元特徴を追加し得る。このような特徴は、偽物のパッケージの検出、または、パッケージの美的外観を変更するための機構を提供する。
【0083】
同様に、パッケージの成形された部分の修正の間に、形成ダイ30の接触面上に転写可能な要素を含めることによって、転写可能な要素がプラスチックパッケージに加えられ得る。このような転写可能な要素(例えば、装飾的な粒子)は、パッケージの美的外観を変更し得る。転写可能な要素(例えば、無線周波数認証すなわちRFIDデバイス)はまた、偽物のパッケージの検出のための特徴を提供し得るか、または、個々のパッケージのより有効かつ効率的な追跡を可能にし得る。過去に、個々のパッケージの追跡は一般に、個々のパッケージに添付されたラベル上に印字された独特のバーコード識別記号を用いてなされた。しかしながら、バーコードラベルを用いた追跡は、適切なスキャンのために特定の容器の方位を必要とし得、さらなるプロセスの変数を導入する。
【0084】
図22Fは、本発明の装置10、10’、本発明の再形成機械100、および、本発明の方法が、プラスチックパッケージ上に外部特徴を圧縮形成するために使用され得ることを示す。このような外部特徴の1つの具体的な例は、スクリューキャップの内径にある対応するねじ山と嵌合するように適用された外部ねじ山である。外部特徴の別の例は、キャップの望ましくない取り外しを防ぐか、または少なくとも阻止するために一般に使用される、安全機構(例えば、ランプ、タブ、ラッチなど)である。本発明は、外部のねじ山について達成され得る寸法の公差を改善する。
【0085】
図22Gは、本発明の装置10、10’、本発明の再形成機械100、および、本発明の方法が、特定のブロー成形されたパッケージについて、内側に折り曲げられた注ぎ口を形成するために使用され得ることを示す。このような内側に折り曲げられた注ぎ口は、代表的に、滴下および漏れを最小限にするために、洗濯用洗浄剤の容器において使用される。図22Hは、本発明の装置10、10’、本発明の再形成機械100、および、本発明の方法が、真っ直ぐなネックを持つパッケージを角度のついたネックを持つパッケージへと再形成するために使用され得ることを示す。
【0086】
最後に、図22Iは、本発明の装置10、10’、本発明の再形成機械100、および、本発明の方法が、プラスチックパッケージの特定の領域を再形成するために使用され得ることを示す。示される具体的な例において、ブロー成形されたPET容器のプラスチックは、取っ手になるように処理されているのが示される。図22Iに示される用途は、ブロー成形されたPET素材に限定されない;むしろ、素材は、2段階の延伸−ブローされたPETであってもよく、さらにより一般的には、他のプラスチックであってもよい。
【0087】
図23は、上述の再形成機械100の実施形態のうちの2つの、6つの異なる容器口栓部への応用を示す図表である。容器50の口栓部としては、以下が挙げられる:(1)弾丸型、(2)目盛り付き、(3)平らなTSS、(4)HCAアセンブリ、(5)PETおよび(6)内側に折り曲げられた注ぎ口。HCAアセンブリを持つ容器50は、代表的に、製品を分配するためのディスペンサまたは注ぎ口特徴(pour feature)を有する。これらは代表的に、容器50へと取り付けられる必要がある射出成形部品である。取り付けは、部品が適切に合わさり、漏れないことを確実にするために、厳格な公差または特別な特徴を必要とする。本発明に従う再形成プロセスのうちの2つの主要な工程は、図23の図表の別々の列に列挙される。すなわち、(a)ワークピース支持体40上の円板48を用いるか、プレート102を用いるか、または、(必要に応じて)構成要素のいずれかを用いて、口栓部を加熱する工程;そして(b)形成ダイ30を用いて口栓部を冷却および形成する工程。
【0088】
口栓部のいくつかは、いくつかの型のワークピースを用いて再形成され得る。例えば、弾丸型の口栓部は、円板48を用いて(図23における1つの選択肢、すなわち、「OPT 1」)、そして、プレート102を用いて(図23における第二の選択肢、すなわち、「OPT 2」)、再形成され得る。
【0089】
他の口栓部は、好ましいワークピースを介した再形成に対してより受容力がある。例えば、目盛り付きの口栓部およびPETの口栓部は、円板48を介した再形成に対してより受容力がある。円板48はまた、内側に折り曲げられた注ぎ口の構成のようなオーダーメードの再形成プロジェクトに特によく適している(以下の詳細な検討を参照のこと)。一方で、平らなTSSの口栓部およびHCAアセンブリの口栓部は、プレート102を用いて再形成され得る。
【0090】
図24Bは、容器が本発明に従って再形成される前の弾丸型の容器の口栓部の拡大図であり、図24Aは、容器が本発明に従って再形成された後の同じ弾丸型の容器の口栓部の拡大図である。図25Bは、容器が本発明に従って再形成される前の、平らなTSSの容器の口栓部の拡大図であり、図25Aは、容器が本発明に従って再形成された後の同じ平らなTSSの容器の口栓部の拡大図である。図26Bは、容器が本発明に従って再形成される前の、目盛付きの容器の口栓部の拡大図であり、図26Aは、容器が本発明に従って再形成された後の同じ目盛付きの容器の口栓部の拡大図である。図27Bは、容器が本発明に従って再形成される前の、PETの容器の口栓部の拡大図であり、図27Aは、容器が本発明に従って再形成された後の同じPETの容器の口栓部の拡大図である。示される4つの場合の各々において、本発明の再形成プロセスは、再形成プロセスの適用前には口栓部に存在していた不連続部112を修正した。
【0091】
ここで、本発明に従う再形成技術の1つの特定の用途について検討する。この用途は、図22Gに示される注ぎ口のような、内側に曲げられた注ぎ口の形成である。3つの代替法にハイライトが置かれ、この各々がこの技術を使用している。
【0092】
第一および第二の代替法の両方において、プロセスは、容器50の上側部分52の口栓部を、スピントリムスタイルの仕上げに変えることによって開始する。図28は、このような仕上げを示しており、ハイライトボックス124を有する容器50が図28の右側に示され、そして、ハイライトボックス124内に含まれる上側部分52が、図28の左側に拡大される。この新しい仕上げは、上側部分52にフープ強度を追加し、トリミングタレット110によって適用される裁断機による切断の質の改善に役立つ。また、第一および第二の代替法の両方において、容器50は、トリミングタレット110を用いてトリミングされる。トリミング操作は、代表的に、不連続部112(図19、左側を参照のこと)のもととなる。
【0093】
この時点で、内側に折り曲げられた注ぎ口を形成するための、本発明に従う再形成技術の適用の最初の2つの代替法は分かれる。第一の代替法では、容器50の上側部分52は、誘導によって加熱されたワークピース(例えば、円板48)を、冷却された形成ダイ30と組み合わせて使用して、再形成される。この再形成プロセスの結果は、図19の右側に示される上側部分である。すなわち、不連続部112が修正されている。次に、内部にねじ山を設けられた廃液戻し型(drain back)の注ぎ口130は、図29に示されるように、別のデバイスを用いて上側部分52内に取り付けられる。
【0094】
第二の代替法において、容器50の上側部分52は、誘導によって加熱されたワークピース(例えば、円板48)を用いて柔らかくされる。しかしながら、冷却された形成ダイ30を適用するのではなく、上側部分52のプラスチックが柔らかい間に注ぎ口130が上側部分52の上に取り付けられる。この取り付け工程は図30Aに示される。このように、上側部分52の加熱と、注ぎ口130の取り付けとが、1つの機械を用いて完了され得る。この結果は図30Bに示され、不連続部112の修正が示されている。最初の2つの代替法の各々において、トリミング操作(これはしばしば品質の劣った切断の結果となる)の後に望ましくない不連続部112を形成する過剰の材料は、上側部分52と注ぎ口130との間で、容器50内に押し戻される。
【0095】
最後に、内側に折り曲げられた注ぎ口を形成するための、本発明に従う再形成技術の適用の第三の代替法について検討する。図31Aは、この代替法の第一工程を示し、ここでは、成形プロセスの間に注ぎ口130を容器50と一体的に形成する。第二の工程では、トリミングタレット110(または、別の従来のトリミング構成要素)が容器50から注ぎ口130を切断して、2つの別々の構成要素を作製する。この第二の工程は図31Bに示される。第三の代替法の第三の工程では、図31Cに示されるように、容器50の上側部分52を柔らかくするために、誘導加熱されたワークピース(例えば、円板48)が容器50に近接して配置される。第三の代替法の最終工程は、図31Dに示される:注ぎ口130は、カム作動される形成ダイ(図示されず)を用いて内側に折り曲げられる。
【0096】
本発明の装置10、10’、本発明の再形成機械100、および、本発明の方法に適した用途は、上に特定された具体的な用途に限定されない。実行可能な用途のいくつかは、非円形の仕上げ、オーダーメードの注ぎ口特徴、組み立てのために使用される特徴などである。実行可能な用途はまた、ブロー成形されたプラスチック容器に限定されない;むしろ、熱形成された容器、射出形成された容器、および圧縮形成された容器のようなあらゆる型のプラスチック容器を包含する。本発明の装置10、10’、本発明の再形成機械100、および、本発明の方法は、例えば、軽量の、熱形成、射出形成または圧縮形成されたカップに、ねじ山または切れ込みの特徴を配置するために使用され得る。これにより、自社の製造技術が代表的には、パッケージが有し得る形状および切れ込みの数を制限する会社に対して代替法を提供する。熱形成を再形成と組み合わせることによって、このような会社は、ブロー成形よりも低い新事業開設費用(設備)および製造費用でパッケージを製造し得る。
【0097】
特定の実施形態および例に関して上に説明および記述してきたが、そうは言っても、本発明は、示される細部に限定されることは意図されない。むしろ、請求の範囲の作用域および等価物の範囲内で、かつ、本発明の趣旨から逸脱することなく、細部において多様な改変がなされ得る。例えば、特に、本文書中で広く記載される範囲は全て、その範囲内に、より広い範囲に含まれる、あらゆるより狭い範囲を包含することが意図される。
(項目1)
プラスチックパッケージの一部分を誘導加熱を使用して再形成するための装置であって、該装置は、
該プラスチックパッケージを係合する枠;
導電性ワークピースを有するワークピース支持体;
交流電源を提供する誘導ワークヘッド;
該誘導ワークヘッドに接続され、そして該誘導ワークヘッドから交流電流を受け取る誘導素子であって、該誘導素子は、該ワークピース支持体の該ワークピースの近くに配置され、そして該ワークピースを誘導により加熱する、誘導素子;および
該加熱されたワークピースの近くで該プラスチックパッケージを配置する機構であって、その配置の結果、該ワークピースが該プラスチックパッケージの該部分に熱を移動させ、これによって該部分を軟化させる、機構、
を備える、装置。
(項目2)
上記枠に支持された形成ダイをさらに備え、該形成ダイは、上記軟化した部分を係合して該部分を再形成する、項目1に記載の装置。
(項目3)
冷剤を送達して上記形成されたダイを冷却する冷却システムをさらに備える、項目2に記載の装置。
(項目4)
上記プラスチックパッケージの再形成されるべき部分が、該プラスチックパッケージの口栓部である、項目1に記載の装置。
(項目5)
上記ワークピースが、ロッド、円板、および平プレートのうちの1つ以上を備える、項目1に記載の装置。
(項目6)
上記ワークピースが金属である、項目5に記載の装置。
(項目7)
マイクロプロセッサベースのデバイスをさらに備え、該マイクロプロセッサベースのデバイスが、上記装置の機能操作を制御する常駐ソフトウェアを実行する、項目1に記載の装置。
(項目8)
上記プラスチックパッケージを切断するためのトリミングタレットをさらに備える、項目1に記載の装置。
(項目9)
プラスチックパッケージの一部分を誘導加熱を使用して再形成するための連続動作機械であって、該再形成されるべき部分が、不連続性を有し、そして該機械が、
交流電源を提供する誘導ワークヘッド;
移動キャリアを有する静止枠;
該移動キャリア上に配置された複数の再形成ステーションであって、各再形成ステーションは、誘導により加熱され得るワークピースおよび形成ダイを有し、該再形成ステーションは、連続的な無限の閉ループ経路の周りを移動し、該経路は、
(a)該誘導ワークヘッドに接続された導入トラックにより規定される導入セクションであって、該導入トラックは、該誘導ワークヘッドから交流電流を受け取り、そして磁場を発生させ、該ワークピースが該導入トラックに沿って移動するときに、該磁場が誘導により該ワークピースを加熱する、導入セクション、
(b)加熱セクションであって、該加熱セクションにおいて、該加熱されたワークピースが該プラスチックパッケージの再形成されるべき部分の近くに位置し、そして該部分を加熱する、加熱セクション、
(c)再形成セクションであって、該再形成セクションにおいて、該形成ダイが該プラスチックパッケージの該加熱された部分を係合して、該不連続性を補正する、再形成セクション;および
(d)該機械から該再形成されたプラスチックパッケージを取り出す出口セクション、
を備える、再形成ステーション;
を備える、機械。
(項目10)
上記経路が楕円形である、項目9に記載の機械。
(項目11)
各再形成ステーションが、上記プラスチックパッケージを保持および解放するためのネッククランプ、および上記ワークピースが配置されるワークピース支持体をさらに有する、項目9に記載の機械。
(項目12)
上記導入トラックが1対の銅チュービング壁を有する、項目9に記載の機械。
(項目13)
冷剤を送達して上記導入トラックおよび上記形成ダイのうちの一方または両方を冷却する冷却システムをさらに備える、項目9に記載の機械。
(項目14)
上記プラスチックパッケージの再形成されるべき部分が、該プラスチックパッケージの口栓部である、項目9に記載の機械。
(項目15)
上記ワークピースが金属である、項目9に記載の機械。
(項目16)
マイクロプロセッサベースのデバイスをさらに備え、該マイクロプロセッサベースのデバイスは、上記機械の機能操作を制御する常駐ソフトウェアを実行する、項目9に記載の機械。
(項目17)
上記プラスチックパッケージを切断するためのトリミングタレットをさらに備える、項目9に記載の機械。
(項目18)
プラスチックパッケージの一部分を誘導加熱を使用して再形成するための方法であって、
(a)再形成されるべき部分に不連続性を有するプラスチックパッケージを提供する工程;
(b)誘導ワークヘッドを活性化させて、ワークピースの近くに配置された誘導素子に交流電流を送達する工程であって、これによって、該ワークピースを誘導によって加熱する、工程;
(c)該プラスチックパッケージを該加熱されたワークピースの近くに配置する工程であって、これによって、該ワークピースが該プラスチックパッケージの該部分に熱を移動させ、これによって該部分を軟化させる、工程;および
(d)該軟化した部分を形成ダイと係合させて該不連続性を補正する工程、
を包含する、方法。
(項目19)
上記プラスチックパッケージの再形成されるべき部分が、該プラスチックパッケージの口栓部である、項目18に記載の方法を使用して再形成されたプラスチックパッケージ。
(項目20)
上記プラスチックパッケージの再形成されるべき部分が、該プラスチックパッケージの口栓部であり、そして該口栓部が、弾丸型、目盛り付き、PET、平坦TSS、HCAアセンブリ、または内側に折り曲げられた注ぎ口である、項目18に記載の方法を使用して再形成されたプラスチックパッケージ。
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本願は、2009年4月7日に出願された米国仮特許出願番号61/167,344の利益および優先権を主張する。この米国仮特許出願の内容は、本願に参考として援用される。
【0002】
(技術分野)
本発明は、一般に、プラスチック容器に関し、そしてより特定すると、プラスチック容器、および最も特定すると、ブロー成形されたプラスチック容器の一部分を再形成するための方法(すなわちプロセス)および装置に関する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
プラスチック容器のキャップ付けプロセスは代表的に、その容器の上側部分(例えば、口栓部)が、厳密な寸法公差に合うことを必要とする。この必要な公差を達成するために、これらの容器の上側部分は通常、射出成形プロセスを使用して(例えば、これらの容器を射出ブロー成形することにより)製造される。しかし、他の型のブロー成形(例えば、押し出しブロー成形)と比較すると、射出ブロー成形プロセスは、空洞に対する生産高が非常に不利である。さらに、射出ブロー成形はしばしば、高価な注入マニホールドを必要とし、そして繊細な注入プロセスを包含する。
【0004】
容器を作製する別の方法によれば、予め構成された上側部分(例えば、口栓部)を有する予備成形品が、射出成形により作製される。引き続いて、この予備成形品の下部から、容器がブロー成形される。しかし、この上側部分は、この予備成形品に付与される熱に起因して、ブロー成形中にひずみ得る。このことは、予め構成された上側部分を公差外にし得る。
【0005】
プラスチック容器を押し出しブロー成形するプロセスは代表的に、単層または複数層のプラスチック材料の管を押し出す工程、対向する金型部分間にこの管を挟む工程、この管に気体を吹き込んでこの金型キャビティの輪郭にする工程、この型を開く工程、この容器を取り出す工程、およびこの容器の口栓部の端部をトリミングする工程を包含する。このトリミング操作は、この口栓部からのばりまたはモイルの除去を包含し得る。このトリミングされた材料は、廃棄され得るか、あるいはプロセス粉砕再生可能材料として再利用され得る。
【0006】
別の例示的な押し出しブロー成形操作において、トリミング操作は、端と端とを付けて成形された2つの容器の分離を包含し得る。いずれの場合においても、トリミング操作は、後に容器の蓋との密封係合のための、不均一な端部表面を残し得る。さらに、容器の口栓部の端部表面は、金型型割線の継ぎ目を有し得、これは、容器の蓋との密封係合に有害な影響を与え得る。これらの不均一または一貫しない端部表面の特徴はまた、誘導シールに影響を与え得る。誘導シールは代表的に、容器を満たした後に金属の真っ直ぐな円板を容器の端部表面に誘導溶接して、満足な容器シールを得ることを包含し得る。
【0007】
これらの欠点に取り組む目的で、この容器の口栓部の端部表面を加熱された磨き工具と接触させることによって、この口栓部の端部表面を磨くことが提唱されている。この容器の口栓部の端部表面と接触すると、この工具は同時に、この口栓部の端部を、そのプラスチック材料の特定の軟化温度まで加熱し、そしてこの端部表面を改変して、金型型割線の継ぎ目、不均一なトリミング、および他の成形後の不完全さを排除する。このプロセスもまた、特定の欠点を有する。
【0008】
例えば、容器の口栓部の加熱されたプラスチックは、加熱された磨き工具に粘着する傾向を有し得る。所望の温度をこの工具の磨き表面において得るように、この磨き工具の温度を制御することもまた困難である。さらに、効果的な磨きはしばしば、容器または磨き工具のうちの一方が他方に対して回転させられて、所望の効果を達成することを必要とする。このような回転は、さらなるプロセス変数を誘導し、その結果として、製造速度に影響を与える。したがって、加熱されたプラスチックが磨き工具に粘着する傾向は、しばしば必要とされる回転工程および工具の磨き表面温度を制御することの困難性と一緒になって、工具と表面との最適な接触時間(すなわち、滞留時間)を決定および制御することを困難にする。滞留時間(この間に、磨き工具が口栓部の端部と接触する)、およびさらなるプロセス変数は、所望の製造速度を達成するために、最小にされるべきである。それにもかかわらず、多くの用途において、磨きは、実用的な製造サイクル時間を達成するために充分なプラスチックを操作することができない。
【0009】
上に概説した欠点に対する別の提唱された解決策は、容器が最初に形成された後に、口栓部を再形成することである。この解決策において、この容器は加熱されて、再形成を必要とする容器の部分を軟化させ、次いで、工具がこの軟化した部分と接触させられる。代表的に、赤外線(IR)加熱ランプトンネルまたはヒーターバンドを使用して、熱が付与される。IR放射線は、可視光の波長(400nm〜700nm)より長いがテラヘルツ放射線の波長(100μm〜1mm)およびマイクロ波の波長(約30,000μm)より短い波長の、電磁放射線である。赤外放射線は、およそ3桁(750nm〜100μm)にわたる。
【0010】
このIR再形成プロセスもまた、特定の欠点を有する。IRランプは一般に、容器の上側部分シール表面(すなわち、TSS)のみを加熱する。このことは、このネックの内径を形作る目的で、熱がこの口栓部を通って移動しなければならないことを意味する。この加熱プロセス中に、この口栓部は変形し、そして設計仕様外の容器を与え得る。局所化した加熱のために特殊な形状にされたIRランプ(円形、正方形など)を製造することが可能である。これを行うことの欠点は、その費用である。あつらえのランプは、非常に高価である。ランプはまた、繊細であり、このことは、製造環境における主要な問題である。壊れたランプは、ランプの交換に起因するライン停止時間を生じ、割れたガラスを掃除することを必要とし、そしてガラスが製品に混入する場合、製品回収を促し得る。IRランプ加熱はまた、比較的長いサイクル時間を必要とし、高い機械費用を課す。
【0011】
要約すると、従来の押し出しブロー成形技術を使用して所望の許容レベルを達成する目的で、容器は代表的に、何らかの型の切断、打ち抜き、またはトリミングの操作を受けなければならない。これらの操作は、必要とされる寸法公差を生じさせるために信頼性があることは示されてもいない。これらの操作および他の操作(例えば、再形成)は、最近の費用効果的な製造プロセスにおいて要求される、短縮されたサイクル時間のための必要性を満たしていない。切断、打ち抜き、またはトリミングの別の欠点は、破片の生成である。破片を生成する操作を受けたあらゆるパッケージは、一連の洗浄工程を受けなければならない。このことは、そのラインにおける余剰な設備をもたらす。これはまた、全てのプラスチック破片がそのパッケージから除去されていない場合、顧客の不満および製品回収をもたらす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
従って、従来の解決策の欠点を克服する、改善された方法、装置および容器が、当該分野において依然として必要とされている。プラスチック容器を形成および再形成するために適用される現在の解決策の欠点を克服するために、新たな装置、機械、およびプロセスが提供される。本発明の目的は、プラスチックパッケージ(例えば、容器)を製造するために必要とされるサイクル時間を短縮する(すなわち、製造生産の速度を増大させる)ことである。関連する目的は、切断操作、打ち抜き操作、トリミング操作、または磨き操作を排除するか、または少なくとも最小にすることである。別の目的は、実用的なサイクル時間で操作され得るプラスチックの量を増大させ、これによって、この技術の可能な用途を拡張することである。
【0013】
本発明のなお別の目的は、プラスチックパッケージを製造するために使用される機械の費用および複雑さを低下させることである。さらなる目的は、従来の解決策において見出されるIRランプおよびヒーターバンドの代用品を見つけることである。本発明のなお別の目的は、パッケージの正確な領域を非常に迅速に加熱して、この領域が効率的なサイクル時間で再変形し得るようにすること(すなわち、熱エネルギーの方向付けまたは集束)である。関連する目的は、加熱の正確な領域の調節を可能にして、特定の用途の特定の要件に合うことである。なお別の目的は、広範な種々の容器および他のプラスチックパッケージを、誘導加熱を使用して再形成することに適用するために充分な融通性を有する装置、機械、および方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
(発明の簡単な要旨)
これらおよび他の目的を達成するため、ならびにこれらおよび他の要件を満たすため、その目的を考慮して、本発明は、プラスチックパッケージの一部分を誘導加熱を使用して再形成するための装置および機械を提供する。この装置および機械は、このプラスチック容器を係合する枠、および導電性ワークピースを有するワークピース支持体を備える。誘導ワークヘッドは、交流電源を誘導素子(例えば、コイルまたはロッド)に提供する。この誘導素子は、このワークピース支持体のワークピースの近くに配置され、そして誘導によってこのワークピースを加熱する。機構が、プラスチックパッケージを加熱されたワークピースの近くに配置し、これによって、このワークピースが、このプラスチックパッケージの一部分に熱を移動させ、これによって、この部分を軟化させる。このフレームに支持された形成ダイが、この部分を係合して、この部分を再形成する。
【0015】
本発明はまた、この装置および機械を使用して、プラスチックパッケージの一部分を誘導加熱を使用して再形成する方法を提供する。この方法は、以下の工程を包含する。最初に、再形成されるべき部分に不連続性を有するプラスチックパッケージが提供される。誘導ワークヘッドが活性化されて、交流電流を、ワークピースの近くに配置された誘導素子に送達し、これによって、このワークピースを誘導により加熱する。プラスチックパッケージが、この加熱されたワークピースの近くに配置され、その結果、このワークピースが、このプラスチックパッケージの一部分に熱を移動させ、これによって、この部分を軟化させる。最後に、形成ダイがこの軟化した部分を係合して、この不連続性を補正する。
【0016】
本発明はまた、この方法を使用して再形成されたプラスチックパッケージ(代表的に、容器)を包含する。このプラスチックパッケージの再形成されるべき部分は、しばしば、このプラスチックパッケージの口栓部である。この口栓部は、種々の可能な口栓部(弾丸型、目盛り付き、PET(頭字語PETは、プラスチックのポリエチレンテレフタレートを表し、しばしば、瓶などの容器を製造するために使用される)、平坦なTSS、家庭用薬品−自動車(HCA)アセンブリ、または内側に折り曲げられた注ぎ口が挙げられる)のうちの任意のものであり得る。
【0017】
上記一般的な説明と、以下の詳細な説明との両方は、本発明の例示であり、限定ではないことが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本発明は、添付の図面と一緒に読むと、以下の詳細な説明から最良に理解される。一般的な慣習に従い、図面の種々の特徴は縮尺で製図していないことが強調される。逆に、種々の特徴の寸法は、明瞭さのために、自由裁量によって拡大または縮小される。図面には、以下の図面が含まれる。
【図1】図1は、本発明に従う例示的な実施形態の主要な構成要素を図示する、試験装置の概念図である。
【図2】図2は、ワークピースが円板である本発明の一実施形態を示す。
【図3】図3は、本発明に従う例示的な実施形態の主要な構成要素を図示する、製造装置の概念図である。
【図4】図4Aは、本発明に従う、プラスチック容器の一部を再形成するためのプロセスの第一の例示的な実施形態の第一工程を示す。図4Bは、本発明に従う、プラスチック容器の一部を再形成するためのプロセスの第一の例示的な実施形態の第二工程を示す。図4Cは、本発明に従う、プラスチック容器の一部を再形成するためのプロセスの第一の例示的な実施形態の第三工程を示す。図4Eは、本発明に従う、プラスチック容器の一部を再形成するためのプロセスの第一の例示的な実施形態の第四工程を示す。図4Eは、本発明に従う、プラスチック容器の一部を再形成するためのプロセスの第一の例示的な実施形態の第五工程を示す。
【図5A】図5Aは、本発明に従う、プラスチック容器の一部を再形成するための第二の例示的な実施形態の第一工程を示す。
【図5B】図5Bは、本発明に従う、プラスチック容器の一部を再形成するための第二の例示的な実施形態の第二工程を示す。
【図5C】図5Cは、本発明に従う、プラスチック容器の一部を再形成するための第二の例示的な実施形態の第三工程を示す。
【図5D】図5Dは、本発明に従う、プラスチック容器の一部を再形成するための第二の例示的な実施形態の第四工程を示す。
【図6】図6は、本発明に組み込まれる磁気ヒステリシス誘導加熱の原理を示す。
【図7】図7Aおよび7Bは、誘導(磁)場に供された磁性物体に対する異なる誘導周波数の影響を示す。
【図8】図8は、例示的な素材(ニッケル)に特徴的な磁気が、温度が上昇するにつれて、どのようにゼロ(非磁性)に近付くかを示す。
【図9】図9は、異なる素材が異なるキュリー点を有することを示す。
【図10】図10Aは、本発明のプロセスの四つの基本工程の各々を完了するために必要とされる時間の長さを示す時間割である。図10Bは、(a)本発明のプラスチック容器のコンベヤによる送り出し、(b)本発明のプロセスの四つの基本工程の各々を完了するために必要とされる装置の完全(360°)回転の量、および(c)再形成されたプラスチック容器のコンベヤへの装置による送り出しを示す概略図である。
【図11】図11は、本発明の別の実施形態に従う、連続動作再形成機械の上面から見た配置図を示す。
【図12】図12は、図11に示される再形成機械の再形成ステーションによって移動される経路における第一遷移点を詳細に示す。
【図13】図13は、図11に示される再形成機械の再形成ステーションによって移動される経路における第二遷移点を詳細に示す。
【図14】図14は、図11に示される再形成機械の再形成ステーションによって移動される経路における第三遷移点を詳細に示す。
【図15】図15は、導入軌道を強調した、図11に示される再形成機械の斜視図である。
【図16】図16は、冷却システムを強調した、図11に示される再形成機械の斜視図である。
【図17】図17は、本発明のなお別の実施形態に従う、連続動作再形成機械の正面から見た配置図を示す。
【図18】図18Aは、再形成されるべき容器の方向に熱を発する、図17に示される再形成機械のプレートを図示する概略図である。図18Bは、容器を係合した、図17に示される再形成機械の形成ダイを図示する概略図である。
【図19】図19は、容器が本発明に従って再形成される前(左)および再形成された後(右)の両方の容器を拡大図で示す。
【図20】図20は、2つの容器が頭部を付き合わせて一緒に単一のプラスチックユニットへと成型される、従来の容器成型装置によって作製された代表的な中間プラスチック製品を示す。
【図21】図21は、図20に示される単一のプラスチックユニットから切断して、分離された容器への誘導加熱の適用を示す概略図である。
【図22】図22A〜22Iは、本発明の装置、機械および方法によって可能となる、再形成技術の発展させた実現可能な用途のいくつかを示す。
【図23】図23は、6つの異なる容器の口栓部(neck finish)に対する再形成機械の実施形態のうちの2つの適用を示す図表である。
【図24】図24Bは、容器が本発明に従って再形成される前の弾丸型の容器の口栓部の拡大図であり、図24Aは、容器が本発明に従って再形成された後の同じ弾丸型の容器の口栓部の拡大図である。
【図25】図25Bは、容器が本発明に従って再形成される前の、平らなTSSの容器の口栓部の拡大図であり、図25Aは、容器が本発明に従って再形成された後の同じ平らなTSSの容器の口栓部の拡大図である。
【図26】図26Bは、容器が本発明に従って再形成される前の、目盛付きの容器の口栓部の拡大図であり、図26Aは、容器が本発明に従って再形成された後の同じ目盛付きの容器の口栓部の拡大図である。
【図27】図27Bは、容器が本発明に従って再形成される前の、PETの容器の口栓部の拡大図であり、図27Aは、容器が本発明に従って再形成された後の同じPETの容器の口栓部の拡大図である。
【図28】図28は、スピントリムスタイル(spin trim style)で仕上げられた容器の上側部分を示す。
【図29】図29は、本発明に従う再形成技術の第一の代替法を適用した後の、図28に示される容器の上側部分へと取り付けられた注ぎ口(spout)の断面図である。
【図30】図30Aは、本発明に従う再形成技術の第二の代替法の適用の間に上側部分が柔らかくされた後の、図28に示される容器の上側部分への取り付け直前の注ぎ口の断面図である。図30Bは、本発明に従う再形成技術の第二の代替法に従って構成要素が組み立てられた後の、図30Aに示される注ぎ口と容器の上側部分とを示す断面図である。
【図31】図31Aは、内側に折り曲げられた注ぎ口(inverted spout)を有する容器を作製するために使用される、本発明に従う再形成技術の第三の代替法の第一工程を示す。図31Bは、本発明に従う再形成技術の第三の代替法の第二工程を示す。図31Cは、本発明に従う再形成技術の第三の代替法の第三工程を示す。図31Dは、本発明に従う再形成技術の第三の代替法の最終工程を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(発明の詳細な説明)
ある文において、本発明は、プラスチックパッケージの一部分を誘導加熱を使用して加熱して再成形する。わずかに敷衍すると、本発明は、パッケージの口栓部(TSS、内部表面、または外部表面)、ハンドル、あるいは他の特定の領域を、再形成を必要とする表面を高温(約1,400°F〜2,000°F)に上昇させた金属ワークピースに暴露することによって、再形成することに適用され得る。このワークピースは、高周波数磁場を使用して加熱される(誘導加熱)。
【0020】
本発明の装置およびプロセスの種々の実施形態が、以下に詳細に記載される。これらの装置およびプロセスは、誘導加熱の付与を考慮するので、誘導加熱の原理の議論が次に続く。例示的なプロセスが記載されて、本発明により達成されるサイクル時間の有利な短縮を強調する。連続再形成機械の数個の実施形態が記載される。最後に、本発明の装置およびプロセスは、再形成技術の可能な用途を拡張する。このような用途の数個の例が要約される。
【0021】
(A.装置)
ここで図面を参照すると、図面において、同じ参照番号は、図面を構成する種々の図にわたって同じ要素を表し、図1は、本発明の主要な構成要素を図示する、試験装置10の単純な図示である。プラスチック容器50は、上側部分52および本体54を備える。示される例示的な実施形態において、プラスチック容器50は、容器(例えば、飲料容器)の形状であり、そして上側部分52と本体54とは、ネック56により分離されている。上側部分52は、蓋(例えば、金属蓋、フィルムの層(例えば、熱シールまたは接着されるフィルム)、スナップオン蓋、または二重巻締金属蓋)を受容するように適合および構成され得るが、他の構成が可能である。
【0022】
当業者は、プラスチック容器50、上側部分52、またはこれらの両方が、他の形態をとり得ることを知り、理解する。例えば、プラスチック容器50は、代替的に、ボール(例えば、スープ皿)であり得、そして上側部分52は、代替的に、ねじ切りされた口栓部を備え得るか、もしくはシール用途のための他の幾何学的形状を特徴とし得る。本発明はまた、シール用途に限定されない。むしろ、本発明は、整列または組み立てのための特徴を備える。本発明の利点の1つは、あつらえの特徴が、パッケージ全体の機能を補助する他の構成要素(注入される注ぎ口、ポンプ、投薬量計量デバイスなど)の整列または組み立てのために製造され得ることである。この融通性は、新たな用途を広げる。なぜなら、本発明は、厳密な公差およびこれらのデバイスと相互作用することが必要とされる特徴を提供し得るからである。特徴のいくつかの例は、とりわけ、めねじ、スナップビーズ、回転防止特徴、および整列のための溝である。しかし、説明の目的で、上側部分52が強調される。
【0023】
上側部分52は代表的に、プラスチック容器50のブロー成形中(例えば、押し出しブロー成形中)に形成される。上側部分52は、さらにかまたは代替的に、例えばプラスチック容器50がブロー成形された後に行われるトリミング中または他の操作中に、形成または改変され得る。あるいは、上側部分52は、再加熱ブロー成形プロセスまたは射出/押し出し/ブロー成形プロセスを使用して作製されたプラスチック容器50に対して、例えば射出成形プロセスまたは圧縮成形プロセスに関連して形成され得る。あるいは、上側部分52は、射出成形された予備成形品に関連して形成され得、この場合、上側部分52は、この予備成形品の射出成形中に予め構成される。
【0024】
本発明は、プラスチック容器50の一部分(例えば、上側部分52)を再形成する方法および装置10を提供する。上側部分52は、例えば、キャップ付けプロセスまたはシールプロセスのために必要とされる形状および寸法公差を提供するように、再形成され得る(再形成の工程を、容器50の切断、打ち抜きまたはトリミングの工程(これらの工程は代表的に、処分されるべき材料の破片を生成する)、あるいは磨きの工程(この工程は、ある量のプラスチック材料を、効率的な製造プロセスのために充分に迅速に操作しない)から区別すること)。この方法は、プラスチック容器50の再形成されるべき部分を、誘導加熱を使用して加熱することにより軟化させて、元の熱源を生成する工程を包含る。
【0025】
装置10は、ネッククランプ22を有する枠20を備える。ネッククランプ22は、プラスチック容器50を係合し、そしてプラスチック容器50を固定された位置に保持しても、プラスチック容器50を操作(例えば、上昇もしくは下降)しても、いずれでもよい。枠20は、形成ダイ30を支持し、この形成ダイは、水冷され得る。形成ダイ30は、静止していてもよく、ワークピース支持体40に沿って(上下に)移動してもよい。ワークピース支持体40は、ヘッド42およびフット44を有する。設計の選択事項として、ワークピース支持体40は、静止していて(プラスチック容器50がワークピース支持体40に対して移動させられて)もよく、またはワークピース支持体40は、プラスチック容器50に近付く方向および離れる方向に移動してもよい。セラミックスリーブ32が、形成ダイ30とワークピース支持体40との間の絶縁体として提供される。
【0026】
誘導コイル60が、ワークピース支持体40のフット44に隣接して配置される。誘導コイル60は、誘導ワークヘッド62に接続される。他の構成要素のうちで、全て当業者の知識の範囲内であるので図示されないが、誘導ワークヘッド62は、交流(AC)電源を有する。誘導ワークヘッド62は、装置10の枠20に支持され得る。プログラム可能な論理制御装置(PLC)64は、装置10を操作するための電子部品を提供する。例えば、PLC 64は、装置10の操作中のタイミング順序を制御する。プラスチック容器50は、熱移動を5秒間受け得、次いで、形成ダイ30は、プラスチック容器50を3秒間係合し得る。これらのパラメータは、材料の型および操作を必要とする材料の量の関数として変動し得る。
【0027】
誘導コイル60は、図1に示されるように、ワークピース支持体40のフット44自体を加熱し得る(図4A〜図4Eもまた参照のこと)。この実施形態において、ワークピース(すなわち、誘導コイル60により加熱されるべき材料)は、ワークピース支持体40のロッド様の部分である。ロッド46は、好ましくは、金属から作製される。あるいは、ワークピースは、図2に示されるような円板48であり得る。円板48もまた、好ましくは、金属から作製され、そして有利には、熱がプラスチック容器50の再形成を最も効率的かつ迅速に可能にするような位置に、正確な量の熱を正確に配置するような形状にされ得る。
【0028】
図示される実施形態において、誘導コイル60は、ワークピース46、48を囲む。しかし、あつらえの形状の誘導コイル60を、ワークピース46、48を完全に囲むのではなく、ワークピース46、48の片側に配置することが可能である。このような配置は、ワークピース46、48を通る熱の伝導に起因して、ワークピース46、48が均一な温度になることに依存し得る。ワークピース46、48が大きいかまたは片側だけの形状である場合、ワークピース46、48は、均一な温度を達成することを確実にするために、回転され得る。ワークピース46、48の周囲ではなく横への誘導コイル60の配置は、製造機械の費用を低下させる。なぜなら、誘導コイル60は、回転する機械の部品(回転式タレット)にではなく、地面に(静止して)配置され得るからである。回転式タレットへの電気設備の配置は、電力および電気信号をこのタレットに移動させるために、回転結合器を必要とする。これらの結合器は、製造機械の複雑さおよび費用を増大させる。
【0029】
ワークピース46、48は、一旦、プラスチック容器50に近く近接させられると、放射加熱および対流加熱によって、プラスチック容器50に熱を移動させる。プラスチック容器50が熱を吸収するにつれて、このプラスチック容器は軟化する。このプラスチックが最適な温度に達した後に、形成ダイ30がこのプラスチックに接触する。形成ダイ30は、加熱されたプラスチックの最終的な形状を作製する。
【0030】
形成ダイ30は、冷却器(図16を参照のこと)による冷却を組み込み得、そしてまた、整列システム(図示せず)を組み込み得る。この整列システムは、形成ダイ30をワークピース支持体40に沿って配向させる。形成ダイ30に必要な仕上げ品質を与えるために、種々の技術(例えば、ポリシングおよびサンドブラスト)が使用され得る。形成ダイ30はまた、開始タイマーを組み込み得、これらの開始タイマーは、形成ダイ30の位置に基づいて、PLC 64に信号を送る。
【0031】
ワークピースを形成するために使用される材料は(このワークピースがロッド46であっても、円板48であっても、別の構成であっても)、注意深く選択されなければならない。種々の適切な材料が、以下で議論される。ワークピース46、48の幾何学的形状(例えば、外径、幅、長さ、厚さ)もまた重要であり、以下に議論される理由により、注意深く選択されなければならない。形成ダイ30と同様に、ワークピース46、48もまた、開始タイマーを組み込み得、これらの開始タイマーは、ワークピース46、48の位置に基づいて、PLC 64に信号を送る。
【0032】
図3は、本発明の製造装置10’の1つの実施形態を図示する。装置10’の枠20全体は、中心線24の周りで回転し得る。このような回転は、装置10’へのプラスチック容器50の効率的な給送、装置10’におけるプラスチック容器50の加工、および装置10’からのプラスチック容器50の取り出しを容易にする。容器整列ホルダ58が、プラスチック容器50を枠20に対して整列させて保持する。
【0033】
第一のカム26a、第二のカム26b、および第三のカム26cが、装置10’の種々の構成要素を動かすために提供される。例えば、第一のカム26aは、ネッククランプ22をプラスチック容器50と係合させたり脱係合させたりするように動かし得る。第二のカム26bは、形成ダイ30をプラスチック容器50と係合させたり脱係合させたりするように動かし得る。最後に、第三のカム26cは、ワークピース支持体40を、プラスチック容器50に近接させたり離間させたりするように動かし得る。第一のスライド28aおよび第二のスライド28bが提供される。カム26a、26b、および26cは、スライド28aおよび28bに沿って移動する。
【0034】
(B.プロセス)
本発明の装置10、10’を使用してプラスチック容器50を再形成するプロセスの2つの例示的な実施形態が、それぞれ図4A〜図4Eの5工程、および図5A〜図5Dの4工程で説明される。この5工程の実施形態において、プラスチック容器50は静止している。この4工程の実施形態において、ワークピース支持体40および誘導コイル60が静止しており、そしてプラスチック容器50が、装置10、10’の構成要素と係合および脱係合するように移動する。
【0035】
この5工程の実施形態の工程1が、図4Aに示されている。この工程において、プラスチック容器50は、装置10、10’の枠20に、従来の機構(例えば、コンベヤベルトおよび漏斗または取り上げアーム)を使用して装填される。工程2は、図4Bに図示される。工程2において、誘導コイル60にエネルギーが付与されて磁場を発生させ、この磁場が、誘導加熱によりワークピース(例えば、ロッド46)を加熱する。
【0036】
工程3は、図4Cに図示されている。工程3において、ワークピース支持体40が、プラスチック容器50の上側部分52内の位置まで下降させられ、その結果、ロッド46により放出される熱が上側部分52を軟化させる。参照番号53は、上側部分52の軟化した領域を図示する。図4Cに示されるように、ロッド46は、上側部分52の全長を加熱する。しかし、誘導コイル60およびロッド46(または円板48)は、プラスチック容器50の正確な領域(例えば、上側部分52の上4分の1のみ)を加熱するように設計されてもよい。
【0037】
工程4は、図4Dに図示されている。工程4において、形成ダイ30が、プラスチック容器50の上側部分52内の位置まで下降させられ、そして形成ダイ30が活性化される。形成ダイ30は、プラスチック容器50の上側部分52を形作り、プラスチック容器50に所望の口栓部を与える。ワークピース支持体40は、工程4において動かない。示される実施形態において、形成ダイ30は冷却され、その結果、形成ダイ30は、上側部分52を形成すると同時に上側部分52を冷却する。形成工程と冷却工程とを別々のプロセス操作に分離することが、もちろん可能である。
【0038】
工程5は、図4Eに図示されている。工程5において、形成ダイ30およびワークピース支持体40は、形成ダイ30およびワークピース支持体40を上昇させることによって、プラスチック容器50の上側部分52から取り除かれる。次いで、再形成されたプラスチック容器50は、装置10、10’から取り外され得る。次いで、装置10、10’は、別のプラスチック容器50を受け入れてこの容器に作用する準備ができている。
【0039】
本発明の装置10、10’を使用してプラスチック容器50を再形成するプロセスの4工程の実施形態が、図5A〜図5Dに図示されている。工程1は、図5Aに図示されている。工程1において、プラスチック容器50は、装置10、10’の枠20に、従来の機構(例えば、コンベヤベルトおよび漏斗または取り上げアーム)を使用して装填される。プラスチック容器50は、基部支持体34上に載り得、そして整列ホルダ58によって整列させられ得る。プラスチック容器50が装填されると、ワークピース支持体40の円板48が、誘導コイル60を使用して、誘導によりその所定の温度まで加熱される。「所定の」とは、プロセスの開始前に所定の温度が決定(すなわち、選択されるかまたは少なくとも既知である)されなければならないように、予め決定されることを意味する。空気シリンダ36が提供されて、種々のカム(例えば、第二のカム26b)を種々のスライド(例えば、第一のスライド28a)に沿って駆動し得る。
【0040】
工程2は、図5Bに図示される。工程2において、プラスチック容器50は、プラスチック容器50の加熱されるべき部分(例えば、上側部分52)が円板48に隣接して位置するまで(矢印Aの方向に)上昇させられる。このように位置すると、円板48により放出される熱が、プラスチック容器50の再形成されることが望まれる部分を軟化させる。
【0041】
工程3は、図5Cに図示されている。工程3において、形成ダイ30が、プラスチック容器50の上側部分52内の位置まで(矢印Bの方向に)下降させられ、そして形成ダイ30が活性化される。形成ダイ30は、プラスチック容器50の上側部分52を形作り、プラスチック容器50に所望の口栓部を与える。示される実施形態において、形成ダイ30は冷却され、その結果、形成ダイ30は、上側部分52を形成すると同時に上側部分52を冷却する。
【0042】
工程4は、図5Dに図示されている。工程4において、形成ダイ30が上昇させられ、一方でプラスチック容器50が下降させられ、その結果、形成ダイ30およびワークピース支持体40は、プラスチック容器50の上側部分52から取り除かれる。次いで、再形成されたプラスチック容器50は、装置10、10’から取り外され得る。次いで、装置10、10’は、別のプラスチック容器50を受け入れてこの容器に作用する準備ができている。
【0043】
(C.誘導加熱の付与)
上で議論されたように、本発明は、誘導加熱の原理を組み込む。誘導加熱とは、製造用途のために、迅速かつ一貫した熱を提供する方法であり、金属または他の導電性物質の特性を変化させることを包含する。このプロセスは、材料内の誘導電流が熱を発生させることに依存する。誘導の基本的な原理は周知であるが、固相技術の最近の進歩は、誘導加熱を、加熱が関与する用途のための、顕著に単純な、費用効果のある方法にした。一般に、Scottsville,NY,USAのAmeritherm Inc.のウェブサイトwww.ameritherm.comを参照のこと。
【0044】
誘導加熱を使用して、導電性物体(通常は金属)は、電磁誘導により加熱され得る。2つの別々の加熱プロセス(渦電流および磁気ヒステリシス)が、活動し始め得る。渦電流は、金属内で発生し、そして抵抗が、この金属のジュール加熱をもたらす。誘導ヒーター(任意の目的のもの)は、電磁石からなり、この電磁石を通して、高周波数のACが流れる。熱はまた、有意な比透磁率を有する材料における磁気ヒステリシスの損失により発生し得る。使用されるACの周波数は、物体のサイズ、材料の型、(誘導コイルと加熱されるべき物体との間の)カップリング、および浸入深さに依存する。鉄およびその合金は、その強磁性の性質に起因して、誘導加熱に最もよく応答する。しかし、渦電流は、任意の導体において発生し得、そして磁気ヒステリシスは、任意の磁性材料において発生し得る。
【0045】
磁気ヒステリシス誘導加熱の原理が、図6に図示されている。図6は、縦座標軸(垂直軸または「Y」軸)に沿った材料の磁化(M)および横座標軸(水平軸または「X」軸)に沿った印加磁場強度(H)を有するグラフである。H軸に沿って配置された四角形により示されるように、電子(矢印により表される)は、磁場の付与がない場合、無作為に配向する。開始の際に、誘導電磁場(磁場)は、正電荷を発生させ、この正電荷は、正に荷電した電子をこの電磁場から強制的に離す(図6の右上の四角形内の配向した電子を参照のこと)。誘導電磁場を負電荷に反転させると、このグラフの左下において、正に荷電した電子はこの電磁場に引き付けられる(図6の左下の四角形内の配向した電子を参照のこと)。誘導電磁場の電荷(正および負)を連続的に変化させることによって、電子の動き(押される動きから引かれる動きへ)は、原子レベルで摩擦熱を発生させる。このグラフにより図示され、電磁場の逆転により形成されるループは、ヒステリシスループである。
【0046】
誘導加熱システムの基本的な構成要素は、AC電源(誘導ワークヘッド62に組み込まれる)、誘導コイル60、およびワークピース(すなわち、加熱されるべき材料であり、例えば、ロッド46または円板48)である。誘導ワークヘッド62の電源は、誘導コイル60を通して交流電流を送り、磁場を発生させる。AC電源は、低電圧であるが非常に高い電流および高い周波数の電気を提供する。ワークピース46、48が誘導コイル60(これは、電源により駆動される)内に配置されると、磁場がワークピース46、48内に渦電流を誘導し、誘導コイル60とワークピース46、48との間での物理的接触が全くなしで、正確な量の、クリーンな局所化した熱を発生させる。
【0047】
磁場の周波数とこの磁場がワークピース46、48に浸入する深さとの間に、関係が存在する。低い周波数(5kHz〜30kHz)が、深い熱浸入を必要とするより厚いワークピース材料に対して効果的である。高い周波数(100kHz〜400kHz)は、より小さいワークピース材料または浅い浸入に対して効果的である。最も高い周波数(例えば、480kHz)は、微視的ワークピース材料に対して効果的である。周波数が高いほど、加熱速度が高くなる。従って、プロセス設計者は、容器50の特定の部分の厚さを改変して、その厚さを再形成プロセスパラメータに調和させ得、そして所望の結果を得ることができる。
【0048】
図7Aおよび図7Bは、誘導(磁)場に供される磁性物体に対する異なる誘導周波数の影響を示す。ヒステリシスループ内の総面積は、その物体(例えば、ワークピース46、48)により吸収されるエネルギー(熱)の量を表す。誘導磁場の周波数を最適化することによって、ワークピース46、48に入る熱の量が増大し得る。その結果は、励起所要時間の短縮であり、より小さい誘導ワークヘッド62の使用を可能にし、費用を低下させる。
【0049】
ヒステリシスの影響に起因して、磁性材料は、誘導加熱により、非磁性材料より容易に加熱される。磁性材料は、当然、誘導コイル60内で迅速に変化する磁場に抵抗する。得られる摩擦は、渦電流加熱に加えて、ヒステリシス加熱を生じる。高い抵抗を有する金属は、高い透磁率を有するといわれ、透磁率は、磁性材料について、100から500まで変動し得る。非磁性材料は、1の透磁率を有する。
【0050】
図8は、例示的な材料(ニッケル)の磁性特徴が、温度が上昇するにつれて0(非磁性)にどのように近付くかを図示する。磁性材料がその磁性特性を失い、非磁性になる温度は、その材料の「キュリー」点として公知である。ヒステリシス加熱は、材料の「キュリー」点未満の温度で起こる。図9は、異なる材料が異なるキュリー点を有することを示す。ワークピース46、48について、高いキュリー点を有する材料を選択することによって、本発明の再形成プロセスのサイクル時間が短縮され得る(もちろん、このことは、加熱されるべきプラスチック材料によって決定される特定の温度まで当てはまる。一旦、この温度を超えると、その材料は軟化するよりむしろ、火がつき得る)。
【0051】
ワークピース46、48内での誘導電流の流れは、表面において最も強く、そして表面より下では急激に衰える。従って、外側は、内側より速く加熱される。ワークピース46、48において生成する熱のうちの約80%が、外側「スキン」において生成する。これは、ワークピース46、48の「スキン深さ」と記載される。スキン深さは、抵抗が低下する場合、透磁率が増加する場合、または周波数が増加する場合に、減少する。
【0052】
要約すると、ワークピース46、48における高い透磁率およびキュリー温度未満の温度が、有用である。温度差、質量、および比熱もまた、ワークピース46、48の加熱に影響を与える。誘導加熱のエネルギー移動は、誘導コイル60とワークピース46、48との間の距離と結び付けられる。エネルギー損失は、ワークピース46、48からワークピース支持体40への熱伝導、自然な対流、および熱放射によって、起こる。特定の用途について考慮されなければならない特徴のうちでもとりわけ、必要とされる温度変化の程度;ワークピース46、48の質量、厚さ、比熱、および電気的特性;誘導コイル60の設計のカップリング効率;ならびにワークピース支持体40への熱伝導、対流、および放射に起因する熱損失である。特定の用途のために適切な誘導コイル60は、3.175m1〜4.7625mmの直径の銅チュービングから作製され得、そして流体で冷却され得る。直径、形状、および巻き数は、効率および電磁場パターンに影響を与える。
【0053】
広範な材料が、特定の用途に依存して、ワークピース46、48を形成するために適切であり得る。鉄は、1つの適切な材料である。いくつかの用途において、ハイブリッドまたは複合ワークピース46、48(鉄などの金属のバンドまたはコアを有する、プラスチックまたはセラミックのワークピース46、48)を作製することもまた可能であり得る。
【0054】
本発明の装置10、10’は、従来の再形成機械のIRランプおよびヒーターバンドを、誘導加熱で置き換える。このような置き換えは、再形成機械の費用および複雑さをかなり減少させる。具体的には、本発明の誘導加熱プロセスを実行するために使用される装置10、10’の費用は、IRランプまたはヒーターバンドを組み込む従来の機械の費用の、約半分である。
【0055】
(D.プロセスの最適化)
多量のプラスチックを高速で移動させることは、困難である。長いサイクル時間は、従来、最近のブロー成形製造設備に遅れないようにするために、大きい高費用の機械をもたらす。従って、上記のように、本発明の目的は、パッケージ(例えば、プラスチック容器50)を再形成するために必要とされる全体のサイクル時間を、加熱プロセスおよび冷却プロセスを短縮することによって、改善することである。この加熱プロセスは、加熱されるワークピース46、48の最高温度を(もちろん、上記のようにある点まで)上昇させることにより、短縮される。この冷却プロセスは、形成ダイ30の温度を低下させることにより、短縮される。その結果、製造出力の速度が増大する。
【0056】
図10Aおよび図10Bは、1つの特定の用途において、本発明を使用して達成されるサイクル時間を図示する。図10Aは、本発明のプロセスの4つの基本的な工程(プラスチック容器50の給送、誘導によるワークピース46、48の加熱、次いで、プラスチック容器50の再形成されるべき部分の加熱、プラスチック容器50の再形成および冷却、ならびに再形成されたプラスチック容器50の送り出し)の各々を完了するために必要とされる時間の長さを示す、時間割である。図10Bは、(a)コンベヤ70によるプラスチック容器50の本発明の装置10、10’への送達、(b)このプロセスの4つの基本的な工程の各々を完了するために必要な、装置10、10’の全(360°)回転の量、および(c)装置10、10’による再形成されたプラスチック容器50のコンベヤ70への送達を示す概略図である。
【0057】
図10Aおよび図10Bは、この特定の用途について、このサイクルの約20%でありちょうど2秒間が、給送、冷却、および送り出しの工程の各々を完了するために必要であったことを示す。このサイクルのちょうど40%より多く、約5秒間が、このプロセスの加熱プロセスを完了するために必要とされた。この例において、ちょうど12秒未満の全サイクル時間が達成された。より具体的には、約7秒間が、プラスチックを加熱し、これを所望の形状に再形成し、そして冷却するために必要とされた。
【0058】
誘導加熱はまた、熱がパッケージの正確な領域に移動され、この領域が効率的なサイクル時間以内で再形成され得るので、サイクル時間を短縮する。誘導は、金属ワークピース(例えば、ロッド46または円板48)を、1,400°Fより高い温度まで迅速に加熱し得る。次いで、この金属ワークピースは、その熱を、放射または対流によって、プラスチック容器50に移動させる。誘導加熱は、熱エネルギーが、パッケージの正確な領域に方向付けられるか、集束されるか、または指向されることを可能にして、この領域を加熱し、一方で、このパッケージの残りの部分を比較的加熱されない状態のままにする。加熱されるべき正確な領域は、他の事項のうちでもとりわけ、ワークピース46、48の設計(例えば、厚さまたは幾何学的形状)を変化させることによって、調節され得る。あるいは、またはさらに、熱反射マスクまたは絶縁体が容器50に付けられて、容器50のマスクされたかまたは絶縁された特定の領域の加熱を妨げ得るか、または最少にし得る。
【0059】
最後に、本発明の焦点は、容器50を再形成する際に、特定の加工工程後の容器の特徴である不連続性112および他の傷を解消することであるが、本発明は、このように限定されない。例えば、本発明の誘導加熱は、容器50の一部分を選択的に加熱して、その部分の材料特性を規定し得る。このような材料特性としては、結晶性、硬度、堅さなどが挙げられ得る。従って、容器50の1つの部分の材料特性は、同じ容器50の他の部分の材料特性と異なり得る。
【0060】
(E.連続再形成機械)
図11には、本発明の別の実施形態に従う連続動作再形成機械100の配置図が示される。機械100は、複数のプラスチック容器50を再形成するために、商業的な製造環境において使用されるために適合される。機械100は、定置枠20上に配置された移動キャリア74上に配置された複数の再形成ステーション72を有する。図11には、28個の再形成ステーション72が示される;製造用途に依存して、より多いか、またはより少ない数の再形成ステーション(例えば、14個の再形成ステーション)が適切である。再形成ステーション72は、キャリア74に対して位置が固定される。この実施形態では、各再形成ステーション72は、ネッククランプ22、形成ダイ30、ワークピース支持体40および(例えば、円板48として示される)ワークピースを備える。
【0061】
ユーザまたはオペレータ12は、機械100の機能を制御し得る。図11に示されるように、オペレータ12は、インターフェース66と相互に作用(interact)し、次いで、このインターフェース66がPLC 64に接続される。オペレータ12は、タッチスクリーンモニタ68を通じて、PLCへの指令を入力し、そして、PLCから情報を受け取ることができる。
【0062】
PLC 64は、機械100の機能操作を制御する常駐ソフトウェアを実行する、マイクロプロセッサベースのデバイスである。(パーソナルコンピュータのようなPLC 64についての適切な代替物は当業者に公知である。)種々の機械要素とPLC 64との間の通信は、有線、無線、または、有線通信と無線通信の両方の組み合わせによるものであり得る。無線通信は、機械100のような回転する機械上の構成要素の制御には特に有益である。なぜなら、これらの通信は、構成要素が互いに対して移動する、回転式インターフェースを通して電気信号を伝えるための、複雑な回転式の接触子の必要性を回避するからである。PLC 64へのフィードバックは、位置情報および他の状態に関連する情報を提供するために必要に応じて配置および位置決めされた、マイクロスイッチおよび光学センサのような種々のセンサによって提供される。
【0063】
枠20上に保持されると、キャリア74は、閉鎖経路Pの周りを時計回りの方向に(すなわち、矢印Cの方向に沿って)再形成ステーション72を移動させる。好ましくは、経路Pは、円形またはいくつかの他の形状ではなく、楕円形である。円形または他の形状は可能であるが、楕円形構造の1つの利点は、機械100上の再形成ステーション72の数が、特定の生産量(output)を達成するために、比較的容易に増減され得る点である。生産量は、加熱調整時間および冷却時間によって決定される。楕円形の経路Pを使用することにより、機械100の長さは、ほとんど設計を改めることなく、再形成ステーション72を追加するために増加させられ得る。経路Pが円形(round or circular)であった場合、このような修正はさらなる設計の時間を必要とする。なぜなら、より多くの再形成ステーション72を追加することが、経路Pの直径、および経路Pの画定するタレットを増加させるからである。タレットがより大きいということは、荷重がより大きいということを意味し、ベアリングおよび枠組みがそれに応じて設計を改める必要があるということを意味する。
【0064】
入力コンベヤ70は、再形成されることが望ましい容器50を送りねじ76に送り出す。送りねじ76は、コンベヤ70から容器50を移動させ、そして、再形成ステーション72が経路Pの周りを回転するにつれ、容器50を、次の利用可能な再形成ステーション72によって掴まれるように位置決めする。具体的には、次の利用可能な再形成ステーション72のネッククランプ22は、容器50を係合し、そして掴んで、容器50を送りねじ76から移動させる。
【0065】
経路Pは、遷移点P1、P2およびP3によって、(物理的ではなく概念的に)セクションに分けられ得る。遷移点P1の直前では、経路Pは、導入軌道80によって形成される導入セクションを含む。導入軌道80は、一連のブロック84によって所定の位置に保持された、一対の曲線状の平行な軌道壁82を有する(図15を参照のこと)。壁82は、好ましくは、銅管によって形成され、そして、壁82の内部の開口部を通って流れる冷却水を有し得る。ブロック84もまた、好ましくは銅から形成される。ブロック84は、軌道80をガラス繊維ボード86上の所定の位置に保持し、軌道80によって生成される磁場が、軌道80に近い他の金属物体を加熱することを防止する。誘導ワークヘッド(workhead)62は、導入軌道80に接続され、そして、AC電源を有する。上述したように、誘導ワークヘッド62は、軌道80内に磁場を生じ、その結果、円板48は、軌道80の磁場を通過する際に加熱される(図15を参照のこと)。注目すべきことは、軌道80が、インデックス(indexing)コイルではないことである;むしろ、軌道80は、円板48が加熱されるにつれて、連続的に移動することを可能にする。
【0066】
図12に詳細に示される遷移点P1では、再形成ステーション72およびその円板48は、円板48が加熱された状態(すなわち、約1,400〜1,500°Fの温度)で軌道80を出る。下側カム機構88は、ネッククランプ22を起動させ、その結果、ネッククランプ22が、送りねじ76から容器50を掴み、そして、容器50を、加熱された円板48の近くに位置決めする。次に、上側カム機構90が、加熱(柔らかく)され、そして再形成されるべき容器50の部分に近接する位置に加熱された円板48を下降させる。遷移点P1と遷移点P2との間(ここは、経路Pの「加熱」セクションと呼ばれ得る)では、円板48は、容器50を加熱するために所定の位置に留まる。代表的には、再形成ステーション72は、遷移点P1から遷移点P2まで移動するのに約3秒かかるが、この時間は、用途に依存して変動し得る。
【0067】
図13に詳細に示される遷移点P2では、上側カム機構90が、形成ダイ30を、容器50の柔らかくされた部分と接するように下降させる。この動作はまた、円板48を容器50の本体54内へとさらに下降させる。(あるいは、別の実施形態では、円板48は、形成ダイ30が容器50と接触するように下降させられる前に、容器50の上方に、容器50から離れるように動かされ得る。)遷移点P2と遷移点P3との間(ここは、経路Pの「再形成」セクションと呼ばれ得る)では、形成ダイ30は、容器50を再形成するために所定の位置に留まる。代表的には、再形成ステーション72は、遷移点P2から遷移点P3まで移動するのに約1.5秒かかるが、この時間は、用途に依存して変動し得る。円板48および容器50はともに、再形成セクションに沿って移動するときに、熱を失い、そして、冷え始める。
【0068】
再形成ステーション72が、図14に詳細に示される経路Pの遷移点P3に到達すると、上側カム機構90は、形成ダイ30、円板48およびワークピース支持体40を容器50から外に上昇させる。同時に、下側カム機構88が、ネッククランプ22を開いて容器50を出力コンベヤ70上に解放し、そして、誘導再形成プロセスを完了する。第二の送りねじ(図示されず)は、容器50がネッククランプ22から取り外されることを保証し、そして、容器50のピッチを約22.9cm(9インチ)から約11.4cm(4.5インチ)まで狭め得る。経路Pのこのセクションは、出力セクションと呼ばれ得る。
【0069】
図14に示されるように、容器50が出力コンベヤ70上に配置された後、再形成ステーション72は、出力セクションを離れ、そして、再度、経路Pの導入セクションへと向かう。円板48が経路Pの導入セクションに再度入るときには、円板48は、代表的に、円板48が導入軌道80から出て経路Pの加熱セクションに入ったときに獲得した約1,400〜1,500°Fの温度から、約1,200°Fの温度まで冷却されている。代表的には、再形成ステーション72は、導入セクションを移動するのに約0.6秒かかる、すなわち、導入軌道80が円板48を約1,200°Fから約1,400〜1,500°Fまで再度加熱するためには約0.6秒かかる。(円板48は、本発明の誘導加熱を用いた場合、最初に、約15〜60秒で室温から約1,400〜1,500°Fまで加熱され得る。)。
【0070】
まとめると、経路Pのセクションは、ワークピース(例えば、円板48)を加熱するための導入セクション、再形成されるべき容器の部分を柔らかくするための加熱セクション、形成ダイが再形成されるべき部分を係合する再形成セクション、そして、再形成された容器が機械100を離れ、再形成ステーション72が導入セクションに戻る出力セクションを含む。経路Pの周りでの再形成ステーション72の連続的な絶え間のない閉鎖ループの循環的な動きは、実用的で、費用効率の高い再形成プロセスを実現する。
【0071】
機械100はまた、再形成ステーション72の各々に冷却剤(好ましくは、水)を運ぶ冷却システムを備える。図16に示されるように、冷却システムは、冷却剤の供給源を提供する冷却塔92を備える。冷却システムはまた、複数の可撓性の管94(4つが図示される)を備える:この管94のうちの2つが、冷却剤を再形成ステーション72へと運び、そして、この管のうちの2つが、再形成ステーション72から冷却剤を除去する。管94は、経路Pの周りでの再形成ステーション72の動きを可能にするために可撓性である。再形成ステーション72の各々には、冷却剤を形成ダイ30へと運び、そして、形成ダイ30から冷却剤を除去するために複数のホース96が設けられる。ホース96もまた、ホース96が取り付けられる構成要素の動きを可能にするために可撓性である。
【0072】
図17は、本発明の機械100の別の実施形態の配置図を示す。示される実施形態では、平らな誘導加熱プレート102が、円板48に取って代わる。再形成ステーション72は、これより前に記載した実施形態と同様に、経路Pの周りを移動する。容器50は、矢印Dの方向に沿って、給送(infeed)タレット108まで送り出される。給送タレット108は、次いで、容器50をトリミングタレット110へと送り出し、このトリミングタレット110では、容器50がトリミングされる。代表的には、トリミングタレット110は、連続動作トリマー、裁断機の刃、または、トリミング操作を行う別の従来の機構(図示されず)を含む。トリミング操作はしばしば、容器50のTSSに不連続部112(例えば、図19に図示されるような、突出部、鋭利な縁など)を残す;言い換えると、容器50のTSSは平らではない。TSSは平らであることが望ましい。
【0073】
機械100によって実施される再形成操作は、この不連続部112を取り除き、TSSを平らにすることによって、この問題を解消し得る。フット44も円板48も、平らでないTSSの問題を解消するために、容器50のTSSの下の部分を加熱するために必要とされない;むしろ、プレート102で十分である。図17に示されるように、プレート102は、経路Pの所定の距離に沿って提供される。プレート102の長さは、プレート102から容器50のTSSへと所望される量の熱の移動が達成されるに十分な時間、各容器50がプレート102の下を移動するように選択される。プレート102は、約1,400〜1,500°Fの温度まで熱くなり、そして、熱の比較的均一もしくは一様な分布を有する材料から作製される。プレート102は、プレート102内に形成された穴に挿入された、複数の加熱ロッド104(1つのみが示される)を有する。ロッド104は、誘導ワークヘッド62に接続され、そして、誘導ワークヘッド62から交流を受容し、それによって磁場を生じ、この磁場が、誘導によってプレート102(すなわち、この実施形態におけるワークピース)を加熱する。プレート102は、約2.5〜3.1cm(すなわち、1.0〜1.25インチ)の厚みを有し、長方形の形状である。一度再形成されると、容器50は、出力コンベヤ70上で機械100を出る。
【0074】
図18Aおよび18Bは、不連続部112を解消する際のプレート102の操作を、概略的な形式で示す。図18Aでは、プレート102は、矢印Eの方向に、容器50のTSSに向けて熱を発する。一度TSSが柔らかくなると、形成ダイ30は、容器50のTSSを係合して、TSSを図18Bに示されるように再形成する。図19は、容器50が再形成される前(左)および容器50が再形成された後(右)の両方の、容器50のTSSに焦点を当てる(示される拡大図の円を参照のこと)ことによって、その解消策を示す。図19の左側は、容器50が不連続部112を有することを示し;図19の右側は、不連続部112が克服され、所望されるとおりの平らなTSS 144を生じていることを示す。
【0075】
図20は、従来の容器成型装置によって作製された、代表的な中間プラスチック製品を示す。最初に、2つの容器50が、頭部を付き合わせて一緒に単一のプラスチックユニット120へと成型される。本発明に従う機械100の一実施形態を使用すると、(a)ユニット120を切って2つの別個の容器50にし;そして(b)容器50を再形成して、望ましくない不連続部112を除去するために必要とされる二つの工程は、誘導加熱を使用して、1つの機械100上で連続して実施され得る。
【0076】
図21を参照すると、単一のプラスチックユニット120は、機械100へと送り出される。次に、単一のプラスチックユニット120は、トリミングタレット110(または、当業者によって知られる同様のデバイス)において、その別々の容器50へと切断される。次に、誘導加熱された円板48が容器50の各々に近接するように動かされると、別々のネッククランプ22が、それぞれの容器50を掴む(図21に示されるように)。一対のスライド122が、円板48を、それぞれ矢印FおよびGの方向に沿って、容器50と近接するように動かし、次いで、逆の動きによって、近接位から離れるように動かす。一度容器50が柔らかくされると、形成ダイ30は、(上述したように)容器50を係合し、そして、再形成し得る。
【0077】
特定の用途においては、形成ダイ30は、容器50を再形成するために必要ではない可能性がある。例えば、不連続部112は、切断操作の間に生成される鋭利な縁であり得る。容器50に向けられた熱の適用は、さらなる再形成構造を用いることなく、鋭利な縁を球状にビーディングさせ得る。
【0078】
他の用途においては、成型プロセスを本発明の再形成プロセスとを組み合わせることが可能であり得る。代表的には、容器50(再形成を必要とするもの)は、容器50の成型プロセスの間に加えられた潜在性の熱を保持した状態で型を出る。このような潜在性の熱は、容器50がその型を出た後直ぐに再形成プロセスが開始する場合、効率の増大と、サイクル時間の減少を助長するために使用され得る。具体的には、誘導加熱されたワークピース(例えば、円板48)は、型から出た直後の加熱された容器50について、容器50を所定の再形成温度まで至らせるのに、冷却された容器50よりも短い時間を要する。
【0079】
例えば、1つの用途において、再形成プロセスは、容器50が約200〜230°Fの温度を有することを必要とする。この温度範囲は、プラスチックの迅速な移動を可能にするに十分であり、処理をスピードアップする。しかしながら、この範囲は、プラスチックが変形する温度より低く、そして、プラスチックが器具に張り付く傾向のある温度よりも低い。容器50が200°Fでその型を出た場合、ワークピースからのさらなる熱はほとんど必要とされないか、または全く必要とされない。
【0080】
(F.例示的な用途)
本発明の装置10、10’および本発明の再形成機械100の誘導加熱、ならびに、本発明の方法は、実用的なサイクル時間で操作され得るプラスチックの量を増加させる。この利点は、かなりの量のプラスチックを迅速に操作することができない従来の研磨(burnishing)プロセスとは対照的である。さらに、研磨は、代表的に、円形のパッケージに限定されており、そして、プラスチックパッケージの口栓部のみに集中している。本発明は、非円形の口栓部の形を作り変え、円形の口を非円形の口に変え、そして、パッケージの他の領域を操作することが可能である(すなわち、本発明は、パッケージの口栓部領域に限定されない)。それゆえ、本発明の装置10、10’、本発明の再形成機械100、および、本発明の方法は、再形成技術の実現可能な用途を拡大する。以下の用途の例は、本発明の全体的な性質をより明確に実証するために含まれる。これらの例は、本発明を例示するものであり、本発明を限定するものではない。
【0081】
図22Aおよび22Bは、それぞれ、本発明の装置10、10’、本発明の再形成機械100、および、本発明の方法が、滑らかなTSSまたは弾丸型の口を形成するためにスピントリムを容易にし得ることを示している。図22Cによって示されるように、本発明の装置10、10’、本発明の再形成機械100、および、本発明の方法は、プラグシールのための、目盛り付きの口栓部をブロー成形されたパッケージに適用し得る。図22Dおよび22Eは、本発明の形成ダイ30が、プラスチックパッケージ上に任意の所望されるオーダーメードの特徴(例えば、図22Dに示される注ぎ口の特徴)をおよそ形成し得ることを示す。このような形成は、切断操作および切断されたプラスチックのトリミング屑(trim)の除去を排除する。
【0082】
いくつかの特定のオーダーメードの特徴は強調表示(highlighting)を認める。本発明の装置10、10’、本発明の再形成機械100、および、本発明の方法は、成形されたプラスチックパッケージの修正の間に、形成ダイ30の接触面上に刻印もしくはエンボス加工された特徴を含めることによって、独特な三次元特徴を追加し得る。このような特徴は、偽物のパッケージの検出、または、パッケージの美的外観を変更するための機構を提供する。
【0083】
同様に、パッケージの成形された部分の修正の間に、形成ダイ30の接触面上に転写可能な要素を含めることによって、転写可能な要素がプラスチックパッケージに加えられ得る。このような転写可能な要素(例えば、装飾的な粒子)は、パッケージの美的外観を変更し得る。転写可能な要素(例えば、無線周波数認証すなわちRFIDデバイス)はまた、偽物のパッケージの検出のための特徴を提供し得るか、または、個々のパッケージのより有効かつ効率的な追跡を可能にし得る。過去に、個々のパッケージの追跡は一般に、個々のパッケージに添付されたラベル上に印字された独特のバーコード識別記号を用いてなされた。しかしながら、バーコードラベルを用いた追跡は、適切なスキャンのために特定の容器の方位を必要とし得、さらなるプロセスの変数を導入する。
【0084】
図22Fは、本発明の装置10、10’、本発明の再形成機械100、および、本発明の方法が、プラスチックパッケージ上に外部特徴を圧縮形成するために使用され得ることを示す。このような外部特徴の1つの具体的な例は、スクリューキャップの内径にある対応するねじ山と嵌合するように適用された外部ねじ山である。外部特徴の別の例は、キャップの望ましくない取り外しを防ぐか、または少なくとも阻止するために一般に使用される、安全機構(例えば、ランプ、タブ、ラッチなど)である。本発明は、外部のねじ山について達成され得る寸法の公差を改善する。
【0085】
図22Gは、本発明の装置10、10’、本発明の再形成機械100、および、本発明の方法が、特定のブロー成形されたパッケージについて、内側に折り曲げられた注ぎ口を形成するために使用され得ることを示す。このような内側に折り曲げられた注ぎ口は、代表的に、滴下および漏れを最小限にするために、洗濯用洗浄剤の容器において使用される。図22Hは、本発明の装置10、10’、本発明の再形成機械100、および、本発明の方法が、真っ直ぐなネックを持つパッケージを角度のついたネックを持つパッケージへと再形成するために使用され得ることを示す。
【0086】
最後に、図22Iは、本発明の装置10、10’、本発明の再形成機械100、および、本発明の方法が、プラスチックパッケージの特定の領域を再形成するために使用され得ることを示す。示される具体的な例において、ブロー成形されたPET容器のプラスチックは、取っ手になるように処理されているのが示される。図22Iに示される用途は、ブロー成形されたPET素材に限定されない;むしろ、素材は、2段階の延伸−ブローされたPETであってもよく、さらにより一般的には、他のプラスチックであってもよい。
【0087】
図23は、上述の再形成機械100の実施形態のうちの2つの、6つの異なる容器口栓部への応用を示す図表である。容器50の口栓部としては、以下が挙げられる:(1)弾丸型、(2)目盛り付き、(3)平らなTSS、(4)HCAアセンブリ、(5)PETおよび(6)内側に折り曲げられた注ぎ口。HCAアセンブリを持つ容器50は、代表的に、製品を分配するためのディスペンサまたは注ぎ口特徴(pour feature)を有する。これらは代表的に、容器50へと取り付けられる必要がある射出成形部品である。取り付けは、部品が適切に合わさり、漏れないことを確実にするために、厳格な公差または特別な特徴を必要とする。本発明に従う再形成プロセスのうちの2つの主要な工程は、図23の図表の別々の列に列挙される。すなわち、(a)ワークピース支持体40上の円板48を用いるか、プレート102を用いるか、または、(必要に応じて)構成要素のいずれかを用いて、口栓部を加熱する工程;そして(b)形成ダイ30を用いて口栓部を冷却および形成する工程。
【0088】
口栓部のいくつかは、いくつかの型のワークピースを用いて再形成され得る。例えば、弾丸型の口栓部は、円板48を用いて(図23における1つの選択肢、すなわち、「OPT 1」)、そして、プレート102を用いて(図23における第二の選択肢、すなわち、「OPT 2」)、再形成され得る。
【0089】
他の口栓部は、好ましいワークピースを介した再形成に対してより受容力がある。例えば、目盛り付きの口栓部およびPETの口栓部は、円板48を介した再形成に対してより受容力がある。円板48はまた、内側に折り曲げられた注ぎ口の構成のようなオーダーメードの再形成プロジェクトに特によく適している(以下の詳細な検討を参照のこと)。一方で、平らなTSSの口栓部およびHCAアセンブリの口栓部は、プレート102を用いて再形成され得る。
【0090】
図24Bは、容器が本発明に従って再形成される前の弾丸型の容器の口栓部の拡大図であり、図24Aは、容器が本発明に従って再形成された後の同じ弾丸型の容器の口栓部の拡大図である。図25Bは、容器が本発明に従って再形成される前の、平らなTSSの容器の口栓部の拡大図であり、図25Aは、容器が本発明に従って再形成された後の同じ平らなTSSの容器の口栓部の拡大図である。図26Bは、容器が本発明に従って再形成される前の、目盛付きの容器の口栓部の拡大図であり、図26Aは、容器が本発明に従って再形成された後の同じ目盛付きの容器の口栓部の拡大図である。図27Bは、容器が本発明に従って再形成される前の、PETの容器の口栓部の拡大図であり、図27Aは、容器が本発明に従って再形成された後の同じPETの容器の口栓部の拡大図である。示される4つの場合の各々において、本発明の再形成プロセスは、再形成プロセスの適用前には口栓部に存在していた不連続部112を修正した。
【0091】
ここで、本発明に従う再形成技術の1つの特定の用途について検討する。この用途は、図22Gに示される注ぎ口のような、内側に曲げられた注ぎ口の形成である。3つの代替法にハイライトが置かれ、この各々がこの技術を使用している。
【0092】
第一および第二の代替法の両方において、プロセスは、容器50の上側部分52の口栓部を、スピントリムスタイルの仕上げに変えることによって開始する。図28は、このような仕上げを示しており、ハイライトボックス124を有する容器50が図28の右側に示され、そして、ハイライトボックス124内に含まれる上側部分52が、図28の左側に拡大される。この新しい仕上げは、上側部分52にフープ強度を追加し、トリミングタレット110によって適用される裁断機による切断の質の改善に役立つ。また、第一および第二の代替法の両方において、容器50は、トリミングタレット110を用いてトリミングされる。トリミング操作は、代表的に、不連続部112(図19、左側を参照のこと)のもととなる。
【0093】
この時点で、内側に折り曲げられた注ぎ口を形成するための、本発明に従う再形成技術の適用の最初の2つの代替法は分かれる。第一の代替法では、容器50の上側部分52は、誘導によって加熱されたワークピース(例えば、円板48)を、冷却された形成ダイ30と組み合わせて使用して、再形成される。この再形成プロセスの結果は、図19の右側に示される上側部分である。すなわち、不連続部112が修正されている。次に、内部にねじ山を設けられた廃液戻し型(drain back)の注ぎ口130は、図29に示されるように、別のデバイスを用いて上側部分52内に取り付けられる。
【0094】
第二の代替法において、容器50の上側部分52は、誘導によって加熱されたワークピース(例えば、円板48)を用いて柔らかくされる。しかしながら、冷却された形成ダイ30を適用するのではなく、上側部分52のプラスチックが柔らかい間に注ぎ口130が上側部分52の上に取り付けられる。この取り付け工程は図30Aに示される。このように、上側部分52の加熱と、注ぎ口130の取り付けとが、1つの機械を用いて完了され得る。この結果は図30Bに示され、不連続部112の修正が示されている。最初の2つの代替法の各々において、トリミング操作(これはしばしば品質の劣った切断の結果となる)の後に望ましくない不連続部112を形成する過剰の材料は、上側部分52と注ぎ口130との間で、容器50内に押し戻される。
【0095】
最後に、内側に折り曲げられた注ぎ口を形成するための、本発明に従う再形成技術の適用の第三の代替法について検討する。図31Aは、この代替法の第一工程を示し、ここでは、成形プロセスの間に注ぎ口130を容器50と一体的に形成する。第二の工程では、トリミングタレット110(または、別の従来のトリミング構成要素)が容器50から注ぎ口130を切断して、2つの別々の構成要素を作製する。この第二の工程は図31Bに示される。第三の代替法の第三の工程では、図31Cに示されるように、容器50の上側部分52を柔らかくするために、誘導加熱されたワークピース(例えば、円板48)が容器50に近接して配置される。第三の代替法の最終工程は、図31Dに示される:注ぎ口130は、カム作動される形成ダイ(図示されず)を用いて内側に折り曲げられる。
【0096】
本発明の装置10、10’、本発明の再形成機械100、および、本発明の方法に適した用途は、上に特定された具体的な用途に限定されない。実行可能な用途のいくつかは、非円形の仕上げ、オーダーメードの注ぎ口特徴、組み立てのために使用される特徴などである。実行可能な用途はまた、ブロー成形されたプラスチック容器に限定されない;むしろ、熱形成された容器、射出形成された容器、および圧縮形成された容器のようなあらゆる型のプラスチック容器を包含する。本発明の装置10、10’、本発明の再形成機械100、および、本発明の方法は、例えば、軽量の、熱形成、射出形成または圧縮形成されたカップに、ねじ山または切れ込みの特徴を配置するために使用され得る。これにより、自社の製造技術が代表的には、パッケージが有し得る形状および切れ込みの数を制限する会社に対して代替法を提供する。熱形成を再形成と組み合わせることによって、このような会社は、ブロー成形よりも低い新事業開設費用(設備)および製造費用でパッケージを製造し得る。
【0097】
特定の実施形態および例に関して上に説明および記述してきたが、そうは言っても、本発明は、示される細部に限定されることは意図されない。むしろ、請求の範囲の作用域および等価物の範囲内で、かつ、本発明の趣旨から逸脱することなく、細部において多様な改変がなされ得る。例えば、特に、本文書中で広く記載される範囲は全て、その範囲内に、より広い範囲に含まれる、あらゆるより狭い範囲を包含することが意図される。
(項目1)
プラスチックパッケージの一部分を誘導加熱を使用して再形成するための装置であって、該装置は、
該プラスチックパッケージを係合する枠;
導電性ワークピースを有するワークピース支持体;
交流電源を提供する誘導ワークヘッド;
該誘導ワークヘッドに接続され、そして該誘導ワークヘッドから交流電流を受け取る誘導素子であって、該誘導素子は、該ワークピース支持体の該ワークピースの近くに配置され、そして該ワークピースを誘導により加熱する、誘導素子;および
該加熱されたワークピースの近くで該プラスチックパッケージを配置する機構であって、その配置の結果、該ワークピースが該プラスチックパッケージの該部分に熱を移動させ、これによって該部分を軟化させる、機構、
を備える、装置。
(項目2)
上記枠に支持された形成ダイをさらに備え、該形成ダイは、上記軟化した部分を係合して該部分を再形成する、項目1に記載の装置。
(項目3)
冷剤を送達して上記形成されたダイを冷却する冷却システムをさらに備える、項目2に記載の装置。
(項目4)
上記プラスチックパッケージの再形成されるべき部分が、該プラスチックパッケージの口栓部である、項目1に記載の装置。
(項目5)
上記ワークピースが、ロッド、円板、および平プレートのうちの1つ以上を備える、項目1に記載の装置。
(項目6)
上記ワークピースが金属である、項目5に記載の装置。
(項目7)
マイクロプロセッサベースのデバイスをさらに備え、該マイクロプロセッサベースのデバイスが、上記装置の機能操作を制御する常駐ソフトウェアを実行する、項目1に記載の装置。
(項目8)
上記プラスチックパッケージを切断するためのトリミングタレットをさらに備える、項目1に記載の装置。
(項目9)
プラスチックパッケージの一部分を誘導加熱を使用して再形成するための連続動作機械であって、該再形成されるべき部分が、不連続性を有し、そして該機械が、
交流電源を提供する誘導ワークヘッド;
移動キャリアを有する静止枠;
該移動キャリア上に配置された複数の再形成ステーションであって、各再形成ステーションは、誘導により加熱され得るワークピースおよび形成ダイを有し、該再形成ステーションは、連続的な無限の閉ループ経路の周りを移動し、該経路は、
(a)該誘導ワークヘッドに接続された導入トラックにより規定される導入セクションであって、該導入トラックは、該誘導ワークヘッドから交流電流を受け取り、そして磁場を発生させ、該ワークピースが該導入トラックに沿って移動するときに、該磁場が誘導により該ワークピースを加熱する、導入セクション、
(b)加熱セクションであって、該加熱セクションにおいて、該加熱されたワークピースが該プラスチックパッケージの再形成されるべき部分の近くに位置し、そして該部分を加熱する、加熱セクション、
(c)再形成セクションであって、該再形成セクションにおいて、該形成ダイが該プラスチックパッケージの該加熱された部分を係合して、該不連続性を補正する、再形成セクション;および
(d)該機械から該再形成されたプラスチックパッケージを取り出す出口セクション、
を備える、再形成ステーション;
を備える、機械。
(項目10)
上記経路が楕円形である、項目9に記載の機械。
(項目11)
各再形成ステーションが、上記プラスチックパッケージを保持および解放するためのネッククランプ、および上記ワークピースが配置されるワークピース支持体をさらに有する、項目9に記載の機械。
(項目12)
上記導入トラックが1対の銅チュービング壁を有する、項目9に記載の機械。
(項目13)
冷剤を送達して上記導入トラックおよび上記形成ダイのうちの一方または両方を冷却する冷却システムをさらに備える、項目9に記載の機械。
(項目14)
上記プラスチックパッケージの再形成されるべき部分が、該プラスチックパッケージの口栓部である、項目9に記載の機械。
(項目15)
上記ワークピースが金属である、項目9に記載の機械。
(項目16)
マイクロプロセッサベースのデバイスをさらに備え、該マイクロプロセッサベースのデバイスは、上記機械の機能操作を制御する常駐ソフトウェアを実行する、項目9に記載の機械。
(項目17)
上記プラスチックパッケージを切断するためのトリミングタレットをさらに備える、項目9に記載の機械。
(項目18)
プラスチックパッケージの一部分を誘導加熱を使用して再形成するための方法であって、
(a)再形成されるべき部分に不連続性を有するプラスチックパッケージを提供する工程;
(b)誘導ワークヘッドを活性化させて、ワークピースの近くに配置された誘導素子に交流電流を送達する工程であって、これによって、該ワークピースを誘導によって加熱する、工程;
(c)該プラスチックパッケージを該加熱されたワークピースの近くに配置する工程であって、これによって、該ワークピースが該プラスチックパッケージの該部分に熱を移動させ、これによって該部分を軟化させる、工程;および
(d)該軟化した部分を形成ダイと係合させて該不連続性を補正する工程、
を包含する、方法。
(項目19)
上記プラスチックパッケージの再形成されるべき部分が、該プラスチックパッケージの口栓部である、項目18に記載の方法を使用して再形成されたプラスチックパッケージ。
(項目20)
上記プラスチックパッケージの再形成されるべき部分が、該プラスチックパッケージの口栓部であり、そして該口栓部が、弾丸型、目盛り付き、PET、平坦TSS、HCAアセンブリ、または内側に折り曲げられた注ぎ口である、項目18に記載の方法を使用して再形成されたプラスチックパッケージ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラスチックパッケージの一部分を誘導加熱を使用して再形成するための装置であって、該装置は、
該プラスチックパッケージを係合する枠;
導電性ワークピースを有するワークピース支持体であって、該ワークピースが少なくとも約1200°Fの温度を達成するように加熱される、ワークピース支持体;
交流電源を提供する誘導ワークヘッド;
該誘導ワークヘッドに接続され、そして該誘導ワークヘッドから交流電流を受け取る誘導素子であって、該誘導素子は、該ワークピース支持体の該ワークピースの近くに配置され、そして該ワークピースを誘導により該温度まで加熱する、誘導素子;
該加熱されたワークピースの近くで該プラスチックパッケージを配置する機構であって、その配置の結果、該ワークピースが該プラスチックパッケージの該部分に接触することなく該部分に熱を移動させ、これによって該部分を軟化させる、機構;および
冷却される形成ダイであって、該形成ダイは、該枠に支持され、そして該軟化した部分を係合して該部分を再形成する、冷却される形成ダイ、
を備える、装置。
【請求項2】
冷剤を送達して前記形成されたダイを冷却する冷却システムをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記プラスチックパッケージの再形成されるべき部分が、該プラスチックパッケージの口栓部である、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記ワークピースが、ロッド、円板、および平プレートのうちの1つ以上を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記ワークピースが金属である、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
マイクロプロセッサベースのデバイスをさらに備え、該マイクロプロセッサベースのデバイスが、前記装置の機能操作を制御する常駐ソフトウェアを実行する、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記プラスチックパッケージを切断するためのトリミングタレットをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
プラスチックパッケージの一部分を誘導加熱を使用して再形成するための連続動作機械であって、該再形成されるべき部分が、不連続性を有し、そして該機械が、
交流電源を提供する誘導ワークヘッド;
移動キャリアを有する静止枠;
該移動キャリア上に配置された複数の再形成ステーションであって、各再形成ステーションは、誘導により加熱されて少なくとも約1200°Fの温度に達し得るワークピース、および冷却される形成ダイを有し、該再形成ステーションは、連続的な無限の閉ループ経路の周りを移動し、該経路は、
(a)該誘導ワークヘッドに接続された導入トラックにより規定される導入セクションであって、該導入トラックは、該誘導ワークヘッドから交流電流を受け取り、そして磁場を発生させ、該ワークピースが該導入トラックに沿って移動するときに、該磁場が誘導により該温度まで該ワークピースを加熱する、導入セクション、
(b)加熱セクションであって、該加熱セクションにおいて、該加熱されたワークピースが該プラスチックパッケージの再形成されるべき部分の近くに位置し、そして該部分に接触せずに該部分を加熱する、加熱セクション、
(c)再形成セクションであって、該再形成セクションにおいて、該冷却される形成ダイが該プラスチックパッケージの該加熱された部分を係合して、該不連続性を補正する、再形成セクション;および
(d)該機械から該再形成されたプラスチックパッケージを取り出す出口セクション、
を備える、再形成ステーション;
を備える、機械。
【請求項9】
前記経路が楕円形である、請求項8に記載の機械。
【請求項10】
各再形成ステーションが、前記プラスチックパッケージを保持および解放するためのネッククランプ、および前記ワークピースが配置されるワークピース支持体をさらに有する、請求項8に記載の機械。
【請求項11】
前記導入トラックが1対の銅チュービング壁を有する、請求項8に記載の機械。
【請求項12】
冷剤を送達して前記導入トラックおよび前記形成ダイのうちの一方または両方を冷却する冷却システムをさらに備える、請求項8に記載の機械。
【請求項13】
前記プラスチックパッケージの再形成されるべき部分が、該プラスチックパッケージの口栓部である、請求項8に記載の機械。
【請求項14】
前記ワークピースが金属である、請求項8に記載の機械。
【請求項15】
マイクロプロセッサベースのデバイスをさらに備え、該マイクロプロセッサベースのデバイスは、前記機械の機能操作を制御する常駐ソフトウェアを実行する、請求項8に記載の機械。
【請求項16】
前記プラスチックパッケージを切断するためのトリミングタレットをさらに備える、請求項8に記載の機械。
【請求項17】
プラスチックパッケージの一部分を誘導加熱を使用して再形成するための方法であって、
(a)再形成されるべき部分に不連続性を有するプラスチックパッケージを提供する工程;
(b)誘導ワークヘッドを活性化させて、ワークピースの近くに配置された誘導素子に交流電流を送達する工程であって、これによって、該ワークピースを誘導によって加熱して、少なくとも約1200°Fの温度を達成させる、工程;
(c)該プラスチックパッケージを該加熱されたワークピースの近くに配置する工程であって、これによって、該ワークピースが該プラスチックパッケージの該部分に接触せずに該部分に熱を移動させ、これによって該部分を軟化させる、工程;および
(d)該軟化した部分を冷却される形成ダイと係合させて該不連続性を補正する工程、
を包含する、方法。
【請求項18】
前記プラスチックパッケージの再形成されるべき部分が、該プラスチックパッケージの口栓部である、請求項17に記載の方法を使用して再形成されたプラスチックパッケージ。
【請求項19】
前記プラスチックパッケージの再形成されるべき部分が、該プラスチックパッケージの口栓部であり、そして該口栓部が、弾丸型、目盛り付き、PET、平坦TSS、HCAアセンブリ、または内側に折り曲げられた注ぎ口である、請求項17に記載の方法を使用して再形成されたプラスチックパッケージ。
【請求項1】
プラスチックパッケージの一部分を誘導加熱を使用して再形成するための装置であって、該装置は、
該プラスチックパッケージを係合する枠;
導電性ワークピースを有するワークピース支持体であって、該ワークピースが少なくとも約1200°Fの温度を達成するように加熱される、ワークピース支持体;
交流電源を提供する誘導ワークヘッド;
該誘導ワークヘッドに接続され、そして該誘導ワークヘッドから交流電流を受け取る誘導素子であって、該誘導素子は、該ワークピース支持体の該ワークピースの近くに配置され、そして該ワークピースを誘導により該温度まで加熱する、誘導素子;
該加熱されたワークピースの近くで該プラスチックパッケージを配置する機構であって、その配置の結果、該ワークピースが該プラスチックパッケージの該部分に接触することなく該部分に熱を移動させ、これによって該部分を軟化させる、機構;および
冷却される形成ダイであって、該形成ダイは、該枠に支持され、そして該軟化した部分を係合して該部分を再形成する、冷却される形成ダイ、
を備える、装置。
【請求項2】
冷剤を送達して前記形成されたダイを冷却する冷却システムをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記プラスチックパッケージの再形成されるべき部分が、該プラスチックパッケージの口栓部である、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記ワークピースが、ロッド、円板、および平プレートのうちの1つ以上を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記ワークピースが金属である、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
マイクロプロセッサベースのデバイスをさらに備え、該マイクロプロセッサベースのデバイスが、前記装置の機能操作を制御する常駐ソフトウェアを実行する、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記プラスチックパッケージを切断するためのトリミングタレットをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
プラスチックパッケージの一部分を誘導加熱を使用して再形成するための連続動作機械であって、該再形成されるべき部分が、不連続性を有し、そして該機械が、
交流電源を提供する誘導ワークヘッド;
移動キャリアを有する静止枠;
該移動キャリア上に配置された複数の再形成ステーションであって、各再形成ステーションは、誘導により加熱されて少なくとも約1200°Fの温度に達し得るワークピース、および冷却される形成ダイを有し、該再形成ステーションは、連続的な無限の閉ループ経路の周りを移動し、該経路は、
(a)該誘導ワークヘッドに接続された導入トラックにより規定される導入セクションであって、該導入トラックは、該誘導ワークヘッドから交流電流を受け取り、そして磁場を発生させ、該ワークピースが該導入トラックに沿って移動するときに、該磁場が誘導により該温度まで該ワークピースを加熱する、導入セクション、
(b)加熱セクションであって、該加熱セクションにおいて、該加熱されたワークピースが該プラスチックパッケージの再形成されるべき部分の近くに位置し、そして該部分に接触せずに該部分を加熱する、加熱セクション、
(c)再形成セクションであって、該再形成セクションにおいて、該冷却される形成ダイが該プラスチックパッケージの該加熱された部分を係合して、該不連続性を補正する、再形成セクション;および
(d)該機械から該再形成されたプラスチックパッケージを取り出す出口セクション、
を備える、再形成ステーション;
を備える、機械。
【請求項9】
前記経路が楕円形である、請求項8に記載の機械。
【請求項10】
各再形成ステーションが、前記プラスチックパッケージを保持および解放するためのネッククランプ、および前記ワークピースが配置されるワークピース支持体をさらに有する、請求項8に記載の機械。
【請求項11】
前記導入トラックが1対の銅チュービング壁を有する、請求項8に記載の機械。
【請求項12】
冷剤を送達して前記導入トラックおよび前記形成ダイのうちの一方または両方を冷却する冷却システムをさらに備える、請求項8に記載の機械。
【請求項13】
前記プラスチックパッケージの再形成されるべき部分が、該プラスチックパッケージの口栓部である、請求項8に記載の機械。
【請求項14】
前記ワークピースが金属である、請求項8に記載の機械。
【請求項15】
マイクロプロセッサベースのデバイスをさらに備え、該マイクロプロセッサベースのデバイスは、前記機械の機能操作を制御する常駐ソフトウェアを実行する、請求項8に記載の機械。
【請求項16】
前記プラスチックパッケージを切断するためのトリミングタレットをさらに備える、請求項8に記載の機械。
【請求項17】
プラスチックパッケージの一部分を誘導加熱を使用して再形成するための方法であって、
(a)再形成されるべき部分に不連続性を有するプラスチックパッケージを提供する工程;
(b)誘導ワークヘッドを活性化させて、ワークピースの近くに配置された誘導素子に交流電流を送達する工程であって、これによって、該ワークピースを誘導によって加熱して、少なくとも約1200°Fの温度を達成させる、工程;
(c)該プラスチックパッケージを該加熱されたワークピースの近くに配置する工程であって、これによって、該ワークピースが該プラスチックパッケージの該部分に接触せずに該部分に熱を移動させ、これによって該部分を軟化させる、工程;および
(d)該軟化した部分を冷却される形成ダイと係合させて該不連続性を補正する工程、
を包含する、方法。
【請求項18】
前記プラスチックパッケージの再形成されるべき部分が、該プラスチックパッケージの口栓部である、請求項17に記載の方法を使用して再形成されたプラスチックパッケージ。
【請求項19】
前記プラスチックパッケージの再形成されるべき部分が、該プラスチックパッケージの口栓部であり、そして該口栓部が、弾丸型、目盛り付き、PET、平坦TSS、HCAアセンブリ、または内側に折り曲げられた注ぎ口である、請求項17に記載の方法を使用して再形成されたプラスチックパッケージ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18A】
【図18B】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24A】
【図24B】
【図25A】
【図25B】
【図26A】
【図26B】
【図27A】
【図27B】
【図28】
【図29】
【図30A】
【図30B】
【図31A】
【図31B】
【図31C】
【図31D】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18A】
【図18B】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24A】
【図24B】
【図25A】
【図25B】
【図26A】
【図26B】
【図27A】
【図27B】
【図28】
【図29】
【図30A】
【図30B】
【図31A】
【図31B】
【図31C】
【図31D】
【公表番号】特表2012−523328(P2012−523328A)
【公表日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−504776(P2012−504776)
【出願日】平成22年4月6日(2010.4.6)
【国際出願番号】PCT/US2010/030082
【国際公開番号】WO2010/118014
【国際公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【出願人】(502326130)グラハム パッケージング カンパニー,エル ピー (15)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月6日(2010.4.6)
【国際出願番号】PCT/US2010/030082
【国際公開番号】WO2010/118014
【国際公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【出願人】(502326130)グラハム パッケージング カンパニー,エル ピー (15)
【Fターム(参考)】
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